JPH11285750A - 円筒形部材の絞り加工方法及びその装置 - Google Patents

円筒形部材の絞り加工方法及びその装置

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JPH11285750A
JPH11285750A JP10090450A JP9045098A JPH11285750A JP H11285750 A JPH11285750 A JP H11285750A JP 10090450 A JP10090450 A JP 10090450A JP 9045098 A JP9045098 A JP 9045098A JP H11285750 A JPH11285750 A JP H11285750A
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forming roller
cylindrical member
pipe
load
tip
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Masashi Onuma
正史 大沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形ローラがパイプの先端から外れるような
トラブルをなくして、成形ローラの傷付きを防止すると
ともに、その傷に起因したパイプ表面の荒れを防止す
る。 【解決手段】 本発明に係るパイプの絞り加工方法は、
パイプに対して径方向から成形ローラを押し付けて相対
回転させながらそのパイプと成形ローラとを軸方向に相
対移動させて、前記パイプの先端部を絞り加工するパイ
プの絞り加工方法において、成形ローラに加わる負荷を
監視し、その負荷の値が所定値よりも低下したときに、
前記パイプと成形ローラとの軸方向の相対移動を停止さ
せる動作を行う。このため、パイプの伸び率等に係わら
ず成形ローラを正確にパイプの先端で止めることが可能
になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒形部材に対し
て径方向から成形ローラを押し付けて相対回転させなが
らその円筒形部材と成形ローラとを軸方向に相対移動さ
せて、前記円筒形部材の先端部を絞り加工する円筒形部
材の絞り加工方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】これに関連する円筒形部材の絞り加工方
法及びその装置が図7、図8及び図9に示されている。
円筒形部材(以下、パイプという)の絞り加工装置1
は、図7に示されるように、パイプWを軸心回りに回転
可能な状態で支持する水平な主軸(図示されていない)
を備えており、その主軸の先端部にパイプWを同軸に把
持するチャック1tが装着されている。さらに、前記パ
イプの絞り加工装置1は、回転しているパイプWを絞る
成形ローラ2を備えている。前記成形ローラ2は前記主
軸と平行に保持された支持軸3に回転可能な状態で支持
されており、図示されていない押圧機構の働きによりパ
イプWに対して径方向(上下方向)及び軸方向に移動で
きるようになっている。なお、前記主軸の軸方向をX軸
方向、上下方向をY軸方向として以下の説明を行う。
【0003】前記パイプWの絞り加工は、図7(A)か
ら図8(C)に示される手順に従って行われる。即ち、
主軸によってパイプWが回転させられている状態で、前
記押圧機構が動作して前記成形ローラ2がパイプWの側
面にY軸方向から当接する(図7(A)参照)。次に、
成形ローラ2がパイプWに対して徐々に下降しながらパ
イプWの先端の方向に移動する(前進)。即ち、前記成
形ローラ2はパイプWの外周面を押圧してそのパイプW
の回転に倣って回転しながら、パイプWの先端方向に移
動する。これによって、前記パイプWの先端部が図7
(B)に示されるように先細テーパ状に均等に絞られ、
成形ローラ2がパイプWの先端に到達したタイミング
で、その成形ローラ2の前進が止められる。
【0004】ここで、前記パイプWの先端部が絞られる
と、その先端部が軸方向に伸びてパイプWの先端位置が
変化する。しかし、そのパイプWの先端位置の変化分は
