JPH1129018A - 車両の姿勢制御装置 - Google Patents

車両の姿勢制御装置

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JPH1129018A
JPH1129018A JP18697597A JP18697597A JPH1129018A JP H1129018 A JPH1129018 A JP H1129018A JP 18697597 A JP18697597 A JP 18697597A JP 18697597 A JP18697597 A JP 18697597A JP H1129018 A JPH1129018 A JP H1129018A
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哲也 立畑
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晴樹 岡崎
Toshiaki Tsuyama
俊明 津山
Tomomi Izumi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両の姿勢を立て直すためのドライバによるス
テアリング操作に合致した姿勢制御を実現し、姿勢制御
時の安定性を向上する。 【解決手段】ドライバのステアリング操作の状態を判定
し、ステアリングの切増し操作中の場合には、横滑り各
制御開始閾値β0をステアリング舵角θHに応じて補正す
る。続いて、補正された横滑り角制御開始閾値β0を、
ステアリング舵角θHの変化速度ΔθHに応じて更に補正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の姿勢制御装
置に関し、例えば、コーナリング時や緊急の障害物回避
時や路面状況急変時等において、走行中の車両の横滑り
やスピンを抑制するための車両の姿勢制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、走行中の車両のヨーレートや
ステアリング舵角等の車両状態量を検出して、コーナリ
ング時や緊急の障害物回避時や路面状況急変時等に車両
の横滑りやスピンを抑制する制御装置が数多く提案され
ている。
【0003】特開平6−115418号公報には、車速
やステアリング舵角に応じて配分制御の開始条件を変更
することにより、本当に必要な場合に限って配分制御を
実行するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、ヨーレートに
基づく姿勢制御中に、横滑り角が大きくなってドリフト
アウト等が発生しそうになり横滑り角に基づく姿勢制御
に切り換えられた場合、ドライバのステアリング操作に
反して車両の姿勢を急激に戻そうとするため、本当に姿
勢制御が必要な時には非常に有効であるが、それ以外の
急激な姿勢の戻し制御が不要な時にはドライバの操作に
悪影響を及ぼす虞がある。
【0005】また、車両状態量として演算する横滑り角
は、ヨーレート、車速、横方向加速度により演算される
横方向速度の積算値であるため、ヨーレートのセンサ値
が非常に大きくなるスピン発生後は、推定演算される推
定横滑り角の積分誤差がそのヨーレートのセンサ値の影
響で非常に大きくなり、姿勢制御に移行する必要が無い
場合でもドライバの意思に反して姿勢制御に移行してし
まう等、ドライバの操作に悪影響を及ぼす虞がある。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、車両の姿勢を立て
直すためのドライバによるステアリング操作に合致した
姿勢制御を実現し、姿勢制御時の安定性を向上できる車
両の姿勢制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決し、
目的を達成するために、本発明に係わる車両の姿勢制御
装置は、以下の構成を備える。即ち、車両を制動制御し
て、走行中の車両の姿勢を制御する装置であって、車両
のステアリング舵角を検出する舵角検出手段と、車両の
状態量に基づいて、目標横滑り角と推定横滑り角とを演
算する横滑り角演算手段と、前記横滑り角演算手段にて
演算される目標横滑り角と推定横滑り角との偏差が所定
閾値以上となると、前記推定横滑り角を前記目標横滑り
角に収束させるよう制御する収束制御手段と、前記舵角
検出手段にて検出されたステアリング舵角に応じて、前
記所定閾値を補正する補正手段とを備える。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる実施形態に
つき添付図面を参照して詳細に説明する。
【0009】[姿勢制御装置の制御ブロック構成]先
ず、本実施形態に係る車両の姿勢制御装置の制御ブロッ
ク構成について説明する。図1は本発明の実施形態に係
る車両の姿勢制御装置の制御ブロックの全体構成を示す
図である。
【0010】図1に示すように、本実施形態の姿勢制御
装置は、例えば、車両の走行状態がコーナリング時や緊
急の障害物回避時や路面状況急変時等において、走行中
の車両の横滑りやスピンを抑制するために前後・左右の
各車輪への制動力を制御するものである。各車輪には、
油圧ディスクブレーキ等のFR(右前輪)ブレーキ3
1、FL(左前輪)ブレーキ32、RR(右後輪)ブレ
ーキ33、RL(左後輪)ブレーキ34が設けられてい
る。これらFR、FL、RR、RLブレーキ31〜34
は油圧制御ユニット30に夫々接続されている。油圧制
御ユニット30はFR、FL、RR、RLブレーキ31
〜34の各ホイールシリンダ(不図示)に接続され、各
ブレーキ31〜34のホイールシリンダに油圧を導入す
ることにより各車輪へ制動力を付加する。油圧制御ユニ
ット30は、加圧ユニット36及びマスタシリンダ37
に接続されている。マスタシリンダ37はブレーキペダ
ル38の踏力圧に応じて1次油圧を発生させる。この1
次油圧は、加圧ユニット36に導入され、加圧ユニット
36で2次油圧に加圧されて油圧制御ユニット30に導
入される。油圧制御ユニット30は、SCSECU10
に電気的に接続され、ECU10からの制動制御信号に
応じてFR、FL、RR、RLブレーキ31〜34への
油圧を配分制御して各車輪への制動力を制御する。
【0011】SCS(STABILITY CONTROLLED SYSTEM)
・ECU(ELECTRONIC CONTROLLED UNIT)10は、本実
施形態の姿勢制御装置として前後・左右の各車輪への制
動制御を司ると共に、従来周知のABS(アンチロック
ブレーキシステム)制御やTCS(トラクションコント
ロールシステム)制御をも司る演算処理装置である。S
CS・ECU10には、FR車輪速センサ11、FL車
輪速センサ12、RR車輪速センサ13、RL車輪速セ
ンサ14、車速センサ15、ステアリング舵角センサ1
6、ヨーレートセンサ17、横方向加速度センサ18、
前後方向加速度センサ19、ブレーキ踏力圧センサ3
5、EGIECU20、TCSオフスイッチ40が接続
されている。
【0012】ABS制御及びTCS制御の概要を説明す
ると、ABS制御とは、車両走行中に急ブレーキ操作が
なされて、車輪が路面に対してロックしそうな場合に車
輪への制動力を自動的に制御して車輪のロックを抑制し
ながら停止させるシステムであり、TCS制御とは、車
両走行中に車輪が路面に対してスリップする現象を各車
輪への駆動力或いは制動力を制御することにより抑制し
ながら走行させるシステムである。
【0013】FR車輪速センサ11は右前輪の車輪速度
の検出信号v1をSCS・ECU10に出力する。FL車
輪速センサ12は左前輪の車輪速度の検出信号v2をSC
S・ECU10に出力する。RR車輪速センサ13は右
後輪の車輪速度の検出信号v3をSCS・ECU10に出
力する。RL車輪速センサ14は左後輪の車輪速度の検
出信号v4をSCS・ECU10に出力する。車速センサ
15は車両の走行速度の検出信号VをSCS・ECU1
0に出力する。ステアリング舵角センサ16はステアリ
ング回転角の検出信号θHをSCS・ECU10に出力
する。ヨーレートセンサ17は車体に実際に発生するヨ
ーレートの検出信号ψをSCS・ECU10に出力す
る。横方向加速度センサ18は車体に実際に発生する横
方向加速度の検出信号YをSCS・ECU10に出力す
る。前後方向加速度センサ19は車体に実際に発生する
前後方向加速度の検出信号ZをSCS・ECU10に出
力する。ブレーキ踏力圧センサ35は加圧ユニット36
に設けられ、ブレーキペダル38の踏力圧の検出信号PB
をSCS・ECU10に出力する。TCSオフスイッチ
40は、後述するが車輪のスピン制御(トラクション制
御)を強制的に停止するスイッチであり、このスイッチ
操作信号SをSCS・ECU10に出力する。EGI(E
LECTRONIC GASOLINE INJECTION)ECU20は、エンジ
ン21、AT(AUTOMATIC TRANSMISSION)22、スロッ
トルバルブ23に接続され、エンジン21の出力制御や
AT22の変速制御、スロットルバルブ23の開閉制御
を司っている。
【0014】SCS・ECU10及びEGI・ECU2
0は、CPU、ROM、RAMを含み、入力された上記
各検出信号に基づいて予め記憶された姿勢制御プログラ
ムやエンジン制御プログラムを実行する。
【0015】[姿勢制御の概略説明]本実施形態の姿勢
制御は、各車輪を制動制御することで車体に旋回モーメ
ントと減速力を加えて前輪或いは後輪の横滑りを抑制す
