JP2000142360A - 車両の挙動制御装置 - Google Patents

車両の挙動制御装置

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JP2000142360A
JP2000142360A JP10314967A JP31496798A JP2000142360A JP 2000142360 A JP2000142360 A JP 2000142360A JP 10314967 A JP10314967 A JP 10314967A JP 31496798 A JP31496798 A JP 31496798A JP 2000142360 A JP2000142360 A JP 2000142360A
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control
external force
vehicle
attitude
posture
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JP10314967A
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English (en)
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Haruki Okazaki
晴樹 岡崎
Toshiaki Tsuyama
俊明 津山
Akihiro Kobayashi
明宏 小林
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】車両に外力が作用した時に外力との干渉を招く
ような姿勢制御を抑える。 【解決手段】ステップS132で車両に外力が加わった
時には、ステップS136で外力による衝撃に応じて、
ステップS138〜S144でSCS制御開始閾値β
0、ψ0やSCS制御目標値βTR、ψTRを演算するための
前輪ステアリング舵角θHを増加又は減少方向に補正す
ることでSCS制御介入を所定期間T1だけ抑制し、そ
の後通常制御に移行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両の走
行姿勢が目標姿勢から逸脱した時に、該走行姿勢を該目
標姿勢に収束させる車両の挙動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、走行中の車両のヨーレートや
ステアリング舵角等の車両状態量を検出して、コーナリ
ング時や緊急の障害物回避時や路面状況急変時等に車両
の横滑りやスピンを抑制する制御装置が数多く提案され
ている(例えば、特開平6−69230号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、あくまでステアリング操作等の運転操作や
路面状態が急変した場合に車両の走行姿勢を修正する技
術が開示されているだけで、車両に外力が加わった場合
の姿勢制御の問題点については何ら指摘されていない。
【0004】特に、車両に外力が加わった場合の姿勢制
御で問題点となるのは、例えば、他車両等に側突或いは
後突されてステアリング操作等を誤って目標姿勢を逸脱
した時に、従来の姿勢制御により車両の走行姿勢をステ
アリング舵角等に基づく目標姿勢に戻すように誤作動し
て、本来ならば他車両から離反した方が良い状況でも他
車両に接近する方向、即ち再度側突或いは後突する方向
に挙動されてしまい、外力の作用方向と目標姿勢への収
束方向とが互いに干渉する方向となって再衝突等により
走行安定性が低下してしまうことが挙げられる。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされ、そ
の目的は、車両に外力が作用した時に外力との干渉を招
くような姿勢制御を抑え、乗員が運転操作可能な状況に
なったならば姿勢制御を積極的に行なって走行安定性を
向上できる車両の挙動制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決し、
目的を達成するために、本発明に係わる車両の挙動制御
装置は、以下の構成を備える。即ち、車両の走行姿勢が
目標姿勢から逸脱した時に、該走行姿勢を該目標姿勢に
収束させる姿勢制御手段を有する車両の挙動制御装置に
おいて、車両に加わる外力を検出する外力検出手段と、
前記外力検出手段による外力検出後の所定期間は前記姿
勢制御手段による制御介入を抑制し、その後前記姿勢制
御手段による制御介入を許容する判定手段とを具備す
る。
【0007】また、好ましくは、前記姿勢制御手段は、
車両状態量に基づいて演算される目標姿勢と実姿勢との
偏差が所定偏差以上となると、該走行姿勢が目標姿勢に
収束するように車両の姿勢を制御する。
【0008】また、好ましくは、前記判定手段は、前記
姿勢制御手段による制御介入を禁止する。
【0009】また、好ましくは、乗員による操作状況を
検出する操作状況検出手段を備え、前記所定期間は、前
記外力検出手段により外力を検出してから乗員による運
転操作がされるまでの期間である。
【0010】また、好ましくは、車両の走行姿勢の変化
を検出する走行姿勢状態検出手段を備え、前記所定期間
は、前記外力検出手段により外力を検出してから該外力
の姿勢変化及ぼす影響度合が少なくなるまでの期間であ
る。
【0011】また、好ましくは、前記外力により変化す
る車両の加減速度が所定値以上となるとエアバッグを展
開させるエアバッグ手段を更に備え、前記所定期間は前
記エアバッグが展開されてからしぼむまでの期間であ
る。
【0012】また、好ましくは、前記所定期間経過後
は、前記姿勢制御手段による制御介入を増進する。
【0013】また、好ましくは、前記姿勢制御手段は、
少なくともステアリング舵角量に基づいて演算される目
標姿勢と走行姿勢との偏差が所定偏差以上となると、該
走行姿勢が目標姿勢に収束するように車両の姿勢を制御
し、前記姿勢制御手段により検出される前記ステアリン
グ舵角量を前記検出手段による外力検出前の値に設定す
る。
【0014】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、車両に加わる外力を検出し、外力検出後の所定期間
は姿勢制御の制御介入を抑制し、その後姿勢制御介入を
許容することにより、車両に外力が作用した時に外力と
の干渉を招くような姿勢制御を抑え、乗員が運転操作可
能な状況になったならば姿勢制御を積極的に行なって走
行安定性を向上できる。
【0015】請求項2の発明によれば、姿勢制御手段
は、車両状態量に基づいて演算される目標姿勢と実姿勢
との偏差が所定偏差以上となると、該走行姿勢が目標姿
勢に収束するように車両の姿勢を制御することにより、
車両に外力が作用した時に外力との干渉を招くような目
標姿勢への制御を抑え、乗員が運転操作可能な状況にな
ったならば目標姿勢への制御を積極的に行なって走行安
定性を向上できる。
【0016】請求項3の発明によれば、判定手段は、姿
勢制御手段による制御介入を禁止することにより、車両
に外力が作用した時に外力との干渉を招くような姿勢制
御を抑えて早急に外力作用地点から待避させることがで
き、乗員が運転操作可能な状況になったならば姿勢制御
を積極的に行なって走行安定性を向上できる。
【0017】請求項4の発明によれば、所定期間は、外
力を検出してから乗員による運転操作がされるまでの期
間であることにより、パニックに陥った乗員による不正
確な運転操作中は、外力との干渉を招くような制御に介
入しやすい状況での姿勢制御を抑え、早急に外力作用地
点から待避させることができ、その後は通常の姿勢制御
により走行安定性を向上できる。
【0018】請求項5の発明によれば、所定期間は、前
記外力検出手段により外力を検出してから該外力の姿勢
変化及ぼす影響度合が少なくなるまでの期間であること
により、外力による姿勢変化が大きい状態では、外力と
の干渉を招くような制御に介入しやすい状況での姿勢制
御を抑え、早急に外力作用地点から待避させることがで
き、その後は通常の姿勢制御により走行安定性を向上で
きる。
