JPH112827A - 液晶素子及びその製造方法 - Google Patents
液晶素子及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH112827A JPH112827A JP15191497A JP15191497A JPH112827A JP H112827 A JPH112827 A JP H112827A JP 15191497 A JP15191497 A JP 15191497A JP 15191497 A JP15191497 A JP 15191497A JP H112827 A JPH112827 A JP H112827A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- opening
- cell
- substrate
- injection
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 非対称構成セルに短時間で良好に液晶を注入
する。 【解決手段】 表面エネルギーの異なる基板1と2をシ
ール材3を介して貼り合わせる際に、表面エネルギーの
大きい方の基板1に形成したストライプ状電極が直交す
る辺に第一の開口部4を設け、該第一の開口部4に相対
する辺に第二の開口部9を設け、セル5を加圧槽6内に
設置して、第一の開口部4を液晶8に浸漬し、第一の開
口部4を加圧して第一の開口部4と第二の開口部9との
圧力差により液晶をセル5内に注入する。
する。 【解決手段】 表面エネルギーの異なる基板1と2をシ
ール材3を介して貼り合わせる際に、表面エネルギーの
大きい方の基板1に形成したストライプ状電極が直交す
る辺に第一の開口部4を設け、該第一の開口部4に相対
する辺に第二の開口部9を設け、セル5を加圧槽6内に
設置して、第一の開口部4を液晶8に浸漬し、第一の開
口部4を加圧して第一の開口部4と第二の開口部9との
圧力差により液晶をセル5内に注入する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの端
末ディスプレイ、各種フラットパネルディスプレイ等に
用いられる液晶素子の製造方法及び該方法によって製造
される液晶素子に関し、特に液晶素子の製造における液
晶注入技術に関する。
末ディスプレイ、各種フラットパネルディスプレイ等に
用いられる液晶素子の製造方法及び該方法によって製造
される液晶素子に関し、特に液晶素子の製造における液
晶注入技術に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶素子の製造工程において、液晶材料
をセル内(一般的には一対の基板を所定のシール材パタ
ーンを介して対向して形成されたセルにおける該シール
材に囲まれた領域)へ充填する方法として、真空注入法
と呼ばれる方法が多く用いられている。この真空注入法
は、上記シール材パターンの一部を開口しておき、カラ
ーセル内を真空にした後、上記開口部を液晶材料に含浸
させ、次に真空を破り液晶材料に大気圧を加えることに
よってセル内へ液晶を注入する方法である。
をセル内(一般的には一対の基板を所定のシール材パタ
ーンを介して対向して形成されたセルにおける該シール
材に囲まれた領域)へ充填する方法として、真空注入法
と呼ばれる方法が多く用いられている。この真空注入法
は、上記シール材パターンの一部を開口しておき、カラ
ーセル内を真空にした後、上記開口部を液晶材料に含浸
させ、次に真空を破り液晶材料に大気圧を加えることに
よってセル内へ液晶を注入する方法である。
【0003】上記真空注入法の他には、毛管現象を用い
た注入法(特開昭61−132928号公報)、加圧に
よる注入法(特開平6−82737号公報)等が知られ
ている。
た注入法(特開昭61−132928号公報)、加圧に
よる注入法(特開平6−82737号公報)等が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、単純マトリクス
型の液晶素子は、一般に一対の基板のそれぞれにストラ
イプ状の電極と配向膜を形成し、該電極が互いに直交す
るように対向配置してセルを形成する。液晶に接する配
向膜として上下基板で異なる素材を組み合わせた非対称
構成のセルの場合、それぞれの基板の表面エネルギーが
大きく異なる。
型の液晶素子は、一般に一対の基板のそれぞれにストラ
イプ状の電極と配向膜を形成し、該電極が互いに直交す
るように対向配置してセルを形成する。液晶に接する配
向膜として上下基板で異なる素材を組み合わせた非対称
構成のセルの場合、それぞれの基板の表面エネルギーが
大きく異なる。
