JPH11291791A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

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Publication number
JPH11291791A
JPH11291791A JP10103198A JP10319898A JPH11291791A JP H11291791 A JPH11291791 A JP H11291791A JP 10103198 A JP10103198 A JP 10103198A JP 10319898 A JP10319898 A JP 10319898A JP H11291791 A JPH11291791 A JP H11291791A
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JP
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acceleration
value
relative speed
intention
calculation
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Application number
JP10103198A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Kuroda
恵隆 黒田
Akira Kato
彰 加藤
Teruo Wakashiro
輝男 若城
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の走行環境を推定し、推定した複数の走行
環境に応じた制御を適切に協調させて車両の駆動力制御
を行うことを目的とする。 【解決手段】運転者のアクセル操作に応じてエンジンの
スロットル開度を制御する車両の駆動力制御装置におい
て、運転者の加速走行意志を推定する加速走行意志推定
ブロック35と、運転者の追従走行意志を推定する追従走
行意志推定ブロック38と、推定された加速走行意志と追
従走行意志のいずれか一方が所定の値より大きい場合に
はその所定の値より大きい走行意志を選択し、二つの走
行意志の両方が所定の値より大きい場合には加速度と相
対速度によりいずれか一方の走行意志を選択する加速走
行モード判定ブロック44と、選択された走行意志を利用
してスロットル開度目標値を算出するスロットル開度目
標値算出ブロック167とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子制御式スロット
ルを持つエンジンを搭載した車両に用いて好適な車両の
駆動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、運転環境に応じて車両の駆動力を
制御する技術として、車両の運転環境を車両の運転パラ
メータからファジー推論を用いて推定し、電子制御式ス
ロットルの制御におけるアクセルペダルの操作に対する
スロットル制御のゲインを最適に可変化する装置が提案
されている(特開昭63−268943号公報参照)。
【0003】また、電子制御式スロットルを装備した車
両において、平均車速や単位時間当たりの発進停止頻度
から渋滞度を推定し、駆動力を制御する技術が知られて
いる。例えば、特開平4−365935号公報には、車
間距離センサーからの情報を用いることで渋滞度推定の
精度を向上し、発進時などにおけるブレーキとアクセル
ペダルの踏み替え操作を低減する技術が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の技術においては以下のような問題があ
る。
【0005】例えば上記のような従来の技術において
は、平均車速、発進停止頻度、車間距離等の複数のパラ
メータに基づいて、一定速度による走行状態なのかある
いは加速もしくは減速状態なのかといった車速の変化に
応じた一つの走行環境、渋滞の度合いに応じた他の一つ
の走行環境、車間距離を一定に保とうとしているのかあ
るいは変化させようとしているのかといった車間距離の
変化に応じた他の一つの走行環境等の複数種類の走行環
境が推定される。そして、推定した結果に応じて、アク
セルペダル操作に応じたスロットル開度の制御における
ゲインを予め設定された複数の値から適宜選択して、持
ち替える手法がとられている。そこでは、推定された複
数の走行環境毎に求められた複数の値が、個々の推定結
果によって相反する増減を示す場合がある。このような
場合には、推定された複数の走行環境のすべてに対して
適切な制御を行うことができず、実際の走行環境に最適
な駆動力特性を得ることが困難となる。走行環境に適し
た駆動力特性が得られない車両では例えば運転者の走行
環境に応じようとするアクセル操作の修正量が増加して
しまい、運転者にとって肉体的及び精神的負担が増大し
てしまうという問題が発生する。
【0006】また、平均車速等の情報から渋滞度合い
を推定する場合には、およその渋滞度合いは推定できる
が、例えば走行時の車速と停止時間の長さの関係によっ
ては、発進停止が繰り返された走行と、発進停止の少な
いほぼ一定速度での走行とで、平均車速が一致してしま
う場合があり、どちらの走行状態なのか区別が困難とな
る場合がある。また、渋滞度の推定精度を向上させるた
めに、さらに車間距離をモニターする手法では、各走行
状況における平均的な車間距離が運転者の個人差によっ
て変化することから、渋滞の度合いと車間距離の関係に
不適合が生じてしまい、必ずしも推定精度を向上させる
ことができない場合がある。このような場合には、アク
セル操作に対する駆動力の最適化が困難となり、走行環
境に適した駆動力特性が得られなくなる。したがってこ
のような場合には、運転者による走行環境に対応するた
めのアクセル操作の修正量が多くなってしまい、運転者
にとって肉体的及び精神的負担が増大してしまうという
問題がある。
【0007】したがって本発明はかかる問題の解決を図
り、複数の走行環境を推定し、推定した複数の走行環境
に応じた制御を適切に協調させて車両の駆動力制御を行
うことができる車両の駆動力制御装置を提供することを
目的とする。また、本発明の他の目的は、推定した複数
の走行環境に基づく車両の駆動力制御をより精度よく行
うことができる車両の駆動力制御装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、運転者のアクセル操作に応
じてエンジンのスロットル開度を制御する車両の駆動力
制御装置において、運転者の加速走行意志を推定する加
速走行意志推定手段と、前記運転者の追従走行意志を推
定する追従走行意志推定手段と、前記運転者の加速走行
意志と追従走行意志のいずれか一方が所定の値より大き
い場合にはその所定の値より大きい走行意志を選択し、
又は前記二つの走行意志の両方が所定の値より大きい場
合には加速度と前車に対する相対速度によりいずれか一
方の走行意志を選択する走行意志選択手段と、前記走行
意志選択手段によって選択された走行意志に基づいて前
記スロットル開度の制御を補正する補正手段とを具備す
ることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明は、前記補正手段が、
前記走行意志選択手段によって加速走行意志が選択され
た場合には実際の加速度と目標加速度との偏差に基づい
て、又は前記走行意志選択手段によって追従走行意志が
選択された場合には実際の相対速度と目標相対速度との
偏差に基づいて、前記スロットル開度の制御を補正する
ことを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明は、前記運転者のアク
セル操作の安定度を推定する安定度推定手段を備え、前
記補正手段が、実際の加速度又は実際の相対速度と、前
記安定度とに応じて、前記目標加速度又は前記目標相対
速度を求めることを特徴としている。
【0011】以上の構成によれば、運転者の加速走行意
志と追従走行意志のいずれか一方が所定の値より大きい
場合にはその所定の値より大きい走行意志が選択され、
二つの走行意志の両方が所定の値より大きい場合には加
速度と相対速度によりいずれか一方の走行意志が選択さ
れる。そして、選択された走行意志に基づいてスロット
ル開度の制御が補正される。これによれば、加速走行意
志と追従走行意志という異なる2つの運転環境の推定結
果を用いてスロットル開度の制御の補正が行われる際
に、両方の走行意志が競合するようなときにも、加速度
と相対速度によりいずれか一方の走行意志が推定される
ので、より運転者の意志の推定が総合的に行われ、より
運転者の意志に適合した補正を行うことができる。
【0012】また、加速走行意志が選択された場合には
実際の加速度と目標加速度との偏差に基づいて、追従走
行意志が選択された場合には実際の相対速度と目標相対
速度との偏差に基づいてスロットル開度の制御を補正す
るので、運転者の加速要求にすばやく応答することがで
き、また、追従走行をより精度よく補正することが可能
となる。また、運転者のアクセル操作の安定度を推定
し、実際の加速度又は実際の相対速度と、推定した安定
度とに応じて、目標加速度又は目標相対速度を求めるこ
とで、さらに運転者の意志に合った制御を行うことが可
能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。図1は本発明による車両の
駆動力制御装置の一実施形態B100とその周辺装置とを示
すブロック図である。ただし、各装置は、図示していな
い自動車等の所定の車両に搭載されているものとする。
駆動力制御装置B100は、各外部センサとのインターフェ
ースとなる入力部B101と、入力部B101を介して各センサ
から入力された信号に基づいてスロットル制御における
スロットル開度の目標値THFFを算出するスロットル開度
目標値算出部B102と、スロットル開度目標値算出部B102
で算出されたスロットル開度目標値THFFに従って車両の
エンジンに取りつけられているスロットル駆動アクチュ
エータB200を制御するスロットル開度制御部B103から構
成されている。
【0014】入力部B101へは、タイヤの回転に応じたパ
ルス信号を出力する車速センサS100、レーザ等を用いて
前車との車間距離を測定し、測定した車間距離を数値デ
ータとして出力する車間距離センサS101、アクセルペダ
ルの踏み込み角度すなわちアクセル開度に応じた電圧を
出力するアクセル開度センサS102、ブレーキペダルが踏
まれたときにオンあるいはオフするブレーキスイッチS1
03のほか、車両の角加速度を検知する加速度センサS10
4、エンジン回転に応じたパルス信号を出力するエンジ
ン回転数センサS105、吸気管の負圧に応じた電圧を出力
する吸気管負圧センサS106、図示していない変速制御装
置等からの変速比のデータが入力される信号線S107、バ
ッテリ電圧を検知するための信号線S108等が接続されて
いる。一方、スロットル駆動アクチュエータB200は、直
流モータ等を用いて構成され、スロットル開度制御部B1
03からの駆動信号に応じてスロットルの角度を制御する
とともに、スロットルの実際の角度に応じた信号をスロ
ットル開度制御部B103へ出力する。
【0015】なお、駆動力制御装置B100は、内部にCP
U(中央制御装置)、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)、ROM(リードオンリメモリ)、電源回路、CP
Uへ及びCPUからの信号を外部へ入出力するための回
路等を備えている。ただし、本発明による駆動力制御装
置B100は、図1に示すように、スロットルの駆動を制御
するための回路B101〜B103を用いて独立した装置として
構成することもできるし、点火制御装置、変速制御装置
等の車両の他の制御装置と一体となるように構成するこ
ともできる。
【0016】次に、図2〜図5を参照して、図1に示す
駆動力制御装置B100において本発明が最も特徴とする構
成であるスロットル開度目標値算出部B102の内部構成に
ついて説明する。図2は、スロットル開度目標値算出部
B102の内部構成をCPUによる各処理に対応させて示し
た機能ブロック図であり、図3〜図5は、各処理の流れ
を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、
スロットル開度目標値算出部B102に対して入力部B101か
ら入力されるデータとして、車速V、車間距離D、アク
セル開度AP、ブレーキスイッチBRKの4つを用いること
とする。
【0017】なお、スロットル開度目標値算出部B102で
は、図1に示す加速度センサS104、エンジン回転数セン
サS105等の他のデータをさらに用いて、スロットル開度
目標値THFFに対する補正値を算出するようにすることも
可能である。ただし、以下ではそれらの入力信号に基づ
く補正値の算出についての説明は省略する。
【0018】まず、図2を参照して、スロットル開度目
標値算出部B102の全体構成について説明する。平均車速
ブロック3は、入力された車速Vの平均値を算出するブ
ロックである。加速度ブロック9は、車速Vの時間変化
に基づいて加速度を算出するブロックである。加加速度
ブロック28は、加速度ブロック9で算出された加速度の
時間変化すなわち加加速度を算出するブロックである。
平均加速度ブロック32は、加速度ブロック9で算出され
た加速度に基づいて、加速度の平均値を算出するブロッ
クである。発進停止頻度算出ブロック6は、車速Vに基
づいて、車両が走行していた時間と停止していた時間と
の割合(以下、発進停止頻度)を算出するブロックであ
る。
【0019】車間距離移動標準偏差ブロック13は、入力
された車間距離Dの過去数サンプリング分のデータの平
均値(移動平均値)と、各サンプリングデータとの偏差
をそれぞれ2乗して、算術平均した値の平方根(移動標
準偏差)を算出するブロックである。相対速度ブロック
10は、車間距離Dの時間変化に基づいて相対速度を算出
するブロックである。相対速度移動標準偏差ブロック14
は、車間距離移動標準偏差ブロック13と同様にして、相
対速度ブロック10で算出された相対速度の移動標準偏差
を算出するブロックである。相対加速度ブロック29は、
相対速度ブロック10で算出された相対速度の時間変化す
なわち相対加速度を算出するブロックである。平均相対
速度ブロック33は、相対速度ブロック10で算出された相
対速度に基づいて、相対速度の平均値を算出するブロッ
クである。そして、アクセル速度ブロック8は、入力さ
れたアクセル開度APの時間変化からアクセルペダルの操
作速度(以下、アクセル速度)を算出するブロックであ
る。
【0020】加速度変動モニタブロック30は、加加速度
ブロック28で算出された加加速度に基づいて、加速度の
変動が小さい状態が一定時間以上継続していたかどうか
を監視するブロックである。追従走行意志推定ブロック
38は、平均車速ブロック3で算出された平均車速、車間
距離移動標準偏差ブロック13で算出された車間距離移動
標準偏差、相対速度移動標準偏差ブロック14で算出され
た相対速度移動標準偏差、及び発進停止頻度算出ブロッ
ク6で算出された発進停止頻度に基づいて、運転者が前
車に追従して、すなわち一定の車間距離で走行しようと
する意志(以下、追従走行意志)の大小を推定するブロ
ックである。相対速度変動モニタブロック31は、相対加
速度ブロック29で算出された相対加速度に基づいて、相
対速度の変動が小さい状態が一定時間以上継続していた
かどうかを監視するブロックである。
【0021】加速意志推定ブロック35は、アクセル開度
APとアクセル速度ブロック8で算出されたアクセル速度
に基づいて、運転者が加速しようとする意志の大小を推
定するブロックである。減速意志推定ブロック36は、ア
クセル開度AP、アクセル速度、加速意志推定ブロック35
で推定された加速意志、及び入力されたブレーキスイッ
チのオン・オフ信号BRKに基づいて、運転者が減速しよ
うとする意志の大小を推定するブロックである。
【0022】安定度推定ブロック40は、平均車速ブロッ
ク3で算出された平均車速、加速意志推定ブロック35に
よる加速意志の推定結果、及び減速意志推定ブロック36
による減速意志の推定結果から、運転者によるアクセル
操作の安定度を推定するブロックである。 加速走行モ
ード判定ブロック44は、加速度変動モニタブロック30に
よる加速度変動の監視結果、平均加速度ブロック32で算
出された平均加速度、追従走行意志推定ブロック38によ
る追従走行意志の推定結果、相対速度変動モニタブロッ
ク31による相対速度変動の監視結果、及び加速意志推定
ブロック35による加速走行意志の推定結果に基づいて、
逐次、複数の加速走行モード(本実施形態では前車に追
従して加速しようとする追従加速走行モード、前車に追
従しようとするのではなく自由に加速しようとする自由
加速走行モード、それらに該当しない走行モード(自由
走行モード))のなかから最適な加速走行モードを判定
するブロックである。
【0023】目標加速度算出ブロック45は、加速度ブロ
ック9で算出された加速度、加速走行モード判定ブロッ
ク44によって判定された加速走行モード、及び安定度推
定ブロック40によるスロットル操作の安定度の推定結果
に基づいて、スロットル開度目標値算出部B102から出力
されるスロットル開度目標値THFFを求める際に用いられ
る一つの補正値を算出するときの基準値の一つとして使
用される目標加速度を算出するブロックである。目標相
対速度算出ブロック46は、車速V、加速走行モード判定
ブロック44によって判定された加速走行モード、相対速
度ブロック10で算出された相対速度、及び安定度推定ブ
ロック40によるスロットル操作の安定度の推定結果に基
づいて、スロットル開度目標値THFFを補正する際の一つ
の基準値となる目標相対速度を算出するブロックであ
る。
【0024】加速走行補正係数算出ブロック68は、加速
走行モード判定ブロック44によって自由加速走行モード
であると判定された場合に、目標加速度算出ブロック45
で算出された目標加速度と、加速度ブロック9で算出さ
れた加速度との偏差に応じて、加速走行補正係数を算出
