JPH11283276A - 蛍光式情報記録媒体とその情報書込装置および情報読取装置 - Google Patents

蛍光式情報記録媒体とその情報書込装置および情報読取装置

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JPH11283276A
JPH11283276A JP10081598A JP8159898A JPH11283276A JP H11283276 A JPH11283276 A JP H11283276A JP 10081598 A JP10081598 A JP 10081598A JP 8159898 A JP8159898 A JP 8159898A JP H11283276 A JPH11283276 A JP H11283276A
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JP
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fluorescent
recording medium
fullerene
polymer plate
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JP10081598A
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English (en)
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Yasuharu Ka
安 東 夏
Hideo Tashiro
代 英 夫 田
Tomoyuki Wada
田 智 之 和
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラーレンの蛍光特性の変化を利用すること
によって、記録された情報の安定性に優れ、情報読取り
に伴う記録情報の劣化、損傷を防止することができる蛍
光式情報記録媒体を提供すること。 【解決手段】 本発明の蛍光式情報記録媒体10は、ス
ライドガラス14上に被覆されたポリマープレート13
を備えている。ポリマープレート13は、ポリマー母材
11と、ポリマー母材11中にドープされたフラーレン
12とからなっている。フラーレン12は記録させる情
報に対応した条件で光酸化され、この光酸化によってそ
の蛍光強度が変化して情報を記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度に情報を記
録することができる蛍光式情報記録媒体に係り、とりわ
け記録された情報の安定性に優れ、情報読取りに伴う記
録情報の劣化、損傷を防止することができる蛍光式情報
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度に情報を記録することができる蛍
光式情報記録媒体として、従来、有機色素を用いた蛍光
型メモリーが知られている。蛍光型メモリーは、光学的
な情報書込方法および光学的な情報読取方法を利用する
ことによって、極めて高密度な情報集積記録を可能とし
ている。
【0003】蛍光型メモリーに対する情報書込方法とし
ては、蛍光型メモリーの蛍光収率を変化させる方法や、
蛍光型メモリーの発光波長を変化させる方法等がある。
【0004】蛍光型メモリーに蛍光特性の変化として書
込まれた情報は、蛍光型メモリーに情報読取のための光
を投光して、その蛍光特性を処理することによって復元
される、すなわち読取られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機色
素を用いた蛍光型メモリーは、有機色素自体の耐性が高
くないことに起因して、経年変化による記録情報の劣
化、損傷や、情報読取り時の励起用の光エネルギ吸収に
よる記録情報の劣化、損傷といった問題が発生する場合
がある。
【0006】本件発明者らは、素材自体の耐性という視
点に基づいて、フラーレンとう物質に着目した。フラー
レンは、分子構造が立体的に対称である(図3参照)た
め安定性が高く、また分子構造の特殊性に基づいて、超
電動性、光導電性、エレクトロルミネセンス等、興味深
い様々な特殊な性質を有し、種々の研究分野で研究対象
となっている物質である。
【0007】また本件発明者らは、フラーレンを光酸化
処理することによって、その蛍光強度を上昇させること
ができることを知見した。
