JPH11292159A - 電子レンジ用食品包装袋 - Google Patents

電子レンジ用食品包装袋

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JPH11292159A
JPH11292159A JP10099572A JP9957298A JPH11292159A JP H11292159 A JPH11292159 A JP H11292159A JP 10099572 A JP10099572 A JP 10099572A JP 9957298 A JP9957298 A JP 9957298A JP H11292159 A JPH11292159 A JP H11292159A
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sheet
packaging bag
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food
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Toshiharu Harada
俊治 原田
Tomonobu Murano
友信 村野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Howa Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸水層としてのパルプ等を使用することなく、
袋内部に生じた余分な水分や油分を効果的に吸着、保持
させ、かつ食品に対するドリップ水の濡れ戻りを低減さ
せることができる電子レンジ用食品包装袋を提供する。 【解決手段】(1) 外装シートと内層シートからなるシー
トを該内層シートが内側となるように袋状とした包装袋
であって、前記内層シートが異形断面でクリンプ状繊維
で構成された不織布からなり、また内層シートの外装シ
ートに接着されている面積が20〜70%であり、かつ前記
包装袋に被包装体を見ることができる窓部を設けた電子
レンジ用食品包装袋。(2) 前記包装袋を筒状とし、かつ
該包装袋に、被包装体を見ることができる窓部と該筒状
の包装袋の少なくとも一端をシールするシール部とを設
け、さらに該シール部の少なくとも一方に圧力逃し部を
設けた電子レンジ用食品包装袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子レンジ用食品包
装袋に関し、さらに詳しくはホットドックやハンバーガ
ーなどを収納し、これをそのまま電子レンジで再加熱す
るのに好適な電子レンジ用食品包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンビニエンスストア等におい
て販売されているホットドックやハンバーガーなどのよ
うな食べる前に電子レンジで再加熱する食品を収納する
ための包装袋には、紙、プラスチックフィルムまたはプ
ラスチックフィルムの複合品などの素材が用いられてい
る。しかし、このような素材からなる包装袋に収納され
た食品を電子レンジで加熱すると、内部で蒸気が発生
し、この蒸気が外部に逃げることなく、内部に留まり結
露水となってホットドックやハンバーガーなどの食品表
面に付着して食品の表面がべとべとになり、さらに多量
の結露水が発生した場合には、食品の外観が悪くなり、
食品の味覚が損なわれるなどの問題があった。
【0003】また食品包装袋の表面には、通常、模様や
絵柄が施され、食品の名称や食べ方等が記載されてお
り、内部の収納食品が外部からは見えないようになって
いる。従って、購入者は単に表面に記載された事項を見
て購入する必要があり、食品を間違えて購入し易い等の
欠点があった。このような問題を解決するために種々の
包装袋が提案されている。例えば、実用新案登録公報第
2556844号には、不織布とパルプ層からなるシー
トを食品側の内層に、外装には他のシートを用い、かつ
これらの間に空気層を形成させた袋が提案されている。
しかし、このような袋では、食品に接する表面層の下に
さらに吸水層としてのパルプ層を設ける必要があり、袋
の構造が複雑となり、コスト高となるなど問題があっ
た。さらにパルプ等を使用するため、袋状に製袋加工す
る際のヒートシール性が低下し、生産速度が遅くなるな
どの欠点があり、この改良のためにさらに別の熱接着層
を設ける必要があった。またパルプ等の使用によりゴミ
の混入や発生がし易くなり、食品包材としてしばしば問
題が生じていた。
【0004】また実用新案公告公報平7−3909号公
報には、外装の透湿性フィルムと内層の吸油吸水性シー
トで構成されたシートを用いた窓付き袋が提案されてい
る。しかし、この袋では、食材から放出された水蒸気を
透湿性フィルムを通して袋の外部に追い出すことはでき
るが、そのために長い時間、レンジで加熱する必要があ
り、従って、電子レンジを使用した際に短時間に大量に
生じる水蒸気を迅速に外部へ追い出すことはできず、こ
のため結露水による食材の食感の低下を防止することは
できなかった。
【0005】また特開平8−80979号公報には、孔
開けされたシートを内層として用いることが提案されて
