JPH11287135A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

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JPH11287135A
JPH11287135A JP11057421A JP5742199A JPH11287135A JP H11287135 A JPH11287135 A JP H11287135A JP 11057421 A JP11057421 A JP 11057421A JP 5742199 A JP5742199 A JP 5742199A JP H11287135 A JPH11287135 A JP H11287135A
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engine
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intake
intake flow
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Hiroki Ichinose
宏樹 一瀬
Keiso Takeda
啓壮 武田
Susumu Kojima
進 小島
Shinji Sadakane
伸治 定金
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関低負荷運転時にトルク変動率が大きくな
るのを阻止しつつ燃料消費率を低減し、機関高負荷運転
時に機関出力を確保する。 【解決手段】 スロットル弁15と燃料噴射弁14間の
吸気通路内に吸気流制御弁17を配置する。機関負荷が
機関回転数により定まる設定負荷よりも低いときには吸
気流制御弁17の開度を半開に保持し、機関負荷が設定
負荷よりも高いときには吸気流制御弁17を全開に保持
する。吸気弁5aの開弁期間を変更することによりオー
バラップ量を変更する開弁期間変更装置311を設け
る。機関負荷が第1の設定負荷に比べて高く定められて
いる第2の設定負荷よりも低いときにはオーバラップ量
を増大して吹返しガス量を増大し、機関負荷が第2の設
定負荷よりも高いときにはオーバラップ量を減少して吹
返しガス量を減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】スロットル弁下流の機関吸気通路に該吸
気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁を配置すると共に
該スロットル弁と該燃料噴射弁間の吸気通路内に吸気流
制御弁を配置し、該吸気流制御弁を機関始動時にほぼ全
閉に保持すると共に機関始動完了後に開弁する内燃機関
が公知である(特開昭63−143349号公報参
照)。ところで通常の内燃機関において、機関始動を開
始するとき、スロットル弁がほぼ全閉にあるとしてもス
ロットル弁下流の吸気通路内にはかなり多くの空気が存
在するのでこの状態において機関始動を開始すると燃焼
室内に過剰の空気が吸入されるようになり、その結果機
関始動時における空燃比が過度に希薄側、すなわちリー
ンになるので燃焼作用が良好に行われず、斯くして排気
通路内に多量の未燃HCが排出される恐れがある。特に
スロットル弁下流の吸気通路内にサージタンクを設けた
場合には燃焼室内にさらに多量の空気が吸入されうるの
でさらに多量の未燃HCが排出される恐れがある。そこ
で上述の内燃機関ではスロットル弁と燃料噴射弁間の吸
気通路内に吸気流制御弁を設けて機関始動時にこの吸気
流制御弁をほぼ全閉状態にし、それにより機関始動時に
おいて燃焼室内に多量の空気が吸入されないようにして
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、機関低
負荷運転時に吹返しガス量が少ないとトルク変動率が増
大すると共に燃料消費率が増大し、機関高負荷運転時に
吹返しガス量が多いと新気量が低減されるので機関出力
が確保されないという問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に1番目の発明によれば、スロットル弁下流の機関吸気
通路に吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁を配置す
ると共にスロットル弁と燃料噴射弁間の吸気通路内に吸
気流制御弁を配置し、機関負荷が機関回転数により定ま
る第1の設定負荷よりも低いときには上記吸気流制御弁
の開度を全閉と全開間の中間開度に保持し、機関負荷が
上記第1の設定負荷よりも高いときには上記吸気流制御
弁を全開に保持するようにし、吹返しガス量を増大させ
るようにする吹返しガス量増大手段を具備し、機関負荷
が機関回転数により定まる第2の設定負荷よりも低いと
きには吹返しガス量増大手段による吹返しガス量増大作
用を行い、機関負荷が第2の設定負荷よりも高いときに
は吹返しガス量増大手段による吹返しガス量増大作用を
停止するようにしている。すなわち1番目の発明によれ
ば、機関負荷が第2の設定負荷よりも低いときにはトル
ク変動率が大きくなるのが阻止されつつ燃料消費率が低
減される。機関負荷が第2の設定負荷よりも高いときに
は新気量が増大されるので機関出力が確保される。
【0005】2番目の発明によれば1番目の発明におい
て、上記第2の設定負荷が同一の機関回転数に対し上記
第1の設定負荷に比べて高く定められている。すなわち
2番目の発明によれば、機関負荷が第1の設定負荷より
も低いとき吹返しガスが過剰となるのが阻止される。機
関負荷が第1の設定負荷と第2設定負荷間のときに吹返
しガス量を増大することによりポンピングロスおよび未
燃HCが低減される。機関負荷が第2設定負荷よりも高
いときに機関出力が確保される。
【0006】3番目の発明によれば1番目の発明におい
て、上記吹返しガス量増大手段による吹返しガス量増大
作用が行われているときにおいて機関急加速運転が行わ
れたときに吹返しガス量を一時的に減少させる吹返しガ
ス量減少手段を具備している。すなわち3番目の発明に
よれば、機関急加速運転時において吹返しガスによって
逆流される噴射燃料が低減される。
【0007】4番目の発明によれば3番目の発明におい
て、上記吹返しガス量減少手段は吸気流制御弁の開度を
減少させることにより吹返しガス量を減少させるように
している。5番目の発明によれば3番目の発明におい
て、排気行程が互いに重ならない気筒が連結された第1
の排気管と、排気行程が互いに重ならない気筒が連結さ
れた第2の排気管とを短絡する連絡管を設け、連絡管内
に開閉弁を配置し、上記吹返しガス量減少手段は機関回
転数が予め定められた第1の設定回転数よりも低いかま
たは第1の設定回転数よりも高く定められた第2の設定
回転数よりも高いときには開閉弁を開弁し、機関回転数
が第1の設定回転数と第2の設定回転数との間のときに
は開閉弁を閉弁し、それによりオーバラップ期間に排気
弁近傍に負圧波を作用させて吹返しガス量を減少させる
ようにしている。
【0008】6番目の発明によれば1番目の発明におい
て、吹返しガス量増大手段はオーバラップ量を増大する
ことにより吹返しガス量増大作用を行い、オーバラップ
量を減少することにより吹返しガス量増大作用を停止し
ている。
【0009】
【発明の実施の形態】図1および図2を参照すると、1
はシリンダブロック、2はシリンダブロック1内で往復
動するピストン、3はシリンダブロック1上に固定され
たシリンダヘッド、4はピストン2の頂面とシリンダヘ
ッド3間に画定された燃焼室、5aは第1吸気ポート6
a内に配置された第1吸気弁、5bは第2吸気ポート6
b内に配置された第2吸気弁、7aは第1排気ポート8
a内に配置された第1排気弁、7bは第2排気ポート8
b内に配置された第2排気弁をそれぞれ示す。第1吸気
ポート5aおよび第2吸気ポート5bは共通の吸気枝管
10を介して吸気脈動防止用の容積部を構成するサージ
タンク11に連結され、サージタンク11は吸気ダクト
12を介してエアクリーナ13に連結される。一方第1
排気ポート8aおよび第2排気ポート8bは共通の排気
マニホルド(図示しない)に連結され、排気マニホルド
は三元触媒コンバータ(図示しない)に連結される。吸
気枝管10内には燃料噴射弁14が配置され、一方吸気
ダクト12内にはアクセルペダルの踏込み量が多いとき
程その開度TAが大きくされるスロットル弁15が配置
される。なお、点火栓9および燃料噴射弁14は電子制
御ユニット50からの出力信号によりそれぞれ制御され
る。
【0010】本実施例では、図2に示すように第1吸気
弁5aと第2吸気弁5bとはシリンダ軸線を含む対称平
面K−Kに関して対称的に配置され、第1排気弁7aと
第2排気弁7bとは対称平面K−Kに関して対称的に配
置される。また点火栓9は対称平面K−K上に配置され
る。さらに図2を参照すると、吸気枝管10はその中心
軸線L−Lが対称平面K−Kに対して第1吸気弁5a側
にずれるように設けられる。このため、第1吸気ポート
6aの中心軸線は吸気枝管10の中心軸線L−Lに対し
てほぼ平行に延びており、これに対し第2吸気ポート6
bの中心軸線は吸気枝管10の中心軸線L−Lとの間に
角度をもって延びている。
【0011】さらに図1および図2を参照すると、燃料
噴射弁14とスロットル弁15間の吸気枝管10内には
例えば負圧式または電磁式の吸気流制御弁駆動装置16
によって駆動される吸気流制御弁17が配置される。本
実施例において吸気流制御弁17は弁軸18に固定され
た円板状の弁体19を有する、いわゆるバタフライバル
ブから構成されている。弁軸18は吸気枝管10の中心
軸線L−L上に配置され、また吸気流制御弁駆動装置1
6に連結される。さらに、弁軸18に関し燃料噴射弁1
4側に位置する上側弁体部分19a内には断面積が小さ
い流通孔20が形成されている。なお、本実施例では、
弁軸18に関し上側弁体部分19aと反対側に位置する
弁体部分を下側弁体部分19bと称し、吸気枝管10の
壁面のうち中心軸線L−Lに関し燃料噴射弁14が配置
された側の壁面を上側壁面10aと称し、上側壁面10
aに対面する吸気枝管10の壁面を下側壁面10bと称
する。
【0012】吸気流制御弁17を開弁方向に駆動すべき
ときには吸気流制御弁17の弁体19が弁軸18回りに
回動される。このとき本実施例では、吸気流制御弁17
の開度が全閉(後述する)のときに上側壁面10aに当
接している上側弁体部分19aが吸気流の下流側に向け
て移動し、かつ吸気流制御弁17の開度が全閉のときに
下側壁面10bに当接している下側弁体部分19bが吸
気流の上流側に向けて移動するように弁体19の回動方
向が定められている。一方、吸気流制御弁17を閉弁方
向に駆動すべきときには吸気流の下流側に位置している
上側弁体部分19aが上側壁面10aに向けて移動し、
吸気流の上流側に位置している下側弁体部分19bが下
側壁面10bに向けて移動するように弁体19の回動方
向が定められている。
【0013】再び図1を参照すると、キースイッチ34
はイグニッションスイッチ35およびスタータモータス
イッチ36を具備し、イグニッションスイッチ35がオ
ンであるときのみスタータモータスイッチ36をオンに
することができる。イグニッションスイッチ35がオン
にされるとバッテリ37からCPU54に電力が供給さ
れる。次いでスタータモータスイッチ36がオンにされ
るとスタータモータ38に電力が供給され、その結果ス
タータモータ38が駆動される。
【0014】電子制御ユニット50はデジタルコンピュ
ータからなり双方向性バス51を介して相互に接続され
たROM(リードオンリメモリ)52、RAM(ランダ
ムアクセスメモリ)53、CPU(マイクロプロセッ
サ)54、入力ポート55および出力ポート56を具備
する。吸気流制御弁17下流の吸気枝管10内には吸気
流制御弁17下流の吸気枝管10内の圧力に比例した出
力電圧を発生する圧力センサ57が取付けられ、この圧
力センサ57の出力電圧はAD変換器58を介して入力
ポート55に入力される。CPU54ではAD変換器5
8からの出力信号に基づいて吸入空気量が算出される。
スロットル弁15にはスロットル弁15の開度TAに比
例した出力電圧を発生するスロットル弁開度センサ59
が取付けられ、このスロットル弁開度センサ59の出力
電圧はAD変換器60を介して入力ポート55に入力さ
れる。機関本体1には機関冷却水温に比例した出力電圧
を発生する水温センサ63が取付けられ、この水温セン
サ63の出力電圧はAD変換器64を介して入力ポート
55に入力される。また、入力ポート55にはクランク
シャフトが例えば30度回転する毎に出力パルスを発生
するクランク角センサ61が接続される。CPU54で
はこの出力パルスに基づいて機関回転数が算出される。
さらに入力ポート55にはスタータモータスイッチ36
がオンであるか否かが入力される。一方、出力ポート5
6はそれぞれ対応する駆動回路62を介して点火栓9、
燃料噴射弁14、吸気流制御弁駆動装置16に接続され
る。
【0015】次に吸気流制御弁17の開度の制御方法を
説明する。機関始動時、すなわち図1に示す例ではスタ
ータモータスイッチ36がオンにされてから機関回転数
Nが予め定められた設定回転数N0、例えば400rp
mよりも高くなるまでの期間、には吸気流制御弁17の
開度は吸気流制御弁駆動装置16によって図3(A)お
よび(B)に示すような開度に保持される。この場合、
吸気流制御弁17の弁体19周縁部は図3(B)に示す
ようにそのほぼ全周にわたって吸気枝管10内壁面に当
接しており、このため吸気流制御弁17の上流側と下流
側とは流通孔20のみを介して連通されている。本実施
例では吸気流制御弁17の図3(A)および(B)に示
すような開度を全閉と称する。
【0016】スタータモータ38が駆動されることによ
り機関始動作用が開始されると、第1および第2吸気弁
5a,5bが開弁して燃焼室4内に空気が吸入される
が、このとき吸気流制御弁17の開度が全閉に保持され
ているので燃焼室4内に供給される空気量が制限され
る。すなわち、このとき燃焼室4内に供給される空気
は、第1および第2吸気弁5a,5bから吸気流制御弁
17間の第1および第2吸気ポート6a,6b内および
吸気枝管10内に存在する空気と、吸気流制御弁17の
流通孔20を介して吸気流制御弁17下流の吸気枝管1
0内に流入する空気と、である。その結果機関始動時に
燃焼室4内に多量の空気が吸入されるのを阻止すること
ができ、同時に燃料噴射量を低減することができる。ま
た、吸気流制御弁17の開度が全閉であるので吸気流制
御弁17下流の吸気枝管10内の負圧が増大され、この
ため噴射燃料の霧化を促進することができるので燃焼室
4内における燃焼作用を良好に行うことができるように
なり、斯くして機関始動時に排気マニホルド内に多量の
未燃HCが排出されるのを阻止することができる。ま
た、吸気流制御弁17の開度が全閉であるとき流通孔2
0は上側壁面10aに隣接して位置しているので流通孔
20を介し吸気流制御弁17下流の吸気枝管10内に向
かう空気が燃料噴射弁14から噴射された噴射燃料に衝
突可能となり、その結果噴射燃料の微粒化を促進するこ
とができるので機関始動時における良好な燃焼作用をさ
らに確保することができる。なお、図3(B)は図3
(A)の線3B−3Bに沿ってみた吸気枝管10の断面
図である。
【0017】機関始動完了後、吸気流制御弁17の開度
は吸気流制御弁駆動装置16によって機関運転状態に応
じて、すなわち本実施例では機関負荷Q/N(吸入空気
量Q/機関回転数N)および機関回転数Nに応じて、全
閉と全開間の中間開度、または全開のいずれか一方に制
御される。すなわち、図4にマップの形で示すように機
関負荷Q/Nが機関回転数Nに応じて定まる設定負荷Q
/N1よりも低いときには吸気流制御弁17の開度は図
5(A)および(B)に示すような中間開度に保持さ
れ、一方機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1よりも高い
ときには吸気流制御弁17の開度は図7(A)および
(B)に示すような全開に保持される。このように機関
始動完了後において吸気流制御弁17の開度を全閉より
も大きい開度に保持することによって機関始動完了後に
燃焼室4内に供給される空気量が不足するのが阻止され
る。なお、図4に示すマップは予めROM52内に記憶
されている。また、機関始動完了後には吸気流制御弁1
7の開度はスロットル弁15の開度よりも大きくなって
いる。
【0018】本実施例において吸気流制御弁17の開度
が図5(A)および(B)に示すような中間開度である
場合吸気流制御弁17の開度は吸気流制御弁17の開度
が全開である場合のほぼ半分になっており、本実施例で
はこの場合の吸気流制御弁17の開度を半開と称する。
ところで本実施例では、吸気流制御弁17の開度を全閉
から半開に変更するときに吸気流制御弁17の上側弁体
部分19aが吸気枝管10の下流に向けて移動するよう
になっており、このため吸気流制御弁17の開度が半開
のときに吸気枝管10内を吸気流制御弁17に向けて流
通した空気は次いで吸気流制御弁17の弁体19に沿い
つつ流通し、その結果吸気流制御弁17を介し流通する
空気の大部分は吸気流制御弁17の弁体19と上側壁面
10a間の間隙70aを介して流通するようになる(図
5(a)の矢印A)。本実施例では吸気流制御弁17の
開度が半開のときに吸気同期噴射、すなわち燃料噴射弁
14からの燃料噴射作用を機関吸気行程時に行うように
しており、このため間隙70aを介し流通した空気Aは
次いで上側壁面10aに沿いつつ進行した後に噴射燃料
Fに衝突し、その結果噴射燃料Fの微粒化を良好に行う
ことができる。その結果燃焼室4内における燃焼作用を
良好に行うことができる。
【0019】噴射燃料に衝突した空気Aは噴射燃料Fと
共に次いで第1および第2吸気ポート6a,6b内に流
入する。図2を参照して説明したように第1吸気ポート
6aはその中心軸線が吸気枝管10の中心軸線に対しほ
ぼ平行になるように形成されており、その結果吸気流制
御弁17の開度が半開の場合吸気枝管10内を流通した
後の空気の多くは第1吸気ポート6a内を流通した後に
第1吸気弁5aを介して燃焼室4内に流入するようにな
る。第1吸気弁5aを介して燃焼室4内に流入した空気
Aは次いで燃焼室4の内周面に沿いつつ進行し、斯くし
て燃焼室4内には図2においてSでもって示すようなス
ワール流が形成される。さらにこのとき、吸気枝管10
の上側壁面10aに沿いつつ第1吸気ポート6a内に流
入した空気の多くは第1吸気弁5aとシリンダヘッド3
間に形成される開口のうち第1および第2排気弁7a,
7b側に位置する開口を介して燃焼室4内に流入する。
その結果、この空気Aは第1および第2排気弁7a,7
bの下方に位置する燃焼室4内周面に沿いつつ下降する
ようになる。したがって、燃焼室4内に流入した空気A
は図6に示すようにらせん状に流動するスワール流Sを
形成することとなり、その結果燃焼室4内における燃焼
作用をさらに良好に行うことができる。
【0020】また吸気流制御弁17の開度が半開の場
合、吸気流制御弁17下流の吸気枝管10内と第1およ
び第2吸気ポート6a,6b内に生じる負圧が、吸気流
制御弁17の開度が全開の場合に比べて大きくされる。
その結果第1および第2吸気ポート6a,6b内に付着
した燃料の蒸発を促進することができ、したがって燃焼
室4内に供給される燃料量が正規の燃料量からずれるの
を阻止することができる。
【0021】ところで、第1および第2吸気弁5a,5
bと第1および第2排気弁7a,7bとが同時に開弁し
ているオーバラップ時には、燃焼室4内の排気ガスまた
は混合気が第1および第2吸気弁5a,5bを介して第
1および第2吸気ポート6a,6b内に吹返すようにな
り、すなわちいわゆる吹返しガスが生ずる。ところが吸
気流制御弁17の開度が半開の場合にはこの吹返しガス
量を低減することができる。その結果、噴射燃料が吹返
しガスによって逆流するのを阻止することができ、した
がって燃焼室4内に供給される燃料量が正規の燃料量か
らずれるのをさらに阻止することができる。
【0022】一方、機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1
よりも高いときに吸気流制御弁17の開度を図5(A)
および(B)に示すように半開に保持しておくと燃焼室
4内に供給される空気量が不足する恐れがある。そこで
機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1よりも高いときには
吸気流制御弁17の開度を吸気流制御弁駆動装置16に
よって図7(A)および(B)に示すような全開、すな
わち吸気流制御弁17の最大開度に保持し、それにより
燃焼室4内に供給される空気量が不足するのを阻止する
ようにしている。なお、図7(B)は図7(A)の線7
B−7Bに沿ってみた吸気枝管10の断面図である。
【0023】なお、本実施例において吸気流制御弁17
の開度が全開であるときには、機関吸気行程が開始され
るのに先立って燃料噴射作用が終了され、すなわち例え
ば機関圧縮行程時に燃料噴射作用が行われる、吸気非同
期噴射が行われる。吸気流制御弁17の開度が全開のと
きに吸気同期噴射を行って噴射燃料を直接的に燃焼室4
