JPH11281010A - 固体燃料燃焼バーナと固体燃料燃焼装置 - Google Patents

固体燃料燃焼バーナと固体燃料燃焼装置

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JPH11281010A
JPH11281010A JP7883698A JP7883698A JPH11281010A JP H11281010 A JPH11281010 A JP H11281010A JP 7883698 A JP7883698 A JP 7883698A JP 7883698 A JP7883698 A JP 7883698A JP H11281010 A JPH11281010 A JP H11281010A
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solid fuel
air
flow path
combustion
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JP7883698A
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English (en)
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Shinichiro Nomura
伸一郎 野村
Kunio Okiura
邦夫 沖浦
Noriyuki Oyatsu
紀之 大谷津
Noboru Takarayama
登 宝山
Miki Mori
三紀 森
Satohiko Mine
聡彦 嶺
Kimiharu Kuramasu
公治 倉増
Yoshinobu Kobayashi
啓信 小林
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粉炭などの低NOx化燃焼が可能であり、
また燃焼用気体流路が輻射熱による変形または焼損、燃
焼灰の堆積をなくした微粉炭バーナを提供すること。 【解決手段】 一次流路1と二次流路2あるいは二次流
路2と三次流路3の間の2つの流路間に空間(ダミー空
間)12を設け、三次空気の噴出位置を一次空気と微粉
炭の混合流の排出位置から離すことで、三次空気の混合
は遅くなりNOx還元を促進できる。さらにダミー空間
12の内部に火炉からの熱輻射を受ける面に輻射熱を遮
断吸収する断熱性耐火材13を充填するかまたは熱変形
に対処できる耐熱性金属板を設置することによってダミ
ー空間12の形成部材が焼損することを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体燃料燃焼バーナ
と該バーナを用いる固体燃料燃焼装置に係わり、特に低
濃度の窒素酸化物(NOx)を含む燃焼ガスを生成する
バーナ(以下、低NOx燃焼の要求されるバーナ、また
は低NOxバーナと言うことがある。)において、超低
NOxで、かつ安定に燃焼するのに好適な固体燃料燃焼
バーナと該バーナを用いる燃焼装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のボイラなどに用いられる微粉炭燃
焼システムには、分級機を内蔵した微粉炭機(以下ミル
と言う)で石炭を粉砕し、分級により所定の大きさ以下
の微粉を搬送用空気でバーナ部へ直接供給する燃焼シス
テムが実用化されている。
【0003】この微粉炭燃焼システムの低NOx化技術
としては、二段燃焼法が代表的である。この二段燃焼法
には外部式と内部式があり、外部二段燃焼法は燃焼炉の
バーナゾーンでの空気比(燃料に対する必要空気の割
合)を量論空気比1以下の燃料リッチな条件に保つこと
で生成NOxを還元し、低NOx化を図り、未燃焼燃料
についてはバーナゾーン後流部に設けた空気挿入口から
空気を投入し、完全に燃焼させる方式である。また、内
部二段燃焼法とは、バーナ部からの燃焼用空気を二次空
気と三次空気に分割し、それぞれの燃焼用空気に旋回を
かけて火炉内に投入し、一次空気のみで着火燃焼してい
