JPH11286527A - 硬化型艶消し樹脂組成物およびその製造法 - Google Patents

硬化型艶消し樹脂組成物およびその製造法

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JPH11286527A
JPH11286527A JP10553898A JP10553898A JPH11286527A JP H11286527 A JPH11286527 A JP H11286527A JP 10553898 A JP10553898 A JP 10553898A JP 10553898 A JP10553898 A JP 10553898A JP H11286527 A JPH11286527 A JP H11286527A
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JP
Japan
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acrylate
resin composition
wax
active energy
parts
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Application number
JP10553898A
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English (en)
Inventor
Akira Matsumura
明 松村
Shoji Aoki
祥二 青木
Takuro Nishimura
拓朗 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 艶消し性能に優れた硬化性艶消し樹脂組成物
を提供すること。 【解決手段】 (a)ウレタンアクリレート、エポキシ
アクリレート、ポリエステルアクリレートから選ばれる
活性エネルギー線硬化性オリゴマーの少なくとも1種、
(b)融点60℃以上のワックス、(c)反応性単量
体、及び(d)重合禁止剤からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術用分野】本発明は、紫外線などの活
性エネルギー線により硬化する艶消し樹脂組成物および
その製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境汚染問題、省エネルギー化等
により有機溶剤系の塗料に代わり紫外線等の活性エネル
ギー線照射により硬化する活性エネルギー線硬化型塗料
が多用されるようになってきた。これは、紫外線等の活
性エネルギー線照射により硬化し得る樹脂とモノマーを
含有し、モノマーが溶媒の機能を兼ねていることから塗
膜形成時に溶剤が揮発しないという利点があるからであ
る。そして、この活性エネルギー線硬化性を有する樹脂
組成物は、その形成される塗膜の表面状態により、光沢
仕上げを要求される場合と艶消し仕上げを要求される場
合とがあり、床材、壁材、家具等の木質材料の表面仕上
げに用いる場合においては、後者の艶消し仕上げを要求
されることがあり、その方策として、従来より微粉末シ
リカやポリエチレン微粉末等の艶消し剤を添加する方法
が採用されていたが、艶消し効果の均一性や塗料液中で
の艶消し剤の分散安定性等において問題があり、これら
を解決すべく、微粉末を添加しない方法が提案されてい
る。例えば、特開昭55−5997号公報には、反応性
オリゴマー、反応性モノマー、シリカ、光増感化合物、
及び光重合開始剤を用いる方法が、特開昭57−159
860号公報には、光重合開始剤としてベンゾフェノン
化合物と特定のアミノ安息香酸エステル化合物を用いる
方法が、特開昭57−159693号公報には、多価ア
ルコールとアクリル酸系化合物との縮合体と該縮合体に
可溶な樹脂を主成分とする艶消コーテイング剤が、特公
昭62−12832号公報には、酸素によって阻害を受
ける樹脂や単量体と阻害を受けない樹脂や単量体とを併
用する方法が、更に特開平1−234474号公報に
は、特定のポリエステル系化合物を配合した艶消被覆組
成物がそれぞれ提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭55−5997号公報開示技術は、シリカを使用
しているため分散性に問題が残って艶消し状態が不均一
となる恐れがあり、特開昭57−159860号公報開
示技術は、艶消しの程度を調整することが困難で、特開
昭57−159693号公報開示技術は、硬化に寄与し
ない縮合体を用いているため得られる塗膜強度が低下す
る恐れがあり、また特公昭62−12832号公報開示
技術は、特定の光重合開始剤と増感助剤の併用が必要
で、更に特開平1−234474号公報開示技術では、
その実施例を見る限り溶剤を必須としており、近年の無
溶剤化の流れには反するもので、さらなる改善が望まれ
るところである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(a)ウ
レタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエス
テルアクリレートから選ばれる活性エネルギー線硬化性
オリゴマーの少なくとも1種、(b)融点60℃以上の
ワックス、(c)反応性単量体、及び(d)重合禁止剤
からなる硬化型艶消し樹脂組成物が、無溶剤系で良好な
艶消し効果を得ることができ、更に該樹脂組成物を得る
にあたって、(b)〜(d)を予め混合した後に、
(a)を配合することにより、本発明の作用効果が顕著
に得られる硬化型艶消し樹脂組成物を得ることができる
ことを見いだし本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる(a)成分は、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート
から選ばれる活性エネルギー線硬化性オリゴマーの少な
