JPH11289282A - エコーキャンセラの制御方法およびエコー除去装置 - Google Patents

エコーキャンセラの制御方法およびエコー除去装置

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JPH11289282A
JPH11289282A JP10105695A JP10569598A JPH11289282A JP H11289282 A JPH11289282 A JP H11289282A JP 10105695 A JP10105695 A JP 10105695A JP 10569598 A JP10569598 A JP 10569598A JP H11289282 A JPH11289282 A JP H11289282A
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echo canceller
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エコーキャンセル動作を安定化できる。 【解決手段】 回線エコー信号を除去するための回線側
エコーキャンセラ39および音響エコー信号を除去する
ための音響側エコーキャンセラ43を含み、回線側エコ
ーキャンセラ39および音響側エコーキャンセラ43に
よる除去結果に基づいて、それぞれ音声検出器72およ
び74によって受信経路Aおよび送信経路Bの有音・無
音を検出する。それらの音声検出結果に基づいてダブル
トーク検出器76によってダブルトーク検出を行い、ダ
ブルトーク状態、不定状態、シングルトーク状態等を検
出する。全体制御部66は、除去結果を用いて回線側エ
コーキャンセラ39および音響側エコーキャンセラ43
はそれぞれ学習可能状態か否かを判断し、その判断結果
とダブルトーク検出結果に基づいて、回線側エコーキャ
ンセラ39および音響側エコーキャンセラ43の学習動
作を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はエコーキャンセラ
の制御方法およびエコー除去装置に関し、特にたとえば
ハンズフリー電話やテレビ会議システムなどに利用され
る、エコーキャンセラの制御方法およびエコー除去装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ハンズフリー電話などに適用される、適
応フィルタを用いたエコーキャンセラでは、シングルト
ーク状態の場合には適応フィルタの適応動作は正常に行
われるが、ダブルトーク状態になるとエコー信号だけで
はなく話者音声をも打ち消すように適応動作を行ってし
まい、この結果エコーパスの推定結果に混乱が生じるた
め、ダブルトーク発生時には学習を停止する必要があ
る。
【0003】そこで従来より、入出力信号のレベルや相
関関数などを用いてダブルトーク状態を検出する種々の
技術が提案されており、その一例として、図13に示す
ようなダブルトーク検出回路1を含むエコーキャンセラ
2が提案されている(特開平5−102887の図2参
照)。
【0004】このダブルトーク検出回路1では、まず絶
対値検出器3、4および微分回路5、6によって、それ
ぞれディジタル受話信号RSおよび送話信号TSの信号
レベルが検出される。次に、比較器7において、 R=log{(受話信号RSの信号レベル)/(送話信号
TSの信号レベル)} なる演算によって検出レベルの比Rが求められ、このレ
ベル比が予め設定した閾値と比較される。
【0005】そして、レベル比Rが閾値よりも小さくな
った場合にダブルトーク状態になったと判定して、この
ダブルトーク状態が検出されている期間中に適応フィル
タ8による適応動作を停止させるようにしている。この
ようにして、ダブルトーク状態でエコーキャンセラ2が
誤ったエコーパスEPの推定を行う不具合を防止し、エ
コーキャンセル動作の安定化を図っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
エコーキャンセラ2では、たとえば、近端話者の移動に
よって送話信号レベルが小さくなれば、ダブルトーク検
出回路1では送話信号レベルと受話信号レベルとのレベ
ル比Rが閾値よりも大きくなり、その結果、ダブルトー
ク状態であるにも拘わらず、シングルトーク状態である
と判定してしまうことがあった。
【0007】このようにダブルトーク検出回路1では、
近端話者の移動や回線障害などによる信号レベルの変動
の影響で、ダブルトーク状態の検出精度が劣化し、エコ
ーキャンセル動作が不安定になる場合があった。
【0008】それゆえにこの発明の主たる目的は、エコ
ーキャンセル動作を安定化できる、エコーキャンセラの
制御方法およびエコー除去装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載のエコーキャンセラの制御方法は、
送信信号または受信信号に重畳され得るエコー信号を除
去するためにエコー信号から擬似エコー信号を減算する
エコーキャンセラの学習動作を制御するエコーキャンセ
ラの制御方法であって、エコーキャンセラによってエコ
ー信号および擬似エコー信号から得られる除去結果に基
づいて音声検出を行う第1ステップ、第1ステップによ
る音声検出結果に基づいてダブルトーク状態を検出する
第2ステップ、および第2ステップによるダブルトーク
検出結果に基づいてエコーキャンセラの状態を制御する
第3ステップを備える。
【0010】請求項2に記載のエコーキャンセラの制御
方法は、請求項1に記載のエコーキャンセラの制御方法
において、送信信号または受信信号のうちエコーキャン
セラによるエコー除去が行われていない方の信号に基づ
いてエコーキャンセラは学習可能であるか否かを判断す
る第4ステップをさらに含み、第3ステップは、第2ス
テップによるダブルトーク検出結果および第4ステップ
による判断結果に基づいてエコーキャンセラの学習動作
を制御するものである。
【0011】請求項3に記載のエコーキャンセラの制御
方法は、請求項1または2に記載のエコーキャンセラの
制御方法において、送信信号または受信信号のうちエコ
ーキャンセラによるエコー除去が行われていない方の信
号に基づいて音声検出を行う第5ステップをさらに含
み、第2ステップは、第1ステップによる音声検出結果
および第5ステップによる音声検出結果に基づいてダブ
ルトーク状態を検出するものである。
【0012】請求項4に記載のエコーキャンセラの制御
方法は、請求項1ないし3のいずれかに記載のエコーキ
ャンセラの制御方法において、第1ステップは、除去結
果の信号レベルと、背景ノイズレベルの大きさに応じて
適応的に決定される第1閾値との比較に基づいて音声検
出を行うものである。
【0013】請求項5に記載のエコーキャンセラの制御
方法は、請求項1ないし4のいずれかに記載のエコーキ
ャンセラの制御方法において、第2ステップは、有音状
態の継続時間を計算し、継続時間が所定時間以上になれ
ばダブルトーク状態と判断するものである。
【0014】請求項6に記載のエコーキャンセラの制御
方法は、請求項1に記載のエコーキャンセラの制御方法
において、第3ステップにおけるエコーキャンセラの状
態を制御するとは、エコーキャンセラを学習状態または
学習停止状態に制御することを特徴とするものである。
【0015】請求項7に記載のエコーキャンセラの制御
方法は、送信信号に重畳され得る音響エコー信号を除去
するために音響エコー信号から第1擬似エコー信号を減
算する音響側エコーキャンセラ、および受信信号に重畳
され得る回線エコー信号を除去するために回線エコー信
号から第2擬似エコー信号を減算する回線側エコーキャ
ンセラのそれぞれの学習動作を制御するためのエコーキ
ャンセラの制御方法であって、回線側エコーキャンセラ
によって回線エコー信号から第2擬似エコー信号を減算
