JPH11293192A - 潤滑性塗料およびこれを用いた潤滑性絶縁電線 - Google Patents
潤滑性塗料およびこれを用いた潤滑性絶縁電線Info
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- JPH11293192A JPH11293192A JP9502898A JP9502898A JPH11293192A JP H11293192 A JPH11293192 A JP H11293192A JP 9502898 A JP9502898 A JP 9502898A JP 9502898 A JP9502898 A JP 9502898A JP H11293192 A JPH11293192 A JP H11293192A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 潤滑性に優れた樹脂被覆層を形成するのに好
適で、かつ保存安定性に優れた潤滑性塗料、およびこれ
を用いた潤滑性に優れた絶縁電線を提供する。 【解決手段】 クレゾールを主溶剤とするポリアミドイ
ミド塗料にワックス類を配合して潤滑性塗料を調製す
る。この潤滑性塗料を最外層に塗布、焼き付けして潤滑
性絶縁電線を製造する。
適で、かつ保存安定性に優れた潤滑性塗料、およびこれ
を用いた潤滑性に優れた絶縁電線を提供する。 【解決手段】 クレゾールを主溶剤とするポリアミドイ
ミド塗料にワックス類を配合して潤滑性塗料を調製す
る。この潤滑性塗料を最外層に塗布、焼き付けして潤滑
性絶縁電線を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気、通信機器等の
機器コイル用電線などとして広範囲な用途に使用される
絶縁電線に関するもので、特にその最外層として潤滑性
に優れた樹脂被覆層を有するものである。
機器コイル用電線などとして広範囲な用途に使用される
絶縁電線に関するもので、特にその最外層として潤滑性
に優れた樹脂被覆層を有するものである。
【0002】
【従来の技術】絶縁電線は、機器コイル等の製造時の巻
線工程において、ノズルやプーリ等によって傷つけられ
ることがあり、これが原因でレヤショートやアース不良
を引き起こすことがあった。近年、高速自動巻機が普及
し、高速で絶縁電線を巻回することができるようになっ
たが、その分、絶縁電線は苛酷な条件下で取扱われるよ
うになり、機械的損傷等を受け易くなった。そこで、絶
縁電線の受ける損傷を防止すると共に、高速巻線処理を
より確実に行えるように、絶縁電線の表面の摩擦係数を
低下せしめるべく、潤滑油を塗布する等の処理がなされ
ていた。しかしながら、単に潤滑油を塗布しただけのも
のであっては、巻線の高速化に追随することができなか
った。そこで、絶縁電線の最外層として潤滑性に優れた
樹脂層を設けることが行われていた。このような最外層
を形成するのに好適な樹脂として、ポリアミドイミド樹
脂が知られており、ポリアミドイミド塗料に、より潤滑
性を発揮させるために脂肪酸エステルを配合した潤滑性
塗料を用いる方法が一般的であった。
線工程において、ノズルやプーリ等によって傷つけられ
ることがあり、これが原因でレヤショートやアース不良
を引き起こすことがあった。近年、高速自動巻機が普及
し、高速で絶縁電線を巻回することができるようになっ
たが、その分、絶縁電線は苛酷な条件下で取扱われるよ
うになり、機械的損傷等を受け易くなった。そこで、絶
縁電線の受ける損傷を防止すると共に、高速巻線処理を
より確実に行えるように、絶縁電線の表面の摩擦係数を
低下せしめるべく、潤滑油を塗布する等の処理がなされ
ていた。しかしながら、単に潤滑油を塗布しただけのも
のであっては、巻線の高速化に追随することができなか
った。そこで、絶縁電線の最外層として潤滑性に優れた
樹脂層を設けることが行われていた。このような最外層
を形成するのに好適な樹脂として、ポリアミドイミド樹
脂が知られており、ポリアミドイミド塗料に、より潤滑
性を発揮させるために脂肪酸エステルを配合した潤滑性
塗料を用いる方法が一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来用いら
れているポリアミドイミド塗料の溶剤には、N−メチル
−2−ピロリドンおよびジメチルホルムアミドを主体に
