JP4217999B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車エンジン等の内燃機関から排出される排気ガスを浄化するための排気ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車エンジン等の排気管の途中には、排気ガスを浄化させるための排気ガス浄化装置(触媒コンバータ)が設けられている。このような浄化装置は、排気ガスの入口部および出口部と、これら入口部と出口部との間に設けられる触媒担体とを備えており、該触媒担体に十分な浄化性能を持たせるには、最も高速に流れる中心位置の排気ガスと触媒とが所定時間にわたり接触することが必要となる。その理由として、排気管に沿って流れる排気ガスは、中心位置ほど高速で排気管側ほど低速となる速度分布を持ち、浄化されると発熱膨張する特性を有しているからである。
【0003】
従来の排気ガス浄化装置としては、例えば、実開昭60−188812号に記載された構造がある。この従来例の構造は、排気ガスの流速が低い場合において効果を示すが、中速域になると出口部に近い部分の触媒担体の触媒が主に使われ、高速域では全体が使われるものの中心部で「吹き抜け」現象が起きてしまい、浄化率を上げることが難しい。これは、先に入口部に近い触媒担体のセルに排気ガスが流れ込むと、そこで浄化されて発熱膨張するため、排気ガスの流れは触媒担体の表面に沿って流れ、行き場を失って入口部から最も遠い(出口部に近い)触媒担体に流れ込んで浄化されるからである。
したがって、上述した従来例の構造では、触媒担体のうち、入口部から遠い(出口部に近い)部分のみが使用されるため、この部分の触媒の劣化が激しいと共に、触媒担体に掛かる熱応力も偏在しており、触媒の耐久性が著しく劣ってしまうという不具合を有していた。また、排気ガスの高速域では全体が使用されるようになるが、触媒担体の径に対して長さが短いため、排気ガスが十分浄化される前に触媒担体を通過するという「吹き抜け」現象が容易に起ってしまう。
【0004】
そこで、これらの欠点を解消すべく、中速域の改善には、例えば、実開昭61−97520号および実開昭61−123819号が提案され、高速域の改善には、例えば、実開昭63−69717号が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の浄化装置では、いずれも排気ガスの全ての流速に対して効果を得ることは困難であった。すなわち、実開昭61−97520号や実開昭61−123819号では、幅広い流速に対応させるために、ガイド板を設置したり、あるいは入口部を変形させたりしているが、このようにすると、設計が複雑になると共に、製作費が高価になってしまう欠点を生じ、さらにエンジン性能と浄化率とを両立させるには、より高度な設計および製作技術が必要になる。また、実開昭63−69717号では、触媒担体を非対称の特別な形状に形成しているが、このようにすると、触媒担体に熱応力が発生した時に非常に不利な構造となるが、仮にこれを克服できたとしても、非対称の特注品である触媒担体などの製造にはコストが嵩むと共に、ケースでの保持方法などに多額の費用が必要になるという不具合を有している。さらに、上述した従来の浄化装置のいずれも、「吹き抜け」現象を抑えるために、触媒担体のメッシュを上げる簡便な方法が採用されているが、この方法によると、エンジン性能を低下させてしまうおそれがあった。
【0006】
一方、このような「吹き抜け」現象を抑えるため、例えば、特開平6−264733号が提案されている。この従来例の複合型メタル担体の設置は、「吹き抜け」現象を抑えるのに有効な方法であり、圧損を少なくすると共に集中ガス流による触媒劣化を防止するなどの効果を上げているが、アイドリング時や低速運転時のような排気ガスの流速が低い時には、排気ガスの流量不足となって触媒担体が触媒の活性温度に達するのに時間が掛かってしまい、浄化することなく触媒担体を通過することになる。また、この従来例では、複数個の触媒担体を準備できるので、触媒担体のメッシュをいろいろ工夫して改善することも可能となるが、一時的には最もメッシュの小さい触媒担体に排気ガスを優先的に通すことができたとしても、浄化されて発熱および膨張すると、それまで排気ガスに触れないで冷えたままの次にメッシュの小さい触媒担体に排気ガスが流れ込むようになるので、上記と同様に浄化することなく触媒担体を通過してしまうことになる。しかも、複数個の触媒担体を準備した場合は、これらを収納する大きなケースが必要になり、これに浄化に伴う発熱に対する熱応力に耐えうるような保持方法を採用することを考慮すると、この従来例の技術における浄化装置も高価とならざるを得ないという問題があった。
