JPH11283494A - 電子放出素子及び電子源及び画像形成装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子及び電子源及び画像形成装置の製造方法

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JPH11283494A
JPH11283494A JP8148398A JP8148398A JPH11283494A JP H11283494 A JPH11283494 A JP H11283494A JP 8148398 A JP8148398 A JP 8148398A JP 8148398 A JP8148398 A JP 8148398A JP H11283494 A JPH11283494 A JP H11283494A
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electron
substrate
manufacturing
surface energy
emitting device
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JP8148398A
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Masato Yamanobe
正人 山野辺
Kazuhiro Mitsumichi
和宏 三道
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一で、良好な電子放出特性をもつ電子放出
素子を、歩留まり良く、安価に製造できる電子放出素子
の製造方法及びこれを用いた電子源及び画像形成装置の
製造方法を提供する。 【解決手段】 基体1上に一対の電極2,3と電子放出
部5を有する導電性薄膜4を有する電子放出素子の製造
方法において、前記基体表面に酸化チタン層を形成する
工程;前記基体に光を照射して該基体の表面エネルギー
を低下し初期化する工程;前記基体の表面エネルギーを
調整する工程;前記基体に有機金属含有溶液を付与する
工程;前記基体に付与された前記有機金属含有溶液を熱
分解し前記導電性薄膜4を形成する工程;を有すること
を特徴とする電子放出素子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子、及
び該電子放出素子を用いた電子源、及び該電子源を用い
た画像形成装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子放出素子としては、大別
して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種
類のものが知られている。冷陰極電子放出素子には電界
放出型(以下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/
金属型(以下、「MIM型」という。)や、表面伝導型
電子放出素子等がある。
【0003】FE型の例としては、W.P.Dyke&
W.W.Dolan、“Fieldemissio
n”、Advance in Electron Ph
ysics、8.89(1956)あるいはC.A.S
pindt,“PHYSICAL Propertie
s of thin−film field emis
sion cathodes with molybd
enium cones”,J.Appl.Phy
s.,47,5248(1976)等に開示されたもの
が知られている。
【0004】MIM型の例としては、C.A.Mea
d、“Operation of Tunnel−Em
ission Devices”、J.Apply.P
hys.、32、646(1961)等に開示されたも
のが知られている。
【0005】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
M.I.Elinson、Radio Eng.Ele
ctron Pys.、10、1290,(1965)
等に開示されたものがある。
【0006】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”、9、317(1972)]、In23 /S
nO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad:“IEEE Trans.
ED Conf.”、519(1975)]、カーボン
薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1
号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として、前述のM.ハートウェルの素子構成を図1
4に模式的に示す。同図において1は基板、2、3は素
子電極である。4は導電性薄膜であり、H型形状のパタ
ーンに、スパッタで形成された金属酸化物薄膜等からな
り、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理により
電子放出部5が形成される。尚、図中の素子電極間隔L
は、0.5〜1mm、W′は、0.1mmで設定されて
いる。
【0008】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜4を予め通電
フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部5
を形成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミン
グとは前記導電性薄膜4両端に直流電圧あるいは非常に
ゆっくりとした昇電圧、例えば1V/分程度を印加通電
し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部5を形成す
ることである。尚、電子放出部5は導電性薄膜4の一部
に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が行われる。
前記通電フォーミング処理をした表面伝導型電子放出素
子は、上述の導電性薄膜4に電圧を印加し、素子に電流
を流すことにより、上述電子放出部5より電子を放出せ
しめるものである。
【0009】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であることから、大面積にわたり多数素子
を配列形成できる利点がある。そこで、この特徴を生か
せるようないろいろな応用が研究されている。例えば、
荷電ビーム源、表示装置等があげられる。
【0010】多数の表面伝導型放出素子を配列形成した
例としては、後述する様に、梯型配置と呼ぶ、並列に表
面伝導型電子放出素子を配列し、個々の素子の両端を、
配線(共通配線とも呼ぶ)でそれぞれ結線した行を、多
数行配列した電子源があげられる(例えば、特開昭60
−031332、特開平1−283749、1−257
552等)。また、特に表示装置等の画像形成装置にお
いては、近年、液晶を用いた平板型表示装置が、CRT
に替わって、普及してきたが、自発光型でないため、バ
ックライトを持たなければならない等の問題点があり、
自発光型の表示装置の開発が、望まれてきた。自発光型
表示装置としては、表面伝導型放出素子を多数配置した
電子源と電子源より放出された電子によって、可視光を
発光せしめる蛍光体とを組み合わせた表示装置である画
像形成装置が、あげられる(例えば、米国特許第506
6883号)。
【0011】尚、従来、多数の表面伝導型電子放出素子
より構成された電子源より、電子放出をし、蛍光体の発
光をさせる素子の選択は、上述の、多数の表面伝導型電
子放出素子を、並列に配置し結線した配線(行方向配線
と呼ぶ)と、行配線と直交する方向に(列方向と呼ぶ)
該電子源と蛍光体間の空間に設置された制御電極(グリ
ッドと呼ぶ)と、列方向配線への適当な駆動信号による
ものである(例えば、本出願人の特開平1−28374
9号公報等)。
【0012】本出願人は、表面伝導型電子放出素子の製
造方法において、大面積に有利な製造方法として、真空
を用いたスパッタ法や蒸着法によらず、導電性薄膜を形
成する方法を提案している。その一例は、有機金属含有
