JPH11283243A - 磁気記録ディスク用ポリエステルフィルム - Google Patents

磁気記録ディスク用ポリエステルフィルム

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JPH11283243A
JPH11283243A JP10200598A JP10200598A JPH11283243A JP H11283243 A JPH11283243 A JP H11283243A JP 10200598 A JP10200598 A JP 10200598A JP 10200598 A JP10200598 A JP 10200598A JP H11283243 A JPH11283243 A JP H11283243A
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JP
Japan
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film
magnetic recording
recording disk
polyester
polyester film
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JP10200598A
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Hidekazu Kato
秀和 加藤
Masami Kuno
政己 久野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カール特性や等方性等の寸法精度、寸法安定
性に優れた、高容量、高性能のディスクに好適な磁気記
録ディスク用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 フィルム表裏の屈折率の差が0.001
以下であることを特徴とする磁気記録ディスク用ポリエ
ステルフィルム、加えて、フィルムの面内方向における
屈折率の差が0.01以下であることを特徴とする磁気
記録ディスク用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録ディスク
用ポリエステルフィルムに関し、とくに、寸法精度、寸
法安定性と等方性に優れた、高容量化が可能な高性能磁
気記録ディスク用ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ用外部記
憶媒体として磁気記録フロッピーディスクが広く使用さ
れ、同時にフロッピーディスクの大容量化、高密度化も
平行して進行しつつある。このような磁気記録ディスク
は、支持体フィルムに磁性層を塗布して平滑化処理を行
ない、所定の大きさのディスクに打ち抜いて製造される
が、支持体フィルムとしては二軸配向ポリエステルフィ
ルムが一般的である。
【0003】磁気記録ディスクの高密度化は、従来の
3.5インチのディスクにおいて、2MBの記録容量か
ら、ほぼ同サイズで100MB程度以上、更には200
MB以上の磁気記録ディスクが検討されている。高密度
化にあたっては、磁性層及び磁気記録方式に関する課
題、ポリエステルフィルム表面に関する課題、記録時と
再生時のディスクの寸法変化に関する課題などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録ディスクの寸
法安定性に関する課題に対して、従来から熱収縮率が小
さく、熱膨張係数がディスクドライブの熱膨張係数に近
いフィルムを選択することが提案されている。一方、最
近広がりつつある高容量の磁気記録ディスクは、高速で
データを記録再生するために、従来の接触式の磁気ヘッ
ドではなく、ベルヌイ型等の非接触式の磁気ヘッドが使
用されつつある。このような非接触式のドライブでは、
ディスクとヘッドの間隙、すなわちディスクの平面性が
極めて重要である。
【0005】磁気記録ディスクの寸法精度や寸法安定性
については従来から十分考慮が払われてきたが、それに
もかかわらず未だ不十分な場合がある。とくに支持体フ
ィルムをディスク状に打ち抜く際、さらには打ち抜いた
後に熱処理(ガラス転移点以下)を行った際のカールの
問題があり、カールが生じると、とくに高容量のディス
クや、高速でデータを記録再生する場合に障害となる。
また、フィルムの表面特性としても、極力均一で等方性
に優れたものが要求されるが、これら特性が不十分であ
ると、トラッキングずれの発生やディスクの平面性の悪
化が生じ、とくに高容量磁気記録ディスクの場合には問
題となる。
【0006】本発明の課題は、かかる従来技術における
課題および現状に鑑み、とくにカール特性や等方性等の
寸法精度、寸法安定性に優れた、高容量、高性能のディ
スクに好適な磁気記録ディスク用ポリエステルフィルム
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の磁気記録ディスク用ポリエステルフィルム
