JPH11291429A - 複合ポリエステルフィルム - Google Patents

複合ポリエステルフィルム

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JPH11291429A
JPH11291429A JP9590398A JP9590398A JPH11291429A JP H11291429 A JPH11291429 A JP H11291429A JP 9590398 A JP9590398 A JP 9590398A JP 9590398 A JP9590398 A JP 9590398A JP H11291429 A JPH11291429 A JP H11291429A
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JP
Japan
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polyester film
particles
core
shell
film
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JP9590398A
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English (en)
Inventor
Masafumi Koseki
雅文 古関
Masayuki Fukuda
雅之 福田
Hideaki Watanabe
秀明 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 易滑性、耐削れ性、及び接着性に優れ、磁気
記録媒体、各種写真材料、電気絶縁材料、一般工業材料
として好適な、特に磁気記録媒体のベースフィルムとし
て有用な複合ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 二軸配向ポリエステルフィルムの少なく
とも片面に、コア部が弗素を含有したポリマからなり、
シェル部がポリエステル、ポリウレタン及びポリアクリ
ルの群から選ばれた少なくとも一種の樹脂からなり、か
つシェル部がコア部より軟質なコアシェル粒子を含有す
る樹脂組成物を用いた塗布層を積層してなることを特徴
とする複合ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合ポリエステルフ
イルムに関し、さらに詳しくは易滑性、耐削れ性、走行
性、易接着性に優れた複合ポリエステルフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムは、その
優れた性質の故に、磁気テープ用、電気用、写真用、包
装用等多くの用途で用いられている。とりわけ、その高
い強度、寸法安定性等の故に、磁気記録媒体、例えばビ
デオテープ、オーデイオテープ、コンピューターテープ
等のベースフィルムとして広く用いられている。
【0003】これら磁気記録媒体では、近年、高密度記
録化、高品質化の要求がますます高まっており、特に記
録方式としてデジタル方式を使用している分野からの要
求品質は厳しさを増してきている。
【0004】これに伴って、ベースとなる二軸配向ポリ
エステルフィルムには、D/Oの原因になるようなフィ
ルム製造工程、テープ化工程での削れがない、及び磁気
記録媒体の高出力化をはかるためのフィルム表面の平坦
化が切望されており、後者の平坦化については、これと
フィルム及び磁気記録媒体の製造工程でのハンドリング
性、巻き取り性との両立が望まれている。
【0005】このようなベースフィルムとしては、ベー
スフィルムの表面特性の改善をはかった二軸配向ポリエ
ステルフィルムとして、ポリエステルフィルム中にコロ
イド状シリカに起因する実質的に球形のシリカ粒子を含
有するフィルム(例えば特開昭59−171623号公
報)が開示されている。このフィルムにおいてはポリエ
ステル中に含有した粒子に起因する突起によって、表面
の摩擦係数を下げてハンドリング性、走行性を向上させ
ることができるとされているが、表面を平坦化するため
には、含有する粒子の量を少なくする必要があり、この
場合表面の摩擦係数が上がるため、表面の平坦化とハン
ドリング性、走行性の両立は不可能である。
【0006】また、ベースフィルムとして、例えば特開
昭60−957号公報のように、基体フィルム上に弗素
系化合物、樹脂及び微細不活性粒子の混合物を用い、微
細突起を形成した積層ポリエステルフィルムが開示され
ている。しかしながら、このベースにおいても、弗素系
化合物及び微細不活性粒子によって、高い易滑性能の有
することが可能ではあるが、まず微細粒子を用いた場
合、粒子が微細なため被服層中に均一分散させることが
難しく、更には凝集粒子による粗大突起を生じさせやす
いため、安定した平滑性を有することが難しく、また粒
子が脱落しやすくなり、削れ性が悪化するという欠点を
生じる。また、弗素系化合物を含有することによって、
弗素のもつ優れた易滑性能から易滑性は向上するが、弗
素化合物はその低い表面張力から、フィルム基材との密
着性、親和性が著しく悪いため、被覆層中に均一に分散
しにくいばかりか、被覆層及びフィルム基材との親和性
が著しく劣るため、被覆層から容易に脱落しやすくな
り、削れ性が著しく悪化するので実用上は使用できない
という欠点がある。
【0007】また、ベースフィルムとして、例えば特開
平8−169090号公報のようにポリエステルフィル
ムの少なくとも片面に内部より外部が軟質なシェルコア
粒子からなる突起を形成させて、易滑性、平坦性、削れ
性を向上させる積層二軸配向ポリエステルフィルムが開
示されている。この技術はシェル部に軟質なポリマを用
いることで、基材フィルムとの親和性、接着性を向上さ
せ、コア部に硬いポリマを用いることで、いわゆる粒子
としても機能を有して適度の滑り性をもたせるものであ
る。しかしながら、この技術においても、コア部がいわ
ゆる粒子(突起)として機能するため、フィルム及びテ
ープの製造工程では、突起の部分が金属ロール等と接触
することによって、コア部の脱落が生じ削れ性が悪化す
るという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、表面の平坦化と易滑性、
削れ性を両立させ、さらに易接着性に優れる複合ポリエ
ステルフィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも
片面に、コア部に弗素を含有したポリマから成り、シェ
ル部がポリエステル、ポリウレタン、及びポリアクリル
の群から選ばれた少なくとも一種の樹脂から成り、かつ
シェル部よりコア部が軟質なコアシェル構造の粒子を含
有する樹脂組成物を用いた塗布層が積層されている複合
ポリエステルフィルムによって達成される。
