JPH11288610A - プロジェクタ用光源装置 - Google Patents
プロジェクタ用光源装置Info
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- JPH11288610A JPH11288610A JP10101819A JP10181998A JPH11288610A JP H11288610 A JPH11288610 A JP H11288610A JP 10101819 A JP10101819 A JP 10101819A JP 10181998 A JP10181998 A JP 10181998A JP H11288610 A JPH11288610 A JP H11288610A
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- JP
- Japan
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- reflecting mirror
- discharge lamp
- light source
- light
- reflecting
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 装置内部の冷却効果を上げることができると
ともに、光漏れも良好に防止できる画期的なプロジェク
タ用光源装置を提供することである。 【解決手段】 反射ミラー3の外側表面が装置の外部か
ら見える構造を有する液晶プロジェクタなどのプロジェ
クタにおいて、この反射ミラー3の内部には放電ランプ
2を有し、この反射ミラー3が多結晶性のセラミックス
製であることを特徴とする。
ともに、光漏れも良好に防止できる画期的なプロジェク
タ用光源装置を提供することである。 【解決手段】 反射ミラー3の外側表面が装置の外部か
ら見える構造を有する液晶プロジェクタなどのプロジェ
クタにおいて、この反射ミラー3の内部には放電ランプ
2を有し、この反射ミラー3が多結晶性のセラミックス
製であることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はプロジェクタ用光
源装置に関する。
源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶プロジェクタなどのプロジェクタの
光源には高輝度のメタルハライドランプが用いられ、ス
クリーンに投射する画像を明るくするために、このラン
プには高い電気入力が投入され、光源ランプは強く発熱
する。さらにランプの他にも電子回路部品の発熱もあ
る。あるいは光学素子のように入射した光が熱となって
昇温するような部品も内蔵されている。このためケーシ
ング内は極めて高温になってしまう。その一方で装置全
体としては小型化が強く求められる。したがって、ケー
シング内部を良好に冷却する機構が必要になるわけであ
るが、発熱源としては放電ランプの割合が高いために、
通常はこの放電ランプはケーシングの排気口部のすぐ内
側に置かれた冷却用ファンの内側近傍にあり、その発生
する熱が速やかに排出されるようになっている。
光源には高輝度のメタルハライドランプが用いられ、ス
クリーンに投射する画像を明るくするために、このラン
プには高い電気入力が投入され、光源ランプは強く発熱
する。さらにランプの他にも電子回路部品の発熱もあ
る。あるいは光学素子のように入射した光が熱となって
昇温するような部品も内蔵されている。このためケーシ
ング内は極めて高温になってしまう。その一方で装置全
体としては小型化が強く求められる。したがって、ケー
シング内部を良好に冷却する機構が必要になるわけであ
るが、発熱源としては放電ランプの割合が高いために、
通常はこの放電ランプはケーシングの排気口部のすぐ内
側に置かれた冷却用ファンの内側近傍にあり、その発生
する熱が速やかに排出されるようになっている。
【0003】一方、放電ランプからの放射光を有効に活
用するために、この放電ランプの周囲には略お椀状の反
射ミラーが覆いかぶさった構造となっている。この反射
ミラーは、例えば、ホウケイ酸ガラスなどの耐熱ガラス
よりなり、その内側に可視反射、赤外透過の多層干渉膜
が形成されており、可視光は反射し赤外線は透過させる
