JPH07134914A - 自己潤滑性絶縁電線 - Google Patents

自己潤滑性絶縁電線

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JPH07134914A
JPH07134914A JP28340493A JP28340493A JPH07134914A JP H07134914 A JPH07134914 A JP H07134914A JP 28340493 A JP28340493 A JP 28340493A JP 28340493 A JP28340493 A JP 28340493A JP H07134914 A JPH07134914 A JP H07134914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
self
coating
baking
insulated wire
lubricating insulated
Prior art date
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Pending
Application number
JP28340493A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Wachi
信夫 和知
Masatada Fukushima
正忠 福島
Tatsumi Hirano
辰美 平野
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Filing date
Publication date
Application filed by Showa Electric Wire and Cable Co filed Critical Showa Electric Wire and Cable Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面の滑り性を向上させることができ、しか
も、ハジキ現象や、耐熱性や電気特性などの特性低下、
外観不良を招くことがなく、さらに、製造も容易な自己
潤滑性絶縁電線を提供する。 【構成】 導体上に直接または他の絶縁被膜を介して、
焼付塗膜形成用樹脂 100重量部あたり、フッ素系界面活
性剤(不揮発分として)0.05〜8 重量部を添加してなる
絶縁塗料の塗布焼付層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気機器のコイル成形
品に用いられる絶縁電線に係り、さらに詳しく、表面の
滑り性を高めて巻線加工性を向上させた自己潤滑性絶縁
電線に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、モータ、トランスなどの電気機器
の小型化、高性能化、低コスト化が進められ、これにと
もない、このような電気機器のコイル成形品に用いる絶
縁電線は、高速かつ高密度でコイル巻きされる傾向にあ
る。このため、かかる用途に用いる絶縁電線には、高速
でコイル巻き作業を行っても、被膜が傷付いたり特性が
低下することがなく、また、スロット内での占積率を高
めることができるよう、被膜表面の滑り性の向上が強く
求められている。
【0003】従来、このような滑り性を高める方法とし
ては、 イ)絶縁塗料に、滑性物質として、たとえば、モンタン
酸ワックス、カルナバワックス、パラフィンワックスな
どのワックス類、シリコーンオイルなどの潤滑油、フッ
素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの粉末を添
加する、 ロ)電線表面に、潤滑性の高いナイロン樹脂、または上
記のような滑性物質を添加したナイロン樹脂を被覆す
る、 ハ)電線表面に、セラックやカルナバワックスなどの減
摩材のアルカリ水分散液を塗布し焼き付ける、 ニ)電線表面に、流動パラフィン、スピンドル油などの
潤滑油を塗布するなどの方法が知られている。
【0004】しかしながら、このような方法では次のよ
うな問題があった。すなわち、イ)の方法では、滑り性
を改善するためには滑性物質を多量に配合しなければな
らず、そのために被膜の透明性が失われたり、塗料に分
離、沈殿を招くおそれがある。しかも、十分な滑り性が
得られない。さらに、滑性物質が粉末のものでは、被膜
表面にざらつきを生じ外観不良を招くだけでなく、いわ
ゆるハジキ現象(コイル巻後に含浸用ワニスで処理する
際、ワニスをはじいてしまう現象)を生ずる。ロ)の方
法では、軟化温度が低下するうえ、滑性物質を添加した
ものでは、上記と同様の問題を生じる。また、被膜厚さ
が増大するため、占積率の点でも好ましくない。ハ)の
方法では、コイル加工時に断線などのトラブルを生ずる
おそれがある。ニ)の方法では、均一に塗布することが
難しいうえ、滑り性も不十分である。さらに、ロ)〜
ニ)の方法では、塗料焼付後、再度、塗布や焼付工程を
行う必要があるため、作業性が低下し、また、製造コス
トの上昇を招く。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、絶縁電線
において、巻線加工性を高めるために滑り性向上の要求