は、フィルム表裏の屈折率の差が0.001以下である
ことを特徴とするものからなる。
【0008】また、本発明に係る磁気記録ディスク用ポ
リエステルフィルムは、フィルムの面内方向における屈
折率の差が0.01以下であることを特徴とするものか
らなる。
【0009】そして、本発明に係る磁気記録ディスク用
ポリエステルフィルムは、上記2つの特性を併せもつこ
とが好ましい。すなわち、フィルム表裏の屈折率の差が
0.001以下であり、かつ、フィルムの面内方向にお
ける屈折率の差が0.01以下であることを特徴とする
磁気記録ディスク用ポリエステルフィルムである。
【0010】本発明に係る磁気記録ディスクは、このよ
うな磁気記録ディスク用ポリエステルフィルムフィルム
を用いて製造されたもので、とくに、100MB以上の
容量を有することができる。ディスクサイズとしてはと
くに限定されないが、最も汎用的な3.5インチサイズ
が好ましい。トラック密度としては、2000トラック
/インチ以上の高密度が可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、望ましい実施の
形態とともに詳細に説明する。本発明の磁気記録ディス
ク用ポリエステルフィルムを構成するポリエステルと
は、主な酸成分、グリコール成分の各々を芳香族ジカル
ボン酸、脂肪族グリコールとする実質的に線状のポリエ
ステルである。芳香族ジカルボン酸成分としては、例え
ばテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニ
ルケトンジカルボン酸などを用いることができる。脂肪
族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの
炭素数2〜10のポリメチレングリコール、シクロヘキ
サンジメタノールなどの脂環族グリコールなどを用いる
ことができる。これらのポリエステルのうち、特にポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート、あるいは全ジカルボン酸成分、全グリコール
成分の各々の80モル%以上がテレフタル酸および/ま
たは2,6−ナフタレンジカルボン酸、エチレングリコ
ールである共重合ポリエステルが好ましい。また、酸成
分、グリコール成分の各々の20モル%未満で共重合で
きる成分は上記以外に、酸成分としては例えばアジピン
酸、セバシン酸、アジピン酸、ダイマー酸、ドデカジオ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸などの
3官能カルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボ
ン酸などの脂環族ジカルボン酸などがあり、グリコール
成分としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリ
アルキレングリコール、ハイドロキノンなどの芳香族ジ
オールなどがある。
【0012】上記ポリエステルは各種の方法で製造で
き、重合触媒として代表的には3酸化アンチモン等のア
ンチモン系、2酸化マンガン等のマンガン系、2酸化ゲ
ルマニウム等のゲルマニウム系、各種チタン化合物を用
いることができる。ポリマの固有粘度としてはとくに限
定されないが、25℃、o−クロロフェノール中の溶液
としての測定値にて0.4〜1.9のものが好ましい。
【0013】本発明に係る磁気記録ディスク用ポリエス
テルフィルムは、磁気記録ディスクに要求される機械特
性、等方性等の点から、とくに二軸配向ポリエステルフ
ィルムからなることが好ましい。
【0014】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムを構成するポリエステル中には、必要に応じて、と
くにフィルム表面に所定の滑り性を付与するために滑剤
粒子を添加してもよい。滑剤粒子としては特に限定され
ないが、各種無機滑剤、有機滑剤を用いることができ
る。その形状としては、凝集状粒子、球状粒子、数珠状
粒子、コンペイトウ状粒子、鱗片状粒子等各種形状のも
のを使用できる。その組成としては、無機粒子の場合、
酸化珪素、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、ジ
ルコニア、珪酸アルミニウム等を、有機粒子の場合、ポ
リイミド系樹脂、オレフィンあるいは変性オレフィン系
樹脂、架橋あるいは無架橋ポリスチレン系樹脂、架橋あ
るいは無架橋アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹
脂等を用いることができる。また、内部析出粒子も適用
でき、内部析出粒子としては例えばアルカリ(土類)金
属化合物、リン化合物などの組合せでポリエステル製造
中に析出させた粒子などを使用できる。これら粒子の平
均粒径としては、0.02〜1μmの範囲にあることが
好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.5μmの範