溶液をスピンナーによって基体上に塗布後、所望の形状
にパターニングし、有機金属を熱分解し導電性薄膜を得
る電子放出素子の製造方法である。さらに、特開平08
−171850号公報においては、前記導電性薄膜を所
望の形状にパターニングする工程において、リソグラフ
ィー法を用いず、バブルジェット法やピエゾジェット法
等のインクジェット法によって、基体上に、有機金属含
有溶液の液滴を付与し、所望の形状の導電性薄膜を形成
する製造方法を提案している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機金
属含有溶液を基体に付与し、有機金属を熱分解し導電性
薄膜を得る電子放出素子の製造方法において、基体の表
面エネルギーと有機金属含有溶液の表面エネルギーが、
所望のものでないと、基体に付与された有機金属含有溶
液が、スピンナーで塗布した場合は、均一な膜厚が得ら
れないという問題や、インクジェット法によって液滴を
付与した場合は、所望の形状が得られないという問題が
あった。
【0014】こうして形成された導電性薄膜を用いた電
子放出素子は、この導電性薄膜に電子放出部を形成する
工程等に影響を与え、電子放出特性を再現よく形成する
上で、問題であった。
【0015】また、前記電子放出素子を複数配置した電
子源では、電子放出特性のばらつきとなり問題であっ
た。
【0016】また、前記電子源と蛍光体等の画像形成部
材とを対向して配置し構成した画像形成装置において
も、電子放出特性のばらつきは、画像品位の低下に結び
付き問題であった。
【0017】[発明の目的]本発明の目的は、このよう
な電子放出素子を形成する基体表面の表面エネルギーを
均一化することにより、特性が均一で再現性の良い電子
放出素子を歩留まり良く安価に製造する方法を実現する
ことにある。
【0018】また、本発明は、電子放出素子を複数個配
置した電子源において、均一性と、特性の良好な電子源
の製造方法、及び、この電子源と画像形成部材を備えた
画像形成装置において、均一性が高く良好な表示品位の
画像形成装置の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の電子放出素子の
製造方法は、基体上に一対の電極と電子放出部が形成さ
れた導電性薄膜を有する電子放出素子の製造方法であっ
て、以下の工程を有することを特徴とし、その工程は、
前記基体表面に酸化チタン層を形成する工程;前記基体
に光を照射して該基体の表面エネルギーを低下し初期化
する工程;前記基体の表面エネルギーを調整する工程;
前記基体に有機金属含有溶液を付与する工程;前記基体
に付与された前記有機金属溶液を熱分解し前記導電性薄
膜を形成する工程;であることを特徴とする。
【0020】また、前記電子放出素子は、表面伝導型電
子放出素子であることを特徴とする。
【0021】また、前記光を照射して基体の表面エネル
ギーを低下し初期化する工程における前記光は、紫外光
あるいは可視光を含む紫外光であり、好ましくは、紫外
光であり、光を照射することで、前記基体の表面エネル
ギーは低下し、初期化され、表面エネルギーが親水面と
なる。
【0022】前記基体の表面エネルギーを調整する工程
は、前記基体に付与される有機金属含有溶液の組成に応
じて設定されるが、基体の表面エネルギーが、撥水面と
されることが好ましい。
【0023】また、前記基体に有機金属含有溶液を付与
する工程は、スピンナー等による塗布法、インクジェッ
ト法が、用いられるが、バブルジェット方式あるいはピ
エゾジェット方式のインクジェット方式が好ましくは用
いられる。
【0024】また、本発明の電子放出素子の製造方法
は、酸化チタン層が積層された基体上に一対の電極と電
子放出部を有する導電性薄膜を有する電子放出素子にお
いて、以下の工程を有することを特徴とし、その工程
は、前記基体の表面エネルギーを調整する工程の後、前
記基体の表面エネルギーを測定検査し、該測定値が所定
の基準値の範囲外であった場合は、前記基体の表面エネ
ルギーを低下し初期化する工程、及び前記表面エネルギ
ーを調整する工程を再度行なう再処理工程;を有するこ
とを特徴とする。
【0025】また、前記基体の表面エネルギーを測定検
査する工程では、前記有機金属含有溶液と前記基体との
接触角の測定が好ましくは用いられる。
【0026】更に、本発明は、前記電子放出素子を、前
記基体上に複数配置した電子源、及び前記電子源と画像
形成部材を有する基体を対向して配置した画像形成装置
の製造方法をも包含する。
【0027】[作用]本発明の電子放出素子の製造方法
においては、酸化チタン層が積層された基体上に一対の
電極と電子放出部を有する導電性薄膜を有し、前記基体
の表面エネルギーを調整する工程に先立ち、光を照射し
て基体の表面エネルギーを低下し初期化する工程を行な
い、一定の親水面の表面エネルギーの表面を基体上に形
成するので、前記基体の表面エネルギーを調整する工程
での表面エネルギーのばらつきが大幅に減少する。この
ため、基体に付与された有機金属含有溶液が、スピンナ
ーで塗布した場合は、均一性の高い膜厚が得られる様に
なり、インクジェット法によって液滴を付与した場合
は、所望の形状が得られる様になる。
【0028】また、更には、酸化チタン層が、基体上に
積層されているので、導電性薄膜と基体との密着性が改
善されるので安定な電子放出特性が得られる様になる。
【0029】以上の様に、従来技術の課題が解決され、
良好な電子放出特性を有する電子放出素子の製造方法、
及び均一性が高く良好な複数の電子放出素子を配置した
電子源の製造方法、さらには、均一性が高く良好な表示
品位の前記電子源と蛍光体等の画像形成部材を対向して
構成した画像形成装置の製造方法が提供できる。
【0030】また、本発明の製造方法においては、前記
基体に有機金属含有溶液を付与する工程に先立ち、前記
基体の表面エネルギーを測定検査する工程、前記基体の
表面エネルギーと前記基体の表面エネルギーの基準値と
を比較する工程、前記光を照射して基体の表面エネルギ
ーを低下し初期化する工程より再処理する工程、あるい
は、前記基体に有機金属含有溶液を付与する工程を行う
ので、基体の表面エネルギーが、基体内、基体間でばら
ついたとき、簡単に表面エネルギーを初期化し、再調整
でき、基体表面エネルギーがばらつかず、歩留まりの向
上ができる。従って、歩留まりが高く安価な電子放出素
子、電子源及び画像形成装置の製造方法を提供できる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の表面伝導型電子放出素子
の基本的構成について説明する。
【0032】図1は、本発明の表面伝導型電子放出素子
の構成を示す模式図であり、図1(a)は断面模式図、
図1(b)は平面図である。また、図2は、本発明の表
面伝導型電子放出素子の別の構成例の断面模式図(a)
及び平面図(b)である。
【0033】図1において、1は基板、2と3は素子電
極、4は導電性薄膜、5は電子放出部、6は酸化チタン
層である。
【0034】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラス
にスパッタ法等により形成したSiO2 を積層したガラ
ス基板及びアルミナ等のセラミックス及びSi基板等を
用いることができる。これらの基板1には、酸化チタン
層が積層されている。酸化チタン層の膜厚は、好ましく
は、30nm以上300nmが用いられる。
【0035】対向する素子電極2,3の材料としては、
一般的な導体材料を用いることができる。これは例え
ば、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,
Cu,Pd等の金属或は合金及びPd,Ag,Au,R
uO2 ,Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等
から構成される印刷導体、In23 −SnO2 等の透
明導電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等から適
宜選択することができる。
【0036】図14に示した、素子電極間隔L、素子電
極長さW、導電性薄膜4の形状等は、応用される形態等
を考慮して、設計される。素子電極間隔Lは、好ましく