【0019】請求項6の発明によれば、所定期間は前記
エアバッグが展開されてからしぼむまでの期間であるこ
とにより、運転操作ができない状況では外力との干渉を
招くような制御に介入しやすい状況での姿勢制御を抑
え、早急に外力作用地点から待避させることができ、操
作可能となった後は通常の姿勢制御により走行安定性を
向上できる。
【0020】請求項7の発明によれば、所定期間経過後
は、姿勢制御手段による制御介入を増進することによ
り、外力との干渉を招くような制御を回避した後スピン
や横滑り等の回避を優先して走行安定性を向上できる。
【0021】請求項8の発明によれば、姿勢制御手段に
より検出されるステアリング舵角量を前記検出手段によ
る外力検出前の値に設定することにより、パニックに陥
った乗員による不正確なステアリング操作の影響を低減
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる実施形態に
つき添付図面を参照して詳細に説明する。 [姿勢制御装置の制御ブロック構成]先ず、本実施形態
に係る車両の挙動制御装置の制御ブロック構成について
説明する。図1は本発明の実施形態に係る車両の挙動制
御装置の制御ブロックの全体構成を示す図である。
【0023】図1に示すように、本実施形態の挙動制御
装置(SCS:STABILITY CONTROLLED SYSTEM)は、例え
ば、車両の走行状態がコーナリング時や緊急の障害物回
避時や路面状況急変時等において、走行中の車両の横滑
りやスピンを抑制するために前後・左右の各車輪への制
動力を制御するものである。各車輪には、油圧ディスク
ブレーキ等のFR(右前輪)ブレーキ31、FL(左前
輪)ブレーキ32、RR(右後輪)ブレーキ33、RL
(左後輪)ブレーキ34が設けられている。これらF
R、FL、RR、RLブレーキ31〜34は油圧制御ユ
ニット30に夫々接続されている。油圧制御ユニット3
0はFR、FL、RR、RLブレーキ31〜34の各ホ
イールシリンダ(不図示)に接続され、各ブレーキ31
〜34のホイールシリンダに液圧を導入することにより
各車輪へ制動力を付加する。液圧制御ユニット30は、
加圧ユニット36及びマスタシリンダ37に接続されて
いる。マスタシリンダ37はブレーキペダル38の踏力
圧に応じて1次液圧を発生させる。この1次液圧は、加
圧ユニット36に導入され、加圧ユニット36で2次液
圧に加圧されて液圧制御ユニット30に導入される。液
圧制御ユニット30は、SCSECU10に電気的に接
続され、ECU10からの制動制御信号に応じてFR、
FL、RR、RLブレーキ31〜34への液圧を配分制
御して各車輪への制動力を制御する。
【0024】SCSECU(ELECTRONIC CONTROLLED UN
IT)10は、本実施形態の挙動制御装置として前後・左
右の各車輪への独立した制動制御を司ると共に、従来周
知のABS(アンチロックブレーキシステム)制御やト
ラクションコントロールシステム制御やエアバッグ展開
制御をも司る演算処理装置である。SCSECU10に
は、FR車輪速センサ11、FL車輪速センサ12、R
R車輪速センサ13、RL車輪速センサ14、車速セン
サ15、ステアリング舵角センサ16、ヨーレートセン
サ17、横方向加速度センサ18、前後方向加速度セン
サ19、ブレーキ踏力圧センサ35、EGIECU2
0、トラクションオフスイッチ40、エアバッグ装置5
0が接続されている。エアバッグ装置50はステアリン
グエアバッグと起爆剤からなり、他に助手席エアバッ
グ、サイドエアバッグ等も搭載可能である。
【0025】ABS制御及びトラクション制御の概要を
説明すると、ABS制御とは、車両走行中に急ブレーキ
操作がなされて、車輪が路面に対してロックしそうな場
合に車輪への制動力を自動的に制御して車輪のロックを
抑制しながら停止させるシステムであり、トラクション
制御とは、車両の加速走行中に車輪が路面に対してスリ
ップしたならばエンジンの出力トルクを低下させたり、
スリップ車輪への制動力を高めてスリップを抑制させる
システムである。
【0026】FR車輪速センサ11は右前輪の車輪速度
の検出信号v1をSCSECU10に出力する。FL車輪
速センサ12は左前輪の車輪速度の検出信号v2をSCS
ECU10に出力する。RR車輪速センサ13は右後輪
の車輪速度の検出信号v3をSCSECU10に出力す
る。RL車輪速センサ14は左後輪の車輪速度の検出信
号v4をSCSECU10に出力する。車速センサ15は
車両の走行速度の検出信号VをSCSECU10に出力
する。ステアリング舵角センサ16はステアリング回転
角の検出信号θHをSCSECU10に出力する。ヨー
レートセンサ17は車体に実際に発生するヨーレートの
検出信号ψをSCSECU10に出力する。横方向加速
度センサ18は車体に実際に発生する横方向加速度の検
出信号YをSCSECU10に出力する。前後方向加速
度センサ19は車体に実際に発生する前後方向加速度の
検出信号ZをSCSECU10に出力する。ブレーキ踏
力圧センサ35は加圧ユニット36に設けられ、ブレー
キペダル38の踏力圧の検出信号PBをSCSECU10
に出力する。トラクションオフスイッチ40は、後述す
るが車輪のスピン制御(トラクション制御)を強制的に
停止するスイッチであり、このスイッチ操作信号SをS
CSECU10に出力する。EGI(ELECTRONIC GASOL
INE INJECTION)ECU20は、エンジン21、AT(A
UTOMATIC TRANSMISSION)22、スロットルバルブ23
に接続され、エンジン21の出力制御やAT22の変速
制御、スロットルバルブ23の開閉制御を司っている。
【0027】SCSECU10及びEGIECU20
は、CPU、ROM、RAMを含み、入力された上記各
検出信号に基づいて予め記憶された姿勢制御プログラム
やエンジン制御プログラムを実行する。 [姿勢制御の概略説明]本実施形態の姿勢制御は、各車
輪を制動制御することで車体に旋回モーメントと減速力
を加えて前輪或いは後輪の横滑りを抑制するものであ
る。例えば、車両が旋回走行中に後輪が横滑りしそうな
時(スピン)には主に前外輪にブレーキを付加し外向き
モーメントを加えて旋回内側への巻き込み挙動を抑制す
る。また、前輪が横滑りして旋回外側に横滑りしそうな
時(ドリフトアウト)には各車輪に適量のブレーキを付
加し内向きモーメントを加えると共に、エンジン出力を
抑制し減速力を付加することにより旋回半径の増大を抑
制する。
【0028】姿勢制御の詳細については後述するが、概
説すると、SCSECU10は、上述した車速センサ1
5、ヨーレートセンサ17、横方向加速度センサ18の
検出信号V、ψ、Yから車両に発生している実際の横滑り
角(以下、実横滑り角という)βact及び実際のヨーレ
ート(以下、実ヨーレートという)ψactを演算すると
共に、実横滑り角βactからSCS制御に実際に利用さ
れる推定横滑り角βcontの演算において参照される参照
値βrefを演算する。また、SCSECU10は、ステ
アリング舵角センサ等の検出信号から車両の目標とすべ
き姿勢として目標横滑り角βTR及び目標ヨーレートψTR
を演算し、推定横滑り角βcontと目標横滑り角βTRの差
或いは実ヨーレートψactと目標ヨーレートψTRの差が
所定閾値β0、ψ0を越えた時に姿勢制御を開始し、推定
実横滑り角βcont或いは実ヨーレートψactが目標横滑
り角βTR或いは目標ヨーレートψTRに収束するよう制御
する。 [姿勢制御の詳細説明]次に、本実施形態の姿勢制御
(以下、SCS制御という)について詳細に説明する。
図2は、本実施形態の姿勢制御を実行するための全体的
動作を示すフローチャートである。
【0029】図2に示すように、先ず、運転者によりイ
グニッションスイッチがオンされてエンジンが始動され
ると、ステップS2でSCSECU10、EGIECU
20が初期設定され、前回の処理で記憶しているセンサ
検出信号や演算値等をクリアする。ステップS4ではS
CSECU10は上述のFR車輪速センサ11の検出信
号v1、FL車輪速センサ12の検出信号v2、RR車輪速
センサ13の検出信号v3、RL車輪速センサ14の検出