るものである。例えば、車両が旋回走行中に後輪が横滑
りしそうな時(スピン)には主に前外輪にブレーキを付
加し外向きモーメントを加えて旋回内側への巻き込み挙
動を抑制する。また、前輪が横滑りして旋回外側に横滑
りしそうな時(ドリフトアウト)には各車輪に適量のブ
レーキを付加し内向きモーメントを加えると共に、エン
ジン出力を抑制し減速力を付加することにより旋回半径
の増大を抑制する。
【0016】姿勢制御の詳細については後述するが、概
説すると、SCS・ECU10は、上述した車速センサ
15、ヨーレートセンサ17、横方向加速度センサ18
の検出信号V、ψ、Yから車両に発生している実際の横滑
り角(以下、実横滑り角という)βact及び実際のヨー
レート(以下、実ヨーレートという)ψactを演算する
と共に、実横滑り角βactからSCS制御に実際に利用
される推定横滑り角βcontの演算において参照される参
照値βrefを演算する。また、SCS・ECU10は、
ステアリング舵角センサ等の検出信号から車両の目標と
すべき姿勢として目標横滑り角βTR及び目標ヨーレート
ψTRを演算し、推定横滑り角βcontと目標横滑り角βTR
の差或いは実ヨーレートψactと目標ヨーレートψTRの
差が所定閾値β0、ψ0を越えた時に姿勢制御を開始し、
推定実横滑り角βcont或いは実ヨーレートψactが目標
横滑り角βTR或いは目標ヨーレートψTRに収束するよう
制御する。
【0017】[姿勢制御の詳細説明]次に、本実施形態
の姿勢制御(以下、SCS制御という)について詳細に
説明する。図2は、本実施形態の姿勢制御を実行するた
めの全体的動作を示すフローチャートである。
【0018】図2に示すように、先ず、運転者によりイ
グニッションスイッチがオンされてエンジンが始動され
ると、ステップS2でSCS・ECU10、EGI・E
CU20が初期設定され、前回の処理で記憶しているセ
ンサ検出信号や演算値等をクリアする。ステップS4で
はSCS・ECU10は上述のFR車輪速センサ11の
検出信号v1、FL車輪速センサ12の検出信号v2、RR
車輪速センサ13の検出信号v3、RL車輪速センサ14
の検出信号v4、車速センサ15の検出信号V、ステアリ
ング舵角センサ16の検出信号θH、ヨーレートセンサ
17の検出信号ψ、横方向加速度センサ18の検出信号
Y、前後方向加速度センサ19の検出信号Z、ブレーキ踏
力圧センサ35の検出信号PB、TCSオフスイッチ40
のスイッチ操作信号Sを入力する。ステップS6ではS
CS・ECU10は上述の各検出信号に基づく車両状態
量を演算する。ステップS7では車両状態量に基づいて
車輪速補正処理を実行する。ステップS8ではSCS・
ECU10は、ステップS6で演算された車両状態量か
らSCS制御に必要となるSCS制御目標値や制御出力
値を演算する。同様に、ステップS10ではABS制御
に必要なABS制御目標値や制御出力値等を演算し、ス
テップS12ではTCS制御に必要なTCS制御目標値
や制御出力値等を演算する。
【0019】ステップS14ではステップS8〜ステッ
プS12で演算された各制御出力値の制御出力調停処理
を実行する。この制御出力調停処理では、SCS制御出
力値、ABS制御出力値、TCS制御出力値を夫々比較
し、最も大きな値に対応した制御に移行させる。また、
後述するが、SCS制御出力値とABS制御出力値との
調停処理は、運転者のブレーキ踏力圧PBの大きさに応じ
て実行される。即ち、ステップS14においてABS制
御出力値が最も大きな値の場合にはABS制御出力値に
基づいてABS制御が実行され(ステップS16)、S
CS制御出力値が最も大きな値の場合にはSCS制御出
力値に基づいてSCS制御が実行され(ステップS1
8)、TCS制御出力値が最も大きな値の場合にはTC
S制御出力値に基づいてTCS制御が実行される(ステ
ップS20)。その後、ステップS22ではSCS・E
CU10は油圧制御ユニット30等が正常に動作されて
いるか否かフェイルセーフ判定し、もし異常があると判
定された場合にはその異常箇所に対応する制御を中止し
て、ステップS2にリターンして上述の処理を繰り返し
実行する。
【0020】[SCS演算処理の説明]次に、図2のス
テップS8に示すSCS演算処理の詳細について説明す
る。尚、ステップS10、12のABS制御演算処理及
びTCS制御演算処理については周知であるので説明を
省略する。図3は、図2のSCS演算処理を実行するた
めのフローチャートである。
【0021】図3に示すように、処理が開始されると、
ステップS30ではSCS・ECU10はFR車輪速v
1、FL車輪速v2、RR車輪速v3、RL車輪速v4、車速
V、ステアリング舵角θ、実ヨーレートψact、実横方向
加速度Yactを入力する。ステップS32ではSCS・E
CU10は車両に発生する垂直荷重を演算する。この垂
直荷重は車速V、横方向加速度Yから周知の数学的手法に
より推定演算される。ステップS33ではSCS・EC
U10は車両に実際に発生する実横滑り角βactを演算
する。実横滑り角βactは、実横滑り角βactの変化速度
Δβactを積分することにより演算される。また、Δβa
ctは、下記の式1により算出される。 Δβact=−ψact+Yact/V…(1) 次に、ステップS34では、SCS・ECU10はSC
S制御に実際に利用される推定横滑り角βcontの演算に
おいて参照される参照値βrefを演算する。この参照値
βrefは、車両諸元と、車両状態量(車速V、ヨーレート
ψact、実横方向加速度Yact、実横滑り角βactの変化
速度Δβact、ヨーレートψactの変化量(微分値)Δψ
act)、ブレーキにより生じるヨーモーメントの推定値D
1、ブレーキにより生じる横方向の力の低下量の推定値D
2に基づいて2自由度モデルを流用して演算される。こ
の参照値βrefは、要するに、検出された車両状態量及
びブレーキ操作力に基づいて推定される横滑り角を演算
している。その後、ステップS35では、SCS・EC
U10はSCS制御に実際に利用される推定横滑り角β
contを演算する。この推定横滑り角βcontは、下記の式
2、式3から導かれる微分方程式を解くことにより算出
される。即ち、 Δβcont=Δβact+e+Cf・(βref−βcont)…(2) Δe=Cf・(Δβref−Δβact−e)…(3) 但し、e:ヨーレートセンサと横方向加速度センサのオ
フセット修正値 Cf:カットオフ周波数 また、後で詳述するが、カットオフ周波数Cfは推定横
滑り角βcontを参照値βrefの信頼性に応じてこの参照
値βrefに収束するように補正して、推定横滑り角βcon
tに発生する積分誤差をリセットする際の補正速度の変
更ファクタとなり、参照値βrefの信頼性が低い程小さ
くなるように補正される係数である。また、参照値βre
fの信頼性が低くなるのは前輪のコーナリングパワーCp
f或いは後輪のコーナリングパワーCprに変化が生じた
時である。
【0022】ステップS36ではSCS・ECU10は
各車輪の車輪スリップ率及び車輪スリップ角を演算す
る。車輪スリップ率及び車輪スリップ角は、各車輪の車
輪速v1〜v4、車速V、推定横滑り角βcont、前輪ステア
リング舵角θHから周知の数学的手法により推定演算さ
れる。ステップS38ではSCS・ECU10は各車輪
への負荷率を演算する。車輪負荷率は、ステップS36
で演算された車輪スリップ率及び車輪スリップ角とステ
ップS32で演算された垂直荷重から周知の数学的手法
により推定演算される。ステップS40ではSCS・E
CU10は走行中の路面の摩擦係数μを演算する。路面
の摩擦係数μは、実横方向加速度YactとステップS38
で演算された車輪負荷率から周知の数学的手法により推
定演算される。次に、ステップS42ではSCS・EC
U10は実ヨーレートψact及び推定横滑り角βcontを
収束させるべく目標値となる目標ヨーレートψTR、目標
横滑り角βTRを演算する。目標ヨーレートψTRは、車速
V、ステップS40で演算された路面の摩擦係数μ、前
輪ステアリング舵角θHから周知の数学的手法により推
定演算される。また、目標横滑り角βTRは、下記の式
4、式5から導かれる式6の微分方程式を解くことによ
り算出される。即ち、 βx=1/(1+A・V↑2)・{1−(M・Lf・V↑2)/(2L・Lr・ Cpr)}・Lr・θH/L…(4) A=M・(Cpr・Lr−Cpf・Lf)/2L↑2・Cpr・Cpf…(5) ΔβTR=C・(βx−βTR)…(6) 但し、V:車速 θH:前輪ステアリング舵角 M:車体質量 I:慣性モーメント L:ホイルベース Lf:前輪から車体重心までの距離 Lr:後輪から車体重心までの距離 Cpf:前輪のコーナリングパワー Cpr:後輪のコーナリングパワー C:位相遅れに相当する値 尚、上記式中の「↑」は乗数を表わす。例えば「L↑
2」はLの2乗を意味し、以下の説明でも同様である。
【0023】次に、図4に示すステップS44では、S
CS・ECU10は、目標横滑り角βTRから推定横滑り
角βcontを減算した値の絶対値がSCS制御開始閾値β
0以上か否かを判定する(|βTR−βcont|≧β0?)。
ステップS44で目標横滑り角βTRから推定横滑り角β
contを減算した値の絶対値がSCS制御開始閾値β0以
上の場合(ステップS44でYes)、ステップS46
に進んでSCS制御目標値を目標横滑り角βTRに設定す
る。一方、ステップS44で目標横滑り角βTRから推定
横滑り角βcontを減算した値の絶対値がSCS制御開始
