JPH11281430A - 流量測定方法、流量測定装置、並びに、電子式ガスメータ - Google Patents

流量測定方法、流量測定装置、並びに、電子式ガスメータ

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JPH11281430A
JPH11281430A JP10087547A JP8754798A JPH11281430A JP H11281430 A JPH11281430 A JP H11281430A JP 10087547 A JP10087547 A JP 10087547A JP 8754798 A JP8754798 A JP 8754798A JP H11281430 A JPH11281430 A JP H11281430A
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真一 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流路内の気体に脈動が発生しても、流体流量
を正確に測定する。 【解決手段】 流体が内部を流れる流路3内に流体の流
れ方向Aに間隔をおいて配置された、第1音響トランス
デューサTD1と第2音響トランスデューサTD3との
間で送受信される超音波信号の第1及び第2の各伝搬時
間の連続複数回の計測を、一方を先にし他方を後に続け
る脈動時パターンで、高分解能計測実行手段11Aによ
り間欠的に行い、第1平均値割出手段11Bが割り出す
連続複数回計測した第1伝搬時間の平均値と、第2平均
値割出手段11Cが割り出す連続複数回計測した第2伝
搬時間の平均値との差である平均差値を平均差値割出手
段11Dにより割り出し、少なくとも記流路3内の流体
に所定の判定値を上回る大きさの脈動が存在する際に、
平均差値割出手段11Dが割り出す平均差値を基に、流
路3における流体の流量を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の超音波振動
子を用いる超音波を利用して流路内での流体の流量を測
定する流量測定方法とその装置、並びに、測定した流量
を表示する電子式ガスメータに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平8−313317号公報
に開示された流量計測装置に代表される超音波式の流量
測定装置では、流体の流量測定を次のようにして行うの
が通常である。
【0003】即ち、流体の流れ方向に間隔をおいて流路
内に一対の超音波振動子(音響トランスデューサ)を配
置し、これら間で送受される超音波の伝搬時間、即ち、
流体の流れ方向とその逆方向との各々における超音波伝
搬時間を所定時間周期毎に各々サンプリングして、その
サンプリング値の差を基に流体の瞬時流量を検出し、こ
の瞬時流量に流路の断面積とサンプリング周期である所
定時間とを乗じることで、流体の流量測定を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した流
路に接続されている流体の消費源が、例えばガスヒート
ポンプのような、流体の消費とその停止とを短時間に繰
り返すものであると、この断続的な流体の消費によって
流路内に流体の脈動が発生し、その結果、流量測定装置
の配置された流路部分に流体の脈動が発生していると、
流体消費源による流体の消費量がたとえ一定していて
も、流量測定装置において検出される流体の瞬時流量が
脈動に合わせて周期的に変動して、流量測定装置により
測定される流体の流量が、実際の流量に対して誤差を有
する値となってしまう。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、本発明の目的は、流量を測定する流体が流れる流
路内に流体の脈動が発生したとしても、流体の脈動の発
生に起因する流体の瞬時流量の検出誤差の発生を抑制
し、流体流量を正確に測定することができる流量測定方
法と、この方法を実施する際に用いて好適な流量測定装
置、並びに、流体がガスである場合にその流量を正確に
測定し表示させることができる電子式ガスメータを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する請求
項1乃至請求項6に記載した本発明は流量測定方法に関
するものであり、請求項7乃至請求項10に記載した本
発明は流量測定装置に関するものであり、請求項11に
記載した本発明は電子式ガスメータに関するものであ
る。
【0007】そして、請求項1に記載した本発明の流量
測定方法は、流体が内部を流れる流路内に配置された第
1音響トランスデューサから送信された超音波信号が、
前記流路内の前記第1音響トランスデューサから前記流
体の流れ方向に間隔をおいた箇所に配置された第2音響
トランスデューサにより受信されるまでの第1伝搬時間
の計測と、前記第2音響トランスデューサから送信され
た超音波信号が前記第1音響トランスデューサにより受
信されるまでの第2伝搬時間の計測とを間欠的に行い、
前記第1及び第2の両伝搬時間を基に、前記流路におけ
る前記流体の流量を測定するに当たり、前記流路内の前
記流体に所定の判定値を上回る大きさの脈動が存在する
際に、間欠的に行う前記伝搬時間計測のパターンを、前
記第1伝搬時間の連続複数回の計測と前記第2伝搬時間
の連続複数回の計測とのうち一方を先に、他方を後に続
ける脈動時パターンとし、連続複数回計測した前記第1
伝搬時間の平均値と、連続複数回計測した前記第2伝搬
時間の平均値との差を基に、前記流路における前記流体
の流量を測定するようにしたことを特徴とする。
【0008】また、請求項2に記載した本発明の流量測
定方法は、間欠的に行う前記伝搬時間計測のパターンを
当初は、前記第1伝搬時間の計測と前記第2伝搬時間の
計測とを各々1回ずつ行う通常パターンとし、前記判定
値を上回る大きさでは前記流路内の前記流体に存在して
いなかった脈動が、該流路内の前記流体に発生した際
に、前記伝搬時間計測のパターンを前記通常パターンか
ら前記脈動時パターンに変更し、前記第1及び第2の両
伝搬時間の差を基に、前記流路における前記流体の流量
を測定するようにした。
【0009】さらに、請求項3に記載した本発明の流量
測定方法は、前記通常パターンによる伝搬時間計測の結
果を基に、前記流路内の前記流体に前記判定値を上回る
大きさの脈動が存在するか否かを判定し、該判定の結果
が、前記流路内の前記流体に前記判定値を上回る大きさ
の脈動が存在しない旨の判定から存在する旨の判定に変
化した際に、前記伝搬時間計測のパターンを前記通常パ
ターンから前記脈動時パターンに変更するようにした。
【0010】また、請求項4に記載した本発明の流量測
定方法は、前記通常パターンによる伝搬時間計測の結果
を基に、前記流路内の前記流体に存在する前記判定値を
上回る大きさの脈動の周期を推定し、当該脈動周期の推
定後、前記脈動時パターンによる前記第1伝搬時間の連
続複数回の計測と前記第2伝搬時間の連続複数回の計測
とを、前記推定した脈動の周期及び該推定した脈動の整
数倍の周期のうちいずれか1つの周期の時間に亘って各
々行うようにした。
【0011】さらに、請求項5に記載した本発明の流量
測定方法は、前記判定値を上回る大きさで前記流路内の
前記流体に存在した前記脈動が、該流路内の前記流体か
ら消滅した際に、前記伝搬時間計測のパターンを前記脈
動時パターンから前記通常パターンに変更し、前記第1
及び第2の両伝搬時間の差を基に、前記流路における前
記流体の流量を測定するようにした。
【0012】また、請求項6に記載した本発明の流量測
定方法は、前記脈動時パターンによる伝搬時間計測の結
果を基に、前記流路内の前記流体に前記判定値を上回る
大きさの脈動が存在するか否かを判定し、該判定の結果
が、前記流路内の前記流体に前記判定値を上回る大きさ
の脈動が存在する旨の判定から存在しない旨の判定に変
化した際に、前記伝搬時間計測のパターンを前記脈動時
パターンから前記通常パターンに変更するようにした。
【0013】さらに、請求項7に記載した本発明の流量
測定装置は、図1に基本構成図で示すように、流体が内
部を流れる流路3内に配置された第1音響トランスデュ
ーサTD1から送信された超音波信号が、前記流路3内
の前記第1音響トランスデューサTD1から前記流体の
流れ方向Aに間隔をおいた箇所に配置された第2音響ト
ランスデューサTD3により受信されるまでの第1伝搬
時間の計測と、前記第2音響トランスデューサTD3か
ら送信された超音波信号が前記第1音響トランスデュー
サTD1により受信されるまでの第2伝搬時間の計測と
を間欠的に行い、前記第1及び第2の両伝搬時間を基
に、前記流路3における前記流体の流量を測定する流量
測定装置において、前記第1伝搬時間の連続複数回の計
測と、前記第2伝搬時間の連続複数回の計測とを、一方
を先にし他方を後に続ける脈動時パターンで、前記伝搬
時間計測を間欠的に行う高分解能計測実行手段11A
と、前記高分解能計測実行手段11Aにより連続複数回
計測した前記第1伝搬時間の平均値を割り出す第1平均
値割出手段11Bと、前記高分解能計測実行手段11A
により連続複数回計測した前記第2伝搬時間の平均値を
割り出す第2平均値割出手段11Cと、前記第1平均値
割出手段11Bが割り出した平均値と前記第2平均値割
出手段11Cが割り出した平均値との差である平均差値
を割り出す平均差値割出手段11Dとを備え、少なくと
も前記流路3内の前記流体に所定の判定値を上回る大き
さの脈動が存在する際に、前記平均差値割出手段11D
が割り出す前記平均差値を基に、前記流路3における前
記流体の流量を測定することを特徴とする。
【0014】また、請求項8に記載した本発明の流量測
定装置は、前記流路3内の前記流体に所定の判定値を上
回る大きさの脈動が存在しない状態から存在する状態に
変化したことを検出する脈動発生検出手段11Eをさら
に備えていて、該脈動発生検出手段11Eの検出結果を
基に前記高分解能計測実行手段11Aが、前記流路3内
の前記流体に所定の判定値を上回る大きさの脈動が存在
しない状態から存在する状態に変化した後に、前記脈動
時パターンで前記伝搬時間計測を間欠的に行うと共に、
前記流路3内の前記流体に所定の判定値を上回る大きさ
の脈動が存在しない状態から存在する状態に変化したこ
とを前記脈動発生検出手段11Eが検出する前に、前記
第1伝搬時間と前記第2伝搬時間とを各々1回ずつ計測
する通常パターンで前記伝搬時間計測を間欠的に行う通
常分解能計測実行手段11Fと、該通常分解能計測実行
手段11Fにより計測した前記第1伝搬時間と前記第2
伝搬時間との差値を割り出す差値割出手段11Gとをさ
らに備え、前記流路3内の前記流体に所定の判定値を上
