JPH11290242A - 脱臭エアーカーテン付きポータブルトイレ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のバケット形のポータブルトイレに近い
形状で、使用方法も同様でありながら、排泄された汚物
の臭気を外部に洩らすことなく遮断し、効率よく脱臭で
きるようにしたポータブルトイレを提案する。 【解決手段】 汚物用バケットを着脱自在に収容する器
体と、このバケットの上面を覆うように循環して流れて
エアーカーテンを形成する送風ファンを設け、この空気
の流れの経路中に汚物から生じる臭気を分解、脱臭する
手段を設けてなることを特徴とする脱臭エアーカーテン
付きポータブルトイレ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】頭脳が正常で排便の意志表示
は充分にできるが、体力的に弱っている老人や身体障害
者或いは病気や事故による入院患者は、通常のトイレに
行くことができず、やむを得ずポータブルトイレをベッ
ドのそばで使用している。本発明は、かかるポータブル
トイレの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のポータブルトイレは、病床のす
ぐそばで使用するために一般には簡単なバケット形の構
造である。

【０００３】従って、かかるバケット中に排泄された便
の臭気は、これを後始末する者に苦痛を与え、またそこ
から四散する悪臭のために他の患者や介護者に不快感を
与え、このような構造のトイレを使用せざるを得ない者
自身の精神的な苦痛も大きくなる。特に、介護者の人手
が少ない最近では、便が排泄された便器を直ちに処理す
ることができず、かかる苦痛と不快感は更に大きくな
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は従来
のバケット形のポータブルトイレに近い形状で、使用方
法も同様でありながら、排泄された便の臭気を外部に洩
らさず、効率よく脱臭できるポータブルトイレを提案す
るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、着脱自在に汚
物用バケットを受け入れる器体に送風ファンを組み込
み、器体の吸い込み口から吸引した空気を、器体とバケ
ットとの間に設けられた空気通路を介して器体の反対側
の吹き出し口に導き、ここから帯状に空気を吹き出して
バケットの上面にエアーカーテンを形成するものであ
る。

【０００６】このエアーカーテンによって、バケット中
に排泄された汚物から立ち上る臭気が遮断される。ま
た、吸い込み口から吸引されて臭気を含んだ空気は、器
体の空気通路中に組み込まれたオゾン発生器と活性炭素
により分解、脱臭される。以下、本発明になる脱臭エア
ーカーテン付きポータブルトイレを、その好適な実施例
によって図面を参照して説明する。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明によるポータブルトイレの
便器本体となる器体１は、底面が閉じ上面がほぼ楕円形
に開口２する全体として筒状の形をなす。この楕円形状
の開口２の長軸方向の一端に隣接した器体の上面４上に
設けられたヒンジ１７に便座５と蓋６が枢着されてい
る。

【０００８】この開口２の下方に位置する器体１の中央
部３は、汚物Ｗ用のバケット８を着脱自在に受け入れ、
この汚物用バケット８はその上端縁と係合し、かつ開口
２につながる内筒９によって器体の中央部３中で浮かせ
て支持され、後述するようにバケット８の上面の上の空
間及び器体１とバケットとの間に作られる空間とを空気
が流れ得るようにする。

【０００９】上記した開口２の長軸方向の一端に隣接し
て、内筒９の上部に空気吸い込み口１０が設けられ、ま
たこの空気吸い込み口につながって下方に伸び、器体１
の底部に向って開口する空気排路１２が設けられてい
る。

【００１０】また、上記した開口２の長軸の他端に隣接
した器体の別の上面７の下方で、内筒９の対向する上部
には空気吹出し口１１が設けられている。

【００１１】空気吸い込み口１０に連通する上記の空気
排路１２の中間には、吸気用ファン１４が、その上方に
はオゾン発生器１３が取り付けられ、またその下方には
活性炭素のカートリッジ１５が交換可能に取り付けられ
ている。また、空気排路１２から送り出される空気の流
れを防げないような位置で、器体１の底部にコントロー
ラー１６が取り付けられている。

【００１２】このコントローラーは、図示されていない
が、一方では電源につながり、他方ではファン１４とオ
ゾン発生器１３とに例えば蓋６を開けることにより、ま
たは便座５に使用者がざすることによってつながり、ト
イレの使用時と所望によっては使用前後の一定時間にわ
たってファンとオゾン発生器とを作動させるものであ
る。