閾値β0を超えない場合(ステップS44でNo)、ス
テップS52に進んでSCS・ECU10は、目標ヨー
レートψTRから実ヨーレートψactを減算した値の絶対
値がSCS制御開始閾値ψ0以上か否かを判定する(|ψ
TR−ψact|≧ψ0?)。ステップS52で目標ヨーレー
トψTRから実ヨーレートψactを減算した値の絶対値が
SCS制御開始閾値ψ0以上の場合(ステップS52で
Yes)、ステップS54に進んでSCS制御目標値を
目標ヨーレートψTRに設定する。一方、ステップS52
で目標ヨーレートψTRから実ヨーレートψactを減算し
た値の絶対値がSCS制御開始閾値ψ0を超えない場合
(ステップS52でNo)、ステップS30にリターン
して上述の処理を繰り返し実行する。
【0024】次に、ステップS50では、SCS・EC
U10はSCS制御に実際に利用されるSCS制御量β
amtを演算する。また、ステップS56では、SCS・
ECU10はSCS制御に実際に利用されるSCS制御
量ψamtを演算する。
【0025】[SCS制御とABS制御との調停処理]次
に、図5〜図7を参照してSCS制御と、SCS制御と
ABS制御との調停処理について説明する。図5〜図7
は、SCS制御とABS制御との調停処理を実行するた
めのフローチャートである。
【0026】以下に示す調停処理は、SCS制御開始条
件が成立してもABS制御中であればABS制御を優先
させ、或いはABS制御出力値に基づいてSCS制御出
力値を補正する。また、SCS制御開始条件とABS制
御開始条件とが両方成立した場合には、運転者のブレー
キ踏力圧PBの大きさに応じていずれかの制御が実行され
る。
【0027】具体的な処理を説明する。
【0028】図5に示すように、ステップS58では、
SCS・ECU10はSCS制御に用いる油圧制御ユニ
ット30等に故障が発生しているか否か判定する。ステ
ップS58で故障している場合(ステップS58でYe
s)、ステップS74に進んでSCS制御を中止して図
2に示すステップS2にリターンして上述の処理を繰り
返し実行する。一方、ステップS58で故障していない
場合(ステップS58でNo)、ステップS60に進
む。ステップS60ではSCS・ECU10はSCS制
御フラグF1が"1"にセットされているか否かを判定す
る。SCS制御フラグF1は、"1"がセットされていると
SCS制御実行中であることを表わす。ステップS60
でSCS制御フラグF1が"1"にセットされている場合
(ステップS60でYes)、ステップS76に進んで
ABS制御フラグF2が"1"にセットされているか否かを
判定する。ABS制御フラグF2は、"1"がセットされて
いるとABS制御実行中であることを表わす。一方、ス
テップS60でSCS制御フラグF1が"1"にセットされ
ていない場合(ステップS60でNo)、ステップS6
2に進んでABS制御実行中か否かを判定する。ステッ
プS62でABS制御実行中の場合(ステップS62で
Yes)、後述するステップS80に進む。一方、ステ
ップS62でABS制御実行中でない場合(ステップS
62でNo)、ステップS64に進む。ステップS64
では、SCS・ECU10はTCS制御実行中か否かを
判定する。ステップS64でTCS制御実行中の場合
(ステップS64でYes)、ステップS78に進みT
CS制御における制動制御を中止して(即ち、エンジン
によるトルクダウン制御のみ実行可能とする)ステップ
S66に進む。一方、ステップS64でTCS制御実行
中でない場合(ステップS62でNo)、ステップS6
6に進む。
【0029】ステップS66では、SCS・ECU10
はSCS制御の対象となる車輪を選択演算し、その選択
車輪に配分すべき目標スリップ率を演算し、その目標ス
リップ率に応じたSCS制御量βamt又はψamtを演算す
る。その後、ステップS68では必要なトルクダウン量
に応じたエンジン制御量を演算する。そして、ステップ
S70でSCS制御を実行して、ステップS72でSC
S制御フラグF1を"1"にセットした後、上述したステッ
プS2にリターンして上述の処理を繰り返し実行する。
【0030】ステップS76でABS制御フラグF2が"
1"にセットされている場合(ステップS76でYe
s)、図6に示すステップS80に進む。ステップS8
0では、SCS・ECU10はABS制御量をSCS制
御量βamt又はψamtに基づいて補正する。その後、ステ
ップS82では、SCS・ECU10はABS制御が終
了したか否かを判定する。ステップS82でABS制御
が終了していない(ステップS82でNo)、ステップ
S84でSCS制御フラグF1を"1"にセットすると共
に、ステップS86でABS制御フラグF2を"1"にセッ
トして上述のステップS30にリターンする。一方、ス
テップS82でABS制御が終了したならば(ステップ
S82でYes)、ステップS88でSCS制御フラグ
F1を"0"にリセットすると共に、ステップS90でAB
S制御フラグF2を"0"にリセットして上述のステップS
30にリターンする。
【0031】更に、ステップS76でABS制御フラグ
F2が"1"にセットされていない場合(ステップS76で
No)、図7に示すステップS92に進む。ステップS
92では、SCS・ECU10はブレーキ踏力圧PBが所
定閾値P0以上あるか否かを判定する(PB≧P0?)。ステ
ップS92でブレーキ踏力圧PBが所定閾値P0以上あるな
らば(ステップS92でYes)、ステップS94に進
んでSCS制御を中止して、ステップS96でABS制
御に切り換える。そして、ステップS98でABS制御
フラグF2を"1"にセットして上述のステップS30にリ
ターンする。一方、ステップS92でブレーキ踏力圧PB
が所定閾値P0を超えないならば(ステップS92でN
o)、ステップS100に進む。ステップS100で
は、SCS・ECU10はSCS制御が終了したか否か
を判定する。ステップS100でSCS制御が終了して
いない(ステップS100でNo)、上述したステップ
S68にリターンしてその後の処理を実行する。一方、
ステップS100でSCS制御が終了したならば(ステ
ップS100でYes)、ステップS102でSCS制
御フラグF1を"0"にリセットすると共に、ステップS1
04でABS制御フラグF2を"0"にリセットして上述の
ステップS30にリターンする。
【0032】[車輪速補正処理の説明]次に、図2のス
テップS7に示す車輪速補正処理の詳細について説明す
る。図8は、図2の車輪速補正処理を実行するためのフ
ローチャートである。図9は、車輪速補正手順を示す模
式図である。
【0033】例えば、パンク対応時用いる補助車輪(以
下、テンパ車輪という)はノーマル車輪よりその径が約
5〜15%小さく、他のノーマルタイヤに比べて車輪速
が高くなる。車輪速補正処理は、このようなテンパ車輪
やノーマル車輪の径のばらつきによる弊害を取り除くた
めに実行される。その弊害とは下記に示す通りである。
即ち、 ABS制御では、1輪だけ車輪速が高いと基準となる
車速が持ち上がってテンパ車輪以外のノーマル車輪がロ
ック傾向にあると誤判定してしまう。
【0034】TCS制御では、駆動輪にテンパ車輪が
装着されていると、他方の駆動輪であるノーマル車輪が
スピンしていると誤判定してしまう。
【0035】ノーマル車輪ではその径に最大5%の誤
差があり、この誤差に基づく車輪速のばらつきがSCS
制御に影響する。
【0036】図9に示すように、処理が開始されると、
ステップS110ではSCS・ECU10はFR車輪速
v1、FL車輪速v2、RR車輪速v3、RL車輪速v4を入力
する。ステップS112ではSCS・ECU10は車両
が定常走行中か否かを判定する。この定常走行中とは、
車輪速度の信頼性が低下するような極端な加減速時やコ
ーナ走行時ではない状態を表している。ステップS11
2で定常走行中でない場合(ステップS112でN
o)、ステップS110にリターンする。また、ステッ
プS112で定常走行中である場合(ステップS112
でYes)、ステップS114に進んでSCS・ECU
10はFR車輪速v1、FL車輪速v2、RR車輪速v3、R
L車輪速v4のいずれか1輪が所定閾値va以上なのか否か
を判定する。ステップS114でいずれか1輪が所定閾
値va以上である場合(ステップS114でYes)、ス
テップS116に進む。一方、ステップS114でいず
れも所定閾値を超えない場合(ステップS114でN
o)、ステップS122に進んでノーマル車輪に対する
車輪速補正を実行する。
【0037】ステップS116では、SCS・ECU1
0は1輪のみが所定閾値以上である状態が所定時間継続
したか否かを判定する。ステップS116で1輪のみが
所定閾値以上である状態が所定時間継続している場合
(ステップS116でYes)、ステップS118に進
む。一方、ステップS116で1輪のみが所定閾値以上
である状態が所定時間継続しなかった場合(ステップS
116でNo)、ステップS122に進んでノーマル車
輪に対する車輪速補正を実行する。ステップS118で
は、SCS・ECU10は1輪のみが所定閾値以上であ
る状態が所定時間継続したのでその1輪はテンパ車輪で
あると判定する。そして、ステップS120でSCS・
ECU10はテンパ車輪に対する車輪速補正を実行す
る。
【0038】ノーマル輪或いはテンパ車輪に対する車輪
速補正は、図9に示す〜の手順で実行される。即
ち、 FR車輪速を基準としてRR車輪速を補正し、次に、
FR車輪速を基準としてFL車輪速を補正し、最後に
