JP2007522720A - 干渉のレベルにより制御されるステップサイズを伴うエコーキャンセラ - Google Patents

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Abstract

a)第1の信号とこの第1の信号のエコーを有する第2の信号とを受け取るステップと、b)有限インパルス応答フィルタを用いて第1の信号をフィルタリングすることによりエコー複製信号を生成するステップであって、有限インパルスフィルタはエコー複製信号を生成するためにフィルタ係数ベクトルを用いる当該ステップと、c)第2の信号からエコー複製信号を減ずることによりエコー消去信号を生成するステップと、d)第2の信号内の干渉の大きさを決定するステップと、e)干渉の大きさに依存してステップベクトルを決定するステップであって、干渉の大きさの増大はステップベクトルのサイズを小さくする当該ステップと、f)ステップベクトルによりフィルタ係数ベクトルを更新するステップとを有するエコーキャンセリング方法である。

Description

本発明は、エコーキャンセリング方法及びエコーキャンセリング装置に関する。
加入者線の受信経路と送信経路との間にカップリングが存在すると、電気通信システムにおいて認知可能なエコーが常に存在する。上記カップリングのために、一方の加入者の受信した信号が、他方の加入者に送信し返され、エコーが生じる。すなわち、他方の加入者は自分自身の信号の遅れているバージョンに気付く。通信の認知性(perceptibility)は上記エコーにより強く低下し、特に遅延が大きい場合に低下する。従って、局所的にエコーを自動的に消去(cancel)する方法及び装置を提供することが望ましい。
エコーの発生の異なる態様のために、音響エコーと電気的エコーとを区別することができる。音響エコーは、テレビ会議システム又はビデオ会議システムのためのハンズフリー電話機のような実際の電気通信の端末のスピーカとマイクロフォンとの音響カップリングから生じる。電気的エコーは、一方の加入者の端末、例えばコードレス電話システムの基地局と2ワイヤの電話線との接続を実現する所謂「2/4ワイヤ」ハイブリッド回路において生成される。技術的な理由のために、これらのハイブリッド回路は、送信経路と受信経路との完全な分離を与えることができない。従って、送信される信号の一部が受信経路にリークし、電気的なラインエコーになる。
図1は、最新技術によるラインエコーキャンセラ(LEC)を示している。このラインエコーキャンセラLECは、2/4ワイヤラインインターフェースにおけるハイブリッドのインピーダンスミスマッチにより生じるエコーを消去する。
図2は、最新技術による音響エコーキャンセラ(AEC)を示している。スピーカにより生成される音響信号が、音響エコー経路を介してマイクロフォンに反射される。音響エコーキャンセラAECに課せられた仕事は、マイクロフォンに反射される信号を抑制することである。
上記両方のエコーキャンセラは、適応フィルタと制御回路とを有している。上記適応フィルタは、2つのノードSNDout,RCVinの間のエコーを整合させなければならない。SNDinは基準信号を構成しており。この基準信号からエコー信号が生成される。上記基準信号は、エコーキャンセラに与えられる。上記エコーキャンセラから出力される信号はSNDoutと呼ばれる。上述の信号の命名法は、よく用いられる概念「遠端信号」及び「近端信号」との混乱を避けるべきである。
デジタル/アナログコンバータ(D/Aコンバータ)は、デジタル信号SNDoutをエコー経路を通って受信経路に一部反射されるアナログ信号に変換する。アナログ/デジタルコンバータ(A/Dコンバータ)は、エコー信号を含む相手側からの受信信号をRCVinと呼ばれるデジタル信号に変換する。上記適応フィルタは、RCVinに含まれるエコー信号に対応する信号を生成しなければならない。減算器(+/−)は、信号RCVinから上記適応フィルタにより生成される信号を減ずる。従って、残留エコー成分のみを伴う信号RCVoutが生成される。この誤差信号は、上記適応フィルタの性能を改善し、それに応じてフィルタを変更するために用いられる。制御ユニットは、速度の適応プロセスに影響を及ぼすため、更には音響エコーキャンセラの場合には上記適応フィルタに従う減衰スイッチを制御するために、上記エコーキャンセラのノードの全ての信号を追跡し、他の制御信号(図1及び図2の破線)を導き出す。上記適応フィルタの必要とされる高いフィルタの等級は、適度な限度内において上記取り組みを維持するために最大になされなければならない(室内音響の残響時間は、典型的には20から200マイクロ秒までの範囲にあることに注意されたい。)ので、これらの追加の対策が音響エコー消去のために必要であり得る。
従来、適応フィルタとして有限インパルス応答フィルタ(FIRフィルタ)が用いられている。このFIRフィルタは、入力基準信号ベクトル
Figure 2007522720
と係数ベクトル
Figure 2007522720
