JPH11291173A - 研削工具およびその製造方法 - Google Patents

研削工具およびその製造方法

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JPH11291173A
JPH11291173A JP11280098A JP11280098A JPH11291173A JP H11291173 A JPH11291173 A JP H11291173A JP 11280098 A JP11280098 A JP 11280098A JP 11280098 A JP11280098 A JP 11280098A JP H11291173 A JPH11291173 A JP H11291173A
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JP
Japan
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grinding tool
abrasive grains
base
manufacturing
grinding
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Application number
JP11280098A
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English (en)
Inventor
Satoshi Hiyama
聡 檜山
Tsutomu Sato
勉 佐藤
Tsuneo Hiraide
恒男 平出
Shotaro Miyake
正太郎 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】砥粒の接着強度が高く、また、砥粒を高い集中
度で配設することができる研削工具およびその製造方法
を提供すること。 【解決手段】本発明の研削工具1は、基部2と、該基部
2の先端部に接合され、被加工物を研削または切削する
砥石部3とで構成されている。基部2は、第1の金属粉
末を放電プラズマ焼結してなる金属焼結体で構成されて
いる。砥石部3は、第2の金属粉末を放電プラズマ焼結
により前記基部2と同時焼結してなる金属焼結体であっ
て、該金属焼結体中にダイヤモンド砥粒のような砥粒4
が分散して埋入されたものである。前記第1の金属粉末
と前記第2の金属粉末とは、その金属組成が同一または
類似のものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば微細な溝形
状や非球面形状のような曲面形状を研削加工、切削加工
等するのに用いられる研削工具およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、回折レンズや回折格子は、例え
ば、予め精密加工された型を用いたガラスモールドによ
り製造される場合がある。この場合、この型は、無電解
Niメッキやアルミニウムの真空蒸着によって金属薄膜
形成のなされた樹脂等の基材に対して切削加工またはバ
ニシングを施すことによって得られている。
【0003】図11は、従来の切削加工によって回折レ
ンズ型を製造する例を示している。この例において、回
折レンズ型の元になる基材50は、図示しないスピンド
ルモータにより軸54回りに回転している。そして、基
材50の被加工面に単結晶ダイヤモンドバイト51が当
て付けられて、この被加工面をなす物質が単結晶ダイヤ
モンドバイト51によって切削、除去される。その結
果、基材50の被加工面上に、微細な溝形状が形成され
るのである。
【0004】また、図12は、従来のバニシングによっ
て回折格子型を製造する例を示している。この例におい
て、回折格子型の元になる基材52は、図示しないスラ
イドテーブルにより紙面に直交する方向へ進退移動す
る。そして、2つの円錐をそれらの底面同士で接合した
形状に研磨された成形ダイヤモンド工具53が、基材5
2の表面に押し付けられ、成形ダイヤモンド工具53が
回転されて、その形状が基材52の表面に転写される。
その結果、基材52の被加工面上に、微細な溝が形成さ
れるのである。
【0005】また、これら回折レンズや回折格子は、直
接、樹脂ブロックをダイヤモンドバイト51によって切
削するか成形ダイヤモンド工具53によってバニシング