FL車輪速を基準としてRL車輪速を補正する。但
し、FR車輪がテンパ車輪である場合は基準となる車輪
は他の車輪に設定する。
【0039】以下の説明において、図4のステップS4
4からS46へ進み、それ以降の処理を横滑り角制御、
ステップS52からS54へ進み、それ以降の処理をヨ
ーレート制御と称する。
【0040】[横滑り角制御開始閾値β0の補正処理]
図4のステップS44で参照する横滑り角制御開始閾値
β0の補正処理について説明する。図10は、横滑り角
制御開始閾値β0の補正処理を実行するためのフローチ
ャートである。図11は、横滑り角制御開始閾値β0を
ステアリング舵角θHに応じて補正するためのマップを
示す図である。図12〜図14は、横滑り角制御開始閾
値β0をステアリング舵角θHの変化速度に応じて補正す
るためのマップを示す図である。
【0041】図4のステップS52、S54、S56に
示すヨーレート制御中において、車両の横滑り角βが徐
々に増加していくと、ステップS44に示す条件が成立
した時点で横滑り角制御に移行する。この横滑り角制御
への移行時点で、ヨーレート制御の結果である車両が横
滑り角の大きく発生した姿勢であると、次に実行される
横滑り角制御では、車両の姿勢(推定横滑り角βcont)
が目標横滑り角βTRに対して大きくかけ離れているた
め、車両の姿勢は横滑り角制御により急激に修正される
ことになる。つまり、ドライバのステアリング操作に反
して車両の姿勢を急激に戻そうとするため、本当に姿勢
制御が必要な時には非常に有効であるが、それ以外の急
激な姿勢の戻し制御が不要な時にはドライバの操作に悪
影響を及ぼす虞がある。
【0042】上記課題を踏まえて、この横滑り角制御開
始閾値β0の補正処理は、ヨーレート制御から横滑り角
制御へスムーズに切り換えるために、ドライバのステア
リング操作に応じて早めに横滑り角制御に移行させるよ
うにしている。
【0043】図10に示すように、処理が開始される
と、ステップS132では、ドライバのステアリング操
作の状態を判定する。このステアリング操作の判定は、
ステアリング舵角が増加している状態又はステアリング
舵角の変化速度が増加している状態で切増しと判定し、
反対に切増しの状態からステアリング舵角が減少してい
る状態又はステアリング舵角の変化速度の方向が逆転し
た状態で切戻しと判定する。
【0044】ステップS132でステアリングの切増し
操作中の場合には、ステップS134に進む。このステ
アリングの切増し操作中の場合とは、例えば、旋回路へ
の侵入直前か或いは旋回走行の前半のステアリング舵角
が増加している状態と考えられる。ステップS134で
は、図11のマップに示すように、横滑り各制御開始閾
値β0をステアリング舵角θHに応じて補正する(β0→
β0・x5)。続いて、ステップS136では、図12の
マップに示すように、ステップS134にて補正された
横滑り角制御開始閾値β0を、ステアリング舵角θHの変
化速度ΔθH(ステアリング舵角θHの時間による微分
値)に応じて更に補正する(β0→β0・x5・x6)。その
後、ステップS132にリターンする。
【0045】図11に示すマップにおいて、ステアリン
グ舵角θHがエリアa1の範囲では、ステアリング舵角
θHが極めて小さく略直進走行中或いは旋回路に侵入し
た初期段階と考えられる。このエリアa1において、急
激にステアリングが操作される場合とは、例えば、前方
障害物を避けるために急激なステアリング操作を行った
場合やタイヤがパンクした場合が考えられ、早急に(或
いはドライバが気付かない間に)車両の姿勢を立て直す
こと望ましい。このため、エリアa1の範囲では、横滑
り角制御開始閾値β0を極めて減少方向に補正して、図
4のステップS44からステップS46への、横滑り角
制御に移行しやすくなるように補正している。
【0046】また、図11に示すマップにおいて、ステ
アリング舵角θHがエリアa2の範囲では、通常の旋回
路走行中と考えられる。このエリアa2では、横滑り角
制御に頼らずに、なるべくヨーレート制御により旋回で
きることが望ましい。このため、エリアa2の範囲で
は、SCS制御開始閾値β0を増加方向に補正して、横
滑り角制御に移行しにくくなる方向に補正している。
【0047】また、図11に示すマップにおいて、ステ
アリング舵角θHがエリアa3の範囲では、旋回走行中
にステアリング舵角が非常に大きいので、例えば、雪上
走行中にステアリングを切っているにも関らず車両が真
直ぐ進んでしまう状態等が想定され、横滑り角が非常に
大きく発生している状態と考えられる。このエリアa3
では、横滑り角制御に早く移行して、車両の姿勢を立て
直すことが望ましい。このため、エリアa3の範囲で
は、横滑り角制御開始閾値β0を減少方向に補正して、
横滑り角制御に移行しやすくなる方向に補正している。
【0048】また、図11の点線で示すマップのよう
に、車速Vが増加するに従って、横滑り角制御開始閾値
β0をより減少方向に補正して、横滑り角制御に移行し
やすくなる方向に補正してもよい。
【0049】また、図12に示すマップにおいて、ステ
アリング舵角の変化速度ΔθHが速くなる場合とは、ド
ライバの意思でステアリング操作を速くして旋回しよう
としている状態と考えられる。この状態では、ドライバ
の意志通りに車両が進むように、横滑り角制御開始閾値
β0を増加方向に補正して、横滑り角制御に移行しにく
くなる方向に補正し、ドライバのステアリング操作に反
して車両の姿勢を急激に戻そうとしないようにしてい
る。
【0050】説明を続けると、ステップS132にて、
ステップS132でステアリングの切戻し操作中の場合
には、ステップS138に進む。このステアリングの切
戻し操作中の場合とは、例えば、旋回路から抜け出す直
前か或いは旋回走行の後半のステアリング舵角が減少し
ている状態と考えられる。ステップS138では、車両
がドライバによるカウンタ操作中か否かを判定する。こ
の判定は、ステアリング舵角θHの方向とヨーレートψ
の方向とが反対となっているか否か、即ち、ステアリン
グ操作方向と車体の旋回方向とが反対になっているか否
かにより判定する。
【0051】ステップS138で、ステアリング舵角θ
Hの方向とヨーレートψの方向とが同方向の場合(ステ
ップS138でNo)、カウンタ操作ではないと判定さ
れ、ステップS140に進む。ステップS140では、
車両は安定方向に向かって走行しているが、その後に急
激に横滑りが発生した場合等に対応できるように、横滑
り角制御開始閾値β0を10%だけ減少方向に補正す
る。また、ステップS138で、ステアリング舵角θH
の方向とヨーレートψの方向とが反対の場合(ステップ
S138でYes)、カウンタ操作であると判定され、
ステップS142に進む。ステップS142では、車両
が不安定な状態で走行しており、早急に車両の姿勢を立
て直す必要があるため、横滑り角制御開始閾値β0を2
0%だけ減少方向に補正する。続いて、ステップS14
4では、カウンタ操作が収束したか否かを判定する。ス
テップS144でカウンタ操作が収束したならば(ステ
ップS144でYes)、ステップS132にリターン
し、カウンタ操作が収束していないならば(ステップS
144でNo)、ステップS142にリターンして、更
に横滑り角制御開始閾値β0を20%だけ減少方向に補
正する。
【0052】上記ステップS140、142で補正対象
となる横滑り角制御開始閾値β0は、ステップS13
4、ステップS136を経て補正された値β0(β0・x
5、β0・x5・x6)でも、図4のステップS44で設定さ
れた補正前の値β0であっても良い。
【0053】ここで、図12に示すマップの代わりに図
13、図14に示すマップにより横滑り角制御開始閾値
β0を補正してもよい。これら図13、図14に示すマ
ップでは、図12に示すマップとは反対に、横滑り角制
御に移行しやすくなるように補正している。この図1
3、図14に示すマップにおいて、ステアリング舵角の
変化速度ΔθHが速くなる場合(急激にステアリングが
操作される場合)とは、例えば、前方障害物を避けるた
めに急激なステアリング操作を行った場合やタイヤがパ
ンクした場合が考えられ、早急に車両の姿勢を立て直す
こと望ましい。このため、ステアリング舵角の変化速度
ΔθHが速くなる程、横滑り角制御開始閾値β0を減少方
向に補正して、横滑り角制御に移行しやすくなるように
補正している。
【0054】また、図11に示すマップにおいて、ステ
アリング舵角θHがエリアa2の範囲では、通常の旋回
路走行中と考えられる。このエリアa2では、横滑り角
制御に頼らずに、なるべくヨーレート制御により旋回で
きることが望ましい。このため、エリアa2の範囲で
は、横滑り角制御開始閾値β0を増加方向に補正して、
横滑り角制御に移行しにくくなる方向に補正している。
【0055】また、図11に示すマップにおいて、ステ
アリング舵角θHがエリアa3の範囲では、旋回走行中
にステアリング舵角が非常に大きいので、例えば、雪上
走行中にステアリングを切っているにも関らず車両が真
直ぐ進んでしまう状態等が想定され、横滑り角が非常に
大きく発生している状態と考えられる。このエリアa3
では、横滑り角制御に早く移行して、車両の姿勢を立て
直すことが望ましい。このため、エリアa3の範囲で
は、横滑り角制御開始閾値β0を減少方向に補正して、
横滑り角制御に移行しやすくなる方向に補正している。
【0056】<変形例>変形例として、 ヨーレートのセンサ値が非常に大きくなるスピン発生
後は、推定演算される推定横滑り角の積分誤差がそのヨ