という性質を有する。つまり、可視光は前方の光学系へ
と導くわけである。しかしながら、このような性質を有
する反射ミラーであっても多層干渉膜は可視光を完全に
反射できるわけではなく、僅かではあるが可視光を透過
させてしまう。そして、この透過した可視光は、反射ミ
ラーが可視光透過性であると後方に透過し、前述のよう
に近くに配置されている冷却用ファンの羽根の間や冷却
風の排風口を通して外部に漏れることがある。何よりも
外部から直接ランプのアーク部が視野に入ることがあ
る。
用するために、この放電ランプの周囲には略お椀状の反
射ミラーが覆いかぶさった構造となっている。この反射
ミラーは、例えば、ホウケイ酸ガラスなどの耐熱ガラス
よりなり、その内側に可視反射、赤外透過の多層干渉膜
が形成されており、可視光は反射し赤外線は透過させる
という性質を有する。つまり、可視光は前方の光学系へ
と導くわけである。しかしながら、このような性質を有
する反射ミラーであっても多層干渉膜は可視光を完全に
反射できるわけではなく、僅かではあるが可視光を透過
させてしまう。そして、この透過した可視光は、反射ミ
ラーが可視光透過性であると後方に透過し、前述のよう
に近くに配置されている冷却用ファンの羽根の間や冷却
風の排風口を通して外部に漏れることがある。何よりも
外部から直接ランプのアーク部が視野に入ることがあ
る。
【0004】この場合、光源が極めて高輝度であるため
にまぶしく、非常に目障りとなる。また、漏れ光はプロ
ジェクタの周囲を不要に明るくすることもいうまでもな
い。この点に関し、反射ミラー後方に漏れた光を遮光す
るために装置内部に専用の遮光部材を設けることも可能
である。これまでの漏れ光対策はこの方法によってい
る。しかし、遮光部材は冷却風の流れに対する抵抗とな
る。すなわち冷却風の円滑な流れが妨げられ、装置内の
ランプを含む各部品の冷却にとって不利となる。すなわ
ち遮光部材を設けることは、装置の構造を複雑にすると
ともに、冷却効率を落とすことになる。
にまぶしく、非常に目障りとなる。また、漏れ光はプロ
ジェクタの周囲を不要に明るくすることもいうまでもな
い。この点に関し、反射ミラー後方に漏れた光を遮光す
るために装置内部に専用の遮光部材を設けることも可能
である。これまでの漏れ光対策はこの方法によってい
る。しかし、遮光部材は冷却風の流れに対する抵抗とな
る。すなわち冷却風の円滑な流れが妨げられ、装置内の
ランプを含む各部品の冷却にとって不利となる。すなわ
ち遮光部材を設けることは、装置の構造を複雑にすると
ともに、冷却効率を落とすことになる。
【0005】つまり、特平09-304834に開示されている
ように、漏れ光を少なくすることと、冷却効果を上げる
こととは相反し、これらを共に満足させることは難しい
こととされていた。また、特公平07-92527においては結
晶化ガラスを用いた反射ミラーに関して、結晶化に伴っ
て粗くなった基材表面に、可視光反射赤外透過の多層干
渉膜を形成して容易に可視散乱光の反射を得る方法を開
示している。しかしながら画像表示用途の光源には拡散
性のない点光源に近いものがよく、ミラーの反射面は可
能な限り平滑面であることが要求される。すなわち散乱
光は鮮明な画像表示には適さず、上記引例はプロジェク
ター用途には適さない。特公平7-92527においてはさら
に、多層干渉膜を透過した赤外放射が基材透過の過程で
散乱されるため、反射ミラー近傍の局所的温度上昇を回
避できるとしている。すなわち反射ミラーに近接する物
体への透過赤外の作用効果に関する考案が開示されてい
る。
ように、漏れ光を少なくすることと、冷却効果を上げる
こととは相反し、これらを共に満足させることは難しい
こととされていた。また、特公平07-92527においては結
晶化ガラスを用いた反射ミラーに関して、結晶化に伴っ
て粗くなった基材表面に、可視光反射赤外透過の多層干
渉膜を形成して容易に可視散乱光の反射を得る方法を開
示している。しかしながら画像表示用途の光源には拡散
性のない点光源に近いものがよく、ミラーの反射面は可
能な限り平滑面であることが要求される。すなわち散乱
光は鮮明な画像表示には適さず、上記引例はプロジェク
ター用途には適さない。特公平7-92527においてはさら
に、多層干渉膜を透過した赤外放射が基材透過の過程で
散乱されるため、反射ミラー近傍の局所的温度上昇を回
避できるとしている。すなわち反射ミラーに近接する物