内に供給すると、燃焼室4内において均一な混合気を形
成するのが困難となる。これに対し、吸気流制御弁17
の開度が全開のときに吸気非同期噴射を行うと噴射燃料
が第1および第2吸気ポート6a,6b壁面および第1
および第2吸気弁5a,5bの各かさ部背面に衝突して
微粒化される。さらに吸気流制御弁17の開度が全開の
ときには、第1および第2吸気ポート6a,6b壁面お
よび第1および第2吸気弁5a,5bの各かさ部背面に
一旦付着した燃料は吹返しガスによって微粒化され、次
いで燃焼室4内に供給されて均一な混合気を形成し、斯
くして良好な燃焼作用を確保することができる。なお、
吸気流制御弁17の開度が半開の場合には上述したよう
に噴射燃料の微粒化が促進されているために吸気同期噴
射を行っても燃焼室4内において均一な混合気が形成さ
れる。
【0024】次に図8を参照して上述の実施例を実行す
るためのルーチンを説明する。このルーチンは一定時間
毎の割込みによって実行される。図8を参照すると、ス
テップ80では現在機関始動時であるか否かが判別され
る。本実施例では、上述したようにスタータモータスイ
ッチ36がオンにされてから機関回転数Nが設定回転数
N0よりも高くなるまでの機関を機関始動時としてい
る。現在機関始動時であるときにはステップ81に進
み、ステップ81では吸気流制御弁駆動装置16を制御
することにより吸気流制御弁17の開度を全閉に保持す
る。次いで処理サイクルを終了する。
【0025】ステップ80において機関始動時でないと
判別されたとき、すなわち機関始動が完了したと判別さ
れたときには次いでステップ82に進み、ステップ82
では設定負荷Q/N1が図4に示すマップに基づいて算
出される。次いでステップ83に進む。ステップ83で
は機関負荷Q/Nがステップ82において算出された設
定負荷Q/N1よりも低いか否かが判別される。Q/N
<Q/N1のときにはステップ84に進み、吸気流制御
弁駆動装置16を制御することにより吸気流制御弁17
の開度を半開に保持する。次いで処理サイクルを終了す
る。これに対しステップ83においてQ/N≧Q/N1
のときにはステップ85に進み、吸気流制御弁駆動装置
16を制御することにより吸気流制御弁17の開度を全
開に保持する。次いで処理サイクルを終了する。
【0026】次に図9から図13を参照して吸気流制御
弁17の開度制御方法の別の実施例を説明する。ところ
で、図1に示した内燃機関では噴射燃料Fの一部が第1
および第2吸気ポート6a,6bの各壁面に付着し、こ
れら付着燃料は第1および第2吸気ポート6a,6b内
に生ずる負圧でもって蒸発されることにより第1および
第2吸気ポート6a,6bの各壁面から離脱し、斯くし
て燃焼室4内に空気と共に吸入される。ところが、吸気
流制御弁17の開度が半開から全開に変更されるときに
機関加速運転が行われると第1および第2吸気ポート6
a,6b内に生ずる負圧が急激に減少するので機関加速
運転時には燃焼室4内に供給される燃料量が正規の燃料
量に比べて少なくなり、その結果空燃比が一時的に希薄
(リーン)側に大きく変動してしまう。この空燃比の変
動は機関加速度が大きいとき程大きくなる。そこで、機
関加速運転時には燃料噴射量を増量するようにする内燃
機関が従来より知られているが、実際には機関加速運転
と機関減速運転とが連続的に行われており、機関加速時
に燃料噴射量を増量しても空燃比の変動を良好に阻止で
きない。
【0027】そこで本実施例では、吸気流制御弁17の
開度を半開から全開に変更すべきとき、すなわち機関負
荷Q/Nが設定負荷Q/N1を越えて機関運転状態が図
9に示す状態Aから状態Bに変化したときに、機関急加
速運転が行われているときには機関負荷Q/Nが設定負
荷Q/N1を越えたときから予め定められた第1設定時
間TI1だけ経過した後に吸気流制御弁17の開度変更
作用を行い、すなわち吸気流制御弁17の開度を半開か
ら全開に変更すべきときから第1設定時間TI1だけ吸
気流制御弁17の開度を半開に保持した後に全開に変更
するようにしている。なお本実施例では、機関加速度を
表す機関負荷の変化率ΔQ/Nが予め定められた設定値
Δ1よりも大きいときに機関急加速運転が行われている
としている。しかしながら、スロットル弁15の開度T
Aの変化率または機関回転数Nの変化率でもって機関加
速度を代表することもできる。
【0028】図10は機関急加速運転が行われて機関運
転状態が図9に示す状態A(機関負荷Q/N(A))か
ら状態B(機関負荷Q/N(B))に変化した場合のタ
イムチャートを示している。図10を参照すると、時間
零は機関急加速運転が開始された時間を示している。次
いで時間aにおいて機関負荷Q/NがQ/N(A)から
設定負荷Q/N1を越えるが、このとき吸気流制御弁1
7の開度は半開に保持される。機関負荷Q/Nが大きく
なるとスロットル弁15下流の吸気通路、すなわち吸気
流制御弁17上流の吸気枝管10内の負圧が小さくな
り、このとき吸気流制御弁17が半開に保持されている
と第1および第2吸気ポート6a,6b内の負圧が次第
に小さくなる。次いで時間aから第1設定時間TI1だ
け経過すると吸気流制御弁17の開度が全開に変更され
る。その結果機関急加速運転時に吸気流制御弁17下流
の第1および第2吸気ポート6a,6b内の負圧が急激
に減少するのが阻止され、したがって機関急加速運転時
であっても第1および第2吸気ポート6a,6bの壁面
に付着した燃料が良好に離脱できるので機関急加速運転
時に燃焼室4内に供給される燃料量が正規の燃料量に比
べて少なくなるのが阻止され、斯くして空燃比が過度に
リーンになるのが阻止される。
【0029】一方、機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1
を越えて変化したときに機関負荷の変化率ΔQ/Nが設
定値Δ1よりも小さい機関緩加速運転が行われていると
きには、図8の例と同様に、機関負荷Q/Nが設定負荷
Q/N1を越えたときに吸気流制御弁17の開度を半開
から全開に変更する。この場合、機関加速運転が行われ
たときの負圧の変動量は比較的小さいので燃焼室4内に
供給される燃料量が正規の燃料量にほぼ一致している。
このため、吸入空気量Qが不足しないように吸気流制御
弁17の開度をできるだけ速やかに全開に変更するよう
にしている。
【0030】次に、機関運転状態が図9に示す状態Bか
ら状態Cに変化する場合について説明する。上述したよ
うに吸気流制御弁17の開度が全開のときには第1およ
び第2吸気ポート6a,6b内の負圧が小さくなってい
る。また、機関運転状態が状態Bから状態Cに変化する
ときに機関急加速運転が行われていると第1および第2
吸気ポート6a,6b内の負圧がさらに急激に小さくな
る。その結果、機関運転状態が状態Bから状態Cに変化
するときに機関急加速運転が行われていると噴射燃料の
微粒化作用が期待できず、吸気枝管10壁面に噴射燃料
が付着して空燃比が一時的にリーンになる。そこで本実
施例では機関運転状態が状態Bのときに、すなわち吸気
流制御弁17の開度が全開のときに機関急加速運転が行
われたときには、機関急加速運転が検出されたときから
予め定められた第2設定時間TI2だけ吸気流制御弁1
7の開度を半開に一時的に保持するようにしている。こ
のように吸気流制御弁17の開度を半開に変更すると機
関急加速運転が行われたときに第1および第2吸気ポー
ト6a,6b内の負圧を一時的に高めることができ、し
たがって第1および第2吸気ポート6a,6bの壁面に
付着した燃料を良好に離脱せしめることができるので機
関急加速運転時に空燃比が一時的にリーンになるのを阻
止することができる。次いで、機関急加速運転が検出さ
れたときから第2設定時間TI2だけ経過した後には吸
気流制御弁17の開度は再び全開に保持され、それによ
り吸入空気量が不足するのが阻止されている。
【0031】図11は機関急加速運転が行われて機関運
転状態が図9に示す状態B(機関負荷Q/N(B))か
ら状態C(機関負荷Q/N(C))に変化した場合のタ
イムチャートを示している。図11を参照すると、時間
零は機関急加速運転が開始された時間を示している。次
いで時間bにおいて機関急加速運転であることが検出さ
れると吸気流制御弁17の開度が半開に変更される。吸
気流制御弁17の開度はこの時間bから第2設定時間T
I2だけ半開に保持され、次いで第2設定時間TI2だ
け経過すると吸気流制御弁17の開度が再び全開に保持
される。
【0032】一方、機関運転状態が状態Bから状態Cに
変化するときに機関負荷変化率ΔQ/Nが小さい機関緩
加速運転が行われている場合には燃料噴射量の時間的変
動量が比較的小さいので燃焼室4内に供給される燃料量
が正規の燃料量にほぼ一致している。したがって、この
場合には吸気流制御弁17の開度を半開に変更すること
なく全開に保持する。
【0033】なお、機関運転状態が状態Dのときに機関
加速運転が行われて状態Aに変化するときには機関加速
度に依らず吸気流制御弁17の開度は半開に保持され
る。次に、機関運転状態が図9に示す状態Bから状態A
に変化する場合について説明する。機関運転状態が状態
Bから状態Aに変化するときに機関急減速運転が行われ
ていると、すなわち吸気流制御弁17の開度が全開から
半開に変更されるときに機関急減速運転が行われている
と第1および第2吸気ポート6a,6b内に生ずる負圧
が急激に増大するので第1および第2吸気ポート6a,
6bの壁面に付着した燃料が過度に離脱するようにな
る。その結果機関急減速運転時に、燃焼室4内に供給さ
れる燃料量が正規の燃料量に比べて多くなるので空燃比
が一時的に過濃(リッチ)側に大きく変動してしまう。
この空燃比の変動は機関減速度が大きいとき程大きくな
る。そこで本実施例では、機関負荷Q/Nが設定負荷Q
/N1を越えたときに機関急減速運転が行われていると
きには、機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1を越えたと
きから予め定められた第3設定時間TI3だけ経過した
後に吸気流制御弁17の開度を半開にし、すなわち吸気
流制御弁17の開度を全開から半開に変更すべきときか
ら第3設定時間TI3だけ吸気流制御弁17の開度を全
開に保持した後に半開に変更するようにし、それによっ
て機関急減速運転時に第1および第2吸気ポート6a,
6b内に生ずる負圧が急激に増大するのを阻止するよう
にしている。なお本実施例では、機関減速度を表す機関
負荷の変化率ΔQ/Nが予め定められた設定値Δ2より
も小さいときに機関急減速運転が行われているとしてい
る。しかしながら、スロットル弁15の開度の変化率ま
たは機関回転数Nの変化率でもって機関減速度を代表す
ることもできる。なお、機関負荷変化率ΔQ/Nが小さ
いとき程機関減速度が大きい。
【0034】図12は機関急減速運転が行われて機関運
転状態が図9に示す状態B(機関負荷Q/N(B))か
ら状態A(機関負荷Q/N(A))に変化した場合のタ
イムチャートを示している。図12を参照すると、時間
零は機関急減速運転が開始された時間を示している。次
いで時間cにおいて機関負荷Q/NがQ/N(B)から
設定負荷Q/N1を越えるが、このとき吸気流制御弁1
7の開度は全開に保持される。次いで時間cから第3設
定時間TI3だけ経過すると吸気流制御弁17の開度が
半開に変更される。その結果機関急減速運転時に吸気流
制御弁17下流の第1および第2吸気ポート6a,6b
内の負圧が急激に増大するのが阻止され、したがって機
関急減速運転時に第1および第2吸気ポート6a,6b
の壁面から多量の燃料が離脱するのが阻止されるので機
関急減速運転時に燃焼室4内に供給される燃料量が正規
の燃料量に比べて多くなるのが阻止され、斯くして空燃
比が過度にリッチになるのが阻止される。
【0035】一方、機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1
を越えて変化したときに機関負荷の変化率ΔQ/Nが設
定値Δ2よりも大きい機関緩減速運転が行われていると
きには、図8の例と同様に、機関負荷Q/Nが設定負荷
Q/N1を越えたときに吸気流制御弁17の開度を全開
から半開に変更する。次に、機関運転状態が図9に示す
状態Aから状態Dに変化する場合について説明する。
【0036】機関運転状態が状態Aから状態Dに変化す
るときに機関急減速運転が行われた場合、吸気流制御弁
17の開度が半開に保持されていると、機関運転状態が
状態Bから状態Aに変化するときと同様に、吸気流制御
弁17下流の第1および第2吸気ポート6a,6b内の
負圧が急激に増大して空燃比が一時的にリッチになる。
そこで本実施例では機関運転状態が状態Aのときに、す
なわち吸気流制御弁17の開度が半開のときに機関急減
速運転が行われたときには、機関急減速運転が検出され
たときから予め定められた第4設定時間TI4だけ吸気
流制御弁17の開度を全開に一時的に保持するようにし
ている。このように吸気流制御弁17の開度を全開に変
更すると機関急減速運転が行われたときに第1および第
2吸気ポート6a,6b内の負圧を一時的に低くするこ
とができ、したがって第1および第2吸気ポート6a,
6bの壁面に付着した燃料が過度に離脱するのを阻止で
きるので機関急減速運転時に空燃比が一時的にリッチに
なるのを阻止することができる。次いで、機関急減速運
転が検出されたときから第4設定時間TI4だけ経過し
た後には吸気流制御弁17の開度は再び半開に保持され
る。
【0037】図13は機関急減速運転が行われて機関運
転状態が図9に示す状態A(機関負荷Q/N(A))か
ら状態D(機関負荷Q/N(D))に変化した場合のタ
イムチャートを示している。図13を参照すると、時間
零は機関急減速運転が開始された時間を示している。次
いで時間dにおいて機関急減速運転であることが検出さ
れると吸気流制御弁17の開度が全開に変更される。吸
気流制御弁17の開度はこの時間dから第4設定時間T
I4だけ全開に保持され、次いで第4設定時間TI4だ
け経過すると吸気流制御弁17の開度が再び半開に保持
される。一方、機関運転状態が状態Aから状態Dに変化
するときに機関負荷変化率ΔQ/Nが大きい緩減速運転
が行われている場合には第1および第2吸気ポート6
a,6b内の負圧の変動量が比較的小さいので燃焼室4
内に供給される燃料量が正規の燃料量にほぼ一致してい
る。したがって、この場合には吸気流制御弁17の開度
を全開に変更することなく半開に保持する。
【0038】なお、機関運転状態が状態Cのときに機関
減速運転が行われて状態Bに変化するときには機関減速
度に依らず吸気流制御弁17の開度は全開に保持され
る。次に、図9から図13を参照しつつ図14から図2
1を参照して上述の吸気流制御弁17の開度制御方法を
実行するためのルーチンを説明する。図14はイグニッ
ションスイッチ35がオンにされたときに1回実行され
るイニシャライズ処理ルーチンである。図14を参照す
ると、まずステップ90では第1タイマカウント値C1
がクリアされる。この第1タイマカウント値C1は図1
0に示すように機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1を越
えて増大したにもかかわらず吸気流制御弁17の開度が
半開に保持されている時間を表す。次いでステップ91
に進んで第2タイマカウント値C2がクリアされる。こ
の第2タイマカウント値C2は図11に示すように機関
負荷Q/Nが設定負荷Q/N1よりも高いときに吸気流
制御弁17の開度が半開に保持されている時間を表す。
次いでステップ92に進んで第3タイマカウント値C3
がクリアされる。この第3タイマカウント値C3は図1
2に示すように機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1を越
えて低下したにもかかわらず吸気流制御弁17の開度が
全開に保持されている時間を表す。次いでステップ93
に進んで第4タイマカウント値C4がクリアされる。こ
の第4タイマカウント値C4は図13に示すように機関
負荷Q/Nが設定負荷Q/N1よりも低いときに吸気流
制御弁17の開度が全開に保持されている時間を表す。
次いでステップ94に進み、ステップ94では機関急加
速運転が行われたときにセットされる急加速フラグFA
がリセットされる。次いでステップ95に進み、ステッ
プ95では機関急減速運転が行われたときにセットされ
る急減速フラグFDがリセットされる。次いでステップ
96に進み、ステップ96では第2タイマカウント値C
2または第4タイマカウント値C4のカウントが開始さ
れているときにセットされる開度変更フラグFTがリセ
ットされる。次いで処理サイクルを終了する。
【0039】図15は機関急加速運転または機関急減速
運転が行われたことを検出するためのルーチンである。
このルーチンは一定時間毎の割込みによって実行され
る。図15を参照すると、まずステップ100では急加
速フラグFAがセットされているか否か、すなわちFA
=1であるか否かが判別される。FA=1のときには処
理サイクルを終了する。一方FA=0のときにはステッ
プ101に進み、ステップ101では急減速フラグFD
がセットされているか否か、すなわちFD=1であるか
否かが判別される。FD=1のときには処理サイクルを
終了する。一方FD=0のときにはステップ102に進
み、ステップ102では機関負荷の変化率ΔQ/Nが設
定値Δ1(>0)よりも大きいか否かが判別される。機
関負荷変化率ΔQ/Nは例えば現在の機関負荷Q/Nと
前回の処理サイクルにおける機関負荷との差である。Δ
Q/N>Δ1のときにはステップ103に進んでFA=
1とする。次いで処理サイクルを終了する。
【0040】ステップ102においてΔQ/N≦Δ1の
ときには次いでステップ104に進む。ステップ104
では機関負荷の変化率ΔQ/Nが設定値Δ2(<0)よ
りも小さいか否かが判別される。ΔQ/N<Δ2のとき
にはステップ105に進んでFD=1とする。次いで処
理サイクルを終了する。一方、104においてΔQ/N
≧Δ2のときには次いで処理サイクルを終了する。なお
図15に示すルーチンにおいてセットされる急加速フラ
グFAおよび急減速フラグFDは図16から図21に示
すルーチンにおいてリセットされるようになっている。
【0041】図16から図21は吸気流制御弁17の開
度制御を行うルーチンを示している。このルーチンは一
定時間毎の割込みによって実行される。まずステップ1
20では機関始動時であるか否かが判別される。機関始
動時であるときには図21のステップ121に進み、吸
気流制御弁17の開度を全閉とする。次いで処理サイク
ルを終了する。なお機関始動時の定義は図1に示す実施
例と同様であるので説明を省略する。
【0042】機関始動が完了した後にはステップ120
からステップ122に進む。ステップ122では図4に
示すマップから設定負荷Q/N1が算出される。次いで
ステップ123に進み、ステップ123では現在吸気流
制御弁17の開度が半開であるか否かが判別される。機
関始動が完了した後初めてステップ123に進んだとき
には吸気流制御弁17の開度は未だ全閉であるので次い
でステップ124に進む。ステップ124では開度変更
フラグFTがセットされているか否か、すなわちFT=
1であるか否かが判別される。このとき、機関運転状態
が図9に示す状態Aである場合FT=0であるので次い
でステップ125に進む。ステップ125では機関負荷
Q/Nがステップ122で算出された設定負荷Q/N1
よりも低いか否かが判別される。Q/N<Q/N1であ
るときには次いで図19のステップ126に進み、ステ
ップ126では急減速フラグFDがセットされているか
否か、すなわちFD=1であるか否かが判別される。こ
の場合FD=0であるときには次いで図21のステップ
127に進み、ステップ127では吸気流制御弁17の
開度が半開に変更される。次いで処理サイクルを終了す
る。
【0043】次の処理サイクル時において吸気流制御弁
17の開度が半開にされているのでステップ120,1
22,123と進んだ後にステップ128に進む。ステ
ップ128ではFT=1であるか否かが判別される。こ
の場合FT=0であるので次いでステップ129に進
み、Q/N<Q/N1であるか否かが判別される。機関
運転状態が図9の状態Aからほとんど変化していない機
関定常運転の場合のようにQ/N<Q/N1であるとき
にはステップ129からステップ130に進む。ステッ
プ130ではFD=1であるか否かが判別される。機関
運転状態が図9の状態Aに保持されているような場合に
はFD=0であるので次いで図21のステップ127に
進み、吸気流制御弁17の開度を半開に保持する。
【0044】一方、機関運転状態が図9の状態Aから状
態BになってQ/N≧Q/N1となったときにはステッ
プ129から図17のステップ131に進む。ステップ
131では急加速フラグFAがセットされているか否か
が判別される。FA=1のときには次いでステップ13
2に進んで第1タイマカウント値C1を1だけインクリ
メントする。次いでステップ133に進み、ステップ1
33では第1タイマカウント値C1が第1設定時間TI
1以上であるか否かが判別される。第1タイマカウント
値C1がクリアされた後初めてステップ133に進んだ
ときにはC1<TI1であるので次いで図21のステッ
プ127に進み、吸気流制御弁17の開度を半開に保持
する。したがって、機関急加速運転が行われているとき