回る大きさの脈動が存在しない状態から存在する状態に
変化したことを前記脈動発生検出手段11Eが検出する
前に、前記差値割出手段11Gが割り出す前記差値を基
に、前記流路3における前記流体の流量を測定するもの
とした。
【0015】さらに、請求項9に記載した本発明の流量
測定装置は、前記通常パターンによる伝搬時間計測の結
果を基に、前記流路3内の前記流体に存在する前記判定
値を上回る大きさの脈動の周期を推定する脈動周期推定
手段11Hをさらに備え、該脈動周期推定手段11Hが
前記判定値を上回る大きさの脈動の周期を推定した後、
前記高分解能計測実行手段11Aが、前記第1伝搬時間
の連続複数回の計測と、前記第2伝搬時間の連続複数回
の計測とを、前記脈動周期推定手段11Hが推定した前
記判定値を上回る大きさの脈動の周期及び該推定した脈
動の周期の整数倍の周期のうちいずれか1つの周期の時
間に亘って各々行うものとした。
【0016】また、請求項10に記載した本発明の流量
測定装置は、前記高分解能計測実行手段11Aによる前
記脈動時パターンの伝搬時間計測の結果を基に、前記流
路3内の前記流体に前記判定値を上回る大きさの脈動が
存在する状態から存在しない状態に変化したことを検出
するか否かを判定する脈動消滅検出手段11Jをさらに
備え、前記流路3内の前記流体に前記判定値を上回る大
きさの脈動が存在する状態から存在しない状態に変化し
たことを前記脈動消滅検出手段11Jが検出した後に、
前記差値割出手段11Gが割り出す前記差値を基に、前
記流路3における前記流体の流量を測定するものとし
た。
【0017】さらに、請求項11に記載した本発明の電
子式ガスメータは、請求項7、8、9又は10記載の流
量測定装置を備え、前記測定した前記流路3における前
記流体の流量を表示部13に表示させることを特徴とす
る。
【0018】請求項1に記載した本発明の流量測定方法
によれば、流路内の流体に所定の判定値を上回る大きさ
の脈動があると、第1音響トランスデューサから送信さ
れた超音波信号が第2音響トランスデューサにより受信
されるまでの第1伝搬時間や、第2音響トランスデュー
サから送信された超音波信号が第1音響トランスデュー
サにより受信されるまでの第2伝搬時間に、流体の流量
変化とは無関係の変動が周期的に生じる。
【0019】したがって、第1伝搬時間の計測と第2伝
搬時間の計測とを各々1回ずつとすると、流路内の流体
に所定の判定値を上回る大きさの脈動がある際に、例え
ば、流体の脈動による第1伝搬時間や第2伝搬時間の周
期的な変動のピーク時にこれらを計測する場合と、第1
伝搬時間や第2伝搬時間の周期的な変動の最小の時点で
これらを計測する場合とで、第1伝搬時間や第2伝搬時
間の計測値に大幅な相違が生じる。
【0020】これに対し、流路内の流体に所定の判定値
を上回る大きさの脈動がある際に、第1伝搬時間の計測
と第2伝搬時間の計測とを各々連続複数回ずつ行う脈動
時パターンによって伝搬時間計測を間欠的に行うと、第
1伝搬時間を間欠時間よりも短い間隔で複数回連続して
計測することとなり、また、この前か後に、第2伝搬時
間を間欠時間よりも短い間隔で複数回連続して計測する
こととなる。
【0021】そうすると、連続複数回分の第1伝搬時間
の計測値や連続複数回分の第2伝搬時間の計測値に各々
現れる、流体の脈動の及ぼす影響による変動の度合い
が、互いに異なることになり、この変動の度合いが互い
に異なって現れる、連続複数回計測した第1伝搬時間と
連続複数回計測した第2伝搬時間とを各々平均すること
で、流体の脈動の及ぼす影響がこれら各平均値に変動と
して現れる度合いは、計測回数を各々1回ずつとした場
合の第1伝搬時間の計測値や第2伝搬時間の計測値に、
流体の脈動の及ぼす影響が変動として現れるのに比べ
て、緩和される。
【0022】このため、流路内の流体に所定の判定値を
上回る大きさの脈動が存在する際に、第1伝搬時間や第
2伝搬時間を計測する間欠時間そのものを短縮して消費
電力の大幅な増加を招くことなく、流路内の流体の脈動
に起因する流体の瞬時流量の検出誤差の発生を抑制し、
流体流量を正確に測定することが可能となる。
【0023】尚、請求項7に記載した本発明の流量測定
装置についても、上述と同様のことが言える。
【0024】また、請求項2に記載した本発明の流量測
定方法によれば、流路内の流体に所定の判定値を上回る
大きさの脈動が発生する前であれば、第1伝搬時間や第
2伝搬時間を各々連続複数回計測してその平均値を求め
ることをせず、その代わりに、第1伝搬時間や第2伝搬
時間を各々1回ずつしか計測しなくても、流体の脈動の
及ぼす影響がないので、計測値に変動が生じることがな
い。
【0025】したがって、流路内の流体に所定の判定値
を上回る大きさの脈動が発生する前においては、第1伝
搬時間や第2伝搬時間を各々連続複数回計測する脈動時
パターンよりも計測が容易に済む、通常パターンによる
伝搬時間計測で得た第1伝搬時間や第2伝搬時間の各々
1回ずつの計測値の差により、第1伝搬時間や第2伝搬
時間を各々連続複数回計測しそれらの平均値の差を基に
測定した流体の流量と同等の精度で、流体の流量を測定
することが可能となる。
【0026】さらに、請求項3に記載した本発明の流量
測定方法によれば、間欠的に行う前記伝搬時間計測のパ
ターンを、流路内の流体に所定の判定値を上回る大きさ
の脈動が発生する前の当初に行う通常パターンから、流
路内の流体に所定の判定値を上回る大きさの脈動が発生
した後に行う脈動時パターンに変更するに当たり、その
変更を行う時点を、流体流量の測定のために通常パター
ンによって計測される第1伝搬時間や第2伝搬時間の計
測値を基にして、新たな測定値や検出手段等を用いずに
検出することが可能となる。
【0027】尚、請求項8に記載した本発明の流量測定
装置についても、上述と同様のことが言える。
【0028】また、請求項4に記載した本発明の流量測
定方法によれば、脈動時パターンによる伝搬時間計測の
結果を基に脈動の周期を推定した後、この推定した脈動
の周期、及び、この推定した脈動の周期の整数倍の周期
のうちいずれか1つの周期の時間に亘って、脈動時パタ
ーンによる第1伝搬時間の連続複数回の計測と第2伝搬
時間の連続複数回の計測とを各々行うと、第1伝搬時間
の計測値と第2伝搬時間の計測値とのいずれについて
も、流体の脈動により現れる変動が最小のものからのピ
ーク時のものまで、変動の度合いが互いに異なる計測値
が一通り得られることになる。
【0029】このため、推定した脈動の周期及び整数倍
の周期のうちいずれか1つの周期の時間に亘って連続複
数回計測した第1伝搬時間の平均値は、流路内の流体に
所定の判定値を上回る大きさの脈動がなく、この脈動の
及ぼす影響がない状態で計測した第1伝搬時間とほぼ一
致し、また、同様に、推定した脈動の周期、及び、この
推定した脈動の周期の整数倍の周期のうちいずれか1つ
の周期の時間に亘って連続複数回計測した第2伝搬時間
の平均値は、流路内の流体に所定の判定値を上回る大き
さの脈動がなく、この脈動の及ぼす影響がない状態で計
測した第2伝搬時間とほぼ一致することになる。
【0030】したがって、連続複数回計測した第1伝搬
時間の平均値と連続複数回計測した第2伝搬時間の平均
値との差を基に流体の流量を測定することで、流路内の
流体に所定の判定値を上回る大きさの脈動がどのような
周期で発生していても、その脈動の及ぼす影響で第1伝
搬時間の計測値や第2伝搬時間の計測値に現れる変動を
相殺して、流体流量を正確に測定することが可能とな
る。
【0031】尚、請求項9に記載した本発明の流量測定
装置についても、上述と同様のことが言える。
【0032】さらに、請求項5に記載した本発明の流量
測定方法によれば、流路内の流体に発生していた所定の
判定値を上回る大きさの脈動が消滅した後であれば、第
1伝搬時間や第2伝搬時間を各々連続複数回計測してそ
の平均値を求めることをせず、その代わりに、第1伝搬
時間や第2伝搬時間を各々1回ずつしか計測しなくて
も、流体の脈動の及ぼす影響がないので、計測値に変動
が生じることがない。
【0033】したがって、流路内の流体に所定の判定値
を上回る大きさの脈動が発生していた所定の判定値を上
回る大きさの脈動が消滅した後においては、第1伝搬時
間や第2伝搬時間を各々連続複数回計測する脈動時パタ
ーンよりも計測が容易に済む、通常パターンによる伝搬
時間計測で得た第1伝搬時間や第2伝搬時間の各々1回
ずつの計測値の差により、第1伝搬時間や第2伝搬時間
を各々連続複数回計測しそれらの平均値の差を基に測定
した流体の流量と同等の精度で、流体の流量を測定する
ことが可能となる。
【0034】また、請求項6に記載した本発明の流量測
定方法によれば、間欠的に行う前記伝搬時間計測のパタ
ーンを、流路内の流体に所定の判定値を上回る大きさの
脈動が発生した後に行う脈動時パターンから、流路内の
流体に所定の判定値を上回る大きさの脈動が発生する前
の当初に行う通常パターンに変更するに当たり、その変
更を行う時点を、流体流量の測定のために脈動時パター
ンによって連続複数回ずつ計測される第1伝搬時間や第
2伝搬時間の計測値を基にして、新たな測定値や検出手
段等を用いずに検出することが可能となる。
【0035】尚、請求項10に記載した本発明の流量測
定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0036】さらに、請求項11に記載した本発明のガ
スメータについては、請求項1、請求項3、請求項4、
並びに、請求項6に記載した本発明の流量測定方法につ
いて各々先に述べたことのうち、いずれか1つと同様の
ことが言え、さらにその上で、表示部に正確な流体流量
を表示させることが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明による流量測定方法
及び流量測定装置を電子式ガスメータに適用した場合の
実施形態を、図面を参照して説明する。
【0038】図2は本発明の一実施形態に係る電子式ガ
スメータの概略構成を示す説明図であり、図2中引用符
号1で示す本実施形態の電子式ガスメータ(以下、ガス
メータと略記する)は、流路3、第1及び第2の音響ト
ランスデューサTD1,TD3、送信回路5、受信回路
7、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記す
る)11、並びに、表示部13を有している。
【0039】前記流路3は、ガスメータ1の内部に設け
られており、この流路3には、ガスメータ1が接続され
ている不図示のガス配管内を流れる不図示のガスが導入
され、矢印Aで示す流れ方向に流れた後、前記ガス配管
の下流側箇所に排出されるように構成されている。
【0040】前記第1音響トランスデューサTD1は、