することによって製造される場合もある。
【0006】しかしながら、従来の加工法によると、前
記ダイヤモンドバイト51を用いた切削加工の場合であ
っても、前記成形ダイヤモンド工具53を用いたバニシ
ングの場合であっても、同一の工具の同一の作用切刃が
常時被加工面に接触して加工を行うので、作用切刃にか
かる負担が大きく、この作用切刃が摩耗し易い。このた
め、従来の加工法によると、被加工材料の種類が銅、ア
ルミニウム、無電解Niメッキ、樹脂等の比較的柔らか
い材料に限られてしまい、光学ガラス、超硬セラミック
ス、鉄鋼材、超硬合金等の比較的硬い材料を加工するの
は非常に困難であった。
【0007】一方、非球面レンズも、ガラスモールド法
によって製造される場合がある。この場合、それを製造
するための型(非球面金型)は、型の元となる基材の表
面に対し、円柱型砥石(研削工具)を高速回転しつつ4
5°の角度で当て付け、そのエッジ部近傍が基材の表面
を削り取ることによって製造されている。この円柱型砥
石としては、レジンボンド砥石、電着砥石等が用いられ
ている。
【0008】ここで、レジンボンド砥石とは、例えばダ
イヤモンド砥粒を混入したボンド材(樹脂結合材)を円
柱状の砥石基材の周囲に固着したものである。また、電
着砥石とは、例えばダイヤモンド砥粒を金属メッキ層に
よって砥石基材の先端部近傍に固定したものである。
【0009】しかしながら、これらの円柱型砥石(レジ
ンボンド砥石、電着砥石等)は、ダイヤモンド砥粒の接
着強度や集中度に限界があることから、被加工物の加工
時に、エッジ部においてダイヤモンド砥粒が容易に脱落
したり、摩耗したりしてしまい、被加工物の形状や面精
度が不安定となるという欠点がある。そのために、超精
密加工には用いることができなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、砥粒の接着強
度が高く、また、砥粒を高い集中度(配設密度)で配設
することができる研削工具およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(18)の本発明により達成される。
【0012】(1) 被加工物を研削または切削する砥
石部を有する研削工具を製造するに際し、砥粒と金属粉
末との混合物を型内に充填し、これを焼結して、金属焼
結体中に前記砥粒が埋入された砥石部を製造することを
特徴とする研削工具の製造方法。
【0013】(2) 被加工物を研削または切削する砥
石部を有する研削工具を製造するに際し、砥粒と金属粉
末との混合物を型内に充填し、これを前記型内で加圧
し、焼結して、金属焼結体中に前記砥粒が埋入された砥
石部を製造することを特徴とする研削工具の製造方法。
【0014】(3) 基部と、該基部の端部に接合さ
れ、被加工物を研削または切削する砥石部とを有する研
削工具を製造するに際し、少なくとも第1の金属粉末を
含む基部形成材料と、少なくとも砥粒を含む砥石部形成
材料とを型内に充填し、これらを焼結して、前記基部と
前記砥石部との接合体を製造することを特徴とする研削
工具の製造方法。
【0015】(4) 基部と、該基部の端部に接合さ
れ、被加工物を研削または切削する砥石部とを有する研
削工具を製造するに際し、少なくとも第1の金属粉末を
含む基部形成材料を型内で加圧した後、少なくとも砥粒
を含む砥石部形成材料を前記型内に充填し、これらを焼
結して、前記基部と前記砥石部との接合体を製造するこ
とを特徴とする研削工具の製造方法。
【0016】(5) 前記基部形成材料と前記砥石部形
成材料とを加圧しつつ焼結を行う上記(3)または
(4)に記載の研削工具の製造方法。
【0017】(6) 前記砥石部形成材料は、砥粒と結
合材との混合物で構成される上記(3)ないし(5)の
いずれかに記載の研削工具の製造方法。
【0018】(7) 前記結合材は、第2の金属粉末で
ある上記(6)に記載の研削工具の製造方法。
【0019】(8) 前記第1の金属粉末と前記第2の
金属粉末とは、その組成が同一または類似するものであ
る上記(7)に記載の研削工具の製造方法。
【0020】(9) 前記砥石部形成材料は、砥石で構
成され、基部形成材料の溶融・固化により砥石同士が結
合される上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の研