【0008】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、フラーレンの蛍光特性の変化を利用する
ことによって、記録された情報の安定性に優れ、情報読
取りに伴う記録情報の劣化、損傷を防止することができ
る蛍光式情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリマー母材
と、ポリマー母材中にドープされたフラーレンとを有す
るポリマープレートを備え、フラーレンは記録させる情
報に対応した条件で光酸化され、この光酸化によってそ
の蛍光強度が変化して情報を記録することを特徴とする
蛍光式情報記録媒体である。
【0010】本発明によれば、光酸化によるフラーレン
の蛍光強度の変化を利用して情報を記録することによ
り、フラーレンの安定性に基づいて、記録された情報は
安定に保持され、情報読取りに伴う記録情報の劣化、損
傷も防止される。
【0011】また本発明は、上記記載の蛍光式情報記録
媒体に情報を書込むための情報書込装置であって、予め
設定されたポリマープレートの局所領域を順に走査し、
ポリマープレートの局所領域中のフラーレンに記録させ
る情報に対応する波長の光を記録させる情報に対応した
投光時間で投光して、ポリマープレートの局所領域中の
フラーレンを光酸化させる投光酸化装置と、投光酸化装
置による投光後のポリマープレートに、さらなる光酸化
を妨げるための光酸化防御物質を添付する保護装置と、
を備えたことを特徴とする蛍光式情報記録媒体の情報書
込装置である。
【0012】本発明によれば、上記の蛍光式情報記録媒
体に対して投光酸化装置によって局所的にフラーレンの
蛍光強度を変化させることができ、さらに保護装置によ
って光酸化を妨げるための光酸化防御物質を添付するこ
とができるため、蛍光式情報記録媒体に高密度に情報を
書込むことが可能で、さらに書込んだ情報をより安定に
保持させることが可能である。
【0013】また本発明は、上記記載の蛍光式情報記録
媒体から情報を読取るための情報読取装置であって、予
め設定されたポリマープレートの局所領域を順に走査
し、ポリマープレートの局所領域中のフラーレンに予め
設定された所定の波長の光を所定の時間だけ投光して、
ポリマープレートの局所領域中のフラーレンの蛍光を誘
起する蛍光誘起装置と、投光されたポリマープレートの
局所領域中のフラーレンからの蛍光を受光してその蛍光
特性に応じた情報を出力する受光装置と、を備えたこと
を特徴とする蛍光式情報記録媒体の情報読取装置であ
る。
【0014】本発明によれば、上記の蛍光式情報記録媒
体に対して蛍光誘起装置によって局所的にフラーレンの
蛍光を誘起させることができ、受光装置によってその蛍
光特性に応じた情報を出力することができるため、蛍光
式情報記録媒体に記録された高密度の情報を正確に読取
ることが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明による蛍光
式情報記録媒体の一実施の形態を示す概略図である。図
1に示すように、蛍光式情報記録媒体10は、ポリスチ
レン母材11(ポリマー母材)と、ポリスチレン母材1
1(ポリマー母材)中にドープされた多数のC6012
(フラーレン)とを有するポリマープレート13を備
え、このポリマープレート13は、スライドガラス14
の上面にフィルム状に被覆されている。
【0016】次に、このような構成からなる本実施の形
態の蛍光式情報記録媒体の製造方法について説明する。
まず、高純度のC60、好ましくは99.5%以上の高純
度のC60とポリエチレンとを、有機溶媒、例えばトルエ
ン溶媒を用いて混合する。C60とポリエチレンとの混合
比は、重量比で1:30が望ましい。
【0017】前記のようにして得られた混合物は、スラ
イドガラス14の上面に塗布され、トルエンを蒸発させ
ながらスライドガラス14を被覆する。トルエンの蒸発
は、通常の室温、大気圧環境においても十分行われる
が、トルエンの蒸発環境は任意である。
【0018】トルエンが蒸発することにより、ポリスチ
レン母材11中にC6012が多数均一にドープされたポ
リマープレート13が得られる。例えばポリマープレー
ト13の厚さは90μmとすることができる。またC60
12は、ポリスチレン母材11中に多層状にドープされ
てもよい。
【0019】本実施の形態の蛍光式情報記録媒体10に
よれば、C6012の安定性に基づいて、記録された情報
が安定に保持され、また情報読取りに伴う記録情報の劣