流路3内にその送受信面を流れ方向Aにおける下流側に
向けて配置されており、また、前記第2音響トランスデ
ューサTD3は、流路3内にその送受信面を、流れ方向
Aにおける上流側に向け、第1音響トランスデューサT
D1の送受信面と対向するように配置されている。
【0041】前記送信回路5は、第1トランスデューサ
インタフェース回路(以下、第1TDI/F回路と略記
する)9aを介して第1音響トランスデューサTD1に
接続されていると共に、第2トランスデューサインタフ
ェース回路(以下、第2TDI/F回路と略記する)9
bを介して第2音響トランスデューサTD3に接続され
ている。
【0042】そして、送信回路5は、第1TDI/F回
路9a及び第2TDI/F回路9bのうちいずれか一方
を介して、第1音響トランスデューサTD1及び第2音
響トランスデューサTD3のうちいずれか一方に対し
て、その一方の音響トランスデューサTD1,TD3か
ら超音波信号を出力させるために、駆動信号をパルスバ
ーストの形で出力するように構成されている。
【0043】前記受信回路7は、第1TDI/F回路9
aを介して第1音響トランスデューサTD1に接続され
ていると共に、第2TDI/F回路9bを介して第2音
響トランスデューサTD3に接続されている。
【0044】そして、受信回路7は、第1TDI/F回
路9a及び第2TDI/F回路9bのうちいずれか他方
を介して、第1音響トランスデューサTD1及び第2音
響トランスデューサTD3のうちいずれか他方から入力
される、その他方の音響トランスデューサTD1,TD
3により受信された超音波信号を前置増幅処理し、検出
信号として出力するように構成されている。
【0045】前記マイコン11は、CPU11a、RA
M11b、及び、ROM11cを有しており、このう
ち、CPU11aには、RAM11b及びROM11c
の他、前記送信回路5、受信回路7、及び、表示部13
が各々接続されている。
【0046】前記RAM11bは、各種データ記憶用の
データエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを
有しており、前記ROM11cには、CPU11aに各
種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納され
ている。
【0047】また、前記表示部13は、第1音響トラン
スデューサTD1と第2音響トランスデューサTD3と
の間で送受信される超音波信号の伝搬時間を基にマイコ
ン11で割り出される、前記不図示のガス配管乃至流路
3内を流れるガスの積算流量等を表示するように構成さ
れている。
【0048】次に、前記ROM11cに格納された制御
プログラムに従いCPU11aが行うガスの流量測定処
理を、図3乃至図9のフローチャートを参照して説明す
る。
【0049】ガスメータ1内の不図示の電池が接続され
てマイコン11が起動し、プログラムがスタートする
と、CPU11aは、まず、図3にメインルーチンのフ
ローチャートで示すように、RAM11bのワークエリ
ア内に設けられた各種フラグエリアのフラグやタイマエ
リアのタイマ値のリセット、及び、バッファエリアのク
リア等を行う初期設定を実行する(ステップS1)。
【0050】そして、ステップS1の初期設定が済んだ
ならば、次に、RAM11bの通常周期タイマエリアに
おけるタイムカウントを開始し(ステップS3)、続い
て、通常周期タイマエリアにおけるタイムカウントのタ
イマ値Taが、通常サンプリング周期時間T1に達した
か否かを確認する(ステップS5)。
【0051】通常周期タイマエリアのタイマ値Taが通
常サンプリング周期時間T1に達していない場合は(ス
テップS5でN)、達するまでステップS5をリピート
し、達した場合は(ステップS5でY)、タイマ値Ta
をゼロリセットした後(ステップS7)、RAM11b
の脈動発生フラグエリアのフラグF1が「0」であるか
否かを確認する(ステップS9)。
【0052】脈動発生フラグエリアのフラグF1が
「0」である場合は(ステップS9でY)、通常処理を
行った後(ステップS11)、ステップS5にリターン
し、フラグF1が「0」でない場合は(ステップS9で
N)、脈動時処理を行った後(ステップS13)、ステ
ップS5にリターンする。
【0053】そして、前記ステップS11の通常処理で
は、図4にサブルーチンのフローチャートで示すよう
に、まず、送信回路5から第1TDI/F回路9aを介
して第1音響トランスデューサTD1に駆動信号を出力
させて(ステップS11a)、次に、受信回路7から検
出信号が入力されたか否かを確認する(ステップS11
b)。
【0054】検出信号が入力されていない場合は(ステ
ップS11bでN)、入力されるまでステップS11b
をリピートし、入力された場合は(ステップS11bで
Y)、送信回路5から第2TDI/F回路9bを介して
第2音響トランスデューサTD3に駆動信号を出力させ
て(ステップS11c)、次に、受信回路7から検出信
号が入力されたか否かを確認する(ステップS11
d)。
【0055】検出信号が入力されていない場合は(ステ
ップS11dでN)、入力されるまでステップS11d
をリピートし、入力された場合は(ステップS11dで
Y)、第1音響トランスデューサTD1と第2音響トラ
ンスデューサTD3との間における超音波信号の伝搬時
間差を算出する(ステップS11e)。
【0056】尚、このステップS11eにおける超音波
信号の伝搬時間差の算出は、次のようにして行う。
【0057】まず、ステップS11aにおける送信回路
5から第1音響トランスデューサTD1への駆動信号の
出力から、ステップS11bにおける受信回路7からの
検出信号の入力までの経過時間を往路伝搬時間Tfと
し、一方、ステップS11cにおける送信回路5から第
2音響トランスデューサTD3への駆動信号の出力か
ら、ステップS11dにおける受信回路7からの検出信
号の入力までの経過時間を復路伝搬時間Trとして、こ
れら往路伝搬時間Tfと復路伝搬時間Trとの伝搬時間
差Td=Tf−Trを求めることで行う。
【0058】ステップS11eにおける超音波信号の伝
搬時間差Tdの算出が済んだならば、次に、この伝搬時
間差Tdを基に、流路3を流れるガスの瞬時流量Qiを
算出する(ステップS11f)。
【0059】尚、このステップS11fにおける瞬時流
量Qiの算出は、次のようにして行う。
【0060】まず、第1音響トランスデューサTD1と
第2音響トランスデューサTD3との既知の間隔をLと
し、静止ガス中での音速をc、ガスの流速をvと各々す
ると、流路3内でのガスの流れ方向Aに対して順方向と
なる往路伝搬時間Tfは、Tf=L/(c+v)であ
り、流れ方向Aに対して逆方向となる復路伝搬時間Tr
は、Tr=L/(c−v)である。
【0061】この2つの式をガスの流速vについてまと
めると、v=(L/2)・{(Tf−Tr)/(Tf・
Tr)}となり、この式中のTf・Trは、上の2つの
式から、Tf・Tr=L2 /(c2 −v2 )となるが、
音速cに対して流速vは非常に小さく、したがって、v
2 はc2 に対して極めて小さく無視できるので、Tf・
Tr=L2 /c2 と見ると、流速vについての上式は、
v=c2 ・(Tf−Tr)/2Lとなり、これに、Td
=Tf−Trを代入すると、v=c2 ・Td/2Lとな
る。
【0062】そこで、瞬時流量Qiは、ガスの流速vに
流路3の既知の断面積Sを乗じ、Qi=v・Sとするこ
とで算出される。
【0063】ステップS11fにおける瞬時流量Qiの
算出が済んだならば、次に、この瞬時流量Qiに、前回
瞬時流量Qiを算出したサンプリングタイミングからの
経過時間である通常サンプリング周期時間T1を乗じ
て、通過流量Qtを算出し(ステップS11g)、この
通過流量Qtを、今までに求めた通過流量Qtの積算値
に加えることで、ガス供給量(ガス使用量)であるガス
積算流量Qsを算出する(ステップS11h)。
【0064】続いて、表示部13の表示をステップS1
1hで算出したガス積算流量Qsに更新し(ステップS
11j)、その後、ステップS11eにおいて算出した
超音波信号の伝搬時間差Tdと、前回ステップS11e
において算出した伝搬時間差Tdoとの差である伝搬時
間変動値Tddif が、所定の脈動発生判定値Tsth以上
であるか否かを確認する(ステップS11k)。
【0065】伝搬時間変動値Tddif が脈動発生判定値
Tsth以上でない場合は(ステップS11kでN)、図
3のメインルーチンに戻ってステップS5にリターン
し、脈動発生判定値Tsth以上である場合は(ステップ
S11kでY)、RAM11bの脈動発生フラグエリア
のフラグF1を「1」に設定した後(ステップS11
m)、図3のメインルーチンに戻ってステップS5にリ
ターンする。
【0066】また、前記ステップS13の脈動時処理で
は、図5にサブルーチンのフローチャートで示すよう
に、まず、RAM11bの高分解能周期タイマエリアに
おけるタイムカウントを開始し(ステップS131
a)、続いて、高分解能周期タイマエリアにおけるタイ
ムカウントのタイマ値Tbが、通常サンプリング周期時
間T1に対して十分短い高分解能サンプリング周期時間
T3に達したか否かを確認する(ステップS131
b)。
【0067】高分解能周期タイマエリアのタイマ値Tb
が高分解能サンプリング周期時間T3に達していない場
合は(ステップS131bでN)、達するまでステップ
S131bをリピートし、達した場合は(ステップS1
31bでY)、タイマ値Tbをゼロリセットした後(ス
テップS131c)、RAM11bの切換フラグエリア
のフラグF3が「0」であるか否かを確認する(ステッ
プS131d)。
【0068】切換フラグエリアのフラグF3が「0」で
ない場合は(ステップS131dでN)、後述するステ
ップS131jに進み、「0」である場合は(ステップ
S131dでY)、送信回路5から第1TDI/F回路
9aを介して第1音響トランスデューサTD1に駆動信
号を出力させて(ステップS131e)、次に、受信回
路7から検出信号が入力されたか否かを確認する(ステ
ップS131f)。
【0069】検出信号が入力されていない場合は(ステ
ップS131fでN)、入力されるまでステップS13
1fをリピートし、入力された場合は(ステップS13
1fでY)、ステップS131eにおける送信回路5か
ら第1音響トランスデューサTD1への駆動信号の出力
から、ステップS131fにおける受信回路7からの検
出信号の入力までの経過時間である往路伝搬時間Tfを
計測して(ステップS131g)、計測した往路伝搬時
間TfをRAM11bの往路伝搬時間バッファエリアに
追加して格納した後(ステップS131h)、後述する