削工具の製造方法。
【0021】(10) 前記焼結は、放電プラズマ焼結で
ある上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の研削工
具の製造方法。
【0022】(11) 前記砥粒は、ダイヤモンド砥粒で
ある上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の研削工
具の製造方法。
【0023】(12) 前記砥粒の粒度が1〜1000μ
m である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の研
削工具の製造方法。
【0024】(13) 基部と、該基部の端部に接合さ
れ、被加工物を研削または切削する砥石部とを有する研
削工具であって、前記砥石部は、金属材料中に砥粒が分
散して埋入されたものであることを特徴とする研削工
具。
【0025】(14) 前記基部は、金属焼結体である上
記(13)に記載の研削工具。
【0026】(15) 前記砥石部は、前記基部と同時焼
結して得られたものである上記(13)または(14)に記
載の研削工具。
【0027】(16) 前記砥石部は、前記砥石同士が溶
融・固化した前記基部の材料により結合されている上記
(13)または(14)に記載の研削工具。
【0028】(17) 前記砥石部における前記砥粒の集
中度が160以上である上記(13)ないし(16)のいず
れかに記載の研削工具。
【0029】(18) 前記砥粒は、ダイヤモンド砥粒で
ある上記(13)ないし(17)のいずれかに記載の研削工
具。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の研削工具およびそ
の製造方法を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0031】図1は、本発明の研削工具の実施例を示す
斜視図である。同図に示すように、本発明の研削工具1
は、基部(基台)2と、該基部2の先端部に接合され、
被加工物を研削または切削する砥石部3とで構成され、
全体として円柱形状をなしている。
【0032】基部2は、金属材料で構成されており、好
ましくは、金属粉末(第1の金属粉末)を焼結してなる
金属焼結体で構成されている。この場合、金属焼結体
は、例えばホットプレス、熱間静水圧プレス(HIP)
等の任意の焼結法により製造されるものであればよい
が、後述する放電プラズマ焼結によるものであるのが好
ましい。
【0033】基部2を構成する金属組成としては、例え
ば、鉄または鉄系合金(例えばステンレス鋼)、銅また
は銅系合金、チタンまたはチタン系合金、またはこれら
の混合体等が挙げられる。
【0034】砥石部3は、金属焼結体中(または、基部
2が溶融・固化した金属材料中)に砥粒4が分散して埋
入されたものである。この砥石部3の金属焼結体も、前
記と同様、後述する放電プラズマ焼結によるものである
のが好ましく、特に、基部2と同時焼結されたものであ
るのが好ましい。
【0035】砥石部3を構成する金属組成としては、例
えば、鉄または鉄系合金(例えばステンレス鋼)、銅ま
たは銅系合金、チタンまたはチタン系合金、またはこれ
らの混合体等が挙げられる。この場合、砥石部3の金属
組成は、基部2の金属組成と同一または類似であるのが
好ましい。これにより、基部2と砥石部3との結合力が
より高まる。なお、ここで「類似」とは、金属組成中の
主成分(主金属)が一致していることを言う。
【0036】砥粒4の組成は、特に限定されないが、天
然または人造のダイヤモンドで構成されたダイヤモンド
砥粒であるのが好ましい。
【0037】砥粒4の粒度(平均粒径)は、特に限定さ
れないが、後述する型5内への充填性を考慮して、1〜
1000μm 程度であるのが好ましく、20〜300μ
m 程度であるのがより好ましい。
【0038】このような砥粒4は、砥石部3の少なくと
も周方向に均一に分散されているのが好ましい。
【0039】本発明では、砥粒4の集中度(コンセント
レーション)を高めることができる。すなわち、砥粒4
の砥石部3における集中度は、160以上であるのが好
ましく、160〜400程度であるのがより好ましく、
200〜300程度であるのがさらに好ましい。
【0040】砥粒4のこのような高い集中度とすること
により、より微細で精密な加工が可能となるとともに、
