JPH11287852A - レーダ、レーダの信号処理方法、レーダの通信方法および記録媒体 - Google Patents

レーダ、レーダの信号処理方法、レーダの通信方法および記録媒体

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JPH11287852A
JPH11287852A JP10105623A JP10562398A JPH11287852A JP H11287852 A JPH11287852 A JP H11287852A JP 10105623 A JP10105623 A JP 10105623A JP 10562398 A JP10562398 A JP 10562398A JP H11287852 A JPH11287852 A JP H11287852A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出距離を伸ばし、距離分解能を向上させ、
レーダのセンサ波を利用した物体検出と共に無線通信を
行い得るレーダ、レーダの信号処理方法、レーダの通信
方法および記録媒体を提供する。 【解決手段】 A/D変換部111により電波の発射タ
イミングに同期した周期時間間隔内で一定時間間隔を刻
むサンプリングクロックCLKに基づき反射波による受
波信号RFIをデジタル受波データに変換し、制御部1
12により周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分
のデジタル受波データを第1段の記憶手段に保持し、発
射タイミングに同期して第1段から第N段までの記憶手
段において第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容
を第i+1段の記憶手段に移動させた後、第1段から第
N段までの記憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶
手段に格納し、判定・画像処理部107により物体距離
を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダ、レーダの
信号処理方法およびレーダの通信方法、並びに、これら
信号処理方法および通信方法を実行させるためのプログ
ラムを記録した記録媒体に係り、特に、レーダとしての
検出可能距離を伸ばし、また距離一定の場合の正確な物
体の検出を可能として距離分解能を向上させたレーダ、
レーダの信号処理方法、レーダの通信方法および記録媒
体、並びに、レーダのセンサ波を利用して物体検出と共
に無線通信を行い得るレーダ、レーダの信号処理方法、
レーダの通信方法および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】レーダ(radar)はアンテナから電波を
放射し、照射された物体からの反射波、または場合によ
っては物体から再発射された電波を受けて、物体の存在
を検知すると共に、その位置を測定するための電波応用
装置である。すなわち、レーダによる物体検出は、アン
テナから電波、光、超音波等を発射し、物体から反射さ
れて戻ってくる反射波を検出することにより行われる。
以下では、パルス形状に区切った電波等を連続的に放射
するパルスレーダ(またはインパルスレーダ)を採り上
げて説明する。ここで、「パルスレーダ」は、1つの周
波数の電波(キャリア)を用いてそのキャリアをパルス
信号で断続的にアンテナから放射するものであり、「イ
ンパルスレーダ」は、そのパルス幅が時間間隔に比べて
極端に狭いため非常に高い周波数域にまでスペクトルが
無数に拡がっており、それをアンテナから放射するため
に、パルスレーダのような特定のキャリアが必要ないと
いった点で異なる。
【0003】ところで、物体間隔が至近距離である場合
には、距離分解能が重要である。インパルス発射間隔を
1周期として、これを通常の等間隔サンプリングするこ
とは超高速サンプリングとなって、技術的にも不可能で
実用性が薄い。
【0004】例えば、最大計測距離を50cmとする
と、最大距離から反射波が戻ってくるのに要する時間は
3.3nsであり、この50cmの距離を0.5cmの
距離分解能で測定しようとすると、16.6ps毎に
(サンプリング周波数を60GHzとして)サンプリン
グすることになる。この時のインパルス発射間隔の周波
数は最大300MHz以下の任意の周波数である。
【0005】一方で、インパルス発射間隔の周波数を3
MHzとすると、1周期に1回だけサンプリングする公
知の時間軸拡大サンプリング技法を用いた場合には、同
一の3MHzをサンプリング周波数としたサンプリング
で済み、200回のサンプリングにより200倍に時間
軸が拡大された受信信号波形が得られる。この時の距離
分解能は0.5cmが確保されている。なお、この場
合、反射波は減衰して小さくなっており、かつ周囲ノイ
ズもあることから、S/N向上のための信号処理が必要
である。
【0006】このように、パルスレーダ(またはインパ
ルスレーダ)のパルス(インパルス)発射周期は測定上
限距離に関係しており、往復に要する時間よりも大きく
採り、パルス(インパルス)幅は測定下限距離に関係し
ており、往復に要する時間より小さくするのが一般的で
ある。
【0007】また、従来の一般的なレーダでは、受信し
た反射波を処理し易くするために、上記のように時間軸
を拡大する時間軸拡大サンプリング技法を用いている。
この時間軸拡大サンプリングは計測分野でよく使用され
る技法であって、PCM通信、オーディオ信号等のデジ
タル化の際に用いられているサンプリングとは異なるも
のである。すなわち、「サンプリング」が一定間隔で行
われ、サンプリング対象のアナログ信号が該サンプリン
グに対して繰り返さない性質のものであるのに対し、
「時間軸拡大サンプリング」はサンプリングタイミング
を少しずつ遅らせて行われ、サンプリング対象のアナロ
グ信号が該サンプリングに対して繰り返す性質のもので
ある点である。つまり、時間軸拡大サンプリングはアナ
ログ信号の繰り返す性質を利用してサンプリングタイミ
ングを工夫して、波形の時間軸拡大、換言すれば低周波
数化を可能としたものである。
【0008】図19には、時間軸拡大サンプリング技法
を用いた従来のレーダの送波部および受波部の構成図を
示す。同図において従来のレーダは、送波部としてクロ
ック生成部501,送波部502および送波アンテナ5
03を備え、受波部として受波アンテナ506,制御信
号インタフェース504,サンプリング制御部505,
増幅器507および508,サンプリング部509,ホ
ールド部510並びにA/D変換部511を備えた構成
である。なお、本従来例は文献「”SURFACE-PENETRATIN
G RADAR(表面浸透レーダ)”イギリス電気技術者学会
出版」の「第3章”Modulation techniques”pp103-11
5」において開示されているものを引用した。
【0009】また図21は、本従来例のレーダの受波部
における信号処理を説明するタイミングチャートであ
る。まず、送波部502はクロック生成部501が生成
する基準クロックCLK(図21(a)参照)に基づい
て送波信号を送波アンテナ503から発射する。
【0010】受波部では、受波アンテナ506を介して
反射波を受波し、受波信号RFI(図21(c)参照)
をサンプリング制御部505で生成されたサンプリング
パルスSP(図21(b)参照)に基づいてサンプリン
グ部509でサンプリングする。その結果、サンプリン
グ部509でサンプリングされた受波信号は図21
(d)に示すような波形となる。この信号はホールド部
510でホールドされて図21(e)に示すような信号
となり、これがA/D変換部511によってデジタル信
号に変換されて(図21(f)参照)受波部の出力デー
タとなる。
【0011】ここで、サンプリングパルスSPは時間軸
拡大サンプリングを行うための信号であり、サンプリン
グ制御部505において、図20に示すような回路構成
で生成される。つまり、クロック生成部521,高速ラ
ンプ信号生成部522,低速ランプ信号生成部523お
よび比較器524による構成である。また、この回路構
成でサンプリングパルスSPが生成される様子を図22
のタイミングチャートに示す。すなわち、図22(a)
に示すように、クロック生成部521からクロックCL
Kが出力されると、これに基づいて高速ランプ信号生成
部522により図22(b)に示すような高周波(短周
期)の高速ランプ信号RPFが、また低速ランプ信号生
成部523により図22(c)に示すような低周波(長
周期)の低速ランプ信号RPSがそれぞれ生成される。
比較器524ではこれら2つの信号RPF,RPSが比
較されて、図22(e)の点線に示すように、両者の電
圧レベルが一致したタイミングでサンプリングパルスが
生成される。
【0012】このように、時間軸拡大のためのサンプリ
ングは、反射して戻ってきたパルス(またはインパル
ス)の幅を十分に含むように、少しずつ時間位置を遅ら
せながら行う。またこれは距離の分解能に関係してい
る。ずらしながらサンプリングをして元のタイミング位
置に戻る時間は、検出時間遅延となる。
【0013】インパルスレーダの事例として、インパル
ス幅100ps、インパルス間隔周波数2MHz(周期
500ns)の場合には、時間軸拡大率は10万倍程度
である。この時、受信インパルス幅は10μs、インパ
ルス周期時間は50msに拡大される。なお、この拡大
された受信波形は、インパルス1周期の間に受信した波
形を10万倍に拡大したものとほとんど同一である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、パルス
レーダ(またはインパルスレーダ)では、基本的に一定
間隔でパルス(またはインパルス)の電波・超音波を発
射すると、該パルス(またはインパルス)が物体に当た
って反射波となって一定間隔で一定時間後に戻ってく
る。この反射波の電力の大きさは、送信電力、物体の反
射断面積、相互の距離およびアンテナの利得の関数とし
て与えられ、また反射波に熱雑音や周囲のノイズ等が加
わったものが受波信号として受信されることとなる。
【0015】しかしながら、従来のレーダにおいては、
物体までの距離が送波アンテナから離れていくと、反射
波の受信電力は相互距離の4乗に反比例するため、受波
アンテナから得られる受波信号電圧振幅(S)が急激に
低下してノイズ(N)に埋もれてしまい、正確な距離測
定が行えない、若しくは検出可能距離を伸ばすことがで
きないという問題点がある。
【0016】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、その目的とするところは、レーダ
としての検出可能距離を伸ばし、また距離一定の場合の
正確な物体の検出を可能とし、距離分解能を向上させた
レーダ、レーダの信号処理方法、レーダの通信方法およ
び記録媒体を提供することにある。
【0017】また本発明の他の目的は、レーダのセンサ
波を利用して物体検出と共に無線通信を行い得るレー
ダ、レーダの信号処理方法、レーダの通信方法および記
録媒体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本出願の請求項1に記載の発明は、パルスまたはイ
ンパルス電波を所定タイミングで発射して、物体からの
反射波を受波して処理するレーダにおいて、前記発射タ
イミングに同期した周期時間間隔内で一定時間間隔を刻
む第1サンプリングクロックに基づき、前記反射波によ
る受波信号をデジタル受波データに変換する変換手段
と、前記周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分