囲である。含有量は0.03重量%〜1.5重量%が好
ましく、0.05重量%〜1重量%が更に好ましい。ま
た、粒径の異なる粒子を組み合せて(例えばコロイダル
シリカと炭酸カルシウム、有機粒子とアルミナなど)添
加することもフィルム使用時の削れ減少といった観点か
ら好ましい。
【0015】また、本発明における二軸配向ポリエステ
ルフィルムは、その表面に水溶性または水分散性樹脂を
塗布した後延伸することができる。水溶性または水分散
性樹脂としては、ガラス転移点40℃以上のものが好ま
しい。フィルム表面に水溶性または水分散性樹脂を塗布
した後延伸することにより、易滑性、易接着性、帯電防
止性などの各種特性を付与することが可能となる。特に
樹脂層が帯電防止性を含有する場合、ゴミ付着、放電等
帯電により発生する各種欠点の発生が無く特に好まし
い。該樹脂としてはアクリル、ポリエステル、ウレタ
ン、変性ポリオレフィン、スチレン、フッ素、シリコン
系の水分散あるいは水溶性樹脂を用いることができる。
また、該樹脂中に帯電防止機能を付与するためにスチレ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホ
ン化物、アクリル燐酸共重合体、シリコンアミド、ボロ
ン化合物等の各種帯電防止剤を添加するのが好適であ
る。
【0016】また、易滑性を付与するためには、該樹脂
層に前述したのと同様の粒子を添加することができる。
すなわち、添加する粒子としては、凝集粒子、新球状粒
子、数珠、コンペイトウ等の各種形状を有する酸化珪
素、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、ジルコニ
ア、珪酸アルミニウム等の各種無機粒子、ポリイミド系
樹脂、オレフィンあるいは変性オレフィン系樹脂、架橋
あるいは無架橋ポリスチレン系樹脂、架橋あるいは無架
橋アクリル樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂等の有
機粒子を挙げることができる。また、カルナウバワック
ス等の各種ワックスを添加してもよい。
【0017】さて、本発明に係る磁気記録ディスク用ポ
リエステルフィルムにおいては、フィルム表裏の屈折率
の差が0.001以下であることが必要であり、好まし
くは、屈折率の差が0.0007以下である。フィルム
表裏の屈折率差を0.001以下とすることにより、優
れたカール特性が確保される。とくに、支持体フィルム
をディスク状に打ち抜き、ガラス転移点以下の温度で熱
処理をした後でもカールしないようにすることができ、
高い寸法精度、寸法安定性が得られる。フィルム表裏の
屈折率差が0.001を越えると、フィルムをディスク
状に打ち抜き、ガラス転移点以下の温度で熱処理をした
際に、カールするおそれがある。
【0018】また、本発明に係る磁気記録ディスク用ポ
リエステルフィルムにおいては、とくに磁気記録ディス
クとした際のオフトラック(トラッキングずれ)対策と
して、ディスク状フィルムの等方性を確保できるように
している。すなわち、本発明に係るポリエステルフィル
ムにおいては、フィルムの面内方向における屈折率の差
が0.01以下であることが必要であり、好ましくは、
該屈折率差が0.005以下、つまり実質的に真円状に
保たれていることである。フィルムの面内方向屈折率差
を0.01以下にすることにより、オフトラックが良好
に防止される。すなわち、真円状にある製品のディスク
トラックと良好に合致させることができるため、オフト
ラックの発生を防止できる。フィルムの面内方向屈折率
差が0.01を越えると、ディスクが楕円状になること
があり、真円状にある製品のディスクトラックと合致し
ない状態が生じることがあるため、書込み、読出し時に
オフトラックが発生するおそれがある。
【0019】好ましくは、上記両特性を併せ持つことで
ある。すなわち、フィルム表裏の屈折率の差が0.00
1以下であり、好ましくは、屈折率の差が0.0007
以下であり、かつ、フィルムの面内方向における屈折率
の差が0.01以下であり、好ましくは、該屈折率差が
0.005以下の磁気記録ディスク用ポリエステルフィ
ルムである。
【0020】さらに、磁気記録ディスクの高容量化に対
応するために、フィルム表面を平滑化することが好まし
い。フィルム表面の平滑化により、SN比や出力特性を
良好に確保でき、高容量化が可能となる。フィルム表面
の平滑特性を規定するためには、フィルム表面の中心線
平均粗さRa、フィルム表面の中心面平均粗さSRa、
表面突起の最大高さSRmaxを特定することが好まし
い。
【0021】フィルム表面の中心線平均粗さRaとして
は、1〜15nmの範囲にあることが好ましい。フィル
ム表面の中心面平均粗さSRaとしては、1〜20nm
の範囲にあることが好ましい。表面突起の最大高さSR
maxとしては、300nm以下であることが好まし
い。表面粗さに関して、Ra、SRa、SRmaxがこ
れらの範囲を越えると、SN比や出力特性が悪化するお