【００１３】上述したところになる本発明の脱臭エアー
カーテン付きポータブルトイレは、以下のように作動す
る。

【００１４】用をたすために蓋６を開けると、ファン１
４が回転し、オゾン発生器１３は励起してオゾンを空気
排路に送る。

【００１５】使用者の尻の下と汚物用バケット８の上面
との間の空間の空気は、空気吸い込み口１０を通って。
ファン１４によって空気排路１２中に図中矢符により示
される如くに流れる。このように強制的に作られた空気
の流れは、器体１とバケット８との間の空隙、特に器体
１内底とバケット８外底との間の空隙によって形成され
る空気通路１８を通り、空気吹出し口１１に向ってこれ
また図中の矢符の如くに流れ、再びバケット８の上面の
全面にわたって帯状に吹き出して、該バケット８上方を
閉塞するエアーカーテンを形成する。そして、この流れ
は循環して、空気吸い込み口１０に再び吸い込まれる。

【００１６】このようにして流れる空気の流れは、バケ
ット８中に排泄された汚物Ｗからの臭気をも取り込んで
循環し、空気排路１２中を通り、ここでオゾン発生器１
３からのオゾンにより分解され、続いて活性炭素カート
リッジ１５の活性炭によってオゾン臭が取り除かれるの
である。

【００１７】なお、用便後に蓋６を閉じた後も引き続き
ファンとオゾン発生器を働かせるようにすれば、その後
に蓋６を開けても臭気が立ち上るようなこともない。

【００１８】

【発明の効果】本発明の脱臭エアーカーテン付きポータ
ブルトイレは、従来のバケット形のポータブルトイレに
近い形状で、使用方法も同様でありながら、排泄された
便の臭気を外部に洩らすことなく遮断し、効率よく脱臭
できる卓越した効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の脱臭エアーカーテン付きポータブルト
イレの説明的な側断面図である。

【図２】本発明になるポータブルトイレの説明的な平面
図である。

【図３】図１中のＸ−Ｘ線に沿って見た本発明ポータブ
ルトイレの説明的な断面図である。

【符号の説明】

１−器体 ２−器体の上面開口 ３−器体内の中央部 ４−器体の上面 ５−便座 ６−蓋 ７−器体の対向する別の上面 ８−汚物用バケット ９−バケット支持用の器体の内筒 １０−内筒に設けられた空気吸い込み口 １１−内筒に設けられた空気吹き出し口 １２−空気排路 １３−オゾン発生器 １４−ファン １５−活性炭カートリッジ １６−コントローラー １７−ヒンジ １８−空気通路 Ｗ−汚物

【手続補正書】

【提出日】平成１０年７月１６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面がほぼ楕円形状で開口する器体から
   なり、該器体は上記楕円形状の開口の長軸方向の一端に
   隣接して該器体の上面に枢着された便座と蓋とを有し、
   また該器体の中央部には上記開口から該器体中に着脱自
   在に装入される汚物用バケットを受ける空間を有し、更
   にこの器体は上記長軸方向の一端に隣接して設けられた
   空気吸い込み口とこの吸い込み口から下方に延びる空気
   排路と該長軸方向他端に隣接して設けられた空気吹き出
   し口とを有し、上記空気排路中には吸気用ファンと空気
   を分解する手段と空気を脱臭する手段とが設けられ、吸
   気用ファンの作動によって空気吸い込み口より吸引され
   た空気は上記空気排路と上記器体とバケットとの間の空
   気通路を経て上記空気吹き出し口から吹き出し、再び空
   気吸い込み口に向って吸い込まれて循環し、上記開口の
   上面の全面にわたって循環して流れるエアーカーテンが
   形成されるようにしたことを特徴とする脱臭エアーカー
   テン付きポータブルトイレ。
2. 【請求項２】 前記空気を分解する手段がオゾン発生器
   であり、前記空気を脱臭する手段が活性炭素である請求
   項１記載の脱臭エアーカーテン付きポータブルトイレ。
3. 【請求項３】 前記器体の中央部には汚物用バケットを
   該器体中で浮かせて支持するための手段が設けられてい
   る請求項１又は２記載の脱臭エアーカーテン付ポータブ
   ルトイレ。
4. 【請求項４】 吸気用ファンと空気を分解する手段とを
   トイレの便用中及び／又は所定の時間にわたって作動さ
   せる手段が設けられている請求項１、２又は３記載の脱
   臭エアーカーテン付きポータブルトイレ。