して得られる第2除去結果の信号レベルに基づいて音響
側エコーキャンセラは学習可能であるか否かを判断する
第1ステップ、音響側エコーキャンセラによって音響エ
コー信号から第1擬似エコー信号を減算して得られる第
1除去結果の信号レベルに基づいて回線側エコーキャン
セラは学習可能であるか否かを判断する第2ステップ、
第1除去結果の信号レベルに基づいて音声検出を行う第
3ステップ、第2除去結果の信号レベルに基づいて音声
検出を行う第4ステップ、第3ステップによる音声検出
結果および第4ステップによる音声検出結果に基づいて
ダブルトーク状態を検出する第5ステップ、第1ステッ
プによる判断結果および第5ステップによるダブルトー
ク検出結果に基づいて音響側エコーキャンセラの学習動
作を制御する第6ステップ、ならびに第2ステップによ
る判断結果および第5ステップによるダブルトーク検出
結果に基づいて回線側エコーキャンセラの学習動作を制
御する第7ステップを備える。
【0016】請求項8に記載のエコーキャンセラの制御
方法は、請求項7に記載のエコーキャンセラの制御方法
において、第5ステップは、第3ステップによる音声検
出結果または第4ステップによる音声検出結果の少なく
ともにいずれか一方が無音であればシングルトーク状態
であると判断するステップ、第3ステップによる音声検
出結果および第4ステップによる音声検出結果がともに
有音であれば、その有音状態の継続時間を計算するステ
ップ、継続時間が所定時間未満であれば不定状態である
と判断するステップ、および継続時間が所定時間以上で
あればダブルトーク状態であると判断するステップを含
むものである。
【0017】請求項9に記載のエコーキャンセラの制御
方法は、請求項8に記載のエコーキャンセラの制御方法
において、シングルトーク状態のとき、音響側エコーキ
ャンセラでの学習によって得られる適応フィルタ係数お
よび回線側エコーキャンセラでの学習によって得られる
適応フィルタ係数をそれぞれバックアップするステッ
プ、ならびにダブルトーク状態または不定状態のとき、
音響側エコーキャンセラおよび回線側エコーキャンセラ
においてそれぞれバックアップされた適応フィルタ係数
を用いてエコー除去動作を行うステップをさらに含むも
のである。
【0018】請求項10に記載のエコー除去装置は、送
信信号または受信信号に重畳され得るエコー信号を除去
するためにエコー信号から擬似エコー信号を減算するエ
コーキャンセラを含むエコー除去装置であって、エコー
キャンセラによってエコー信号から擬似エコー信号を減
算して得られる除去結果の信号レベルに基づいて音声検
出を行う第1音声検出手段、送信信号または受信信号の
うちエコーキャンセラによるエコー除去が行われていな
い信号に基づいてエコーキャンセラは学習可能か否かを
判断する判断手段、送信信号または受信信号のうちエコ
ーキャンセラによるエコー除去が行われていない信号に
基づいて音声検出を行う第2音声検出手段、第1音声検
出手段による音声検出結果および第2音声検出手段によ
る音声検出結果に基づいてダブルトーク状態を検出する
ダブルトーク検出手段、ならびに判断手段による判断結
果およびダブルトーク検出手段によるダブルトーク検出
結果に基づいてエコーキャンセラを学習状態または学習
停止状態に制御する制御手段を備える。
【0019】請求項11に記載のエコー除去装置は、送
信信号に重畳され得る音響エコー信号を除去するために
音響エコー信号から第1擬似エコー信号を減算する音響
側エコーキャンセラ、および受信信号に重畳され得る回
線エコー信号を除去するために回線エコー信号から第2
擬似エコー信号を減算する回線側エコーキャンセラを含
むエコー除去装置であって、回線側エコーキャンセラに
よって回線エコー信号から第2擬似エコー信号を減算し
て得られる第2除去結果の信号レベルに基づいて音響側
エコーキャンセラは学習可能であるか否かを判断する第
1判断手段、音響側エコーキャンセラによって音響エコ
ー信号から第1擬似エコー信号を減算して得られる第1
除去結果の信号レベルに基づいて回線側エコーキャンセ
ラは学習可能であるか否かを判断する第2判断手段、第
1除去結果の信号レベルに基づいて音声検出を行う第1
音声検出手段、第2除去結果の信号レベルに基づいて音
声検出を行う第2音声検出手段、第1音声検出手段によ
る音声検出結果および第2音声検出手段による音声検出
結果に基づいてダブルトーク状態を検出するダブルトー
ク検出手段、第1判断手段による判断結果およびダブル
トーク検出手段によるダブルトーク検出結果に基づいて
音響側エコーキャンセラの学習動作を制御する第1制御
手段、ならびに第2判断手段による判断結果およびダブ
ルトーク検出手段によるダブルトーク検出結果に基づい
て回線側エコーキャンセラの学習動作を制御する第2制
御手段を備える。
【0020】請求項1に記載のエコーキャンセラの制御
方法では、エコーキャンセラによる除去結果に基づいて
音声検出が行われるので、エコーを音声と間違えて音声
を誤検出する可能性を低減できる。このように信頼性の
高い音声検出結果に基づいてダブルトーク状態が検出さ
れるので、ダブルトーク状態をシングルトーク状態と判
断されることはない。したがって、このダブルトーク検
出結果に基づいてエコーキャンセラの学習動作を制御す
ることによって、学習停止とすべきところを学習継続と
しエコーキャンセラが誤ったエコーパスの推定を行って
しまう、という不具合を防止できる。
【0021】請求項2に記載のエコーキャンセラの制御
方法では、エコーキャンセラが送信経路に介挿されてい
る音響エコーキャンセラであれば、受信信号に基づいて
音響エコーキャンセラは学習可能状態であるか否かが、
エコーキャンセラが受信経路に介挿されている回線エコ
ーキャンセラであれば、送信信号に基づいて回線エコー
キャンセラは学習可能状態であるか否かが、それぞれ判
断される。この判断結果をさらに加味することによっ
て、入力された信号がエコーキャンセラが学習不可能な
ほど小さい場合には、ダブルトーク状態か否かに拘わら
ず、エコーキャンセラの学習を停止でき、信頼性の低い
学習を阻止できる。
【0022】請求項3に記載のエコーキャンセラの制御
方法では、エコーキャンセラが送信経路に介挿されてい
る音響エコーキャンセラであれば、受信信号の音声検出
も同時に行う。エコーキャンセラが受信経路に介挿され
ている回線エコーキャンセラであれば、送信信号の音声
検出も同時に行う。この音声検出結果をさらに加味する
ことによって、ダブルトーク検出の精度を向上でき、エ
コーキャンセラでの学習動作の信頼性を向上できる。
【0023】請求項10に記載のエコー除去装置におい
ても、同様である。
【0024】請求項4に記載のエコーキャンセラの制御
方法では、エコーキャンセラによる除去結果の信号レベ
ルを、背景ノイズレベルの大きさに応じて適応的に決定
される閾値と比較することによって音声検出が行われる
ので、環境の変化による音声検出精度の劣化を防ぐこと
ができる。
【0025】請求項5に記載のエコーキャンセラの制御
方法では、有音状態の継続時間が所定時間以上か否かに
よってダブルトーク状態を検出することによって、エコ
ーパスの変動によってエコー除去性能が劣化する場合と
区別でき、ダブルトーク状態の検出精度を向上できる。
【0026】請求項6に記載のエコーキャンセラの制御
方法では、エコーキャンセラを学習状態または学習停止
状態に制御できる。
【0027】請求項7に記載のエコーキャンセラの制御
方法では、回線側エコーキャンセラによって回線エコー
信号(回線エコーによるエコー信号)から第2擬似エコ
ー信号を減算して得られる第2除去結果の信号レベルに
基づいて音響側エコーキャンセラは学習可能状態である
か否かが、音響側エコーキャンセラによって音響エコー
信号(音響エコーによるエコー信号)から第1擬似エコ
ー信号を減算して得られる第1除去結果の信号レベルに
