JPH11285481A - Mr装置およびmrデータ収集方法 - Google Patents

Mr装置およびmrデータ収集方法

Info

Publication number
JPH11285481A
JPH11285481A JP10090367A JP9036798A JPH11285481A JP H11285481 A JPH11285481 A JP H11285481A JP 10090367 A JP10090367 A JP 10090367A JP 9036798 A JP9036798 A JP 9036798A JP H11285481 A JPH11285481 A JP H11285481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse
excitation
application
magnetic field
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10090367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4040745B2 (ja
Inventor
Hitoshi Kanazawa
仁 金沢
Hiroshi Takai
博司 高井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP09036798A priority Critical patent/JP4040745B2/ja
Publication of JPH11285481A publication Critical patent/JPH11285481A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4040745B2 publication Critical patent/JP4040745B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】撮影の高速化と静磁場の不均一性に対する高い
耐性とを維持し且つエコー信号のスピン位相情報を利用
した高速SE法の改善撮影法を提供する。 【解決手段】前置励起RFパルスpaを含むパルス列を
前置的に被検体に印加する手段と、CPMGパルス系列
に比べて、最初のRF励起パルスの送信位相のみを90
°ずらした励起RFパルスP1と複数個の反転RFパル
スP2〜とを含むパルス列を時系列に印加する手段と、
前置励起RFパルスと励起RFパルスとの間に及び複数
個の反転RFパルスP2〜のそれぞれの印加後にスポイ
ラーパルスGspoを位相エンコード方向Geに発生さ
せる手段と、複数個の反転RFパルスP2〜に応答して
発生する複数個のエコー信号E1〜を収集して位相情報
に関わるデータ処理を行う手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被検体内の原子
核スピンの磁気共鳴現象を利用した磁気共鳴(MR)装
置およびMRデータ収集方法に係り、とくに、CPMG
パルス系列を利用した高速SE法に基づく位相情報を反
映したデータ収集に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴(MR)装置は一般に、静磁場
中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の
高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生す
るMR信号から画像を再構成したりスペクトルデータを
得る装置である。
【0003】この種のMR装置に要求される最近の傾向
の1つとして、撮影の高速化がある。この高速撮影を行
うことができるパルスシーケンスには種々のものが使用
または提案されているが、その1つに、CPMGパルス
系列を利用した高速SE法がある。この高速SE法の手
法の1つとしてRARE法も知られている。
【0004】図15に、高速SE法のパルスシーケンス
の一例を示す。RFパルスとしては、励起RFパルスP
1および反転(リフォーカス)RFパルスP2〜Pn
が、それぞれスライス方向傾斜磁場Gsと共に順次印加
される。反転RFパルスP2〜Pnの印加に応答してエ
コー信号E1〜Enが得られるが、このエコー信号はそ
れぞれ読み出し方向傾斜磁場Grを印加した状態で読み
出される。また、エコー信号E1〜Enのそれぞれに
は、大きさの異なる位相エンコード方向傾斜磁場Geの
パルスPE1,PE3,P5〜が印加される。これによ
り、エコー信号は、K空間上の対応する位相エンコード
位置にマッピングされ、フーリエ変換法により実空間画
像に再構成される。なお、上述のRFパルスの送信位相
はCPMGパルス系列に従う「X,Y,Y,Y,…)に
なっている。
【0005】この高速SE法を適用した応用シーケンス
としては、文献「David c.Alsop,"Phase Insensitive P
reparation of Single-Shot RARE: Application toDiff
usion Imaging in Humans", MRM 38:527-533 (1997) 」
により、シングルショットのディフュージョン(拡散強
調)画像を撮影するパルスシーケンスが提案されてい
る。このパルスシーケンスを図16に示す。同図におい
て、P1は励起RFパルス、P2〜Pnは反転(リフォ
ーカス)RFパルス、Gsはスライス方向傾斜磁場、G
rは読み出し方向傾斜磁場、Geは位相エンコード方向
傾斜磁場をそれぞれ示す。
【0006】このパルスシーケンスでは、さらに、以下
のような特徴が付加されている。PRパルスの送信位相
は、CPMGパルス系列のものではなく、最初の励起R
FパルスP1のみ90°ずれた値に設定され、全体とし
て、「Y,Y,Y,Y,…」または「−Y,Y,Y,
Y,…」になっている。また、それらのRFパルス列の
時間的前に別のRFパルスPa、Pbがスライス選択的
に設定される。この内、2番目のRFパルスPbの時間
的前後には、拡散強調用の傾斜磁場パルス(MPG:Mo
tion Probing Gradient )Ma,Mbが所定方向の傾斜
磁場Gmpとして印加される。さらに、2番目のRFパ
ルスPbと励起RFパルスP1との間にて、位相エンコ
ード方向に一定の時間積分値の傾斜磁場パルスPEaを
加える。さらに、反転RFパルスP2以降の位相エンコ
ード方向傾斜磁場Geに対しても、上述した図16の位
相エンコード方向傾斜磁場Ge=PE1〜PE6…に上
記傾斜磁場パルスPEaと同量の時間積分値を加えた傾
斜磁場パルスGe=PE1′〜PE6′…が印加され、
エコー信号E1〜E3...が収集される。これによ
り、各エコー信号には、それぞれ異なる大きさの位相エ
ンコードが施され、上述と同様にK空間へのマッピング
を介して再構成される。
【0007】このように拡散強調イメージングにあって
は、ボクセル内のランダムな動きの水分子からの信号を
消去するMPGパルスが印加され、生体組織内の分子拡
散運動を強調した画像が得られる。MPGパルスは、分
子の微小な動きに対する感度を得るため、その強度は大
きく、印加時間も長くなっている。このため、診断対象
それ自体の僅かな動き(体動など)が大きな位相シフト
を起こし、アーチファクトの原因になる。
【0008】このアーチファクトを抑制するには、1つ
の対策として、シングルショットEPI法などのよう
に、全てのデータを1回の励起で収集してしまうという
方法がある。このように収集すると、体動に起因した位
相シフトが全てのエコーデータでほぼ同じ程度になるの
で、アーチファクトが抑制される。この方法によれば、
したがって、特別な後処理も必要なく、比較的容易にア
ーチファクトの少ない画像が得られる。しかし、データ
収集の時間が制約されるので、スライスの面内分解能が
あまり良くないという欠点があった。
【0009】これに対して、複数回の励起に分割して全
てのデータを収集するイメージングにおいて体動アーチ
ファクトを抑制するには、ナビゲータエコー法が知られ
ている(例えば、「R.J.Ordidge et al., "CORRECTION
OF MOTIONAL ARTIFACTS INDIFFUSION-WEIGHTED MR IMAG
ES USING NAVIGATION ECHOES", Magnetic Reso-nance I
maging, Vol.12, No.3, pp.455-460, 1994 」参照)。
このナビゲータエコー法は、ナビゲータエコーという位
相エンコードを印加していないエコーデータを画像再構
成用エコーデータとは別に収集し、このナビゲータエコ
ーのデータから体動に因る位相シフト量を各励起毎に求
め、その位相シフト分だけ後処理により戻す(補正す
る)という手法である。ナビゲータエコー法を使用すれ
ば、1回の励起で全データを収集する必要が無いので、
面内分解能やS/Nを自由に調整でき、また3D−FT
法による撮影も容易に行える。その反面、位相シフト量
を計測するときの誤差などに因って、体動アーチファク
トを完全には抑制できないというデメリットも併せ持っ
ている。
【0010】ところで、血流などの流れの情報をイメー
ジングするフローイメージング法としては、図17に示
すように、FE(フィールドエコー)法を利用した位相
コントラスト(Phase Contrast)法が知られている。同
図において、P11,P12は励起RFパルス、E1
1,E12はエコー信号、Gsはスライス方向傾斜磁
場、Grは読み出し方向傾斜磁場、Geは位相エンコー
ド方向傾斜磁場、および、Gfeはフローエンコード傾
斜磁場をそれぞれ示す。フローエンコード傾斜磁場Gf
e=Faを印加したパルスシーケンスで1組のエコーデ
ータが収集され、またフローエンコード傾斜磁場Gfe
=Fbを印加したパルスシーケンスでもう1組のエコー
データが収集される。各組のエコーデータが個別に再構
成され、得られた2つの複素画像IA,IB間の画素毎
の差分画像ICが演算される。この場合、エコーデータ
(生データ)の段階で複素差分が演算し、その後に再構
成してもよい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の高速SE法の場合、CPMGパルス系列のRF