するブロックである。追従加速走行補正係数算出ブロッ
ク69は、加速走行モード判定ブロック44によって追従加
速走行モードであると判定された場合に、目標相対速度
算出ブロック46で算出された目標相対速度と、相対速度
ブロック10で算出された相対速度との偏差に応じて、追
従加速走行補正係数を算出するブロックである。
【0025】加速度又は相対速度を目標とする補正係数
算出ブロック70は、加速走行モード判定ブロック44の判
定に応じ、自由加速走行モードである場合には、加速走
行補正係数算出ブロック68で算出された加速走行補正係
数を加速度又は相対速度を目標とする補正係数として出
力し、追従加速走行モードである場合には、追従加速走
行補正係数算出ブロック69で算出された追従加速走行補
正係数を加速度又は相対速度を目標とする補正係数とし
て出力するブロックである。ただし、自由加速走行モー
ドでも追従加速走行モードでもないとき、すなわち自由
走行モードのときには、加速度又は相対速度を目標とす
る補正係数はスロットル開度目標値THFFの算出に影響を
与えない値である“1”に設定される。
【0026】スロットル開度目標値算出ブロック167
は、加速度又は相対速度を目標とする補正係数算出ブロ
ック70で算出された加速度又は相対速度を目標とする補
正係数、安定度推定ブロック40によるアクセル操作の安
定度の推定結果、及びアクセル開度APに基づいて、スロ
ットル開度目標値THFFを算出して出力するブロックであ
る。スロットル開度目標値算出部B102は、以上の各機能
ブロックによって構成され、スロットル開度目標値THFF
を出力する。
【0027】次に、図3〜図5を参照して、図2に示す
スロットル開度目標値算出部B102における各機能ブロッ
ク内の処理について説明する。図3は、スロットル開度
目標値算出部B102内の全機能ブロックに対応する処理を
含んだタイマーインターラプト・ルーチンを示すフロー
チャートである。図3に示すタイマーインターラプト・
ルーチンは、図1に示す駆動力制御装置B100内のCPU
に内蔵された所定のタイマーの割り込みによって所定の
時間間隔で呼び出されるサブルーチンであり、この実施
形態では一例として時間間隔が100msに設定されてい
るものとする。タイマーインターラプト・ルーチンは、
イグニッション・キースイッチがオンされることによっ
て起動する初期化ルーチンによってその割り込み時間や
割り込みの開始が設定され、以後、キースイッチがオフ
されるまで、一定の時間間隔で呼び出される。なお、キ
ーオン時に起動する初期化ルーチンでは、ほかに、各記
憶領域内のデータの初期設定や入出力端子の動作確認が
行われる。
【0028】図3に示すタイマーインターラプト・ルー
チンでは、まず後述する各処理において使用される複数
のタイマ(RAM内の複数の所定番地の記憶領域)の値
を“1”減らす処理を行う(ステップ101)。そして、
次に、運転パラメータ算出サブルーチンを呼び出す(ス
テップ102)。この運転パラメータ算出サブルーチン
は、図4に示すように、平均車速、発進停止頻度等の各
運転パラメータを算出するサブルーチンを呼び出す複数
のステップから構成されている。
【0029】図4に示す運転パラメータ算出サブルーチ
ン(図3のステップ102)では、それぞれ図2に示す平
均車速ブロック3、発進停止頻度算出ブロック6、アク
セル速度ブロック8、加速度ブロック9、及び相対速度
ブロック10に対応する、平均車速VAVE算出サブルーチン
(ステップ203)、発進停止頻度SGR算出サブルーチン
(ステップ206)、アクセル速度DAP算出サブルーチン
(ステップ208)、加速度DV算出サブルーチン(ステッ
プ209)、及び相対速度DD算出サブルーチン(ステップ2
10)が順次呼び出される。
【0030】さらに、運転パラメータ算出サブルーチン
では、上記各サブルーチンで算出されたデータを用いる
車間距離移動標準偏差DSIG算出サブルーチン(ステップ
213)、相対速度移動標準偏差DDSIG算出サブルーチン
(ステップ214)、加加速度DDV算出サブルーチン(ステ
ップ228)、相対加速度DDD算出サブルーチン(ステップ
229)、加速度変動モニタサブルーチン(ステップ23
0)、相対速度変動モニタサブルーチン(ステップ23
1)、平均加速度DVAVE算出サブルーチン(ステップ23
2)、及び平均相対速度DDAVE算出サブルーチン(ステッ
プ233)が順次呼び出される。これらの各サブルーチン
は、それぞれ図2に示す車間距離移動標準偏差ブロック
13、相対速度移動標準偏差ブロック14、加加速度ブロッ
ク28、相対加速度ブロック29、加速度変動モニタブロッ
ク30、相対速度変動モニタブロック31、平均加速度ブロ
ック32、及び平均相対速度ブロック33に対応するもので
ある。
【0031】運転パラメータ算出サブルーチン内の上記
各ステップが終了すると、次に、図3のタイマーインタ
ーラプト・ルーチンでは、処理がステップ135へ進み、
図2の加速意志推定ブロック35に対応する加速意志推定
サブルーチンが呼び出される。加速意志推定サブルーチ
ンから復帰すると、続いて、減速意志推定ブロック36に
対応する減速意志推定サブルーチン(ステップ136)、
追従走行意志推定ブロック38に対応する追従走行意志推
定サブルーチン(ステップ138)、安定度推定ブロック4
0に対応する安定度推定サブルーチン(ステップ140)、
加速走行モード判定ブロック44に対応する加速走行モー
ド判定サブルーチン(ステップ144)、目標加速度算出
ブロック45に対応する目標加速度算出サブルーチン(ス
テップ145)、及び目標相対速度算出ブロック46に対応
する目標相対速度算出サブルーチン(ステップ146)
が、順次呼び出される。そして、これらの各処理が終了
すると、スロットル開度補正係数算出サブルーチン(ス
テップ154)が呼び出されて、スロットル制御における
複数の補正係数が算出される。
【0032】図5は、スロットル開度補正係数算出サブ
ルーチン(図3のステップ154)内の処理を示すフロー
チャートである。スロットル開度補正係数算出サブルー
チンでは、それぞれ図2に示す加速走行補正係数算出ブ
ロック68、追従加速走行補正係数算出ブロック69、及び
加速度又は相対速度を目標とする補正係数算出ブロック
70に対応する加速走行補正係数KDVACC算出サブルーチン
(ステップ5468)、追従加速走行補正係数KADPTACC算出
サブルーチン(ステップ5469)、及び加速度又は相対速
度を目標とする補正係数KFBACC算出サブルーチン(ステ
ップ5470)が呼び出され、これらの各サブルーチンにお
いて複数の補正係数が算出される。
【0033】スロットル開度補正係数算出サブルーチン
(ステップ154)内の上記各処理が終了すると、次に、
図3のタイマーインターラプト・ルーチンでは、図2の
スロットル開度目標値算出ブロック167に対応する目標
スロットル開度算出サブルーチンが呼び出され(ステッ
プ1167)、スロットル開度目標値THFFが算出される。以
上の処理が終了すると、CPUは、図2に示すタイマー
インターラプト・ルーチンによるタイマー割り込みの状
態から復帰し、再び、所定時間後にタイマー割り込みが
発生した時点でタイマーインターラプト・ルーチンの各
処理が再度実行される。
【0034】次に、図6〜図34を参照して、図3〜図5
に示す各サブルーチン内の処理の流れについて説明す
る。図6は、図4の運転パラメータ算出サブルーチンの
ステップ203で呼び出される平均車速VAVE算出サブルー
チンにおける処理の流れを示すフローチャートである
(図2の平均車速ブロック3に対応する。)。このサブ
ルーチンでは、まずバッテリーキャンセル、すなわちエ
ンジンのストール時等に発生する大きな電圧の低下が検
出されたかどうかを判断し(ステップ301)、電圧低下
が検出された場合には平均車速VAVE(所定のメモリ番
地)に平均車速の初期値VINI(例えば36km/h等の値)を
格納した後(ステップ302)、VAVE算出ディレータイマt
VAVEに初期値を格納して(ステップ307)、サブルーチ
ンを終了する。これは、プログラムの実行中に誤ったデ
ータが発生する等して、平均車速VAVEの値として実際の
値と大きく異なった値が設定されないようにするための
処理である。一方、ステップ301においてバッテリーキ
ャンセルとならなかった場合には、ステップ303へ進
み、VAVE算出ディレータイマtVAVEが“0”に等しいか
どうかが判断される。そして、VAVE算出ディレータイマ
tVAVEが“0”でない場合には、他の処理を行わず、サ
ブルーチンを終了する(ステップ303の判断が“NO”の
場合)。
【0035】VAVE算出ディレータイマtVAVEは、図3に
示す上述したステップ101で“1”を減じられる複数の
ディレータイマの1つである。したがって、VAVE算出デ
ィレータイマtVAVEに格納されている値は、タイマー割
り込みの時間間隔(本実施形態では100ms)毎に値が
“1”ずつ減じられる。したがって、ステップ307にお
いて初期値が設定された後、所定時間が経過するまで
(例えば“2”が設定されていれば200ms後まで、
“3”が設定されていれば300ms後まで)は、ステップ3
03の判断結果は“NO”となる。本実施形態では、一例と
してVAVE算出ディレータイマtVAVEの初期値として、ス
テップ307及び起動時の初期設定時において“10”が設
定されるものとする。この場合、タイマー割り込みが10
回発生した後すなわち1秒間経過後に、VAVE算出ディレ
ータイマtVAVEが“0”に等しくなり、ステップ303の判
断結果が“YES”となる。したがって、後述するステッ
プ305あるいはステップ306で設定される平均車速VAVEの
値は、1秒ごとに更新されることになる。
【0036】ステップ303の判断結果が“YES”であった
場合、現在の車速Vが、走行状態であることを判定する
しきい値である走行判定下限車速VLMTL(例えば2km/
h)以上であるかどうかが判断される(ステップ304)。
車速Vが走行判定下限車速VLMTL以上であったならば、
ステップ305へ進んで平均車速VAVEを算出し、車速Vが
走行判定下限車速VLMTL以上でなかったならば、ステッ
プ306へ進んで平均車速VAVEに前回算出した平均車速VAV
Eの値が格納される。ステップ305あるいはステップ306
の処理が終了すると、次にステップ307へ進んで、VAVE
算出ディレータイマtVAVEに初期値が設定される。そし
て、サブルーチンが終了する。
【0037】ステップ305では、平均車速VAVEが、例え
ば、式(3−1)に示すように、
【0038】
【数1】
【0039】現在の車速、前回算出した平均車速VAVE、
及びVAVE算出なまし係数CVAVEを用いて加重平均を行っ
た結果として算出される。加重平均における重み付けの
係数となるVAVE算出なまし係数CVAVEを、例えば“64”
と設定すれば、平均車速VAVEは、現在の車速に係数4分
の1、前回算出した平均車速VAVEに係数4分の3をかけ
て、それらの平均をとった値として求められることにな
る。この計算によって、少ない記憶領域で、ノイズ(ヒ
ゲ状となるような大きな値の変動)の少ない平均車速VA
VEを得ることができる。なお、VAVE算出なまし係数CVAV
Eの値は、車両の種別等の条件に応じてあらかじめ所定
の値に決定しておいたり、あるいは、車速Vの大きさ等
に応じて適宜動的に変化させるようにすることができ
る。
【0040】次に、図7を参照して、図4に示す運転パ
ラメータ算出サブルーチンのステップ206で呼び出され
る発進停止頻度SGR算出サブルーチン(図2の発進停止
頻度算出ブロック6に対応する。)について説明する。
このサブルーチンでは、まずSGR算出ディレータイマtSG
Rの値が“0”に等しいかどうかが判断される(ステッ
プ601)。SGR算出ディレータイマtSGRは、図3に示すタ
イマーインターラプト・ルーチンのステップ101で毎回
“1”を減らされるタイマであり、SGR算出ディレータ
イマtSGRには、初期設定時及びステップ612において、
初期値として“10”が設定されるものとする。したがっ
て、ステップ601の判断結果は、このサブルーチンが10
回呼び出される毎に、すなわち1秒毎に、“YES”とな
る。
【0041】ステップ601の判断結果が“YES”となる
と、次にステップ602で、車速Vが走行判定下限車速VLM
TL(例えば2km/h)より大きいかどうかが判断される。
車速Vが走行判定下限車速VLMTLより大きい場合にはス
テップ603へ進んで走行時間TRUN(走行時間TRUNは所定
のメモリ領域。)に“1”を加算し、他方、大きくない
場合にはステップ604へ進んで停止時間TSTOP(同様に、
所定のメモリ領域、以下同様。)に“1”を加算する。
次いで、発進停止積算時間TSUMに、走行時間TRUNと停止
時間TSTOPの合計値を格納する(ステップ605)。走行時
間TRUN及び停止時間TSTOPは、それぞれ車両が走行して
いる時間及び停止している時間を積算するためのメモリ
であり、初期設定時にはともに“0”に設定されてい
る。
【0042】次に、ステップ606では発進停止積算時間T
SUMが“0”より大きいかどうかが判断され、大きくな
い場合にはステップ607へ進んで発進停止積算時間TSUM
に“1”を格納する。次いで、ステップ608では、発進
停止頻度の今回計算値SGRNを算出する。発進停止頻度今
回計算値SGRNは、式(6−1)に示すようにして、発進停止
積算時間TSUMに対する走行時間TRUNの割合(%)として
求められる。
【0043】
【数2】
【0044】発進停止頻度今回計算値SGRNは、運転時間
に占める実際に走行している状態の時間の割合を示すも
のである。発進停止頻度SGRを算出するに当たっては、
どれくらいの運転時間(発進停止積算時間TSUM)を基準
として計算を行うかということが重要な要素となる。基
準となる時間をあまり短くしてしまうと(例えば1分間
を基準としたような場合)、算出される頻度は100%と0
%をいったりきたりしてしまうような値として算出され
ることになる。一方、あまり長くしてしまうと(例えば
30分間としたような場合)、例えば高速道路を長く(30
分以上)走行した後に(頻度が100%となった後に)市
街地で発進停止を繰り返すような(頻度が約50%となる
ような)走行を行った場合、高速道路を降りてから少な
くとも30分間以上市街地を走行しなければ、算出される
頻度は50%となることはない。このように、基準として
用いる値によっては、頻度としてではなく単に走行して
いるか停止しているかを表すような値となってしまった
り、あるいは実際の走行環境に一致しない値を長時間持
ち続けるような値となってしまうことになる。
【0045】上述したステップ602〜605の処理によれ
ば、走行を開始した直後は、発進停止積算時間TSUMの値
は“0”から1秒毎に“1”ずつ増加する比較的小さい
値となっている。しかしながら、発進停止積算時間TSUM
と、走行時間TRUNまたは停止時間TSTOPは、時間と共に
増加して行くため、ある時間が経過したところで、それ
らが所定の値を越えないようにするための制限が必要と
なってくる。そこで、本実施形態では、以下に述べる処
理によって、発進停止積算時間TSUMが所定の値(以下、
積算上限値と称する。また、本実施形態では10分間に相
当する値を用いることとする。)を越えた場合、その積
算上限値を越える度に、一旦、 走行時間TRUN、停止時
間TSTOP、及び発進停止積算時間TSUMをすべて“0”に
初期化することで、各値の上限を制限するようにしてい
る。
【0046】上述したようにしてステップ608で発進停
止頻度今回計算値SGRNを算出すると、次に、ステップ60
9では、積算上限判定フラグF_TSUMが“0”に等しいか
どうかが判断される。積算上限判定フラグF_TSUMは、メ
モリの所定のビットに対応するものであり、発進停止積
算時間TSUMが一旦、積算上限値を越えた場合、後続する
ステップ613で“1”にセットされるものである。積算
上限判定フラグF_TSUMは、発進停止積算時間TSUMが積算
上限値を越えるまでは常に“0”となっているので、発
進停止積算時間TSUMが積算上限値を越えるまでは、ステ
ップ609の判断結果は常に“YES”となる(ステップ610
へ進むこととなる)。
【0047】ステップ610では、発進停止積算時間TSUM
が、積算上限値TSUMLMTHを下回っているかどうかの判断
が行われる。積算時間の上限を10分間とする場合、積算
上限値TSUMLMTHには“600”(600秒÷ステップ603また
は604による加算周期(1秒))を設定する。ステップ6
10で発進停止積算時間TSUMが積算上限値TSUML以上(判
断結果が“NO”)となるのは、車両が走行を開始(プロ
グラムが開始)してから10分間経過した時である。した
がって、10分間経過するまでは、ステップ610の判断結
果は常に“NO”となり、ステップ610に続き、ステップ6
11の処置が繰り返し実行される。ステップ611では、発
進停止頻度SGRに、発進停止頻度今回計算値SGRNがその
まま格納される。ステップ611で、発進停止頻度SGRに、
発進停止頻度今回計算値SGRNを格納すると、次に、ステ
ップ612でSGR算出ディレータイマtSGRに初期値(この場
合“10”)が設定される。そして、サブルーチンが終了
する。
【0048】一方、走行開始からの時間が10分間となる
と、ステップ610の判断結果が“NO”となり、ステップ6
13で積算上限判定フラグF_TSUMが“1”にセットされ
る。積算上限判定フラグF_TSUMは、初期設定時にのみ
“0”にリセットされるものなので、ステップ609の判
断は、以後、常に、“NO”となり、ステップ609に続い
て、ステップ613からステップ619の処理とステップ612
の処理が実行されることになる。
【0049】上述したように、本実施形態では、発進停
止積算時間TSUMが所定の積算上限値を越える度に一旦、
走行時間TRUN、停止時間TSTOP、及び発進停止積算時間
TSUMのすべてを“0”に初期化するようにしている。発
進停止積算時間TSUMの上限値を制限にはこの初期化の処
理は必要である。しかしながら、初期化を行った直後に