基づいて回線側エコーキャンセラは学習可能状態である
か否かが、それぞれ判断される。これによって、エコー
除去後の送信信号および受信信号が、それぞれ音響側エ
コーキャンセラおよび回線側エコーキャンセラが学習不
可能なほど小さい場合には、ダブルトーク状態か否かに
拘わらず、それぞれ音響側エコーキャンセラおよび回線
側エコーキャンセラの学習を停止でき、信頼性の低い学
習を阻止できる。
【0028】また、第1除去結果の信号レベルおよび第
2除去結果の信号レベルに基づいて音声検出が行われる
ので、エコーを音声と間違えて音声を誤検出する可能性
を低減できる。このように信頼性の高い音声検出結果に
基づいてダブルトーク状態が検出されるので、ダブルト
ーク状態をシングルトーク状態と判断されることはな
く、ダブルトーク検出の精度が向上する。したがって、
このダブルトーク検出結果に基づいて音響側エコーキャ
ンセラおよび回線側エコーキャンセラの学習動作を制御
することによって、学習停止とすべきところを学習継続
としエコーキャンセラが誤ったエコーパスの推定を行っ
てしまう、という不具合を防止でき、エコーキャンセラ
での学習動作の信頼性を向上できる。
【0029】請求項11に記載のエコー除去装置におい
ても、同様である。
【0030】請求項8に記載のエコーキャンセラの制御
方法では、シングルトーク状態、不定状態、ダブルトー
ク状態を検出でき、その状態を考慮してエコーキャンセ
ラの学習動作が制御される。
【0031】請求項9に記載のエコーキャンセラの制御
方法では、シングルトーク状態のときにエコーキャンセ
ラによって得られた適応フィルタ係数をバックアップし
ておき、ダブルトーク状態または不定状態のときにその
適応フィルタ係数を用いてエコーキャンセル動作を行う
ことによって、崩れて信頼性の低い適応フィルタ係数を
用いて学習を行う、といった不具合を防止できる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0033】図1および図2に示すように、この発明の
一実施形態のエコー除去装置10は、DSP12、RO
M14およびRAM16を用いて構成される。
【0034】DSP12には、ダブルトーク状態を示す
フラグDouble_flg(0:ダブルトークでない、1:ダブ
ルトーク)、学習可能状態かどうかを示すフラグStudy_
flg(0:学習不可能状態、1:学習可能状態)、音声
検出器30の検出結果である有音・無音を示すフラグSp
eech_flg_1(0:無音、1:有音)、音声検出器32の
検出結果である有音・無音を示すフラグSpeech_flg_2
(0:無音、1:有音)等が格納される。
【0035】ROM14には、エコー除去装置10の動
作を制御するためのプログラムや予め設定されたデータ
が格納される。ROM14に格納されるデータとして
は、学習可能な送信信号レベルSend_levの閾値Learn_le
v_thl、背景ノイズ算出レベルThl_base、背景ノイズ算
出レベルThl_baseの上昇方向の修正幅T_up、背景ノイズ
算出レベルThl_baseの降下方向の修正幅T_down、背景ノ
イズ算出レベルThl_baseから閾値Thl_1やThl_2を算出す
るための乗数a、ダブルトーク状態と判定するための不
定状態継続時間N等が含まれる。
【0036】RAM16には、DSP12での演算によ
って得られた計算値等のデータが一時的に格納される。
RAM16に格納されるデータとしては、送信信号レベ
ルSend_lev、有音・無音判定の閾値Thl_1,Thl_2、除去
結果の信号レベルin_lev、不定状態の継続時間を示すカ
ウント値Counter等が含まれる。
【0037】ROM14やRAM16に格納されたプロ
グラム、データを用いてDSP12を動作させることに
よって、エコー除去装置10が実現される。図2は、エ
コー除去装置10の機能ブロック図である。
【0038】図2に示すエコー除去装置10は、回線エ
コーを除去するための回線エコーキャンセラ18を制御
する例である。
【0039】エコー除去装置10には、マイクロホン2
0からの送信信号がA/D変換器22によってディジタ
ル化されて入力される。
【0040】回線エコーキャンセラ18では、A/D変
換器22によってディジタル化された送信信号がバッフ
ァリングされている参照入力信号を用いて擬似エコー信
号が算出される。そして、A/D変換器24からの信号
(受信信号+回線エコー)から擬似エコー信号が減算さ
れ、その除去結果がD/A変換器26によってアナログ
変換された後、スピーカ28からスピーカ出力信号とし
て出力される。回線エコーキャンセラ18では、参照入
力信号、適応フィルタ係数、除去結果に基づいて、適応
フィルタ係数が更新される。
【0041】音声検出器30では、回線エコーキャンセ
ラ18による除去結果の信号レベルin_levが算出され、
その信号レベルin_levと閾値Thl_1との比較によって受
信経路Aの有音・無音が検出される。音声検出器32で
は、A/D変換器22からの送信信号レベルSend_levが
算出され、送信信号レベルSend_levと閾値Thl_2との比
較によって送信経路Bの有音・無音が検出される。全体
制御部34においても、A/D変換器22からの送信信
号レベルSend_levが算出され、送信信号レベルSend_lev
と閾値Learn_lev_thlとの比較によって送信信号レベルS
end_levが学習可能なレベルであるか否かが判断され
る。なお、除去結果の信号レベルin_lev、送信信号レベ
ルSend_levは、たとえばサンプリング周波数8KHzで
抽出された連続する20サンプルの2乗和によって算出
される。後述の実施の形態においても同様である。
【0042】音声検出器30および32からの音声検出
結果は、それぞれダブルトーク検出器36に与えられ、
ダブルトーク検出器30では、これらの音声検出結果に
基づいてダブルトーク状態か否かが検出され、ダブルト
ーク検出結果が全体制御部34に与えられる。
【0043】全体制御部34では、送信信号レベルSend
_levが学習可能なレベルであるか否かの判断結果、およ
びダブルトーク検出結果に基づいて、回線エコーキャン
セラ18は学習可能状態であるか否かが判断され、回線
エコーキャンセラ18の学習動作が制御される。
【0044】なお、A/D変換器22によってディジタ
ル化された送信信号はD/A変換器38によってアナロ
グ化されて回線出力信号として出力される。
【0045】図3〜図6を参照して、エコー除去装置1
0の動作を説明する。
【0046】図3に、エコー除去装置10の全体動作を
示す。
【0047】図3を参照して、まず、RAM16に格納
される送信信号レベルSend_lev、閾値Thl_1,Thl_2、除
去結果の信号レベルin_lev、不定状態の継続時間を示す
カウント値Counter等が初期化される(ステップS
1)。そして、全体制御部34によって学習可能状態か
否かが判断され、フラグStudy_flgが設定される(ステ
ップS3)。フラグStudy_flgを参照し、学習可能状態
であれば(ステップS5がYES)、回線エコーキャン
セラ18では学習が行われ(ステップS7)、学習可能
状態でなければ(ステップS5がNO)、回線エコーキ
ャンセラ18では学習が停止される(ステップS9)。
ついで、音声検出器30および32によって、それぞれ
受信経路Aおよび送信経路Bの有音・無音が判断され、
フラグSpeech_flg_1およびフラグSpeech_flg_2が設定さ
れる(ステップS11)。そして、ダブルトーク検出器
36によって、フラグSpeech_flg_1およびフラグSpeech
_flg_2が示す音声検出結果に基づいてダブルトーク状態
か否かが判断され、フラグDouble_flgが設定され(ステ
ップS13)、ステップS3に戻る。