とのコンボリューションにより表される。上記入力信号は、ある数の連続する入力値に関してサンプリングされる。これらの値が、上記入力基準信号ベクトル
Figure 2007522720
を構成する。
上記FIRフィルタにより出力される信号は、以下のように計算される。
Figure 2007522720
Yはスカラーを表している。Yは、時間kにおいて異なるポイントで連続的に出力される。従って、式1は以下の形に書き換えられ得る。
Figure 2007522720
各サンプル期間kにおける上記フィルタ係数ベクトル
Figure 2007522720
は、ベクトルのインクリメント
Figure 2007522720
により連続的に更新される。一般的な適応方程式は
Figure 2007522720
である。
ステップベクトル
Figure 2007522720
のノルム
Figure 2007522720
は、アルゴリズムの安定性及び適応速度を決定する。最もよく用いられる代表的な適応アルゴリズムは、最急降下法である。上記ステップベクトルの方向は、自乗誤差信号の実際の負の勾配に対応する。最適な係数ベクトルは、平均自乗誤差信号の勾配が0である、すなわち平均自乗誤差信号が最小値に達する場合に達せられる。正規化最小平均自乗アルゴリズム(NLMSアルゴリズム)は、以下の式により定義される。
Figure 2007522720
e(k)は、時間kのポイントにおけるエコーとフィルタの出力(エコーの複製)との間の実際の誤差を表している。正規化、すなわち
Figure 2007522720
で割ることは、上記入力基準信号のパワーからステップベクトル
Figure 2007522720
の依存性を取り除く。
減算回路(+/−)後の誤差信号e(k)は、出力信号RCVoutに対応する。誤差信号e(k)は、いかなる干渉も無い残留エコー信号に対応する。これは、信号RCVinが専ら上記エコー信号を含んでいると仮定している。入力信号RCVinがエコー信号と他の信号との重ね合わせである場合、誤差信号e(k)はFIRフィルタの誤差の正しい複製ではない。この状況の広く知られている表現法は「ダブルトーク」である。
図2の音響エコーキャンセラAECでは、すなわち、人間がマイクロフォンに話し、スピーカが音を生成していると、エコー信号と他のノイズ信号との重ね合わせが生じる。上記マイクロフォンに入力される信号は、エコー信号と話者の声との重ね合わせである。フィルタ係数ベクトル
Figure 2007522720
の適応は、ダブルトーク中抑制されなければならない。上記エコー複製フィルタ(FIRフィルタ)はダブルトーク状態の間作用するが、フィルタ係数ベクトル
Figure 2007522720
はダブルトークの間には更新されない。ダブルトークの間にエコー特性(エコー経路)が変化しない場合、上記FIRフィルタの出力はエコー信号を正確に表現するものである。上記エコー信号は、エコー信号と干渉している話者との重ね合わせを構成する入力信号から減じられ得る。このケースでは、話者の音声信号は著しく劣化する。
図3は、ダブルトークの間にフィルタの係数ベクトル更新の禁止のための信号を与える従来のエコーキャンセラを示している。上記FIRフィルタは、図3ではエコー複製フィルタと呼ばれている。上記フィルタ係数ベクトルを更新する手段は、図3ではフィルタ係数更新部と呼ばれている。NLMSは、正規化最小平均自乗アルゴリズムを意味している。これは、以前の段落において紹介されたアルゴリズムである。SIは信号の入力を意味し、SOは信号の出力を意味している。出力信号は、SOによりスピーカによって出力されると仮定され得る。マイクロフォンは、入力信号RIを記録すると仮定され得る。入力信号RIは、エコー信号と妨害する干渉信号との重ね合わせである。PWFは、プリホワイトニングフィルタを意味している。フィルタPWFは単にオプションであり、エコーキャンセラの機能はプリホワイトニングフィルタPWFに関係なく説明され得る。IPWは、逆(inverse)プリホワイトニングフィルタを意味している。
上記信号入力SIはプリホワイトニングフィルタを介してエコー複製フィルタ(FIRフィルタ)に与えられ、その作用はここでは無視され得る。上記エコー複製フィルタ(FIRフィルタ)は、信号RIから減じられたエコーの複製すなわち出力信号を生成する。結果として得られる信号はROである。上記エコーの複製が正しく、妨害する干渉信号がRIに重ね合わせられていない場合、ROはゼロに収束すべきである。ダブルトークが検出される毎にフィルタ係数の更新を禁止する制御回路が設けられている。Y(k)は、エコー複製フィルタの時刻kにおける出力サンプルである。SI(k)は、エコー複製フィルタへの基準信号入力サンプルである。上記エコー複製フィルタの出力は、
Figure 2007522720
に等しい。
定数Nは、FIRフィルタのフィルタ長のそれぞれの係数の数に対応する。図3において減算回路(+/−)により出力される信号は、誤差信号RO(k)に等しい。
RO(k)=RI(k)−Y(k) (6)
ステップベクトル
Figure 2007522720
は、以下の式により決定される。