【0005】液晶のセルへの注入は、液晶の基板への濡
れ性(表面エネルギー)と基板の物理的方向性(電極ス
トライプの方向)、注入口の形状の影響を大きく受ける
ため、上記した非対称構成セルの場合には、上下基板の
表面エネルギーの違いを考慮して基板の物理的方向性や
注入口の形状を設定しなければならない。
れ性(表面エネルギー)と基板の物理的方向性(電極ス
トライプの方向)、注入口の形状の影響を大きく受ける
ため、上記した非対称構成セルの場合には、上下基板の
表面エネルギーの違いを考慮して基板の物理的方向性や
注入口の形状を設定しなければならない。
【0006】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、非対
称構成のセルへ短時間で且つ注入不良なく液晶を注入す
る液晶素子の製造方法を提供することにある。
称構成のセルへ短時間で且つ注入不良なく液晶を注入す
る液晶素子の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、それぞ
れにストライプ状電極を有し、表面エネルギーの異なる
一対の基板を、上記ストライプ状電極が互いに直交する
ように対向配置し、少なくとも一辺に開口部を設けてシ
ール材により貼り合わせてなるセル内に、該開口部より
液晶を注入する工程を有し、表面エネルギーの大きい基
板の表面エネルギーと液晶の表面エネルギーの差が20
dyne/cm以上であり、該基板のストライプ状電極
が直交する方向のセルの一辺に上記開口部を設け、且つ
該開口部の長さが、該開口部を設けた辺の長さの95〜
100%であることを特徴とする液晶素子の製造方法で
ある。
れにストライプ状電極を有し、表面エネルギーの異なる
一対の基板を、上記ストライプ状電極が互いに直交する
ように対向配置し、少なくとも一辺に開口部を設けてシ
ール材により貼り合わせてなるセル内に、該開口部より
液晶を注入する工程を有し、表面エネルギーの大きい基
板の表面エネルギーと液晶の表面エネルギーの差が20
dyne/cm以上であり、該基板のストライプ状電極
が直交する方向のセルの一辺に上記開口部を設け、且つ
該開口部の長さが、該開口部を設けた辺の長さの95〜
100%であることを特徴とする液晶素子の製造方法で
ある。
【0008】本発明において好ましくは、上記開口部を
第一の開口部として、該第一の開口部に相対する辺に第
二の開口部を設け、上記第一の開口部の圧力を第二の開
口部の圧力よりも高く保ちながら、上記第一の開口部か
ら液晶を注入し、セル内を通過した余剰の液晶を第二の
開口部から流出させて該セル内に液晶を充填する。
第一の開口部として、該第一の開口部に相対する辺に第
二の開口部を設け、上記第一の開口部の圧力を第二の開
口部の圧力よりも高く保ちながら、上記第一の開口部か
ら液晶を注入し、セル内を通過した余剰の液晶を第二の
開口部から流出させて該セル内に液晶を充填する。
【0009】また本発明の第二は、上記製造方法によっ
て製造されたことを特徴とする液晶素子である。
て製造されたことを特徴とする液晶素子である。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の製造方法の一実施
形態の液晶注入工程を示す模式断面図である。図中5は
液晶セルであり、該セルは基板1,2をシール材3を介
して貼り合わせて構成されている。シール材3のパター
ンには液晶を注入するための第一の開口部4と、過剰の
液晶をセル5から流出させるための第二の開口部9を設
けてある。この液晶セル5の基板1、2の電極構成を図
2に示す。
形態の液晶注入工程を示す模式断面図である。図中5は
液晶セルであり、該セルは基板1,2をシール材3を介
して貼り合わせて構成されている。シール材3のパター
ンには液晶を注入するための第一の開口部4と、過剰の
液晶をセル5から流出させるための第二の開口部9を設
けてある。この液晶セル5の基板1、2の電極構成を図
2に示す。
【0011】基板1、2にはそれぞれストライプ状電極
21,22が形成され、図3(a)に示されるように、
ストライプ状電極21、22が互いに直交するように貼
り合わせる。図3(b)は図3(a)のA−A’断面図
である。基板1、2表面には配向膜31、32が形成さ
れている。8は液晶である。
21,22が形成され、図3(a)に示されるように、
ストライプ状電極21、22が互いに直交するように貼
り合わせる。図3(b)は図3(a)のA−A’断面図
である。基板1、2表面には配向膜31、32が形成さ
れている。8は液晶である。
【0012】本発明において、基板1と2の表面エネル
ギーには大きな差があり、基板1側の配向膜31の表面