る微粉炭流との混合を遅らせる燃焼法である(図12参
照)。さらに二次空気の流路である二次流路と三次空気
の流路である三次流路の間に分離器を設置して三次空気
と微粉炭流との混合遅延を強化してより低NOxを図る
燃焼法(特開平1−57004号公報、特開平1−70
606号公報)も開発され、実用化されている(図13
参照)。
【0004】図12と図13に示す従来技術の微粉炭燃
焼バーナは、一次流路1の外周に二次空気の流路となる
二次流路2と三次空気の流路となる三次流路3が設けら
れており、一次流路1の管壁先端には外周保炎器7があ
り、一次流路1内の中央部にバーナ起動時に使用する油
焚きバーナ4が設けられている。また、ベンチュリー部
9が一次流路1を構成する壁面の内周部に設けられてお
り、微粉炭流の流速を速めて逆火防止を行う機能を奏す
るものである。
【0005】図12に示すバーナは油焚きバーナ4の外
周にスワラ8が設けられており、また、図13に示すバ
ーナは油焚きバーナ4の外周に濃縮器10が設けられて
いるが、スワラ8、濃縮器10は油焚きバーナ4の外周
の微粉炭流を濃縮流と希薄流に分離する機能を有する。
このうち濃縮器10は微粉炭流の濃縮流を形成させるた
めのものであり、濃縮器10の前端部で、微粉炭流が縮
小されて一次流路1の内壁側に流れ、次いで濃縮器10
の後端部付近で流れが拡大されて、微粉炭粒子と空気の
慣性力の差で粒子は一次流路1の内壁側へ、空気は中心
部側へと分離される。したがって、微粉炭粒子の多い濃
縮器10の前端部の一次流路1を縮小する部分は逆火防
止にも役立っている。
【0006】内部二段燃焼法のさらなる強化策として
は、微粉炭と一次空気との混合流体の流路(以下、一次
流路と言うことがある。)の外周に、燃焼用気体の流路
(二次流路、三次流路)を配置し、外周の流れに直角に
外周保炎器を設置し、バーナ出口での着火保炎を強化す
る方法、一次流路内の流れに直角に内部保炎器を設置す
る方法(特開平8−135919号公報)、外周保炎器
と内部保炎器の間を橋渡しする橋渡し部を設置して内部
保炎器での保炎をさらに強化する方法がある。いずれの
方法も微粉炭を搬送している一次空気の流れの中に外周
保炎器と内部保炎器および橋渡し部を設置することで、
その後流に高温の再循環域が形成され、着火保炎が促進
され、バーナ近傍の着火燃焼領域を拡大して燃焼ガスの
低NOx化が可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の外部および内部
二段燃焼法の併用によるバーナの低NOx燃焼技術によ
り、ボイラ出口でのNOx排出量が100〜150pp
m前後(燃料比=固定炭素/揮発分の値が2、石炭中窒
素分1.5%の基準炭で、灰中未燃分5%以下)まで下
げられるようになった。しかしながら、環境対策として
の燃焼排ガスに含まれるNOx排出量の規制は厳しくな
る一方であり、石炭の輸入依存度が100%に近い我が
国では、炭種に依らず安定した微粉炭燃焼用バーナの低
NOx化の技術の確立は必要不可欠である。
【0008】特に既設のボイラには外部二段燃焼用の設
備のない微粉炭燃焼用バーナが多く用いられており、環
境対策としての燃焼排ガスに含まれるNOx排出量の規
制は厳しくなる状況下において、バーナゾーンでの内部
二段燃焼の強化は重要であり、図12、13に示したよ
うに、燃焼用空気を二次空気と三次空気に分割して、一
次空気のみで着火燃焼している微粉炭流との混合を遅ら
せる以外に方法はない。
【0009】また、さらに最近のバーナの大容量化に伴
い、前記外周保炎器や内部保炎器などを設けることによ
って、バーナ近傍の着火領域を拡大した場合には、一次
流路と二次流路あるいは二次流路と三次流路の間の部材
の焼損防止という新たな解決課題が生じる。
【0010】本発明の課題は、微粉炭などの低NOx化
燃焼が可能であり、また燃焼用気体流路が輻射熱による
変形または焼損、燃焼灰の堆積をなくした固体燃料燃焼
バーナと該バーナを用いる燃焼装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、一