体への透過赤外の作用効果に関する考案が開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、数10cmないし数mの距離から装置内の反
射ミラー背面を見てもまぶしさを感じることが無く、ま
た反射ミラー後方への可視光の漏れが良好に防止できる
と共に、さらに装置内部の部品の冷却効果に損失を生じ
ることのない、画期的なプロジェクタ用光源装置を提供
することである。
とする課題は、数10cmないし数mの距離から装置内の反
射ミラー背面を見てもまぶしさを感じることが無く、ま
た反射ミラー後方への可視光の漏れが良好に防止できる
と共に、さらに装置内部の部品の冷却効果に損失を生じ
ることのない、画期的なプロジェクタ用光源装置を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明のプロジェクタ用光源装置は、反射ミラー
の外側表面が装置の外部から見える構造を有する液晶プ
ロジェクタなどのプロジェクタにおいて、この反射ミラ
ーの内部には放電ランプを有し、この反射ミラー基材が
多結晶性のセラミックス製でその反射面が釉薬処理、あ
るいは研磨等の平滑処理をした上で可視反射、赤外透過
の多層干渉膜を形成することを特徴とする。
に、この発明のプロジェクタ用光源装置は、反射ミラー
の外側表面が装置の外部から見える構造を有する液晶プ
ロジェクタなどのプロジェクタにおいて、この反射ミラ
ーの内部には放電ランプを有し、この反射ミラー基材が
多結晶性のセラミックス製でその反射面が釉薬処理、あ
るいは研磨等の平滑処理をした上で可視反射、赤外透過
の多層干渉膜を形成することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明のプロジェクタ用光源装
置は、光源である放電ランプを取り囲む反射ミラーを多
結晶性の焼結体からなる、あるいは結晶化ガラスのよう
に多結晶性の組織を有するセラミックスで構成し、その
内面には釉薬層の形成あるいは必要に応じて研磨などの
平滑化処理を施してあるので散乱性のない、プロジェク
タにおいて鮮明な画像を投影するのに適した良好な反射
光が得られ、かつ光漏れを十分に防止できるとともに、
冷却効果も十分に上げることが可能となる。
置は、光源である放電ランプを取り囲む反射ミラーを多
結晶性の焼結体からなる、あるいは結晶化ガラスのよう
に多結晶性の組織を有するセラミックスで構成し、その
内面には釉薬層の形成あるいは必要に応じて研磨などの
平滑化処理を施してあるので散乱性のない、プロジェク
タにおいて鮮明な画像を投影するのに適した良好な反射
光が得られ、かつ光漏れを十分に防止できるとともに、
冷却効果も十分に上げることが可能となる。
【0009】
【実施例】図1は本発明の液晶プロジェクタの実施例を
示す。ケーシング1はPPS(ポリフェニルサルファイ
ド)製よりなる、全体が箱型であって、その内部に放電
ランプ2、反射ミラー3等を有する。
示す。ケーシング1はPPS(ポリフェニルサルファイ
ド)製よりなる、全体が箱型であって、その内部に放電
ランプ2、反射ミラー3等を有する。
【0010】放電ランプ2は、例えば、定格消費電力2
50w、発光部の外径が14mmΦ、アーク長が2.0m
m、動作圧力が3MPaで直流点灯のショートアーク型メ
ラルハライドランプである。このランプ2に封入される
発光成分としての金属は、例えば、ジスプロシウム、イ
ンジウム、スズなどであり、これらが沃素、臭素などの
ハロゲンと化合物として封入される。
50w、発光部の外径が14mmΦ、アーク長が2.0m
m、動作圧力が3MPaで直流点灯のショートアーク型メ
ラルハライドランプである。このランプ2に封入される
発光成分としての金属は、例えば、ジスプロシウム、イ
ンジウム、スズなどであり、これらが沃素、臭素などの
ハロゲンと化合物として封入される。
【0011】反射ミラー3はセラミックスで形成され
る。セラミックス素材としては、例えば、アルミナ、ア
ルミナ硼酸系のものが使用される。この、平滑面を得る
ために釉薬層を形成した反射ミラー3の内面には、可視
光は反射して赤外線は透過する多層干渉膜が形成されて
いる。また、反射ミラー3は、放物面反射鏡であって、
前面開口の外径は約100mmΦ、肉厚4.5〜5mmであ
る。