エネルギーは液晶8の表面エネルギーと20dyne/
cm以上の差を有している。
ギーには大きな差があり、基板1側の配向膜31の表面
エネルギーは液晶8の表面エネルギーと20dyne/
cm以上の差を有している。
【0013】また、本発明においては、表面エネルギー
の大きい方の基板1のストライプ電極21が直交する辺
に第一の開口部4が設けられる。第一の開口部4の長さ
は、当該辺の長さの95〜100%である。図1に示し
た実施形態は100%とした例である。
の大きい方の基板1のストライプ電極21が直交する辺
に第一の開口部4が設けられる。第一の開口部4の長さ
は、当該辺の長さの95〜100%である。図1に示し
た実施形態は100%とした例である。
【0014】このようにして形成した液晶セル5を、図
1に示すように、第二の開口部9が加圧槽6の外に位置
するように加圧槽6内に設置し、第一の開口部4を液晶
槽7内の液晶8に浸漬する。この状態で加圧槽6内を加
圧すると、第一の開口部4と第二の開口部9(大気圧)
との差圧により、液晶8が液晶セル5内に注入される。
11は液晶8の注入方向である。
1に示すように、第二の開口部9が加圧槽6の外に位置
するように加圧槽6内に設置し、第一の開口部4を液晶
槽7内の液晶8に浸漬する。この状態で加圧槽6内を加
圧すると、第一の開口部4と第二の開口部9(大気圧)
との差圧により、液晶8が液晶セル5内に注入される。
11は液晶8の注入方向である。
【0015】液晶の注入においては、液晶と基板の相互
作用によって液晶の注入速度が異なってくる。液晶状態
の液晶ないしは液体(等方相)状態の液晶と基板界面の
相互作用が大きいほど液晶の注入は基板の影響を受け
る。さらに、基板表面の凹凸形状が大きいほど液晶の注
入は基板の影響を受ける。液晶の表面張力が小さく、基
板の臨界表面張力が大きいほど液晶−基板間の濡れ性は
大きく、相互作用も大きいと考えられる。即ち、液晶、
基板、未注入部分の気体の3相平衡状態が液晶注入波面
先端では生じているが、この時先端での液晶を引き込む
働きをする表面張力は、基板と液晶の表面張力の差が大
きいほど大きい。さらに表面張力は液晶基板接触界面の
長さに比例するので、電極配線の形状などにより基板の
凹凸形状が大きくなると液晶の注入は基板の影響を受け
ることになる。
作用によって液晶の注入速度が異なってくる。液晶状態
の液晶ないしは液体(等方相)状態の液晶と基板界面の
相互作用が大きいほど液晶の注入は基板の影響を受け
る。さらに、基板表面の凹凸形状が大きいほど液晶の注
入は基板の影響を受ける。液晶の表面張力が小さく、基
板の臨界表面張力が大きいほど液晶−基板間の濡れ性は
大きく、相互作用も大きいと考えられる。即ち、液晶、
基板、未注入部分の気体の3相平衡状態が液晶注入波面
先端では生じているが、この時先端での液晶を引き込む
働きをする表面張力は、基板と液晶の表面張力の差が大
きいほど大きい。さらに表面張力は液晶基板接触界面の
長さに比例するので、電極配線の形状などにより基板の
凹凸形状が大きくなると液晶の注入は基板の影響を受け
ることになる。
【0016】本発明においては、表面エネルギーの大き
い基板1の表面エネルギーと液晶の表面エネルギーの差
が20dyne/cm以上で、該基板1のストライプ状
電極が第一の開口部4に直交するように液晶セル5が形
成されているため、液晶注入の優先方向は図1の矢印1
2の方向となる。従って、矢印11の方向にセル内に侵
入してきた液晶8は優先方向12に沿って迅速にセル内
に注入される。また、本発明においては、第一の開口部
4を該開口部を設けた辺の95〜100%の長さで形成
しているため、セルの両側辺にも十分に液晶が達して液
晶注入不良を起こす心配がない。開口部の長さが95%
未満の場合には、液晶8が優先的に第二の開口部9に向
かって進行するため、開口部両端のシール材周辺に液晶
が周り込めず、該領域において液晶注入不良を生じる恐
れがある。
い基板1の表面エネルギーと液晶の表面エネルギーの差
が20dyne/cm以上で、該基板1のストライプ状
電極が第一の開口部4に直交するように液晶セル5が形
成されているため、液晶注入の優先方向は図1の矢印1
2の方向となる。従って、矢印11の方向にセル内に侵
入してきた液晶8は優先方向12に沿って迅速にセル内
に注入される。また、本発明においては、第一の開口部
4を該開口部を設けた辺の95〜100%の長さで形成
しているため、セルの両側辺にも十分に液晶が達して液
晶注入不良を起こす心配がない。開口部の長さが95%
未満の場合には、液晶8が優先的に第二の開口部9に向
かって進行するため、開口部両端のシール材周辺に液晶
が周り込めず、該領域において液晶注入不良を生じる恐