は数千オングストロームから数百マイクロメートルの範
囲とすることができ、より好ましくは、素子電極間に印
加する電圧等を考慮して数マイクロメートルから数十マ
イクロメートルの範囲とすることができる。
【0037】素子電極長さWは、電極の抵抗値、電子放
出特性を考慮して、数マイクロメートルから数百マイク
ロメートルの範囲とすることができる。素子電極2,3
の膜厚dは、数百オングストロームから数マイクロメー
トルの範囲とすることができる。
【0038】尚、図1,図2に示した構成だけでなく、
基板1上に、導電性薄膜4、対向する素子電極2,3の
順に積層した構成とすることもできる。
【0039】導電性薄膜4には、良好な電子放出特性を
得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるのが
好ましい。その膜厚は、素子電極2,3へのステップカ
バレージ、素子電極2,3間の抵抗値及び後述するフォ
ーミング条件等を考慮して適宜設定されるが、通常は、
数オングストロームから数千オングストロームの範囲と
するのが好ましく、より好ましくは10オングストロー
ムより500オングストロームの範囲とするのが良い。
その抵抗値は、Rsが102 から107 Ω/□の値であ
る。なお、Rsは、厚さがt、幅がwで長さがlの薄膜
の抵抗Rを、R=Rs(l/w)とおいたときに表わさ
れる量である。
【0040】導電性薄膜4を構成する材料は、Pd,P
t,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,F
e,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属の中から適宜
選択される。これら金属は、導電性薄膜材料有機金属化
合物を形成し、詳しくは後述する。
【0041】ここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子
が集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に
分散配置した状態、あるいは微粒子が互いに隣接、ある
いは重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全
体として島状構造を形成している場合も含む)をとって
いる。微粒子の粒径は、数オングストロームから数千オ
ングストロームの範囲、好ましくは、1nmから200
nmの範囲である。
【0042】電子放出部5は、導電性薄膜4の一部に形
成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性薄膜4の
膜厚、膜質、材料及び後述する通電フォーミング、活性
化工程等に依存したものとなる。電子放出部5の内部に
は、数オングストロームから数百オングストロームの範
囲の粒径の導電性微粒子が存在する場合もある。この導
電性微粒子は、導電性薄膜4を構成する材料の元素の一
部、あるいは全ての元素を含有するものとなる。亀裂の
先端及びその近傍の導電性薄膜4には、炭素及び炭素化
合物を有する。炭素及び炭素化合物とは、例えばグラフ
ァイト(いわゆるHOPG1),PG2),GC3)1)HO
PG:High Oriented Pyrolyti
c Graphite,2)PG:Pyrolitic
Graphite熱分解炭素,3)GC:Glassy
Carbon無定形炭素)を包含する、HOPGはほぼ
完全なグラファイトの結晶構造、PGは結晶粒が200
オングストローム程度で結晶構造がやや乱れたもの、G
Cは結晶粒が20オングストローム程度になり結晶構造
の乱れがさらに大きくなったものを指す。)、非晶質カ
ーボン(アモルファスカーボン及び、アモルファスカー
ボンと前記グラファイトの微結晶の混合物を指す)であ
り、その膜厚は、500Å以下の範囲とするのが好まし
く、300Å以下の範囲とすることがより好ましい。
【0043】[電子放出素子の第1の製造方法]上述の
表面伝導型電子放出素子の製造方法としては様々な方法
があるが、本発明の第1の製造方法を図3に模式的に示
す。
【0044】以下、図1,2及び図3を参照しながら本
発明の第一の製造方法の一例について説明する。図3に
おいても、図1,2に示した部位と同じ部位には図1,
2に付した符号と同一の符号を付している。
【0045】(工程−1:酸化チタン膜、素子電極の形
成工程)清浄化した青板ガラス上に厚さ0.1ミクロン
の酸化チタン膜をスパッタ法で形成する。その上に、素
子電極2,3を作成した。素子電極を形成した基板を純
水で洗浄後、乾燥する。
【0046】(工程−2:基体の表面エネルギーを初期
化する工程(光照射工程))基板1にハロゲンランプで
紫外光を数分間から数十分照射する。本工程で、基板の
表面エネルギーは、親水面となる。尚、基板1に照射す
る光は、可視光、紫外光あるいは両者を含むものが用い
られるが、紫外光が、好ましくは、用いられる。
【0047】(工程−3:基体の表面エネルギーを調整
する工程)工程−2で作成した基板を、シリカゲルを乾
燥剤としたデシケータ中で、基板の表面エネルギーが飽
和し、接触角が一定となるまで放置する。この接触角
は、親水面(≒0)より30°〜40°に変化して飽和
する。
【0048】放置時間は、24時間以上でほぼ飽和す
る。本工程では、基板の表面状態は、撥水面と変化す
る。
【0049】(工程−4:有機金属含有水溶液を基体に
付与する工程)有機金属含有水溶液の液滴をバブルジェ
ット法やピエゾジェット法と呼ばれるインクジェット法
によって、各素子電極および素子電極間に付与する。な
お、有機金属含有水溶液の基体への付与法は、スピンナ
ーを用いた塗布法によっても良いが、この場合は、所望
の導電性薄膜の形態を得るため、パターニング工程が必
要となる。
【0050】(工程−5:有機金属含有溶液を熱分解し
て導電性薄膜を形成する工程)工程−4で基体に付与さ
れた有機金属含有溶液は、基体を、焼成炉やホットプレ
ート上で、大気中等の雰囲気で熱分解され、金属あるい
は金属酸化物となる。こうして、微粒子形態の導電性薄
膜が作成される。
【0051】(工程−6:通電フォーミング工程)つづ
いて、フォーミング工程を施す。このフォーミング工程
は、パルス状の電圧を素子電極2,3に印加通電するこ
とで、導電性薄膜4に、構造の変化した電子放出部5が
形成する。通電フォーミングによれば、導電性薄膜4に
局所的に破壊、変形もしくは変質等の構造の変化した部
位で、亀裂が形成される。
【0052】(工程−7:活性化工程)フォーミングを
終えた素子には活性化工程と呼ばれる処理を施す。活性
化工程とは、この工程により、素子電流If、放出電流
Ieが、著しく変化する工程である。
【0053】活性化工程は、有機物質のガスを含有する
雰囲気下で、パルスの印加を繰り返すことで行うことが
できる。この雰囲気は、十分に排気した真空中に適当な
有機物質のガスを導入することによっても得られる。適
当な有機物質としては、アルカン、アルケン、アルキン
の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール
類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、フェノール、
カルボン、スルホン酸等の有機酸類等を挙げることがで
きる。この処理により、雰囲気中に存在する有機物質か
ら、通電フォーミング工程で形成した亀裂の内側にあら
たに炭素あるいは炭素化合物からなる亀裂を形成する。
【0054】(工程−8:安定化工程)このような工程
を経て得られた電子放出素子は、安定化工程を行うこと
が好ましい。この工程は、真空容器内の有機物質を排気
する工程である。真空容器を排気する真空排気装置は、
装置から発生するオイルが素子の特性に影響を与えない
ように、オイルを使用しないものを用いるのが好まし
い。具体的には、ソープションポンプ、イオンポンプ等
の真空排気装置を挙げることが出来る。
【0055】さらに真空容器内を排気するときには、真
空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子
に吸着した有機物質分子を排気しやすくするのが好まし
い。このときの加熱条件は、150〜300℃で数時間
以上が望ましいが、特にこの条件に限るものではなく、