パイプWの伸び率に基づいて計算されるため、前記成形
ローラ2は計算により求められた先端位置まで前進し
て、その位置で停止する(図7(B)参照)。次に、前
記成形ローラ2はその先端位置から同じ高さのままで加
工開始位置の手前所定位置まで後退する(図7(C)参
照)。さらに、その成形ローラ2は、再びパイプWに対
して徐々に下降しながらパイプWの先端まで前進する
(図8(A)参照)。これによって、前記パイプWの先
端部がさらに絞られる。このように、回転しているパイ
プWに対して径方向から成形ローラ2が押し付けられて
前進/後退を繰り返すことにより(図7、図8参照)、
前記パイプの先端部が予め決められたサイズにまで絞り
加工される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たパイプの絞り加工装置では、前記パイプWが絞られた
ことによる先端位置の変化をパイプWの伸び率に基づい
て計算により求めている。このため、計算に使用された
パイプWの伸び率と実際のパイプWの伸び率との間に誤
差等があると、パイプWの正確な先端位置を把握するこ
とができなくなり、成形ローラ2がパイプWの先端位置
よりも行き過ぎてしまうことがある。前記成形ローラ2
が、図9に示されるように、パイプWの先端から外れる
と、スプリングバックによりパイプWが跳ね上がり、そ
のパイプWの端面が成形ローラ2の側面2sに衝突す
る。これによって、成形ローラ2に衝撃が加わり成形ロ
ーラ2が損傷したり、寿命が低下するという問題が生じ
る。さらに、その成形ローラ2の側面2sに傷が付くた
め、絞り加工する際にその傷によりパイプWの外周面が
荒らされて、そのパイプWの商品価値が低下する。この
ため、成形ローラを新品に交換しなければならなくな
り、成形ローラの交換頻度が多く生産性を低下させると
いう問題が生じる。
【0006】そこで、本発明のうち請求項1〜請求項5
に記載の発明は、成形ローラがパイプの先端位置近傍に
到達したタイミングを正確に把握できるようにして、そ
の成形ローラがパイプの先端よりも行き過ぎないように
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、以下の
特徴を有する円筒形部材の絞り加工方法及びその装置に
よって解決される。即ち、請求項1に記載の円筒形部材
の絞り加工方法は、円筒形部材に対して径方向から成形
ローラを押し付けて相対回転させながらその円筒形部材
と成形ローラとを軸方向に相対移動させて、前記円筒形
部材の先端部を絞り加工する円筒形部材の絞り加工方法
において、前記成形ローラに加わる負荷を監視し、その
負荷の値が所定値よりも低下したときに、前記円筒形部
材と成形ローラとの軸方向の相対移動を停止させる動作
を行う。
【0008】一般的に、絞り加工において成形ローラを
円筒形部材の先端側に移動(前進)させる過程では、そ
の成形ローラに加わる負荷は前進途中で大きく円筒形部
材の先端に近づくにつれて小さくなる。したがって、そ
の負荷の値が所定値よりも低下すれば、成形ローラは円
筒形部材の先端近傍まで到達していると考えられる。こ
のため、本発明のように、前記負荷の値が所定値よりも
低下したときに成形ローラの前進を止める動作を行え
ば、円筒形部材Wの伸び率等に係わらず成形ローラを正
確に円筒形部材の先端で止めることが可能になる。した
がって、従来のように、成形ローラが円筒形部材の先端
から外れるようなトラブルがなくなる。
【0009】また、請求項2に記載の円筒形部材の絞り
加工装置は、円筒形部材に対して径方向から成形ローラ
を押し付けて相対回転させながらその円筒形部材と成形
ローラとを軸方向に相対移動させて前記円筒形部材の先
端部を絞る円筒形部材の絞り加工装置において、前記成
形ローラに加わる負荷を監視する負荷監視手段と、前記
負荷の値が所定値よりも低下したときに、前記円筒形部
材と成形ローラとの軸方向の相対移動を停止させる動作
を行う移動停止手段と、を有している。本発明により、
請求項1に記載された発明を実施することがでできる。
【0010】また、請求項3に記載の円筒形部材の絞り
加工装置は、請求項2に記載された円筒形部材の絞り加