次流路の外周壁と二次流路の内周壁の2つの流路間また
は二次流路の外周壁と三次流路の内周壁の2つの流路間
に空間(ダミー空間)を設けて、さらにダミー空間内の
火炉からの熱輻射を受ける面に輻射熱を遮断吸収する断
熱性耐火材を充填するか、耐熱性金属板を設置すること
で解決される。
【0012】さらに、前記ダミー空間に燃焼灰堆積防止
用の気体を供給する配管を設置し、燃焼灰の堆積を防止
することで信頼性向上が図れる。また、ダミー空間に気
体導入流路を設け、そこに導入する気体として燃焼用空
気の一部を利用し、かつ前記気体導入流路に流量調整弁
を設け、気体流量を調節しながら使用することでもダミ
ー空間の輻射熱遮断効果がある。
【0013】一次流路を構成する壁面の先端外周部に外
周保炎器を設置し、また、一次流路内に固気二相流の流
れを遮る内部保炎器を設置し、該内部保炎器と外周保炎
器との間を連結する橋渡し部を一以上設置し、さらに外
周保炎器側に固気二相流に向かって気体ジェットを噴出
させる気体噴射ノズルを設置することが望ましい。そし
て、気体噴射ノズルからの気体ジェットは橋渡し部上に
沿って噴出させることでバーナ中心部まで気体ジェット
を到達させることができ、以下に述べる固体燃料着火効
果が高まる。また、気体噴射ノズルからの気体として固
体燃料搬送用気体供給系統の低温部もしくは高温部から
固体燃料搬送用気体を導入することができる。
【0014】固体燃料搬送用気体(以下、一次空気と言
うことがある)によって搬送される固体燃料(以下、代
表例である微粉炭と言うことがある)は、バーナ出口の
外周保炎器と内部保炎器の後流に形成される高温再循環
域によって着火し、燃焼域を形成する。この燃焼域で
は、微粉炭が揮発化してその中の窒素成分が酸化されて
NOxを生成する。一次空気中の酸素を消費した後は酸
欠状態の還元領域を形成し、生成NOxをN2に還元す
る。二次及び三次空気は一次空気と微粉炭との混合流が
作る燃焼域及び還元域の周囲から、これらの領域内に徐
々に混合していき、未燃の燃料の燃焼に費やされる。こ
の時、二次及び三次空気が混合流へ混合する速度が速い
と酸素のない還元域が小さくなり、既に生成されたNO
xの還元が遅れ、結果として多くのNOxを放出する。
逆に二次、三次空気が混合流へ混合される速度が遅くな
れば、NOx生成量を低減できる。
【0015】通常、燃焼用空気は二次空気と三次空気に
分割されるが、流量比率は二次空気:三次空気=1:5
で、三次空気の割合が多い。したがって、二次空気と三
次空気の間にダミーの空間を設けて三次空気の噴出位置
を一次空気と微粉炭の混合流のバーナ出口からの排出位
置から離すことで混合流と三次空気の混合は遅くなりN
Ox還元を促進できる。ただし、設置したダミー空間の
火炉からの輻射を直接受ける壁面は高温にさらされるの
で、ダミー空間の壁面には断熱性耐火材を充填するか、
あるいは輻射熱を受けて熱変形に対処できる耐熱性金属
板を設置して防止する。
【0016】ただし、このダミー空間を設けることでそ
の後流側に逆流領域が形成され、燃焼灰を含んだ燃焼ガ
スが逆流してくる。そのため、ダミー空間内に燃焼灰の
堆積が起こる。そこで、ダミー空間内に気体導入孔を設
置し、ダミー空間に気体を流すことで燃焼灰のダミー空
間内への流入を防止する。この気体としては、ウインド
ボックス内の燃焼用空気または二次空気の一部を利用す
ることができる。ダミー空間に流す気体の流量は気体導
入孔の開口面積に可変するか、流量調整弁を気体導入流
路に設けて、気体導入量を調整しても良い。図1、図
3、図4、図6、図8には二次空気の導入量を開口面積
調整用の開閉扉で調整する例を、図9、図10には風箱
から流量調整弁を介してダミー空間内に空気を導入する
例を示している。
【0017】本発明は、上記固体燃料燃焼バーナは、そ
のバーナを備えたボイラ、加熱炉又は熱風炉などの燃焼
装置が含まれる。また本発明の固体燃料としては微粉
炭、石油コークス又は石炭コークスなどである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
と共に説明する。図11に微粉炭焚きボイラの燃焼系統