Figure 2007522720
αは、制御パラメータであり、実現されるアルゴリズムにより予め決定された安定性の範囲内において適応速度を制御するために用いられる。式(5)ないし(7)により与えられるアルゴリズムの場合には、αは0ないし2の範囲になっていなければならない。別個の制御アルゴリズムは制御パラメータαを導き、mは通常の時間の指標k(サンプリングレート)に対するサブサンプリングされた時間の指標である。
信号SI,RI及びROは、回路STL及びLTLを介して制御回路に導かれ、これらは異なる時間解像度を用いてレベル計算を行う。回路STLは、信号SI,RI及びROそれぞれの大きさの短時間減衰(leaky)積分を行う。回路LTLは、これらの入力信号の長時間減衰積分を行い、制御ブロックの内部状態を介して更に制御される。
所定の期間の信号の積分は、この時間窓内に信号を平均することにより行われ得る。上記時間窓に先行する又は続く信号の値が平均に寄与するべきではない場合、フィルタリング又はコンボリューションが、所定の期間は値1を有し、その他の場合は値0を有するフィルタ関数により行われる。しかしながら、上述したボックス関数以外の他の関数も用いられ得る。
アナログの世界では、信号x(t)の大きさの減衰積分に関する演算子は、
Figure 2007522720
として定義され得る。
αは0に近づくと、減衰積分は、通常の積分になる。e−α・τは、はるか以前の|x(t)|の値が積分に著しく寄与しないという効果を持たせる。長時間減衰積分と短時間減衰積分との違いは、単に異なるαの値により決定される。短時間減衰積分は、αに関して大きい値を有する。x(t)の最近の値のみが積分に寄与する。
離散的な世界では、減衰積分は再帰方式(recursion scheme)
L_x(k)=(1−β)・L_x(k−1)+β・|x(k)| (9)
をもたらす。xは図3の信号SI,RI又はROであり得る。長時間レベルLL_SI,LL_RI及びLL_ROは、それぞれ、信号SI,RI及びROの長時間減衰積分を表す。短時間レベルL_SI,L_RI及びL_ROは、それぞれ、信号SI,RI及びROの短時間減衰積分を表す。サンプルx(k)の絶対値(大きさレベル)を減衰積分する代わりに、自乗されたサンプルx(k)(パワーレベル)が減衰積分されてもよい。図3に示されているローカルなエコーキャンセラの制御回路は、2つの状況においてダブルトーク状態を検出する。以下の式が成り立つと、第1のダブルトーク状態が検出される。
L_SI(k)<L_RI(k)・DBL_TH1 (10)
解釈は以下の通りである。すなわち、レベルL_RIが、エコー経路に沿って信号レベルL_SI(k)から生成される最悪のケースのエコーレベルよりも大きいと、第1のダブルトークの状態に関する指標がマークされる。その結果、フィルタの係数の更新が中断される。
第2のダブルトーク状態の検出は、以下の式により行われる。
Figure 2007522720
解釈は以下の通りである。すなわち、信号RIと信号ROとの間の現在の減衰である短時間レベルの比L_RI(k)/L_RO(k)が、適応フィルタにより実現されるエコーの減衰の信頼性の高い推定であるべき長時間レベルの比LL_RI(m)/LL_RO(m)よりも小さいと、第2のダブルトーク状態に関する指標がマークされる。その結果、フィルタの適応も禁止される。
より長い時刻の間上記第2のダブルトークの状態のみが続き、アクティブな信号SIが存在する場合、真のダブルトーク状態ではなく、エコー経路の変化に関する確率が与えられる。これは、長いダブルトークが原則ではなく例外であることを仮定している。所定の期間(タイムアウト)の後、たとえ上記第2のダブルトーク状態が続いても、フィルタの更新が再開される。代わりに、エコー経路のシステムの変更が仮定される。推定されたエコーの減衰はもはや信頼性が高くないので、長時間レベルLL_RI(m)及びLL_RO(m)は現在の短時間レベルL_RI(k)及びL_RO(k)にリセットされる。
最新技術によるダブルトーク状態を検出するアルゴリズムは、幾つかの欠点を有している。ダブルトーク状態があまりにも遅く検出されると、フィルタ係数ベクトル
Figure 2007522720
は誤差信号に基づいてかなりの量の時間変化し、これは全く間違っている。上記フィルタ係数は、更新が阻止されるまで低下する。ダブルトークの場合には、エコーの減衰又はエコーの消去が非常に不良である。また、たとえダブルトーク状態がもはや存在しない場合であっても、フィルタ係数ベクトル
Figure 2007522720
の更新が阻止され得る。この状態では、上記フィルタ係数ベクトルの改善が望ましいが、行われない。ダブルトーク状態を検出する上記アルゴリズムは、100%の信頼性ではなく、従ってフィルタ係数の適応は、音声通信に関する悪い質及び理解のし易さの影響により誤って行われることが多い。
本発明の目的は、上記最新技術の欠点を克服するエコーキャンセリング方法及び対応するエコーキャンセリング装置を提供することにある。
上記課題は、