ーレートのセンサ値の影響で非常に大きくなり、姿勢制
御に移行する必要が無い場合でもドライバの意思に反し
て姿勢制御に移行してしまう等、ドライバの操作に悪影
響を及ぼす虞がある。このため、スピンが発生したか否
かを判定して、スピンが発生すると(スピンは、ヨーレ
ートが急激に増加することにより判定する)、横滑り角
制御開始閾値β0を増加方向に補正して、横滑り角制御
に移行しにくくなる方向に補正してもよい。また、ドリ
フトアウト発生後も同様である。ドリフトアウトの発生
は、ステアリング舵角に対する車両の横滑り角が非常に
大きいことにより判定する。
【0057】路面の摩擦係数が急激に増減する場合に
も、推定演算される推定横滑り角の積分誤差が大きくな
り、また、ドライバの意思による姿勢立て直し操作に反
して制御介入してしまうこともあるため、横滑り角制御
開始閾値β0を増加方向に補正して、横滑り角制御に移
行しにくくなる方向に補正してもよい。
【0058】ステアリング舵角θHの変化が少ない略
直進走行の継続時間が大きくなる程、横方向の負荷が検
出できず、摩擦係数が極めて小さな値となり推定横滑り
角の値が不正確となるため、横滑り角制御開始閾値β0
を増加方向に補正して、横滑り角制御に移行しにくくな
る方向に補正してもよい。
【0059】[ヨーレート制御量ψamtの補正処理]次
に、図4のステップS56で参照するヨーレート制御量
ψamtの補正処理について説明する。図15は、ヨーレ
ート制御量ψamtの補正処理を実行するためのフローチ
ャートである。図16は、ヨーレート制御量ψamtを横
滑り角偏差量βdifに応じて補正するためのマップを示
す図である。図17は、ヨーレート制御量ψamtを横滑
り角偏差量βdifの変化速度Δβdifに応じて補正するた
めのマップを示す図である。
【0060】このヨーレート制御量ψamtの補正処理
も、上記横滑り角制御開始閾値β0の補正処理と同一の
課題を踏まえている。つまり、このヨーレート制御量ψ
amtの補正処理は、ヨーレート制御から横滑り角制御へ
スムーズに切り換えるために、車両の横滑り偏差量βdi
fに応じてヨーレート制御量ψamtを減少方向に補正して
いき、目標ヨーレートψTRへ収束させる時の追従性を増
減して、車両が大きく姿勢変化しないように、スムーズ
に横滑り角制御に移行させるようにしている。
【0061】図15に示すように、処理が開始される
と、ステップS152では、車両が横滑り制御領域にな
く(ステップS44でNo)、ヨーレート制御領域にあ
る(ステップS52でYes)か否かを判定する。ステ
ップS152でヨーレート制御領域にあるならば(ステ
ップS152でYes)、ステップS154に進む。
【0062】ステップS154では、図16のマップに
示すように、ヨーレート制御量ψamtを横滑り角偏差量
βdif(βdif=|βTR−βcont|)に応じて補正する
(ψamt→ψamt・x7)。続いて、ステップS154で
は、図17のマップに示すように、ステップS152に
て補正されたヨーレート制御量ψamtを、横滑り角偏差
量βdifの変化速度Δβdif(横滑り角偏差量βdifの時
間による微分値)に応じて更に補正する(ψamt→ψamt
・x7・x8)。次に、ステップS158に進み、横滑り角
偏差量βdifが増加傾向にあるか否かを判定する。この
判定は、横滑り角偏差量βdifの変化速度Δβdifの増減
により判定する。ステップS158で横滑り角偏差量β
difが増加傾向にあるならば(ステップS158でYe
s)、ステップS160に進み、横滑り角偏差量βdif
が増加傾向でないならば(ステップS158でNo)、
ステップS162に進む。
【0063】ステップS160では、横滑り制御に移行
する直前と考えられるので、ヨーレート制御量ψamtを
20%だけ減少方向に補正して、目標ヨーレートψTRへ
の収束速度を遅くする。ステップS162では、ヨーレ
ート制御量ψamtが所定値ψ1以下であるか否かを判定す
る。ステップS162でヨーレート制御量ψamtが所定
値ψ1以下(ψamt≦ψ1)ならば(ステップS162で
Yes)、ステップS164に進み、横滑り角制御開始
閾値β0を減少方向に補正して、横滑り角制御に移行し
やすくなる方向に補正する。ステップS162での所定
値ψ1は、ヨーレート制御量ψamtが更に小さな値になっ
た場合には目標ヨーレートψTRへの追従速度が遅くな
り、ヨーレート制御を実行しても車両の姿勢に影響しな
いような値に設定される。
【0064】図16に示すマップにおいて、横滑り角偏
差量βdifが増加しているということは、横滑り角制御
領域には入っていないが車両の姿勢が目標横滑り角βTR
に対して大きくずれている状態である。そこで、横滑り
角制御に移行する時の前準備として、ヨーレートによる
無理な姿勢制御を行なわないで、ゆっくり収束させてい
く。
【0065】また、図17に示すマップにおいて、横滑
り角偏差量βdifの変化速度Δβdifが増加しているとい
うことは、図16と同様に、横滑り角制御領域には入っ
ていないが車両の姿勢が目標横滑り角βTRに対して大き
くずれ始めている状態である。そこで、横滑り角制御に
移行する時の前準備として、ヨーレートによる無理な姿
勢制御を行なわないで、ゆっくりと目標ヨーレートψTR
に収束させていく。このため、図17では、横滑り角偏
差量βdifの変化速度Δβdifが増加するに従って、ステ
ップS154で補正されたヨーレート制御量ψamt(=
ψamt・x7)を更に減少方向に補正して、図4のステッ
プS56に示す目標ヨーレートψTRへ収束させる際の追
従速度を小さくしている。
【0066】<変形例>図18は、ヨーレート制御量ψ
amtの補正処理の変形例を示すフローチャートである。
【0067】この変形例では、横滑り角偏差量βdifが
増加傾向にある場合には、ヨーレート制御量ψamtの補
正処理を実行し、横滑り角偏差量βdifが増加傾向に無
い場合には、横滑り角偏差量βdifが拡大していないた
め、通常のヨーレート制御を実行するものである。
【0068】図18に示すように、処理が開始される
と、ステップS172では、横滑り角偏差量βdifが所
定値β1(<β0)以上か否かを判定する。ステップS1
72で横滑り角偏差量βdifが所定値β1以上ならば(ス
テップS172でYes)、ステップS174で通常の
ヨーレート制御を実行する。ステップS176では、今
回の横滑り角偏差量βdifnが前回の横滑り角偏差量βdi
fn-1以上か否かを判定する。ステップS176で今回の
横滑り角偏差量βdifnが前回の横滑り角偏差量βdifn-1
以上ならば(ステップS176でYes)、横滑り角偏
差量βdifは拡大傾向にあるので、ステップS178に
てヨーレート制御量ψamtの補正処理を実行する。この
ヨーレート制御量ψamtの補正処理は、図15のステッ
プS154移行の処理と同様である。また、ステップS
186で今回の横滑り角偏差量βdifnが前回の横滑り角
偏差量βdifn-1より小さいならば(ステップS186で
No)、ヨーレート制御により横滑り角偏差量βdifが
拡大していないため、通常のヨーレート制御を実行する
ものである。
【0069】[目標横滑り角βTRの上限値設定処理]次
に、図3のステップS42で演算する目標横滑り角βTR
の上限値βTRLimを設定する処理について説明する。図
19は、目標横滑り角βTRの上限値設定処理を実行する
ためのフローチャートである。図20は、目標横滑り角
βTRの上限値βTRLimを車速Vに応じて設定するための
マップを示す図である。図21、図22は、目標横滑り
角βTRの上限値βTRLimをステアリング舵角θHに応じて
設定するためのマップを示す図である。図23は、目標
横滑り角βTRの上限値βTRLimをステアリング舵角θHの
変化速度ΔθHに応じて設定するためのマップを示す図
である。図24は、目標横滑り角βTRの上限値βTRLim
を車速V及びステアリング舵角θHに応じて設定するた
めのマップを示す図である。図25は、目標横滑り角β
TRの上限値βTRLimを車速V及びステアリング舵角θHの
変化速度ΔθHに応じて設定するためのマップを示す図
である。
【0070】横滑り角制御中において、例えば、車両に
スピンやドリフトアウト等が発生すると、ドライバは慌
てるため、車速が高い状態でステアリングを固定させた
り、カウンタ操作を行ったりして、ステアリングを通常
より大きく操作することが考えられる。このように、ス
テアリング舵角が大きくなると、本来の目標横滑り角β
TRが正常値から大幅にずれるので、ステアリング舵角に
より設定される目標横滑り角βTRの信頼性も低下する。
この状態で、通常通りの横滑り角制御を実行すると、推
定横滑り角βcontを信頼性の低い目標横滑り角βTRに収
束させてしまうことになり、本来の正常な姿勢からかけ
離れた姿勢に立て直そうとしてしまう。
【0071】上記課題を踏まえて、目標横滑り角βTRの
上限値設定処理は、車速Vやステアリング舵角θHに応
じて目標横滑り角βTRの信頼性を判断し、目標横滑り角
βTRの信頼性が低い場合には、目標横滑り角βTRに上限
値βTRLimを設定し、その上限値βTRLimを減少方向に補
正することにより、目標横滑り角βTRへの過剰な制御を
抑制するようにしている。
【0072】図19に示すように、処理が開始される
と、ステップS182では、目標横滑り角βTRが、図2
0〜図24に示すマップから決定される目標横滑り角β
TRの上限値βTRLim以上であるか否かを判定する。ステ