工装置において、前記成形ローラに加わる負荷は、荷重
計によって測定される。
【0011】本発明によると、成形ローラに加わる負荷
は荷重計によって直接的に測定されるため、負荷の測定
精度が向上する。
【0012】また、請求項4に記載の円筒形部材の絞り
加工装置は、請求項2に記載された円筒形部材の絞り加
工装置において、前記成形ローラに加わる負荷は、円筒
形部材に対して径方向から成形ローラを押し付ける際に
駆動されるモータの電流値と、その成形ローラと円筒形
部材とを軸方向に相対移動させる際に駆動されるモータ
の電流値によって測定される。
【0013】本発明によると、前記成形ローラに加わる
負荷はモータの電流値によって測定されるため、前記負
荷を検出するためのセンサー等を特別に準備する必要が
ない。このため、設備コストの低減を図ることができ
る。
【0014】また、請求項5に記載の円筒形部材の絞り
加工装置は、円筒形部材に対して径方向から成形ローラ
を押し付けて相対回転させながらその円筒形部材と成形
ローラとを軸方向に相対移動させて前記円筒形部材の先
端部を絞る円筒形部材の絞り加工装置において、前記成
形ローラを支持し、その成形ローラと共に前記円筒形部
材に対して軸方向に移動する支持部材と、前記支持部材
に取り付けられており、前記成形ローラが前記円筒形部
材の先端近傍まで到達したときに、前記円筒形部材の先
端を検出できる位置に位置決めされている先端位置検出
センサーと、前記先端位置検出センサーが円筒形部材の
先端を検出したときに、前記円筒形部材と成形ローラと
の軸方向の相対移動を停止させる動作を行う移動停止手
段と、を有している。
【0015】本発明によると、成形ローラが前記円筒形
部材の先端近傍に到達したタイミングで前記先端位置検
出センサーが動作し、その先端位置検出センサーの動作
に基づいて移動停止手段が円筒形部材と成形ローラとの
軸方向の相対移動を停止させる動作を行う。このため、
円筒形部材の伸び率等に係わらず成形ローラを正確に円
筒形部材の先端で止めることが可能になる。さらに、荷
重計等よりも安価な光電スイッチ等を使用できるため、
設備コストの低減を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、図1
から図8に基づいて、本発明の第1の実施の形態に係る
円筒形部材の絞り加工方法及びその装置の説明を行う。
本実施の形態に係る円筒形部材の絞り加工装置10の全
体側面図が図5に示されている。ここで、円筒形部材
(以下、パイプという)の絞り加工装置10の主軸11
mの軸方向をX軸方向、高さ方向をY軸方向、幅方向を
Z軸方向として以下の説明を行う。前記パイプの絞り加
工装置10は、水平な主軸11mを備えており、その主
軸11mの先端部にパイプWを同軸に把持するチャック
11tが装着されている。また、前記主軸11mに対向
する位置には、回転しているパイプWを径方向から押圧
してその先端部を絞り加工するための押圧機構20が設
置されている。
【0017】前記押圧機構20は、パイプWを押圧する
ための成形ローラ22をパイプWに対してX軸方向及び
Y軸方向に移動させるための機構であり、ベース25を
備えている。また、前記ベース25にはその上面に一対
のX軸レール26が設置されており、そのX軸レール2
6上に摺動子27を介してコラム28が載置されてい
る。さらに、前記ベース25の側面にはサポート25s
を介して一対の軸受け25jが固定されており、それら
の軸受け25jにボールネジ&ナット30のボールネジ
31が回転可能な状態で支持されている。
【0018】一方、前記ボールネジ&ナット30のナッ
ト32は連結ブロック28xを介してコラム28の下面
に装着されている。このため、前記ボールネジ31が回
転すると、ナット32に連結されているコラム28がX
軸レール26に倣って移動するようになる。また、前記
ナット32の前面32f(図中右側の面)と連結ブロッ
ク28xの後面28bとの間には、前記コラム28の前
進時(主軸11mから離れる方向に移動)の荷重を測定
するためのロードセルR1が取り付けられている。な
お、ロードセルR1の信号は制御装置(図示されていな
い)に入力されて時系列的に記憶される。