【0048】図4を参照して、ステップS3の動作につ
いて説明する。
【0049】まず、全体制御部34によって送信信号レ
ベルSend_levが算出され(ステップS21)、送信信号
レベルSend_lev≧閾値Learn_lev_thlか否かが判断され
る(ステップS23)。送信信号レベルSend_lev≧閾値
Learn_lev_thlであれば、送信信号レベルSend_levは、
回線エコーキャンセラ18が学習可能なレベルにあると
判断され、さらにフラグDouble_flg=1か否かが判断さ
れる(ステップS25)。フラグDouble_flg=0であれ
ば、ダブルトーク状態ではなく、その結果、学習可能状
態である判断されフラグStudy_flg=1に設定され(ス
テップS27)、終了する。
【0050】ステップS23がNOまたはS25がYE
Sのとき、すなわち送信信号レベルSend_levが閾値Lear
n_lev_thl未満であるか、またはダブルトーク状態であ
れば、学習不可能状態であると判断され、フラグStudy_
flg=0に設定され(ステップS29)、終了する。
【0051】ついで、図5を参照して、ステップS11
の動作について説明する。
【0052】まず、音声検出器30では除去信号の信号
レベルin_levが算出され(ステップS31)、背景ノイ
ズ算出レベルThl_base<信号レベルin_levか否かが判断
される(ステップS33)。背景ノイズ算出レベルThl_
base<信号レベルin_levでなければ、背景ノイズ算出レ
ベルThl_base>信号レベルin_levか否かが判断される
(ステップS35)。背景ノイズ算出レベルThl_base>
信号レベルin_levでなければ、すなわち背景ノイズ算出
レベルThl_base=信号レベルin_levの場合には、背景ノ
イズ算出レベルThl_baseは変更されることなく、Thl_1
=Thl_base×aが算出される(ステップS37)。
【0053】ステップS33において、背景ノイズ算出
レベルThl_base<信号レベルin_levであれば、Thl_base
=Thl_base+T_upによって、背景ノイズ算出レベルThl_
baseを上昇し(ステップS39)、ステップS37へ進
む。また、ステップS35において、背景ノイズ算出レ
ベルThl_base>信号レベルin_levであれば、Thl_base=
Thl_base−T_downによって、背景ノイズ算出レベルThl_
baseを降下し(ステップS41)、ステップS37へ進
む。
【0054】このように背景ノイズ算出レベルThl_base
および閾値Thl_1は状況に応じて調整され、最適値に設
定される。閾値Thl_2についても同様である。
【0055】ステップS37の後、信号レベルin_lev≧
閾値Thl_1か否かが判断され(ステップS43)、信号
レベルin_lev≧閾値Thl_1であれば、受信経路Aの音声
は有音であると判断され、フラグSpeech_flg_1=1に設
定され(ステップS45)、終了する。ステップS43
において、信号レベルin_lev≧閾値Thl_1でなければ、
受信経路Aの音声は無音であると判断され、フラグSpee
ch_flg_1=0に設定され(ステップS47)、終了す
る。
【0056】また、音声検出器32においても、図5に
示す動作とほぼ同様にして、送信経路Bの音声の有無が
検出され、フラグSpeech_flg_2が設定される。このと
き、閾値Thl_1の代わりに閾値Thl_2が用いられ、除去結
果の信号レベルin_levの代わりに、送信信号レベルSend
_levが用いられることは容易に理解されよう。また、閾
値Thl_1とThl_2とは、それぞれ独立して設定されるた
め、異なる値になる場合が多い。
【0057】なお、修正幅T_up≪修正幅T_downに設定す
ることによって、背景ノイズ算出レベルThl_baseの変化
は、立ち上がり時定数が大きく、立ち下がり時定数が小
さい特性になる。これによって、背景ノイズ算出レベル
Thl_baseを実際の背景ノイズレベルに近い値に保持する
ことができる。
【0058】図6を参照して、ステップS13の動作を
説明する。
【0059】まず、音声検出器32の音声検出結果を示
すフラグSpeech_flg_2=1か否かが判断され(ステップ
S51)、フラグSpeech_flg_2=1であれば、音声検出
器30の音声検出結果を示すフラグSpeech_flg_1=1か
否かが判断され(ステップS53)、フラグSpeech_flg
_1=1であれば、不定状態の継続時間を示すカウント値
Counterがインクリメントされ(ステップS55)、Cou
nter≧Nか否かが判断される(ステップS57)。Coun
ter≧Nであればダブルトーク状態であると判断され、
フラグDouble_flg=1に設定され(ステップS59)、
終了する。なお、不定状態継続時間Nの値は、回線エコ
ーキャンセラ18の学習速度を考慮して設定される。
【0060】ステップS57において、Counter≧Nで
なければ、受信経路Aおよび送信経路Bはともに有音で
あるがその継続時間が短いためにまだダブルトーク状態
とは判断できず、たとえばエコーパスの変動などの不定
状態であると判断され、フラグDouble_flg=0に設定さ
れ(ステップS61)、終了する。
【0061】一方、ステップS51において、フラグSp
eech_flg_2=1でないとき、またはステップS53にお
いて、フラグSpeech_flg_1=1でないときには、ダブル
トーク状態ではなくシングルトーク状態と判断され、カ
ウント値CounterおよびフラグDouble_flgはともにクリ
ア(Counter=0、Double_flg=0)され(ステップS
63)、終了する。
【0062】たとえば、回線エコーキャンセラ18の学
習が収束した時点では、たとえば近端話者が話した場
合、音声検出器32は音声を検出するが、回線エコーは
回線エコーキャンセラ18によって除去されるので音声
検出器30は音声を検出しない。もし、音声検出器30
も音声を検出していれば、ダブルトーク状態と判断する
ことができる。
【0063】図3〜図6に示すように動作するエコー除
去装置10では、遠端話者からの通話音声が入力される
と、音声検出器30は音声を検出する。
【0064】また、近端話者からの通話音声が出力され
ると、その回線エコーが戻ってくるが、回線エコーキャ
ンセラ18が十分なエコー除去を行っていれば、音声検
出器30は音声を検出しない。
【0065】レベルの小さい遠端話者音声によるダブル
トークが発生した場合には、回線エコーキャンセラ18
での適応フィルタ係数が崩れ、除去誤差が増加する。そ
の結果、音声検出器30は遠端話者音声、もしくは近端
話者音声のエコーを検出する。
【0066】さらにレベルの小さい遠端話者音声による
ダブルトークが発生した場合で、回線エコーキャンセラ
18での適応フィルタ係数の崩れが小さい場合には、除
去誤差は増加しない。この場合、音声検出器30は音声
を検出しなくなるが、回線エコーキャンセラ18での適
応フィルタ係数の崩れが小さいため、問題とならない。
【0067】したがって、回線エコーキャンセラ18の
学習に影響を及ぼすダブルトークについては、入力レベ
ルが小さくても精度よく検出することが可能となる。
【0068】また、エコー除去装置10によれば、音声
の入出力レベルに依存することなく、しかも音声検出器
30の音声検出結果だけではなく音声検出器32の音声
検出結果をも考慮してダブルトーク検出器36がダブル
トーク状態の検出を行う。したがって、ダブルトーク検
出が送信信号レベルSend_levや受信信号のレベルの変動
等に影響されることはなく、ダブルトーク状態の検出精
度を向上でき、回線エコーキャンセラ18のエコーキャ
ンセル動作を安定化できる。
【0069】さらに、音声検出器30および32のよう