(Mは任意の正整数)のデジタル受波データを保持する
記憶手段を第1段から第N+1段(Nは任意の正整数)
までN+1個備えたデータ記憶手段と、前記周期時間間
隔内のサンプリング回数のM個分のデジタル受波データ
を前記第1段の記憶手段に保持させた後、前記発射タイ
ミングに同期して、前記第1段から第N段までの記憶手
段において第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容
を第i+1段の記憶手段に移動させた後、第1段から第
N段までの記憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶
手段に格納する制御手段とを具備することを特徴とする
レーダにある。
【0019】また、本出願の請求項2に記載の発明は、
他のレーダから所定タイミングで発射され、キャリアが
パルス変調または周波数変調された電波を受波して通信
するレーダにおいて、所定周期時間間隔内で一定時間間
隔を刻む第1サンプリングクロックに基づき、前記受波
信号をデジタル受波データに変換する変換手段と、前記
周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分(Mは任意
の正整数)のデジタル受波データを保持する記憶手段を
第1段から第N+1段(Nは任意の正整数)までN+1
個備えたデータ記憶手段と、前記周期時間間隔内のサン
プリング回数のM個分のデジタル受波データを前記第1
段の記憶手段に保持させた後、前記発射タイミングに同
期して、前記第1段から第N段までの記憶手段において
第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容を第i+1
段の記憶手段に移動させた後、第1段から第N段までの
記憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶手段に格納
する制御手段と、前記第N+1段の記憶手段の内容に基
づき、前記他のレーダからの通信データの内容を判定す
る判定手段とを具備することを特徴とするレーダにあ
る。
【0020】また、本出願の請求項3に記載の発明は、
前記発射タイミングに同期した周期時間間隔内で一定時
間間隔を刻む第1サンプリングクロックを低周波で位相
変調した第2サンプリングクロックを生成する時間軸拡
大サンプリングクロック生成手段と、前記反射波による
受波信号を前記第2サンプリングクロックでサンプリン
グするサンプリング手段とを具備し、前記変換手段は、
前記サンプリングされた信号を前記第1サンプリングク
ロックに基づくタイミングでデジタル受波データに変換
することを特徴とする請求項1たは2に記載のレーダに
ある。
【0021】また、本出願の請求項4に記載の発明は、
前記発射タイミングに同期した周期時間間隔内で一定時
間間隔を刻む第1サンプリングクロックを低周波で位相
変調した第2サンプリングクロックを生成する時間軸拡
大サンプリングクロック生成手段を具備し、前記変換手
段は、前記反射波による受波信号を前記第2サンプリン
グクロックに基づくタイミングでデジタル受波データに
変換することを特徴とする請求項1または2に記載のレ
ーダにある。
【0022】また、本出願の請求項5に記載の発明は、
前記第1サンプリングクロックまたは前記第2サンプリ
ングクロックが、前記発射タイミングに同期した周期時
間間隔をL区間に分割したときの1区間内でM個のサン
プリングタイミングを刻むとき、前記制御手段は、前記
L区間分割を規定するタイミングに同期して、前記第1
段から第N段までの記憶手段において第i段(i=1〜
N−1)の記憶手段の内容を第i+1段の記憶手段に移
動させた後、第1段から第N段までの記憶手段の内容を
加算して第N+1段の記憶手段に格納することを特徴と
する請求項1、3または4に記載のレーダにある。
【0023】また、本出願の請求項6に記載の発明は、
前記分割されたL区間の任意の区間を選択指定する選択
手段を具備し、前記サンプリング手段、前記変換手段ま
たは前記制御手段は、前記選択手段で選択指示された区
間について処理することを特徴とする請求項5に記載の
レーダにある。
【0024】また、本出願の請求項7に記載の発明は、
パルスまたはインパルス電波を所定タイミングで発射し
て、物体からの反射波を受波して処理するレーダの信号
処理方法において、前記発射タイミングに同期した周期
時間間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリングクロ
ックに基づき、前記反射波による受波信号をデジタル受
波データに変換する変換ステップと、前記周期時間間隔
内のサンプリング回数のM個分(Mは任意の正整数)の
デジタル受波データを第1段の記憶手段に保持する記憶
ステップと、前記発射タイミングに同期して、第1段か
ら第N段(Nは任意の正整数)までの記憶手段において
第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容を第i+1
段の記憶手段に移動させた後、第1段から第N段までの
記憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶手段に格納
する加算ステップとを具備することを特徴とするレーダ
の信号処理方法にある。
【0025】また、本出願の請求項8に記載の発明は、
他のレーダから所定タイミングで発射され、キャリアが
パルス変調または周波数変調された電波を受波して通信
するレーダの信号処理方法において、所定周期時間間隔
内で一定時間間隔を刻む第1サンプリングクロックに基
づき、前記受波信号をデジタル受波データに変換する変
換ステップと、前記周期時間間隔内のサンプリング回数
のM個分(Mは任意の正整数)のデジタル受波データを
第1段の記憶手段に保持する記憶ステップと、前記発射
タイミングに同期して、第1段から第N段(Nは任意の
正整数)までの記憶手段において第i段(i=1〜N−
1)の記憶手段の内容を第i+1段の記憶手段に移動さ
せた後、第1段から第N段までの記憶手段の内容を加算
して第N+1段の記憶手段に格納する加算ステップと、
前記第N+1段の記憶手段の内容に基づき、前記他のレ
ーダからの通信データの内容を判定する判定ステップと
を具備することを特徴とするレーダの信号処理方法にあ
る。
【0026】また、本出願の請求項9に記載の発明は、
前記発射タイミングに同期した周期時間間隔内で一定時
間間隔を刻む第1サンプリングクロックを低周波で位相
変調した第2サンプリングクロックを生成する時間軸拡
大サンプリングクロック生成ステップと、前記反射波に
よる受波信号を前記第2サンプリングクロックでサンプ
リングするサンプリングステップとを具備し、前記変換
ステップは、前記サンプリングされた信号を前記第1サ
ンプリングクロックに基づくタイミングでデジタル受波
データに変換することを特徴とする請求項7または8に
記載のレーダの信号処理方法にある。
【0027】また、本出願の請求項10に記載の発明
は、前記発射タイミングに同期した周期時間間隔内で一
定時間間隔を刻む第1サンプリングクロックを低周波で
位相変調した第2サンプリングクロックを生成する時間
軸拡大サンプリングクロック生成ステップを具備し、前
記変換ステップは、前記反射波による受波信号を前記第
2サンプリングクロックに基づくタイミングでデジタル
受波データに変換することを特徴とする請求項7または
8に記載のレーダの信号処理方法にある。
【0028】また、本出願の請求項11に記載の発明
は、前記第1サンプリングクロックまたは前記第2サン
プリングクロックが、前記発射タイミングに同期した周
期時間間隔をL区間に分割したときの1区間内でM個の
サンプリングタイミングを刻むとき、前記加算ステップ
は、前記L区間分割を規定するタイミングに同期して、
前記第1段から第N段までの記憶手段において第i段
(i=1〜N−1)の記憶手段の内容を第i+1段の記
憶手段に移動させた後、第1段から第N段までの記憶手
段の内容を加算して第N+1段の記憶手段に格納するこ
とを特徴とする請求項7、9または10に記載のレーダ
の信号処理方法にある。
【0029】また、本出願の請求項12に記載の発明
は、前記分割されたL区間の任意の区間を選択指定する
選択ステップを具備し、前記サンプリングステップ、前
記変換ステップまたは前記制御ステップは、前記選択ス
テップで選択指示された区間について処理することを特
徴とする請求項11に記載のレーダの信号処理方法にあ
る。
【0030】また、本出願の請求項13に記載の発明
は、第j区間(j=1〜L)について処理した結果、検
出対象の物体が第j区間から第j−1区間または第j+
1区間に移動していることを検出した際に、第j区間か
ら第j−1区間への移動時には前記第j区間を第j−1
区間方向に、第j区間から第j+1区間への移動時には
第j+1区間方向にそれぞれ1/2区間シフトする区間
シフトステップと、前記第1段から第N段までの記憶手
段をそれぞれ前半および後半に2分割した場合に、第j
区間から第j−1区間への移動時には、第i段(i=1
〜N−1)の記憶手段の前半の内容を第i段の記憶手段
の後半に、第k段(k=1〜N−2)の記憶手段の後半
の内容を第k+1段の記憶手段の前半にそれぞれシフト
した後、第1段の記憶手段の前半の内容をクリアし、第
j区間から第j+1区間への移動時には、第i段(i=
1〜N−1)の記憶手段の後半の内容を第i段の記憶手
段の前半に、第k段(k=2〜N−1)の記憶手段の前
半の内容を第k−1段の記憶手段の後半にそれぞれシフ
トした後、第N−1段の記憶手段の後半の内容をクリア
し、その後第1段から第N段までの記憶手段の内容を加
算して第N+1段の記憶手段に格納する記憶シフトステ
ップとを実行した後に、前記シフト後の第j区間につい
て、前記変換ステップ、前記記憶ステップおよび前記加
算ステップを実行することを特徴とする請求項11また
は12に記載のレーダの信号処理方法にある。
【0031】さらに、本出願の請求項14に記載の発明
は、請求項7、8、9、10、11、12または13に
記載のレーダの信号処理方法をコンピュータに実行させ
るためのプログラムとして記憶したコンピュータにより
読み取り可能な記録媒体にある。
【0032】そして、この請求項1、請求項7または請
求項14に記載の発明によれば、変換手段(変換ステッ
プ)により、パルスまたはインパルス電波の発射タイミ
ングに同期した周期時間間隔内で一定時間間隔を刻む第
1サンプリングクロックに基づき、物体からの反射波に
よる受波信号をデジタル受波データに変換し、制御手段
(記憶ステップ)により、周期時間間隔内のサンプリン
グ回数のM個分(Mは任意の正整数)のデジタル受波デ
ータを第1段の記憶手段に保持し、制御手段(加算ステ
ップ)により、発射タイミングに同期して、第1段から
第N段(Nは任意の正整数)までの記憶手段において第
i段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容を第i+1段
の記憶手段に移動させた後、第1段から第N段までの記
憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶手段に格納す
る。
【0033】このように、パルスまたはインパルス電波
の送波から次の送波までを1セットとしてデータ記憶手
段にNセット記憶し、時間位置の等しい受波データを順
次加算した結果に基づいて物体検出または物体までの距
離検出を行うので、熱雑音や周囲でランダムに発生する
ノイズは加算処理によって打ち消されることとなり、ノ