信号v4、車速センサ15の検出信号V、ステアリング舵
角センサ16の検出信号θH、ヨーレートセンサ17の
検出信号ψ、横方向加速度センサ18の検出信号Y、前
後方向加速度センサ19の検出信号Z、ブレーキ踏力圧
センサ35の検出信号PB、トラクションオフスイッチ4
0のスイッチ操作信号Sを入力する。ステップS6では
SCSECU10は上述の各検出信号に基づく車両状態
量を演算する。ステップS7では車両状態量に基づいて
車輪速補正処理を実行する。ステップS8ではABS制
御に必要なABS制御目標値や制御出力値等を演算し、
ステップS10ではトラクション制御に必要なトラクシ
ョン制御目標値や制御出力値等を演算する。ステップS
12ではSCSECU10は、ステップS6で演算され
た車両状態量からSCS制御に必要となるSCS制御目
標値や制御出力値を演算する。
【0030】ステップS14ではステップS8〜ステッ
プS12で演算された各制御出力値の制御出力調停処理
を実行する。この制御出力調停処理では、SCS制御出
力値、ABS制御出力値、トラクション制御出力値を夫
々比較し、最も大きな値に対応した制御に移行させる。
また、後述するが、SCS制御出力値とABS制御出力
値との調停処理は、運転者のブレーキ踏力圧PBの大きさ
に応じて実行される。即ち、ステップS14においてA
BS制御出力値が最も大きな値の場合にはABS制御出
力値に基づいてABS制御が実行され(ステップS1
6)、SCS制御出力値が最も大きな値の場合にはSC
S制御出力値に基づいてSCS制御が実行され(ステッ
プS18)、トラクション制御出力値が最も大きな値の
場合にはトラクション制御出力値に基づいてトラクショ
ン制御が実行される(ステップS20)。その後、ステ
ップS22ではSCSECU10は液圧制御ユニット3
0等が正常に動作されているか否かフェイルセーフ判定
し、もし異常があると判定された場合にはその異常箇所
に対応する制御を中止して、ステップS2にリターンし
て上述の処理を繰り返し実行する。 [SCS演算処理の説明]次に、図2のステップS12
に示すSCS演算処理の詳細について説明する。尚、ス
テップS8、10のABS制御演算処理及びトラクショ
ン制御演算処理については周知であるので説明を省略す
る。図3は、図2のSCS演算処理を実行するためのフ
ローチャートである。
【0031】図3に示すように、処理が開始されると、
ステップS30ではSCSECU10はFR車輪速v1、
FL車輪速v2、RR車輪速v3、RL車輪速v4、車速V、
ステアリング舵角θ、実ヨーレートψact、実横方向加
速度Yactを入力する。ステップS32ではSCSECU
10は車両に発生する垂直荷重を演算する。この垂直荷
重は車速V、横方向加速度Yから周知の数学的手法により
推定演算される。ステップS33ではSCSECU10
は車両に実際に発生する実横滑り角βactを演算する。
実横滑り角βactは、実横滑り角βactの変化速度Δβac
tを積分することにより演算される。また、Δβactは、
下記の式1により算出される。 Δβact=−ψact+Yact/V…(1) 次に、ステップS34では、SCSECU10はSCS
制御に実際に利用される推定横滑り角βcontの演算にお
いて参照される参照値βrefを演算する。この参照値βr
efは、車両諸元と、車両状態量(車速V、ヨーレートψa
ct、実横方向加速度Yact、実横滑り角βactの変化速度
Δβact、ヨーレートψactの変化量(微分値)Δψac
t)、ブレーキにより生じるヨーモーメントの推定値D
1、ブレーキにより生じる横方向の力の低下量の推定値D
2に基づいて2自由度モデルを流用して演算される。こ
の参照値βrefは、要するに、検出された車両状態量及
びブレーキ操作力に基づいて推定される横滑り角を演算
している。その後、ステップS35では、SCSECU
10はSCS制御に実際に利用される推定横滑り角βco
ntを演算する。この推定横滑り角βcontは、下記の式
2、式3から導かれる微分方程式を解くことにより算出
される。即ち、 Δβcont=Δβact+e+Cf・(βref−βcont)…(2) Δe=Cf・(Δβref−Δβact−e)…(3) 但し、e:ヨーレートセンサと横方向加速度センサのオ
フセット修正値 Cf:カットオフ周波数 また、後で詳述するが、カットオフ周波数Cfは推定横
滑り角βcontを参照値βrefの信頼性に応じてこの参照
値βrefに収束するように補正して、推定横滑り角βcon
tに発生する積分誤差をリセットする際の補正速度の変
更ファクタとなり、参照値βrefの信頼性が低い程小さ
くなるように補正される係数である。また、参照値βre
fの信頼性が低くなるのは前輪のコーナリングパワーCp
f或いは後輪のコーナリングパワーCprに変化が生じた
時である。
【0032】ステップS36ではSCSECU10は各
車輪の車輪スリップ率及び車輪スリップ角を演算する。
車輪スリップ率及び車輪スリップ角は、各車輪の車輪速
v1〜v4、車速V、推定横滑り角βcont、前輪ステアリン
グ舵角θHから周知の数学的手法により推定演算され
る。ステップS38ではSCSECU10は各車輪への
負荷率を演算する。車輪負荷率は、ステップS36で演
算された車輪スリップ率及び車輪スリップ角とステップ
S32で演算された垂直荷重から周知の数学的手法によ
り推定演算される。ステップS40ではSCSECU1
0は走行中の路面の摩擦係数μを演算する。路面の摩擦
係数μは、実横方向加速度YactとステップS38で演算
された車輪負荷率から周知の数学的手法により推定演算
される。
【0033】ステップS41では外力検出処理として車
両に加わる外力を検出する(詳細は後述する)。
【0034】次に、ステップS42ではSCSECU1
0は実ヨーレートψact及び推定横滑り角βcontを収束
させるべく目標値となる目標ヨーレートψTR、目標横滑
り角βTRを演算する。目標ヨーレートψTRは、車速V、
ステップS40で演算された路面の摩擦係数μ、ステッ
プS41で補正された前輪ステアリング舵角θHから周
知の数学的手法により推定演算される。また、目標横滑
り角βTRは、下記の式4、式5から導かれる式6の微分
方程式を解くことにより算出される。即ち、 βx=1/(1+A・V↑2)・{1−(M・Lf・V↑2)/(2L・Lr・ Cpr)}・Lr・θH/L…(4) A=M・(Cpr・Lr−Cpf・Lf)/2L↑2・Cpr・Cpf…(5) ΔβTR=C・(βx−βTR)…(6) 但し、V:車速 θH:前輪ステアリング舵角 M:車体質量 I:慣性モーメント L:ホイルベース Lf:前輪から車体重心までの距離 Lr:後輪から車体重心までの距離 Cpf:前輪のコーナリングパワー Cpr:後輪のコーナリングパワー C:位相遅れに相当する値 尚、上記式中の「↑」は乗数を表わす。例えば「L↑
2」はLの2乗を意味し、以下の説明でも同様である。
【0035】次に、図4に示すステップS44では、S
CSECU10は、目標横滑り角βTRから推定横滑り角
βcontを減算した値の絶対値がSCS制御開始閾値β0
以上か否かを判定する(|βTR−βcont|≧β0?)。ス
テップS44で目標横滑り角βTRから推定横滑り角βco
ntを減算した値の絶対値がSCS制御開始閾値β0以上
の場合(ステップS44でYes)、ステップS46に
進んでSCS制御目標値を目標横滑り角βTRに設定す
る。一方、ステップS44で目標横滑り角βTRから推定
横滑り角βcontを減算した値の絶対値がSCS制御開始
閾値β0を超えない場合(ステップS44でNo)、ス
テップS52に進んでSCSECU10は、目標ヨーレ
ートψTRから実ヨーレートψactを減算した値の絶対値
がSCS制御開始閾値ψ0以上か否かを判定する(|ψTR
−ψact|≧ψ0?)。ステップS52で目標ヨーレート
ψTRから実ヨーレートψactを減算した値の絶対値がS
CS制御開始閾値ψ0以上の場合(ステップS52でY
es)、ステップS54に進んでSCS制御目標値を目
標ヨーレートψTRに設定する。一方、ステップS52で
目標ヨーレートψTRから実ヨーレートψactを減算した