に閾値Thl_1およびThl_2をそれぞれ背景ノイズレベルに
自動的に追従させることによって、ノイズによる誤動作
を防ぐことができ、さらにダブルトーク状態の検出精度
を向上できる。この場合、ノイズレベルが大きくなる
と、それに伴って閾値Thl_1およびThl_2が大きくなり、
ダブルトーク状態の検出精度が劣化するように思える
が、回線エコーキャンセラ18は入力信号のS/N比以
上にエコーを除去することができないことを考慮する
と、何ら問題とはならない。
【0070】また、ダブルトーク発生時には学習を停止
し、エコーパスの変動時には学習を継続するという、全
く異なる制御を行う必要があるが、両者はともに、回線
エコーキャンセラ18でのエコー除去精度を劣化させる
ため、両者の区別は難しい。
【0071】しかし、エコー除去装置10によれば、音
声検出器30および32での音声検出結果がともに有音
と判断された場合であっても、一定時間は学習を継続
し、有音の継続時間をカウントして、その継続時間が不
定状態継続時間N以上になればダブルトーク状態、不定
状態継続時間Nに達する前に音声検出器30または32
のいずれか一方の音声検出結果が無音になればエコーパ
スの変動と、それぞれ判断することによって、ダブルト
ークの発生およびエコーバスの変動を検出でき、それぞ
れに応じた制御が可能となる。このように、エコーパス
の変動を考慮に入れた制御が可能となる。
【0072】図7にエコー除去装置10による検出結果
の一例を示す。
【0073】送信信号および受信信号が、それぞれ図7
(a)および(b)に示すものである場合、音声検出器
32によって検出される送信信号の音声検出結果は図7
(c)に示すようになり、音声検出器30によって検出
される受信信号の音声検出結果は図7(d)に示すよう
になる。
【0074】その結果、ダブルトーク検出器36による
ダブルトーク検出結果は、図7(e)に示すようにな
り、ダブルトーク区間を精度よく検出できることがわか
る。
【0075】ついで、図8に、この発明の他の実施の形
態のエコー除去装置10aの機能ブロック図を示す。
【0076】エコー除去装置10aも、図1に示すDS
P12、ROM14、RAM16を用いて構成される。
【0077】この場合、DSP12には、さらに不定状
態を示すフラグCheck_flg(0:不定時ではない、1:
不定時)が格納される。なお、DSP12に格納される
フラグSpeech_flg_1は音声検出器72の音声検出結果
を、フラグSpeech_flg_2は音声検出器74の音声検出結
果を、それぞれ示す。ROM14には、適応フィルタ係
数のバックアップをするための閾値Mが、RAM16に
は、適応フィルタ係数のバックアップのためのカウント
値Back_cnt等が、さらに格納される。
【0078】エコー除去装置10aは回線側エコーキャ
ンセラ39および音響側エコーキャンセラ43を用いて
フルデュプレクスエコーキャンセラとして構成され、回
線側エコーキャンセラ39は回線側学習・除去用エコー
キャンセラ40と回線側除去用エコーキャンセラ42と
を含み、音響側エコーキャンセラ43は音響側学習・除
去用エコーキャンセラ44と音響側除去用エコーキャン
セラ46とを含む。
【0079】回線側学習・除去用エコーキャンセラ40
および回線側除去用エコーキャンセラ42は、たとえば
図9に示すように構成される。
【0080】回線側学習・除去用エコーキャンセラ40
は、参照入力信号バッファ48を含む。参照入力信号バ
ッファ48には、音響側学習・除去用エコーキャンセラ
44または音響側除去用エコーキャンセラ46からの除
去結果として得られた参照入力信号Xが入力され、参照
入力信号Xは所定のタイミングで積和演算部50および
係数更新部52に与えられる。積和演算部50では、参
照入力信号XとたとえばFIRフィルタ(有限インパル
ス応答フィルタ)からなる適応フィルタ54内の適応フ
ィルタ係数とに基づいて、擬似エコー信号Y1が算出さ
れる。そして、減算器56において、A/D変換器24
からの信号y(ハイブリッド回路57を介する受信信号
+回線エコーをアナログ化した信号)から擬似エコー信
号Y1が減算され、その除去結果が出力される。係数更
新部52では、参照入力信号X、適応フィルタ係数、除
去結果に基づいて、適応フィルタ係数が更新される。
【0081】このように、回線側学習・除去用エコーキ
ャンセラ40は、適応フィルタ係数の更新すなわち学習
を行いながらエコーの除去も行う。
【0082】具体的には、回線側学習・除去用エコーキ
ャンセラ40は、シングルトーク状態においては、学習
を行い、かつ回線側除去用エコーキャンセラ42のバッ
クアップ部62(後述)に適応フィルタ係数を定期的に
バックアップする。
【0083】不定状態においては、学習は継続するが、
適応フィルタ係数のバックアップは行わない。
【0084】ダブルトーク状態においては、学習を停止
する。また、既に適応フィルタ係数が崩れているため、
バックアップ部62にバックアップされていた適応フィ
ルタ係数を適応フィルタ54に復帰させる。
【0085】また、回線側除去用エコーキャンセラ42
は、参照入力信号バッファ58を含む。参照入力信号バ
ッファ58には、参照入力信号バッファ48と同様、参
照入力信号Xが入力され、参照入力信号Xは所定のタイ
ミングで積和演算部60に与えられる。また、適応フィ
ルタ係数のバックアップ部62には、回線側学習・除去
用エコーキャンセラ40の適応フィルタ54内の適応フ
ィルタ係数がバックアップされ、その適応フィルタ係数
は積和演算部60に与えられる。
【0086】積和演算部60では、参照入力信号Xと適
応フィルタ係数とに基づいて、擬似エコー信号Y2が算
出される。そして、減算器64において、A/D変換器
24からの信号yから擬似エコー信号Y2が減算され、
その除去結果が出力される。
【0087】なお、適応フィルタ係数はシングルトーク
時にバックアップ部62へバックアップされ、一方、送
信信号レベルSend_levが学習可能なレベルではないと
き、またはダブルトーク状態のとき、バックアップ部6
2にバックアップされている適応フィルタ係数は適応フ
ィルタ54へ復帰され、積和演算部50での積和演算お
よび係数更新部52での適応フィルタ係数の更新に用い
られる。
【0088】このように、回線側除去用エコーキャンセ
ラ42は、学習を行わず、バックアップされた適応フィ
ルタ係数を用いてエコーの除去のみを行う。
【0089】音響側学習・除去用エコーキャンセラ44
および音響側除去用エコーキャンセラ46は、それぞれ
回線側学習・除去用エコーキャンセラ40および回線側
除去用エコーキャンセラ42と同様に構成されるので、
その重複する説明は省略する。
【0090】そして、全体制御部66によってスイッチ
68および70の動作が制御される。シングルトーク状
態のときには、学習を行いながらエコー除去を行う回線
側学習・除去用エコーキャンセラ40および音響側学習
・除去用エコーキャンセラ44の方が、それぞれエコー
除去性能が高いため、回線側学習・除去用エコーキャン
セラ40および音響側学習・除去用エコーキャンセラ4
4が選択される。シングルトーク状態以外のときには、
回線側学習・除去用エコーキャンセラ40および音響側
学習・除去用エコーキャンセラ44からの除去結果はそ
れぞれ劣化している可能性が高いため、回線側除去用エ
コーキャンセラ42および音響側除去用エコーキャンセ
ラ46が選択される。
【0091】ここで、回線側エコーキャンセラ39で
は、選択されたエコーキャンセラ(40または42)に
よる除去結果の信号レベルin_levが全体制御部66に与
えられて、音響側学習・除去用エコーキャンセラ44が
学習可能であるかが判断され、また、除去結果をサンプ
リングした参照入力信号Xが音響側学習・除去用エコー
キャンセラ44に与えられるとともに、除去結果はD/