パルスを採用しているため、その特性上、第2番目以降
のRFパルスの印加位相と第2番目のRFパルスを印加
する時の横磁化の位相との差の程度によって、後続のエ
コーの振幅が変化するという問題がある。このため、高
速SE法は、T1強調画像、T2強調画像など、画素値
の絶対値を利用する画像を得るには問題無く利用できる
が、位相コントラスト法による流速測定、ナビゲーショ
ンエコー法よる体動アーチファクト補正、静磁場不均一
性の測定など、画像の位相情報を利用する場合には、適
用できなかった。
【0012】このため、かかる補正、測定などを行う場
合、通常SE法、FE法、またはEPI法を利用するし
か手立てがないが、通常SE法、FE法は撮影時間が長
く、一方、EPI法は磁場不均一による形態の歪みが大
きいなどの別の問題があり、これを甘んじて受ける必要
があった。
【0013】本発明は、上述した従来の高速SE法と位
相情報を利用した応用とを取り巻く不便な状況に鑑みて
なされたもので、撮影の高速化と静磁場の不均一性に対
する高い耐性とを維持し、かつ、エコー信号からスピン
の位相情報を利用した種々の画像などの情報を得ること
ができる、改善した高速SE法によるMR撮影法を提供
することを、その目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、CPMGパル
ス系列に従うデータ収集シーケンスを改善して上記目的
を達成しようとするものである。その構成の骨子は、高
速SEシーケンスの最初の励起RFパルスの位相をCP
MGパルス系列のそれから90°だけずらし、その変形
した高速SEシーケンスの前に、前置励起RFパルスを
含むパルス列を前置的に付加し、さらに、前置励起RF
パルスと変形高速SEシーケンスの最初の励起RFパル
スとの間、および、その変形高速SEシーケンスの反転
RFパルスの間にスポイラー傾斜磁場パルスを挿入す
る、ことである。
【0015】これにより、前置励起RFパルスと変形R
AREシーケンスの最初の励起RFパルスとの間で横磁
化が受ける位相変化を反映したエコー信号を得ることが
でき、このエコー信号を適宜にデータ処理することで位
相を利用した画像データ、スペクトロスコピー、位相分
布データなどを得ることができる。
【0016】具体的な本発明の構成は以下のようであ
る。
【0017】本発明のMR装置は、時間軸上の最初に位
置する前置励起RFパルスを少なくとも含む第1のパル
ス列を前置的に被検体に印加する第1の印加手段と、送
信位相がCPMGパルス系列に従う最初のパルス送信位
相よりも90°ずらして設定された励起RFパルスと送
信位相がCPMGパルス系列に従う2番目以降のパルス
送信位相と同じに設定された複数個の反転RFパルスと
を含む第2のパルス列を前記第1のパルス列を前置的に
印加した後に前記被検体に時系列に印加する第2の印加
手段と、前記前置励起RFパルスの印加と前記励起RF
パルスの印加との間の期間内に及び前記複数個の反転R
Fパルスのそれぞれの印加後に、一定の時間積分値を有
するスポイラーパルスを所望の傾斜磁場方向に発生させ
て前記被検体に印加する第3の印加手段と、前記複数個
の反転RFパルスに応答して発生する複数個のエコー信
号を収集して位相情報に関わるデータ処理を行うデータ
処理手段と、を備えた主要構成を有することを特徴とす
る。
【0018】好適には、前記スポイラーパルスを発生さ
せる傾斜磁場方向は位相エンコード用の傾斜磁場であ
る。この場合、好適には、前記前置励起RFパルス、前
記励起RFパルス、および前記反転RFパルスとともに
スライス方向の傾斜磁場パルスを前記被検体に印加する
第4の印加手段を備える。
【0019】また、上述の主要構成において、前記第3
の印加手段は、前記前置励起RFパルスの印加と前記励
起RFパルスの印加との間の期間内と前記複数個の反転
RFパルス夫々の印加後とで互いに反対方向の極性の前
記スポイラーパルスを印加するように構成してもよい。
【0020】さらに、上述の主要構成において、前記第
3の印加手段は、前記前置励起RFパルスの印加と前記
励起RFパルスの印加との間の期間内と前記複数個の反
転RFパルス夫々の印加後とで同方向の極性の前記スポ
イラーパルスを印加するように構成してもよい。
【0021】好適な一例として、上述の主要構成に、前
記前置励起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの印
加との間の期間内に、前記被検体内の対象体の流速に応
じてエコー信号の位相を変化させるフローエンコードパ
ルスを傾斜磁場方向に印加する第5の印加手段を備えて
もよい。この場合、一例として、前記第5の印加手段は
前記フローエンコードパルスを極性反転可能な手段であ
り、前記データ処理手段は、前記フローエンコードパル
スを極性反転させた2つの極性状態それぞれの前記エコ
ー信号に応じたエコーデータを収集する収集手段と、こ
のエコーデータから前記流速を表す流速画像を生成する
生成手段とを備える構成できる。また、前記生成手段
は、前記2つの極性状態夫々の前記エコデータを各組毎
に再構成して2枚の画像データを演算し、この2枚の画
像データ間の画素毎の複素差分を演算して前記流速画像
のデータを得る手段と、前記2つの極性状態に対応した
2組の前記エコーデータ間で画素毎に複素差分を行い、
この差分エコーデータを再構成して前記流速画像を得る
手段との内のいずれか一方の手段を備えることも可能で
ある。別の例として、前記第1の印加手段は、前記第1
のパルス列として前置反転RFパルスを含み且つこの前
置反転RFパルスを前記前置励起RFパルスの印加と前
記励起RFパルスの印加との間の期間内で印加するよう
に構成し、前記第5の印加手段は、前記フローエンコー
ドパルスを前記前置反転RFパルスの時間軸上前後の位
置でそれぞれ印加するように構成できる。
【0022】上述の主要構成において、好適な例とし
て、前記第1の印加手段は、前記第1のパルス列として
前記前置励起RFパルス1個のみを含み、且つ、この前
置励起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの印加と
の間の期間を変更できる手段であり、前記データ処理手
段は、前記期間を変更して2回撮影した前記エコー信号
に応じたエコーデータを収集する収集手段と、このエコ
ーデータから前記被検体の対象部位の磁場分布を表すデ
ータを生成する生成手段とを備えることができる。例え
ば、前記生成手段は、前記2回の撮影それぞれの前記エ
コデータを各組毎に再構成して2枚の画像データを演算
し、この2枚の画像データ間の画素毎の複素差分を演算
して前記磁場分布のデータを得る手段と、前記2回の撮
影に対応した2組の前記エコーデータ間で画素毎に複素
差分を行い、この差分エコーデータを再構成して前記磁
場分布を表すデータを得る手段との内のいずれか一方の
手段を備える。
【0023】また上述の主要構成において、前記第1の
印加手段は、前記第1のパルス列として前記前置励起R
Fパルス1個と、この前置励起RFパルスを印加した後
の変更可能な期間の経過後に印加する前置反転RFパル
スとを含むように形成した手段であり、前記データ処理
手段は、前記期間を変更して複数回撮影した前記エコー
信号のエコーデータを収集する収集手段と、このエコー
データから前記被検体の対象部位の周波数スペクトルデ
ータを画素毎に生成する生成手段とを備える、ことも望
ましい。
【0024】さらに、上述の主要構成において、前記前
置励起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの印加と
の間の期間内で強度可変の傾斜磁場パルスを所望方向に
印加する第6の印加手段を備え、前記データ処理手段
は、前記所望方向の傾斜磁場パルスをその強度を変えて
複数回撮影したときの前記エコー信号に応じたエコーデ
ータを収集する収集手段と、このエコーデータからその
所望方向に関する画像データを生成する生成手段とを備
える、ことも望ましい。
【0025】さらにまた、上述の主要構成において、前
記前置励起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの印
加との間の期間において組織拡散の程度に応じて前記エ
コー信号の強度を変化させるMPGパルスを所望の傾斜
磁場方向に印加する第8の印加手段を備える、こともで
きる。この場合、前記複数個のエコー信号の内の少なく
とも1個のエコー信号に付与する位相エンコードを零と
し且つ残りのエコー信号に付与する位相エンコードをイ
メージング必要量とする位相エンコード用傾斜磁場を印
加する第9の印加手段を備え、前記データ処理手段は、
前記位相エンコードが零のエコー信号に応じたエコーデ
ータを収集して当該エコーデータが有する位相情報を演
算する手段と、この位相情報から前記被検体の体動に拠
る位相シフト量を演算する手段と、前記位相エンコード
としてイメージング必要量を与えるエコー信号に応じた
エコーデータを収集して当該エコーデータの位相を前記
位相シフト量に基づき補正する手段とを備える、ことが
できる。
【0026】一方、本発明に係るMRデータ収集方法
は、時間軸上の最初に位置する前置励起RFパルスを少
なくとも含む第1のパルス列を前置的に被検体に印加
し、この前置励起RFパルスの印加の後に一定の時間積
分値を有するスポイラーパルスを傾斜磁場方向に発生さ
せて前記被検体に印加し、送信位相がCPMGパルス系
列に従う最初のパルス送信位相よりも90°ずらして設
定された励起RFパルスと送信位相がCPMGパルス系
列に従う2番目以降のパルス送信位相と同じに設定され
た複数個の反転RFパルスとを含む第2のパルス列を前
記被検体に印加するとともに、この複数個の反転RFパ
ルスのそれぞれの印加後に前記スポイラーパルスと同一
の時間積分値を有する別のスポイラーパルスを傾斜磁場
方向に発生させて前記被検体に印加し、前記複数個の反
転RFパルスに応答して発生する複数個のエコー信号を
収集して位相情報に関わるデータ処理を行うことを特徴
とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0028】第1の実施の形態 第1の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。この
実施形態にかかるMRI(磁気共鳴イメージング)装置
