JPH1129411A - 農園芸用殺虫殺菌剤組成物 - Google Patents
農園芸用殺虫殺菌剤組成物Info
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- JPH1129411A JPH1129411A JP9200947A JP20094797A JPH1129411A JP H1129411 A JPH1129411 A JP H1129411A JP 9200947 A JP9200947 A JP 9200947A JP 20094797 A JP20094797 A JP 20094797A JP H1129411 A JPH1129411 A JP H1129411A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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Abstract
農作物に安全でかつ無毒性ないしは低毒性で自然環境に
負担がかからない農園芸用殺虫殺菌剤組成物の提供。 【解決手段】 炭素数8〜10の中鎖脂肪酸トリグリセ
ライド0.1〜90部を有効成分とし、界面活性剤に必
要に応じ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの
いづれかを用いる農園芸用殺虫殺菌剤用組成物。 【効果】 各種作物殺菌剤として、薬害がなく(イチ
ゴ、トマト、キュウリ)、うどんこ病(キュウリ、トマ
ト)ならびに殺虫剤としてワタアブラムシ(ナス)、ナ
ミハダニ(ナス)、チャノホコリダニ(チャ)、マメハ
モグリバエ(インゲン)、ミナミキイロアザミウマ(ナ
ス)、オンシツコナジラミ(キュウリ)に対し、既存の
殺菌剤、殺虫剤より優れた殺菌および殺虫効果を示し
た。
Description
中鎖脂肪酸トリグリセライドを有効成分として含有する
野菜、果樹、花き類等の殺虫殺菌剤に関するものであ
る。より具体的には、殺菌剤としては野菜、花き類に発
生するうどんこ病に関するものであり、殺虫剤としては
野菜、果樹、花き類等を加害するハダニ類、ホコリダニ
類、アブラムシ類、ハモグリバエ類、アザミウマ類、コ
ナジラミ類等の害虫防除剤に関するものである。
する要因として病害虫の防除は最も重要なものの一つと
して位置づけられており、多種多様の病害虫の防除に対
応するため、数多くの薬剤が開発され国内外で有効に利
用されているのが現状である。現在、農作物の病害虫防
除剤として代表される薬剤は、殺菌剤としてはベンゾイ
ミダゾール系、抗生物質、エルゴステロール生合成阻害
剤など、殺虫剤では有機リン系、カーバメート系、合成
ピレスロイド系、昆虫成長制御剤(IGR)などに代表
される合成農薬がある。これらは防除法が手軽で、経済
性に優れ、的確に防除効果が得られるため、長年広く利
用されてきた。
様化などにより、農薬の使用回数が増加する傾向にあ
る。この弊害として、同一系統の農薬の連続散布によ
り、病害虫の薬剤抵抗性の出現が深刻な問題になってき
ている。また消費者からは安全性の高い農作物の生産が
望まれており、病害虫防除に当たっては、薬剤の種類や
使用方法に様々に制約が設けられているのが現状であ
る。後述の本発明に係る植物油を有効成分とする殺虫殺
菌剤の関する先行技術としては、特開昭53−4753
2号、特開昭56−8208号、特開昭56−1409
11号がある。しかし、それらは単に植物油単独、或い
は、動物油・燐脂質との組み合わせによる殺菌効果、殺
ダニ効果を述べたものであり、炭素数8〜10の中鎖脂
肪酸トリグリセライドの効果について言及したものでは
ない。
の農園芸作物の病害虫防除剤としては、多種多様の薬剤
が開発され国内外で有効に利用されているが、いずれも
動物や人体に対して何らかの害を及ぼし、自然環境に対
する影響も見逃すことができず、社会問題の一つとして
取り上げられている。近年、病害虫防除の徹底が進むな
か、イソミズゾウムシ、オンシツコナジラミ、マメハモ
