JPH10197884A - 液晶素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶素子及びその製造方法

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JPH10197884A
JPH10197884A JP35680496A JP35680496A JPH10197884A JP H10197884 A JPH10197884 A JP H10197884A JP 35680496 A JP35680496 A JP 35680496A JP 35680496 A JP35680496 A JP 35680496A JP H10197884 A JPH10197884 A JP H10197884A
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liquid crystal
cell
pressure
opening
opening part
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JP35680496A
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Makoto Kojima
誠 小嶋
Katsutoshi Nakamura
勝利 中村
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶セルへの液晶の充填工程において、液晶
の注入不良やセルギャップの不均一を防止し、これらに
起因する配向不良や不均一な閾値特性のない液晶素子を
提供する。 【解決手段】 液晶セル1に、第一の開口部3と第二開
口部4を設け、第一の開口部3の圧力P1 、第二の開口
部4の圧力P2 、及び表示領域の圧力P3 を、それぞれ
1 >P2 及びP1 −P3 ≦0.5kgf/cm2 とな
るように個々に制御し、第一の開口部3と第二の開口部
4との圧力差を利用して、セル1内に第一の開口部3よ
り液晶10を注入し、第二の開口部4より不純物により
汚染された液晶を流出させ、引き続き、P1 =P2 で且
つ、0<P1 −P3 ≦0.5kgf/cm2 とすること
により、セル1内の圧力差によるセルギャップを解消す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの端
末ディスプレイ、各種フラットパネルディスプレイ等に
用いられる液晶素子の製造方法及び該方法によって製造
される液晶素子に関し、特に液晶素子の製造における液
晶注入技術に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶素子の製造において、液晶材料をセ
ル内(一般的には一対の基板を所定のシール材パターン
を介して対向して形成されたセルにおける該シール材に
囲まれた領域)へ充填する方法として、真空注入法と呼
ばれる方法が多く用いられている。この真空注入法は、
空セル内を真空にした後、該セルを液晶材料に含浸さ
せ、次に真空を破り液晶材料に大気圧を加えることによ
ってセル内へ液晶を注入する方法である。
【0003】上記真空注入法の他には、毛管現象を用い
た注入法(特開昭61−132928号公報)、加圧に
よる注入法(特開平6−82737号公報)等が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記真
空注入法では、液晶材料が真空に曝されるため蒸発しや
すく、その変質が問題となることがある。特に、蒸気圧
が高い特性をもつ液晶材料、例えばフッ素を含有する材
料を成分とする液晶を注入する場合は、大きな問題であ
った。また、真空注入法では、液晶注入前にセル内に残
存する水分や細かい汚れ等の液晶に悪影響を及ぼす不純
物が、液晶注入時にセル内において注入口と対向するシ
ール内部の壁面へ押しやられ、その領域近傍の表示特性
が他の領域とは異なってしまう問題があった。さらに
は、セル内を真空にするため減圧工程を必要とするた
め、液晶注入に要する時間が長いという問題があった。
【0005】また、前記の毛管現象を用いた注入法は、
減圧工程を必要としないものの、やはり液晶注入に要す
る時間が長いという問題があった。
【0006】また、前記の加圧による注入法は、液晶槽
に空セルの注入口を含浸し、加圧のみによって注入する
方法である。このため、注入過程において空セル中央付
近の領域、具体的には液晶素子を光学変調素子とした場
合の有効光学変調領域の内圧が、セル周囲の圧力よりも
高くなることがあり、過度に液晶がセルに注入されギャ
ップ不良が発生しやすいという問題があった。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑み、液晶注入時
の液晶材料の蒸発による変質防止、セル内の不純物の液
晶材料への混入による表示特性の劣化防止を図ると共
に、セルギャップの不良を生じさせずに液晶を短時間で
注入し得る液晶素子の製造方法、更には表示品位の劣化
のない液晶素子を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく成
された本発明の構成は以下の通りである。
【0009】即ち、本発明の第一は、一対の基板を対向
配置し、相対する第一の開口部と第二の開口部を設けて
シール材により貼り合わせてなるセル内に、上記第一の
開口部から液晶を注入し、該セル内を通過した余剰の液
晶を第二の開口部から流出させて該セルに液晶を充填す
る工程を有し、当該工程において、第一の開口部の圧力
をP1 、セルの有効光学変調領域の圧力をP3 、第二の
開口部の圧力をP2 とした時、 (a)P1 >P2 ≧大気圧、で且つ、P1 −P3 ≦0.