れがある。
【0017】セル5内に液晶が充満した後もさらに第一
の開口部4の加圧を続けることによって、余剰の液晶を
第二の開口部9から押し出し、セル内の不純物を含んで
汚染された液晶をセルから流出させる。その後、適宜セ
ルを冷却し、大気圧に戻し、第一の開口部4と第二の開
口部9に付着した余分の液晶を、例えば、布によりふき
取るか、或いは必要に応じてアセトンやケトン系(メチ
ルエチルケトン等)等の溶剤にてふき取ることにより除
去した後、両開口部を封口材によって封口し、液晶素子
が得られる。
の開口部4の加圧を続けることによって、余剰の液晶を
第二の開口部9から押し出し、セル内の不純物を含んで
汚染された液晶をセルから流出させる。その後、適宜セ
ルを冷却し、大気圧に戻し、第一の開口部4と第二の開
口部9に付着した余分の液晶を、例えば、布によりふき
取るか、或いは必要に応じてアセトンやケトン系(メチ
ルエチルケトン等)等の溶剤にてふき取ることにより除
去した後、両開口部を封口材によって封口し、液晶素子
が得られる。
【0018】上記実施形態においては、第一の開口部4
に相対する位置に第二の開口部9を設けて、第一の開口
部4を加圧することにより液晶の注入を行なったが、従
来の真空注入法により液晶注入を行なうこともできる。
但し、上記実施形態の場合には、セル内の不純物によ
り汚染された液晶を流出させて該液晶汚染による表示品
位の劣化を防止することができる、液晶が減圧状態に
曝されないため、蒸気圧の高い液晶材料、特にフッ素含
有率が高い液晶材料でも蒸発による液晶材料の変質を防
止することができる、セル内の真空引きが不要で、第
一の開口部と第二の開口部の圧力差を利用するため、短
時間で液晶注入を行なうことができ、また注入速度も制
御することができる、等の効果が得られるため、有利で
ある。
に相対する位置に第二の開口部9を設けて、第一の開口
部4を加圧することにより液晶の注入を行なったが、従
来の真空注入法により液晶注入を行なうこともできる。
但し、上記実施形態の場合には、セル内の不純物によ
り汚染された液晶を流出させて該液晶汚染による表示品
位の劣化を防止することができる、液晶が減圧状態に
曝されないため、蒸気圧の高い液晶材料、特にフッ素含
有率が高い液晶材料でも蒸発による液晶材料の変質を防
止することができる、セル内の真空引きが不要で、第
一の開口部と第二の開口部の圧力差を利用するため、短
時間で液晶注入を行なうことができ、また注入速度も制
御することができる、等の効果が得られるため、有利で
ある。
【0019】本発明の製造方法、特に、図1に示した、
第二の開口部を設けて圧力差により液晶を注入する方法
は、粘度の高い液晶を注入する場合に好ましく、例え
ば、スメクチック中間相を持つ、或いは潜在的スメクチ
ック中間相を持つものを含有する液晶組成物、特にカイ
ラルスメクチック液晶相を呈する液晶組成物を用いる場
合に好適である。
第二の開口部を設けて圧力差により液晶を注入する方法
は、粘度の高い液晶を注入する場合に好ましく、例え
ば、スメクチック中間相を持つ、或いは潜在的スメクチ
ック中間相を持つものを含有する液晶組成物、特にカイ
ラルスメクチック液晶相を呈する液晶組成物を用いる場
合に好適である。
【0020】また、上述したフッ素含有率が高い液晶材
料等の蒸気圧のより高い液晶材料を用いる場合に好適で
ある。特に蒸気圧の高い液晶材料として、フルオロカー
ボン末端部分及び炭化水素末端部分を有し、該両末端部
分が中心核によって結合され、スメクチック中間相又は
潜在的スメクチック中間相を持つフッ素含有液晶化合物
を含有する液晶組成物を用いる場合に最も好適である。
料等の蒸気圧のより高い液晶材料を用いる場合に好適で
ある。特に蒸気圧の高い液晶材料として、フルオロカー
ボン末端部分及び炭化水素末端部分を有し、該両末端部
分が中心核によって結合され、スメクチック中間相又は
潜在的スメクチック中間相を持つフッ素含有液晶化合物
を含有する液晶組成物を用いる場合に最も好適である。
【0021】尚、ここで潜在的スメクチック中間相を持
つ化合物とは、それ自信でスメクチック中間相を示さな
くとも、スメクチック中間相を持つ化合物又は他の潜在
的スメクチック中間相を持つ化合物との混合物におい
て、適当な条件下でスメクチック中間相を発現する化合
物を言う。
つ化合物とは、それ自信でスメクチック中間相を示さな
くとも、スメクチック中間相を持つ化合物又は他の潜在
的スメクチック中間相を持つ化合物との混合物におい
て、適当な条件下でスメクチック中間相を発現する化合
物を言う。
【0022】また、上記フッ素含有化合物における中心
核とは、少なくとも2つの芳香族環、複素芳香族環、脂
