JPH11292570A - 反射低減ガラス - Google Patents

反射低減ガラス

Info

Publication number
JPH11292570A
JPH11292570A JP474499A JP474499A JPH11292570A JP H11292570 A JPH11292570 A JP H11292570A JP 474499 A JP474499 A JP 474499A JP 474499 A JP474499 A JP 474499A JP H11292570 A JPH11292570 A JP H11292570A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
reflection
glass
sio2
glass substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP474499A
Other languages
English (en)
Inventor
Kensuke Makita
研介 牧田
Atsushi Takamatsu
敦 高松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP474499A priority Critical patent/JPH11292570A/ja
Publication of JPH11292570A publication Critical patent/JPH11292570A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】光学特性を損なうことなく、反射低減を有しそ
の性能をより格段に発揮するようにし、密着性、耐擦傷
性ならびに耐候性等に優れ、長期にわたりその性能を保
持し、水分や汚れが付着に対し簡単な払拭くで充分対処
できる、特に建築用、産業用に有用な反射低減ガラスを
得る。 【解決手段】ガラス基板の片面に屈折率の異なる酸化物
薄膜を積層しガラス面の反射を低減せしめた反射低減ガ
ラスにおいて、該薄膜を積層した面と反対の面に、屈折
率nが1.50以下のSiO2薄膜もしくはSiO2と他の酸化物
との混合酸化物薄膜を形成してなることを特徴とする建
築用、産業用の反射低減ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輌用、建築用あるい
は一般産業用として用いられるガラス基板の反射を低減
せしめ、特に車輌用においては運転時のダッシュボード
もしくはこれらの周辺部が特定傾斜角度で取り付けたフ
ロントガラスに対する映り込み現象を低減せしめる効果
を持たせ、光学特性を損なうことなくその視野方向での
透過性を増加せしめる、車輌においてことに安全性の向
上に寄与する有用な反射低減ガラスを提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来から、例えばガラス基
板上に屈折率の異なる酸化物膜を積層し、その多重干渉
を利用してガラス基板の反射率を下げ透視性を改善し、
車内の運転者や乗員はもとより対向車等に対しても、よ
り安全性を有し、居住性に優れかつ環境に優しいものと
なるものがより望まれるなかで、所謂多層膜低反射ガラ
スが知られており、実際に建築用、産業用あるいは車輌
用等として広く用いられようとしてきている。
【0003】特に、従来の低反射ガラスは正面からの反
射光の低減を目的としたものであり、例えば自動車窓の
うち、特定傾斜角度で取り付けたフロントガラスに用い
た場合では、前記フロントガラス表面の垂直線(法線と
以後いう)となす入射角が例えば50°〜70°以上の斜入
射光に対しては、その低反射効果が半減するものであっ
て、例えば運転車がダッシュボードもしくはそれらの周
辺物がフロントガラスへの映り込みによって、ドライビ
ング時における前景の視認性が低下し、安全性の低下等
を発現することとなるものである。
【0004】これに対し、例えば特開平3ー17601 号公
