JPH11286719A - 無酸化熱処理方法及び装置 - Google Patents
無酸化熱処理方法及び装置Info
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- JPH11286719A JPH11286719A JP10705798A JP10705798A JPH11286719A JP H11286719 A JPH11286719 A JP H11286719A JP 10705798 A JP10705798 A JP 10705798A JP 10705798 A JP10705798 A JP 10705798A JP H11286719 A JPH11286719 A JP H11286719A
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- Japan
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- heating furnace
- heat treatment
- heating
- gas
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被処理物を極力酸化させることなく,かつ効
率的に熱処理を行うことができる無酸化熱処理方法及び
装置を提供すること。 【解決手段】 加熱炉11内において被処理物7を還元
雰囲気下で熱処理する無酸化熱処理方法において,上記
加熱炉11内に被処理物7を入れ,上記加熱炉11内を
10トール(Torr)以下に減圧して該加熱炉11内
の残存酸素濃度を0.05%以下の減圧状態となし,該
加熱炉11内に窒素ガスを供給して該加熱炉11内を略
大気圧状態に復圧する。その後,燃料ガス及び燃焼用空
気を空気比0.5〜1.0においてバーナとしての蓄熱
式バーナ6に導入すると共に点火,燃焼させて,上記加
熱炉11内の被処理物7を加熱する。
率的に熱処理を行うことができる無酸化熱処理方法及び
装置を提供すること。 【解決手段】 加熱炉11内において被処理物7を還元
雰囲気下で熱処理する無酸化熱処理方法において,上記
加熱炉11内に被処理物7を入れ,上記加熱炉11内を
10トール(Torr)以下に減圧して該加熱炉11内
の残存酸素濃度を0.05%以下の減圧状態となし,該
加熱炉11内に窒素ガスを供給して該加熱炉11内を略
大気圧状態に復圧する。その後,燃料ガス及び燃焼用空
気を空気比0.5〜1.0においてバーナとしての蓄熱
式バーナ6に導入すると共に点火,燃焼させて,上記加
熱炉11内の被処理物7を加熱する。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は,例えば焼鈍炉等の加熱炉内にお
いて,直火式バーナを用いて被処理物である製品を還元
雰囲気下で熱処理する無酸化熱処理方法,及びそれに用
いる装置に関する。
いて,直火式バーナを用いて被処理物である製品を還元
雰囲気下で熱処理する無酸化熱処理方法,及びそれに用
いる装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来,加熱炉内で被処理物を加熱する場
合,上記加熱炉内の被処理物が酸化することを防止する
ため,上記加熱炉内の温度を間接的に上昇させる無酸化
熱処理方法が知られている。即ち,上記加熱炉内に被処
理物を入れた後,上記加熱炉内にRxガス,Nxガス,
Dxガス等の雰囲気ガスを導入して,上記被処理物の周
囲に酸素が存在しない状態をつくる。そして,上記加熱
炉内を挿通するラジアントチューブ内に,バーナによっ
て燃焼され高温となった燃焼排ガスを供給する。なお,
上記燃焼排ガスは上記ラジアントチューブ内を流れるだ
けで上記加熱炉内の雰囲気ガスとは混合されない。
合,上記加熱炉内の被処理物が酸化することを防止する
ため,上記加熱炉内の温度を間接的に上昇させる無酸化
熱処理方法が知られている。即ち,上記加熱炉内に被処
理物を入れた後,上記加熱炉内にRxガス,Nxガス,
Dxガス等の雰囲気ガスを導入して,上記被処理物の周
囲に酸素が存在しない状態をつくる。そして,上記加熱
炉内を挿通するラジアントチューブ内に,バーナによっ
て燃焼され高温となった燃焼排ガスを供給する。なお,
上記燃焼排ガスは上記ラジアントチューブ内を流れるだ
けで上記加熱炉内の雰囲気ガスとは混合されない。
【0003】そのため,上記高温の燃焼排ガスから上記
ラジアントチューブを介して上記加熱炉内の雰囲気ガス
へと上記燃焼排ガスの熱が伝導される。上記従来の無酸
化熱処理方法は,このような間接加熱方式を用いて,上
記加熱炉内の被処理物を酸化することなく上記被処理物
に対して熱処理を行っている。
ラジアントチューブを介して上記加熱炉内の雰囲気ガス
へと上記燃焼排ガスの熱が伝導される。上記従来の無酸
化熱処理方法は,このような間接加熱方式を用いて,上
記加熱炉内の被処理物を酸化することなく上記被処理物
に対して熱処理を行っている。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の無
酸化熱処理方法においては,間接加熱方式を用いている
ため,エネルギーロスが多くなり,加熱効率を低下させ
る。また,上記雰囲気ガスの発生装置を上記加熱炉から
分離した状態で設ける場合には,この発生装置を必要な
温度に維持する必要があり,上記雰囲気ガスの発生装置
の温度維持に多くのエネルギーを必要とする。それ故,
効率的な熱処理を行うことが非常に困難である。
酸化熱処理方法においては,間接加熱方式を用いている
ため,エネルギーロスが多くなり,加熱効率を低下させ
る。また,上記雰囲気ガスの発生装置を上記加熱炉から
分離した状態で設ける場合には,この発生装置を必要な
温度に維持する必要があり,上記雰囲気ガスの発生装置
の温度維持に多くのエネルギーを必要とする。それ故,
効率的な熱処理を行うことが非常に困難である。
【0005】また,上記燃焼排ガス中の還元性ガス成分
を上記加熱炉外で分離した後,雰囲気ガスとして上記加
熱炉内に供給する方法も知られている。しかし,上記還
元性ガス成分を分離するための装置が別個必要となる。
また,上記燃焼排ガス中の酸化性成分である水分を除去
するためには,上記燃焼排ガスの冷却が必要となる。ま
た,分離後の還元性ガス成分も冷却されてしまうので,
該還元性ガス成分を上記加熱炉内に送入するにあたって
再加熱が必要となる。そのため,この方法では多大なエ
ネルギーが必要となるという問題がある。
を上記加熱炉外で分離した後,雰囲気ガスとして上記加
熱炉内に供給する方法も知られている。しかし,上記還
元性ガス成分を分離するための装置が別個必要となる。
また,上記燃焼排ガス中の酸化性成分である水分を除去
するためには,上記燃焼排ガスの冷却が必要となる。ま
た,分離後の還元性ガス成分も冷却されてしまうので,
該還元性ガス成分を上記加熱炉内に送入するにあたって
再加熱が必要となる。そのため,この方法では多大なエ
ネルギーが必要となるという問題がある。
【0006】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,被処理物を極力酸化させることなく,か
つ効率的に熱処理を行うことができる無酸化熱処理方法
及び装置を提供しようとするものである。
されたもので,被処理物を極力酸化させることなく,か
つ効率的に熱処理を行うことができる無酸化熱処理方法
及び装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,加熱炉内におい
て被処理物を還元雰囲気下で熱処理する無酸化熱処理方
法において,上記加熱炉内に被処理物を入れ,上記加熱
炉内を10トール(Torr)以下に減圧して該加熱炉
内の残存酸素濃度を0.05%以下の減圧状態となし,
該加熱炉内に窒素ガスを供給して該加熱炉内を略大気圧
状態に復圧し,その後,燃料ガス及び燃焼用空気を空気
比0.3〜1.0においてバーナに導入すると共に点
火,燃焼させて,上記加熱炉内の被処理物を加熱するこ
とを特徴とする無酸化熱処理方法にある。
て被処理物を還元雰囲気下で熱処理する無酸化熱処理方
法において,上記加熱炉内に被処理物を入れ,上記加熱
炉内を10トール(Torr)以下に減圧して該加熱炉
内の残存酸素濃度を0.05%以下の減圧状態となし,
該加熱炉内に窒素ガスを供給して該加熱炉内を略大気圧
状態に復圧し,その後,燃料ガス及び燃焼用空気を空気
比0.3〜1.0においてバーナに導入すると共に点
火,燃焼させて,上記加熱炉内の被処理物を加熱するこ
とを特徴とする無酸化熱処理方法にある。
【0008】本発明において最も注目すべきことは,減
圧により残存酸素濃度を所定値以下にして,次いで窒素
ガスによって減圧分を復圧した後,直火式バーナを用い
て加熱炉内の被処理物を還元雰囲気下で直接加熱するこ