キシレン、ナフサなどが使用されているが、脂肪酸エス
テルはこれらの溶剤に難溶であるため、数ヶ月、条件に
よっては数週間で脂肪酸エステルが塗料から分離してし
まうという不都合があった。また脂肪酸エステルが分離
してしまった潤滑性塗料を攪拌すると、外見上は分離前
と変わらない状態になるが、脂肪酸エステルどうしが凝
集するため、この潤滑性塗料を使用して絶縁電線を製造
すると最外層の潤滑性が劣るという問題があった。
れているポリアミドイミド塗料の溶剤には、N−メチル
−2−ピロリドンおよびジメチルホルムアミドを主体に
キシレン、ナフサなどが使用されているが、脂肪酸エス
テルはこれらの溶剤に難溶であるため、数ヶ月、条件に
よっては数週間で脂肪酸エステルが塗料から分離してし
まうという不都合があった。また脂肪酸エステルが分離
してしまった潤滑性塗料を攪拌すると、外見上は分離前
と変わらない状態になるが、脂肪酸エステルどうしが凝
集するため、この潤滑性塗料を使用して絶縁電線を製造
すると最外層の潤滑性が劣るという問題があった。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、潤滑性に優れた樹脂層を形成するのに好適で、かつ
保存安定性に優れた潤滑性塗料、およびこれを用いた潤
滑性絶縁電線を提供することを目的とする。
で、潤滑性に優れた樹脂層を形成するのに好適で、かつ
保存安定性に優れた潤滑性塗料、およびこれを用いた潤
滑性絶縁電線を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は、クレゾール
を主溶剤とするポリアミドイミド塗料にワックス類を配
合してなることを特徴とする潤滑性塗料、およびこの潤
滑性塗料を用いて最外層が形成された潤滑性絶縁電線に
よって解決できる。
を主溶剤とするポリアミドイミド塗料にワックス類を配
合してなることを特徴とする潤滑性塗料、およびこの潤
滑性塗料を用いて最外層が形成された潤滑性絶縁電線に
よって解決できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の潤滑性塗料は、ポリアミドイミドを、クレゾー
ルを主成分とする溶剤に溶解させてなるポリアミドイミ
ド塗料にワックス類を配合したものである。本発明で用
いられるポリアミドイミド塗料は、溶剤の30重量%以
上、好ましくは50重量%以上がクレゾールからなるも
ので、クレゾールの他にN−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルホルムアミド、キシレン、ナフサ等のポリアミ
ドイミドを溶解する適宜の溶剤が混合されていてもよ
い。
本発明の潤滑性塗料は、ポリアミドイミドを、クレゾー
ルを主成分とする溶剤に溶解させてなるポリアミドイミ
ド塗料にワックス類を配合したものである。本発明で用
いられるポリアミドイミド塗料は、溶剤の30重量%以
上、好ましくは50重量%以上がクレゾールからなるも
ので、クレゾールの他にN−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルホルムアミド、キシレン、ナフサ等のポリアミ
ドイミドを溶解する適宜の溶剤が混合されていてもよ
い。
【0007】本発明で用いられるワックス類としては、
天然ワックス、合成ろう、あるいは炭素数が17以上の
脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸無水物、および脂肪酸
ハロゲン化物等を用いることができる。天然ワックスと
しては、例えばカルナバワックス、キャンデリラワック
ス、モンタンワックス、オリキュリーワックス、ケーン
ワックス、みつろう、鯨ろう、支那昆虫ろう、木ろう、
オゾケライト、セレシン等がある。合成ろうとしては、
マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、
低分子ポリエチレン、およびその誘導体、モンタン誘導
体、マイクロワックス誘導体、合成酸化ワックス、ポリ
エチレングリコール、ステアリン酸ソルビトール、カス
トールワックス、オパールワックス、アタクチックポリ
プレン、アルファオレフィンワックス、ハロゲン化炭化
水素などがある。
天然ワックス、合成ろう、あるいは炭素数が17以上の
脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸無水物、および脂肪酸
ハロゲン化物等を用いることができる。天然ワックスと
しては、例えばカルナバワックス、キャンデリラワック
ス、モンタンワックス、オリキュリーワックス、ケーン
ワックス、みつろう、鯨ろう、支那昆虫ろう、木ろう、
オゾケライト、セレシン等がある。合成ろうとしては、
マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、
低分子ポリエチレン、およびその誘導体、モンタン誘導
体、マイクロワックス誘導体、合成酸化ワックス、ポリ
エチレングリコール、ステアリン酸ソルビトール、カス
トールワックス、オパールワックス、アタクチックポリ
プレン、アルファオレフィンワックス、ハロゲン化炭化
水素などがある。
【0008】また炭素数が17以上の脂肪酸の例として
は、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、
エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、トリコ
サン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサ
ン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン
酸、トリアコンタン酸等があり、これらの誘導体として
エステル、酸無水物、酸ハロゲン物も使用できる。
は、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、
エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、トリコ
サン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサ
ン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン
酸、トリアコンタン酸等があり、これらの誘導体として
エステル、酸無水物、酸ハロゲン物も使用できる。
【0009】上記のワックス類は、1種または2種以上
を任意の割合で混合して用いることができる。本発明の
潤滑性塗料におけるワックス類の配合量は、ポリアミド
イミド塗料の不揮発分100重量部に対して、0.05
〜10.0重量部の範囲にあることが好ましく、0.5
〜5.0重量部の範囲であればより好ましい。ワックス
類の配合量が0.05重量部未満であると、優れた潤滑
性が得られず、10.0重量部を超えると電線の外観を
損なうおそれがある。また、本発明の潤滑性塗料には、
その特性を損なわない範囲で、その他の熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、フィラー、顔料、染料、界面活性剤など
の一種または二種以上を適宜必要に応じて配合すること
ができる。また、無機充填剤を適宜配合することもでき
る。
を任意の割合で混合して用いることができる。本発明の
潤滑性塗料におけるワックス類の配合量は、ポリアミド
イミド塗料の不揮発分100重量部に対して、0.05
〜10.0重量部の範囲にあることが好ましく、0.5
〜5.0重量部の範囲であればより好ましい。ワックス
類の配合量が0.05重量部未満であると、優れた潤滑
性が得られず、10.0重量部を超えると電線の外観を
損なうおそれがある。また、本発明の潤滑性塗料には、
その特性を損なわない範囲で、その他の熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、フィラー、顔料、染料、界面活性剤など
の一種または二種以上を適宜必要に応じて配合すること
ができる。また、無機充填剤を適宜配合することもでき
る。
【0010】熱可塑性樹脂としては、バルサム、コパー
ル、ダンマー、シェラック、フッ素樹脂、ポリエチレン
テレフタレートなども好ましく用いられ、これらを単独
もしくは2種以上を混合して用いることができる。
ル、ダンマー、シェラック、フッ素樹脂、ポリエチレン
テレフタレートなども好ましく用いられ、これらを単独
もしくは2種以上を混合して用いることができる。
【0011】無機充填剤としては、金属硫化物、金属セ