5kgf/cm2 で第一の開口部より液晶をセル内に注
入する期間と、 (b)P1 =P2 >大気圧、で且つ、0<P1 −P3
0.5kgf/cm2 で各圧力を制御する期間とを有す
ることを特徴とする液晶素子の製造方法であり、本発明
の第二は、当該製造方法により製造したことを特徴とす
る液晶素子である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の液晶素子の製造方法は、
一対の基板を対向配置し、第一及び第二の2つの開口部
を設けてシール材により貼り合わせてなるセル(空セ
ル)に液晶を充填する工程において、上記開口部及び有
効光学変調領域のそれぞれの圧力を制御しながら、一方
の開口部から液晶を注入し、他方の開口部から液晶を流
出させてセル内への液晶充填を完了させるものである。
【0011】以下、図面を参照して、上記液晶素子の製
造方法の態様について詳細に説明する。
【0012】図1(a)は本発明の一実施態様を示す縦
断面図であり、(b)はそのA−A’部分でのセル横断
面図である。図中1はセル(空セル)で、一対の基板1
1a及び11bを所定形状のシール材パターン2を介し
て対向し接着せしめて形成する。かかるセル1において
は、シール材パターン2により、2つの開口部が形成さ
れており、一方を液晶の充填工程において液晶を注入す
るための第一の開口部3、他方をセル内の余剰の液晶を
流出するための第二の開口部4とする。基板11a及び
11bの夫々には、液晶に対して電界を付与するための
電極12a及び12b、さらに必要に応じてセル内に充
填される液晶の配向状態を制御する配向制御層13a及
び13bが設けられている。14は液晶が充填される空
隙である。
【0013】また、一対の基板11a,11b及びシー
ル材パターン2に囲まれたセル内において、電極12a
及び12bによって電圧を印加される領域5が、最終的
に得られる液晶素子における液晶による光学変調を行う
有効光学変調領域、特に素子が表示素子に適用される場
合では表示領域に相当する。以下、表示領域と記す。
【0014】本発明においては、セル1の第一の開口部
3、第二の開口部4、表示領域5の圧力をそれぞれ独立
して制御できる加圧槽7〜9に設置し、この状態で第一
の開口部3を液晶10で満たされている液晶皿6に浸漬
し、加圧槽7、8、9のそれぞれの圧力P1 、P2 、P
3 を所定の値に設定し、差圧を利用してセル1内に液晶
10を注入する。上記液晶10は通常加熱して粘性を低
くしておく。本発明においては、先ずP1 >P2 ≧大気
圧、で且つ、P1 −P3 ≦0.5kgf/cm2 の条件
に設定する[(a)期間]。これにより、液晶10は、
第一の開口部3にかかる圧力P1 と第二の開口部4にか
かる圧力P2 との差圧により、表面張力による速度より
も速くセル内に注入される。この時、表示領域5にかか
る圧力P3 とP1 との差圧が0.5kgf/cm2 以下
に制御されているため、P1 とP 2 の差圧をいくら大き
くしても、セルの損傷(例えば破裂等)が生じ難い。好
ましくは、P1 −P3 ≦0.3kgf/cm2 である。
当該加圧を、液晶10がセル1内に充満した後も続ける
ことによって、余剰の液晶を第二の開口部4から押し出
すことができる。即ち、セル内の不純物を含んで汚染さ
れた液晶を第二の開口部4から流出させることができ
る。
【0015】尚、上述したような第二の開口部4から流
出させる余剰の液晶の量を、少なくともセル容量の5%
以上とすることが好ましい。より好ましくはセル容量の
10%以上、特に好ましくは15%以上の範囲で設定す
る。
【0016】次に、P1 =P2 >大気圧、で且つ、0<
1 −P3 ≦0.5kgf/cm2で各圧力を制御する
[(b)期間]。この状態でしばらく放置することによ
り、上記(a)期間において液晶がセル1に充満した時
