JPH11286438A - 徐放性製剤 - Google Patents

徐放性製剤

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JPH11286438A
JPH11286438A JP10190798A JP10190798A JPH11286438A JP H11286438 A JPH11286438 A JP H11286438A JP 10190798 A JP10190798 A JP 10190798A JP 10190798 A JP10190798 A JP 10190798A JP H11286438 A JPH11286438 A JP H11286438A
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JP
Japan
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copolymer
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meth
magnesium
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JP10190798A
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Kazuo Watabe
一夫 渡部
Yasuhiro Sato
康弘 佐藤
Nozomi Kikuchi
望 菊池
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Shiseido Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 徐放性製剤の提供 【解決手段】 多孔質無機物質と(メタ)アクリル酸系
コポリマーを含んでなるマトリックス中に薬物を含有す
る製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製剤からの長期にわ
たり薬物を放出しうる徐放性製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から1日複数回服用する薬物につい
てはコンプライアンスの低下や投与時の血中濃度の一時
的な上昇による副作用の防止及び長時間にわたる治療有
効濃度の維持のため、様々な徐放性製剤の検討が行われ
ている。
【0003】例えば多孔性プラスチックやワックス、樹
脂のマトリックスに薬物を分散させたものを製錠しコー
ティングすることで主薬を徐々に放出させる製剤や、疎
水性物質やpH依存性物質をコーティングして放出速度
を変えた顆粒を混合することによって複合的に放出され
る製剤、徐放性部と速放性部を多重又は多層とし錠剤に
製したものなどが知られている。以上に関する文献とし
ては、例えば、特開昭58−170712号、特開昭6
1−257917号、特開平1−193215号、特開
平7−89876号、特開平7−97338号および特
開平7−252166号公報を参照されたい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のこれらの製剤の
中には、薬物の製剤からの長期にわたる(ほぼ10日を
超える)徐放化に成功した例もみられるが、製剤の組成
や調製が複雑である場合が多い。したがって本発明の目
的は、できるだけ単純な系で、簡易な調製法で製剤化で
きる上に、長期にわたる所長の薬物放出挙動を示す製剤
の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく検討を重ねてきたところ、意外にも、一部
については制酸剤や薬物の担体として使用されている製
薬学的に許容される多孔質無機物質と、通常、薬物含有
組成物のコーティングに使用されている(メタ)アクリ
ル酸系コポリマー(例えば、上記特開昭61−2579
17号、特開平1−193215号公報参照)とを、薬
物と共に均質に混合して調製した組成物が、長期にわた
る薬物の安定かつ一定の放出挙動を示すことを見い出し
た。
【0006】したがって、本発明によれば、製薬学的に
許容される多孔質無機物質と(メタ)アクリル酸系コポ
リマーを含んでなるマトリックス中に薬物を含有する徐
放性製剤が提供される。
【0007】製薬学的に許容される多孔質無機物質に
は、本発明の目的を達成でき、製剤をヒトに投与したと
き、生体に悪影響を及ぼさない多孔質無機物質のいかな
るものも包含される。具体的には、ケイ素、アルミニウ
ムおよびマグネシウムからなる群より選ばれる少なくと
も1種の元素の酸化物もしくは水酸化物またはそれらの
複合化合物を挙げることができる。
【0008】限定されるものでないが、より具体的に
は、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミ
ン酸二マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムビ
スマス、ハイドロタルサイト、ケイ酸アルミニウム、乾