レン化物、金属テルル化合物、金属ハロゲン化物、金属
窒化物、金属酸化物、金属炭化物などが好ましく用いら
れる。具体的には、金属硫化物としては、ZrS2、V
S2、NbS2、TaS2、MoS2、WS2、ReS2等、
金属セレン化合物としては、WSe2、MoSe2 、N
bSe2、ZrSe2、TaSe2等、金属テルル化物と
しては、NbTe2、TaTe2、WTe2等、金属ハロ
ゲン化物としては、CdCl2、CdI2、CdBr 2、
CaF2、BaF2等、金属窒化物としては、BN、Si
N4等、金属酸化物としては、雲母、Sb2O3などが好
ましく用いられる。これらの無機充填剤は単独もしくは
2種以上を混合して用いることができる。本発明の絶縁
電線を高電圧機器を用途に用いる場合、上記充填剤とし
て、半導電性を示す無機充填剤を用いれば、電界の緩和
効果も期待できるので、特に好ましい。
レン化物、金属テルル化合物、金属ハロゲン化物、金属
窒化物、金属酸化物、金属炭化物などが好ましく用いら
れる。具体的には、金属硫化物としては、ZrS2、V
S2、NbS2、TaS2、MoS2、WS2、ReS2等、
金属セレン化合物としては、WSe2、MoSe2 、N
bSe2、ZrSe2、TaSe2等、金属テルル化物と
しては、NbTe2、TaTe2、WTe2等、金属ハロ
ゲン化物としては、CdCl2、CdI2、CdBr 2、
CaF2、BaF2等、金属窒化物としては、BN、Si
N4等、金属酸化物としては、雲母、Sb2O3などが好
ましく用いられる。これらの無機充填剤は単独もしくは
2種以上を混合して用いることができる。本発明の絶縁
電線を高電圧機器を用途に用いる場合、上記充填剤とし
て、半導電性を示す無機充填剤を用いれば、電界の緩和
効果も期待できるので、特に好ましい。
【0012】本発明の潤滑性絶縁電線は、銅などからな
る導体上に絶縁皮膜を形成してなるエナメル線の周上
に、本発明の潤滑性塗料を塗布、焼き付けして最外層と
することによって得られる。エナメル線の絶縁被膜は、
ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエステルイミ
ド、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、ポリヒダン
トイン、ポリエステルアミドイミド、ポリエステルアミ
ド、ポリアミド、ポリビニルブチラール、エポキシなど
の既知の絶縁塗料を導体上に塗布、焼付けることにより
形成される。また本発明の潤滑性塗料からなる最外層の
層厚は、1〜20μmが好適であり、3μm程度がより
好ましい。層厚が1μmよりも薄いと耐摩耗性が低下す
るおそれがあり、20μmよりも厚いと外観不良を生じ
るおそれがある。
る導体上に絶縁皮膜を形成してなるエナメル線の周上
に、本発明の潤滑性塗料を塗布、焼き付けして最外層と
することによって得られる。エナメル線の絶縁被膜は、
ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエステルイミ
ド、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、ポリヒダン
トイン、ポリエステルアミドイミド、ポリエステルアミ
ド、ポリアミド、ポリビニルブチラール、エポキシなど
の既知の絶縁塗料を導体上に塗布、焼付けることにより
形成される。また本発明の潤滑性塗料からなる最外層の
層厚は、1〜20μmが好適であり、3μm程度がより
好ましい。層厚が1μmよりも薄いと耐摩耗性が低下す
るおそれがあり、20μmよりも厚いと外観不良を生じ
るおそれがある。
【0013】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して本発明の効果
を明らかにする。 (実施例1)クレゾールが主溶剤であるポリアミドイミ
ド塗料(PEDIGREE 981-85 CRESOL SOLUBLE AMIDEIMIDE
W.E.;P.D.George社製)に、クレゾールに溶解させたモ
ンタンワックスを、ポリアミドイミド塗料の不揮発分1
00重量部に対して5重量部配合して潤滑性塗料を調製
した。一方、導体上にポリエステルイミドからなる絶縁
被膜を形成してなる外径1.0mmのエナメル線を用意
した。このエナメル線の周上に、上記で調製した直後の