くとも1種のアクリレートで、後述する活性エネルギー
線の照射により硬化するものであり、かかるウレタンア
クリレートとしては、ポリオール(ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール等)に多価イソシアネー
ト化合物[トリレンジイソシアネート(TDI)、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
水添MDI、クルードMDI、変性MDI、1,3−ビ
ス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(XD
I)、水添XDI、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)、テトラキシリレンジイソシアネート(T
MXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等]
を付加させて末端イソシアネート基とした後、水酸基含
有アクリレート(2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート、4−
ヒドロキブチルアクリレート、カプロラクトン変性2−
ヒドロキエチルアクリレート等)を反応させて得られる
オリゴマーで、また、エポキシアクリレートとしては、
エポキシ基(グリシジル基)含有化合物(ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパント
リグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエー
テル等)に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるオ
リゴマーで、更にポリエステルアクリレートとしては、
末端カルボキシル基含有ポリエステル化合物に上記の水
酸基含有アクリレートを反応させたり、末端水酸基含有
ポリエステル化合物にアクリル酸を反応させることによ
って得られるオリゴマーである。
【0006】また、(b)融点60℃以上のワックスと
は、具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、パラフィンワックス、カルバナワックス、
モンタンワックス、ひまし油系ワックス等の中で融点が
60℃以上のものが用いられ、中でもポリエチレンワッ
クスが好適に用いられる。また、(c)反応性単量体と
しては、エチレン性不飽和結合を有するモノマーであれ
ば特に限定されず、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−
ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、メ
トキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル
(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリ
レート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テ
トラヒドロフリフリル(メタ)アクリレート、カルビト
ールアクリレート、ベンジルアクリレート、アリルアク
リレート、フェノキシエチルアクリレート、スチレン、
ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレ
ン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリ
ドン、アクリロキシエチルフォスフェート、2−ビニル
ピリジン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、エチルカルビトールアクリレー
ト、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリ
コール(#200,#400,#600)ジアクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレ
ート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、EO(エチレンオキサイド)
変性トリメチロールプロパントリアクリレート、メチル
トリグリコール、アクリロイルモルフォリン、1,9−
ノナンジオールジアクリレート、2−n−ブチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート等が
挙げられ、中でもトリプロピレングリコールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,
9−ノナンジオールジアクリレートが好適に用いられ
る。
【0007】更に、(d)重合禁止剤としては、具体的
にハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ハイドロキノンモノエチルエーテル、ハイドロキノ
ンモノベンジルエーテル、ハイドロキノンモノプロピル
エーテル、パラベンゾキノン、t−ブチルカテコール等
が挙げられ、好適にはハイドロキノン類が用いられ、特
にハイドロキノンモノメチルエーテルが有用である。上
記の(a)〜(d)の配合割合に関しては、特に限定さ
れないが、(a)100重量部に対して、(b)1〜1
0重量部、(c)10〜200重量部、(d)0.00
1〜0.3重量部であることが好ましく、更には(a)
100重量部に対して、(b)2〜20重量部、(c)
20〜100重量部、(d)0.003〜0.03重量
部である。
【0008】かかる配合割合において、(b)が1重量
部未満では、艶消し性能が十分でない場合もあり、逆に
20重量部を越えると硬化塗膜の強度低下につながり、
また、(c)が10重量部未満では、塗料液としたとき
に粘度が上昇する恐れがあり、逆に200重量部を越え
ると硬化塗膜の強度低下につながり、更に(d)が0.