があるが、従来の方法では、十分な滑り性が得られない
うえ、含浸用ワニスをはじくハジキ現象を生じる、耐熱
性や電気特性などの特性が損なわれる、外観が不良とな
る、作業性の低下や、製造コストの上昇を招くなどの難
点があった。
【0006】本発明はこのような従来の事情に対処して
なされたもので、滑り性に優れ、しかも、ハジキ現象
や、耐熱性や電気特性などの特性低下、外観不良を招く
ことがなく、さらに、製造も容易な自己潤滑性絶縁電線
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
自己潤滑性絶縁電線を得るべく鋭意研究を重ねた結果、
フッ素系界面活性剤を少量配合した絶縁塗料を用いるこ
とにより、上記の目的が達成されることを見出し、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明の自己潤滑性
絶縁電線は、導体上に直接または他の絶縁被膜を介し
て、焼付塗膜形成用樹脂 100重量部あたり、フッ素系界
面活性剤(不揮発分として)0.05〜8 重量部を添加して
なる絶縁塗料の塗布焼付層を設けてなることを特徴とす
るものである。
【0008】本発明に使用される絶縁塗料には、ホルマ
ール系、ポリエステル系、ポリエステルイミド系、ポリ
ウレタン系、ポリアミドイミド系、ポリイミド系、ナイ
ロン系、あるいはこれらの混合系など、一般に絶縁被膜
形成用塗料として知られる絶縁塗料すべてが適用可能で
ある。
【0009】また、このような絶縁塗料に添加されるフ
ッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルエチ
レンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基・親油性
基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・親油性基
含有ウレタン、パーフルオロアルキル基・アルキルエス
テルなどがあげられる。市販品を例示すると、パーフル
オロアルキルエチレンオキシド付加物としては、DIC
社製 F-142D 、旭硝子社製 サーフロン S145 などが、
パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマーとし
ては、DIC社製 F-173などが、パーフルオロアルキル
基・親油性基含有ウレタンとしては、DIC社製 F-18
3、および F-184などが、さらにパーフルオロアルキル
基・アルキルエステルとしては、住友スリーエム社製
フロラードFC-430、およびFC-431(以上、いずれも商品
名)などがある。これらのフッ素系界面活性剤は、 1種
を単独で使用してもよく、 2種以上を混合して使用して
もよい。
【0010】本発明において、このようなフッ素系界面
活性剤(不揮発分として)の添加量を、焼付塗膜形成用
樹脂 100重量部あたり、0.05〜8 重量部に限定した理由
は、フッ素系界面活性剤が0.05重量部未満では、滑り性
の改善効果が小さく、また、8重量部を超えると、被膜
の透明度が低下するとともに、塗料の濁度が増し、長期
間の保存が難しくなるからである。より好ましい範囲
は、焼付塗膜形成用樹脂100重量部あたり、 0.1〜6 重
量部である。
【0011】本発明の自己潤滑性絶縁電線は、フッ素系
界面活性剤を上記範囲で添加した絶縁塗料を、導体上
に、直接または他の絶縁被膜を介して塗布焼付すること
により得られ、フッ素系界面活性剤の作用により、滑り
性に優れた絶縁被膜が形成される結果、巻線加工性の良
好な、すなわち、高速かつ高密度でコイル巻き可能な自
己潤滑性絶縁電線が得られる。この場合、フッ素系界面
活性剤は、分解温度が高いため、焼付時に揮発するよう
なことはなく、したがって優れた滑り性は塗料の焼付速
度に関係なく得られる。また、フッ素系界面活性剤は、
液状でかつ配合量も少ないため、透明性が良好で、含浸
用ワニスをはじくハジキ現象や、耐熱性、電気特性など
の特性低下がなく、さらに外観にも優れた被膜が形成さ
れる。さらに、フッ素系界面活性剤を添加した絶縁塗料
を塗布焼付するだけなので、作業性もよく、容易かつ安
価に製造することができる。
【0012】本発明の自己融着性絶縁電線は、このよう
に、滑り性に優れ、かつ、ハジキ現象がないなどの優れ
た特性を有するため、近年のモータ、トランスなどの電
気機器の小型化、高性能化、低コスト化を進めるうえで
非常に有用である。
【0013】
【作用】このように本発明の自己潤滑性絶縁電線におい
ては、フッ素系界面活性剤を少量添加した絶縁塗料を用
いたことにより、滑り性の良好な絶縁被膜が形成され、
巻線加工性を大きく向上させることができる。しかも、
被膜は透明性に優れ、ハジキ現象を生じることもない。
また、耐熱性、電気特性などの特性低下がなく、外観も
良好である。さらに、製造にあたっても、作業性よく、
容易かつ安価に製造することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を記載する。 実施例1 ポリエステルワニス(東芝ケミカル社製 商品名 TVE 5
350 )に、その樹脂分100重量部あたり 0.05 重量部の
フッ素系界面活性剤(DIC社製 商品名 F-142D 表