A変換器26によってアナログ変換された後、スピーカ
出力信号としてスピーカ28から出力される。
【0092】同様に、音響側エコーキャンセラ43で
は、選択されたエコーキャンセラ(44または46)に
よる除去結果の信号レベルin_levが全体制御部66に与
えられて、回線側学習・除去用エコーキャンセラ40が
学習可能であるかが判断され、また、除去結果をサンプ
リングした参照入力信号Xが回線側学習・除去用エコー
キャンセラ40に与えられるとともに、除去結果はD/
A変換器38によってアナログ変換された後、回線出力
信号として出力される。
【0093】また、音声検出器72では、回線側学習・
除去用エコーキャンセラ40による除去結果の信号レベ
ルin_levが算出され、先の実施の形態と同様に信号レベ
ルin_levと閾値Thl_1との比較に基づいて受信経路Aの
有音・無音が検出される。音声検出器74においても同
様に、音響側学習・除去用エコーキャンセラ44による
除去結果の信号レベルin_levと閾値Thl_2との比較に基
づいて送信経路Bの有音・無音が検出される。このよう
に、回線側学習・除去用エコーキャンセラ40および音
響側学習・除去用エコーキャンセラ44からの出力結果
を用いてダブルトーク状態の検出を行うことによって、
ダブルトーク状態の検出精度を上げることができる。
【0094】音声検出器72および74のそれぞれの音
声検出結果はダブルトーク検出器76に与えられ、ダブ
ルトーク検出器76では、それらの音声検出結果に基づ
いてダブルトーク状態か否かが検出され、ダブルトーク
検出結果が全体制御部66へ与えられる。
【0095】全体制御部66は、回線側エコーキャンセ
ラ39については、送信信号レベルSend_levが学習可能
なレベルであるか否かの判断結果、およびダブルトーク
検出結果に基づいて、スイッチ68を制御するととも
に、回線側学習・除去用エコーキャンセラ40の学習動
作を制御し、回線側学習・除去用エコーキャンセラ40
の適応フィルタ54に適応フィルタ係数を復帰させるか
否かを判断する。音響側エコーキャンセラ43について
も、同様に、全体制御部66は、スイッチ70を制御す
るとともに、音響側学習・除去用エコーキャンセラ44
の学習動作を制御し、音響側学習・除去用エコーキャン
セラ44の適応フィルタ(図示せず)に適応フィルタ係
数を復帰させるか否かを判断する。
【0096】図10〜図12を参照して、エコー除去装
置10aの動作を説明する。
【0097】図10には、エコー除去装置10aの回線
側エコーキャンセラ39についての全体動作を示す。
【0098】図10を参照して、まず、RAM16に格
納される送信信号レベルSend_lev、閾値Thl_1,Thl_2、
除去結果の信号レベルin_lev、不定状態の継続時間を示
すカウント値Counter、適応フィルタ係数のバックアッ
プのためのカウント値Back_cnt等が初期化される(ステ
ップS101)。そして、全体制御部66によって回線
側エコーキャンセラ39の動作が決定され、フラグStud
y_flg等が設定される(ステップS103)、フラグStu
dy_flgを参照し、学習可能状態であれば(ステップS1
05がYES)、回線側学習・除去用エコーキャンセラ
40では学習が行われ(ステップS107)、学習可能
状態でなければ(ステップS105がNO)、回線側学
習・除去用エコーキャンセラ40では学習が停止される
(ステップS109)。また、フラグDouble_flgおよび
フラグCheck_flgに基づいて、スイッチ68の動作が制
御され、シングルトーク状態であればスイッチ68は回
線側学習・除去用エコーキャンセラ40を選択し、シン
グルトーク状態以外すなわちダブルトーク状態、不定状
態、または学習可能なレベルに送信信号レベルSend_lev
がないときには、スイッチ68は回線側除去用エコーキ
ャンセラ42を選択する。さらに、ダブルトーク状態、
または学習可能なレベルに送信信号レベルSend_levがな
いときには、バックアップ部62内の適応フィルタ係数
が適応フィルタ54に復帰される。
【0099】ついで、音声検出器72および74によっ
て、それぞれ受信経路Aおよび送信経路Bの有音・無音
が判断され、フラグSpeech_flg_1およびフラグSpeech_f
lg_2が設定される(ステップS111)。そして、ダブ
ルトーク検出器76によって、フラグSpeech_flg_1およ
びフラグSpeech_flg_2が示す音声検出結果に基づいてダ
ブルトーク状態か否かが判断され、フラグDouble_flgが
設定され(ステップS113)、ステップS103に戻
る。
【0100】音響側エコーキャンセラ43についても同
様の処理によって制御されるので、重複する説明は省略
する。
【0101】図11を参照して、ステップS103の動
作について説明する。
【0102】まず、全体制御部66によって送信信号レ
ベルSend_levが算出され(ステップS121)、送信信
号レベルSend_lev≧閾値Learn_lev_thlか否かが判断さ
れる(ステップS123)。送信信号レベルSend_lev≧
閾値Learn_lev_thlであれば、送信信号レベルSend_lev
は、回線側学習・除去用エコーキャンセラ40が学習可
能なレベルにあると判断され、さらにフラグDouble_flg
=1か否かが判断される(ステップS125)。
【0103】フラグDouble_flg=1であればダブルトー
ク状態であると判断され、ステップS127へ進む。ま
た、ステップS123において、送信信号レベルSend_l
ev≧閾値Learn_lev_thlでないときにもステップS12
7に進む。
【0104】これらの場合には回線側学習・除去用エコ
ーキャンセラ40は学習不可能状態であるので、適応フ
ィルタ係数のバックアップのためのカウント値Back_cnt
=0、学習状態を示すフラグStudy_flg=0に設定され
た(ステップS127)後、回線側除去用エコーキャン
セラ42にバックアップされていた適応フィルタ係数が
回線側学習・除去用エコーキャンセラ40へ復帰され
(ステップS129)、スイッチ68が回線側除去用エ
コーキャンセラ42を選択することによって、回線側除
去用エコーキャンセラ42での除去結果が出力され(ス
テップS131)、ステップS121へ戻る。したがっ
て、ダブルトーク状態、または送信信号レベルSend_lev
は回線側学習・除去用エコーキャンセラ40が学習可能
なレベルにないと判断された場合には、回線側学習・除
去用エコーキャンセラ40での学習が停止されるととも
に、スイッチ68は回線側除去用エコーキャンセラ42
からの除去結果を選択する。
【0105】ステップS125において、フラグDouble
_flg=0であれば、不定状態を示すフラグCheck_flg=
1か否かが判断される(ステップS133)。フラグCh
eck_flg=1であれば、不定状態であるので、カウント
値Back_cnt=0、フラグStudy_flg=1に設定されて
(ステップS135)、ステップS131に進む。した
がって、不定状態のときには、スイッチ68は回線側除
去用エコーキャンセラ42からの除去結果を選択する
が、回線側学習・除去用エコーキャンセラ40での学習
を行うことによって、学習の効率化を図っている。
【0106】一方、ステップS133において、フラグ
Check_flg=0であれば、シングルトーク状態であると
判断され、カウント値Back_cntがインクリメントされ
(ステップS137)、カウント値Back_cnt≧Mか否か
が判断される(ステップS139)。カウント値Back_c
nt≧Mであれば、回線側学習・除去用エコーキャンセラ
40での適応フィルタ係数が回線側除去用エコーキャン
セラ42にバックアップされ(ステップS141)、カ
ウント値Back_cnt=0に設定された(ステップS14