る。セラミックス素材としては、例えば、アルミナ、ア
ルミナ硼酸系のものが使用される。この、平滑面を得る
ために釉薬層を形成した反射ミラー3の内面には、可視
光は反射して赤外線は透過する多層干渉膜が形成されて
いる。また、反射ミラー3は、放物面反射鏡であって、
前面開口の外径は約100mmΦ、肉厚4.5〜5mmであ
る。
【0012】反射ミラー3の背面には冷却用ファン4が
配置される。このファン4は、例えば、口径約115mm、
電力4Wの軸流ファンである。そして、この冷却用ファン
4は、放電ランプ2、及び反射ミラー3の近傍で発生し
た高温の空気を開口5から良好に装置外部に排出する。
ここで、図示略ではあるが、このケーシング1には装置
外部から空気を導入するためにスリット状の通気孔が幾
つか設けられている。
配置される。このファン4は、例えば、口径約115mm、
電力4Wの軸流ファンである。そして、この冷却用ファン
4は、放電ランプ2、及び反射ミラー3の近傍で発生し
た高温の空気を開口5から良好に装置外部に排出する。
ここで、図示略ではあるが、このケーシング1には装置
外部から空気を導入するためにスリット状の通気孔が幾
つか設けられている。
【0013】放電ランプ2、および反射鏡3で反射され
た光は、反射ミラー6で曲げられて、光学系7に入射
し、そして光出射口8から出て行く。
た光は、反射ミラー6で曲げられて、光学系7に入射
し、そして光出射口8から出て行く。
【0014】ここで、本発明においては、多層干渉膜を
透過した可視光は、セラミックス基材内を通過する途中
で散乱される。このため外部に放射される光は眩しさを
感じさせないまでに減少させることが可能となる。
透過した可視光は、セラミックス基材内を通過する途中
で散乱される。このため外部に放射される光は眩しさを
感じさせないまでに減少させることが可能となる。
【0015】次に、ガラス製ミラー、結晶化ガラス製ミ
ラー、および焼結させてなるセラミックスとしてのアル
ミナ硼酸製ミラーについて本発明の効果を示す実験を行
なった。上記放電ランプと反射ミラーを使った場合の、
反射ミラー背面方向から見た点灯中の放電ランプのアー
クの輝度は、以下のようにして求めた。 (1)ガラス製反射ミラーにおける輝度は、光源の輝度
に多層干渉膜の可視光透過率2%を乗じて求めた。これ
は、ガラス製反射ミラーの場合はほとんど光を透過する
ので、光源の輝度を直接求めて計算しても支障がないか
らである。光源の輝度は積分球内で測定された全光束の
値を、発光領域の実効的な面積で除して求めた(a)。
この結果、ミラー後方から見た場合の放電ランプのアー
ク輝度として4.8×107cd/m2の値が得られた。 (2)結晶化ガラス製反射ミラーにおける輝度は、色彩
輝度計を反射ミラー後方に約1m離して配置させて測定
し、3回の測定値の平均として求めた(b)。さらに色
彩輝度計の測定視野の大きさによる影響を補正するた
め、同じ測定をガラス製反射ミラーについても行ない、
得られた結果(c)と比較して(a)×(b)/(c)
のように補正した。輝度として約2.3×104cd/m2の値が
得られた。 (3)焼結多結晶性のセラミックス製反射ミラーの場合
は放電ランプのアークが直接観察されないために、色彩
輝度計で計測されるアーク背面におけるセラミックス製
反射ミラーの後方表面輝度で代用し、540cd/m2の値を
得た。すなわち、輝度はガラス製のミラーの場合に比べ
て、結晶化ガラスでは約2000分の1に、また焼結多結晶
性のセラミックス製のミラーでは約8.9×104分の1に
までまぶしさを減少させていることが示される。
ラー、および焼結させてなるセラミックスとしてのアル
ミナ硼酸製ミラーについて本発明の効果を示す実験を行
なった。上記放電ランプと反射ミラーを使った場合の、
反射ミラー背面方向から見た点灯中の放電ランプのアー
クの輝度は、以下のようにして求めた。 (1)ガラス製反射ミラーにおける輝度は、光源の輝度
に多層干渉膜の可視光透過率2%を乗じて求めた。これ
は、ガラス製反射ミラーの場合はほとんど光を透過する
ので、光源の輝度を直接求めて計算しても支障がないか
らである。光源の輝度は積分球内で測定された全光束の
値を、発光領域の実効的な面積で除して求めた(a)。
この結果、ミラー後方から見た場合の放電ランプのアー
ク輝度として4.8×107cd/m2の値が得られた。 (2)結晶化ガラス製反射ミラーにおける輝度は、色彩