肪族環、置換芳香族環、置換複素芳香族環、置換脂肪族
環から選ばれ、これらの間は、互いに−COO−、−C
OS−、−HC=N−、−COSe−から選ばれる官能
基によって結合されていてもよい。これらの環は縮合し
ていても、縮合していなくてもよい。複素芳香環中のヘ
テロ原子はN、O又はSから選ばれる少なくとも1つの
原子を含む。脂肪族環中に隣接していないメチレン基
は、Oによって置換されていてもよい。
核とは、少なくとも2つの芳香族環、複素芳香族環、脂
肪族環、置換芳香族環、置換複素芳香族環、置換脂肪族
環から選ばれ、これらの間は、互いに−COO−、−C
OS−、−HC=N−、−COSe−から選ばれる官能
基によって結合されていてもよい。これらの環は縮合し
ていても、縮合していなくてもよい。複素芳香環中のヘ
テロ原子はN、O又はSから選ばれる少なくとも1つの
原子を含む。脂肪族環中に隣接していないメチレン基
は、Oによって置換されていてもよい。
【0023】上記フッ素含有液晶化合物の具体例として
は、特開平2−142753号公報、米国特許第5,0
82,587号公報、国際公開WO93/22396号
公報、特表平7−506368号公報等に記載されてい
る化合物が挙げられる。
は、特開平2−142753号公報、米国特許第5,0
82,587号公報、国際公開WO93/22396号
公報、特表平7−506368号公報等に記載されてい
る化合物が挙げられる。
【0024】
[実施例1]2枚のガラス基板上に、厚さ150nm、
幅100μmのITO膜を配線ピッチ110μmで形成
し、ストライプ状電極を形成した。このストライプ状電
極の上に低抵抗化のために該電極と平行に厚さ250n
m、幅10μmのMoTa合金の金属配線を形成した。
幅100μmのITO膜を配線ピッチ110μmで形成
し、ストライプ状電極を形成した。このストライプ状電
極の上に低抵抗化のために該電極と平行に厚さ250n
m、幅10μmのMoTa合金の金属配線を形成した。
【0025】一方の基板にはポリイミド配向膜(商品
名:LP−64、東レ社製)を20nm厚で形成し、毛
足1.5mmのアセテート植毛布と80mmφのラビン
グローラーを用い、回転数1000rpm、毛足の押し
込み量約0.3mm、ラビングスピード10mm/se
cで4回転、ストライプ状電極に平行にラビング処理を
施した。
名:LP−64、東レ社製)を20nm厚で形成し、毛
足1.5mmのアセテート植毛布と80mmφのラビン
グローラーを用い、回転数1000rpm、毛足の押し
込み量約0.3mm、ラビングスピード10mm/se
cで4回転、ストライプ状電極に平行にラビング処理を
施した。
【0026】他方の基板には、オルガノシラン系の材料
(商品名:ODS−E、チッソ社製)の2%IPA(イ
ソプロパノール)希釈液をスピンコートして120℃で
焼成し、配向膜を形成した。
(商品名:ODS−E、チッソ社製)の2%IPA(イ
ソプロパノール)希釈液をスピンコートして120℃で
焼成し、配向膜を形成した。
【0027】上記2枚の基板を、互いにストライプ状電
極が直交するように向き合わせ、2μmの間隔で、シー
ル材(商品名:ストラクトボンド、三井東圧社製)を用
いて貼り合わせ、150℃/1時間焼成してセルを構成
した。シール材パターンは図1に示した通りである。上
記配向膜の表面エネルギーは、ポリイミド膜が52dy
ne/cm、ODS膜が30dyne/cmであった。
この値は接触法により測定した。
極が直交するように向き合わせ、2μmの間隔で、シー
ル材(商品名:ストラクトボンド、三井東圧社製)を用
いて貼り合わせ、150℃/1時間焼成してセルを構成
した。シール材パターンは図1に示した通りである。上
記配向膜の表面エネルギーは、ポリイミド膜が52dy
ne/cm、ODS膜が30dyne/cmであった。
この値は接触法により測定した。
【0028】上記セルを図1に示すように、加圧槽に入
れて、第一の開口部側を窒素ガスにより1kgf/cm
2 の圧力で加圧し、第二の開口部を大気圧とし、第一の
開口部を液晶に浸漬し、加圧槽全体を液晶が等方相にな
る温度まで加熱し、第一の開口部と第二の開口部との圧
力差により液晶を注入した。本実施例では液晶として、
以下の液晶を用いた。尚、液晶の表面張力は25〜30
dyne/cm(白金リング法による測定)であった。
れて、第一の開口部側を窒素ガスにより1kgf/cm
2 の圧力で加圧し、第二の開口部を大気圧とし、第一の
開口部を液晶に浸漬し、加圧槽全体を液晶が等方相にな
る温度まで加熱し、第一の開口部と第二の開口部との圧
力差により液晶を注入した。本実施例では液晶として、
以下の液晶を用いた。尚、液晶の表面張力は25〜30
dyne/cm(白金リング法による測定)であった。