値の絶対値がSCS制御開始閾値ψ0を超えない場合
(ステップS52でNo)、ステップS30にリターン
して上述の処理を繰り返し実行する。
【0036】次に、ステップS50では、SCSECU
10はSCS制御に実際に利用されるSCS制御量βam
tを演算する。また、ステップS56では、SCSEC
U10はSCS制御に実際に利用されるSCS制御量ψ
amtを演算する。 [SCS制御とABS制御との調停処理]次に、図5〜図
7を参照してSCS制御と、SCS制御とABS制御と
の調停処理について説明する。図5〜図7は、SCS制
御とABS制御との調停処理を実行するためのフローチ
ャートである。
【0037】以下に示す調停処理は、SCS制御開始条
件が成立してもABS制御中であればABS制御を優先
させ、或いはABS制御出力値に基づいてSCS制御出
力値を補正する。また、SCS制御開始条件とABS制
御開始条件とが両方成立した場合には、運転者のブレー
キ踏力圧PBの大きさに応じていずれかの制御が実行され
る。
【0038】具体的な処理を説明する。
【0039】図5に示すように、ステップS58では、
SCSECU10はSCS制御に用いる液圧制御ユニッ
ト30等に故障が発生しているか否か判定する。ステッ
プS58で故障している場合(ステップS58でYe
s)、ステップS74に進んでSCS制御を中止して図
2に示すステップS2にリターンして上述の処理を繰り
返し実行する。一方、ステップS58で故障していない
場合(ステップS58でNo)、ステップS60に進
む。ステップS60ではSCSECU10はSCS制御
フラグFSCSが"1"にセットされているか否かを判定す
る。SCS制御フラグFSCSは、"1"がセットされている
とSCS制御実行中であることを表わす。ステップS6
0でSCS制御フラグFSCSが"1"にセットされている場
合(ステップS60でYes)、ステップS76に進ん
でABS制御フラグFABSが"1"にセットされているか否
かを判定する。ABS制御フラグFABSは、"1"がセット
されているとABS制御実行中であることを表わす。一
方、ステップS60でSCS制御フラグFSCSが"1"にセ
ットされていない場合(ステップS60でNo)、ステ
ップS62に進んでABS制御実行中か否かを判定す
る。ステップS62でABS制御実行中の場合(ステッ
プS62でYes)、後述するステップS80に進む。
一方、ステップS62でABS制御実行中でない場合
(ステップS62でNo)、ステップS64に進む。ス
テップS64では、SCSECU10はトラクション制
御実行中か否かを判定する。ステップS64でトラクシ
ョン制御実行中の場合(ステップS64でYes)、ス
テップS78に進みトラクション制御における制動制御
を中止して(即ち、エンジンによるトルクダウン制御の
み実行可能とする)ステップS66に進む。一方、ステ
ップS64でトラクション制御実行中でない場合(ステ
ップS62でNo)、ステップS66に進む。
【0040】ステップS66では、SCSECU10は
SCS制御の対象となる車輪を選択演算し、その選択車
輪に配分すべき目標スリップ率を演算し、その目標スリ
ップ率に応じたSCS制御量βamt又はψamtを演算す
る。その後、ステップS68では必要なトルクダウン量
に応じたエンジン制御量を演算する。そして、ステップ
S70でSCS制御を実行して、ステップS72でSC
S制御フラグFSCSを"1"にセットした後、上述したステ
ップS2にリターンして上述の処理を繰り返し実行す
る。
【0041】ステップS76でABS制御フラグFABS
が"1"にセットされている場合(ステップS76でYe
s)、図6に示すステップS80に進む。ステップS8
0では、SCSECU10はABS制御量をSCS制御
量βamt又はψamtに基づいて補正する。その後、ステッ
プS82では、SCSECU10はABS制御が終了し
たか否かを判定する。ステップS82でABS制御が終
了していない(ステップS82でNo)、ステップS8
4でSCS制御フラグFSCSを"1"にセットすると共に、
ステップS86でABS制御フラグFABSを"1"にセット
して上述のステップS30にリターンする。一方、ステ
ップS82でABS制御が終了したならば(ステップS
82でYes)、ステップS88でSCS制御フラグFS
CSを"0"にリセットすると共に、ステップS90でAB
S制御フラグFABSを"0"にリセットして上述のステップ
S30にリターンする。
【0042】更に、ステップS76でABS制御フラグ
FABSが"1"にセットされていない場合(ステップS76
でNo)、図7に示すステップS92に進む。ステップ
S92では、SCSECU10はブレーキ踏力圧PBが所
定閾値P0以上あるか否かを判定する(PB≧P0?)。ステ
ップS92でブレーキ踏力圧PBが所定閾値P0以上あるな
らば(ステップS92でYes)、ステップS94に進
んでSCS制御を中止して、ステップS96でABS制
御に切り換える。そして、ステップS98でABS制御
フラグFABSを"1"にセットして上述のステップS30に
リターンする。一方、ステップS92でブレーキ踏力圧
PBが所定閾値P0を超えないならば(ステップS92でN
o)、ステップS100に進む。ステップS100で
は、SCSECU10はSCS制御が終了したか否かを
判定する。ステップS100でSCS制御が終了してい
ない(ステップS100でNo)、上述したステップS
68にリターンしてその後の処理を実行する。一方、ス
テップS100でSCS制御が終了したならば(ステッ
プS100でYes)、ステップS102でSCS制御
フラグFSCSを"0"にリセットすると共に、ステップS1
04でABS制御フラグFABSを"0"にリセットして上述
のステップS30にリターンする。 [車輪速補正処理の説明]次に、図2のステップS7に
示す車輪速補正処理の詳細について説明する。図8は、
図2の車輪速補正処理を実行するためのフローチャート
である。図9は、車輪速補正手順を示す模式図である。
【0043】例えば、パンク対応時用いる補助車輪(以
下、テンパ車輪という)はノーマル車輪よりその径が約
5〜15%小さく、他のノーマルタイヤに比べて車輪速
が高くなる。車輪速補正処理は、このようなテンパ車輪
やノーマル車輪の径のばらつきによる弊害を取り除くた
めに実行される。その弊害とは下記に示す通りである。
即ち、 ABS制御では、1輪だけ車輪速が高いと基準となる
車速が持ち上がってテンパ車輪以外のノーマル車輪がロ
ック傾向にあると誤判定してしまう。
【0044】トラクション制御では、駆動輪にテンパ
車輪が装着されていると、他方の駆動輪であるノーマル
車輪がスピンしていると誤判定してしまう。
【0045】ノーマル車輪ではその径に最大5%の誤
差があり、この誤差に基づく車輪速のばらつきがSCS
制御に影響する。
【0046】図9に示すように、処理が開始されると、
ステップS110ではSCSECU10はFR車輪速v
1、FL車輪速v2、RR車輪速v3、RL車輪速v4を入力
する。ステップS112ではSCSECU10は車両が
定常走行中か否かを判定する。この定常走行中とは、車
輪速度の信頼性が低下するような極端な加減速時やコー
ナ走行時ではない状態を表している。ステップS112
で定常走行中でない場合(ステップS112でNo)、
ステップS110にリターンする。また、ステップS1
12で定常走行中である場合(ステップS112でYe
s)、ステップS114に進んでSCSECU10はF
R車輪速v1、FL車輪速v2、RR車輪速v3、RL車輪速
v4のいずれか1輪が所定閾値va以上なのか否かを判定す
る。ステップS114でいずれか1輪が所定閾値va以上
である場合(ステップS114でYes)、ステップS
116に進む。一方、ステップS114でいずれも所定
閾値を超えない場合(ステップS114でNo)、ステ
ップS122に進んでノーマル車輪に対する車輪速補正
を実行する。
【0047】ステップS116では、SCSECU10
は1輪のみが所定閾値以上である状態が所定時間継続し
たか否かを判定する。ステップS116で1輪のみが所
定閾値以上である状態が所定時間継続している場合(ス