a)第1の信号とこの第1の信号のエコーを有する第2の信号とを受け取るステップと、
b)有限インパルス応答フィルタを用いて前記第1の信号をフィルタリングすることによりエコー複製信号を生成するステップであって、前記有限インパルスフィルタは前記エコー複製信号を生成するためにフィルタ係数ベクトルを用いる当該ステップと、
c)前記第2の信号から前記エコー複製信号を減ずることによりエコー消去信号を生成するステップと、
d)前記第2の信号内の干渉の大きさを決定するステップと、
e)前記干渉の大きさに依存してステップベクトルを決定するステップであって、前記干渉の大きさの増大は前記ステップベクトルのサイズを小さくする当該ステップと、
f)前記ステップベクトルにより前記フィルタ係数ベクトル
Figure 2007522720
を更新するステップと
を有するエコーキャンセリング方法により解決される。
最新技術による方法と本発明による方法との決定的な違いは、ダブルトーク状態が検出された場合に、フィルタ係数ベクトル
Figure 2007522720
の適応が中断されないことである。代わりに、干渉の大きさが決定される。上記干渉の大きさは、ダブルトーク状態に関する確率を表すとみなされ得る。ダブルトークが本当らしいと上記干渉の大きさの値が高く、ダブルトークが本当らしくないと上記干渉の大きさの値が低い。上記フィルタ係数ベクトル
Figure 2007522720
の適応は連続的に行われるが、ダブルトーク状態の可能性に依存して減速(slow down)される。干渉の大きさの増大は、上記ステップベクトルのサイズを自動的に小さくする。閾値が達せられると、上記適応は停止されない(硬調なスイッチング)が、連続的に減速される(軟調なコントロール)。上記エコー消去信号のレベルの突然の上昇は、例えば干渉の存在に関する指標として用いられ得る。しかしながら、全体として比較のために閾値を与えること及び適応を中断することの代わりに、本発明の方法は、上記干渉の大きさに依存してステップベクトルのサイズを連続的に小さくする。その結果、閾値に達する前に、全体として適応プロセスは増大した干渉の大きさに反応する。あまりにも遅く検出されるダブルトーク状態のためにエコーキャンセリング能力の大きな低下は生じない。
原則的に、上記干渉の大きさが大きくなると上記ステップベクトルのサイズは小さくされ、上記干渉の大きさが小さくなると上記ステップベクトルのサイズは大きくされる。しかしながら、ステップベクトルの増大は、適応の安定性を保障する上限により好ましく制限される。それにより、適応速度は、高い干渉のレベルの間小さくなり、低い干渉のレベルの間大きくなる。係数ベクトル
Figure 2007522720
の変化は、ダブルトーク状態の間はごくわずかであるべきであり、エコー消去は大きく劣化しない。
上記ステップベクトルは、第2の信号が干渉によって影響を及ぼされないようにフィルタ係数ベクトルを改善する第1のステップベクトルを生成することと、上記干渉の大きさに依存して第2のステップベクトルを生成することと、上記第1及び第2のステップベクトルから上記ステップベクトルを選択し、その際、最も小さいサイズを持つステップベクトルが選択されることとにより決定されることが好ましい。
上記第1のステップベクトルの生成は、通常のNLMSアルゴリズムに従って行われ得る。上記第2のステップベクトルの生成は、干渉の大きさを考慮に入れる。上記干渉の大きさが大きくなると、第2のステップベクトルは連続的に小さくなる。従って、ダブルトークに関する可能性が高い場合、第2のステップベクトルは第1のステップベクトルよりも小さい。結果として得られるステップベクトルは、第1及び第2のステップベクトルのうちの小さい方に対応するので、ステップベクトルは増大する干渉の大きさに依存して連続的に小さくなる。逆に、減少する干渉の大きさは、高すぎる適応速度の危険性を伴って第2のステップベクトルを大きくするが、第1及び第2のステップベクトルのうちの小さい方を再度用いることにより、適応の安定性が保障される。
干渉信号が存在しない場合であっても、上記第2のステップベクトルが同様に第1のステップベクトルよりも著しく小さいと、フィルタ係数ベクトルの適応速度は著しく低下する。従って、第2のステップベクトルは、第2の信号内においていかなる干渉も無い状態で第1のステップベクトルにほぼ対応すべきであるように低下することが好ましい。
上記干渉の大きさは、エコー消去信号のレベルに依存して決定され得る。エコー複製信号が第1の信号のエコーに十分に対応する場合、エコー消去信号の高いレベルは第2の信号内の干渉に関する指標である。正しいテンポでの特定のポイントに関するレベルの計算は、ある時間窓における信号サンプルの大きさ(大きさのレベル)又は自乗された信号サンプル(パワーのレベル)の積分からもたらされる。この計算を正しいテンポで連続的に行うことにより、大きさ又は自乗された信号サンプルへのスムージング又はローパスフィルタリングプロセスが与えられる。上記フィルタリングは、例えばFIR矩形窓関数(通常の短時間積分)又はIIR指数窓関数(式9に従う減衰長時間積分)を用いて行われ得る。8kHzのサンプリングレートで、式(9)の係数βは、約4ないし16マイクロ秒の時定数を意味する2−5ないし2−7の範囲内にあり得る。好ましくは、上記短時間レベルの減衰積分に関する時定数は、エコー経路インパルス応答の時間窓をカバーすべきである。