燥水酸化アルミニウムゲルおよび酸化マグネシウムが挙
げられ、これらにおける各元素の組成比は、それらが安
定性を保持する限り、限定されない。しかしながら、複
合物においては、それぞれ、一般的に以下のような化学
式で表わされるものが好適である。すなわち、メタケイ
酸アルミン酸マグネシウムについては、MgO・Al2
3・2SiO2・xH2O、ケイ酸アルミン酸二マグネ
シウムについては、2MgO・Al23・SiO2・n
2O、ケイ酸アルミン酸マグネシウムビスマスについ
ては、25MgO・Bi23・14Al23・xH
2O、ヒドロタルサイトについては、Mg6Al2(OH)
16CO3・4H2Oが挙げられる。上記化学式中、xおよ
びnは、これらの複合化合物が安定性を示すいずれの数
であってもよい。
【0009】上記多孔質無機物質は、天然産物または合
成品であることができ、例えば、ケイ酸アルミニウム
は、天然産物および合成品を等しく使用することができ
る。かような物質は、微粉砕された粉末であっても、ま
たそれから調製された微粒もしくは細粒であってもよ
い。これらの形態は、製剤の投与形態や薬剤の性質に応
じて、適宜選ぶことができる。
【0010】(メタ)アクリル酸系コポリマーは、メタ
クリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸およびア
クリル酸エステルからなる群より選ばれる2種以上のモ
ノマーのコポリマーであって、上記多孔質無機物質と組
み合わさって本発明の目的を達成できるものであれば、
上記モノマーの組み合わせ、使用モノマーの数等によっ
て限定されない。しかしながら、特に好ましいコポリマ
ーとしては、(アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル
−メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル)コ
ポリマー、(メタクリル酸−アクリル酸エチル)コポリ
マー、(メタクリル酸−メタクリル酸メチル)コポリマ
ーをあげることができ、特に都合よく使用できるものと
しては、ローム・ファルマ(Rohm Pharma)社から市販
されている。それぞれ、順に、オイドラギットRS、オ
イドラギットL100−55、オイドラギットL100
を挙げることができる。これらのコポリマーは2種以上
を組み合わせて使用することができるが、組み合わせの
好ましい例としては、(アクリル酸エチル−メタクリル
酸メチル−メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエ
チル)コポリマーと、(メタクリル酸−アクリル酸エチ
ル)コポリマーまたは(メタクリル酸−メタクリル酸メ
チル)コポリマーとの組み合わせを挙げることができ
る。
【0011】本発明の製剤に含有させることのできる薬
物は、生体内での長期徐放性が望まれる薬物であって、
上記多孔質無機物質および(メタ)アクリル酸系コポリ
マーと組み合わさって、目的の放出挙動を示すものがす
べて包含される。薬物の具体例としては、限定されるも
のでないが、降圧利尿剤、血管拡張剤、不整脈治療剤、
強心剤、ホルモン剤、免疫調整剤、抗生物質、抗腫瘍
剤、抗潰瘍剤、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、鎮咳去剤、鎮
静剤、筋弛緩剤、抗てんかん剤、等分類される薬物を挙
げることができる。これらの薬物の具体的なものとして
は、限定されるものでないが、医薬品要覧第5版、株式
会社薬業時報社に記載されている薬物またはそれらの類
似薬物を挙げることができる(なお、この文献の内容
は、引用したことにより本明細書の内容となる。)。
【0012】本発明の製剤において、以上の多孔質無機
物質と(メタ)アクリル系コポリマーと薬物との配合割
合は、これらの使用する成分に応じて最適割合が異なる
ので限定されるものでなく、当業者であれば後述する実
施例を参照に小実験を行うことにより、適切な配合割合
を決定できるであろう。しかしながら、一般的には、薬
物対(メタ)アクリル系コポリマー対多孔質無機物質
は、1:0.5〜2:5〜20(重量比)であることが
好ましい。
【0013】本発明の製剤は、含められる薬物に応じ
て、経口剤、経直腸剤または生体内埋め込み型とするこ
とができる。したがって、本発明の製剤は、薬物または
剤型に応じて、さらなる添加物として、可塑剤、賦形
剤、結合剤、滑沢剤を含有せしめることができる。可塑
剤としてはポリエチレングリコール4000や600
0、クエン酸トリエチル、Tween 80、トリアセチン等
があげられる。賦形剤としては、乳糖、白糖、ブドウ
糖、マンニトールなどの糖類、バレイショデンプン、ト
ウモロコシデンプンなどのデンプン類、炭酸カルシウ
ム、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム等の無機
物、結晶セルロース等があげられる。結合剤としてはヒ
ドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン等があげられる。滑沢剤としてはステアリ