の概略構成を図1に示す。
【0029】このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台
部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位
置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号
を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール
及び画像再構成を担う制御・演算部とを備えている。
【0030】静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0 を発生させる。
なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられてい
る。このシムコイル14には、後述するコントローラの
制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のため
の電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板
を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0031】傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX、Y、Z軸方向の傾
斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコ
イル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はさらに、x,
y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源
4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケン
サ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜
磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0032】傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
物理軸としての3軸であるX,Y,Z方向の傾斜磁場を
合成して、論理軸としてのスライス方向傾斜磁場Gs、
位相エンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向
(周波数エンコード方向)傾斜磁場Grの各方向を任意
に設定・変更することができる。スライス方向、位相エ
ンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場
0 に重畳される。
【0033】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7
に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。こ
の送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5
の制御のもとで、磁気共鳴(MR)現象を誘起させるた
めのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に
供給する一方、RFコイル7が受信した高周波のMR信
号を受信し、各種の信号処理を施して、対応するデジタ
ル信号を形成するようになっている。
【0034】さらに、制御・演算部は、シーケンサ5、
コントローラ6、演算ユニット10、記憶ユニット1
1、表示器12、および入力器13を備える。この内、
コントローラ6はコンピュータを有し、このコンピュー
タに記憶させたソフトウエア手順により、シーケンサ5
にスキャンシーケンス情報を指令するとともに、シーケ
ンサ5を含む装置全体の制御ブロックの動作タイミング
の同期をとりながら、それらの制御を統括する機能を有
する。
【0035】シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備
えており、コントローラ6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、受信器8Rの一連の動作を制御す
る。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルス
シーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Rお
よび受信器8Tを動作させるために必要な全ての情報で
あり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパ
ルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関す
る情報を含む。
【0036】また、演算ユニット10は、受信器8Rか
らのMR信号のデジタルデータを入力して内蔵メモリで
形成されるフーリエ空間(k空間または周波数空間とも
呼ばれる)への生データ(原データとも呼ばれる)の配
置、および、生データを実空間画像に再構成するための
2次元または3次元のフーリエ変換処理を行うようにな
っている。また、演算ユニット10は、3次元画像デー
タから2次元画像を生成するためにMIP(最大値投
影)処理なども実施できるようになっている。
【0037】記憶ユニット11は、生データおよび再構
成画像データのみならず、演算処理が施された画像デー
タなどを保管することができる。表示器12は画像を表
示する。また、術者は入力器13を介して所望のスキャ
ン条件、スキャンシーケンス、画像処理法などの必要情
報をコントローラ6に入力できるようになっている。
【0038】次に、この実施形態の動作を、本発明のイ
メージング原理と共に説明する。
【0039】本実施形態では、本発明に係る改善した高
速SE法を位相コントラスト(Phase Contrast)法に適
用してフローイメージングを行う。このイメージングで
は、スキャンは2回実施される。
【0040】この2回のスキャンに使用するパルスシー
ケンスを図2に示す。同図は、2回のスキャンのパルス
シーケンスを同一図面上で同時に表している。後述する
ように、2回のパルスシーケンスの違いはフローエンコ
ード用傾斜磁場Gfeのパルス波形の極性にある。
【0041】1回目のスキャンAを説明する。1回目の
スキャンAのパルスシーケンスは、図2、3に示す如
く、CPMGパルス系列を利用したデータ収集パルス列
PTacqと、このデータ収集パルス列PTacqの実
行前に印加するプリパルス列PTpreとを含む。
【0042】プリパルス列PTpreは、最初に印加す
る前置励起RFパルスPaと、この前置励起RFパルス
Paと並行して印加するスライス方向傾斜磁場パルスG
sと、この両パルスPaおよびGsを印加した後のデー
タ収集パルス列PTacqを印加までの期間で印加する
フローエンコードパルス用傾斜磁場パルスGfe=Fa
とを含む。前置励起パルスPaは、例えば所望のRF周
波数の信号をSINC関数で変調した90°パルスとし
て形成される。フローエンコード用傾斜磁場パルスGf
e=Faは、最初に負方向に立ち下がる矩形パルスと、
その後で正方向に極性反転する矩形パルスとから成る。
このフローエンコード用傾斜磁場の印加方向は、描出し
たい方向に応じて任意に設定できる。例えば、スライス
方向、読み出し方向、および位相エンコード方向のいず
れかであってもよいし、その内の複数の方向に同時に印
加してもよい。また、それらの3方向を個別に印加し、
3つの画像を加算することで任意方向を画像化する場合
であってもよい。
【0043】データ収集パルス列PTacqは、1個目
のRFパルスである励起RFパルス(90°RFパル
ス)P1と、この励起RFパルスP1と並行して印加す
るスライス方向傾斜磁場パルスGsとを含む。このスラ
イス方向傾斜磁場パルスGsにおいて、先に印加する負
極性の矩形波P1aは、パルスPa〜P1間で印加され
るスライス方向の傾斜磁場の時間積分値を零にするため
のリワインドパルスであり、その後の正極性側に反転し
たスライス選択用矩形波P1bを経て、再び負極性に反
転する矩形波P1cは、パルスP1〜P2間で印加され
るスライス方向の傾斜磁場の時間積分値を零にするため
のリワインドパルスである。
【0044】このパルス列PTacqはさらに、その後
に印加する、リフォーカスおよびエコーデータ収集用の
パルス群を含む。このパルス群としては、一定間隔で印
加されるリフォーカス用の反転RFパルス(180°R
Fパルス)P2〜P5…と、この反転RFパルスのそれ
ぞれと並行して印加するスライス方向傾斜磁場パルスG
sとを含む。さらに、このパルス群は、複数の反転RF
パルスのそれぞれに応答して発生するエコー信号E1〜
E3…を個別に収集するための読み出し方向傾斜磁場パ
ルスGrと、この読み出しに際して各エコー信号に互い
に異なる強度の位相エンコードを付加する位相エンコー
ド方向傾斜磁場パルスGeとを含む。
【0045】データ収集パルス列PTacqにRFパル
スとして用意されている励起RFパルスP1および反転
RFパルスP2〜P5…は、その印加位相が「Y,Y,
Y,Y,…」または「−Y,Y,Y,Y,…」に設定さ
れている。つまり、CPMGパルス系列の送信印加位相
「X,Y,Y,Y,…」を踏襲しつつも、最初の励起R
FパルスP1の送信印加位相を90°ずらして設定され
ている。
【0046】また、このデータ収集パルス列PTacq
において、位相エンコード方向傾斜磁場パルスGeは、
図2に示す如く、エコー信号E1〜E3…に異なるエン
コード量を与える位相エンコードパルスGencと、所
定方向に一定の時間積分値を有するディフェーズ用のス
ポイラーパルスGspoとを合成して設定されている。
この例では、スポイラーパルスGspoは、図2におい
て負方向に立ち下がる、強度Gαを一定時間積分した値
を有する矩形パルスとして設定されている。
【0047】位相エンコードパルスGencおよびスポ
イラーパルスGspoは共に、図示の如く、エコー信号