とである。
圧により残存酸素濃度を所定値以下にして,次いで窒素
ガスによって減圧分を復圧した後,直火式バーナを用い
て加熱炉内の被処理物を還元雰囲気下で直接加熱するこ
とである。
【0009】ここでいう上記加熱炉内の残存酸素濃度と
は,上記加熱炉内の全容積に対する酸素の占める容積と
定義する。上記残存酸素濃度が0.05%を超える場合
には,熱処理の際に上記被処理物を酸化させてしまう。
また,上記加熱炉内が爆発雰囲気となり,爆発の危険性
が高くなる。
は,上記加熱炉内の全容積に対する酸素の占める容積と
定義する。上記残存酸素濃度が0.05%を超える場合
には,熱処理の際に上記被処理物を酸化させてしまう。
また,上記加熱炉内が爆発雰囲気となり,爆発の危険性
が高くなる。
【0010】また,上記加熱炉内の減圧状態が10トー
ルを超える場合には,上記加熱炉内の残存酸素濃度を
0.05%以下にすることが困難なため,上記加熱炉内
を充分に還元雰囲気下にすることができない。
ルを超える場合には,上記加熱炉内の残存酸素濃度を
0.05%以下にすることが困難なため,上記加熱炉内
を充分に還元雰囲気下にすることができない。
【0011】また,上記空気比とは,理論空気量(燃料
ガスを完全燃焼させるために必要な空気量)に対する空
気量である。上記空気比が1.0の状態において上記加
熱炉内は弱酸化雰囲気であり,上記空気比が1.0未満
の状態において上記加熱炉内は還元雰囲気である。上記
空気比が1.0を超える場合には,上記加熱炉内が充分
に酸化雰囲気となるため,上記被処理物を酸化させてし
まう。一方,0.3未満の場合には,燃焼が不可能とな
るため,上記被酸化物に対して熱処理を行うことができ
ない。
ガスを完全燃焼させるために必要な空気量)に対する空
気量である。上記空気比が1.0の状態において上記加
熱炉内は弱酸化雰囲気であり,上記空気比が1.0未満
の状態において上記加熱炉内は還元雰囲気である。上記
空気比が1.0を超える場合には,上記加熱炉内が充分
に酸化雰囲気となるため,上記被処理物を酸化させてし
まう。一方,0.3未満の場合には,燃焼が不可能とな
るため,上記被酸化物に対して熱処理を行うことができ
ない。
【0012】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明の無酸化熱処理方法においては,上記加熱炉内を
10トール(Torr)以下に減圧して該加熱炉内の残
存酸素濃度を0.05%以下の減圧状態となし,該加熱
炉内に窒素ガスを供給して該加熱炉内を略大気圧状態に
復圧する。
本発明の無酸化熱処理方法においては,上記加熱炉内を
10トール(Torr)以下に減圧して該加熱炉内の残
存酸素濃度を0.05%以下の減圧状態となし,該加熱
炉内に窒素ガスを供給して該加熱炉内を略大気圧状態に
復圧する。
【0013】そのため,点火時(加熱初期)の段階から
上記加熱炉内を還元雰囲気とすることができる。また,
減圧を行わずに単に窒素を用いてプレパージを行う場合
に比べて,確実,かつ短時間に残存酸素濃度を0.05
%以下にするために要する窒素ガスの量を,大幅に低減
することができる。
上記加熱炉内を還元雰囲気とすることができる。また,
減圧を行わずに単に窒素を用いてプレパージを行う場合
に比べて,確実,かつ短時間に残存酸素濃度を0.05
%以下にするために要する窒素ガスの量を,大幅に低減
することができる。
【0014】また,上記のごとく加熱炉をプレパージし
た後,燃料ガス及び燃焼用空気を空気比0.3〜1.0
においてバーナに導入すると共に点火,燃焼させて,上
記加熱炉内の被処理物を加熱する。このように,上記空
気比0.3〜1.0とすることによって,上記加熱炉内
を還元雰囲気のままで加熱する。それ故,点火時,加熱
中のどちらの段階においても上記被処理物が酸化される
ことを防止することができる。
た後,燃料ガス及び燃焼用空気を空気比0.3〜1.0
においてバーナに導入すると共に点火,燃焼させて,上
記加熱炉内の被処理物を加熱する。このように,上記空
気比0.3〜1.0とすることによって,上記加熱炉内
を還元雰囲気のままで加熱する。それ故,点火時,加熱
中のどちらの段階においても上記被処理物が酸化される
ことを防止することができる。
【0015】また,点火時の段階から上記加熱炉内を還
元雰囲気とする。そのため,上記加熱炉内の被処理物を
上記バーナの火炎によって直接に熱処理することができ
る。それ故,エネルギーロスを少なくし,間接加熱方式
に比べて加熱効率を向上させることができる。
元雰囲気とする。そのため,上記加熱炉内の被処理物を
上記バーナの火炎によって直接に熱処理することができ
る。それ故,エネルギーロスを少なくし,間接加熱方式
に比べて加熱効率を向上させることができる。
【0016】次に,請求項2の発明のように,上記加熱
中に上記加熱炉内の温度が600℃以上に到達した場合
には,上記空気比を0.3〜0.6とすると共に,上記
燃焼用空気を予熱することが好ましい。この場合には,
上記加熱炉内の温度が600℃以上と高温であるため,
上記予熱された燃焼用空気の温度を維持して,燃焼速度
を大きくすることができる。そのため,0.3〜0.6
という比較的低い空気比においても,不完全燃焼による
すす発生を極力抑えた状態で,上記燃料ガス及び燃焼用
空気を安定燃焼させることができる。
中に上記加熱炉内の温度が600℃以上に到達した場合
には,上記空気比を0.3〜0.6とすると共に,上記
燃焼用空気を予熱することが好ましい。この場合には,
上記加熱炉内の温度が600℃以上と高温であるため,
上記予熱された燃焼用空気の温度を維持して,燃焼速度
を大きくすることができる。そのため,0.3〜0.6
という比較的低い空気比においても,不完全燃焼による
すす発生を極力抑えた状態で,上記燃料ガス及び燃焼用
空気を安定燃焼させることができる。
【0017】また,加熱炉内の温度が600℃未満の場
合には,上記予熱された燃焼用空気の温度を低下させて
しまうので,燃焼速度を大きくすることができない。そ
のため,上記空気比を0.3〜0.6と比較的低くする
と,すすが発生して上記被処理物に付着するという問題
が生じる。また,上記空気比が0.6を超える場合に
は,上記燃焼排ガス中の水分等といった酸化性成分の影
響が,水素及び一酸化炭素等といった還元性ガス成分の
影響より大きいので,上記被処理物が酸化してしまうと
いう問題が生じる。一方,0.3未満の場合には,上記
と同様に,燃焼が不可能となるため,上記被酸化物に対
して熱処理を行うことができない。
合には,上記予熱された燃焼用空気の温度を低下させて
しまうので,燃焼速度を大きくすることができない。そ
のため,上記空気比を0.3〜0.6と比較的低くする
と,すすが発生して上記被処理物に付着するという問題
が生じる。また,上記空気比が0.6を超える場合に
は,上記燃焼排ガス中の水分等といった酸化性成分の影
響が,水素及び一酸化炭素等といった還元性ガス成分の
影響より大きいので,上記被処理物が酸化してしまうと
いう問題が生じる。一方,0.3未満の場合には,上記
と同様に,燃焼が不可能となるため,上記被酸化物に対
して熱処理を行うことができない。
【0018】次に,請求項3の発明のように,上記加熱
中に加熱炉内の温度が700℃以上に到達した場合に
は,上記燃料ガスを触媒中に通すことによって熱分解し
て得られた水素及び一酸化炭素を含有するエンリッチガ
スを上記加熱炉内に同時供給し,該エンリッチガスを燃
焼させることが好ましい。この場合には,上記水素及び
一酸化炭素が還元性のガスであるので,上記加熱炉内の
還元性をさらに向上させることができる。
中に加熱炉内の温度が700℃以上に到達した場合に
は,上記燃料ガスを触媒中に通すことによって熱分解し
て得られた水素及び一酸化炭素を含有するエンリッチガ
スを上記加熱炉内に同時供給し,該エンリッチガスを燃
焼させることが好ましい。この場合には,上記水素及び
一酸化炭素が還元性のガスであるので,上記加熱炉内の
還元性をさらに向上させることができる。
【0019】上記エンリッチガスの燃焼は,上記燃料ガ
ス及び燃焼用空気とを上記バーナで燃焼させる炉内加熱
と併行して行う。なお,上記燃料ガスの熱分解にあたっ
ては,熱処理を行う温度において活性が得られやすい貴
金属触媒を用いることが好ましい。該貴金属触媒として
は,例えばPt触媒等がある。
ス及び燃焼用空気とを上記バーナで燃焼させる炉内加熱
と併行して行う。なお,上記燃料ガスの熱分解にあたっ
ては,熱処理を行う温度において活性が得られやすい貴
金属触媒を用いることが好ましい。該貴金属触媒として
は,例えばPt触媒等がある。
【0020】また,上記加熱炉内の温度が700℃未満
の場合には,上記燃料ガスを充分に熱分解することがで
きないので,上記のごとく,還元性を向上させて熱処理
を行うことはできない。
の場合には,上記燃料ガスを充分に熱分解することがで