ステップS131pに進む。
【0070】一方、ステップS131dにおいて、RA
M11bの切換フラグエリアのフラグF3が「0」でな
い場合(N)に進むステップS131jでは、送信回路
5から第2TDI/F回路9bを介して第2音響トラン
スデューサTD3に駆動信号を出力させ、次に、受信回
路7から検出信号が入力されたか否かを確認する(ステ
ップS131k)。
【0071】検出信号が入力されていない場合は(ステ
ップS131kでN)、入力されるまでステップS13
1kをリピートし、入力された場合は(ステップS13
1kでY)、ステップS131jにおける送信回路5か
ら第2音響トランスデューサTD3への駆動信号の出力
から、ステップS131kにおける受信回路7からの検
出信号の入力までの経過時間である復路伝搬時間Trを
計測して(ステップS131m)、計測した復路伝搬時
間TrをRAM11bの復路伝搬時間バッファエリアに
追加して格納した後(ステップS131n)、ステップ
S131pに進む。
【0072】ステップS131hにおいて、往路伝搬時
間TfをRAM11bの往路伝搬時間バッファエリアに
追加して格納した後と、ステップS131nにおいて、
復路伝搬時間TrをRAM11bの復路伝搬時間バッフ
ァエリアに追加して格納した後とに進むステップS13
1pでは、図6のフローチャートに示すように、RAM
11bの高分解能サンプリングカウンタエリアのカウン
ト値Cを「1」インクリメントする。
【0073】次に、RAM11bの高分解能周期タイマ
エリアのタイマ値Tbをゼロリセットした後(ステップ
S131r)、RAM11bの脈動周期推定済フラグエ
リアのフラグF5が「0」であるか否かを確認する(ス
テップS131s)。
【0074】脈動周期推定済フラグエリアのフラグF5
が「0」でない場合は(ステップS131sでN)、後
述するステップS132sに進み、「0」である場合は
(ステップS131sでY)、RAM11bの切換フラ
グエリアのフラグF3が「0」であるか否かを確認する
(ステップS131t)。
【0075】切換フラグエリアのフラグF3が「0」で
ない場合は(ステップS131tでN)、後述するステ
ップS131zに進み、「0」である場合は(ステップ
S131tでY)、高分解能サンプリングカウンタエリ
アのカウント値Cが、周期推定前基準値Caに達してい
るか否かを確認する(ステップS131v)。
【0076】カウント値Cが周期推定前基準値Caに達
していない場合は(ステップS131vでN)、ステッ
プS131bにリターンし、達した場合は(ステップS
131vでY)、RAM11bの往路伝搬時間バッファ
エリアに格納されている往路伝搬時間Tfの総和をその
格納個数で除して平均往路伝搬時間Tfave を算出する
(ステップS131w)。
【0077】次に、RAM11bの平均往路伝搬時間バ
ッファエリアの格納値を、ステップS131wで算出し
た平均往路伝搬時間Tfave に更新し(ステップS13
1x)、続いて、RAM11b切換フラグエリアのフラ
グF3を「1」に設定した後(ステップS131y)、
ステップS131bにリターンする。
【0078】また、ステップS131tにおいて、RA
M11bの切換フラグエリアのフラグF3が「0」でな
い場合(N)に進むステップS131zでは、高分解能
サンプリングカウンタエリアのカウント値Cが、周期推
定前基準値Caの2倍値2Caに達しているか否かを確
認する。
【0079】カウント値Cが周期推定前基準値Caの2
倍値2Caに達していない場合は(ステップS131z
でN)、ステップS131bにリターンし、達した場合
は(ステップS131zでY)、RAM11bの復路伝
搬時間バッファエリアに格納されている復路伝搬時間T
rの総和をその格納個数で除して平均復路伝搬時間Tr
ave を算出する(ステップS132a)。
【0080】次に、RAM11bの平均復路伝搬時間バ
ッファエリアの格納値を、ステップS132aで算出し
た平均復路伝搬時間Trave に更新し(ステップS13
2b)、続いて、切換フラグエリアのフラグF3を
「0」に設定した後(ステップS132c)、RAM1
1bの平均往路伝搬時間バッファエリアに格納されてい
る平均往路伝搬時間Tfave と、RAM11bの平均復
路伝搬時間バッファエリアに格納されている平均復路伝
搬時間Trave との差である、超音波信号の平均伝搬時
間差Tdave =Tfave −Trave を算出する(ステッ
プS132d)。
【0081】ステップS132dにおける平均伝搬時間
差Tdave の算出が済んだならば、次に、この平均伝搬
時間差Tdave を基に、流路3を流れるガスの瞬時流量
Qi=c2 ・Tdave /2Lを算出し(ステップS13
2e)、この瞬時流量Qiに、前回瞬時流量Qiを算出
したサンプリングタイミングからの経過時間である通常
サンプリング周期時間T1を乗じて、通過流量Qtを算
出する(ステップS132f)。次に、ステップS13
2fで算出した通過流量Qtを、今までに求めた通過流
量Qtの積算値に加えることで、ガス供給量(ガス使用
量)であるガス積算流量Qsを算出し(ステップS13
2g)、続いて、表示部13の表示をステップS131
Fで算出したガス積算流量Qsに更新する(ステップS
132h)。
【0082】その後、図7のフローチャートに示すよう
に、RAM11bの往路伝搬時間バッファエリアに格納
されている全ての往路伝搬時間Tfと、RAM11bの
復路伝搬時間バッファエリアに格納されている全ての復
路伝搬時間Trとを基に、流路3を流れるガスに発生し
ている脈動の波形を推定し(ステップS132j)、こ
の推定した脈動の波形から、脈動の周期を推定する(ス
テップS132k)。
【0083】そして、ステップS132kにおいて推定
した脈動の周期を、高分解能サンプリング周期時間T3
で除して、周期推定後基準値Cbを算出し(ステップS
132m)、算出した周期推定後基準値CbをRAM1
1bの周期推定後基準値バッファエリアに格納した後
(ステップS132n)、RAM11bの脈動周期推定
済フラグエリアのフラグF5を「1」に設定する(ステ
ップS132p)。
【0084】次に、RAM11bの往路伝搬時間バッフ
ァエリアと復路伝搬時間バッファエリアとを共にクリア
し(ステップS132r)、その後、図3のメインルー
チンに戻ってステップS5にリターンする。
【0085】また、ステップS131sにおいてRAM
11bの脈動周期推定済フラグエリアのフラグF5が
「0」でない場合(N)に進むステップS132sで
は、図8に示すように、RAM11bの切換フラグエリ
アのフラグF3が「0」であるか否かを確認する。
【0086】切換フラグエリアのフラグF3が「0」で
ない場合は(ステップS132sでN)、後述するステ
ップS132yに進み、「0」である場合は(ステップ
S132sでY)、高分解能サンプリングカウンタエリ
アのカウント値Cが、RAM11bの周期推定後基準値
バッファエリアに格納周期推定後基準値Cbに達してい
るか否かを確認する(ステップS132t)。
【0087】カウント値Cが周期推定後基準値Cbに達
していない場合は(ステップS132tでN)、ステッ
プS131bにリターンし、達した場合は(ステップS
132tでY)、RAM11bの往路伝搬時間バッファ
エリアに格納されている全ての往路伝搬時間Tfをその
格納個数で除して平均往路伝搬時間Tfave を算出する
(ステップS132v)。
【0088】次に、RAM11bの平均往路伝搬時間バ
ッファエリアの格納値を、ステップS131Wで算出し
た平均往路伝搬時間Tfave に更新し(ステップS13
2w)、続いて、RAM11bの切換フラグエリアのフ
ラグF3を「1」に設定した後(ステップS132
x)、ステップS131bにリターンする。
【0089】また、ステップS132sにおいて、RA
M11bの切換フラグエリアのフラグF3が「0」でな
い場合(N)に進むステップS132yでは、高分解能
サンプリングカウンタエリアのカウント値Cが、周期推
定後基準値Cbの2倍値2Cbに達しているか否かを確
認する。
【0090】カウント値Cが周期推定後基準値Cbの2
倍値2Cbに達していない場合は(ステップS132y
でN)、ステップS131bにリターンし、達した場合
は(ステップS132yでY)、RAM11bの復路伝
搬時間バッファエリアに格納されている全ての復路伝搬
時間Trをその格納個数で除して平均復路伝搬時間Tr
ave を算出する(ステップS132z)。
【0091】次に、RAM11bの平均復路伝搬時間バ
ッファエリアの格納値を、ステップS132zで算出し
た平均復路伝搬時間Trave に更新し(ステップS13
3a)、続いて、切換フラグエリアのフラグF3を
「0」に設定した後(ステップS133b)、RAM1
1bの平均往路伝搬時間バッファエリアに格納されてい
る平均往路伝搬時間Tfave と、RAM11bの平均復
路伝搬時間バッファエリアに格納されている平均復路伝
搬時間Trave との差である、超音波信号の平均伝搬時
間差Tdave =Tfave −Trave を算出する(ステッ
プS133c)。
【0092】ステップS133cにおける平均伝搬時間
差Tdave の算出が済んだならば、次に、この平均伝搬
時間差Tdave を基に、流路3を流れるガスの瞬時流量
Qi=c2 ・Tdave /2Lを算出し(ステップS13
3d)、この瞬時流量Qiに、前回瞬時流量Qiを算出
したサンプリングタイミングからの経過時間である通常
サンプリング周期時間T1を乗じて、通過流量Qtを算
出する(ステップS133e)。
【0093】次に、ステップS133eで算出した通過
流量Qtを、今までに求めた通過流量Qtの積算値に加
えることで、ガス供給量(ガス使用量)であるガス積算
流量Qsを算出し(ステップS133f)、続いて、表
示部13の表示をステップS133eで算出したガス積
算流量Qsに更新する(ステップS133g)。
【0094】その後、図9のフローチャートに示すよう
に、RAM11bの往路伝搬時間バッファエリアに格納
されている全ての往路伝搬時間Tfのうち最大値Tfma
x と最小値Tfmin との差である往路伝搬時間変動値T
ddiffが、所定の脈動消滅判定値Teth以上であるか否
かを確認する(ステップS133h)。
【0095】往路伝搬時間変動値Tddiffが脈動消滅判
定値Teth以上である場合は(ステップS133hで
Y)、後述するステップS133nに進み、脈動消滅判
定値Teth以上でない場合は(ステップS133hで
N)、RAM11bの復路伝搬時間バッファエリアに格
納されている全ての復路伝搬時間Trのうち最大値Tr
max と最小値Trmin との差である復路伝搬時間変動値