3)後、フラグStudy_flg=1に設定されて(ステップ
S145)、回線側学習・除去用エコーキャンセラ40
での除去結果が出力され(ステップS147)、ステッ
プS121に戻る。ステップS139において、カウン
ト値Back_cnt≧Mでなければ、ステップS145に進
む。
【0107】したがって、シングルトーク状態のときに
は、回線側学習・除去用エコーキャンセラ40での学習
が行われ、かつスイッチ68は回線側学習・除去用エコ
ーキャンセラ40による除去結果を選択し、さらに、シ
ングルトーク状態になって所定時間経過すれば適応フィ
ルタ係数をバックアップする。
【0108】なお、音響側エコーキャンセラ43につい
ても同様の処理によって制御されるので、その重複する
説明は省略する。
【0109】ついで、図12を参照して、ステップS1
13の動作について説明する。
【0110】まず、音声検出器74の音声検出結果を示
すフラグSpeech_flg_2=1か否かが判断され(ステップ
S151)、フラグSpeech_flg_2=1であれば、音声検
出器72の音声検出結果を示すフラグSpeech_flg_1=1
か否かが判断され(ステップS153)、フラグSpeech
_flg_1=1であれば、不定状態の継続時間を示すカウン
ト値Counterがインクリメントされ(ステップS15
5)、Counter≧Nか否かが判断される(ステップS1
57)。Counter≧Nであればダブルトーク状態である
と判断され、フラグCheck_flg=0、フラグDouble_flg
=1に設定され(ステップS159)、終了する。な
お、不定状態継続時間Nの値は、回線側学習・除去用エ
コーキャンセラ40の学習速度を考慮して設定される。
【0111】ステップS157において、Counter≧N
でなければ、先の実施の形態と同様に不定状態であると
判断され、フラグCheck_flg=1、フラグDouble_flg=
0に設定され(ステップS161)、終了する。
【0112】一方、ステップS151において、フラグ
Speech_flg_2=1でないとき、またはステップS153
において、フラグSpeech_flg_1=1でないときには、ダ
ブルトーク状態ではなくシングルトーク状態であると判
断され、カウント値Counter、フラグCheck_flgおよびフ
ラグDouble_flgはそれぞれクリア(Counter=0、Check
_flg=0、Double_flg=0)され(ステップS16
3)、終了する。
【0113】なお、ステップS111の動作について
は、図5と同様であるので、その重複する説明は省略す
る。
【0114】エコー除去装置10aによれば、エコー除
去装置10と同様の効果が得られ、エコー除去装置10
aによる検出結果も、図7に示すようになり、ダブルト
ーク状態を精度よく検出できることがわかる。
【0115】さらに、ダブルトーク区間中に学習を継続
した場合、その適応フィルタ係数の崩れによって異音が
発生するが、エコー除去装置10aでは、ダブルトーク
の可能性がある場合の除去動作を、バックアップした適
応フィルタ係数を用いて回線側除去用エコーキャンセラ
42および音響側除去用エコーキャンセラ46で行うこ
とによって、そのような弊害を取り除くことができる。
【0116】また、エコー除去装置10aは、ハーフデ
ュプレクスにおいても、ダブルトーク状態を精度よく検
出できる。
【0117】なお、図2に示すエコー除去装置10で
は、回線エコーキャンセラ18を含む場合について述べ
たが、これに限定されず、音響エコーキャンセラを含む
ものであってもよい。
【0118】DSP12の代わりにCPUを用いてもよ
いことはいうまでもない。
【0119】
【発明の効果】この発明によれば、送信信号や受信信号
のレベルの変動等に影響されることはなく、ダブルトー
ク状態の検出精度を向上でき、エコーキャンセル動作を
安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示すブロック図であ
る。
【図2】図1の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態の全体動作の一例を示す
フロー図である。
【図4】図3のステップS3の動作の一例を示すフロー
図である。
【図5】図3のステップS11の動作の一例を示すフロ
ー図である。
【図6】図3のステップS13の動作の一例を示すフロ
ー図である。
【図7】図1に示す実施の形態の検出結果を示す波形図
である。
【図8】この発明の他の実施形態を示す機能ブロック図
である。
【図9】図8に示す回線側学習・除去用エコーキャンセ
ラおよび回線側除去用エコーキャンセラの構成を示す機
能ブロック図である。
【図10】図8に示す実施の形態の回線側のエコーキャ
ンセラの全体動作の一例を示すフロー図である。
【図11】図10のステップS103の動作の一例を示
すフロー図である。
【図12】図10のステップS113の動作の一例を示
すフロー図である。
【図13】従来技術の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10、10a エコー除去装置 12 DSP 14 ROM 16 RAM 18 回線エコーキャンセラ 30、32、72、74 音声検出器 34、66 全体制御部 36、76 ダブルトーク検出器 39 回線側エコーキャンセラ 40 回線側学習・除去用エコーキャンセラ 42 回線側除去用エコーキャンセラ 43 音響側エコーキャンセラ 44 音響側学習・除去用エコーキャンセラ 46 音響側除去用エコーキャンセラ 54 適応フィルタ 62 バックアップ部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】回線側学習・除去用エコーキャンセラ40
は、参照入力信号バッファ48を含む。参照入力信号バ
ッファ48には、音響側学習・除去用エコーキャンセラ
44または音響側除去用エコーキャンセラ46からの除
去結果として得られた参照入力信号Xが入力され、参照
入力信号Xは所定のタイミングで積和演算部50および
係数更新部52に与えられる。積和演算部50では、参
照入力信号XとたとえばFIRフィルタ(有限インパル
ス応答フィルタ)からなる適応フィルタ54内の適応フ
ィルタ係数とに基づいて、擬似エコー信号Y1が算出さ
れる。そして、減算器56において、A/D変換器24か
らの信号y(ハイブリッド回路57を介する受信信号+
回線エコーをディジタル化した信号)から擬似エコー信
号Y1が減算され、その除去結果が出力される。係数更
新部52では、参照入力信号X、適応フィルタ係数、除
去結果に基づいて、適応フィルタ係数が更新される。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信信号または受信信号に重畳され得る
    エコー信号を除去するために前記エコー信号から擬似エ
    コー信号を減算するエコーキャンセラの学習動作を制御
    するエコーキャンセラの制御方法であって、 前記エコーキャンセラによって前記エコー信号および前
    記擬似エコー信号から得られる除去結果に基づいて音声
    検出を行う第1ステップ、 前記第1ステップによる音声検出結果に基づいてダブル
    トーク状態を検出する第2ステップ、および前記第2ス
    テップによるダブルトーク検出結果に基づいて前記エコ
    ーキャンセラの状態を制御する第3ステップを備える、
    エコーキャンセラの制御方法。
  2. 【請求項2】 前記送信信号または前記受信信号のうち
    前記エコーキャンセラによるエコー除去が行われていな
    い方の信号に基づいて前記エコーキャンセラは学習可能
    であるか否かを判断する第4ステップをさらに含み、 前記第3ステップは、前記第2ステップによるダブルト