化、損傷も防止される。
【0020】次に、図2を用いて、蛍光式情報記録媒体
10に情報を書込むための情報書込み装置20について
説明する。情報書込装置20は、図2に示すように、蛍
光式情報記録媒体10を載置して位置決めするテーブル
21と、予め設定されたポリマープレート13の局所領
域を順に走査し、ポリマープレート13の局所領域中の
6012に記録させる情報に対応する波長の光をこの情
報に対応した投光時間で投光して、ポリマープレート1
3の局所領域中のC6012を光酸化させる投光酸化装置
22とを備えている。また投光酸化装置22による投光
後のポリマープレート13に対して、さらなる光酸化を
妨げるために、保護装置24により光酸化防御物質23
が添付される。
【0021】上記情報書込装置20のうちテーブル21
としては、40倍でNA0.85の対物レンズを有する
Nikonのインバータ型顕微鏡のステージが用いられてい
る。
【0022】また投光酸化装置22は、Bio-Rad MRC 60
0 の数値制御型のレーザスキャニング共焦点顕微鏡22
mと、出力中心波長が488nmのアルゴンイオンレー
ザ装置22aとを組合わせることにより構成されてい
る。レーザ装置22aの出力中心波長は488nmとな
っており、この波長域がC6012の吸収帯である420
nmに近いため、局所的な投光酸化をより高密度に行う
ことができる。
【0023】また光酸化防御物質23は、カバーグラス
23gと防御ワックス23wとで構成されている。さら
に保護装置24は、投光酸化装置22に隣接されてお
り、情報が書込まれた蛍光式情報記録媒体をN2 環境内
に閉込めるとともに、当該N2環境下でカバーグラス2
3gおよび防御ワックス23wを用いてポリマープレー
ト13を密封するように構成されている。
【0024】次に、図5および図6を用いて、蛍光式情
報記録媒体10に書込まれた情報を読取るための情報読
取装置30について説明する。情報読取装置30は、図
5および図6に示すように、蛍光式情報記録媒体10を
載置して位置決めするテーブル31と、予め設定された
ポリマープレート13の局所領域を順に走査し、ポリマ
ープレート13の局所領域中のC6012(C60Oを含
む)に予め設定された所定の波長の光を所定の時間だけ
投光して、ポリマープレート13の局所領域中のC60
2(C60Oを含む)の蛍光を誘起する蛍光誘起装置32
とを備えている。投光されたポリマープレート13の局
所領域中のC6012からの蛍光は、受光装置33によっ
て受光されその蛍光特性に応じた情報が出力される。
【0025】上記情報読取装置のうちテーブル31とし
ては、情報書込装置20のテーブル21と同様に、40
倍でNA0.85の対物レンズを有する Nikonのインバ
ータ型顕微鏡のステージが用いられている。
【0026】また蛍光誘起装置32は、情報書込装置2
0の投光酸化装置22と同様に、Bio-Rad MRC 600 の数
値制御型のレーザスキャニング共焦点顕微鏡32mと、
出力中心波長が488nmのアルゴンイオンレーザ装置
32aとを組合わせることにより構成されている。
【0027】さらに受光装置33は、蛍光誘起装置32
に隣接され、Bio-Rad MRC 600 のA1とA2とのフィル
タセットを内蔵しており、C6012からの蛍光をA1と
A2とのフィルタセットを介して受光し、600nm以
上の波長の蛍光のみを受光処理するように構成されてい
る。
【0028】次に、このような構成からなる本実施の形
態の作用について説明する。まず情報書込装置20の作
用について説明する。はじめにテーブル21上に、蛍光
式情報記録媒体10が載置される。
【0029】その後、投光酸化装置22が、予め設定さ
れたポリマープレート13の局所領域を順に走査する。
投光酸化装置22によるポリマープレート13の局所領
域の走査は、テーブル21による位置決めとテーブル2
1の対物レンズによるレーザ光の絞りを利用して多層状
に3次元の局所投光を可能にするようにプログラムされ
ており、ある層内が平面状に走査され、続いて厚み方向
に軌道がずらされて別の層内が再び平面状に走査され
る。
【0030】投光酸化装置22は、ポリマープレート1
3の局所領域の走査に伴って、記録させる情報に対応し
た投光時間でポリマープレート13の局所領域中のC60
12にアルゴンイオンレーザ装置22aの光を投光す
る。
【0031】記録させる情報がデジタル化された情報の
場合、0を記録させる際には投光時間を0とし、0以外