Tddifrが、脈動消滅判定値Teth以上であるか否かを
確認する(ステップS133j)。
【0096】復路伝搬時間変動値Tddifrが脈動消滅判
定値Teth以上である場合は(ステップS133jで
Y)、ステップS133nに進み、脈動消滅判定値Te
th以上でない場合は(ステップS133jでN)、RA
M11bの脈動発生フラグエリアのフラグF1を「0」
に設定し(ステップS133k)、RAM11bの脈動
周期推定済フラグエリアのフラグF5を「0」に設定し
た後(ステップS133m)、ステップS133nに進
む。
【0097】ステップS133nでは、RAM11bの
往路伝搬時間バッファエリアと復路伝搬時間バッファエ
リアとを共にクリアし、その後、図3のメインルーチン
に戻ってステップS5にリターンする。
【0098】以上の説明からも明らかなように、本実施
形態では、図5のフローチャートにおけるステップS1
31a乃至ステップS131g、及び、ステップS13
1j乃至ステップS131mと、図6のフローチャート
におけるステップS131p乃至ステップS131v、
及び、ステップS131zと、図8のフローチャートに
おけるステップS132s、ステップS132t、及
び、ステップS132yとが、請求項中の高分解能計測
実行手段11Aに対応する処理となっている。
【0099】また、本実施形態では、図5中のステップ
S131hと、図6中のステップS131wと、図8中
のステップS132vとが、請求項中の第1平均値割出
手段11Bに対応する処理となっており、図5中のステ
ップS131nと、図6中のステップS132aと、図
8中のステップS132zとが、請求項中の第2平均値
割出手段11Cに対応する処理となっている。
【0100】さらに、本実施形態では、図6中のステッ
プS131x、ステップS132b、及び、ステップS
132dと、図8中のステップS132w、ステップS
133a、及び、ステップS133cとが、請求項中の
平均差値割出手段11Dに対応する処理となっており、
図4のフローチャートにおけるステップS11kが、請
求項中の脈動発生検出手段11Eに対応する処理となっ
ている。
【0101】また、本実施形態では、図4中のステップ
S11a乃至ステップS11dが、請求項中の通常分解
能計測実行手段11Fに対応する処理となっており、図
4中のステップS11eが、請求項中の差値割出手段1
1Gに対応する処理となっている。
【0102】さらに、本実施形態では、図7のフローチ
ャートにおけるステップS132j及びステップS13
2kが、請求項中の脈動周期推定手段11Hに対応する
処理となっており、図9のフローチャートにおけるステ
ップS133h及びステップS133kが、請求項中の
脈動消滅検出手段11Jに対応する処理となっている。
【0103】次に、上述のように構成された本実施形態
のガスメータ1の動作(作用)について説明する。
【0104】まず、ガスメータ1が動作を開始すると、
通常サンプリング周期時間T1(例えば、本実施形態で
は2秒)が経過する毎に、第1音響トランスデューサT
D1から超音波信号が出力されて、これが第2音響トラ
ンスデューサTD3により受信されるまでに経過した往
路伝搬時間Tfが計測されると共に、第2音響トランス
デューサTD3から超音波信号が出力されて、これが第
1音響トランスデューサTD1により受信されるまでに
経過した復路伝搬時間Trが計測される。
【0105】そして、往路伝搬時間Tfと復路伝搬時間
Trとの伝搬時間差Td=Tf−Trを基に、流路3を
流れるガスの瞬時流量Qiが算出され、さらに、この瞬
時流量Qiから通過流量Qt、ひいては、ガス積算流量
Qsが算出されて、この算出されたガス積算流量Qsが
表示部13に表示される。
【0106】また、ガスメータ1が動作を開始すると、
通常サンプリング周期時間T1が経過する毎に、ガス積
算流量Qsの算出に際して今回算出された往路伝搬時間
Tfと復路伝搬時間Trとの伝搬時間差Tdが、今から
通常サンプリング周期時間T1だけ前の時点において同
様に算出された前回の伝搬時間差Tdoと比較される。
【0107】そして、両者の差である伝搬時間変動値T
ddif が所定の脈動発生判定値Tsth以上でないと、流
路3を流れるガスの脈動が生じていないと判定される。
【0108】すると、以後も、通常サンプリング周期時
間T1が経過する毎に、上述した往路伝搬時間Tfと復
路伝搬時間Trとが1回ずつ計測され、両者の伝搬時間
差Tdを基にした瞬時流量Qi、通過流量Qt、ひいて
は、ガス積算流量Qsの算出と、算出されたガス積算流
量Qsの表示部13への表示とが、継続して行われる。
【0109】これに対し、ガスメータ1の動作開始後、
通常サンプリング周期時間T1が経過する毎に脈動発生
判定値Tsthと比較される、今回の伝搬時間差Tdと前
回の伝搬時間差Tdoとの差である伝搬時間変動値Td
dif が、脈動発生判定値Tsth以上であると、流路3を
流れるガスに脈動が生じたものと判定される。
【0110】すると、以後は、通常サンプリング周期時
間T1が経過する毎に、上述した第1音響トランスデュ
ーサTD1から出力させた超音波信号の第2音響トラン
スデューサTD3による受信によって、高分解能サンプ
リング周期時間T3(例えば、本実施形態では10ミリ
秒)毎に往路伝搬時間Tfが周期推定前基準値Caの回
数分繰り返して計測される。
【0111】また、これに続いて、上述した第2音響ト
ランスデューサTD3から出力させた超音波信号の第1
音響トランスデューサTD1による受信によって、高分
解能サンプリング周期時間T3毎に復路伝搬時間Trが
周期推定前基準値Caの回数分繰り返して計測される。
【0112】尚、上述した周期推定前基準値Caは、例
えば、ガスメータ1の下流に接続されてガスを消費する
のが、ガスヒートポンプシステムのガスエンジンである
場合には、その作動により発生する脈動が一般的に10
〜20Hzであり、また、往路伝搬時間Tfや復路伝搬
時間Trの1回当たりの計測が、大体10ミリ秒程度か
かることから、次のような値に設定することができる。
【0113】即ち、往路伝搬時間Tfや復路伝搬時間T
rの連続計測期間が、最も低周波数の10Hzの脈動の
1周期の時間である100ミリ秒を超える時間幅となる
ように、周期推定前基準値Caは10〜15程度とする
ことができる。
【0114】そして、周期推定前基準値Caの回数分繰
り返して往路伝搬時間Tfや復路伝搬時間Trが各々計
測されると、周期推定前基準値Caの回数分計測された
往路伝搬時間Tfの平均である平均往路伝搬時間Tfav
e と、周期推定前基準値Caの回数分計測された復路伝
搬時間Trの平均である平均復路伝搬時間Trave とが
各々算出され、これら平均往路伝搬時間Tfave と平均
復路伝搬時間Traveとの差である平均伝搬時間差Tda
ve =Tfave −Trave が算出される。
【0115】このように、脈動の1周期分を超える時間
幅に亘って周期推定前基準値Caの回数分だけ往路伝搬
時間Tfや復路伝搬時間Trを各々計測しているため、
流路3を流れるガスに生じた脈動の影響で、各往路伝搬
時間Tfや各復路伝搬時間Trが、流路3の実際のガス
流量に見合った本来の伝搬時間と異なっていて、しか
も、本来の伝搬時間に対する時間差が各往路伝搬時間T
fどうしや復路伝搬時間Trどうしでバラバラであって
も、それらを平均した平均往路伝搬時間Tfaveや平均
復路伝搬時間Trave には、本来の伝搬時間に対する時
間差が各々殆ど含まれなくなる。
【0116】そして、この算出された平均伝搬時間差T
dave を基に、流路3を流れるガスの瞬時流量Qiが算
出され、さらに、この瞬時流量Qiから通過流量Qt、
ひいては、ガス積算流量Qsが算出されて、この算出さ
れたガス積算流量Qsが表示部13に表示される。
【0117】また、流路3を流れるガスに脈動が生じた
ものと判定された後、通常サンプリング周期時間T1が
経過すると、ガス積算流量Qsの算出に際して今回算出
された、周期推定前基準値Caの回数分の往路伝搬時間
Tfと、周期推定前基準値Caの回数分の復路伝搬時間
Trとを基に、流路3を流れるガスに発生している脈動
の波形が推定され、さらに、この推定した波形を基に脈
動の周期が推測される。
【0118】そして、この推測された脈動の1周期と一
致する時間幅に亘って、往路伝搬時間Tfが連続して計
測され、また、復路伝搬時間Trが連続して計測される
ように、この推測された脈動の1周期の時間を、往路伝
搬時間Tfや復路伝搬時間Trの1回当たりの計測にか
かる時間で除することで、周期推定後基準値Cbが算出
される。
【0119】したがって、今後は、通常サンプリング周
期時間T1が経過する毎に、往路伝搬時間Tfや復路伝
搬時間Trが、本実施形態の場合は、周期推定前基準値
Caと同じかこれよりも少ない周期推定後基準値Cbの
回数分ずつ、計測されるようになる。
【0120】これに伴い、今後は、平均伝搬時間差Td
ave が、周期推定後基準値Cbの回数分計測された往路
伝搬時間Tfの平均である平均往路伝搬時間Tfave
と、周期推定後基準値Cbの回数分計測された復路伝搬
時間Trの平均である平均復路伝搬時間Trave とから
算出されることとなり、これを基に、瞬時流量Qi、通
過流量Qt、ひいては、ガス積算流量Qsが算出される
ことになる。
【0121】そして、通常サンプリング周期時間T1が
経過する毎に、往路伝搬時間Tfや復路伝搬時間Tr
が、周期推定後基準値Cbの回数分ずつ計測されるよう
になると、これら周期推定後基準値Cbの回数分の往路
伝搬時間Tfのうち最大値Tfmax と最小値Tfmin と
の差である往路伝搬時間変動値Tddiffや、周期推定後
基準値Cbの回数分の復路伝搬時間Trのうち最大値T
rmax と最小値Trminとの差である復路伝搬時間変動
値Tddifrが、脈動消滅判定値Tethと各々比較され
る。
【0122】そして、往路伝搬時間変動値Tddiff及び
復路伝搬時間変動値Tddifrのうちどちらか一方だけで
も、脈動消滅判定値Teth以上であると、流路3を流れ
るガスに脈動が引き続き発生していると判定される。
【0123】すると、以後も、通常サンプリング周期時
間T1が経過する毎に、上述した往路伝搬時間Tfと復
路伝搬時間Trとが周期推定後基準値Cbの回数分ずつ
計測され、各々の平均である平均往路伝搬時間Tfave
と平均復路伝搬時間Traveとが算出されて、両者の差
である平均伝搬時間差Tdave を基にした瞬時流量Q
i、通過流量Qt、ひいては、ガス積算流量Qsの算出
と、算出されたガス積算流量Qsの表示部13への表示
とが、継続して行われる。
【0124】これに対し、通常サンプリング周期時間T
1が経過する毎に、往路伝搬時間Tfや復路伝搬時間T