【0029】
【化1】
【0030】尚、上記物性については下記の測定法によ
り測定した。
り測定した。
【0031】〔チルト角Θ〕±30〜±50V、1〜1
00HzのAC(交流)を液晶素子の上下基板間に電極
を介して印加しながら、直交クロスニコル下、その間に
配置された液晶素子を偏光板と平行に回転させると同時
に、フォトマル(浜松フォトニクス社製)で光学応答を
検知しながら、第1の消光位(透過率が最も低くなる位
置)及び第2の消光位を求める。そしてこの時の第1の
消光位から第2の消光位までの角度の1/2をチルト角
Θとする。
00HzのAC(交流)を液晶素子の上下基板間に電極
を介して印加しながら、直交クロスニコル下、その間に
配置された液晶素子を偏光板と平行に回転させると同時
に、フォトマル(浜松フォトニクス社製)で光学応答を
検知しながら、第1の消光位(透過率が最も低くなる位
置)及び第2の消光位を求める。そしてこの時の第1の
消光位から第2の消光位までの角度の1/2をチルト角
Θとする。
【0032】〔自発分極Ps〕自発分極Psは、K.ミ
ヤサト他「三角波による強誘電性液晶の自発分極の直接
測定方法」(日本応用物理学会誌22、10号(66
1)1983、”Direct Method wit
h Triangular Waves forMea
suring Spontaneous Polari
zationin Ferroelectric Li
quid Crystal”,asdescribed
by K.Miyasato et al.(Ja
p.J.appl.Phys.22.No.10,L6
61(1983)))によって測定した。
ヤサト他「三角波による強誘電性液晶の自発分極の直接
測定方法」(日本応用物理学会誌22、10号(66
1)1983、”Direct Method wit
h Triangular Waves forMea
suring Spontaneous Polari
zationin Ferroelectric Li
quid Crystal”,asdescribed
by K.Miyasato et al.(Ja
p.J.appl.Phys.22.No.10,L6
61(1983)))によって測定した。
【0033】本実施例では、液晶の注入不良領域を発生
することなく、短時間で液晶を注入することができた。
することなく、短時間で液晶を注入することができた。
【0034】[参考例]第一の開口部及び第二の開口部
を、ポリイミド膜を設けた側の基板のストライプ状電極
に平行な辺に設け、且つ、第一の開口部の幅を該辺の長
さの41%として該辺の中央に設けた以外は、実施例1
と同様にしてセルを作製し、実施例1と同様に液晶を注
入した。液晶注入時の様子を図4に模式的に示した。
を、ポリイミド膜を設けた側の基板のストライプ状電極
に平行な辺に設け、且つ、第一の開口部の幅を該辺の長
さの41%として該辺の中央に設けた以外は、実施例1
と同様にしてセルを作製し、実施例1と同様に液晶を注
入した。液晶注入時の様子を図4に模式的に示した。
【0035】図4に示すように、本参考例においては、
液晶注入の優先方向12が液晶の注入方向11に直交し
ている。従って、第一の開口部4が狭く該開口部付近で
の液晶の汚染が低減されるものの、液晶8は注入方向1
1に対して横方向に広がり易く、液晶をセルに注入する
時間が実施例1よりも長くかかり、シール材3内の領域
における両端(開口部の設けられた辺と垂直方向にある
辺の近傍)で液晶が若干注入されていない部分が生じて
いた。このように、開口部付近での液晶の汚染を防止す
る上では、開口部の長さを辺の長さの60%以下にする
ことは有効である。
液晶注入の優先方向12が液晶の注入方向11に直交し
ている。従って、第一の開口部4が狭く該開口部付近で
の液晶の汚染が低減されるものの、液晶8は注入方向1
1に対して横方向に広がり易く、液晶をセルに注入する
時間が実施例1よりも長くかかり、シール材3内の領域
における両端(開口部の設けられた辺と垂直方向にある
辺の近傍)で液晶が若干注入されていない部分が生じて
いた。このように、開口部付近での液晶の汚染を防止す
る上では、開口部の長さを辺の長さの60%以下にする
ことは有効である。
【0036】[比較例1]第一の開口部の長さを該開口
部を設けた辺の長さの41%とし、該辺の中央部に該開
口部を設ける以外は実施例1と同様にして液晶を注入し
た。液晶注入時の様子を図5に模式的に示した。
部を設けた辺の長さの41%とし、該辺の中央部に該開
口部を設ける以外は実施例1と同様にして液晶を注入し
た。液晶注入時の様子を図5に模式的に示した。
【0037】図5に示すように、液晶8は優先方向12