いる。しかし、この孔開けされたシートでは、孔開けさ
れた部分以外で結露が生じるため、袋内での結露水の除
去効果は不十分であった。また実開平3−108671
号、特開平8−324654号、特開平4−57768
号などには、食品に接する表面材にメルトブロー不織布
が単独でまたはこれらにパルプ等の吸水層を内層に設け
ることが提案されている。メルトブロー不織布は非常に
細い繊維からなり、これを用いたシートも緻密化されて
いるため、蒸気は通すが水は通し難いという特性を有し
ている。しかし、水蒸気として発生した水分が、食材が
接しない側の層で結露した場合は、濡れ戻りが少なくて
良好な結果が得られるが、実際には水蒸気は食品包装袋
の内部で結露する場合の方が圧倒的に多い。従って、食
材側で結露した水分が食材側に残る確率が多くなり、袋
内で生じた結露水を外部に除去することはできない。
【0006】また上記提案にさらに電子レンジ加熱で生
じた結露水で食品の鮮度を保持するようにした袋やシー
トが種々提案されているが、いずれも汎用のシートを食
品に接する表面材として使用しているにすぎず、効果的
には不十分なものであり、また目の詰まった不織布を使
用することによって吸水量が落ち、余分なドリップ水が
食品と表面材の界面で結露し、食品への濡れ戻り率が増
大する。さらに食品が接する表面材を食品の剥離性や取
り出しやすさの観点から、素材を限定し、例えばポリプ
ロピレン等のオレフィン系繊維からなる不織布を用いる
ことが提案されている。しかし、これらにも汎用の不織
布が使用されているにすぎず、効果的には不十分であ
り、また結露水の食品への濡れ戻り率を増大させるもの
であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題を解決し、吸水層としてのパルプ等を使用する
ことなく、袋内部に生じた余分な水分や油分を効果的に
吸着、保持させ、かつ食品に対するドリップ水の濡れ戻
りを低減させることができる電子レンジ用食品包装袋を
提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願で特許請求される発
明は以下のとおりである。 (1)外装シートと内層シートからなるシートを該内層
シートが内側となるように袋状とした包装袋であって、
前記内層シートが異形断面でクリンプ状繊維で構成され
た不織布からなり、また内層シートの外装シートに接着
されている面積が20〜70%であり、かつ前記包装袋
に被包装体を見ることができる窓部を設けたことを特徴
とする電子レンジ用食品包装袋。 (2)前記内層シートは、ポリオレフィン系長繊維を用
いたスパンボンド法で得られた不織布であることを特徴
とする(1)記載の電子レンジ用食品包装袋。 (3)前記外装シートは、紙の表面に接着用のポリオレ
フィン系樹脂を押出ラミネートしたシートであることを
特徴とする(1)、(2)記載の電子レンジ用食品包装
袋。 (4)外装シートと内層シートからなるシートを該内層
シートを内側にして筒状とした包装袋であって、前記内
層シートが異形断面でクリンプ状繊維で構成された不織
布からなり、また内層シートの外装シートに接着されて
いる面積が20〜70%であり、かつ前記筒状の包装袋
に、被包装体を見ることができる窓部と前記筒状の包装
袋の少なくとも一端をシールするシール部とを設け、さ
らに該シール部の少なくとも一方に圧力逃し部を設けた
ことを特徴とする電子レンジ用食品包装袋。
【0009】本発明の電子レンジ用食品包装袋によれ
ば、食品と接する内層シートとして異形断面でクリンプ
状繊維で構成された不織布を用いるため、該不織布の嵩
高性が向上し、繊維間に形成される空隙が増大するた
め、電子レンジで食品を調理、再加熱する際に発生する
水蒸気の結露やドリップによる水分や油分をこれらの空
隙に吸着、保持することができ、かつこれらによる食品
への濡れ戻りを防止でき、食品のベタつき等をなくし、
食品の食感の低下を防ぐことができる。また不織布に撥
水性のポリオレフィン系繊維を使用しても、発生した水
分や油分を該不織布内に形成された多数の空隙に吸着、
保持することができるとともに、パンなどがシートに付
着するのを防止することができ、包装袋内の食品をスム
ーズに取り出せる効果が得られる。さらに該包装袋のシ
ール部に圧力逃し部を設けることにより、電子レンジ加
熱時に発生した水蒸気で内圧が高くなり袋が弾けて内容
物が電子レンジ内に飛び散るのを防止することができ
る。
【0010】本発明の電子レンジ用食品包装体には、外
装シートと内層シートからなるシートが用いられるが、
該内層シートには、異形断面でクリンプ状繊維で構成さ
れた不織布が用いられる。本発明に用いられる外装シー
トは、食品を包んで電子レンジ加熱した場合に内部で発
生した余分な油や水分を著しく外部に出さないものであ
ればどのようなものでもよい。例えば、紙類、紙にポリ
プロピレンやポリプロピレン樹脂等を薄くコーティング
したシート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリビニルアルコールなどの樹脂製
フィルムおよびこれらの樹脂やポリスチレン等の樹脂発
泡体、フラッシュ紡糸法等で得られた透湿防水性のある
不織布などが挙げられる。