ップS182で、目標横滑り角βTRが、その上限値βTR
Lim以上であるならば(ステップS182でYes)、
ステップS184にて、目標横滑り角βTRを、図20〜
図24に示すマップから決定される目標横滑り角βTRの
上限値βTRLimに設定する。
【0073】図20に示すマップにおいて、エリアa4
のように車速Vが低い状態では、例えば、雪路走行中に
スピン等が発生すると、ドライバは慌てるため、ステア
リングを通常より大きく操作することが考えられる。こ
のように、ステアリング舵角が大きくなると、横滑り角
偏差量βdifが誤った方向に拡大してしまう可能性があ
る。このため、目標横滑り角βTRの上限値βTRLimを減
少方向に補正して、横滑り制御量βamtを小さくし車両
の挙動変化を小さく抑えている。また、車速Vが低い状
態では、横滑り制御量βamtを小さくしても時間的に余
裕があるため、繰り返し制御介入することにより車両の
姿勢を立て直しやすいのである。
【0074】反対に、エリアa5のように車速Vが高い
状態では、低速時に比べてドライバのステアリング操作
に対して横滑り角偏差量βdifが大きくなるため横滑り
制御量βamtも大きくなる。ところが、高速走行時に大
きな横滑り制御量βamtにて姿勢制御すると、制御が急
激すぎて車両が路面とのグリップを失い、スピン等を起
こす可能性がある。このため、目標横滑り角βTRの上限
値βTRLimを減少方向に補正して、横滑り制御量βamtを
小さくし車両の挙動変化を小さく抑えている。
【0075】図21に示すマップにおいて、エリアa6
のようにステアリング舵角θHが大きくなっていく状態
では、横滑り角偏差量βdifが大きくなり、車両はスピ
ン等をしやすい状況にある。このため、目標横滑り角β
TRの上限値βTRLimを増加方向に補正して、早急に姿勢
を立て直すようにしている。つまり、エリアa6に示す
ステアリング舵角θHが低い状態に比べて、エリアa7
のようにステアリング舵角θHが大きい状態では、例え
ば、ドライバの操作したステアリング舵角が大きく、横
滑り角偏差量βdifが拡大してスピンやドリフトアウト
が発生する虞がある。そこで、このような状態では、目
標横滑り角βTRに早急に収束させ、車両の姿勢を立て直
す必要があるので、目標横滑り角βTRの上限値βTRLim
を増加方向に補正して横滑り角制御を実行させるように
している。
【0076】図22に示すマップにおいて、エリアa8
のようにステアリング舵角θHが極端に大きくなる状態
とは、例えば、ドライバがカウンタ操作している時であ
り、この状態では目標横滑り角βTRに早急に収束させ、
車両の姿勢を立て直す必要がある。このため、目標横滑
り角βTRの上限値βTRLimを増加方向に補正して早く収
束させるようにしている。
【0077】図23に示すマップにおいて、エリアa9
のようにステアリング舵角θHの変化速度ΔθHが極端に
大きくなる状態とは、例えば、ドライバがカウンタ操作
している時であり、この状態では目標横滑り角βTRに早
急に収束させ、ドライバの操作通りに車両の姿勢を立て
直す必要があるので、目標横滑り角βTRの上限値βTRLi
mを増加方向に補正している。
【0078】図24に示すマップにおいて、車速Vが高
い状態でも、ステアリング舵角θHが大きくなる程、横
滑り角偏差量βdifが大きくなるため、目標横滑り角βT
Rに早急に収束させ、ドライバの操作通りに車両の姿勢
を立て直す必要があるので、目標横滑り角βTRの上限値
βTRLimを増加方向に補正している。
【0079】図25に示すマップにおいて、エリアa1
0のように、車速Vが低速でもなく高速でもない中間領
域で、且つステアリング舵角θHの変化速度ΔθHが低い
状態から中程度の領域では、目標横滑り角βTRの信頼性
が高いので、目標横滑り角βTRの上限値βTRLimを増加
方向に補正して横滑り角制御を実行させるようにしてい
る。反対に、エリアa10以外のエリアa11の状態で
は、目標横滑り角βTRの信頼性が低いので、目標横滑り
角βTRの上限値βTRLimの補正処理を実行しないように
している。
【0080】<変形例>変形例として、車両走行中の路
面の摩擦係数が所定摩擦係数より小さい場合には、ステ
アリング操作を行ないやすく、目標横滑り角βTRが増加
しやすい状態なので、目標横滑り角βTRの上限値βTRLi
mを減少方向に補正して、横滑り角制御による急激な車
両の挙動変化を抑えるようにしてもよい。
【0081】[横滑り角制御量βamtの補正処理]次
に、図4のステップS50で参照する横滑り角制御量β
amtの補正処理について説明する。図26は、横滑り角
制御量βamtの補正処理を実行するためのフローチャー
トである。図27は、横滑り角制御量βamtをステアリ
ング舵角θH及びその変化速度ΔθHに応じて補正するた
めのマップを示す図である。
【0082】図4に示す横滑り角制御中において、横滑
り角偏差量βdifの変化速度Δβdifが変化している場
合、目標横滑り角βTRの増加に起因していることが考え
られる。この目標横滑り角βTRは、ドライバのステアリ
ング操作により決定されるのであるが、横滑り角偏差量
βdifが増加している状態で更にステアリングを切り込
むことはスピンやドリフトアウトを助長する結果とな
る。
【0083】そこで、横滑り角制御量βamtの補正処理
では、目標横滑り角βTRが増加している状態で、ドライ
バのステアリング操作が切り戻されているか、切り増さ
れているか、或いはステアリング舵角θHやその変化速
度ΔθHによって横滑り角制御量βamtを補正し、ドライ
バのステアリング操作に応じた横滑り角制御を行うよう
にしている。
【0084】図26に示すように、処理が開始される
と、ステップS192では、横滑り角偏差量βdifの変
化速度Δβdifが所定値β2以上か否かを判定する。ス
テップS192で横滑り角偏差量βdifの変化速度Δβd
ifが所定値β2以上ならば(ステップS192でYe
s)、ステップS199に進む。ステップS199で
は、横滑り角偏差量βdifがかなり大きくなり、早急に
車両の姿勢を立て直す必要があるため、横滑り角制御量
βamtを20%増加方向に補正して、目標横滑り角βTR
への収束速度を速める。
【0085】ステップS192で横滑り角偏差量βdif
の変化速度Δβdifが所定値β2以上でないならば(ス
テップS192でNo)、横滑り角偏差量βdifはそれ
程大きくなく、早急に車両の姿勢を立て直す必要もない
と考えられ、ステップS194に進む。
【0086】ステップS194では、ドライバのステア
リング操作の状態を判定する。このステアリング操作の
判定は、ステアリング舵角が変化しない状態で固定と判
定し、ステアリング舵角が増加している状態又はステア
リング舵角の変化速度が増加している状態で切増しと判
定し、反対に切増しの状態からステアリング舵角が減少
している状態又はステアリング舵角の変化速度の方向が
逆転した状態で切戻しと判定する。
【0087】ステップS194でステアリングの固定又
は切増し操作中の場合には、ステップS196に進む。
このステアリングの固定又は切増し操作中の場合とは、
例えば、スピン或いはドリフトアウトが発生しそうな時
に横滑り角制御が介入するのであるが、そのスピン或い
はドリフトアウトが発生しそうな時にステアリングを固
定又は切増し操作するのは、スピン或いはドリフトアウ
トを助長する結果となりドライバが誤って操作している
状態と考えられる。そこで、ステップS196では、目
標横滑り角βTRの信頼性は低いと考えられ、図27のマ
ップに示すように、横滑り角制御量βamtをステアリン
グ舵角θH及びその変化速度ΔθHに応じて補正する(β
amt→βamt・x9)。
【0088】また、ステップS194でステアリングの
切戻し操作中の場合には、ステップS198に進む。こ
のステアリングの切戻し操作中の場合とは、例えば、ス
ピン或いはドリフトアウトが発生しそうな時に横滑り角
制御が介入するのであるが、そのスピン或いはドリフト
アウトが発生しそうな時にステアリングがカウンタ操作
されていると考えられる。このカウンタ操作は、スピン
或いはドリフトアウトを回避する操作であるのでドライ
バの操作は誤っていないと考えられる。そこで、ステッ
プS198では、目標横滑り角βTRの信頼性は高いと考
えられ、早急に車両の姿勢を立て直す必要があるため、
横滑り角制御量βamtを10%増加方向に補正して、目
標横滑り角βTRへの収束速度を速めている。
【0089】図27に示すマップにおいて、ステアリン
グの固定又は切増し操作中の場合には、スピン或いはド
リフトアウトが発生しそうな時にステアリングを固定又
は切増し操作するのは、スピン或いはドリフトアウトを
助長する結果となりドライバが誤って操作している状態
なので、ステアリング舵角θHが増加するに従って、目
標横滑り角βTRの信頼性は低いと考えられ、横滑り角制
御量βamtを減少方向に補正している。同様に、ステア
リング舵角θHの変化速度ΔθHが増加するに従って、目
標横滑り角βTRの信頼性は低いと考えられ、更に車両の
挙動変化が速くなるため、横滑り角制御量βamtを更に
減少方向に補正している。
【0090】[横滑り角偏差量又はヨーレート偏差量の
変化要因に基づく補正処理]次に、横滑り角偏差量βdi
f又はヨーレート偏差量ψdifの変化要因に基づく補正処
理について説明する。図28は、ヨーレート偏差量ψdi
fに応じた横滑り角制御開始閾値β0、目標横滑り角βT
R、ヨーレート制御量ψamtの補正処理を実行するための
フローチャートである。図29は、横滑り角偏差量βdi