には機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1を越えて増加し
ても吸気流制御弁17の開度は半開に保持される(図1
0参照)。
【0045】この場合、処理サイクルが行われる毎にス
テップ120,122,123,128,129,13
1,132,133,127に順次進み、次いでC1≧
TI1となったときには、すなわち機関負荷Q/Nが設
定負荷Q/N1を越えてから第1設定時間TI1経過し
たときにはステップ133からステップ134に進んで
第1タイマカウント値C1をクリアし、次いで図21の
ステップ135に進む。ステップ135では急加速フラ
グFAをリセットする。次いでステップ136に進んで
吸気流制御弁17の開度を全開に変更し、次いで処理サ
イクルを終了する。したがって、機関急加速運転でもっ
て機関運転状態が状態Aから状態Bに変化したときには
機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1を越えてから第1設
定時間TI1経過するまで吸気流制御弁17の開度が半
開に保持され、次いで第1設定時間TI1だけ経過する
と吸気流制御弁17の開度が全開に変更される。
【0046】一方、機関運転状態が状態Aから状態Bに
変化したときにステップ131においてFA=0のとき
には、すなわち緩加速度運転でもって機関運転状態が状
態Aから状態Bに変化したときには次いでステップ13
6に進み、ステップ136では吸気流制御弁17の開度
を全開に変更する。次いで処理サイクルを終了する。し
たがって、緩加速度運転でもって機関運転状態が状態A
から状態Bに変化したときには機関負荷Q/Nが設定負
荷Q/N1を越えると直ちに吸気流制御弁17の開度が
全開に変更される。
【0047】吸気流制御弁17の開度が全開に変更され
ると次いでステップ123からステップ124に進み、
開度変更フラグFTがセットされているか否かが判別さ
れる。吸気流制御弁17の開度が全開に変更された後初
めてステップ124に進んだときにはFT=0であるの
でステップ124から次いでステップ125に進み、こ
の場合Q/N≧Q/N1であるので次いでステップ13
7に進む。ステップ137では急加速フラグFAがセッ
トされているか否かが判別される。ステップ137にお
いてFA=1のときには次いで図18のステップ138
に進み、ステップ138では第2タイマカウント値C2
が第2設定時間TI2以上であるか否かが判別される。
第2タイマカウント値C2がクリアされた後初めてステ
ップ138に進んだときにはC2<TI2であるので次
いでステップ139に進み、ステップ139では開度変
更フラグFTをセットする。次いで140に進んで第2
タイマカウント値C2を1だけインクリメントし、次い
で図21のステップ127に進んで吸気流制御弁17の
開度を半開に変更する。したがって、機関負荷Q/Nが
設定負荷Q/N1よりも高いときに機関急加速運転が行
われているときには吸気流制御弁17の開度が半開に変
更される(図11参照)。
【0048】この場合、処理サイクルが行われる毎にス
テップ120,122,123,128,138,13
9,140,127に順次進み、次いでC2≧TI2と
なったときには、すなわち機関負荷Q/Nが設定負荷Q
/N1よりも高いときに吸気流制御弁17の開度を半開
に保持してから設定時間TI2経過したときにはステッ
プ138からステップ141に進んで開度変更フラグF
Tをリセットする。次いでステップ142に進んで第2
タイマカウント値C2をクリアする。次いで図21のス
テップ135に進み、ステップ135では急加速フラグ
FAをリセットする。次いでステップ136に進んで吸
気流制御弁17の開度を全開に変更し、次いで処理サイ
クルを終了する。したがって、機関負荷Q/Nが設定負
荷Q/N1よりも高いときに機関急加速運転が行われて
いるときには、機関急加速運転が検出されると吸気流制
御弁17の開度が半開に変更され、第2設定時間TI2
経過するまで吸気流制御弁17の開度が半開に保持さ
れ、次いで第2設定時間TI2だけ経過すると吸気流制
御弁17の開度が再び全開に変更される。
【0049】一方、ステップ137においてFA=0の
ときには次いでステップ136に進み、ステップ136
では吸気流制御弁17の開度を全開に保持する。次いで
処理サイクルを終了する。したがって、機関運転状態が
例えば図9の状態Bからほとんど変化しない機関定常運
転時は吸気流制御弁17の開度は全開に保持される。吸
気流制御弁17の開度が全開にあるときにはステップ1
23からステップ124に進み、ステップ124におい
てFT=0のときにはステップ125に進む。このと
き、機関運転状態が図9の状態Bから状態Aに変化して
Q/N<Q/N1となったときにはステップ125から
次いで図19のステップ126に進み、ステップ126
では急減速フラグFDがセットされているか否かが判別
される。FD=1のときには次いでステップ143に進
んで第3タイマカウント値C3を1だけインクリメント
する。次いでステップ144に進み、ステップ144で
は第3タイマカウント値C3が第3設定時間TI3以上
であるか否かが判別される。第3タイマカウント値C3
がクリアされた後初めてステップ144に進んだときに
はC3<TI3であるので次いで図21のステップ13
6に進み、吸気流制御弁17の開度を全開に保持する。
したがって、機関急減速運転が行われているときには機
関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1を越えて低下しても吸
気流制御弁17の開度は全開に保持される(図12参
照)。
【0050】この場合、処理サイクルが行われる毎にス
テップ120,122,123,124,125,12
6,143,144,136に順次進み、次いでC3≧
TI3となったときには、すなわち機関負荷Q/Nが設
定負荷Q/N1を越えてから第1設定時間TI3経過し
たときにはステップ144からステップ145に進んで
第3タイマカウント値C3をクリアし、次いで図21の
ステップ146に進む。ステップ146では急減速フラ
グFDをリセットする。次いでステップ127に進んで
吸気流制御弁17の開度を半開に変更し、次いで処理サ
イクルを終了する。したがって、機関急減速運転でもっ
て機関運転状態が状態Bから状態Aに変化したときには
機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1を越えてから第3設
定時間TI3経過するまで吸気流制御弁17の開度が全
開に保持され、次いで第3設定時間TI3だけ経過する
と吸気流制御弁17の開度が半開に変更される。
【0051】一方、機関運転状態が状態Bから状態Aに
変化したときにステップ126においてFD=0のとき
には、すなわち緩減速度運転でもって機関運転状態が状
態Bから状態Aに変化したときには次いでステップ12
7に進み、ステップ127では吸気流制御弁17の開度
を半開に変更する。次いで処理サイクルを終了する。し
たがって、小さい減速度でもって機関運転状態が状態B
から状態Aに変化したときには機関負荷Q/Nが設定負
荷Q/N1を越えると直ちに吸気流制御弁17の開度が
半開に変更される。
【0052】吸気流制御弁17の開度が半開に変更され
ると次いでステップ123からステップ128に進み、
開度変更フラグFTがセットされているか否かが判別さ
れる。吸気流制御弁17の開度が半開に変更された後初
めてステップ128に進んだときにはFT=0であるの
で次いでステップ129に進み、この場合Q/N≧Q/
N1であるのでステップ129から次いでステップ13
0に進む。ステップ130では急減速フラグFAがセッ
トされているか否かが判別される。ステップ130にお
いてFD=1のときには次いで図20のステップ147
に進み、ステップ147では第4タイマカウント値C4
が第4設定時間TI4以上であるか否かが判別される。
第4タイマカウント値C4がクリアされた後初めてステ
ップ147に進んだときにはC4<TI4であるので次
いでステップ148に進み、ステップ148では開度変
更フラグFTをセットする。次いで149に進んで第4
タイマカウント値C4を1だけインクリメントし、次い
で図21のステップ136に進んで吸気流制御弁17の
開度を全開に変更する。したがって、機関負荷Q/Nが
設定負荷Q/N1よりも低いときに機関急減速運転が行
われているときには吸気流制御弁17の開度が全開に変
更される(図13参照)。
【0053】この場合、処理サイクルが行われる毎にス
テップ120,122,123,124,147,14
8,149,136に順次進み、次いでC4≧TI4と
なったときには、すなわち機関負荷Q/Nが設定負荷Q
/N1よりも低いときに吸気流制御弁17の開度を全開
に保持してから設定時間TI4経過したときにはステッ
プ147からステップ150に進んで開度変更フラグF
Tをリセットする。次いでステップ151に進んで第4
タイマカウント値C4をクリアする。次いで図21のス
テップ146に進み、ステップ146では急減速フラグ
FDをリセットする。次いでステップ127に進んで吸
気流制御弁17の開度を半開に変更し、次いで処理サイ
クルを終了する。したがって、機関負荷Q/Nが設定負
荷Q/N1よりも低いときに機関急減速運転が行われて
いるときには、機関急減速運転が検出されると吸気流制
御弁17の開度が全開に変更され、第4設定時間TI4
経過するまで吸気流制御弁17の開度が全開に保持さ
れ、次いで第4設定時間TI4だけ経過すると吸気流制
御弁17の開度が再び半開に変更される。
【0054】ところで図9から図13を参照して説明し
た実施例において、例えば図10に示すように機関負荷
Q/Nが設定負荷Q/N1を越えて増加するときに機関
急加速運転が行われているときには機関負荷Q/Nが設
定負荷Q/N1を越えたときから予め一定に定められた
第1設定時間TI1だけ吸気流制御弁17の開度を半開
に保持するようにしている。ところが、機関加速度が非
常に大きいにもかかわらず吸気流制御弁17の開度を第
1設定時間TI1だけ半開に保持しておくと吸入空気量
が不足してしまう恐れがある。そこで、機関急加速運転
時において機関加速度が大きいとき程吸気流制御弁17
の開度を半開に保持しておく時間を短くするようにして
もよい。すなわち、機関加速運転が開始されたときから
機関負荷変化率ΔQ/Nの積算値を求め、この積算値が
予め定められた設定値S1を越えたときに吸気流制御弁
17の開度を全開に変更するようにしてもよい。この場
合、機関加速度が大きいとき程ΔQ/Nの積算値が設定
値S1を越えるまでの時間が短くなり、したがって機関
加速度が大きいとき程吸気流制御弁17の開度が速やか
に全開に変更される。その結果機関加速度が大きいとき
に吸入空気量が不足するのを阻止することができる。
【0055】図22は機関急加速運転が行われて機関運
転状態が図9に示す状態Aから状態Bに変化した場合の
タイムチャートを示している。なお図22において、実
線は機関加速度が大きい機関運転状態の場合を示してお
り、破線は機関加速度が小さい機関運転状態の場合を示
している。図22を参照すると、時間零は機関急加速運
転が開始された時間を示している。次いで時間aにおい
て機関負荷Q/NがQ/N(A)から設定負荷Q/N1
を越えるが、このとき吸気流制御弁17の開度は半開に
保持されている。機関運転状態が実線で示される場合、
次いで時間aから時間a1だけ経過したときに機関負荷
変化率ΔQ/Nの積算値が設定値S1となり、時間a+
a1において吸気流制御弁17の開度が全開に変更され
る。したがって機関運転状態が実線で示される場合には
機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1を越えて増大してか
ら時間a1だけ吸気流制御弁17の開度が半開に保持さ
れ、その後全開に変更される。
【0056】一方、機関運転状態が破線で示される場
合、時間aから時間a1よりも長い時間a2だけ経過し
たときに機関負荷変化率ΔQ/Nの積算値が設定値S1
となり、時間a+a2において吸気流制御弁17の開度
が全開に変更される。したがって機関運転状態が破線で
示される場合には機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1を
越えて増加してから時間a2だけ吸気流制御弁17の開
度が半開に保持され、その後全開に変更される。その結
果、機関加速度が大きいとき程、機関負荷Q/Nが設定
負荷Q/N1を越えて増大した後に吸気流制御弁17の
開度が半開に保持されている時間が短くされることとな
り、したがって機関加速度が大きいときに吸入空気量が
不足するのを阻止することができる。
【0057】同様に、機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N
1よりも高いときに機関急加速運転が行われて吸気流制
御弁17の開度を一時的に半開に保持するようにする場
合(図11参照)、吸気流制御弁17の開度を半開に保
持する時間を機関加速度が大きいとき程短くするように
してもよい。また、機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1
を越えて低下するときに機関急減速運転が行われて吸気
流制御弁17の開度を全開に保持するようにする場合
(図12参照)、吸気流制御弁17の開度を全開に保持
する時間、すなわち機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1
を越えてから吸気流制御弁17の開度を半開に変更する
までの時間を機関減速度が大きいとき程短くするように
してもよい。その結果機関急減速運転時に吸入空気量が
過度に多くなるのを阻止することができる。
【0058】さらに、機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N
1よりも低いときに機関急減速運転が行われて吸気流制
御弁17の開度を一時的に全開に保持するようにする場
合(図13参照)、吸気流制御弁17の開度を全開に保
持する時間を機関減速度が大きいとき程短くするように
してもよい。次に図23を参照して図1に示す吸気流制
御弁駆動装置16の具体的な実施例を説明する。
【0059】図23を参照すると、吸気流制御弁駆動装
置16は第1のダイヤフラム170により画定される第
1の負圧室172と、第2のダイヤフラム171により
画定される第2の負圧室173とを具備する。第1ダイ
ヤフラム170は例えば連結棒180により吸気流制御
弁17に連結され、第2ダイヤフラム171は連結棒1
81により第1ダイヤフラム170に連結される。第1
負圧室172は負圧を蓄えるための蓄圧室174を介し
て吸気流制御弁17下流の吸気枝管10内に連通され、
一方第2負圧室173は三方弁175および蓄圧室17
4を介して吸気流制御弁17下流の吸気枝管10内また
は大気に連通される。蓄圧室174は吸気流制御弁17
下流の吸気枝管10内の負圧を蓄えて負圧源として作用
する。また、蓄圧室174と吸気枝管10間には、負圧
が吸気枝管10から蓄圧室174に向けてのみ流通可能
な逆止弁174aが設けられる。一方、負圧制御弁を構
成する三方弁175は通電されていないときには第2負
圧室173を大気に連通させ、通電されると第2負圧室
173を蓄圧室174に連通させる。なお、三方弁17
5によって第2負圧室173が大気に連通されたときに
蓄圧室174が大気に連通されるのが阻止されている。
また、三方弁175は電子制御ユニット50からの出力
信号に基づいて制御される。
【0060】第1負圧室172内には第1ダイヤフラム
170の変位量を零にすべく第1ダイヤフラム170を
付勢するばね176が配置されており、第2負圧室17
3内には第2ダイヤフラム171の変位量を零にすべく
第2ダイヤフラム171を付勢するばね177が配置さ
れている。図23に示す例では、第1および第2ダイヤ
フラム170,171の変位量が大きくなるにつれて吸
気流制御弁17の開度が大きくなり、第1および第2負
圧室172,173内の負圧が大きくなるにつれて第1
ダイヤフラム170および第2ダイヤフラム171の変
位量が大きくなる。したがって、第1および第2負圧室
172,173内の負圧が大きくなるにつれて吸気流制
御弁17の開度が大きくなる。
【0061】図23(A)は機関停止時および機関始動
時を示している。機関停止時には吸気流制御弁17下流
の吸気枝管10内に負圧が生じておらず、また三方弁1
75は第2負圧室173を大気に連通せしめているので
第1負圧室172および第2負圧室173内には負圧が
導かれない。云い換えると、第1負圧室172および第
2負圧室173内には大気圧が導かれている。その結果
第1ダイヤフラム170および第2ダイヤフラム171
は共に変位せしめられないので機関停止時において吸気
流制御弁17の開度は全閉に保持される。
【0062】機関始動が開始されても吸気流制御弁17
下流の吸気枝管10内の負圧は小さいので吸気流制御弁
17の開度は全閉に保持され続ける。次いで機関始動が
完了すると、すなわち図1に示す例では機関回転数Nが
400rpmよりも高くなると吸気流制御弁17下流の
吸気枝管10内には第1ダイヤフラム170を変位させ
るのに充分な負圧が生じるようになり、この負圧が蓄圧
室174を介して第1負圧室172内に導かれるので第
1ダイヤフラム170が第2ダイヤフラム171と共に
わずかに変位する。その結果吸気流制御弁17が開弁方
向に駆動され、斯くして吸気流制御弁17の開度が図2
3(B)に示すように半開に変更される。なお、このと
き第2負圧室173は三方弁175を介して大気に連通
されており、したがって第2負圧室173内には大気圧
が導かれている。
【0063】吸気流制御弁17の開度が半開のときに吸
気流制御弁17の開度を全開に変更すべきときには三方
弁175を制御して第2負圧室173を蓄圧室174に
連通せしめる。第2負圧室173が蓄圧室174に連通
せしめられると蓄圧室174内の負圧が第2負圧室17
3内にも導かれるので第2ダイヤフラム171が第1ダ
イヤフラム170と共にさらに大きく変位し、その結果
吸気流制御弁17が開弁方向にさらに駆動され、斯くし
て図23(C)に示すように吸気流制御弁17の開度が
全開に変更される。
【0064】吸気流制御弁17の開度が全開のときに吸
気流制御弁17の開度を半開に変更すべきときには三方
弁175を制御して第2負圧室173を大気に連通せし
める。その結果、第2負圧室173内に大気圧が導かれ
て第1ダイヤフラム170および第2ダイヤフラム17
1の変位量が小さくなるので吸気流制御弁17の開度が
半開に変更される。
【0065】図23に示す例では1つの三方弁175を
制御することにより吸気流制御弁17の3つの開度を制
御することができる。その結果吸気流制御弁駆動装置1
6を安価に製造することができ、また消費電力を低減す
ることができる。さらに図23に示す例では、機関停止
時に吸気流制御弁17の開度が全閉に保持されているの
で機関始動が開始されるときに特別な制御を行うことな
く吸気流制御弁17の開度を全閉に保持することができ
る。
【0066】ところで、図23に示す例では機関運転が
停止されると三方弁175が制御されて第2負圧室17
3が大気に連通され、第2負圧室173内に大気圧が導
入されるようになっている。このとき、第1負圧室17
2内の負圧が速やかに低下するようになっていると吸気
流制御弁17の開度が速やかに全閉に戻ることとなる。
ところが、機関停止後吸気流制御弁17の開度が速やか
に全閉に戻るようになっていると吸気枝管10内壁面の
凝縮水が吸気流制御弁17に付着し、冷間時にこの凝縮
水が凝固すると吸気流制御弁17が吸気枝管10内壁面
に固定されて吸気流制御弁17を駆動できなくなる恐れ
があり、すなわちいわゆるアイシングを生ずる恐れがあ
る。これに対し、図23に示す例では蓄圧室174が設
けられており、機関停止後であっても吸気流制御弁17
を開弁、すなわち全閉でない開度に保持するのに充分な
負圧が蓄圧室174から第1負圧室172内に導入され
るようになっているのでアイシングが生ずるのを阻止す
ることができる。機関停止後、第1負圧室172から蓄
圧室174間の配管からの漏れでもって吸気流制御弁1
7の開度が次第に小さくなり、充分な時間が経過すると
全閉に戻るようになるが、このとき吸気枝管10内壁面
にはもはや凝縮水が存在していないのでアイシングが生
ずる恐れがなくなっている。
【0067】図24は吸気流制御弁駆動装置16の別の
実施例を示している。図24を参照すると、第1負圧室
172は互いに並列配置された絞り182と逆止弁18
3とを介して蓄圧室174に連通される。これら絞り1
82および逆止弁183は負圧低下制限手段を構成す
る。逆止弁183は蓄圧室174から第1負圧室172
内への負圧の導入を可能にするので機関作動時には第1
負圧室172内には負圧が良好に導入される。また逆止
弁183は第1負圧室172からの負圧の漏れを阻止
し、さらに絞り182は第1負圧室172からの負圧の
漏れを図23に示した例に比べて低減する。その結果、
機関停止後において吸気流制御弁17の開度が速やかに
全閉に戻るのをさらに確実に阻止することができ、した