001重量部未満では、塗料液としたときの貯蔵安定性
に劣り、逆に0.3重量部を越えると硬化性が低下して
好ましくない。
【0009】また、上記の(a)〜(d)の配合方法
(順序)につても特に限定されず、(a)〜(d)を一
括配合してもよく、或いは任意の2種または3種を予め
混合してから残りに2種または1種を配合してもよく、
更には任意の2種同士を予め混合しておきそれらを混ぜ
合わせる等の配合方法でもよいが、本発明の作用効果を
より顕著に得ようとすれば、予め(b)、(c)、
(d)を混合しておき、それから(a)を配合すること
が好ましく、具体的には、(b)〜(d)を還流コンデ
ンサー、撹拌装置、温度計等を装備したフラスコ等の容
器に所定量仕込んで、混合撹拌下で昇温を続けて(通常
は100℃程度まで)、(c)中に(b)を均一分散さ
せて、透明又は乳濁液とした後、冷却して微粒子となっ
た(b)を十分に(c)中に析出させ、その後(a)と
混合するのである。尚、このときに(c)が、予め
(d)を少量含有していてもよい。
【0010】かくして本発明の硬化型艶消し樹脂組成物
が得られるのであるが、かかる樹脂組成物には、必要に
応じて、光重合開始剤を配合することができ、具体的に
は、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−
ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ト
リクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−
ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フ
ェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、アリ
ルケトン含有化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)
フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフ
ェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンジ
ルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベ
ンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香
酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベ
ンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾ
イル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’
−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフ
ェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロルチ
オキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジ
メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、
2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチ
オキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン
等のチオキサントン系光重合開始剤、更にはα−アシロ
キシムエステル系光重合開始剤、アシルホスフィンオキ
サイド系光重合開始剤、メチルフェニルグリオキシレー
ト、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カン
ファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラ
キノン、4',4''−ジエチルイソフタロフェノン、
3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカ
ルボニル)ベンゾフェノンなどを挙げることができ、必
要に応じてこれらと併用される助剤又は開始剤として
は、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチル
アミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−
ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエ
チル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4
−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4
−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルア
ミノ安息香酸2−エチルヘキシル、重合性3級アミン等
の助剤やオクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オ
クテン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーベ
ンゾエート等の開始剤挙げることができる。
【0011】これらの光重合開始剤及び助剤の配合量は
特に限定されないが、本発明の樹脂組成物全体に対して
1〜10重量%(更には2〜5重量%)程度であるが、
電子線等の活性エネルギー線により硬化させる場合に
は、これらの光重合開始剤や助剤を必要としないことが
多い。
【0012】本発明の樹脂組成物は、通常は無溶剤系で
用いられるが、必要に応じて、有機溶剤等を添加するこ
とも可能で、該有機溶剤としては、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メ
トキシエチル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールジアセテート等のエ
ステル系溶剤、ジエチルエーテル、エチレングリコール
ジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶剤、ト
ルエン、キシレン等の芳香族溶剤、ペンタン、ヘキサン
等の脂肪族系溶剤、塩化メチレン、クロロベンゼン、ク
ロロホルム等のハロゲン系溶剤、イソプロピルアルコー
ル、ブタノール等のアルコール系溶剤などが挙げられ
る。
【0013】更に、塗料として用いる場合には、添加剤
として顔料、充填剤、レベリング剤、熱可塑性樹脂など
を添加して使用することも多い。顔料としてはチタン
白、シアニンブルー、クリームイエロー、ウォッチング
レッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラッ
クなどが挙げられる。
【0014】熱可塑性樹脂としては、セルロースアセテ
ートブチレート、ニトロセルロース、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの共重合体、
ブチル化メラミン、ブチル化尿素などが挙げられる。又
ワックス型不飽和ポリエステル樹脂等との併用も可能で
ある。その他の添加剤としては、りん酸、酒石酸、亜り
ん酸、油脂類、シリコーンオイル、界面活性剤類などが
挙げられる。
【0015】かかる樹脂組成物から硬化皮膜を形成させ
る方法としては、被塗布物に塗布された塗膜に活性エネ
ルギー線を照射して硬化させる。該エネルギー線として
は、遠紫外部、紫外部、近紫外部、赤外部の光線、X
線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロトン線、中性
子線等が利用できる。しかしながら、皮膜形成(硬化)
速度、放射線照射装置の入手のし易さ、価格等から、紫
外線照射による硬化方法が有利である。本発明でいう紫
外線とは150〜450nm波長域の光を主体としたも
ので、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライ
ドランプ、キセノンランプ等を用いて照射する。また、
塗布方法としては、カーテンコーター、ロールコータ
ー、フローローター、スプレー、ディッピング等の公知
の方法を採用することができる。該塗膜の厚みは、被塗
布物や用途によって一概に言えないが、通常は5〜20
0μmの範囲から好適に選択され得る。
【0016】更に被塗布物としては、塩化ビニル樹脂,
ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリメタクリ
レート,ポリカーボネート,ナイロン(ポリアミド)等
のプラスチックスから、木材、金属板、金属酸化皮膜、
ガラス、セラミックス、紙、コンクリートに至るまで、
幅広く利用することができる。本発明の樹脂組成物がコ
ーティングされた上記のプラスチックス、木材、紙、金
属板等は、各種建築材料、家具、印刷紙、缶製品、家庭
用電気製品等に有用である。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。尚、例中「部」とあるのは特にことわりのな
い限り重量基準を意味する。 実施例1 温度計、還流冷却装置及び撹拌機を備えた5l容の4つ
口フラスコに(b)ポリエチレンワックス(BASFジ
ャパン社製『BASF WAX A』、融点98〜10
8℃)100g、(c)トリプロピレングリコールジア
クリレート(大阪有機化学工業社製『ビスコート#31
0HP』、ハイドロキノンモノメチルエーテルを200
ppm含有)900g及び(d)ハイドロキノンモノメ
チルエーテル0.27gを仕込んで、撹拌下に110℃
まで昇温して、約30分間後に(b)低密度ポリエチレ
ンワックスが溶融して均一に分散していることを確認し
て、撹拌下に室温まで冷却して、乳濁液を得た。別途、
温度計、還流冷却装置及び撹拌機を備えた5l容の4つ
口フラスコにポリエステルポリオール(アジピン酸とジ
エチレングリコールの縮合物、水酸基価110mgKO
H/g)597g、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)265g、及びジブチルチンラウレート0.1g
を仕込んで、撹拌下に70℃で反応させてNCO%が減
少しなくなった時点で50℃に降温し、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート138gを加えて反応を続け、NC
Oが0.5%となった時点で反応を終了して(a)ウレ
タンアクリレートを得た。次に上記で得られた(a)ウ
レタンアクリレート60g、(b+c+d)乳濁液40
g及び(d)ハイドロキノンモノメチルエーテル0.0
2g((a)100重量部に対して(d)の合計は0.