【0010】本発明において二軸配向フイルムを構成す
るポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成
分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とす
るポリエステルである。かかるポリエステルは実質的に
線状であり、そしてフイルム形成性、特に溶融成形によ
るフイルム形成性を有する。
【0011】前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば
テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニ
ルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン
酸、アンスラセンジカルボン酸等を挙げることができ
る。また、前記脂肪族グリコールとしては、例えばエチ
レングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール、デカメチレングリコール等の如き炭
素数2〜10のポリメチレングリコールあるいは1,4
−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等
を挙げることができる。
【0012】本発明においては、ポリエステルとして、
アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナフタ
レート構成成分を主たる構成成分とするものが好ましく
用いられる。
【0013】かかるポリエステルの中、特にポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト、及び全ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフ
タル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸であ
り、かつ全グリコール成分の80モル%以上がエチレン
グリコールである共重合体が好ましい。
【0014】その際、全酸成分の20モル%以下、好ま
しくは10モル%以下は、テレフタル酸及び/又は2,
6−ナフタレンジカルボン酸以外の上記芳香族ジカルボ
ン酸であることができ、また例えばアジピン酸、セバチ
ン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサン−
1,4−ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等であ
ることができる。また、全グリコール成分の20モル%
以下、好ましくは100モル%以下は、エチレングリコ
ール以外の上記グリコールであることができ、また例え
ばハイドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン等の如き芳香族ジオール、
1,4−ジヒドロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を
有する脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
等の如きポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキ
レングリコール)等であることもできる。
【0015】また、本発明におけるポリエステルには、
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω−
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸成分を、ジカルボン酸成分とオキシカルボン
酸成分の総量に対し20モル%以下、好ましくは10モ
ル%以下の量で共重合したものを包含する。
【0016】さらに、本発明におけるポリエステルには
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、三官能以上のポリカルボン酸成分又
はポリヒドロキシ化合物成分、例えばトリメリット酸、
ペンタエリスリトール等を共重合したものも包含され
る。
【0017】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
上記ポリエステルとしては、O−クロロフェノール中の
溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が0.4〜
0.9のものが好ましい。
【0018】本発明におけるポリエステルは、滑剤を含
有してもしなくてもよいが、滑剤を含有する場合は、滑
剤として不活性無機粒子、または架橋高分子粒子のよう
な耐熱性高分子からなる粒子を単独又は任意の組み合せ
で含有することが好ましい。さらに好ましくは、削れ
性、走行性の観点から、平均粒径0.1〜1.5μm、
好ましくは0.2〜0.7μmの耐熱性高分子からなる
粒子を0.001〜2.0重量%、好ましくは0.00
5〜0.1重量%、及び該耐熱性高分子の粒子より粒径
が小さくかつ平均粒径が0.01〜0.5μm、好まし
くは0.01〜0.3μmの不活性無機粒子を0.1〜
1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%含有す
る。
【0019】この不活性無機粒子としては、カオリン、
炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミニウム等が好まし
く、更に好ましくはシリカ、酸化アルミニウム粒子であ
る。耐熱性高分子粒子は、フィルム成膜時に粒子形態を
保持する耐熱性を有する高分子からなる粒子であって、
例えば架橋高分子粒子が好ましい。この架橋高分子粒子
としては、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹
脂、架橋アクリル樹脂等からなる粒子が好ましく、更に
好ましくは架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン
粒子である。
【0020】これら粒子は、通常ポリエステル製造時、
例えばエステル交換法による場合のエステル交換反応中
もしくは重縮合反応中の任意の時期、また直接重合法に
よる場合の任意の時期に、好ましくはグリコール中のス
ラリーとして反応系中に添加する。また、成膜前又は成
膜時に、これら粒子、好ましくはスラリー化した粒子を
ポリエステルに添加し、溶融混練してもよい。その際、
ベント式2軸押出機を用いるのが好ましい。
【0021】本発明におけるポリエステルフイルムは二
軸配向フイルムであるが、この厚みは3〜15μm、更
には3〜9μmであることが好ましい。