がってアイシングが生じるのをさらに確実に阻止するこ
とができる。なお、負圧低下制限手段によって機関停止
後に第2負圧室173内の負圧、または第1および第2
負圧室両方の負圧が低下するのを制限するようにしても
よい。
【0068】さらに図24を参照すると、絞り182お
よび逆止弁183と蓄圧室174間には追加の三方弁1
84が設けられる。この追加の三方弁184は機関作動
時に第1負圧室172を蓄圧室174に連通し続け、機
関運転が停止されると第1負圧室172を大気に連通さ
せると共に蓄圧室174が大気に連通されるのを阻止す
る。追加の三方弁184は電子制御ユニット50からの
出力信号に基づいて制御される。
【0069】図23に示す例では、機関停止後において
第1負圧室172と蓄圧室174間の配管からの漏れで
もって吸気流制御弁17の開度が次第に小さくなるよう
にしている。しかしながら、通常の配管では漏れがなく
なるように構成するのが一般的であり、したがって、図
23に示す例において配管の漏れがなくなるようにする
と機関停止後において吸気流制御弁17の開度が全閉に
なるまでに非常に長い時間を要することになる。この場
合、機関が停止されてから短時間のうちに再び機関始動
されると吸気流制御弁17の開度が全閉まで戻っていな
い恐れがある。そこで、図24に示す例では、機関停止
後に追加の三方弁184を制御して第1負圧室172を
大気に連通させ、吸気流制御弁17の開度が全閉に戻る
までに究めて長い時間を要しないようにしている。その
結果、機関停止後、再び機関始動が行われるときに吸気
流制御弁17の開度を確実に全閉にすることができる。
【0070】ところで、機関始動が完了するときには吸
気流制御弁17の開度を速やかに半開まで変更して吸入
空気量を確保する必要がある。ところが図23または図
24に示す例では、吸気流制御弁17下流の吸気枝管1
0内の負圧を第1負圧室172内に導入するようにして
おり、この場合機関回転数Nが大きくなるのに伴って吸
気流制御弁17下流の吸気枝管19内の負圧、すなわち
第1負圧室172内に導入される負圧が大きくなるので
機関回転数Nが大きくなるのに伴って吸気流制御弁17
が徐々に開弁方向に駆動される。ところが吸気流制御弁
17が開弁方向に駆動されると吸気流制御弁17下流の
吸気枝管19内の負圧、すなわち第1負圧室172内に
導入される負圧が小さくなり、その結果機関始動完了後
において吸気流制御弁17の開度を半開に保持するのに
充分な負圧を第1負圧室172内に導入できない恐れが
ある。そこで、機関始動時と機関始動完了時間の移行時
に、すなわち例えば機関回転数Nが300rpmよりも
高くなったときに三方弁175を制御して第2負圧室1
73を蓄圧室174に連通させ、それにより第2負圧室
173内にも負圧を導くことによって移行時に吸気流制
御弁17を速やかに開弁方向に駆動するようにしてもよ
い。移行時に吸気流制御弁17が開弁方向に駆動される
と吸入空気量が増大されるので機関回転数Nを速やかに
増大させることができ、したがって機関始動を速やかに
完了することができる。また、第1負圧室172内に導
入される負圧を速やかに確保できるので機関始動完了後
に第2負圧室173に負圧を導入することなく第1負圧
室172内の負圧でもって吸気流制御弁17の開度を半
開に保持することができるようになる。なお、機関始動
が完了した後には、すなわちこの例では機関回転数Nが
400rpmよりも高くなったときには、図1に示す実
施例と同様の吸気流制御弁17の開度制御方法が行われ
る。
【0071】図25は上述した移行時における吸気流制
御弁17の開度制御方法を実行するためのルーチンを示
している。このルーチンは一定時間毎の割込みによって
実行される。図25を参照すると、まずステップ190
では現在機関始動時であるか否かが判別される。現在機
関始動時であるときにはステップ191に進む。一方、
現在機関始動が完了しているときには処理サイクルを終
了する。ステップ191では現在移行時であるか否か、
すなわち機関回転数Nが300rpmよりも高いか否か
が判別される。現在移行時でないとき、すなわち機関回
転数Nが300rpmよりも低いときには次いでステッ
プ192に進み、ステップ192では三方弁175を制
御して第2負圧室173を大気に連通させる。次いで処
理サイクルを終了する。一方ステップ191において移
行時であるとき、すなわち機関回転数Nが300rpm
よりも高いときには次いでステップ193に進む。ステ
ップ193では三方弁175を制御して第2負圧室17
3を蓄圧室174に連通させる。次いで処理サイクルを
終了する。
【0072】図26は吸気流制御弁駆動装置16のさら
に別の実施例を示している。本実施例における吸気流制
御弁駆動装置16は図23に示す吸気流制御弁駆動装置
とほぼ同様に構成される。しかしながら本実施例では、
第1負圧室172と蓄圧室174間に電子制御ユニット
50からの出力信号に基づいて制御される三方弁200
が配置される。三方弁200は第1負圧室172を蓄圧
室174または大気のいずれか一方に連通させる。な
お、第1負圧室172が大気に連通されているときには
蓄圧室174は大気に連通されない。
【0073】図26(A)は機関停止時および機関始動
時を示している。このとき、第1負圧室172は三方弁
200を介して大気に連通され、第2負圧室173も三
方弁175を介して大気に連通されている。その結果、
第1負圧室172および第2負圧室173内に大気圧が
導かれ、したがって吸気流制御弁17の開度は全閉に保
持される。このため、図23に示す例と同様に機関始動
時に吸気流制御弁17の開度を全閉に容易に保持するこ
とができる。
【0074】吸気流制御弁17の開度を半開に変更すべ
きときには三方弁200を制御して第1負圧室172を
蓄圧室174に連通せしめることにより第1負圧室17
2内に蓄圧室174内の負圧を導き、同時に三方弁17
5を制御して第2負圧室173を大気に連通させること
により第2負圧室173内に大気圧を導く。その結果第
1ダイヤフラム170が第2ダイヤフラム171と共に
わずかに変位し、斯くして吸気流制御弁17の開度が図
26(B)に示すように半開に変更される。これに対
し、吸気流制御弁17の開度を全開に変更すべきときに
は第1負圧室172を蓄圧室174に連通しつつ三方弁
175を制御して第2負圧室173を蓄圧室174に連
通せしめる。その結果第2ダイヤフラム171が第1ダ
イヤフラム170と共に大きく変位し、斯くして吸気流
制御弁17の開度が図26(C)に示すように全開に変
更される。本実施例では機関始動が完了した後には三方
弁200は常時開弁されている。
【0075】図27は吸気流制御弁駆動装置16のさら
に別の実施例を示している。図27を参照すると、吸気
流制御弁駆動装置16はダイヤフラム170により画定
された1つの負圧室172を具備する。ダイヤフラム1
70を駆動するための負圧室172は三方弁200によ
って蓄圧室174または大気のいずれか一方に連通され
る。また、吸気流制御弁駆動装置16は電子制御ユニッ
ト50からの出力信号に基づいて制御される電磁アクチ
ュエータ201を具備する。この電磁アクチュエータ2
01は付勢されると連結棒180に当接して連結棒18
0を押し出すよう作用する。
【0076】図27(A)は機関停止時および機関始動
時を示している。このとき、電磁アクチュエータ201
は消勢され、また負圧室172は三方弁200を介して
大気に連通されている。その結果負圧室172内に大気
圧が導かれ、したがって吸気流制御弁17の開度が全閉
にされる。本実施例においても機関停止時に吸気流制御
弁17の開度が全閉に保持されているので機関始動時に
特別の制御を行うことなく吸気流制御弁17の開度を全
閉に保持することができる。吸気流制御弁17の開度を
半開に変更すべきときには負圧室172を大気に連通し
つつ電磁アクチュエータ201を付勢する。電磁アクチ
ュエータ201が付勢されると電磁アクチュエータ20
1が吸気流制御弁17の開弁方向に連結棒180を移動
させ、その結果図27(B)に示すように吸気流制御弁
17の開度が半開に変更される。本実施例では、機関始
動が完了したときに電磁アクチュエータ201を用いて
吸気流制御弁17の開度を半開まで駆動するようにして
いるので機関始動が完了したときに吸気流制御弁17の
開度を速やかに半開まで駆動することができる。
【0077】一方吸気流制御弁17の開度を全開に変更
すべきときには三方弁200を制御して負圧室172を
蓄圧室174に連通させる。その結果負圧室172内に
蓄圧室174内の負圧が導かれてダイヤフラム170が
大きく変位し、斯くして吸気流制御弁17の開度が図2
7(C)に示すように全開に変更される。なお本実施例
では、吸気流制御弁17の開度が全開のとき電磁アクチ
ュエータ201は連結棒180から離脱している。
【0078】図28は吸気流制御弁駆動装置16のさら
に別の実施例を示している。この実施例において吸気流
制御弁駆動装置16は図26に示す吸気流制御弁駆動装
置16とほぼ同様に構成される。しかしながら、第1負
圧室172または第2負圧室173内に負圧が導入され
ることにより第1ダイヤフラム170および第2ダイヤ
フラム171が変位されたときの吸気流制御弁17の開
度が、図26に示す実施例と異なっている。
【0079】図28(A)は機関停止時を示している。
機関停止時、第1負圧室172は三方弁200を介して
大気に連通され、第2負圧室173は三方弁175を介
して大気に連通されている。その結果第1および第2負
圧室172,173内には大気圧が導かれ、斯くして吸
気流制御弁17の開度は全開に保持される。機関停止時
に吸気流制御弁17の開度を全開に保持することによっ
てアイシングが生ずるのを阻止することができる。
【0080】機関始動時、すなわち吸気流制御弁17の
開度を全閉に変更すべきときには三方弁200を制御し
て第1負圧室172を蓄圧室174に連通させると共に
三方弁175を制御して第2負圧室173も蓄圧室17
4に連通させる。その結果、第1および第2負圧室17
2,173内に蓄圧室174内の負圧が導かれるので第
1ダイヤフラム170および第2ダイヤフラム171が
共に大きく変位し、斯くして吸気流制御弁17の開度が
図28(B)に示すように全閉に変更される。
【0081】吸気流制御弁17の開度を半開に変更すべ
きときには第1負圧室172を蓄圧室174に連通させ
つつ三方弁175を制御して第2負圧室173を大気に
連通させる。その結果第2負圧室173内に大気圧が導
かれるので第1ダイヤフラム170および第2ダイヤフ
ラム171の変位量が吸気流制御弁17の開度が全閉の
ときに比べて小さくなり、斯くして吸気流制御弁17の
開度が図28(C)に示すように半開に変更される。
【0082】吸気流制御弁17の開度を半開から全開に
変更すべきときには第2負圧室173を大気に連通させ
つつ三方弁200を制御して第1負圧室172を大気に
連通させる。その結果、第1負圧室172内に大気圧が
導かれるので吸気流制御弁17の開度が図28(A)に
示すように全開に変更される。したがって本実施例にお
いて、機関始動が完了した後には第2負圧室173は常
時大気に連通されている。
【0083】図29は吸気流制御弁駆動装置16のさら
に別の実施例を示している。この実施例において吸気流
制御弁駆動装置16は図27に示す吸気流制御弁駆動装
置16とほぼ同様に構成される。しかしながら負圧室1
72に負圧が導入されることによりダイヤフラム170
が変位されたときまたは電磁アクチュエータ201が付
勢されたときの吸気流制御弁17の開度が、図27に示
す実施例と異なっている。
【0084】図29(A)は機関停止時を示している。
機関停止時、負圧室172は三方弁200を介して大気
に連通され、電磁アクチュエータ201は消勢される。
その結果負圧室172内に大気圧が導かれ、斯くして吸
気流制御弁17の開度は全開に保持される。この実施例
でも、図28に示す実施例と同様に、機関停止時に吸気
流制御弁17の開度を全開に保持することによってアイ
シングが生ずるのを阻止することができる。
【0085】機関始動時、すなわち吸気流制御弁17の
開度を全閉に変更すべきときには負圧室172を大気に
連通しつつ電磁アクチュエータ201を付勢する。その
結果、吸気流制御弁17の開度が図29(B)に示すよ
うに全閉に保持される。機関始動を開始するときに電磁
アクチュエータ201を用いて吸気流制御弁17の開度
を全閉に変更することによって吸気流制御弁17の開度
を半開に変更すべきときに吸気流制御弁17の開度を速
やかに半開に変更することができる。
【0086】吸気流制御弁17の開度を半開に変更すべ
きときには電磁アクチュエータ201を消勢すると共に
三方弁200を制御して負圧室172を蓄圧室174に
連通させる。その結果、負圧室172内に蓄圧室174
内の負圧が導かれるので吸気流制御弁17の開度が図2
9(C)に示すように半開に変更される。なおこのとき
電磁アクチュエータ201は連結棒180から離脱して
いる。
【0087】吸気流制御弁17の開度を半開から全開に
変更すべきときには電磁アクチュエータ201を消勢し
つつ三方弁200を制御して負圧室172を大気に連通
させる。その結果、負圧室172内に大気圧が導かれる
ので吸気流制御弁17の開度が図29(A)に示すよう
に全開に変更される。したがって本実施例において、機
関始動が完了した後には電磁アクチュエータ201は消
勢され続ける。
【0088】図30は吸気流制御弁駆動装置16のさら
に別の実施例を示している。この実施例において吸気流
制御弁駆動装置16は図26に示す吸気流制御弁駆動装
置16とほぼ同様に構成される。しかしながら本実施例
において、第1負圧室172内に負圧が導入されたとき
に第1ダイヤフラム170が変位する方向と第2負圧室
173内に負圧が導入されたときに第2ダイヤフラム1
71が変位する方向とが互いに異なっている。また、第
1負圧室172内に負圧が導入されたときの吸気流制御
弁17の回動方向と、第2負圧室173内に負圧が導入
されたとき吸気流制御弁17の回動方向とが互いに異な
っている。
【0089】図30(A)は機関停止時を示している。
機関停止時、第1負圧室172は三方弁200を介して
大気に連通され、第2負圧室は三方弁175を介して大
気に連通され、その結果第1および第2負圧室172,
173内に大気圧が導かれ、斯くして吸気流制御弁17
の開度は半開に保持される。機関停止時に吸気流制御弁
17の開度を半開に保持することによってアイシングが
生ずるのを阻止することができ、しかも機関始動が開始
されたときに吸気流制御弁17の開度を速やかに全閉ま
で変更することができる。
【0090】機関始動時、すなわち吸気流制御弁17の
開度を全閉に変更すべきときには第2負圧室173を大
気に連通しつつ三方弁200を制御して第1負圧室17
2を蓄圧室174に連通させる。その結果、第1負圧室
172内に蓄圧室174内の負圧が導かれるので図30
(B)に示すように第1ダイヤフラム170および第2
ダイヤフラム171が第1負圧室172に向けて変位
し、斯くして吸気流制御弁17の開度が全閉に変更され
る。
【0091】吸気流制御弁17の開度を全開に変更すべ
きときには三方弁200を制御して第1負圧室172を
大気に連通させると共に三方弁175を制御して第2負
圧室173を蓄圧室174に連通させる。その結果、第
2負圧室173内に蓄圧室174内の負圧が導かれるの
で図30(C)に示すように第1ダイヤフラム170お
よび第2ダイヤフラム171が第2負圧室173に向け
て変位し、斯くして吸気流制御弁17の開度が全開に変
更される。
【0092】本実施例では、全ての運転状態にわたって
第1負圧室172と第2負圧室173との両方に同時に
負圧を導くことがないので第1および第2負圧室17
2,173内に導入される負圧を全ての運転状態にわた
って確保することができる。図31は吸気流制御弁駆動
装置16のさらに別の実施例を示している。この実施例
において吸気流制御弁駆動装置16は図27に示す吸気
流制御弁駆動装置16とほぼ同様に構成される。しかし
ながら本実施例において、電磁アクチュエータ201は
付勢されると連結棒180を引き戻すように作用する。
【0093】図31(A)は機関停止時を示している。
機関停止時、負圧室172は三方弁200を介して大気
に連通され、電磁アクチュエータ201は消勢される。
その結果、負圧室172内には大気圧が導かれ、斯くし
て吸気流制御弁17の開度は半開に保持される。機関停
止時に吸気流制御弁17の開度を半開に保持することに
よってアイシングが生ずるのを阻止することができ、し
かも機関始動が開始されたときに吸気流制御弁17の開
度を速やかに全閉まで変更することができる。
【0094】機関始動時、すなわち吸気流制御弁17の
開度を全閉に変更すべきときには負圧室172を大気に
連通しつつ電磁アクチュエータ201を付勢する。その
結果、負圧室172内に大気圧が導かれるので図31
(B)に示すように吸気流制御弁17の開度が全閉に変
更される。吸気流制御弁17の開度を半開から全開に変
更すべきときには電磁アクチュエータ201を消勢しつ
つ三方弁200を制御して負圧室172を蓄圧室174
に連通させる。その結果、負圧室172内に蓄圧室17
4内の負圧が導かれるので図31(C)に示すように吸
気流制御弁17の開度が全開に変更される。このとき、
電磁アクチュエータ201は連結棒180から離脱して
いる。
【0095】図23から図31を参照して説明してきた
実施例では、第1負圧室172および第2負圧室173
と蓄圧室174間にそれぞれ三方弁200,175を配
置してこれら第1負圧室172および第2負圧室173
内に導かれる負圧または大気圧を制御するようにしてい
る。しかしながら、第1負圧室172および第2負圧室
173と蓄圧室173間にデューティ制御される電磁弁
を配置してこれらこれら第1負圧室172および第2負
圧室173内に導かれる負圧または大気圧を制御するよ
うにしてもよい。この場合、電磁弁のデューティ比を制
御することによって吸気流制御弁17の開度を無段階に
制御することができる。
【0096】次に、図1に示す内燃機関における吸入空
気量の検出方法について説明する。図1に示す例では、
吸入空気量Qを検出するのに一般的な例えばベーン式エ
アフローメータが設けられておらず、それによって機関
ポンピングロスができるだけ小さくなるようにしてい
る。本実施例では吸気枝管10内の負圧を検出する圧力
センサ57を設け、この圧力センサ57からの出力に基
づいて吸入空気量Qを算出するようにしている。
【0097】まず図32を参照して圧力センサ57の取
付け位置について説明する。図32は圧力センサ57の
取付け位置を変更した場合の圧力センサ57の出力を示
しており、Aは圧力センサ57を吸気流制御弁17下流
の吸気枝管10に取付けた場合を示しており、Bは圧力
センサ57を吸気流制御弁17とサージタンク11間の
吸気枝管10に取付けた場合を示しており、Cは圧力セ
ンサ57をサージタンク11に取付けた場合を示してい
る。図32からわかるように、圧力センサ57の取付け
位置を燃焼室4に近づけることによって圧力センサ57
のダイナミックレンジを大きくすることができる。ま
た、圧力センサ57の取付け位置を燃焼室4に近づける
ことによって機関加速運転時または機関減速運転時の応
答性をよくすることができる。したがって、圧力センサ
57をサージタンク11よりも下流に位置する吸気枝管
10に取付けるのが好ましく、圧力センサ57を吸気流
制御弁17よりも下流の吸気枝管10に取付けるのがさ
らに好ましい。そこで、図1に示す例では圧力センサ5
7を吸気流制御弁17よりも下流の吸気枝管10に取付
けるようにしている。
【0098】ところが、圧力センサ57を吸気流制御弁
17下流の吸気枝管10に取付けるようにした場合、図
32からわかるように圧力センサ57の出力Pが機関吸
気行程時に大きく変動するようになる。ところで、圧力
センサにより吸入空気量Qを検出するようにしている通
常の内燃機関では、機関の全行程にわたって例えば1m
s毎に圧力センサにより吸気枝管10内の負圧を検出
し、これらの出力Pを10ms毎に平均して負圧平均値
PMAVEを算出し、負圧平均値PMAVEに基づいて
吸入空気量Qを算出するようにしている。ところが図1
に示す例におけるように吸気流制御弁17を設けた場
合、機関の全行程にわたって出力Pを取込むと、すなわ
ち吸気行程時に圧力センサ57により検出された圧力P
も取込んで負圧平均値PMAVEを算出するようにする
と、上述したように吸気行程時には圧力センサ57の出
力Pが大きく変動するので吸気行程時の出力Pを含んで
算出された負圧平均値PMAVEと吸気行程時の出力P
を含まないで算出された負圧平均値PMAVEとが大き
く異なるようになり、したがって吸入空気量Qを正確に
算出することができなくなる。そこで図1に示す内燃機
関では、機関吸気行程時における圧力センサ57の出力
Pを取込まないようにし、すなわち機関吸気行程時以外
の圧力センサ57の出力Pから負圧平均値PMAVEを
算出し、この負圧平均値PMAVEに基づいて吸入空気
量Qを算出するようにしている。この場合、機関吸気行
程時には機関吸気行程が開始される直前における圧力セ
ンサ57の出力Pを取込み、この出力Pを用いて負圧平