【0011】電子レンジ加熱すると食品自身が熱くなる
ため、電子レンジからの取り出し時やそのままシートに
包んで食する時の火傷を防ぐ点からは、外装シートとし
ては熱が伝わりにくく、かつ袋の外側に油分や水分がに
じみ出してこないものが好ましく、紙類にポリプロピレ
ンやポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂を薄
くコーティングしたシートがより好ましい。このとき、
コーティング層のポリオレフィン樹脂は、後述する内層
となるポリオレフィン系不織布との張り合わを考慮して
用いてもよい。
【0012】外装シートの目付や厚みは、包装の外観や
型くずれ、破れやゴミ等の混入または火傷や内部の食品
の保温の点から、目付は10〜100g/ m2 が好まし
く、また厚みは0.02〜1mmが好ましい。また外装
シートは透湿性があってもよく、またシートの一部に孔
あけ加工が施されたものでもよい。これらは電子レンジ
で加熱処理した余分な水蒸気をシートや袋の外に追い出
す目的で、用いる食品から発生する水分量に応じて適宜
選択するのがより好ましい。
【0013】本発明に用いられる内層シートは、異形断
面でクリンプ状繊維で構成された不織布からなるが、該
不織布は、ポリオレフィン系繊維からなる不織布である
ことが好ましい。このようなポリオレフィン系繊維の素
材としては、エチレン、プロピレン、ブテン等のモノオ
レフィン重合体およびこれらの共重合体を主成分とする
ポリオレフィン樹脂が挙げられる。またこれらの不織布
を構成する繊維は単一成分でも混合成分でもよい。例え
ば、ポリエチレン/ポリプロピレン等を混合した複合繊
維であってもよく、また、単一繊維内部での複合品、即
ち鞘芯型繊維やサイドバイサイド繊維などでもよい。鞘
新型複合繊維の場合、食品にあたる表面の素材が、鞘の
素材がポリオレフィンであればよく、芯の素材はいずれ
でもよい。例えば、鞘/芯がポリエステル/ポリプロピ
レン、ポリエチレン/ポリエステル等の繊維が挙げられ
る。
【0014】パンやハンバーガー、ご飯等の被包装物
は、でんぷん質やセルロース質でなり立っており、これ
らの成分はいずれも親水性の高い成分である。従って、
親水性の紙製品等を包装材とする場合には、これらとの
付着を防止するために、パラフィンやシリコン系の撥水
処理をする必要があったが、親水性の低いポリオレフィ
ン系の繊維からなる不織布を用いることにより、食品と
の剥離性が向上し、食品との付着が防止されるための従
来のような処理の必要がなくなる。本発明において、さ
らに撥水性を増加させるために撥水加工剤を不織布表面
に塗布することは可能であるが、このような後加工剤
は、使用時や製品加工時に脱離して食品に吸着し、人体
に入る恐れがあるため、できれば施さないのが好まし
い。
【0015】また加工性の点で見れば、ヒートシール
性、製袋性等の使用時の二次加工性の点でもポリオレフ
ィン素材を用いた不織布は良好である。さらに電子レン
ジで加熱する場合、他のポリマーを使用した包装袋と比
較してポリオレフィン樹脂の誘電率が低く、誘電損失が
少ないため、有効に電子レンジ加熱のエネルギーが食品
に伝わり、効率よく食品を温めることが可能になる。
【0016】本発明において、不織布を構成する繊維に
は、異形断面でクリンプ状繊維が用いられる。このよう
な繊維で構成された不織布は、不織布の構成自体が嵩高
な構造となるため、不織布の内部に多数の空隙が形成さ
れ、該空隙内に繊維表面の水分や油分を吸着させ、保持
させることができる。従って、食品から発生した余分な
水分や油分を不織布の内部に吸着し、保持することが可
能であり、また食品に対して余分なドリップ水の濡れ戻
りを最小限に抑えることができる。
【0017】一方、不織布を構成する繊維素材として、
ポリオレフィン系素材を用いた場合には、一般にポリオ
レフィン系素材が、撥水性素材であるため、水単独をこ
れらのシートに落とした場合は、水滴となるかまたは水
がひと固まりとなって、不織布表面に残ることとなる。
このような場合でも、本発明では、上記した異形断面で
クリンプ状繊維を使用して不織布に嵩高性を保持させて
いるため、上記水滴を不織布の内部に吸着、保持させる
ことができ、水分による食品の濡れを効果的に防止する
ことができる。従って、このような不織布の機能を確保
するため、後述する範囲で不織布の嵩密度、目付さらに
は繊維径等を適宜選定するのが好ましい。
【0018】不織布を構成する繊維の断面形状は、真円
でない円形であってもY型、V型、W型等の異形であっ
てもよいが、不織布の比表面積の増加、繊維の製造のし
やすさ、安定生産性等の点から、その異形度は1.2〜
2.5が好ましく、より好ましくは1.5〜2.5であ
る。このような真円でない異形の繊維を用いることによ
って、繊維の比表面積が多くなり、より水分や油分をを
吸着する面積が多くなる。また、異形糸で構成された不
織布は、その糸構造によってより嵩高性の高い、空隙率
の大きい不織布を構成しやすい。ここで、繊維の異形度
は、異形糸の断面と周長(周囲の長さ)を算出し、次に
同じ断面積を持つ真円の半径を求めてその真円の周長を
算出し、次式により求めたものである。 異形度=異形糸の周長/異形糸と同じ断面積の真円の周