【0007】
さらに、上述した従来例では、排気ガスの入口部および出口部の軸心が一致していないので、同時工程で接合を行うためには、6軸ロボットを2台準備しなければならず、過剰な設備投資が必要になる。また、別々の工程で連続して接合を行う場合も、工程時間が2倍となる他に、2機の回転装置も必要となるか、あるいは持ち替えの工数が余分に発生してしまい、生産性が低くなるという不具合を有していた。なお、将来規制の冷機時からの排気ガス測定に対応するため、チャンバ部に断熱材などを施す必要を生じるが、その時、従来例では、チャンバ部が大型になることから、断熱材料費が嵩むと共に、十分な断熱効果が得られないおそれがあった。
【0008】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、軸心の利用により各部の接合が容易となって生産性を高めることが可能となり、かつアイドリング時から全開運転時までの幅広い排気ガスの流速に対応でき、触媒担体全体の均一使用により耐久性を向上させると共に、触媒劣化を防止することが可能な排気ガス浄化装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明においては、排気ガスの入口部および出口部と、これら入口部と出口部との間に設けられるハニカム触媒担体とを備えた排気ガス浄化装置において、前記入口部と前記出口部との間にチャンバ部を設け、前記入口部および前記出口部の軸心を一致させると共に、前記ハニカム触媒担体を前記入口部および前記出口部の軸心とずらして前記チャンバ部内に配置する一方、前記ハニカム触媒担体を前記出口部に設けると共に、前記入口部側に向かって傾斜して配置し、前記ハニカム触媒担体の排気ガスの流入口を前記入口部側に臨んで配置している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1〜図3は、本発明に係る排気ガス浄化装置の第1実施形態を示している。四輪自動車のエンジン(図示せず)の後流側には、図1に示す如く、エンジンより排出された排気ガスを集めるエキゾーストマニホールド1が設置されており、該エキゾーストマニホールド1により集められた排気ガスは、フロントパイプ2を介して排気ガス浄化装置(触媒コンバータ)3に入り、該排気ガス浄化装置3により浄化され、その後、センタパイプ4、マフラ5およびテールパイプ6を通って大気に放出されるようになっている。
【0012】
上記排気ガス浄化装置3は、図2および図3に示す如く、エンジン側にフロントパイプ2を介して接続される排気ガス7の入口部8と、マフラ5側にセンタパイプ4を介して接続される排気ガス7の出口部9と、これら入口部8および出口部9の間に配設される触媒担体10とをそれぞれ備えており、入口部8と出口部9との間には、触媒担体10を収納配置するチャンバ部11が設けられている。
本実施形態の触媒担体10としては、例えば、ハニカム構造のメタル担体またはセラミックス担体のどちらを使用しても良い。
【0013】
本実施形態の排気ガス浄化装置3は、入口部8、出口部9および触媒担体10の相互の位置関係に特徴を有しており、入口部8および出口部9の軸心C1,C2は、互いに一致して配置されている。一方、触媒担体10の軸心C3は、入口部8および出口部9の軸心C1,C2と一致しないようにずらして配置されている。また、チャンバ部11は、フロントパイプ2およびセンタパイプ4の径よりも大径の円筒体を用いて形成されており、両端部分は入口部8および出口部9側へ向かって先細りする形状となっている。
【0014】
このため、上記触媒担体10は、出口部9側のチャンバ部11内に位置し、かつ先端部分をやや上方へ屈曲させているセンタパイプ4の先端開口部に外筒12を介して取付けられており、入口部8側に向かって斜め上方へ傾斜して配置されている。したがって、本実施形態では、触媒担体10を出口部9側に直付け溶接などで配置可能となるため、触媒担体10の保持作業を簡易に行える。また、本実施形態では、触媒担体10の排気ガス7の流入口が入口部8および出口部9の軸心C1,C2よりも上方位置で、入口部8側に臨んで配置されており、本実施形態の触媒担体10は、排気ガス7の流速に関係なく、通常使用の触媒担体と同様に働き、エンジン性能の低下を招かずに、排気ガス7の浄化効率を上げることが可能な構造となっている。
【0015】
ここで、本発明の第1実施形態に係る排気ガス浄化装置3の製造方法の具体例について説明する。