rが、周期推定後基準値Cbの回数分ずつ計測されるよ
うになった後、通常サンプリング周期時間T1が経過す
る毎に脈動消滅判定値Tethと比較される、往路伝搬時
間変動値Tddiffと復路伝搬時間変動値Tddifrとが、
いずれも脈動消滅判定値Teth以上でないと、流路3を
流れるガスに発生していた脈動が消滅したと判定され
る。
【0125】すると、以後は、通常サンプリング周期時
間T1が経過する毎に、往路伝搬時間Tfと復路伝搬時
間Trとが1回ずつ計測され、両者の伝搬時間差Tdを
基にした瞬時流量Qi、通過流量Qt、ひいては、ガス
積算流量Qsの算出と、算出されたガス積算流量Qsの
表示部13への表示とが行われるようになる。
【0126】このように本実施形態によれば、不図示の
ガス配管に接続されるガスメータ1の内部の流路3に、
ガス配管内を流れる不図示のガスを通過させ、この流路
3内に互いの送受信面を対向させて、第1及び第2の音
響トランスデューサTD1,TD3を、流路3内におけ
るガスの流れ方向Aに間隔をおいて配置し、通常サンプ
リング周期時間T1毎に、これら第1及び第2の音響ト
ランスデューサTD1,TD3間で超音波信号の送受信
を行いその伝搬時間を計測して、その結果を基に、流路
3を流れるガスの流量を測定するに当たり、次のような
構成を採用した。
【0127】即ち、流路3を流れるガスに脈動が生じて
いる場合には、通常サンプリング周期時間T1が経過す
る毎に、第1及び第2の音響トランスデューサTD1,
TD3間での超音波信号の送受信による往路伝搬時間T
fや復路伝搬時間Trの計測を、周期推定前基準値Ca
の回数分ずつ、又は、周期推定後基準値Cbの回数分ず
つ連続して行い、全往路伝搬時間Tfの平均である平均
往路伝搬時間Tfaveと、全復路伝搬時間Trの平均で
ある平均復路伝搬時間Trave との差である平均伝搬時
間差Tdave を基に、瞬時流量Qi、通過流量Qt、ひ
いては、ガス積算流量Qsを算出する構成とした。
【0128】このため、流路3を流れるガスに生じた脈
動の影響で、各往路伝搬時間Tfや各復路伝搬時間Tr
が、流路3の実際のガス流量に見合った本来の伝搬時間
と異なるようになっても、複数回ずつ連続して計測した
往路伝搬時間Tfの総和や復路伝搬時間Trの総和を各
々平均して、本来の伝搬時間に対する時間差が各々殆ど
含まれない平均往路伝搬時間Tfave や平均復路伝搬時
間Trave を算出し、これらを基に瞬時流量Qi、通過
流量Qt、ひいては、ガス積算流量Qsを算出すること
で、流路3を流れるガスの流量を正確に測定し、表示部
13に表示させることができる。
【0129】尚、流路3を流れるガスに脈動が生じたこ
とを検出するための構成と、流路3を流れるガスに生じ
た脈動が消滅したことを検出するための構成とのうち、
どちらか一方又は両方は、省略してもよい。
【0130】しかし、本実施形態のように、流路3を流
れるガスに脈動が生じたことを検出するための構成を設
ければ、流路3を流れるガスに脈動が生じる前の段階で
は、通常サンプリング周期時間T1毎に、第1及び第2
の音響トランスデューサTD1,TD3間で超音波信号
の送受信を1回ずつ行い、往路伝搬時間Tfと復路伝搬
時間Trとを1回ずつ計測してその差を算出し、これを
基に瞬時流量Qi、通過流量Qt、ひいては、ガス積算
流量Qsを算出するだけで、流路3を流れるガスの流量
を正確に測定することができ、消費電力を節約すること
ができるので、有利である。
【0131】同様に、本実施形態のように、流路3を流
れるガスに生じた脈動が消滅したことを検出するための
構成を設ければ、流路3を流れるガスに生じた脈動が消
滅した後の段階では、通常サンプリング周期時間T1毎
に、第1及び第2の音響トランスデューサTD1,TD
3間で超音波信号の送受信を1回ずつ行い、往路伝搬時
間Tfと復路伝搬時間Trとを1回ずつ計測してその差
を算出し、これを基に瞬時流量Qi、通過流量Qt、ひ
いては、ガス積算流量Qsを算出するだけで、流路3を
流れるガスの流量を正確に測定することができ、消費電
力を節約することができるので、有利である。
【0132】しかも、流路3を流れるガスに脈動が生じ
たことを検出するための構成や、流路3を流れるガスに
生じた脈動が消滅したことを検出するための構成が、流
路3を流れるガスの流量を測定するために用いる、第1
及び第2の音響トランスデューサTD1,TD3やマイ
コン11等の既存のもので済み、新たにそのための構成
を追加する必要がない。
【0133】その上、それら既存のもの、特に、第1及
び第2の音響トランスデューサTD1,TD3を、上述
したことの検出のために、流量測定には不要な時点で新
たに駆動させる必要がないので、部品点数とコストの追
加を招かずに、測定精度の向上に際して消費電力の節約
を併せて図ることができ、その点においても有利であ
る。
【0134】また、本実施形態では、流路3を流れるガ
スに生じた脈動の周期を推定し、それ以後に往路伝搬時
間Tfや復路伝搬時間Trを計測する回数である周期推
定後基準値Cbを、推定した脈動の周期の1周期分の時
間に亘って往路伝搬時間Tfの計測や復路伝搬時間Tr
の計測が行われるようになる回数とするものとしたが、
推定した脈動の周期の、2以上の整数倍の周期分の時間
に亘って往路伝搬時間Tfの計測や復路伝搬時間Trの
計測が行われるようになる回数としてもよい。
【0135】そのようにしてもしなくても、いずれにし
ても、その回数で往路伝搬時間Tfや復路伝搬時間Tr
を計測すると、流路3を流れるガスの脈動により往路伝
搬時間Tfや復路伝搬時間Trに現れる、本来の伝搬時
間に対する時間差が、最小のものからのピーク時のもの
まで一通り得られることになり、全往路伝搬時間Tfの
平均往路伝搬時間Tfave や、全復路伝搬時間Trの平
均復路伝搬時間Trave には、本来の伝搬時間に対する
時間差が全て相殺されてなくなることになる。
【0136】このため、流路3を流れるガスに生じた脈
動の影響で、各往路伝搬時間Tfや各復路伝搬時間Tr
が、流路3の実際のガス流量に見合った本来の伝搬時間
と異なるようになっても、瞬時流量Qi、通過流量Q
t、ひいては、ガス積算流量Qsを算出することで、流
路3を流れるガスの流量をより正確に測定し、表示部1
3に表示させることができるので、有利である。
【0137】また、特に、本実施形態のように、周期推
定後基準値Cbを、推定した脈動の周期の1周期分の時
間に亘って往路伝搬時間Tfの計測や復路伝搬時間Tr
の計測が行われるようになる回数とすれば、本来の伝搬
時間に対する時間差が平均処理により全て相殺されてな
くなるような、複数の往路伝搬時間Tfや複数の復路伝
搬時間Trを、最も短い期間で得ることができ、その
分、消費電力を節約できるので、なおさら有利である。
【0138】さらに、本実施形態では、ガスメータ1を
例に取って本発明の実施形態を説明したが、本発明は、
測定した流量を表示するガスメータに限らず、そのよう
なガスメータや他の流体の流量を表示する流量計におい
て用いられる、ガスを始めとする流体の流量を測定する
装置に広く適用可能であることはいうまでもない。
【0139】
【発明の効果】以上に説明したように請求項1に記載し
た本発明の流量測定方法によれば、流体が内部を流れる
流路内に配置された第1音響トランスデューサから送信
された超音波信号が、前記流路内の前記第1音響トラン
スデューサから前記流体の流れ方向に間隔をおいた箇所
に配置された第2音響トランスデューサにより受信され
るまでの第1伝搬時間の計測と、前記第2音響トランス
デューサから送信された超音波信号が前記第1音響トラ
ンスデューサにより受信されるまでの第2伝搬時間の計
測とを間欠的に行い、前記第1及び第2の両伝搬時間を
基に、前記流路における前記流体の流量を測定するに当
たり、前記流路内の前記流体に所定の判定値を上回る大
きさの脈動が存在する際に、間欠的に行う前記伝搬時間
計測のパターンを、前記第1伝搬時間の連続複数回の計
測と前記第2伝搬時間の連続複数回の計測とのうち一方
を先に、他方を後に続ける脈動時パターンとし、連続複
数回計測した前記第1伝搬時間の平均値と、連続複数回
計測した前記第2伝搬時間の平均値との差を基に、前記
流路における前記流体の流量を測定するようにした。
【0140】また、請求項7に記載した本発明の流量測
定装置によれば、流体が内部を流れる流路内に配置され
た第1音響トランスデューサから送信された超音波信号
が、前記流路内の前記第1音響トランスデューサから前
記流体の流れ方向に間隔をおいた箇所に配置された第2
音響トランスデューサにより受信されるまでの第1伝搬
時間の計測と、前記第2音響トランスデューサから送信
された超音波信号が前記第1音響トランスデューサによ
り受信されるまでの第2伝搬時間の計測とを間欠的に行
い、前記第1及び第2の両伝搬時間を基に、前記流路に
おける前記流体の流量を測定する流量測定装置におい
て、前記第1伝搬時間の連続複数回の計測と、前記第2
伝搬時間の連続複数回の計測とを、一方を先にし他方を
後に続ける脈動時パターンで、前記伝搬時間計測を間欠
的に行う高分解能計測実行手段と、前記高分解能計測実
行手段により連続複数回計測した前記第1伝搬時間の平
均値を割り出す第1平均値割出手段と、前記高分解能計
測実行手段により連続複数回計測した前記第2伝搬時間
の平均値を割り出す第2平均値割出手段と、前記第1平
均値割出手段が割り出した平均値と前記第2平均値割出
手段が割り出した平均値との差である平均差値を割り出
す平均差値割出手段とを備え、少なくとも前記流路内の
前記流体に所定の判定値を上回る大きさの脈動が存在す
る際に、前記平均差値割出手段が割り出す前記平均差値
を基に、前記流路における前記流体の流量を測定する構
成とした。
【0141】このため、流路内の流体に所定の判定値を
上回る大きさの脈動があると、第1音響トランスデュー
サから送信された超音波信号が第2音響トランスデュー
サにより受信されるまでの第1伝搬時間や、第2音響ト
ランスデューサから送信された超音波信号が第1音響ト
ランスデューサにより受信されるまでの第2伝搬時間
に、流体の流量変化とは無関係の変動が周期的に生じ
る。
【0142】したがって、第1伝搬時間の計測と第2伝
搬時間の計測とを各々1回ずつとすると、流路内の流体
に所定の判定値を上回る大きさの脈動がある際に、例え
ば、流体の脈動による第1伝搬時間や第2伝搬時間の周
期的な変動のピーク時にこれらを計測する場合と、第1
伝搬時間や第2伝搬時間の周期的な変動の最小の時点で
これらを計測する場合とで、第1伝搬時間や第2伝搬時
間の計測値に大幅な相違が生じる。
【0143】これに対し、流路内の流体に所定の判定値
を上回る大きさの脈動がある際に、第1伝搬時間の計測