潤滑性塗料を皮膜厚が3.0μmとなるように塗布、焼
き付けして最外層を形成し、潤滑性絶縁電線を得た。ま
た上記で調製した潤滑性塗料を3ヶ月間放置した後、こ
の潤滑性塗料を上記と同様のエナメル線上に皮膜厚が
3.0μmとなるように塗布、焼き付けして被覆し、潤
滑性絶縁電線を得た。
を明らかにする。 (実施例1)クレゾールが主溶剤であるポリアミドイミ
ド塗料(PEDIGREE 981-85 CRESOL SOLUBLE AMIDEIMIDE
W.E.;P.D.George社製)に、クレゾールに溶解させたモ
ンタンワックスを、ポリアミドイミド塗料の不揮発分1
00重量部に対して5重量部配合して潤滑性塗料を調製
した。一方、導体上にポリエステルイミドからなる絶縁
被膜を形成してなる外径1.0mmのエナメル線を用意
した。このエナメル線の周上に、上記で調製した直後の
潤滑性塗料を皮膜厚が3.0μmとなるように塗布、焼
き付けして最外層を形成し、潤滑性絶縁電線を得た。ま
た上記で調製した潤滑性塗料を3ヶ月間放置した後、こ
の潤滑性塗料を上記と同様のエナメル線上に皮膜厚が
3.0μmとなるように塗布、焼き付けして被覆し、潤
滑性絶縁電線を得た。
【0014】(実施例2)上記実施例1において、モン
タンワックスに代えてカルバナワッックスを使用した他
は同様にして、調製直後の潤滑性塗料を使用してなる潤
滑性絶縁電線、および3ヶ月放置後の潤滑性塗料を使用
してなる潤滑性絶縁電線をそれぞれ作製した。
タンワックスに代えてカルバナワッックスを使用した他
は同様にして、調製直後の潤滑性塗料を使用してなる潤
滑性絶縁電線、および3ヶ月放置後の潤滑性塗料を使用
してなる潤滑性絶縁電線をそれぞれ作製した。
【0015】(実施例3)上記実施例1において、モン
タンワックスに代えてポリエチレンワッックス(ヘキス
トワックス PE520;ヘキストジャパン社製)を使用し
た他は同様にして、調製直後の潤滑性塗料を使用してな
る潤滑性絶縁電線、および3ヶ月放置後の潤滑性塗料を
使用してなる潤滑性絶縁電線をそれぞれ作製した。
タンワックスに代えてポリエチレンワッックス(ヘキス
トワックス PE520;ヘキストジャパン社製)を使用し
た他は同様にして、調製直後の潤滑性塗料を使用してな
る潤滑性絶縁電線、および3ヶ月放置後の潤滑性塗料を
使用してなる潤滑性絶縁電線をそれぞれ作製した。
【0016】(比較例1〜3)N−メチル−2−ピロリ
ドンおよびジメチルホルムアミドが主溶剤であるポリア
ミドイミド塗料(HI406D;日立化成社製)に、キシレン
に溶解させたモンタンワックスを、ポリアミドイミド塗
料の不揮発分100重量部に対して1重量部(比較例
1)、2重量部(比較例2)、および5重量部(比較例
3)配合して潤滑性塗料を調製した。これらの潤滑性塗
料を用い、上記実施例1と同様にして、調製直後の潤滑
性塗料を使用してなる潤滑性絶縁電線、および3ヶ月放
置後の潤滑性塗料を使用してなる潤滑性絶縁電線をそれ
ぞれ作製した。
ドンおよびジメチルホルムアミドが主溶剤であるポリア
ミドイミド塗料(HI406D;日立化成社製)に、キシレン
に溶解させたモンタンワックスを、ポリアミドイミド塗
料の不揮発分100重量部に対して1重量部(比較例
1)、2重量部(比較例2)、および5重量部(比較例
3)配合して潤滑性塗料を調製した。これらの潤滑性塗
料を用い、上記実施例1と同様にして、調製直後の潤滑
性塗料を使用してなる潤滑性絶縁電線、および3ヶ月放
置後の潤滑性塗料を使用してなる潤滑性絶縁電線をそれ
ぞれ作製した。
【0017】(比較例4,5)上記比較例3において、
モンタンワックスに代えて、上記実施例2と同様のカル
バナワックス(比較例4)、および実施例3と同様のポ
リエチレンワックス(比較例5)をそれぞれ使用した他
は同様にして、調製直後の潤滑性塗料を使用してなる潤
滑性絶縁電線、および3ヶ月放置後の潤滑性塗料を使用
してなる潤滑性絶縁電線をそれぞれ作製した。
モンタンワックスに代えて、上記実施例2と同様のカル
バナワックス(比較例4)、および実施例3と同様のポ
リエチレンワックス(比較例5)をそれぞれ使用した他
は同様にして、調製直後の潤滑性塗料を使用してなる潤
滑性絶縁電線、および3ヶ月放置後の潤滑性塗料を使用
してなる潤滑性絶縁電線をそれぞれ作製した。
【0018】上記実施例および比較例で調製した潤滑性