【0022】このポリエステルフイルムは長手方向及び
幅方向のヤング率がそれぞれ400kg以上であること
が好ましく、長手方向のヤング率についてはさらに60
0kg/mm2以上、特に700kg/mm2以上である
ことが好ましい。このヤング率の上限は、ポリエステル
の種類にもよるが、約2000kg/mm2である。幅
方向のヤング率についてえも同様のことが言える。この
ヤング率が上記範囲外となると、例えば磁気テープとし
たときに磁気ヘッド当たりが不良となり、電磁変換特性
が低下するので好ましくない。
【0023】本発明においては、二軸配向ポリエステル
フィルムの少なくとも片面に、コア部が弗素を含有した
ポリマから成り、シェル部がポリエステル、ポリウレタ
ン及びポリアクリルの群から選ばれた少なくとも一種の
樹脂から成り、かつシェル部よりコア部が軟質なコアシ
ェル構造の粒子を含有する樹脂組成物を用いた塗布層を
積層している必要がある。
【0024】本発明におけるコアシェル構造の粒子と
は、内外部のそれぞれが性質の異なるポリマで構成され
る多層構造のポリマ微粒子をいう。この場合、多層とは
2層以上のことをいい、性質が径方向に連続的に変化す
るものであっても良い。
【0025】このコアシェル構造の粒子は、フイルム上
に塗布した後の熱処理、例えば乾燥、フイルムの延伸、
熱固定等で、溶融、軟化するものであり、樹脂組成物か
らの塗布層の表面に実質的に突起を形成せず、皮膜状に
存在する。シェル部は主に基材に固着する機能を奏し、
コア部は弗素を含有したポリマによって構成され、かつ
皮膜状になることによって優れた易滑性、及び優れた耐
削れ性を奏し、それぞれの機能を発揮するものである。
【0026】本発明で用いるコアシェル構造の粒子は、
シェル部よりコア部が軟質であることが必要である。、
硬さの指標をポリマーのTg(DSCで測定)によって
説明すると、シェル部のTgは20〜80℃、さらには
30〜70℃であり、コア部のTgはシェル部より小さ
く、10〜70℃、さらには10〜60℃であることが
好ましい。
【0027】コア及びシェル部とも上述Tgの上限を超
えると、フイルム上に塗布した後の熱処理工程で、基材
との固着がなされず、また易滑性の機能を持つコア部が
露出せず突起として存在してしまうため、削れ性及び易
滑性が悪化するので好ましくない。また、コア及びシェ
ル部のTgが上述の下限を下回った場合、Tgが常温付
近となり、粒子の製造或いは取り扱いが困難となるため
好ましくない。
【0028】さらに、本発明では、上記のように、シェ
ル部よりコア部が軟質であることが必要であるが、シェ
ル部がコア部より硬い場合、易滑性が著しく悪化するの
で好ましくない。このメカニズムは明確ではないが、粒
子が皮膜を形成する過程に関係しているのではないかと
推定される。
【0029】本発明では、コアシェル構造の粒子が、最
終的に皮膜状で存在するのが本発明の課題を解決するポ
イントである。
【0030】本発明においてコアシェル構造の粒子のコ
ア部を構成する弗素含有ポリマとしては、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート樹脂等の構造の水素原子の一部が
弗素原子で置換されたものを例示することができる。こ
の中でも、弗素含有アクリル樹脂である、弗化アクリレ
ート樹脂重合体が易滑性向上の観点から好ましい。アク
リレート樹脂の構成成分としては、アクリルジアルキル
アミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ア
クリルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアクリル構
造の一部の水素が弗素で置換されたものを例示すること
ができる。これらのモノマーは、例えばスチレン、アク
リルニトリル、メタクリルニトリル、ジビニルベンゼン
等の他の不飽和単量体と併用することができる。弗素量
としては、コア部の総重量当り、10〜90重量%、さ
らには10〜50重量%が好ましい。
【0031】本発明でコアシェル構造の粒子のシェル部
を構成するポリエステル樹脂は、それを構成する成分と
して、ジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフ
タル酸、2.6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒド
ロテレフタル酸、4.4’−ジフェニルカルボン酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、2−カ
リウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホイソフ
タル酸、等を例示することができる。また、グリコール
成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、ポリエチレングリコール、等を例示することが
できる。
【0032】上記のポリエステル樹脂は、第3成分とし
て、上記ジカルボン酸成分あるいはグリコール成分を共
重合したコポリエステルであっても良く、三官能以上の
多価カルボン酸成分あるいはポリオール成分を含んでも
良く、得られるポリエステル樹脂が実質的に線状となる
範囲(例えば5モル%以下)で少量共重合したポリエス
テルであっても良い。なお、上記の他、いわゆるアクリ
ルグラフトポリエステルや、ポリエステルポリオールを
イソシアネートで鎖延長したポリエステルポリウレタン
などのポリエステル成分を有する複合高分子も本発明の
ポリエステル系の樹脂に含まれる。
【0033】本発明でコアシェル構造の粒子のシェル部
を構成するポリウレタン(ウレタン系樹脂)は、それを
構成する成分として、ポリオール成分としては、ポリオ
キシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシテトラメチレン等のようなポリエーテ
ル類、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンーブチレ
ンアジペート、ポリカプロラクトン等のようなポリエス
テル類、ポリカーボネート、アクリル系ポリオール等を
例示することができる。また、ポリイソシアネート成分
としては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等を
例示することができる。さらに、鎖長延長剤あるいは架
橋剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチルトリアミ
ン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水等
を例示することができる。
【0034】本発明でコアシェル構造の粒子のシェル部