真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成などの諸
条件により適宜選ばれる条件により行う。真空容器内の
圧力は極力低くすることが必要で、1〜3×10-7To
rr以下が好ましく、さらに1×10-8Torr以下が
特に好ましい。
【0056】安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な
特性を維持することが出来る。
【0057】このような真空雰囲気を採用することによ
り、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積を抑制でき、
素子電流If、放出電流Ieが、安定する。
【0058】[電子放出素子の第2の製造方法]次に本
発明の電子放出素子の第2の製造方法の一例を説明す
る。本発明の第2の製造方法は、電子放出素子を形成す
る基体の表面エネルギーが、基体に付与する有機金属を
含有する溶液に適した表面エネルギーより、かい離した
場合に、容易に前記基体の表面エネルギーを初期化し、
再度、最適な表面エネルギーに再調整することで、より
均一な導電性膜を形成し、ばらつきの少ない電子放出素
子およびその製造における歩留まりを向上するものであ
る。以下にその製造方法を、図4を用いて説明する。図
4は、本発明の第2の製造方法のフロー図である。
【0059】(工程−1:酸化チタン膜、素子電極の形
成工程)第1の製造方法の工程−1と同じ。
【0060】(工程−2:基体の表面エネルギーを初期
化する工程)第1の製造方法の工程−2と同じ。
【0061】(工程−3:基体の表面エネルギーを調整
する工程)第1の製造方法の工程−3と同じ。
【0062】(工程−4:前記基体の表面エネルギーを
測定検査する工程)基体の表面状態を、接触角計で接触
角を測定することにより検査する。なお、接触角測定に
用いる液体は、導電性薄膜の材料である有機金属含有水
溶液や、有機金属含有水溶液から有機金属成分を除いた
水溶液や純水等を用いることができる。
【0063】(工程−5:基体の表面エネルギーの測定
値を基準値と比較する工程)本工程において、基体の表
面エネルギーの基準値の範囲と工程−4において測定さ
れた基体の表面エネルギーの測定値が、基準値の範囲か
ら逸脱した場合は、工程−2から再処理される。一方、
範囲内であれば、次の工程に移行する。
【0064】尚、基体の表面エネルギーの基準値の範囲
とは、特に、液滴として有機金属含有溶液を付与した場
合は、有機金属含有溶液の組成に応じて、形状の制御の
際、適正な形状を維持できる様に、その範囲が設定され
る。その結果、ばらつきの少ない導電性膜が最終的に形
成できる。本実施形態の表面エネルギーの基準値とし
て、撥水面を基準値とすることができる。また、基体表
面と液滴との好適な接触角は、後述する実施例のよう
に、30°〜40°を、基準値の範囲とすることもでき
る。この範囲の接触角であれば、インクジェットで付与
された液滴は、電子放出素子の導電性膜の形態として好
適な形態を供与できる。
【0065】(工程−6:有機金属含有水溶液を基体に
付与する工程)第1の製造方法の工程−4と同じ。
【0066】(工程−7:有機金属含有溶液を熱分解
し、導電性薄膜を形成する工程)第1の製造方法の工程
−5と同じ。
【0067】(工程−8:通電フォーミング工程)第1
の製造方法の工程−6と同じ。
【0068】(工程−9:活性化工程)第1の製造方法
の工程−7と同じ。
【0069】(工程−10:安定化工程)第1の製造方
法の工程−8と同じ。
【0070】上記本発明の電子放出素子の構成、第1の
製造方法および第2の製造方法は、電子放出素子を基体
上に複数個形成した電子源にも適用できる。複数の電子
放出素子の基体上の配列方法は、実施例で説明する単純
マトリクス以外の配列方法もあり、これに限るものでな
い。
【0071】[画像形成装置の製造方法]次に、本発明
の画像形成装置の構成、及び製造方法を、図5を用い
て、説明する。図5は、本発明の画像形成装置の一例で
ある。
【0072】図5において、57は、前記本発明の電子
放出素子を複数配した電子源基板、51は電子源基板5
7を固定したリアプレート、56はガラス基板53の内
面に蛍光膜54とメタルバック55等が形成されたフェ
ースプレートである。52は支持枠であり、該支持枠5
2には、リアプレート51、フェースプレート56がフ
リットガラス等を用いて接続されている。これらにより
構成される外囲器は、例えば大気中、あるいは窒素中
で、400〜500℃の温度範囲で10分間以上焼成す
ることで、封着して構成される。
【0073】59は、本発明の電子放出素子である。5
8,50は、前記本発明の電子放出素子の一対の素子電
極と接続された行方向配線、及び列方向配線である。
【0074】外囲器は、上述の如く、フェースプレート
56、支持枠52、リアプレート51で構成される。リ
アプレート51は主に基板57の強度を補強する目的で
設けられるため、基板57自体で十分な強度を持つ場合
は別体のリアプレート51は不要とすることができる。
即ち、基板57に、直接、支持枠52を封着し、フェー
スプレート56、支持枠52及び基板57で外囲器を構
成しても良い。一方、フェースプレート56、リアプレ
ート51間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を
設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ
外囲器を構成することもできる。
【0075】蛍光膜54は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから構成することができる。カラーの蛍光膜の場
合は、蛍光体の配列によりブラックストライプあるいは
ブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材と蛍光体
とから構成することができる。
【0076】フェースプレート56には、更に蛍光膜5
4の導電性を高めるため、蛍光膜54の外面側に透明電
極(不図示)を設けてもよい。
【0077】次に本発明の画像形成装置の製造方法の一
例について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の
画像形成装置の製造工程フロー図である。
【0078】(工程−1:基体、素子電極、配線等の形
成工程)素子電極を第1の製造方法の工程−1と同様の
方法で作成する。また、行、列配線は、スクリーン印刷
法や公知のフォトリソとスパッタ法等の導体の作成法に
より形成する。
【0079】(工程−2:基体の表面エネルギーを初期
化する工程)第1の製造方法の工程−2と同じ。
【0080】(工程−3:基体の表面エネルギーを調整
する工程)第1の製造方法の工程−3と同じ。
【0081】(工程−4:前記基体の表面エネルギーを
測定検査する工程)第2の製造方法の工程−4と同様で
あるが、画像形成装置の場合は、基板の大面積化を考慮
し、画像表示領域外の基板上に接触角の測定点を数点以
上設け、その分布も考慮する必要がある。
【0082】(工程−5:基体の表面エネルギーの測定
値を基準値と比較する工程)第2の製造方法の工程−5
と同様に、基準となる基板の表面エネルギーの範囲を越
えた場合は、工程−2より行う。
【0083】(工程−6:有機金属含有水溶液を基体に
付与する工程)第1の製造方法の工程−4と同じ。
【0084】(工程−7:有機金属含有溶液を熱分解
し、導電性薄膜を形成する工程)第1の製造方法の工程
−5と同じ。
【0085】(工程−8:通電フォーミング工程)工程
−7を終えた基板を真空チャンバーに配置し、次に、真
空チャンバー内を充分に排気する。その後、第1の製造
方法の工程−6と同様の処理を施す。
【0086】(工程−9:活性化工程)真空チャンバー
に前述した有機ガスを導入し、第1の製造方法の工程−
7と同様の処理を施す。
【0087】(工程−10:封着工程)前記フェイスプ
レートと支持枠とリアプレートをフリットを介して接着
し、外囲器を形成する。
【0088】(工程−11:安定化工程)前記外囲器を
不図示の排気管より充分に排気し、第1の製造方法の工
程−8と同様の安定化工程を施す、最後に、ゲッタをフ
ラッシュする。
【0089】以上の様な本発明の画像形成装置の製造方
