JPH11293449A - 浸珪法を用いたSi濃度分布を有する珪素鋼板の製造方法 - Google Patents
浸珪法を用いたSi濃度分布を有する珪素鋼板の製造方法Info
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Abstract
く、自由度の高い処理により所望の磁気特性を得ること
ができる浸珪法を用いたSi濃度分布を有する珪素鋼板
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 鋼板表面からSiを浸透させる浸珪処理
および浸透させたSiを鋼板内に拡散させる拡散処理を
同一炉内で同一ガス雰囲気で行い、浸珪処理および拡散
処理の処理時間および処理間隔を制御することにより、
浸珪および拡散速度を制御し、鋼板の板厚方向のSi濃
度分布を制御する。
Description
i濃度分布を有する珪素鋼板の製造方法に関する。
心材料に使用され、Siの含有量が増すほど鉄損が低減
し、Si:6.5wt.%では磁歪が0となり、最大透
磁率のピークとなる等、優れた磁気特性を示すことが知
られている。
素鋼を圧延により薄板とした後、鋼板表面からSiを浸
透拡散させる、いわゆる浸珪法が知られている。しか
し、拡散により均一Si濃度の高珪素鋼板を製造しよう
とすると極めて時間がかかる。そこで、特開昭62−2
27033号ないし特開昭62−227036号公報、
特公平5−49744号公報には、表層のSi濃度が
6.5wt.%となって、板厚方向にSiの濃度分布が
存在する時点で拡散処理を打ち切り、全体の処理時間を
短くすることが提案されている。また、このようにして
Si分布を形成した珪素鋼板は鉄損が低いことが示され
ている。
は、偏磁の原因である残留磁束密度を低下させるには板
厚方向にSiの濃度勾配を形成することが有効なことが
開示されている。
の浸珪法は、加熱−浸珪処理−拡散処理−冷却の4つの
工程よりなり、浸珪処理および拡散処理は、浸珪量と拡
散状態の制御を容易にするために完全に隔離・区別して
いた。すなわち、まず加熱炉で加熱した後、SiCl4
を含む無酸化性ガス雰囲気の浸珪炉にて浸珪処理を行
い、次にSiCl4を含まない無酸化性ガス雰囲気の拡
散炉にて拡散処理を行っていた。
ることや拡散処理中の非酸化雰囲気の制御次第では鋼板
の酸化による品質の劣化が発生し、問題とされてきた。
の影響が強く、板厚中央部分の珪素濃度調整は、Si濃
度分布を有する珪素鋼板の製造において、重要な条件の
一つであるが、従来の浸珪処理と拡散処理を個別的に行
う製造方法は、拡散処理だけで板厚方向の珪素濃度分布
を調整する必要があるため、板厚方向での中心珪素濃度
の調整が困難であり、事実上、母材珪素濃度によっての
調整となることから、自由度の低い製造方法となってい
た。
となると冷間圧延が困難となるため、母材中心珪素濃度
を3.5wt.%以上とする場合には冷間圧延を必要と
する薄板の製造が事実上不可能となっていた。
鑑みてなされたものであって、炉構造を複雑にせず、か
つ品質の劣化もなく、自由度の高い処理により所望の磁
気特性を得ることができる浸珪法を用いたSi濃度分布
を有する珪素鋼板の製造方法を提供することを目的とす
る。
に、本発明は、鋼板表面からSiを浸透させる浸珪処理
および浸透させたSiを鋼板内に拡散させる拡散処理を
同一炉内で同一ガス雰囲気で行い、浸珪処理および拡散
処理の処理時間および処理間隔を制御することにより、
浸珪および拡散速度を制御し、鋼板の板厚方向のSi濃
度分布を制御することを特徴とする、浸珪法を用いたS
i濃度分布を有する珪素鋼板の製造方法を提供する。
割し、各ゾーンの原料ガスの供給量を調節することがで
きる。また、前記浸珪処理および拡散処理は、化学気相
蒸着(以下、CVDと記す)法を用いて行うことができ
る。さらに、CVD法による浸珪処理および拡散処理は
SiCl4を用いて行うことができる。
同一炉内で同一ガス雰囲気で行うので、仕切等の炉構造
物を排除することができ、炉構造を簡素化することがで
きる。また、このように拡散処理を浸珪処理と同一ガス
雰囲気で行うことにより、拡散処理雰囲気の水、酸素濃
度を低減することができ、均熱拡散処理段階での鋼板酸
化を抑制することができ、製品の品質劣化を防止するこ
とができる。さらに、浸珪処理および拡散処理の処理時
間および処理間隔を制御するので、例えば、板厚方向で
の中心珪素濃度の調整を初期浸珪にて行い、十分な拡散
が付与された後、濃度傾斜付与を目的とした浸珪を行う
処理が可能となり、自由度の高い処理により所望の磁気
特性を得ることができる。
する。本発明においては、浸珪法を用いてSi濃度分布
を有する珪素鋼板鋼板を製造するにあたり、鋼板表面か
らSiを浸透させる浸珪処理および浸透させたSiを鋼
板内に拡散させる拡散処理を同一炉内で同一ガス雰囲気
で行い、浸珪処理および拡散処理の処理時間および処理
間隔を制御することにより、浸珪および拡散速度を制御
し、鋼板の板厚方向のSi濃度分布を制御する。このよ
うなSi濃度の分布の制御は炉内において原料の供給を
部分的に調節することにより行うことができる。
的にはSi含有ガスによるCVD処理により行う。そし
て、従来の浸珪処理および拡散処理を、同一の炉でSi
含有ガスを含む同一雰囲気で行う。
れるものではなく、SiH4、Si2H5、SiCl4等を
用いることができるが、中でもSiCl4が好ましい。
処理ガスとしてSiCl4を用いる場合には、処理温度
を1023〜1250℃の範囲にすることが好ましい。
また、浸珪処理および拡散処理の際のSiCl4の濃度
は 0.02〜35mol%とすることが好ましい。
置で行うことができる。この装置は、加熱炉1と、浸珪
・拡散処理炉2と、冷却炉3とが順に配置され、鋼板S
が連続的に処理される。加熱炉1において例えば120