収集後に印加する逆極性のリワインディングパルスを伴
っている。
【0048】スライス方向傾斜磁場GsおよびRFパル
スの周波数は、被検体の所望位置のスライスを選択でき
るようにその強度および値が設定されている。
【0049】なお、スポイラーパルスGspoの最初の
パルスSPO1はデータ収集パルス列PTacqの一部
として説明したが、この最初のパルスSPO1は前置励
起RFパルスPaの印加後であって励起RFパルスP1
の印加前の期間内にいずれかのタイミングで印加すれば
よい。
【0050】一方、2回目のスキャンBのパルスシーケ
ンスは、図2、3に示す如く、全体としては1回目のス
キャンAと同様であるが、プリパルス列PTpreの中
で印加するフローエンコードパルス用傾斜磁場パルスG
feの極性が1回目と反対になっている。つまり、この
フローエンコード用傾斜磁場パルスGfe=Fbは、最
初に正方向の矩形波として立ち下がり、その後に負方向
に極性反転する矩形波が続くようになっている。その他
のパルス波形、パルス印加タイミングは1回目と同じに
設定してある。
【0051】シーケンサ5は、コントローラ6から1回
目のスキャンA開始の指令を受けると、図2に示すスキ
ャンA用のパルスシーケンスを実行する。最初に、傾斜
磁場電源4および送信器8Tを駆動して、プリパルス列
PTpreにおける前置励起RFパルスPaがスライス
方向傾斜磁場Gsと共にスライス選択的に印加される。
これにより、原子核スピンは90°フリップしてX′−
Y′面(回転座標)まで倒れる。この後、フローエンコ
ードパルスFaが印加される。このフローエンコードパ
ルスFaの最初の矩形パルスによる傾斜磁場がスピンに
位相ずれを与える。そして、2つ目の極性反転した矩形
パルスによる傾斜磁場がスピンの位相を元に戻すように
働く。この2つの矩形パルスの印加の間にスピンの位置
が変化していない場合、フローエンコードパルスFa印
加後の位相は変わらないが、スピンが動いていた場合、
その位相は変化する。つまり、後続のデータ収集パルス
列PTacqが印加される直前に、スピンにその動きに
応じた横磁化の位相情報が与えられる。
【0052】この後、シーケンサ5によって、データ収
集パルス列PTacqの実行が順次指令される。この実
行により、反転RFパルスP2〜を印加する度にエコー
信号E1〜が生成される。このとき、位相エンコード方
向にスポイラーパルスGspoを印加しているので、励
起RFパルスP1で初めて励起されるエコー成分を十分
に抑制しつつ、前置励起RFパルスPaで励起されたエ
コー成分を収集することができる。エコー信号E1〜は
位相エンコード方向傾斜磁場Geにより所要の位相エン
コード量が与えられ、かつ、読み出し方向傾斜磁場Gr
と共に読み出される。1回目のスキャンAのエコー信号
E1〜がRFコイル7を介して時系列に受信され、受信
器8Tに送られる。
【0053】受信器8Rにおいて、エコー信号は、増
幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅などの所定の
処理に付された後、A/D変換処理されてデジタル量の
エコーデータに変換される。このエコーデータは演算ユ
ニット10に送られ、2次元のk空間に対応したメモリ
領域に位相エンコード量に対応して配置される。演算ユ
ニット10は、例えばk空間へのエコーデータの配置が
完了した時点で、コントローラ6からの指令の元に、そ
の1組のエコーデータに2次元フーリエ変換を施し、実
空間画像に再構成する。このようにして生成された、1
回目のスキャンAに係る所望スライスの第1の画像Ia
のデータは演算ユニット10の内蔵メモリまたは記憶ユ
ニット11に一時保管される。
【0054】この後、上述と同様にして、シーケンサ5
は2回目のスキャンBを実行する。このときには、プリ
パルス列PTpreの中で印加されるフローエンコード
パルスFbの極性が1回目スキャン時のときとは反対の
順に制御される。このため、横磁化に倒れたスピンの位
相情報も逆極性となる。この2回のスキャンBによっ
て、1回目スキャン時と同様に、もう1組のエコーデー
タが得られ、第2の画像Ibが生成される。
【0055】このようにして2回のスキャンA,Bおよ
びそのデータ収集、再構成が完了すると、コントローラ
6は、演算ユニット10に第1、第2の画像Ia,Ib
の2組のデータに対する複素差分を指令する(図3のフ
ロー説明部分を参照)。これに応答して演算ユニット1
0は、2組のデータの間で対応画素毎の複素差分を演算
し、最終画像Icの1組のデータを生成する。このデー
タは必要に応じて記憶ユニット11に格納されるととも
に表示器12で画像Icとして表示される。位相分布
は、最終画像Icの実数部、虚数部の画像データからt
an−1を演算することで計算でき、血流等の流速が求
められる。
【0056】なお、上述の複素差分の処理は、2組のエ
コーデータが生データの段階で、相互に差分演算して1
組の差分データを生成し、これを再構成して最終画像I
cを得るようにしてもよい。
【0057】以上によって、各エコー信号E1〜は、フ
ローエンコード傾斜磁場Gfe(=Fa,Fb)の印加
に伴って、前置励起RFパルスPaの印加からCPMG
パルス系列の最初の励起RFパルスP1の印加までの期
間に、スピンの横磁化が受ける位相変化を、位相成分と
して確実に反映されたエコー信号となる。つまり、2回
のスキャンA,Bによって得られる第1、第2の画像I
a,Ibは、その位相変化を反映した画像である。そこ
で、この第1、第2の画像Ia,Ibの複素差分をとる
ことで、かかる位相変化のみを抽出した画像を得ること
ができる。
【0058】これにより、CPMGパルス系列を踏襲し
た高速SE法であっても、血流速などを測定できる高画
質の位相コントラスト像(フロー像)を得ることができ
る。したがって、位相コントラスト像を撮影するとき
に、従来のように通常SE法やFE法を使用する必要が
なく、撮影時間を短縮できる。また、従来のようにEP
I法を使用する必要も無くなるから、静磁場の不均一性
の影響を受けにくく、形態歪みを抑制でき、またサセス
タビリティに強いという利点も得られる。
【0059】なお、本発明に係るスポイラーパルスGs
poは、図2に記載のものに限定されることなく、図4
に表すように印加してもよい。つまり、図2の場合に
は、CPMGパルス系列の2番目以降のRFパルス、す
なわち最初の反転RFパルスP2以降のRFパルス間に
印加するスポイラーパルスSPO2〜は、最初のスポイ
ラーパルスSPO1と同方向(同極性)で、しかも同量
の時間積分値を持つが、図4の場合には、そのスポイラ
ーパルスSPO2〜は、最初のスポイラーパルスSPO
1と反対方向(反対極性)で、しかも同量の時間積分値
を持つように設定してある。この図4記載のスポイラー
パルスの印加法によっても、図2のものとは別のエコー
成分を同様に画像化でき、同様に流速情報を得ることが
できる。
【0060】第2の実施形態 本発明の第2の実施形態を図5に基づき説明する。これ
以降の実施形態において、上述した第1の実施形態の構
成要素と同一または同等の要素には同一符号を用いて、
その説明を省略または簡略化する。
【0061】この第2の実施形態では、第1の実施形態
で説明したパルスシーケンスを変形して実行し、位相コ
ントラスト法に拠るフローイメージングを行うことを特
徴とする。
【0062】この実施形態のMRI装置のハード的構成
は、第1の実施形態のものと同一である。シーケンサ5
は、図5に示すパルスシーケンスを2回のスキャンで実
行するようになっている。演算ユニット10は、前述し
た図3の処理と同様に、2回のスキャンで得た2組のエ
コーデータの再構成およびその2枚の画像データ間での
複素差分演算を行うようになっている。
【0063】図5に示す如く、このプリパルス列PTp
reでは、第1の実施形態のものに比較し、RFパルス
が1個追加されている。つまり、最初の前置励起RFパ
ルスPaの印加から所定時間T/2が経過した後で反転
(リフォーカス)RFパルスPbが印加されるようにな
っている。ここで時間Tは、最初の前置励起RFパルス
Paの印加からデータ収集パルス列PTacqの最初の
励起RFパルスP1の印加までの時間である。このよう
に、前置励起RFパルスPaから前置反転RFパルスP
bまでの時間幅T/2と、前置反転RFパルスPbから
最初の励起RFパルスP1までの時間幅T/2とを等し
く設定することができ、そのように設定することは、画
像の位相成分が静磁場の不均一度の大小に影響されず、
変化しないという有利さがある。
【0064】前置反転RFパルスPbは例えば180°
RFパルスで形成され、かつ、スライス方向傾斜磁場パ
ルスGsと共に印加される。
【0065】このプリパルス列PTpreでは、さら
に、前置反転RFパルスPbの時間軸上の前後に、印加
時間が比較的長く、高強度で、かつ等量の矩形状のフロ
ーエンコード用傾斜磁場GfeのパルスFc(又はF
d)がそれぞれ印加される。1回目のスキャンAのとき
は、2つの矩形状のフローエンコードパルスFc(図5
中の実線参照)はいずれか一方の極性(例えば正極性)
に印加され、反対に、2回目のスキャンBのときは、2
つの矩形状のフローエンコードパルスFd(図5中の点
線参照)はその逆極性(例えば負極性)に印加される。
このフローエンコードパルスパルスFcまたはFdによ
り位相分散が強調される。
【0066】データ収集パルス列PTacqは、第1の
実施形態のものと同一に設定されている。
【0067】本実施形態では、シーケンサ5の指令の元
に、フローエンコード用傾斜磁場Gfeの極性(方向)
を変えて、このパルスシーケンスに基づくスキャンA、
Bが2回行われてエコーデータがそれぞれ収集される。
この2組のエコーデータは、演算ユニット10によっ
て、第1の実施形態のときと同様に再構成、複素差分演
算、位相演算などを処理に付される。このため、位相コ
ントラスト法による流速画像が得られる。
【0068】この実施形態によっても、第1の実施形態
と同等の作用効果が得られる。とくに、前置反転RFパ
ルスPbを追加したので、静磁場不均一性が大きい場合
でも、ピクセル内の位相分散に因るエコー信号の低下を
抑制したデータを収集でき、S/Nを向上させることが
できる。
【0069】第3の実施形態 本発明の第3の実施形態を図6に基づき説明する。この
実施形態に係るMRI装置は、本発明を磁場分布測定に