法は、これに、限るわけでなく、後述の実施例の様に、
外囲器を形成した後に工程−8(通電フォーミング工
程)以降を行っても良く、工程順、工程もこれに限るも
のでない。また、本発明の画像形成装置は、ここにあげ
たものだけでなく、従来技術であげた本出願人の例をも
包含できる。
【0090】
【実施例】以下、本発明の電子放出素子、電子源、及び
画像形成装置の製造方法の実施例を、図面を用いて詳細
に説明する。
【0091】(実施例1)本発明にかかわる基本的な表
面伝導型電子放出素子の構成は、図2の電子放出素子と
同様である。図7は、図2と同様の電子放出素子を10
個配置した基板である。尚、図1と同一の符号を用いた
ものは、同一のものを示す。
【0092】図2及び図7を用いて本発明に関わる電子
放出素子の製造法で基板の表面エネルギーの調整方法を
説明する。
【0093】以下、順を追って製造方法の説明を図2及
び図7に基づいて説明する。
【0094】(工程−a:酸化チタン膜、素子電極の形
成工程)清浄化した青板ガラス1上に厚さ0.2ミクロ
ンの酸化チタン6をスパッタ法で形成した基板1上に、
素子電極のパターンをホトレジスト(RD−2000N
−41日立化成社製)で形成し、真空蒸着法により厚さ
500ÅのPtを堆積した。ホトレジストパターンを有
機溶剤で溶解し、堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔
Lは30ミクロンとした素子電極2,3を形成した。更
に、純水で洗浄した。
【0095】(工程−b:表面エネルギーの初期化工程
(光照射工程))素子電極2,3を形成した基板1に、
ハロゲンランプ(200W)で紫外光を5分間照射した
後、後述する有機金属含有水溶液の液滴を基板隅の4点
に適量付与し、接触角計で接触角を測定した。
【0096】(工程−c:表面エネルギーの調整工程
(乾燥工程))工程−bで作成した基板を、シリカゲル
を乾燥剤としたデシケータ中に数日間放置した。工程−
bと同様に、8時間ごとに接触角を測定した。
【0097】(工程−d:有機金属含有溶液の付与工
程)有機金属含有溶液として、酢酸パラジウム−モノエ
タノールアミン0.2%、イソプロピルアルコール15
%、エチレングリコール1%、ポリビニルアルコール
0.05%の水溶液の液滴を、バブルジェット法と呼ば
れるインクジェット法によって、工程−aで形成した素
子電極および素子電極間に4回塗布した。
【0098】(工程−e:導電性薄膜の形成工程)工程
−dで作成した試料を、410℃で大気中で焼成した。
こうして形成されたPdOからなる微粒子構造の導電性
薄膜4を形成した。以上の工程により基板1上に、素子
電極2,3、導電性薄膜4等を形成した。
【0099】次に、工程−eを終えた本実施例の基板
を、図8の真空処理装置に設置した。真空ポンプにて排
気し、10-8Torrの真空度に達した後、導電性薄膜
の抵抗を測定するために、電源より、各素子の素子電極
2,3間にそれぞれ、0.1Vのパルス状の電圧を印加
し、各素子電極間に流れる電流を測定した。尚、パルス
の電圧波形は、パルス幅0.1msecとパルス間隔1
0msecとし、測定は10回繰り返し測定し、その平
均値より抵抗値を求めた。
【0100】ここで、図8の真空処理装置について説明
する。図8は、真空処理装置の一例を示す模式図であ
り、この真空処理装置は、フォーミング工程、活性化工
程、安定化工程を行えるだけでなく、測定評価装置とし
ての機能をも兼ね備えている。図8においても、図1に
示した部位と同じ部位には図1に付した符号と同一の符
号を付している。
【0101】図8において、85は真空容器であり、8
6は排気ポンプである。真空容器85内には電子放出素
子が配されている。即ち、1は電子放出素子を構成する
基体であり、2及び3は素子電極、4は導電性薄膜、5
は電子放出部である。81は、電子放出素子に素子電圧
Vfを印加するための電源、80は素子電極2,3間の
導電性薄膜4を流れる素子電流Ifを測定するための電
流計、84は素子の電子放出部より放出される放出電流
Ieを捕捉するためのアノード電極である。83はアノ
ード電極84に電圧を印加するための高圧電源、82は
素子の電子放出部5より放出される放出電流Ieを測定
するための電流計である。一例として、アノード電極の
電圧を1kV〜10kVの範囲とし、アノード電極と電
子放出素子との距離Hを2mm〜8mmの範囲として測
定を行うことができる。また、87は、活性化工程を行
う際に使用する有機ガス発生源である。
【0102】真空容器85内には、不図示の真空計等の
真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、
所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようになって
いる。排気ポンプ86は、ターボポンプ、ドライポンプ
からなるイオンポンプ等からなる超高真空装置系とによ
り構成した。ここに示した電子源基板を配した真空処理
装置の全体は、不図示のヒーターにより350℃まで加
熱できる。
【0103】(比較例1)実施例1の工程−b(表面エ
ネルギーの初期化工程(光照射工程))の光照射を行わ
ず、他の工程は、実施例1と同様の工程で電子放出素子
の導電性薄膜を形成した。接触角の測定のみ、前述の工
程−bと同様に行った。
【0104】(比較例2)実施例1の工程−a(酸化チ
タン膜、素子電極の形成工程)において、本比較例2で
は、清浄化した青板ガラス1上に、酸化チタンに代わっ
て、厚さ0.5ミクロンのSiOX をスパッタ法で形成
した以外は、同様に行った。
【0105】以下、工程−b(表面エネルギーの初期化
工程(光照射工程))を実行し、実施例1と同様の工程
で電子放出素子の導電性薄膜を形成した。
【0106】このような実施例1、比較例1、比較例2
において、それぞれの工程により、図7に示すような基
板を各10枚づつ作成した。
【0107】表1に、実施例1、比較例1,2の工程途
中の接触角、抵抗等の測定結果を示す。尚、表の結果
は、いずれも10基板の平均値である。表1より以下の
ことが示された。
【0108】表1に示されるように、工程−b(表面エ
ネルギーの初期化工程(光照射工程))においては、実
施例1では、酸化チタン層の表面は、ハロゲンを光源と
する光の照射で、濡性が高く接触角の測定が不可である
親水面が形成されている。一方、比較例1,2では、親
水面であるが、ばらつきのある表面エネルギーである。
【0109】また、工程−c(表面エネルギーの調整工
程(乾燥工程))においては、いずれも撥水面を放置時
間とともに形成し飽和傾向であるが、実施例1の接触角
のばらつきは小さいが、比較例1,2ともばらつきがや
や大きいことがわかる。これは、基板の表面エネルギー
を初期化する工程に依存していると推定される。
【0110】また、工程−e(導電性薄膜の形成工程)
においては、抵抗値のばらつきが、実施例1は小さい
が、比較例1,2はばらつきが大きい様であった。これ
もまた、基板の表面エネルギーを初期化する工程に依存
して、インクジェット法で付与された液滴の安定性が影
響され、形状のばらつきに対応していると推定される。
【0111】以上の様に、酸化チタン層を基板に積層
し、光照射することで、親水面が形成され、基板の表面
エネルギーが初期化されることで、表面エネルギーの調
整工程(工程−c)での表面エネルギーのばらつきが減
少し、有機金属含有水溶液のインクジェット法で液滴と
して付与した際の形状が安定した結果、導電性薄膜の抵
抗値もばらつきの少ないものとなったと考えられる。な
お、親水性と撥水性の判断は、接触角で行なった。
【0112】
【表1】 (実施例2)本実施例は、実施例1の工程−e(導電性
薄膜の形成工程)以降の、更に、いくつかの工程を行い
電子放出素子を作成した例である。尚、比較例2につい
ても、実施例1と同様の工程を行った。以下に工程−e
(導電性薄膜の形成工程)以降の工程を順を追って説明
する。なお、図2と同様の素子を作成した。
【0113】(工程−f:通電フォーミング工程)つづ
いて、図8の真空処理装置内で、フォーミング工程を施
した。素子電極2,3間に、通電を行うと、導電性薄膜
4の部位に、亀裂が形成された。通電フォーミングの電
圧波形は、パルス波形で、パルス波高値を0Vから0.