耐久性が向上する。
【0041】ここで集中度の定義について説明する。集
中度は砥粒率が示す数値で、砥粒層(砥石部3)1cm3
あたり4.4カラット(0.88g)のダイヤモンド砥
粒が分散しているときを、集中度100とする。例え
ば、集中度150とは、砥粒の含有度が1320mg/cm3
=6.6ct/cm3である。集中度は、研削工具の寿命、研
削能率などの性能に大きく影響を及ぼす。集中度が増せ
ば、砥石部3の摩耗は減る。しかし、集中度が大きくな
りすぎると、研削焼け、びびり振動などを発生すること
がある。
【0042】次に、本発明の研削工具を放電プラズマ焼
結により製造した場合の製造方法の一例について説明す
る。図2〜図9は、それぞれ、本発明の研削工具の製造
方法における製造工程を模式的に示す縦断面図、図10
は、放電プラズマ焼結装置の全体構造の概略を示す図で
ある。以下、これらの図に基づいて各工程を説明する。
【0043】[1] 図2に示すように、例えばカーボ
ン製の導電性を有する型5を用意し、その内面にカーボ
ンペーパ6を設置するとともに、型5の下部に、例えば
金属製の下型(台座)7を装着する。
【0044】カーボンペーパ6の設置により、後述する
上型(押し型)8、上パンチ(押圧子)10、下パンチ
(押圧子)9の摺動性の向上や、得られた焼結体の離型
性の向上、型材料との反応抑制を図ることができる。
【0045】本実施例では、型5の内部空間の形状は、
円柱状であり、その寸法は、例えば内径10mmφ×高さ
20mmとされる。
【0046】[2] 図3に示すように、型5内に、基
部2を形成するための基部形成材料20を入れる(充填
する)。
【0047】基部形成材料20は、前述したような金属
組成の金属粉末(第1の金属粉末)21であるかまたは
該金属粉末21を含むものである。後者の場合、金属粉
末21の他に、金属粉末21同士を結合する有機または
無機の結合材、潤滑剤、酸化防止剤等が含まれていても
よく、その形態は、粉末状の他、コンパウンド、ペース
ト状、スラリー状、ペレット状等、いかなる形態でもよ
い。
【0048】なお、金属粉末21は、単一種の金属また
は合金粉末あるいは混合粉末のいずれでもよい。金属粉
末21の好適例としては、ステンレス粉末が挙げられ
る。
【0049】金属粉末21の粒度(平均粒径)は、特に
限定されないが、型5内への充填性を考慮して、1〜1
000μm 程度であるのが好ましく、20〜300μm
程度であるのがより好ましい。
【0050】金属粉末21の型5内への投入量は、特に
限定されず、例えば、ステンレス粉末の場合1.5g、
Cu粉末の場合2.0gとすることができる。
【0051】[3] 図4に示すように、必要に応じ、
型5内にその開放端より上型(押し型)8を挿入し、基
部形成材料20を加圧(圧粉)する。これにより、基部
形成材料20の圧粉体22が得られる。
【0052】基部形成材料20をこのような圧粉体22
とすることにより、焼結前の崩壊や欠損を有効に防止す
ることができる。
【0053】基部形成材料20の加圧における圧力は、
特に限定されないが、10〜2000kgf/cm2 程度が好
ましく、100〜500kgf/cm2 程度がより好ましい。
【0054】この圧力は、金属粉末21が、ステンレス
粉末の場合、例えば300kgf/cm2程度とされ、Cu粉
末の場合、例えば500kgf/cm2 程度とされる。
【0055】[4] 図5に示すように、型5内の圧粉
体22上に、砥石部3を形成するための砥石部形成材料
30を入れる(充填する)。
【0056】砥石部形成材料30は、前述したような砥
粒4であるかまたは該砥粒4を含むものである。後者の
場合、砥粒4と砥粒4同士を結合する結合材との混合物
であるのが好ましい。これにより、砥粒4の離脱防止効
果が向上する。
【0057】また、前記結合材は、主に金属粉末(第2
の金属粉末)31であるのが好ましい。これにより、金
属粉末が焼結されて砥粒4が強固に結合され、その離脱
防止効果が顕著となる。
【0058】この場合、金属粉末31の金属組成は、前
記金属組成21と同一または類似であるのが好ましい。
これにより、基部形成材料20(圧粉体22)と砥石部
形成材料30とを焼結(特に同時焼結)した際、基部2
と砥石部3との結合力がより高まる。
【0059】砥石部形成材料30中には、砥粒4および