は、 走行時間TRUNまたは停止時間TSTOPと、発進停止積
算時間TSUMは、再び“0”から1秒ごとに増加して行く
値となってしまう。つまり、ステップ608で算出される
発進停止頻度今回計算値SGRNは、初期化した後の走行状
況のみを反映したものとなる。仮に初期化後にも発進停
止頻度SGRとして単に発進停止頻度今回計算値SGRNを用
いるようにした場合、発進停止頻度SGRは、初期化以前
の走行状況を反映しない値となってしまう。本実施形態
では、初期化以前の走行状況をも反映させて発進停止頻
度SGRを求めるため、ステップ613からステップ619の処
理によって、発進停止頻度SGRを、過去に算出した値と
現在の値とを所定の係数を用いて加重平均するととも
に、加重平均の係数を時間に応じて変化させることで算
出するようにしている。これによって、頻度として適切
な値を示し、かつ応答性の良い値が得られるようになっ
ている。
【0050】まずステップ613では、上述したように、
積算上限判定フラグF_TSUMが“1”にセットされる。次
に、ステップ614では、加重平均の係数であるSGR算出な
まし係数CSGRから、その係数を段階的に時間変化させる
値である引き去り量SGRSTPを減算している。この例で
は、SGR算出なまし係数CSGRとして、初期状態では
“0”が、後述するステップ617の初期化の処理では“6
5536”が設定されるものとする。また、引き去り量SGRS
TPとしては、SGR算出なまし係数CSGRの初期化設定値
(この例では“65536”)を積算上限値TSUMLMTH(この
例では“600”)で割った値(“109”)を設定してい
る。
【0051】次に、ステップ615では、SGR算出なまし係
数CSGRが“0”以下であるかどうかが判断される。SGR
算出なまし係数CSGRが“0”以下となるのは、初めてス
テップ615の判断が行われるときと、何回か(この場
合、(65536/109の整数値+1)回=602回、すなわち
約600秒間)、ステップ614による処理が行われた後であ
る。ステップ615でSGR算出なまし係数CSGRが“0”以下
であると判断された場合、走行時間TRUN、停止時間TSTO
P、及び発進停止積算時間TSUMが、それぞれ“0”に初
期化される(ステップ616)。ステップ617では、SGR算
出なまし係数CSGRにSGR算出なまし係数初期値CSGRINI
(この場合、“65536”)が設定される。そして、ステ
ップ618で、発進停止頻度前回積算上限値時の値SGRTRIP
に、前回算出された発進停止頻度SGRの値が格納され
る。
【0052】ステップ619では、式(6−2)に従って発進
停止頻度SGRが算出される。式(6−2)による加重平均の
算出結果は、SGR算出なまし係数CSGRが“0”以下であ
ると判断されて(ステップ615の判断結果が“YES”)、
ステップ616〜ステップ618の処理が行われた直後には、
SGR算出なまし係数CSGRがSGR算出なまし係数初期値CSGR
INIと等しいので、分子の第2項は“0”となり、発進
停止頻度SGRが、発進停止頻度前回積算上限値時の値SGR
TRIPすなわち前回算出した発進停止頻度SGRの値に一致
することになる。その後、次に、ステップ615でSGR算出
なまし係数CSGRが“0”以下であると判断されるまで
(約10分間経過するまで)は、発進停止頻度前回積算上
限値時の値SGRTRIPは一定値となり、またSGR算出なまし
係数CSGRは徐々に減少(この場合“109”ずつ減少)し
ていく。したがって、発進停止頻度SGRは、発進停止頻
度前回積算上限値時の値SGRTRIPが占める割合を徐々に
減少させるとともに、発進停止頻度今回計算値SGRNが占
める割合を徐々に増加させていく値として求められる。
【0053】
【数3】
【0054】ステップ619の処理が終了すると、ステッ
プ612でSGR算出ディレータイマtSGRに初期値(この場合
“10”)が設定される。そしてサブルーチンが終了す
る。
【0055】以上の処理によって、図7に示す発進停止
頻度SGR算出サブルーチンでは、所定の時間が経過した
後は、発進停止積算時間TSUMの上限値を所定値以下に制
限すると共に、過去に算出した発進停止頻度SGRを利用
しながら現在の発進停止頻度SGRを算出するようにして
いる。これによって、発進停止頻度SGRを算出する際の
サンプル数をある程度確保して、頻度として適切な値で
あるとともに、応答性良く実際の走行環境に即した値で
ある発進停止頻度SGRを算出するようにしている。
【0056】次に、図8を参照して、図4に示す運転パ
ラメータ算出サブルーチンのステップ208で呼び出され
るアクセル速度DAP算出サブルーチン(図2のアクセル
速度ブロック8に対応する。)について説明する。この
サブルーチンでは、ステップ801において、アクセル速
度DAPを、現在のアクセル開度APとt1秒前(ここでは0.1
秒前とする。)のアクセル開度AP1の差として算出す
る。そして、サブルーチンを終了する。なお、図9に示
すアクセル速度DAP算出サブルーチンでは、上述したサ
ブルーチンで用いていたディレータイマによる処理を行
っていないので、ステップ801におけるアクセル速度DAP
の算出は、タイマー割り込みの時間間隔(本実施形態で
は100ms)毎に行われることになる。
【0057】次に、図9を参照して、図4に示す運転パ
ラメータ算出サブルーチンのステップ209で呼び出され
る加速度DV算出サブルーチン(図2の加速度ブロック9
に対応する。)について説明する。このサブルーチンで
は、ステップ901において、加速度DVを、現在の車速V
からt10秒前(ここでは1秒前とする。)の車速V10を減
算することで算出する。そして、ステップ901の処理が
終わるとこのサブルーチンの処理が終了する。
【0058】次に、図10を参照して、図4に示す運転パ
ラメータ算出サブルーチンのステップ210で呼び出され
る相対速度DD算出サブルーチン(図2の相対速度ブロッ
ク10に対応する。)について説明する。このサブルーチ
ンでは、ステップ1001において、相対速度DDを、現在の
車間距離Dからt10秒前(1秒前)の車間距離D10を減算
することで算出する。そして、ステップ1001の処理が終
わるとこのサブルーチンの処理が終了する。
【0059】次に、図11を参照して、図4に示す運転パ
ラメータ算出サブルーチンのステップ213で呼び出され
る車間距離移動標準偏差DSIG算出サブルーチン(図2の
車間距離移動標準偏差ブロック13に対応する。)につい
て説明する。このサブルーチンでは、ステップ1301にお
いて、DSIG算出ディレータイマtDSIGの値が“0”に等
しいかどうかが判断される。DSIG算出ディレータイマtD
SIGは、上述したVAVE算出ディレータイマtVAVEと同様の
タイマであり、DSIG算出ディレータイマtDSIGには、初
期設定時及びステップ1304において、初期値として
“2”が設定されるものとする。したがって、ステップ
1301の判断結果は、この場合、200ms毎に、“YES”と
なる。
【0060】ステップ1302では、車間距離移動平均値DT
AVEが、車間距離Dの、現在の値Dを含むこのサブルー
チンの呼び出し周期(200ms)毎の過去10回のサンプ
リング値(D,D2,D4,D6,D8,D10,D12,D14,D16,
D18、ただし、D2,D4,…,D18は、200ms前,400ms
前,…,1.8s前の車間距離)の平均値として算出され
る(式(13−1))。
【0061】
【数4】
【0062】ステップ1303では、ステップ1302で算出し
た車間距離移動平均値DTAVEと、各サンプリング値
(D,D2,D4,D6,D8,D10,D12,D14,D16,D18)か
ら、標準偏差(車間距離移動偏差)DSIGを算出する(式
(13−2))。
【0063】
【数5】
【0064】次に、上述したようにステップ1304でDSIG
算出ディレータイマtDSIGに初期値(この場合、
“2”)を設定して、サブルーチンを終了する。
【0065】次に、図12を参照して、図4に示す運転パ
ラメータ算出サブルーチンのステップ214で呼び出され
る相対速度移動標準偏差DDSIG算出サブルーチン(図2
の相対速度移動標準偏差ブロック14に対応する。)につ
いて説明する。このサブルーチンでは、ステップ1401に
おいて、DDSIG算出ディレータイマtDDSIGの値が“0”
に等しいかどうかが判断される。DDSIG算出ディレータ
イマtDDSIGは、上述したVAVE算出ディレータイマtVAVE
と同様のタイマであり、DDSIG算出ディレータイマtDDSI
Gには、初期設定時及びステップ1404において、初期値
として“2”が設定されるものとする。したがって、ス
テップ1401の判断結果は、この場合、200ms毎に、“Y
ES”となる。
【0066】ステップ1402では、相対速度移動平均値DD
TAVEが、相対速度DDの、現在の値DDを含むこのサブルー
チンの呼び出し周期(200ms)毎の過去10回のサンプ
リング値(DD,DD2,DD4,DD6,DD8,DD10,DD12,DD1
4,DD16,DD18、ただし、DD2,DD4,…,DD18は、200m
s前,400ms前,…,1.8s前の相対速度)の平均値と
して算出される(式(14−1))。
【0067】
【数6】
【0068】ステップ1403では、ステップ1402で算出し
た相対速度移動平均値DDTAVEと、各サンプリング値(D
D,DD2,DD4,DD6,DD8,DD10,DD12,DD14,DD16,DD1
8)から、標準偏差(相対速度移動偏差)DDSIGを算出す
る(式(14−2))。
【0069】
【数7】
【0070】次に、上述したようにステップ1404でDDSI
G算出ディレータイマtDDSIGに初期値(この場合、
“2”)を設定して、サブルーチンを終了する。
【0071】次に、図13を参照して、図4に示す運転パ
ラメータ算出サブルーチンのステップ228で呼び出され
る加加速度DDV算出サブルーチン(図2の加加速度ブロ
ック28に対応する。)について説明する。このサブルー
チンでは、ステップ2801において、加加速度DDVを、現
在の加速度DVからt10秒前(1秒前)の加速度DV10を減
算することで算出する。そして、ステップ2801の処理が
終わるとこのサブルーチンの処理が終了する。
【0072】次に、図14を参照して、図4に示す運転パ
ラメータ算出サブルーチンのステップ229で呼び出され
る相対加速度DDD算出サブルーチン(図2の相対加速度
ブロック29に対応する。)について説明する。このサブ
ルーチンでは、ステップ2901において、相対加速度DDV
を、現在の相対速度DDからt10秒前(1秒前)の相対速
度DD10を減算することで算出する。そして、ステップ29
01の処理が終わるとこのサブルーチンの処理が終了す
る。
【0073】次に、図15を参照して、図4に示す運転パ
ラメータ算出サブルーチンのステップ230で呼び出され
る加速度変動モニタサブルーチン(図2の加速度変動モ
ニタブロック30に対応する。)について説明する。この
サブルーチンでは、加速度変動が大きいか、あるいは小
さいかの度合いが加加速度の時間変化を基に判定され
る。まず、加加速度DDVの絶対値が、加速度の変動が小
さいと判定する際の上限の加加速度の設定値である加速
度変動判定加加速度上限値DDVSTBLMT(例えば2km/h/
s2)以上であるかどうかが判断される(ステップ300
1)。ステップ3001で、加加速度DDVの絶対値が、加速度
変動判定加加速度上限値DDVSTBLMTより大きいと判断さ
れた場合には、加速度変動判定タイマtDVSTBに初期値を
設定し(ステップ3002)、加速度変動小判定フラグF_DV
STBを“0”に設定して(ステップ3003)、サブルーチ
ンを終了する。
【0074】加速度変動判定タイマtDVSTBは、加速度変
動が小さい状態が継続している時間を計るためのタイマ
であり、図3に示すタイマーインターラプト・ルーチン
のステップ101で毎回“1”を減らされるタイマであ
る。ただし、ステップ101では、加速度変動判定タイマt
DVSTBの最小値が“0”より小さくならないような減算
後の処理が行われるものとする。この加速度変動判定タ
イマtDVSTBには、初期設定時及びステップ3002におい
て、初期値(例えば“10”)が格納される。加速度変動
小判定フラグF_DVSTBは、所定のビットに割り当てられ
たフラグであり、“1”のとき所定時間以上継続して加
速度変動が小さい状態であることを、“0”のとき加速
度変動が小さいくないことを示すものである。
【0075】一方、上述したステップ3001の判断で、加
加速度DDVの絶対値が、加速度変動判定加加速度上限値D
DVSTBLMT以下であると判断された場合には、加速度変動
判定タイマtDVSTBが“0”に等しいかどうかが判断され
る(ステップ3004)。ステップ3004で加速度変動判定タ
イマtDVSTBが“0”に等しいと判断されるのは、加速度
変動判定タイマtDVSTBにステップ3002で設定された初期
値に対応する時間以上継続して、ステップ3001の判断結
果が“YES”の状態であったときである。例えば、加速
度変動判定タイマtDVSTBの初期値を“10”とした場合、
ステップ3001の判断結果が継続して1秒(10×100ms)
以上“YES”となったときに、加速度変動判定タイマtDV
STBの値は“0”に等しくなる。ステップ3004で、加速
度変動判定タイマtDVSTBの値が“0”であると判断され
た場合には、ステップ3005で、加速度変動小判定フラグ
F_DVSTBに“1”を設定してサブルーチンを終了する。
他方、ステップ3001の判断結果が“NO”、すなわち、加
加速度の絶対値は小さいが、まだ所定時間(上記の例で
は1秒)以上その状態が継続していない場合には、ステ
ップ3003へ進み、加速度変動小判定フラグF_DVSTBに
“0”を設定してサブルーチンを終了する。
【0076】次に、図16を参照して、図4に示す運転パ
ラメータ算出サブルーチンのステップ231で呼び出され
る相対速度変動モニタサブルーチン(図2の相対速度変
動モニタブロック31に対応する。)について説明する。
このサブルーチンでは、相対速度の変動が大きいか、あ
るいは小さいかを相対加速度の時間変化に基づいて判定
する。まず、相対加速度DDDの絶対値が、相対速度の変
動が小さいと判定する際の上限の相対加速度の設定値で
ある相対速度変動判定相対加速度上限値DDDSTBLMT(例
えば3m/s2)以上であるかどうかを判断する(ステップ3
101)。ステップ3101で、相対加速度DDDの絶対値が、相
対速度変動判定相対加速度上限値DDDSTBLMTより大きい
と判断された場合には、相対速度変動判定タイマtDDSTB
に初期値を設定した後に(ステップ3102)、相対速度変
動小判定フラグF_DDSTBを“0”に設定して(ステップ3
103)、サブルーチンを終了する。
【0077】相対速度変動判定タイマtDDSTBは、相対速
度の変動が小さい状態が継続している時間を計るための
タイマであり、加速度変動判定タイマtDVSTBと同様に図
3に示すタイマーインターラプト・ルーチンのステップ
101で毎回“1”を減らされるタイマである。この例で
は相対速度変動判定タイマtDDSTBには、初期設定時及び
ステップ3102において、初期値“10”が格納されるもの
とする。相対速度変動小判定フラグF_DDSTBは、所定の
ビットに割り当てられたフラグであり、“1”のとき所
定時間以上継続して相対速度の変動が小さいことを、
“0”のとき相対速度の変動が小さいくないことを示す
ものである。
【0078】一方、上述したステップ3101の判断で、相
対加速度DDDの絶対値が、相対速度変動判定相対加速度
上限値DDDSTBLMT以下であると判断された場合には、相
対速度変動判定タイマtDDSTBが“0”に等しいかどうか
が判断される(ステップ3104)。相対速度変動判定タイ
マtDDSTBが“0”に等しくなるのは、ステップ3101の判
断結果が、相対速度変動判定タイマtDDSTBがステップ31
02で設定された初期値に対応する時間以上継続して“YE
S”の状態であったときである。例えば、相対速度変動
判定タイマtDDSTBの初期値を“10”とした場合、ステッ
プ3101の判断結果が継続して1秒(10×100ms)以上、
“YES”となったとき、相対速度変動判定タイマtDDSTB
の値が“0”に等しくなる。ステップ3104で、相対速度
変動判定タイマtDDSTBの値が“0”であると判断された
場合には、ステップ3105で、相対速度変動小判定フラグ
F_DDSTBに“1”を設定してサブルーチンを終了する。
他方、ステップ3101の判断結果が“NO”、すなわち、相
対速度の絶対値は小さいが、まだ所定の時間(上記の例
では1秒)以上その状態が継続していない場合には、ス
テップ3103へ進み、相対速度変動小判定フラグF_DDSTB
に“0”を設定してサブルーチンを終了する。
【0079】図17は、図4の運転パラメータ算出サブル
ーチンのステップ232で呼び出される平均加速度DVAVE算
出サブルーチンにおける処理の流れを示すフローチャー
トである(図2の平均加速度ブロック32に対応す
る。)。このサブルーチンでは、まずバッテリーキャン
セルが起こったかどうかを判断し(ステップ3201)、バ
ッテリーキャンセルが発生した場合には平均加速度DVAV
Eに平均加速度の初期値DVINI(例えば1km/h/s等の値)
を格納した後(ステップ3202)、DVAVE算出ディレータ
イマtDVAVEに初期値を格納して(ステップ3208)、サブ
ルーチンを終了する。一方、ステップ3201においてバッ
テリーキャンセルが生じなかったと判断された場合に
は、ステップ3203へ進み、DVAVE算出ディレータイマtDV
AVEが“0”に等しいかどうかを判断する。そして、
“0”でない場合(ステップ3203の判断結果が“NO”の
場合)には、他の処理を行わず、サブルーチンを終了す
る。
【0080】DVAVE算出ディレータイマtDVAVEは、図6
を参照して説明したVAVE算出ディレータイマtVAVEと同
様のタイマであり、図3のステップ101で“1”を減じ
られるものである。DVAVE算出ディレータイマtDVAVEの