点では図2に示すようにセル内部に生じていた圧力分布
が、図3に示すように均一になる。セルギャップ(上下
基板間の間隙)の分布はおおむねこの圧力分布に一致す
るため、この操作により、セルギャップの均一化を図る
ことができる。また、表示領域5の圧力P3 をP1 、P
2 よりも若干低くしておくことにより、この後の冷却工
程における液晶の体積収縮によって生じる諸問題を解決
することができる。但し、P3 とP1 及びP2 との圧力
差が大きすぎるとセルの破裂が発生する可能性も考えら
れるため、当該圧力差は0.5kgf/cm2 以下とす
る。好ましくは、0.3kgf/cm2 以下にとどめ
る。
【0017】本発明においては、上記セル1の液晶充填
工程の次工程として、当該セル1を大気圧に戻し、充填
工程において液晶を加熱した場合には冷却する。冷却を
必要とする場合には、先ず上記液晶を充填したセル1を
冷却して液晶の粘性が高まった後に、P1 〜P3 を大気
圧に戻すことが一つの手段として採用される。これは、
1 〜P3 を大気圧に戻した瞬間に、P1 〜P3 と大気
圧との圧力差によりセル1内部に圧力分布が生じ、液晶
の移動が始まることがあるためであり、従って、この液
晶の移動があまり起きないうちに速やかに冷却を行う条
件に設定し、P 1 〜P3 を大気圧にもどした後に冷却を
行うこともできる。
【0018】冷却し大気圧に戻したセル1の第一の開口
部3と第二の開口部4に付着した余分な液晶を、例え
ば、布によりふき取るか、或いは必要に応じてアセトン
やケトン系(メチルエチルケトン等)等の溶剤にてふき
取ることにより除去した後、両開口部を封口材によって
封口し、液晶素子が得られる。
【0019】本発明において、セル1に形成される第一
及び第二の開口部の形状は、図1に示される形状に限定
されず、例えば、図4(a)〜(c)に示すような形状
でも構わない。本発明においては、第一及び第二の開口
部は基板上で相対する位置に配置されていれば良い。
【0020】本発明では以上のような工程で液晶注入を
行うものであるため、以下のようなメリットがある。
【0021】第二の開口部より、セル内に過剰に注入
された液晶を押し出すため、セル内に不純物が残留して
いる場合であっても、当該不純物で汚染された液晶を排
出することができ、液晶汚染による表示品位の劣化を防
止することができる。
【0022】液晶注入時において、加熱によって液晶
の粘度を下げた状態で液晶注入を行うことで、粘性の高
い液晶材料、例えばスメクチック液晶をも短時間で注入
することができる。またこの場合、液晶材料が最も蒸発
しやすい液体相まで加熱されていても、当該液晶材料は
減圧状態に曝されないため、蒸気圧の高い液晶材料、特
にフッ素含有率が高い液晶材料であっても蒸発は改善さ
れ、これによる液晶材料の変質も防止される。
【0023】セル内の真空引きを必要とせず、且つ、
注入口と流出口との圧力差を利用するため、注入工程に
要する時間を短縮できると共に、注入速度を制御するこ
ともできる。
【0024】上述したように本発明の方法は、通常粘度
の高い液晶を注入する場合に好ましく、例えばスメクチ
ック中間相を持つ、あるいは潜在的スメクチック中間相
を持つものを含有する液晶組成物、特にカイラルスメク
チック液晶相を呈する液晶組成物を用いる場合に好適で
ある。
【0025】また、上述したフッ素含有率が高い液晶材
料等の蒸気圧のより高い液晶材料を用いる場合に好適で
ある。特に蒸気圧の高い液晶材料として、フルオロカー
ボン末端部分及び炭化水素末端部分を有し、該両末端部
分が中心核によって結合され、スメクチック中間相又は
潜在的スメクチック中間相を持つフッ素含有液晶化合物
を含有する液晶組成物を用いる場合に最も好適である。
【0026】尚、ここで潜在的スメクチック中間相を持
つ化合物とは、それ自身でスメクチック中間相を示さな
くとも、スメクチック中間相を持つ化合物又は他の潜在