それがあり、高容量化に対応できなくなるおそれがあ
る。Ra、SRaが上記範囲未満であると、走行性、加
工性が悪化する。
【0022】また、本発明においては、高速でデータを
記録、再生することを可能とし、かつ、フィルム生産の
安定化をはかるために、フィルム表面が適切な滑り性を
有し、良好な走行性を発揮できることが好ましい。滑り
性としては、滑り係数(静摩擦係数μs、動摩擦係数μ
d)で特定でき、たとえば、静摩擦係数μsが0.5〜
0.7の範囲にあり、動摩擦係数μdが0.3〜0.5
の範囲にあることが好ましい。
【0023】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、その厚さが25〜70μmの範囲にあることが
好ましく、より好ましくは30〜65μmの範囲であ
る。このような範囲において、高容量磁気記録ディスク
として採用される磁気ヘッドの形式および使用方法か
ら、フィルム厚さが剛性度などを考慮して決定される。
【0024】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、前記ポリエステルより各種の方法によって製造
することができる。たとえば、押出機により溶融された
ポリエステルはシート状に口金から押し出され、冷却ド
ラム上で冷却固化され、次いで逐次延伸または同時二軸
延伸を経て、熱固定のあと二軸配向フィルムとして巻き
取られる。これらの製造工程のなかで、フィルムの物性
は、縦横方向の延伸倍率および延伸温度、熱固定温度、
さらには縦横方向にリラックス操作などの条件を適宜選
択することから調整される。
【0025】易滑層や易接着層の積層方法としては、水
性塗剤を調製しフィルム製膜工程内での塗布、共押出す
る方法、有機溶剤系の塗剤を調製して製膜工程とは別途
オフラインで塗工する方法などがあるが、水性塗剤によ
る方法が最も現実的で好ましい。水性塗剤の塗布は、ポ
リエステルフィルムの配向、結晶化が完了する以前に行
なうことが必要で、例えば逐次二軸延伸製膜工程では縦
延伸後のフィルムに塗布し、横延伸、熱固定を経る間に
易接着層とフィルム本体との密着向上を得る方法が一般
的である。塗布方式としては、グラビアコート法、ロー
ルコート法、メイヤバー法などが用いられ、塗布前のフ
ィルム表面をコロナ処理等によって濡れ性を向上させる
方法などが採られる場合もある。
【0026】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明における特性値の測定方法ならびに効果の評
価方法は次の通りである。 (1)フィルム表面粗さ(中心線平均粗さRa) (株)小坂研究所製の触針式表面粗さ計を用いて、JI
S−B−0601に準じて、触針先端半径2μm、触針
荷重80mg、測定長4mm、カットオフ0.25mm
の条件で測定した。なお、Raの定義は、例えば奈良治
郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センター、
1983)に示されているものである。
【0027】(2)フィルム表面粗さ(中心面平均粗さ
SRa) (株)小坂研究所製の3次元粗さ計を用いて、触針荷重
6mg、測定長500mm、カットオフ0.25mmの
条件で測定した。
【0028】(3)滑り係数(静摩擦係数μs、動摩擦
係数μd) ASTM−D−1894に準じて測定した。
【0029】(4)屈折率 アッベの屈折率計を用いてJIS−K−7105に準じ
て測定した。マウント液にはヨウ化メチレンを用いた。
【0030】(5)カール特性評価 15cm×10cm角の大きさにカットしたフィルムサ
ンプルに100℃、10分の熱処理を施し、フィルムの
カール量を測定した。カール量は、該熱処理を施したフ
ィルムサンプルの上記15cm長さの方向を鉛直方向に
設定してフィルムサンプル上端から吊り下げ、このフィ
ルムサンプルに対して重りのついた糸を吊下して、該糸
から、吊り下げられたフィルムサンプルの下端までの距
離を計ることにより測定した。なお、フィルムサンプル
は、上記15cm長さの方向が、測定対象となるフィル
ムの長手方向および幅方向となるように2種類同じ大き
さでカットした。このように測定されたカール量が、上
記2種類のフィルムサンプルとも5mm以下の場合を合
格「○」とし、少なくともいずれか一方のフィルムサン
プルで5mmを越える場合を不合格「×」とした。
【0031】(6)等方性評価 上記屈折率の測定で得られたデータを、フィルム面内方
向の屈折率データとしてグラフ化し、等方性を評価し
た。最大値−最小値≦0.01の場合を合格「○」と
し、最大値−最小値>0.01の場合を不合格「×」と
した。
【0032】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。また、表1には実施例、比較例におけるフィル
ム製造条件を、表2には実施例、比較例の結果をまとめ
た。
【0033】実施例1 フィルムベース用として、常法により重合したポリエチ
レンテレフタレート(重合触媒:酢酸マグネシウム0.