1Vステップで増加させる電圧パルスを印加した。電圧
波形のパルス幅とパルス間隔はそれぞれ1msec、1
0msecとした矩形波とした。通電フォーミング処理
の終了は、導電性薄膜の抵抗値が1Mオーム以上とし
た。
【0114】図9に本実施例で用いたフォーミング電圧
波形を示す。尚、素子電極2,3において、一方の電極
を低電位として、他方を、高電位側として、電圧は印加
される。
【0115】(工程−g:活性化工程)フォーミングを
終えた素子には活性化工程と呼ばれる処理を行った。活
性化工程とは、フォーミングで形成した高抵抗部に炭素
および炭素化合物を形成することで、素子電流If、放
出電流Ieが、著しく変化する工程である。
【0116】活性化工程は、アセトンガスを測定装置に
10-3Torr導入し、パルス波高値15V、パルス幅
1msec、パルス間隔10msecとした矩形波のパ
ルスの印加を20分繰り返した。
【0117】図10に活性工程で用いたパルス電圧波形
を示す。本実施例では、素子電極2,3に対して、交互
に低、高電位がパルス間隔毎に入れ替わる様に印加し
た。
【0118】(工程−h:安定化工程)つづいて、安定
化工程を行った。安定化工程は、真空容器内の雰囲気等
に存在する有機ガスを排気し、炭素あるいは炭素化合物
の堆積を抑制し、素子電流If、放出電流Ieを安定さ
せる工程である。真空容器全体を250℃加熱して、真
空容器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物質分子を
排気した。このとき、真空度は、1×10-8Torrで
あった。
【0119】その後、この真空度で、電子放出素子の特
性を測定した。実施例、比較例共、図7の基板を各10
基板づつ、上記工程を行って作成した。
【0120】実施例2の電子放出素子の特性は、10基
板の平均値で、素子電流If2mA±0.05mA、放
出電流IeμA±0.06μAであった。一方、比較例
2の電子放出素子の特性は、10素子の平均値で、素子
電流If1.8mA±0.1mA、放出電流Ie2.5
μA±0.1μAであった。また、素子電流If、放出
電流Ieとも、素子電圧に対して、非線形特性を示し、
明確な閾値を有していた。
【0121】この結果、実施例2(酸化チタン層、光照
射あり)の電子放出特性は、比較例2(酸化シリコン
層、光照射あり)に比べ、ばらつきが少なく、良好な特
性であることがわかった。また、一定時間駆動後、電子
放出特性の測定を行ったところ、実施例2は、比較例2
に比べ、素子電流If、放出電流Ieとも減少が少なか
った。
【0122】以上の様に、基板の表面エネルギーの初期
化工程(光照射工程)を行うことで、電子放出素子の特
性のばらつきの低下にも寄与することがわかった。
【0123】また、駆動時の安定性については、酸化チ
タン層を基板に積層したので、導電性薄膜と基板の密着
性が増加した結果と考えられる。
【0124】(実施例3)本実施例は、実施例1の工程
−c(表面エネルギーの調整工程(乾燥工程))で、基
板を長期大気中で放置し、接触角が好適な接触角30°
〜40°よりずれを発生した場合の基板の再処理実験の
実施例である。以下順を追って説明する。
【0125】実施例1の工程−a,b,cを行った基板
を作成し、5日間大気中に放置した。その後、実施例1
と同様に接触角を測定したところ、接触角は、45°に
増加した。接触角が、本実施例における基準値としての
好適な接触角30°〜40°の範囲外となったため、再
処理として、実施例1の工程−b(表面エネルギーの初
期化工程(光照射工程))と工程−c(表面エネルギー
の調整工程(乾燥工程))を再び行い、以降実施例1の
工程−d,e、及び実施例2の工程f,g,hを行っ
た。
【0126】(比較例3)実施例3と同様に、実施例1
の工程−a,b,cを行った基板を作成し、5日間大気
中に放置した。その後、実施例1と同様に接触角を測定
したところ、接触角は、48°であった。本比較例で
は、基準値との比較及び再処理としての工程−b,cを
行なわず、その後、実施例1の工程−d,e、及び実施
例2の工程f,g,hを行った。
【0127】表2に結果を示す。表2に示される様に、
実施例3は、基板の接触角が大幅に適正値よりずれたに
もかかわらず、工程−b(表面エネルギーの初期化工程
(光照射工程))と、工程−c(表面エネルギーの調整
工程(乾燥工程))を繰り返すことで実施例1,2と同
様の結果が得られた。一方、比較例3では、基板の接触
角が大幅に適正値よりずれたままであるため、電子放出
特性の悪化とばらつきの増加を生じたと推定される。
【0128】以上より、基板の表面エネルギーが、有機
金属含有水溶液を付与する工程前でなんらかの原因で、
基準値より工程許容値を越えた場合、光を照射して基体
の表面エネルギーを低下し初期化する工程、及び前記基
体の表面エネルギーを調整する工程を繰り返し行い、以
降の製造工程を行うことで、均一性が高く、良好な電子
放出特性の電子放出素子が得られるため、歩留まりが高
く安価な電子放出素子が製造できる。
【0129】
【表2】 (実施例4:画像形成装置の作成)本実施例は、実施例
3に基づいて作成された工程フローの図11によって、
画像形成装置を作成した例である。尚、図11の工程フ
ロー図においては、本発明に関わりの深い電子源基板に
ついてのみ、詳細に記述した。
【0130】また、電子源の一部の平面図を図12
(a)に示す。また、模式的断面図を図12(b)に示
す。図12において、121は基板、128はDxnに
対応する行方向配線、129はDynに対応する列方向
配線、124は導電性膜、122,123は素子電極、
127は層間絶縁層である。本実施例の画像形成装置
は、図5と同様であるが、リアプレートとして基板12
1を用いた。
【0131】また、図13は、NTSC方式のテレビ信
号に基づいたテレビジョン表示を行う為の駆動回路の構
成例である。
【0132】次に、本実施例の画像形成装置の製造方法
を、工程順に具体的に説明する。
【0133】(工程−1)清浄化した青板ガラス上に厚
さ0.1ミクロンの酸化チタン膜をスパッタ法で形成し
た基板121上に素子電極122,123をオフセット
印刷法によって作成した。素子電極間隔Lは20μm、
素子電極の幅Wを125μmとした。
【0134】(工程−2)列配線をスクリーン印刷法で
作成した。次に、厚さ1.0μmの層間絶縁層127を
スクリーン印刷法により作成した。更に、行配線を印刷
した。
【0135】こうして作成した行、列配線、素子電極を
形成した基板を純水で洗浄後、乾燥した。
【0136】(工程−3:表面エネルギーの初期化工
程)基板1にハロゲンランプで紫外光を5分間照射した
後、基板端部の接触角のモニター部で、有機金属含有水
溶液の液滴を基板に適量付与し、接触角計で接触角を測
定した。
【0137】(工程−4:表面エネルギーの調整工程)
工程−3で作成した基板を、シリカゲルを乾燥剤とした
デシケータ中で、3日間放置した。工程−5に基板を投
入する直前に接触角を測定した。測定した接触角が、4
5°以上30°未満の場合は、工程−3にもどり、再び
初期化を行った。
【0138】(工程−5)有機金属含有溶液として、酢
酸パラジウム−モノエタノールアミン0.2%、イソプ
ロピルアルコール15%、エチレングリコール0.8
%、ポリビニルアルコール0.5%の水溶液の液滴をピ
エゾジェット法と呼ばれるインクジェット法によって、
各素子電極および素子電極間に5回、同一箇所に付与し
た。各素子の抵抗を測定した。
【0139】(工程−6)次にフェースプレートを形成
した。フェースプレートは、ガラス基板の内面に蛍光体
が配置された蛍光膜とメタルバックが形成された構成と
した。蛍光体の配列は、三原色蛍光体の各蛍光体間ブラ
ックストライプを設けた。ブラックストライプの材料と
しては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料を
用いた。これらは、いずれもスクリーン印刷法によって
形成した。
【0140】(工程−7)工程−1〜5で形成した基板
をリアプレートとして、支持枠を介して、フェースプレ