テップS116でYes)、ステップS118に進む。
一方、ステップS116で1輪のみが所定閾値以上であ
る状態が所定時間継続しなかった場合(ステップS11
6でNo)、ステップS122に進んでノーマル車輪に
対する車輪速補正を実行する。ステップS118では、
SCSECU10は1輪のみが所定閾値以上である状態
が所定時間継続したのでその1輪はテンパ車輪であると
判定する。そして、ステップS120でSCSECU1
0はテンパ車輪に対する車輪速補正を実行する。
【0048】ノーマル輪或いはテンパ車輪に対する車輪
速補正は、図9に示す〜の手順で実行される。即
ち、 FR車輪速を基準としてRR車輪速を補正し、次に、
FR車輪速を基準としてFL車輪速を補正し、最後に
FL車輪速を基準としてRL車輪速を補正する。但
し、FR車輪がテンパ車輪である場合は基準となる車輪
は他の車輪に設定する。 [外力検出処理]次に、図10を参照して図3のステップ
S41の外力検出処理について説明する。図10は、外
力検出処理を示すフローチャートである。
【0049】この外力検出処理は、例えば、車両が他車
両等に側突或いは後突されて目標姿勢を逸脱した時に、
車両の走行姿勢を元に戻すように制御してしまうと、本
来ならば他車両から離反しなければならないのに他車両
に接近する方向、即ち再度側突する方向に挙動して外力
の作用方向と目標姿勢への収束方向とが互いに干渉して
しまう。この姿勢制御の弊害を除去するために、車両に
外力が加わった時にはその衝撃に応じて、SCS制御開
始閾値β0、ψ0やSCS制御目標値βTR、ψTRを演算す
るための前輪ステアリング舵角θHを増加又は減少方向
に補正することでSCS制御の必要性に応じて制御内容
を変更する処理である。
【0050】図10に示すように、ステップS132で
は、SCSECU10は自車両に加わる外力を検出す
る。この外力検出は、前後方向加速度Zの絶対値が所定
閾値Z1以上(|Z|≧Z1?)又は横方向加速度Yの絶対値が
所定閾値Y1以上(|Y|≧Y1?)となった場合に外力が作用
したと判定する。尚、他の外力検出方法として、ヨーレ
ートψの絶対値が所定閾値ψ1以上(|ψ|≧ψ1?)又は
横滑り角βの変化率の絶対値Δβの絶対値が所定閾値β
1以上(|Δβ|≧β1?)となったことを条件としても
よい。
【0051】ステップS132で外力を検出したならば
(ステップS132でYES)、ステップS134で外
力検出フラグFOBを"1"にセットする。この外力検出フラ
グFOBは外力検出後の所定期間T1中は"1"にセットさ
れ、その後リセットされる。この所定期間T1中にSC
S制御開始閾値β0、ψ0やSCS制御目標値βTR、ψTR
を演算するための前輪ステアリング舵角θHを増加又は
減少方向に補正する。また、ステップS132で外力を
検出しなかったならば(ステップS132でNO)、ス
テップS133で外力検出フラグFOBがセットされてい
るか否かを判定する。
【0052】ステップS133で外力検出フラグFOBが
セット中ならば(ステップS133でYES)、外力検
出後所定期間T1が経過していないのでステップS14
8に進み、ステップS133で外力検出フラグFOBがリ
セットされているならば(ステップS133でNO)、
外力検出後所定期間T1が経過したのでステップS15
2に進む。
【0053】ステップS136では、前後方向加速度Z
の絶対値が所定閾値Z2以上(|Z|≧Z2>Z1?)又は横方向
加速度Yの絶対値が所定閾値Y2以上(|Y|≧Y2>Y1?)で
あるか否かを判定することにより、車両に加わる衝撃度
合を判定する。尚、他の方法として、ヨーレートψの絶
対値が所定閾値ψ1以上(|ψ|≧ψ2>ψ1?)又は横滑り
角βの変化率の絶対値Δβの絶対値が所定閾値β1以上
(|Δβ|≧β2>β1?)となったことを条件としても
よい。
【0054】ステップS136の条件が不成立ならば
(ステップS136でNO)、車両への衝撃は大きいも
のの、外力による姿勢変化が急変するほどではないと判
定してステップS138でSCS制御開始閾値β0、ψ0
をβ1、ψ1に補正してSCS制御に介入しにくくして、
SCS制御により車両の走行姿勢を元に戻すよりも外力
を加えた他車両等から離反させることを優先する。但
し、β0<β1、ψ0<ψ1とする。
【0055】ステップS140では、前輪ステアリング
舵角θHの補正係数AをA1に設定して実際の値よりも
舵角量が小さくなるように補正する。即ち、下記の式7
により補正された前輪ステアリング舵角θHを用いてS
CS制御目標値βTR、ψTRが演算されることになる。但
し、1=A>A1とする。
【0056】θH=A・θH…(7) 上記ステップS138、S140では、車両に外力が加
わって走行姿勢が変化した時に乗員がパニックに陥って
急激にステアリングを操作することがあるので、このよ
うな不正確なステアリング舵角θHに基づいて姿勢制御
に介入してしまうのを避けるために、ステアリング舵角
θHを実際よりも小さな値になるように補正し、推定横
滑り角βcontと目標横滑り角βTRの差或いは実ヨーレー
トψactと目標ヨーレートψTRの差が実際より小さくな
り所定閾値β0、ψ0を越えにくくすることで、SCS制
御に介入しにくい方向に補正している。
【0057】一方、ステップS136の条件が成立した
ならば(ステップS136でYES)、車両への衝撃が
大きく、外力による姿勢変化が大きいと判定してステッ
プS142でSCS制御開始閾値β0、ψ0をβ2、ψ2に
補正してSCS制御に介入しやすくして迅速に姿勢を立
て直す。但し、β0>β2、ψ0>ψ2とする。
【0058】ステップS144では、前輪ステアリング
舵角θHの補正係数AをA2に設定して実際の値よりも
舵角量が大きくなるように補正する。即ち、上記式7に
より補正された前輪ステアリング舵角θHを用いてSC
S制御目標値βTR、ψTRが演算されることになる。但
し、1=A<A2とする。
【0059】上記ステップS142、S144では、車
両に外力が加わって走行姿勢が大きく変化している可能
性があるので、走行姿勢を早急に立て直すためにステア
リング舵角θHを実際よりも大きな値になるように補正
し、推定横滑り角βcontと目標横滑り角βTRの差或いは
実ヨーレートψactと目標ヨーレートψTRの差が実際よ
り大きくなり所定閾値β0、ψ0を越えやすくすること
で、SCS制御に介入しやすい方向に補正している。
【0060】ステップS146では、カウンタTを所定
期間T1に設定し、ステップS148ではカウンタ値T
1を1サイクル毎に減算カウントしていく。ステップS
150では、カウンタ値T1がゼロとなり、所定期間T
1が終了したか否かを判定する。所定期間T1は、ステ
ップS132で外力を検出してから外力の姿勢変化への
影響度合が少なくなるまでの期間に設定され、前後方向
加速度や横方向加速度等が所定閾値を下回るまで、或い
は下回ってから一定時間継続するように設定される。
【0061】ステップS150で所定期間T1が終了し
たならば(ステップS150でYES)、ステップS1
52で補正係数Aをリセットして元の値1に戻し、ステ
ップS154でSCS制御開始閾値β0、ψ0をリセット
して元の値に戻し、ステップS156で外力検出フラグ
FOBをリセットした後、図3のステップS42に進む。
【0062】尚、ステップS142でステアリング舵角
θHを補正係数Aにより補正する代わりに、ステアリン
グ舵角量θHの信頼性が衝突前に比べて高い外力検出前
のステアリング舵角量に設定してもよい。
【0063】更に、上記ステップS138において、図
11に示すように外力検出時に車速Vが高速であるほど
補正後のSCS制御開始閾値β1、ψ1を小さくなる方向
に補正したり、図12に示すように走行路面の摩擦係数
μが大きくなるほど補正後のSCS制御開始閾値β1、
ψ1を大きくなる方向に補正することで姿勢制御介入の
抑制度合を縮小方向に補正してもよい。
【0064】また、図13に示すように、ステップS1
36の条件が不成立ならば(ステップS136でN
O)、ステップS160でSCS制御を中止してもよ
い。また、外力により車輪が破損して姿勢制御が不可能