イズが増大することなく、また物体までの距離が送波ア
ンテナから離れていっても、従来のように受波アンテナ
から得られる受波信号電圧振幅(S)が急激に低下して
ノイズ(N)に埋もれてしまってしきい値に達せずに検
出不能となるようなことがなく、信号対雑音比S/Nを
向上させることができ、受波信号電圧振幅(S)が増大
してノイズ(N)が抑制されるので、レーダとしての検
出可能距離を大幅に伸ばすことができ、また距離一定の
場合の正確な物体の検出を可能とし、検出精度(距離分
解能)を向上させることができる。
【0034】また、請求項2、請求項8または請求項1
4に記載の発明によれば、変換手段(変換ステップ)に
より、所定周期時間間隔内で一定時間間隔を刻む第1サ
ンプリングクロックに基づき、他のレーダから所定タイ
ミングで発射され、キャリアがパルス変調または周波数
変調された電波を受波した受波信号をデジタル受波デー
タに変換し、制御手段(記憶ステップ)により、周期時
間間隔内のサンプリング回数のM個分(Mは任意の正整
数)のデジタル受波データを第1段の記憶手段に保持
し、制御手段(加算ステップ)により、発射タイミング
に同期して、第1段から第N段(Nは任意の正整数)ま
での記憶手段において第i段(i=1〜N−1)の記憶
手段の内容を第i+1段の記憶手段に移動させた後、第
1段から第N段までの記憶手段の内容を加算して第N+
1段の記憶手段に格納し、判定手段(判定ステップ)に
より、第N+1段の記憶手段の内容に基づき他のレーダ
からの通信データの内容を判定する。これにより、レー
ダのセンサ波を利用して物体検出と共に無線通信を行う
ことができ、しかもレーダセンシングにおいては検出可
能距離を大幅に伸ばし、また距離一定の場合の正確な物
体の検出を可能とし、検出精度(距離分解能)を向上さ
せることができる。
【0035】また、請求項3、請求項9または請求項1
4に記載の発明によれば、時間軸拡大サンプリングクロ
ック生成手段(時間軸拡大サンプリングクロック生成ス
テップ)により、発射タイミングに同期した周期時間間
隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリングクロックを
低周波で位相変調した第2サンプリングクロックを生成
し、サンプリング手段(サンプリングステップ)によ
り、反射波による受波信号を第2サンプリングクロック
でサンプリングし、変換ステップにおいて、サンプリン
グされた信号を第1サンプリングクロックに基づくタイ
ミングでデジタル受波データに変換する。これにより、
時間軸拡大サンプリングクロックによる時間軸拡大サン
プリングを行った信号についてデジタル信号への変換を
行うこととなり、信号処理を行う変換手段、データ記憶
手段および加算等を行う演算手段について動作周波数を
低速化することができ、回路設計の実現性を高めると共
に、回路コストを低減させることができる。
【0036】また、請求項4、請求項10または請求項
14に記載の発明によれば、時間軸拡大サンプリングク
ロック生成手段(時間軸拡大サンプリングクロック生成
ステップ)により、発射タイミングに同期した周期時間
間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリングクロック
を低周波で位相変調した第2サンプリングクロックを生
成し、変換手段(変換ステップ)において、反射波によ
る受波信号を第2サンプリングクロックに基づくタイミ
ングでデジタル受波データに変換する。これにより、変
換手段を除くデータ記憶手段および加算等を行う演算手
段について動作周波数を低速化することができ、回路設
計の実現性を高めると共に、回路コストを低減させるこ
とができる。
【0037】また、請求項5、請求項11または請求項
14に記載の発明によれば、第1サンプリングクロック
または第2サンプリングクロックが、発射タイミングに
同期した周期時間間隔をL区間に分割したときの1区間
内でM個のサンプリングタイミングを刻むとき、制御手
段(加算ステップ)において、L区間分割を規定するタ
イミングに同期して、第1段から第N段までの記憶手段
において第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容を
第i+1段の記憶手段に移動させた後、第1段から第N
段までの記憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶手
段に格納する。検出物体までの距離が長い場合に距離精
度の仕様を確保しようとすれば、データ記憶手段の各段
の記憶手段の容量が大きな値となって実現性が難しくな
るが、物体が進行方向から侵入する場合には近距離部分
についての検出は不要であることから、検出範囲の上限
から検出処理を行うようにして記憶手段の容量を抑制す
るものである。また、これにより距離精度を確保しつつ
物体検出の処理時間の遅れも低減することができる。
【0038】また、請求項6、請求項12または請求項
14に記載の発明によれば、選択手段(選択ステップ)
により、分割されたL区間の任意の区間を選択指定し、
サンプリング手段(サンプリングステップ)、変換手段
(変換ステップ)または制御手段(制御ステップ)にお
いて、選択手段(選択ステップ)で選択指示された区間
について処理するのが望ましい。
【0039】さらに、本出願の請求項13または請求項
14に記載の発明によれば、区間シフトステップによ
り、第j区間(j=1〜L)について処理した結果、検
出対象の物体が第j区間から第j−1区間または第j+
1区間に移動していることを検出した際に、第j区間か
ら第j−1区間への移動時には第j区間を第j−1区間
方向に、第j区間から第j+1区間への移動時には第j
+1区間方向にそれぞれ1/2区間シフトし、記憶シフ
トステップにより、第1段から第N段までの記憶手段を
それぞれ前半および後半に2分割した場合に、第j区間
から第j−1区間への移動時には、第i段(i=1〜N
−1)の記憶手段の前半の内容を第i段の記憶手段の後
半に、第k段(k=1〜N−2)の記憶手段の後半の内
容を第k+1段の記憶手段の前半にそれぞれシフトした
後、第1段の記憶手段の前半の内容をクリアし、第j区
間から第j+1区間への移動時には、第i段(i=1〜
N−1)の記憶手段の後半の内容を第i段の記憶手段の
前半に、第k段(k=2〜N−1)の記憶手段の前半の
内容を第k−1段の記憶手段の後半にそれぞれシフトし
た後、第N−1段の記憶手段の後半の内容をクリアし、
その後第1段から第N段までの記憶手段の内容を加算し
て第N+1段の記憶手段に格納し、その後、シフト後の
第j区間について、変換ステップ、記憶ステップおよび
加算ステップを実行する。これにより、周期時間間隔を
区間分割して処理する際の物体の移動に合わせた追従機
能を実現することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明のレーダ、レーダの
信号処理方法、レーダの通信方法および記録媒体の実施
の形態について、〔第1の実施形態〕、〔第2の実施形
態〕、〔第3の実施形態〕の順に図面を参照して詳細に
説明する。
【0041】〔第1の実施形態〕図1は本発明の第1の
実施形態に係るレーダの構成図である。図1(a)は実
施形態のレーダの全体構成図、図1(b)は実施形態の
レーダの信号処理部の構成図である。
【0042】図1(a)において、本実施形態のレーダ
は、クロック生成部101,インパルス発生部102,
送波アンテナ103,受波アンテナ105,信号処理部
106および判定・画像処理部107を備えて構成され
ている。
【0043】クロック生成部101では基準クロックC
LKを生成して、インパルス発生部102では、該基準
クロックCLKに基づく一定間隔でインパルス電波を送
波アンテナ103を介して発射する。ここで、インパル
ス電波は、そのパルス幅が時間間隔に比べて極端に狭く
非常に高い周波数域にまでスペクトルが無数に拡がった
ものである。なお本実施形態ではインパルスレーダにつ
いて例示しているが、パルスレーダとする場合には、イ
ンパルス発生部をパルス発生部に置き換えて、該パルス
発生部において、1つの周波数の電波(キャリア)を用
いて該キャリアを基準クロックCLKに基づくパルス信
号で断続的にアンテナから放射することとなる。
【0044】また受波アンテナ105では、検出対象の
物体からの反射波を受波して信号処理部106に受波信
号RFIを供給する。信号処理部106は、受波信号R
FIについてサンプリングしてデジタル受波データに変
換し、データ処理を施す。図1(b)にこの信号処理部
106の構成図を示す。
【0045】図1(b)において、信号処理部106
は、A/D変換部111,制御部112,データ記憶部
113および演算部114を備えて構成され、これら構
成要素がバス151を介して接続された構成である。な
お、バス151は判定・画像処理部107とも接続さ
れ、信号処理部106からの出力データを供給する。
【0046】さらに、図2には、信号処理部106のよ
り具体的な第1,第2および第3の実施例について構成
図を例示している。すなわち、図2(a),(b)およ
び(c)はそれぞれ信号処理部106の第1,第2およ
び第3の実施例の構成図である。
【0047】図2(a)に示す信号処理部106の第1
の実施例は、図1(b)の構成をより具体的に示したも
ので、制御部112内に、発射タイミングを刻む基準ク
ロックCLKに同期したA/D変換処理用のサンプリン
グクロックSCK(請求の範囲にいう第1サンプリング
クロック)を生成するクロック生成部115を備えてい
る。つまり、信号処理部106の第1の実施例では、A
/D変換部111において、発射タイミングに同期した
周期時間間隔内で一定時間間隔を刻むサンプリングクロ
ックSCKに基づき受波信号RFIをデジタル受波デー
タに変換する。
【0048】また、データ記憶部113の構成図を図3
に示す。図3において、データ記憶部113は、周期時
間間隔内のサンプリング回数のM個分(Mは任意の正整
数)のデジタル受波データを保持する記憶手段を第1段
から第N+1段(Nは任意の正整数)までN+1個備え
た構成である。つまり、第1段から第N+1段までの各
段の記憶手段は周期時間間隔内のサンプリング回数分の
容量を持ち、アドレスA0からAM-1までが割り当てられ
て、各アドレスに1個のサンプリングデータが記憶され
ることになる。
【0049】また制御部112では、まず、周期時間間
隔内のサンプリング回数のM個分のデジタル受波データ
を第1段の記憶手段に順次記憶させ、発射タイミングに
同期したタイミングで、第1段から第N段までの記憶手
段において第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容
を次段である第i+1段の記憶手段にシフトさせる。つ
まり、第1段の記憶手段の内容を第2段の記憶手段に、
第2段の記憶手段の内容を第3段の記憶手段に、…、第
N−1段の記憶手段の内容を第N段の記憶手段にそれぞ
れ移動させる。その直後に、さらに演算部114を使用
して、第1段から第N段までの記憶手段のそれぞれの内
容を加算して第N+1段の記憶手段に格納する。つまり
アドレスj(j=A0〜AM-1)について、第1段から第
N段までのデータを加算して第N+1段の記憶手段のア
ドレスjに記憶する。
【0050】図4には、データ記憶部113の各段の記
憶手段に記憶されるデータの内容を例示する説明図を示
す。すなわち、図4(a)は第1段の記憶手段に記憶さ
れている(送波から次の送波の直前までの)データであ
り、図4(b)は第2段の記憶手段に記憶されている
(次の送波からその次の送波の直前までの)データであ