的スメクチック中間相を持つ化合物との混合物におい
て、適当な条件下でスメクチック中間相を発現する化合
物を言う。
【0027】また、上記フッ素含有化合物における中心
核とは、少なくとも2つの芳香族環、複素芳香族環、脂
肪族環、置換芳香族環、置換複素芳香族環、置換脂肪族
環から選ばれ、これらの環は、互いに−COO−,−C
OS−,−HC=N−,−COSe−から選ばれる官能
基によって結合されていてもよい。これらの環は縮合し
ていても、縮合していなくてもよい。複素芳香環中のヘ
テロ原子はN,O又はSから選ばれる少なくとも1つの
原子を含む。脂肪族環中に隣接していないメチレン基
は、Oによって置換されていてもよい。
【0028】上記フッ素含有液晶化合物の具体例として
は、特開平2−142753、米国特許5,082,5
87号、国際公開WO93/22396、特表平7−5
06368等に記載されている化合物が挙げられる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して具体
的に説明する。
【0030】[実施例1]図1に示した構成のセルを作
製した。先ず、2枚のガラス基板のそれぞれ一方の主面
側にITO(インジウム・チン・オキサイド)からなる
透明電極を100nmの厚さにスパッタ法によって形成
し、フォトリソ法によってストライプ状にパターニング
した。次に、上記透明電極を形成した基板の一方の該電
極上に下記繰り返し単位を有する構造のポリイミド膜を
スピンコート法により形成する。
【0031】
【化1】
【0032】尚、上記ポリイミド膜はその前駆体の0.
7重量%NMP(N−メチルピロリドン)溶液を270
0rpmで回転している上記ガラス基板の一方の透明電
極上に垂らし、そのまま20秒間回転させ、その後、8
0℃で5分間前乾燥を行った後、200℃で1時間加熱
焼成処理を施し、膜厚5nmのポリイミド膜を形成し、
配向制御層とした。
【0033】また、他方の基板(ポリイミド膜を形成し
ていない側)を2000rpmで回転させ、界面活性剤
ODS−E[チッソ(株)製、オクタデシルエトキシシ
ラン]の0.5重量%エタノール溶液を該ガラス基板の
透明電極上に垂らし、そのまま20秒間回転させ、その
後、80℃で5分間前乾燥を行った後、180℃で1時
間加熱乾燥処理を施し、配向制御層を形成した。
【0034】上記ポリイミド膜をナイロン布でラビング
し、一軸配向性を持たせた。その後、純水で満たされた
槽にこの基板を入れ、超音波をかけて30秒間洗浄し、
窒素ブローで水滴を飛ばした後、60℃のオーブンで3
0分間乾燥した。この基板に直径2.6μmのシリカビ
ーズを約300個/mm2 及び接着微粒子[東レ(株)
製、商品名:トレパール]を約80個/mm2 散布し
た。また、他方の基板にはディスペンサーによってエポ
キシ樹脂を図1に示したシール材パターン2のように描
画し、両基板を互いの透明電極が直交するように貼り合
わせた。その後、加熱プレス器によって、1kgf/c
2 の加重を加えながら、150℃で1時間加熱してシ
ール材(エポキシ樹脂)及び接着微粒子を硬化させた。
このセルサイズは300mm×270mmである。尚、
有効光学変調領域はシール材より各辺15mmずつ内側
に入った領域とする。
【0035】本実施例に用いる液晶としては、下記の化
合物をA/B1 /B2 /B3 /C=80/3/3/4/
5の重量比で混合して液晶組成物とした。該組成物の2
5℃での自発分極は26nC/cm2 、チルト角は27
°であり、液体−スメクチックA相転移温度は75℃、
スメクチックA−カイラルスメクチックC相転移温度は
45℃、カイラルスメクチックC−結晶相転移温度は0
℃であった。
【0036】尚、上記自発分極及びチルト角の測定方法
は以下の通りである。
【0037】[自発分極の測定方法]自発分極は、K.
