JP2000282855A - 鞍乗型車両の排気浄化装置 - Google Patents

鞍乗型車両の排気浄化装置

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JP2000282855A
JP2000282855A JP11085792A JP8579299A JP2000282855A JP 2000282855 A JP2000282855 A JP 2000282855A JP 11085792 A JP11085792 A JP 11085792A JP 8579299 A JP8579299 A JP 8579299A JP 2000282855 A JP2000282855 A JP 2000282855A
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exhaust
expansion chamber
exhaust gas
type vehicle
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Isao Morishita
勲 森下
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒の担持面積と排気との接触長さを十分確
保して高い排気浄化性能を得つつ、コストダウンを図る
ことができる鞍乗型車両の排気浄化装置を提供するこ
と。 【構成】 エンジン11の排気口から延びるエキゾース
トパイプ24に連なる膨張室25を排気の流れ方向に沿
って細長く形成するとともに、表面に触媒を担持して成
る管状の触媒部材を前記膨張室25内に配設して成る自
動二輪車(鞍乗型車両)1の排気浄化装置において、同
一径且つ同一長さの複数の触媒部材28−1,28−
2,28−3を排気の流れ方向に沿って直列に配設す
る。本発明によれば、同一径且つ同一長さの複数の触媒
部材28−1〜28−3を排気の流れ方向に沿って直列
に配設したため、部品の共通化を図ることができ、触媒
の担持面積と排気との接触長さを十分確保して高い排気
浄化性能を得つつ、コストダウンを図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンに接続さ
れたエキゾーストパイプに連なる膨張室に複数の管状の
触媒部材を配設して成る鞍乗型車両の排気浄化装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動二、三輪車、四輪バギー車等の鞍乗
型車両のエンジンから排出される排気中に含まれるC
O、HC、NOX 等の有害成分を除去して排気を浄化す
る排気浄化装置として、表面に触媒を担持して成る管状
の触媒部材をエキゾーストパイプに連なる膨張室内に配
設して成るものが知られている。ここで、触媒としては
Pt、Rh、Pd等を主成分とする貴金属触媒が用いら
れ、膨張室内を流れる排気中に含まれる前記CO、H
C、NOX 等の有害成分は貴金属触媒と反応して燃焼せ
しめられることによって除去され、これによって排気が
浄化される。
【0003】ところで、斯かる排気浄化装置については
今までに種々の提案がなされている。例えば、径が小さ
く長さの短い触媒部材と径が大きく長さの長い触媒部材
とを直列に配置したもの(特開平9−317452号、
特開平10−8946号、特開平10−30432号公
報参照)、複数の触媒部材を排気の流れ方向に沿って直
列に配置して触媒部材の触媒担持面積だけでなく、排気
との接触長さも確保したもの(特開平9−317452
号公報参照)、径の小さな触媒部材の一部を径の大きな
触媒部材の中に配置することによって触媒の担持面積を
確保しながら排気との接触長さを最大限確保したもの
(特開平10−8946号、特開平10−30432号
公報参照)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、触媒部材を
重ねて配置した構成では両触媒部材の軸線を同軸とする
必要があるため、触媒部材を湾曲した膨張室内に設置す
る場合には触媒の担持面積は確保されるが、触媒の排気
との接触長さを十分確保することができない可能性があ
る。
【0005】ところで、自動二輪車等の鞍乗型車両の排
気装置は性能部品及び外観部品であるため、エンジン性
能の向上や自動二輪車等の外観変更等によって膨張室の
取り回しや形状が変更されたり、モデルによって膨張室
の取り回しが全く異なる場合が多く、触媒の担持面積と