金属粉末31以外のものとして、例えば、有機または無
機の他の結合材、潤滑剤、酸化防止剤等が含まれていて
もよい。
【0060】また、砥石部形成材料30の形態は、コン
パウンド、ペースト状、スラリー状、ペレット状等であ
ってもよい。
【0061】なお、金属粉末31は、単一種の金属また
は合金粉末あるいは混合粉末のいずれでもよい。金属粉
末31の好適例としては、ステンレス粉末、Cu粉末が
挙げられる。
【0062】金属粉末31の粒度(平均粒径)は、特に
限定されないが、型5内への充填性を考慮して、1〜1
000μm 程度であるのが好ましく、20〜300μm
程度であるのがより好ましい。
【0063】なお、砥石部形成材料30が主に砥粒4で
構成される場合(結合材を含まない場合)には、下記工
程[6]の際に、基部2の金属材料が溶融して砥粒4間
のすき間に侵入し、これが固化して砥粒4同士を結合す
る。
【0064】砥石部形成材料30の型5内への投入量
は、特に限定されず、例えば、0.17g(ステンレス
の金属粉末21を1.5g充填した場合)とすることが
できる。
【0065】[5] 図6に示すように、下型7を除去
し、そこから型5内に下パンチ(押圧子)9を挿入し、
他方、型5の上部開放端から、上パンチ(押圧子)10
を挿入する。下パンチ9および上パンチ10は、それぞ
れ、放電プラズマ焼結に適したものであり、例えばカー
ボン製の導電性を有するものである。
【0066】また、下パンチ9および上パンチ10の型
5内充填材料との接触端面には、それぞれ、カーボンペ
ーパ66が設置される。このカーボンペーパ66の設置
により、得られた焼結体の離型性の向上や、下パンチ9
および上パンチ10との反応抑制を図ることができる。
【0067】[6] 放電プラズマ焼結装置を用いて、
放電プラズマ焼結を行う。放電プラズマ焼結法は、粒子
間に直接パルス状の電気エネルギーを投入し、火花放電
により瞬時に発生する高温プラズマの高エネルギーを熱
拡散・電界拡散等へ効果的に応用することで、昇温時間
および保持時間を含め例えば3〜30分程度の短時間で
焼結を可能とするものである。
【0068】まず、放電プラズマ焼結装置の構成を図1
0に基づき説明する。放電プラズマ焼結装置40は、真
空チャンバー46と、上下一対の加圧ラム44、45
と、パルス電圧を発生させる焼結用電源42と、加圧ラ
ム44、45を昇降駆動する油圧式の加圧駆動機構43
と、これらを制御する制御部41とを有している。
【0069】前述した型5、下パンチ9および上パンチ
10は、真空チャンバー46内の加圧ラム44、45間
にセットされる。
【0070】真空チャンバー46内(焼結雰囲気)は、
真空ポンプ47の作動により脱気され、真空状態(減圧
状態)とすることができる。放電プラズマ焼結は、空気
中で行うことも可能であるが、酸素、窒素、水等が金属
粉末と反応し、変質等による悪影響のおそれがあるた
め、予め真空チャンバー46内を減圧状態として焼結を
行うのが好ましい。また、同様の理由から、真空チャン
バー46内に不活性ガスを充填して焼結を行うこともで
きる。
【0071】制御部41は、型5に設置された図示しな
い温度センサー(熱電対)により検出される材料温度が
予め設定された昇温曲線に一致するように焼結用電源4
2の出力を制御する。また、制御部41は、加圧駆動機
構43および真空ポンプ47の駆動を制御する。
【0072】下パンチ9および上パンチ10は、それぞ
れ、加圧ラム44および45に固定されており、加圧ラ
ム44、45内に設けられた給電端子(図示せず)によ
り焼結用電源42と電気的に接続されている。
【0073】加圧駆動機構43の作動により、加圧ラム
44、45を互いに接近する方向に移動し、これらに固
定された下パンチ9および上パンチ10の間で、図7に
示すように、型5内の焼結材料(基部形成材料20の圧
粉体22および砥石部形成材料30)を加圧(圧縮)す
る。また、この加圧とともに、焼結用電源42を作動し
て、焼結材料にパルス電圧を印加する。これにより、図
7に示すように、焼結材料自身から生じるジュール熱に
よって焼結材料が急速に加熱され、金属粉末の接点同士
が溶融、結合し、焼結する。
【0074】焼結時に、焼結材料に対し前述したような
加圧を行うことは、焼結材料中の金属粉末を圧密化し、
焼結効率を高めるので好ましい。
【0075】焼結時の加圧の圧力は、100〜2000