ートを封着した。支持枠には予め、通排気に使用される
排気管を接着した。
【0141】(工程−8)10-7Torrまで排気後、
各配線DXn,DYmより各素子に電圧を供給できる製
造装置で、ライン毎に、フォーミングを行った。フォー
ミングの条件は、実施例2と同様である。
【0142】(工程−9)10-7Torrまで排気後、
アセトンを10-3Torrとなるまで排気管から導入
し、各配線DXn,DYmより各素子に電圧を供給でき
る製造装置で、線順走査を、実施例2と同様のパルス電
圧が各素子に印加される様に電圧を印加し、活性化工程
を行った。各ラインに、25分間、電圧印加して各ライ
ンとも、素子電流が、平均で3mAになったとき、活性
化工程を終了した。
【0143】(工程−10)つづいて、排気管より排気
を十分に行った後、250℃で3時間容器全体を加熱し
ながら排気した。最後にゲッタをフラッシュし、排気管
を封止した。
【0144】以上の様にして作成した単純マトリクス配
置の電子源を用いて構成した画像形成装置を作成した。
【0145】次に、この作成した画像形成装置によっ
て、NTSC方式のテレビ信号に基づいたテレビジョン
表示を行う為の駆動回路の構成例について、図13を用
いて説明する。
【0146】図13において、131は画像表示パネ
ル、132は走査回路、133は制御回路、134はシ
フトレジスタである。135はラインメモリ、136は
同期信号分離回路、137は変調信号発生器、Vxおよ
びVaは直流電圧源である。尚、本実施例では、m=1
50、n=450表示パネル131は、端子Dox1乃
至Doxm、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子
Hvを介して外部の電気回路と接続している。端子Do
x1乃至Doxmには、表示パネル内に設けられている
電子源、即ち、M行N列の行列状にマトリクス配線され
た電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次駆動する為
の走査信号が印加される。
【0147】端子Dy1乃至Dynには、前記走査信号
により選択された一行の電子放出素子の各素子の出力電
子ビームを制御する為の変調信号が印加される。高圧端
子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば10k[V]
の直流電圧が供給されるが、これは電子放出素子から放
出される電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネ
ルギーを付与する為の加速電圧である。
【0148】走査回路132について説明する。同回路
は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1乃至Smで模式的に示している)ある。各スイ
ッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0
[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表
示パネル131の端子Dox1乃至Doxmと電気的に
接続される。S1乃至Smの各スイッチング素子は、制
御回路133が出力する制御信号Tscanに基づいて
動作するものであり、例えばFETのようなスイッチン
グ素子を組み合わせることにより構成することができ
る。
【0149】直流電圧源Vxは、本例の場合には電子放
出素子の特性(電子放出閾値電圧)に基づき走査されて
いない素子に印加される駆動電圧が電子放出閾値電圧以
下となるような一定電圧を出力するように設定されてい
る。
【0150】制御回路133は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動作
を整合させる機能を有する。制御回路133は、同期信
号分離回路136より送られる同期信号Tsyncに基
づいて、各部に対してTscanおよびTsftおよび
Tmryの各制御信号を発生する。
【0151】同期信号分離回路136は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路136により分離された同期信号は、垂直同期
信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上
Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分
離された画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表
した。該DATA信号はシフトレジスタ134に入力さ
れる。
【0152】シフトレジスタ134は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路133より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ
134のシフトクロックであるということもでき
る。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータ
は、Id1乃至IdnのN個の並列信号として前記シフ
トレジスタ134より出力される。
【0153】ラインメモリ135は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路133より送られる制御信号Tmryに従
って適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶され
た内容は、I′d1乃至I′dnとして出力され、変調
信号発生器137に入力される。
【0154】変調信号発生器137は、画像データI′
d1乃至I′dnの各々に応じて電子放出素子の各々を
適切に駆動変調する為の信号源であり、その出力信号
は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示パネル13
1内の電子放出素子に印加される。
【0155】ここでは、パルス幅変調方式によって変調
を行った。パルス幅変調方式を実施するに際しては、変
調信号発生器137として、一定の波高値の電圧パルス
を発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの
幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いるこ
とができる。
【0156】シフトレジスタ134やラインメモリ13
5は、デジタル信号式のものもアナログ信号式のものも
採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶
が所定の速度で行われれば良いからである。
【0157】このような駆動回路により、表示パネルの
各電子放出素子に、容器外端子Dox1乃至Doxm、
Doy1乃至Doynを介して電圧を印加することによ
り、電子放出が生ずる。高圧端子Hvを介してメタルバ
ック59に高圧を印加し、電子ビームを加速する。加速
された電子は、蛍光膜に衝突し、発光が生じて画像が形
成される。
【0158】以上の様な工程で、形成された画像形成装
置は、NTSC信号の入力によって、輝度ばらつきが少
なく、安定な画像形成装置が再現性良く、歩留まりが高
く製造することができた。
【0159】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、電子放出素子を形成する基体に、光を照射して基体
の表面エネルギーを低下し初期化する工程を行ない、一
定の親水面の表面エネルギーの表面を基体上に形成する
ため、次工程の基体の表面エネルギーを調整する工程で
の表面エネルギーのばらつきが大幅に減少する。このた
め、基体に付与された有機金属含有溶液が、スピンナー
で塗布した場合は、均一性の高い膜厚が得られる様にな
り、インクジェット法によって液滴を付与した場合は、
所望の形状が得られる様になる。
【0160】また、更には、酸化チタン層が、基体上に
積層されているので、導電性薄膜と基体との密着性が改