初期値としては、“10”を用いることとする。従って、
この場合、ステップ3203の判断結果は1秒毎に“YES”
となり、次いで、ステップ3204で、現在の加速度DVが、
平均加速度算出下限加速度DVLMTL(例えば0.5km/h/s)
以上であるかどうかが判断される。この判断は、加速度
DVの計算結果が通常、適切な精度を有していると考えら
れる値であるかどうかを判断するとともに、加速度DVが
負の値であったときにその値を平均加速度算出下限加速
度DVLMTLに設定するために行われるものである。平均加
速度算出下限加速度DVLMTLより小さい場合には、ステッ
プ3206へ進んで加速度DVとして前回算出した平均加速度
DVAVEの値を設定した後、次にステップ3207でDVAVE算出
ディレータイマtDVAVEに初期値を設定して、サブルーチ
ンを終了する。一方、加速度DVが平均加速度算出下限加
速度DVLMTL以上であれば、ステップ3205へ進んで平均加
速度DVAVEを算出する。
【0081】ステップ3205では、例えば、式(32−1)
に示す加重平均の式に従って、現在の加速度DV、前回算
出した平均加速度DVAVE、及びDVAVE算出なまし係数CDVA
VEを用い、現在の平均加速度DVAVEを算出する。DVAVE算
出なまし係数CDVAVEの値としては、例えば“64”を用い
ることができる。
【0082】
【数8】
【0083】ステップ3205で現在の平均加速度DVAVEを
算出すると、次にステップ3207でDVAVE算出ディレータ
イマtDVAVEに初期値を設定して、サブルーチンを終了す
る。
【0084】図18は、図4の運転パラメータ算出サブル
ーチンのステップ204で呼び出される平均相対速度DDAVE
算出サブルーチンにおける処理の流れを示すフローチャ
ートである(図2の平均相対速度ブロック33に対応す
る。)。このサブルーチンでは、まずバッテリーキャン
セルが起こったかどうかを判断し(ステップ3301)、バ
ッテリーキャンセルが発生した場合には平均相対速度DD
AVEに平均相対速度の初期値DDINI(例えば5m/s等の値)
を格納した後(ステップ3302)、DDAVE算出ディレータ
イマtDDAVEに初期値を格納して(ステップ3308)、サブ
ルーチンを終了する。一方、ステップ3301においてバッ
テリーキャンセルが生じなかったと判断された場合に
は、ステップ3303へ進み、DDAVE算出ディレータイマtDD
AVEが“0”に等しいかどうかを判断する。そして、
“0”でない場合(ステップ3303の判断結果が“NO”の
場合)には、他の処理を行わず、サブルーチンを終了す
る。
【0085】DDAVE算出ディレータイマtDDAVEは、図6
を参照して説明したVAVE算出ディレータイマtVAVEと同
様のタイマであり、図3のステップ101で“1”を減じ
られるものである。DDAVE算出ディレータイマtDDAVEの
初期値としては、VAVE算出ディレータイマtVAVEと同様
に“10”を用いることとする。従って、この場合、ステ
ップ3303の判断結果は1秒毎に“YES”となり、次い
で、ステップ3304及びステップ3305で、現在の相対速度
DDが、平均相対速度算出下限相対速度DDLMTL(例えば0m
/s)より小さいか、あるいは平均相対速度算出上限相対
速度DDLMTH(例えば100m/s)より大きいかどうかが判
断される。これらの上下限の判断は、相対速度DDの計算
値が通常、適当な値であると考えられる範囲内の値であ
るかどうかを判断するとともに、相対速度DDが負の値で
あったときにその値を平均相対速度算出下限相対速度DD
LMTLに設定するために行われるものである。平均相対速
度算出下限相対速度DDLMTLより小さいか、あるいは平均
相対速度算出上限相対速度DDLMTHより大きい場合には、
ステップ3306へ進んで相対速度DDとして前回算出した平
均相対速度DDAVEの値を設定した後、ステップ3307へ進
んで平均相対速度DDAVEを算出する。一方、相対速度DD
が平均相対速度算出下限相対速度DDLMTLと平均相対速度
算出上限相対速度DDLMTHの範囲内であれば、そのままス
テップ3307へ進んで平均相対速度DDAVEを算出する。
【0086】ステップ3307では、例えば、式(33−1)
に示す加重平均に従って、現在の相対速度DD、前回算出
した平均相対速度DDAVE、及びDDAVE算出なまし係数CDDA
VEを用い、現在の平均相対速度DDAVEを算出する。DDAVE
算出なまし係数CDDAVEの値としては、例えば“64”を用
いることができる。
【0087】
【数9】
【0088】ステップ3307で現在の平均相対速度DDAVE
を算出すると、次にステップ3308でDDAVE算出ディレー
タイマtDDAVEに初期値を設定して、サブルーチンを終了
する。
【0089】平均相対速度DVAVE算出サブルーチン(図1
8のフローチャート、図4のステップ233)から復帰する
と、図4に示す運転パラメータ算出サブルーチンにおけ
る各処理が終了し、次に図3に示すタイマーインターラ
プト・ルーチンの処理はステップ102からステップ135へ
と進み、加速意志推定サブルーチンが呼び出される。図
19は、図2の加速意志推定ブロック35に対応する加速意
志推定サブルーチンの処理の流れを示すフローチャート
である。このサブルーチンでは、ステップ3501におい
て、アクセル開度APから加速意志小メンバーシップ関数
の値uACC1を検索する。加速意志小メンバーシップ関数
は、アクセル開度APの値が加速意志小の状態における値
であると思われる度合いを表すメンバーシップ関数で、
その関数値uACC1はアクセル開度APの値に応じて例えば
図20(a)に示すような値となるように予め定めてお
く。
【0090】図20(a)の加速意志小メンバーシップ関
数においては、0〜5degのアクセル開度APに対する関
数値uACC1を“1”とし、アクセル開度APが5〜40degの
範囲に対しては、アクセル開度APの増加に伴って“1”
から“0”まで一定の勾配で減少する値を対応させてい
る。そして、アクセル開度APが40deg以上の関数値uACC1
を“0”としている。
【0091】続いてステップ3502へ進み、アクセル開度
APから加速意志大メンバーシップ関数の値uACC2を検索
する。加速意志大メンバーシップ関数は、上記ステップ
3501で用いた加速意志小メンバーシップ関数とは逆に、
アクセル開度APの値が加速意志大の状態における値であ
ると思われる度合いを表すメンバーシップ関数であり、
この関数値uACC2にはアクセル開度APの値に応じて、例
えば図20(b)に示すような値を予め定めておく。
【0092】図20(b)の加速意志大メンバーシップ関
数においては、0〜5degのアクセル開度APに対する関
数値uACC2を“0”とし、アクセル開度AP5〜40degの範
囲に対しては、アクセル開度APの増加に伴って“0”か
ら“1”まで一定の勾配で増加する値を対応させてい
る。そして、アクセル開度APが40deg以上の関数値uACC2
を“1”としている。
【0093】次に、ステップ3503において、アクセル速
度DAPから加速意志小メンバーシップ関数の値vACC1を検
索する。加速意志小メンバーシップ関数は、アクセル速
度DAPの値が加速意志小の状態における値であると思わ
れる度合いを表すメンバーシップ関数で、その関数値vA
CC1は、アクセル速度DAPの値に応じて例えば図20(c)
に示すような値となるように予め定めておく。
【0094】図20(c)の加速意志小メンバーシップ関
数においては、5deg/s以下のアクセル速度DAPに対する
関数値vACC1を“1”とし、アクセル速度DAPが5〜40de
g/sの範囲に対しては、アクセル速度DAPの増加に伴って
“1”から“0”まで一定の勾配で減少する値を対応さ
せている。そして、アクセル速度DAPが40deg/s以上の関
数値vACC1を“0”としている。
【0095】続いてステップ3504へ進み、アクセル速度
DAPから加速意志大メンバーシップ関数の値vACC2を検索
する。加速意志大メンバーシップ関数は、アクセル速度
DAPの値が加速意志大の状態における値であると思われ
る度合いを表すメンバーシップ関数で、その関数値vACC
2は、アクセル速度DAPの値に応じて例えば図20(d)
に示すような値となるように予め定めておく。
【0096】図20(d)の加速意志小メンバーシップ関
数においては、5deg/s以下のアクセル速度DAPに対する
関数値vACC2を“0”とし、アクセル速度DAPが5〜40de
g/sの範囲に対しては、アクセル速度DAPの増加に伴って
“0”から“1”まで一定の勾配で増加する値を対応さ
せている。そして、アクセル速度DAPが40deg/s以上の関
数値vACC2を“1”としている。
【0097】このようにして、アクセル開度AP及びアク
セル速度DAPのそれぞれに基づき、加速意志小及び大の
各メンバーシップ関数値を求めた後、これらの関数値か
ら加速意志出力値ACCMを算出する(ステップ3505)。加
速意志出力値ACCMを算出する際に用いるファジイ推論の
手法としては、重心法、最大平均法、最大中点法、中央
値法等種々のものを用いることができるが、ここでは重
心法を用いることとし、下記式(35−1)によって算出
することとする。
【0098】
【数10】
【0099】ここに、wACC11は、関数値uACC1とvACC1の
積、すなわち、アクセル開度APにより加速意志小と推定
され、かつ、アクセル開度APにより加速意志小と推定さ
れた度合いの加速意志出力値ACCMに対する寄与を定める
重み付け係数である。同様に、wACC12はアクセル開度AP
により加速意志小と推定され、かつ、アクセル速度DAP
により加速意志大と推定された度合い(関数値uACC1とv
ACC2の積)、wACC21はアクセル開度APにより加速意志大
と推定され、かつ、アクセル速度DAPにより加速意志小
と推定された度合い(関数値uACC2とvACC1の積)、wACC
22は、アクセル開度APにより加速意志大と推定され、か
つ、アクセル速度DAPにより加速意志大と推定された度
合い(関数値uACC2とvACC2の積)、それぞれの加速意志
出力値ACCMに対する寄与を定める重み付け係数である。
これにより、ステップ3505で、ステップ3501〜3504で求
めた各メンバーシップ関数値から加速意志出力値ACCMが
得られる。
【0100】次に、ステップ3506では、ステップ3505で
求めた加速意志出力値ACCMを加速意志積算値ACCSUMに積
算する。加速意志出力値ACCMは、この加速意志推定サブ
ルーチンが呼び出される毎に更新される値であり、それ
を前回の加速意志積算値ACCSUMに加算して加速意志積算
値ACCSUMに格納することで、過去の加速意志出力値ACCM
を含めた積算値を算出している。
【0101】次にステップ3507では、加速意志積算値AC
CSUMがあらかじめ定めた加速意志積算値ACCSUMの下限値
であるACCSUM下限値ACCSUML(ここでは“0”とす
る。)以上であるかどうかを判断する。ステップ3507に
おいて、一方、ACCSUM下限値ACCSUMLより小さい場合に
は、加速意志積算値ACCSUMにACCSUM下限値ACCSUMLの値
を格納して(ステップ3508)、サブルーチンを終了し、
他方、ACCSUM下限値ACCSUML以上の場合には、ステップ3
509へ進んで、加速意志積算値ACCSUMがACCSUM上限値ACC
SUMH(ここでは“1”とする。)以下であるかどうかを
判断する。そしてステップ3509において、加速意志積算
値ACCSUMが、ACCSUM上限値ACCSUMH以下であると判断さ
れた場合にはそこでサブルーチンを終了し、ACCSUM上限
値ACCSUMHより大きいと判断された場合には加速意志積
算値ACCSUMにACCSUM上限値ACCSUMHの値を格納してから
(ステップ3510)、サブルーチンを終了する。
【0102】次に図21を参照して、図3に示すタイマー
インターラプト・ルーチンのステップ136で呼び出され
る減速意志推定サブルーチン(図2の減速意志推定ブロ
ック36に対応する。)について説明する。このサブルー
チンでは、ステップ3601において、上述した加速意志出
力値ACCMが“0”であるかどうかを判断し、一方、
“0”でない場合、すなわち少しでも加速意志があると
判断された場合には、ステップ3610へ進んで、減速意志
積算値DECSUMに、あらかじめ設定した減速意志積算値DE
CSUMの下限値であるDECSUM下限値DECSUML(ここでは
“0”とする。)を格納して、サブルーチンを終了す
る。他方、ステップ3601において加速意志出力値ACCMが
“0”であると判断された場合には、ステップ3602へ進
んで、ブレーキスイッチがオンしているかどうかを判断
する。
【0103】ステップ3602において、ブレーキスイッチ
がオンしていると判断された場合には、ステップ3612へ
進んで、減速意志積算値DECSUMに、あらかじめ設定した
減速意志積算値DECSUMの上限値であるDECSUM上限値DECS
UMH(ここでは“1”とする。)を格納して、サブルー
チンを終了する。他方、ステップ3602においてブレーキ
スイッチがオフしていると判断された場合には、ステッ
プ3603へ進む。
【0104】ステップ3603では、アクセル開度APから減
速意志小メンバーシップ関数の値uDEC1を検索する。減
速意志小メンバーシップ関数は、アクセル開度APの値が
減速意志小の状態における値であると思われる度合いを
表すメンバーシップ関数で、その関数値uDEC1はアクセ
ル開度APの値に応じて例えば図22(a)に示すような
値となるように予め定めておく。
【0105】図22(a)の減速意志小メンバーシップ関
数においては、0〜5degのアクセル開度APに対する関
数値uDEC1を“0”とし、アクセル開度APが5〜40degの
範囲に対しては、アクセル開度APの増加に伴って“0”
から“1”まで一定の勾配で増加する値を対応させてい
る。そして、アクセル開度APが40deg以上の関数値uDEC1
を“1”としている。
【0106】続いてステップ3604へ進み、アクセル開度
APから減速意志大メンバーシップ関数の値uDEC2を検索
する。減速意志大メンバーシップ関数は、上記ステップ
3603で用いた減速意志小メンバーシップ関数とは逆に、
アクセル開度APの値が減速意志大の状態における値であ
ると思われる度合いを表すメンバーシップ関数である。
この関数値uDECF2にはアクセル開度APの値に応じて、例
えば図22(b)に示すような値を予め定めておく。
【0107】図22(b)の減速意志大メンバーシップ関
数においては、0〜5degのアクセル開度APに対する関
数値uDEC2を“1”とし、アクセル開度AP5〜40degの範
囲に対しては、アクセル開度APの増加に伴って“1”か
ら“0”まで一定の勾配で減少する値を対応させてい
る。そして、アクセル開度APが40deg以上の関数値uDEC2
を“0”としている。
【0108】次に、ステップ3605において、アクセル速
度DAPから減速意志小メンバーシップ関数の値vDEC1を検
索する。減速意志小メンバーシップ関数は、アクセル速
度DAPの値が減速意志小の状態における値であると思わ
れる度合いを表すメンバーシップ関数で、その関数値vD
EC1は、アクセル速度DAPの値に応じて例えば図22(c)
に示すような値となるように予め定めておく。
【0109】図22(c)の減速意志小メンバーシップ関
数においては、−2deg/s以下のアクセル速度DAPに対す
る関数値vDEC1を“0”とし、アクセル速度DAPが−2〜
0deg/sの範囲に対しては、アクセル速度DAPの増加に伴
って“0”から“1”まで一定の勾配で増加する値を対
応させている。そして、アクセル速度DAPが0deg/s以上
の関数値vDEC1を“1”としている。
【0110】続いてステップ3606へ進み、アクセル速度
DAPから減速意志大メンバーシップ関数の値vDEC2を検索
する。減速意志大メンバーシップ関数は、アクセル速度
DAPの値が減速意志大の状態における値であると思われ
る度合いを表すメンバーシップ関数で、その関数値vDEC
2は、アクセル速度DAPの値に応じて例えば図22(d)
に示すような値となるように予め定めておく。
【0111】図22(d)の減速意志小メンバーシップ関
数においては、−40deg/s以下のアクセル速度DAPに対す
る関数値vDEC2を“1”とし、アクセル速度DAPが−40〜
−0.5deg/sの範囲に対しては、アクセル速度DAPの増加
に伴って“1”から“0”まで一定の勾配で減少する値
を対応させている。そして、アクセル速度DAPが−0.5de
g/s以上の関数値vDEC2を“0”としている。
【0112】このようにして、アクセル開度AP及びアク
セル速度DAPのそれぞれに基づき、減速意志小及び大、
それぞれのメンバーシップ関数値を求めた後、これらの
関数値から減速意志出力値DECMを算出する(ステップ36
07)。減速意志出力値DECMを算出する際に用いるファジ
イ推論の手法としては、例えば下記式(36−1)に示す
重心法によって算出することとする。
【0113】
【数11】
【0114】ここに、wDEC11は、関数値uDEC1とvDEC1の
積、すなわち、アクセル開度APにより減速意志小と推定
され、かつ、アクセル開度APにより減速意志小と推定さ
れた度合いの減速意志出力値DECMに対する寄与を定める
重み付け係数である。同様に、wDEC12はアクセル開度AP
により減速意志小と推定され、かつ、アクセル速度DAP
により減速意志大と推定された度合い(関数値uDEC1とv
DEC2の積)、wDEC21はアクセル開度APにより減速意志大
と推定され、かつ、アクセル速度DAPにより減速意志小
と推定された度合い(関数値uDEC2とvDEC1の積)、wDEC
22は、アクセル開度APにより減速意志大と推定され、か
つ、アクセル速度DAPにより減速意志大と推定された度
合い(関数値uDEC2とvDEC2の積)、それぞれの減速意志
出力値DECMに対する寄与を定める重み付け係数である。
これにより、ステップ3607で減速意志出力値DECMが得ら
れる。
【0115】次に、ステップ3608では、ステップ3607で