ン酸マグネシウム、タルク等があげられる。
【0014】以上のような成分からなる本発明の製剤
は、さらに、特定の用途(例えば、腸溶剤)に向ける場
合には、上記(メタ)アクリル系コポリマーやヒドロキ
シプロピルセルロース誘導体等によって表面をコーティ
ングしてもよい。また、生体内埋め込みの用途では、製
剤が埋め込まれる部位、例えば脳内、肺、乳房、その他
の組織または器官、あるいは埋め込みの目的に応じて、
多種多様な形態にすることもできる。
【0015】本発明の製剤は、薬物を溶解しうる溶媒中
で、各成分を、それ自体既知の方法または手段を使用し
て均質に混練した後、造粒または適当な形状に成型する
ことにより調製することができる。これらの各成分は全
成分を同時に混合するか、または予め無機物質と薬物を
混合した後、(メタ)アクリル酸系コポリマーを添加し
て混練してもよい。例えば、添加剤をさらに含める場合
には、可塑剤と(メタ)アクリル酸系コポリマー、薬物
を適当な溶媒に溶解し、多孔性無機物質と撹拌混合し、
次いでこの混合物を乾燥し篩過した後、必要に応じて賦
形剤や結合剤、滑沢剤を加え圧縮成型することができ
る。
【0016】こうして調製された本発明の製剤は、理論
に拘束されるものでないが、薬物の適当量が多孔質無機
物質中に取り込まれた上、多孔質無機物質と(メタ)ア
クリル酸系コポリマー、ならびにアクリル酸系コポリマ
ー自体が形成するマトリックス中に担持されることによ
り、長期にわたり薬物の安定な放出挙動を示すものと推
察できる。
【0017】
【実施例】以下、具体的な態様を挙げて、本発明をさら
に詳細に説明する。
【0018】実施例1:徐放性製剤の調製 クエン酸トリエチル0.1gとPEG4000 0.1
g、オイドラギットRSPO 0.6gとオイドラギッ
トL100 0.1g、薬物である臭化水素酸デキスト
ロメトルファン1gをエタノール16g水4gの混液に
溶かした。乳鉢中のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム
であるノイシリンFL2(富士化学工業製)7.8gにこ
の溶液を加え撹拌混合した。これを通風乾燥機で40
℃、2時間乾燥し、得られた粉末に乳糖7.8gとリン
酸水素カルシウム2g、ステアリン酸マグネシウム0.
2gを加え8mmφの金型で圧縮し1錠200mgの徐
放性製剤を得た。
【0019】比較例:比較製剤の調製 薬物である臭化水素酸デキストロメトルファン1gと乳
糖16.8g、リン酸水素カルシウム2g、ステアリン
酸マグネシウム0.2gを混合し8mmφの金型で圧縮
成型し1錠200mgの、比較製剤とした。
【0020】実施例2:溶出試験 徐放性製剤(実施例1)、比較製剤それぞれ2錠に第2
液50ml加え恒温振湯機(大洋科学工業株式会社製)
中室温120rpmで薬物を溶出させた。この溶出液の
278nmにおける吸光度を測定し累積溶出量を算出し
た結果を図1に示す。図からみられるように、徐放性製
剤は比較製剤と比べ1週間以上、安定に薬物を放出し続
けていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う徐放性製剤と本発明の範囲外にあ
る製剤の溶出試験の結果を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製薬学的に許容される多孔質無機物質と
    (メタ)アクリル酸系コポリマーを含んでなるマトリッ
    クス中に薬物を含有する徐放性製剤。
  2. 【請求項2】 多孔質無機物質が、ケイ素、アルミニウ
    ムおよびマグネシウムからなる群より選ばれる少なくと
    も1種の元素の酸化物もしくは水酸化物またはそれらの
    複合物である請求項1記載の徐放性製剤。
  3. 【請求項3】 前記酸化物もしくは水酸化物またはそれ
    らの複合化合物が、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
    ム、ケイ酸アルミン酸二マグネシウム、ケイ酸アルミン
    酸マグネシウムビスマス、ハイドロタルサイト、ケイ酸
    アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲルおよび酸化
    マグネシウムからなる群より選ばれる1種または2種以
    上の組み合わせ物である請求項2記載の徐放性製剤。
  4. 【請求項4】 (メタ)アクリル酸系コポリマーが(メ
    タクリル酸−メタクリル酸メチル)コポリマー、(メタ
    クリル酸−アクリル酸エチル)コポリマーおよび(アク
    リル酸エチル−メタクリル酸メチル−メタクリル酸塩化
    トリメチルアンモニウムエチル)コポリマーからなる群
    より選ばれる1種または2種以上の混合化合物である請
    求項1〜3のいずれかに記載の徐放性製剤。
JP10190798A 1998-03-31 1998-03-31 徐放性製剤 Withdrawn JPH11286438A (ja)

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