ミヤサト他「三角波による強誘電性液晶の自発分極の直
接測定方法」(日本応用物理学会誌22、10号(66
1)1983、”Direct Method wit
h Triangular Waves for Me
asuring Spontaneous Polar
ization inFerroelectric L
iquid Crystal”,as describ
ed by K.Miyasato et al.(J
ap.J.Appl.Phys.22.No.10,L
661(1983)))によって測定した。
【0038】[チルト角の測定方法]±30〜±50
V、1〜100HzのAC(交流)を液晶素子の上下基
板間に電極を介して印加しながら、直交クロスニコル
下、その間に配置された液晶素子を偏光板と平行に回転
させると同時に、フォトマル(浜松フォトニクス(株)
製)で光学応答を検知しながら、第1の消光位(透過率
が最も低くなる位置)及び第2の消光位を求める。そし
てこの時の第1の消光位から第2の消光位までの角度の
1/2をチルト角とする。
【0039】
【化2】
【0040】上記液晶組成物を液晶皿に盛り、加熱して
液体相にした後脱泡処理を行った。この脱泡済みの液晶
にセルの第一の開口部を含浸し、図1のように加圧槽内
にセットした。尚、各加圧槽間のパッキングにはシリコ
ーンゴムを用いた。セット後、セルを治具ごと恒温槽内
に入れ、液晶が等方相(液体相)に転移する温度に加熱
し、転移後、加圧槽内圧力を図5に示すように変化させ
た。即ち、(a)期間はP1 =P3 =2kgf/cm
2 、P2 =大気圧(≒1kgf/cm2 )の圧力条件で
4時間保持し、続いて(b)期間はP1 =P2 =1.3
kgf/cm2 、P3 =大気圧(≒1kgf/cm2
の条件で1時間保持し、引き続き温度を室温に下げた後
に、P1 =P2 =P3 =大気圧にして、第一の開口部、
第二の開口部の余分な液晶をMEK(メチルエチルケト
ン)によってふき取り2液性の接着剤(ストラクトボン
ド EW460NF/三井東圧化学社製;主剤2.5、
硬化剤0.84の比率で配合)をディスペンサーにより
塗布し、二つの開口部の封口を行った。
【0041】このセルの液晶注入状態を観察したとこ
ろ、未注入領域は存在せず注入状態は良好で、第一の開
口部側と第二の開口部側で液晶分子の配向状態に違いは
なく、上下基板間隔(セルギャップ)は2.6±0.0
5μmで面内均一であり、且つ、閾値特性にも面内ムラ
はなかった。
【0042】尚、セルギャップの分布、閾値特性につい
ては以下のように評価した。
【0043】素子の有効光学変調領域に、各辺で等間隔
となるように5×5のポイントを設定し、各ポイントに
おいてリタデーションを測定し(OLYMPUS製リタ
デーション測定装置、RA100使用)、その値に基づ
いて各ポイントでのセルギャップを求め、その分布を評
価した。
【0044】また、素子の閾値特性を、図9に示す駆動
波形を用い(セル全面を白に書込む)、Vop=V
+V =15V(バイアス比=V /Vop=1/
3)とし1Hを変化させた際(徐々に大きくする)、有
効光学変調領域内の最も早く白反転する箇所の1Hと、
最も遅く白反転する箇所の1Hの差を測定することで評
価した。
【0045】[実施例2]図6に示すように、(a)期
間はP1 =P3 =3kgf/cm2 、P2 =大気圧(≒
1kgf/cm2 )の圧力条件で2時間保持し、続いて
(b)期間はP1=P2 =1.3kgf/cm2 、P3
=大気圧(≒1kgf/cm)の条件で1時間保持す
る以外は、実施例1と同様にしてセルを作製した。
(a)期間でP1 とP2 の差圧を高めたため、実施例1
の約半分の時間で液晶をセル内に充満させることがで
き、且つ、注入状態や配向状態、上下基板間隔、閾値特
性等は実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0046】[参考例1]図7(a)に示すように、第
二の開口部を設けない以外は実施例1と同様の構成の空
セルを作製し、実施例1と同じ液晶組成物を真空注入法
によって注入した。具体的には、セルを100℃に温
め、1×10-6torrに減圧して24時間保ち、その
後1×10-2torrにN2 でリークし、液晶を開口部
に含浸し、大気圧に戻した。10時間後に温度を室温に
戻し、セルを取り出し、液晶の注入状態を観察したとこ
ろ、図7(b)に示すように、開口部と相対するシール
際に配向が他の部分と異なる領域71が発生していた。
この部分の閾値は、他の領域72より1.5〜2倍程度
高く、その面積は注入領域の約10%であった。
【0047】[参考例2]実施例1と同じ構成の空セル
を作製し、図8(a)に示すように、実施例1と同様の
脱泡済みの液晶に第一の開口部を含浸して、該第一の開