であることを判定して、この時にはSCS制御を強制的
に中止するようにしてもよい。更に、上記外力検出処理
を禁止する禁止スイッチを車室内に設けて、車輪の破損
や乗員の運転技術に応じて乗員の意志により作動、非作
動を決定できるようにしてもよい。
【0065】また、図14に示すように、所定期間T1
を設定して減算カウントする代わりに、外力検出後にス
テアリング舵角θHが所定値θH1以上で所定値θH2の範
囲(θH1≦θH≦θH2)で、ステップS170のように最
初のステアリング操作検出時まで(即ち、乗員による積
極的な姿勢立て直し操作がされるまで、例えば、急激に
大きくステアリング操作された後、所定時間ステアリン
グが所定量を保持しているような状態となるまで)ステ
ップS138とS140若しくは142とS144の処
理を継続するようにしてもよい。このように、最初のス
テアリング操作が検出された時には、乗員が側突や後突
によるパニック状態から脱した状態であると判定でき
る。 [エアバッグ展開時の外力検出処理]次に、図15を参
照してエアバッグ展開時の外力検出処理について説明す
る。図15は、エアバッグ展開時の外力検出処理を示す
フローチャートである。
【0066】この外力検出処理は、図10の応用例であ
り、エアバッグを搭載する車両において、エアバッグが
展開するほどの外力が作用した時に行う処理である。
【0067】図15に示すように、ステップS182で
は、SCSECU10は自車両に加わる外力を検出す
る。この外力検出は図10のステップS132と同様の
条件にて行う。
【0068】ステップS182で外力を検出したならば
(ステップS182でYES)、ステップS184で外
力検出フラグFOBを"1"にセットする。また、ステップS
182で外力を検出しなかったならば(ステップS18
2でNO)、ステップS183で外力検出フラグFOBが
セットされているか否かを判定する。
【0069】ステップS183で外力検出フラグFOBが
セット中ならば(ステップS183でYES)、ステッ
プS194に進み、ステップS183で外力検出フラグ
FOBがリセットされているならば(ステップS183で
NO)、ステップS208に進む。ステップS196、
S208の処理内容は後述する。
【0070】ステップS186では、エアバッグ展開フ
ラグFABがセットされているか否かを判定する。ステッ
プS186でエアバッグ展開フラグFABがセットされて
いるならば(ステップS186でYES)、ステップS
188でSCS制御開始閾値β0、ψ0をβ1、ψ1に補正
してSCS制御に介入しにくくする。但し、β0<β1、
ψ0<ψ1とする。また、ステップS186でエアバッグ
展開フラグFABがリセットされているならば(ステップ
S186でNO)、図10のステップS136移行の処
理を実行する。
【0071】ステップS190では、前輪ステアリング
舵角θHの補正係数AをA1に設定して実際の値よりも
舵角量が小さくなるように補正する。即ち、上記式7に
より補正された前輪ステアリング舵角θHを用いてSC
S制御目標値βTR、ψTRが演算されることになる。但
し、1=A>A1とする。
【0072】ステップS192では、カウンタTを所定
期間T2に設定し、ステップS198ではカウンタ値T
2を1サイクル毎に減算カウントしていく。ステップS
1196では、カウンタ値T2がゼロとなり、所定期間
T2が終了したか否かを判定する。所定期間T2は、ス
テップS186でエアバッグが展開されてからしぼむま
での期間、若しくは外力の姿勢変化への影響度合が少な
くなるまでの期間に設定されるが、前後方向加速度や横
方向加速度等が所定閾値を下回るまで、或いは下回って
から一定時間継続するように設定してもよい。
【0073】ステップS196で所定期間T2が終了し
たならば(ステップS196でYES)、ステップS1
98でSCS制御開始閾値β0、ψ0をβ2、ψ2に補正し
てSCS制御に介入しやすくする。但し、β0>β2、ψ
0>ψ2とする。また、ステップS196で所定期間T2
が終了していないならば(ステップS196でNO)、
ステップS188、S190の設定状態を保持したまま
で図3のステップS42以降の処理を実行する。
【0074】ステップS200では、前輪ステアリング
舵角θHの補正係数AをA2に設定して実際の値よりも
舵角量が大きくなるように補正する。即ち、上記式7に
より補正された前輪ステアリング舵角θHを用いてSC
S制御目標値βTR、ψTRが演算されることになる。但
し、1=A<A2とする。
【0075】ステップS202では、カウンタTを所定
期間T1に設定し、ステップS204ではカウンタ値T
1を1サイクル毎に減算カウントしていく。ステップS
206では、カウンタ値T1がゼロとなり、所定期間T
1が終了したか否かを判定する。所定期間T1は、ステ
ップS196でエアバッグがしぼんだ後から外力の姿勢
変化への影響度合が少なくなるまでの期間に設定される
が、前後方向加速度や横方向加速度等が所定閾値を下回
るまで、或いは下回ってから一定時間継続するように設
定してもよい。
【0076】ステップS206で所定期間T1が終了し
たならば(ステップS206でYES)、ステップS2
08で補正係数Aをリセットして元の値1に戻し、ステ
ップS154でSCS制御開始閾値β0、ψ0をリセット
して元の値に戻し、ステップS156で外力検出フラグ
FOBをリセットした後、図3のステップS42に進む。
また、ステップS206で所定期間T1が終了していな
いならば(ステップS206でNO)、ステップS19
8、S200の設定状態を保持したままで図3のステッ
プS42以降の処理を実行する。
【0077】上記ステップS188からS196まで
は、エアバッグが展開するほど車両に外力が加わった時
には、エアバッグの展開で乗員が急激にステアリングを
操作することがあるので、このような不正確なステアリ
ング舵角θHに基づいて姿勢制御に介入してしまうのを
避けるために、ステアリング舵角θHを実際よりも小さ
な値になるように補正し、推定横滑り角βcontと目標横
滑り角βTRの差或いは実ヨーレートψactと目標ヨーレ
ートψTRの差が実際より小さくなり所定閾値β0、ψ0を
越えにくくすることで、SCS制御に介入しにくい方向
に補正している。
【0078】また、上記ステップS198からS206
までは、エアバッグがしぼんで乗員がステアリング等を
操作可能な状態であるので、走行姿勢を早急に立て直す
ためにステアリング舵角θHを実際よりも大きな値にな
るように補正し、推定横滑り角βcontと目標横滑り角β
TRの差或いは実ヨーレートψactと目標ヨーレートψTR
の差が実際より大きくなり所定閾値β0、ψ0を越えやす
くすることで、SCS制御に介入しやすい方向に補正し
ている。
【0079】尚、上記ステップS198からS206で
SCS制御に介入しやすい方向に補正する代わりに、乗
員の運転操作が上手な場合にSCS制御に介入しにくい
方向に補正してもよい。
【0080】また、ステップS190でステアリング舵
角θHを補正係数Aにより補正する代わりに、ステアリ
ング舵角量θHの信頼性が衝突前に比べて高い外力検出
前のステアリング舵角量に設定してもよい。 [エアバッグの展開制御]次に、図16を参照してエア
バッグ装置50の展開制御処理について説明する。図1
6は、エアバッグ装置の展開制御処理を示すフローチャ
ートである。
【0081】図16に示すように、ステップS222で
は、SCSECU10は横方向加速度Yと前後方向加速
度Zを入力し、ステップS224でエアバッグ展開条件
として前後方向加速度Zが所定閾値Z3を超えたならば
(ステップS224でYES)、ステップS226でス
テアリングエアバッグを展開させ、同時に横方向加速度
Yが所定閾値Y3を超えたならばサイドエアバッグも展開
させる。ステップS228ではステップS226でエア
バッグが展開されると、エアバッグ展開フラグFABが"1"
にセットされる。また、ステップS224でエアバッグ
展開条件が不成立ならば(ステップS224でNO)ス
テップS230でエアバッグ展開フラグFABは"0"にリセ
ットされたままとなる。
【0082】エアバッグ展開フラグFABはエアバッグが