    ーク検出結果および前記第4ステップによる判断結果に
    基づいて前記エコーキャンセラの学習動作を制御する、
    請求項1に記載のエコーキャンセラの制御方法。
  3. 【請求項3】 前記送信信号または前記受信信号のうち
    前記エコーキャンセラによるエコー除去が行われていな
    い方の信号に基づいて音声検出を行う第5ステップをさ
    らに含み、 前記第2ステップは、前記第1ステップによる音声検出
    結果および前記第5ステップによる音声検出結果に基づ
    いてダブルトーク状態を検出する、請求項1または2に
    記載のエコーキャンセラの制御方法。
  4. 【請求項4】 前記第1ステップは、前記除去結果の信
    号レベルと、背景ノイズレベルの大きさに応じて適応的
    に決定される第1閾値との比較に基づいて音声検出を行
    う、請求項1ないし3のいずれかに記載のエコーキャン
    セラの制御方法。
  5. 【請求項5】 前記第2ステップは、有音状態の継続時
    間を計算し、前記継続時間が所定時間以上になればダブ
    ルトーク状態と判断する、請求項1ないし4のいずれか
    に記載のエコーキャンセラの制御方法。
  6. 【請求項6】 前記第3ステップにおける前記エコーキ
    ャンセラの状態を制御するとは、前記エコーキャンセラ
    を学習状態または学習停止状態に制御することを特徴と
    する、請求項1に記載のエコーキャンセラの制御方法。
  7. 【請求項7】 送信信号に重畳され得る音響エコー信号
    を除去するために前記音響エコー信号から第1擬似エコ
    ー信号を減算する音響側エコーキャンセラ、および受信
    信号に重畳され得る回線エコー信号を除去するために前
    記回線エコー信号から第2擬似エコー信号を減算する回
    線側エコーキャンセラのそれぞれの学習動作を制御する
    ためのエコーキャンセラの制御方法であって、 前記回線側エコーキャンセラによって前記回線エコー信
    号から前記第2擬似エコー信号を減算して得られる第2
    除去結果の信号レベルに基づいて前記音響側エコーキャ
    ンセラは学習可能であるか否かを判断する第1ステッ
    プ、 前記音響側エコーキャンセラによって前記音響エコー信
    号から前記第1擬似エコー信号を減算して得られる第1
    除去結果の信号レベルに基づいて前記回線エコーキャン
    セラは学習可能であるか否かを判断する第2ステップ、 前記第1除去結果の信号レベルに基づいて音声検出を行
    う第3ステップ、 前記第2除去結果の信号レベルに基づいて音声検出を行
    う第4ステップ、 前記第3ステップによる音声検出結果および前記第4ス
    テップによる音声検出結果に基づいてダブルトーク状態
    を検出する第5ステップ、 前記第1ステップによる判断結果および前記第5ステッ
    プによるダブルトーク検出結果に基づいて前記音響側エ
    コーキャンセラの学習動作を制御する第6ステップ、な
    らびに前記第2ステップによる判断結果および前記第5
    ステップによるダブルトーク検出結果に基づいて前記回
    線側エコーキャンセラの学習動作を制御する第7ステッ
    プを備える、エコーキャンセラの制御方法。
  8. 【請求項8】 前記第5ステップは、前記第3ステップ
    による音声検出結果または前記第4ステップによる音声
    検出結果の少なくともにいずれか一方が無音であればシ
    ングルトーク状態であると判断するステップ、前記第3
    ステップによる音声検出結果および前記第4ステップに
    よる音声検出結果がともに有音であれば、その有音状態
    の継続時間を計算するステップ、前記継続時間が所定時
    間未満であれば不定状態であると判断するステップ、お
    よび前記継続時間が所定時間以上であればダブルトーク
    状態であると判断するステップを含む、請求項7に記載
    のエコーキャンセラの制御方法。
  9. 【請求項9】 シングルトーク状態のとき、前記音響側
    エコーキャンセラでの学習によって得られる適応フィル
    タ係数および前記回線側エコーキャンセラでの学習によ
    って得られる適応フィルタ係数をそれぞれバックアップ
    するステップ、ならびにダブルトーク状態または不定状
    態のとき、前記音響側エコーキャンセラおよび前記回線
    側エコーキャンセラにおいてそれぞれバックアップされ
    た適応フィルタ係数を用いてエコー除去動作を行うステ
    ップをさらに含む、請求項8に記載のエコーキャンセラ
    の制御方法。
  10. 【請求項10】 送信信号または受信信号に重畳され得
    るエコー信号を除去するために前記エコー信号から擬似
    エコー信号を減算するエコーキャンセラを含むエコー除
    去装置であって、 前記エコーキャンセラによって前記エコー信号から前記
    擬似エコー信号を減算して得られる除去結果の信号レベ
    ルに基づいて音声検出を行う第1音声検出手段、 前記送信信号または前記受信信号のうち前記エコーキャ
    ンセラによるエコー除去が行われていない信号に基づい
    て前記エコーキャンセラは学習可能か否かを判断する判
    断手段、 前記送信信号または前記受信信号のうち前記エコーキャ
    ンセラによるエコー除去が行われていない信号に基づい
    て音声検出を行う第2音声検出手段、 前記第1音声検出手段による音声検出結果および前記第
    2音声検出手段による音声検出結果に基づいてダブルト
    ーク状態を検出するダブルトーク検出手段、ならびに前
    記判断手段による判断結果および前記ダブルトーク検出
    手段によるダブルトーク検出結果に基づいて前記エコー
    キャンセラを学習状態または学習停止状態に制御する制
    御手段を備える、エコー除去装置。
  11. 【請求項11】 送信信号に重畳され得る音響エコー信
    号を除去するために前記音響エコー信号から第1擬似エ
    コー信号を減算する音響側エコーキャンセラ、および受
    信信号に重畳され得る回線エコー信号を除去するために
    前記回線エコー信号から第2擬似エコー信号を減算する
    回線側エコーキャンセラを含むエコー除去装置であっ
    て、 前記回線側エコーキャンセラによって前記回線エコー信
    号から前記第2擬似エコー信号を減算して得られる第2
    除去結果の信号レベルに基づいて前記音響側エコーキャ
    ンセラは学習可能であるか否かを判断する第1判断手
    段、 前記音響側エコーキャンセラによって前記音響エコー信
    号から前記第1擬似エコー信号を減算して得られる第1
    除去結果の信号レベルに基づいて前記回線エコーキャン
    セラは学習可能であるか否かを判断する第2判断手段、 前記第1除去結果の信号レベルに基づいて音声検出を行
    う第1音声検出手段、 前記第2除去結果の信号レベルに基づいて音声検出を行
    う第2音声検出手段、 前記第1音声検出手段による音声検出結果および前記第
    2音声検出手段による音声検出結果に基づいてダブルト
    ーク状態を検出するダブルトーク検出手段、 前記第1判断手段による判断結果および前記ダブルトー
    ク検出手段によるダブルトーク検出結果に基づいて前記
    音響側エコーキャンセラの学習動作を制御する第1制御
    手段、ならびに前記第2判断手段による判断結果および
    前記ダブルトーク検出手段によるダブルトーク検出結果
    に基づいて前記回線側エコーキャンセラの学習動作を制
    御する第2制御手段を備える、エコー除去装置。
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