適用したことを特徴とする。
【0070】このMRI装置では、シーケンサ5は図6
に示すスキャンA,Bに対応した2通りのパルスシーケ
ンスを実行する。この2組のパルスシーケンスは共に、
前述したと同一または同様のデータ収集パルス列PTa
cqを基礎とし、その実行までの時間幅の互いに異なる
プリパルス列PTpreを印加するように設定したもの
である。
【0071】この内、スキャンAのパルスシーケンスに
おけるプリパルス列PTpreは、スライス方向傾斜磁
場Gs(その強度はデータ収集パルス列PTacqのも
のと同じ)と共に印加する前置励起RFパルスPaを含
む。この前置励起RFパルスPaの印加からデータ収集
パルス列PTacqの最初の励起RFパルスP1の印加
までの時間幅は所定時間Taに設定されている。これに
対し、スキャンBのそれにおけるプリパルス列PTpr
eでは、上述の時間幅が所定時間Tb(<Ta)に設定
されている。つまり、スキャンAにおける時間幅Taに
対して、スキャンBのそれは時間dTだけ短縮されてい
る。
【0072】このように前置励起RFパルスPaから最
初の励起RFパルスP1までの時間幅(エコータイム)
を違えてスキャンA,Bをそれぞれ実行すると、収集さ
れる各組のエコーデータには時間幅Ta(またはTb)
に相当する時間幅と各空間位置の静磁場不均一性に比例
した位相変化が反映される。
【0073】そこで、演算ユニット10は、各組の収集
エコーデータを個別に再構成し、互いの再構成データの
複素差分を画素毎に演算する。この差分画像の位相演算
により、磁場分布を測定できる。例えば、上述の例で言
えば、時間幅の差=Ta−Tb=4.8msに設定した
場合、静磁場強度1.5Tにおいて、3.2ppmの磁
場不均一性がある位置の位相差は360°になる。この
ように位相差を介して撮影対象の磁場分布が測定され
る。
【0074】第4の実施形態 本発明の第4の実施形態を図7に基づき説明する。この
実施形態に係るMRI装置は、本発明を磁場分布スペク
トルに適用したものである。
【0075】このMRI装置では、シーケンサ5は、図
7に示すスキャンN1〜Nnまでの複数n回に個別に対
応した複数n組のパルスシーケンスを実行する。この複
数n組のパルスシーケンスも共に、第3の実施形態と同
様のデータ収集パルス列PTacqを基礎とし、その実
行までの時間幅の互いに異なるプリパルス列PTpre
を印加することを特徴とする。
【0076】例えば、図7に示す如く、前置励起RFパ
ルスPaの印加からデータ収集パルス列PTacqの最
初の励起RFパルスP1の印加までの時間幅Tiは、1
回目のスキャンN1では所定値に、m回目のスキャンN
mでは所定値よりもdT′だけ短縮され、n回目のスキ
ャンNnでは所定値よりもdT”だけ短縮されるといっ
た具合である。
【0077】このn通りのパルスシーケンスによってそ
れぞれ収集される各組のエコーデータは、時間幅Tiと
空間各位置の静磁場不均一度に比例した位相変化を起こ
している。そこで、演算ユニット10は、各組のエコー
データを2次元フーリエ変換(2DFT)して実時間の
画像In1〜Innに再構成する。次いで、演算ユニッ
ト10は、その複数枚の画像In1〜Innの同一ピク
セル位置の画素データをそれぞれ一連のデータと見做し
て1次元のフーリエ変換を行うことで、各ピクセルの周
波数スペクトルを演算する。この演算を全部のピクセル
に対して行い、各ピクセルの周波数スペクトル分布情報
を有する1枚の画像Ispecをつくる。これにより、
撮影対象の磁場分布スペクトルの測定ができる。
【0078】通常SE法(1回の励起により1個のスピ
ンエコーを得る方法)に基づく従来のスペクトロスコピ
ーは、1エコーを収集する度に縦磁化の回復を待つ必要
があるため、数百ミリ秒から数秒の間、次の収集を控え
ねばならなかった。したがって、画像再構成に必要な全
データを収集するには、数十分程度の非常に長い時間が
掛かっていた。しかし、このMRI装置を用いてスペク
トロスコピーを行う場合、1回の繰り返し時間TRで数
十から数百個のエコー信号を収集することができるの
で、撮影時間の大幅な短縮、画像の空間分解能向上、ま
たは、周波数スペクトルの分解能向上を期することがで
きる。
【0079】第5の実施形態 さらに、第5の実施形態を図8、9に基づき説明する。
この実施形態のMRI装置は、本発明に係るデータ収集
法をSE(スピンエコー)タイプの3次元撮影に応用し
たイメージングを実施できる。
【0080】図8に、コントローラ6の制御下でシーケ
ンサ5により実行される3次元撮影のパルスシーケンス
を示す。
【0081】このパルスシーケンスもプリパルス列PT
preおよびデータ収集パルス列PTacqから成る。
プリパルス列PTpreは、図示の如く、前置励起RF
パルスPaおよび反転励起RFパルスPbを含み、共に
スライス方向傾斜磁場Gsのパルスと共にスライス選択
的に印加される。前置励起RFパルスPaおよび前置反
転RFパルスPbを印加する間の期間に、スライス方向
の位相エンコード(スライスエンコード)パルスGsl
が印加される。スライスエンコードパルスGslの強度
(波形面積)は、このパルスシーケンスの繰り返し毎
に、徐々に変化させて、所望の撮影ボリューム領域のス
ライス方向の位置情報を与えるようになっている。
【0082】データ収集パルス列PTacqは、前述し
た各実施形態のものと同一または同等である。
【0083】シーケンサ5により、スライスエンコード
パルスGslの強度を変えながら、上述のパルスシーケ
ンスが複数回実行される。これにより、各回で1組のエ
コーデータが収集される。図9に示す如く、この各組の
エコーデータは演算ユニット10により2次元フーリエ
変換されて複数n枚の画像Ix1〜Ixnに再構成され
る。演算ユニット10はさらに、この複数n枚の画像の
互いに対応する同一位置の画素データをそれぞれ一連の
データと見做して1次元のフーリエ変換を行う。この変
換により、各画素位置のスライス方向の信号分布が求め
られて、3次元の画像Ixのデータに再構成される。
【0084】このように、SE(スピンエコー)タイプ
のプリパルス列PTpreにおいて、位相情報を与える
パルスとしてスライスエンコードを用いることにより、
3次元撮影も好適に行うことができる。
【0085】第6の実施形態 第6の実施形態を図10に基づき説明する。この実施形
態のMRI装置も、本発明に係るデータ収集法をFE
(フィールドエコー)タイプの3次元撮影に応用したイ
メージングを実施する。ここで用いる「FEタイプ」と
は、FE法に拠る画像のように、静磁場の不均一に応じ
て位相成分が変化する」、ことを意味している。なお、
前述したように、前置励起RFパルスPaの印加から前
置反転RFパルスPbの印加までの時間と、前置反転R
FパルスPbの印加から最初の励起RFパルスP1の印
加までの時間とが等しい場合、SE法の画像のように、
静磁場の不均一によっては位相成分が変化しないので、
「SEタイプ」として対比できる。
【0086】図10に、コントローラ6の制御下でシー
ケンサ5により実行される3次元撮影のパルスシーケン
スを示す。
【0087】このパルスシーケンスもプリパルス列PT
preおよびデータ収集パルス列PTacqから成る。
プリパルス列PTpreは、図示の如く、前置励起RF
パルスPaのみを含み、スライス方向傾斜磁場Gsのパ
ルスと共にスライス選択的に印加される。前置励起RF
パルスPaが印加された後に、スライス方向の位相エン
コード(スライスエンコード)パルスGslが第5の実
施形態のときと同様に印加される。データ収集パルス列
PTacqは、前述した各実施形態のものと同一または
同等である。
【0088】このパルスシーケンスを実行して収集され
たエコーデータは、前述した図9と同様に処理される。
これにより、SEタイプのときと同様に、プリパルス列
PTpreが「FEタイプ」である3次元撮影が好適に
実施できる。
【0089】なお、本発明に係る、CPMGパルス系列
を基礎とする改善した高速SE法は、プリパルス列の段
階で画像の位相成分に何等かの情報を反映させることを
要旨としているが、この実施の態様としては上述した実
施形態のものに限定れない。例えば、温度計測、エラス
トグラフィーなども、この手法で実施できる。
【0090】また、演算ユニット10によって行われる
データ収集後の処理において、複素差分を演算する必要
がある場合、各組のエコーデータ同士を最初に複素差分
し、その後に、差分結果に係るエコーデータを再構成処
理するようにしてもよい。
【0091】さらに、前述した実施形態において連続撮
影を行う場合、スキャンA,Bを交互に且つ連続して行
い、時間的に隣接した2組ずつの画像データの複素差分
演算を行って、連続的に処理画像を表示することもでき
る。
【0092】第7の実施形態 第7の実施形態を図11、12を参照して説明する。
【0093】この実施形態のMRI装置は、本発明の改
善した高速SE法を2D拡散強調イメージング(2D−
DWI)で適用し、これにナビゲーターエコー法を組み
込んだイメージング法を実施することを特徴とする。
【0094】図11には、シーケンサ5によって指令さ
れる2次元拡散強調イメージングのパルスシーケンスを
示す。このパルスシーケンスは、プリパルス列PTpr
eおよびデータ収集パルス列PTacqから成る。プリ
パルス列PTpreでは、前置励起RFパルスPaと前
置反転RFパルスPbとがこの順に一定間隔を置いてス
ライス方向傾斜磁場Gsと共に印加される。前置反転R
FパルスPbの時間軸上の前後において、水分子のスピ
ンの位相分散を強調するMPG(Motion Pro-bing Grad
ient)用傾斜磁場Ggmpとして矩形状のパルスMPG
1、MPG2が任意の1つまたは複数の傾斜磁場印加方
向に夫々印加されている。このパルスMPG1、MPG
2は共に同極性で同一の波形面積を有し、しかも、比較
的に高い強度、長い印加時間に設定されている。
【0095】一方、データ収集パルス列PTacqは、
ナビゲーターエコーEnavの収集を除いて前述した実
施形態のものと同一である。ナビゲーターエコーEna
vはここでは第1エコー信号E1を当てており、この第
1エコー信号E1=ナビゲーターエコーEnavを収集
するときは、図に示す如く、位相エンコード方向傾斜磁
場Geの位相エンコードパルスGenc=0に設定され