り、図4(c)は第N+1段の記憶手段に記憶されてい
るデータであって第1段から第N段までの記憶手段の内
容が加算されたものである。なお、図4では受波アンテ
ナ105で受信された受波信号RFIの信号波形を示し
ており、反射波のみでなく送波信号も含んでいる(図中
の最初の大きな部分が送波信号に相当し、それ以降の部
分が反射波に相当する)。また、図中の縦の破線はA/
D変換におけるサンプリングタイミングで(実際にはも
っと密にサンプリングされる)、正確には、データ記憶
部113の各段の記憶手段にはそのサンプリングタイミ
ングでのサンプリング(A/D変換)データ(デジタル
値)が記憶されることとなる。
【0051】さらに、判定・画像処理部107では、デ
ータ記憶部113の第N+1段の記憶手段の内容を出力
データ(バス151)を介して順次読み出し、所定のし
きい値で識別することにより物体の検出を行う。つま
り、最初に現れる送波部分が該しきい値を越えて検出さ
れるが、その後順次しきい値との比較が行われて、物体
からの反射波のところでもしきい値を越えて検出される
ことになる。したがって、この送波部分から反射波まで
の時間差に高速を掛けることによって物体までの実距離
が検出できることになる。判定処理をより簡単にするに
は、送波部分の時点でカウントを開始し、反射波の部分
でカウント動作をストップさせ、カウント動作のための
クロックを高速を考慮した周波数に選べば、カウントさ
れた値を距離として直読することができる。
【0052】以上、第1の実施形態のレーダ(信号処理
部106については第1の実施例)の構成について詳細
に説明したが、このレーダにおける信号処理方法につい
てまとめて説明する。すなわち、まず変換ステップにお
いて、A/D変換部111によりパルスまたはインパル
ス電波の発射タイミングに同期した周期時間間隔内で一
定時間間隔を刻むサンプリングクロックCLKに基づ
き、物体からの反射波による受波信号RFIをデジタル
受波データに変換し、次に記憶ステップにおいて、制御
部112により周期時間間隔内のサンプリング回数のM
個分のデジタル受波データを第1段の記憶手段に保持
し、さらに加算ステップにおいて、制御手段112によ
り、発射タイミングに同期して第1段から第N段までの
記憶手段において第i段(i=1〜N−1)の記憶手段
の内容を第i+1段の記憶手段に移動させた後、第1段
から第N段までの記憶手段の内容を加算して第N+1段
の記憶手段に格納し、さらに判定・画像処理部107に
よって物体までの距離を検出する。
【0053】このように、本実施形態のレーダでは、イ
ンパルス送波から次のインパルス送波までを1セットと
してデータ記憶部113にNセット記憶し、時間位置の
等しい(同一アドレス)の受波データを順次加算した結
果に基づいて物体検出または物体までの距離検出を行う
ので、熱雑音や周囲でランダムに発生するノイズは加算
処理によって打ち消されることとなり、ノイズが増大す
ることなく、また物体までの距離が送波アンテナから離
れていっても、従来のように受波アンテナから得られる
受波信号電圧振幅(S)が急激に低下してノイズ(N)
に埋もれてしまってしきい値に達せずに検出不能となる
ようなことがなく、信号対雑音比S/Nを向上させるこ
とができ、受波信号電圧振幅(S)が増大してノイズ
(N)が抑制されるので、レーダとしての検出可能距離
を大幅に伸ばすことができ、また距離一定の場合の正確
な物体の検出を可能とし、検出精度(距離分解能)を向
上させることができる。
【0054】次に、信号処理部を第2の実施例すなわち
図2(b)に示す構成で実現した場合の第1の実施形態
のレーダについて説明する。
【0055】図2(b)において、信号処理部106b
は、サンプリング部117b,A/D変換部111b,
制御部112b,データ記憶部113bおよび演算部1
14bを備えて構成され、これら構成要素がバス151
bを介して接続された構成である。また制御部112b
には、クロック生成部115bと時間軸拡大サンプリン
グクロック生成部116bとを備えている。
【0056】制御部112bにおいて、クロック生成部
115は発射タイミングを刻む基準クロックCLKに同
期したA/D変換処理用のサンプリングクロックSCK
(第1サンプリングクロック)を生成し、時間軸拡大サ
ンプリングクロック生成部116bはサンプリングクロ
ックSCKを低周波で位相変調した時間軸拡大サンプリ
ングクロックSP(第2サンプリングクロック)を生成
する。
【0057】つまり、信号処理部106の第2の実施例
では、サンプリング部117bにおいて時間軸拡大サン
プリングクロックSPのタイミングで受波信号RFIを
時間軸拡大サンプリングし、そしてA/D変換部111
bにおいて、サンプリングクロックSCKに基づきサン
プリングされた信号をデジタル受波データに変換する。
【0058】従来例においても説明したように、時間軸
拡大サンプリングクロックSPは、時間軸を拡大したい
範囲(例えば1000パルス分の時間)で直線的に上昇
する電圧波形(のランプ信号、すなわち三角波)を作成
し、別途1パルス分の三角波の繰り返しとなる電圧を作
成し、これら2つの電圧を比較し一致したところでサン
プリングパルスを生成したものである。この時間軸拡大
サンプリングクロックSPは、長周期の三角波によって
位相がだんだんずらされていくので、(1パルスで1サ
ンプリングするとすれば)サンプリングタイミングがサ
ンプリング毎にだんだんずれていき、送波から次の送波
までの間のデータを(例えば1000回の送波で)全て
集めたことになる。こうして送波から次の送波までの時
間(例えば1μs,500ns)を、結果的に(例えば
1000倍に)拡大して(1ms,500μs)、かつ
送波パルスまたはインパルス自体の幅も(例えば1ns
が1μsに)拡大されて低周波化されたことになる。
【0059】上記第1の実施例の信号処理部106を使
用した構成では、送波パルスまたはインパルスの発射間
隔が高速になると、サンプリング周波数SCKが超高周
波となり、A/D変換部111,制御部112,データ
記憶部113および演算部114の回路設計に超高速性
が要求され、回路の実現性やコスト等に課題が生じてし
まうが、時間軸拡大サンプリングを行った後にA/D変
換を行う第2実施例の信号処理部106bを使用した場
合には、信号処理部全体(A/D変換部111b,制御
部112b,データ記憶部113bおよび演算部114
b)について低速化することができ、回路設計の実現性
を高めると共に、回路コストを低減させることができ
る。
【0060】例えば、送波インパルスの幅がナノ秒以下
である時には、受信する反射波も同程度の幅となるが、
これを見逃さずにサンプリングするためには、最小でも
その幅の半分の時間を逆数にした(GHz台の)周波数
を持つサンプリングクロックSCKが必要となり、商用
ベースのA/D変換用ICが数十から数百kHzのクロ
ックを、またTV信号処理用の高価なA/D変換用IC
でも数十MHzのクロックを使用している現在のデバイ
ス技術から鑑みて、現実には実現不可能である。これに
対して、時間軸拡大サンプリングを行うことにより周波
数をkHz台まで低周波化できるので、デバイスの入手
が容易であり、回路の実現は可能となる。
【0061】また、信号処理部の動作周波数は、発射電
波の媒体が電磁波か音波かによって異なるし、それぞれ
の要求仕様としても測距できる最短距離にもよる。具体
的な数値を上げて検討してみれば、例えば電波で1mが
最短距離の時にはパルス幅は6.6ns以下であり、電
波でも10mまでであれば66nsである。したがっ
て、第1の実施例の信号処理部では、6.6nsの反射
波を3回はサンプリングしたいとすれば2.2ns間隔
となり、A/D変換部111のクロックSCKの周波数
は450MHzとなって、最短距離1mの仕様に対して
回路実現が難しいものとなり、第2の実施例の如く時間
軸拡大サンプリング技術を導入する必要がある。
【0062】次に、信号処理部を第3の実施例すなわち
図2(c)に示す構成で実現した場合の第1の実施形態
のレーダについて説明する。
【0063】図2(c)において、信号処理部106c
は、A/D変換部111c,制御部112c,データ記
憶部113cおよび演算部114cを備えて構成され、
これら構成要素がバス151cを介して接続された構成
である。また制御部112cには、時間軸拡大サンプリ
ングクロック生成部116cを備えている。
【0064】制御部112cにおいて、時間軸拡大サン
プリングクロック生成部116cは発射タイミングを刻
む基準クロックCLKに同期した信号を低周波で位相変
調した時間軸拡大サンプリングクロックSP(第2サン
プリングクロック)を生成する。つまり、信号処理部1
06の第3の実施例では、A/D変換部111cにおい
て、時間軸拡大サンプリングクロックSPに基づき受波
信号RFIをデジタル受波データに変換する。
【0065】この第3実施例の信号処理部106cによ
っても、第2の実施例と同様に、A/D変換部111c
を除く信号処理部(制御部112c,データ記憶部11
3cおよび演算部114c)について低速化することが
でき、回路設計の実現性を高めると共に、回路コストを
低減させることができる。
【0066】次に、第1の実施形態のレーダにおける信
号処理方法の幾つかの変形について説明する。
【0067】まず第1の変形例では、信号処理部106
のサンプリングクロックSCKまたは時間軸拡大サンプ
リングクロックSPを、発射タイミングに同期した周期
時間間隔をL区間に分割したときの1区間内でM個のサ
ンプリングタイミングを刻むように生成するものであ
る。この場合、制御部112(加算ステップ)において
は、L区間分割を規定するタイミングに同期して、第1
段から第N段までの記憶手段において第i段(i=1〜
N−1)の記憶手段の内容を第i+1段の記憶手段に移
動させた後、第1段から第N段までの記憶手段の内容を
演算部114により加算して第N+1段の記憶手段に格
納することになる。
【0068】検出物体までの距離が長い場合に、距離精
度の仕様を確保しようとすれば、データ記憶部113の
各段の記憶手段の容量(M)が大きな値となってくる
が、物体が進行方向から侵入する場合には近い距離の部
分は不要であるから検出範囲の上限から処理を行うよう
にすれば記憶手段の容量(M)は少なくて済むことにな
る。また、距離精度を確保しつつ物体検出の処理時間の
遅れも低減することができる。
【0069】元々、サンプリングはパルスまたは拡大さ
れたインパルスを確実にサンプリングする必要があり、
この幅は検出できる最短距離と関係し、また(発射電力
が十分であると仮定して)最長検出距離はパルス間隔が
関係している。例えば、最短距離1m、最長距離100
mであれば、各段の記憶手段は、1パルスで3回サンプ
リングする場合に300アドレス分の容量がそれぞれ必
要になる。全体では300×(N+1)アドレス分の容
量が必要となる。また、これを処理する演算時間も1パ
ルス毎に処理を終わらせるために超高速クロックが必要
となり実現不可能なことになる。
【0070】ところで、レーダを考えたとき、何も物体
を検出していない状態から始めると、いきなり近距離に
物体が入ってくることは有り得ず、最大検出距離に入っ
てきた時点から検出を始めればよい。そこで、図5
(a)および(b)に示すように、周期時間間隔を第1
から第LまでのL区間に分割した場合、図5(c)およ
び(d)に示すように、まず最大検出距離付近の第L区
間から見ていけばよいことになるから、各段の記憶手段
の容量は300/Lアドレス分あればよいことになる。
一般化した表現では、M/Lアドレス分の容量で良い。
【0071】或いは、サンプリング間隔(上記例では、