展開されたか否かを表わし、フラグが一旦セットされる
とリセットされない。 [外力の作用方向に応じた外力検出処理]次に、図17を
参照して外力の作用方向に応じた外力検出処理について
説明する。図17は、外力の作用方向に応じた外力検出
処理を示すフローチャートである。
【0083】この外力検出処理は、例えば、後突、側突
或いは前突等の外力の作用方向に応じて、SCS制御開
始閾値β0、ψ0やSCS制御目標値βTR、ψTRを演算す
るための前輪ステアリング舵角θHを増加又は減少方向
に補正することでSCS制御の必要度合に応じて制御内
容を変更する処理である。
【0084】図17に示すように、ステップS132で
は、SCSECU10は自車両に加わる外力を検出す
る。この外力検出は、前後方向加速度Zの絶対値が所定
閾値Z1以上(|Z|≧Z1?)又は横方向加速度Yの絶対値が
所定閾値Y1以上(|Y|≧Y1?)となった場合に外力が作用
したと判定する。尚、他の外力検出方法として、ヨーレ
ートψの絶対値が所定閾値ψ1以上(|ψ|≧ψ1?)又は
横滑り角βの変化率の絶対値Δβの絶対値が所定閾値β
1以上(|Δβ|≧β1?)となったことを条件としても
よい。
【0085】ステップS232で外力を検出したならば
(ステップS232でYES)、ステップS234で外
力検出フラグFOBを"1"にセットする。この外力検出フラ
グFOBは外力検出後の所定期間T1中は"1"にセットさ
れ、その後リセットされる。この所定期間T1中にSC
S制御開始閾値β0、ψ0やSCS制御目標値βTR、ψTR
を演算するための前輪ステアリング舵角θHを増加又は
減少方向に補正する。また、ステップS232で外力を
検出しなかったならば(ステップS232でNO)、ス
テップS233で外力検出フラグFOBがセットされてい
るか否かを判定する。
【0086】ステップS233で外力検出フラグFOBが
セット中ならば(ステップS233でYES)、外力検
出後所定期間T1が経過していないのでステップS24
6に進み、ステップS233で外力検出フラグFOBがリ
セットされているならば(ステップS233でNO)、
外力検出後所定期間T1が経過したのでステップS24
8に進む。
【0087】ステップS236では外力が車両の後方か
ら前方へ車両の進行方向と略平行に作用する完全後突か
否かを判定する。
【0088】ステップS236の後突検出では、横方向
加速度Yとヨーレートψが略ゼロであると同時に、前後
方向加速度Zが前進方向の方向性を有してその大きさが
所定閾値Z1以上であるか否かを判定する。尚、後突検出
において推定横滑り角βcontを用いてもよい。
【0089】ステップS236の条件が成立したならば
(ステップS236でYES)、ステップS238でS
CS制御開始閾値β0、ψ0をβ2、ψ2に補正してSCS
制御に介入しやすくして、後突により崩れた走行姿勢や
前方への急加速をSCS制御により早急に立て直す。但
し、β0<β2、ψ0<ψ2とする。
【0090】ステップS240では、前輪ステアリング
舵角θHの補正係数AをA2に設定して実際の値よりも
舵角量が大きくなるように補正する。即ち、下記の式7
により補正された前輪ステアリング舵角θHを用いてS
CS制御目標値βTR、ψTRが演算されることになる。但
し、1=A<A2とする。
【0091】θH=A・θH…(7) 上記ステップS238、S240では、車両が後突され
て走行姿勢が大きく変化している可能性があるので、走
行姿勢を早急に立て直すためにステアリング舵角θHを
実際よりも大きな値になるように補正し、推定横滑り角
βcontと目標横滑り角βTRの差或いは実ヨーレートψac
tと目標ヨーレートψTRの差が実際より大きくなり所定
閾値β0、ψ0を越えやすくすることで、SCS制御に介
入しやすい方向に補正している。
【0092】ステップS242では、カウンタTを所定
期間T1に設定し、ステップS244ではカウンタ値T
1を1サイクル毎に減算カウントしていく。ステップS
246では、カウンタ値T1がゼロとなり、所定期間T
1が終了したか否かを判定する。所定期間T1は、ステ
ップS236で外力を検出してから外力の姿勢変化への
影響度合が少なくなるまでの期間に設定され、、前後方
向加速度や横方向加速度等が所定閾値を下回るまで、或
いは下回ってから一定時間継続するように設定してもよ
い。
【0093】ステップS246で所定期間T1が終了し
たならば(ステップS246でYES)、ステップS2
48で補正係数Aをリセットして元の値1に戻し、ステ
ップS250でSCS制御開始閾値β0、ψ0をリセット
して元の値に戻し、ステップS252で外力検出フラグ
FOBをリセットした後、図3のステップS42に進む。
【0094】一方、ステップS236の条件が不成立な
らば(ステップS236でNO)、ステップS254で
外力が車両の側方から作用する側突若しくは斜め後方か
ら前方へ作用する斜め後突か否かを判定する。
【0095】ステップS236の側突検出では、前後方
向加速度Zとヨーレートψが略ゼロであると同時に、横
方向加速度Yの絶対値が所定閾値Y1以上であるか否かを
判定する。また、斜め後突検出では、前後方向加速度Z
が前進方向の方向性を有してその大きさが所定閾値Z1以
上であると同時に、横方向加速度Yの絶対値が所定閾値Y
1以上であるか否かを判定する。尚、側突検出或いは斜
め後突において推定横滑り角βcontを用いてもよい。
【0096】一方、ステップS254の条件が成立した
ならば(ステップS254でYES)、車両への衝撃は
大きいものの、外力による姿勢変化が急変するほどでは
ないと判定してステップS256でSCS制御開始閾値
β0、ψ0をβ1、ψ1に補正してSCS制御に介入しにく
くして、SCS制御により車両の走行姿勢を元に戻すよ
りも外力を加えた他車両等から離反させることを優先す
る。但し、β0<β1、ψ0<ψ1とする。
【0097】ステップS258では、前輪ステアリング
舵角θHの補正係数AをA1に設定して実際の値よりも
舵角量が小さくなるように補正する。即ち、上記式7に
より補正された前輪ステアリング舵角θHを用いてSC
S制御目標値βTR、ψTRが演算されることになる。但
し、1=A>A1とする。その後、ステップS242に
進んで所定期間T1だけ補正値でSCS制御を実行す
る。
【0098】上記ステップS256、S258では、車
両が側突若しくは斜め後突されて走行姿勢が変化した時
に乗員がパニックに陥って急激にステアリングを操作す
ることがあるので、このような不正確なステアリング舵
角θHに基づいて姿勢制御に介入してしまうのを避ける
ために、ステアリング舵角θHを実際よりも小さな値に
なるように補正し、推定横滑り角βcontと目標横滑り角
βTRの差或いは実ヨーレートψactと目標ヨーレートψT
Rの差が実際より小さくなり所定閾値β0、ψ0を越えに
くくすることで、SCS制御に介入しにくい方向に補正
している。
【0099】一方、ステップS254の条件が不成立な
らば(ステップS254でNO)、ステップS260で
外力が車両の前方から作用する前突若しくは斜め前方か
ら後方へ作用する斜め前突か否かを判定する。
【0100】ステップS260の前突検出では、横方向
加速度Yとヨーレートψが略ゼロであると同時に、前後
方向加速度Zが後退方向の方向性を有してその大きさが
所定閾値Z1以上であるか否かを判定する。また、斜め前
突検出では、前後方向加速度Zが後退方向の方向性を有
してその大きさが所定閾値Z1以上であると同時に、横方
向加速度Yの絶対値が所定閾値Y1以上であるか否かを判
定する。尚、前突検出或いは斜め前突検出において推定
横滑り角βcontを用いてもよい。
【0101】ステップS260の条件が成立したならば
(ステップS260でYES)、ステップS256に進
み、不成立ならば(ステップS260でNO)、ステッ
プS248に進む。
【0102】尚、ステップS240、S258でステア
リング舵角θHを補正係数Aにより補正する代わりに、
ステアリング舵角量θHの信頼性が衝突前に比べて高い
外力検出前のステアリング舵角量に設定してもよい。
【0103】更に、横方向加速度及び前後方向加速度の