まず、触媒が担持された直径(φ)43×長さ(l)80mmの触媒担体(メタルハニカム)10を準備し、開先加工が施された排気ガス7の出口部9におけるセンタパイプ4と触媒担体10とを溶接で接合する。この時、出口部9の軸心C2と触媒担体10の軸心C3とが一致しないようにする。次いで、チャンバ部11の一方の半身と、入口部8側のフロントパイプ2および触媒担体10を溶接した出口部9側のセンタパイプ4をそれぞれ溶接治具にセットし、チャンバ部11の他方の半身を被せてチャンバ部11を溶接で接合する。
【0016】
そして、入口部8側に位置するフロントパイプ2および出口部9側に位置するセンタパイプ4の全体を、その軸心C1,C2を中心として回転させる。それと同時に、チャンバ部11とフロントパイプ2との接合位置、およびチャンバ部11とセンタパイプ4との接合位置に溶接機のトーチを当てる。この状態で、溶接治具を一回転させると、本実施形態の排気ガス浄化装置3が得られる(図2参照)。このため、本実施形態の排気ガス浄化装置3では、排気ガス7の入口部8および出口部9の軸心C1,C2を一致させたことにより、チャンバ部11との接合が同時工程で行えることになり、生産性が高められている。
【0017】
次に、本発明の第1実施形態に係る排気ガス浄化装置3の作用を、図4および図5で示す比較例と比べながら説明する。この比較例の排気ガス浄化装置53では、本実施形態の排気ガス浄化装置3と異なり、外筒と合わせて図示した触媒担体50の軸心が入口部51および出口部52の軸心と一致して配置されている。その他、比較例の排気ガス浄化装置53におけるフロントパイプ54、センタパイプ55、チャンバ部56、排気ガス57等は、本実施形態の排気ガス浄化装置3と同様である。
【0018】
このような比較例の排気ガス浄化装置53では、図示しないエンジンより排出された排気ガス57が図5中の矢印で示すように入口部51を通過してチャンバ部56内に入ると、チャンバ部56の壁面側の排気ガス57を拡散させながら、触媒担体50内に流れ込む。排気ガス57の流速は、入口部51の中心位置ほど高速であるため、触媒担体50内に流れ込む排気ガス57が最も流速の高いものであり、触媒による十分な浄化が行われる前に触媒担体50を通過してしまう吹き抜けが発生しやすく、浄化が不十分な状態で、排気ガス57は出口部52からセンタパイプ55等を経て大気に放出されることになる。
これを防ぐには、触媒担体50の比表面積を増やして、触媒と排気ガス57との接触時間を増加させる必要があり、触媒担体50のメッシュ(単位断面積当たりのセル数)を増加させるなどの方法が採られている。しかし、排気ガス57に対する触媒担体50の抵抗は、排気ガス57の流速の2乗に比例して増大するため、最も流速の高い排気ガス57が通過する触媒担体50のメッシュを増加させると、抵抗が一気に増大してエンジン性能の低下を招いてしまう結果となった。
【0019】
これに対して、本実施形態の排気ガス浄化装置3では、図示しないエンジンより排出された排気ガス7が図3中の矢印で示すように入口部8を経てチャンバ部11内に入るまでは比較例と同様に進む。しかし、チャンバ部11内の触媒担体10と接触する付近では、触媒担体10の軸心C3が入口部8および出口部9の軸心C1,C2とずれて配置されていることから、中心位置の最も流速の高い排気ガス7は、触媒担体10内に遮られて大きく旋回し、その流速を低下させてから触媒担体10内に流れ込む。
すなわち、排気ガス7は、チャンバ部11内で流速を平均化した後に触媒担体10内に流れ込むことになり、吹き抜けが発生しづらく、触媒による十分な浄化が行われる。また、より高い浄化を目標にして触媒担体10のメッシュを増加させる場合でも、排気ガス7の流速が平均化されていることから、触媒担体10の抵抗上昇が最小限で済むことになり、エンジン性能の低下を防ぐと共に、排気ガス7の浄化効率を容易に高めることが可能となる。
【0020】
このように構成された本発明の第1実施形態に係る排気ガス浄化装置3では、比較例の排気ガス浄化装置53に比較して、次の効果が得られる。
すなわち、本発明の第1実施形態の具体的な実施例においては、触媒担体10に(φ)43mm×(l)80mm×(♯)100のメタル担体を利用し、これにプラチナ・ロジウム触媒1g/L(Pt/Rh=5/1)を担持することにより、排気ガス浄化装置3とした。一方、比較例においては、実施例と全く同じメタル担体の触媒担体50を用い、該触媒担体50の軸心と入口部51および出口部52の軸心とを一致させたものを排気ガス浄化装置53とした。