3回)は、実際には距離精度を左右するものでもあるか
ら、L分割によってデータ記憶部113の記憶手段の容
量を全て割り当てれば距離分解能が上がることになる。
何れにしても演算部114等の動作クロックも低速化す
ることができる。
【0072】次に、第2の変形例は、図6(a)に示す
ようなL区間分割において、図6(b)および(c)に
示すように、第j区間(j=1〜L)についてサンプリ
ングした結果から検出対象の物体が第j区間から第j−
1区間に移動していることを検出した際には、図6
(d)に示すように、第j区間を第j−1区間方向に1
/2区間シフトし(区間シフトステップ)、第1段から
第N段までの記憶手段をそれぞれ前半および後半に2分
割したときの第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の前
半の内容を第i段の記憶手段の後半に、第k段(k=1
〜N−2)の記憶手段の後半の内容を第k+1段の記憶
手段の前半にそれぞれシフトした後、第1段の記憶手段
の前半の内容をクリアし、その後第1段から第N段まで
の記憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶手段に格
納し(記憶シフトステップ)、その後、シフト後の第j
区間について、変換ステップ、記憶ステップおよび加算
ステップを実行するものである。
【0073】第1の変形例のようにL区間に分割して処
理を行うと、全測距・検知領域の1/Lの区間(領域)
しか見ていないことになるので、物体が移動していくと
それに追従していく機能が必要となる。第2の変形例は
この追従機能を実現したものである。
【0074】つまり、現在最遠方の区間である第L区間
に物体が侵入してくる場合に、その後だんだん物体は移
動して第L−1区間に入り始める。物体が接近しつつあ
ることは測定距離の変化から判る。そこで、この接近し
つつあるという情報に基づきサンプリング区間を移すよ
うにすればよい。しかし、1度に1区間分移動させたの
では境目が分かりにくいので、上記のように1/2区間
だけサンプリング区間をシフトさせるようにしたもので
ある。また、この区間シフトに合わせてデータ記憶部1
13の保持内容も、図7に示すように、サンプリング区
間のシフトに合わせてシフトさせれば、変更後のサンプ
リング位置とデータ記憶部113の内容が一致して、物
体の移動に合わせた追従機能を実現することができる。
【0075】データ記憶部113における記憶シフト操
作は、各段の記憶手段のアドレスA0〜AM-1の内容をM
/2だけシフトするものである。つまり、アドレスA0
の内容をアドレスA0+M/2に移し、アドレスA1の内容を
アドレスA1+M/2に移し、…、アドレスAM/2-1の内容を
アドレスAM-1に移すというように、第1段から第N段
の記憶手段を並べたとして全てのアドレスの内容をM/
2アドレス分だけ右にシフトする。その後、第1段のア
ドレスA0,A1,…,AM/2-1の内容を”0”にクリア
しておく。
【0076】なお、このような場合のサンプリングクロ
ックは、信号処理部106を第1の実施例で構成した場
合には、図7に示すように、サンプリング発生開始時点
および終了時点が分割された時点或いはM/2ずらした
タイミング時点に一致していればよい。
【0077】また、信号処理部106を第2の実施例で
構成した場合には、図8に示すように、(パルスまたは
インパルス発射間隔に合わせた)長周期の低速ランプ波
形(三角波)の開始時点が区間分割された時点或いは上
記M/2ずらしたタイミング時点に一致していて、終了
時点が1区間分の時間経過後になっていればよい。
【0078】以上、近づく場合について説明したが、物
体が遠ざかる場合には、以下のようになる。すなわち、
第j区間(j=1〜L)について処理した結果から検出
対象の物体が第j区間から第j+1区間に移動している
ことを検出した際には第j区間を第j+1区間方向に1
/2区間シフトし(区間シフトステップ)、第1段から
第N段までの記憶手段をそれぞれ前半および後半に2分
割したときの第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の後
半の内容を第i段の記憶手段の前半に、第k段(k=2
〜N−1)の記憶手段の前半の内容を第k−1段の記憶
手段の後半にそれぞれシフトした後、第N−1段の記憶
手段の後半の内容をクリアし、その後第1段から第N段
までの記憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶手段
に格納し(記憶シフトステップ)、その後、シフト後の
第j区間について、変換ステップ、記憶ステップおよび
加算ステップを実行する。
【0079】また、物体の移動に伴って、データ記憶部
113において物体が検出される時点でのアドレス(A
0〜AM-1)がどう移動しているか、並びに、記憶シフト
操作の方向(右シフトか左シフトか)の2つの観点か
ら、物体が近づいているかまたは遠ざかっているかの方
向判別を行うことができ、また、サンプリング間隔は時
間であり、かつ距離に変換できるから単位時間での変化
量は速度になることから、その変化の速さを単位時間で
測定するようにすればその速さが判別でき、方向、距離
および相対速度を判断することができる。したがってこ
の場合、判定・画像処理部107において、検出物体の
移動方向、距離、速度を画像表示できることになる。
【0080】〔第2の実施形態〕次に、第2および第3
の実施形態を説明する前に、「通信センシング」につい
て簡単に説明しておく。従来のレーダおよび第1の実施
形態のレーダはレーダセンサとしてのみ使用されてい
て、物体を検出した検出信号或いは該検出信号に基づく
制御信号は有線、無線を問わず別途の通信系で伝送され
るのが常であり、そのために通信線を敷設するか、別途
周波数の異なる無線機を必要としていた。
【0081】例えば、見通しの悪い道路等で車両の存在
をレーダで検出し、対向車がある場合には、対向車があ
ることを車両搭載機器によって運転者に警告するシステ
ムや、或いは、道路が広くてスピードが出すぎてカーブ
を曲がりきれない事故多発地点等で、車両の存在と速度
をレーダによって検出して危険速度であれば車両搭載機
器により運転者に警告するシステム等がある。このよう
なシステムでは、別途手段の無線通信機を用いて警告信
号を伝達することが行われている。
【0082】本発明の第2および第3の実施形態のレー
ダは、レーダのセンサ波を利用して物体検出と共に無線
通信を行い得るものである。すなわち、第2の実施形態
では通常パルスレーダと呼ばれる方式においてセンスし
ながら通信を行うものを、第3の実施形態では、ドプラ
レーダ(FM−CWレーダ)と呼ばれる方式においてセ
ンスしながら通信を行うものをそれぞれ提案している。
なお、FM−CWレーダが本質的に速度、距離を測定で
き構成がやや複雑であるのに対して、パルスレーダは本
質的に距離を測定でき、やや簡単な構成であり、速度に
ついて距離の単位時間の変化を計算した結果として2次
的に得るといった特徴がある。また、方角については、
アンテナの工夫(放射ビームを細かくしたりビームを振
らせたりすること)によって組み合わせて得ることがで
きる。
【0083】図9は、第2および第3の実施形態のレー
ダが適用されるITS(Intelligent Transport(ation)
System;高度道路交通システム)分野の具体例を例示
する説明図である。なお、ITSは現在よりもはるかに
安全、迅速、快適な交通システムを情報通信技術で高度
化実現する自動車交通運輸等システムである、図9にお
いて、自車201および後方車両202はそれぞれ前方
レーダおよび後方レーダを搭載していて、車間を測定し
ている状況を想定している。すなわち、自車201は、
後方を電波f1で測距しつつ同一電波f1で後方車両2
02に通信信号を送っており、後方車両202は、前方
を電波f2で測距しつつ同一電波f2で通信信号を自車
201に送っている。図中、自車201と後方車両20
2間を斜めに渡っている線が反射波を表している。この
場合に、後方車両202が危険な程までに接近してきた
ことを自車201が検出したら、該後方車両202に対
して車間を広げるように通信する様なことが考えられ
る。
【0084】次に、第2の実施形態が適用される「パル
スレーダ方式」について、図10および図11を参照し
て簡単に説明しておく。
【0085】パルスレーダは、通常、キャリアを一定幅
・一定間隔のパルスでオン/オフキーイング(パルス変
調)して発射する。すなわち、通信すべきデータがない
状態では図10(a)に示すような一定間隔のパルスと
し、通信すべきデータがあって、通信データが「0」の
ときは図10(b)に示すように通信すべきデータがな
い場合と同一のパルス間隔とし、また通信データが
「1」のときは図10(c)に示すように、通信データ
「0」の場合の1.5倍のパルス間隔とされる。このよ
うにして、センシング動作を継続しつつ通信データを送
ることが可能となる。なお、1.5倍の数値は例示であ
って変化されていればよく、特に意味はない。
【0086】一方、受信機側では、パルス波を受信復調
して、パルス間隔の検定を行うことにより、データ
「0」,「1」を判定して受信データを再現する。すな
わち受波パルスが図11(a)に示されるパルス間隔で
あれば通信データは「0」と判定され、図11(b)に
示されるパルス間隔であれば通信データは「1」と判定
される。なお、センシング動作は図11(c)に示され
る反射波によって行われる。
【0087】図12および図13は本発明の第2の実施
形態に係るレーダの構成図である。図12においてはレ
ーダ送波部211およびレーダ受信部212の構成を示
し、図13においては情報を含むレーダ波受信通信機の
構成を示す。すなわち、本実施形態のレーダは、少なく
ともレーダ送波部211、レーダ受信部212および情
報を含むレーダ波受信通信機を備えて構成されるもので
ある。
【0088】まずレーダ送波部211は、パルス発生部
311,パルス変調部312,パルス位置制御部31
3,キャリア発生部314およびアンテナ213を備え
て構成されている。すなわち、1つの周波数のキャリア
を用いてそのキャリアをパルス信号で断続的にアンテナ
から放射するものである。各構成要素の機能および動作
については周知のものであるので、ここでの説明は省略
する。
【0089】次に、レーダ受信部212は、アンテナ2
13,フロントエンド321,検波回路322,時間軸
拡大部323,AD変換部324,記憶部・処理部32
5,距離判定部326,制御部327およびクロック生
成部(SGC)328を備えて構成されている。
【0090】アンテナ213,フロントエンド321お
よび検波回路322は、通常のレーダや無線機の受波ま
たは受信系で使用されているものと同等である。またそ
の他の構成要素については、第1の実施形態のレーダに
おいて信号処理部を第3の実施例で構成したもの(図2
(c)参照)と対応させることで、その説明を簡略にす
る。すなわち、時間軸拡大部323は図2(c)におけ
る時間軸拡大サンプリングクロック生成部116cに相
当し、AD変換部324は図2(c)におけるA/D変
換部111cに相当し、記憶部・処理部325はデータ
記憶部113cおよび演算部114cに相当し,距離判
定部326は図1(a)における判定・画像処理部10
7に相当し、制御部327は図2(c)における制御部
112cに相当し、クロック生成部(SGC)328は
図2(c)における制御部112c内に構成されるもの
である。
【0091】なお、本実施形態のレーダ受波部212で
は、第1の実施形態とは信号処理のためのサンプリング