の値を記録させる際にはそれぞれ0でない所定の時間だ
け投光する。例えば、記録させる情報が0と1とに2値
化された情報であれば、0を記録させる場合には投光時
間を0とし、1を記録させる場合には0でない所定の時
間、例えば1W/cm2 の強度で30秒間だけ投光す
る。
【0032】アルゴンイオンレーザ装置22aの光が投
光されると、絞りを利用して局所的に高エネルギとなっ
ている投光領域から1光子が光酸化のためのエネルギと
して吸収され、ポリマープレート13の局所領域中のC
6012は周囲の大気中の酸素と反応して光酸化する。図
3に示すように、C6012は光酸化すると分子構造の立
体対称性が崩れ、結果的に光遷移の障壁が低くなるため
蛍光強度が上昇する。このような投光酸化は、極めて小
さい消費電力(5W/cm2 未満)で行うことができ
る。
【0033】図4は、3次元の情報記録状態の一例を示
している。本実施の形態の情報書込装置20は、図4に
示すように、3層の平面状に局所投光して3次元状に光
酸化させることができる。この場合、局所領域の走査間
隔は、平面縦方向(図4の上下方向)には15μm、平
面横方向(図4の紙面前後方向)には10μm、厚み方
向(図4の左右方向)には25μmであり、これらの局
所領域(点列)への光酸化によって「A」「B」「C」
の文字状のビットパターンを記録することができる。こ
の場合、光酸化される各局所領域の大きさは、直径約2
μmとなっている。
【0034】保護装置24は、光酸化されたポリマープ
レート13を収容してN2 環境内に閉込め、当該N2
境下でポリマープレート13を覆うようにカバーグラス
23gおよび防御ワックス23wを添付して、ポリマー
プレート13が大気中の酸素と接触しないように密封す
る。この場合、保護装置24は、ポリマープレート13
内に浸透している酸素を消散させるため、投光酸化後の
ポリマープレート13にすぐに光酸化防御物質23を添
付するのではなく、投光酸化後のポリマープレート13
をN2 環境下に約1日間置いてから光酸化防御物質23
を添付することが好ましい。
【0035】以上のように本実施の形態の情報書込装置
20によれば、蛍光式情報記録媒体10に高密度に、特
に3次元に情報を書込むことが可能である。2値化され
た情報であれば、6.5×1012 bit/cm2が可能であ
る。
【0036】さらに本実施の形態によれば、光酸化防御
物質23によってポリマープレート13中のC6012が
さらに酸化することが防止されるので、書込んだ情報を
より安定に保持させることが可能である。
【0037】次に、情報読取装置30の作用について説
明する。まずテーブル31上に、蛍光式情報記録媒体1
0が載置される。
【0038】その後、蛍光誘起装置32が、予め設定さ
れたポリマープレート13の局所領域を順に走査する。
蛍光誘起装置32によるポリマープレート13の局所領
域の走査は、情報書込装置20の投光酸化装置22と同
様に、テーブル31による位置決めとテーブル31の対
物レンズによるレーザ光の絞りを利用して多層状に3次
元の局所投光を可能にするようにプログラムされてお
り、ある層内が平面状に走査され、続いて厚み方向に軌
道がずらされて別の層内が再び平面状に走査される。
【0039】蛍光誘起装置32は、ポリマープレート1
3の局所領域の走査に伴って、所定の時間だけ例えば1
W/cm2 ポリマープレート13の局所領域中のC60
2にアルゴンイオンレーザ装置32aの光を投光する。
【0040】ポリマープレート13の局所領域中のC60
12は、光酸化されてC60Oとなっている場合に、アル
ゴンイオンレーザ装置32aの光が絞られて局所投光さ
れると1光子のエネルギを吸収し、エネルギ転移が起こ
って強い蛍光を発する。
【0041】受光装置33は、C6012(C60Oを含
む)からの蛍光をA1とA2とのフィルタセットを介し
て受光し、600nm以上の波長の蛍光のみを受光す
る。アルゴンイオンレーザ装置32aによる蛍光誘起の
ための光の波長は488nmであるので、600nm以
上の波長と限定することによって誘起された蛍光のみを
受光処理することができる。蛍光強度はC6012の光酸
化の状態に対応し、C6012が光酸化された局所領域に
おいて高くなっている。
【0042】受光装置33は、受光した蛍光強度に基づ
いて、蛍光強度をデジタル化された情報として出力す
る。例えば、0と1とに2値化された情報として出力す
ることができ、この場合、極めて高い読取の感度を実現