を構成するポリアクリル(アクリル系樹脂)は、それを
構成する成分として、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル、グリシジルメタクリレート、アクリ
ルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド等を例示すること
ができる。これらのモノマーは、例えばスチレン、アク
リルニトリル、メタクリルニトリル、ジビニルベンゼン
等の他の不飽和単量体と併用することもできる。
【0035】コア部とシェル部のポリマの特に好ましい
組合わせとしては、コア部ポリマとして弗化アクリレー
ト重合体または弗化ポリエステル樹脂、シェル部ポリマ
としてポリエステル樹脂を用いる組合わせが挙げられ
る。
【0036】コアシェル構造の粒子が2層で構成される
場合、そのコア/シェル重量比は自由に選択しうるが、
好ましくは1/100〜10/1、更に好ましくは1/
5〜8/1である。コア/シェル比が1/100より小
さくなると、特に易滑性に寄与するコア部が少なくな
り、易滑性が著しく悪化するので好ましくない。またコ
ア/シェル比が10/1より大きくなると、基材フィル
ム、または層形成の樹脂との親和性が著しく低下し、削
れ性が悪化するので好ましくない。
【0037】コアシェル構造の粒子の形状としては、球
形、楕円形、長方体形、立方体形等のいずれであっても
よいが、特には球形粒子が好ましい。また、平均粒径は
5〜300nm、より好ましくは50〜200nmの範
囲にあることが好ましい。平均粒径が300nmを超え
ると、磁気テープとしたときの磁性層との接着性が低下
するので好ましくない。平均粒径が5nm未満について
は、粒子製造が困難になるので好ましくない。
【0038】本発明におけるコアシェル構造の粒子の製
造方法は特に限定されるものではないが、例えば、通常
の重合法を用いて容易に製造することができる。まず粒
子のコア部を構成するポリマの原料モノマ、乳化剤、重
合開始剤および水媒体の系で第一段の乳化重合を行い、
重合が実質的に終了した時点で、シェル部を構成するポ
リマの原料モノマ、重合開始剤を添加し、第二段の重合
を行う。
【0039】本発明におけるコアシェル構造の粒子のフ
イルム基材への塗布においては、耐削れ性の観点から塗
剤中に他の無機粒子を含有させない方が好ましいが、本
発明の効果を阻害しない範囲であれば少量添加してもか
まわない。
【0040】本発明では、コアシェル構造の粒子に起因
する皮膜との密着性、及び磁気テープとする場合の磁性
層との接着性を向上させるために、コアシェル構造の粒
子と水溶性及び/又は水分散性の共重合ポリエステルか
ら構成されるのが好ましい。
【0041】この共重合ポリエステルとしては、さら
に、芳香族ジカルボン酸成分が全酸成分当り40〜90
モル%であり、かつスルホン酸金属塩基含有化合物が全
ジカルボン酸成分当り0.01モル%以上10モル%未
満の割合で共重合された水分散性ポリエステルが、帯電
性、削れ性、接着性、コアシェル構造の粒子に起因する
皮膜との密着性の観点で好ましい。該芳香族ジカルボン
酸成分が全酸成分当り40モル%未満であると、フィル
ムの削れ性が増大するので好ましくなく、一方90モル
%を超えると水分散性ポリエステルを水分散化する工程
において該水分散性ポリエステルが親水性溶媒に溶解し
にくなり、水分散化が困難となるため好ましくない。ま
た、スルホン酸金属塩基含有化合物の割合が全ジカルボ
ン酸成分当り0.01モル%未満であると、ポリエステ
ル樹脂の水分散性や塗液の安定性が非常に悪くなり、一
方10モル%以上であるとフイルムの帯電性が強くな
り、低帯電性の目的を達成することができないので好ま
しくない。該化合物の共重合割合は、0.04〜5.0
モル%が好ましい。
【0042】このスルホン酸金属塩基含有化合物として
は、スルホン酸塩基(例えば、Naスルホネート、Li
スルホネート、Kスルホネート、アンモニウムスルホネ
ート、ポリアルキルホスフィンスルホネート等)を有す
るジカルボン酸、例えば5−Naスルホイソフタル酸、
5−Kスルホイソフタル酸、5−Naスルホテレフタル
酸、5−Kスルホテレフタル酸等を好ましく挙げること
ができる。
【0043】前記共重合ポリエステルを構成する主たる
酸成分である芳香族ジカルボン酸としては、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカ
ルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、トリメリット酸等を好ましく挙げるこ
とができる。
【0044】また、共重合ポリエステルを構成する主た
るグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールプロピオン
酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ビスフェノ
ールAのアルキレンオキシド付加物等を好ましく例示す
ることができる。これらは2種以上を用いることができ
る。
【0045】コアシェル構造の粒子と共重合ポリエステ
ルの重量比は、コアシェル構造の粒子/共重合ポリエス
テルで1/100〜2/1、さらには1/100〜1/
1であることが好ましい。
【0046】本発明における樹脂組成物には、積層時の
濡れ性を良好なものとするために、界面活性剤を配合す
ることができる。かかる界面活性剤としては、ノニオン
系界面活性剤、カチオン系界面活性剤。アニオン系界面
活性剤等を挙げることができる。
【0047】界面活性剤を含有する場合の含有量は、共
重合ポリエステル/界面活性剤の重量比で1/90〜5
/9、好ましくは1/90〜3/9である。
【0048】本発明における積層する樹脂組成物塗剤の
固形分濃度は、0.5〜30重量%、好ましくは0.5
〜10重量%である。この割合が0.5重量%未満にな
るとポリエステルフィルムへの濡れ性が不足し、また3
0重量%を超えると塗布外観が悪化するので好ましくな
い。
【0049】本発明における樹脂組成物を用いた層(乾
燥塗膜)の厚さは任意であるが、0.005μmから
0.1μmであることが好ましい。この厚みが0.00
5μm未満だと、課題とする易滑性が低下し、また磁気
テープにする場合の磁性層との接着性が不足し、一方厚
みが0.1μmより厚いと組成物層が削れ易くなり、削
れ性が悪化するので好ましくない。
【0050】本発明においては、二軸配向ポリエステル
フィルムの樹脂組成物を用いた塗布層の表面は、中心面
平均粗さWRaが0.001〜0.015μm、更に
0.002〜0.010μmである表面粗さを有するよ
うにするのが好ましい。この中心線平均粗さが0.00
1μm未満であると加工工程でのハンドリング性が悪化
し、一方0.015μmより大であると電磁変換特性が