範囲が異なる。つまり、第1の実施形態では送波パルス
から次の送波パルスまでの範囲であったが、本実施形態
では、送波間隔が通信データ「0」,「1」によって変
化するため、何れの場合も送波から最大距離に相当する
時間位置までをサンプリング範囲(対象)とされること
になる。
【0092】さらに、図13において、レーダ波受信通
信機は、アンテナ213,フロントエンド331,検波
回路332,時間軸拡大部333,AD変換部334,
記憶部・処理部335,1,0判定部336,制御部3
37およびクロック生成部(SGC)338を備えて構
成されている。
【0093】アンテナ213,フロントエンド321お
よび検波回路322は、通常の無線機の受信系で使用さ
れているものと同等である。またその他の構成要素につ
いては、第1の実施形態のレーダにおいて信号処理部を
第3の実施例で構成したもの(図2(c)参照)と対応
させることで、その説明を簡略にする。すなわち、時間
軸拡大部333は図2(c)における時間軸拡大サンプ
リングクロック生成部116cに相当し、AD変換部3
34は図2(c)におけるA/D変換部111cに相当
し、記憶部・処理部335はデータ記憶部113cおよ
び演算部114cに相当し,1,0判定部336は図1
(a)における判定・画像処理部107に相当し、制御
部337は図2(c)における制御部112cに相当
し、クロック生成部(SGC)338は図2(c)にお
ける制御部112c内に構成されるものである。
【0094】なお、レーダ受波部212がレーダセンサ
として反射波処理を行うのに対して、レーダ波受信通信
機では相手が送波したレーダ(センサ)波を直接波とし
て受信して直接は処理を行う点で異なる。したがって、
レーダ波受信通信機では、上記レーダ受波部212が送
波パルスから最大距離に相当する時間までを見るのとは
異なり、他者が送波したものを受信しかつ送られて来る
信号が「0」か「1」かを判定するので、サンプリング
は連続して切れ目無く、かつ「0」,「1」を表すパル
ス間隔の内の何れか長い送波間隔以上の時間分だけ記憶
部における記憶手段のメモリ長が必要となる。
【0095】次に、本実施形態のレーダのレーダ受波部
212における信号処理方法を説明する。第1の実施形
態のレーダと同様に、まず変換ステップにおいて、AD
変換部324によりパルス電波の発射タイミングに同期
して生成された時間軸拡大サンプリングクロックSPに
基づき、物体からの反射波による受波信号をデジタル受
波データに変換し、次に記憶ステップにおいて、制御部
327によりサンプリング回数のM個分のデジタル受波
データを第1段の記憶手段に保持し、さらに加算ステッ
プにおいて、制御手段327により、発射タイミングに
同期して第1段から第N段までの記憶手段において第i
段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容を第i+1段の
記憶手段に移動させた後、第1段から第N段までの記憶
手段の内容を加算して第N+1段の記憶手段に格納し、
さらに距離判定部327によって物体までの距離、速度
および方向を検出するための距離速度方向データを求め
る。
【0096】また、本実施形態のレーダのレーダ波受信
通信機における信号処理方法を説明する。まず変換ステ
ップにおいて、AD変換部334によりパルス電波の発
射タイミングに同期して生成された時間軸拡大サンプリ
ングクロックSPに基づき、直接波の受波信号をデジタ
ル受波データに変換し、次に記憶ステップにおいて、制
御部337によりサンプリング回数のQ個分のデジタル
受波データを第1段の記憶手段に保持し、さらに加算ス
テップにおいて、制御手段337により、発射タイミン
グに同期して第1段から第N段までの記憶手段において
第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容を第i+1
段の記憶手段に移動させた後、第1段から第N段までの
記憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶手段に格納
する。
【0097】図14には、各段の記憶手段に記憶される
データの内容を例示する説明図を示す。ここで各段の記
憶手段は所定のサンプリング回数分のデータ量を格納し
得る容量を持っており、アドレスA0〜AQ-1が割り当て
られている。すなわち、図14(a)は第1段の記憶手
段に記憶されている(送波から次の送波を少し過ぎた辺
りまでの)データであり、図14(b)は第2段の記憶
手段に記憶されている(次の送波からその次の送波を少
し過ぎた辺りまでの)データであり、図14(c)は第
N+1段の記憶手段に記憶されているデータであって第
1段から第N段までの記憶手段の内容が加算されたもの
である。なお、図14では受波アンテナ213で受信さ
れた受波信号の信号波形を示しており、他者からの直接
波のみ含んでいる。また、図中の縦の破線はA/D変換
におけるサンプリングタイミングで(実際にはもっと密
にサンプリングされる)、正確には、各段の記憶手段に
はそのサンプリングタイミングでのサンプリング(A/
D変換)データ(デジタル値)が記憶されることとな
る。
【0098】次に、判定ステップにおいては、1,0判
定部336により、第N+1段の記憶手段の内容に基づ
き他のレーダからの通信データの内容を判定する。すな
わち、図15(a)に示すように、第N+1段の記憶手
段のアドレスA0〜AQ-1の何れか2個所において所定の
しきい値を越えれば通信データは「0」であると判定さ
れ、図16(a)に示すように、第N+1段の記憶手段
のアドレスA0〜AQ-1の何れか1個所において所定のし
きい値を越えれば通信データは「1」であると判定され
る。
【0099】さらに1,0判定部336における判定処
理を改良するならば、上記処理において信号がしきい値
を越えたアドレスA(2個所ある場合は小さいほうのア
ドレス)をアドレスA0とするために、現在のアドレス
ポインタの値からAだけ差し引くと同時に、第N段の記
憶手段のデータを(A−A0)だけ左シフトさせる。こ
のようにすれば、通信データが「0」の時には図15
(b)に示すように、アドレスA0とアドレスB−Aに
しきい値を越える個所が現れ、通信データが「1」の時
には図16(b)に示すように、アドレスA0とアドレ
スAQ-1にしきい値を越える個所が現れることとなる。
したがって、途中のアドレスのデータについては除外し
てアドレスA0とアドレスAQ-1のデータについてのみ処
理をすれば判定を行うことができるので、確実性が向上
すると共に処理時間を短縮することができる。
【0100】以上のように、本実施形態のレーダでは、
レーダのセンサ波を利用して物体検出と共に無線通信を
行うことができ、しかもレーダセンシングにおいては検
出可能距離を大幅に伸ばし、また距離一定の場合の正確
な物体の検出を可能とし、検出精度(距離分解能)を向
上させることができる。なお、本実施形態のレーダにお
いても、第1の実施形態のレーダの信号処理部に対して
説明した第1,第2および第3の実施例の適用が可能で
あり、上述したのと同等の効果を奏することができる。
【0101】〔第3の実施形態〕次に、本発明の第3の
実施形態に係るレーダ、すなわちドプラレーダ(FM−
CWレーダ)方式においてセンシングしながら通信を行
う実施形態について説明する。
【0102】図17は、本実施形態が適用される「FM
−CWレーダ方式」を簡単に説明する説明図である。F
M−CWレーダ方式では、通常三角波でFM変調を行っ
ている。すなわち、送信側では図17(a)に示すよう
に、この三角波の繰り返し周期を通信すべきデータの
「0」,「1」で変化させ、受信側では図17(b)に
示すように、FM復調することにより元の三角波を得て
該三角波の周期から通信データの「0」,「1」判定を
行うこととして、通信を可能とするものである。
【0103】本実施形態のレーダについても、その構成
は第2の実施形態と同様に図12および図13の構成で
実現できる。但し、レーダ送波部211ではFM変調を
行うものとし、レーダ受波部212およびレーダ波受信
通信機においてはFM復調がなされる点が異る。
【0104】図18には、各段の記憶手段に記憶される
データの内容を例示する説明図を示す。ここで各段の記
憶手段は所定のサンプリング回数分のデータ量を格納し
得る容量を持っている。すなわち、図18(a)は第1
段の記憶手段に記憶されているデータであり、図18
(b)は第2段の記憶手段に記憶されているデータであ
り、図18(c)は第N+1段の記憶手段に記憶されて
いるデータであって第1段から第N段までの記憶手段の
内容が加算されたものである。なお、図14では受波ア
ンテナ213で受信された受波信号の信号波形を示して
おり、他者からの直接波のみ含んでいる。また、図中の
縦の破線はA/D変換におけるサンプリングタイミング
で(実際にはもっと密にサンプリングされる)、正確に
は、各段の記憶手段にはそのサンプリングタイミングで
のサンプリング(A/D変換)データ(デジタル値)が
記憶されることとなる。
【0105】以上のように、本実施形態のレーダでは、
レーダのセンサ波を利用して物体検出と共に無線通信を
行うことができ、しかもレーダセンシングにおいては検
出可能距離を大幅に伸ばし、また距離一定の場合の正確
な物体の検出を可能とし、検出精度(距離分解能)を向
上させることができる。なお、本実施形態のレーダにお
いても、第1の実施形態のレーダの信号処理部に対して
説明した第1,第2および第3の実施例の適用が可能で
あり、上述したのと同等の効果を奏することができる。
【0106】さらに、以上説明したパルスレーダ、FM
−CW(ドプラ)レーダまたはインパルスレーダ等の何
れにおいても、送信データの「0」,「1」をPN符号
で2次変調し、PN符号速度をレーダ発射周期と合わせ
て発射し、受信側で上述の各処理を行って得た信号を同
一のPN符号と相関をとる、いわゆる「スペクトラム拡
散通信」とすることにより、さらに高品質の通信を実現
することが可能である。
【0107】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、変換手段(変換ステップ)により、パルスま
たはインパルス電波の発射タイミングに同期した周期時
間間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリングクロッ
クに基づき、物体からの反射波による受波信号をデジタ
ル受波データに変換し、制御手段(記憶ステップ)によ
り、周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分のデジ
タル受波データを第1段の記憶手段に保持し、制御手段
(加算ステップ)により、発射タイミングに同期して、
第1段から第N段までの記憶手段において第i段(i=
1〜N−1)の記憶手段の内容を第i+1段の記憶手段
に移動させた後、第1段から第N段までの記憶手段の内
容を加算して第N+1段の記憶手段に格納することとし
たので、熱雑音や周囲でランダムに発生するノイズは加
算処理によって打ち消されることとなり、ノイズが増大
することなく、また信号対雑音比S/Nを向上させるこ
とができ、受波信号電圧振幅(S)が増大してノイズ
(N)が抑制されるので、レーダとしての検出可能距離
を大幅に伸ばすことができ、また距離一定の場合の正確
な物体の検出を可能とし、検出精度(距離分解能)を向
上させることができる。
【0108】また、本発明によれば、変換手段(変換ス
テップ)により、所定周期時間間隔内で一定時間間隔を
刻む第1サンプリングクロックに基づき、他のレーダか
ら所定タイミングで発射され、キャリアがパルス変調ま