fに応じた、横滑り角制御開始閾値β0、目標横滑り角β
TR、横滑り角制御量βamtの補正処理を実行するための
フローチャートである。
【0091】<ヨーレート偏差量ψdifに応じた補正処
理>先ず、ヨーレート偏差量ψdifに応じた横滑り角制
御開始閾値β0、目標横滑り角βTR、ヨーレート制御量
ψamtの補正処理について説明する。
【0092】ヨーレート偏差量ψdif(ψdif=|ψTR−
ψact|)に応じた補正処理では、ヨーレート偏差量ψd
ifの変化速度Δψdif(今回のヨーレート偏差量ψdifn
と前回のヨーレート偏差量ψdifn-1との差)が所定値ψ
1以上変化した場合、その変化要因が目標ヨーレートψT
Rなのか、実ヨーレートψactなのかに応じて、ヨーレー
ト制御量ψamt、横滑り角制御開始閾値β0、目標横滑り
角βTRを補正する。
【0093】図28に示すように、図4のステップS5
6からステップS202に進み、ステップS202で
は、ヨーレート偏差量ψdifの変化速度Δψdifが所定値
ψ2以上変化したか否かを判定する。ステップS202
でヨーレート偏差量ψdifの変化速度Δψdifが所定値ψ
2以上変化したならば(ステップS202でYes)、
ステップS204に進む。ステップS204では、ヨー
レート偏差量ψdifの変化速度Δψdifの変化要因が目標
ヨーレートψTRなのか、実ヨーレートψactなのかを判
定する。ステップS204でヨーレート偏差量ψdifの
変化速度Δψdifの変化要因が目標ヨーレートψTRなら
ば、ステップS206〜S210に進む。
【0094】ヨーレート偏差量ψdifの変化速度Δψdif
の変化要因が目標ヨーレートψTRということは、ドライ
バのステアリング操作によるものと考えられる。そこ
で、ステップS206では、ドライバの意志に従って、
横滑り角制御開始閾値β0を増加方向に補正して、横滑
り角制御に移行しにくくして、ドライバのステアリング
操作に任せるようにする。更に、ステップS208で
は、目標横滑り角βTRの上限値βTRLimを増加方向に補
正して、横滑り角制御に移行した場合に、ドライバのス
テアリング操作に応じて目標横滑り角βTRが増加できる
ように補正する。また、ステップS210では、ヨーレ
ート制御量ψamtを減少方向に補正して、ヨーレート制
御による目標ヨーレートへの急激な姿勢変化を抑制し、
ドライバのステアリング操作に任せると共に、ドライバ
のステアリング操作と干渉しないようにしている。
【0095】一方、ステップS204でヨーレート偏差
量ψdifの変化速度Δψdifの変化要因が実ヨーレートψ
actならば、ステップS212〜S214に進む。
【0096】ヨーレート偏差量ψdifの変化速度Δψdif
の変化要因が実ヨーレートψactということは、路面形
状変化や路面摩擦係数変化等の外乱に起因するものと考
えられ、早急に車両の姿勢を立て直す必要がある。そこ
で、ステップS212では、横滑り角制御開始閾値β0
を減少方向に補正して、横滑り角制御に移行しやすく
し、横滑り角制御に移行した時にスリップやドリフトア
ウトに対して早めに対処できるようにする。更に、ステ
ップS214では、早急な姿勢の立て直しを図るため、
ヨーレート制御量ψamtを増加方向に補正して、目標ヨ
ーレートψTRへの収束を早めている。
【0097】以上のように、ヨーレート制御中におい
て、ヨーレート偏差量ψdifの変化要因に応じて横滑り
角制御開始閾値β0、目標横滑り角βTR、ヨーレート制
御量ψamtを補正するので、ドライバの操作に起因する
場合には、ドライバの意志に従うようにし、外乱に起因
する場合には、早急に車両の姿勢を立て直ようにでき
る。
【0098】<横滑り角偏差量βdifに応じた補正処理
>次に、横滑り角偏差量βdifに応じた横滑り角制御開
始閾値β0、目標横滑り角βTR、横滑り角制御量βamtの
補正処理について説明する。
【0099】横滑り角偏差量βdif(βdif=|βTR−βc
ont|)に応じた補正処理では、横滑り角偏差量βdifの
変化速度Δβdif(今回の横滑り角偏差量βdifnと前回
の横滑り角偏差量βdifn-1との差)が所定値β2以上変
化した場合、その変化要因が目標横滑り角βTRなのか、
推定横滑り角βcontなのかに応じて、横滑り角制御開始
閾値β0、目標横滑り角βTR、横滑り角制御量βamtを補
正する。
【0100】図29に示すように、図4のステップS5
0からステップS222に進み、ステップS222で
は、横滑り角偏差量βdifの変化速度Δβdifが所定値β
2以上変化したか否かを判定する。ステップS222で
横滑り角偏差量βdifの変化速度Δβdifが所定値β2以
上変化したならば(ステップS222でYes)、ステ
ップS224に進む。ステップS224では、横滑り角
偏差量βdifの変化速度Δβdifの変化要因が目標横滑り
角βTRなのか、推定横滑り角βcontなのかを判定する。
ステップS224で横滑り角偏差量βdifの変化速度Δ
βdifの変化要因が目標横滑り角βTRならば、ステップ
S226〜S230に進む。
【0101】横滑り角偏差量βdifの変化速度Δβdifの
変化要因が目標横滑り角βTRということは、ドライバの
ステアリング操作によるものと考えられる。そこで、ス
テップS226では、ドライバの意志に従って、横滑り
角制御開始閾値β0を増加方向に補正して、横滑り角制
御に移行しにくくして、ドライバのステアリング操作に
任せるようにする。更に、ステップS228では、目標
横滑り角βTRの上限値βTRLimを増加方向に補正して、
ドライバのステアリング操作に応じて目標横滑り角βTR
が増加できるように補正する。また、ステップS230
では、横滑り角制御量βamtを減少方向に補正して、横
滑り角制御による目標横滑り角βTRへの急激な姿勢変化
を抑制し、ドライバのステアリング操作に任せると共
に、ドライバのステアリング操作と干渉しないようにし
ている。
【0102】一方、ステップS224で横滑り角偏差量
βdifの変化速度Δβdifの変化要因が推定横滑り角ψco
ntならば、ステップS232〜S234に進む。
【0103】横滑り角偏差量βdifの変化速度Δβdifの
変化要因が推定横滑り角ψcontということは、路面形状
変化や路面摩擦係数変化等の外乱に起因するものと考え
られ、早急に車両の姿勢を立て直す必要がある。そこ
で、ステップS232では、横滑り角制御開始閾値β0
を減少方向に補正して、横滑り角制御に移行しやすく
し、横滑り角制御に移行した時にスリップやドリフトア
ウトに対して早めに対処できるようにする。更に、ステ
ップS234では、早急な姿勢の立て直しを図るため、
横滑り角制御量βamtを増加方向に補正して、目標横滑
り角βTRへの収束を早めている。
【0104】以上のように、横滑り角制御中において、
横滑り角偏差量βdifの変化要因に応じて横滑り角制御
開始閾値β0、目標横滑り角βTR、横滑り角制御量βamt
を補正するので、ドライバの操作に起因する場合には、
ドライバの意志に従うようにし、外乱に起因する場合に
は、早急に車両の姿勢を立て直すことができる。
【0105】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲
で上記実施形態を修正又は変更したものに適用可能であ
る。
【0106】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、舵角検
出手段にて検出されたステアリング舵角に応じて、所定
閾値を補正することにより、車両の姿勢を立て直すため
のドライバによるステアリング操作に合致した姿勢制御
を実現し、姿勢制御時の安定性を向上できる。
【0107】また、横滑り角演算手段は、車速、ステア
リング舵角、ヨーレート、横方向加速度に基づいて、目
標横滑り角及び推定横滑り角を演算することにより、ド
ライバ操作と車両の姿勢とを正確に検出できる。
【0108】また、補正手段は、舵角検出手段にて検出
されたステアリング舵角の変化速度が増加するに従っ
て、所定閾値の値を増加方向に補正することにより、ド
ライバの意思でステアリング操作を速くして旋回しよう
としている状態に、ドライバの意志通りに車両が進むよ
うにできる。
【0109】また、補正手段は、舵角検出手段にて検出
されたステアリング舵角が増加するに従って、所定閾値
を徐々に増加方向に補正することにより、ドライバの意
思でステアリング舵角が増加している状態に、ドライバ
の意志通りに車両が進むようにできる。
【0110】また、補正手段は、ステアリングの切り戻
し操作時に、所定閾値を減少方向に補正することによ
り、例えば、旋回路から抜け出す直前か或いは旋回走行
の後半のステアリング舵角が減少している状態で、急激
に横滑りが発生した場合等に対応でき、早急に車両の姿
勢を立て直すことができる。
【0111】また、補正手段は、略直進走行の場合に前
記所定閾値を極めて小さな値に設定することにより、前
方障害物を避けるために急激なステアリング操作を行っ
た場合やタイヤがパンクした場合に、早急に車両の姿勢
を立て直すことができる。
【0112】また、補正手段は、ヨーレート検出手段に
て検出されたヨーレートが急激に増加する場合に、所定
閾値を増加方向に補正することにより、ヨーレートのセ
ンサ値が非常に大きくなるスピン発生後に、推定演算さ
れる推定横滑り角の積分誤差が大きくなることで、姿勢
制御に移行する必要が無い場合でもドライバの意思に反
して姿勢制御に移行してしまう等のドライバ操作への悪
影響を低減できる。