1重量%、三酸化アンチモン0.03重量%、リン化合
物としてジメチルフェニルホスホネート0.35重量%
使用)を用い、平均粒径0.3μmの架橋ポリスチレン
を0.04重量%添加混合した原料ペレットを、180
℃で3時間真空乾燥(5Torr)した後、押出機に供
給して285℃で溶融した。
【0034】溶融ポリマを高精度濾過した後、口金から
シート状に押出し静電印加キャスト法を用いて表面温度
25℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化
し、未延伸フィルムを作った。この未延伸フィルムを8
5℃で長手方向に3.5倍延伸し、延伸時に、ラジエー
ションヒータ(RH)で2kWの電力にて非接触で加熱
した。一旦冷却後、ステンタを用いて105℃で幅方向
に3.75倍延伸し、さらに定長下220℃で5秒間熱
固定を行ない、150℃で幅方向に6%弛緩処理した。
ステンタから出たフィルムは雰囲気温度25℃で長手方
向に0.05%弛緩を行ない、厚さ62μmの二軸配向
ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの表面
特性、滑り特性、屈折率差、カール特性、等方性は表2
に示した通りであり、良好な結果が得られた。
【0035】得られた二軸配向ポリエステルフィルムに
下記組成の磁性塗剤を1μmの厚さに塗布した後、カレ
ンダー処理を行い、ディスク状に打ち抜いて磁気記録デ
ィスクを作成した。 γ−酸化鉄 200部 ポリウレタン 30部 酢酸ビニル樹脂 30部 イソシアネート化合物 40部 カーボンブラック 4部 溶剤 200部 (トルエン/MEK/シクロヘキサノン=1/1/1) 得られた磁気記録ディスクの特性を測定したところ優れ
た耐トラッキング性を有していた。
【0036】実施例2、比較例1、2 粒子の添加量を実施例2では0.06重量%とし、比較
例1、2では0.04重量%とし、フィルムの長手方向
延伸条件を変更し、実施例1と同様にして二軸配向ポリ
エステルフィルムを得た。フィルム製造条件を表1に、
得られたフィルムの特性を表2に示す。本発明で特定し
た範囲内のものでは優れたカール特性、等方性が得られ
た。また、得られたフィルムの磁性層塗布後の磁気記録
ディスクとしての特性を評価したところ、本発明で特定
した範囲内のものは優れた耐トラッキング特性を有して
いたが、そうでないものは、優れた耐トラッキング特性
が得られなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、フィルム表裏の屈折率
差を特定値以下に規定することにより、優れたカール特
性を有する磁気記録ディスクが得られ、また、フィルム
の面内方向屈折率差を特定値以下に規定することによ
り、さらに等方性に優れた磁気記録ディスクが得られ
る。優れた寸法精度、寸法安定性により、優れた耐トラ
ッキング性、出力特性が得られ、高容量、高性能の磁気
記録ディスクが得られる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム表裏の屈折率の差が0.001
    以下であることを特徴とする磁気記録ディスク用ポリエ
    ステルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルムの面内方向における屈折率の差
    が0.01以下であることを特徴とする磁気記録ディス
    ク用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムの面内方向における屈折率の差
    が0.01以下である、請求項1の磁気記録ディスク用
    ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 二軸配向ポリエステルフィルムからな
    る、請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気記録ディ
    スク用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 厚さが25〜70μmの範囲にあり、フ
    ィルム表面の中心線平均粗さRaが1〜15nmの範囲
    にある、請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気記録
    ディスク用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 フィルム表面の中心面平均粗さSRaが
    1〜20nmの範囲にあり、かつ、表面突起の最大高さ
    SRmaxが300nm以下である、請求項1ないし5
    のいずれかに記載の磁気記録ディスク用ポリエステルフ
    ィルム。
  7. 【請求項7】 フィルム表面に水溶性または水分散性樹
    脂を塗布後延伸されている、請求項1ないし6のいずれ
    かに記載の磁気記録ディスク用ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の磁
    気記録ディスク用ポリエステルフィルムフィルムを用い
    て製造された100MB以上の容量を有する磁気記録デ
    ィスク。
  9. 【請求項9】 3.5インチサイズである、請求項8の
    磁気記録ディスク。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6203892B1 (en) * 1998-02-13 2001-03-20 Sony Corporation Magnetic recording medium and manufacturing method therefor
JP2002254510A (ja) * 2001-03-01 2002-09-11 Teijin Ltd フレキシブルディスク用二軸配向ポリエステルフィルム
KR20030064933A (ko) * 2002-01-29 2003-08-06 주식회사 코오롱 이축연신 폴리에스테르 필름

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