求めた減速意志出力値DECMを減速意志積算値DECSUMに積
算する。ここでは、今回求めた減速意志出力値DECMを、
前回算出した減速意志積算値DECSUMに加算して、今回の
減速意志積算値DECSUMを算出している。
【0116】次にステップ3609では、減速意志積算値DE
CSUMがあらかじめ定めた減速意志積算値DECSUMの下限値
であるDECSUM下限値DECSUML(ここでは“0”とす
る。)以上であるかどうかを判断する。ステップ3609に
おいて、一方、DECSUM下限値DECSUMLより小さい場合に
は、減速意志積算値DECSUMにDECSUM下限値DECSUMLの値
を格納して(ステップ3610)、サブルーチンを終了し、
他方、DECSUM下限値DECSUML以上の場合には、ステップ3
611へ進んで、減速意志積算値DECSUMがDECSUM上限値DEC
SUMH(ここでは“1”とする。)以下であるかどうかを
判断する。そしてステップ3611において、減速意志積算
値DECSUMが、DECSUM上限値DECSUMH以下であると判断さ
れた場合にはそこでサブルーチンを終了し、DECSUM上限
値DECSUMHより大きいと判断された場合には減速意志積
算値DECSUMにDECSUM上限値DECSUMHの値を格納してから
(ステップ3612)、サブルーチンを終了する。
【0117】次に図23を参照して、図3に示すタイマー
インターラプト・ルーチンのステップ138で呼び出され
る追従走行意志推定サブルーチン(図2の追従走行意志
推定ブロック38に対応する。)について説明する。この
サブルーチンでは、ステップ3801において、上述した発
進停止頻度SGRが、追従走行意志判定パラメータ変更し
きい値SGRAH以上であるかどうかが判断される。追従走
行意志判定パラメータ変更しきい値SGRAHは、発進停止
頻度SGRに基づいて、前車に追従で走行しようとする意
志を判定する際の基準となるパラメータを、車間距離移
動標準偏差DSIGとするか、あるいは相対速度移動標準偏
差DDSIGとするかを決定する際のしきい値となる値であ
る。
【0118】この実施形態では、追従走行意志、すなわ
ち運転者が前車との車間距離を大きく変化させずに一定
の車間距離で走行しようとする意志を、車間距離移動標
準偏差DSIGと、相対速度移動標準偏差DDSIGの2つのパ
ラメータのうちの一方を選択的に用いて推定するように
している。これは、車両の走行環境に応じて、前者のパ
ラメータを用いた方がより精度よく推定できる場合と、
後者を用いた方がより精度よく推定できる場合とがある
ためである。
【0119】例えば、すいている市街地等、比較的平均
車間距離が大きく、かつ信号待ち等で発進、停止が繰り
返されるような走行環境では、車間距離移動標準偏差DS
IGによる推定を行った場合、運転者が追従走行意志を大
きく持っていたとしても、平均車間距離と停止時の車間
距離との偏差が大きいことから車間距離移動標準偏差DS
IGが大きくなり、このため、追従走行の意志が小である
と推定されてしまう可能性がある。このような条件で
は、運転者が相対速度をどの程度変化させようとしてい
るのか、すなわち、運転者が、車間距離の変化の割合
(相対速度移動標準偏差DDSIGが対応)をどの程度にし
ようとしているかということに応じて推定を行った方
が、運転者の意志により精度よく推定結果を得ることが
できると考えられる。
【0120】一方、例えば高速道路等において発進停止
をほとんど行っていない状態で、比較的大きく車間距離
を変化させようとしているが、変化の割合を一定としよ
うとしているような場合、運転者の追従走行意志は小さ
いと考えられる。しかしながら、相対速度移動標準偏差
DDSIGによる推定では、このような場合、相対速度移動
標準偏差DDSIGが小さくなることから追従走行の意志が
大であると推定されてしまう可能性がある。このため、
このような条件では、車間距離移動標準偏差DSIGに基づ
き、運転者が車間距離の大きさをどの程度変化させよう
としているのか、ということに応じて追従走行意志の推
定を行った方が、より精度よく推定結果を得ることがで
きると考えられる。
【0121】以上のように、追従走行意志の推定をする
際には、走行環境に応じて基準とするパラメータを変更
する必要がある。そこで、本実施形態では、車間距離移
動標準偏差DSIGと相対速度移動標準偏差DDSIGのどちら
を使用するかを、発進停止頻度SGRの値に応じて選択す
るようにしている。上述したステップ3801で用いる追従
走行意志判定パラメータ変更しきい値SGRAHが、このパ
ラメータを選択を行う際の判断の基準となる値である。
図23に示すサブルーチンでは、発進停止頻度SGRが追従
走行意志判定パラメータ変更しきい値SGRAH以上(例え
ば80%以上)である場合、ステップ3802〜3804の車間距
離移動標準偏差DSIGに基づく追従走行意志の推定処理を
行い、そうでない場合には、ステップ3807〜3811の相対
速度移動標準偏差DDSIGに基づく追従走行意志の推定処
理を行っている。
【0122】車間距離移動標準偏差DSIGに基づく追従走
行意志の推定処理を行う場合、まず、ステップ3802にお
いて、追従走行意志大とする車間距離標準偏差上限値DS
IGLMTを所定のテーブルから検索する。車間距離標準偏
差上限値DSIGLMTは、車間距離移動標準偏差DSIGの値が
それ以下であれば追従走行の意志が大であると判定する
判定基準となる値である。車間距離標準偏差上限値DSIG
LMTとしては、例えば、実験等によって決定した所定の
一定値を用いることができる。ただし、一般に、車間距
離移動標準偏差DSIGの大きさは、車速Vに応じて変化の
割合が異なるので、例えば、図24(a)に示すように、
平均車速VAVEが比較的小さいときには比較的小さい一定
の値に設定し、平均車速VAVEが比較的大きいときには比
較的大きい一定の値に設定し、中間の平均車速VAVEの範
囲では徐々に増加するような値に設定することも可能で
ある。ここで平均車速VAVEが比較的小さい範囲と大きい
範囲で一定とするのは、判断の基準にある程度の下限と
上限を設定した方が、車間距離の測定あるいは計算によ
る誤差の影響をなくすのが容易となる等の理由による
が、必ずしもこのような範囲の限定を行う必要はない。
【0123】ステップ3802で車間距離標準偏差上限値DS
IGLMTの検索を終えると、次に、車間距離移動標準偏差D
SIGが車間距離標準偏差上限値DSIGLMT以下であるかどう
かの判断を行う(ステップ3803)。車間距離移動標準偏
差DSIGが車間距離標準偏差上限値DSIGLMT以下であった
場合、追従走行意志出力値ADPTMに、あらかじめ定めた
追従走行意志加算量DADPT1(正の値)を格納する(ステ
ップ3804)。他方、車間距離移動標準偏差DSIGが車間距
離標準偏差上限値DSIGLMTより大きかった場合、追従走
行意志減算量DADPT2を車間距離標準偏差DSIGに基づいて
例えば図24(b)に示すような値を持つ所定のテーブル
から検索し(ステップ3805)、検索した追従走行意志減
算量DADPT2(負の値)を追従走行意志出力値ADPTMに格
納する(ステップ3806)。そして、ステップ3812で、ス
テップ3804又はステップ3806で設定された追従走行意志
出力値ADPTMと、前回の追従走行意志積算値ADPTSUMとを
加算した結果を、今回の追従走行意志積算値ADPTSUMと
して設定する。
【0124】なお、追従走行意志積算値ADPTSUMには初
期設定時“0”が格納されているものとする。また、追
従走行意志出力値ADPTMを設定するにあたっては、加算
量を一定値に固定しておき、減算量を車間距離移動標準
偏差DSIGに応じて所定のテーブルから検索するようにし
ている。これは、運転者の追従走行意志が大となり、そ
れに応じて追従走行意志によるスロットル制御の補正を
開始する時にはある程度の時間遅れがあっても運転者に
大きな違和感を感じさせることはないが、追従走行意志
が小さいにもかかわらず、追従走行させようとするスロ
ットル制御が行われると大きな違和感を感じてしまうこ
とが考えられ、これを防止するためのものである。車間
距離移動標準偏差DSIGの大きさに応じて追従走行意志出
力値ADPTMを変化させることで、それを行わない場合に
比べ、応答性良く、また正確に運転者の追従走行意志
を、追従走行意志積算値ADPTSUMに反映させることが可
能となる。
【0125】次にステップ3813では、追従走行意志積算
値ADPTSUMがあらかじめ定めた追従走行意志積算値ADPTS
UMの上限値であるADPTSUM上限値ADPTSUMH(ここでは
“1”とする。)以下であるかどうかを判断する。ステ
ップ3813において、一方、ADPTSUM上限値ADPTSUMHより
大きいと判断された場合には、追従走行意志積算値ADPT
SUMにADPTSUM上限値ADPTSUMHの値を格納して(ステップ
3814)、サブルーチンを終了し、他方、ADPTSUM上限値A
DPTSUMH以下の場合には、ステップ3815へ進んで、追従
走行意志積算値ADPTSUMがADPTSUM下限値ADPTSUML(ここ
では“0”とする。)以上であるかどうかを判断する。
そしてステップ3815において、追従走行意志積算値ADPT
SUMが、ADPTSUM下限値ADPTSUML以上であると判断された
場合にはそこでサブルーチンを終了し、ADPTSUM下限値A
DPTSUMLより小さいと判断された場合には追従走行意志
積算値ADPTSUMにADPTSUM下限値ADPTSUMLの値を格納して
から(ステップ3816)、サブルーチンを終了する。
【0126】一方、上述したステップ3801において発進
停止頻度SGRが追従走行意志判定パラメータ変更しきい
値SGRAHより小さいと判断され、ステップ3807〜3811の
相対速度移動標準偏差DDSIGに基づく追従走行意志の推
定処理を行う場合、まず、ステップ3807において、追従
走行意志大とする相対速度標準偏差上限値DDSIGLMTを所
定のテーブルから検索する。相対速度標準偏差上限値DD
SIGLMTは、相対速度移動標準偏差DDSIGの値がそれ以下
であれば追従走行の意志が大であると判定する判定基準
となる値である。相対速度標準偏差上限値DDSIGLMTは、
例えば、図24(c)に示すように、平均車速VAVEが比較
的小さいときには比較的小さい一定の値に設定し、平均
車速VAVEは比較的大きいときには比較的大きい一定の値
に設定し、中間の平均車速VAVEの範囲では徐々に増加す
るような値に設定する。
【0127】ステップ3807で相対速度標準偏差上限値DD
SIGLMTの検索を終えると、次に、相対速度移動標準偏差
DDSIGが相対速度標準偏差上限値DDSIGLMT以下であるか
どうかの判断を行う(ステップ3808)。相対速度移動標
準偏差DDSIGが相対速度標準偏差上限値DDSIGLMT以下で
あった場合、追従走行意志出力値ADPTMに、あらかじめ
定めた追従走行意志加算量DADPT3(正の値)を格納する
(ステップ3809)。他方、相対速度移動標準偏差DDSIG
が相対速度標準偏差上限値DDSIGLMTより大きかった場
合、追従走行意志減算量DADPT4を、相対速度標準偏差DD
SIGに基づいて例えば図24(d)に示すような値を持つ
所定のテーブルから検索し(ステップ3810)、検索した
追従走行意志減算量DADPT4(負の値)を追従走行意志出
力値ADPTMに格納する(ステップ3811)。そして、ステ
ップ3812で、ステップ3809又はステップ3811で設定され
た追従走行意志出力値ADPTMと、前回の追従走行意志積
算値ADPTSUMとを加算した結果を、今回の追従走行意志
積算値ADPTSUMとして設定する。さらに、上述したステ
ップ3813〜3816の処理にて、追従走行意志積算値ADPTSU
Mをその上下限値の範囲内に限定して、サブルーチンを
終了する。
【0128】次に、図25を参照して、図3のタイマーイ
ンターラプト・ルーチンにおいてステップ140で呼び出
される安定度推定サブルーチン(図2の安定度推定ブロ
ック40に対応する。)について説明する。安定度推定サ
ブルーチンでは、平均車速VAVE算出サブルーチンで算出
された平均車速VAVE、加速意志推定サブルーチンで算出
された加速意志積算値ACCSUM及び減速意志推定サブルー
チンで算出された減速意志積算値DECSUMを用いて運転者
によるアクセル操作の安定度を推定する。
【0129】まず、ステップ4001において、加速意志積
算値ACCSUMから安定度小メンバーシップ関数の値uSTB1
を検索する。ここにいう安定度小メンバーシップ関数と
は、加速意志積算値ACCSUMの値が安定度小の状態におけ
る値であると思われる度合いを表すメンバーシップ関数
で、その関数値uSTB1は各加速意志積算値ACCSUMの値に
応じて予め定めておく。
【0130】かかる安定度小メンバーシップ関数の一例
を図26(a)に示す。一般に、加速意志が大きいほど運転
者のアクセル操作は安定していない(安定度小の状態)
と推定できる。このため、ステップ4001で用いる安定度
小メンバーシップ関数においては、図示のように、小さ
い加速意志積算値ACCSUMに対する関数値uSTB1を小さく
し、中間程度の範囲内にある加速意志積算値ACCSUMに対
してはその範囲における加速意志積算値ACCSUMの増加に
伴って関数値uSTB1を徐々に増加させ、大きい加速意志
積算値ACCSUMに対する関数値uSTB1を大きくする。図25
のステップ4001では、このような予め定められた安定度
小メンバーシップ関数を用いて加速意志積算値ACCSUMに
対応する関数値uSTB1を検索して求める。
【0131】続いてステップ4002へ進み、加速意志積算
値ACCSUMから安定度大メンバーシップ関数の値uSTB2を
検索する。ここにいう安定度大メンバーシップ関数と
は、上記ステップ4001で用いた安定度小メンバーシップ
関数とは逆に、加速意志積算値ACCSUMの値が安定度大の
状態における値であると思われる度合いを表すメンバー
シップ関数で、その関数値uSTB2は各加速意志積算値ACC
SUMの値に応じて予め定めておく。
【0132】かかる安定度大メンバーシップ関数の一例
を図26(b)に示す。一般に、加速意志が少ないほど運転
者のアクセル操作は安定している(安定度大の状態)と
推定できる。このため、ステップ4002で用いる安定度大
メンバーシップ関数においては、図示のように、小さい
加速意志積算値ACCSUMに対する関数値uSTB2を大きく
し、中間程度の範囲内にある加速意志積算値ACCSUMに対
してはその範囲における加速意志積算値ACCSUMの増加に
伴って関数値uSTB2を徐々に減少させ、大きい加速意志
積算値ACCSUMに対する関数値uSTB2を小さくする。図25
のステップ4002では、このような予め定められた安定度
大メンバーシップ関数を用いて加速意志積算値ACCSUMに
対応する関数値uSTB2を検索して求める。
【0133】次に、ステップ4003へ進み、減速意志積算
値DECSUMから安定度小メンバーシップ関数の値vSTB1を
検索する。ここにいう安定度小メンバーシップ関数と
は、減速意志積算値DECSUMの値が安定度小の状態におけ
る値であると思われる度合いを表すメンバーシップ関数
で、その関数値vSTB1は各減速意志積算値DECSUMの値に
応じて予め定めておく。
【0134】かかる安定度小メンバーシップ関数の一例
を図26(c)に示す。一般に、減速意志が大きいほど運転
者のアクセル操作は安定していない(安定度小の状態)
と推定できる。このため、ステップ4003で用いる安定度
小メンバーシップ関数においては、図示のように、小さ
い減速意志積算値DECSUMに対する関数値vSTB1を小さく
し、中間程度の範囲内にある減速意志積算値DECSUMに対
してはその範囲における減速意志積算値DECSUMの増加に
伴って関数値vSTB1を徐々に増加させ、大きい減速意志
積算値DECSUMに対する関数値vSTB1を大きくする。図25
のステップ4003では、このような予め定められた安定度
小メンバーシップ関数を用いて減速意志積算値DECSUMに
対応する関数値vSTB1を検索して求める。
【0135】続いてステップ4004へ進み、減速意志積算
値DECSUMから安定度大メンバーシップ関数の値vSTB2を
検索する。ここにいう安定度大メンバーシップ関数と
は、上記ステップ4003で用いた安定度小メンバーシップ
関数とは逆に、減速意志積算値DECSUMの値が安定度大の
状態における値であると思われる度合いを表すメンバー
シップ関数で、その関数値vSTB2は各減速意志積算値DEC
SUMの値に応じて予め定めておく。
【0136】かかる安定度大メンバーシップ関数の一例
を図26(d)に示す。一般に、減速意志が少ないほど運転
者のアクセル操作は安定している(安定度大の状態)と
推定できる。このため、ステップ4004で用いる安定度大
メンバーシップ関数においては、図示のように、小さい
減速意志積算値DECSUMに対する関数値vSTB2を大きく
し、中間程度の範囲内にある減速意志積算値DECSUMに対
してはその範囲における減速意志積算値DECSUMの増加に
伴って関数値vSTB2を徐々に減少させ、大きい減速意志
積算値DECSUMに対する関数値vSTB2を小さくする(すな
わち、加速、減速のいずれにしても、変速する意志が大
きい場合にはアクセル操作は安定しておらず、変速する
意志が少ない場合にはアクセル操作は安定していると推
定できることから、各メンバーシップ関数は図26(a)〜
(d)のようになるわけである。)。図25のステップ4004
では、このような予め定められた安定度大メンバーシッ
プ関数を用いて減速意志積算値DECSUMに対応する関数値
vSTB2を検索して求める。
【0137】このようにして、加速意志積算値ACCSUM、
減速意志積算値DECSUMそれぞれに基づき、安定度の大、
小それぞれのメンバーシップ関数値を求めた後、これら
の関数値から安定度出力値STBMを算出する(ステップ40
05)。この安定度出力値STBMの算出手法には種々のもの
があるが、ここでは重心法を用いることとし、下記(式
40−1)によって算出する。
【0138】