塗料について、調製直後の外観と3ヶ月放置後の外観を
観察して評価した。その結果を下記表1に示す。潤滑性
塗料の外観の評価は、ワックスの凝集や分離が認められ
なかったものを「良」、ワックスの分離が生じたものを
「分離」として示した。また実施例および比較例で得ら
れた、調製直後の潤滑性塗料を使用してなる潤滑性絶縁
電線、および3ヶ月放置後の潤滑性塗料を使用してなる
潤滑性絶縁電線について、表面の外観と静摩擦係数の評
価を行った。その結果を下記表1に示す。外観の評価
は、表面が滑らかであったものを○、やや凹凸が認めら
れたものを△、外観不良であったものを×として示し
た。尚、静摩擦係数の測定は、電線滑り試験器(東洋精
機(株)製)を用い、荷重200gで行った。
塗料について、調製直後の外観と3ヶ月放置後の外観を
観察して評価した。その結果を下記表1に示す。潤滑性
塗料の外観の評価は、ワックスの凝集や分離が認められ
なかったものを「良」、ワックスの分離が生じたものを
「分離」として示した。また実施例および比較例で得ら
れた、調製直後の潤滑性塗料を使用してなる潤滑性絶縁
電線、および3ヶ月放置後の潤滑性塗料を使用してなる
潤滑性絶縁電線について、表面の外観と静摩擦係数の評
価を行った。その結果を下記表1に示す。外観の評価
は、表面が滑らかであったものを○、やや凹凸が認めら
れたものを△、外観不良であったものを×として示し
た。尚、静摩擦係数の測定は、電線滑り試験器(東洋精
機(株)製)を用い、荷重200gで行った。
【0019】
【表1】
【0020】表1の結果より、潤滑性塗料については、
ワックスの配合量が少ない比較例1では調製直後にワッ
クスの分離が見られなかったものの、他の比較例では調
製直後から既にワックスが分離していたのに対して、実
施例1〜3では3ヶ月放置後もワックスの分離が認めら
れず保存安定性が良好であった。潤滑性絶縁電線につい
ては、実施例1〜3では、調製直後の潤滑性塗料を用い
たものと、3ヶ月放置後の潤滑性塗料を用いたものと
で、静摩擦係数の劣化は非常に少なく良好な値が得られ
た。また絶縁電線の表面はいずれも滑らかであった。こ
れに対して、ワックスの配合量が少ない比較例1では外
観および静摩擦係数の評価が良好であったものの、他の
比較例では絶縁電線の表面が滑らかに形成されず、潤滑
性(静摩擦係数)も実施例に比べて劣っていた。また調
製直後の潤滑性塗料を用いたものに対して、3ヶ月放置
後の潤滑性塗料を用いたものは、静摩擦係数の劣化が大
きかった。
ワックスの配合量が少ない比較例1では調製直後にワッ
クスの分離が見られなかったものの、他の比較例では調
製直後から既にワックスが分離していたのに対して、実
施例1〜3では3ヶ月放置後もワックスの分離が認めら
れず保存安定性が良好であった。潤滑性絶縁電線につい
ては、実施例1〜3では、調製直後の潤滑性塗料を用い
たものと、3ヶ月放置後の潤滑性塗料を用いたものと
で、静摩擦係数の劣化は非常に少なく良好な値が得られ
た。また絶縁電線の表面はいずれも滑らかであった。こ
れに対して、ワックスの配合量が少ない比較例1では外
観および静摩擦係数の評価が良好であったものの、他の
比較例では絶縁電線の表面が滑らかに形成されず、潤滑
性(静摩擦係数)も実施例に比べて劣っていた。また調
製直後の潤滑性塗料を用いたものに対して、3ヶ月放置
後の潤滑性塗料を用いたものは、静摩擦係数の劣化が大
きかった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の潤滑性塗料
は、潤滑性を有する樹脂被覆層を形成するのに好適なポ
リアミドイミド樹脂を用い、さらに樹脂層の潤滑性を向
上させるワックス類を配合したものであるので、潤滑性
絶縁電線の最外層として潤滑性に優れた樹脂被覆層を形
成するのに好適である。またクレゾールを主溶剤とする
ポリアミドイミド塗料を用いているので、ワックス類と
溶剤との相溶性が良好であり、ワックス類が非常に凝集
あるいは分離し難い。したがって潤滑性塗料の保存安定
性が優れており、また表面が滑らかな樹脂被覆層が形成
される。このような潤滑性塗料を塗布、焼き付けしてな
る最外層を有する本発明の潤滑性絶縁電線は、表面の潤
滑性が優れており、機械的損傷等を受けることが抑制さ
れる。また最外層の表面が滑らかに形成されるので、使