均値PMAVEを算出するようにする。その結果、負圧
平均値PMAVEを正確に算出することができるので吸
入空気量Qを正確に算出できるようになる。
【0099】負圧平均値PMAVEが算出されると、次
いでこの負圧平均値PMAVEと機関回転数Nとに基づ
いて図33(A)に示すマップから吸入空気量Qが算出
される。図33(A)に示すマップは予め実験により求
められており、また予めROM52内に記憶されてい
る。図33(A)に示すマップは図33(B)に示すよ
うに負圧平均値PMAVEが大きいとき程吸入空気量Q
が少なくなるように定められている。なお、圧力センサ
57を吸気枝管10内の絶対圧を検出する絶対圧センサ
から構成してもよく、この場合絶対圧センサの出力の平
均値が大きいとき程吸入空気量Qが多くなるように図3
3(A)のマップが定められる。
【0100】図34は上述した圧力センサ57の出力の
取込み制御を実行するためのルーチンを示しており、こ
のルーチンは例えば1ms毎の割込みによって実行され
る。図34を参照すると、まずステップ210では現在
機関吸気行程時であるか否かが判別される。現在吸気行
程時でないときには次いでステップ211に進み、ステ
ップ211では圧力センサ57の出力PをPMに代入す
る。このPMは図35に示すルーチンにおいて負圧平均
値PMAVEを算出するために用いられる。次いでステ
ップ212に進み、ステップ212では圧力センサ57
の出力PをPMOLDに代入する。次いで処理サイクル
を終了する。
【0101】一方、ステップ210において現在吸気行
程時であるときには次いでステップ213に進む。した
がって、PMOLDには吸気行程が行われる直前におけ
る圧力センサ57の出力Pが代入されていることとな
る。ステップ213ではPMにPMOLDが代入され
る。したがって、機関吸気行程時においてPMには常時
PMOLDが代入されることとなる。次いで処理サイク
ルを終了する。
【0102】図35は吸入空気量Qを算出するためのル
ーチンを示しており、このルーチンは例えば10ms毎
の割込みによって実行される。図35を参照すると、ま
ずステップ220では図34に示すルーチンにおいて得
られるPMに基づいて、正確に云うとPMの負に基づい
て負圧平均値PMAVEが算出される。したがって、P
MAVEの値が大きいとき程吸気枝管10内の絶対圧が
低いことを示している。次いでステップ221に進み、
ステップ221では図33(A)に示すマップから負圧
平均値PMAVEおよび機関回転数Nに基づいて吸入空
気量Qが算出される。次いで処理サイクルを終了する。
【0103】上述した圧力センサ出力取込み制御方法は
圧力センサ57を吸気流制御弁17よりも上流に位置す
る吸気枝管10に取付けた場合(図32のB)において
も適用することができる。次に図36および図37を参
照して吸入空気量Qの算出方法の別の実施例を説明す
る。
【0104】図36を参照すると、圧力センサ57は吸
気流制御弁17よりも上流に位置する吸気枝管10に取
付けられる。また、図36に示す例では吸気枝管10に
例えば一対の湾曲部230が形成されており、圧力セン
サ57はこれら湾曲部230よりも下流に位置する吸気
枝管10に取付けられている。このような湾曲部230
では圧力損失が生ずるので圧力センサ57をこれら湾曲
部230よりも下流に位置する吸気枝管10に取付ける
ことによってダイナミックレンジを確保しつつ吸入空気
量Qを算出するための負圧を圧力センサ57でもって正
確に検出することができるようになる。
【0105】圧力センサ57を吸気流制御弁17よりも
上流に位置する吸気枝管10内に取付けた場合、図32
のBでもって示すように機関吸気行程時であっても圧力
センサ57の出力Pは大きく変動しない。そこで本実施
例では圧力センサ57の出力Pを機関行程の全てにわた
って取込むようにしている。次いで、圧力センサ57の
出力Pに基づいて負圧平均値PMAVEが算出され、次
いでこの負圧平均値PMAVEおよび機関回転数Nに基
づいて図37(A)または(B)に示すマップから吸入
空気量Qが算出される。圧力センサ57を吸気流制御弁
17よりも上流に位置する吸気枝管10内に取付けた場
合、圧力センサ57の同一の出力に対して吸気流制御弁
17が全開のときの吸入空気量Qは、吸気流制御弁17
が半開のときの吸入空気量Qに比べて多くなる。そこで
本実施例では、吸気流制御弁17の開度が全開のときに
は負圧平均値PMAVEおよび機関回転数Nに基づいて
図37(A)に示すマップから吸入空気量Qを算出し、
吸気流制御弁17の開度が半開にあるときには負圧平均
値PMAVEおよび機関回転数Nに基づいて図37
(B)に示すマップから吸入空気量Qを算出するように
している。図37に示すマップは予め実験より求められ
ており、また予めROM52内に記憶されている。ま
た、図37(C)の曲線Aは図37(A)に示すマップ
に対応しており、曲線(B)は図37(B)に示すマッ
プに対応している。図37(A)および(B)に示すマ
ップは、図37(C)に示すように負圧平均値PMAV
Eが大きくなる程吸入空気量Qが少なくなるように定め
られており、また同一の負圧平均値PMAVEに対して
吸気流制御弁17の開度が全開の場合の吸入空気量Q
が、吸気流制御弁17の開度が半開の場合の吸入空気量
Qよりも多くなるように定められている。なお、圧力セ
ンサ57を絶対圧センサから構成した場合、出力平均値
と吸入空気量Qとの関係はこの逆になる。
【0106】図38は上述した吸入空気量Qの算出方法
を実行するためのルーチンを示しており、このルーチン
は例えば10ms毎の割込みによって実行される。まず
ステップ240では、圧力センサ57の出力Pに基づい
て負圧平均値PMAVEが算出される。この場合機関吸
気行程における圧力センサ57の出力Pも負圧平均値P
MAVEの算出に用いられる。次いでステップ241で
は現在吸気流制御弁17の開度が全開であるか否かが判
別される。現在吸気流制御弁17の開度が全開であると
きには次いでステップ242に進み、ステップ240に
おいて算出された負圧平均値PMAVEおよび機関回転
数Nに基づいて図37(A)に示すマップ(図37
(C)の曲線A)から吸入空気量Qが算出される。次い
で処理サイクルを終了する。ステップ241において吸
気流制御弁17の開度が半開のときには次いでステップ
243に進み、ステップ240において算出された負圧
平均値PMAVEおよび機関回転数Nに基づいて図37
(B)に示すマップ(図37(C)の曲線B)から吸入
空気量Qが算出される。次いで処理サイクルを終了す
る。
【0107】次に図39を参照して、圧力センサ57を
吸気流制御弁17よりも上流に位置する吸気枝管10内
に取付けた場合の吸入空気量Qの算出方法の別の実施例
を説明する。図36から図37を参照して説明した実施
例では、吸気流制御弁17の開度が全開のときの吸入空
気量Qを算出するためのマップ(図37(A))と、吸
気流制御弁17の開度が半開のときの吸入空気量Qを算
出するためのマップ(図37(B))との2つのマップ
を備えている。しかしながらこの実施例では、吸気流制
御弁17の開度が全開のときの吸入空気量Qを算出する
ためのマップを備えているものの、吸気流制御弁17の
開度が半開のときの吸入空気量Qを算出するためのマッ
プを備えていない。
【0108】上述したように、吸気流制御弁17の開度
が半開のときの吸入空気量Qは同一の負圧平均値PMA
VEにおいて吸気流制御弁17の開度が全開のときより
も少なくなるが、この場合、これら吸入空気量Qの比が
ほぼ一定になる。云い換えると、負圧平均値がPMAV
Eのときに、PMAVEに換算係数KK(>1)を乗算
したPMAVE・KKに基づいて図37(A)に示すマ
ップから吸入空気量Qを算出すれば吸気流制御弁17の
開度が半開のときの吸入空気量Qを算出できることにな
る。そこで本実施例では、図37(A)に示すマップを
備えて吸気流制御弁17の開度が全開のときには負圧平
均値PMAVEに基づいて図37(A)に示すマップか
ら吸入空気量Qを算出し、一方、吸気流制御弁17の開
度が半開のときにはPMAVE・KKに基づいて図37
(A)に示すマップから吸入空気量Qを算出するように
している。その結果、ROM52内に記憶されるマップ
を減らすことができる。
【0109】圧力センサ57の出力Pに基づいて算出さ
れた負圧平均値PMAVEがAVEのとき、吸気流制御
弁17の開度が全開であれば図39の実線から吸入空気
量Qが算出され、したがってこのときの吸入空気量Qは
Q1である。これに対し、吸気流制御弁17の開度が半
開であればAVE・KKを用いて、吸気流制御弁17の
開度が全開のときのためのマップである図39の実線か
ら吸入空気量Qが算出される。したがって、このときの
吸入空気量QはQ2となる。
【0110】図40は上述した吸入空気量Qの算出方法
を実行するためのルーチンを示しており、このルーチン
は例えば10ms毎の割込みによって実行される。まず
ステップ250では、圧力センサ57の出力Pに基づい
て負圧平均値PMAVEが算出される。次いでステップ
251では現在吸気流制御弁17の開度が全開であるか
否かが判別される。現在吸気流制御弁17の開度が全開
であるときには次いでステップ252に進み、ステップ
250において算出された負圧平均値PMAVEおよび
機関回転数Nに基づいて図37(A)に示すマップ(図
37(C)の曲線A)から吸入空気量Qが算出される。
次いで処理サイクルを終了する。ステップ251におい
て吸気流制御弁17の開度が半開のときには次いでステ
ップ253に進み、ステップ250において算出された
負圧平均値PMAVEに換算係数KKを乗算する。次い
でステップ252に進み、ステップ252では補正され
た負圧平均値PMAVEおよび機関回転数Nに基づいて
図37(A)に示すマップ(図37(C)の曲線A)か
ら吸入空気量Qが算出される。次いで処理サイクルを終
了する。
【0111】なお、吸気流制御弁17の開度が半開のと
きの吸入空気量Qを算出するためのマップを備え、吸気
流制御弁17の開度が全開のときに負圧平均値に換算係
数を乗算した積に基づいてこのマップから吸入空気量Q
を算出するようにしてもよい。これまで述べてきた吸入
空気量Qの算出方法では、まず圧力センサ57の出力を
PMとして取込み、次いでこれらPMを平均して負圧平
均値PMAVEを算出し、この負圧平均値PMAVEに
基づいて吸入空気量Qを算出するようにしている。しか
しながら、圧力センサ57の出力をPMとして取込み、
次いでこのPMに基づいて吸入空気量を算出し、これら
吸入空気量を平均することにより吸入空気量Qを算出す
るようにしてもよい。
【0112】次に図41から図43を参照して、図1に
示した内燃機関における点火時期制御方法について説明
する。図1に示す内燃機関において、点火時期θは次式
に基づいて算出される。θ=θB−θC+θKここで、
θBはMBTに一致している基本点火進角である。θC
は機関暖機運転時に点火時期θを遅角させるための暖機
運転時補正遅角であり、機関暖機運転が完了した後には
θC=0となる。θKは高温時補正進角、ノッキング時
補正遅角などの補正進角および補正遅角を一まとめにし
て表したものであり、これらの補正を行う必要がない場
合にはθK=0となる。
【0113】図41は点火時期θを変化させたときのト
ルク変動率、未燃HC量、および排気温の変化を示す実
験結果である。図41においてAでもって示す曲線は吸
気流制御弁17の開度が全開の場合を示しており、Bで
もって示す曲線は吸気流制御弁17の開度が半開の場合
を示している。図41を参照すると、吸気流制御弁17
の開度が半開の場合の基本点火進角θBを示すθ2が、
吸気流制御弁17の開度が全開の場合の基本点火進角θ
Bを示すθ1よりも遅角側にずれていることがわかる。
吸気流制御弁17の開度が半開の場合、吸気流制御弁1
7により偏向された空気流が噴射燃料に衝突することに
より燃料の微粒化が促進されており(図5参照)、また
燃焼室4内にスワール流Sが形成されており(図6参
照)、その結果燃焼室4内における混合気の燃焼速度
が、吸気流制御弁17の開度が全開の場合に比べて速め
られており、混合気の燃焼作用が安定している。このた
めθ2がθ1よりも遅角側にずれることとなる。そこで
図1に示す内燃機関では、吸気流制御弁17の開度が全
開の場合の基本点火進角θBを図42(A)に示すマッ
プから算出し、これに対し吸気流制御弁17の開度が半
開の場合の基本点火進角θBを図42(A)のマップと
は異なる図42(B)に示すマップから算出するように
している。なお、これらのマップは予めROM52内に
記憶されている。
【0114】図42(A)および(B)からわかるよう
に、基本点火進角θBは機関負荷Q/Nおよび機関回転
数Nに基づいて算出される。基本点火進角θBは、図4
2(C)に示すように機関負荷Q/Nが低くなるのに従
って大きくされ、また吸気流制御弁17の開度が全開の
場合の基本点火進角θB(図42(C)のA)は、吸気
流制御弁17の開度が半開の場合の基本点火進角θB
(図42(C)のB)よりも進角側にずれている。本実
施例では、吸気流制御弁17の開度に応じて最適な点火
時期を算出するようにしているので全ての機関運転状態
にわたって安定した機関出力を得ることができ、また未
燃HC量を低減することができる。なお、機関始動時に
おける点火時期θは予め定められた一定値に固定されて
いる。
【0115】ところで、水温センサ63により検出され
る機関冷却水温が例えば80℃よりも低い機関暖機運転
時には三元触媒の温度ができるだけ速やかに活性温度ま
で加熱されるように排気温ができるだけ高くなるように
するのが好ましい。排気温を上昇させるためには図41
からわかるように点火時期θを遅角させればよい。とこ
ろが、点火時期θを遅角させていくのに従ってトルク変
動率が大きくなり、好ましくない。そこで本実施例で
は、機関暖機運転時においてトルク変動率が上限許容値
ΔTQXを越えて増大しないようにしつつ点火時期θを
遅角し、すなわち吸気流制御弁17の開度が全開の場合
にはMBTであるθ1からθ3まで遅角する。その結
果、トルクが大きく変動するのを阻止しつつ排気温を上
昇させることができ、したがって三元触媒を活性温度ま
で速やかに加熱することができるようになる。しかも、
図41からわかるように点火時期θを遅角することによ
って未燃HC量を低減することもできる。なおこの場
合、暖機運転時補正遅角θCはθ1−θ3である。
【0116】これに対し、吸気流制御弁17の開度が半
開の場合には上述したように混合気の燃焼作用が安定し
ており、このため吸気流制御弁17の開度が全開の場合
に比べて点火時期θを遅角側にしてもトルク変動率が大
きくなるのを阻止することができる。そこで吸気流制御
弁17の開度が半開の場合には、点火時期θをθ2から
θ3よりも遅角側にあるθ4まで遅角する。その結果、
排気温をさらに上昇させることができるので三元触媒を
さらに速やかに活性温度まで加熱することができる。し
かも未燃HC量をさらに低減することもできる。なおこ
の場合、暖機運転時補正遅角θCはθ2−θ4であり、
これは吸気流制御弁17の開度が全開の場合の暖機運転
時補正遅角θ1−θ3よりも大きくなっている。
【0117】本実施例における暖機運転時補正遅角θC
は図43に示すマップの形で予めROM52内に記憶さ
れている。図43において、曲線Aは吸気流制御弁17
の開度が全開の場合を示しており、曲線Bは吸気流制御
弁17の開度が半開の場合を示している。図43からわ
かるように、暖機運転時補正遅角θCは機関冷却水温T
HWが高くなるのに従って小さくされ、例えばTHW≧
80℃となるとθC=0とされる。また、吸気流制御弁
17の開度が半開の場合の暖機運転時補正遅角θCは吸
気流制御弁17の開度が全開の場合の暖機運転時補正遅
角θCよりも大きくなっている。
【0118】図44は点火時期θを算出するためのルー
チンを示している。このルーチンは予め定められた一定
のクランク角毎の割込みによって実行される。図44を
参照すると、まずステップ260では現在吸気流制御弁
17の開度が全開であるか否かが判別される。現在吸気
流制御弁17の開度が全開であるときには次いでステッ
プ261に進み、機関負荷Q/Nおよび機関回転数Nに
基づいて図42(A)に示すマップから基本点火進角θ
Bを算出する。次いでステップ262に進み、機関冷却
水温THWに基づいて図43に示すマップのAから暖機
運転時補正遅角θCを算出する。次いでステップ263
に進んでθKを算出する。次いでステップ264に進
み、点火時期θを次式に基づいて算出する。
【0119】θ=θB−θC+θK 次いで処理サイクルを終了する。一方ステップ260に
おいて、現在吸気流制御弁17の開度が半開のときには
次いでステップ265に進み、機関負荷Q/Nおよび機
関回転数Nに基づいて図42(B)に示すマップから基
本点火進角θBを算出する。次いでステップ266に進
み、機関冷却水温THWに基づいて図43に示すマップ
のBから暖機運転時補正遅角θCを算出する。次いでス
テップ263に進んでθKを算出した後にステップ26
4に進み、ステップ264では点火時期θを算出する。
次いで処理サイクルを終了する。
【0120】次に、図1に示す内燃機関の燃料噴射時期
制御方法について説明する。先に述べたように、図1に
示す内燃機関では吸気流制御弁17の開度が半開のとき
には原則として吸気同期噴射を行い、吸気流制御弁17
の開度が全開のときには原則として吸気非同期噴射を行
うようにしている。吸気流制御弁17の開度が半開のと
きに吸気同期噴射を行うと、上述したように空気流の噴
射燃料への衝突作用が促進されるので噴射燃料の微粒化
が促進される。またこの場合、噴射燃料が直接的に燃焼
室4内に流入するので第1および第2吸気ポート6a,
6b壁面に付着するのが低減され、したがって燃焼室4
内に供給される燃料量が正規の燃料量からずれるのを阻
止することができる。さらに、吸気流制御弁17の開度
が半開のときには燃焼室4内に流入した混合気が次いで
スワール流Sを形成するので燃焼室4内において均一な
混合気を形成することができる。その結果、吸気流制御
弁17の開度が半開のときに良好な燃焼作用を確保する
ことができる。
【0121】これに対し、吸気流制御弁17の開度が全
開のときに吸気非同期噴射を行うと、この噴射燃料は第
1および第2吸気ポート6a,6b壁面および第1およ
び第2吸気弁5a,5bの各かさ部背面に衝突して微粒
化され、斯くしてこの場合にも良好な燃焼作用が確保さ
れる。次に図45および図46を参照して、機関加速運
転が行われて吸気流制御弁17の開度が半開から全開に
変更される際の燃料噴射時期制御方法について説明す
る。
【0122】図45は、機関急加速運転が行われること
により機関運転状態が例えば図9に示す状態Aから状態
Bに変化するとき、すなわち吸気流制御弁17の開度が
半開から全開に変更されるときのタイムチャートを示し
ている。図45において、時間零は機関加速運転が開始
された時間を示している。このとき機関負荷Q/Nは設
定負荷Q/N1よりも低く、したがって吸気流制御弁1
7の開度は半開に保持され、また吸気同期噴射が行われ
ている。次いで、時間e1において機関負荷Q/Nは上
限しきい値Q/NXを越えて増大する。この上限しきい
値Q/NXは設定負荷Q/N1よりもわずかばかり小さ
くなるように定められており、したがって実際の機関負
荷Q/Nが上限しきい値Q/NXを越えて増大した後に
は機関負荷Q/Nは設定負荷Q/N1を越えて増大す
る。本実施例では機関負荷Q/Nが上限しきい値Q/N
Xを越えたときに、現在の加速運転が急加速運転である
か否かを判別する。次いで時間e2において機関負荷Q
/Nは設定負荷Q/N1を越え、このとき吸気流制御弁
17の開度は半開から全開に変更される。
【0123】ところが、図45に示す例におけるように
機関急加速運転が行われている場合には時間e2となっ
ても、すなわち吸気流制御弁17の開度が半開から全開
に変更されても吸気同期噴射が継続して行われる。機関
急加速運転時に吸気非同期噴射を行うと第1および第2
吸気ポート6a,6b内の負圧が急激に小さくなるので
噴射燃料が第1および第2吸気ポート6a,6b壁面に
付着し易くなり、その結果空燃比が一時的に過度にリー
ンになり易くなってしまう。そこで本実施例では、機関
急加速運転が行われることにより吸気流制御弁17の開
度が半開から全開に変更される際には吸気流制御弁17
の開度が全開にされた後であっても吸気同期噴射を行う
ようにし、それにより噴射燃料を直接的に燃焼室4内に
供給するようにして噴射燃料が第1および第2吸気ポー
ト6a,6b壁面にできるだけ付着しないようにしてい
る。その結果、燃焼室4内に供給される燃料量が正規の
燃料量からずれるのを阻止でき、したがって機関急加速
運転時に空燃比が一時的に過度にリーンになるのを阻止
することができる。吸気流制御弁17の開度が全開に変
更された後において機関加速運転が行われている間は吸
気同期噴射が継続して行われ、次いで時間e3において
機関加速運転が終了すると吸気非同期噴射が開始され
る。
【0124】一方、機関負荷変化率が小さい機関緩加速
運転が行われた場合のタイムチャートを図46に示す。
図46において、時間零は機関加速運転が開始された時
間を示している。このとき機関負荷Q/Nは設定負荷Q