たは周波数変調された電波を受波した受波信号をデジタ
ル受波データに変換し、制御手段(記憶ステップ)によ
り、周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分のデジ
タル受波データを第1段の記憶手段に保持し、制御手段
(加算ステップ)により、発射タイミングに同期して、
第1段から第N段までの記憶手段において第i段(i=
1〜N−1)の記憶手段の内容を第i+1段の記憶手段
に移動させた後、第1段から第N段までの記憶手段の内
容を加算して第N+1段の記憶手段に格納し、判定手段
(判定ステップ)により、第N+1段の記憶手段の内容
に基づき他のレーダからの通信データの内容を判定する
こととしたので、レーダのセンサ波を利用して物体検出
と共に無線通信を行うことができ、しかもレーダセンシ
ングにおいては検出可能距離を大幅に伸ばし、また距離
一定の場合の正確な物体の検出を可能とし、検出精度
(距離分解能)を向上させることができる。
【0109】また、本発明によれば、時間軸拡大サンプ
リングクロック生成手段(時間軸拡大サンプリングクロ
ック生成ステップ)により、発射タイミングに同期した
周期時間間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリング
クロックを低周波で位相変調した第2サンプリングクロ
ックを生成し、サンプリング手段(サンプリングステッ
プ)により、反射波による受波信号を第2サンプリング
クロックでサンプリングし、変換ステップにおいて、サ
ンプリングされた信号を第1サンプリングクロックに基
づくタイミングでデジタル受波データに変換することと
して、時間軸拡大サンプリングクロックによる時間軸拡
大サンプリングを行った信号についてデジタル信号への
変換を行うので、信号処理を行う変換手段、データ記憶
手段および加算等を行う演算手段について動作周波数を
低速化することができ、回路設計の実現性を高めると共
に、回路コストを低減させることができる。
【0110】また、本発明によれば、時間軸拡大サンプ
リングクロック生成手段(時間軸拡大サンプリングクロ
ック生成ステップ)により、発射タイミングに同期した
周期時間間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリング
クロックを低周波で位相変調した第2サンプリングクロ
ックを生成し、変換手段(変換ステップ)において、反
射波による受波信号を第2サンプリングクロックに基づ
くタイミングでデジタル受波データに変換することとし
たので、変換手段を除くデータ記憶手段および加算等を
行う演算手段について動作周波数を低速化することがで
き、回路設計の実現性を高めると共に、回路コストを低
減させることができる。
【0111】また、本発明によれば、第1サンプリング
クロックまたは第2サンプリングクロックが、発射タイ
ミングに同期した周期時間間隔をL区間に分割したとき
の1区間内でM個のサンプリングタイミングを刻むと
き、制御手段(加算ステップ)において、L区間分割を
規定するタイミングに同期して、第1段から第N段まで
の記憶手段において第i段(i=1〜N−1)の記憶手
段の内容を第i+1段の記憶手段に移動させた後、第1
段から第N段までの記憶手段の内容を加算して第N+1
段の記憶手段に格納することとして、検出範囲の上限か
ら検出処理を行うので、記憶手段の容量を抑制し、また
距離精度を確保しつつ物体検出の処理時間の遅れも低減
することができる。
【0112】さらに、本発明によれば、区間シフトステ
ップにより、第j区間(j=1〜L)について処理した
結果、検出対象の物体が第j区間から第j−1区間また
は第j+1区間に移動していることを検出した際に、第
j区間から第j−1区間への移動時には第j区間を第j
−1区間方向に、第j区間から第j+1区間への移動時
には第j+1区間方向にそれぞれ1/2区間シフトし、
記憶シフトステップにより、第1段から第N段までの記
憶手段をそれぞれ前半および後半に2分割した場合に、
第j区間から第j−1区間への移動時には、第i段(i
=1〜N−1)の記憶手段の前半の内容を第i段の記憶
手段の後半に、第k段(k=1〜N−2)の記憶手段の
後半の内容を第k+1段の記憶手段の前半にそれぞれシ
フトした後、第1段の記憶手段の前半の内容をクリア
し、第j区間から第j+1区間への移動時には、第i段
(i=1〜N−1)の記憶手段の後半の内容を第i段の
記憶手段の前半に、第k段(k=2〜N−1)の記憶手
段の前半の内容を第k−1段の記憶手段の後半にそれぞ
れシフトした後、第N−1段の記憶手段の後半の内容を
クリアし、その後第1段から第N段までの記憶手段の内
容を加算して第N+1段の記憶手段に格納し、その後、
シフト後の第j区間について、変換ステップ、記憶ステ
ップおよび加算ステップを実行することとしたので、周
期時間間隔を区間分割して処理する際の物体の移動に合
わせた追従機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレーダの構成図
であり、図1(a)は実施形態のレーダの全体構成図、
図1(b)は実施形態のレーダの信号処理部の構成図で
ある。
【図2】図2(a),(b)および(c)はそれぞれ信
号処理部の第1,第2および第3の実施例の構成図であ
る。
【図3】データ記憶部の構成図である。
【図4】データ記憶部の各段の記憶手段に記憶されるデ
ータの内容を例示する説明図である。
【図5】第1の変形例(発射タイミングに同期した周期
時間間隔をL区間分割)の説明図である。
【図6】第2の変形例(追従機能)の説明図である。
【図7】サンプリングクロックと記憶手段のアドレスの
関係を説明する説明図である。
【図8】時間軸拡大サンプリングクロック発生と区間移
動の関係を説明する説明図である。
【図9】第2および第3の実施形態のレーダが適用され
るITS分野の具体例を例示する説明図である。
【図10】パルスレーダ方式(発信側)を説明する説明
図である。
【図11】パルスレーダ方式(受信側)を説明する説明
図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るレーダ(レー
ダ送波部およびレーダ受信部)の構成図である。
【図13】第2の実施形態に係るレーダ(レーダ波受信
通信機)の構成図である。
【図14】第2の実施形態の各段の記憶手段に記憶され
るデータの内容を例示する説明図である。
【図15】1,0判定部(判定ステップ)における通信
データ「0」判定の説明図である。
【図16】1,0判定部(判定ステップ)における通信
データ「1」判定の説明図である。
【図17】FM−CWレーダ方式を説明する説明図であ
る。
【図18】第3の実施形態の各段の記憶手段に記憶され
るデータの内容を例示する説明図である。
【図19】時間軸拡大サンプリング技法を用いた従来の
レーダの送波部および受波部の構成図である。
【図20】従来例の時間軸拡大サンプリングパルスを生
成する回路の構成図である。
【図21】従来例のレーダの受波部における信号処理を
説明するタイミングチャートである。
【図22】時間軸拡大サンプリングパルスの生成を説明
するタイミングチャートである。
【符号の説明】
101 クロック生成部 102 インパルス発生部 103 送波アンテナ 105 受波アンテナ 106 信号処理部 107 判定・画像処理部 CLK 基準クロック RFI 受波信号 111,111b,111c A/D変換部 112,112b,112c 制御部 113,113b,113c データ記憶部 114,114b,114c 演算部 115,115b クロック生成部 116b,116c 時間軸拡大サンプリングクロッ
ク生成部 151,151b,151c バス SCK サンプリングクロック(第1サンプリングク
ロック) SP 時間軸拡大サンプリングクロック(第2サンプ
リングクロック) 201 自車 202 後方車両 211 レーダ送波部 212 レーダ受信部 213 アンテナ 311 パルス発生部 312 パルス変調部 313 パルス位置制御部 314 キャリア発生部 321,331 フロントエンド 322,323 検波回路 323,333 時間軸拡大部 324,334 AD変換部 325,335 記憶部・処理部 326,336 距離判定部 327,337 制御部 328,338 クロック生成部(SGC)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】レーダ(radar)はアンテナあるい
はトランスジューサ等から電波、光、超音波等を放射
し、照射された物体からの反射波、または場合によって
は物体から再発射された電波を受けて、物体の存在を検
知すると共に、その位置を測定するための装置である。
すなわち、レーダによる物体検出は、アンテナあるいは
トランスジューサ等から電波、光、超音波等を発射し、
物体から反射されて戻ってくる反射波を検出することに
より行われる。以下では、パルス形状に区切った電波等
を連続的に放射するパルスレーダ(またはインパルスレ
ーダ)を採り上げて説明する。ここで、「パルスレー
ダ」は、1つの周波数の電波(キャリア)を用いてその
キャリアをパルス信号で断続的にアンテナから放射する
ものであり、「インパルスレーダ」は、そのパルス幅が
時間間隔に比べて極端に狭いため非常に高い周波数域に
までスペクトルが無数に拡がっており、それをアンテナ
から放射するために、パルスレーダのような特定のキャ
リアが必要ないといった点で異なる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】本発明の第2および第3の実施形態のレー
ダは、レーダのセンサ波を利用して物体検出と共に無線
通信を行い得るものである。すなわち、第2の実施形態
では通常パルスレーダと呼ばれる方式においてセンスし
ながら通信を行うものを、第3の実施形態では、FM−
CWレーダと呼ばれる方式においてセンスしながら通信
を行うものをそれそれ提案している。なお、FM−CW
レーダが本質的に速度、距離を測定でき構成がやや複雑
であるのに対して、パルスレーダは本質的に距離を測定
でき、やや簡単な構成であり、速度について距離の単位
時間の変化を計算した結果として2次的に得るといった
特徴がある。また、方角については、アンテナの工夫
(放射ビームを細かくしたりビームを振らせたりするこ
と)によって組み合わせて得ることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正内容】
【0101】〔第3の実施形態〕次に、本発明の第3の
実施形態に係るレーダ、すなわちFM−CWレーダ方式
においてセンシングしながら通信を行う実施形態につい
て説明する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正内容】
【0106】さらに、以上説明したパルスレーダ、FM
−CWレーダまたはインパルスレーダ等の何れにおいて
も、送信データの「0」,「1」をPN符号で2次変調
し、PN符号速度をレーダ発射周期と合わせて発射し、
受信側で上述の各処理を行って得た信号を同一のPN符
号と相関をとる、いわゆる「スペクトラム拡散通信」と
することにより、さらに高品質の通信を実現することが
可能である。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスまたはインパルス電波を所定タイ
    ミングで発射して、物体からの反射波を受波して処理す
    るレーダにおいて、 前記発射タイミングに同期した周期時間間隔内で一定時
    間間隔を刻む第1サンプリングクロックに基づき、前記
    反射波による受波信号をデジタル受波データに変換する
    変換手段と、 前記周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分(Mは
    任意の正整数)のデジタル受波データを保持する記憶手
    段を第1段から第N+1段(Nは任意の正整数)までN
    +1個備えたデータ記憶手段と、 前記周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分のデジ
    タル受波データを前記第1段の記憶手段に保持させた
    後、前記発射タイミングに同期して、前記第1段から第
    N段までの記憶手段において第i段(i=1〜N−1)
    の記憶手段の内容を第i+1段の記憶手段に移動させた
    後、第1段から第N段までの記憶手段の内容を加算して
    第N+1段の記憶手段に格納する制御手段と、を具備す
    ることを特徴とするレーダ。
  2. 【請求項2】 他のレーダから所定タイミングで発射さ
    れ、キャリアがパルス変調または周波数変調された電波
    を受波して通信するレーダにおいて、 所定周期時間間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリ
    ングクロックに基づき、前記受波信号をデジタル受波デ
    ータに変換する変換手段と、 前記周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分(Mは
    任意の正整数)のデジタル受波データを保持する記憶手
    段を第1段から第N+1段(Nは任意の正整数)までN
    +1個備えたデータ記憶手段と、 前記周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分のデジ
    タル受波データを前記第1段の記憶手段に保持させた
    後、前記発射タイミングに同期して、前記第1段から第
    N段までの記憶手段において第i段(i=1〜N−1)
    の記憶手段の内容を第i+1段の記憶手段に移動させた
    後、第1段から第N段までの記憶手段の内容を加算して
    第N+1段の記憶手段に格納する制御手段と、 前記第N+1段の記憶手段の内容に基づき、前記他のレ
    ーダからの通信データの内容を判定する判定手段と、を
    具備することを特徴とするレーダ。
  3. 【請求項3】 前記発射タイミングに同期した周期時間
    間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリングクロック
    を低周波で位相変調した第2サンプリングクロックを生
    成する時間軸拡大サンプリングクロック生成手段と、 前記反射波による受波信号を前記第2サンプリングクロ
    ックでサンプリングするサンプリング手段と、を具備
    し、 前記変換手段は、前記サンプリングされた信号を前記第
    1サンプリングクロックに基づくタイミングでデジタル
    受波データに変換することを特徴とする請求項1または
    2に記載のレーダ。
  4. 【請求項4】 前記発射タイミングに同期した周期時間
    間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリングクロック
    を低周波で位相変調した第2サンプリングクロックを生
    成する時間軸拡大サンプリングクロック生成手段を具備
    し、 前記変換手段は、前記反射波による受波信号を前記第2
    サンプリングクロックに基づくタイミングでデジタル受
    波データに変換することを特徴とする請求項1または2
    に記載のレーダ。
  5. 【請求項5】 前記第1サンプリングクロックまたは前
    記第2サンプリングクロックが、前記発射タイミングに
    同期した周期時間間隔をL区間に分割したときの1区間
    内でM個のサンプリングタイミングを刻むとき、 前記制御手段は、前記L区間分割を規定するタイミング
    に同期して、前記第1段から第N段までの記憶手段にお
    いて第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容を第i
    +1段の記憶手段に移動させた後、第1段から第N段ま
    での記憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶手段に
    格納することを特徴とする請求項1、3または4に記載
    のレーダ。
  6. 【請求項6】 前記分割されたL区間の任意の区間を選
    択指定する選択手段を具備し、 前記サンプリング手段、前記変換手段または前記制御手
    段は、前記選択手段で選択指示された区間について処理
    することを特徴とする請求項5に記載のレーダ。
  7. 【請求項7】 パルスまたはインパルス電波を所定タイ
    ミングで発射して、物体からの反射波を受波して処理す
    るレーダの信号処理方法において、 前記発射タイミングに同期した周期時間間隔内で一定時
    間間隔を刻む第1サンプリングクロックに基づき、前記
    反射波による受波信号をデジタル受波データに変換する
    変換ステップと、 前記周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分(Mは
    任意の正整数)のデジタル受波データを第1段の記憶手
    段に保持する記憶ステップと、 前記発射タイミングに同期して、第1段から第N段(N
    は任意の正整数)までの記憶手段において第i段(i=
    1〜N−1)の記憶手段の内容を第i+1段の記憶手段
    に移動させた後、第1段から第N段までの記憶手段の内
    容を加算して第N+1段の記憶手段に格納する加算ステ
    ップと、を具備することを特徴とするレーダの信号処理
    方法。
  8. 【請求項8】 他のレーダから所定タイミングで発射さ
    れ、キャリアがパルス変調または周波数変調された電波
    を受波して通信するレーダの信号処理方法において、 所定周期時間間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリ
    ングクロックに基づき、前記受波信号をデジタル受波デ
    ータに変換する変換ステップと、 前記周期時間間隔内のサンプリング回数のM個分(Mは
    任意の正整数)のデジタル受波データを第1段の記憶手
    段に保持する記憶ステップと、 前記発射タイミングに同期して、第1段から第N段(N
    は任意の正整数)までの記憶手段において第i段(i=
    1〜N−1)の記憶手段の内容を第i+1段の記憶手段
    に移動させた後、第1段から第N段までの記憶手段の内
    容を加算して第N+1段の記憶手段に格納する加算ステ
    ップと、 前記第N+1段の記憶手段の内容に基づき、前記他のレ
    ーダからの通信データの内容を判定する判定ステップ
    と、を具備することを特徴とするレーダの信号処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記発射タイミングに同期した周期時間
    間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリングクロック
    を低周波で位相変調した第2サンプリングクロックを生
    成する時間軸拡大サンプリングクロック生成ステップ
    と、 前記反射波による受波信号を前記第2サンプリングクロ
    ックでサンプリングするサンプリングステップと、を具
    備し、 前記変換ステップは、前記サンプリングされた信号を前
    記第1サンプリングクロックに基づくタイミングでデジ
    タル受波データに変換することを特徴とする請求項7ま
    たは8に記載のレーダの信号処理方法。
  10. 【請求項10】 前記発射タイミングに同期した周期時
    間間隔内で一定時間間隔を刻む第1サンプリングクロッ
    クを低周波で位相変調した第2サンプリングクロックを
    生成する時間軸拡大サンプリングクロック生成ステップ
    を具備し、 前記変換ステップは、前記反射波による受波信号を前記
    第2サンプリングクロックに基づくタイミングでデジタ
    ル受波データに変換することを特徴とする請求項7また
    は8に記載のレーダの信号処理方法。
  11. 【請求項11】 前記第1サンプリングクロックまたは
    前記第2サンプリングクロックが、前記発射タイミング
    に同期した周期時間間隔をL区間に分割したときの1区
    間内でM個のサンプリングタイミングを刻むとき、 前記加算ステップは、前記L区間分割を規定するタイミ
    ングに同期して、前記第1段から第N段までの記憶手段
    において第i段(i=1〜N−1)の記憶手段の内容を
    第i+1段の記憶手段に移動させた後、第1段から第N
    段までの記憶手段の内容を加算して第N+1段の記憶手
    段に格納することを特徴とする請求項7、9または10
    に記載のレーダの信号処理方法。
  12. 【請求項12】 前記分割されたL区間の任意の区間を
    選択指定する選択ステップを具備し、 前記サンプリングステップ、前記変換ステップまたは前
    記制御ステップは、前記選択ステップで選択指示された
    区間について処理することを特徴とする請求項11に記
    載のレーダの信号処理方法。
  13. 【請求項13】 第j区間(j=1〜L)について処理
    した結果、検出対象の物体が第j区間から第j−1区間
    または第j+1区間に移動していることを検出した際
    に、 第j区間から第j−1区間への移動時には前記第
    j区間を第j−1区間方向に、第j区間から第j+1区
    間への移動時には第j+1区間方向にそれぞれ1/2区
    間シフトする区間シフトステップと、 前記第1段から第N段までの記憶手段をそれぞれ前半お
    よび後半に2分割した場合に、第j区間から第j−1区
    間への移動時には、第i段(i=1〜N−1)の記憶手
    段の前半の内容を第i段の記憶手段の後半に、第k段
    (k=1〜N−2)の記憶手段の後半の内容を第k+1
    段の記憶手段の前半にそれぞれシフトした後、第1段の
    記憶手段の前半の内容をクリアし、第j区間から第j+
    1区間への移動時には、第i段(i=1〜N−1)の記
    憶手段の後半の内容を第i段の記憶手段の前半に、第k
    段(k=2〜N−1)の記憶手段の前半の内容を第k−
    1段の記憶手段の後半にそれぞれシフトした後、第N−
    1段の記憶手段の後半の内容をクリアし、その後第1段
    から第N段までの記憶手段の内容を加算して第N+1段
    の記憶手段に格納する記憶シフトステップと、を実行し
    た後に、前記シフト後の第j区間について、前記変換ス
    テップ、前記記憶ステップおよび前記加算ステップを実
    行することを特徴とする請求項11または12に記載の
    レーダの信号処理方法。
  14. 【請求項14】 請求項7、8、9、10、11、12
    または13に記載のレーダの信号処理方法をコンピュー
    タに実行させるためのプログラムとして記憶した コン
    ピュータにより読み取り可能な記録媒体。
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