グリバエなどの侵入害虫の発生や、今日まであまり問題
にならなかったアブラムシ類、アザミウマ類、ホコリダ
ニ類の被害が多くなり、重要な防除対象害虫となってき
た。一方、ハダニ類、うどんこ病などでは薬剤抵抗性が
発現し、十分な防除効果が得られず問題となっている。
上述のように農園芸作物の病害虫防除剤として様々な問
題点が浮き彫りになっているなか、適用範囲が広く、薬
剤抵抗性の心配がなく、農作物に安全でかつ無毒性ない
しは低毒性で自然環境に負担のかからない薬剤が強く要
望されてきている。本発明者等は、かかる観点から鋭意
検討した結果、植物体、特にヤシ油等から抽出された中
鎖脂肪酸のトリグリセライドが諸病害虫に対し優れた防
除効果を示すことを知見し、この知見に基づいて本発明
を完成した。以上の記述から明らかなように、本発明の
目的は、上述のような問題点のない農園芸用殺虫殺菌剤
を提供することである。
(2)(3)の構成を有する。
リセライドを有効成分とすることを特徴とする農園芸用
殺虫殺菌剤。
て、植物油より直接抽出精製された天然物およびヤシ油
より抽出された脂肪酸より合成された植物油脂0.1〜
90重量%と99.9〜10重量%の添加剤からなる農
園芸用殺虫殺菌剤組成物。
リセライドを有効成分とする組成物に更に界面活性剤と
して脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのいづ
れか一以上を用いたことを特徴とする農園芸用殺虫殺菌
剤組成物。前記(1)、(2)および(3)に示される
農園芸用殺虫殺菌剤は散布時に水希釈して使用するため
各種の界面活性剤を加用し、乳剤、油剤、水和剤等にす
ることが望ましい。(3)のものは乳剤型が最も望まし
い。
る。本発明に使用されている中鎖脂肪酸トリグリセライ
ドは、天然に存在する物質であり、無味無臭の特性を有
することから、食用油脂、食品製造機械の潤滑油、医薬
品用製品、化粧品の添加剤として広く使われている。し
かしながら公知技術として一般的な植物油の病害虫防除
への利用があるが、純粋な中鎖脂肪酸トリグリセライド
のみの利用は皆無である。また脂肪酸トリグリセライド
は部分的に加水分解されて、モノグリセライド、ジグリ
セライドが形成される。これらの含有物の中で脂肪酸、
高級アルコール、脂肪酸モノグリセライドには抗菌活性
が認められている。しかし脂肪酸ジグリセライドの抗菌
活性はなく、さらに脂肪酸トリグリセライドの抗菌活性
に関する報告は皆無であり、本発明が最初のものであ
る。なお、また、炭素数6以下の低級脂肪酸のトリグリ
セライド若しくは炭素数12以上の長鎖脂肪酸のトリグ
リセライドは、本発明に使用される中鎖脂肪酸のトリグ
リセライドと異り、殺菌、殺虫効果が全くない。この理
由は、不明であるが、本発明に使用する中鎖脂肪酸トリ
グリセライドは、病害菌の皮膜または有害虫の皮膚に対
して格別な浸透力を有し、菌体内又は虫体内に浸透後
は、体液のバランスを破壊して死滅に至らしめるのでは
ないかと推察される。
害虫防除剤として適用する場合は、単剤でも有効である
が、好ましくは適当な界面活性剤、担体と混合すること
によって、乳剤、油剤、水和剤等の剤型にすることがで
きる。活性成分の製剤中の配合比は0.1〜90重量%
程度が必要であり、残りの99.9〜10重量%は後述
の各種添加剤からなる。そして使用目的によってはこれ
らの濃度を適宜増減してもよい。また使用する界面活性
剤によっては作物に対し厳しい薬害が発生する懸念があ
るが、脂肪酸エステル系活性剤、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル系活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル系活性剤のいづれかを好ましくは2〜4種
配合したものでは、作物に対する薬害が認められなかっ
た。すなわち前記の界面活性剤を配合することにより、
中鎖脂肪酸トリグリセライドの本発明に係る農園芸用殺