【0019】また、前記ボールネジ31の端部(図中右
端部)にはカップリング(図示されていない)を介して
X軸サーボモータ34が連結されており、さらにそのX
軸サーボモータ34の回転軸にX軸エンコーダ(図示さ
れていない)が連結されている。前記X軸サーボモータ
34は前記制御装置からの電気信号を受けて駆動され、
そのX軸サーボモータ34の回転角度がX軸エンコーダ
によってパルス信号に変換されて制御装置に入力され
る。このため、前記X軸エンコーダのパルス信号を積算
することにより、コラム28の位置を検出することがで
きる。
【0020】前記コラム28は、前記主軸11mに面す
る側に垂直面28hを備えており、その垂直面28hに
一対のY軸レール29が設置されている。そして、その
Y軸レール29に摺動子41を介して昇降ブロック42
が固定されている。さらに、前記コラム28には垂直面
28hの上端部及び下端部の近傍に一対の軸受け28j
がY軸方向に固定されており、それらの軸受け28jに
ボールネジ&ナット50のボールネジ51が回転可能な
状態で支持されている。
【0021】さらに、前記ボールネジ&ナット50のナ
ット52は昇降ブロック42に連結されている。このた
め、前記ボールネジ51が回転すると、昇降ブロック4
2がナット52と共にY軸レール29に倣って昇降する
ようになる。また、前記ナット52の下面と昇降ブロッ
ク42の受け面42rとの間には、昇降ブロック42の
下降時の荷重を測定するためのロードセルR2が取り付
けられている。なお、ロードセルR2の信号は制御装置
に入力されて時系列的に記憶される。
【0022】前記ボールネジ51の上端部にはカップリ
ング(図示されていない)を介してY軸サーボモータ5
4が連結されており、さらにそのY軸サーボモータ54
の回転軸にY軸エンコーダ(図示されていない)が連結
されている。前記Y軸サーボモータ54は前記制御装置
からの電気信号を受けて駆動され、そのY軸サーボモー
タ54の回転角度がY軸エンコーダによってパルス信号
に変換されて制御装置に入力される。このため、前記Y
軸エンコーダのパルス信号を積算することにより、昇降
ブロック42の高さを検出することができる。
【0023】前記昇降ブロック42の下端には、主軸寄
りの位置に逆U字形のローラ支持部材45が固定されて
おり、そのローラ支持部材45にパイプWを押圧する成
形ローラ22が支持ピン23を介して前記主軸11mと
平行に装着されている。この構造により、X軸サーボモ
ータ34及びY軸サーボモータ54が動作すると、成形
ローラ22はX軸方向、Y軸方向に移動(前進/後退、
昇降)するようになる。
【0024】次に、図1から図4及び図7、図8に基づ
いて、本実施の形態に係るパイプの絞り加工方法の説明
を行う。ここで、パイプの絞り加工方法の説明に先立っ
て、図1のグラフの説明を行う。図1(A)は、ロード
セルR1の出力信号を時系列的に表したグラフであり、
前記コラム28の前進時の荷重、即ち、成形ローラ22
を前進させる際にその成形ローラ22に加わるX軸荷重
の変化を表している。また、図1(B)は、ロードセル
R2の出力信号を時系列的に表したグラフであり、昇降
ブロック42の下降時の荷重、即ち、成形ローラ22が
パイプWを押圧する際の反力であるY軸荷重の変化を表
している。
【0025】したがって、前記ロードセルR1、R2が
本発明の荷重計として機能するとともに、前記制御装置
が本発明の負荷監視手段として機能するようになる。ま
た、図1(C)は、前記コラム28の前進/後退速度、
即ち、成形ローラ22の前進/後退速度を表すグラフで
あり、そのグラフの上側が後退方向、下側が前進方向を
表している。
【0026】先ず、前記チャック11tにパイプWがセ
ットされると、主軸11mが駆動されてパイプWが一定
の速度で軸回りに回転する。次に、押圧機構20のX軸
サーボモータ34、Y軸サーボモータ54が駆動されて
コラム28が初期位置(P0点 図1(C)参照)から
後退するとともに、昇降ブロック42が下降して、成形
ローラ22が、図7(A)に示されるように、パイプW
の側面中央(加工開始点P1)に当接する位置に位置決
めされる。ここで、成形ローラ22が初期位置P0から