/N1よりも低く、したがって吸気流制御弁17の開度
は半開に保持され、また吸気同期噴射が行われている。
次いで、時間f1において機関負荷Q/Nは上限しきい
値Q/NXを越えて増大する。このとき現在の加速運転
が急加速運転であるか否かが判別される。図46に示す
例では緩加速運転が行われており、この場合には吸気流
制御弁17の開度が半開であるにもかかわらず時間f1
において吸気非同期噴射を開始する。
【0125】吸気非同期噴射が行われている機関定常運
転時には、噴射燃料は第1および第2吸気ポート6a,
6b壁面および第1および第2吸気弁5a,5bの各傘
かさ部背面に衝突した後に付着し、次いで吹返しガスま
たは空気によって第1および第2吸気ポート6a,6b
壁面から離脱せしめられた後に燃焼室4内に流入する。
ところが、吸気非同期噴射が開始された直後は第1およ
び第2吸気ポート6a,6b壁面に付着している燃料量
が少ないのでこのとき空燃比が一時的に過度にリーンに
なってしまう。そこで図46に示す例では、吸気流制御
弁17の開度を全開に変更するのに先立って吸気非同期
噴射を行うようにし、それにより第1および第2吸気ポ
ート6a,6b壁面に付着する燃料量を予め増大させて
おくようにしている。この場合、吸気流制御弁17の開
度が半開であるので吸気流制御弁17下流の第1および
第2吸気ポート6a,6b内は比較的大きな負圧が生じ
ており、この負圧によって第1および第2吸気ポート6
a,6b壁面に付着している燃料を良好に離脱せしめる
ことができる。次いで時間f2において、機関負荷Q/
Nは設定負荷Q/N1を越え、このとき吸気流制御弁1
7の開度は半開から全開に変更される。その結果、機関
加速運転時において、第1および第2吸気ポート6a,
6b壁面に付着する燃料量の変化割合をできるだけ小さ
くすることができる。
【0126】図47は上述した燃料噴射時期制御方法を
実行するためのルーチンを示している。このルーチンは
予め定められた設定時間毎の割込みによって実行され
る。図47を参照すると、まずステップ280では噴射
時期制御フラグFFTAがセットされているか否かが判
別される。この噴射時期制御フラグFFTAは吸気流制
御弁17の開度が半開のときに吸気非同期噴射を行うべ
きとき、または吸気流制御弁17の開度が全開のときに
吸気同期噴射を行うべきときにセットされる。ステップ
280においてFFTA=0のときはステップ281に
進み、現在吸気流制御弁17の開度が半開であるか否か
が判別される。吸気流制御弁17の開度が半開であると
きには次いでステップ282に進み、ステップ282で
は機関負荷Q/Nが機関運転状態に応じて定まる上限し
きい値Q/NX以上であるか否かが判別される。ステッ
プ282においてQ/N<Q/NXのときにはステップ
283に進んで吸気同期噴射を行い、次いで処理サイク
ルを終了する。一方、ステップ282においてQ/N≧
Q/NXのときにはステップ284に進んでFFTA=
1とし、次いでステップ285に進む。ステップ285
では現在機関急加速運転が行われているか否かが判別さ
れる。機関急加速運転が行われているときには次いでス
テップ283に進み、吸気同期噴射を行う。次いで処理
サイクルを終了する。
【0127】次の処理サイクルにおいて、FFTA=1
であるのでステップ280からステップ286に進む。
ステップ286では現在吸気非同期噴射が行われている
か否かが判別される。機関急加速運転が行われている場
合には吸気同期噴射が行われているので、この場合ステ
ップ286からステップ287に進む。ステップ287
では機関加速運転が継続されているか否かが判別され
る。機関加速運転が行われているときにはステップ28
7からステップ283に進んで吸気同期噴射を継続し、
次いで処理サイクルを終了する。これに対し、機関加速
運転が終了したときにはステップ287からステップ2
88に進み、FFTA=0とする。次いでステップ28
9に進み、吸気非同期噴射を行う。次いで処理サイクル
を終了する。
【0128】次の処理サイクルにおいて、FFTA=0
であるのでステップ280からステップ281に進み、
この場合吸気流制御弁17の開度は全開であるので次い
でステップ289に進み、吸気非同期噴射を行う。次い
で処理サイクルを終了する。一方ステップ285におい
て、機関緩加速運転が行われているときにはステップ2
85から次いでステップ289に進んで吸気非同期噴射
を行い、次いで処理サイクルを終了する。
【0129】次の処理サイクルにおいて、FFTA=1
であるのでステップ280からステップ286に進み、
この場合吸気非同期噴射が行われているのでステップ2
86からステップ290に進む。ステップ290では現
在吸気流制御弁17の開度が全開であるか否かが判別さ
れる。吸気流制御弁17の開度が未だ半開であるときに
は次いでステップ289に進み、吸気非同期噴射を行っ
た後に処理サイクルを終了する。一方、ステップ290
において吸気流制御弁17の開度が全開であるときには
次いでステップ288に進んでFFTA=0とし、次い
でステップ289に進んで吸気非同期噴射を行う。次い
で処理サイクルを終了する。
【0130】次に、機関減速運転が行われて吸気流制御
弁17の開度が全開から半開に変更される際の燃料噴射
時期制御方法について説明する。機関運転状態が例えば
図9に示す状態Bから状態Aに変化する場合、機関負荷
はQ/N(B)から次第に低下し、次いで下限しきい値
を越えて低下する。この下限しきい値は設定負荷Q/N
1よりもわずかばかり大きくなるように定められてお
り、したがって下限しきい値は機関運転状態に応じて定
まる。機関負荷が下限しきい値を越えて低下するときに
は機関負荷は次いで設定負荷Q/N1を越えて低下す
る。本実施例では機関負荷Q/Nが下限しきい値を越え
て低下したときに機関急減速運転であるか否かを判別す
る。このとき、機関急減速運転が行われているときには
吸気流制御弁17の開度が半開にされても吸気非同期噴
射を継続して行い、第1および第2吸気ポート6a,6
b壁面に噴射燃料を一旦付着させた後に燃焼室4内に供
給するようにする。機関急減速運転時には吸入空気量Q
が急激に減少して第1および第2吸気ポート6a,6b
内の負圧が急激に増大するので機関負荷Q/Nが設定負
荷Q/N1を越えて低下するときに吸気同期噴射を開始
すると、このときまだ第1および第2吸気ポート6a,
6b壁面に燃料が付着しており、この燃料と噴射燃料と
の両方が燃焼室4内に供給されることとなるので空燃比
が一時的に過度にリッチとなってしまう。そこで本実施
例では、機関急減速運転が行われることにより吸気流制
御弁17の開度が全開から半開に変更される際には吸気
流制御弁17の開度が半開にされた後であっても吸気非
同期噴射するようにし、それによって噴射燃料が第1お
よび第2吸気ポート6a,6b壁面に一旦付着した後に
燃焼室4内に供給されるようにしている。その結果、機
関急減速運転時に空燃比が一時的に過度にリッチになる
のを阻止することができる。
【0131】吸気流制御弁17の開度が半開に変更され
た後、機関減速運転が行われている間は吸気非同期噴射
が継続して行われ、次いで機関減速運転が終了すると吸
気同期噴射が開始される。一方、機関負荷変化率が大き
い機関緩減速運転が行われることにより吸気流制御弁1
7の開度が全開から半開に変更される場合、機関負荷Q
/Nが下限しきい値を越えて低下したときから吸気同期
噴射を開始する。次いで機関負荷Q/Nが設定負荷Q/
N1を越えて低下したときに吸気流制御弁17の開度を
全開から半開に変更する。吸気流制御弁17の開度が半
開に変更された後には吸気流制御弁17下流の負圧が大
きくなり、このため第1および第2吸気ポート6a,6
b壁面に付着している燃料が良好に離脱せしめられるの
で、吸気流制御弁17の開度が半開に変更される直前に
はできるだけ第1および第2吸気ポート6a,6b壁面
に付着している燃料量が少ない方が好ましい。そこで本
実施例では、吸気流制御弁17の開度が全開から半開に
変更されるのに先立って吸気同期噴射を行い、それによ
り噴射燃料を直接的に燃焼室4内に供給するようにして
いる。その結果、機関減速運転時に空燃比が一時的に過
度にリッチになるのを阻止することができる。また、機
関減速運転時において、第1および第2吸気ポート6
a,6b壁面に付着する燃料量の変化割合をできるだけ
小さくすることができる。
【0132】次に図48および図49を参照して、機関
暖機運転時における吸気流制御弁17の開度制御方法を
説明する。なお本実施例において、図3から図7を参照
して説明した開度制御方法が原則として行われ、すなわ
ち機関負荷Q/Nが設定負荷Q/N1よりも低いときに
は吸気流制御弁17の開度を半開に保持し、機関負荷Q
/Nが設定負荷Q/N1よりも高いときには吸気流制御
弁17の開度を全開に保持するようにする開度制御方法
が原則として行われる。
【0133】図48は、機関回転数Nと機関出力トルク
との関係を示している。図48を参照すると、Aは基準
出力トルク、B1からB4はスロットル弁開度TAが最
大開度でありかつ吸気流制御弁17の開度が半開である
場合の出力トルクであり、B1は吸入空気温度を代表す
る代表温度、すなわち本実施例では機関冷却水温THW
が80℃である場合の出力トルク、B2はTHW=60
℃である場合の出力トルク、B3はTHW=40℃であ
る場合の出力トルク、B4はTHW=20℃である場合
の出力トルクをそれぞれ示している。本実施例では暖機
後最大出力トルク、すなわち暖機運転完了後においてス
ロットル弁開度TAが最大開度でありかつ吸気流制御弁
17の開度が全開であるときに得られる機関出力トル
ク、を基準出力トルクAとして用いている。
【0134】吸入空気温度が低いとき程吸気充填効率が
向上するので吸入空気温度が低いとき程出力トルクが増
大する。このため暖機運転時、すなわちTHW<80℃
のときには、図48からわかるように吸気流制御弁17
の開度が半開の場合の出力トルクB2,B2,B3が暖
機後最大出力トルクAよりも高くなる。また、図48に
は示していないが、暖機運転時に吸気流制御弁17の開
度を全開にしたときの出力トルクは暖機後最大出力トル
クAよりもはるかに高くなっている。暖機後最大出力ト
ルクAは機関運転を行うのに充分大きな出力トルクであ
るので暖機後最大出力トルクAをはるかに越える出力ト
ルクは必要ない。そこで本実施例では、吸気流制御弁1
7の開度を半開にした場合の出力トルクが暖機後最大出
力トルクAよりも高いときには、吸気流制御弁17の開
度を全開に制御すべきときであっても吸気流制御弁17
の開度を半開に保持するようにしている。その結果不要
な出力トルクが出力されるのを阻止できる。さらに、機
関暖機運転時に吸気流制御弁17の開度を半開に保持す
ることによって噴射燃料の微粒化作用が促進されるので
暖機運転時に良好な燃焼作用が確保され、したがって暖
機運転を速やかに完了することができる。
【0135】吸気流制御弁17の開度が半開のときにお
いて暖機運転時の出力トルクが暖機後最大出力トルクA
よりも高くなるのは機関回転数Nが限界回転数N1より
も低いときであり、この限界回転数N1はTHW=60
℃の場合(B2)には図48からわかるようにN1=N
aであり、THW=40℃の場合(B3)にはN1=N
bであり、THW=20℃の場合(B4)にはN1=N
cである。この限界回転数N1は機関冷却水温THWが
低いとき程高くなっており、したがって機関冷却水温T
HWが低いとき程吸気流制御弁17の開度が半開に保持
される機関回転数領域が大きくされる。
【0136】図48には示していないが、スロットル弁
開度TAが小さいとき程機関出力トルクが低くなる。し
たがって、暖機運転時においてスロットル弁開度TAが
小さいとき程限界回転数N1が小さくなる。本実施例に
おいて、この限界回転数N1は機関冷却水温THWおよ
びスロットル弁開度TAの関数として図49(A)に示
すマップの形で予めROM52内に記憶されている。限
界回転数N1は図49(B)に示すように機関冷却水温
THWが低いとき程高くなっており、図49(C)に示
すようにスロットル弁開度TAが小さいとき程小さくな
っている。暖機運転時であるときに吸気流制御弁17を
全開にすべきときには、機関回転数Nが限界回転数N1
よりも低いか否かを判別する。N<N1のときには吸気
流制御弁17の開度を半開に保持したときに得られる出
力トルクが暖機後最大出力トルクAよりも高いと判断し
て吸気流制御弁17の開度を半開に保持し、それにより
暖機運転時において良好な燃焼作用を確保する。一方、
N≧N1のときには吸気流制御弁17の開度を半開に保
持したときに得られる出力トルクが暖機後最大出力トル
クAよりも低いと判断して吸気流制御弁17の開度を全
開に保持し、それにより機関出力トルクに不足が生ずる
のを阻止するようにする。
【0137】図50は上述した、暖機運転時における吸
気流制御弁17の開度制御方法を実行するためのルーチ
ンである。このルーチンは予め定められた一定時間毎の
割込みによって実行される。図50を参照すると、まず
ステップ300では現在暖機運転時であるか否かが判別
される。暖機運転が完了した後には処理サイクルを終了
する。一方現在暖機運転が行われているときには次いで
ステップ301に進み、Q/N≧Q/N1であるか否
か、すなわち吸気流制御弁17の開度を全開にすべきか
否かが判別される。Q/N≧Q/N1のとき、すなわち
吸気流制御弁17の開度を全開にすべきときには次いで
ステップ302に進む。これに対しQ/N<Q/N1の
ときにはステップ304にジャンプする。ステップ30
2では限界回転数N1が機関冷却水温THWおよびスロ
ットル弁開度TAに基づいて図49(A)に示すマップ
から算出される。続くステップ303では機関回転数N
が限界回転数N1よりも低いか否かが判別される。N<
N1のときには次いでステップ304に進んで吸気流制
御弁17の開度を半開にし、次いで処理サイクルを終了
する。これに対し、ステップ303においてN≧N1の
ときには次いでステップ305に進み、吸気流制御弁1
7の開度を全開にした後に処理サイクルを終了する。
【0138】図48および図49を参照して説明した実
施例では、機関冷却水温THWおよびスロットル弁開度
TAの関数として定まる限界回転数N1を予めROM5
2内に記憶しておき、機関回転数Nを限界回転数N1と
比較することによって吸気流制御弁17の開度を半開ま
たは全開に保持するようにしている。しかしながら、機
関冷却水温THWおよび機関回転数Nに基づいて限界ス
ロットル弁開度TA1を算出し、スロットル弁開度TA
を限界スロットル弁開度TA1と比較することによって
吸気流制御弁17の開度を半開または全開に保持するよ
うにしてもよい。この場合、TA>TA1のときには、
吸気流制御弁17の開度を半開に保持したときに得られ
る出力トルクが暖機後最大出力トルクAよりも高いと判
断して吸気流制御弁17の開度を半開に保持し、一方T
A≦TA1のときには吸気流制御弁17の開度を半開に
保持したときに得られる出力トルクが暖機後最大出力ト
ルクAよりも低いと判断して吸気流制御弁17の開度を
全開に保持するようにする。また、限界スロットル弁開
度TA1は図51(A)に示すようなマップの形で予め
ROM52内に記憶されており、この限界スロットル弁
開度TA1は図51(B)に示すように機関冷却水温T
HWが低いとき程大きくなっており、図51(C)に示
すように機関回転数Nが高いとき程小さくなっている。
【0139】図52に別の実施例を示す。この実施例に
おいても図1に示す電子制御ユニット50と同様な電子
制御ユニットが設けられ、しかしながら図52において
電子制御ユニットが省略されている。図52に示す内燃
機関1は図1に示す内燃機関とほぼ同様に構成される。
しかしながら、第1および第2吸気弁5a,5bをそれ
ぞれ駆動するカム310にこれら第1および第2吸気弁
5a,5bの開弁期間OPを変更する開弁期間変更装置
311が取付けられている。この開弁期間変更装置31
1は吹返しガス量増大手段を構成する。
【0140】電子制御ユニットからの出力信号に基づい
て制御される開弁期間変更装置311は、カム310が
それぞれ対応する吸気弁5a,5bを付勢する期間を制
御することにより第1および第2吸気弁5a,5bの開
弁期間OPを図53に示すOP1またはOP2のいずれ
か一方に制御する。第1および第2吸気弁5a,5bの
開弁期間OPを図53に示すOP1に制御すると機関排
気行程時における吸気弁5a,5bの開弁期間が延長さ
れるので吸気弁5a,5bと排気弁7a,7bとが同時
に開弁している期間、すなわちオーバラップ量がOL1
にされる。一方吸気弁5a,5bの開弁期間OPを図5
3に示すOP2に制御すると機関排気行程時における吸
気弁5a,5bの開弁期間が短縮されるのでオーバラッ
プ量がOL1よりも小さいOL2にされる。なお、図5
3において破線は排気弁7a,7bの開弁期間を示して
いる。
【0141】本実施例では機関排気行程時における吸気
弁5a,5bの開弁期間OPを制御することによりオー
バラップ量を制御しており、このためオーバラップ量が
大きいとき程吸気弁5a,5bを介し吸気ポート6a,
6b内に逆流する排気ガス量、すなわち吹返しガス量が
増大する。したがって本実施例では、OP=OP1とす
ることによって吹返しガス量が増大され、OP=OP2
とすることによって吹返しガス量が減少される。この吹
返しガスは次いで機関吸気行程時に空気と共に燃焼室4
内に吸入され、したがってこの吹返しガスはEGRガス
と同様の作用を果たす。
【0142】図54は、機関負荷Q/Nが第1設定負
荷、すなわち図4に示す設定負荷Q/N1よりも低いと
きのような機関低負荷運転時に、オーバラップ量を変化
させたときのトルク変動率、燃料消費率、および吹返し
ガス量の各変化を示している。図54においてAでもっ
て示す曲線は吸気流制御弁17の開度が全開の場合を示
しており、Bでもって示す曲線は吸気流制御弁17の開
度が半開の場合を示している。図54を参照すると、機
関低負荷運転時には吸気流制御弁17の開度を半開に保
持しつつオーバラップ量をOL1まで増大することによ
って、トルク変動率が大きくなるのを阻止しつつ燃料消
費率を低減することができることがわかる。また、吸気
流制御弁17の開度が半開の場合、上述したように吹返
しガス量を制限することができ、したがってEGRガス
として作用する吹返しガスの流量が過度に多くなるのを
機関低負荷運転時において阻止することができる。さら
に、吸気流制御弁17の開度が半開であることによって
燃焼室4内における乱れを増大させることもできる。そ
の結果、機関低負荷運転時においてポンピングロスを低
減できると共に未燃HC量を低減でき、斯くして機関低
負荷運転時において良好な燃焼作用を確保することがで
きる。
【0143】図55は、機関負荷Q/Nが第1設定負荷
Q/N1よりもある程度高いときのような機関中負荷運
転時に、オーバラップ量を変化させたときのトルク変動
率、燃料消費率、および吹返しガス量の各変化を示して
いる。図55においてAでもって示す曲線は吸気流制御
弁17の開度が全開の場合を示しており、Bでもって示
す曲線は吸気流制御弁17の開度が半開の場合を示して
いる。図55を参照すると、機関中負荷運転時には吸気
流制御弁17の開度を全開に保持しつつオーバラップ量
をOL1まで増大することによって、トルク変動率が大
きくなるのを阻止しつつ燃料消費率を低減することがで
きる。吸気流制御弁17の開度が全開の場合、EGRガ
スとして作用する吹返しガス量が多くなり、したがって
EGRガスとして作用する吹返しガスの流量が多くな
る。その結果、機関中負荷運転時において良好な燃焼作
用を確保することができる。
【0144】一方、機関高負荷運転時にはオーバラップ
量をOL2として吹返しガス量を減少させる。その結果
燃焼室4内に供給される新気量が増大するようになり、
斯くして機関高負荷運転時に機関出力を確保することが
できる。そこで本実施例ではまず、図3から図7を参照
して説明した実施例と同様に、機関負荷Q/Nが第1設
定負荷Q/N1よりも低いときには吸気流制御弁17の
開度を半開に保持し、機関負荷Q/Nが第1設定負荷Q
/N1よりも高いときには吸気流制御弁17の開度を全
開に保持する。さらに本実施例では、図56に示すよう
に第2の設定負荷Q/N2を設けてこの第2設定負荷Q
/N2を機関回転数Nにより定めると共に第1設定負荷
Q/N1よりも高く定め、機関負荷Q/Nが第2設定負
荷Q/N2よりも低いときにはオーバラップ量をOL1
とし、機関負荷Q/Nが第2設定負荷Q/N2よりも高
いときにはオーバラップ量をOL2とする。すなわち、
機関負荷Q/Nが第1設定負荷Q/N1よりも低いとき
には吸気流制御弁17の開度を半開に保持しつつオーバ
ラップ量をOL1とする。また、機関負荷Q/Nが第1
設定負荷Q/N1よりも高くかつ第2設定負荷Q/N2
よりも低いときには吸気流制御弁17の開度を全開に保
持しつつオーバラップ量をOL1とする。さらに、機関
負荷Q/Nが第2設定負荷Q/N2よりも高いときには
吸気流制御弁17の開度を全開に保持しつつオーバラッ
プ量をOL2とする。なお、第2設定負荷Q/N2は図
56に示すマップの形で予めROM52内に記憶されて
いる。また、図56において破線は全負荷を示してい
る。
【0145】図57は上述した吹返しガス量の制御を行
うためのルーチンである。このルーチンは予め定められ
た一定時間毎の割込みによって実行される。図57を参
照すると、まずステップ320では図56に示すマップ
から第2設定負荷Q/N2が算出される。次いでステッ
プ321に進み、ステップ321では機関負荷Q/Nが
第2設定負荷Q/N2よりも低いか否かが判別される。
Q/N<Q/N2のときには次いでステップ322に進
む。ステップ322では吸気弁5a,5bの開弁期間O
Pを図53に示すOP1にし、それによりオーバラップ
量がOL1になるようにする。次いで処理サイクルを終
了する。一方、ステップ321においてQ/N≧Q/N
2のときには次いでステップ323に進む。ステップ3
23では吸気弁5a,5bの開弁期間OPを図53に示
すOP2にし、それによりオーバラップ量がOL2にな
るようにする。次いで処理サイクルを終了する。
【0146】上述の実施例では、吸気流制御弁17の開
度変更作用、第1および第2吸気弁5a,5bの開弁期
間変更作用のパラメータとして機関負荷Q/Nを用いて
いるが、機関回転数N、スロットル弁開度TA、または
吸気枝管10内の圧力PMなどを用いてもよく、または
これらを組合わせて用いてもよい。なお、内燃機関のそ
の他の作動については図1に示す内燃機関と同様である
ので説明を省略する。
【0147】次に、オーバラップ量が大きくかつ吸気流
制御弁17の開度が全開のときに機関加速運転が行われ
た場合の吹返しガス量制御方法について説明する。機関
加速運転が行われて機関運転状態が図58に示す状態B
a(機関負荷Q/N(Ba))から状態Bb(機関負荷
Q/N(Bb))に変化する場合について説明する。こ
の場合、状態Baのときには吸気流制御弁17の開度を
全開にしかつオーバラップ量をOL1にすべき機関運転
状態であり、状態Bbのときにも吸気流制御弁17の開
度を全開にしかつオーバラップ量をOL1にすべき機関
運転状態である。ところが、状態Baから状態Bbに急
激に変化する期間中吸気流制御弁17の開度を全開に保
持しかつオーバラップ量をOL1に保持すると、吹返し
ガス量が多くなっているために噴射燃料が吹返しガスと
共に逆流し、その結果吸気ポート6a,6b壁面に付着
する燃料量が増大してしまうので空燃比が一時的に過度
にリーンになってしまう。そこで本実施例では、機関運
転状態が状態Baのときに機関急加速運転が行われたと
きには、図59に示すように予め定められた第5設定時
間TI5だけ吸気流制御弁17の開度を半開に保持し、
それによって吹返しガス量を一時的に減少させるように
している。その結果、機関急加速運転時に吸気ポート6
a,6b壁面に付着する燃料量が増大するのを阻止する
ことができ、したがって機関急加速運転時に空燃比が一
時的に過度にリーンになるのを阻止することができる。
なお本実施例では、吸気流制御弁17の開度を半開に変
更することによって吹返しガス量を減少させるようにし
ているが、吸気弁5a,5bの開弁期間を一時的に変更
してオーバラップ量をOL1からOL2にすることによ
り吹返しガス量を一時的に減少させるようにしてもよ
い。
【0148】図60は、図58および図59を参照して
説明した吹返しガス量制御を行うためのルーチンであ
る。このルーチンは予め定められた一定時間毎の割込み
によって実行される。図60を参照すると、まずステッ
プ330では吹返しガス量を一時的に減少させるべきと
きにセットされる吹返しガス量減少フラグFT1がセッ
トされているか否かが判別される。FT1=0のときに
は次いでステップ331に進み、現在吸気流制御弁17
の開度が全開であるか否かが判別される。吸気流制御弁
17の開度が半開であるときには処理サイクルを終了す
る。一方吸気流制御弁17の開度が全開のときには次い
でステップ332に進み、ステップ332では機関急加
速運転が行われているか否かが判別される。機関急加速
運転が行われていないときには処理サイクルを終了す
る。ステップ332において機関急加速運転が行われて
いるときには次いでステップ333に進み、ステップ3
33では吸気弁5a,5bの開弁期間OPがOP1であ
るか否かが判別される。OP≠OP1、すなわちオーバ
ラップ量がOL2のときには処理サイクルを終了する。
一方OP=OP1、すなわちオーバラップ量がOL1の
ときには次いでステップ334に進み、ステップ334
では、吸気流制御弁17の開度が全開でありかつオーバ
ラップ量OLがOL1のときに吸気流制御弁17の開度
を一時的に半開にしている時間を表す第5タイマカウン
ト値C5が第5設定時間TI5以上か否かが判別され
る。第5タイマカウント値C5がクリアされた後初めて
ステップ334に進んだときにはC5<TI5であるの
で次いでステップ335に進む。ステップ335では吸
気流制御弁17の開度を半開に変更し、それにより吹返
しガス量を一時的に減少させる。次いでステップ336
に進んで吹返しガス量減少フラグFT1をセットする。
次いでステップ337に進んで第5タイマカウント値C
5を1だけインクリメントし、次いで処理サイクルを終
了する。
【0149】次の処理サイクルにおいて、FT=1であ
るのでステップ330からステップ334にジャンプす
る。ステップ334においてC5≧TI5となったとき
には次いでステップ338に進み、ステップ338では
吸気流制御弁17の開度を全開に変更する。次いでステ
ップ339に進んで吹返しガス量減少フラグFT1をリ
セットし、次いでステップ340に進んで第5タイマカ
ウント値C5をクリアする。次いで処理サイクルを終了
する。
【0150】なお、機関吸気行程時における排気弁7
a,7bの開弁期間を制御することによりオーバラップ
量を制御し、それにより吸気ポート内への吹返しガスの
流量を制御するようにしてもよい。また、機関排気行程
時における吸気弁5a,5bの開弁期間と、機関吸気行
程時における排気弁7a,7bの開弁期間との双方を制
御することによりオーバラップ量を制御し、それにより
吸気ポート内への吹返しガスの流量を制御するようにし
てもよい。
【0151】図61には、吹返しガス量制御方法の別の
実施例を示す。この実施例においても図1に示す電子制
御ユニット50と同様な電子制御ユニットが設けられ、
しかしながら図61において電子制御ユニットが省略さ
れている。図61に示す内燃機関は6つの気筒1a,1
b,1c,1d,1e,1fを備えている。排気行程が
互いに重ならない1番気筒1a、2番気筒1bおよび3
番気筒1cは共通の第1排気マニホルド350に連結さ
れ、排気行程が互いに重ならない4番気筒1d、5番気
筒1eおよび6番気筒1fは共通の第2排気マニホルド
351に連結される。第1排気マニホルド350は第1
排気管352を介して、第2排気マニホルド351は第
2排気管353を介して共通の三元触媒354に連結さ
れる。また、第1排気管352と第2排気管353とを
短絡する連絡管355が設けられ、連絡管355内には
連絡管355内の排気ガスの流通を制御する開閉弁35
6が配置される。開閉弁356は電子制御ユニットから
の出力信号に基づいて制御される。
【0152】本実施例において、開閉弁356が閉弁さ
れると排気管長が長くなり、開閉弁356が開弁される
と排気管長が短くなる。したがって、機関回転数Nが予
め定めた第1設定回転数NEX1よりも低いとき、また
は予め第1設定回転数NEX1よりも高く定めた第2設
定回転数NEX2以上のときに開閉弁356が閉弁され
ていると排気弁7a,7b近傍に正圧波が作用する。こ
れに対し、N<NEX1、またはN≧NEX2のときに
開閉弁356が開弁されていると排気弁7a,7b近傍
に負圧波が作用する。一方、NEX1≦N<NEX2の
ときに開閉弁356が閉弁されていると排気弁7a,7
b近傍に負圧波が作用し、開閉弁356が開弁されてい
ると排気弁7a,7b近傍に正圧波が作用する。
【0153】ところで図61に示す内燃機関において、
吹返しガス量を増大させるためには排気弁7a,7b近
傍に作用する正圧波をオーバラップ期間に同調させれば
よい。正圧波がオーバラップ期間に同調されると燃焼室
4内の排気ガスが吸気弁5a,5bを介して吸気ポート
6a,6b内に逆流するのが促進され、斯くして吹返し
ガス量が増大される。したがって、吹返しガス量を増大
するためには図62に示すように、N<NEX1、また
はN≧NEX2のときには開閉弁356を閉弁し、NE
X1≦N<NEX2のときには開閉弁356を開弁すれ
ばよい。これに対し、オーバラップ期間に負圧波を同調
させると吹返しガス量が減少し、また燃焼室4内の既燃
ガスが速やかに排気マニホルド350,351内に排出
される。
【0154】そこで本実施例では、N<NEX1のとき
に機関負荷Q/Nが図56に示す第2設定負荷Q/N2
よりも低いときには開閉弁356を閉弁し、NEX1≦
N<NEX2のときにQ/N<Q/N2のときには開閉
弁356を開弁し、N≧NEX2のときにQ/N<Q/
N2のときには開閉弁356を閉弁し、それによって排
気弁7a,7b近傍に作用する正圧波をオーバラップ期
間に同調させるようにしている。その結果、機関負荷Q
/Nが第2設定負荷よりも低いときに吹返しガス量を増
大させることができ、したがってポンピングロスを低減
しつつ良好な燃焼作用を確保することができる。これに
対し、N<NEX1のときにQ/N≧Q/N2のときに
は開閉弁356を開弁し、NEX1≦N<NEX2のと
きにQ/N≧Q/N2のときには開閉弁356を閉弁
し、N≧NEX2のときにQ/N≧Q/N2のときには
開閉弁356を開弁し、それによって排気弁7a,7b
近傍に作用する負圧波をオーバラップ期間に同調させる
ようにしている。その結果、機関負荷Q/Nが第2設定
負荷よりも高いときに吹返しガス量を減少させることが
でき、したがって機関出力を確保することができる。
【0155】次に、排気弁7a,7b近傍に作用する正
圧波をオーバラップ期間に同調させ、かつ吸気流制御弁
17の開度が全開であるときに機関急加速運転が行われ
た場合の吹返しガス量制御方法について説明する。排気
弁7a,7b近傍に正圧波を作用させ、この正圧波がオ
ーバラップ期間に同調され、かつ吸気流制御弁17の開
度が全開に保持されている場合、すなわち吹返しガス量
が多くされている場合に機関急加速運転が行われると、
図58および図59を参照して説明したように、空燃比
が一時的にリーンになってしまう。そこで、この場合の
吹返しガス量を減少させる必要がある。本実施例では、
排気弁7a,7b近傍に作用する負圧波をオーバラップ
期間に一時的に同調させ、それによって吹返しガス量を
一時的に減少させるようにしている。あるいは、図58
および図59を参照して説明した実施例と同様に、吸気
流制御弁17の開度を一時的に半開に変更し、それによ
って吹返しガス量を減少させるようにしてもよい。その
結果、空燃比が一時的にリーンになるのを阻止すること
ができる。なお、内燃機関のその他の作動については図
1に示す内燃機関と同様であるので説明を省略する。
【0156】図64にさらに別の実施例を示す。この実
施例における内燃機関は図1に示す内燃機関とほぼ同様
に構成される。しかしながら、本実施例の吸気流制御弁
駆動装置360の構成および機関始動完了後における作
用が図1に示す吸気流制御弁駆動装置16の構成および
機関始動完了後における作用と異なっている。なお、こ
の実施例においても図1に示す電子制御ユニット50と
同様の電子制御ユニットが設けられ、しかしながら図6
4において電子制御ユニットは省略されている。
【0157】図64を参照すると、吸気流制御弁駆動装
置360は負圧室361内の負圧に応じて駆動せしめら
れるダイヤフラム362を具備する。ダイヤフラム36
2は吸気流制御弁17に連結され、その結果負圧室36
1内の負圧が大きくなるにつれて吸気流制御弁17の開
度が大きくされる。また、負圧室361は三方弁363
に連結される。電子制御ユニットからの出力信号に基づ
いて制御される三方弁363は負圧室361を大気か、
または蓄圧室364内のいずれかに選択的に連通させ
る。蓄圧室364は吸気流制御弁17よりも下流に位置
する吸気枝管10内に連通されており、吸気枝管10内
に生ずる負圧を一時的に蓄えることができる。
【0158】さらに図64を参照すると、三方弁363
と蓄圧室364間にはモジュレータ365が配置され
る。モジュレータ365は、サージタンク11内に連通
された負圧導入室366と、大気に連通された大気室3
67と、これら負圧導入室366と大気室367とを互
いに分離するダイヤフラム368と、三方弁363と蓄
圧室364間の負圧通路380を大気室367内に開口
せしめる負圧制御口369と、ダイヤフラム368に取
付けられ、かつダイヤフラム368の変位に応じて負圧
制御口369の開放および閉鎖を制御する弁体370
と、負圧制御口369を閉鎖すべくダイヤフラム368
を付勢する圧縮ばね371とを具備する。モジュレータ
365と蓄圧室364間の負圧通路380内には絞り3
72が設けられ、それによって大気室367から負圧制
御口369および蓄圧室364を介し流入した後に吸気
枝管10内に流入する空気ができるだけ少なくなるよう
にしている。ところで、従来におけるようにサージタン
ク11と燃料噴射弁14間に位置する吸気枝管10内に
吸気流制御弁17を設けない場合には、サージタンク1
1内の圧力は図65において破線でもって示すように変
化する。すなわちスロットル弁開度TAが増大するのに
伴ってサージタンク11内の圧力も増大するものの、直
線的に増大しない。この場合、吸気ポート6a,6b内
の圧力はサージタンク11内の圧力とほぼ等しくなって
おり、一方吸入空気量Qは吸気ポート6a,6b内の圧
力にほぼ比例するので、吸気流制御弁17を設けない場
合にはスロットル弁開度TAが増大するのに伴って吸入
空気量Qが直線的に増大しないこととなる。特に、スロ
ットル弁開度TAが大きくなると圧力の増加率が小さく
なり、したがってスロットル弁開度TAが大きいときの
吸入空気量Qの増加率が小さくなることがわかる。
【0159】スロットル弁開度TAと吸気ポート6a,
6b内の圧力との関係が図65の破線で示される場合、
図66において破線でもって示すようにスロットル弁開
度TAが時間零からt2まで増大されているにもかかわ
らず、時間零からt1までの間だけ吸入空気量Qが増大
し、スロットル弁開度TAが大きくなった時間t1から
t2までの間は吸入空気量Qは増大していない。したが
って時間t1からt2までの間は機関の操縦者がアクセ
ルペダル(図示しない)を踏み続けても加速感が得られ
ないこととなる。そこで本実施例では、吸気流制御弁駆
動装置360により吸気流制御弁17の開度を制御して
スロットル弁15上流の吸気ダクト12内圧力、すなわ
ち大気圧とサージタンク11内の圧力との差圧がスロッ
トル弁開度TAに依らず例えば50mmHgにおいてほ
ぼ一定になるようにし(図65の一点鎖線)、それによ
って吸気流制御弁17よりも下流に位置する吸気ポート
6a,6b内の圧力がスロットル弁開度TAが増大する
のに伴って直線的に増大するようにしている(図65の
実線)。その結果、図66において実線でもって示すよ
うに、スロットル弁開度TAが増大するのに伴って吸入
空気量Qを直線的に増大させることができるようにな
る。したがって、アクセルペダルが踏み込まれている間
にわたって機関加速感を得ることができる。
【0160】次に図64、図67および図68を参照し
て、吸気流制御弁駆動装置360の作動を説明する。図
64は機関始動時を示している。機関始動時において、
三方弁363は負圧室361を大気に連通させる。その
結果、負圧室361内に大気圧が導かれてダイヤフラム
362が変位しないので吸気流制御弁17の開度は全閉
に保持される。したがって、機関始動時に燃焼室4内に
多量の空気が供給されるのを阻止することができる。
【0161】図67および図68は機関始動完了後を示
している。機関始動が完了すると、三方弁363は負圧
室361を蓄圧室364に連通させる。その結果、負圧
通路380を介して負圧室361に負圧が導かれるので
ダイヤフラム362が変位し、斯くして吸気流制御弁1
7が開弁される。スロットル弁開度TAが小さくなると
サージタンク11内の負圧が大きくなり、大気圧とサー
ジタンク11内の負圧との差圧が例えば50mmHgよ
りも大きくなると図67に示すようにモジュレータ36
5のダイヤフラム368が圧縮ばね372のばね力に抗
して変位する。モジュレータ365のダイヤフラム36
8が変位すると負圧制御口369が開放されて大気室3
67内に開口し、その結果負圧通路380を介して負圧
室361内に導かれる負圧が小さくなり、したがって吸
気流制御弁17が閉弁方向に駆動される。吸気流制御弁
17が閉弁方向に駆動されるとサージタンク11内の負
圧が小さくなり、大気圧とサージタンク11内の負圧と
の差圧が小さくなり、その結果モジュレータ365のダ
イヤフラム368が圧縮ばね372により復元されて負
圧制御口369が閉鎖され、したがって吸気流制御弁1
7が開弁方向に駆動される。このような負圧制御口36
9の開閉動作を繰り返して次いで平衡状態に達し、斯く
して或るスロットル弁開度TAに対し吸気流制御弁17
の開度が定められる。
【0162】一方、スロットル弁開度TAが大きくなる
とサージタンク11内の負圧が小さくなり、それによっ
て負圧制御口369が閉鎖されるので負圧室361内に
導かれる負圧が大きくなり、その結果吸気流制御弁17
が開弁方向に駆動される。吸気流制御弁17が開弁方向
に駆動されるとサージタンク11内の負圧が増大するの
で負圧制御口369が開放され、その結果負圧室361
内に導かれる負圧が小さくなり、したがって吸気流制御
弁17が閉弁方向に駆動される。このような負圧制御口
369の開閉動作を繰り返して次いで平衡状態に達し、
斯くして大気圧とサージタンク11内の圧力との差圧を
スロットル弁開度TAに依らずほぼ一定に維持すること
ができる。その結果、スロットル弁開度TAが増大する
のに伴って吸気ポート6a,6b内の圧力を直線的に増
大させることができ、したがってスロットル弁開度TA
が増大するのに伴って吸入空気量Qを直線的に増大させ
ることができる。このため、アクセルペダルが踏み込ま
れている間にわたって機関加速感を得ることができ、し
たがってドライバビリティを向上することができる。さ
らに、吸気流制御弁17の開度が中間開度であるときに
吸気流制御弁17によって案内される空気が燃料噴射弁
14に向けて流通するようになっており、したがって本
実施例においても噴射燃料と空気との衝突作用が確保さ
れる。
【0163】次に、図69を参照して機関始動時におけ
る吸気流制御弁17の開度制御方法の別の実施例を説明
する。なお本実施例において、吸気流制御弁17の弁体
19には図1に示す実施例における流通孔20が設けら
れていない。ところで、機関温度を代表する代表温度、
例えば機関冷却水温THWが極めて低い場合には、フリ
クションロスが増大し、ポンピングロスが増大する。機
関始動時においてポンピングロスが増大すると機関始動
を確実に、または速やかに完了することができなくな
る。そこで本実施例では、図69に示すように機関冷却
水温THWが予め定められた低温側設定温度THW1よ
りも低いときには吸気流制御弁17の開度を大きくし、
それによってポンピングロスが増大するのをできるだけ
阻止するようにしている。その結果、機関温度が低い、
いわゆる極低温始動時において機関始動を確実にかつ速
やかに完了させることができる。
【0164】一方、機関冷却水温THWが極めて高い場
合には、燃料噴射弁14に供給される燃料内に気泡が含
まれる恐れがある。噴射燃料内に気泡が含まれると、燃
料噴射弁14からこの気泡を含んだ燃料が噴射されるの
で実際の噴射燃料量が正規の燃料量よりも少なくなって
しまい、この場合も機関始動を確実に、または速やかに
完了することができなくなる。そこで本実施例では、図
69に示すように機関冷却水温THWが予め定められた
高温側設定温度THW2よりも高いときには吸気流制御
弁17の開度を小さくし、それによって吸気流制御弁1
7下流の吸気枝管10内の負圧が大きくなるようにして
いる。通常の燃料噴射弁14では、燃料噴射弁14に燃
料を供給するための燃料通路内の圧力と吸気枝管10内
の圧力との差圧でもって燃料噴射が行われ、したがって
吸気流制御弁17下流の吸気枝管10内の負圧が大きく
されると燃料噴射圧が大きくされることになる。燃料噴
射圧が大きくされると燃料噴射量が増大されるので機関
温度が極めて高い場合であっても燃料噴射量が正規の燃
料量よりも少なくなるのを阻止することができる。な
お、機関冷却水温THWが低温側設定温度THW1と高
温側設定温度THW2間の場合の吸気流制御弁17の開
度は、その開度において吸気流制御弁17を介し流通す
る空気量が図1に示す例において流通孔20を介し流通
する空気量とほぼ等しくなるように定められている。
【0165】図70は吸気枝管10の別の実施例を示し
ている。図70を参照すると、吸気枝管10の下側壁面
10bには吸気枝管10の周方向に延びる堰部材390
が設けられる。この堰部材390は、吸気流制御弁17
の開度が中間開度、例えば図5を参照して説明した半開
のときに吸気枝管10の下側壁面10bと吸気流制御弁
17間に形成される間隙70bを閉鎖するよう配置され
る。また、吸気流制御弁17を介し流通する空気を傾斜