中、フッ素系界面活性剤(A)と表記)を添加混合して
調製した絶縁塗料を、 1mmφの銅線上に膜厚が約38μm
となるように塗布焼付けて自己潤滑性絶縁電線を得た。
なお、焼付は、炉長 6mの焼付機を用いて、線速12m/
分、温度370℃の条件で行った。
【0015】実施例2〜8 絶縁塗料の組成、および絶縁塗料の焼付条件を表1に示
すように変えた以外は、実施列1の場合と同様にして絶
縁塗料を調製し、 1mmφの銅線上に塗布焼付けて自己潤
滑性絶縁電線を得た。なお、ここで使用した絶縁ワニス
は、 ポリイミドワニス(昭和電線電纜社製 商品名 E707 ) ポリエステルイミドワニス(日本触媒社製 商品名 ア
イソミッド40SH) ポリウレタンワニス(東特塗料社製 商品名 TPU 524
2) であり、また、フッ素系界面活性剤には、 DIC社製の F-173(表中、フッ素系界面活性剤(B)
と表記) DIC社製の F-184(表中、フッ素系界面活性剤(C)
と表記) 住友スリーエム社製のフロラード FC-430 (表中、フッ
素系界面活性剤(D)と表記) 旭硝子社製のサーフロン S145 (表中、フッ素系界面活
性剤(E)と表記) を使用した。
【0016】上記各実施例で得られた自己潤滑性絶縁電
線の特性を表1に示す。なお、ハジキ性は、得られた自
己潤滑性絶縁電線の表面に含浸用ワニスを塗布し、その
際のハジキ現象の有無で評価した。
【0017】なお、表1において、比較例として示した
のは、比較例1〜4が、実施例で用いた 4種の絶縁ワニ
スをそれぞれ単独で 1mmφの銅線上に塗布焼付けた従来
構造の絶縁電線の例、比較例5が、 1mmφの銅線上にポ
リエステルワニスを塗布焼付けし、さらにその上にナイ
ロン樹脂ワニス TOVS-1 (東特塗料社製 商品名)を塗
布焼付けたナイロンオーバーコート絶縁電線の例で、い
ずれも本発明との比較のために示したものである。
【0018】
【表1】 表1からも明らかなように、本発明の自己潤滑性絶縁電
線は、比較例のものに比べ、滑り性、耐摩耗性が向上し
ており、耐熱性その他の特性については比較例に匹敵す
る良好な特性を有している。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自己潤滑
性絶縁電線によれば、滑り性、耐摩耗性が向上し、高速
かつ高密度のコイル巻きが可能となる。しかも、ハジキ
現象が生じず、耐熱性や電気特性の低下、外観不良を招
くこともない。さらに、製造も容易で、製造コストが大
きく上昇することもない。
【0020】したがって、モータ、トランスなどの電気
機器の製造に有用で、これら機器の小型化、高性能化、
低コスト化を図ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に直接または他の絶縁被膜を介し
    て、焼付塗膜形成用樹脂 100重量部あたり、フッ素系界
    面活性剤(不揮発分として)0.05〜8 重量部を添加して
    なる絶縁塗料の塗布焼付層を設けてなることを特徴とす
    る自己潤滑性絶縁電線。
JP28340493A 1993-11-12 1993-11-12 自己潤滑性絶縁電線 Pending JPH07134914A (ja)

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JP28340493A JPH07134914A (ja) 1993-11-12 1993-11-12 自己潤滑性絶縁電線

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JP28340493A JPH07134914A (ja) 1993-11-12 1993-11-12 自己潤滑性絶縁電線

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JPH07134914A true JPH07134914A (ja) 1995-05-23

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JP28340493A Pending JPH07134914A (ja) 1993-11-12 1993-11-12 自己潤滑性絶縁電線

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JP (1) JPH07134914A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308558A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Totoku Electric Co Ltd 高滑性自己融着塗料および高滑性自己融着絶縁電線
JP2018055001A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 昭和電線ケーブルシステム株式会社 架空ケーブル
WO2023179034A1 (zh) * 2022-03-19 2023-09-28 洪性仁 一种绝缘性良好的绞线

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