輝度計を反射ミラー後方に約1m離して配置させて測定
し、3回の測定値の平均として求めた(b)。さらに色
彩輝度計の測定視野の大きさによる影響を補正するた
め、同じ測定をガラス製反射ミラーについても行ない、
得られた結果(c)と比較して(a)×(b)/(c)
のように補正した。輝度として約2.3×104cd/m2の値が
得られた。 (3)焼結多結晶性のセラミックス製反射ミラーの場合
は放電ランプのアークが直接観察されないために、色彩
輝度計で計測されるアーク背面におけるセラミックス製
反射ミラーの後方表面輝度で代用し、540cd/m2の値を
得た。すなわち、輝度はガラス製のミラーの場合に比べ
て、結晶化ガラスでは約2000分の1に、また焼結多結晶
性のセラミックス製のミラーでは約8.9×104分の1に
までまぶしさを減少させていることが示される。
【0016】このことは、焼結してなる多結晶性のセラ
ミックス製反射ミラー、及び結晶化ガラス製反射ミラー
を用いれば、反射ミラー背面方向から見たまぶしさが格
段に低減されることを示している。これを数値的に見れ
ば、視野の中の最高輝度が約104cd/m2以上で生じる
とされる絶対グレアに対しては、ガラス製反射ミラーに
おける輝度は4.8×103倍であり非常にまぶしいのに対し
て、結晶化ガラス製反射ミラーでは2.3倍でほぼ同等、
焼結多結晶性のセラミックス製ミラーでは、約19分の1
の輝度となって、まぶしさが大幅に減少した。
ミックス製反射ミラー、及び結晶化ガラス製反射ミラー
を用いれば、反射ミラー背面方向から見たまぶしさが格
段に低減されることを示している。これを数値的に見れ
ば、視野の中の最高輝度が約104cd/m2以上で生じる
とされる絶対グレアに対しては、ガラス製反射ミラーに
おける輝度は4.8×103倍であり非常にまぶしいのに対し
て、結晶化ガラス製反射ミラーでは2.3倍でほぼ同等、
焼結多結晶性のセラミックス製ミラーでは、約19分の1
の輝度となって、まぶしさが大幅に減少した。
【0017】さらに、プロジェクター装置においてはほ
とんどの場合、冷却用ファンは光源ユニットより装置の
外側に配置される。すなわち通常は数枚の羽根がおよそ
3000r.p.m.で回転している冷却用ファンの羽根の隙間か
ら反射ミラーの背面を見ることになる。そこで冷却用フ
ァンの、羽根が掃過する領域において羽根と羽根との間
の部分が占める面積割合が、投影面積において約35%、
羽根の数が7枚のものを用い、これを通して反射ミラー
背面を観察したところ、時間平均の透過光量は35%に減
少し、これに伴って見かけの輝度も35%に減少した。す
なわち、焼結してなる多結晶性のセラミックス製反射ミ
ラー、及び結晶化ガラス製反射ミラーでは見かけの輝度
が低減して観測されて一層まぶしくなくなり、また羽根
の回転による光の通断の周波数もおよそ350Hzとなるの
で、羽根の回転によるよるちらつき感もなく、本考案の
実用性が確認できた。これに対してガラス製反射ミラー
の場合にはまぶしさを感じなくなるまでには至らなかっ
た。これはガラス製反射ミラーでは絶対グレア発生の目
安となる輝度に対して4.8×103倍あり、その35%の値
でもなお1700倍もあることから容易に理解される。
とんどの場合、冷却用ファンは光源ユニットより装置の
外側に配置される。すなわち通常は数枚の羽根がおよそ
3000r.p.m.で回転している冷却用ファンの羽根の隙間か
ら反射ミラーの背面を見ることになる。そこで冷却用フ
ァンの、羽根が掃過する領域において羽根と羽根との間
の部分が占める面積割合が、投影面積において約35%、
羽根の数が7枚のものを用い、これを通して反射ミラー
背面を観察したところ、時間平均の透過光量は35%に減
少し、これに伴って見かけの輝度も35%に減少した。す
なわち、焼結してなる多結晶性のセラミックス製反射ミ
ラー、及び結晶化ガラス製反射ミラーでは見かけの輝度
が低減して観測されて一層まぶしくなくなり、また羽根
の回転による光の通断の周波数もおよそ350Hzとなるの
で、羽根の回転によるよるちらつき感もなく、本考案の
実用性が確認できた。これに対してガラス製反射ミラー
の場合にはまぶしさを感じなくなるまでには至らなかっ
た。これはガラス製反射ミラーでは絶対グレア発生の目
安となる輝度に対して4.8×103倍あり、その35%の値