【数12】
【0139】ここに、wSTB11は、関数値uSTB1とvSTB1の
積、すなわち、加速意志積算値ACCSUMにより安定度小と
推定され、かつ、減速意志積算値DECSUMにより安定度小
と推定された度合いの安定度出力値STBMに対する寄与を
定める重み付け係数である。同様に、wSTB12は加速意志
積算値ACCSUMにより安定度小と推定され、かつ、減速意
志積算値DECSUMにより安定度大と推定された度合い(関
数値uSTB1とvSTB2の積)、wSTB21は加速意志積算値ACCS
UMにより安定度大と推定され、かつ、減速意志積算値DE
CSUMにより安定度小と推定された度合い(関数値uSTB2
とvSTB1の積)、wSTB22は加速意志積算値ACCSUMにより
安定度大と推定され、かつ、減速意志積算値DECSUMによ
り安定度大と推定された度合い(関数値uSTB2とvSTB2の
積)それぞれの安定度出力値STBMに対する寄与を定める
重み付け係数である。これらの各重み付け係数の値は予
め適当な値に設定しておく。
【0140】これにより、ステップ4005で安定度出力値
STBMが算出されると、ステップ4006へ進んで安定度積算
値STBSUMの値を更新する。安定度積算値STBSUMは、当初
適当な初期値に設定され、その後安定度推定サブルーチ
ンが呼び出されて処理が行われる度に更新されるパラメ
ータであり、ステップ4006においては、上記ステップ40
05で算出された安定度出力値STBMを前回の処理で得られ
た安定度積算値STBSUMに加算することによってその更新
が行われる。
【0141】次に、平均車速VAVEから安定度積算値STBS
UMの上限値STBSUMHを検索する(ステップ4007)。アク
セル操作の安定度は車速によっても異なり、例えば、発
進停止を繰り返しているとき等のような車速が小さいと
きにはアクセル操作の安定度は小さくなる(アクセルを
踏み込んだり戻したりする操作が激しくなる)のに対
し、車速がある程度に達して安定した走行を行っている
ときにはアクセル操作の安定度は大きくなる。このよう
なことから、図26(e)に示すように、上限値STBSUMH
を、小さい平均車速VAVEに対しては0.5程度、中間程
度の平均車速VAVEに対してはその増加に伴って徐々に増
加する値、大きい平均車速VAVEに対しては約1、という
ように予め定めておく。そして、ステップ4007では、こ
のような予め定められた平均車速VAVEと上限値STBSUMH
との対応関係から、その時の平均車速VAVEに対応する上
限値STBSUMHを検索して求める。
【0142】次いでステップ4008へと進み、上記ステッ
プ4006で更新された安定度積算値STBSUMの値が上記ステ
ップ4007で求めた上限値STBSUMH以下であるかどうかを
判断する。いま、安定度積算値STBSUMが上限値STBSUMH
を超えていたとすると、ステップ4008における判断結果
が“NO”となってステップ4009へ進み、安定度積算値ST
BSUMの値を上限値STBSUMHとしてこのサブルーチンを終
了する。
【0143】一方、安定度積算値STBSUMが上限値STBSUM
H以下であったとすると、ステップ4008における判断結
果が“YES”となってステップ4010へ進み、安定度積算
値STBSUMの値が下限値STBSUML以上であるかどうかを判
断する。ここに、下限値STBSUMLには、安定度積算値STB
SUMがとり得る値の範囲を予め定めてその最小値を設定
しておく。本実施形態では、安定度積算値STBSUMがとり
得る値の範囲を上記上限値STBSUMHとの関係も考慮して
“0”〜“1”とし、下限値STBSUMLを“0”と設定す
るものとする。
【0144】このステップ4010における判断の結果、安
定度積算値STBSUMが下限値STBSUML以上であった場合
(判断結果が“YES”であった場合)には、そのままこ
のサブルーチンを終了し、安定度積算値STBSUMが下限値
STBSUMLに満たない場合(判断結果が“NO”であった場
合)には、ステップ4011へ進んで安定度積算値STBSUMの
値を下限値STBSUMLとしてこのサブルーチンを終了す
る。
【0145】次に、図27を参照して、図3のタイマーイ
ンターラプト・ルーチンにおけるステップ144で呼び出
される加速走行モード判定サブルーチン(図2の加速走
行モード判定ブロック44に対応する。)について説明す
る。加速走行モード判定サブルーチンでは、平均加速度
DVAVE、平均相対速度DDAVE、加速走行意志の推定結果、
追従走行意志の推定結果、加速度変動の大きさ、及び相
対速度変動の大きさに基づいて、自由加速走行モード、
追従加速走行モード、それ以外の加速走行モードである
自由走行モードの3つの加速走行モードのなかからその
時点の走行環境に最も適合する加速走行モードを判定す
る処理が行われる。
【0146】加速走行モード判定サブルーチンでは、ま
ず、加速走行意志積算値ACCSUMが“1”以上であるかど
うかが判断される(ステップ4401)。そして、加速走行
意志積算値ACCSUMが“1”以上の場合、加速度変動小判
定フラグF_DVSTBが“1”であるかどうかが判断される
(ステップ4402)。この実施形態では、ステップ4401と
ステップ4402の判断結果がともに“YES”の場合、すな
わち、加速走行意志積算値ACCSUMが“1”以上で、かつ
加速度変動小判定フラグF_DVSTBが“1”にセットされ
ている場合、すなわち、運転者の加速走行意志が大き
く、かつ加速度の変動が小さい状態が一定時間(例えば
1秒)以上継続していた場合を、自由加速走行モードと
判定するのに必要な条件が整った場合と設定している。
【0147】ステップ4401又はステップ4402の判断結果
の少なくとも一方が“NO”となった場合、続いて、ステ
ップ4411及びステップ4412で、追従走行意志積算値ADPT
SUMが“1”以上であるかどうか(ステップ4411)及び
相対速度変動小判定フラグF_DDSTBが“1”であるかど
うかが判断される(ステップ4412)。この実施形態で
は、ステップ4411とステップ4412の判断結果がともに
“YES”の場合、すなわち、追従走行意志積算値ADPTSUM
が“1”以上で、かつ相対速度変動小判定フラグF_DDST
Bが“1”にセットされている場合を、追従加速走行モ
ードと判定する必要な条件が整った場合と設定してい
る。追従走行意志積算値ADPTSUMが“1”以上で、かつ
相対速度変動小判定フラグF_DDSTBが“1”にセットさ
れている場合とは、運転者の追従走行意志が大きく、か
つ相対速度DDの変動が一定時間(例えば1秒)以上小さ
い場合に対応している。
【0148】図27に示すフローチャートにおいて、ステ
ップ4411及びステップ4412の各判断処理が行われるの
は、ステップ4401又はステップ4402の判断結果が“NO”
となった場合である。したがって、ステップ4411及び44
12の処理が行われるということは、この判断の時点で、
自由加速走行モードであると判定するのに必要条件が整
っていないことを意味する。したがって、ステップ4411
とステップ4412の判断結果がともに“YES”となった場
合には、自由加速走行モードの判定必要条件が不成立
で、追従加速走行モードの判定必要条件のみが成立した
ことになる。したがって、この場合、ステップ4407で、
追従加速走行モード判定フラグF_ADPTACCに“1”を設
定するとともに、ステップ4408で、自由加速走行モード
判定フラグF_DVACCに“0”を設定してサブルーチンを
終了する。ここで、追従加速走行モード判定フラグF_AD
PTACCは、“1”が設定されているときに、加速走行モ
ードが追従加速走行モードであると判定したことを示す
フラグである。また、自由加速走行モード判定フラグF_
DVACCは、“1”が設定されているときに、加速走行モ
ードが自由加速走行モードであると判定されたことを示
すフラグである。
【0149】一方、ステップ4411とステップ4412の判断
結果のどちらか一方が“NO”となった場合には、自由加
速走行モードの判定条件が不成立で、かつ追従加速走行
モードの判定条件が不成立であったことになる(自由走
行モード)。したがって、この場合、ステップ4413及び
ステップ4414で、追従加速走行モード判定フラグF_ADPT
ACC及び自由加速走行モード判定フラグF_DVACCの両方に
“0”を設定してサブルーチンを終了する。
【0150】一方、上記ステップ4401とステップ4402の
判断結果がともに“YES”の場合、すなわち、自由加速
走行モードの判定必要条件が整っていた場合、ステップ
4403とステップ4404で、追従走行意志積算値ADPTSUMが
“1”以上であるかどうかの判断及び相対速度変動小判
定フラグF_DDSTBが“1”にセットされているかどうか
の判断、すなわち追従加速走行モードと判定する際の必
要条件についての各判断処理が行われる。ここで、ステ
ップ4403又はステップ4404の判断結果の少なくとも一方
が“NO”の場合、自由加速走行モードの判定必要条件の
みが成立し、追従加速走行モードの判定必要条件が不成
立であることを意味する。したがって、この場合には、
ステップ4409で追従加速走行モード判定フラグF_ADPTAC
Cに“0”、及びステップ4410で自由加速走行モード判
定フラグF_DVACCに“1”を設定してサブルーチンを終
了する。
【0151】上記と異なり、ステップ4403及びステップ
4404の判断結果がともに“YES”の場合は、自由加速走
行モードと追従加速走行モードの両方の判定に必要な条
件が成立している場合である。この自由加速走行モード
と追従加速走行モードの両加速走行モードの判定に必要
な条件が成立している場合とは、例えば、加速度が一定
に保たれ、かつ前車に対する相対速度が一定状態に維持
されているような場合である。このような条件では、上
述した各パラメータ(加速、追従走行意志、及び加速
度、相対速度変動の判定フラグ)のみに基づいてどちら
か一方の加速走行モードを選択したとすると、運転者の
意志と常に正確に一致する判定を行うのは難しくなる。
【0152】上記のような場合において、仮に自由加速
走行モードと追従加速走行モードの判定結果が運転者の
意志と異なったときには、運転者に対して違和感を覚え
させることになる。このように自由加速と追従加速のど
ちらを選択すべきかを明確に判定できないような条件で
は、両方の加速走行モードを否定する自由走行モード
(追従及び自由加速走行モードによる補正を行わない加
速走行モード)に設定してしまうことも可能である。し
かしながら、この場合には、通常、自由加速あるいは追
従加速走行モードによるスロットル制御の補正が行われ
るのとほぼ同様な走行状態であるにもかかわらず補正が
行われない場合が発生することになり、運転者に対し
て、スロットル制御の特性の悪化を感じさせてしまう恐
れがある。したがって、2つの加速走行モードの判定条
件が両方とも成立するような条件においても、運転者の
意志により正確に適合した加速走行モードを判定するた
めの手段が必要となる。
【0153】そこで、本発明においては、その時の加速
度と相対速度の関係から、どちらの加速走行モードが最
も確率的に確かであるかということを判定条件に加え
て、加速走行モードの判定を行うようにしている。すな
わち、ある加速度で、所定の相対速度で走行している場
合には、自由加速走行モード、他のある加速度と、他の
所定の相対速度で走行している場合には、追従加速走行
モード、というように加速度と相対速度のあらかじめ定
めた関係に基づいて加速走行モードを判定するようにし
ているのである。本実施形態では、ステップ4405〜4406
の処理によって、平均加速度DVAVEと平均相対速度DDAVE
の予め設定された関係を判断基準として、その時の平均
加速度DVAVEと平均相対速度DDAVEに応じ、自由加速走行
モードと追従加速走行モードのどちらか一方を加速走行
モードとして選択している。ステップ4405では、例えば
図28に示すように平均加速度DVAVEに応じてあらかじめ
定めたテーブルから、平均加速度DVAVEに応じて、追従
加速走行/自由加速走行モード判別相対速度DDMODEを検
索して得る。追従加速走行/自由加速走行モード判別相
対速度DDMODEは、追従加速走行モードと自由加速走行モ
ードを選択する際の判別基準となる相対速度に対応する
値であり、ここで得た追従加速走行/自由加速走行モー
ド判別相対速度DDMODEよりも現在の平均相対速度DDAVE
が小さい場合には、追従加速走行モードと判定し、その
逆の場合には自由加速走行モードと判定するようにして
いる。
【0154】図28に示す平均加速度DVAVEと追従加速走
行/自由加速走行モード判別相対速度DDMODEとの関係を
示すテーブルは、平均加速度DVAVEに対する追従加速走
行/自由加速走行モード判別相対速度DDMODEの検索値
が、平均加速度DVAVEが比較的小さい範囲では正の値の
所定の一定値となり、平均加速度DVAVEが中間的な範囲
では平均加速度DVAVEの増加と共に徐々に増加する値と
なり、そして、平均加速度DVAVEが比較的大きい範囲で
は所定の一定値となるように、決められたものである。
【0155】本実施形態において、図28に示すテーブル
では、平均加速度DVAVEと追従加速走行/自由加速走行
モード判別相対速度DDMODEとがともに正の値のときにの
み検索値が設定されるようになっている。これは、平均
加速度DVAVEの下限値が上述した平均加速度DVAVE算出サ
ブルーチン(図17)で必ず正の値となるように算出され
る点と、追従加速走行/自由加速走行モード判別相対速
度DDMODEと比較される平均相対速度DDAVEが平均相対速
度DDAVE算出サブルーチン(図18)で必ず正の値となる
ように設定される点に対応するものである。なお、一般
に、平均加速度が負の値すなわち減速状態にあるときは
自由加速又は追従加速走行モードではない状態であると
考えられ、また相対速度が負の値すなわち前車との車間
距離が縮まる傾向にあるときには、通常、運転者は、車
間距離を意識した走行状態、すなわち追従加速走行モー
ドとなっていると判定することが妥当であるから、図28
に示すテーブルのように、検索のパラメータ及び検索結
果の値を正の値に限定しても、加速走行モードの判定結
果の精度が低下することはない。ただし、平均加速度DV
AVE、平均相対速度DDAVE、及び追従加速走行/自由加速
走行モード判別相対速度DDMODEが負の値を取るような変
更を行うことも可能である。
【0156】そして、追従加速走行/自由加速走行モー
ド判別相対速度DDMODEの値を平均加速度DAVEの増加に合
わせて増加させるようにしているのは、加速度DVが大き
い場合にはそれに対応して相対速度DDも大きくなる傾向
にある点と、加速度DVが大きい場合には相対速度DDが比
較的大きい場合すなわち前車との距離が長くなる場合で
あっても運転者が前車を追従しようとする意志が比較的
大きいと考えることが適当であると考えられる点とに対
応させたものである。
【0157】ステップ4405で、追従加速走行/自由加速
走行モード判別相対速度DMODEを検索すると、次いで、
ステップ4406で、検索した追従加速走行/自由加速走行
モード判別相対速度DDMODEと平均相対速度DAVEとを比較
する。比較した結果、平均相対速度DDAVEが追従加速走
行/自由加速走行モード判別相対速度DDMODEよりも小さ
いときには(ステップ4406の判断結果が“YES”)、ス
テップ4407〜4408で、各フラグを追従加速走行モードに
対応するように設定して、サブルーチンを終了する。一
方、平均相対速度DAVEが追従加速走行/自由加速走行モ
ード判別相対速度DDMODE以上であるときには(ステップ
4406の判断結果が“NO”)、ステップ4409〜4410で、各
フラグを自由加速走行モードに対応するように設定し
て、サブルーチンを終了する。
【0158】以上のように、加速走行モード判定サブル
ーチンでは、追従加速走行と定速走行の各加速走行モー
ドの判定条件のうち、どちらか一方のみが成立する場合
には、成立した方のものを加速走行モードを選択し、両
方の加速走行モードの判定条件が成立した場合には、平
均加速度DVAVEに応じて定めた相対速度の判別基準(追
従加速走行/自由加速走行モード判別相対速度DMODE)
を用いて、その判別基準よりも現在の平均相対速度DDAV
Eが短い場合には、追従加速走行モードを選択し、平均
相対速度DDAVEがその判別基準以上の長さである場合に
は、自由加速走行モードを選択するような判定処理が行
われる。このように、本実施形態では、追従加速走行モ
ードと自由加速走行モードの選択の際の基準値として、
加速度DVと相対速度DDに応じたものの関係を用いること
で、運転者の意志により適合した加速走行モードの判定
を行うことが可能となる。
【0159】なお、図28に示す加速度と相対速度の関係
を定めるテーブルを用いた検索では、加速度に基づいて
判定基準となる相対速度の値を求めるようにしている
が、相対速度に基づいて、判定基準となる加速度の値を
求めるようにすることも可能である。また、上記の説明
では、加速度と相対速度の関係をあらかじめ決定してお
くとしているが、他のパラメータを用いてリアルタイム
に修正できるようにすることも可能である。
【0160】次に、図29を参照して、図3に示すタイマ
ーインターラプト・ルーチンのステップ145で呼び出さ
れる目標加速度算出サブルーチン(図2の目標加速度算
出ブロック45に対応する。)について説明する。目標加
速度算出サブルーチンでは、加速度DV、加速走行モー
ド、及びスロットル操作の安定度の推定結果に基づい
て、スロットル制御における補正値を算出する際の一つ
の基準値となる目標加速度を算出する。目標加速度算出
サブルーチンでは、まず現在の加速度DVが加速走行目標
加速度算出下限加速度DVRUNACCより大きいかどうかを判
断する(ステップ4501)。加速走行目標加速度算出下限
加速度DVRUNACCは、これ以下の加速度では加速度目標値
の算出を行わないという加速度に関する設定値であり、
ここでは0.2km/h/sに対応する値に設定されているもの
とする。ステップ4501において、加速度DVが加速走行目