kgf/cm2 程度が好ましく、200〜1000kgf/cm2
度がより好ましい。
【0076】また、パルス電圧を印加することにより、
基部形成材料20と砥石部形成材料30の境界において
放電現象や電界拡散効果が生じ、それらに含まれる金属
粉体の表面の溶融、拡散が促進される。そして、この溶
融、拡散の促進によって、前記境界付近での固相拡散が
促進され、基部2と砥石部3とが強固に結合した焼結体
11が得られる。
【0077】このような放電プラズマ焼結において、焼
結材料のピーク温度(保持温度または焼結温度)は、焼
結材料の金属組成等によるが、ステンレス粉末、Cu粉
末の場合、例えば300〜1500℃程度とすることが
できる。また、この場合、焼結温度での保持時間は3〜
20分程度が好ましい。ピーク温度(焼結温度)で所定
時間保持した後、徐冷する。
【0078】以上説明したように、放電プラズマ焼結に
よれば、短時間でしかも低い温度で焼結を行うことがで
き、得られた焼結体11の強度も高い(機械的特性に優
れる)。特に、低温で焼結が可能であることから、砥粒
4としてダイヤモンド砥粒を用いた場合でも、ダイヤモ
ンドの炭化を防止することができる。
【0079】なお、放電プラズマ焼結装置の具体例とし
ては、住友石炭鉱業(株)製SPS−510L放電プラ
ズマ焼結装置が挙げられる。
【0080】[7] 以上のようにして得られた焼結体
11を型5から取り出す。このときの離型性も良好であ
る。
【0081】型5から取り出された焼結体11には、必
要に応じ、二次加工を施す。二次加工としては、焼結体
11の表面に、例えば、切削、研削、研磨、薬品処理
(エッチング)等を施し、表層を除去することが行われ
る。本実施例では、図8中の点線で示すように、焼結体
11の外周面および基部2の端面における表層を除去す
る。
【0082】このような二次加工の主目的は、最終形状
への調整であるが、炭素の含有量が増大した表層(反応
層)の除去による均質化(品質の向上)も兼ねている。
【0083】[8] 以上のような二次加工を経て、図
9に示す研削工具1が完成する。この研削工具1は、前
述したように、基部2と砥粒4を含む砥石部3との接合
体であり、基部2と砥石部3とは、強固に結合してい
る。また、砥石部3における砥粒4の接着強度も高く、
その離脱は生じ難い。
【0084】また、砥石としての機能を完成または高め
るために、必要に応じ、砥石部3の外周面および/また
は端面に対し、公知の方法によりツルーイングを行うこ
ともできる。
【0085】このツルーイングを行うことにより、砥石
部3に鋭いエッジ32が形成され、このエッジにより、
被加工物に対し、微細で精密な加工、特に溝加工や曲面
加工が可能となる。
【0086】このような研削工具1は、前記エッジ32
の摩耗や欠損が少なく、耐久性に優れる。そのため、
銅、アルミニウム、無電解Niメッキ、樹脂等の比較的
柔らかい材料はもちろんのこと、例えば光学ガラス、セ
ラミックス、鉄鋼材、ステンレス鋼、超硬合金、チタン
またはチタン合金等の比較的硬い材料の被加工材をも加
工することもできる。
【0087】
【実施例】下記表1に示す条件で、上述した[1]〜
[8]の工程を実行して、実施例1および2の研削工具
を製造した。得られた工具における砥石の集中度および
寸法を表1中に併せて記す。
【0088】なお、実施例2では、砥石部形成材料とし
て、ダイヤモンド砥石のみのものを用いた。この場合、
放電プラズマ焼結時に溶けた基部の金属材料(Cu)
が、砥粒間のすき間に入り、砥粒同士を結合させた。
【0089】
【表1】
【0090】なお、本発明の研削工具における「研削」
の用語は、機械工学上用いられる狭義の意味での「研
削」のみならず、その他の例えば「切削」、「研磨」等
を含む広義の意味で用いられるものである。
【0091】以上、本発明の研削工具およびその製造方
法を図示の実施例について説明したが、本発明は、これ
に限定されるものではない。例えば、基部2として、予
め所定形状に成形加工された金属ブロックを用い、この
基部2に砥石部3を焼結等により接合してもよい。
【0092】また、研削工具1の全体形状は、円柱状に
限らず、円筒状(中空)や、中実または中空の円錐台形
状等、任意の回転体形状が可能である。
【0093】また、基部2や砥石部3の構成材料は、前
述したもの以外のものであってもよい。また、研削工具