と第2伝搬時間の計測とを各々連続複数回ずつ行う脈動
時パターンによって伝搬時間計測を間欠的に行うと、第
1伝搬時間を間欠時間よりも短い間隔で複数回連続して
計測することとなり、また、この前か後に、第2伝搬時
間を間欠時間よりも短い間隔で複数回連続して計測する
こととなる。
【0144】そうすると、連続複数回分の第1伝搬時間
の計測値や連続複数回分の第2伝搬時間の計測値に各々
現れる、流体の脈動の及ぼす影響による変動の度合い
が、互いに異なることになり、この変動の度合いが互い
に異なって現れる、連続複数回計測した第1伝搬時間と
連続複数回計測した第2伝搬時間とを各々平均すること
で、流体の脈動の及ぼす影響がこれら各平均値に変動と
して現れる度合いは、計測回数を各々1回ずつとした場
合の第1伝搬時間の計測値や第2伝搬時間の計測値に、
流体の脈動の及ぼす影響が変動として現れるのに比べ
て、緩和される。
【0145】このため、流路内の流体に所定の判定値を
上回る大きさの脈動が存在する際に、第1伝搬時間や第
2伝搬時間を計測する間欠時間そのものを短縮して消費
電力の大幅な増加を招くことなく、流路内の流体の脈動
に起因する流体の瞬時流量の検出誤差の発生を抑制し、
流体流量を正確に測定することができる。
【0146】さらに、請求項2に記載した本発明の流量
測定方法によれば、間欠的に行う前記伝搬時間計測のパ
ターンを当初は、前記第1伝搬時間の計測と前記第2伝
搬時間の計測とを各々1回ずつ行う通常パターンとし、
前記判定値を上回る大きさでは前記流路内の前記流体に
存在していなかった脈動が、該流路内の前記流体に発生
した際に、前記伝搬時間計測のパターンを前記通常パタ
ーンから前記脈動時パターンに変更し、前記第1及び第
2の両伝搬時間の差を基に、前記流路における前記流体
の流量を測定するようにした。
【0147】このため、流路内の流体に所定の判定値を
上回る大きさの脈動が発生する前であれば、第1伝搬時
間や第2伝搬時間を各々連続複数回計測してその平均値
を求めることをせず、その代わりに、第1伝搬時間や第
2伝搬時間を各々1回ずつしか計測しなくても、流体の
脈動の及ぼす影響がないので、計測値に変動が生じるこ
とがない。
【0148】したがって、流路内の流体に所定の判定値
を上回る大きさの脈動が発生する前においては、第1伝
搬時間や第2伝搬時間を各々連続複数回計測する脈動時
パターンよりも計測が容易に済む、通常パターンによる
伝搬時間計測で得た第1伝搬時間や第2伝搬時間の各々
1回ずつの計測値の差により、第1伝搬時間や第2伝搬
時間を各々連続複数回計測しそれらの平均値の差を基に
測定した流体の流量と同等の精度で、流体の流量を測定
することができる。
【0149】また、請求項3に記載した本発明の流量測
定方法によれば、前記通常パターンによる伝搬時間計測
の結果を基に、前記流路内の前記流体に前記判定値を上
回る大きさの脈動が存在するか否かを判定し、該判定の
結果が、前記流路内の前記流体に前記判定値を上回る大
きさの脈動が存在しない旨の判定から存在する旨の判定
に変化した際に、前記伝搬時間計測のパターンを前記通
常パターンから前記脈動時パターンに変更するようにし
た。
【0150】さらに、請求項8に記載した本発明の流量
測定装置によれば、前記流路内の前記流体に所定の判定
値を上回る大きさの脈動が存在しない状態から存在する
状態に変化したことを検出する脈動発生検出手段をさら
に備えていて、該脈動発生検出手段の検出結果を基に前
記高分解能計測実行手段が、前記流路内の前記流体に所
定の判定値を上回る大きさの脈動が存在しない状態から
存在する状態に変化した後に、前記脈動時パターンで前
記伝搬時間計測を間欠的に行うと共に、前記流路内の前
記流体に所定の判定値を上回る大きさの脈動が存在しな
い状態から存在する状態に変化したことを前記脈動発生
検出手段が検出する前に、前記第1伝搬時間と前記第2
伝搬時間とを各々1回ずつ計測する通常パターンで前記
伝搬時間計測を間欠的に行う通常分解能計測実行手段
と、該通常分解能計測実行手段により計測した前記第1
伝搬時間と前記第2伝搬時間との差値を割り出す差値割
出手段とをさらに備え、前記流路内の前記流体に所定の
判定値を上回る大きさの脈動が存在しない状態から存在
する状態に変化したことを前記脈動発生検出手段が検出
する前に、前記差値割出手段が割り出す前記差値を基
に、前記流路における前記流体の流量を測定する構成と
した。
【0151】このため、間欠的に行う前記伝搬時間計測
のパターンを、流路内の流体に所定の判定値を上回る大
きさの脈動が発生する前の当初に行う通常パターンか
ら、流路内の流体に所定の判定値を上回る大きさの脈動
が発生した後に行う脈動時パターンに変更するに当た
り、その変更を行う時点を、流体流量の測定のために通
常パターンによって計測される第1伝搬時間や第2伝搬
時間の計測値を基にして、新たな測定値や検出手段等を
用いずに検出することができる。
【0152】また、請求項4に記載した本発明の流量測
定方法によれば、前記通常パターンによる伝搬時間計測
の結果を基に、前記流路内の前記流体に存在する前記判
定値を上回る大きさの脈動の周期を推定し、当該脈動周
期の推定後、前記脈動時パターンによる前記第1伝搬時
間の連続複数回の計測と前記第2伝搬時間の連続複数回
の計測とを、前記推定した脈動の周期及び該推定した脈
動の整数倍の周期のうちいずれか1つの周期の時間に亘
って各々行うようにした。
【0153】さらに、請求項9に記載した本発明の流量
測定装置によれば、前記通常パターンによる伝搬時間計
測の結果を基に、前記流路内の前記流体に存在する前記
判定値を上回る大きさの脈動の周期を推定する脈動周期
推定手段をさらに備え、該脈動周期推定手段が前記判定
値を上回る大きさの脈動の周期を推定した後、前記高分
解能計測実行手段が、前記第1伝搬時間の連続複数回の
計測と、前記第2伝搬時間の連続複数回の計測とを、前
記脈動周期推定手段が推定した前記判定値を上回る大き
さの脈動の周期及び該推定した脈動の周期の整数倍の周
期のうちいずれか1つの周期の時間に亘って各々行う構
成とした。
【0154】このため、脈動時パターンによる伝搬時間
計測の結果を基に脈動の周期を推定した後、この推定し
た脈動の周期、及び、この推定した脈動の周期の整数倍
の周期のうちいずれか1つの周期の時間に亘って、脈動
時パターンによる第1伝搬時間の連続複数回の計測と第
2伝搬時間の連続複数回の計測とを各々行うと、第1伝
搬時間の計測値と第2伝搬時間の計測値とのいずれにつ
いても、流体の脈動により現れる変動が最小のものから
のピーク時のものまで、変動の度合いが互いに異なる計
測値が一通り得られることになる。
【0155】このため、推定した脈動の周期及び整数倍
の周期のうちいずれか1つの周期の時間に亘って連続複
数回計測した第1伝搬時間の平均値は、流路内の流体に
所定の判定値を上回る大きさの脈動がなく、この脈動の
及ぼす影響がない状態で計測した第1伝搬時間とほぼ一
致し、また、同様に、推定した脈動の周期、及び、この
推定した脈動の周期の整数倍の周期のうちいずれか1つ
の周期の時間に亘って連続複数回計測した第2伝搬時間
の平均値は、流路内の流体に所定の判定値を上回る大き
さの脈動がなく、この脈動の及ぼす影響がない状態で計
測した第2伝搬時間とほぼ一致することになる。
【0156】したがって、連続複数回計測した第1伝搬
時間の平均値と連続複数回計測した第2伝搬時間の平均
値との差を基に流体の流量を測定することで、流路内の
流体に所定の判定値を上回る大きさの脈動がどのような
周期で発生していても、その脈動の及ぼす影響で第1伝
搬時間の計測値や第2伝搬時間の計測値に現れる変動を
相殺して、流体流量を正確に測定することができる。
【0157】また、請求項5に記載した本発明の流量測
定方法によれば、前記判定値を上回る大きさで前記流路
内の前記流体に存在した前記脈動が、該流路内の前記流
体から消滅した際に、前記伝搬時間計測のパターンを前
記脈動時パターンから前記通常パターンに変更し、前記
第1及び第2の両伝搬時間の差を基に、前記流路におけ
る前記流体の流量を測定するようにした。
【0158】このため、流路内の流体に発生していた所
定の判定値を上回る大きさの脈動が消滅した後であれ
ば、第1伝搬時間や第2伝搬時間を各々連続複数回計測
してその平均値を求めることをせず、その代わりに、第
1伝搬時間や第2伝搬時間を各々1回ずつしか計測しな
くても、流体の脈動の及ぼす影響がないので、計測値に
変動が生じることがない。
【0159】したがって、流路内の流体に所定の判定値
を上回る大きさの脈動が発生していた所定の判定値を上
回る大きさの脈動が消滅した後においては、第1伝搬時
間や第2伝搬時間を各々連続複数回計測する脈動時パタ
ーンよりも計測が容易に済む、通常パターンによる伝搬
時間計測で得た第1伝搬時間や第2伝搬時間の各々1回
ずつの計測値の差により、第1伝搬時間や第2伝搬時間
を各々連続複数回計測しそれらの平均値の差を基に測定
した流体の流量と同等の精度で、流体の流量を測定する
ことができる。
【0160】さらに、請求項6に記載した本発明の流量
測定方法によれば、前記脈動時パターンによる伝搬時間
計測の結果を基に、前記流路内の前記流体に前記判定値
を上回る大きさの脈動が存在するか否かを判定し、該判
定の結果が、前記流路内の前記流体に前記判定値を上回
る大きさの脈動が存在する旨の判定から存在しない旨の
判定に変化した際に、前記伝搬時間計測のパターンを前
記脈動時パターンから前記通常パターンに変更するよう
にした。
【0161】また、請求項10に記載した本発明の流量
測定装置によれば、前記高分解能計測実行手段による前
記脈動時パターンの伝搬時間計測の結果を基に、前記流
路内の前記流体に前記判定値を上回る大きさの脈動が存
在する状態から存在しない状態に変化したことを検出す
るか否かを判定する脈動消滅検出手段をさらに備え、前
記流路内の前記流体に前記判定値を上回る大きさの脈動
が存在する状態から存在しない状態に変化したことを前
記脈動消滅検出手段が検出した後に、前記差値割出手段
が割り出す前記差値を基に、前記流路における前記流体
の流量を測定する構成とした。
【0162】このため、間欠的に行う前記伝搬時間計測
のパターンを、流路内の流体に所定の判定値を上回る大
きさの脈動が発生した後に行う脈動時パターンから、流
路内の流体に所定の判定値を上回る大きさの脈動が発生
する前の当初に行う通常パターンに変更するに当たり、
その変更を行う時点を、流体流量の測定のために脈動時
パターンによって連続複数回ずつ計測される第1伝搬時
間や第2伝搬時間の計測値を基にして、新たな測定値や
検出手段等を用いずに検出することができる。
【0163】さらに、請求項11に記載した本発明の電
子式ガスメータによれば、請求項7、8、9又は10記