きないので,上記のごとく,還元性を向上させて熱処理
を行うことはできない。
【0021】次に,請求項4の発明は,被処理物を加熱
するための加熱室を有する加熱炉と,該加熱炉内を減圧
するための減圧ポンプと,上記加熱炉内に窒素ガスを供
給する窒素ガス供給源と,上記加熱炉内の酸素濃度を検
出する酸素センサーと,燃料ガス及び燃焼用空気を導入
して燃焼するバーナとを有することを特徴とする無酸化
熱処理装置にある。
するための加熱室を有する加熱炉と,該加熱炉内を減圧
するための減圧ポンプと,上記加熱炉内に窒素ガスを供
給する窒素ガス供給源と,上記加熱炉内の酸素濃度を検
出する酸素センサーと,燃料ガス及び燃焼用空気を導入
して燃焼するバーナとを有することを特徴とする無酸化
熱処理装置にある。
【0022】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明の無酸化熱処理装置においては,上記減圧ポンプ
によって上記加熱炉内を所定の圧力まで減圧し,上記窒
素ガス供給源から上記加熱炉内へ略減圧した分だけ窒素
ガスを供給する。次いで,上記酸素センサーによって上
記加熱炉内の酸素濃度を検出する。そして,上記酸素濃
度が所定の濃度以下である場合には,上記バーナを用い
て上記燃料ガス及び燃焼用空気を所定の空気比において
燃焼させ,これにより発生する火炎を直接に上記加熱炉
内へ導入し,該加熱炉内の被処理物に対して熱処理を行
う。
本発明の無酸化熱処理装置においては,上記減圧ポンプ
によって上記加熱炉内を所定の圧力まで減圧し,上記窒
素ガス供給源から上記加熱炉内へ略減圧した分だけ窒素
ガスを供給する。次いで,上記酸素センサーによって上
記加熱炉内の酸素濃度を検出する。そして,上記酸素濃
度が所定の濃度以下である場合には,上記バーナを用い
て上記燃料ガス及び燃焼用空気を所定の空気比において
燃焼させ,これにより発生する火炎を直接に上記加熱炉
内へ導入し,該加熱炉内の被処理物に対して熱処理を行
う。
【0023】本発明の無酸化熱処理装置によれば,上記
減圧ポンプ,窒素供給源を用いて,点火時(加熱初期)
の段階から上記加熱炉内を容易,迅速に還元雰囲気とす
る。また,上記バーナを用いて,上記被処理物に対して
直接に熱処理を行う。そのため,上記無酸化熱処理方法
と同様に,上記被処理物が酸化されることを防止するこ
とができる。また,間接加熱方式に比べて加熱効率を向
上させることができる。
減圧ポンプ,窒素供給源を用いて,点火時(加熱初期)
の段階から上記加熱炉内を容易,迅速に還元雰囲気とす
る。また,上記バーナを用いて,上記被処理物に対して
直接に熱処理を行う。そのため,上記無酸化熱処理方法
と同様に,上記被処理物が酸化されることを防止するこ
とができる。また,間接加熱方式に比べて加熱効率を向
上させることができる。
【0024】次に,請求項5の発明のように,上記バー
ナは,上記酸素センサーからの信号により上記燃料ガス
用の開閉弁,上記燃焼用空気用の開閉弁の少なくとも一
方を作動するコントローラを有することが好ましい。こ
の場合には,上記酸素センサーが上記加熱炉内の酸素濃
度を検出し,該酸素濃度を設定した所定値以下にするよ
うに,上記コントローラが上記燃料ガスと燃焼用空気の
開閉弁を開閉する。そのため,上記被処理物に対して,
誤って酸化雰囲気の状態のまま熱処理を行うことを防止
することができる。
ナは,上記酸素センサーからの信号により上記燃料ガス
用の開閉弁,上記燃焼用空気用の開閉弁の少なくとも一
方を作動するコントローラを有することが好ましい。こ
の場合には,上記酸素センサーが上記加熱炉内の酸素濃
度を検出し,該酸素濃度を設定した所定値以下にするよ
うに,上記コントローラが上記燃料ガスと燃焼用空気の
開閉弁を開閉する。そのため,上記被処理物に対して,
誤って酸化雰囲気の状態のまま熱処理を行うことを防止
することができる。
【0025】また,上記燃料ガスと燃焼用空気の開閉弁
を調節することによって,空気比を1.0以下に調節す
るので,上記加熱炉内の雰囲気に応じた確実なフィード
バックを行うことができる。
を調節することによって,空気比を1.0以下に調節す
るので,上記加熱炉内の雰囲気に応じた確実なフィード
バックを行うことができる。
【0026】なお,上記バーナは,上記加熱炉内にエン
リッチガス(請求項3参照)の量を調節するための補助
酸素センサーを有することが好ましい。この場合には,
該補助酸素センサーが感知した上記加熱炉内の酸素濃度
に応じて,上記コントローラが上記加熱炉内に供給する
エンリッチガスの量を決定する。これにより,上記加熱
炉内の雰囲気を調節することができる。そのため,より
確実に還元雰囲気下で熱処理を行うことができる。
リッチガス(請求項3参照)の量を調節するための補助
酸素センサーを有することが好ましい。この場合には,
該補助酸素センサーが感知した上記加熱炉内の酸素濃度
に応じて,上記コントローラが上記加熱炉内に供給する
エンリッチガスの量を決定する。これにより,上記加熱
炉内の雰囲気を調節することができる。そのため,より
確実に還元雰囲気下で熱処理を行うことができる。
【0027】次に,請求項6の発明のように,上記バー
ナは,燃焼排ガス中の熱を蓄熱する蓄熱体を有する蓄熱
式バーナであることが好ましい。この場合には,上記蓄
熱式バーナによって燃焼を行うことにより,排気中の蓄
熱式バーナは,その蓄熱体に上記燃焼排ガスの廃熱を蓄
えることができる。そのため,上記蓄熱式バーナの蓄熱
体は,燃焼時には蓄えた廃熱を利用して燃焼用空気を昇
温させることができる。それ故,熱回収によって加熱効
率を向上させ,省エネルギー化を図ることができる。
ナは,燃焼排ガス中の熱を蓄熱する蓄熱体を有する蓄熱
式バーナであることが好ましい。この場合には,上記蓄
熱式バーナによって燃焼を行うことにより,排気中の蓄
熱式バーナは,その蓄熱体に上記燃焼排ガスの廃熱を蓄
えることができる。そのため,上記蓄熱式バーナの蓄熱
体は,燃焼時には蓄えた廃熱を利用して燃焼用空気を昇
温させることができる。それ故,熱回収によって加熱効
率を向上させ,省エネルギー化を図ることができる。
【0028】また,容易に燃焼用空気の温度を例えば6
00℃の高温にすることができ,燃焼速度を上げること
ができる。そのため,例えば0.3〜0.6と比較的低
い空気比においても,不完全燃焼によるすす発生を極力
抑えることができる(請求項2参照)。
00℃の高温にすることができ,燃焼速度を上げること
ができる。そのため,例えば0.3〜0.6と比較的低
い空気比においても,不完全燃焼によるすす発生を極力
抑えることができる(請求項2参照)。
【0029】また,上記蓄熱式バーナとしては,ひとつ
の蓄熱式バーナが燃焼と排気を同時に行うことができる
ワンバーナタイプが,より好ましい。この場合には,上
記蓄熱式バーナを複数個配設し,各蓄熱式バーナに異な
った値の空気比で燃焼を行わせることができる。
の蓄熱式バーナが燃焼と排気を同時に行うことができる
ワンバーナタイプが,より好ましい。この場合には,上
記蓄熱式バーナを複数個配設し,各蓄熱式バーナに異な
った値の空気比で燃焼を行わせることができる。
【0030】例えば上記複数の蓄熱式バーナのうち,ひ
とつの蓄熱式バーナの空気比を比較的高い0.8に設定
し,他の蓄熱式バーナの空気比を比較的低い0.3〜
0.6に設定する場合には,前者の蓄熱式バーナに上記
加熱炉内の昇温速度を上げさせ,後者の蓄熱式バーナに
還元性のガスを多く発生させることによって,昇温速度
の遅れのない,かつ被処理物の酸化のおそれの少ない熱
処理を行うことができる。
とつの蓄熱式バーナの空気比を比較的高い0.8に設定
し,他の蓄熱式バーナの空気比を比較的低い0.3〜
0.6に設定する場合には,前者の蓄熱式バーナに上記
加熱炉内の昇温速度を上げさせ,後者の蓄熱式バーナに
還元性のガスを多く発生させることによって,昇温速度
の遅れのない,かつ被処理物の酸化のおそれの少ない熱
処理を行うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】実施形態例 本発明の実施形態例にかかる無酸化熱処理方法,及びそ
れに用いる装置について,図1〜図4を用いて説明す
る。本例の無酸化熱処理方法は,図1に示すごとく,加
熱炉内において被処理物を還元雰囲気下で熱処理する方
法である。
れに用いる装置について,図1〜図4を用いて説明す
る。本例の無酸化熱処理方法は,図1に示すごとく,加
熱炉内において被処理物を還元雰囲気下で熱処理する方
法である。
【0032】上記無酸化熱処理方法においては,上記加
熱炉内に被処理物を入れ,上記加熱炉内を10トール
(Torr)以下に減圧して該加熱炉内の残存酸素濃度
を0.05%以下の減圧状態となし,該加熱炉内に窒素
ガスを供給して該加熱炉内を略大気圧状態に復圧する。
その後,燃料ガス及び燃焼用空気を空気比0.3〜1.