1の用途も、前述したものに限定されない。
【0094】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、砥
粒の接着強度が高く、砥粒の脱落を有効に防止または抑
制することができる研削工具が提供される。
【0095】また、砥粒を高い集中度(配設密度)で配
設することができる。その結果、より微細で精密な加工
が可能となるとともに、耐久性が向上する。特に、ツル
ーイングを行うことにより、比較的硬い材料の被加工材
に対しても、このような加工が可能となる。
【0096】また、本発明による研削工具は、加工抵抗
が少ないので、加工に際しての振動の発生が抑制でき、
よって、比較的硬い材料や脆い材料に対する加工にも適
し、被加工材料の選択の幅が広がる。
【0097】また、本発明による研削工具は、回折レン
ズ型、回折格子型、回折格子自体等に対する溝加工や、
球面、非球面等の曲面加工に好ましく使用され、その加
工精度も高い。
【0098】また、前述したように、砥粒の接着強度が
高いので、砥石の脱落を防止するために別途特別の対策
を講じる必要もなく、製造が容易である。
【0099】特に、放電プラズマ焼結により製造した場
合には、焼結時間が短く、よって、量産に適し、製造コ
ストも大幅に低減する。また、焼結温度も低いので、砥
粒の変質、特にダイヤモンド砥粒の炭化を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研削工具の実施例を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の研削工具の製造方法における製造工程
を模式的に示す縦断面図である。
【図3】本発明の研削工具の製造方法における製造工程
を模式的に示す縦断面図である。
【図4】本発明の研削工具の製造方法における製造工程
を模式的に示す縦断面図である。
【図5】本発明の研削工具の製造方法における製造工程
を模式的に示す縦断面図である。
【図6】本発明の研削工具の製造方法における製造工程
を模式的に示す縦断面図である。
【図7】本発明の研削工具の製造方法における製造工程
を模式的に示す縦断面図である。
【図8】本発明の研削工具の製造方法における製造工程
を模式的に示す縦断面図である。
【図9】本発明の研削工具の製造方法における製造工程
を模式的に示す縦断面図である。
【図10】放電プラズマ焼結装置の全体構造を示す概略
図である。
【図11】従来の切削加工による回折レンズ型の製造を
示す図である。
【図12】従来のバニシングによる回折格子型の製造を
示す図である。
【符号の説明】
1 研削工具 2 基部 20 基部形成材料 21 金属粉末(第1の金属粉末) 22 圧粉体 3 砥石部 30 砥石部形成材料 31 金属粉末(第2の金属粉末) 32 エッジ 4 砥粒 5 型 6、66 カーボンペーパ 7 下型 8 上型 9 下パンチ 10 上パンチ 11 焼結体 40 放電プラズマ焼結装置 41 制御部 42 焼結用電源 43 加圧駆動機構 44 加圧ラム 45 加圧ラム 46 真空チャンバー 47 真空ポンプ 50 基材 51 単結晶ダイヤモンドバイト 52 基材 53 成形ダイヤモンド工具 54 軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 正太郎 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を研削または切削する砥石部を
    有する研削工具を製造するに際し、 砥粒と金属粉末との混合物を型内に充填し、これを焼結
    して、金属焼結体中に前記砥粒が埋入された砥石部を製
    造することを特徴とする研削工具の製造方法。
  2. 【請求項2】 被加工物を研削または切削する砥石部を
    有する研削工具を製造するに際し、 砥粒と金属粉末との混合物を型内に充填し、これを前記
    型内で加圧し、焼結して、金属焼結体中に前記砥粒が埋
    入された砥石部を製造することを特徴とする研削工具の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 基部と、該基部の端部に接合され、被加
    工物を研削または切削する砥石部とを有する研削工具を
    製造するに際し、 少なくとも第1の金属粉末を含む基部形成材料と、少な