【0019】不織布を構成する繊維にはクリンプ状繊維
が用いられるが、該繊維のクリンプ数は、10個/イン
チ以上が好ましく、より好ましくは20個/インチ以上
である。クリンプ数が10個/インチ未満では不織布の
部分接合間における各フィラメントの自由伸長距離が短
くなり、不織布としての嵩高性が損なわれ、かつ有効に
働く繊維比表面積も小さくなり、水分や油分を保持する
性能が低下することがある。クリンプ数の上限には特に
制約はないが、一般的には捲縮数を50個/インチ以上
発現させることは、製造上困難である。このようなクリ
ンプ糸を用いることにより、不織布の嵩高性が増し、食
品からでてきた余分な水分や油分を保持することができ
る。
【0020】不織布を構成する糸状の捲縮は、紡糸後の
加熱、延伸、溶剤処理等により発現するいわゆる潜在捲
縮であっても、紡糸されてウェブコンベア等の捕集面上
に堆積された状態で発現している、いわゆる顕在捲縮で
あってもよい。しかし、加工工程中に寸法変化が起こり
難い、シートの目付斑発生が少なく均質なシートが得ら
れ易い点から、顕在捲縮であることが好ましい。不織布
を構成する繊維には、異形断面繊維および/またはクリ
ンプ繊維が併用されていてもよいが、異形断面でクリン
プ状繊維の使用により比表面積が大きくなり、かつ嵩高
性の高い不織布を得ることができる。
【0021】本発明において、不織布を構成する繊維の
単糸の繊度は、0.3〜50デニールが好ましく、より
好ましくは0.5〜20デニールである。繊維の比表面
積は、繊維のデニールが細い方がより大きくなるが、繊
維径が細すぎると、たとえ繊維が異形糸や捲縮糸であっ
ても不織布の嵩高性が得られないことがある。すなわ
ち、繊度が0.3デニール未満では、これによって構成
される不織布の嵩高性が損なわれ、結果的に緻密化され
た不織布の内部には水分や油分が保持されにくくなる。
また食材が内層シートである不織布と接触する面積が大
きくなり、水分の濡れ戻りが多くなる場合がある。さら
には不織布の強度が不足し、摩擦等でシートが破れた
り、繊維が切れて脱落したりしてしまい、食材の汚染の
元となりやすい。この点から繊度の低いメルトブロー法
不織布やフラッシュ紡糸法不織布は好ましくない態様で
ある。一方、繊度が50デニールを超えると、構造上嵩
高性の高い不織布が得られるが、異形糸や捲縮糸が得ら
れにくくなり、実質上製造が困難となる場合がある。
【0022】本発明に用いられる不織布の目付は、8〜
60g/m2 が好ましく、より好ましくは10〜60g
/m2 、さらに好ましくは15〜40g/m2 である。
目付が8g/m2 未満の場合は、水分や油分を保持する
能力が低下し、また実用上や加工上で必要なシートの強
力を得ることができない場合がある。一方、60g/m
2 を超える場合は、シートが厚すぎて、製袋加工性が悪
くなり、また製品コストが高くなるわりには、濡れ戻り
性等の性能が向上しない場合がある。また不織布の嵩密
度は、余分な油や水分を不織布内に吸着や保持させる点
から、0.01〜0.2g/cm3 が好ましく、より好
ましくは0.05〜0.12g/cm3 である。嵩密度
が0.2g/cm3 を超えると、不織布の嵩高性がなく
なり、余分な水分や油分を保持できない場合がある。一
方、0.01g/cm 3 未満では実質上製造が困難な場
合がある。
【0023】不織布は、カード法、抄造法等の短繊維不
織布製造法やスパンボンド法等の長繊維不織布製造方法
で得られるいずれでも使用可能である。また不織布の接
合方法としては、接着剤による接合、超音波ウェルダー
接合、部分熱風接合、ニードルパンチ接合等の方法を用
いることができるが、食品用途的には、摩耗強度、ゴミ
やリントが発生しにくい点、余分なつなぎの樹脂や糊が
ない点から、部分熱圧着する方法がより好ましい。不織
布を構成する繊維は長繊維であっても短繊維であっても
よいが、短繊維の脱落による食品への異物の混入、シー
トの強度や摩耗耐久性の点から長繊維がより好ましい。
【0024】以上の点を総合すると、本発明に用いる不
織布は、次のようにして製造するのが好ましい。すなわ
ち、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を溶融紡糸し、紡
糸直後に繊維の非対称冷却を行い捲縮を発現させ、得ら
れた連続長繊維をウェブコンベア等の捕集面上に積層
し、ウェブ状にした後、熱エンボスロールによる熱接合
した、いわゆる溶融紡糸スパンボンドの製造方法で製造
された不織布が好ましい。該不織布には、食品を簡単に
剥がす為の食品用の剥離剤や離型剤を塗布しても、食品
の鮮度保持を目的とした抗菌性、防腐性を不織布に付与
してもよい。また嵩高性を上げるための孔あけ加工等、
内部に包む食品の鮮度保持や食感保持のための加工を施
してもよいが、これらは適宜目的に応じて行うのが好ま
しい。
【0025】本発明において、外装シートと内層シート
を貼り合わせる方法は、熱接着、ホットメルト樹脂や溶
剤等を使用した接着剤による張り合わせ、物理的に縫製
する方法等、適宜選択できるが、余分なものを介在させ
ることがなく、かつ生産性がよい点で熱による接着が好
ましい。例えば、フィルムや紙等の外装シートと内層の