0においてバーナに導入すると共に点火,燃焼させて,
上記加熱炉内の被処理物を加熱する。
熱炉内に被処理物を入れ,上記加熱炉内を10トール
(Torr)以下に減圧して該加熱炉内の残存酸素濃度
を0.05%以下の減圧状態となし,該加熱炉内に窒素
ガスを供給して該加熱炉内を略大気圧状態に復圧する。
その後,燃料ガス及び燃焼用空気を空気比0.3〜1.
0においてバーナに導入すると共に点火,燃焼させて,
上記加熱炉内の被処理物を加熱する。
【0033】次に,上記無酸化熱処理方法に用いる装置
について説明する。図2〜図4に示すごとく,上記無酸
化熱処理装置1は,被処理物7を加熱するための加熱室
10を有する加熱炉11と,該加熱炉11内を減圧する
ための減圧ポンプ2(図1)と,上記加熱炉11内に窒
素ガスを供給する窒素ガス供給源3(図1)と,上記加
熱炉11内の酸素濃度を検出する酸素センサー5(図
1)と,燃料ガス及び燃焼用空気を導入して燃焼するバ
ーナとしての蓄熱式バーナ6とを有する。
について説明する。図2〜図4に示すごとく,上記無酸
化熱処理装置1は,被処理物7を加熱するための加熱室
10を有する加熱炉11と,該加熱炉11内を減圧する
ための減圧ポンプ2(図1)と,上記加熱炉11内に窒
素ガスを供給する窒素ガス供給源3(図1)と,上記加
熱炉11内の酸素濃度を検出する酸素センサー5(図
1)と,燃料ガス及び燃焼用空気を導入して燃焼するバ
ーナとしての蓄熱式バーナ6とを有する。
【0034】以下,順を追って詳説する。上記加熱炉1
1は中空の円筒体であり,図2〜図4に示すごとく,加
熱室10内に被処理物7を導入するための導入口101
と,ローラ102とを有している。また,上記導入口1
01には,上記加熱室10を閉塞する蓋状の導入扉10
3と,これを開閉するリフト104とが配設されてい
る。なお,図中の符号106は上記リフト104の巻上
用のローラを示す。
1は中空の円筒体であり,図2〜図4に示すごとく,加
熱室10内に被処理物7を導入するための導入口101
と,ローラ102とを有している。また,上記導入口1
01には,上記加熱室10を閉塞する蓋状の導入扉10
3と,これを開閉するリフト104とが配設されてい
る。なお,図中の符号106は上記リフト104の巻上
用のローラを示す。
【0035】また,図3に示すごとく,上記加熱炉11
において上記導入口101の反対側には,上記窒素ガス
供給源3(図1)と上記加熱室10との間に両者を連通
するように,復圧パイプ30が2本配設されている。該
復圧パイプ30には,電磁弁35(図1)が配設されて
いる。また,図2,図3に示すごとく,上記加熱炉11
の外周側壁の最上部と最下部には,冷却ファン43を有
する熱交換器4(図1)と上記加熱室10との間に両者
を連通するように,それぞれ循環パイプ41,42が2
本ずつ計4本配設されている。なお,上記2本の循環パ
イプ41は,集合管410によって連結されている。
において上記導入口101の反対側には,上記窒素ガス
供給源3(図1)と上記加熱室10との間に両者を連通
するように,復圧パイプ30が2本配設されている。該
復圧パイプ30には,電磁弁35(図1)が配設されて
いる。また,図2,図3に示すごとく,上記加熱炉11
の外周側壁の最上部と最下部には,冷却ファン43を有
する熱交換器4(図1)と上記加熱室10との間に両者
を連通するように,それぞれ循環パイプ41,42が2
本ずつ計4本配設されている。なお,上記2本の循環パ
イプ41は,集合管410によって連結されている。
【0036】また,上記酸素センサー5のガス取入部5
1は,図3に示すごとく,上記加熱炉11の外周側壁の
上方において,その先端を上記加熱室10内に挿入され
た状態で配設されている。また,上記蓄熱式バーナ6
は,図4に示すごとく,上記加熱炉11の外周側壁の下
方において,並列に3つ配設されている。また,図2に
示すごとく,燃焼排ガス中の熱を蓄熱する蓄熱体62を
有しており,該蓄熱体62は上記加熱炉11のバーナ取
付口105に配設されている。なお,図2〜図4中の符
号8は防爆弁を示し,符号9は攪拌ファン取付フランジ
を示す。
1は,図3に示すごとく,上記加熱炉11の外周側壁の
上方において,その先端を上記加熱室10内に挿入され
た状態で配設されている。また,上記蓄熱式バーナ6
は,図4に示すごとく,上記加熱炉11の外周側壁の下
方において,並列に3つ配設されている。また,図2に
示すごとく,燃焼排ガス中の熱を蓄熱する蓄熱体62を
有しており,該蓄熱体62は上記加熱炉11のバーナ取
付口105に配設されている。なお,図2〜図4中の符
号8は防爆弁を示し,符号9は攪拌ファン取付フランジ
を示す。
【0037】次に,上記蓄熱式バーナー6の燃焼,及び
構造につき概説する。一般に,上記蓄熱式バーナ6は一
対で構成されており,上記2つの蓄熱式バーナ6が互い
に燃焼状態と蓄熱状態を繰り返す。即ち,図5に示すご
とく,上方の蓄熱式バーナー6に対し燃焼用空気と燃料
ガスとを供給し,燃焼器66を燃焼状態とし,加熱炉1
1の加熱室10内に火炎69を噴出させる。一方,下方
の蓄熱式バーナー6には,加熱炉11内より排出される
燃焼排ガスが導入される。この間,下方の蓄熱式バーナ
ー6の蓄熱体62は,上記燃焼排ガスの保有する熱を吸
収して,ここに蓄え,蓄熱状態となる。なお,上記蓄熱
体62を通過した後の廃棄ガスは,廃棄ガスパイプ68
を通じて加熱炉11外に廃棄する。
構造につき概説する。一般に,上記蓄熱式バーナ6は一
対で構成されており,上記2つの蓄熱式バーナ6が互い
に燃焼状態と蓄熱状態を繰り返す。即ち,図5に示すご
とく,上方の蓄熱式バーナー6に対し燃焼用空気と燃料
ガスとを供給し,燃焼器66を燃焼状態とし,加熱炉1
1の加熱室10内に火炎69を噴出させる。一方,下方
の蓄熱式バーナー6には,加熱炉11内より排出される
燃焼排ガスが導入される。この間,下方の蓄熱式バーナ
ー6の蓄熱体62は,上記燃焼排ガスの保有する熱を吸
収して,ここに蓄え,蓄熱状態となる。なお,上記蓄熱
体62を通過した後の廃棄ガスは,廃棄ガスパイプ68
を通じて加熱炉11外に廃棄する。
【0038】そして,上方の蓄熱式バーナー6の点火3
0秒後,上方の蓄熱式バーナー6に対する燃焼用空気と
燃料ガスとの供給を停止,代わりに下方の蓄熱式バーナ
ー6に対してこれらを供給する。下方の蓄熱式バーナー
6に供給される燃焼用空気は,予め燃焼排ガスにより蓄
熱された蓄熱体62により加熱され,高温となる。この
間,上方の蓄熱式バーナー6には,加熱炉11内からの
燃焼排ガスが導入され,上方の蓄熱式バーナー6の蓄熱
体62に熱が蓄えられる(蓄熱状態)。
0秒後,上方の蓄熱式バーナー6に対する燃焼用空気と
燃料ガスとの供給を停止,代わりに下方の蓄熱式バーナ
ー6に対してこれらを供給する。下方の蓄熱式バーナー
6に供給される燃焼用空気は,予め燃焼排ガスにより蓄
熱された蓄熱体62により加熱され,高温となる。この
間,上方の蓄熱式バーナー6には,加熱炉11内からの
燃焼排ガスが導入され,上方の蓄熱式バーナー6の蓄熱
体62に熱が蓄えられる(蓄熱状態)。
【0039】以後,この操作を繰返すことにより,上記
2つの蓄熱式バーナー6を交互に燃焼状態とする。本例
の無酸化熱処理装置1においては,上記蓄熱式バーナー
6を3つ用いている。また,上記3つの蓄熱式バーナ6
は,燃焼と排気を同時に行うことができるワンバーナタ
イプである。
2つの蓄熱式バーナー6を交互に燃焼状態とする。本例
の無酸化熱処理装置1においては,上記蓄熱式バーナー
6を3つ用いている。また,上記3つの蓄熱式バーナ6
は,燃焼と排気を同時に行うことができるワンバーナタ
イプである。
【0040】即ち,ワンバーナタイプである上記3つの
蓄熱式バーナ6は,基本的な原理は,上記のごとき一対
の蓄熱式バーナー6と同様であるが,その内部に燃焼用
空気の吸気,及び燃焼排ガスの排気の切り替えを行う回
転ローラ(図示略)を有する。また,上記蓄熱式バーナ