次に、実施例および比較例のそれぞれの排気ガス浄化装置3,53を、660ccのエンジンで5速のミッションが搭載されている車両に交互に取付け、10−15モード走行をシャーシにて行い、その時の排気ガス量を測定して効果を確認した。その結果を下記の表1に掲載した。
【0021】
【表1】
【0022】
表1から、排気ガスの浄化率を示す総炭化水素(THC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)の排出量は、いずれも実施例の方が比較例よりも少なく、十分な浄化が行われていることが判る。また、エンジン性能を示す燃費については、2回とも実施例の方が比較例よりも良く、エンジン性能の低下が起きていないことが判る。
以上のことから、本実施形態の排気ガス浄化装置3を自動車エンジン等の排気系に適用すれば、エンジン性能の低下を招くことなく、排気ガス7の浄化効率を向上させることができる。
【0023】
図6は、本発明に係る排気ガス浄化装置の第2実施形態を示している。この第2実施形態の排気ガス浄化装置23が上記第1実施形態の排気ガス浄化装置3と異なるのは、邪魔板13がチャンバ部11内に設けられている点である。この邪魔板13は、入口部8を通過した排気ガス7が触媒担体10に直接流れ込むのを阻止するために設けられたものであり、入口部8付近のチャンバ部11の上部壁から斜め下方へ向かって延出して配置されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態の排気ガス浄化装置23によれば、入口部8を通過する排気ガス7の全体が邪魔板13に遮られ、チャンバ部11内を大きく旋回してその流速が平均化されるため、上記第1実施形態よりもさらに高い効果が得られる。
【0024】
図7は、本発明に係る排気ガス浄化装置の第3実施形態を示している。この第3実施形態の排気ガス浄化装置23aが上記第2実施形態の排気ガス浄化装置23と異なるのは、チャンバ部11内に設ける邪魔板13aが入口部8側に位置するフロントパイプ2の先端部を斜め下方へ屈曲させることにより形成されている点である。その他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
本実施形態の排気ガス浄化装置23aによれば、上記第2実施形態と同様の効果が得られる上、部品点数を削減できる。
【0025】
図8は、本発明に係る排気ガス浄化装置の第4実施形態を示している。この第4実施形態の排気ガス浄化装置23bが上記第2実施形態の排気ガス浄化装置23と異なるのは、チャンバ部11内に設ける邪魔板13bがチャンバ部11の上部壁から垂下して配置されている点である。その他の構成および効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0026】
図9は、本発明に係る排気ガス浄化装置の第5実施形態を示している。この第5実施形態の排気ガス浄化装置33が上記第1実施形態の排気ガス浄化装置3と異なるのは、ブラケット14を利用して浄化率の高い大径の触媒担体10aおよび外筒12aが保持されている点である。このため、ブラケット14の基端部は、溶接にて出口部9側のセンタパイプ4の外周面に接合され、その先端部はチャンバ部11内に突出して配置されており、触媒担体10aを支持する外筒12aは、溶接にてブラケット14の先端部に接合されている。その他の構成および効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0027】
図10は、本発明に係る排気ガス浄化装置の第6実施形態を示している。この第6実施形態の排気ガス浄化装置43が上記第5実施形態の排気ガス浄化装置33と異なるのは、軸心を基準として非対称形に形成したチャンバ部11aが設けられている点である。すなわち、チャンバ部11aは、より広い排気ガスの流速に対応させるべく、上半部分が下半部分よりも大きく拡大した円筒体を用いて形成されている。その他の構成および効果は、上記第5実施形態と同様である。
【0028】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、既述の実施形態では、入口部8側のフロントパイプ2および出口部9側のセンタパイプ4に丸パイプが用いられ、触媒担体10およびチャンバ部11が円筒体状に形成されているが、パイプの断面形状が楕円、三角形、四角形、多角形でも同様の効果が得られ、触媒担体10およびチャンバ部11として楕円体、直方体などの形状が異なっても、既述の実施形態と同様の配置にあれば、同様の効果が得られる。また、触媒担体10は、その軸心が入口部8および出口部9の軸心とずれて配置されていれば、斜め上方以外の斜め左右方向や斜め下方に配置することも可能である。