【0113】また、補正手段は、該摩擦検出手段にて検
出された摩擦係数が急激に変化する場合に、所定閾値を
増加方向に補正することにより、推定演算される推定横
滑り角の積分誤差が大きくなることで、ドライバの意思
による姿勢立て直し操作に反して制御介入してしまうこ
とを抑制できる。
【0114】また、補正手段は、略直進走行状態の継続
時間が大きくなる程、所定閾値を増加方向に補正するこ
とにより、横方向の負荷が検出できず、摩擦係数が極め
て小さな値となり推定横滑り角の値が不正確となる場合
に、ドライバの意志に反した制御介入を抑制できる。
【0115】また、補正手段は、舵角検出手段にて検出
されたステアリング舵角の変化速度が増加するに従っ
て、所定偏差の値を減少方向に補正することにより、ド
ライバ操作により崩れた姿勢を早急に立て直すことがで
きる。
【0116】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両の姿勢制御装置の
制御ブロックの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態の姿勢制御を実行するための全体的
動作を示すフローチャートである。
【図3】図2のSCS演算処理を実行するためのフロー
チャートである。
【図4】図2のSCS演算処理を実行するためのフロー
チャートである。
【図5】SCS制御とABS制御との調停処理を実行す
るためのフローチャートである。
【図6】SCS制御とABS制御との調停処理を実行す
るためのフローチャートである。
【図7】SCS制御とABS制御との調停処理を実行す
るためのフローチャートである。
【図8】図2の車輪速補正処理を実行するためのフロー
チャートである。
【図9】車輪速補正手順を示す模式図である。
【図10】横滑り角制御開始閾値β0の補正処理を実行
するためのフローチャートである。
【図11】横滑り角制御開始閾値β0をステアリング舵
角θHの変化速度に応じて補正するためのマップを示す
図である。
【図12】横滑り角制御開始閾値β0をステアリング舵
角θHの変化速度に応じて補正するためのマップを示す
図である。
【図13】横滑り角制御開始閾値β0をステアリング舵
角θHの変化速度に応じて補正するためのマップを示す
図である。
【図14】横滑り角制御開始閾値β0をステアリング舵
角θHの変化速度に応じて補正するためのマップを示す
図である。
【図15】ヨーレート制御量ψamtの補正処理を実行す
るためのフローチャートである。
【図16】ヨーレート制御量ψamtを横滑り角偏差量βd
ifに応じて補正するためのマップを示す図である。
【図17】ヨーレート制御量ψamtを横滑り角偏差量βd
ifの変化速度Δβdifに応じて補正するためのマップを
示す図である。
【図18】ヨーレート制御量ψamtの補正処理の変形例
を示すフローチャートである。
【図19】目標横滑り角βTRの上限値設定処理を実行す
るためのフローチャートである。
【図20】目標横滑り角βTRの上限値βTRLimを車速V
に応じて設定するためのマップを示す図である。
【図21】目標横滑り角βTRの上限値βTRLimをステア
リング舵角θHに応じて設定するためのマップを示す図
である。
【図22】目標横滑り角βTRの上限値βTRLimをステア
リング舵角θHに応じて設定するためのマップを示す図
である。
【図23】目標横滑り角βTRの上限値βTRLimをステア
リング舵角θHの変化速度ΔθHに応じて設定するための
マップを示す図である。
【図24】目標横滑り角βTRの上限値βTRLimを車速V
及びステアリング舵角θHに応じて設定するためのマッ
プを示す図である。
【図25】目標横滑り角βTRの上限値βTRLimを車速V
及びステアリング舵角θHの変化速度ΔθHに応じて設定
するためのマップを示す図である。
【図26】横滑り角制御量βamtの補正処理を実行する
ためのフローチャートである。
【図27】横滑り角制御量βamtをステアリング舵角θH
及びその変化速度ΔθHに応じて補正するためのマップ
を示す図である。
【図28】ヨーレート偏差量ψdifに応じた横滑り角制
御開始閾値β0、目標横滑り角βTR、ヨーレート制御量
ψamtの補正処理を実行するためのフローチャートであ
る。
【図29】横滑り角偏差量βdifに応じた、横滑り角制
御開始閾値β0、目標横滑り角βTR、横滑り角制御量βa
mtの補正処理を実行するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10…SCS・ECU 11…FR車輪速センサ 12…FL車輪速センサ 13…RR車輪速センサ 14…RL車輪速センサ 15…車速センサ 16…ステアリング舵角センサ 17…ヨーレートセンサ 18…横方向加速度センサ 19…前後方向加速度センサ 20…EGI・ECU 21…エンジン 22…オートマチックトランスミッション 23…スロットルバルブ 30…油圧制御ユニット 31…FRブレーキ 32…FLブレーキ 33…RRブレーキ 34…RLブレーキ 35…ブレーキ踏力圧センサ 36…加圧ユニット 37…マスタシリンダ 38…ブレーキペダル 40…TCSオフスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和泉 知示 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両を制動制御して、走行中の車両の姿
    勢を制御する装置であって、 車両のステアリング舵角を検出する舵角検出手段と、 車両の状態量に基づいて、目標横滑り角と推定横滑り角
    とを演算する横滑り角演算手段と、 前記横滑り角演算手段にて演算される目標横滑り角と推
    定横滑り角との偏差が所定閾値以上となると、前記推定
    横滑り角を前記目標横滑り角に収束させるよう制御する
    収束制御手段と、 前記舵角検出手段にて検出されたステアリング舵角に応
    じて、前記所定閾値を補正する補正手段とを備えること
    を特徴とする車両の姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の車速を検出する車速検出手段と、 車両に発生するヨーレートを検出するヨーレート検出手
    段と、 車両に発生する横方向加速度を検出する横方向加速度検
    出手段とを更に具備し、 前記横滑り角演算手段は、前記各手段により検出された
    車速、ステアリング舵角、ヨーレート、横方向加速度に
    基づいて、前記目標横滑り角及び推定横滑り角を演算す
    ることを特徴とする請求項1に記載の車両の姿勢制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、前記舵角検出手段にて
    検出されたステアリング舵角の変化速度が増加するに従
    って、前記所定閾値の値を増加方向に補正することを特
    徴とする請求項1に記載の車両の姿勢制御装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、前記舵角検出手段にて
    検出されたステアリング舵角が増加するに従って、前記
    所定閾値を徐々に増加方向に補正することを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両の姿
    勢制御装置。
  5. 【請求項5】 前記補正手段は、ステアリングの切り戻
    し操作時に、前記所定閾値を減少方向に補正することを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載
    の車両の姿勢制御装置。
  6. 【請求項6】 前記補正手段は、略直進走行の場合に前
    記所定閾値を極めて小さな値に設定することを特徴とす
    る請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両の
    姿勢制御装置。
  7. 【請求項7】 前記補正手段は、前記ヨーレート検出手
    段にて検出されたヨーレートが急激に増加する場合に、
    前記所定閾値を増加方向に補正することを特徴とする請
    求項2に記載の車両の姿勢制御装置。
  8. 【請求項8】 車両走行中の路面の摩擦係数を検出する
    摩擦検出手段を更に具備し、前記補正手段は、該摩擦検
    出手段にて検出された摩擦係数が急激に変化する場合
    に、前記所定閾値を増加方向に補正することを特徴とす
    る請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車両の
    姿勢制御装置。
  9. 【請求項9】 前記補正手段は、略直進走行状態の継続
    時間が大きくなる程、前記所定閾値を増加方向に補正す
    ることを特徴とする請求項8に記載の車両の姿勢制御装
    置。
  10. 【請求項10】 前記補正手段は、前記舵角検出手段に
    て検出されたステアリング舵角の変化速度が増加するに
    従って、前記所定偏差の値を減少方向に補正することを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の姿勢制
    御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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