善されるため、安定な電子放出特性が得られる様にな
る。
【0161】従って、良好な電子放出特性を有する電子
放出素子、及び均一性が高く良好な複数の電子放出素子
を配置した電子源、さらには、均一性が高く良好な表示
品位の前記電子源と蛍光体等の画像形成部材を対向して
構成した画像形成装置の製造方法を提供できる。
【0162】また、基体に有機金属含有溶液を付与する
工程に先立ち、前記基体の表面エネルギーを測定検査
し、測定値が基準値の範囲外であった場合には、前記光
を照射して基体の表面エネルギーを低下し初期化する工
程より再処理する工程、を行なうため、基体の表面エネ
ルギーが、基体内、基体間でばらついた場合でも、簡単
に表面エネルギーを初期化し、再調整でき、基体表面エ
ネルギーがばらつかず、歩留まりの向上ができる。従っ
て、歩留まりが高く安価な電子放出素子、電子源及び画
像形成装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の概略構成を示す図であ
る。
【図2】本発明の電子放出素子の他の概略構成を示す図
である。
【図3】本発明の第1の製造方法を示す図である。
【図4】本発明の第2の製造方法を示す工程フロー図で
ある。
【図5】本発明の画像形成装置の一例を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明の画像形成装置の製造方法のを示す工程
フロー図である。
【図7】実施例1で用いた電子放出素子のテスト基板の
模式的平面図である。
【図8】実施例1で用いた真空処理装置の模式的構成図
である。
【図9】実施例2で用いた通電フォーミング電圧波形図
である。
【図10】実施例2の活性化工程で用いたパルス電圧波
形図である。
【図11】実施例4の工程フロー図である。
【図12】実施例4の電子源の一部の平面図及び断面図
である。
【図13】実施例4のテレビジョン表示を行う為の駆動
回路の構成を示すブロック図である。
【図14】従来の電子放出素子を説明する模式的平面図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 素子電極 3 素子電極 4 導電性薄膜 5 電子放出部 6 酸化チタン層 58 電子放出素子 51 リアプレート 52 支持枠 53 ガラス基板 54 蛍光膜 55 メタルバック 56 フェースプレート 57 電子放出素子を複数配した電子源基板 50,58 X方向配線及びY方向配線 121 基板 122,123 素子電極 124 導電性膜 127 層間絶縁層 128 Dxnに対応する行方向配線 129 Dynに対応する列方向配線 131 画像表示パネル 132 走査回路 133 制御回路 134 シフトレジスタ 135 ラインメモリ 136 同期信号分離回路 137 変調信号発生器

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に一対の電極と電子放出部を形成
    した導電性薄膜を有する電子放出素子の製造方法におい
    て、 前記基体表面に酸化チタン層を形成する工程;前記基体
    に光を照射して該基体の表面エネルギーを低下し初期化
    する工程;前記基体の表面エネルギーを調整する工程;
    前記基体に有機金属含有溶液を付与する工程;前記有機
    金属含有溶液を熱分解して前記導電性薄膜を形成する工
    程;を有することを特徴とする電子放出素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記光は、紫外光あるいは可視光を含む
    紫外光であることを特徴とする請求項1記載の電子放出
    素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基体の表面エネルギーを低下し初期
    化する工程は、前記基体表面を親水面とすることを特徴
    とする請求項1又は2記載の電子放出素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基体の表面エネルギーを調整する工
    程は、前記基体表面を撥水面とする工程であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子放出素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基体に有機金属含有溶液を付与する
    工程は、インクジェット法で行なわれることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の電子放出素子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記インクジェット法は、バブルジェッ
    ト方式あるいはピエゾジェット方式であることを特徴と
    する請求項5記載の電子放出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記有機金属含有溶液は、水溶液である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子
    放出素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基体の表面エネルギーを調整する工
    程の後、前記基体の表面エネルギーを測定検査し、該測
    定値が所定の基準値の範囲外の場合は、前記表面エネル
    ギーを低下し初期化する工程、及び表面エネルギーを調
    整する工程を再度行なう再処理工程を有することを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子放出素子の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記基体の表面エネルギーを測定検査す
    る工程は、前記有機金属含有溶液と前記基体表面との接
    触角を測定することを特徴とする請求項8記載の電子放
    出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記基体の表面エネルギーの基準値
    は、撥水面であることを特徴とする請求項8又は9記載
    の電子放出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記電子放出素子は、表面伝導型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項1〜10のいず
    れかに記載の電子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 電子放出素子が基体上に複数配置され
    ている電子源の製造方法において、 前記電子放出素子が、請求項1〜11のいずれかに記載
    の電子放出素子の製造方法により製造されることを特徴
    とする電子源の製造方法。
  13. 【請求項13】 基体上に複数配置されている電子放出
    素子が、互いに直交する行配線と列配線の交点近傍にお
    いて、一対の電極を接続されていることを特徴とする請
    求項12記載の電子源の製造方法。
  14. 【請求項14】 電子源を有する基体と該電子源から放
    出される電子により画像を形成する画像形成部材とを具
    備した画像形成装置の製造方法において、 前記電子源が、請求項12又は13記載の電子源の製造
    方法により製造されることを特徴とする画像形成装置の
    製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002100282A (ja) * 2000-07-19 2002-04-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子放出素子およびその製造方法、ならびにこれを用いた画像表示装置

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