063重量部となる)を混合して、本発明の硬化型艶消
し樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の艶消し性能
を以下の要領で評価した。
【0018】(艶消し性)得られた樹脂組成物100部
に光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー社製『ダ
ロキュアー1173』)を4部配合した後、ギャップ間
隔50μmのアプリケーターを用いて、隠蔽率試験紙
(日本テストパネル社製)の黒面に塗工し、5m/mi
nのラインスピードで20cmの高さに設置した80W
/cmの水銀ランプ下を1回通過させて(積算光量:1
61mj/cm2)、樹脂組成物の塗膜を形成させた
後、光沢計(日本電色社製『VG−Σ80』)を用い
て、60度の反射率を求めて、以下の通り艶消し性を評
価した。 ○ −−− 反射率が10〜20%未満で艶消し性良好 △ −−− 反射率が20〜30%未満で艶消し性がや
や劣る × −−− 反射率が30%以上で艶消し性に劣る
【0019】(耐久性)上記で得られた樹脂組成物の塗
膜の表面を4つ折りにした官製はがきの一面で荷重が約
1kg程度になるように手で100回摩擦させた(常
温)後、再度反射率を求めて上記と同様の評価を行っ
た。 (保存安定性)得られた配合物(樹脂組成物+光重合開
始剤)を25℃で1週間放置した後、沈降物の有無を目
視観察した。
【0020】実施例2 実施例1において、(a)成分としてエポキシアクリレ
ート(共栄社化学社製『エポキシエステル300M』)
を用いた以外は同様に行って、硬化型艶消し樹脂組成物
を得て、同様に評価を行った。
【0021】実施例3 実施例1において、(a)成分としてポリエステルアク
リレート(東亜合成社製『アロニックスM−610
0』)を用いた以外は同様に行って、硬化型艶消し樹脂
組成物を得て、同様に評価を行った。
【0022】実施例4 実施例1において、(b)成分としてポリエチレンワッ
クス(三洋化成社製『サンワックス 131P』、融点
108℃)を100g用いた以外は同様に行って、硬化
型艶消し樹脂組成物を得て、同様に評価を行った。
【0023】実施例5 実施例1において、(c)成分としてエチレンオキサイ
ド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(第一
工業製薬社製『ニューフロンテア TMP−3』)を9
00g用いた以外は同様に行って、硬化型艶消し樹脂組
成物を得て、同様に評価を行った。
【0024】比較例1 実施例1の乳濁液に代えて、(c)トリプロピレングリ
コールジアクリレート(大阪有機化学工業社製『ビスコ
ート#310HP』、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル200ppm含有)950gにシリカ(日本アエロジ
ル社製『アエロジル#300』)50gを分散させたシ
リカ分散液を用いた以外は同様に行って、硬化型艶消し
樹脂組成物を得て、同様に評価を行った。実施例及び比
較例の評価結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明の硬化型艶消し樹脂組成物は、上
記の如き(a)〜(d)成分からなるものであるため、
艶消し性能に優れ、プラスチックス、木材、紙、ガラ
ス、セラミックス、金属板等の各種建築材料、家具、印
刷紙、缶製品、家庭用電気製品、電子部品等のコーティ
ング用途及び1次加工用保護膜として大変有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ウレタンアクリレート、エポキシ
    アクリレート、ポリエステルアクリレートから選ばれる
    活性エネルギー線硬化性オリゴマーの少なくとも1種、
    (b)融点60℃以上のワックス、(c)反応性単量
    体、及び(d)重合禁止剤からなることを特徴とする硬
    化型艶消し樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (b)融点60℃以上のワックスが、ポ
    リエチレンワックスであることを特徴とする請求項1記
    載の硬化型艶消し樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (d)重合禁止剤が、ハイドロキノン類
    であることを特徴とする請求項1または2記載の硬化型
    艶消し樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (a)〜(d)の配合割合が、(a)1
    00重量部に対して、(b)1〜10重量部、(c)1
    0〜200重量部、(d)0.001〜0.3重量部で
    あることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の硬化
    型艶消し樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載の硬化型艶消
    し樹脂組成物を製造するにあたって、(b)〜(d)を
    予め混合した後に、配合することを特徴とする硬化型艶
    消し樹脂組成物の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100917393B1 (ko) 2008-07-10 2009-09-17 신성특수화학(주) 색상발현이 가능한 유브이 경화 도료 조성물
KR100993460B1 (ko) 2008-02-12 2010-11-09 에스에스씨피 주식회사 고광택 칼라코팅용 하이솔리드 자외선 경화형 도료 및 이를이용한 플라스틱 기재의 도장 방법

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