(このときスポイラーパルスSPO2とそのリワインデ
ィングパルスSPO2′のみが印加される。図11参
照)、読み出し方向傾斜磁場GrのパルスGrnavの
みが印加される。なお、ナビゲーターエコーEnavを
何番目のエコー信号にとるかは任意に設定できる。
【0096】図11に示すパルスシーケンスを実行する
と、その繰り返し時間TRに基づくショット(励起)毎
に、第1エコー信号E1はナビゲーターエコーEnav
としてRFコイル7および受信器8Rにより収集され、
ナビゲーション・エコーデータSnavi(Kx,nS
hot)に加工される。このナビゲーション・エコーデ
ータは演算ユニット10に送られ、その内部メモリに記
憶される。
【0097】また、そのショット毎に第2エコー信号E
2以降のエコー信号も同様に収集され、イメージング・
エコーデータSim(Kx,nShot)に加工され
る。このイメージング・エコーデータは演算ユニット1
0に送られ、その内部メモリで仮想的に形成される2次
元フーリエ空間Kに2次元イメージング・エコーデータ
Sim(Kx,Ky)として配置される。
【0098】演算ユニット10はナビゲーション・エコ
ーデータおよびイメージング・エコーデータを入力する
と、ナビゲーターエコー法の処理を行う。すなわちナビ
ゲーション・エコーデータSnavi(Kx,nSho
t)から体動に拠る位相シフトを演算(計測)し、その
演算値でイメージング・エコーデータSim(Kx,K
y)の位相を補正する。
【0099】図12には、この位相補正処理の概要を示
す。ナビゲーション・エコーデータSnavi(Kx,
nShot)はまず、拡大処理に付されてK空間全体に
拡大されたナビゲーション・エコーデータSnavi
(Kx,Ky)に展開される(ステップS101)。具
体的には、K空間の読み出し方向Kyの対応するイメー
ジングデータと同じショットで収集したナビゲーション
・エコーデータSnavi(Kx,nShot)でK空
間を埋めることにより拡大される。
【0100】拡大されたナビゲーション・エコーデータ
Snavi(Kx,Ky)は、K空間内での位相補正
(ステップS102)、ウインドウ処理(ステップS1
03)に付された後、Kx方向を実空間の読み出し方向
X方向に戻す1次元フーリエ変換(1DFT)が行われ
る(ステップS104)。この後、位相差分が演算され
て、1回フーリエ変換されたK空間のナビゲーション・
エコーデータSnavi(X,Ky)が求められる(ス
テップS105)。さらに、これから体動を表す位相デ
ータφnavi(X,Ky)が演算される(ステップS
106)。
【0101】一方、2次元のイメージング・エコーデー
タSim(Kx,Ky)は、演算ユニット10におい
て、DCオフセット補正などの所望の補正処理に付され
た後(ステップS107)、Kx方向を実時間軸X方向
に戻す1次元フーリエ変換(1DFT)が実行されてエ
コーデータSim(X,Ky)に加工される(ステップ
S108)。
【0102】このイメージング・エコーデータSim
(X,Ky)に対して、前述したように求めていた位相
データφnavi(X,Ky)によりショット毎の位相
補正がなされる(ステップS109)。この位相補正に
よって得られるイメージング・エコーデータScorim
(X,Ky)は、さらに、K空間の位相エンコード方向
Kyを実時間の位相エンコードY方向に戻す1次元フー
リエ変換に付される(ステップS110)。これによ
り、ナビゲーターエコーに基づき体動補正された実空間
の2次元像Vcorim(X,Y)が得られる。
【0103】したがって、本実施形態の2D拡散強調イ
メージングによれば、前置励起RFパルスPaとCPM
Gパルス系列の最初の励起RFパルスP1との間で生じ
る位相変化を、位相成分として反映させた高速SEの画
像が得られる。つまり、MPGパルスが生じさせる位相
シフトを位相情報としてその画像に取り込むことができ
る。また、イメージング用のデータは同じショットで収
集したナビゲーション・エコーデータから求めた位相量
だけ元に戻されるから、体動に起因したアーチファクト
を補正することができる。とくに、2次元の各ピクセル
毎に位相変化を測定できるので、位相シフト量を計測す
るときの誤差が従来のナビゲーターエコー法よりも少な
く、体動に因る位相シフトをより高精度に補正できる。
また、高速SE法を使用するので、シングルショットE
PI法を使用する従来法に比べて、データ収集時間の制
約が少ないので、面内分解能が良いという利点がある。
【0104】第8の実施形態 第8の実施形態を図13、14を参照して説明する。
【0105】この実施形態のMRI装置は、本発明の改
善した高速SE法を3D拡散強調イメージング(2D−
DWI)で適用し、これにナビゲーターエコー法を組み
込んだイメージング法を実施することを特徴とする。こ
の3次元法は、第7の実施形態の2次元法を3次元に展
開したことを基本とする。
【0106】図13には、シーケンサ5によって指令さ
れる3次元拡散強調イメージングのパルスシーケンスを
示す。このパルスシーケンスは、プリパルス列PTpr
eおよびデータ収集パルス列PTacqから成る。プリ
パルス列PTpreは第7の実施形態のもの同一であ
る。
【0107】データ収集パルス列PTacqには、その
スライス方向傾斜磁場Gsとしてスライスエンコード用
パルスSLl,SL2,…が、そのリワインディングパ
ルスSLl′,SL2′,…と共に図示の如く付加され
ている。また、ナビゲータエコーEnavは、ここでは
第1エコー信号E1を当てているが、これはどのエコー
信号をナビゲータ用に使用してもよい。そのほかのパル
ス形態は第7の実施形態のものと同様である。
【0108】演算ユニット10は図14に示す手順概要
に沿って、3次元のナビゲーターエコー法による位相補
正を実施する。この処理も、前述した2次元のものを3
次元に拡張したもので、ナビゲーション・エコーデータ
およびイメージング・エコーデータ共に3次元のものを
扱うことと、最終のフーリエ変換処理が2次元になって
いる(ステップS110′)ことが異なるだけである。
この一連の処理により、3次元の拡散強調像Vcorim
(X,Y,Z)が得られる。
【0109】この結果、2次元の場合と同様に、イメー
ジング・エコーデータは同じショット(RF励起)で収
集したナビゲーション・エコーデータから求めた位相量
分だけ、元の位相に戻され、体動の影響が的確にキャン
セルされる。これにより、前述の2次元DWIのときと
同等の効果を得る。
【0110】なお、この実施形態では、あるスライスエ
ンコード量印加したときに全ての位相エンコードに対す
るエコーデータを収集し、その後で、次のスライスエン
コード量の印加に対するデータ収集に進むという手順で
撮影を行っているが、スライスエンコードと位相エンコ
ードはどのような順番で掛けてもよく、全体として3次
元でエコーデータを収集できればよい。
【0111】また、本発明は、代表的に例示した上述の
実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれ
ば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更することがで
き、それらも本発明の権利範囲に属するものである。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るMR
装置およびMRデータ収集方法によれば、高速SEシー
ケンスの最初の励起RFパルスの位相をCPMGパルス
系列のそれから90°だけずらし、その変形した高速S
Eシーケンスの前に、前置励起RFパルスを含むパルス
列を前置的に付加し、さらに、前置励起RFパルスと変
形高速SEシーケンスの最初の励起RFパルスとの間、
および、その変形高速SEシーケンス反転RFパルスの
間にスポイラー傾斜磁場パルスを挿入する、ことをパル
スシーケンスの骨子として、さらにデータ処理で、エコ
ー信号に含まれる位相成分を適宜に処理することから、
前置励起RFパルスとデータ収集パルス列の最初の励起
RFパルスとの間で生じる位相変化の影響を受けた位相
成分を持つ高速SE法の画像データが得られる。
【0113】したがって、撮影の高速化と静磁場の不均
一性に対する高い耐性とを維持し、かつ、エコー信号か
らスピンの位相情報を利用した種々の画像などの情報を
得ることができる。つまり、これまで高速SE法では不
可能又は実用性に乏しかった各種のイメージング、測
定、例えば位相コントラスト法による流速画像、ナビゲ
ーターエコー法による体動アーチファクトの補正、エコ
ータイムの異なる2画像の位相差を利用した磁場分布測
定やスペクトロスコピーなどを好適に実施できるように
なる。
【0114】したがって、この改善した高速SE法のM
R撮影によって、MR診断における高速SE法の適用分
野を大幅に広げ、利用者に各種の撮像法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の一例を示
すブロック図。
【図2】第1の実施形態で実施する位相コントラスト法
に拠るフローイメージングの1回目、2回目のスキャン
をまとめて示すパルスシーケンスの図。
【図3】第1の実施形態における処理の全体の概要を示
す説明図。
【図4】第1の実施形態の変形例に係る位相コントラス
ト法の1回目、2回目のスキャンをまとめて示すパルス
シーケンスの図。
【図5】第2の実施形態で実施する位相コントラスト法
に拠るフローイメージングの1回目、2回目のスキャン
をまとめて示すパルスシーケンスの図。
【図6】第3の実施形態で実施する磁場分布測定のパル
スシーケンスを、全体の処理の概要と共に説明する図。
【図7】第4の実施形態で実施するスペクトロスコピー
のパルスシーケンスを、全体の処理の概要と共に説明す
る図。
【図8】本発明の第5の実施形態で実施するSEタイプ
の3次元撮影法のパルスシーケンスを示す図。
【図9】第6の実施形態における処理の全体の概要を示
す説明図。
【図10】本発明の第6の実施形態で実施するFEタイ
プの3次元撮影法のパルスシーケンスを示す図。
【図11】本発明の第7の実施形態で実施する2次元拡
散強調撮影法のパルスシーケンスおよび模式的なエコー
データを示す図。
【図12】2次元拡散強調撮影の場合のナビゲーターエ
コー法に基づく位相補正処理の概要を説明するフローチ
ャート。