標加速度算出下限加速度DVRUNACC以下であると判断され
た場合は、目標加速度の算出の際に使用する係数である
目標加速度算出なまし係数CDVACCに、その初期値である
目標加速度算出なまし係数上限値CVCMDLMT(ここでは
“255”とする。)を格納し(ステップ4508)、さらに
目標加速度DVCMDに現在の加速度DVを格納して(ステッ
プ4509)、サブルーチンを終了する。
【0161】一方、ステップ4501で、加速度DVが加速走
行目標加速度算出下限加速度DVRUNACCより大きいと判断
された場合には、安定度積算値STBSUMが“0”以下であ
るかどうかが判断される(ステップ4502)。ここで、安
定度積算値STBSUMが“0”以下であった場合には、ステ
ップ4508とステップ4509の処理が行われて、サブルーチ
ンを終了する。他方、安定度積算値STBSUMが“0”より
大きい場合には、自由加速走行モード判定フラグF_DVAC
Cが“1”であるかどうかが判断される(ステップ450
3)。
【0162】ステップ4503において、自由加速走行モー
ド判定フラグF_DVACCが“1”であると判断された場合
には、目標加速度算出なまし係数CDVACCへ、“1”から
安定度積算値STBSUMを引いたものに、目標加速度算出な
まし係数上限値CDVCMDLMTをかけたもの、すなわち、
((1−安定度積算値STBSUM)×目標加速度算出なまし
係数上限値CDVCMDLMT)の計算結果を格納して、ステッ
プ4507へ進む。他方、ステップ4503の判断において、自
由加速走行モード判定フラグF_DVACCが“0”であった
場合には、目標加速度算出なまし係数CDVACCへ、前回の
目標加速度算出なまし係数CDVACCに目標加速度算出なま
し係数加算量CVCMDRTN(例えば“4”)を加算したもの
を格納して(ステップ4505)、ステップ4506へ進む。ス
テップ4506では、目標加速度算出なまし係数CDVACCが目
標加速度算出なまし係数上限値CDVCMDLMTより小さいか
どうかを判断し、小さい場合にはステップ4507へ進み、
小さくない場合にはステップ4508へ進む。
【0163】ステップ4507では、例えば式(45−1)に示
すように、現在の加速度DV、前回の目標加速度DVCMDか
ら、目標加速度算出なまし係数CDVACCを係数とする加重
平均演算を行って、目標加速度DVCMDを算出する。式(45
−1)の演算によれば、目標加速度算出なまし係数CDVACC
が大きいほど目標加速度DVCMDが現在の加速度DVに近く
なり、目標加速度算出なまし係数CDVACCが小さくなるほ
ど目標加速度DVCMDが前回の目標加速度DVCMDに近づくよ
うに、目標加速度DVCMDが求められる。そして、ステッ
プ4507の処理が終わったところで、サブルーチンを終了
する。
【0164】
【数13】
【0165】以上の各処理によって、加速度DVが加速
走行目標加速度算出下限加速度DVRUNACC以下である場合
または安定度積算値STBSUMが“0”以下の場合、目標加
速度DVCMDは、現在の加速度DVに設定され、加速度DV
が加速走行目標加速度算出下限加速度DVRUNACC以上であ
り、かつ安定度積算値STBSUMが“0”より大きい場合、
目標加速度DVCMDは、現在の加速度DV、前回の目標加速
度DVCMD、及び目標加速度算出なまし係数CDVACCを用い
た加重平均演算によって算出される。ここで、目標加速
度算出なまし係数CDVACCは、自由加速走行モード判定フ
ラグF_DVACCが“1”のときには安定度積算値STBSUMに
応じて算出され、かつ安定度積算値STBSUMが大きいほど
小さくされ、自由加速走行モード判定フラグF_DVACCが
“0”のときには、すぐに変化されるのではなく、目標
加速度算出なまし係数上限値CVCMDLMTを上限として、徐
々に増加させられるようになっている。したがって、目
標加速度DVCMDは、自由加速走行モードと判定された場
合には、アクセル操作の安定度が大きいほど前回の目標
加速度DVCMDにより近く、自由加速走行モードでないと
判定された場合には、現在の加速度DVに徐々に近づくよ
うに設定されることになる。
【0166】上記の構成によれば、目標加速度の算出す
る際に、アクセル操作の安定度に応じて算出の際に用い
る加重平均の係数を変化させるので、安定度が大きいほ
ど徐々に目標加速度が変化するように、そして安定度が
小さいときには現在の加速度変化に追従するようにして
目標加速度を求めることができる。したがって、アクセ
ル操作の状態に適合して、すなわち運転者の意志により
適合させて、目標加速度を求めることが可能である。
【0167】次に、図30を参照して、図3に示すタイマ
ーインターラプト・ルーチンのステップ146で呼び出さ
れる目標相対速度算出サブルーチン(図2の目標相対速
度算出ブロック46に対応する。)について説明する。目
標相対速度算出サブルーチンでは、車速V、相対速度D
D、加速走行モード、及びスロットル操作の安定度推定
結果に基づいて、スロットル開度目標値THFFを補正する
際の一つの基準値となる目標相対速度が算出される。目
標相対速度算出サブルーチンでは、まず現在の車速Vが
追従走行目標相対速度算出下限車速VRUNADPTより大きい
かどうかが判断される(ステップ4601)。追従走行目標
相対速度算出下限車速VRUNADPTは、これ以下の車速では
相対速度目標値の算出を行わないという車速に関する設
定値であり、ここでは10km/hに対応する値に設定されて
いるものとする。ステップ4601において、車速Vが追従
走行目標相対速度算出下限車速VRUNAPDT以下と判断され
た場合は、目標相対速度の算出の際に使用する係数であ
る目標相対速度算出なまし係数CDDADPTに、その初期値
である目標相対速度算出なまし係数上限値CDDCMDLMT
(ここでは“255”とする。)を格納し(ステップ460
8)、そして目標相対速度DDCMDに現在の相対速度DDを格
納して(ステップ4609)、サブルーチンを終了する。
【0168】一方、上記ステップ4601で、車速Vが追従
走行目標相対速度算出下限車速VRUNADPTより大きいと判
断された場合には、安定度積算値STBSUMが“0”以下で
あるかどうかが判断される(ステップ4602)。一方、安
定度積算値STBSUMが“0”以下であった場合には、ステ
ップ4608とステップ4609の処理が行われて、サブルーチ
ンが終了する。他方、安定度積算値STBSUMが“0”より
大きい場合には、追従加速走行モード判定フラグF_ADPT
ACCが“1”であるかどうかが判断される(ステップ460
3)。
【0169】ステップ4603の判断において、追従加速走
行モード判定フラグF_ADPTACCが“1”であった場合、
目標相対速度算出なまし係数CDDADPTに、“1”から安
定度積算値STBSUMを引いたものに目標相対速度算出なま
し係数上限値CDDCMDLMTをかけたもの、すなわち、
((1−安定度積算値STBSUM)×目標相対速度算出なま
し係数上限値CDDCMDLMT)を格納して、ステップ4607へ
進む。他方、ステップ4603の判断において、追従加速走
行モード判定フラグF_ADPTACCが“0”であった場合、
目標相対速度算出なまし係数CDDADPTに、前回の目標相
対速度算出なまし係数CDDADPTに目標相対速度算出なま
し係数加算量CDDCMDRTN(例えば“4”)を加算したも
のを格納して(ステップ4605)、ステップ4606へ進む。
ステップ4606では、目標相対速度算出なまし係数CDDADP
Tが目標相対速度算出なまし係数上限値CDDCMDLMTより小
さいかどうかを判断し、小さい場合にはステップ4607へ
進み、小さくない場合にはステップ4608へ進む。
【0170】ステップ4607では、例えば式(46−1)に示
すように、現在の相対速度DD、前回の目標相対速度DDCM
Dから、目標相対速度算出なまし係数CDDADPTを係数とす
る加重平均演算を行って、目標相対速度DDCMDを算出す
る。そして、ステップ4607が終了すると、サブルーチン
が終了する。式(46−1)の演算によれば、目標相対速度
算出なまし係数CDDADPTが大きいほど目標相対速度DDCMD
が現在の相対速度DDに近づき、目標相対速度算出なまし
係数CDDADPTが小さくなるほど目標相対速度DDCMDが前回
の目標相対速度DDCMDに近づくような、目標相対速度DDC
MDが算出される。
【0171】
【数14】
【0172】以上の各処理によって、車速Vが追従加
速走行目標相対速度算出下限相対速度VRUNADPT以下であ
る場合または安定度積算値STBSUMが“0”以下の場合、
目標相対速度DDCMDは、現在の相対速度DDに設定され、
車速Vが追従加速走行目標相対速度算出下限相対速度
VRUNADPT以上であり、かつ安定度積算値STBSUMが“0”
より大きい場合、目標相対速度DDCMDは、現在の相対速
度DD、前回の目標相対速度DDCMD、及び目標相対速度算
出なまし係数CDDADPTを用いた加重平均演算によって算
出される。ここで、目標相対速度算出なまし係数CDDADP
Tは、追従加速走行モード判定フラグF_ADPTACCが“1”
のときには安定度積算値STBSUMに応じて算出され、かつ
安定度積算値STBSUMが大きいほど小さくされ、追従加速
走行モード判定フラグF_ADPTACCが“0”のときにはす
ぐに目標相対速度DDCMDを変化させられるのではなく、
目標相対速度算出なまし係数上限値CDDCMDLMTを上限と
して、徐々に増加させるようになっている。したがっ
て、目標相対速度DDCMDは、追従加速走行モードと判定
された場合には、アクセル操作の安定度が大きいほど前
回の目標相対速度DDCMDにより近く、追従加速走行モー
ドでないと判定された場合には、現在の相対速度DDに徐
々に近づくように設定されることになる。
【0173】上記の構成によれば、目標相対速度の算出
する際に、アクセル操作の安定度に応じて算出の際に用
いる加重平均の係数を変化させることによって、安定度
が大きいほど徐々に目標相対速度が変化するように、そ
して安定度が小さいときには現在の相対速度に追従する
ように目標相対速度を求めることができる。したがっ
て、アクセル操作の状態に適合して、すなわち運転者の
意志により適合させて、目標相対速度を求めることが可
能である。
【0174】次に、図31を参照して、図5に示すスロッ
トル開度補正係数算出サブルーチンのステップ5468で呼
び出される加速走行スロットル制御補正係数KDVACC算出
サブルーチン(図2の加速走行補正係数算出ブロック68
に対応する。)について説明する。このサブルーチンで
は、現在の加速度DVと目標加速度DVCMDの偏差に比例し
た値と、偏差を積分した値に応じて、加速走行スロット
ル制御補正係数KDVACCを算出する。まず、自由加速モー
ド判定フラグF_DVACCが“1”であるかどうかを判断す
る(ステップ6801)。一方、自由加速モード判定フラグ
F_DVACCが“1”でない場合には、ステップ6808へ進ん
で、加速走行スロットル制御補正係数用積分項KIDVACC
に“1”を格納し、次いで、ステップ6809へ進んで、加
速走行スロットル制御補正係数KDVACCに“1”を格納し
て、サブルーチンを終了する。他方、自由加速モード判
定フラグF_DVACCが“1”である場合には、ステップ680
2へ進んで、加速走行スロットル制御補正係数用積分項K
IDVACCに、前回の加速走行スロットル制御補正係数用積
分項KIDVACCと、加速度DVと目標加速度DVCMDの偏差に係
数KIDVを掛けたものとの加算結果を格納する。
【0175】ステップ6802の処理が終わると、次に、加
速走行スロットル制御補正係数KDVACCに、加速度DVと目
標加速度DVCMDの偏差に係数KPDVを掛けたものと、ステ
ップ6802で求めた加速走行スロットル制御補正係数用積
分項KIDVACCとを加算したものを格納する(ステップ680
3)。係数KPDV及び係数KIDVは、比例積分制御における
比例ゲインと積分時間を決定する係数であり、シミュレ
ーションや実験結果に応じて適宜、決定することができ
る。なお、加速走行スロットル制御補正係数用積分項KI
DVACCには、初期設定時に所定の初期値(例えば
“1”)が格納される。
【0176】ステップ6803で加速走行スロットル制御補
正係数KDVACCが算出されると、算出した値が、所定の上
限値(KDVACC上限値KDVACCLMTH:この場合“2”と設定
されているものとする。)及び下限値(KDVACC下限値KD
VACCLMTL:この場合“0”と設定されているものとす
る。)の範囲内にあるかどうかが判断される(ステップ
6804及び6806)。そして、加速走行スロットル制御補正
係数KDVACCとして、KDVACC上限値KDVACCLMTH以上の場合
にはKDVACC上限値KDVACCLMTHが、KDVACC下限値KDVACCLM
TL以下の場合にはKDVACC下限値KDVACCLMTLが、それぞれ
設定される(ステップ6805及び6807)。ステップ6804〜
6807の処理が終わると、サブルーチンが終了する。
【0177】次に、図32を参照して、図5に示すスロッ
トル開度補正係数算出サブルーチンのステップ5469で呼
び出される追従加速走行スロットル制御補正係数KADPTA
CC算出サブルーチン(図2の追従加速走行補正係数算出
ブロック69に対応する。)について説明する。このサブ
ルーチンでは、現在の相対速度DDと目標相対速度DDCMD
の偏差に比例した値と、偏差を積分した値に応じて、追
従加速走行スロットル制御補正係数KADPTACCが算出され
る。まず、追従モード判定フラグF_ADPTACCが“1”で
あるかどうかが判断される(ステップ6901)。ステップ
6901において、一方、追従モード判定フラグF_ADPTACC
が“1”でない場合には、ステップ6908へ進んで、追従
加速走行スロットル制御補正係数用積分項KIADPTACCに
“1”が格納され、次いで、ステップ6909へ進んで、追
従加速走行スロットル制御補正係数KADPTACCに“1”が
格納されて、サブルーチンが終了する。他方、追従モー
ド判定フラグF_ADPTACCが“1”である場合には、ステ
ップ6902へ進んで、追従加速走行スロットル制御補正係
数用積分項KIADPTACCに、前回の追従加速走行スロット
ル制御補正係数用積分項KIADPTACCと、相対速度DDと目
標相対速度DDCMDの偏差に係数KIDDを掛けたものとの加
算結果が格納される。
【0178】ステップ6902が終わると、次に、追従加速
走行スロットル制御補正係数KADPTACCに、相対速度DDと
目標相対速度DDCMDの偏差に係数KPDDを掛けたものと、
ステップ6902で求めた追従加速走行スロットル制御補正
係数用積分項KIADPTACCとを加算したものが格納される
(ステップ6903)。係数KPDD及び係数KIDDは、比例積分
制御における比例ゲインと積分時間を決定する係数であ
り、シミュレーションや実験結果に応じて適宜、決定さ
れる。なお、追従加速走行スロットル制御補正係数用積
分項KIADPTACCには、初期設定時に所定の初期値(例え
ば“1”)が格納されるものとする。
【0179】ステップ6903で追従加速走行スロットル制
御補正係数KADPTACCが算出されると、算出された値が、
所定の上限値(KADPTACC上限値KADPTACCLMTH:この場合
“2”と設定されているものとする。)及び下限値(KA
DPTACC下限値KADPTACCLMTL:この場合“0”と設定され
ているものとする。)の範囲内にあるかどうかが判断さ
れる(ステップ6904及び6906)。そして、追従加速走行
スロットル制御補正係数KADPTACCとしては、KADPTACC上
限値KADPTACCLMTH以上の場合にはKADPTACC上限値KADPTA
CCLMTHが、KADPTACC下限値KADPTACCLMTL以下の場合には
KADPTACC下限値KADPTACCLMTLが、それぞれ設定される
(ステップ6905及び6907)。ステップ6904〜6907の処理
が終わると、このサブルーチンは終了する。
【0180】次に、図33を参照して、図5に示すスロッ
トル開度補正係数算出サブルーチンのステップ5470で呼
び出される加速度又は相対速度を目標とするスロットル
制御補正係数KFBACC算出サブルーチン(図2の加速度又
は相対速度を目標とする補正係数算出ブロック70に対応
する。)について説明する。このサブルーチンでは、加
速走行モード判定サブルーチンによって判定された加速
走行モード(追従加速走行モード判定フラグと自由加速
走行モード判定フラグの状態)に応じて、加速度又は相
対速度を目標とするスロットル制御補正係数KFBACCとし
て、追従加速走行スロットル制御補正係数算出サブルー
チンで算出された追従加速走行スロットル制御補正係数
KADPTACCか、加速走行スロットル制御補正算出サブルー
チンで算出された加速走行スロットル制御補正係数KDVA
CCかのどちらか一方を選択して出力する。
【0181】まず、ステップ7001で、追従加速走行モー
ド判定フラグF_ADPTACCが“1”に設定されているかど
うかを判断する。追従加速走行モード判定フラグF_ADPT
ACCが“1”に設定されていた場合(ステップ7001の判
断結果が“YES”の場合)、加速度又は相対速度を目標
とするスロットル制御補正係数KFBACCに、追従加速走行
スロットル制御補正係数KADPTACCを格納して(ステップ
7002)、サブルーチンを終了する。一方、ステップ7001
の判断結果が“NO”の場合、ステップ7003で、自由加速
走行モード判定フラグF_DVACCが“1”に設定されてい
るかどうかを判断する。ステップ7003で、自由加速走行
モード判定フラグF_DVACCが“1”に設定されていた場
合(ステップ7003の判断結果が“YES”の場合)には、
加速度又は相対速度を目標とするスロットル制御補正係
数KFBACCに、加速走行スロットル制御補正係数KDVACCを
格納して(ステップ7004)、サブルーチンを終了する。
【0182】また、ステップ7003で判断結果が“NO”と
なった場合には、加速度又は相対速度を目標とするスロ
ットル制御補正係数KFBACCに、他の補正係数に対して影