低下するので好ましくない。
【0051】本発明においては、樹脂組成物を用いた塗
布層は未延伸ポリエステルフイルム、一軸延伸ポリエス
テルフイルムあるいは二軸延伸ポリエステルフイルムの
少なくとも片面に塗布液を塗布し、乾燥し、そして所望
により二軸配向フィルムとする処理を施すことで設けら
れる。この場合、塗布するフィルムとしては、配向結晶
が完了する前が好ましく、よって縦方向に延伸した一軸
延伸フイルムに塗布することが好ましい。
【0052】本発明においては、コアシェル構造の粒子
に起因する微細な皮膜部を、塗布層の表面に均一に分散
させて形成させるために、ポリエステルフィルムに樹脂
組成物塗剤を塗布した後、乾燥し、好ましくは延伸、熱
固定を行うが、この乾燥は90〜130℃で1〜30秒
間行うのが好ましい。この乾燥が90℃未満、1秒未満
の場合、本発明が目的とする皮膜を形成することができ
ず、削れ性が悪化するので好ましくない。また、乾燥が
130℃、30秒を超えると、フィルムの延伸性が著し
く低下するので好ましくない。
【0053】本発明における樹脂組成物塗剤の塗布方法
は、公知の任意の塗布方法が適用できる。例えば、ロー
ルコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコー
ト法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレ
ーコート法等を単独、または組み合わせて適用すること
ができる。
【0054】本発明における複合ポリエステルフィルム
は、従来から知られている、あるいは当業界に蓄積され
ている方法に準じて製造することが出来る。例えば、公
知の押出機を用いて、滑剤を含有する又は含有しないポ
リエステルを、該ポリエステルの融点Tm℃〜(Tm+
70)℃の温度で、口金よりシート状に押出した後、4
0〜90℃で冷却固化し未延伸フィルムを得る。しかる
後に、該未延伸フィルムを常法に従って一軸方向(縦方
向又は横方向に)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃
付近の温度(但し、Tg:該ポリエステルのガラス転移
温度)で2.5〜8.0倍の倍率、好ましくは3.0〜
7.5倍の倍率で延伸し、次いで上述の方法で積層する
樹脂組成物塗剤を塗布し、塗膜を乾燥させて所定の塗布
層を設けた後、前記方向とは直角方向にTg〜(Tg+
70)℃付近の温度で2.5倍〜8.0倍の倍率で、好
ましくは3.0〜7.5倍の倍率で延伸する。更に必要
に応じて縦方向及び/又は横方向に再度延伸しても良
い。即ち、二段、三段、四段、あるいは多段の延伸を行
うとよい。全延伸倍率は、面積延伸倍率として通常9倍
以上、好ましくは12〜35倍、更に好ましくは15〜
26倍である。更に引き続いて、該二軸配向フィルムは
(Tg+70)〜(Tm−10)℃の温度、例えば18
0〜250℃で熱固定することによって優れた寸法安定
性を付与される。尚、熱固定時間は1〜60秒が好まし
い。
【0055】かかる方法により、本発明の要件を満たす
複合ポリエステルフィルムを得ることができる。
【0056】なお、フィルムの製造に際し、ポリエステ
ルに所望により滑剤以外の添加剤例えば安定剤、着色
剤、溶融ポリマーの固有電気抵抗調整剤等を添加含有さ
せることができる。
【0057】かくして得られた複合ポリエステルフィル
ムは、フィルム表面が平坦であるにもかかわらず易滑
性、走行性に優れ、さらに耐削れ性、接着性特に磁性層
への接着性に優れたものである。
【0058】本発明の複合ポリエステルフィルムは、上
述の特性を有することから、磁気記録媒体、特に記録方
式がデジタルである磁気記録媒体のベースとして有用で
ある。
【0059】本発明の複合ポリエステルフィルムが好ま
しく用いられる磁気記録媒体としては、特に限定される
ものではないが、以下を例示できる。
【0060】複合ポリエステルフィルムの塗布層表面
に、鉄又は鉄を主成分とする針状微細磁性粉を塩化ビニ
ール、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合体等のバイン
ダーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ましく
は0.1〜1.0μmとなるように塗布し、更に磁性層
塗布面のもう一方側の表面に、公知の方法でバックコー
ト層を設ける高密度記録用メタル塗布型磁気記録媒体。
また、必要に応じて、該メタル粉含有磁性層の下地層と
して微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性
層と同様の有機バインダー中に分散、塗設することも出
来る。このメタル塗布型磁気記録媒体は、具体的にはア
ナログ信号記録用8ミリビデオ、Hi8、βカムSP、
WーVHS、ディジタル信号記録用ディジタルビデオカ
ッセットレコーダー(DVC)、データ8ミリ、DDS
IV、ディジタルβカム、D2、D3、SX等のテープ媒
体である。
【0061】更に、複合ポリエステルフィルムの塗布層
表面に、酸化鉄又は酸化クロム等の針状微細磁性粉、又
はバリウムフェライト等の板状微細磁性粉を塩化ビニー
ル、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合体等のバインダ
ーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ましくは
0.1〜1.0μmとなるように塗布し、更に磁性層塗
布面の反対面側表面に、公知の方法でバックコート層を
設けることにより、特に短波長領域での出力、S/N,
C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラ
ーレートの少ない高密度記録用酸化物塗布型磁気記録媒
体が例示できる。また必要に応じて、該酸化物磁性粉含
有磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子等を含有
する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分
散、塗設することも出来る。具体的には、ディジタル信
号記録用データストリーマー用QIC、DLT等の高密
度酸化物磁気記録媒体である。
【0062】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に説明す
る。尚、各特性値は下記の方法で測定、評価した。
【0063】1.接着性 複合ポリエステルフイルム(塗布層表面)に下記評価用
塗料をマイヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになるよ
うに塗布し、100℃で3分間乾燥する。その後60℃
で24時間エージングし、次いでスコッチテープNo.