【図13】本発明の第8の実施形態で実施する3次元拡
散強調撮影法のパルスシーケンスおよび模式的なエコー
データを示す図。
【図14】3次元拡散強調撮影の場合のナビゲーターエ
コー法に基づく位相補正処理の概要を説明するフローチ
ャート。
【図15】従来の高速SE法に係るパルスシーケンスの
一例を示す図。
【図16】従来の高速SE法を応用したシングルショッ
トのディフュージョン画像用のパルスシーケンスの一例
を示す図。
【図17】FE法を利用した位相コントラスト法による
フローイメージングのパルスシーケンスを示す図。
【符号の説明】
1 磁石 2 静磁場電源 3 傾斜磁場コイルユニット 4 傾斜磁場電源 5 シーケンサ 6 コントローラ 7 RFコイル 8T 送信器 8R 受信器 10 演算ユニット 11 記憶ユニット

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間軸上の最初に位置する前置励起RF
    パルスを少なくとも含む第1のパルス列を前置的に被検
    体に印加する第1の印加手段と、 送信位相がCPMGパルス系列に従う最初のパルス送信
    位相よりも90°ずらして設定された励起RFパルスと
    送信位相がCPMGパルス系列に従う2番目以降のパル
    ス送信位相と同じに設定された複数個の反転RFパルス
    とを含む第2のパルス列を前記第1のパルス列を前置的
    に印加した後に前記被検体に時系列に印加する第2の印
    加手段と、 前記前置励起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの
    印加との間の期間内に及び前記複数個の反転RFパルス
    のそれぞれの印加後に、一定の時間積分値を有するスポ
    イラーパルスを所望の傾斜磁場方向に発生させて前記被
    検体に印加する第3の印加手段と、 前記複数個の反転RFパルスに応答して発生する複数個
    のエコー信号を収集して位相情報に関わるデータ処理を
    行うデータ処理手段と、を備えたことを特徴とするMR
    (磁気共鳴)装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明において、 前記スポイラーパルスを発生させる傾斜磁場方向は位相
    エンコード用の傾斜磁場であるMR装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発明において、 前記前置励起RFパルス、前記励起RFパルス、および
    前記反転RFパルスとともにスライス方向の傾斜磁場パ
    ルスを前記被検体に印加する第4の印加手段を備えたM
    R装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発明において、 前記第3の印加手段は、前記前置励起RFパルスの印加
    と前記励起RFパルスの印加との間の期間内と前記複数
    個の反転RFパルス夫々の印加後とで互いに反対方向の
    極性の前記スポイラーパルスを印加するように構成した
    MR装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の発明において、 前記第3の印加手段は、前記前置励起RFパルスの印加
    と前記励起RFパルスの印加との間の期間内と前記複数
    個の反転RFパルス夫々の印加後とで同方向の極性の前
    記スポイラーパルスを印加するように構成したMR装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の発明において、 前記前置励起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの
    印加との間の期間内に、前記被検体内の対象体の流速に
    応じてエコー信号の位相を変化させるフローエンコード
    パルスを傾斜磁場方向に印加する第5の印加手段を備え
    たMRI装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の発明において、 前記第5の印加手段は前記フローエンコードパルスを極
    性反転可能な手段であり、 前記データ処理手段は、前記フローエンコードパルスを
    極性反転させた2つの極性状態それぞれの前記エコー信
    号に応じたエコーデータを収集する収集手段と、このエ
    コーデータから前記流速を表す流速画像を生成する生成
    手段とを備えたMR装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の発明において、 前記生成手段は、前記2つの極性状態夫々の前記エコデ
    ータを各組毎に再構成して2枚の画像データを演算し、
    この2枚の画像データ間の画素毎の複素差分を演算して
    前記流速画像のデータを得る手段と、前記2つの極性状
    態に対応した2組の前記エコーデータ間で画素毎に複素
    差分を行い、この差分エコーデータを再構成して前記流
    速画像を得る手段との内のいずれか一方の手段を備える
    MR装置。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の発明において、 前記第1の印加手段は、前記第1のパルス列として前置
    反転RFパルスを含み且つこの前置反転RFパルスを前
    記前置励起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの印
    加との間の期間内で印加するように構成し、 前記第5の印加手段は、前記フローエンコードパルスを
    前記前置反転RFパルスの時間軸上前後の位置でそれぞ
    れ印加するように構成したRF装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の発明において、 前記第1の印加手段は、前記第1のパルス列として前記
    前置励起RFパルス1個のみを含み、且つ、この前置励
    起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの印加との間
    の期間を変更できる手段であり、 前記データ処理手段は、前記期間を変更して2回撮影し
    た前記エコー信号に応じたエコーデータを収集する収集
    手段と、このエコーデータから前記被検体の対象部位の
    磁場分布を表すデータを生成する生成手段とを備えたM
    R装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の発明において、 前記生成手段は、前記2回の撮影それぞれの前記エコデ
    ータを各組毎に再構成して2枚の画像データを演算し、
    この2枚の画像データ間の画素毎の複素差分を演算して
    前記磁場分布のデータを得る手段と、前記2回の撮影に
    対応した2組の前記エコーデータ間で画素毎に複素差分
    を行い、この差分エコーデータを再構成して前記磁場分
    布を表すデータを得る手段との内のいずれか一方の手段
    を備えるMR装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の発明において、 前記第1の印加手段は、前記第1のパルス列として前記
    前置励起RFパルス1個と、この前置励起RFパルスを
    印加した後の変更可能な期間の経過後に印加する前置反
    転RFパルスとを含むように形成した手段であり、 前記データ処理手段は、前記期間を変更して複数回撮影
    した前記エコー信号のエコーデータを収集する収集手段
    と、このエコーデータから前記被検体の対象部位の周波
    数スペクトルデータを画素毎に生成する生成手段とを備
    えたMR装置。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の発明において、 前記前置励起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの
    印加との間の期間内で強度可変の傾斜磁場パルスを所望
    方向に印加する第6の印加手段を備え、 前記データ処理手段は、前記所望方向の傾斜磁場パルス
    をその強度を変えて複数回撮影したときの前記エコー信
    号に応じたエコーデータを収集する収集手段と、このエ
    コーデータからその所望方向に関する画像データを生成
    する生成手段とを備えたMR装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の発明において、 前記所望方向の傾斜磁場パルスは、スライス方向の傾斜
    磁場パルスであるMR装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の発明において、 前記スライス方向の傾斜磁場パルスの印加と前記励起R
    Fパルスの印加との間に前置反転RFパルスを印加する
    第7の印加手段を備えるMR装置。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の発明において、 前記前置励起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの
    印加との間の期間において組織拡散の程度に応じて前記
    エコー信号の強度を変化させるMPGパルスを所望の傾
    斜磁場方向に印加する第8の印加手段を備えたMRI装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の発明において、 前記複数個のエコー信号の内の少なくとも1個のエコー
    信号に付与する位相エンコードを零とし且つ残りのエコ
    ー信号に付与する位相エンコードをイメージング必要量
    とする位相エンコード用傾斜磁場を印加する第9の印加
    手段を備え、 前記データ処理手段は、前記位相エンコードが零のエコ
    ー信号に応じたエコーデータを収集して当該エコーデー
    タが有する位相情報を演算する手段と、この位相情報か
    ら前記被検体の体動に拠る位相シフト量を演算する手段