加工開始点P1まで後退する間は、その成形ローラ22
がパイプWと接触していないため、図1に示されるよう
に、X軸荷重、Y軸荷重ともほぼ零なる。
【0027】このようにして成形ローラ22が加工開始
点P1に位置決めされると、X軸サーボモータ34、Y
軸サーボモータ54が駆動されて昇降ブロック42が徐
々に下降しながらコラム28が前進する。これによっ
て、図2に示されるように、成形ローラ22は徐々に下
降しながらパイプWの外周面を押圧し、そのパイプWの
回転に倣って回転しながら、パイプWの先端方向に移動
する。
【0028】図1に示されるように、成形ローラ22は
前進開始時と停止時を除き、一定速度で前進する。ま
た、前述のようにパイプWの回転数も一定であるため、
パイプWの外周面が均等に絞られる。そして、成形ロー
ラ22の前進に伴ってパイプWが徐々に絞られると、そ
の成形ローラ22に加わるX軸荷重、Y軸荷重とも増加
する。このようにしてパイプWの絞り加工が行われて、
成形ローラ22がパイプWの先端位置に近づくとX軸荷
重、Y軸荷重とも急激に減少する。
【0029】そして、X軸荷重が所定値Vxより低下
し、さらにY軸荷重が所定値Vyより低下したタイミン
グ(Sx,Sy)、即ち、成形ローラ22がパイプWの
先端位置近傍まで到達したと判定された段階で、成形ロ
ーラ22の前進を停止させる制御(前進停止制御)が行
われる。ここで、前記タイミング(Sx,Sy)を決定
するための所定値Vx、Vyは、前進停止制御が開始さ
れてから前記成形ローラ22が停止するまでの間にその
成形ローラ22が移動する距離を考慮して設定される。
このため、前記X軸荷重が所定値Vxよりも低下し、さ
らにY軸荷重が所定値Vyよりも低下すると、前進停止
制御の働きで成形ローラ22は最終的にパイプWの先端
位置P2で停止できるようになる。そして、成形ローラ
22が先端位置P2に到達したタイミングで、パイプW
の先端部が先細テーパ状に絞られ、第一段階目の絞り加
工が終了する(図3、図7(B)参照)。即ち、X軸荷
重やY軸荷重を所定値Vx、Vyと比較して成形ローラ
22の前進を止めるための制御装置やX軸サーボモータ
34等が本発明の移動停止手段として機能する。
【0030】次に、X軸サーボモータ34が後退方向に
駆動されて、前記成形ローラ22は、図4、図7(C)
に示されるように、パイプWの先端位置P2から同じ高
さのままで後退する。このとき、図1に示されるよう
に、成形ローラ22は後退開始時と停止時を除き、一定
速度で後退する。また、前述のように成形ローラ22の
高さは一定であるため、パイプWは外周面のテーパがな
くなるように円筒形に絞られる。ここで、後退時には、
ロードセルR1にほとんど力が加わらないため、X軸荷
重はほぼ零と表示されるが、実際には成形ローラ22の
後退に伴ってパイプWの絞り加工が行われるため、その
成形ローラ22にはY軸荷重のみならずX軸荷重も加わ
ることになる。
【0031】このようにして、成形ローラ22が加工開
始点P1の手前の所定位置P3に戻されると、X軸サー
ボモータ34が前進方向、Y軸サーボモータ54が下降
方向に駆動される。これによって、成形ローラ22は徐
々に下降しながらパイプWの外周面を押圧し、そのパイ
プWの回転に倣って回転しながら、パイプWの先端方向
に移動する。図1に示されるように、成形ローラ22は
前進開始時と停止時を除き、一定速度で前進する。
【0032】そして、X軸荷重が所定値Vxより低下
し、さらにY軸荷重が所定値Vyより低下したタイミン
グ(Sx,Sy)で成形ローラ22の前進を停止させる
制御が行われる。これによって、成形ローラ22は最終
的にパイプWの先端位置P4で停止し、パイプWの第二
段階目の絞り加工が終了する(図8(A)参照)。な
お、本実施の形態においてはX軸荷重が所定値Vxより
低下し、さらにY軸荷重が所定値Vyより低下したタイ
ミングで成形ローラ22の前進を停止させる制御を行っ
たが、どちらか一方の荷重が所定値Vx、Vyよりも低
下したタイミングで成形ローラ22の前進を停止させる
制御を行っても良い。
【0033】このように、回転しているパイプWに対し
て径方向から成形ローラ22が押し付けられて前進/後