0℃まで加熱し、浸珪・拡散処理炉2においてSiCl
4ガスを導入する。
ーン11、第2ゾーン12、第3ゾーン13、第4ゾー
ン14、第5ゾーン15を有しており、各ゾーンにSi
Cl4ガス導入ノズルが設けられている。したがって、
各ゾーン毎のSiCl4ガス流量を制御することによ
り、浸珪処理および拡散処理の処理時間および処理間隔
を制御することができる。例えば、数回の珪素添加(浸
珪)および拡散を連続的に実施することができる。この
ように各ゾーンのSiCl4ガス流量を制御し、さらに
必要に応じて鋼板Sの移動速度を調整することにより、
鋼板Sに対する浸珪および拡散速度を制御することがで
き、鋼板の板厚方向のSi濃度分布を任意に制御するこ
とができる。その後、このようにSi濃度分布が制御さ
れた鋼板Sを冷却炉3で冷却し、巻き取る。
珪処理および拡散処理を同一炉で、しかも同一のSiC
l4ガス雰囲気で行うことにより、炉の構造を簡略化す
ることができるとともに、従来拡散炉で問題となってい
た鋼板酸化も抑制することができる。また、浸珪・拡散
処理炉2における雰囲気調整を、各ゾーン毎にSiCl
4ガスの流量を制御することにより部分的に行うことが
できるので、浸珪処理および拡散処理を制御しやすく、
結果としてSi濃度分布の制御が容易となる。したがっ
て、極めて自由度の高い処理を行うことができる。
記図1に示すような装置により、CVD法を使用した連
続浸珪処理プロセスにより、2.5wt.%Siと3.
0wt.%Siの2水準で板厚0.2mmの鋼板を母材
とし、SiCl4を原料ガスに用いて、板厚方向にSi
濃度勾配を有する材料を製造した。
つのゾーンに分け、各ゾーンにそれぞれガス供給ノズル
を配した。そして、各ゾーン毎のSiCl4ガス流量を
コントロールすることにより、数回の珪素添加・拡散を
連続的に実施した。炉内温度は図2に示す炉温パターン
にて行った。なお、比較のため、浸珪処理と拡散処理を
個別に実施する従来法でも製造した。
ーブマイクロアナライザー(EPMA)によって鋼板の
板厚方向の珪素濃度分布を分析した結果に基づく表層珪
素濃度および中心珪素濃度の値、磁気特性、加工性を示
す。
行った条件1〜4では、Siの濃度勾配を細かく制御す
ることができ、鉄損を許容値に維持しつつ、残留磁束密
度が低く、かつ加工性の良好な珪素鋼板を得ることがで
きた。これに対して、比較例では処理の自由度が低く、
Si濃度が6.5wt.%で均一なものか、または表面
が6.5wt.%Siで中心のSi濃度が母材濃度であ
るものが得られたが、満足する特性が得難いことが確認
された。
浸珪処理と拡散処理とを同一炉で同一ガス雰囲気で行う
ので、炉構造を簡素化することができ、また、拡散処理
雰囲気の水、酸素濃度を低減することができるので、均
熱拡散処理段階での鋼板酸化を抑制することができ、製
品の品質劣化を防止することができる。さらに、浸珪処
理および拡散処理の処理時間および処理間隔を制御する
ので、自由度の高い処理により所望の磁気特性を得るこ
とができる。
す概略構成図。
Claims (4)
- 【請求項1】 鋼板表面からSiを浸透させる浸珪処理
および浸透させたSiを鋼板内に拡散させる拡散処理を
同一炉内で同一ガス雰囲気で行い、浸珪処理および拡散
処理の処理時間および処理間隔を制御することにより、
浸珪および拡散速度を制御し、鋼板の板厚方向のSi濃
度分布を制御することを特徴とする、浸珪法を用いたS
i濃度分布を有する珪素鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 前記炉内を複数のゾーンに分割し、各ゾ
ーンの原料ガスの供給量を調節することを特徴とする請
求項1に記載の浸珪法を用いたSi濃度分布を有する珪
素鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 前記浸珪処理および拡散処理は、化学気
相蒸着法を用いて行うことを特徴とする、請求項1に記
載の浸珪法を用いたSi濃度分布を有する珪素鋼板の製
造方法。 - 【請求項4】 前記浸珪処理および拡散処理は、SiC
l4を用いた化学気相蒸着法にて行うことを特徴とす
る、請求項2に記載の浸珪処理を浸珪法を用いたSi濃
度分布を有する珪素鋼板の製造方法。
Priority Applications (5)
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JPH11293449A true JPH11293449A (ja) | 1999-10-26 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102162104A (zh) * | 2010-10-29 | 2011-08-24 | 东北大学 | 一种高硅钢薄板的制备方法 |
WO2013069259A1 (ja) * | 2011-11-09 | 2013-05-16 | Jfeスチール株式会社 | 極薄電磁鋼板 |
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1998
- 1998-04-10 JP JP11435798A patent/JP3395647B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2013122081A (ja) * | 2011-11-09 | 2013-06-20 | Jfe Steel Corp | 極薄電磁鋼板 |
US9666350B2 (en) | 2011-11-09 | 2017-05-30 | Jfe Steel Corporation | Ultrathin electromagnetic steel sheet |
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