口部が加圧槽内に封入されるようにセットした。第一の
開口部側と表示領域側とを隔てるパッキングにはシリコ
ーンゴムを用いた。セット後、セルを治具ごと恒温槽内
に入れ、液晶が液体相に転移する温度に加熱し、転移後
加圧槽内の圧力を2kgf/cm2とした。つまり、P1
=2kgf/cm2 、P2 =P3 =大気圧(≒1kg
f/cm2 )の圧力条件で6時間保持し、その後加圧槽
内の圧力を2分かけて1kgf/cm2 に戻し、温度を
室温(1℃/minの冷却速度)に下げ、注入状態を観
察したところ、上下基板間隔は、第一の開口部付近では
3.0μmをこえる領域があるのに対し(4.5μm程
度にもなる点もある)、第二の開口部付近は2.6μm
と面内不均一であった。これは、図8(b)に示すよう
に液晶注入時に上下基板を接着している接着微粒子81
がセルの内外の圧力差に耐えられずに剥離を起こしたた
めと考えられる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による液晶
素子においては以下のような効果が得られる。 (1)セル内の不純物により汚染された液晶による表示
品位の劣化が防止される。 (2)高粘性のスメクチック液晶を短時間でセルに充填
することが可能であり、フッ素含有率の高い液晶材料で
あっても蒸発による変質を生じることなく充填すること
ができる。 (3)真空引きが不要であるため、液晶充填工程にかか
る時間を短縮できると共に、注入速度を制御することが
できる。 (4)パネル面内での液晶分子の配向状態を均一にで
き、有効光学変調領域内全面で閾値特性にムラのない高
品位な液晶素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の説明図である。
【図2】本発明にかかる液晶充填工程におけるセル内の
圧力分布を示す図である。
【図3】本発明にかかる液晶充填工程においてセル内の
圧力分布が緩和された状態を示す図である。
【図4】本発明にかかる空セルのシール材パターンの他
の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の実施例1における各圧力の変化を示す
チャートである。
【図6】本発明の実施例2における各圧力の変化を示す
チャートである。
【図7】本発明の参考例1におけるセルの構成と得られ
た液晶素子の配向状態を示す図である。
【図8】本発明の参考例2における液晶の充填工程と得
られた液晶素子の配向状態を示す図である。
【図9】本発明の実施例において液晶素子の閾値特性を
評価するために用いた駆動波形である
【符号の説明】
1 セル 2 シール材パターン 3 第一の開口部 4 第二の開口部 5 表示領域 6 液晶皿 7〜9 加圧槽 10 液晶 11a,11b 基板 12a,12b 透明電極 13a,13b 配向制御層 14 空隙 71,72 配向領域 81 接着微粒子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板を対向配置し、相対する位置
    に第一の開口部と第二の開口部を設けてシール材により
    貼り合わせてなるセル内に、上記第一の開口部から液晶
    を注入し、該セル内を通過した余剰の液晶を第二の開口
    部から流出させて該セルに液晶を充填する工程を有し、
    当該工程において、第一の開口部の圧力をP1 、セルの
    有効光学変調領域の圧力をP3 、第二の開口部の圧力を
    2 とした時、 (a)P1 >P2 ≧大気圧、で且つ、P1 −P3 ≦0.
    5kgf/cm2 で第一の開口部より液晶をセル内に注
    入する期間と、 (b)P1 =P2 >大気圧、で且つ、0<P1 −P3
    0.5kgf/cm2 で各圧力を制御する期間とを有す
    ることを特徴とする液晶素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により製造した
    ことを特徴とする液晶素子。
  3. 【請求項3】 液晶として、フルオロカーボン末端部分
    及び炭化水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核に
    よって結合され、スメクチック中間相又は潜在的スメク
    チック中間相を持つフッ素含有液晶化合物を含有する液
    晶組成物を充填してなる請求項2記載の液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103543560A (zh) * 2012-07-13 2014-01-29 苏州汉朗光电有限公司 近晶相液晶显示器封口工艺

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