排気との接触長さを十分確保して高い排気浄化性能を得
るために触媒部材をその都度変更又は新作しなければな
らず、このことがコストアップの要因となっていた。特
に、従来の排気浄化装置は形状の異なる2種類の触媒部
材を採用していたため、一層のコストアップを招いてい
た。
【0006】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、触媒の担持面積と排気との接
触長さを十分確保して高い排気浄化性能を得つつ、コス
トダウンを図ることができる鞍乗型車両の排気浄化装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、エンジンの排気口から延び
るエキゾーストパイプに連なる膨張室を排気の流れ方向
に沿って細長く形成するとともに、表面に触媒を担持し
て成る管状の触媒部材を前記膨張室内に配設して成る鞍
乗型車両の排気浄化装置において、同一長さの複数の触
媒部材を排気の流れ方向に沿って直列に配設したことを
特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、エンジンの排気口
から延びるエキゾーストパイプに連なる膨張室を排気の
流れ方向に沿って細長く形成するとともに、表面に触媒
を担持して成る管状の触媒部材を前記膨張室内に配設し
て成る鞍乗型車両の排気浄化装置において、同一径の複
数の触媒部材を排気の流れ方向に沿って直列に配設した
ことを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、エンジンの排気口
から延びるエキゾーストパイプに連なる膨張室を排気の
流れ方向に沿って細長く形成するとともに、表面に触媒
を担持して成る管状の触媒部材を前記膨張室内に配設し
て成る鞍乗型車両の排気浄化装置において、同一径且つ
同一長さの複数の触媒部材を排気の流れ方向に沿って直
列に配設したことを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の発明において、3つの前記触媒部材を前記膨張
室内の前部から後部に亘って直列に配設したことを特徴
とする。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1〜3又は
4記載の発明において、前記膨張室を2分割された外筒
を接合して構成し、膨張室の大径部内に前記触媒部材の
一部を前記外筒の接合面に垂直な方向に並設したことを
特徴とする。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項1〜4又は
5記載の発明において、前記触媒部材をその軸心が前記
膨張室の中心線と交差するよう配置したことを特徴とす
る。
【0013】請求項7記載の発明は、請求項1〜5又は
6記載の発明において、前記触媒部材をその軸心が前記
膨張室の中心線に略一致するよう配置したことを特徴と
する。
【0014】従って、請求項1,2又は3記載の発明に
よれば、同一長さ又は同一径或は同一径且つ同一長さの
複数の触媒部材を排気の流れ方向に沿って直列に配設し
たため、部品の共通化を図ることができ、触媒の担持面
積と排気との接触長さを十分確保して高い排気浄化性能
を得つつ、コストダウンを図ることができる。又、膨張
室の長さや取り回しの異なる鞍乗型車両に対しては触媒
部材の数を変えることによって柔軟に対応することがで
きる。
【0015】請求項4記載の発明によれば、自動二輪車
等の鞍乗型車両の排気膨張室はクランク状若しくは略直
角に湾曲することが多いため、触媒部材を3つ使用する
ことによって殆どの鞍乗型車両において膨張室前部から
後部に亘って触媒部材を配設することができ、触媒の担
持面積と排気との接触長さを十分確保しつつ、コストダ
ウンを図ることができる。
【0016】請求項5記載の発明によれば、膨張室の大
径部内に触媒部材の一部を外筒の接合面に垂直な方向に
並設したため、排気管の断面略中央に触媒部材の全てを
配置したものに比べてコストアップを招くことなく触媒
の担持面積を十分確保することができる。
【0017】請求項6記載の発明によれば、触媒部材を
その軸心が膨張室の中心線と交差するよう配置したた
め、コストアップを招くことなく触媒の排気との接触長
さを十分確保することができる。
【0018】請求項7記載の発明によれば、触媒部材を
その軸心が膨張室の中心線に略一致するよう配置したた
め、コストアップを招くことなく触媒の担持面積と排気
との接触長さを十分確保することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0020】図1は本発明に係る排気浄化装置を備える
自動二輪車の側面図、図2は同自動二輪車の排気装置部
分の平面図、図3は同排気装置部分の破断側面図、図4
は触媒部材の斜視図、図5は図3のA−A線拡大断面
図、図6は図3のB−B線拡大断面図、図7は図3のC
−C線拡大断面図、図8は図5の矢視D方向の図であ
る。
【0021】先ず、図1に示す自動二輪車1の概略構成
について説明する。
【0022】図1に示す自動二輪車1において、2は車
体前方上部に位置するヘッドパイプであり、該ヘッドパ
イプ2内にはステアリング軸3が回動自在に挿通してい
る。そして、このステアリング軸3には上下のブラケッ
ト4,5を介して左右一対のフロントフォーク6の上部
が取り付けられるとともに、ハンドル7が取り付けられ
ており、フロントフォーク6の下端部には前輪8が回転
自在に軸支されている。
【0023】一方、前記ヘッドパイプ2からは左右一対
のメインフレーム9とダウンチューブ10が車体後方に
向かって斜め下方に傾斜して延設されており、両者によ
って囲まれる空間内には水冷2サイクル単気筒エンジン
11が配設されている。
【0024】そして、上記エンジン11の上方には燃料
タンク12が配され、該燃料タンク12の後方にはシー
ト13が配設されており、エンジン11の前方上部には
ラジエータ14がダウンチューブ10に取り付けられて
配置されている。
【0025】又、前記メインフレーム9の後端下部には
リヤアームブラケット15が溶着されており、該リヤア
ームブラケット15にはリヤアーム16の前端がピボッ
ト軸17によって上下に揺動自在に枢着されている。そ
して、リヤアーム16の後端には後輪18が回転自在に
軸支されており、これらのリヤアーム16と後輪18は
不図示のリヤクッションを介して車体側に懸架されてい
る。尚、後輪18に取り付けられたホイールスプロケッ
ト19と前記エンジン11の出力軸端に結着された不図
示のドライブスプロケットとの間には無端状のチェーン
20が巻装されている。
【0026】他方、車体の前後方向略中央部であって、
前記エンジン11の後部上方にはエアクリーナ21が配
設されており、該エアクリーナ21の下部から車体前方
へ延出する吸気管22はエンジン11の吸気口に接続さ
れ、その途中にはキャブレタ23が設けられている。
【0027】又、エンジン11の排気口には排気装置を
構成するエキゾーストパイプ24とこれに連なる膨張室
25及びマフラー26が接続されており、マフラー26
の後端からは小径のテイルパイプ27が延出している。
【0028】上記エキゾーストパイプ24はエンジン1
1の排気口から車体前方に向かって斜め下方に延出して
おり、これに連なる前記膨張室25は略U字状に折り曲
げられて車体後方へ延び、該膨張室25は、車体後方に
向かって拡径するダイバージェントコーン部25Aと略
同径のストレート部25B及び車体後方に向かって縮径
するコンバージェントコーン部25Cとで平面視クラン
ク状に構成されており(図2参照)、その内部には本発
明に係る排気浄化装置を構成する同一径且つ同一長さの
管状の触媒部材28−1,28−2,28−3が排気の
流れ方向(車体前後方向)に沿って適当な間隔で直列に
配設されている。
【0029】ここで、最前部の触媒部材28−1の構成
を図4に示すが、同図に示すように該触媒部材28−1
はSUS製の管状パンチングメタルで構成され、その内
外表面にはPt,Rh,Pd等を主成分とする貴金属触
媒が担持され、その左右には一対の取付部材29a,2
9bが溶着されている。尚、他の中央の触媒部材28−
2及び最後部の触媒部材28−3も同様に構成されてお
り、前述のように3つの触媒部材28−1,28−2,
28−3の径と長さは全て同一に設定されている。
【0030】而して、3つの触媒部材28−1,28−
2,28−3は図3に示すように各軸心が側面視で膨張
室25の中心線Xに略一致するように膨張室25の前部
から後部に亘って配置されており、又、中央の触媒部材
28−2は図2に示すようにその軸心Zが平面視で膨張
室25の中心線Xと交差するよう斜めに配置されてい
る。
【0031】ところで、図5〜図7に示すように、膨張
室25は左右に2分割された断面半リング状の外筒25
a,25bを接合一体化して筒状に成形されるが、図2
に示すように、該膨張室25の大径部(図示例ではダイ
バードェントコーン部25Aとストレート部25Bとの
接合部分)において中央の触媒部材28−2の後端部と
最後部の触媒部材28−3の前端部とが左右方向(外筒
25a,25bの接合面Yに垂直な方向)に並設されて
いる。
【0032】而して、各触媒部材28−1〜28−3は
図5〜図7に示す取付構造によって膨張室25内の所定
位置に取付支持されている。
【0033】即ち、最前部の触媒部材28−1はSUS
板を屈曲成形して得られる左右一対の前記取付部材29
a,29bを介して膨張室25内の所定位置に取り付け
られる。
【0034】ここで、各支持部材29a,29bは、図
4及び図5に示すように、触媒部材28−1の外周に嵌
合する円弧曲面部29a−1,29b−1を中間部に有
し、その上下には外側に向かってS字状に折り曲げられ
たフランジ部29a−2,29b−2が形成されてお
り、各フランジ部29a−2,29b−2の外周面は膨
張室25の内周面に沿って円弧曲面状に成形されてい
る。
【0035】そして、各支持部材29a,29bの円弧
曲面部29a−1,29b−1には上下方向に長い溶接
溝29c(図4参照)が形成されており、又、図4及び
図8に示すように、膨張室25を構成する左右の外筒2
5a,25bの上下(支持部材29a,29bの各フラ
ンジ部29a−2,29b−2が溶接されるべき部分)
には前後方向に長い溶接溝25cがそれぞれ形成されて
いる。
【0036】而して、触媒部材28−1は以下の要領で
膨張室25の内部に取り付けられる。
【0037】即ち、図4に示すように、左右の支持部材
29a,29bの円弧曲面部29a−1,29b−1を
触媒部材28−1の長さ方向中央部の外周に嵌め込んだ
状態で、各円弧曲面部29a−1,29b−1に形成さ
れた溶接溝29c部分を溶接して両支持部材29a,2
9bを触媒部材28−1の左右に取り付ける。
【0038】次に、一方の支持部材29aを一方の外筒
25aの内周面に溶着する。具体的には、一方の支持部
材29aの上下のフランジ部29a−2を外筒25aの
内周面に押し当て、外筒25aに形成された前記溶接溝
25cを介して外筒25aの外側から溶接を行うことに
よって支持部材29aを一方の外筒25aに溶着する。
すると、この支持部材29aとこれに一体化された触媒
部材28−1と他方の支持部材29bも外筒に固定支持
される。
【0039】その後、上記外筒25aに他方の外筒25
bを合わせて両外筒25a,25bの接合部を溶接する
ことによって膨張室25を形成する。すると、他方の支
持部材29bの上下のフランジ部29b−2は外筒25
bの内周面に密着するため、外筒25bに形成された溶
接溝25cを介して該外筒25bの外側から支持部材2
9bのフランジ部29b−2を溶接すれば支持部材29
bは外筒25bに溶着され、従って、触媒部材28−1
は両支持部材29a,29bを介して膨張室25内の所
定位置に取付支持される。
【0040】又、他の触媒部材28−2,28−3も上
記と同様にして膨張室25内の所定位置に取付支持され
る。即ち、中央の触媒部材28−2は図6に示すように
左右の支持部材30a,30bを介して、又、最後部の
触媒部材28−3は図7に示すように左右の支持部材3
1a,31bを介してそれぞれ膨張室25内の所定位置
に取付支持される。
【0041】ところで、本実施の形態に係る自動二輪車
1には排気浄化装置での酸化効率(排気に含まれる有害
成分の燃焼効率)を高めるための2次空気供給装置が設
けられている。
【0042】即ち、図1に示すように、前記エアクリー
ナ21の下部からは可撓性ホース32が車体前方に向か
って立ち上げられて導出しており、その先部には2次空
気の逆流防止用のリードバルブ33が取り付けられてい
る。そして、リードバルブ33からは別の可撓性ホース
34が導出しており、この可撓性ホース34の先部には
鉄パイプ35が接続されている。この鉄パイプ35はエ
ンジン11の側方を取り回され、その端部は膨張室25
のエキゾーストパイプ24に近い前端小径部に接続され
ている。
【0043】而して、エンジン11の排気口から排出さ
れる排気はエキゾーストパイプ24を通って膨張室25
に導入され、該膨張室25内に直列に配設された3つの
触媒部材28−1〜28−3を順次通過する。そして、
排気が触媒部材28−1〜28−3を通過する際、該排
気に含まれるCO、HC、NOX 等の有害成分が各触媒
部材28−1〜28−3の内外表面に担持された貴金属
触媒と反応して燃焼せしめられるために排気が浄化され
る。このとき、エアクリーナ21からは2次空気が可撓
性ホース32、リードバルブ33、可撓性ホース34及
び鉄パイプ35を通って膨張室25内の排気浄化装置の
上流に供給されるため、排気に含まれる有害成分の排気
浄化装置での燃焼が2次空気によって促進され、この結
果、排気浄化装置での排気の浄化効率が高められる。
尚、2次空気の供給位置を排気浄化装置に近づけ過ぎる
と触媒が2次空気によって冷却されてその温度が活性温
度に達しないため、本実施の形態では、排気浄化装置か
ら十分離れたエキゾーストパイプ24に近い位置から2
次空気を供給するようにしている。又、本実施の形態で
は、2次空気の供給経路の一部に可撓性ホース32,3
4を用いたため、排気熱及びエンジン振動の伝播がこれ
らの可撓性ホース32,34によって遮断される。そし
て、鉄パイプ35は走行風によって効果的に冷却され
る。
【0044】上述のように排気浄化装置を構成する3つ
の触媒部材28−1〜28−3を通過することによって
浄化された排気は、膨張室25からマフラー26に導入
され、マフラー26において消音された後にテイルパイ
プ27から大気中に排出される。
【0045】以上において、本実施の形態では、膨張室
25内に同一径且つ同一長さの3つの触媒部材28−1
〜28−3を排気の流れ方向に沿って直列に配設したた
め、部品の共通化を図ることができ、触媒の担持面積と
排気との接触長さを十分確保して高い排気浄化性能を得
つつ、コストダウンを図ることができる。
【0046】ところで、自動二輪車の排気浄化装置にお
いては、通常、製造工程を簡略化してコストダウンを図
るため、触媒部材に固着されて上下方向に延びる支持部
材を膨張室を構成する左右の外筒の間に挟み込む構成が
採用されている。
【0047】これに対して、本実施の形態では膨張室2
5の大径部内に中央の触媒部材28−2の後端部と最後
部の触媒部材28−3の前端部とが左右方向(外筒25
a,25bの接合面Yに垂直な方向)に並設する構成を
採用したため、コストアップを招くことなく触媒の担持
面積を十分確保することができる。因に、両触媒部材2
8−2,28−3を上下方向(外筒25a,25bの接
合面Y方向)に並設した場合には、両触媒部材28−
2,28−3を支持するための支持部材30a,30b
及び31a,31bの向きを左右方向に変更する必要が
あるために製造工程を変えなければならない場合があ
り、コストアップを招いてしまう。
【0048】又、本実施の形態では、3つの触媒部材2
8−1〜28−3をその軸心が側面視で膨張室25の中
心線Xに略一致するよう配置するとともに、中央の触媒
部材28−2をその軸心Zが平面視で膨張室25の中心
線Xと交差するよう斜めに配置したため、該触媒部材2
8−2とこれの前後の触媒部材28−1,28−3の一
部を並設することができ、触媒の担持面積と排気との接
触長さを十分確保することができる。
【0049】ところで、一般に自動二輪車等の鞍乗型車
両の排気膨張室はクランク状若しくは略直角に湾曲する
ことが多いため、本実施の形態のように触媒部材を3つ
使用することによって殆どの鞍乗型車両において膨張室
前部から後部に亘って触媒部材を配設することができ、
触媒の担持面積と排気との接触長さを十分確保しつつ、
コストダウンを図ることができる。例えば、図9に示す
ように上方に立ち上げられた排気膨張室25を備える自
動二輪車1においても、排気膨張室25内に同一径且つ
同一長さの3つの触媒部材28−1,28−2,28−
3を排気の流れ方向に沿って直列に配設することによっ
て前記と同様の効果を得ることができる。
【0050】尚、膨張室の長さや取り回しの異なる鞍乗
型車両に対しては触媒部材の数を変えることによって柔
軟に対応することができる。
【0051】ところで、以上は本発明を特に自動二輪車
に対して適用した場合について説明したが、本発明は他
の任意の鞍乗型車両の排気浄化装置に対しても同様に適
用することができる。
【0052】又、以上の実施の形態では同一径且つ同一
長さの複数(3つ)の触媒部材を直列に配設したが、同
一径又は同一長さの複数の触媒部材を直列に配設しても
良い。
【0053】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、エンジンの排気口から延びるエキゾーストパイ
プに連なる膨張室を排気の流れ方向に沿って細長く形成
するとともに、表面に触媒を担持して成る管状の触媒部
材を前記膨張室内に配設して成る鞍乗型車両の排気浄化
装置において、同一長さ又は同一径或は同一径且つ同一
長さの複数の触媒部材を排気の流れ方向に沿って直列に
配設したため、触媒の担持面積と排気との接触長さを十
分確保して高い排気浄化性能を得つつ、排気浄化装置の
コストダウンを図ることができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気浄化装置を備える自動二輪車
の側面図である。
【図2】本発明に係る排気浄化装置を備える自動二輪車
の排気装置部分の平面図である。
【図3】本発明に係る排気浄化装置を備える自動二輪車
の排気装置部分の破断側面図である。
【図4】本発明に係る排気浄化装置を構成する触媒部材
の斜視図である。
【図5】図3のA−A線拡大断面図である。
【図6】図3のB−B線拡大断面図である。
【図7】図3のC−C線拡大断面図である。
【図8】図5の矢視D方向の図である。
【図9】本発明の他の適用例を示す自動二輪車の側面図
である。
【符号の説明】
1 自動二輪車 24 エキゾーストパイプ 25 膨張室 25a,25b 外筒 28−1〜28−3 触媒部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気口から延びるエキゾース
    トパイプに連なる膨張室を排気の流れ方向に沿って細長
    く形成するとともに、表面に触媒を担持して成る管状の
    触媒部材を前記膨張室内に配設して成る鞍乗型車両の排
    気浄化装置において、 同一長さの複数の触媒部材を排気の流れ方向に沿って直
    列に配設したことを特徴とする鞍乗型車両の排気浄化装
    置。
  2. 【請求項2】 エンジンの排気口から延びるエキゾース
    トパイプに連なる膨張室を排気の流れ方向に沿って細長
    く形成するとともに、表面に触媒を担持して成る管状の
    触媒部材を前記膨張室内に配設して成る鞍乗型車両の排
    気浄化装置において、 同一径の複数の触媒部材を排気の流れ方向に沿って直列
    に配設したことを特徴とする鞍乗型車両の排気浄化装
    置。
  3. 【請求項3】 エンジンの排気口から延びるエキゾース
    トパイプに連なる膨張室を排気の流れ方向に沿って細長
    く形成するとともに、表面に触媒を担持して成る管状の
    触媒部材を前記膨張室内に配設して成る鞍乗型車両の排
    気浄化装置において、 同一径且つ同一長さの複数の触媒部材を排気の流れ方向
    に沿って直列に配設したことを特徴とする鞍乗型車両の
    排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 3つの前記触媒部材を前記膨張室内の前
    部から後部に亘って直列に配設したことを特徴とする請
    求項1,2又は3記載の鞍乗型車両の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記膨張室を2分割された外筒を接合し
    て構成し、膨張室の大径部内に前記触媒部材の一部を前
    記外筒の接合面に垂直な方向に並設したことを特徴とす
    る請求項1〜3又は4記載の鞍乗型車両の排気浄化装
    置。
  6. 【請求項6】 前記触媒部材をその軸心が前記膨張室の
    中心線と交差するよう配置したことを特徴とする請求項
    1〜4又は5記載の鞍乗型車両の排気浄化装置。
  7. 【請求項7】 前記触媒部材をその軸心が前記膨張室の
    中心線に略一致するよう配置したことを特徴とする請求
    項1〜5又は6記載の鞍乗型車両の排気浄化装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008144613A (ja) * 2006-12-06 2008-06-26 Yamaha Motor Co Ltd 鞍乗り型車両
JP2008180117A (ja) * 2007-01-23 2008-08-07 Sakura Kogyo Kk 内燃機関用排気ガス浄化装置
JP2010269725A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Honda Motor Co Ltd 自動二輪車
JP2017172487A (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 株式会社豊田自動織機 排気浄化装置取付構造

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