用による潤滑性の劣化も非常に少ないという有利な効果
が得られる。
は、潤滑性を有する樹脂被覆層を形成するのに好適なポ
リアミドイミド樹脂を用い、さらに樹脂層の潤滑性を向
上させるワックス類を配合したものであるので、潤滑性
絶縁電線の最外層として潤滑性に優れた樹脂被覆層を形
成するのに好適である。またクレゾールを主溶剤とする
ポリアミドイミド塗料を用いているので、ワックス類と
溶剤との相溶性が良好であり、ワックス類が非常に凝集
あるいは分離し難い。したがって潤滑性塗料の保存安定
性が優れており、また表面が滑らかな樹脂被覆層が形成
される。このような潤滑性塗料を塗布、焼き付けしてな
る最外層を有する本発明の潤滑性絶縁電線は、表面の潤
滑性が優れており、機械的損傷等を受けることが抑制さ
れる。また最外層の表面が滑らかに形成されるので、使
用による潤滑性の劣化も非常に少ないという有利な効果
が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 クレゾールを主溶剤とするポリアミドイ
ミド塗料にワックス類を配合してなることを特徴とする
潤滑性塗料。 - 【請求項2】 請求項1記載の潤滑性塗料を塗布、焼き
付けしてなる最外層を有することを特徴とする潤滑性絶
縁電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9502898A JPH11293192A (ja) | 1998-04-07 | 1998-04-07 | 潤滑性塗料およびこれを用いた潤滑性絶縁電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9502898A JPH11293192A (ja) | 1998-04-07 | 1998-04-07 | 潤滑性塗料およびこれを用いた潤滑性絶縁電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11293192A true JPH11293192A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14126652
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9502898A Withdrawn JPH11293192A (ja) | 1998-04-07 | 1998-04-07 | 潤滑性塗料およびこれを用いた潤滑性絶縁電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11293192A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007333794A (ja) * | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Fuji Xerox Co Ltd | 記録用紙 |
CN116731606A (zh) * | 2023-07-25 | 2023-09-12 | 太平洋电线电缆(深圳)有限公司 | 一种自润滑聚酰胺酰亚胺漆包线漆及其制备方法 |
-
1998
- 1998-04-07 JP JP9502898A patent/JPH11293192A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007333794A (ja) * | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Fuji Xerox Co Ltd | 記録用紙 |
JP4682926B2 (ja) * | 2006-06-12 | 2011-05-11 | 富士ゼロックス株式会社 | 記録用紙 |
CN116731606A (zh) * | 2023-07-25 | 2023-09-12 | 太平洋电线电缆(深圳)有限公司 | 一种自润滑聚酰胺酰亚胺漆包线漆及其制备方法 |
CN116731606B (zh) * | 2023-07-25 | 2024-10-08 | 太平洋电线电缆(深圳)有限公司 | 一种自润滑聚酰胺酰亚胺漆包线漆及其制备方法 |
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