不織布をそのまま熱によりラミネートする方法、ポリエ
チレンやポリプロピレンなどの押し出し樹脂を中間に介
在させて外装シートと内層不織布を貼り合わせる方法が
挙げられる。またこのとき紙を外装に使用し、熱による
ヒートシールし易さを目的として、ポリオレフィン等の
樹脂をあらかじめ薄くコーティングしてもよい。
【0026】また本発明において、外装シートと内層シ
ートの不織布を貼り合わせる面積は、不織布の嵩高性お
よび高比表面積を維持する点から、20〜70%、好ま
しくは30〜60%とされるが、上記不織布の特性を阻
害しないで範囲で適宜貼り合わせる面積をコントロール
するのが好ましい。また食品を出し入れするときの便宜
上、食品を包装するシートの場合の端部やシートを袋状
にしたときの出入り口部は、外装シートと内層シートは
しっかり貼り合わされているのが好ましい。
【0027】外装シートと内層シートを部分的に貼り合
わせる方法としては、例えば、外装シートとして紙など
を用い、これと内層シートとを、ポリオレフィン樹脂等
の押し出しラミネートにより貼り合わせる方法が挙げら
れる。部分的なラミネートは、例えば、押し出し樹脂を
外装シートおよび/または内層シートの上に押し出し、
その後、凸凹の彫刻ロールを使用した熱ロール間を通
し、熱プレスすることにより行われる。接着される面積
比率の違った部分ラミネート物を得る為の製造設備は、
熱ラミネートロールを後述する図4に示すような凸凹の
ある熱エンボスロールとすればよく、これにより容易に
接着面積比率の違ったシートが得られる。このとき、熱
エンボスロールは、片側または双方のロールが凸凹のエ
ンボスロールであってもよい。
【0028】外装シートと内層シートをラミネートする
際には、内層シートである不織布の高い嵩高性と高く比
表面積の特性を阻害しないように、すなわち、不織布に
形成された空隙を潰さないように注意することが必要で
ある。そのためには、接着や積層による加工時にラミネ
ートロールの圧力を調整し、できるだけ過剰な圧力を不
織布にかけないようにし、また凸凹の熱エンボスロール
の彫刻の深さを浅くすることが好ましい。ラミネートに
要する圧力や条件は、その積層設備により適宜決定され
ればよい。また接着用に用いた押し出し樹脂などの接着
層は、不織布層に押し出し樹脂等が入り込み、不織布の
目を潰さないように、40ミクロン以下とするのが好ま
しく、より好ましくは15ミクロン以下である。
【0029】本発明の電子レンジ用食品包装袋は、上記
した不織布の内層シートが内側となるように袋状とした
ものであり、該包装袋には被包装体をみることができる
窓部が設けられている。包装袋に設けられる窓部は、包
装袋内の被包装体を外からみることができれば特にその
形態に制限はなく、例えば、透明フィルムを用いて包装
袋に帯状の窓を設けたもの、円や四角形の窓を包装袋の
中央部に設けたもの、内層シートがラミネートされてい
ない包装袋の一部分を窓としたものなどが挙げられる。
包装袋にこのような窓部を設けることにより、内容物を
直接確認して購入することができ、また外装シートに紙
を使用した場合には内容物の名称や調理方法、加工方法
や加工日や賞味期限等の食品に関する情報が容易に書き
込むことができ、購入者がこれらを容易に確認すること
ができる。また紙部分に模様等が施して食する雰囲気を
盛り上げる効果も期待される。
【0030】窓部に透明フィルムを使用する場合の素材
としては、透明であり内容物が確認できれば特に制限は
ないが、該フィルム部分での結露等を防止するための、
防曇加工が施されたフィルムであることが好ましい。ま
た内層シートや外装シートとのヒートシール性のし易さ
の点から、ポリオレフィン系樹脂フィルムが好ましい。
さらにゴミや虫等の異物の混入がないような微小な孔
を、フィルムの一部分に設けて余分な蒸気を外へ出すよ
うにしてもよい。また包装袋の形状には特に制限はない
が、外装シートと内層シートからなるシートを筒状にし
てその一端または両端をシールした形状が好ましい。ま
た該シール部には電子レンジ加熱時の内圧を外部に逃が
すための圧力逃し部を設けるのが好ましい。以下、本発
明を図面によりさらに詳しく説明する。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例を示す
食品包装袋の説明図である。図2は、図1の食品包装袋
に被包装物を挿入したときの断面図である。図1、2に
おいて、食品包装袋1は、外装シート2と内層シート3
が積層一体化され、該内層シート3が内側となるように
湾曲させたシートと、該湾曲シートの長さ方向の両側縁
にその両端を融着して筒状体を形成するようにした透明
樹脂フィルムからなる第2シート4と、該筒状体の一端
をシールするシール部7とから構成される。なお、筒状
体には、被包装物が入りやすいようにガゼット状の折り
込みが設けられている。また外装シート2と内層シート
3は接着剤等で部分ラミネートされている。さらにシー
ル部7は熱融着または接着剤を用いて公知の方法で形成
することができる。
【0032】図3は、外装シート2と内層シート3の部
分ラミネートの説明図であり、図4は部分ラミネートす
る際の図柄の一例を示す図である。図3において、両シ
ート間には接着部5と非接着部6が存在し、該非接着部
6には空気層が形成されている。なお、接着部5は、接
着剤を使用せずに熱圧着された部分であってもよい。ま
た部分ラミネートは図4に示した図柄の凹凸を有するラ
ミネートロールを用いることにより行うことができる。
図4の(A) には全面積の45%を格子状に部分ラミネー
トさせる場合の図柄を、(B) には全面積の60%を格子
状に部分ラミネートさせる場合の図柄を、また(C) には
全面積の25%をスジ上に部分ラミネートした図柄を示
した。このような構成において、食品包装袋1の筒状体
のシールされていない側の開口部から食品が挿入され、
その後、該開口部をテープ等で密封して電子レンジで加
熱されて食に供される。
【0033】図5は、本発明の他の実施例を示す食品包
装体の説明図である。図5において、図1と異なる点
は、筒状体の両端にシール部7を設け、密封袋とし、該
シール部7に圧力逃し部8を設けたことである。圧力逃
し部8は、電子レンジで加熱されて内圧が高くなった時
にその内圧を外部に逃がす役割を有し、これにより被包
装物が破裂するのを防止することができる。該圧力逃し
部8は、図6に示すように、通常の強さでシールされた
シール部7の間に間欠的に、これより弱い強さでシール
した部分を形成することにより設けることができる。こ
の圧力逃し部8を有するシール部7は、あらかじめ筒状
体の一端に設けておいてもよく、また被包装物を収納し
た後のシール時に設けてもよい。なお、圧力逃し部8は
筒状体の一端または両端に設けることができる。また前
述した図1に示した包装体のシール部7に設けてもよ
い。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 実施例1 ポリプロピレンをV型断面ノズルを有する紡口から溶融
紡糸し、紡口直下で冷却装置により糸条を側方から冷却
し、エアーサッカーで牽引して異形度1.6のくの字型
で、2.5デニールのクリンプを有する連続長繊維を得
た。この繊維のクリンプ数は平均25個/インチであっ
た。該繊維を開繊分散してウェブコンベア上に堆積しウ
ェブを製造し、該ウェブを圧着面積率8%でエンボス模
様間隔4.5mmのエンボスロールとフラットロールの
間で熱圧着し、目付:20g/m 2 のクリンプ長繊維不
織布を得た。得られた不織布の嵩密度は、0.089g
/cm3 であった。
【0035】この不織布と目付40g/m2 の紙を押し
出しラミネートで積層一体化して包装シートとした。こ
のときポリラミネート用樹脂はポリプロピレンとし、ラ
ミネート厚は15μmとした。またラミネート面積は全
面積の45%で、格子状の部分ラミネート方法を採用し
た。このラミシートされた内層のポリプロピレン不織布
側を内側にして湾曲させ、該両側縁と、窓部となるポリ
プロピレン性の防曇フィルム(厚40μm)を融着によ
り貼り合わせて筒状体とし、さらに該筒状体にガゼット
状に折り込みをいれ、その一端をシールして閉塞し、食
品用包装袋とした。その後、市販のハンバーガーを入
れ、開口部を2cm折り曲げ、折り曲げた部分の一部を
セロテープで止め、電子レンジ加熱し、その食味等を後
述する方法で評価した。
【0036】実施例2 実施例1と同じ不織布を用い、実施例1と同様に積層一
体化して包装シートとした。但し、このときラミネート
面積は全面積の65%で、格子状の部分ラミネート方法
を採用した。このラミネートシートを実施例1と同じ方
法で袋を作り、実施例1と同じように評価した。
【0037】実施例3 実施例1と同じ不織布を用い、実施例1と同様に積層一
体化して包装シートとした。但し、このときラミネート
面積は全面積の25%で、スジ状の部分ラミネート方法
を採用した。このラミネートシートを実施例1と同じ方
法で袋を作り、実施例1と同じように評価した。
【0038】実施例4 実施例1と同じ不織布を用い、実施例1と同様に積層一
体化した。但し、このときラミネート面積は全面積の4
5%で、格子状の部分ラミネート方法を採用した。その
後、このラミネートシートされた内層のポリプロピレン
不織布側を内側にして湾曲させ、該両側縁と窓部となる
ポリプロピレン性の防曇フィルム(厚さ40μm)の両
側をそれぞれ融着により貼り合わせて筒状体とし、さら
にこれをガゼット状に折り込みをいれ、その一端をシー
ルして閉塞し、市販のハンバーガーを袋に入れ、さらに
開口部をシールし、密閉袋とした。但し、このとき、後
にシールしたシール部は、圧力逃し部を設けるため、均
一のシール強さではなく部分的に強くまたは弱くしてシ
ールした。このときのシールの強弱は、部分的な押し圧
の違いによった。得られた密閉袋を用い、電子レンジ加
熱し、その食味等を実施例1と同様の方法で評価した。
なお、電子レンジ加熱したときに余分な水蒸気がシール
強度が弱い部分から逃げるのが観察された。
【0039】実施例5 ポリエチレン/ポリプロピレンの鞘芯型の異形短繊維を
カード法によって開繊分散してウェブコンベア上に堆積
しウェブを製造し、該ウェブを圧着面積率8%でエンボ
ス模様間隔4.5mmのエンボスロールとフラットロー
ルの間で熱圧着し、目付20g/m2 のクリンプ長繊維
不織布を得た。得られた不織布の嵩密度は0.078g
/cm3 であった。また用いた短繊維は、繊維長約3.
5cmで、繊維径は3.0デニール、異形度1.6の楕
円形状で、平均20個/インチのクリンプ数を有した。
この不織布を内層シートとし、実施例1と同様に積層一
体化して包装シートとした。但し、このとき、ラミネー
ト用樹脂はポリエチレン(厚さ15μm)とし、ラミネ
ート面積は全面積の45%で、格子状の部分ラミネート
方法を採用した。このラミネートシートを実施例1と同
じ方法で袋を作り、実施例1と同じように評価した。
【0040】比較例1 市販のポリラップをそのまま使用し、試料とした。 比較例2 不織布の代わりに市販の紙(目付30g/ m2 、嵩密度
0.633g/cm3)を使用し、この紙を内層シート
とし、実施例1と同様に積層一体化し、実施例1と同様
に製袋加工し、食品包装袋とした。その後、実施例1と
同じように評価した。
【0041】比較例3 実施例1と同じ不織布を内層シートとし、実施例1と同
様に積層一体化して包装シートとした。但し、このとき
全体をラミネートした。このシートを用い、実施例1と
同じ方法で袋を作り、実施例1と同じように評価した。 比較例4 ポリプロピレンを真円の紡口から溶融紡糸し、エアーサ
ッカーで牽引して1.8デニールの連続長繊維を得た。
該繊維を開繊分散してウェブコンベア上に堆積しウェブ
を製造し、該ウェブを圧着面積率20%でエンボス模様
間隔1.0mmのエンボスロールとフラットロールの間
で熱圧着し、目付20g/m2 の長繊維不織布を得た。
得られた不織布の嵩密度は0.150g/cm3 であっ
た。この不織布を内層シートとし、実施例1と同様に積
層一体化し、実施例1と同様に製袋加工し、食品包装袋
とした。その後実施例1と同じように評価した。
【0042】比較例5 ポリエチレンテレフタレートの汎用繊維を80重量%と
レーヨン短繊維を20重量%含んだランダムな繊維ウェ
ッブを、実施例1と同様な方法で不織布を得た。得られ
た不織布の嵩密度は0.150g/cm3 であり、目付
は20g/ m2であった。また用いたポリエステル短繊
維は、繊維長約3cmで、繊維径は2.0デニール、用
いたレーヨン短繊維は、繊維長約3.5cmで、繊維径
は1.4デニールのものを用いた。この不織布を実施例
1と同様に積層一体化してシートとした。この不織布を
内層シートとし、実施例1と同様に積層一体化し、実施
例1と同様に製袋加工し、食品包装用袋とした。その
後、実施例1と同じように評価した。
【0043】比較例6 実施例1と同じ積層シートを用い、実施例4と同様に両
面シールした密閉袋を作成した。但し、このときシール
部は両側とも同じシール強度とした。これによって得ら
れた密閉袋を用い、電子レンジ加熱し、その食味等を実
施例1と同様の方法で評価した。なお、電子レンジ加熱
したとき、発生した水蒸気で見る見る袋が膨らみ、一気
に袋がはじけ、内容物と共に水分が電子レンジ内部に飛
び散った。
【0044】実施例1〜5および比較例1〜6で得られ
た食品包装用シートを用いて(1) 電子レンジによるハン
バーガーテスト、(2) ドリップ水の濡れ戻りおよび不織
布内屁の水分保持テスト、(3) ハンバーガー用電子レン
ジ包装の摩耗による毛羽立ちおよびリントの発生状況お
よび(4) 不織布の嵩密度を下記のようにして調べ、その
結果を表1〜表3に示した。
【0045】(1)電子レンジによるハンバーガーテス
ト 食品包装用シート(試料)で袋を作り、これに市販のハ
ンバーガーを入れて600ワットの電子レンジで30秒
間加熱し、その後取り出して食味して判定した。判定は
3段階の評価をした。袋の形状は縦20cm、横15c
mとし、電子レンジにかけるときは、上端部を5cm折
り曲げて、折り曲げた口をテープでとめた。これらを1
試料につき5点行い、下記の判定基準で評価し、結果を
表1にまとめた。 ◎:水分が適度にあり、大変美味しかった。 ○:パンの底部が少しぬれているが、大変美味しかっ
た。 △:水分がパンの底部に集まりやや美味しくなかった。 ×:水分がパンの底部に集まりぐしゃぐしゃになって美
味しくなかった。
【0046】次に、これと同じ袋を用い、厚切り食パン
1/2枚を袋に入れ、電子レンジで1分間加熱後、電子
レンジから取り出して1時間放置後食パンと試料のくっ
つき具合を官能評価した。操作は3回行い、判定は以下
の4段階の基準での評価をし、結果を表1にまとめた。 ◎:食パンと試料がくっつかず、簡単に取り出せた ○:食パンと試料はくっつかなかったが、少し取り出し
に苦労した。 △:食パンと試料がややくっついており、無理に取り出
すとシートにパンが少し残った。 ×:食パンと試料がくっつき、無理に取り出すとシート
にパンがかなり残った。
【0047】(2)ドリップ水の濡れ戻りおよび不織布
内への水分保持テスト 300ccのビーカーにそれぞれ水10ccおよび食パン
20gを入れてから、ビーカーの口(孔面積50c
2 )に、食品包装用シート(試料:14cm×14c
m)を置き輪ゴムでセットする。その後600ワットの
電子レンジで2分間加熱する。直ちに電子レンジから試
料を取り出してはずし、天秤で重量を測定する。次に試
料の上に濾紙(目付120g/m2、大きさ15×15cm)
を置き、その上にガラス板とおもり(1kg)を置き、1
0秒経過後濾紙および試料の重量を測定し、下記の項目
A、B、Cを求めた。測定は各試料5回行い、その平均
をもとめ、表2にまとめた。算出方法は以下の通りであ
る。
【0048】蒸気発生吸着量:A W0 0 電子レンジ照射前の試料重量(mg) W1 : 電子レンジ照射後の試料重量(mg) 蒸気発生吸着量:A(mg)=W1 −W0 濡れ戻り量および濡れ戻り率:B R0 :初めの濾紙の重量 R1 :試料と濾紙を重ねて10秒経過の濾紙の重量 濡れ戻り量:B1 (mg)=R1 −R0 濡れ戻り率:B2 (%) =〔R1 −R0 /A〕×10
0 試料の保水量:C W0 : 電子レンジ照射前の試料重量 W3 : 試料と濾紙を重ねて10秒経過の試料の重量 試料の残水量:C1 (mg)=W3 −W0 試料の残水率:C2 (%) =〔W3 −W0 /A〕×1
00
【0049】(3)不織布からでる糸くず、リント、ゴ
ミの量の測定 食品包装用シート(試料:16cm×22cm)を、そのま
ま使用したものと、摩耗耐久性のテストとして学振型摩
耗機で4カ所摩耗した試料をクリーンルーム(20℃×
65%RH)で24時間放置した試料を、各々の試料をク
リーンルーム内でポリエチレン製袋(35×24cm)に
入れて30秒間振った後、ポリエチレン製袋内の空気中
の脱落物をパーテイ クルカウンターにて粒径ごとの粒子
数および糸くず量を測定した。測定結果は表3にまとめ
た。
【0050】(4)不織布の嵩密度の測定 JIS−1906に準じて目付、厚み(測定条件、ピー
コック厚み型、加圧子直径30mm、荷重5g/ m2
を測定し、次式にて求めた。 嵩密度(g/ cm3 )=目付/厚み
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】表1からは、本発明の電子レンジ用食品包
装袋を用いた場合には、電子レンジで加熱した後もハン
バーガーのおいしさが維持され、食感の低下がないこと
が示される。また食材がシートにくっつきにくく、剥が
れやすいことが示される。表2からは、本発明の電子レ
ンジ用食品包装は、保水性に優れ、かつ濡れ戻りが少な
いことが示される。表3からは、本発明の電子レンジ用
食品包装袋は、摩耗による毛羽立ち性に優れ、かつゴミ
の発生も少なく衛生的であることが示される。
【0055】
【発明の効果】本発明の電子レンジ用食品包装袋によれ
ば、ハンバーガーなどを電子レンジで再加熱する際に発
生する余分な水分や油分を取り、水分蒸発による食品の
乾燥や硬化を防ぎ、水蒸気の結露やドリップによる食品
のベタつき等を防止することができる。また、パンなど
シートにくっつきやすい素材の食品もくっつかずにスム
ーズに取り出すことができ、再加熱の時に食品の食味を
美味しく保つことができる。また食品への異物の混入を
低減させられる。また電子レンジ加熱時の内圧により袋
が弾けて内容物が電子レンジ内に飛び散るのを防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す食品包装袋の説明図。
【図2】図1の食品包装袋に被包装物を挿入したときの
断面説明図。
【図3】外装シート2と内層シート3の部分ラミネート
の説明図。
【図4】部分ラミネートの図柄の一例を示す図。
【図5】本発明の他の実施例を示す食品包装体の説明
図。
【図6】シール部に設けられる圧力逃し部の説明図。
【符号の説明】
1…食品包装袋、2…外装シート、3…内層シート、4
…第2シート(窓部) 5…接着部、6…非接着部、7…シール部、8…圧力逃
し部、10…被包装物。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装シートと内層シートからなるシート
    を該内層シートが内側となるように袋状とした包装袋で
    あって、前記内層シートが異形断面でクリンプ状繊維で
    構成された不織布からなり、また内層シートの外装シー
    トに接着されている面積が20〜70%であり、かつ前
    記包装袋に被包装体を見ることができる窓部を設けたこ
    とを特徴とする電子レンジ用食品包装袋。
  2. 【請求項2】 前記内層シートは、ポリオレフィン系長
    繊維を用いたスパンボンド法で得られた不織布であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子レンジ用食品包装
    袋。
  3. 【請求項3】 前記外装シートは、紙の表面に接着用の
    ポリオレフィン系樹脂を押出ラミネートしたシートであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の電子レンジ
    用食品包装袋。
  4. 【請求項4】 外装シートと内層シートからなるシート
    を該内層シートを内側にして筒状とした包装袋であっ
    て、前記内層シートが異形断面でクリンプ状繊維で構成
    された不織布からなり、また内層シートの外装シートに
    接着されている面積が20〜70%であり、かつ前記筒
    状の包装袋に、被包装体を見ることができる窓部と前記
    筒状の包装袋の少なくとも一端をシールするシール部と
    を設け、さらに該シール部の少なくとも一方に圧力逃し
    部を設けたことを特徴とする電子レンジ用食品包装袋。
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