退を繰り返すことにより、パイプWの先端部が予め決め
られたサイズにまで絞り加工される。
【0034】上記したように、本実施の形態に係るパイ
プの絞り加工方法によると、成形ローラ22に加わる荷
重が所定値Vx、Vyよりも低下したときにその成形ロ
ーラ22の前進を止める制御を行うため、パイプWの伸
び率等に係わらず成形ローラを正確にパイプの先端で止
めることが可能になる。このため、成形ローラ22がス
プリングバックにより跳ね上がったパイプWの衝撃を受
けるようなことがなくなり、成形ローラ22の損傷を防
止できる。また、成形ローラ22に傷が付くことがない
ため、その傷付きに起因したパイプWの表面の荒れを防
止することができる。
【0035】さらに、成形ローラ22がパイプの先端か
ら外れないため、パイプWの成形時間を短縮することが
できる。また、絞り加工によるパイプWの伸びを考慮す
る必要がないため、パイプWのサイズや材質を変えたと
きの調整が容易になる。さらに、成形ローラ22の数を
増加させた場合にも適用が可能である。また、ロードセ
ルにより成形ローラに加わる荷重を測定するため、荷重
の測定精度も向上する。さらに、X軸サーボモータ34
及びY軸サーボモータ54の電流値からX軸荷重、Y軸
荷重を測定することも可能である。このようにすれば、
荷重を検出するためのセンサー等を特別に準備する必要
がないため、設備コストの低減を図ることができる。こ
こで、本実施の形態においては円筒形部材としてパイプ
を例に説明したが、シャフトでも可能である。
【0036】(第2の実施の形態)以下、図6に基づい
て本発明の第2の実施の形態に係るパイプのパイプの絞
り加工装置の説明を行う。前記パイプのパイプの絞り加
工装置60は、成形ローラ22がパイプWの先端近傍に
到達したタイミングを光電スイッチ61で検出するよう
にしたものであり、その他の構造は第1の実施の形態に
係るパイプの絞り加工装置10と同様である。前記光電
スイッチ61は、成形ローラ22を支持する昇降ブロッ
ク42にサポート62によって取り付けられており、前
記ローラ22がパイプWの先端近傍に到達したタイミン
グでそのパイプWの先端位置を検出できるように位置決
めされている。
【0037】成形ローラ22の前進中に光電スイッチ6
1のON信号が制御装置(図示されていない)に入力さ
れると、前記制御装置は成形ローラ22の前進を停止さ
せる制御(前進停止制御)を行う。ここで、光電スイッ
チ61の位置は、前進停止制御が開始されてから前記成
形ローラ22が停止するまでの間にその成形ローラ22
が移動する距離を考慮して設定される。このため、光電
スイッチ61がONすると、前進停止制御の働きで成形
ローラ22は最終的にパイプWの先端位置P2で停止で
きるようになる。このため、絞り加工によるパイプWの
伸び率等の影響を受けなくなる。
【0038】このように、本実施の形態によると、ロー
ドセルより安価な光電スイッチを使用できるため、設備
コストの低減を図ることができる。なお、光電スイッチ
の代わりに近接スイッチを使用することも可能である。
即ち、前記光電スイッチ61が本発明の先端位置検出セ
ンサーとして機能し、昇降ブロック42が本発明の支持
部材として機能する。
【0039】
【発明の効果】本発明によると、円筒形部材の絞り加工
中に成形ローラが円筒形部材の先端から外れるようなト
ラブルがないため、成形ローラが円筒形部材のスプリン
グバックによる衝撃を受けることがなく、成形ローラが
損傷したり、寿命が低下したりすることがない。また、
その成形ローラの傷付きに起因した円筒形部材表面の荒
れ等も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る円筒形部材の
絞り加工方法において、成形ローラに加わるX軸荷重、
Y軸荷重及び成形ローラのX軸方向の動作速度を表すグ
ラフである。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るパイプの絞り
加工方法を表す側面拡大図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るパイプの絞り