に沿ってセル内に侵入するため、徐々に横方向にも広が
るものの、第一の開口部4付近にまで液晶が周り込め
ず、注入不良領域が発生し、該領域にはこの後時間をか
けても液晶を注入することはできなかった。また、見か
け上セルの全領域に液晶が充填される(実質的には未注
入領域が残っている)時間は実施例1に比べて1.5倍
程度かかった。
に沿ってセル内に侵入するため、徐々に横方向にも広が
るものの、第一の開口部4付近にまで液晶が周り込め
ず、注入不良領域が発生し、該領域にはこの後時間をか
けても液晶を注入することはできなかった。また、見か
け上セルの全領域に液晶が充填される(実質的には未注
入領域が残っている)時間は実施例1に比べて1.5倍
程度かかった。
【0038】[比較例2]液晶の注入優先方向が第一の
開口部に平行になるように、ポリイミド膜を設けた基板
のストライプ状電極に平行な辺に第一の開口部及び第二
の開口部を設ける以外は実施例1と同様にしてセルを作
製し、液晶を注入した。液晶注入時の様子を図6に模式
的に示した。
開口部に平行になるように、ポリイミド膜を設けた基板
のストライプ状電極に平行な辺に第一の開口部及び第二
の開口部を設ける以外は実施例1と同様にしてセルを作
製し、液晶を注入した。液晶注入時の様子を図6に模式
的に示した。
【0039】図6に示すように、液晶8は優先方向12
に沿ってセル内に侵入するため、セル内に液晶を充満さ
せるためには、実施例1に比べて長時間を要した。
に沿ってセル内に侵入するため、セル内に液晶を充満さ
せるためには、実施例1に比べて長時間を要した。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
非対称構成セルにおいても短時間で良好に液晶を注入し
て液晶素子を製造することができる。特に、開口部を二
つ設けて該開口部の圧力差を利用して液晶を注入する方
法においては、液晶汚染による表示品質の低下や液晶材
料の蒸発による組成変質を防止した上で、さらに短時間
で液晶をセルに注入することができ、高品質の液晶素子
を製造効率良く提供することができる。
非対称構成セルにおいても短時間で良好に液晶を注入し
て液晶素子を製造することができる。特に、開口部を二
つ設けて該開口部の圧力差を利用して液晶を注入する方
法においては、液晶汚染による表示品質の低下や液晶材
料の蒸発による組成変質を防止した上で、さらに短時間
で液晶をセルに注入することができ、高品質の液晶素子
を製造効率良く提供することができる。
【図1】本発明の一実施形態の液晶注入工程を示す断面
模式図である。
模式図である。
【図2】図1に示した液晶セルの電極構成を示す図であ
る。
る。
【図3】図1に示した液晶セルの電極構成を示す図であ
る。
る。
【図4】本発明の参考例における液晶注入時のセルの様
子を示す模式図である。
子を示す模式図である。
【図5】本発明の比較例1における液晶注入時のセルの
様子を示す模式図である。
様子を示す模式図である。
【図6】本発明の比較例2における液晶注入時のセルの
様子を示す模式図である。
様子を示す模式図である。
1,2 基板 3 シール材 4 第一の開口部 5 液晶セル 6 加圧槽 7 液晶槽 8 液晶 9 第二の開口部 11 液晶注入方向 12 液晶注入優先方向 21,22 ストライプ状電極 31,32 配向膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棟方 博英 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社 (72)発明者 水谷 英正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社
Claims (4)
- 【請求項1】 それぞれにストライプ状電極を有し、表
面エネルギーの異なる一対の基板を、上記ストライプ状
電極が互いに直交するように対向配置し、少なくとも一
辺に開口部を設けてシール材により貼り合わせてなるセ
ル内に、該開口部より液晶を注入する工程を有し、表面
エネルギーの大きい基板の表面エネルギーと液晶の表面
エネルギーの差が20dyne/cm以上であり、該基
板のストライプ状電極が直交する方向のセルの一辺に上
記開口部を設け、且つ該開口部の長さが、該開口部を設
けた辺の長さの95〜100%であることを特徴とする
液晶素子の製造方法。 - 【請求項2】 上記開口部を第一の開口部として、該第
一の開口部に相対する辺に第二の開口部を設け、上記第
一の開口部の圧力を第二の開口部の圧力よりも高く保ち
ながら、上記第一の開口部から液晶を注入し、セル内を
通過した余剰の液晶を第二の開口部から流出させて該セ