6は,上記燃焼用空気の吸気口(図示略),及び上記燃
焼排ガスの排気口(図示略)を有する。なお,上記吸気
口,排気口は,バーナタイル(図示略)によって形成さ
れている。
蓄熱式バーナ6は,基本的な原理は,上記のごとき一対
の蓄熱式バーナー6と同様であるが,その内部に燃焼用
空気の吸気,及び燃焼排ガスの排気の切り替えを行う回
転ローラ(図示略)を有する。また,上記蓄熱式バーナ
6は,上記燃焼用空気の吸気口(図示略),及び上記燃
焼排ガスの排気口(図示略)を有する。なお,上記吸気
口,排気口は,バーナタイル(図示略)によって形成さ
れている。
【0041】そして,上記回転ロータが15秒かけて1
回転する間に,上記吸気口から上記燃焼用空気を供給
し,上記排気口から上記燃焼排ガスを排出することによ
って,燃焼中に併行して排気を行い,燃焼状態と蓄熱状
態とを同時に成立させている。なお,上記燃焼用空気の
供給と上記燃焼排ガスの排出とは,連続的に行われてい
る。
回転する間に,上記吸気口から上記燃焼用空気を供給
し,上記排気口から上記燃焼排ガスを排出することによ
って,燃焼中に併行して排気を行い,燃焼状態と蓄熱状
態とを同時に成立させている。なお,上記燃焼用空気の
供給と上記燃焼排ガスの排出とは,連続的に行われてい
る。
【0042】次に,上記蓄熱式バーナ6は,図6に示す
ごとく,セラミック製のハニカム,又はナゲット,ボー
ルよりなる蓄熱体62を有すると共に,その下流側には
パイロット火炎69を噴出する燃焼器66が設けてあ
る。なお,図中の符号68は廃棄ガスパイプであり,符
号67は燃焼排ガス出口である。また,上記燃焼排ガス
出口67には,燃焼排ガス中の酸素濃度を検出する酸素
センサー(図示略)が配設されている。
ごとく,セラミック製のハニカム,又はナゲット,ボー
ルよりなる蓄熱体62を有すると共に,その下流側には
パイロット火炎69を噴出する燃焼器66が設けてあ
る。なお,図中の符号68は廃棄ガスパイプであり,符
号67は燃焼排ガス出口である。また,上記燃焼排ガス
出口67には,燃焼排ガス中の酸素濃度を検出する酸素
センサー(図示略)が配設されている。
【0043】また,図1に示すごとく,上記蓄熱式バー
ナ6は,上記酸素センサー5及び燃焼排ガス出口67に
配設された酸素センサー(図示略)からの信号により,
上記燃料ガス用の開閉弁(図示略)及び上記燃焼用空気
用の開閉弁(図示略)を作動するコントローラ61を有
する。なお,同図中の符号63は燃料ガスを供給するた
めのパイプを示し,符号64は燃焼用空気を供給するた
めのパイプを示す。
ナ6は,上記酸素センサー5及び燃焼排ガス出口67に
配設された酸素センサー(図示略)からの信号により,
上記燃料ガス用の開閉弁(図示略)及び上記燃焼用空気
用の開閉弁(図示略)を作動するコントローラ61を有
する。なお,同図中の符号63は燃料ガスを供給するた
めのパイプを示し,符号64は燃焼用空気を供給するた
めのパイプを示す。
【0044】また,図1に示すごとく,上記加熱炉11
の最下部に位置する2本の循環パイプ41は,上記加熱
室10内の高温のガスを熱交換器4へ送り出すためのパ
イプである。一方,上記加熱炉11の最上部に位置する
2本の循環パイプ42は,上記熱交換器4を通して冷却
されたガスを,冷却ファン43によって上記加熱室10
内へ送り返すためのパイプである。なお,図1中におい
ては,上記2本ずつ配設された循環パイプ41,42を
1本の線で示すと共に,上記2本の復圧パイプ30も1
本の線で示している。
の最下部に位置する2本の循環パイプ41は,上記加熱
室10内の高温のガスを熱交換器4へ送り出すためのパ
イプである。一方,上記加熱炉11の最上部に位置する
2本の循環パイプ42は,上記熱交換器4を通して冷却
されたガスを,冷却ファン43によって上記加熱室10
内へ送り返すためのパイプである。なお,図1中におい
ては,上記2本ずつ配設された循環パイプ41,42を
1本の線で示すと共に,上記2本の復圧パイプ30も1
本の線で示している。
【0045】また,図1に示すごとく,上記最上部に位
置する循環パイプ42には,減圧パイプ20を介して上
記減圧ポンプ2が接続されている。即ち,上記減圧ポン
プ2と加熱室10との間には,上記熱交換器4が介在し
ている。なお,図1中の符号430は冷却水パイプを示
す。なお,上記循環パイプ42と減圧パイプ20には,
それぞれ電磁弁45と電磁弁25が配設されている。
置する循環パイプ42には,減圧パイプ20を介して上
記減圧ポンプ2が接続されている。即ち,上記減圧ポン
プ2と加熱室10との間には,上記熱交換器4が介在し
ている。なお,図1中の符号430は冷却水パイプを示
す。なお,上記循環パイプ42と減圧パイプ20には,
それぞれ電磁弁45と電磁弁25が配設されている。
【0046】また,図1に示すごとく,上記酸素センサ
ー5のガス取入部51は,ガスサンプル弁55,ガスサ
ンプルポンプ56を介して,上記酸素センサー5に接続
されている。また,同図の符号16は上記加熱炉11内
の温度を検出する温度制御用のサーモカップルを示し,
符号17は加熱炉内の圧力を微調整するための圧力弁を
示す。また,符号18は加熱炉内の圧力(真空度)を検
出する圧力計を示す。
ー5のガス取入部51は,ガスサンプル弁55,ガスサ
ンプルポンプ56を介して,上記酸素センサー5に接続
されている。また,同図の符号16は上記加熱炉11内
の温度を検出する温度制御用のサーモカップルを示し,
符号17は加熱炉内の圧力を微調整するための圧力弁を
示す。また,符号18は加熱炉内の圧力(真空度)を検
出する圧力計を示す。
【0047】また,図2,図4中の符号19は,エンリ
ッチガスを上記加熱室10内に噴出するためのエンリッ
チガス噴出口である。
ッチガスを上記加熱室10内に噴出するためのエンリッ
チガス噴出口である。
【0048】次に,上記無酸化熱処理方法について,無
酸化熱処理装置1を用いて詳細に説明する。本例におい
ては,上記減圧ポンプ2によって真空引きを行い上記加
熱炉11の加熱室10内を10トール(Torr)以下
に減圧して,該加熱室10内の残存酸素濃度を0.05
%以下の減圧状態とする。そして,上記電磁弁35を開
けて上記窒素ガス供給源3から上記加熱室10内へ窒素
ガスを供給して,該加熱室10内を略大気圧状態に復圧
する。
酸化熱処理装置1を用いて詳細に説明する。本例におい
ては,上記減圧ポンプ2によって真空引きを行い上記加
熱炉11の加熱室10内を10トール(Torr)以下
に減圧して,該加熱室10内の残存酸素濃度を0.05
%以下の減圧状態とする。そして,上記電磁弁35を開
けて上記窒素ガス供給源3から上記加熱室10内へ窒素
ガスを供給して,該加熱室10内を略大気圧状態に復圧
する。
【0049】なお,上記減圧,復圧にあたっては,上記
圧力計18によって上記加熱室10内の圧力(真空度)
が確認されている。また,上記加熱室10内の圧力を1
0トール(Torr)以下にするまでの時間が所定時間
以上かかる場合には,例えばシール漏れ等の可能性があ
るので処理を中止し,シール漏れを修理する等の処置を
行う。
圧力計18によって上記加熱室10内の圧力(真空度)
が確認されている。また,上記加熱室10内の圧力を1
0トール(Torr)以下にするまでの時間が所定時間
以上かかる場合には,例えばシール漏れ等の可能性があ
るので処理を中止し,シール漏れを修理する等の処置を
行う。
【0050】次いで,上記酸素センサー5によって上記
加熱室10内の残存酸素濃度を検出する。そして,上記
残存酸素濃度が0.05%以下であり,上記加熱炉11
内が爆発雰囲気でないことを確認できた場合には,上記
燃料ガス及び燃焼用空気を空気比0.9とするように,
上記コントローラ61が上記燃料ガスの開閉弁と,燃焼
用空気用の開閉弁とを開くと共に,上記蓄熱式バーナ6
の点火スパークを飛ばして,点火,燃焼させる。これに
より発生するパイロット火炎69を直接に上記加熱室1
0内へ導入し,該加熱室10内の被処理物7に対して熱
処理を行い始める。なお,上記加熱室10内の温度は,
上記サーモカップル16によって測定する。
加熱室10内の残存酸素濃度を検出する。そして,上記
残存酸素濃度が0.05%以下であり,上記加熱炉11
内が爆発雰囲気でないことを確認できた場合には,上記
燃料ガス及び燃焼用空気を空気比0.9とするように,
上記コントローラ61が上記燃料ガスの開閉弁と,燃焼
用空気用の開閉弁とを開くと共に,上記蓄熱式バーナ6
の点火スパークを飛ばして,点火,燃焼させる。これに
より発生するパイロット火炎69を直接に上記加熱室1
0内へ導入し,該加熱室10内の被処理物7に対して熱
処理を行い始める。なお,上記加熱室10内の温度は,
上記サーモカップル16によって測定する。
【0051】次いで,上記加熱中に上記加熱室10内の
温度が600℃以上に到達した場合には,上記コントロ
ーラ61が上記燃料ガスの開閉弁と,燃焼用空気用の開
閉弁とを調節して,上記空気比を0.5とする。そし
て,同様に,上記加熱中に加熱室10内の温度が700
℃以上に到達した場合には,Pt触媒によって上記燃料
ガスを熱分解して得られた水素及び一酸化炭素を含有す
るエンリッチガスを,上記エンリッチガス噴出口19か
ら上記加熱炉10内に供給し,該エンリッチガスを燃焼
させる。
温度が600℃以上に到達した場合には,上記コントロ
ーラ61が上記燃料ガスの開閉弁と,燃焼用空気用の開
閉弁とを調節して,上記空気比を0.5とする。そし
て,同様に,上記加熱中に加熱室10内の温度が700
℃以上に到達した場合には,Pt触媒によって上記燃料
ガスを熱分解して得られた水素及び一酸化炭素を含有す
るエンリッチガスを,上記エンリッチガス噴出口19か
ら上記加熱炉10内に供給し,該エンリッチガスを燃焼
させる。
【0052】そして,上記加熱室10内の被処理物7に
対して熱処理が完了すると,冷却水を利用した上記熱交
換器4に対して,上記循環パイプ41を介して上記加熱
室10内のガスを導入,冷却する。この冷却されたガス
は,上記循環式パイプ42を介して再度上記加熱室10
内に循環される。これは,冷却完了温度に到達するまで
繰り返される。なお,上記冷却に伴って上記加熱室10
内の圧力は減少するが,この減少分は,窒素ガス供給源
3から窒素ガスを供給して補う。
対して熱処理が完了すると,冷却水を利用した上記熱交
換器4に対して,上記循環パイプ41を介して上記加熱
室10内のガスを導入,冷却する。この冷却されたガス
は,上記循環式パイプ42を介して再度上記加熱室10
内に循環される。これは,冷却完了温度に到達するまで
繰り返される。なお,上記冷却に伴って上記加熱室10
内の圧力は減少するが,この減少分は,窒素ガス供給源
3から窒素ガスを供給して補う。
【0053】また,点火の途中に失火した場合には,上
記加熱室10内の酸素濃度が0.05%以下で,かつ上
記加熱室10内の温度が400℃未満であれば,そのま
ま再点火を行う。
記加熱室10内の酸素濃度が0.05%以下で,かつ上
記加熱室10内の温度が400℃未満であれば,そのま
ま再点火を行う。
【0054】一方,上記加熱室10内の酸素濃度が0.
05%以下であっても,上記加熱室10内の温度が40
0℃以上であれば,上記循環パイプ42の電磁弁45を
閉じて,上記減圧パイプ20の電磁弁25を開き,上記
熱交換器4を介して上記減圧ポンプ2により上記加熱室
10内のガスを抜く。そして,再び上記加熱室10内を
10トール(Torr)以下に減圧して,はじめに点火
した時と同様に再点火を行う。これは,無酸化熱処理を
確実に行うために行われる。即ち,再点火に再度失敗す
る場合,上記加熱室10内の温度が400℃以上である
と上記被処理物7が酸化してしまうからでる。
05%以下であっても,上記加熱室10内の温度が40
0℃以上であれば,上記循環パイプ42の電磁弁45を
閉じて,上記減圧パイプ20の電磁弁25を開き,上記
熱交換器4を介して上記減圧ポンプ2により上記加熱室
10内のガスを抜く。そして,再び上記加熱室10内を
10トール(Torr)以下に減圧して,はじめに点火
した時と同様に再点火を行う。これは,無酸化熱処理を
確実に行うために行われる。即ち,再点火に再度失敗す
る場合,上記加熱室10内の温度が400℃以上である
と上記被処理物7が酸化してしまうからでる。
【0055】次に,本例の無酸化熱処理方法による作用
を説明する。上記無酸化熱処理方法によれば,上記加熱
中に上記加熱室10内の温度が600℃以上に到達した
場合には,上記加熱炉内の温度が高温であるため,上記
予熱された燃焼用空気の温度を維持して,燃焼速度を大
きくすることができる。そのため,0.5という比較的
低い空気比においても,不完全燃焼によるすす発生を極
力抑えた状態で,上記燃料ガス及び燃焼用空気を安定燃
焼させることができる。また,上記蓄熱式バーナ6は,
燃焼排ガスの廃熱を用い,燃焼用空気を予熱することに
よって,上記燃焼用空気の温度を高温に維持して,燃焼
速度を大きくすることができる。そのため,上記0.5
という低い空気比においても,通常のバーナと比べてす
すの発生が少ない。それ故,すす発生を確実に防止する
ことができる。
を説明する。上記無酸化熱処理方法によれば,上記加熱
中に上記加熱室10内の温度が600℃以上に到達した
場合には,上記加熱炉内の温度が高温であるため,上記
予熱された燃焼用空気の温度を維持して,燃焼速度を大
きくすることができる。そのため,0.5という比較的
低い空気比においても,不完全燃焼によるすす発生を極
力抑えた状態で,上記燃料ガス及び燃焼用空気を安定燃
焼させることができる。また,上記蓄熱式バーナ6は,
燃焼排ガスの廃熱を用い,燃焼用空気を予熱することに
よって,上記燃焼用空気の温度を高温に維持して,燃焼
速度を大きくすることができる。そのため,上記0.5
という低い空気比においても,通常のバーナと比べてす
すの発生が少ない。それ故,すす発生を確実に防止する
ことができる。
【0056】また,上記蓄熱式バーナ6を用いて,上記
加熱室10内の温度を600℃以上,かつ上記空気比を
0.3〜0.6とする場合には,水素ガス,一酸化炭素
ガス等の還元性ガスが比較的多く発生するので,上記加
熱室10内をより確実に還元雰囲気とすることができ
る。
加熱室10内の温度を600℃以上,かつ上記空気比を
0.3〜0.6とする場合には,水素ガス,一酸化炭素
ガス等の還元性ガスが比較的多く発生するので,上記加
熱室10内をより確実に還元雰囲気とすることができ
る。
【0057】また,上記加熱中に加熱室10内の温度が
700℃以上に到達した場合には,上記燃料ガスをPt
触媒中に通すことによって熱分解して得られた水素及び
一酸化炭素を含有するエンリッチガスを上記加熱室10
内に供給し,該エンリッチガスを燃焼させる。そのた
め,上記水素及び一酸化炭素が還元性のガスであるの
で,上記加熱室10内の還元性をさらに向上させること
ができる。また,光輝な熱処理を行うことができるの
で,通常の焼鈍処理の後に行う酸化スケール除去の工程
を省略することができる。
700℃以上に到達した場合には,上記燃料ガスをPt
触媒中に通すことによって熱分解して得られた水素及び
一酸化炭素を含有するエンリッチガスを上記加熱室10
内に供給し,該エンリッチガスを燃焼させる。そのた
め,上記水素及び一酸化炭素が還元性のガスであるの
で,上記加熱室10内の還元性をさらに向上させること
ができる。また,光輝な熱処理を行うことができるの
で,通常の焼鈍処理の後に行う酸化スケール除去の工程
を省略することができる。
【0058】なお,本例の熱処理方法においては,上記
加熱炉内を減圧させた後,窒素を用いてプレパージを行
うが,これに比べて,減圧を行わずに単に窒素を用いて
プレパージを行う場合は,上記加熱室10内に部分的に
酸素が残りやすく,残存酸素濃度を0.05%以下にす
ることは非常に困難である。これは,減圧を行う場合に
比べて,上記加熱室10内に供給される窒素の勢いが弱
くなるので,上記加熱室10の構造上,窒素が行き渡り
にくい部分が生じるためと思われる。
加熱炉内を減圧させた後,窒素を用いてプレパージを行
うが,これに比べて,減圧を行わずに単に窒素を用いて
プレパージを行う場合は,上記加熱室10内に部分的に
酸素が残りやすく,残存酸素濃度を0.05%以下にす
ることは非常に困難である。これは,減圧を行う場合に
比べて,上記加熱室10内に供給される窒素の勢いが弱
くなるので,上記加熱室10の構造上,窒素が行き渡り
にくい部分が生じるためと思われる。
【0059】また,通常の熱処理においては,減圧を行
わずに燃焼用空気を用いてプレパージを行うが,この場
合には,蓄熱式バーナ6の点火時(加熱初期)において
加熱室10内が酸化雰囲気であるので,被処理物7に対
して熱処理を行う間に酸化が進み,被処理物7の表面に
酸化膜ができてしまい,徐々に上記加熱室10内が還元
雰囲気になっても上記酸化膜は還元されることなく残っ
てしまうという問題がある。
わずに燃焼用空気を用いてプレパージを行うが,この場
合には,蓄熱式バーナ6の点火時(加熱初期)において
加熱室10内が酸化雰囲気であるので,被処理物7に対
して熱処理を行う間に酸化が進み,被処理物7の表面に
酸化膜ができてしまい,徐々に上記加熱室10内が還元
雰囲気になっても上記酸化膜は還元されることなく残っ
てしまうという問題がある。
【0060】そのため,上記通常の燃焼用空気によるプ
レパージを行うことのない本例の熱処理方法は,蓄熱式
バーナ6の点火時から還元雰囲気で熱処理を行うことが
できるので,被処理物7に酸化膜が形成されることはな
い。それ故,特に通常の熱処理の後に行う酸化膜除去の
工程を省略することができるという優れた効果を有す
る。
レパージを行うことのない本例の熱処理方法は,蓄熱式
バーナ6の点火時から還元雰囲気で熱処理を行うことが
できるので,被処理物7に酸化膜が形成されることはな
い。それ故,特に通常の熱処理の後に行う酸化膜除去の
工程を省略することができるという優れた効果を有す
る。
【0061】次に,本例の無酸化熱処理装置1による作
用を説明する。上記無酸化熱処理装置1の蓄熱式バーナ
6は,上記酸素センサー5及び燃焼排ガス出口67に配
設された酸素センサー(図示略)からの信号により,上
記燃料ガス用の開閉弁(図示略)及び上記燃焼用空気用
の開閉弁(図示略)を作動するコントローラ61を有す
る。
用を説明する。上記無酸化熱処理装置1の蓄熱式バーナ
6は,上記酸素センサー5及び燃焼排ガス出口67に配
設された酸素センサー(図示略)からの信号により,上
記燃料ガス用の開閉弁(図示略)及び上記燃焼用空気用
の開閉弁(図示略)を作動するコントローラ61を有す
る。
【0062】即ち,上記酸素センサー5が上記加熱室1
0内の酸素濃度を検出すると共に,上記燃焼排ガス出口
67に配設された酸素センサー(図示略)が,燃焼排ガ
ス中の水素濃度と一酸化炭素濃度との平均値を負の酸素
濃度として検出する。そして,これらの検出値に基づい
て,上記コントローラ61が酸素濃度を0.05%以下
にするように,上記燃料ガスと燃焼用空気の開閉弁を開
閉する。そのため,上記被処理物7に対して,誤って酸
化雰囲気の状態のまま熱処理を行うことを防止すること
ができる。
0内の酸素濃度を検出すると共に,上記燃焼排ガス出口
67に配設された酸素センサー(図示略)が,燃焼排ガ
ス中の水素濃度と一酸化炭素濃度との平均値を負の酸素
濃度として検出する。そして,これらの検出値に基づい
て,上記コントローラ61が酸素濃度を0.05%以下
にするように,上記燃料ガスと燃焼用空気の開閉弁を開
閉する。そのため,上記被処理物7に対して,誤って酸
化雰囲気の状態のまま熱処理を行うことを防止すること
ができる。
【0063】また,上記燃料ガス用及び燃焼用空気用の
2つの開閉弁を調節することによって,空気比を1.0
以下に調節すると共に,燃焼排ガス中の水素濃度と一酸
化炭素濃度とを調節するので,上記加熱室10内の雰囲
気に応じた確実なフィードバックを行うことができる。
2つの開閉弁を調節することによって,空気比を1.0
以下に調節すると共に,燃焼排ガス中の水素濃度と一酸
化炭素濃度とを調節するので,上記加熱室10内の雰囲
気に応じた確実なフィードバックを行うことができる。
【0064】また,上記バーナは,燃焼排ガス中の熱を
蓄熱する蓄熱体62を有する蓄熱式バーナ6である。ま
た,該蓄熱式バーナ6はワンバーナタイプである。その
ため,上記3つの蓄熱式バーナ6は,燃焼と排気とを同
時に行い,それぞれの蓄熱体62に上記燃焼排ガスの廃
熱を蓄えることができる。そして,この廃熱を利用して
燃焼用空気を昇温させることができる。それ故,熱回収
によって加熱効率を向上させ,省エネルギー化を図るこ
とができる。
蓄熱する蓄熱体62を有する蓄熱式バーナ6である。ま
た,該蓄熱式バーナ6はワンバーナタイプである。その
ため,上記3つの蓄熱式バーナ6は,燃焼と排気とを同
時に行い,それぞれの蓄熱体62に上記燃焼排ガスの廃
熱を蓄えることができる。そして,この廃熱を利用して
燃焼用空気を昇温させることができる。それ故,熱回収
によって加熱効率を向上させ,省エネルギー化を図るこ
とができる。
【0065】また,容易に燃焼用空気の温度を600℃
の高温にすることができ,燃焼速度を上げることができ
る。そのため,0.5と比較的低い空気比においても,
不完全燃焼によるすす発生を極力抑えることができる。
の高温にすることができ,燃焼速度を上げることができ
る。そのため,0.5と比較的低い空気比においても,
不完全燃焼によるすす発生を極力抑えることができる。
【0066】また,上記蓄熱式バーナ6は,上記燃焼排
ガス出口67に,燃焼排ガス中の酸素濃度を検出する酸
素センサー(図示略)を有している。該酸素センサー
(図示略)は,燃焼排ガス中の水素濃度と一酸化炭素濃
度との平均値を負の酸素濃度として検出する。例えば上
記水素濃度20%,一酸化炭素濃度10%の場合には,
酸素濃度はマイナス15%となる。
ガス出口67に,燃焼排ガス中の酸素濃度を検出する酸
素センサー(図示略)を有している。該酸素センサー
(図示略)は,燃焼排ガス中の水素濃度と一酸化炭素濃
度との平均値を負の酸素濃度として検出する。例えば上
記水素濃度20%,一酸化炭素濃度10%の場合には,
酸素濃度はマイナス15%となる。
【0067】そのため,上記酸素センサー(図示略)と
上記酸素センサー5(図3)からの検出値に基づいて,
上記コントローラ61が,上記燃料ガスと燃焼用空気の
開閉弁を開閉して,空気比1.0以下という還元雰囲気
の状態で燃焼をコントロールする。それ故,上記被処理
物7に対して,確実な無酸化加熱を行うことができる。
上記酸素センサー5(図3)からの検出値に基づいて,
上記コントローラ61が,上記燃料ガスと燃焼用空気の
開閉弁を開閉して,空気比1.0以下という還元雰囲気
の状態で燃焼をコントロールする。それ故,上記被処理
物7に対して,確実な無酸化加熱を行うことができる。
【0068】また,上記加熱炉11には,該加熱室10
内の圧力を検出する圧力計18を設けているため,減圧
時及び復圧時における加熱室10内の圧力によっても,
確実に残存酸素濃度が所定値に到達しているか確認する
ことができる。
内の圧力を検出する圧力計18を設けているため,減圧
時及び復圧時における加熱室10内の圧力によっても,
確実に残存酸素濃度が所定値に到達しているか確認する
ことができる。
【0069】次に,本例の無酸化熱処理装置1を用いた
無酸化熱処理方法による効果を説明する。上記減圧ポン
プ2,窒素供給源3を用いて,点火時(加熱初期)の段
階から上記加熱室10内を容易,迅速に還元雰囲気とす
ることができる。また,減圧を行わずに単に窒素を用い
てプレパージを行う場合に比べて,確実,かつ短時間に
残存酸素濃度を0.05%以下にするために要する窒素
ガスの量を,大幅に低減することができる。
無酸化熱処理方法による効果を説明する。上記減圧ポン
プ2,窒素供給源3を用いて,点火時(加熱初期)の段
階から上記加熱室10内を容易,迅速に還元雰囲気とす
ることができる。また,減圧を行わずに単に窒素を用い
てプレパージを行う場合に比べて,確実,かつ短時間に
残存酸素濃度を0.05%以下にするために要する窒素
ガスの量を,大幅に低減することができる。
【0070】また,上記のごとく加熱炉11をプレパー
ジした後,燃料ガス及び燃焼用空気を空気比0.5〜
0.9において蓄熱式バーナ6に導入すると共に点火,
燃焼させて,上記加熱室10内の被処理物7を加熱す
る。このように,上記空気比0.5〜0.9とすること
によって,上記加熱室10内を還元雰囲気のままで加熱
する。それ故,点火時,加熱中のどちらの段階において
も上記被処理物7が酸化されることを防止することがで
きる。
ジした後,燃料ガス及び燃焼用空気を空気比0.5〜
0.9において蓄熱式バーナ6に導入すると共に点火,
燃焼させて,上記加熱室10内の被処理物7を加熱す
る。このように,上記空気比0.5〜0.9とすること
によって,上記加熱室10内を還元雰囲気のままで加熱
する。それ故,点火時,加熱中のどちらの段階において
も上記被処理物7が酸化されることを防止することがで
きる。
【0071】また,点火時の段階から上記加熱室10内
を還元雰囲気とする。そのため,上記加熱室10内の被
処理物7を上記蓄熱式バーナ6のパイロット火炎69に
よって直接に熱処理することができる。それ故,エネル
ギーロスを少なくし,間接加熱方式に比べて加熱効率を
向上させることができる。
を還元雰囲気とする。そのため,上記加熱室10内の被
処理物7を上記蓄熱式バーナ6のパイロット火炎69に
よって直接に熱処理することができる。それ故,エネル
ギーロスを少なくし,間接加熱方式に比べて加熱効率を
向上させることができる。
【0072】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,被処理
物を極力酸化させることなく,かつ効率的に熱処理を行
うことができる無酸化熱処理方法及び装置を提供するこ
とができる。
物を極力酸化させることなく,かつ効率的に熱処理を行
うことができる無酸化熱処理方法及び装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例にかかる,無酸化熱処理装置の説明
図。
図。
【図2】実施形態例にかかる,無酸化熱処理装置におけ
る加熱炉の断面を説明する側面図。
る加熱炉の断面を説明する側面図。
【図3】実施形態例にかかる,無酸化熱処理装置におけ
る加熱炉の断面を説明するの正面図。
る加熱炉の断面を説明するの正面図。
【図4】実施形態例にかかる,無酸化熱処理装置の平面
図。
図。
【図5】実施形態例にかかる,蓄熱式バーナの燃焼を説
明する図。
明する図。
【図6】実施形態例にかかる,蓄熱式バーナとその周辺
の断面説明図。
の断面説明図。
1...無酸化熱処理装置, 10...加熱室, 11...加熱炉, 16...サーモカップル 18...圧力計, 19...エンリッチガス噴出口, 2...減圧ポンプ, 3...窒素ガス供給源, 4...熱交換器, 41,42...循環パイプ, 43...冷却ファン, 5...酸素センサー, 6...蓄熱式バーナ, 61...コントローラ, 62...蓄熱体, 66...燃焼器, 7...被処理物,
Claims (6)
- 【請求項1】 加熱炉内において被処理物を還元雰囲気
下で熱処理する無酸化熱処理方法において,上記加熱炉
内に被処理物を入れ,上記加熱炉内を10トール(To
rr)以下に減圧して該加熱炉内の残存酸素濃度を0.
05%以下の減圧状態となし,該加熱炉内に窒素ガスを
供給して該加熱炉内を略大気圧状態に復圧し,その後,
燃料ガス及び燃焼用空気を空気比0.3〜1.0におい
てバーナに導入すると共に点火,燃焼させて,上記加熱
炉内の被処理物を加熱することを特徴とする無酸化熱処
理方法。 - 【請求項2】 請求項1の発明において,上記加熱中に
上記加熱炉内の温度が600℃以上に到達した場合に
は,上記空気比を0.3〜0.6とすると共に,上記燃
焼用空気を予熱することを特徴とする無酸化熱処理方
法。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記加熱中に
加熱炉内の温度が700℃以上に到達した場合には,上
記燃料ガスを触媒中に通すことによって熱分解して得ら
れた水素及び一酸化炭素を含有するエンリッチガスを上
記加熱炉内に同時供給し,該エンリッチガスを燃焼させ
ることを特徴とする無酸化熱処理方法。 - 【請求項4】 被処理物を加熱するための加熱室を有す
る加熱炉と,該加熱炉内を減圧するための減圧ポンプ
と,上記加熱炉内に窒素ガスを供給する窒素ガス供給源
と,上記加熱炉内の酸素濃度を検出する酸素センサー
と,燃料ガス及び燃焼用空気を導入して燃焼するバーナ
とを有することを特徴とする無酸化熱処理装置。 - 【請求項5】 請求項4において,上記バーナは,上記
酸素センサーからの信号により上記燃料ガス用の開閉
弁,上記燃焼用空気用の開閉弁の少なくとも一方を作動
するコントローラを有することを特徴とする無酸化熱処
理装置。 - 【請求項6】 請求項4又は5において,上記バーナ
は,燃焼排ガス中の熱を蓄熱する蓄熱体を有する蓄熱式
バーナであることを特徴とする無酸化熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10705798A JPH11286719A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 無酸化熱処理方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10705798A JPH11286719A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 無酸化熱処理方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11286719A true JPH11286719A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=14449416
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10705798A Pending JPH11286719A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 無酸化熱処理方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11286719A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003035810A (ja) * | 2001-07-23 | 2003-02-07 | Dainippon Printing Co Ltd | カラーフィルタ基板の作製方法およびその方法で用いられるアニール炉 |
-
1998
- 1998-04-02 JP JP10705798A patent/JPH11286719A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003035810A (ja) * | 2001-07-23 | 2003-02-07 | Dainippon Printing Co Ltd | カラーフィルタ基板の作製方法およびその方法で用いられるアニール炉 |
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