報には反射防止コーテイングの形成方法が記載されてお
り、また二層の反射防止膜を積層したものとして、例え
ば特開昭64ー70701 号公報には導電性反射防止膜を有す
る透明板が記載されており、さらに三層の反射防止膜を
積層したものとして、例えば特開昭61ー189501号公報に
は透明低反射板が記載されている等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】前述した例えば特開
平3ー17601 号公報に記載されているように、ゾル・ゲ
ル技術を用いてコーティングの厚みに対して軽金属弗化
物の濃度勾配をもつコーティングを形成する方法は、複
雑な作業工程を伴い、必ずしも高効率で生産性がよく経
済的であるものとは言い難いものである。また例えば特
開昭64ー70701 号公報ならびに特開昭61ー189501号公報
に記載されているものでは、前述した特定の斜入射光に
対して、必ずしも充分かつ安定した所期の反射低減が得
られ難いものであり、さらに該両者は必ずしも車輌用と
しての必要な耐久性があるものとは言い難いものであ
る。
【0006】さらに、ガラス基板の片面にのみ2〜3層
の酸化物薄膜層を光の入射角に応じて形成した場合に発
現される反射低減効果は4〜6%の範囲であり、このま
までも未処理のガラスに比べ非常に効果があるものであ
るが、可能であればさらに高い反射低減効果を発現でき
ることが望ましい。しかしこのためには同一面にさらに
薄膜層を積層させてもほとんど性能の向上は望めないば
かりか、仮に1.0 %以下の僅かな向上が見られる場合で
あっても、薄膜層の積層数が増加するに従い膜の耐久性
が不充分であったり、薄膜層の均質性が低下して商品性
が低下し易くなり、また製造工程も煩雑になりコストア
ップを招くことになる。
【0007】また、上記酸化物薄膜層を車外面または室
外面に形成した場合は、非常に高い反射低減効果が得ら
れるが、多層膜のために膜強度が使用に耐えず、ワイパ
ーなどでの強い払拭で劣化することとなり、また表面に
水や油が付着した場合は、著しく反射を生じることとな
る、といった問題点があり、安全上好ましくないもので
ある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る問題点に鑑みてなしたものであって、ガラス基板の片
面にのみ2〜3層の酸化物薄膜層を形成した場合に発現
される反射低減効果を、同一面側への薄膜層の積層数を
増やさずに増強するため、該薄膜層が形成される面と反
対の面に、通常車輌用、建築用あるいは産業用に最も一
般的に用いられるソーダライムシリケートガラスの屈折
率n=1.51〜1.53よりも低い屈折率1.50以下の薄膜を例
えば一層のみ形成することによって、該2〜3層の酸化
物薄膜層を透過しガラス内に入射する光の反対面での反
射(裏面反射)を低減させ、2〜3層の酸化物薄膜層の
みの場合に比べてさらに0.5 乃至2.0 %程度の性能向上
を図る反射低減ガラスを提供するものである。
【0009】すなわち、本発明は、ガラス基板の片面に
屈折率の異なる酸化物薄膜を積層しガラス面の反射を低
減せしめた反射低減ガラスにおいて、該薄膜を積層した
面と反対の面に、屈折率nが1.50以下のSiO2薄膜もし
くはSiO2と他の酸化物との混合酸化物薄膜を形成して
なることを特徴とする建築用、産業用の反射低減ガラ
ス。
【0010】また、前記酸化物薄膜層の最上層が、該酸
化物薄膜層の反対面に形成したSiO2薄膜もしくはSiO2
と他の酸化物との混合酸化物薄膜と同一の膜であること
を特徴とする上述した反射低減ガラスをそれぞれ提供す
るものである。
【0011】ここで、前記SiO2と混合される他の酸化
物とは、TiO2、ZrO2、Al2O3 、B2O3、SnO2、In
2O3 あるいはTa2O3 など種々の酸化物の中から適
宜自由自在に選択することができるものであり、最上層
となる当該SiO2系酸化物薄膜を金属アルコキシドを出
発原料とするゾルゲル法で形成することがよく、この金
属化合物の出発原料がSiO2系のゾル溶液と可溶性であ
って、混合後に均質な混合酸化物ゾル溶液となり、かつ
その混合酸化物の薄膜を形成した際に膜の屈折率が1.50
を超えることがないような、好ましくは屈折率が1.47以
下の混合酸化物を選択することが必要である。
【0012】さらにまた、前記ガラス基板としては、無
機質(場合によっては有機質)の透明板ガラスであっ
て、無色または着色、ならびにその種類あるいは色調、
形状等に特に限定されるものではなく、さらに曲げ板ガ
ラスとしてはもちろん、各種被膜ガラス、各種強化ガラ
スや強度アップガラス、平板や単板で使用できるととも
に、複層ガラスあるいは合せガラスとしても使用できる
ことは言うまでもない。特に自動車用フロントウインド
ウに使用する合せガラスにおいて格段にその機能を発揮
するものである。
【0013】
【作用】前述したとおり、本発明の反射低減ガラスは、
ガラス基板上の片面に異なる屈折率の酸化物を積層して
成る反射低減層を設けた中で、該反射低減層面の反対面
あるいは該反対面と反射低減層の最上層に、例えばSiO
2もしくはSiO2と他の酸化物薄膜との混合酸化物でも
って少なくとも形成することによるものであり、付着性
も向上し強固な薄膜とすることでき、ガラス基板との界
面はもちろん、積層膜での膜と膜の界面においても密着
性を格段に向上させ、反射低減の効果を増大するように
して充分透視性があってかつ優れた耐摩耗性、耐久性を
有するものとなり、透明で硬度が高い、しかも所定の光
学特性等も同時に発現させて充分に満足できるものとで
き、高安全で厄介な工程を必要とせず、安価に効率よく
得られることとなって、建築用窓材にはもちろん車両用
窓材等に、広く有用な反射低減ガラスとなるものであ
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0015】実施例1 TiのアルコキシドとSiのアルコキシドとを酸化物換算の
モル比で約43:57 になるように混合し、これにイソプロ
ピルアルコール等の溶媒を加えて溶質濃度約0.45mol /
l に調製した。該アルコキシド溶液の粘度は約2 mPa・
s (cps) であった。
【0016】次いで大きさが自動車用フロントガラスの
素板サイズであり、厚さ約2mmのフロートガラス基板
(ブロンズ色)を中性洗剤、水すすぎ、アルコール、ア
セトン等で順次洗浄し、乾燥した後、該ガラス基板の片
面をマスキングテープでマスキングし、該ガラス基板を
前記調製溶液中に浸漬し、約3.0mm /秒の一定速度で上
方に静かに引き上げ、ガラス基板上にゲル膜を形成し、
マスキングテープを取り除き約280 ℃に保持した電気炉
中に約10分間入れ乾燥加熱し、第1層目のSiO2・TiO2
系酸化物薄膜を得た。
【0017】つぎに、上記ガラス基板の非成膜面に再度
マスキングテープを貼り、溶質濃度約0.25mol /l とな
るよう調整し粘度が約6 mPa・s であるSiアルコキシド
溶液中に浸漬した後、約4mm/秒の一定速度で上方に静
かに引き上げ、第1層目と同様にマスキングテープを取
り除き、再度約280 ℃で約10分間保持乾燥加熱し、第2
層目のSiO2の酸化物薄膜を得た。
【0018】また、上記Siアルコキシド溶液中に、片面
を前記と同様にマスキングテープでマスキングした新た
な前記同様のサイズで2mm厚さのガラス基板(クリア
ー)を浸漬し、上方に約4.0 mm/秒の一定速度で静かに
引き上げ、マスキングテープを取り除き、前記と同じ電
気乾燥炉に入れて約280 ℃で約10分間加熱乾燥し、片面
にSiO2の酸化物薄膜を得た。
【0019】得られた2枚のガラス基板を、自動車のフ
ロントガラスの製造ラインに供給し、同形の規定形状に
それぞれを切断した後、該2枚のガラス基板の成膜面が
それぞれ外側に向くように重ね、ブロンズ色のガラス基
板の成膜面が凹面に、またクリアーのガラス基板の成膜
面が凸面となるように曲げ加熱加工を行った。
【0020】得られた複数の該合せガラス用曲げガラス
基板の中から1対を取り出し小片に切断し各薄膜層の光
学特性を測定したところ、ブロンズガラス基板に形成し
た積層薄膜層は、第1薄膜層が屈折率n1= 約1.75、膜
厚d1= 約100nm のSiO2・TiO2酸化物薄膜、第2薄膜
層が屈折率n2= 約1.45、膜厚d2= 約118nm のSiO2酸
化物薄膜であった。またクリアーガラス基板に形成した
薄膜層は屈折率n1'=約1.45、膜厚d1'=約118nm であっ
た。
【0021】次に、該クリアーガラス基板と、先に一旦
分離した相手方のブロンズ色ガラス基板とを、該2枚の
ガラス基板の間にポリビニルブチラール膜(PVB 中間
膜)を挟持させペアリングした後、オートクレーブに入
れ加圧加熱を行い、フロントウインドウ用の合せガラス
を得た。
【0022】このようにして得られた合せガラスの凹面
側(自動車窓として取り付けた際の車内面側)の可視光
反射率を分光光度計で測定したところ、入射角約60°の
入射光に対する可視光反射率が約9.3 %であった。一方
前記したような薄膜層を全く形成していないガラス基板
の組み合わせは前記と同じであってかつPVB 中間膜の厚
みも同じである通常のフロントウインドウよう合せガラ
スについて、同様に入射角約60°での可視光反射率を測
定したところ、約15.4%であった。したがって本発明の
反射低減ガラスである合せガラスは、可視光反射率が約
6.1 %低減したこととなった。
【0023】また該合せガラスのクリアーガラス基板側
の凸面(自動車窓として取り付けた際の車外側となる
面)における、耐摩耗強度(テーバー試験、摩耗輪CSー
10F、1000回転)は、△H(ヘーズ値)が約1%と非常
に耐摩耗性に優れた膜付きガラスであった。
【0024】実施例2 実施例1における第1薄膜層と同様の溶液を調製し、実
施例1と同様のガラス基板を用い、該溶液からの引き上
げ速度を約3.2mm /秒として形成し、第1薄膜層として
SiO2・TiO2系酸化物薄膜を得た。
【0025】次にTiのアルコキシドとSiのアルコキシド
とを酸化物換算のモル比が約93:7になるように混合し
た後、これにイソプロピルアルコール等の溶媒と、さら
に約0.3wt %の微量のヒドロキシプロピルセルロースを
加えてよく混合し、溶質濃度が約0.45mol /l のゾル溶
液を調製した。該溶液の粘度は約7 mPa・s であった。
【0026】次いで先に第1薄膜層を形成したガラス基
板の非成膜面を再度マスキングテープでマスキングした
該ガラス基板を該溶液中に浸漬し、約2.8mm /秒の一定
速度で静かに引き上げ、マスキングテープを取り外し、
約280 ℃に保持した電気炉中で約10分間加熱乾燥し、第
2薄膜層としてSiO2・TiO2系酸化物薄膜を得た。
【0027】さらに該第2薄膜層上に、実施例1の第2
薄膜層を形成したと全く同じ操作を行い第3薄膜層を形
成した。ただし該第3薄膜層を形成する際の引き上げ速
度は約3.8mm /秒であった。
【0028】こうして得られた3層の積層薄膜層を形成
したガラス基板と、実施例1と全く同じ操作をして得ら
れたクリアーガラス基板とを用い、実施例1と同様にフ
ロントウインドウ用の合せガラスを作製した。
【0029】なお、実施例1と同様の操作によって、ブ
ロンズ色ガラス基板に形成した3層の薄膜層の光学測定
を行ったところ、第1薄膜層が屈折率n1= 約1.75、膜
厚d1= 約105nm 、第2薄膜層が屈折率n2= 約2.10、膜
厚d2= 約135nm 、第3薄膜層が屈折率n3= 約1.45、膜
厚d3= 約115nm であった。
【0030】このようにして得られた合せガラスの凹面
側(自動車窓として取り付け際車内面側)の可視光反射
率を実施例1と同様に測定したところ、入射角約65°の
入射光に対する可視光反射率が約13.8%であった。一方
前記したような薄膜層を全く形成していないガラス基板
の組み合わせは前記と同じであってかつPVB 中間膜の厚
みも同じである通常のフロントウインドウ用合せガラス
について、同様に入射角約65°での可視光反射率を測定
したところ、約19.9%であった。したがって本発明の反
射低減ガラスである合せガラスは、可視光反射率が約6.
1 %低減したこととなった。
【0031】実施例3 ZrのアルコキシドとSiのアルコキシドとを酸化物換算の
モル比が約67:33になるように混合した後、これにイソ
プロピルアルコール: エチルセロソルブ等を含む混合溶
媒を入れて撹拌し、溶質濃度が約0.3mol/l のアルコキ
シド溶液を調製した。該溶液の粘度は約2.5mPa・s であ
った。
【0032】次いでよく洗浄し充分乾燥させ、かつ片面
のみマスキングテープで覆いマスキングした板厚8mmの
ガラス基板を該溶液中に浸漬し、約3.0mm /秒の一定速
度で静かに引き上げ、マスキングテープを取り外し、約
350 ℃に保持した電気加熱炉中で約15分間加熱乾燥し、
第1薄膜層としてSiO2・ZrO2系酸化物薄膜を得た。
【0033】次に実施例1でクリアーガラス基板上に成
膜したと同じ溶液中に、上記の該ガラス基板を片面マス
キングを行わずに浸漬し、約4.5mm /秒の一定速度で静
かに引き上げ両面に溶液を塗布し、約350 ℃で約15分間
加熱し、ガラス基板に片面には2層からなる積層薄膜
層、反対面に1層の単層薄膜層を形成した。
【0034】次いで得られたガラス基板を焼成炉に入
れ、約550 ℃で約30分間の焼成を行い徐冷し、両面に薄
膜層を形成したフラット形状のガラス基板を得た。
【0035】得られたガラス基板について実施例1と同
様にして光学測定を行ったところ、2層の薄膜層を形成
した側の第1薄膜層は屈折率n1= 約1.75、膜厚d1= 約
100nm 、第2薄膜層が屈折率n2= 約1.45、膜厚d2= 約
120nm であり、反対面の単層の薄膜層は屈折率n1'=約
1.45、膜厚d1= 約120nm であった。
【0036】さらに該ガラス基板の2層の積層薄膜層側
への入射角50°の入射光に対する可視光反射率が約5.3
%であり、薄膜を全く形成していない同じ厚みのガラス
基板における同じ入射角での可視光反射率が10.7%に比
し、反射率が約5.4 %低減する反射低減ガラスであっ
た。
【0037】比較例1 前記実施例1において、ブロンズ色ガラス基板に2層の
積層薄膜層を形成したものを用い、また合せガラスの相
手となるクリアーガラス基板には薄膜層を形成せずに、
合せガラスを作製した。
【0038】該合せガラスでは、入射角60°の可視光反
射率が約11.4%であり、上記通常のフロントウインドウ
用の合せガラスの入射角60°での可視光反射率が約15.4
%に比し、可視光反射率が約4.0 %低下したが、実施例
1の本発明の反射低減ガラスの合せガラスの場合の可視
光反射率の低減率6.1 %に比べ、2.1 %程度の反射率低
減効果が劣るものであり、不充分であった。
【0039】比較例2 前記実施例2において、ブロンズ色ガラス基板に3層の
積層薄膜層を形成したものを用い、また合せガラスの相
手となるクリアーガラス基板には薄膜層を形成せずに、
合せガラスを作製した。
【0040】該合せガラスでは、入射角65°の可視光反
射率が約16.0%であり、上記通常のフロントウインドウ
用の合せガラスの入射角65°での可視光反射率が約19.9
%に比し、可視光反射率が約3.9 %低下したが、実施例
1の本発明の反射低減ガラスの合せガラスの場合の可視
光反射率の低減率6.1 %に比べ、2.2%程度の反射率低
減効果が劣るものであり、不充分であった。
【0041】比較例3 前記実施例3において、ガラス基板の片面に同様の2層
の積層薄膜層を形成し、反対面にマスキングをして薄膜
を形成しなかったものは、薄膜層側の入射角50°の可視
光反射率が約7.2 %であり、実施例3より1.9 %程度そ
の性能が低下したものであった。
【0042】
【発明の効果】以上前述したように、本発明の反射低減
ガラスによれば、手軽に容易な膜形成手段でもって、フ
ロントウィンドウの取付角度において6%前後以上の反
射低減率である低反射性能を安価に効率よく得て、格段
にその性能を発揮して、光学特性を損なうことなく、密
着性、耐擦傷性ならびに耐候性等に優れ、長期に亘りそ
の性能を保持する等、建築用もしくは自動車用窓材をは
じめ、各種ガラス物品において好適に採用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の片面に屈折率の異なる酸化
    物薄膜を積層しガラス面の反射を低減せしめた反射低減
    ガラスにおいて、該薄膜を積層した面と反対の面に、屈
    折率nが1.50以下のSiO2薄膜もしくはSiO2と他の酸化
    物との混合酸化物薄膜を形成してなることを特徴とする
    建築用、産業用の反射低減ガラス。
  2. 【請求項2】 前記反射低減ガラスにおいて、前記積層
    した酸化物薄膜層が特定の入射角の入射光に対し、その
    反射率を最も低減せしめた薄膜層からなることを特徴と
    する請求項1記載の反射低減ガラス。
  3. 【請求項3】 前記反射低減ガラスにおいて、前記特定
    の入射角が40〜80°であって、その反射率の低減率が可
    視光反射率で4.5 〜7%であることを特徴とする請求項
    1乃至2記載の反射低減ガラス。
  4. 【請求項4】 前記反射低減ガラスにおいて、SiO2薄
    膜もしくはSiO2と他の酸化物との混合酸化物薄膜が、
    屈折率nが1.43〜1.47で、かつ膜厚が105 〜130nm であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3記載の反射低減ガラ
    ス。
  5. 【請求項5】 前記酸化物薄膜層の最上層が、該酸化物
    薄膜層の反対面に形成したSiO2薄膜もしくはSiO2と他
    の酸化物との混合酸化物薄膜と同一の膜であることを特
    徴とする請求項1乃至4記載の反射低減ガラス。
JP474499A 1999-01-11 1999-01-11 反射低減ガラス Pending JPH11292570A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP474499A JPH11292570A (ja) 1999-01-11 1999-01-11 反射低減ガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP474499A JPH11292570A (ja) 1999-01-11 1999-01-11 反射低減ガラス

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6108668A Division JP2895746B2 (ja) 1994-05-20 1994-05-23 反射低減ガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11292570A true JPH11292570A (ja) 1999-10-26

Family

ID=11592435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP474499A Pending JPH11292570A (ja) 1999-01-11 1999-01-11 反射低減ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11292570A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR940011127B1 (ko) 반사율감소피막을 지닌 유리판
JP5849970B2 (ja) 低反射膜を有する物品
JP3034044B2 (ja) 反射防止コーティング
WO2019074897A1 (en) HEAD-UP DISPLAY DEVICE WITH ENHANCED ANTI-REFLECTIVE FUNCTIONAL COATING ON WINDSHIELD
CN114035322A (zh) 一种抬头显示玻璃及其抬头显示系统
EP0890556B1 (en) Thin film for optics, composition for the formation thereof, and ultraviolet-absorbing and heat-reflecting glass made by using the same
US20200238797A1 (en) Improved anti-reflective functional coating for glazings
JP3514065B2 (ja) 積層体およびその製造方法
CN114538791B (zh) 一种镀膜玻璃及其制备方法、汽车玻璃组件
JP2877553B2 (ja) 車両用反射低減ガラス
JP2895746B2 (ja) 反射低減ガラス
JPH0781977A (ja) 反射防止膜およびその製造方法
JPH11302037A (ja) 低反射率、低透過率ガラス
EP1286185A1 (en) Windowpane for head-up display and method for manufacturing the same
JPH11292570A (ja) 反射低減ガラス
JP2895749B2 (ja) 撥水性反射低減ガラス
JP6164120B2 (ja) 反射防止膜付き基材および物品
JP2877554B2 (ja) 車両用の反射低減ガラス
JP2000335940A (ja) 低反射ガラス物品
US20040071969A1 (en) Bent glass sheet equipped with optical instrument for vehicle
JPH01145351A (ja) 赤外線遮断ガラス
JP2005001900A (ja) 低光反射性皮膜被覆基材及びその製造方法、並びに該低光反射性皮膜用組成物
JP2015222277A (ja) 低反射膜を有する物品
JPH11292571A (ja) 撥水性反射低減ガラス
JP3352259B2 (ja) 反射低減ガラス