載の流量測定装置を備え、前記測定した前記流路におけ
る前記流体の流量を表示部に表示させる構成とした。
【0164】このため、請求項1、請求項3、請求項
4、並びに、請求項6に記載した本発明の流量測定方法
について各々先に述べた効果のうち、いずれか1つと同
様の効果を得ることができ、さらにその上で、表示部に
正確な流体流量を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流量測定装置の基本構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るガスメータの概略構
成を示す説明図である。
【図3】図2のマイクロコンピュータのROMに格納さ
れた制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すメイ
ンルーチンのフローチャートである。
【図4】図3の通常処理を示すサブルーチンのフローチ
ャートである。
【図5】図3の脈動時処理を示すサブルーチンのフロー
チャートである。
【図6】図3の脈動時処理を示すサブルーチンのフロー
チャートである。
【図7】図3の脈動時処理を示すサブルーチンのフロー
チャートである。
【図8】図3の脈動時処理を示すサブルーチンのフロー
チャートである。
【図9】図3の脈動時処理を示すサブルーチンのフロー
チャートである。
【符号の説明】
3 流路 11 マイクロコンピュータ 11a CPU 11b RAM 11c ROM 11A 高分解能計測実行手段 11B 第1平均値割出手段 11C 第2平均値割出手段 11D 平均差値割出手段 11E 脈動発生検出手段 11F 通常分解能計測実行手段 11G 差値割出手段 11H 脈動周期推定手段 11J 脈動消滅検出手段 13 表示部 A 流れ方向 TD1 第1音響トランスデューサ TD3 第2音響トランスデューサ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が内部を流れる流路内に配置された
    第1音響トランスデューサから送信された超音波信号
    が、前記流路内の前記第1音響トランスデューサから前
    記流体の流れ方向に間隔をおいた箇所に配置された第2
    音響トランスデューサにより受信されるまでの第1伝搬
    時間の計測と、前記第2音響トランスデューサから送信
    された超音波信号が前記第1音響トランスデューサによ
    り受信されるまでの第2伝搬時間の計測とを間欠的に行
    い、前記第1及び第2の両伝搬時間を基に、前記流路に
    おける前記流体の流量を測定するに当たり、 前記流路内の前記流体に所定の判定値を上回る大きさの
    脈動が存在する際に、間欠的に行う前記伝搬時間計測の
    パターンを、前記第1伝搬時間の連続複数回の計測と前
    記第2伝搬時間の連続複数回の計測とのうち一方を先
    に、他方を後に続ける脈動時パターンとし、 連続複数回計測した前記第1伝搬時間の平均値と、連続
    複数回計測した前記第2伝搬時間の平均値との差を基
    に、前記流路における前記流体の流量を測定するように
    した、 ことを特徴とする流量測定方法。
  2. 【請求項2】 間欠的に行う前記伝搬時間計測のパター
    ンを当初は、前記第1伝搬時間の計測と前記第2伝搬時
    間の計測とを各々1回ずつ行う通常パターンとし、前記
    判定値を上回る大きさでは前記流路内の前記流体に存在
    していなかった脈動が、該流路内の前記流体に発生した
    際に、前記伝搬時間計測のパターンを前記通常パターン
    から前記脈動時パターンに変更し、前記第1及び第2の
    両伝搬時間の差を基に、前記流路における前記流体の流
    量を測定するようにした請求項1記載の流量測定方法。
  3. 【請求項3】 前記通常パターンによる伝搬時間計測の
    結果を基に、前記流路内の前記流体に前記判定値を上回
    る大きさの脈動が存在するか否かを判定し、該判定の結
    果が、前記流路内の前記流体に前記判定値を上回る大き
    さの脈動が存在しない旨の判定から存在する旨の判定に
    変化した際に、前記伝搬時間計測のパターンを前記通常
    パターンから前記脈動時パターンに変更するようにした
    請求項2記載の流量測定方法。
  4. 【請求項4】 前記脈動時パターンによる伝搬時間計測
    の結果を基に、前記流路内の前記流体に存在する前記判
    定値を上回る大きさの脈動の周期を推定し、当該脈動周
    期の推定後、前記脈動時パターンによる前記第1伝搬時
    間の連続複数回の計測と前記第2伝搬時間の連続複数回
    の計測とを、前記推定した脈動の周期及び該推定した脈
    動の周期の整数倍の周期のうちいずれか1つの周期の時
    間に亘って各々行うようにした請求項2又は3記載の流
    量測定方法。
  5. 【請求項5】 前記判定値を上回る大きさで前記流路内
    の前記流体に存在した前記脈動が、該流路内の前記流体
    から消滅した際に、前記伝搬時間計測のパターンを前記
    脈動時パターンから前記通常パターンに変更し、前記第
    1及び第2の両伝搬時間の差を基に、前記流路における
    前記流体の流量を測定するようにした請求項2、3又は
    4記載の流量測定方法。
  6. 【請求項6】 前記脈動時パターンによる伝搬時間計測
    の結果を基に、前記流路内の前記流体に前記判定値を上
    回る大きさの脈動が存在するか否かを判定し、該判定の
    結果が、前記流路内の前記流体に前記判定値を上回る大
    きさの脈動が存在する旨の判定から存在しない旨の判定
    に変化した際に、前記伝搬時間計測のパターンを前記脈
    動時パターンから前記通常パターンに変更するようにし
    た請求項5記載の流量測定方法。
  7. 【請求項7】 流体が内部を流れる流路内に配置された
    第1音響トランスデューサから送信された超音波信号
    が、前記流路内の前記第1音響トランスデューサから前
    記流体の流れ方向に間隔をおいた箇所に配置された第2
    音響トランスデューサにより受信されるまでの第1伝搬
    時間の計測と、前記第2音響トランスデューサから送信
    された超音波信号が前記第1音響トランスデューサによ
    り受信されるまでの第2伝搬時間の計測とを間欠的に行
    い、前記第1及び第2の両伝搬時間を基に、前記流路に
    おける前記流体の流量を測定する流量測定装置におい
    て、 前記第1伝搬時間の連続複数回の計測と、前記第2伝搬
    時間の連続複数回の計測とを、一方を先にし他方を後に
    続ける脈動時パターンで、前記伝搬時間計測を間欠的に
    行う高分解能計測実行手段と、 前記高分解能計測実行手段により連続複数回計測した前
    記第1伝搬時間の平均値を割り出す第1平均値割出手段
    と、 前記高分解能計測実行手段により連続複数回計測した前
    記第2伝搬時間の平均値を割り出す第2平均値割出手段
    と、 前記第1平均値割出手段が割り出した平均値と前記第2
    平均値割出手段が割り出した平均値との差である平均差
    値を割り出す平均差値割出手段とを備え、 少なくとも前記流路内の前記流体に所定の判定値を上回
    る大きさの脈動が存在する際に、前記平均差値割出手段
    が割り出す前記平均差値を基に、前記流路における前記
    流体の流量を測定する、 ことを特徴とする流量測定装置。
  8. 【請求項8】 前記流路内の前記流体に所定の判定値を
    上回る大きさの脈動が存在しない状態から存在する状態
    に変化したことを検出する脈動発生検出手段をさらに備
    えていて、該脈動発生検出手段の検出結果を基に前記高
    分解能計測実行手段は、前記流路内の前記流体に所定の
    判定値を上回る大きさの脈動が存在しない状態から存在
    する状態に変化した後に、前記脈動時パターンで前記伝
    搬時間計測を間欠的に行うと共に、前記流路内の前記流
    体に所定の判定値を上回る大きさの脈動が存在しない状
    態から存在する状態に変化したことを前記脈動発生検出
    手段が検出する前に、前記第1伝搬時間と前記第2伝搬
    時間とを各々1回ずつ計測する通常パターンで前記伝搬
    時間計測を間欠的に行う通常分解能計測実行手段と、該
    通常分解能計測実行手段により計測した前記第1伝搬時
    間と前記第2伝搬時間との差値を割り出す差値割出手段
    とをさらに備え、前記流路内の前記流体に所定の判定値
    を上回る大きさの脈動が存在しない状態から存在する状
    態に変化したことを前記脈動発生検出手段が検出する前
    には、前記差値割出手段が割り出す前記差値を基に、前
    記流路における前記流体の流量を測定する請求項7記載
    の流量測定装置。
  9. 【請求項9】 前記脈動時パターンによる伝搬時間計測
    の結果を基に、前記流路内の前記流体に存在する前記判
    定値を上回る大きさの脈動の周期を推定する脈動周期推
    定手段をさらに備え、該脈動周期推定手段が前記判定値
    を上回る大きさの脈動の周期を推定した後、前記高分解
    能計測実行手段は、前記第1伝搬時間の連続複数回の計
    測と、前記第2伝搬時間の連続複数回の計測とを、前記
    脈動周期推定手段が推定した前記判定値を上回る大きさ
    の脈動の周期及び該推定した脈動の周期の整数倍の周期
    のうちいずれか1つの周期の時間に亘って各々行う請求
    項7記載の流量測定装置。
  10. 【請求項10】 前記高分解能計測実行手段による前記
    脈動時パターンの伝搬時間計測の結果を基に、前記流路
    内の前記流体に前記判定値を上回る大きさの脈動が存在
    する状態から存在しない状態に変化したことを検出する
    か否かを判定する脈動消滅検出手段をさらに備え、前記
    流路内の前記流体に前記判定値を上回る大きさの脈動が
    存在する状態から存在しない状態に変化したことを前記
    脈動消滅検出手段が検出した後には、前記差値割出手段
    が割り出す前記差値を基に、前記流路における前記流体
    の流量を測定する請求項8又は9記載の流量測定装置。
  11. 【請求項11】 請求項7、8、9又は10記載の流量
    測定装置を備え、前記測定した前記流路における前記流
    体の流量を表示部に表示させることを特徴とする電子式
    ガスメータ。
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