上記干渉の大きさは、また、全部の(overall)又は合計の(total)エコーリターンロス(ERL)を用いて決定され、これは、エコー経路のエコーリターンロス(ERL)及びエコーキャンセラのエコーリターンロスの増大(ERLE)を有している。高いエコーリターンロスの増大は、十分に機能するエコーキャンセラを示している。干渉の無い状態において、適応アルゴリズムは速く収束し、高いERLE値をもたらすべきである。その場合、その後干渉が存在する際、高いERLE値はステップベクトルのサイズをより小さくすべきである。
上記エコーリターンロスの推定は、ある時間における2つの信号の長時間レベルの比により決定され、例えば、第1の及び第2の信号の長時間レベルの比によるエコー経路のエコーリターンロス、第2の信号とエコー消去信号との長時間レベルの比によるエコーリターンロスの増大、及び第1の信号とエコー消去信号との長時間レベルの比による全部の又は合計のエコーリターンロスである。エコーリターンロスの推定は、ダブルトーク状態が存在するか否かに依存して決定されることが好ましい。エコーの消去が十分に行われる場合、ダブルトークの間、エコー消去信号は主にダブルトークの干渉により構成される。従って、上記比はダブルトークの場合におけるエコーの減衰を表さない。ダブルトークの間に対応する長時間レベルから直接エコーリターンロスを決定することをできる限り妨げることが好ましい。この目的のために、ダブルトークが検出され、それに応じてエコーリターンロスの計算が妨げられる。あるステップに更に進むために、エコーリターンロスの計算の推定が、ダブルトークを装うシステムの変化の場合に、再適応の長いブロッキングを避けるためにより低いエコーの減衰の方向に推定を引き寄せる又はドライブするよう、特別なリーク係数を用いてダブルトークの異なる状態の間に修正される。
上記エコー消去信号の短時間レベルと合計のエコーリターンロスとは、干渉の大きさを決定するために同時に両方用いられ得る。上記干渉の大きさは、合計のエコーリターンロスを乗じたエコー消去信号の短時間レベルに比例することが好ましい。全てのレベルの計算が信号サンプルの大きさに依存して行われると、上記干渉の大きさが更に自乗される。自乗された信号サンプルに依存するパワーのレベルの計算が選択されると、これはスキップされ得る。この精神において、干渉の大きさを自乗することは、第1及び第2のステップベクトルのサイズに関して同じユニットを得るための変形(適応的動作)である。
上記エコー消去信号の突然の立ち上がりは、フィルタ係数の適応を急速に減速させる。この作用は、ここでは実際に達せられるエコーの減衰と共にますます強くなる。これは、フィルタが良好にエコーを減衰させるほどダブルトーク状態の自動化された制御のプロセスがより急速に及びより信頼性高く作用することを意味する。まさにこの場合には、ダブルトークの制御が機能しなくなり、フィルタベクトルが劣化すると、多くの減衰を放つことができる。それにもかかわらず、ダブルトークの制御機能の良好な開始ポイントは、例えば6dBのできる限り小さい全部の又は合計のエコーロスにより既に達せられている。
本発明の好ましい実施の形態が、添付の図面を参照して以下に説明される。
図4のエコーキャンセリング装置は、有限インパルス応答フィルタ(FIRフィルタ)と、減算回路
Figure 2007522720
と、ステップベクトル
Figure 2007522720
を決定する手段(ステップベクトル回路)と、干渉測定回路とを有している。上記FIRフィルタは基準信号SIを受け取り、この基準信号SIはノードSOにおいて出力され、エコー経路を介してノードRIに反射される。信号RIは、エコー信号と適応プロセスを妨害する干渉信号との重ね合わせを構成する。上記FIRフィルタ及び減算回路に課された仕事は、信号RI内のエコー信号を消去するが、干渉信号を無視することである。上記減算回路の出力は、エコー消去された信号ROである。FIRフィルタは、入力として基準信号SIを有し、信号Yを出力する。エコー複製信号Yは、式
Figure 2007522720
により計算される。
干渉信号が存在しない場合、エコー複製信号Yは、収束し、エコー信号を表す。エコー消去信号ROは0に近づくべきである。エコー消去信号ROは、上記干渉測定回路に入力され、この干渉測定回路は信号SIを受け取りもする。干渉測定回路は、信号SIをエコー消去信号ROと比較することにより干渉の大きさを計算する。上記干渉の大きさは、エコー消去信号ROがいかに強く干渉信号により影響を及ぼされているかを示す。計算された干渉の大きさは、ステップベクトル
Figure 2007522720
を計算するステップベクトル回路に出力される。干渉の大きさが大きくなると、ステップベクトル
Figure 2007522720
は徐々に小さくされる。従って、干渉の大きさが高いと、フィルタ係数ベクトルの適応は減速される。ステップベクトル
Figure 2007522720
は、係数更新回路に出力される。この係数更新回路は、フィルタの係数ベクトル
Figure 2007522720
を計算し、新しいフィルタ係数ベクトル
Figure 2007522720
をFIRフィルタに出力する。FIRフィルタは、上記
新しいフィルタ係数ベクトル
Figure 2007522720
を用いてYに関する次の値を代わりに計算する。新しい係数ベクトル
Figure 2007522720
は、
Figure 2007522720
に等しい。
図5は、本発明の第2の実施の形態を示している。図5のエコー複製フィルタは、図4のFIRフィルタに対応している。フィルタ係数更新回路は、図4のステップベクトル回路及び係数更新回路に対応し、ひとまとめにされている。図4の干渉レベル回路は、図5のERL回路及びノルム選択回路に対応している。図5のエコー複製フィルタは、プリホワイトニングフィルタPWFを介して基準信号SIを受け取る。上記プリホワイトニングフィルタはプリエンファシスフィルタであり、エコーキャンセリング装置の全体の収束の挙動を改善するために、音声信号のより高いスペクトル部分を持ち上げる(lift up)。エコーキャンセリングアルゴリズムが、フラットなスペクトル(例えば白色ノイズ)を伴うトレーニング信号に関してより良好に実行し、あるトレーニング信号のスペクトルギャップを持ち上げることは良いプラクティスであることはよく知られている。上記プリホワイトニングフィルタの出力及びその挙動は、以下の式により説明され得る。
PWF(k)=g・[x(k)+(α−1)・x(k−1)] /a (13)
定数aはフィルタの係数であり、gはプリホワイトニングフィルタのゲインファクタである。xはプリホワイトニングフィルタに入力される信号であり、PWFはプリホワイトニングフィルタの出力である。上記PWFフィルタは、図5のフィルタ係数更新プロセスの動作を改善するが、それは必須の要素ではない。上記PWFフィルタはエコー複製フィルタの入力部において与えられ、エコー信号RIもまたプリホワイトニングフィルタを用いてフィルタリングされる。更に、図5の回路には逆プリホワイトニングフィルタが設けられている。この逆プリホワイトニングフィルタIPWは、以下の式により説明され得る。
IPW(k)=(1−a)・IPW(k−1)+g・x(k)/a (14)
上記エコー消去信号は、エコー消去信号に対するプリホワイトニングフィルタの影響を取り除くために、逆プリホワイトニングフィルタを通って送られる。
図5のエコーキャンセリング装置は、幾つかの短時間レベルの減衰積分フィルタSTLを有している。信号SI,RO及びRIは、短時間レベルの減衰積分フィルタSTLに送られる。これらのフィルタの挙動は、以下の式により説明される。
Figure 2007522720
その他の場合は、上記式においてxは短時間レベルの減衰積分フィルタへの入力を表しており、従って、xは、どのフィルタが関係するかに依存してSI,RO又はRIに等しい。入力信号レベルの立ち上がり又は立下りに依存して、STLフィルタの出力を計算するために異なる定数βが用いられる。現在の入力信号がSTLフィルタの以前の出力値よりも高いと、βLPが用いられる。音声信号の開始に関して特に重要視するために時定数パラメータβの異なる設定が用いられる。更に、図5は幾つかの長時間減衰積分フィルタLTLを有している。このLTLフィルタの出力は、以下の式によりある間引き率で計算される。
Figure 2007522720
LL_SI(m)は、図5において短時間レベルの減衰積分フィルタSTLを介して基準信号SIに接続された長時間レベルの減衰積分フィルタLTLの出力を意味している。LL_RI(m)は、短時間レベルの減衰積分フィルタSTLを介してエコー信号RIに接続された長時間レベルの減衰積分フィルタLTLの出力を意味している。LL_RO(m)は、上記短時間レベルの減衰積分フィルタを介してエコー消去信号ROに接続された上記長時間レベルの減衰積分フィルタの出力を意味している。図5では状態制御回路も設けられており、これはダブルトーク状態を検出するために用いられる。以下の式において、第1のダブルトーク状態はDBL_1stにより表され、第2のダブルトーク状態はDBL_2ndにより示される。長時間レベルの減衰積分フィルタLTLの出力は、検出されるダブルトークの状態に依存して変化する。従って、上記状態制御回路は、図5の長時間の減衰積分フィルタに接続されている。以下の式が当てはまると、第1のダブルトーク状態DBL_1stが検出される。
Figure 2007522720
以下の式が当てはまると、第2のダブルトーク状態DBL_2ndが検出される。
Figure 2007522720
ダブルトークの状態制御は、図5のフィルタ係数更新部に接続されていない。2つのダブルトークの状態のうちの1つDBL_1st又はDBL_2ndが図5の状態制御回路により検出されると、上記フィルタ係数の更新は停止されない。DBL_TH1及びDBL_TH2は定数であり、これらは第1及び第2のダブルトーク状態を検出する閾値を決定する。
図5には、収束速度を制御し、適応ブロッキング及び発散(divergence)を監視する他の制御ユニットも示されている。収束又は適応速度制御ブロックは、実際に達せされるエコーの減衰に依存して、適応フィルタアルゴリズムの適応速度に関する制御パラメータα(m)を切り換える。制御パラメータα(m)は、最適なフィルタ係数に近い収束の挙動を改善するためにプログラム可能な閾値において段階的に小さくされる。ダブルトーク状態ではなく、急激なシステムの変化が仮定されるべきであるので、タイムアウトの状態後における非常に長いが、実際には起こりそうにないフィルタ係数の更新の可能な長いブロッキングを伴う第2のダブルトークの指標の持続時間は回避されなければならない。適応フィルタがエコーを更に増幅する発散の検出の後、エコーキャンセラは全てのフィルタ係数をゼロにリセットすることにより再開される。
干渉の大きさは、図5に示されているERL回路及びノルム選択回路により計算される。上記ERL回路は、エコーリターンロス回路を意味している。上記ノルム選択回路の出力は、以下の式により与えられる。
Figure 2007522720
前述の式は、どちらの値がより大きいかに依存して、
Figure 2007522720
に等しい第1の値が選択されるか、又は重み付けされ、自乗された干渉の大きさに等しい第2の値が選択されるかのいずれか一方であることを示している。ノルム選択均等化(equation)回路は上記第1の値
Figure 2007522720
と前述の式の第2の値とを受け取り、異なる値のうちのどちらがフィルタ係数更新部に対して出力されるかを選択する。変数w,ERL(m),L_RO(k)を有する前述の式の第2項は、ERL回路により計算される。mは、標準的な時間の指標k(サンプリングレート)に対するサブサンプリングされた時間の指標である。L_RO(k)はエコー消去信号の短時間レベルであり、ERL(m)は合計の達成されたエコーの減衰の推定値を表す長時間レベルLL_SI(m)とLL_RO(m)とのレベルの比であり、wは重み付け定数である。
ERL(m)=LL_SI(m)/LL_RO(m) (22)
以下の式を用いて図5において上記フィルタの係数の更新が行われる。
Figure 2007522720
上記ERL回路により計算される重み付けされ、自乗された干渉の大きさが
Figure 2007522720
よりも小さいと、係数の更新は標準的な正規化最小平均自乗アルゴリズム(NLMS)に従って行われる。その他の場合は、フィルタ係数が更新されるステップサイズ
Figure 2007522720
の制御が、ERL回路から出力される重み付けされ、自乗された干渉の大きさにより行われる。
シミュレーションにより、ERL回路により計算される重み付けされ、自乗された干渉の大きさが干渉の無い状態で基準信号のノルム
Figure 2007522720
に主に対応することが示された。従って、低い干渉のレベルの間の適応速度は、ダブルトークの無い状態でNLMSアルゴリズムの適応速度に対応する。
図5のエコーキャンセリング装置と最新技術のエコーキャンセリング装置との主な違いは、ダブルトーク状態の間の異なる制御に関連している。図5の状態制御回路により実行されるダブルトークの指示は、フィルタ係数の適応を完全には中断しない。それらは、長い項のレベルLL_SI(m)及びLL_RO(m)のロバスト更新を経由して合計のエコーロスの信頼性の高い推定を保証するので、間接的な作用のみを持つ。上記ERL回路の出力は、より強力なやり方でますます多くの干渉信号を有し、これは、適応速度に対して重み付けされたノルムの選択を経由して自動的に作用する。少なくともシステムが実際に達せられる最適値から著しくドリフトする前に、干渉信号の強い上昇レベルがほとんどすぐに適応を中断する。
図6a,6b,6cは、図3の既知のエコーキャンセリング装置と比較して図5のエコーキャンセリング装置の強化及びより良好な性能を明らかに示すシミュレーションの例を示している。図6aは、基準信号SIと図5及び図3の妨害している信号に対応する干渉信号とを示している。これらの信号は、図5及び図3のエコーキャンセラの性能を調べるために用いられる。上記性能は性能指標SDIF(m)により決定される。SDIF(m)は以下の式により計算される。
Figure 2007522720
h(i)は、エコー経路の正しいフィルタ係数を表している。
Figure 2007522720
は、FIRフィルタにより実際に用いられるフィルタ係数を表している。従って、SDIFは、現在のフィルタ係数の自乗誤差の対数表示である。
図6b及び図6cの破線は図3の従来のエコーキャンセリング装置の性能SDIFを表し、図6b及び図6cの実線は本発明により図5のエコーキャンセリング装置の性能SDIFを表している。両方のグラフ6b,6cは、条件付きの係数で始まる。これは、干渉信号が加えられる前のある量の時間の間に図5及び図3の回路が基準信号を用いてトレーニングされることを意味する。図6bでは、図5及び図3の装置におけるプリホワイトニングフィルタ及び逆プリホワイトニングフィルタPWF及びIPWはディスエーブルにされ、図6cでは、図5及び図3の装置におけるプリホワイトニングフィルタ及び逆プリホワイトニングフィルタPWF及びIPWはイネーブルにされている。両方の図は、本発明によるエコーキャンセリング装置の性能が妨害している干渉信号の開始により強くは劣化されないことを示している。
ラインエコーキャンセリング装置の従来の実現を示している。 音響エコーキャンセリング装置を示している。 最新技術による他のエコーキャンセラを示している。 本発明によるエコーキャンセリング装置の第1の実施の形態を示している。 本発明によるエコーキャンセリング装置の第2の実施の形態を示している。 反射した基準信号およびダブルトーク状態を引き起こす干渉信号を示している。 従来のエコーキャンセリング装置の性能と比較して第2の実施の形態によるエコーキャンセリング装置の性能のグラフを示しており、第2の実施の形態のプリホワイトニングフィルタ及び逆プリホワイトニングフィルタがオフにされている。 従来のエコーキャンセリング装置の性能と比較して第2の実施の形態によるエコーキャンセリング装置の性能のグラフを示しており、第2の実施の形態のプリホワイトニングフィルタ及び逆プリホワイトニングフィルタがオンにされている。

Claims (9)

  1. a)第1の信号とこの第1の信号のエコーを有する第2の信号とを受け取るステップと、
    b)有限インパルス応答フィルタを用いて前記第1の信号をフィルタリングすることによりエコー複製信号を生成するステップであって、前記有限インパルスフィルタは前記エコー複製信号を生成するためにフィルタ係数ベクトルを用いる当該ステップと、
    c)前記第2の信号から前記エコー複製信号を減ずることによりエコー消去信号を生成するステップと、
    d)前記第2の信号内の干渉の大きさを決定するステップと、
    e)前記干渉の大きさに依存してステップベクトルを決定するステップであって、前記干渉の大きさの増大は前記ステップベクトルのサイズを小さくする当該ステップと、
    f)前記ステップベクトルにより前記フィルタ係数ベクトルを更新するステップと
    を有するエコーキャンセリング方法。
  2. 前記第2の信号が干渉により影響を及ぼされない場合に、前記フィルタ係数を改善する第1のステップベクトルを生成することと、
    前記干渉の大きさに依存して第2のステップベクトルを生成することと、
    前記第1及び第2のステップベクトルから前記ステップベクトルを選択し、最も小さいサイズを持つ前記ステップベクトルが選択されることと
    により前記ステップベクトルが決定される請求項1記載のエコーキャンセリング方法。
  3. 前記第2のステップベクトルは、前記第2の信号の干渉の無い状態で前記第1のステップベクトルに実質的に対応する請求項2記載のエコーキャンセリング方法。
  4. 前記干渉の大きさが大きくなると、前記第2のステップベクトルは連続的に減少し、前記第2のステップベクトルの前記サイズが前記第1のステップベクトルの前記サイズよりも小さくなる請求項3記載のエコーキャンセリング方法。
  5. 前記干渉の大きさは、前記エコー消去信号のレベルを用いて決定される請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエコーキャンセリング方法。
  6. 前記ステップベクトルは合計のエコーリターンロスに依存して決定される請求項1ないし5のいずれか1項に記載のエコーキャンセリング方法。
  7. ダブルトーク状態が存在するか否かを検出するステップと、
    前記ダブルトーク状態が存在するか否かに依存して前記合計のエコーリターンロスを異なるように決定するステップと
    を有する請求項5又は6記載のエコーキャンセリング方法。
  8. 前記干渉の大きさは前記エコー消去信号の重み付けされたレベルを用いて決定され、前記エコー消去信号の前記重み付けされたレベルは、前記合計のエコーリターンロスを乗じた前記エコー消去信号の前記レベルよりなる請求項6又は7記載のエコーキャンセリング方法。
  9. 第1の信号を受け取り、エコー複製信号を出力する有限インパルス応答フィルタであって、前記エコー複製信号を生成するためにフィルタ係数ベクトルを用いる当該有限インパルス応答フィルタと、
    前記第1の信号のエコーを有する第2の信号から前記エコー複製信号を減ずる減算回路と、
    ステップベクトルにより前記フィルタ係数ベクトルを繰り返し更新する係数更新回路と、
    前記第2の信号内の干渉の大きさを決定する手段と、
    前記干渉の大きさに依存して前記ステップベクトルを決定する手段であって、前記干渉の大きさの増大は前記ステップベクトルのサイズを連続的に小さくする当該手段と
    を有するエコーキャンセリング装置。
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