虫殺菌剤組成物の製品化が初めて可能となった。尚、本
発明の農園芸用殺虫殺菌剤組成物は、他の添加剤の全部
もしくは一部として殺虫剤、殺菌剤、除草剤、生育調整
剤、肥料物質、土壌改良剤等と適宜混合できる。本発明
に係る中鎖脂肪酸トリグリセライドは植物油より直接抽
出精製された天然物とヤシ油より抽出された炭素数8な
らびに10の脂肪酸より工業的に合成されたもので、後
者は天然物そのものではない。しかし用途として食品油
脂、医薬品用製品、化粧品の添加剤として広く利用実績
があり、安全性には何ら問題のないものを使用できる。
また、本発明の実施に当たっては、1種類の中鎖脂肪酸
トリグリセライドを単独で使用してもよいが、2種以上
使用してもよく配合割合も限定されない。本発明の有効
成分は、安価で大量に入手しやすく、長期保存における
植物油のような変質及び品質低下の心配がない。さらに
人畜に対する安全性が高く、取り扱いにあたっては従来
の防除剤のように細心の注意を払う必要もない。また、
残留毒性による環境汚染の懸念が全くないという特徴も
期待できる。本発明の農園芸用殺虫殺菌剤組成物(以下
本発明の薬剤ということがある)の製造法は、上述の中
鎖脂肪酸トリグリセライドと他の添加剤(例えば、水と
界面活性剤)とも所定の比率で所定の混合器中で所定の
混合条件(温度、時間、攪拌又は振とうなど混合力の強
さ)で混合することにより実施される。混合器として
は、限定されず、槽型又は筒状の攪拌機付混合器が使用
し易いが、場合により、ホモジナイザー等の乳化器も使
用できる。混合条件は限定されないが、例えば10〜5
0℃で5分ないし5時間、好ましくは10分〜1時間実
施する。本発明の薬剤は、安全性の面から特に収穫直前
まで薬剤が必要な葉菜、果樹類の病害虫防除剤として好
ましいものであり、収穫物に残存していても全く無害で
あるなど、時代の要請に応える新しい農園芸用害虫防除
剤として注目に値するものである。
によって本発明を説明するが、本発明の要旨を越えない
限り、以下の実施例に制約されるものではない。
リセライド25%混合品(日清製油(株)製:商品名
O.D.O)90部、界面活性剤(花王(株)製:商品
名 エキセル300) 2部、界面活性剤(花王(株)
製:商品名 エマゾールO−10F) 1部、界面活性
剤(花王(株)製:商品名 エマノーン4110) 2
部、界面活性剤(花王(株)製:商品名 エマルゲン9
05)3部、蒸留水 2部を混合し、100部の乳剤を
得た。
リセライド38%混合品(日清製油(株)製:商品名
サンクリスタル) 90部、界面活性剤(花王(株)
製:商品名 エキセル300) 2部、界面活性剤(花
王(株)製:商品名 エマゾールO−10F) 1部、
界面活性剤(花王(株)製:商品名 エマノーン411
0) 2部、界面活性剤(花王(株)製:商品名 エマ
ルゲン905) 3部、蒸留水 2部を混合し、100
部の乳剤を得た。
部、界面活性剤(花王(株)製:商品名 エキセル30
0) 2部、界面活性剤(花王(株)製:商品名エマゾ
ールO−10F) 1部、界面活性剤(花王(株)製:
商品名 エマノーン4110) 2部、界面活性剤(花
王(株)製:商品名 エマルゲン905) 3部、蒸留
水 2部を混合し、100部の乳剤を得た。
部、界面活性剤(花王(株)製:商品名 エキセル30
0) 2部、界面活性剤(花王(株)製:商品名エマゾ
ールO−10F) 1部、界面活性剤(花王(株)製:
商品名 エマノーン4110) 2部、界面活性剤(花
王(株)製:商品名 エマルゲン905) 3部、蒸留
水 2部を混合し、100部の乳剤を得た。
物油乳剤)
油乳剤( 鉱物油乳剤)
製):キノキサリン系剤
製):エルゴステロール生合成阻害剤
虫剤
系殺ダニ剤
スロイド系殺虫剤
剤
エキセル300) 2部、界面活性剤(花王(株)製:
商品名 エマゾールO−10F) 1部、界面活性剤
(花王(株)製:商品名 エマノーン4110) 2
部、界面活性剤(花王(株)製:商品名 エマルゲン9
05) 3部、蒸留水 2部を混合し、100部の乳剤
を得た。
験例1〜8に用いた製剤は実施例1〜4に従って製剤化
したものである。
リセライド25%混合品(日清製油(株)製:商品名
O.D.O) 90部に下記に示す供試界面活性剤のい
づれかを5、もしくは10部、さらに水道水を加え10
0部もしくは110部とし混合する。この混合品に10
0倍相当量の水道水を加え、ホモジナイザー10000
rpmで5分間混合乳化させ、その乳化液をチンゲンサ
イ(品種:青美 3葉期)に小型噴霧器で5日間隔で2
回散布し、最終散布7日後のチンゲンサイの葉に対する
薬害について調査した。その結果を表1に示した。 チンゲンサイに対する薬害程度 −: 症状なし。 ±: 軽微な症状がみられる。 +: 明らかな症状がみられる。 ++: 激しい症状がみられる。 供試活性剤 マシン用乳化剤 A: Minemal350T(日本乳剤(株)製) B: Minemal350T(A)(日本乳化剤
(株)製) C: トキサノンAM−153TN(三洋化成工業
(株)製) D: トキサノンAM−66D(三洋化成工業(株)
製) E: KP−1396(花王(株)製) 脂肪酸エステル系活性剤 A: エマゾールL−10F(花王(株)製) B: エマゾールO−30F(花王(株)製) C: エマゾールO−10F(花王(株)製) D: エキセル300(花王(株)製) ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系活性剤 A: レオドールTW−O106(花王(株)製) B: レオドールTW−O320(花王(株)製) C: エマノーン1112(花王(株)製) D: エマノーン4110(花王(株)製) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系活性剤 A: エマルゲン905(花王(株)製) B: エマルゲン910(花王(株)製) C: エマルゲン911(花王(株)製) 以上のチンゲンサイに対する薬害を調査した結果、添加
する界面活性剤により、薬害(油浸斑)の程度に差が認
められた。特にマシン用乳化剤については添加量に関係
なく激しい薬害が認められた。しかし脂肪酸エステル系
活性剤 C、D、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系
活性剤 D、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル系活性剤 Aは、いずれも10部添加した場合は薬害
の発生は認められるものの、5部添加では薬害の発生は
認められなかった。このことより中鎖脂肪酸トリグリセ
ライドに添加する界面活性剤の種類は限定されるものと
考えられた。尚、本試験は中鎖脂肪酸トリグリセライド
に添加する界面活性剤の種類、添加量の違いによる乳化
物性の差を少なくするため水希釈時にホモジナイズを行
った結果を表1に示す。
リセライド25%混合品(日清製油(株)製:商品名
O.D.O) 90部に下記に示す界面活性剤を1、
3、もしくは5部、さらに水道水を加え100部とし混
合する。この混合品に100倍相当量の水道水を加え、
ホモジナイザー10000rpmで5分間混合乳化さ
せ、その乳化液をイチゴ(品種:とよのか)、トマト
(品種:タイニーチィム 10葉期)、キュウリ(品
種:新光A号 5葉期)に小型噴霧器で7日間隔で3回
散布し、最終散布7日後のイチゴ、トマト、キュウリの
葉に対する薬害について調査した。その結果を表2に示
した。 イチゴ、トマト、キュウリに対する薬害程度 −: 症状なし。 ±: 軽微な症状がみられる。 +: 明らかな症状がみられる。 ++: 激しい症状がみられる。 (供試界面活性剤) 脂肪酸エステル系活性剤 C: エマゾールO−10F(花王(株)製) D: エキセル300(花王(株)製) ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系活性剤 D: エマノーン4110(花王(株)製) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系活性剤 A: エマルゲン905(花王(株)製) 以上のイチゴ、トマト、キュウリに対する薬害を調査し
た結果、作物により薬害の発生する界面活性剤添加量が
異なり、今回供試した3作物に薬害の発生がない界面活
性剤添加量は脂肪酸エステル系活性剤 C 1部、D
3部、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系界面活性剤
D 3部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル系活性剤 A 3部となった。また、この添加量であ
ればチンゲンサイを含めた(試験例1結果より)4作物
に対する薬害の発生は認められなかった。尚、本試験は
中鎖脂肪酸トリグリセライドに添加する界面活性剤の成
分の薬害への影響を確認するため、薬害要因の一つであ
る界面活性剤の種類、添加量の違いによる乳化物性の差
を少なくするため水希釈時にホモジナイズを行った。
リセライド25%混合品(日清製油(株)製:商品名
O.D.O) 90部に脂肪酸エステル系活性剤 C
1部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系活
性剤 A 3部を加え、下記の供試活性剤Dを1、2、
もしくは3部、さらに蒸留水を加え混合し、100部の
乳剤とする。これを共栓付きメスシリンダーにて100
倍希釈後、1分間に30回倒立混合する。混合後、20
℃恒温槽に静置し、混合30分後の乳化状態を観察す
る。その結果を表3に示した。 乳化程度 ○ : 完全乳化。 △ : 若干の油の分離および油滴が認められる。 × : 多量の油の分離および油滴が認められる。 ×× : 乳化しない。 供試界面活性剤 脂肪酸エステル系活性剤 D: エキセル300(花王(株)製) ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系活性剤 D: エマノーン4110(花王(株)製) 試験例1および、2より薬害の発生が少ない界面活性剤
の種類および添加量を把握できた。しかし個々に界面活
性剤を添加しても、乳化不良で、実用上問題になる。そ
こで本試験では実用上問題ない乳化を目指し、選抜され
た界面活性剤を組み合わせることにより乳化性の向上が
できないか検討した。その結果、脂肪酸エステル系活性
剤 C 1部+ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル A3部にポリオキシエチレン脂肪酸エステル系活
性剤 D 2〜3部、脂肪酸エステル系活性剤 D 2
〜3部を組み合わせることによりある程度の乳化性の向
上が認められた。
リセライド25%混合品(日清製油(株)製:商品名
O.D.O)90部に脂肪酸エステル系活性剤C 1
部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系活性
剤 A 3部を加え、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル D 2、3部、脂肪酸エステル D2、3部、必要
な蒸留水を加え混合し、100部の乳剤とする。これを
共栓付きメスシリンダーにて100倍希釈後、1分間に
30回倒立混合する。混合後、20℃恒温槽に静置し、
混合30分後の乳化状態を観察する。その結果を表4に
示した。 乳化程度 ○ : 完全乳化。 △ : 若干の油の分離および油滴が認められる。 × : 多量の油の分離および油滴が認められる。 ×× : 乳化しない。 試験例3で界面活製剤を組み合わせることにより、ある
程度の乳化性の向上が認められた。そこで本試験ではさ
らに界面活性剤を組み合わせることにより、乳化性の向
上ができないか検討した。その結果、脂肪酸エステル系
活性剤 C 1部+ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
D 2部+ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル A 3部に脂肪酸エステル系活性剤 D 2部を組
み合わせることにより実用上問題のない乳化性を有する
中鎖脂肪酸トリグリセライドの乳剤型が得られた。また
前述の試験例1および、2の結果より、本乳剤型は薬害
の発生しない条件を満たす界面活性剤が配合しており、
各種作物に薬害の心配のない安全かつ乳化性も良好な中
鎖脂肪酸トリグリセライドの乳剤型であると考えられ
た。
に最適と思われる界面活性剤を配合して得られた実施例
1を所定濃度に希釈し、イチゴ(品種:とよのか)、キ
ュウリ(品種:新光A号 5葉期)、ナス(品種:千両
2号 7葉期)、トマト(品種:サターン 6葉期)、
ピーマン(品種:緑王 8葉期)、レタス(品種:シス
コ 5〜6葉期)、ハクサイ(品種:無双 6〜8葉
期)、カンラン(品種:おきな 8〜9葉期)、チンゲ
ンサイ(品種:青美 3葉期)、ミカン(品種:松山早
生)、ナシ(品種:新水)、リンゴ(品種:ふじ)、カ
キ(品種、富有)、チャ(品種:ヤブキタ)に7〜14
日間隔で3回散布し、最終散布7〜14日後の各作物に
対する薬害を調査した。その結果を表5に示した。これ
らの結果より実施例1〜6で選抜された界面活性剤を使
用した中鎖脂肪酸エステルの乳剤、実施例1は野菜、果
樹、チャ等に対して薬害もなく、非常に安全性が高いこ
とが認められた。 各種作物に対する薬害程度 −: 症状なし。 ±: 軽微な症状がみられる。 +: 明らかな症状がみられる。 ++: 激しい症状がみられる。
〜3を所定濃度に希釈し、キュウリ(品種:シャープワ
ン 4葉期)に、それぞれ50〜100mlを杓型噴霧
器を使用して7日間隔で3回散布し、最終散布7日後に
発生したうどんこ病を調査した。その調査結果を、次式
に従い発病度および防除価を算出し、結果を表6に示し
た。これらの結果より、実施例1、3、4の中鎖脂肪酸
トリグリセライドの乳剤は、キュウリのうどんこ病に対
し、比較例3(キノキサリン型殺菌剤)と同等以上の防
除効果を示した。また同じ脂肪酸トリグリセライドを主
成分とする植物油の参考例1(ヤシ油乳剤)および比較
例1(ナタネ油乳剤)と比較し、同濃度で著しく優る防
除効果を示し、薬害も認められなかった。結果を表6に
示した。 (発病度の調査基準) 0:病斑なし 1:1葉当たり病斑面積が12.5%以下 2:1葉当たり病斑面積が12.5%以下〜25% 3:1葉当たり病斑面積が25%〜50% 4:1葉当たり病斑面積が50%以上 n1 〜n4 はそれぞれの発病度の葉数。Nは総葉数。
に希釈し、キュウリ(品種:貴婦人ニュータイプ 3葉
期)に、それぞれ50〜100mlを杓型噴霧器を使用
して7日間隔で3回散布し、最終散布7〜10日後に発
生したうどんこ病を調査した。その調査結果を、次式に
従い発病度および防除価を算出し、結果を表7に示し
た。これらの結果より、実施例1〜3の中鎖脂肪酸トリ
グリセライドの乳剤は、キュウリのうどんこ病に対し、
比較例3(キノキサリン系殺菌剤)、比較例4(エルゴ
ステロール生合成阻害剤)と同等以上の防除効果を示し
た。このことより、中鎖脂肪酸トリグリセライドは、キ
ュウリうどんこ病に対して、その種類および混合比率に
関係なく高い防除効果を発揮することが認められた。 (発病度の調査基準) 0:病斑なし 1:1葉当たり病斑面積が12.5%以下 2:1葉当たり病斑面積が12.5%以下〜25% 3:1葉当たり病斑面積が25%〜50% 4:1葉当たり病斑面積が50%以上 n1 〜n4 はそれぞれの発病度の葉数。Nは総葉数。
釈し、トマト(品種:レッドチェリー 4葉期)に、そ
れぞれ50〜100mlを杓型噴霧器を使用して7日間
隔で4回散布し、最終散布7〜10日後に発生したうど
んこ病を調査した。その調査結果を次式に従い発病度お
よび防除価を算出し、結果を表8に示した。これらの結
果より、実施例1〜2の中鎖脂肪酸トリグリセライドの
乳剤は、トマトのうどんこ病に対して、比較例3(キノ
キサリン系殺菌剤)と同等以上の防除効果を示すこと並
びに薬害が発生しないことが確認された。 (発病度の調査基準) 0:病斑なし 1:1葉当たり病斑面積が12.5%以下 2:1葉当たり病斑面積が12.5%以下〜25% 3:1葉当たり病斑面積が25%〜50% 4:1葉当たり病斑面積が50%以上 n1 〜n4 はそれぞれの発病度の葉数。Nは総葉数。
供試した。散布時にワタアブラムシの生息虫数を調査し
た後、実施例1〜3および既存薬剤の比較例2、5を所
定濃度に希釈し、それぞれ100mlを柄杓型噴霧器で
散布した。散布1日後、4日後、7日後にワタアブラム
シの生息虫数を全葉調査した。その調査結果を次式によ
って補正密度指数を算出し、結果を表9に示した。これ
らの結果より、実施例1〜3の中鎖脂肪酸トリグリセラ
イドの乳剤は、ワタアブラムシに対して、比較例5(有
機リン系殺虫剤)と同等の防除効果を示した。また比較
例2(鉱物油乳剤)と比較し、ほぼ同濃度で、著しく優
る防除効果を示した。 Ta:処理区の散布後生息虫数 Tb:処理区の散布前生息虫数 Ca:無処理区の散布後生息虫数 Cb:無処理区の散布前生息虫数
した。接種1日後、散布前にナミハダニの生息虫数を調
査した後、実施例1〜3および既存薬剤の比較例1、
2、5を所定濃度に希釈し、それぞれ100mlを杓型
噴霧器で散布した。散布1日後、5日後、7日後にナミ
ハダニの生息虫数を全葉調査した。その調査結果を次式
によって補正密度指数を算出し、結果を表10に示し
た。これらの結果より、実施例1〜3の中鎖脂肪酸トリ
グリセライドの乳剤は、ナミハダニに対して、比較例6
(ピリダジノン系殺ダニ剤)と同等の防除効果を示し
た。また脂肪酸トリグリセライドを主成分とする比較例
1(ナタネ油乳剤)と比較例2(鉱物油乳剤)と比較
し、ほぼ同濃度で優る防除効果を示した。 Ta:処理区の散布後生息虫数 Tb:処理区の散布前生息虫数 Ca:無処理区の散布後生息虫数 Cb:無処理区の散布前生息虫数
り、実施例1、3および既存薬剤の比較例6を所定濃度
に希釈した後、1区当たり600mlを杓型噴霧器を使
用して7日間隔で3回散布した。最終散布7日後に下記
に示すチャノホコリダニの被害程度別に1区当たり30
芽(1芽当たり4葉)調査し、被害指数を算出し、結果
を表11に示した。これらの結果より、実施例1、3の
中鎖脂肪酸トリグリセライドの乳剤は、比較例6(ピリ
ダジノン系殺ダニ剤)と比較し、チャノホコリダニの被
害を著しく軽減することが認められた。 被害程度の調査基準 0:被害なし。 1:葉裏に褐変部がわずかに見られる。 2:葉裏に褐変部が50%程度見られる。 3:葉裏に褐変部が50%以上になり、部分的に奇形が
見られる。 4:葉裏に褐変部が著しく、波打ち、縮葉等の奇形葉が
見られる。 n1 〜n4 はそれぞれの被害度の葉数。Nは総葉数。
内に、実施例1、3および既存薬剤の比較例2を十分散
布したインゲン苗(4葉期)を2株入れ、無処理区とし
て同ゲージ内に薬剤を散布していないインゲン苗を2株
同時に入れた。次にゲージ内に羽化後1日齢のマメハモ
グリバエ雌成虫を15頭ずつ放飼した。放飼2日後にイ
ンゲンの葉に残された食害跡を調査し、その結果を表1
2に示した。これらの結果より、実施例1、3の中鎖脂
肪酸トリグリセライドの乳剤は、比較例2(鉱物油乳
剤)と比較し、マメハモグリバエの食害を著しく軽減さ
せることが認められた。
に希釈し、ナス(品種:千両2号 5葉期)に、それぞ
れ100mlを杓型噴霧器を使用し、7日間隔で2回散
布した。最終散布7日後にナスの上位6葉を対象にミナ
ミキイロアザミウマの被害程度を下記の基準に従って調
査し、被害指数を算出した。その結果を表13に示し
た。これらの結果より、実施例1、3の中鎖脂肪酸トリ
グリセライドの乳剤は、比較例8(有機リン系殺虫剤)
と比較し、ミナミキイロアザミウマの被害を同等かそれ
以下に抑制した。また、比較例2(鉱物油乳剤)には著