各所定閾値Y1,Z1,Z2は外力検出時に車速Vが高速である
ほど大きくなる方向に補正したり、走行路面の摩擦係数
μが小さくなるほど大きくなる方向に補正してもよい。
【0104】また、ステップS260では、前回の補正
係数がA1やA2に設定され、或いはSCS開始閾値が
β0やψ0に設定されている場合には各値を急にリセッ
トせずに、徐々に元の値に戻すようにしてもよい。
【0105】更に、ステップS236、S254、S2
60では乗員がパニック状態になり易い状態を検出し
て、パニックが検出された時のみSCS制御の補正を行
なってもよい。これにより、パニックに陥って対応がで
きないときのみ上記補正が実行されるので、パニック後
は乗員主体の運転が可能となる。
【0106】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲
で上記実施形態を修正又は変更したものに適用可能であ
る。
【0107】例えば、SCS制御の補正として、ステア
リング舵角量の補正係数を補正したが、SCS制御内容
のステアリング舵角量に関連するゲインを補正したり、
ステアリング操作に対するSCS制御の制御演算処理の
一部を補正してもよい。
【0108】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両の挙動制御装置の
制御ブロックの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態の姿勢制御を実行するための全体的
動作を示すフローチャートである。
【図3】図2のSCS演算処理を実行するためのフロー
チャートである。
【図4】図2のSCS演算処理を実行するためのフロー
チャートである。
【図5】SCS制御とABS制御との調停処理を実行す
るためのフローチャートである。
【図6】SCS制御とABS制御との調停処理を実行す
るためのフローチャートである。
【図7】SCS制御とABS制御との調停処理を実行す
るためのフローチャートである。
【図8】図2の車輪速補正処理を実行するためのフロー
チャートである。
【図9】車輪速補正手順を示す模式図である。
【図10】図3のステップS41の外力検出処理を示す
フローチャートである。
【図11】SCS制御開始閾値を車速に応じて補正する
場合の関係を示す図である。
【図12】SCS制御開始閾値を路面摩擦係数に応じて
補正する場合の関係を示す図である。
【図13】図10の外力検出処理の変形例を示すフロー
チャートである。
【図14】図10の外力検出処理の変形例を示すフロー
チャートである。
【図15】エアバッグ展開時の外力検出処理を示すフロ
ーチャートである。
【図16】エアバッグ装置の展開制御処理を示すフロー
チャートである。
【図17】外力の作用方向に応じた外力検出処理を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
10…SCSECU 11…FR車輪速センサ 12…FL車輪速センサ 13…RR車輪速センサ 14…RL車輪速センサ 15…車速センサ 16…ステアリング舵角センサ 17…ヨーレートセンサ 18…横方向加速度センサ 19…前後方向加速度センサ 20…EGIECU 21…エンジン 22…オートマチックトランスミッション 23…スロットルバルブ 30…液圧制御ユニット 31…FRブレーキ 32…FLブレーキ 33…RRブレーキ 34…RLブレーキ 35…ブレーキ踏力圧センサ 36…加圧ユニット 37…マスタシリンダ 38…ブレーキペダル 40…トラクションオフスイッチ 50…エアバッグ装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 113:00 137:00 (72)発明者 小林 明宏 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC02 DA03 DA23 DA24 DA25 DA29 DA33 DA93 DB01 DB11 DC07 DC31 DD02 DE02 EA01 EA04 EB01 EC21 FF01 GG01 3D041 AA48 AA49 AA71 AB01 AC01 AC26 AD00 AD41 AD50 AD51 AE03 AE41 3D045 BB01 BB40 GG00 GG05 GG25 GG26 GG28 3D046 BB01 BB28 BB29 BB31 BB32 GG02 GG06 HH00 HH02 HH08 HH25 HH26 HH36 KK11 3D054 AA02 AA03 AA06 AA13 AA16 EE09 EE14 EE15 EE19 EE20 EE21 EE24 EE25

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行姿勢が目標姿勢から逸脱した
    時に、該走行姿勢を該目標姿勢に収束させる姿勢制御手
    段を有する車両の挙動制御装置において、 車両に加わる外力を検出する外力検出手段と、 前記外力検出手段による外力検出後の所定期間は前記姿
    勢制御手段による制御介入を抑制し、その後前記姿勢制
    御手段による制御介入を許容する判定手段とを具備する
    ことを特徴とする車両の挙動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記姿勢制御手段は、車両状態量に基づ
    いて演算される目標姿勢と実姿勢との偏差が所定偏差以
    上となると、該走行姿勢が目標姿勢に収束するように車
    両の姿勢を制御することを特徴とする請求項1に記載の
    車両の挙動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段は、前記姿勢制御手段によ
    る制御介入を禁止することを特徴とする請求項1又は2
    に記載の車両の挙動制御装置。
  4. 【請求項4】 乗員による操作状況を検出する操作状況
    検出手段を備え、前記所定期間は、前記外力検出手段に
    より外力を検出してから乗員による運転操作がされるま
    での期間であることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項に記載の車両の挙動制御装置。
  5. 【請求項5】 車両の走行姿勢の変化を検出する走行姿
    勢状態検出手段を備え、前記所定期間は、前記外力検出
    手段により外力を検出してから該外力の姿勢変化及ぼす
    影響度合が少なくなるまでの期間であることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両の挙動制
    御装置。
  6. 【請求項6】 前記外力により変化する車両の加減速度
    が所定値以上となるとエアバッグを展開させるエアバッ
    グ手段を更に備え、前記所定期間は前記エアバッグが展
    開されてからしぼむまでの期間であることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両の挙動制御
    装置。
  7. 【請求項7】 前記所定期間経過後は、前記姿勢制御手
    段による制御介入を増進することを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれか1項に記載の車両の挙動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記姿勢制御手段は、少なくともステア
    リング舵角量に基づいて演算される目標姿勢と走行姿勢
    との偏差が所定偏差以上となると、該走行姿勢が目標姿
    勢に収束するように車両の姿勢を制御し、 前記姿勢制御手段により検出される前記ステアリング舵
    角量を前記検出手段による外力検出前の値に設定するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の車両の挙動制御装置。
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