面391でもって吸気流制御弁17の上側壁面10aと
吸気流制御弁17間に形成される間隙70aに向けて案
内する。その結果、吸気流制御弁17の開度が中間開度
のときに吸気流制御弁17を介し流通する空気のほとん
どが間隙70aを介して流通するようになり、この空気
は燃料噴射弁14に向けて案内されて次いで噴射燃料と
衝突するので噴射燃料の微粒化作用をさらに強化するこ
とができる。なお、吸気流制御弁17の開度が全開のと
きに形成される間隙70bは堰部材390によって閉鎖
されず、したがって吸入空気量が減少されるのが阻止さ
れている。
【0166】図71は吸気枝管10のさらに別の実施例
を示している。図71を参照すると、吸気枝管10の下
側壁面10bには吸気流制御弁17の弁体19が当接可
能な湾曲部392が形成されている。吸気流制御弁17
の開度が図5を参照して説明した半開に相当する開度よ
りも小さい場合には、吸気流制御弁17の弁体19と湾
曲部392とが当接して間隙70bが閉鎖され、その結
果このとき吸気流制御弁17を介し流通する空気の全て
が間隙70aを介し流通することとなる。したがって吸
気流制御弁17を介し流通する空気の全てが燃料噴射弁
14に向けて案内されるので噴射燃料の微粒化作用をさ
らに強化することができる。一方、吸気流制御弁17の
開度が半開に相当する開度よりも大きい場合には、吸気
流制御弁17の弁体19が湾曲部392から離脱して間
隙70bが開放され、斯くして吸入空気量が確保され
る。
【0167】さらに図71を参照すると、この実施例に
おいて燃料噴射弁14はエアアシスト室393内に配置
されている。エアアシスト室393は一方では燃料空気
噴出口394を介して吸気枝管10内に連通しており、
他方ではエアアシスト通路395を介してバイパス制御
弁396に連結される。バイパス制御弁396は例えば
スロットル弁上流の吸気ダクト12内に連通される。本
実施例において、エアアシスト室393内には燃料噴射
弁14から燃料が噴射され、エアアシスト通路395か
ら空気が供給され、これら燃料および空気は燃料空気噴
出口394を介して吸気枝管10内に噴出される。その
結果、吸気流制御弁17に案内された空気との衝突作用
よる噴射燃料の微粒化作用に加えて、噴射燃料の微粒化
作用をさらに促進することができる。
【0168】ところで、吸気流制御弁17の開度が中間
開度、例えば半開の場合には吸気流制御弁17下流に位
置する吸気枝管10内の負圧が大きくなる。エアアシス
ト通路395を介してエアアシスト室393内に供給さ
れる空気は、大気圧と吸気流制御弁17下流の吸気枝管
10内圧力との差圧でもって供給されるので、吸気枝管
10内の負圧が大きくなるとエアアシスト室393内に
供給される空気量が増大するようになる。その結果、吸
気流制御弁17の開度が中間開度のときに噴射燃料の微
粒化をさらに促進することができ、したがって混合気の
良好な燃焼作用をさらに確保することができる。
【0169】図72は吸気流制御弁17の取付け位置の
別の実施例を示している。これまで延べてきた実施例で
は、吸気流制御弁17の弁軸18が吸気枝管10の中心
軸線L−L上に配置されており、したがって吸気流制御
弁17の回動中心が中心軸線L−L上に配置されてい
る。これに対し、本実施例では、吸気流制御弁17の弁
軸18が吸気枝管10の中心軸線L−Lに関し燃料噴射
弁14と反対側に偏心されて配置されており、したがっ
て吸気流制御弁17の回動中心が中心軸線L−Lに関し
燃料噴射弁14と反対側に偏心されている。図72に示
される例では、吸気流制御弁17の回動中心は吸気枝管
10の中心軸線L−LからX0だけ偏心されている。な
お、図72に示す例において下側壁面10b内には図7
1に示す例と同様に湾曲部392が形成されている。こ
の例でも、吸気流制御弁17の開度が半開のときには吸
気流制御弁17の弁体19が湾曲部392に当接し、吸
気流制御弁17の開度が半開よりも大きくなると吸気流
制御弁17の弁体19が湾曲部392から離脱する。
【0170】次に図73および図74を参照して吸気流
制御弁17の回動中心を偏心させる理由について説明す
る。図73を参照すると、Xは吸気枝管10の直径、α
−αは吸気枝管10の中心軸線L−Lに対し垂直をなし
かつ吸気流制御弁10の弁軸18を含んで拡がる垂直
面、φ1は吸気流制御弁17の開度が全閉であるときに
弁体19と垂直面α−α間に形成される角、φ2は吸気
流制御弁17の開度が全閉から半開まで変更されるとき
の吸気流制御弁17の回動角、φ3は吸気流制御弁17
の開度が半開から全開まで変更されるときの吸気流制御
弁17の回動角をそれぞれ示している。吸気流制御弁1
7の開度が半開のときの吸気流制御弁17の上側弁体部
分19aと吸気枝管10の上側壁面10a間の距離X1
は次式で表される。
【0171】X1=(X/2+X0)・(1−sinφ
3/cosφ1) 一方、湾曲部392の深さX2は次式で表される。 X2=(X/2−X0)・(cosφ1/sinφ3−
1) ここで、X1は上側弁体部分19aと上側壁面10a間
に形成される間隙70aの面積を代表しており、X2は
吸気枝管10全体の寸法を代表している。
【0172】図74は、X=34mmの場合におけるφ
2と、X1およびX2との関係を示しており、図74に
おいて実線はX0=5mmとした場合、すなわち吸気流
制御弁17の回動中心を偏心させた場合を示しており、
破線はX0=0mmとした場合、すなわち吸気流制御弁
17の回動中心を偏心させない場合を示している。吸気
流制御弁17の開度が半開のときの吸入空気量を確保す
べく例えばX1=6mmとする場合を考えると、吸気流
制御弁17の回動中心を偏心させない場合にはφ2が約
32°であるのに対し、吸気流制御弁17の回動中心を
偏心させるとφ2を約28°にすることができる。すな
わち、吸気流制御弁17の回動中心を偏心させることに
よって吸気流制御弁17の開度を全閉から半開に変更す
るときの吸気流制御弁17の回動角を小さくすることが
できる。その結果機関始動が完了するときに吸気流制御
弁17の開度を速やかに全閉から半開まで変更すること
ができ、したがって機関始動性を向上させることができ
る。なお、X1=6mmとすれば吸気流制御弁17の開
度が半開のときに必要な吸入空気量を確保しつつ、噴射
燃料と空気の良好な衝突作用が確保される。
【0173】さらに図74を参照すると、吸気流制御弁
17の回動中心を偏心させない場合には、φ2が約32
°であるのでX2は約9mmであることがわかる。これ
に対し、吸気流制御弁17の回動中心を偏心させた場合
にはφ2が約28°であるのでX2は約5mmであるこ
とがわかる。すなわち、吸気流制御弁17の回動中心を
偏心させることによって湾曲部392の深さを小さくす
ることができる。X2が小さくなると湾曲部392の軸
線方向長さであるX3も小さくなり、その結果吸気枝管
10全体の寸法を小さくできることになる。
【0174】図75は吸気流制御弁17の別の実施例を
示している。図75を参照すると、本実施例における弁
軸18は半円形状の断面を有しており、弁軸18に形成
される平坦面上に弁体19が例えばビス止め或いは接着
などにより固定されている。さらに本実施例では、弁軸
18が弁体19に関し吸気下流側に配置されている。そ
の結果、吸気流制御弁17の上流側表面がほぼ平坦面か
ら形成されることになる。
【0175】好ましくない実施例を示す図76を参照す
ると、吸気流制御弁17′の下端が湾曲部392′に当
接しているので空気A′は吸気流制御弁17′の上流側
表面に沿いつつ進行した後に燃料噴射弁14′からの噴
射燃料F′に衝突せしめられる。この例では、弁軸1
8′が弁体19′に関し吸気上流側に配置されて吸気流
制御弁17′の上流側表面が平坦面から形成されていな
いので空気流A′が吸気流制御弁17′の上流側表面上
において、特に弁軸18′において乱されるようにな
る。この乱れた空気流A′が次いで噴射燃料F′に衝突
すると噴射燃料F′の指向性が損なわれてしまうことに
なる。また、この例のように弁軸18′を弁体19′に
関し吸気上流側に配置すると吸気流制御弁17′におけ
る圧力損失が大きくなってしまう。
【0176】これに対し本実施例では、図75に示すよ
うに吸気流制御弁17の上流側表面がほぼ平坦面から形
成されているので吸気流制御弁17の上流側表面に沿い
つつ進行する空気Aが吸気流制御弁17の上流側表面上
において乱されることなく進行することができる。その
結果、空気流Aの指向性を高めることができ、次いで噴
射燃料Fに衝突する際に噴射燃料Fの指向性を損なうこ
となく燃料の微粒化作用を行うことができる。また、吸
気流制御弁17における圧力損失をできるだけ小さくす
ることができる。
【0177】また、図75および図77に示すように、
この実施例の吸気流制御弁17は下側弁体部分19b内
に連通孔20が設けられている。吸気流制御弁17の開
度が半開のときに空気流Aが乱れることなく進行して空
気流Aの流速が高くなると吸気流制御弁17の下流側表
面周りの吸気枝管10内の圧力が低くなり、その結果、
微粒化された噴射燃料Fの一部が吸気流制御弁17の下
流側表面上に付着する恐れがある。そこで、本実施例で
は吸気流制御弁17の下側弁体部分19b内に連通孔2
0を形成して吸気流制御弁17の開度が半開のときに連
通孔20から噴出した空気でもって吸気流制御弁17の
下流側表面上に付着した燃料を吹き飛ばすようにしてい
る。連通孔20を介し吸気流制御弁17の下流に到った
空気は次いで吸気流制御弁17の下流側表面に沿いつつ
進行するので下流側表面上に付着した燃料を良好に吹き
飛ばすことができる。
【0178】さらに図77を参照すると、この実施例で
は吸気流制御弁17の下側弁体部分19bが半円状に形
成されているのに対し、上側弁体部分19aが長方形状
に形成されている。湾曲部392を球状ボアとして形成
し、これに当接する下側弁体部分19bを半円状に形成
することによって吸気流制御弁17の開度が半開よりも
小さいときに湾曲部392と下側弁体部分19b間から
空気が漏れるのを低減することができる。一方、上側弁
体部分19aを長方形状に形成することによって、吸気
流制御弁17の開度が例えば半開のときに上側弁体部分
19aと吸気枝管10の内壁面間に形成される間隙を大
きくすることができる。したがって、図73を参照して
説明したφ2を小さくすることができるので機関始動が
完了するときに吸気流制御弁17の開度を全閉から半開
まで速やかに変更することができる。
【0179】図78は吸気流制御弁17のさらに別の実
施例を示している。図78に示すように本実施例におけ
る吸気流制御弁17はロータリバルブから構成され、図
78(A)は吸気流制御弁17の開度が全閉のときを示
しており、図78(B)は吸気流制御弁17の開度が中
間開度、例えば半開のときを示しており、図78(C)
は吸気流制御弁17の開度が全開のときを示している。
特に図78(B)を参照すると、吸気流制御弁17が半
開の場合、吸気流制御弁17を介し流通する空気のすべ
てが間隙70aを介して流通し、燃料噴射弁14に向け
て案内される。その結果、例えば図70を参照して説明
した堰部材390を設けることなく、噴射燃料の微粒化
作用を確保することができる。
【0180】
【発明の効果】機関低負荷運転時にはトルク変動率が大
きくなるのを阻止しつつ燃料消費率を低減することがで
き、機関高負荷運転時には機関出力を確保することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】シリンダブロックの平面断面図である。
【図3】吸気流制御弁の開度が全閉である場合を示す内
燃機関の部分図である。
【図4】設定負荷を示す線図である。
【図5】吸気流制御弁の開度が半開である場合を示す内
燃機関の部分図である。
【図6】図解的に示した内燃機関の斜視図である。
【図7】吸気流制御弁の開度が全開である場合を示す内
燃機関の部分図である。
【図8】吸気流制御弁の開度制御を行うためのフローチ
ャートである。
【図9】機関運転状態の変化を説明するための線図であ
る。
【図10】機関急加速運転時におけるタイムチャートで
ある。
【図11】機関急加速運転時におけるタイムチャートで
ある。
【図12】機関急減速運転時におけるタイムチャートで
ある。
【図13】機関急減速運転時におけるタイムチャートで
ある。
【図14】イニシャライズ処理を行うためのフローチャ
ートである。
【図15】急加速、急減速判定処理を行うためのフロー
チャートである。
【図16】吸気流制御弁の開度制御の別の実施例を行う
ためのフローチャートである。
【図17】吸気流制御弁の開度制御の別の実施例を行う
ためのフローチャートである。
【図18】吸気流制御弁の開度制御の別の実施例を行う
ためのフローチャートである。
【図19】吸気流制御弁の開度制御の別の実施例を行う
ためのフローチャートである。
【図20】吸気流制御弁の開度制御の別の実施例を行う
ためのフローチャートである。
【図21】吸気流制御弁の開度制御の別の実施例を行う
ためのフローチャートである。
【図22】吸気流制御弁の開度制御方法の、さらに別の
実施例を説明するための、機関急加速運転時におけるタ
イムチャートである。
【図23】吸気流制御弁駆動装置の具体的な実施例を示
す部分拡大図である。
【図24】吸気流制御弁駆動装置の別の実施例を示す部
分拡大図である。
【図25】機関始動時における吸気流制御弁開度制御方
法の別の実施例を実行するためのフローチャートであ
る。
【図26】吸気流制御弁駆動装置のさらに別の実施例を
示す部分拡大図である。
【図27】吸気流制御弁駆動装置のさらに別の実施例を
示す部分拡大図である。
【図28】吸気流制御弁駆動装置のさらに別の実施例を
示す部分拡大図である。
【図29】吸気流制御弁駆動装置のさらに別の実施例を
示す部分拡大図である。
【図30】吸気流制御弁駆動装置のさらに別の実施例を
示す部分拡大図である。
【図31】吸気流制御弁駆動装置のさらに別の実施例を
示す部分拡大図である。
【図32】圧力センサの取付け位置を変更した場合の圧
力センサの出力の変化を示す線図である。
【図33】吸入空気量Qを示す線図である。
【図34】圧力センサ出力の取込み制御を実行するため
のフローチャートである。
【図35】吸入空気量を算出するためのフローチャート
である。
【図36】圧力センサ取付け位置の別の実施例を示す内
燃機関の部分図である。
【図37】図36の実施例において吸入空気量Qを示す
線図である。
【図38】図36の実施例において吸入空気量を算出す
るためのフローチャートである。
【図39】吸入空気量算出方法の別の実施例を説明する
線図である。
【図40】図39の実施例において吸入空気量を算出す
るためのフローチャートである。
【図41】点火時期を変化したときのトルク変動率、未
燃HC量、および排気温の変化を示す線図である。
【図42】基本点火進角を示す線図である。
【図43】暖機運転補正遅角を示す線図である。
【図44】点火時期を算出するためのフローチャートで
ある。
【図45】機関急加速運転時におけるタイムチャートで
ある。
【図46】機関緩加速運転時におけるタイムチャートで
ある。
【図47】燃料噴射時期を制御するためのフローチャー
トである。
【図48】機関回転数と出力トルクとの関係を示す線図
である。
【図49】限界回転数を示す線図である。
【図50】暖機運転時における吸気流制御弁の開度制御
を実行するためのフローチャートである。
【図51】限界スロットル弁開度を示す線図である。
【図52】別の実施例を示す内燃機関の全体図である。
【図53】吸気弁の開弁期間を示す線図である。
【図54】機関低負荷運転時においてオーバラップ量を
変化させたときのトルク変動率、燃料消費率、および吹
返しガス量の変化を示す線図である。
【図55】機関中負荷運転時においてオーバラップ量を
変化させたときのトルク変動率、燃料消費率、および吹
返しガス量の変化を示す線図である。
【図56】第2設定負荷を示す線図である。
【図57】吹返しガス量を制御するためのフローチャー
トである。
【図58】機関運転状態の変化を説明するための線図で
ある。
【図59】機関加速運転時におけるタイムチャートであ
る。
【図60】機関加速運転時において吹返しガス量を制御
するためのフローチャートである。
【図61】さらに別の実施例を示す内燃機関の全体図で
ある。
【図62】吹返しガス量を増大するのに最適な開閉弁の
開度を示す線図である。
【図63】各機関運転状態における開閉弁の開度を示す
線図である。
【図64】さらに別の実施例を示す内燃機関の部分拡大
図である。
【図65】スロットル弁開度と吸気ポート内またはサー
ジタンク内の圧力との関係を示す線図である。
【図66】機関加速運転時におけるタイムチャートであ
る。
【図67】吸気流制御弁の作動を説明する内燃機関の部
分拡大図である。
【図68】吸気流制御弁の作動を説明する内燃機関の部
分拡大図である。
【図69】機関始動時における吸気流制御弁の開度制御
のさらに別の実施例を示す線図である。
【図70】吸気枝管の別の実施例を示す内燃機関の部分
拡大断面図である。
【図71】吸気枝管のさらに別の実施例を示す内燃機関
の部分拡大断面図である。
【図72】吸気流制御弁の取付け位置の別の実施例を示
す内燃機関の部分拡大断面図である。
【図73】パラメータを説明する内燃機関の部分拡大断
面図である。
【図74】φ2と、X1およびX2との関係を示す線図
である。
【図75】吸気流制御弁の別の実施例を示す内燃機関の
部分拡大断面図である。
【図76】好ましくない実施例を示す内燃機関の部分拡
大断面図である。
【図77】図75の実施例における吸気流制御弁の背面
図である。
【図78】吸気流制御弁のさらに別の実施例を示す内燃
機関の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
4…燃焼室 5a,5b…吸気弁 6a,6b…吸気ポート 9…点火栓 10…吸気枝管 11…サージタンク 14…燃料噴射弁 15…スロットル弁 16…吸気流制御弁駆動装置 17…吸気流制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 314 F02D 45/00 314N F02M 25/07 510 F02M 25/07 510B 510A 550 550J 580 580C 35/10 35/10 301F 69/00 69/00 350W (72)発明者 定金 伸治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットル弁下流の機関吸気通路に該吸
    気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁を配置すると共に
    該スロットル弁と該燃料噴射弁間の吸気通路内に吸気流
    制御弁を配置し、機関負荷が機関回転数により定まる第
    1の設定負荷よりも低いときには上記吸気流制御弁の開
    度を全閉と全開間の中間開度に保持し、機関負荷が上記
    第1の設定負荷よりも高いときには上記吸気流制御弁を
    全開に保持するようにし、吹返しガス量を増大させるよ
    うにする吹返しガス量増大手段を具備し、機関負荷が機
    関回転数により定まる第2の設定負荷よりも低いときに
    は該吹返しガス量増大手段による吹返しガス量増大作用
    を行い、機関負荷が該第2の設定負荷よりも高いときに
    は該吹返しガス量増大手段による吹返しガス量増大作用
    を停止するようにした内燃機関。
  2. 【請求項2】 上記第2の設定負荷が同一の機関回転数
    に対し上記第1の設定負荷に比べて高く定められている
    請求項1に記載の内燃機関。
  3. 【請求項3】 上記吹返しガス量増大手段による吹返し
    ガス量増大作用が行われているときにおいて機関急加速
    運転が行われたときに吹返しガス量を一時的に減少させ
    る吹返しガス量減少手段を具備した請求項1に記載の内
    燃機関。
  4. 【請求項4】 上記吹返しガス量減少手段は吸気流制御
    弁の開度を減少させることにより吹返しガス量を減少さ
    せるようにした請求項3に記載の内燃機関。
  5. 【請求項5】 排気行程が互いに重ならない気筒が連結
    された第1の排気管と、排気行程が互いに重ならない気
    筒が連結された第2の排気管とを短絡する連絡管を設
    け、該連絡管内に開閉弁を配置し、上記吹返しガス量減
    少手段は機関回転数が予め定められた第1の設定回転数
    よりも低いかまたは第1の設定回転数よりも高く定めら
    れた第2の設定回転数よりも高いときには開閉弁を開弁
    し、機関回転数が第1の設定回転数と第2の設定回転数
    との間のときには開閉弁を閉弁し、それによりオーバラ
    ップ期間に排気弁近傍に負圧波を作用させて吹返しガス
    量を減少させるようにする請求項3に記載の内燃機関。
  6. 【請求項6】 吹返しガス量増大手段はオーバラップ量
    を増大することにより吹返しガス量増大作用を行い、オ
    ーバラップ量を減少することにより吹返しガス量増大作
    用を停止する請求項1に記載の内燃機関。
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