    と、前記位相エンコードとしてイメージング必要量を与
    えるエコー信号に応じたエコーデータを収集して当該エ
    コーデータの位相を前記位相シフト量に基づき補正する
    手段とを備えたMR装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の発明において、 前記第1の印加手段は、前記第1のパルス列として前置
    反転RFパルスを含み且つこの前置反転RFパルスを前
    記前置励起RFパルスの印加と前記励起RFパルスの印
    加との間の期間内で印加するように構成し、 前記第8の印加手段は、前記MPGパルスを前記前置反
    転RFパルスの時間軸上前後の位置でそれぞれ印加する
    ように構成したRF装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の発明において、 前記エコー信号に対してスライスエンコードを付与する
    スライス方向の傾斜磁場パルスを印加する第10の印加
    手段を備えたMR装置。
  20. 【請求項20】 時間軸上の最初に位置する前置励起R
    Fパルスを少なくとも含む第1のパルス列を前置的に被
    検体に印加し、 この前置励起RFパルスの印加の後に一定の時間積分値
    を有するスポイラーパルスを傾斜磁場方向に発生させて
    前記被検体に印加し、 送信位相がCPMGパルス系列に従う最初のパルス送信
    位相よりも90°ずらして設定された励起RFパルスと
    送信位相がCPMGパルス系列に従う2番目以降のパル
    ス送信位相と同じに設定された複数個の反転RFパルス
    とを含む第2のパルス列を前記被検体に印加するととも
    に、この複数個の反転RFパルスのそれぞれの印加後に
    前記スポイラーパルスと同一の時間積分値を有する別の
    スポイラーパルスを傾斜磁場方向に発生させて前記被検
    体に印加し、 前記複数個の反転RFパルスに応答して発生する複数個
    のエコー信号を収集して位相情報に関わるデータ処理を
    行うことを特徴とするMRデータ収集方法。
JP09036798A 1998-04-02 1998-04-02 Mr装置 Expired - Fee Related JP4040745B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09036798A JP4040745B2 (ja) 1998-04-02 1998-04-02 Mr装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09036798A JP4040745B2 (ja) 1998-04-02 1998-04-02 Mr装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007263583A Division JP4679560B2 (ja) 2007-10-09 2007-10-09 Mr装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11285481A true JPH11285481A (ja) 1999-10-19
JP4040745B2 JP4040745B2 (ja) 2008-01-30

Family

ID=13996590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09036798A Expired - Fee Related JP4040745B2 (ja) 1998-04-02 1998-04-02 Mr装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4040745B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002543952A (ja) * 1999-05-14 2002-12-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 磁気共鳴エラストグラフィ
JP2007190362A (ja) * 2005-12-22 2007-08-02 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 磁気共鳴イメージング装置
JP4503747B2 (ja) * 1999-12-13 2010-07-14 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置
JP2010527740A (ja) * 2007-05-31 2010-08-19 シーアール ディベロップメント アーベー 拡散磁気共鳴画像化のための方法とシステム
CN115656900A (zh) * 2022-11-02 2023-01-31 佛山瑞加图医疗科技有限公司 一种用于降低系统误差对磁共振成像影响的方法及装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL3198348T3 (pl) 2014-09-24 2020-10-05 Quantum Valley Investment Fund LP Generowanie sekwencji sterującej do sterowania kwantowego
CN112513660A (zh) 2018-07-25 2021-03-16 量子谷投资基金有限合伙公司 非线性共振器的模型不敏感控制

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002543952A (ja) * 1999-05-14 2002-12-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 磁気共鳴エラストグラフィ
JP4503747B2 (ja) * 1999-12-13 2010-07-14 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置
JP2007190362A (ja) * 2005-12-22 2007-08-02 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 磁気共鳴イメージング装置
JP2010527740A (ja) * 2007-05-31 2010-08-19 シーアール ディベロップメント アーベー 拡散磁気共鳴画像化のための方法とシステム
US8565854B2 (en) 2007-05-31 2013-10-22 Cr Development Ab Method and system for diffusion magnetic resonance imaging
CN115656900A (zh) * 2022-11-02 2023-01-31 佛山瑞加图医疗科技有限公司 一种用于降低系统误差对磁共振成像影响的方法及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4040745B2 (ja) 2008-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1138156C (zh) 用于扩散加权的成像的快速自旋回波脉冲序列
US10004422B2 (en) Method for measuring magnetization transfer between molecules with magnetic resonance imaging
US8085041B2 (en) Three-point method and system for fast and robust field mapping for EPI geometric distortion correction
JP3869337B2 (ja) 磁気共鳴撮影装置
JP4719311B2 (ja) 磁気共鳴映像装置
JP3153574B2 (ja) 磁気共鳴映像装置
US20080150532A1 (en) Method and apparatus for measuring t1 relaxation
CN102217935B (zh) 用于产生血管造影的磁共振图像的方法
JP2005503874A (ja) 浮動式テーブル投影イメージングを使用した磁気共鳴血管造影法
EP1615044A1 (en) Continuous table motion MRI involving variable fields of view during the scan
JPWO2007094174A1 (ja) 磁気共鳴撮影装置および方法
EP1693680B1 (en) Continuous table motion MRI involving phase correction
JPH05285116A (ja) 磁気共鳴イメージング方法
JP3844646B2 (ja) 磁気共鳴信号獲得装置、記録媒体および磁気共鳴撮影装置
JP4040745B2 (ja) Mr装置
JP4659993B2 (ja) 磁気共鳴映像装置
JP3884227B2 (ja) 磁気共鳴撮影装置
JP4679560B2 (ja) Mr装置
JP4863893B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP2002085376A (ja) 核磁気共鳴イメージング装置および方法
JPH09238912A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP3557273B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP3839992B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4589526B2 (ja) Mr流速測定システム
JP4908638B2 (ja) 磁気共鳴映像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050401

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees