JPH11293788A - 住宅部材の接合構造及びその接合方法 - Google Patents

住宅部材の接合構造及びその接合方法

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JPH11293788A
JPH11293788A JP10844598A JP10844598A JPH11293788A JP H11293788 A JPH11293788 A JP H11293788A JP 10844598 A JP10844598 A JP 10844598A JP 10844598 A JP10844598 A JP 10844598A JP H11293788 A JPH11293788 A JP H11293788A
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JP
Japan
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fiber
joining
housing
fiber band
band
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JP10844598A
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English (en)
Inventor
Tashiro Kawabata
太四郎 川端
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Mitsui Home Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Home Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 住宅部材同士を接合する際に、各種接合を用
いずに繊維帯を各住宅部材に渡って張着することによっ
て、より正確かつ強固に取付ける。 【解決手段】 住宅工法における任意の住宅部材同士を
接合させる接合構造において、アラミド繊維や炭素繊維
やガラス繊維やビニロン繊維等の連続繊維を帯状又は布
状にしてなる繊維帯20の適所にスリットを入れること
により本体部21と複数の短冊片22とに区分けし、上
記本体部21を上記住宅部材の端部周囲の側面に周回状
に張着し、一方の住宅部材に上記短冊片22を折り曲げ
た状態で張着することによって上記各住宅部材同士を接
合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅工法における
住宅部材の接合構造に関し、特に床枠組工法や枠組壁工
法や小屋組工法等において構造体を支える枠組みの構造
体側への接合又は枠組み同士の接合をするための構造又
はその他任意の住宅部材の接合構造及びその接合方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な住宅や商店の店舗やビル
等の建築工法としては、ツーバイフォー工法や、在来工
法、軽量鉄骨工法、木質パネル工法、スチールスタッド
工法等が存在する。これらの建築工法における住宅部材
同士の接合構造は、接合する各住宅部材に渡って種々の
形状の接合金物を当てて螺子止め又は釘止めすることに
よって接合し、又はその接合を強固にする構造であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記接
合構造を用いて各住宅部材同士を接合する場合、例えば
梁材の上に合板を置き、この上に角部材からなる柱材を
直立させてT字状に接合する場合、図12に示すような
接合金物をまず合板上に釘止めし、次いで上記柱材の下
端部をスリット加工又は孔明け加工して上記接合金物に
嵌合させて螺子止めしており、位置合わせ、柱材の加工
等の種々の作業工程が必要であった。また、柱材の上に
梁材を接合する場合には、図13や図14に示すような
種々の形状の接合金物を当てて釘止めすることにより接
合していたが、この場合にも住宅部材の形状や接合構造
に対応する接合金物を予め用意しておき、位置合わせ、
柱材の加工等の種々の煩雑な作業が必要であった。
【0004】また、図16のようにさらに複雑な接合形
状、任意の接合角度にて接合する接合構造の場合には、
これに合わせて複雑なひねり形状をしたひねり金物を予
め用意しておき、位置合わせしてこれを釘止めする必要
があった。そしてこれら接合金物を用いて各住宅部材同
士を接合する場合、接合金物によって接合できる強度が
限られていたため、あらゆる接合形状に対応させて必要
に応じてより強固に接合できる接合構造が望まれてい
た。
【0005】このように、上記種々の接合金物を用いて
接合する場合には、予めその接合形状に合った接合金物
を用意しておかなければならず煩雑であった。そこで、
本発明は各住宅部材同士の接合をアラミド繊維及び炭素
繊維及びガラス繊維及びビニロン繊維等の連続繊維を組
成とする繊維帯により行うことにより、十分な強度を損
なうことなく施工作業を極めて簡素にすることができ、
また接合対象たる住宅部材の形状や種類を問わず強固か
つ多様な接合を可能にする住宅部材の接合構造及びその
接合方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、住宅工法における任意の住宅部材同士を接
合させる接合構造において、アラミド繊維や炭素繊維や
ガラス繊維やビニロン繊維等の連続繊維を帯状又は布状
にしてなる繊維帯の適所にスリットを入れることにより
本体部と複数の短冊片とに区分けし、上記本体部と短冊
片とからなる上記繊維帯を隣接する各住宅部材に渡って
張着することにより該各住宅部材同士を接合することを
特徴とする。
【0007】また上記請求項2記載の本発明は、請求項
1記載の発明において、上記繊維帯の本体部を上記住宅
部材の端部周囲の側面に周回状に張着し、一方の住宅部
材に上記繊維帯の短冊片をその全て又はいくつかを折り
曲げた状態で張着することによって上記各住宅部材同士
を接合することを特徴とする。
【0008】また上記請求項3記載の本発明は、住宅工
法における任意の住宅部材同士を接合させる接合構造に
おいて、アラミド繊維や炭素繊維やガラス繊維やビニロ
ン繊維等の連続繊維を帯状又は布状にしてなる繊維帯を
所定の長さに形成し、上記繊維帯を隣接する各住宅部材
に渡って任意の方向にて巻き付けるように張着すること
により、これらの各住宅部材同士を接合することを特徴
とする。
【0009】また上記請求項4記載の本発明は、請求項
3記載の発明において、上記繊維帯を各住宅部材の複数
面に渡ってひねり状に巻き付けるように張着することを
特徴とする。
【0010】また上記請求項5記載の本発明は、住宅工
法における任意の住宅部材同士を接合させる接合構造に
おいて、アラミド繊維や炭素繊維やガラス繊維やビニロ
ン繊維等の連続繊維を帯状又は布状にしてなる繊維帯を
複数枚用いてこれを重合状に、もしくは交差状にして隣
接する各住宅部材に渡って張着することにより該各住宅
部材同士を接合することを特徴とする。
【0011】また上記請求項6記載の本発明は、請求項
1記載の発明において、上記住宅部材として断熱パネル
及び面材からなる複合材に任意の住宅部材を接合する接
合構造であって、上記複合材を構成する面材表面に接着
剤又はシーラー等からなる固化剤を含浸させて樹脂化
し、この樹脂化した面材表面と上記複合材に接合する住
宅部材とに渡って上記繊維帯を張着して複合材と住宅部
材とを接合することを特徴とする。
【0012】また上記請求項7記載の本発明は、住宅部
材同士を接合させる住宅部材接合方法において、アラミ
ド繊維や炭素繊維やガラス繊維やビニロン繊維等の連続
繊維を帯状又は布状にしてなる繊維帯を隣接する上記各
住宅部材に渡って張着させることによって住宅部材同士
を接合することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1(a)、(b)はそれ
ぞれ本発明の第1実施例の接合構造を示す斜視図とこれ
に用いられる繊維帯を示す平面図、図2(a)、(b)
はそれぞれ本発明における第2実施例の接合構造を示す
斜視図とこれに用いられる繊維帯を示す平面図、図3
(a)、(b)はそれぞれ本発明における第3実施例の
接合構造を示す斜視図とこれに用いられる繊維帯を示す
平面図、図4(a)、(b)は本発明における第4実施
例の接合構造を示す斜視図とこれに用いられる繊維帯を
示す斜視図、図5は本発明における第5実施例の接合構
造を示す斜視図、図6は本発明における第6実施例の接
合構造を示す斜視図、図7は本発明における第7実施例
の接合構造を示す斜視図、図8は本発明における第8実
施例の接合構造を示す斜視図、図9は本発明における第
9実施例の接合構造を示す斜視図、図10は本発明にお
ける第10実施例の接合構造を示す平面図、図11は本
発明における第11実施例の接合構造を示す斜視図であ
る。
【0014】まず、第1実施例について図1に沿って説
明する。本実施例は、住宅工法における住宅部材として
角部材からなる柱材11と梁材12とを合板13を介し
て互いに直角をなす逆T字状に接合する接合構造に関す
るものである。従来においては、図12に示すように、
水平に位置する梁材12の上に合板13を載置し、該合
板13を介して梁材12上に上記柱材11を直立当接さ
せてその位置を決める。次いで、一旦上記柱材11を外
し、上記当接位置に接合金物として柱脚金物40を釘止
めする。そして上記柱材11の下端部にスリット加工、
又は孔明け加工をし、このスリット又は孔に上記柱脚金
物40が嵌合するようにして上記柱材11を直立させ、
上記柱脚金物40と柱材11とをボルト固定していた。
しかし、このような従来の接合構造においては上記の通
り住宅部材の形状や構造に対応する接合金物を予め用意
しておき、さらに位置合わせ、上記柱材11の加工等の
種々の煩雑な作業が必要であった。
【0015】一方、本実施例では、上記柱脚金物40を
用いずに上記繊維帯20を用いて接合する。まず、図1
(a)に示すように水平に位置する梁材12の上に合板
13を載置して固定し、該合板13を介した上記梁材1
2上に柱材11を直立当接させて逆T字状に位置させ
る。次に、図1(b)に示すように上記繊維帯20を方
形状に裁断し、その長手方向の一辺の長さが少なくとも
上記柱材11の側周の長さとなるようにする。そして、
この一辺を4等分させるように3ヶ所スリットを入れ、
上記繊維体10を一つの本体部21と4つの短冊片22
とに区分けして形成させる。上記スリットは繊維帯20
の中心線まで切れ込むもので、上記本体部21の面積が
繊維帯20の総面積の約半分となる。
【0016】この区分けされた繊維帯20の本体部21
を上記柱材11の下端部の側周面に周回状に張着させ、
他方で上記繊維帯20の4つの短冊片22をそれぞれ柱
材11に対して直角となるように放射状に折り曲げた状
態で上記柱材11の下端面を合板13上に当接させ、各
短冊片22を上記合板13上に張着させる。このように
上記繊維帯20を用いて接合することにより、予め接合
形状に正確に合う接合金物を用意しておく必要がなく、
また一旦上記柱材11の位置決めをしたらそのまま上記
合板13に接合させることができる。さらに、上記柱材
11を加工する必要もなく、また上記繊維帯20により
各住宅部材の接合形状に対応させてより正確かつ強固に
接合することもできる。
【0017】ここで上記繊維帯20は、アラミド繊維及
び炭素繊維及びガラス繊維及びビニロン繊維等の連続繊
維を帯状又は布状にしてなるものである。本明細書で
は、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維及びビニロン
繊維等の繊維を連続繊維と定義する。この連続繊維のう
ちアラミド繊維は、芳香族ポリアミド繊維のことでナイ
ロンの一種であり、強度、耐熱性に極めて優れた特性を
有している。アラミド繊維は、鉄筋に比して約3〜8倍
の引張強度、圧縮強度、せん断強度をもつ。本実施例に
おいてはアラミド繊維を用いて上記繊維帯20を形成さ
せた。上記繊維帯20は上記住宅部材を構成する柱材1
1と合板13とに張着され、この張着にはポリエステル
系樹脂又はエポキシ系樹脂等を用いることができる。よ
り高い引張強度、圧縮強度、せん断強度を得るために
は、エポキシ系樹脂が好適である。
【0018】また、上記繊維帯20の繊維方向を上記各
住宅部材の接合方向、すなわち柱材11と合板13に渡
る上記繊維帯20の引張方向と一致させた場合、上記繊
維方向と引張方向とを直交させる場合に比してより強固
な引張耐力を得ることができる。なお、本実施例におい
ては上記繊維帯20として繊維方向が一方向であるもの
を用いているが、これに代えて繊維方向が縦横方向の2
方向にクロスするものを用いてもよく、またさらに斜め
方向もクロスする3方向又は4方向の繊維方向を持つも
のを用いてもよい。このような繊維構造によって、引張
強度、圧縮強度、せん断強度を高めることができると共
に、これら複数の繊維方向を持つものを用いた場合は、
この複数の繊維方向のうちいずれかが引張方向と一致す
ればよい。
【0019】また、上記繊維帯20の上からさらに重ね
て繊維帯20を張着させることもできる。すなわち、複
数の繊維帯20を重合状に、もしくは交差状に張着する
ことができ、必要に応じた枚数の繊維帯20を重ねて張
着することにより接合強度をより強固にすることができ
る。この場合の各々の張着方法はそれぞれ任意の方法に
よる。
【0020】次に、第2実施例について図2に沿って説
明する。本実施例は、住宅工法における住宅部材として
角部材からなる柱材11の上に梁材12を互いに直角を
なすようにT字状に接合する接合構造に関するものであ
る。なお、本実施例における繊維帯20の材質、該繊維
帯20を張着する際の接着剤は第1実施例と同様であ
る。従来においては、直立する上記柱材11の上にT字
状となるように上記梁材12を水平載置して位置決めし
た後、図13に示すような形状の柱頭金物41を接合部
にて上記柱材11と梁材12とに渡って当てて釘止めす
ることにより両部材を接合していたが、このような接合
においては予め接合する構造や形状に合った接合金物を
用意しておく必要があり、また、より強固な接合が望ま
れていた。
【0021】一方、本実施例においては、図2(a)に
示す通り、まず直立する上記柱材11の上にT字状とな
るように梁材12を水平載置する。次に、図2(b)に
示すように上記繊維帯20を方形状に裁断し、対向する
2辺の略中央位置にそれぞれ1つずつスリットを入れ
て、上記繊維帯20を1つの本体部21と4つの短冊片
22とに区分けして形成させる。そして、この本体部2
1を上記梁材12と柱材11とに渡って張着し、4つの
短冊片22のうち対向する2つの短冊片22を折り曲げ
ないまま梁材12の側面に張着し、もう2つの短冊片2
2を直角に折り曲げて柱材11の側面にそれぞれ張着す
る。こうして従来における柱頭金物41と同様の形状の
繊維帯20を製作することができ、さらに接合金物を用
いる場合に比べて引張強度も強く、梁材12と柱材11
との接合が強固となる。なお、本実施例においては、上
記柱材11と梁材12とをT字状に接合する場合につい
て説明したが、これらを例えばL字状に接合する場合に
も上記した形状の繊維帯20を用いて接合できる。
【0022】また、上記繊維帯20の上からさらに重ね
て繊維帯20を張着させることもできる。すなわち、複
数の繊維帯20を重合状に、もしくは交差状に張着する
ことができ、必要に応じた枚数の繊維帯20を重ねて張
着することにより接合強度をより強固にすることができ
る。この場合の各々の張着方法はそれぞれ任意の方法に
よる。
【0023】次に、第3実施例について、図3に沿って
説明する。本実施例は、上記第2実施例と同様に住宅工
法における住宅部材として角部材からなる柱材11の上
に梁材12を互いに直角をなすT字状に接合させる接合
構造に関するものである。なお、本実施例における繊維
帯20の材質、該繊維帯20を張着する際の接着剤は第
1実施例と同様である。従来においては、図14に示す
ように断面コ字状の柱頭金物42を用いて梁材12と柱
材11とを接合しており、まず直立する柱材11の上端
面に上記コ字状の柱頭金物42を載置してこれを釘止め
し、該柱頭金物42に上記梁材12を嵌めるように水平
載置して側面から釘止めしていたが、このような接合に
おいては予め接合形状に合った接合金物を用意しておく
必要があり、また、より強固な接合が望まれていた。
【0024】一方、本実施例では、上記柱頭金物42を
用いずに上記繊維帯20を用いて接合する。まず、図3
(a)に示すように、直立する柱材11の上端面にT字
状となるように梁材12を水平に載置して位置決めす
る。次に、図3(b)に示すように、上記繊維帯20を
第1実施例と同様に方形状に裁断し、その長手方向の一
辺の長さが少なくとも上記柱材11の側周の長さとなる
ようにする。そして、この一辺を4等分させるように3
ヶ所スリットを入れ、上記繊維体20を一つの本体部2
1と4つの短冊片22とに区分けして形成させる。上記
スリットは上記繊維帯20の中心線まで切れ込むもの
で、上記本体部21の面積が繊維帯20の総面積の約半
分となる。
【0025】この区分けされた繊維帯20の本体部21
を柱材11の上端部の側周面に周回状に張着させ、他方
で上記繊維帯20の4つの短冊片22のうち上記周回状
に張着した状態で対向する2つの短冊片22をそれぞれ
柱材11に対して直角となるように放射状に折り曲げ、
それぞれ上記梁材12の下面に張着させる。そして、他
の2つの短冊片22を折り曲げないまま上記梁材12の
側面に張着させる。このように上記繊維帯20を用いて
接合することにより、予め接合形状に正確に合う接合金
物を用意しておく必要がなく、また繊維帯20により各
住宅部材の接合形状に対応させてより正確かつ強固に接
合することができる。
【0026】なお、本実施例においては、上記各部材と
梁材12とをT字状に接合する場合について説明した
が、これらを例えばL字状に接合する場合にも上記した
形状の繊維帯20を用いて接合できる。また、上記繊維
帯20の上からさらに重ねて繊維帯20を張着させるこ
ともできる。すなわち、複数の繊維帯20を重合状に、
もしくは交差状に張着することができ、必要に応じた枚
数の繊維帯20を重ねて張着することにより接合強度を
より強固にすることができる。この場合の各々の張着方
法はそれぞれ任意の方法による。
【0027】次に、第4実施例について図4に沿って説
明する。本実施例は、外壁の外角部において、住宅工法
における住宅部材として胴差し材18aと端根太材18
bとを、長尺状の繊維帯20を用いて互いに直角をなす
ようにL字状に接合する接合構造に関するものである。
なお、本実施例における繊維帯20の材質、該繊維帯2
0を張着する際の接着剤は第1実施例と同様である。従
来においては、図15に示すように胴差し材18aと端
根太材18bとを互いに直角をなすようにL字状に接合
して形成される外壁の外角部において、帯金物50を釘
止めすることにより上記胴差し材18aと端根太材18
bとを互いに接合していた。しかしこの場合、上記帯金
物50による接合は必ずしも強固であるとはいえず、接
合角を維持できずにねじれが生じるおそれがあった。特
に、図15のように上下2段に胴差し材18aと端根太
材18bとを接合した場合、上記帯金物50によっては
上下の接合をすることはできず、より一層ねじれが生じ
るおそれがあった。
【0028】一方、本実施例では、上記帯金物50の代
りに、長尺状に形成させた上記繊維帯20を用いて接合
する。まず、図4(a)に示すように胴差し材18aと
端根太材18bとを、互いに直角をなすようにL字状に
当接させ、これを上下2段にして外壁の外角部を形成さ
せる。そして、長尺状の上記繊維帯20を所定の長さに
裁断し、上記胴差し材18aと端根太材18bとに渡っ
て張着してこれらを接合する。これにより、従来用いら
れた帯金物50よりも強固に接合でき、接合角を強固に
維持することができる。また、図4(a)に示すように
上下2段の外角部を1枚の上記繊維帯20を張着するこ
とにより同時に接合している。これにより水平方向の引
張のみならず、垂直方向にも上記繊維帯20を引張るこ
ととなり、より一層接合角を強固にしてねじれを防止す
ることができる。
【0029】また、上記繊維帯20の長さは、接合に必
要な強度に合わせて自由に決定することができ、必要に
応じて長さを調節して接合強度をより適切にし強固にす
ることができる。そして、繊維帯20の長さを施工現場
において自由に決定できるように、図4(b)に示す通
り、繊維帯20を長尺テープ状に形成させてロール状に
しておいてもよい。さらに、上記繊維帯20の上からさ
らに重ねて繊維帯20を張着させることもできる。すな
わち、複数の繊維帯20を重合状に、もしくは交差状に
張着することができ、必要に応じた枚数の繊維帯20を
重ねて張着することにより接合強度をより強固にするこ
とができる。この場合の各々の張着方法はそれぞれ任意
の方法による。なお、従来帯金物50を上記胴差し材1
8aと端根太材18bとに釘止めしていたが、本実施例
においても上記繊維帯20の上から釘止めしてもよい。
【0030】次に、第5実施例について図5に沿って説
明する。本実施例は、住宅工法における住宅部材として
角部材からなる柱材11の上に梁材12を互いに直角を
なすように長尺状の繊維帯20を用いてT字状に接合さ
せ、さらに上記梁材12の上に交差する垂木材14を長
尺状の繊維帯20を用いて接合する接合構造に関するも
のである。なお、本実施例における繊維帯20の材質、
該繊維帯20を張着する際の接着剤は第1実施例と同様
である。従来においては、図16に示す通り直立する柱
材11の上にT字状となるように梁材12を水平載置し
て位置決めした後、さらに該梁材12の上にこれと交差
する垂木材14を斜めに接合角度を保って載置して位置
決めし、図16に示すようなひねり形状のひねり金物4
3を接合部にて柱材11と梁材12と垂木材14とに渡
って当てて釘止めすることにより各部材を接合してい
た。しかし、このような接合においては予め接合形状に
正確に合った接合金物を用意しておく必要があり、ま
た、各部材及び上記ひねり金物43の位置決めをするた
めに仮止め等の作業を必要とし、接合作業が煩雑であっ
た。
【0031】一方、本実施例では、上記ひねり金物43
の代りに、所定の長さに形成させた上記繊維帯20を用
いて接合する。まず、図5に示すように直立する柱材1
1の上にT字状となるように梁材12を水平載置して位
置決めし、上記繊維帯20を柱材11と梁材12とに渡
って張着する。この張着方法としては、上記した第1実
施例乃至第3実施例のような方法の他、後述する他の任
意の方法によってもよい。次に、上記梁材12の上にさ
らにこれと交差する垂木材14を斜めに載置して位置決
めする。そして、長尺状に形成させた上記繊維帯20を
上記梁材12と垂木材14とに渡って張着する。この張
着方法としては、図5に示すように上記梁材12と垂木
材14との接合角度を一定に保って固定するようにこれ
らを任意の方向にひねり状に巻き付けて張着する方法が
ある。
【0032】このように上記繊維帯20を所定の長さに
形成させて任意の方向に張着し、梁材12と垂木材14
とを任意の角度で固定して接合することにより、上記ひ
ねり金物43と同様の接合を繊維帯20で実現すること
ができ、しかも接合金物に比して強固に接合することが
できる。また、長尺状に形成させた上記繊維帯20の長
さは、接合に必要な強度に合わせて自由に決定すること
ができ、必要に応じて長さを調節することにより接合強
度をより強固にすることができる。
【0033】また、上記繊維帯20の上からさらに重ね
て繊維帯20を張着させることもできる。すなわち、複
数の繊維帯20を重合状に、もしくは交差状に張着する
ことができ、必要に応じた枚数の繊維帯20を重ねて張
着することにより接合強度をより強固にすることができ
る。この場合の各々の張着方法はそれぞれ任意の方法に
よる。さらに、所定の長さに形成させた上記繊維帯20
の長手方向と該繊維帯20の繊維方向とを一致させるこ
とにより、該繊維帯20の引張方向と繊維方向とが一致
し、より強固な引張強度が得られる。なお、上記繊維方
向が2つ以上の場合はこれらの繊維方向のうちのいずれ
かが上記繊維帯20の長手方向と一致すれば強固な引張
強度が得られる。
【0034】このように、上記繊維帯20によれば、そ
の長さ、張着・巻き付け方向、張着枚数等を任意に選ぶ
ことができ、これにより接合形状に応じて自由に接合方
向や接合強度を調節することができる。
【0035】次に、第6実施例について図6に沿って説
明する。本実施例では、住宅工法における上記住宅部材
として梁材12と根太材15とを互いに直角となるよう
に平面T字状に接合する接合構造に関するものである。
なお、本実施例における繊維帯20の材質、該繊維帯2
0を張着する際の接着剤は第1実施例と同様である。従
来においては、梁材12と根太材15とを平面T字状に
接合する場合、図17に示すように根太受金物44を用
いて接合する。すなわち、まず梁材12に対して根太材
15を当接させて位置決めし、この根太材15を固定す
るための上記根太受金物44の位置決めをする。次い
で、上記根太材15を上記根太受金物44から一旦外し
て該根太受金物44を上記梁材12に釘止め固定する。
そして、上記根太受金物44に根太材15を嵌合させて
釘止めし、上記梁材12と根太材15とが接合される。
また、梁材12同士を上記と同様に平面T字状に接合す
る場合にも、上記根太受金物44と同様の形状の図示し
ない梁受金物により接合されていた。しかしこれらの場
合、予め接合形状や各部材の大きさに一致する根太受金
物44や梁受金物を用意しておかなければならず、また
位置合わせ等の種々の煩雑な作業が必要であった。
【0036】一方、本実施例では、第4、5実施例と同
様に、上記繊維帯20を長尺状に形成させ、これを梁材
12と根太材15とに渡って張着させるものである。ま
ず、図6に示す通り、梁材12に対して根太材15端部
を垂直当接させ平面T字状にして位置決めする。そし
て、上記繊維帯20を梁材12及び根太材15に渡って
張着して梁材12と根太材15とが接合される。この張
着方法としては、図6に示すように上記梁材12と根太
材15との当接状態を一定に保ちながら、これらの周囲
に上記繊維帯20を任意の方向にひねり状に巻き付けて
張着する方法がある。
【0037】また、梁材12同士を平面T字状に接合す
る場合にも、上記と同様に繊維帯20を任意の方向にひ
ねり状に巻き付けて張着することができる。このように
上記繊維帯20を長尺状に形成させて任意の方向に張着
すれば上記根太受金物44を用いる代りとして両部材を
支持固定でき、しかも根太受金物44に比して強固に支
持固定して接合することができる。また、長尺状に形成
させた上記繊維帯20の長さは、接合に必要な強度に合
わせて自由に決定することができ、必要に応じて長さを
調節することにより接合強度をより強固にすることがで
きる。
【0038】次に、第7実施例について図7に沿って説
明する。本実施例では、住宅工法における上記住宅部材
として横置きの土台17の上に縦置きにした柱材11の
下端部を当接させてL字状に接合する場合の偏心荷重を
押さえる構造に関する。本実施例における住宅部材に張
着する繊維帯20の材質、該繊維帯20を張着する際の
接着剤は全て第1実施例と同様である。従来において
は、図18に示すように下に横置きする土台17をアン
カーボルト30で座金を介して固定し、その上に柱材1
1を縦置きにし下端部を当接させてL字状にし、接合す
る角の側面に角金物46を当てて釘止め又は螺子止めす
ることによって両者を接合していたが、下になる土台1
7を固定するアンカーボルト30の位置と、上に載置さ
れる柱材11の重心位置とがずれているため偏心荷重が
生じ、その結果、固定に用いられる角金物46への過重
負担が増すこととなり、住宅部材同士の接合が不安定と
なっていた。
【0039】一方、本実施例では、図7に示す通り、上
記角金物46の代りに上記長尺状の繊維帯20を用いて
接合及び偏心押さえをしている。まず、下になる土台1
7をアンカーボルト30で座金を介して固定し、その上
に柱材11をその下端部が当接するように縦置きにして
L字状にする。次に、長尺状の繊維帯20を上記住宅部
材同士の接合部分に巻き付けるように張着する。この繊
維帯20の強度により上記住宅部材同士が強固に張着さ
れる。そしてさらに、偏心押さえとして上記接合角から
それぞれ一定間隔ずつ離れた各住宅部材の各点に渡って
斜め状に張着する。これにより上になる柱材11の荷重
をアンカーボルト30の位置付近に分散して偏心角度を
自由に変えることができ、上記接合が安定する。また、
上記繊維帯20の上からさらに重ねて繊維帯20を張着
させることもできる。すなわち、複数の繊維帯20を重
合状に、もしくは交差状に張着することができ、必要に
応じた枚数の繊維帯20を重ねて張着することにより接
合をより安定させることができる。この場合の各々の張
着方法はそれぞれ任意の方法による。
【0040】次に、第8実施例について図8に沿って説
明する。本実施例では、住宅工法における住宅部材とし
て柱材11とマグサ材16とを接合する構造に関するも
ので、マグサ材16を横架してその端部が柱材11にT
字状に当接し、この当接部分においてマグサ材16を支
持固定するようにして接合するものである。本実施例に
おける住宅部材に張着する繊維帯20の材質、該繊維帯
20を張着する際の接着剤は全て第1実施例と同様であ
る。
【0041】従来においては、まず図19に示すように
上記柱材11に対して上記マグサ材16の端部を接合固
定する位置を決めた後、一旦このマグサ材16を外して
その位置に中央に薄板状の突起を有する断面略L字状の
マグサ受金物47を下片及び突起が突出状となるように
柱材11に釘止めする。次いで、上記マグサ材16の端
部には上記マグサ受金物47の突起が嵌合する切り欠き
を設けて、該切り欠きに上記突起を嵌合させるようにマ
グサ材16を上記マグサ受金物47の下片に載置しなが
ら柱材11に当接させる。そして、マグサ材16の端部
の下面に対し、マグサ受金物47の下片を釘止めして接
合していた。このような接合方法によれば、通常は上記
マグサ受金物47の釘孔の数が決まっているために打ち
込める釘の本数が限られ、したがってマグサ材16の接
合強度にも限界があった。また、マグサ材16の位置決
めや上記切り欠きを設ける作業を要し、煩雑であった。
【0042】一方、本実施例では、上記マグサ受金物4
7の代りに長尺状に形成させた上記繊維帯20を用いて
上記柱材11に当接するマグサ材16を支持固定して接
合している。まず、図8に示すように上記柱材11に対
して当接する上記マグサ材16を位置決めし当接させ
る。そして、長尺状の上記繊維帯20をマグサ材16の
一側面から該マグサ材16の下面、他の一側面、柱材1
1の側面、背面とに渡って斜め状に巻き付けるように張
着する。そして反対側にも対称的に張着し、上記繊維帯
20がマグサ材16を支持固定する。この場合の上記繊
維帯20の長さは、マグサ材16の重量や支持固定に必
要な強度に合わせた長さに形成させて、接合強度を自由
に設定することができ、必要に応じて長さを調節するこ
とにより接合強度をより強固にすることができる。
【0043】さらに、上記繊維帯20の上からさらに重
ねて繊維帯20を張着させることもできる。すなわち、
複数の繊維帯20を重合状に、もしくは交差状に張着す
ることができ、必要に応じた枚数の繊維帯20を重ねて
張着することにより接合強度をより強固にすることがで
きる。この場合の各々の張着方法はそれぞれ任意の方法
による。
【0044】次に、第9実施例について図9に沿って説
明する。本実施例では、住宅工法における住宅部材とし
て大きな梁材12(以下、大梁材12aとする。)と小
さな梁材12(以下、小梁材12bとする。)とを接合
する構造に関するもので、小梁材12bを横にしてその
端部が大梁材12aにT字状に当接し、この当接部分に
おいて小梁材12bを支持固定するようにして接合する
ものである。本実施例における住宅部材に張着する繊維
帯20の材質、該繊維帯20を張着する際の接着剤は全
て第1実施例と同様である。
【0045】従来においては、図20に示すようにまず
上記小梁材12bの端部側面に羽子板金物48の羽子板
部48aをボルト止めする。そして、上記大梁材12a
に対して小梁材12bが当接する位置を決め、そこに小
梁材12bが嵌合する切り欠き受部を形成させる。次
に、上記羽子板金物48の引張ボルト部48bが挿通す
るボルト孔を上記大梁材12aに明け、このボルト孔に
上記引張ボルト部48bを挿通させて上記小梁材12b
を大梁材12aの切り欠き受部に嵌合させる。そして、
上記引張ボルト部48bに座金を介してナット締めして
小梁材12bと大梁材12aとを接合していた。しか
し、この場合、予め羽子板金物48を用意しておき、小
梁材12bの位置決めをし、上記ボルト孔を明ける等の
多数の作業を必要とし、また、上記羽子板金物48によ
る接合強度は必ずしも強固なものではなく接合角度を一
定に維持するのは困難であった。
【0046】一方、本実施例では、上記羽子板金物48
の代りに長尺状に形成させた上記繊維帯20を用いて上
記梁材12に当接する小梁材12bを支持固定して接合
している。まず、図9に示すように、上記大梁材12a
に対して小梁材12bが当接する位置を決め、そこに小
梁材12bが嵌合する切り欠き受部を形成させる。該切
り欠き受部に小梁材12bの端部を嵌合させて大梁材1
2aと小梁材12bの各上面を面一状にする。そして、
この面上で大梁材12aと小梁材12bとに渡って上記
長尺状の繊維帯20を張着し、この繊維帯20の引張強
度によって上記小梁材12bが大梁材12aに当接する
ものである。また、上記した第1実施例乃至第8実施例
における張着方法を用いてさらに上記繊維帯20を張着
をしてもよい。すなわち、複数の繊維帯20を重合状
に、もしくは交差状に張着することができ、必要に応じ
た枚数の繊維帯20を重ねて張着することにより接合強
度をより強固にすることができる。この場合の各々の張
着方法はそれぞれ任意の方法による。
【0047】さらに、長尺状に形成させた上記繊維帯2
0の長さを接合に必要な強度に合わせて自由に決定する
ことができ、必要に応じて長さを調節することにより接
合強度をより強固にすることができる。このように上記
繊維帯20を用いて接合することにより強固に接合する
ことができ、小梁材12bが大梁材12aから離れるの
を防止することができる。
【0048】次に、第10実施例について図10に沿っ
て説明する。本実施例では、住宅工法における住宅部材
として、床板材の下に土台として設ける各梁材12、1
2を接合する構造に関するもので、各梁材12、12を
それぞれ横置きにして互いに直角をなすように当接させ
るものである。なお、本実施例における繊維帯20の材
質、該繊維帯20を張着する際の接着剤は第1実施例と
同様である。従来においては、図21に示すようにまず
各梁材12、12をそれぞれ横置きにして互いに直角を
なすように当接させ、その接合角からそれぞれ一定間隔
をおいた位置にて、それぞれボルト孔を明け、そのボル
ト孔に外側からボルトを座金を介して挿通し、両梁材1
2、12に渡って火打金物49を配置してその両端をナ
ットを用いて上記ボルトに固定し両梁材12、12を互
いに接合していた。しかしこの場合、上記火打金物49
をボルト固定するために両梁材12、12の適所にボル
ト孔を明ける必要があり、また上記のような接合を行う
ための専用部品である火打金物49を予め予定数用意し
ておく必要もあり、施工作業上煩雑であった。
【0049】一方、本実施例では、上記火打金物49の
代りに長尺状に形成させた上記繊維帯20を水平ブレー
スとして用いて両梁材12、12を支持固定して接合す
る。まず、床板材下の土台となる各梁材12、12を互
いに当接させて方形状に組む。そして、図10に示すよ
うに対角線上にある各接合角に渡って上記長尺状の繊維
帯20を張着し、4つの対角を結んでクロス状の水平ブ
レースとする。このような方法によれば、従来のような
ボルト孔を明けたりする必要がなく、また強度の面にお
いても非常に強固に接合でき、全体のゆがみを防止でき
て接合角を維持できる。なお、上記繊維帯20の上から
さらに重ねて繊維帯20を張着させることもできる。す
なわち、複数の繊維帯20を重合状に、もしくは交差状
に張着することができ、必要に応じた枚数の繊維帯20
を重ねて張着することにより接合強度をより強固にする
ことができる。
【0050】次に、第11実施例について図11に沿っ
て説明する。本実施例では、住宅工法における住宅部材
として断熱パネル19a及び面材19bからなる複合材
19と梁材12とを接合する構造に関するもので、上記
複合材19の上端部に上記梁材12が嵌合する凹状の嵌
合部31を設け、該嵌合部31に梁材12を嵌合させて
これを支持する場合に、上記嵌合部31の内面底部に集
中的な荷重がかかるのを分散して上記複合材19と梁材
12の接合を強固にする構造に関する。なお、本実施例
における住宅部材に張着する繊維帯20の材質、該繊維
帯20を張着する際の接着剤は全て第1実施例と同様で
ある。
【0051】従来は、上記複合材19の上記嵌合部31
に梁材12を嵌合させて支持する場合には、上記嵌合部
31の複合材19と当接する3面の当接面にそれぞれ補
強材を取付けて複合材1の座屈を防止していた。一方、
本実施例は、上記補強材を用いずに上記繊維帯10を用
いて複合材1の座屈を防止するものである。まず、上記
複合材19は、断熱パネル19aとその両面に張着した
面材19b、19bとから構成される。そして、上記断
熱パネル19aは、一般にEPSと称される発泡ポリス
チレンや、あるいは発泡ポリウレタン等の樹脂発泡体、
もしくはガラスウール板等からなる。また、上記断熱パ
ネル19aに張着される面材19b(外壁パネル)とし
ては、OBSと称される木材パネルや、その他の木質パ
ネル、セメント板、アスベスト板、ケイ酸カルシューム
板等の不燃板等が用いられる。
【0052】このようにして形成される上記複合材19
の上端部には、図11に示すように、上記梁材12の端
部を嵌合させて載置するための上方が開口した凹状の嵌
合部31が設けられる。該嵌合部31に上記梁材12が
嵌合、載置された状態で、該梁材12の表面と上記複合
材19の面材19bとに渡って上記繊維帯20を張着し
て両者を接合するものである。この際、上記面材におけ
る繊維帯20の張着部分に予め接着剤又はシーラー等か
らなる固化剤を含浸させて樹脂化しておくことにより、
上記繊維帯に引張荷重がかかっても上記面材の表面剥離
を未然に防止でき、接合強度を増加させることができ
る。
【0053】また、上記繊維帯20の張着方法は任意で
あり、上記した第1実施例乃至第10実施例におけるい
ずれの張着方法を用いてもよい。このようにして上記梁
材12と面材19bとに渡って繊維帯20を張着するこ
とにより、両者を強固に接合でき、同時に上記嵌合部3
1の内面にかかる荷重を広範囲に分散させて座屈を防止
することができる。また、上記繊維帯20を何重にも張
着すればそれだけ耐力強度が増すこととなる。
【0054】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、アラミド繊
維及び炭素繊維及びガラス繊維及びビニロン繊維等の連
続繊維を帯状又は布状にしてなる繊維帯を用いることに
よって、住宅部材同士をより少ない手順にて極めて簡単
な構造により接合することができるという効果がある。
すなわち、上記繊維帯は柔らかな素材にて帯状又は布状
に形成されているため、裁断したり曲げたりひねったり
する等してあらゆる形状にて張着することができ、多様
な接合形状に柔軟に対応することができる。一方で、上
記繊維帯による接合は、強度の面において従来の接合金
物による接合よりも優れており、信頼性の高い強固な接
合が実現されるという効果がある。特に帯状又は布状の
繊維でできているため、複数枚の繊維帯を何重にも重ね
合わせることもでき、こうしてより強固な接合を実現す
ることができる。
【0055】また、上記繊維帯にスリットを入れて本体
部と短冊片とに区分けし、これを折り曲げて一方の住宅
部材に巻き付けて他方の住宅部材に渡って張着させる構
造としたことから、従来の接合金物による取付けの場合
の接合金物の位置決めや住宅部材への加工の必要がない
という効果がある。
【0056】また、上記繊維帯を長尺状に形成させた場
合には、必要とする接合強度に合わせた長さにて裁断す
ることにより、自由に接合強度を高めることができると
いう効果がある。特に予め長尺状の繊維帯を巻いてロー
ル状としておいて実際に施工現場にて自由な長さに裁断
して使用することもでき、さらに長尺状の繊維帯を任意
の方向へねじる等して各住宅部材に渡って巻き付けるこ
とができ、予め接合形状に合わせて接合金物等の接合具
を用意しておくことなしに、あらゆる接合形状に柔軟に
対応することが可能となる。
【0057】また、連続繊維からなる複数の上記繊維帯
を用いて重合状に、又は交差状に張着して接合する構成
としたことから、接合金物等を用いるのに比して住宅部
材表面の凹凸を最小限にし、かつ、より強度に接合する
ことができるという効果がある。繊維帯を何重にも重ね
て張着したとしても、様々な複雑形状をしている接合金
物に比すれば表面の厚さや凹凸を最小限にすることがで
きる。
【0058】また、断熱パネル及び面材からなる複合材
に嵌合部を設けて該嵌合部に梁材を嵌合させ、上記複合
材を構成する面材表面に固化剤を含浸させて樹脂化し、