でもなお1700倍もあることから容易に理解される。
【0018】この発明のプロジェクタ用光源において
は、以下のような変形例も可能である。 1.冷却用ファンは反射ミラーの背後に設けられるもの
に限定されるものではなく、側面等他の位置に配置させ
る構造でもかまわない。 2.冷却用ファンは排風型のものに限定されず、吸引型
であってもかまわない。この場合には、冷却用ファンに
よる低減効果は得られないが、基本的な輝度の低減はさ
れているので、ランプ及び反射ミラー部を通過して加熱
された冷却風が、プロジェクタ内の部品を不要に加熱す
ることの無いように速やかに装置外に排出されるように
なっていればよい。 3.放電ランプは、メタルハライドランプに限定される
ものではなく、水銀ランプ、キセノンランプであっても
かまわず、また、点灯時の圧力が10MPaを超えるよ
うな超高圧の水銀ランプにも適用できることはいうまで
もない。 4. 放電ランプは直流点灯のものに限定されず交流点
灯のものにも適用でき、さらにシングルエンドタイプの
放電ランプにも適用できる。 5. ランプは放電ランプに限定されるものではなく、
ハロゲンランプなどの白熱ランプに適用しても同様のま
ぶしさの低減効果が得られるのは言うまでもない。 6.反射ミラーは放物形状に限定されるものではなく、
楕円形状でもよいのはいうまでもない。 7.また、リフレクタ素材のセラミックスについては、
アルミナ、アルミナ硼酸に限定されるものではなく、素
材自体は可視光透過性を有しても多結晶性から可視光を
散乱させ、これにより数mmの厚さの反射ミラー成形体に
おいて実質的に不透明であればよいので、必要に応じて
たとえば、ジルコニアや、アルミナ磁器、ステアタイト
磁器、ジルコン磁器などの磁器類、さらには結晶化ガラ
スなどでもよい。
は、以下のような変形例も可能である。 1.冷却用ファンは反射ミラーの背後に設けられるもの
に限定されるものではなく、側面等他の位置に配置させ
る構造でもかまわない。 2.冷却用ファンは排風型のものに限定されず、吸引型
であってもかまわない。この場合には、冷却用ファンに
よる低減効果は得られないが、基本的な輝度の低減はさ
れているので、ランプ及び反射ミラー部を通過して加熱
された冷却風が、プロジェクタ内の部品を不要に加熱す
ることの無いように速やかに装置外に排出されるように
なっていればよい。 3.放電ランプは、メタルハライドランプに限定される
ものではなく、水銀ランプ、キセノンランプであっても
かまわず、また、点灯時の圧力が10MPaを超えるよ
うな超高圧の水銀ランプにも適用できることはいうまで
もない。 4. 放電ランプは直流点灯のものに限定されず交流点
灯のものにも適用でき、さらにシングルエンドタイプの
放電ランプにも適用できる。 5. ランプは放電ランプに限定されるものではなく、
ハロゲンランプなどの白熱ランプに適用しても同様のま
ぶしさの低減効果が得られるのは言うまでもない。 6.反射ミラーは放物形状に限定されるものではなく、
楕円形状でもよいのはいうまでもない。 7.また、リフレクタ素材のセラミックスについては、
アルミナ、アルミナ硼酸に限定されるものではなく、素
材自体は可視光透過性を有しても多結晶性から可視光を
散乱させ、これにより数mmの厚さの反射ミラー成形体に
おいて実質的に不透明であればよいので、必要に応じて
たとえば、ジルコニアや、アルミナ磁器、ステアタイト
磁器、ジルコン磁器などの磁器類、さらには結晶化ガラ
スなどでもよい。
【0019】
【発明の効果】以上、説明したようにこの発明のプロジ
ェクタ用光源は、放電ランプを取り囲む反射ミラー基材
を多結晶性のセラミックス製としてその反射面を釉薬処
理、あるいは研磨などの平滑処理をした上で可視反射、
赤外透過の多層干渉膜を形成したので、反射ミラー後方
への光漏れを良好に防止することが可能である。このた
め遮光板の設置が不要となる。したがって、設置された
遮光部材による冷却風の流れの妨げ、装置ケーシング内
の冷却効果の損失がなく、従来構造に比べて冷却効果を
上げることができる。
ェクタ用光源は、放電ランプを取り囲む反射ミラー基材
を多結晶性のセラミックス製としてその反射面を釉薬処
理、あるいは研磨などの平滑処理をした上で可視反射、
赤外透過の多層干渉膜を形成したので、反射ミラー後方
への光漏れを良好に防止することが可能である。このた