することができ、処理速度も、1-frame/s rate(1秒で
平面1層分)を達成することが可能である。
【0043】以上のように本実施の形態の情報読取装置
30によれば、蛍光式情報記録媒体10に高密度に書込
まれた情報を正確に読取ることが可能で、読取り時に蛍
光式情報記録媒体10を破壊することもない。特に、2
値化された情報として情報読取を行う場合には、極めて
高速に情報読取りを行うことができる。また、このよう
な情報読取方法は、極めて小さい消費電力(5W/cm
2 未満)で行うことができる。
【0044】なお、前記した実施の形態においては、情
報書込装置20の投光酸化装置21と情報読取装置30
の蛍光誘起装置31において、アルゴンイオンレーザ装
置21a、31aを利用しているが、チタンサファイヤ
レーザやYAGレーザなど他のレーザを用いることも可
能である。例えば、チタンサファイヤレーザは出力中心
波長が800nm〜850nmであり、単一の光子はエ
ネルギ(hν)が低いためC60に吸収されにくいが、2
つの光子が同時に吸収されて2光子型の励起を提供する
ことが可能である。チタンサファイヤレーザでは、10
0MHz周期における100fsのパルス幅で投光させ
ることができる。この場合、結果的にレーザの絞り効果
を向上することができ、より高密度な情報記録が可能と
なる。
【0045】また、本実施の形態ではフラーレンとして
60を用いているが、その他のフラーレンを用いてもよ
い。また本実施の形態では、ポリマー母材としてポリス
チレン母材を用いているが、その他のポリマー母材を用
いてもよい。
【0046】さらには、情報書込装置において、フラー
レンの光酸化条件を種々に変更してもよい。例えば、前
記の実施の形態のような大気中の代わりに、酸素ガス等
の適当なガス中において光酸化させてもよい。
【0047】また、本発明による蛍光式情報記録媒体
は、並行ビット処理を行うことも可能であり、特にRO
Mとしての利用に適している。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明の蛍光式情報記録媒
体によれば、光酸化によるフラーレンの蛍光強度の変化
を利用して情報を記録することにより、フラーレンの安
定性に基づいて、記録された情報が安定に保持され、情
報読取りに伴う記録情報の劣化、損傷が防止される。
【0049】また本発明の情報書込装置によれば、蛍光
式情報記録媒体に対して投光酸化装置によって局所的に
フラーレンの蛍光強度を変化させることができ、さらに
保護装置によって光酸化を妨げるための光酸化防御物質
を添付することができるため、蛍光式情報記録媒体に高
密度に情報を書込むことが可能で、さらに書込んだ情報
をより安定に保持させることが可能である。
【0050】また本発明の情報読取装置によれば、蛍光
式情報記録媒体に対して蛍光誘起装置によって局所的に
フラーレンの蛍光を誘起させることができ、受光装置に
よってその蛍光特性に応じた情報を出力することができ
るため、蛍光式情報記録媒体に記録された高密度の情報
を正確に読取ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蛍光式情報記録媒体の一実施の形
態を示す概略図。
【図2】図1に示す蛍光式情報記録媒体に対する情報書
込装置の一実施の形態を示す概略図。
【図3】C60およびC60Oの分子構造を示す概略図。
【図4】図1に示す蛍光式情報記録媒体において3次元
に情報記録された状態の一例を示す概略図。
【図5】図1に示す蛍光式情報記録媒体に対する情報読
取装置の一実施の形態を示す概略図。
【図6】図1に示す蛍光式情報記録媒体に対する情報読
取装置の別の実施の形態を示す概略図。
【符号の説明】
10 蛍光式情報記録媒体 11 ポリスチレン母材 12 C60 13 ポリマープレート 14 スライドガラス 20 情報書込装置 21 テーブル 22 投光酸化装置 22a アルゴンイオンレーザ装置 22m レーザスキャニング共焦点顕微鏡 23 光酸化防御装置 23g カバーグラス 23w 防御ワックス 24 保護装置 30 情報読取装置 31 テーブル 32 蛍光誘起装置 32a アルゴンイオンレーザ装置 32m レーザスキャニング共焦点顕微鏡 33 受光装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和 田 智 之 宮城県仙台市青葉区長町字越路19−1399 理化学研究所 フォトダイナミクス研究セ ンター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマー母材と、 ポリマー母材中にドープされたフラーレンとを有するポ