響を与えない値、すなわち“1”を格納して(ステップ
7005)、サブルーチンを終了する。以上の処理によっ
て、このサブルーチンでは、加速走行モード判定サブル
ーチンにおいて追従加速走行モードと判定された場合に
は追従加速走行スロットル制御補正係数KADPTACCを、自
由加速走行モードと判定された場合には加速走行スロッ
トル制御補正係数KDVACCを、そして、どちらのモードで
もないと判定された場合には定数“1”を、加速度又は
相対速度を目標とするスロットル制御補正係数KFBACCと
して出力する。
【0183】次に、図34を参照して、図3に示すタイマ
ーインターラプト・ルーチンのステップ1167で呼び出さ
れる目標スロットル開度THFF算出サブルーチン(図2の
スロットル開度目標値算出ブロック167に対応する。)
について説明する。このサブルーチンでは、上記安定度
推定サブルーチンで算出した安定度積算値STBSUM、加速
度又は相対速度を目標とするスロットル制御補正係数KF
BACC算出サブルーチンで算出した加速度又は相対速度を
目標とするスロットル制御補正係数KFBACC、及びアクセ
ル開度センサS102から供給されたアクセル開度APを用
い、下記(式167−1)によって目標スロットル開度THFF
を算出する(ステップ16701)。
【0184】
【数15】
【0185】ここに、右辺のTHFFは、前回算出された目
標スロットル開度である。また、右辺の第一項は、安定
度積算値STBSUMと、加速度又は相対速度を目標とするス
ロットル制御補正係数KFBACC及び前回算出された目標ス
ロットル開度THFFとを掛け合わせたものであり、右辺の
第二項は、“1”から安定度積算値STBSUMを引いたもの
とアクセル開度APとを掛け合わせたものである。本実施
形態において、安定度積算値STBSUMがとり得る値は
“0”〜“1”の範囲内の値である。したがって、(式
167−1)によれば、安定度積算値STBSUMを係数として、
加速度又は相対速度を目標とするスロットル制御補正係
数KFBACCと前回算出された目標スロットル開度THFFとを
掛け合わせたものと、現在のアクセル開度APとを加重平
均した結果として今回の目標スロットル開度THFFが算出
される。
【0186】すなわち、一方、運転者によるアクセル操
作の安定度積算値STBSUMが比較的大きいときには、加速
度又は相対速度を目標とするスロットル制御補正係数KF
BACC、すなわち自由加速又は追従加速走行モードの判定
に基づく補正値と、前回求めた目標スロットル開度THFF
とを掛け合わせたものによる目標スロットル開度THFFの
算出における影響度が比較的大きくなる。他方、運転者
によるアクセル操作の安定度積算値STBSUMが比較的小さ
いときには、アクセル開度APによる目標スロットル開度
THFFの算出における影響度が比較的大きくなる。
【0187】目標スロットル開度THFFが算出されると、
その値が所定の上限値(THFF上限値THFFLMTH:この場合
“80deg”と設定されているものとする。)以下であ
るかどうかが判断される(ステップ16702)。そして、T
HFF上限値THFFLMTH以下の場合には、算出した値をその
まま目標スロットル開度THFFとしてこのサブルーチンを
終了し、THFF上限値THFFLMTHを超える場合には、目標ス
ロットル開度THFFの値をTHFF上限値THFFLMTHとしてこの
サブルーチンを終了する(ステップ16703)。
【0188】目標スロットル開度THFF算出サブルーチン
が終了すると、図3に示すタイマーインターラプト・ル
ーチンのすべての処理が終了する。そして、算出された
目標スロットル開度THFFのデータは、図1に示すスロッ
トル開度制御部B103へ出力され、スロットル開度の制御
が行われる。
【0189】以上、本発明の一実施形態を説明したが、
本発明の実施の形態は上記のものに限られることなく、
本発明の趣旨およびその主要な特徴から逸脱することな
く、適宜変更することができる。例えば、各補正係数又
は変数に対して、初期値の変更、上下限値の変更、係数
又は変数を用いる式又は式の中での位置を変更する等の
変更を行うことが可能である。また、上記実施形態にお
いては、走行意志の推定結果によるスロットル制御の補
正を、スロットル制御の目標値を算出する際の補正係数
を変更するという態様で行っているが、補正の手法はこ
れに限られるものではなく、スロットル開度制御部B103
における目標値に基づくスロットル制御における係数を
補正することなどによっても行うことが可能である。
【0190】なお、上記実施形態における各構成と特許
請求の範囲の記載における各構成要素との対応関係は次
のとおりである。駆動力制御装置B100…「駆動力制御装
置」、加速走行意志積算値ACCSUM…「加速走行意志」、
加速意志推定ブロック35…「加速走行意志推定手段」、
追従走行意志積算値ADPTSUM…「追従走行意志」、追従
走行意志推定ブロック38…「追従走行意志推定手段」、
図27のステップ4401,4403,および4411における判断基準
値(上記実施形態ではいずれも“1”)…「所定の
値」、図28に示す平均加速度DVAVEに対する追従加速走
行/自由加速走行モード判別相対速度DDMODEの設定値と
の関係…「所定の関係」、図27のステップ4405〜4406…
「走行意志選択手段」、目標加速度算出ブロック45,目
標加速度算出ブロック45,目標相対速度算出ブロック46,
加速走行補正係数算出ブロック68,追従加速走行補正係
数算出ブロック69,加速度又は相対速度を目標とする補
正係数算出ブロック70,スロットル開度目標値算出ブロ
ック167,およびスロットル開度制御部B103…「補正手
段」、安定度推定ブロック40…「安定度推定手段」。
【0191】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、運転者の加速走行意志と追従走行意志を推
定するともに、運転者の加速走行意志と追従走行意志の
いずれか一方が所定の値より大きい場合にはその所定の
値より大きい走行意志を選択し、又は二つの走行意志の
両方が所定の値より大きい場合には加速度と前車に対す
る相対速度によりいずれか一方の走行意志を選択し、こ
の選択された走行意志に基づいてスロットル開度の制御
を補正するようにしたので、推定した複数の走行環境に
応じた制御を適切に協調させて車両の駆動力制御を行う
ことができる。
【0192】また、請求項2記載の発明によれば、加速
走行意志が選択された場合には実際の加速度と目標加速
度との偏差に基づいて、追従走行意志が選択された場合
には実際の相対速度と目標相対速度との偏差に基づいて
スロットル開度の制御を補正することで、より精度よく
補正を行うことが可能となる。また、請求項3記載の発
明によれば、運転者のアクセル操作の安定度を推定し、
実際の加速度又は実際の相対速度と、推定した安定度と
に応じて、目標加速度又は目標相対速度を求めること
で、より運転者の意志に合った制御を行うことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による車両の駆動力制御装置の一実施
形態B100とその周辺装置とを示すブロック図である。
【図2】 図1に示すスロットル開度目標値算出部B102
の内部構成をCPUによる各処理に対応させて示した機
能ブロック図である。
【図3】 図1及び図2に示すスロットル開度目標値算
出部B102内の全機能ブロックに対応する処理を含んだタ
イマーインターラプト・ルーチンを示すフローチャート
である。
【図4】 図2に示す運転パラメータ算出サブルーチン
(ステップ102)内の各処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図5】 図2に示すスロットル開度補正係数算出サブ
ルーチン(ステップ154)内の処理を示すフローチャー
トである。
【図6】 図4の運転パラメータ算出サブルーチンのス
テップ203で呼び出される平均車速VAVE算出サブルーチ
ンのフローチャートである(図2の平均車速ブロック3
に対応)。
【図7】 図4に示す運転パラメータ算出サブルーチン
のステップ206で呼び出される発進停止頻度SGR算出サブ
ルーチンのフローチャートである(図2の発進停止頻度
算出ブロック6に対応)。
【図8】 図4に示す運転パラメータ算出サブルーチン
のステップ208で呼び出されるアクセル速度DAP算出サブ
ルーチンのフローチャートである(図2のアクセル速度
ブロック8に対応)。
【図9】 図4に示す運転パラメータ算出サブルーチン
のステップ209で呼び出される加速度DV算出サブルーチ
ンのフローチャートである(図2の加速度ブロック9に
対応)。
【図10】 図4に示す運転パラメータ算出サブルーチ
ンのステップ210で呼び出される相対速度DD算出サブル
ーチンのフローチャートである(図2の相対速度ブロッ
ク10に対応)。
【図11】 図4に示す運転パラメータ算出サブルーチ
ンのステップ213で呼び出される車間距離移動標準偏差D
SIG算出サブルーチンのフローチャートである(図2の
車間距離移動標準偏差ブロック13に対応)。
【図12】 図4に示す運転パラメータ算出サブルーチ
ンのステップ214で呼び出される相対速度移動標準偏差D
DSIG算出サブルーチンのフローチャートである(図2の
相対速度移動標準偏差ブロック14に対応)。
【図13】 図4に示す運転パラメータ算出サブルーチ
ンのステップ228で呼び出される加加速度DDV算出サブル
ーチンのフローチャートである(図2の加加速度ブロッ
ク28に対応)。
【図14】 図4に示す運転パラメータ算出サブルーチ
ンのステップ229で呼び出される相対加速度DDD算出サブ
ルーチンのフローチャートである(図2の相対加速度ブ
ロック29に対応)。
【図15】 図4に示す運転パラメータ算出サブルーチ
ンのステップ230で呼び出される加速度変動モニタサブ
ルーチンのフローチャートである(図2の加速度変動モ
ニタブロック30に対応)。
【図16】 図4に示す運転パラメータ算出サブルーチ
ンのステップ231で呼び出される相対速度変動モニタサ
ブルーチンのフローチャートである(図2の相対速度変
動モニタブロック31に対応)。
【図17】 図4の運転パラメータ算出サブルーチンの
ステップ232で呼び出される平均加速度DVAVE算出サブル
ーチンのフローチャートである(図2の平均加速度ブロ
ック32に対応)。
【図18】 図4の運転パラメータ算出サブルーチンの
ステップ233で呼び出される平均相対速度DDAVE算出サブ
ルーチンのフローチャートである(図2の平均相対速度
ブロック33に対応)。
【図19】 図3に示すタイマーインターラプト・ルー
チンのステップ135で呼び出される加速意志推定サブル
ーチンのフローチャートである(図2の加速意志推定ブ
ロック35に対応)。
【図20】 図19の加速意志推定サブルーチンで用いら
れるアクセル開度APの加速意志小メンバーシップ関数
((a))及び加速意志大メンバーシップ関数
((b))、並びにアクセル速度DAPの加速意志小メン
バーシップ関数((c))及び加速意志大メンバーシッ
プ関数((d))を示す図である。
【図21】 図3に示すタイマーインターラプト・ルー
チンのステップ136で呼び出される減速意志推定サブル
ーチンのフローチャートである(図2の減速意志推定ブ
ロック36に対応)。
【図22】 図21の減速意志推定サブルーチンで用いら
れるアクセル開度APの減速意志小メンバーシップ関数
((a))及び減速意志大メンバーシップ関数
((b))、並びにアクセル速度DAPの減速意志小メン
バーシップ関数((c))及び減速意志大メンバーシッ
プ関数((d))を示す図である。
【図23】 図3に示すタイマーインターラプト・ルー
チンのステップ138で呼び出される追従走行意志推定サ
ブルーチンのフローチャートである(図2の追従走行意
志推定ブロック38に対応)。
【図24】 図23の追従走行意志推定サブルーチンで用
いる、平均車速VAVEに対する追従走行意志大とする車間
距離標準偏差上限値DSIGLMTの設定値((a))、車間
距離移動標準偏差DSIGに対する追従走行意志減算量DADP
T2の設定値((b))、平均車速VAVEに対する追従走行
意志大とする相対速度標準偏差上限値DDSIGLMTの設定値
((c))、及び相対速度移動標準偏差DDSIGに対する
追従走行意志減算量DADPT4の設定値((d))を示す図
である。
【図25】 図3のタイマーインターラプト・ルーチン
におけるステップ140で呼び出される安定度推定サブル
ーチンのフローチャートである(図2の安定度推定ブロ
ック40に対応)。
【図26】 図25の安定度推定サブルーチンで用いられ
る加速意志積算値ACCSUMの安定度小メンバーシップ関数
((a))及び安定度大メンバーシップ関数
((b))、減速意志積算値DECSUMの安定度小メンバー
シップ関数((c))及び安定度大メンバーシップ関数
((d))、並びに、平均車速VAVEに対する安定度積算
値の上限値STBSUMHの設定値((e))を示す図であ
る。
【図27】 図3のタイマーインターラプト・ルーチン
におけるステップ144で呼び出される加速走行モード判
定サブルーチンのフローチャートである(図2の加速走
行モード判定ブロック44に対応)。
【図28】 図27の加速走行モード判定サブルーチン
で用いられる平均加速度DVAVEに対する追従加速走行/
自由加速走行モード判別相対速度DDMODEの設定値を示す
図である。
【図29】 図3に示すタイマーインターラプト・ルー
チンのステップ145で呼び出される目標加速度算出サブ
ルーチンのフローチャートである(図2の目標加速度算
出ブロック45に対応)。
【図30】 図3に示すタイマーインターラプト・ルー
チンのステップ146で呼び出される目標相対速度算出サ
ブルーチンのフローチャートである(図2の目標相対速
度算出ブロック46に対応)。
【図31】 図5に示すスロットル開度補正係数算出サ
ブルーチンのステップ5468で呼び出される加速走行スロ
ットル制御補正係数KDVACC算出サブルーチンのフローチ
ャートである(図2の加速走行スロットル制御補正係数
算出ブロック68に対応)。
【図32】 図5に示すスロットル開度補正係数算出サ
ブルーチンのステップ5469で呼び出される追従加速走行
スロットル制御補正係数KADPTACC算出サブルーチンのフ
ローチャートである(図2の追従加速走行スロットル制
御補正係数算出ブロック69に対応)。
【図33】 図5に示すスロットル開度補正係数算出サ
ブルーチンのステップ5470で呼び出される加速度又は相
対速度を目標とするスロットル制御補正係数KFBACC算出
サブルーチンのフローチャートである(図2の加速度又
は相対速度を目標とするスロットル制御補正係数算出ブ
ロック70に対応)。
【図34】 図3に示すタイマーインターラプト・ルー
チンのステップ167で呼び出される目標スロットル開度T
HFF算出サブルーチンのフローチャートである(図2の
スロットル開度目標値算出ブロック167に対応)。
【符号の説明】
B100…駆動力制御装置,B101…入力部,B102…スロット
ル開度目標値算出部,B103…スロットル開度制御部,B2
00…スロットル駆動アクチュエータ,S100…車速セン
サ,S101…車間距離センサ,S102…アクセル開度セン
サ,S103… ブレーキスイッチ,3…平均車速ブロッ
ク,6…発進停止頻度算出ブロック,8…アクセル速度
ブロック,9…加速度ブロック, 10…相対速度ブロッ
ク,13…車間距離移動標準偏差ブロック,14…相対速度
移動標準偏差ブロック,28…加加速度ブロック,29…相
対加速度ブロック,30…加速度変動モニタブロック,31
…相対速度距離変動モニタブロック,32…平均加速度ブ
ロック,33…平均相対速度ブロック,35…加速意志推定
ブロック,36…減速意志推定ブロック,38…追従走行意
志推定ブロック,40…安定度推定ブロック,44…加速走
行モード判定ブロック,45…目標加速度算出ブロック,
46…目標相対速度算出ブロック,68…加速走行補正係数
算出ブロック,69…追従加速走行補正係数算出ブロッ
ク,70…加速度又は相対速度を目標とする補正係数算出
ブロック,167 …スロットル開度目標値算出ブロック

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者のアクセル操作に応じてエンジン
    のスロットル開度を制御する車両の駆動力制御装置にお
    いて、 運転者の加速走行意志を推定する加速走行意志推定手段
    と、 前記運転者の追従走行意志を推定する追従走行意志推定
    手段と、 前記運転者の加速走行意志と追従走行意志のいずれか一
    方が所定の値より大きい場合にはその所定の値より大き
    い走行意志を選択し、又は前記二つの走行意志の両方が
    所定の値より大きい場合には加速度と前車に対する相対
    速度によりいずれか一方の走行意志を選択する走行意志
    選択手段と、 前記走行意志選択手段によって選択された走行意志に基
    づいて前記スロットル開度の制御を補正する補正手段と
    を具備することを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段が、前記走行意志選択手段
    によって加速走行意志が選択された場合には実際の加速
    度と目標加速度との偏差に基づいて、又は前記走行意志
    選択手段によって追従走行意志が選択された場合には実
    際の相対速度と目標相対速度との偏差に基づいて、前記
    スロットル開度の制御を補正することを特徴とする請求
    項1記載の車両の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記運転者のアクセル操作の安定度を推
    定する安定度推定手段を備え、 前記補正手段が、実際の加速度又は実際の相対速度と、
    前記安定度とに応じて、前記目標加速度又は前記目標相
    対速度を求めることを特徴とする請求項2記載の車両の
    駆動力制御装置。
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