め遮光板の設置が不要となる。したがって、設置された
遮光部材による冷却風の流れの妨げ、装置ケーシング内
の冷却効果の損失がなく、従来構造に比べて冷却効果を
上げることができる。
【図1】本発明のプロジェクタ用光源装置を示す。
1 ケーシング 2 放電ランプ 3 反射ミラー 4 冷却用ファン 5 排風口
フロントページの続き (72)発明者 今村 賢二 兵庫県姫路市別所町佐土294番地 ウシオ 電機株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】反射ミラーの外側表面が装置の外部から見
える構造を有するプロジェクタにおいて、この反射ミラ
ーの内部には放電ランプを有し、この反射ミラー基材が
多結晶性のセラミックス製でその反射面が釉薬処理、あ
るいは平滑処理をした上に可視反射、赤外透過の多層干
渉膜を形成されてなることを特徴とするプロジェクタ用
光源装置。 - 【請求項2】多結晶性のセラミックスをアルミナ、アル
ミナ硼酸、ジルコニアとする請求項1記載のプロジェク
タ用光源装置。 - 【請求項3】多結晶性のセラミックスをアルミナ磁器、
ステアタイト磁器、ジルコン磁器等の磁器類としたこと
を特徴とする請求項1記載のプロジェクタ用光源装置。 - 【請求項4】多結晶性のセラミックスを結晶化ガラスと
する請求項1記載のプロジェクタ用光源装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10101819A JPH11288610A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | プロジェクタ用光源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10101819A JPH11288610A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | プロジェクタ用光源装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11288610A true JPH11288610A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=14310739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10101819A Pending JPH11288610A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | プロジェクタ用光源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11288610A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002049068A1 (en) * | 2000-12-15 | 2002-06-20 | Fusion Lighting, Inc. | Aperture lamp with infrared shedding |
WO2009055958A1 (fr) * | 2007-10-29 | 2009-05-07 | Jinling Luo | Réflecteur en céramique et son procédé de fabrication |
-
1998
- 1998-03-31 JP JP10101819A patent/JPH11288610A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2002049068A1 (en) * | 2000-12-15 | 2002-06-20 | Fusion Lighting, Inc. | Aperture lamp with infrared shedding |
WO2009055958A1 (fr) * | 2007-10-29 | 2009-05-07 | Jinling Luo | Réflecteur en céramique et son procédé de fabrication |
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