    リマープレートを備え、 フラーレンは記録させる情報に対応した条件で光酸化さ
    れ、この光酸化によってその蛍光強度が変化して情報を
    記録することを特徴とする蛍光式情報記録媒体。
  2. 【請求項2】フラーレンは、ポリマー母材中に均一ある
    いは多層状にドープされていることを特徴とする請求項
    1に記載の蛍光式情報記録媒体。
  3. 【請求項3】フラーレンは、C60であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の蛍光式情報記録媒体。
  4. 【請求項4】フラーレンは、予め光酸化され、 フラーレンのさらなる新たな光酸化を妨げるため、ポリ
    マープレートに光酸化防御物質が添付されたことを特徴
    とする請求項1または2に記載の蛍光式情報記録媒体。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のいずれかに記載の蛍光式
    情報記録媒体に情報を書込むための情報書込装置であっ
    て、 予め設定されたポリマープレートの局所領域を順に走査
    し、ポリマープレートの局所領域中のフラーレンに記録
    させる情報に対応する波長の光を前記情報に対応した投
    光時間で投光して、ポリマープレートの局所領域中のフ
    ラーレンを光酸化させる投光酸化装置と、 投光酸化装置による投光後のポリマープレートに、さら
    なる光酸化を妨げるための光酸化防御物質を添付する保
    護装置と、を備えたことを特徴とする蛍光式情報記録媒
    体の情報書込装置。
  6. 【請求項6】投光酸化装置は、デジタル化された情報に
    対応して、0を記録させる場合には投光時間を0とし、
    0以外の値を記録させる場合にはそれぞれ0でない所定
    の時間だけ投光することを特徴とする請求項5に記載の
    蛍光式情報記録媒体の情報書込装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4のいずれかに記載の蛍光式
    情報記録媒体から情報を読取るための情報読取装置であ
    って、 予め設定されたポリマープレートの局所領域を順に走査
    し、ポリマープレートの局所領域中のフラーレンに予め
    設定された波長の光を所定の時間だけ投光して、ポリマ
    ープレートの局所領域中のフラーレンの蛍光を誘起する
    蛍光誘起装置と、 投光されたポリマープレートの局所領域中のフラーレン
    からの蛍光を受光してその蛍光特性に応じた情報を出力
    する受光装置と、を備えたことを特徴とする蛍光式情報
    記録媒体の情報読取装置。
  8. 【請求項8】受光装置は、投光されたポリマープレート
    の局所領域中のフラーレンの蛍光特性をデジタル化され
    た情報として出力することを特徴とする請求項7に記載
    の蛍光式情報記録媒体の情報読取装置。
JP10081598A 1998-03-27 1998-03-27 蛍光式情報記録媒体とその情報書込装置および情報読取装置 Pending JPH11283276A (ja)

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JP10081598A Pending JPH11283276A (ja) 1998-03-27 1998-03-27 蛍光式情報記録媒体とその情報書込装置および情報読取装置

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JP (1) JPH11283276A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9006667B2 (en) 2012-03-30 2015-04-14 International Business Machines Corporation Surface-modified fluorescent carbon nanotubes for product verification

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