しく優る軽減効果が認められた。 被害程度の調査基準 0:被害なし。 1:葉脈に白色の小斑点が少々見られる。 2:葉脈に白色の小斑点が見られ、葉がやや湾曲する。 3:葉脈に白色の小斑点が多く見られ、葉が縮葉する。 4:葉全体に白色の小斑点が多数見られ、葉全体が縮葉
する。 n1 〜n4 はそれぞれの発病度の葉数。Nは総葉数。
〜13葉期)を供試し、実施例1〜3および既存薬剤の
比較例2、5を所定濃度に希釈し、それぞれ200ml
を杓型噴霧器で散布した。散布2日、4日後に各株の中
位葉2葉を選び、生息しているオンシツコナジラミ成虫
数を調査し、その生息数と補正密度指数を表14に示し
た。これらの結果より、実施例1〜3の中鎖脂肪酸トリ
グリセライドの乳剤は、オンシツコナジラミ成虫に対し
て、比較例5(有機リン系殺虫剤)に著しく優る防除効
果を示した。また比較例2(鉱物油乳剤)と比較し、ほ
ぼ同濃度で、著しく優る防除効果を示した。 Ta:処理区の散布後生息虫数 Tb:処理区の散布前生息虫数 Ca:無処理区の散布後生息虫数 Cb:無処理区の散布前生息虫数
リセライド単剤(試験例15)、およびカプリン酸トリ
グリセライド単剤(試験例16)を使用した以外は、同
様に実施した。結果を表15に示す。同表に明らかなよ
うにカプリル酸トリグリセライドもしくは、カプリン酸
トリグリセライドは界面活性剤なしの単剤で使用(註.
スプレー)しても参考例1(註.ヤシ油+界面活性剤3
種及び蒸留水の組合せ)と同程度の効果を示す。
ロン酸トリグリセライド(試験例17)、およびラウリ
ン酸トリグリセライド(試験例18)を使用した以外
は、同様に実施した。結果を表15に示す。同表に明ら
かなようにカプロン酸トリグリセライドもしくは、ラウ
リン酸トリグリセライドを界面活性剤および水に懸濁さ
せた乳化液として使用しても無処理区に近い発病抑制効
果しか得られない。
Claims (3)
- 【請求項1】 炭素数8〜10の中鎖脂肪酸トリグリセ
ライドを有効成分とすることを特徴とする農園芸用殺虫
殺菌剤。 - 【請求項2】 中鎖脂肪酸トリグリセライドとして、植
物油より直接抽出精製された天然物およびヤシ油より抽
出された脂肪酸より合成された植物油脂0.1〜90重
量%と99.9〜10重量%の添加剤からなる農園芸用
殺虫殺菌剤組成物。 - 【請求項3】 炭素数8〜10の中鎖脂肪酸トリグリセ
ライドを有効成分とする組成物に更に界面活性剤として
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのいづれか
一以上を用いたことを特徴とする農園芸用殺虫殺菌剤組
成物。
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---|---|---|---|---|
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KR100758371B1 (ko) | 2006-08-10 | 2007-09-14 | 한국생명공학연구원 | 살충제 |
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JP2017002078A (ja) * | 2016-09-27 | 2017-01-05 | 花王株式会社 | 農園芸用殺虫剤 |
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-
1997
- 1997-07-10 JP JP20094797A patent/JP3818747B2/ja not_active Expired - Lifetime
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EP2248420A4 (en) * | 2008-02-18 | 2012-10-24 | Nof Corp | HERBICIDE COMPOSITION |
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