加工方法を表す側面拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るパイプの絞り
加工方法を表す側面拡大図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るパイプの絞り
加工装置の全体側面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るパイプの絞り
加工方法を表す側面拡大図である。
【図7】パイプの絞り加工方法を表す側面図である。
【図8】パイプの絞り加工方法を表す側面図である。
【図9】従来のパイプの絞り加工方法を表す側面拡大図
である。
【符号の説明】
W パイプ(円筒形部材) 22 成形ローラ 28 コラム 30 ボールネジ&ナット(移動停止手段) 34 X軸サーボモータ(移動停止手段) 42 昇降ブロック(支持部材) 50 ボールネジ&ナット 54 Y軸サーボモータ R1 ロードセル(荷重計、負荷監視手段) R2 ロードセル(荷重計、負荷監視手段) 61 光電スイッチ(先端位置検出センサー)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形部材に対して径方向から成形ロー
    ラを押し付けて相対回転させながらその円筒形部材と成
    形ローラとを軸方向に相対移動させて、前記円筒形部材
    の先端部を絞り加工する円筒形部材の絞り加工方法にお
    いて、 前記成形ローラに加わる負荷を監視し、その負荷の値が
    所定値よりも低下したときに、前記円筒形部材と成形ロ
    ーラとの軸方向の相対移動を停止させる動作を行う円筒
    形部材の絞り加工方法。
  2. 【請求項2】 円筒形部材に対して径方向から成形ロー
    ラを押し付けて相対回転させながらその円筒形部材と成
    形ローラとを軸方向に相対移動させて前記円筒形部材の
    先端部を絞る円筒形部材の絞り加工装置において、 前記成形ローラに加わる負荷を監視する負荷監視手段
    と、 前記負荷の値が所定値よりも低下したときに、前記円筒
    形部材と成形ローラとの軸方向の相対移動を停止させる
    動作を行う移動停止手段と、を有する円筒形部材の絞り
    加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された円筒形部材の絞り
    加工装置において、 前記成形ローラに加わる負荷は、荷重計によって測定さ
    れる円筒形部材の絞り加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載された円筒形部材の絞り
    加工装置において、 前記成形ローラに加わる負荷は、円筒形部材に対して径
    方向から成形ローラを押し付ける際に駆動されるモータ
    の電流値と、その成形ローラと円筒形部材とを軸方向に
    相対移動させる際に駆動されるモータの電流値によって
    測定される円筒形部材の絞り加工装置。
  5. 【請求項5】 円筒形部材に対して径方向から成形ロー
    ラを押し付けて相対回転させながらその円筒形部材と成
    形ローラとを軸方向に相対移動させて前記円筒形部材の
    先端部を絞る円筒形部材の絞り加工装置において、 前記成形ローラを支持し、その成形ローラと共に前記円
    筒形部材に対して軸方向に移動する支持部材と、 前記支持部材に取り付けられており、前記成形ローラが
    前記円筒形部材の先端近傍まで到達したときに、前記円
    筒形部材の先端を検出できる位置に位置決めされている
    先端位置検出センサーと、 前記先端位置検出センサーが円筒形部材の先端を検出し
    たときに、前記円筒形部材と成形ローラとの軸方向の相
    対移動を停止させる動作を行う移動停止手段と、を有し
    ている円筒形部材の絞り加工装置。
JP10090450A 1998-04-02 1998-04-02 円筒形部材の絞り加工方法及びその装置 Withdrawn JPH11285750A (ja)

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