600(3M社製)幅12.7mm、長さ15cmを気
泡の入らないように粘着し、この上をJIS C270
1(1975)記載の手動式荷重ロールでならし、密着
させ、テープ幅に切り出す。これの180度剥離したと
きの剥離強度を測定し下記の基準で評価する。 ○:50g以上 △:30g以上50g未満 ×:30g未満
【0064】(評価用塗料)固形分換算で ウレタン樹脂 ニッポラン2304(日本ポリウレタン製) 25重量部 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA(積水化学製) 50重量部 分散剤 レシオンP(理研ビタミン製) 1重量部 磁性剤 CTX−860(戸田化学製) 500重量部 をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグラインダーで
2時間分散する。その後、架橋剤のコロネートL25重
量部(固形分換算)を添加し、よく撹拌して磁性塗料を
得る。
【0065】2.ヤング率 フイルムを試料幅10mm、長さ150mmに切り、チ
ャック間100mmにして、引張速度10mm/分、チ
ャート速度500mm/分でインストロンタイプの万能
引張試験装置にて試験を行う。得られる荷重−伸び曲線
の立ち上がり部の接線よりヤング率を算出する。
【0066】3.中心面平均粗さWRa WYKO社製非接触三次元粗さ計(TOPOー3D)を
用いて、測定倍率40倍、測定面積242μm×239
μm(0.058mm2)の条件にて測定を行い、同粗
さ計内蔵ソフトによる表面解析より、Raは下記式
(1)により計算されアウトプットされた値を用いる。
【0067】
【数1】
【0068】また、Zjkは測定方向(242μm)、そ
れと直行する方向(239μm)をそれぞれM分割、N
分割した時の各方向のj番目、k番目の位置に於ける3
次元粗さチャート上の高さで定義される。
【0069】4.粒子の平均粒径 島津製作所製CPー50型セントリフューガル パーテ
ィクル サイズ アナライザー(Centrifuga
l Particle Size Analizer)
を用いて測定する。得られた遠心沈降曲線を基に算出し
た各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マ
スパーセントに相当する粒径「等価球直径」を読み取
り、この値を上記平均粒径とする(「Book粒度測定技
術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242〜24
7参照)。
【0070】5.固有粘度 オルソクロロフェノール溶媒中35℃で測定した値から
求める。
【0071】6.削れ性 図1に示した装置を用いて、下記のようにして測定す
る。
【0072】図中、1は巻き出しリール、2はテンショ
ンコントローラー、3,5,6,8、9および11はフ
リーローラー、4はテンション検出機(入口)、7は固
定棒、10はテンション検出機(出口)、12はガイド
ローラー、13は巻き取りリールをそれぞれ示す。
【0073】温度25℃、湿度60%の環境で、幅1/
2インチに裁断したフィルムを7の固定棒に角度θ=6
0°で接触させて、毎分200mの速さで入り口張力が
50gとなるようにして200m走行させる。走行後に
固定棒7に付着した削れ粉を評価する。
【0074】このとき、固定棒として、SUS 304
製で表面を十分に仕上げた6Φのテープガイド(表面粗
さRa=0.015μm)を使用。
【0075】削れ粉の判定は下記通りで実施する。 ◎:削れ粉が全くみられない ○:うっすらと削れ粉が見られる △:削れ粉の存在が一見してわかる ×:削れ粉がひどく付着している
【0076】7.フィルム摩擦係数 重ね合わせた2枚のフィルムの下側に固定したガラス版
をおき、重ね合わせたフィルムの下側(ガラスと接触し
ているフィルム)のフィルムを定速ロールにて引き取り
(10cm/分)、上側のフィルムの一端(下側フィル
ムの引き取り方向と逆側)に検出器を固定してフィルム
/フィルム間の引き張力(F)を検出する。尚、その時
に用いる上側のフィルムの上に乗せてあるスレッドは、
下側面積が50cm2(80mm×62.5mm)であ
り、フィルムに接する面は80°のネオプレンゴムであ
り、その重さ(W)は1.2kgとする。静摩擦係数は
下記式で算出される。
【0077】
【数2】μs=F(g)/W(g)
【0078】8.エラーレート メデイアロジック(株)製ML4500B、QIC用シ
ステムを用いて、下記条件にてエラーレートを測定す
る。 Current:15.4mA Frequency:0.25Mhz Location:0 Threshold:40.0 Bad/Good/Max=1:1:1 測定トラック数:28
【0079】尚、エラーレート測定は30回行い、測定
したトラック数の平均値(個/トラック)で下記通り比
較する。 基準サンプルと同等かそれよりエラーレート 数が少ない :○ 基準サンプルよりエラーレートが多く2倍 未満のエラーレートが発生 :△ 基準サンプルの2倍以上のエラーレートが発生 :×
【0080】9.電磁変換特性 エラーレートと同様、メデイアロジック(株)製ML4
500B、QIC用システムを用いて電磁変換特性(出
力特性)を測定し、下記通りで比較する。 基準サンプルに対し高い出力特性がある。+0.5dB< :◎ 基準サンプルと同等。 ±0.5dB :○ 基準サンプルより劣る。 −0.5dB> :×
【0081】10.磁気テープの製造 実施例中の磁気テープは下記手法にて作成する。磁性塗
料は下記に示す組成物をボールミルに入れ、16時間混
練、分散した後、イソシアネート化合物(バイエル社製
のデスモジュール)5重量部を加え、1時間高速せん断
分散して磁性塗料とする。