【0029】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係る排気ガス浄化装置は、排気ガスの入口部および出口部と、これら入口部と出口部との間に設けられるハニカム触媒担体とを備え、前記入口部と前記出口部との間にチャンバ部を設け、前記入口部および前記出口部の軸心を一致させると共に、前記ハニカム触媒担体を前記入口部および前記出口部の軸心とずらして前記チャンバ部内に配置する一方、前記ハニカム触媒担体を前記出口部に設けると共に、前記入口部側に向かって傾斜して配置し、前記ハニカム触媒担体の排気ガスの流入口を前記入口部側に臨んで配置しているので、軸心の利用により各部の回転動作が可能となって、各部を同時工程で容易に接合でき、生産性を高めることができると共に、排気系の設計の際に熱応力や公差の予測が簡単になる。
また、本発明の排気ガス浄化装置によれば、アイドリング時から全開運転時までの幅広い排気ガスの流速に対応させ、かつ排気ガスの流速を均一化して通過させると共に、ハニカム触媒担体の全体を均一に使用し得るので、エンジン性能を低下させることなく、排気ガスの浄化効率およびハニカム触媒担体の耐久性を向上させることができると共に、触媒劣化を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る排気ガス浄化装置が取付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る排気ガス浄化装置の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る排気ガス浄化装置内において、排気ガスの流れを説明する概念図である。
【図4】本発明の実施形態の比較例に係る排気ガス浄化装置の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図5】図4における排気ガス浄化装置内において、排気ガスの流れを説明する概念図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る排気ガス浄化装置内において、排気ガスの流れを説明する概念図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る排気ガス浄化装置の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る排気ガス浄化装置の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る排気ガス浄化装置の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図10】本発明の第6実施形態に係る排気ガス浄化装置の要部を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 フロントパイプ
3,23,33,43 排気ガス浄化装置
4 センタパイプ
7 排気ガス
8 入口部
9 出口部
10 触媒担体
11 チャンバ部
12 外筒
13 邪魔板
14 ブラケット
C1 入口部の軸心
C2 出口部の軸心
C3 触媒担体の軸心
Claims (3)
- 排気ガスの入口部および出口部と、これら入口部と出口部との間に設けられるハニカム触媒担体とを備えた排気ガス浄化装置において、前記入口部と前記出口部との間にチャンバ部を設け、前記入口部および前記出口部の軸心を一致させると共に、前記ハニカム触媒担体を前記入口部および前記出口部の軸心とずらして前記チャンバ部内に配置する一方、前記ハニカム触媒担体を前記出口部に設けると共に、前記入口部側に向かって傾斜して配置し、前記ハニカム触媒担体の排気ガスの流入口を前記入口部側に臨んで配置したことを特徴とする排気ガス浄化装置。
- 前記チャンバ部内には、前記入口部を通過した排気ガスが前記ハニカム触媒担体に直接流れ込むのを阻止する邪魔板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記チャンバ部は、軸心を基準として非対称形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
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