    くとも砥粒を含む砥石部形成材料とを型内に充填し、こ
    れらを焼結して、前記基部と前記砥石部との接合体を製
    造することを特徴とする研削工具の製造方法。
  4. 【請求項4】 基部と、該基部の端部に接合され、被加
    工物を研削または切削する砥石部とを有する研削工具を
    製造するに際し、 少なくとも第1の金属粉末を含む基部形成材料を型内で
    加圧した後、少なくとも砥粒を含む砥石部形成材料を前
    記型内に充填し、これらを焼結して、前記基部と前記砥
    石部との接合体を製造することを特徴とする研削工具の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基部形成材料と前記砥石部形成材料
    とを加圧しつつ焼結を行う請求項3または4に記載の研
    削工具の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記砥石部形成材料は、砥粒と結合材と
    の混合物で構成される請求項3ないし5のいずれかに記
    載の研削工具の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記結合材は、第2の金属粉末である請
    求項6に記載の研削工具の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の金属粉末と前記第2の金属粉
    末とは、その組成が同一または類似するものである請求
    項7に記載の研削工具の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記砥石部形成材料は、砥石で構成さ
    れ、基部形成材料の溶融・固化により砥石同士が結合さ
    れる請求項3ないし5のいずれかに記載の研削工具の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記焼結は、放電プラズマ焼結である
    請求項1ないし9のいずれかに記載の研削工具の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記砥粒は、ダイヤモンド砥粒である
    請求項1ないし10のいずれかに記載の研削工具の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記砥粒の粒度が1〜1000μm で
    ある請求項1ないし11のいずれかに記載の研削工具の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 基部と、該基部の端部に接合され、被
    加工物を研削または切削する砥石部とを有する研削工具
    であって、 前記砥石部は、金属材料中に砥粒が分散して埋入された
    ものであることを特徴とする研削工具。
  14. 【請求項14】 前記基部は、金属焼結体である請求項
    13に記載の研削工具。
  15. 【請求項15】 前記砥石部は、前記基部と同時焼結し
    て得られたものである請求項13または14に記載の研
    削工具。
  16. 【請求項16】 前記砥石部は、前記砥石同士が溶融・
    固化した前記基部の材料により結合されている請求項1
    3または14に記載の研削工具。
  17. 【請求項17】 前記砥石部における前記砥粒の集中度
    が160以上である請求項13ないし16のいずれかに
    記載の研削工具。
  18. 【請求項18】 前記砥粒は、ダイヤモンド砥粒である
    請求項13ないし17のいずれかに記載の研削工具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006326811A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Asahi Diamond Industrial Co Ltd メタルボンド砥石の製造方法
KR20180076387A (ko) * 2016-12-27 2018-07-06 이화다이아몬드공업 주식회사 유리 기판의 엣지를 가공하기 위한 절삭휠 및 그 제조방법

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