【0082】 磁性塗料の組成 針状Fe 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15重量部 (積水化学製エレックス7) 熱可塑性ポリウレタン樹脂 5重量部 酸化クロム 5重量部 カーボンブラック 5重量部 レシチン 2重量部 脂肪酸エステル 1重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 シクロヘキサノン 50重量部 この磁性層塗料をフィルムの片面に塗布厚2μmとなる
ように塗布し、次いで2500ガウスの直流磁場中で配
向処理をおこない、100℃で加熱乾燥後、スーパーカ
レンダー処理(線圧200kg/cm、温度80℃)を
行い、巻き取ったロールを55℃のオーブン中に3日間
放置する。
【0083】さらに、下記組成のバックコート層塗料を
厚さ1μmに塗布し、乾燥させ、さらに6.35mm
(1/4インチ)に裁断し、磁気テープを得る。 バックコート層塗料の組成 カーボンブラック 100重量部 熱可塑性ポリウレタン樹脂 60重量部 イソシアネート化合物 18重量部 (日本ポリウレタン工業社製コロネートL) シリコーンオイル 0.5重量部 メチルエチルケトン 250重量部 トルエン 50重量部
【0084】11.ガラス転移点(Tg) パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定する。DSCの測定条件は次の通りであ
る。すなわち、試料10mgを装置にセットし、300
℃の温度で10分間溶融した後、液体窒素中に急冷す
る。この試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点(T
g)を検出する。
【0085】[実施例1]ジメチルテレフタレートとエ
チレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マ
ンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤
として亜燐酸を、更に滑剤として表1に示す不活性粒子
を添加して常法により重合し、固有粘度0.60のポリ
エチレンテレフタレート(樹脂A)を得た。
【0086】この樹脂Aをそれぞれ170℃で3時間乾
燥後、押し出し機に供給し、溶融温度280〜300℃
にて溶融し、押し出し機からシート状の押し出し、急冷
して厚さ100μmの未延伸積層フィルムを得た。
【0087】この様にして得られた未延伸フィルムを8
0℃にて予熱し、更に低速・高速のロール間で、15m
m上方より700℃の表面温度のIRヒーターにて加熱
して2.3倍に延伸し、急冷し、一軸延伸フィルムを得
た。
【0088】この一軸延伸フィルムの片面にコア部(T
g=30℃)がポリ弗化メタクリル酸メチル、シェル部
(Tg=50℃)がメタクリル酸メチル(40mol
%)、アクリル酸エチル(45mol%)、及びメタク
リルアミド(5mol%)よりなるコアシェル粒子(平
均粒径150nm、コア/シェル重量比=1/1)の水
分散体10%、及び分子量約23000のポリエステル
共重合体(酸成分:2,6−ナフタレンジカルボン酸成
分(40mol%)、イソフタル酸(56mol%)、
5−Naスルホイソフタル酸(4mol%)。グリコー
ル成分:エチレングリコール(70mol%)、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド4モル付加体(30
mol%)。)75%と、界面活性剤(ポリエチレンオ
キシド・モノアルキルエーテル)15%の構成からなる
2重量%水溶液を乾燥後の塗布層厚みが0.02μmに
なるように、マイクログラビア法で塗布した。
【0089】次いでこの縦延伸フィルムをステンターに
供給し、90℃で予熱し、110℃にて横方向に3.6
倍に延伸した。さらに引き続いて、110℃にて予熱
し、低速、高速のロール間で2.0倍に縦方向に延伸
し、得られた二軸延伸フィルムを220℃の熱風で5秒
間熱固定し、厚み6μmの複合ポリエステルフィルムを
得た。このフィルムのヤング率は縦方向800kg/m
2、横方向450kg/mm2であった。
【0090】[実施例2]実施例1におけるたポリエス
テル中の粒子を表1のように変更し、かつ実施例1で用
いたシェル部分の構造をスルホイソフタル酸ソーダ変性
ポリエステルに変更する以外は、実施例1と同様の方法
で複合ポリエステルフィルムを得た。
【0091】表1から明らかなように、実施例1と同様
に良好な特性を示した。
【0092】[実施例3]実施例1におけるポリエステ
ル中の粒子を表1のように変更し、かつシェル部の構造
をフェニレンジイソシアネート/ポリカーボネート系ウ
レタンに変更する以外は実施例1と同様にして複合ポリ
エステルフィルムを得た。
【0093】表1から明らかなように、実施例1と同様
に良好な特性を示した。
【0094】[比較例1]ポリエステル中の粒子は実施
例3と同じの粒子とし、かつ樹脂組成物の層を塗布しな
い以外は、実施例3と同様にして二軸配向ポリエステル
フィルムを得た。
【0095】表1から明らかなように、樹脂組成物の層
を有していないため、摩擦係数が高く、また、磁性層と
の接着性も悪い。
【0096】[比較例2]ポリエステル中の粒子は実施
例3と同じ粒子とし、かつ実施例1で用いたコアシェル
粒子の代わりに炭素数10のペルフルオロアルキル基含
有弗素化合物粒子(平均粒径150nm)を用いる以外
は、実施例1と同様にして複合ポリエステルフィルムを
得た。
【0097】表1から明らかなように、弗素含有粒子の
組成物及び基材フィルムとの親和性が悪いため、削れ
性、磁性層との接着性、エラーレートが悪い結果であ
る。
【0098】[比較例3]ポリエステル中の粒子は実施
例3と同じの粒子とし、かつ実施例1で使用したコアシ