ル内に液晶を充填する請求項1記載の液晶素子の製造方
法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の製造方法により製
造したことを特徴とする液晶素子。 - 【請求項4】 液晶として、フルオロカーボン末端部分
及び炭化水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核に
よって結合され、スメクチック中間相又は潜在的スメク
チック中間相を持つフッ素含有液晶化合物を含有する液
晶組成物を充填してなる請求項3記載の液晶素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15191497A JPH112827A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 液晶素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15191497A JPH112827A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 液晶素子及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH112827A true JPH112827A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15528966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15191497A Withdrawn JPH112827A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 液晶素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH112827A (ja) |
-
1997
- 1997-06-10 JP JP15191497A patent/JPH112827A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH08122750A (ja) | 液晶電気光学装置、それを利用した投射型表示装置及びそれらの駆動方法 | |
JP3650499B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2704809B2 (ja) | 強誘電性液晶の注入方法 | |
JPH112827A (ja) | 液晶素子及びその製造方法 | |
JPH06289358A (ja) | 液晶表示装置の製造方法と液晶表示装置 | |
JP3168405B2 (ja) | 液晶素子の製造方法 | |
JPH10197886A (ja) | 液晶素子及びその製造方法 | |
JPH112816A (ja) | 液晶表示素子およびその製造方法 | |
JPH10197885A (ja) | 液晶素子及びその製造方法 | |
JPH10197884A (ja) | 液晶素子及びその製造方法 | |
Huo et al. | P‐183: One Drop Filling (ODF) for High‐Viscosity Liquid Crystal | |
JP3058780B2 (ja) | 液晶表示装置の製造方法 | |
US5844653A (en) | Liquid crystal mixture | |
JPH01140126A (ja) | 液晶表示装置 | |
JPH06265899A (ja) | 液晶表示装置の製造方法と液晶表示装置 | |
JPH0682769A (ja) | アクティブマトリックス液晶表示素子 | |
JPH10282500A (ja) | 液晶素子 | |
JP4158890B2 (ja) | 液晶光学素子とその製造方法 | |
JPH02148024A (ja) | 強誘電性液晶電気光学装置 | |
JPH10197882A (ja) | 液晶素子の製造方法 | |
JPH05232487A (ja) | 強誘電性液晶素子の製造方法 | |
JP2914889B2 (ja) | 液晶表示素子および製造方法 | |
KR19980023047A (ko) | 강유전성 액정표시장치의 스페이서 살포 방법 | |
JPH10186387A (ja) | 液晶素子の製造方法 | |
JPH10197883A (ja) | 液晶素子の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040907 |