この樹脂化した面材表面と上記複合材に接合する梁材と
に渡って上記繊維帯を張着して複合材と梁材とを接合す
る構造としたことから、上記嵌合部内面底部にかかる荷
重が嵌合部周囲に分散され、梁材による複合材の座屈を
防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1実施例の接合構造を示す
斜視図であり、(b)はこれに用いられる繊維帯を示す
平面図である。
【図2】(a)は本発明の第2実施例の接合構造を示す
斜視図であり、(b)はこれに用いられる繊維帯を示す
平面図である。
【図3】(a)は本発明の第3実施例の接合構造を示す
斜視図であり、(b)はこれに用いられる繊維帯を示す
平面図である。
【図4】(a)は本発明の第4実施例の接合構造を示す
斜視図であり、(b)はこれに用いられる繊維帯を示す
斜視図である。
【図5】本発明における第5実施例の接合構造を示す斜
視図である。
【図6】本発明における第6実施例の接合構造を示す斜
視図である。
【図7】本発明における第7実施例の接合構造を示す斜
視図である。
【図8】本発明における第8実施例の接合構造を示す斜
視図である。
【図9】本発明における第9実施例の接合構造を示す斜
視図である。
【図10】本発明における第10実施例の接合構造を示
す平面図である。
【図11】本発明における第11実施例の接合構造を示
す斜視図である。
【図12】本発明における第1実施例に対応する従来の
接合構造を示す断面図である。
【図13】本発明における第2実施例に対応する従来の
接合構造を示す断面図である。
【図14】本発明における第3実施例に対応する従来の
接合構造を示す断面図である。
【図15】本発明における第4実施例に対応する従来の
接合構造を示す断面図である。
【図16】本発明における第5実施例に対応する従来の
接合構造を示す断面図である。
【図17】本発明における第6実施例に対応する従来の
接合構造を示す断面図である。
【図18】本発明における第7実施例に対応する従来の
接合構造を示す断面図である。
【図19】本発明における第8実施例に対応する従来の
接合構造を示す断面図である。
【図20】本発明における第9実施例に対応する従来の
接合構造を示す断面図である。
【図21】本発明における第10実施例に対応する従来
の接合構造を示す断面図である。
【符号の説明】
11 柱材 12 梁材 12a 大梁材 12b 小梁材 13 合板 14 垂木材 15 根太材 16 マグサ材 17 土台 18a 胴差し材 18b 端根太材 19 複合材 19a 断熱パネル 19b 面材 20 繊維帯 21 本体部 22 短冊片 30 アンカーボルト 31 嵌合部 40 柱脚金物 41 柱頭金物 42 柱頭金物 43 ひねり金物 44 根太受金物 46 角金物 47 マグサ受金物 48 羽子板金物 48a 羽子板部 48b 引張ボルト部 49 火打金物 50 帯金物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 住宅工法における任意の住宅部材同士を
    接合させる接合構造において、 アラミド繊維や炭素繊維やガラス繊維やビニロン繊維等
    の連続繊維を帯状又は布状にしてなる繊維帯の適所にス
    リットを入れることにより本体部と複数の短冊片とに区
    分けし、 上記本体部と短冊片とからなる上記繊維帯を隣接する各
    住宅部材に渡って張着することにより該各住宅部材同士
    を接合することを特徴とする住宅部材の接合構造。
  2. 【請求項2】 上記繊維帯の本体部を上記住宅部材の端
    部周囲の側面に周回状に張着し、一方の住宅部材に上記
    繊維帯の短冊片をその全て又はいくつかを折り曲げた状
    態で張着することによって上記各住宅部材同士を接合す
    ることを特徴とする請求項1記載の住宅部材の接合構
    造。
  3. 【請求項3】 住宅工法における任意の住宅部材同士を
    接合させる接合構造において、 アラミド繊維や炭素繊維やガラス繊維やビニロン繊維等
    の連続繊維を帯状又は布状にしてなる繊維帯を所定の長
    さに形成し、 上記繊維帯を隣接する各住宅部材に渡って任意の方向に
    て巻き付けるように張着することにより、これらの各住
    宅部材同士を接合することを特徴とする住宅部材の接合
    構造。
  4. 【請求項4】 上記繊維帯を各住宅部材の複数面に渡っ
    てひねり状に巻き付けるように張着することを特徴とす
    る請求項3記載の住宅部材の接合構造。
  5. 【請求項5】 住宅工法における任意の住宅部材同士を
    接合させる接合構造において、 アラミド繊維や炭素繊維やガラス繊維やビニロン繊維等
    の連続繊維を帯状又は布状にしてなる繊維帯を複数枚用
    いてこれを重合状に、もしくは交差状にして隣接する各
    住宅部材に渡って張着することにより該各住宅部材同士
    を接合することを特徴とする住宅部材の接合構造。
  6. 【請求項6】 上記住宅部材として断熱パネル及び面材
    からなる複合材に任意の住宅部材を接合する接合構造で
    あって、 上記複合材を構成する面材表面に接着剤又はシーラー等
    からなる固化剤を含浸させて樹脂化し、 この樹脂化した面材表面と上記複合材に接合する住宅部
    材とに渡って上記繊維帯を張着して複合材と住宅部材と
    を接合することを特徴とする請求項1記載の住宅部材の
    接合構造。
  7. 【請求項7】 住宅部材同士を接合させる住宅部材接合
    方法において、アラミド繊維や炭素繊維やガラス繊維や
    ビニロン繊維等の連続繊維を帯状又は布状にしてなる繊
    維帯を隣接する上記各住宅部材に渡って張着させること
    によって住宅部材同士を接合することを特徴とする住宅
    部材の接合方法。
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