ェル粒子の代わりにシェル部がコア部より軟質なコアシ
ェル粒子(シェル部:熱可塑性アクリル、Tg=5℃、
コア部:架橋性アクリル、Tg=90℃。粒径150n
m、コア/シェル重量比=1/1。)を使用する以外
は、実施例1と同様にして複合ポリエステルフィルムを
得た。
【0099】表1から明らかなように、削れ性、エラー
レートが悪く、弗素を含有していないため、十分な滑り
性も得られていない。
【0100】[比較例4]ポリエステル中の粒子は実施
例3と同じ粒子とし、かつ実施例1で使用したコアシェ
ル粒子のコア部を構成しているポリ弗化メタクリル酸メ
チルの代わりに弗素を含有しないポリメタクリル酸メチ
ルを用いたコアシェル粒子を用いる以外は、実施例1と
同様にして複合ポリエステルフィルムを得た。
【0101】表1から明らかなように、弗素を含有しな
いために滑り性が著しく悪化している。
【0102】[比較例5]ポリエステル中の粒子を表1
の通りとし、他は実施例1と同様にして複合ポリエステ
ルフィルムを得た。
【0103】表1から明らかなように、適切な粒子をし
ようしていないため、削れ性、エラーレート、電磁変換
特性が悪化した。
【0104】
【表1】
【0105】
【発明の効果】本発明の複合ポリエステルフィルムは、
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、コア部が弗
素を含有したポリマからなり、シェル部がポリエステ
ル、ポリウレタン、及びポリアクリルの群から選ばれた
少なくとも一種の樹脂からなり、かつシェル部がコア部
より軟質なコアシェル粒子を含有する樹脂組成物を用い
た層を積層していることにから、易滑性、耐削れ性、及
び接着性に優れ、磁気記録材料、各種写真材料、電気絶
縁材料、一般工業材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルム削れ性を測定装置の説明図である。
【符号の説明】
1:巻き出しリール 2:テンションコントローラー 4:テンション検出機(入口) 7:固定棒 10:テンション検出機(出口) 12:ガイドローラー 13:巻き取りリール

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸配向ポリエステルフィルムの少なく
    とも片面に、コア部が弗素を含有したポリマから成り、
    シェル部がポリエステル、ポリウレタン及びポリアクリ
    ルの群から選ばれた少なくとも一種の樹脂から成り、か
    つシェル部よりコア部が軟質なコアシェル構造の粒子を
    含有する樹脂組成物を用いた塗布層が積層されているこ
    とを特徴とする複合ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 コアシェル構造の粒子のコア部を構成す
    るフッ素含有ポリマが弗化アクリレートの重合体である
    請求項1に記載の複合ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 コアシェル構造の粒子のシェル部を構成
    する樹脂がポリエステルである請求項1に記載の複合ポ
    リエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 コアシェル構造の粒子のコア部/シェル
    部の重量比が1/100〜10/1である請求項1に記
    載の複合ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 樹脂組成物がコアシェル構造の粒子と水
    溶性及び/又は水分散性の共重合ポリエステルからなる
    請求項1に記載の複合ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 コアシェル構造の粒子の平均粒径が5〜
    300nmであり、かつこの粒子とバインダー樹脂の重
    量比が1:100〜2:1である請求項1に記載の複合
    ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 塗布層の平均粗さWRaが1〜15nm
    である請求項1に記載の複合ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 ポリエステルフィルムが、平均粒径0.
    1〜1.5μmの耐熱性高分子からなる粒子を0.00
    1〜2.0重量%、そして該耐熱性高分子の粒子より粒
    径が小さくかつ平均粒径が0.01〜0.5μmの不活
    性無機粒子を0.1〜1.0重量%含有する請求項1に
    記載の複合ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 二軸配向ポリエステルフィルムがエチレ
    ンテレフタレートまたはエチレンー2.6−ナフタレー
    ト構成成分を主要構成成分とするポリマから成る請求項
    1又は7に記載の複合ポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】 磁気記録媒体のベースフイルムに用い
    る請求項1又は8に記載の複合ポリエステルフィルム。
  11. 【請求項11】 記録方式がデジタルである磁気記録媒
    体のベースフィルムに用いられる請求項10に記載の複
    合ポリエステルフィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020057572A (ko) * 2001-01-05 2002-07-11 장용균 이축배향 폴리에스테르 필름

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