図を示す。石炭は燃焼装置の負荷に応じて石炭粉砕機
(ミル)124に送られて粉砕される。微粉炭搬送用空
気は一次空気ファン(PAF)125で加圧され、空気
予熱器126に入る加熱空気と冷空気に分配されて混合
によって温度調整され、ミル124に送られる。ミルで
124で粉砕された微粉炭と搬送用の空気の混合流は微
粉炭バーナ128に搬送される。一方、燃焼用空気はF
DF(Force Draft Fan)129から熱交換器1210
を通過後、風箱127に入り、バーナ部の二次流路、三
次流路へ搬送される。
【0019】図11は燃焼灰の堆積防止用空気を風箱1
27から取り出して、図9または図10の灰堆積防止用
気体入口17へ導入する場合の系統を示しているが、燃
焼用空気の一部は流量調整弁135を介して灰堆積防止
用気体入口17へ分岐供給され、気体導入孔24からダ
ミー空間内12(図1等参照)へ送風される。
【0020】従来技術の微粉炭燃焼バーナにダミー空間
と灰堆積防止用気体供給配管を設置した本発明の実施の
形態の微粉炭燃焼バーナを図1〜図3に示す。一次流路
1の外周に二次空気の流路となる二次流路2と三次空気
の流路となる三次流路3を設け、二次流路2と三次流路
3との間にダミー空間12が設置されている。一次流路
1の管壁先端には外周保炎器7があり、一次流路1内の
中央部にバーナ起動時に使用する油焚きバーナ4が設け
られていて、油焚きバーナ4の外周の微粉炭流を濃縮流
と希薄流に分離するための濃縮器10が設けられてい
る。微粉炭流は濃縮器10の前端部で、その流れが縮小
されて一次流路1の内壁側に流れ、次いで濃縮器10の
後端部付近で流れが拡大されて、微粉炭粒子と空気の慣
性力の差で粒子は一次流路1の内壁側、空気は中心部へ
と分離される。したがって、微粉炭粒子の多い濃縮器1
0の前端部の一次流路1を縮小する部分は逆火防止にも
役立っている。また、ベンチュリー部9は濃縮器10の
前端部より前流側の一次流路1を構成する壁面の内周部
に設けられており、微粉炭流の流速を速めて逆火防止を
行う機能を奏するものである。また、二次流路2と三次
流路3には各空気流を旋回させる旋回器5、6がそれぞ
れ設けられている。
【0021】ダミー空間12内は直接火炉に面している
部分が火炉からの輻射熱で熱変形を受けやすいので、こ
の空間12内に断熱性耐火材13(図1)またはサポー
ト26に支持された輻射熱防止板25(図3)を設け
て、ダミー空間構成部材が輻射熱により熱変形されるこ
とのないようにしている。図2には図1のA−A線矢視
図(図2(a))とB−B線矢視図(図2(b))を示
す。
【0022】また、二次流路2と三次流路3からバーナ
内に噴出する二次空気と三次空気の2つの噴出流の間に
ダミー空間12があるため、負圧となって火炉からの燃
焼灰を含んだガスが逆流し、ダミー空間12内に灰の堆
積が起こるおそれがある。その負圧を緩和するために、
ダミー空間12と二次流路2との間の壁面に気体導入孔
24を設け、該気体導入孔24を通じて二次空気の一部
をダミー空間12に導入する。
【0023】また、流量調整用開閉扉23を気体導入孔
24の開口部に設け、流量調整用開閉扉23の開度によ
り、ダミー空間12への二次空気流量を調整する。流量
用調整開閉扉23の作動は流量調整用開閉扉23を接続
した開閉扉取っ手22を使って行う。
【0024】図4〜図6に示す微粉炭燃焼バーナでは、
それぞれ上記図1〜図3のバーナからなる構成に、さら
に外周保炎器7近傍に気体供給ノズル15と内部保炎器
14と橋渡し部16を設けたもの(図4)および外周保
炎器7近傍に気体供給ノズル15を設けた微粉炭燃焼バ
ーナ(図6)である。
【0025】図4(a)には、一次流路1の管壁先端に
外周保炎器7、内部には内部保炎器14を設け、外周保
炎器7と内部保炎器14の間には橋渡し部16がある微
粉炭燃焼バーナ構造の側面図を示し、図4(b)には火
炉側から見たバーナ正面図を示す。図5(a)に図4
(a)の外周保炎器7と内部保炎器14が設置されてい
る部分の拡大図(図5(a)は側面図、図5(b)は図
5(a)のA−A線矢視図)を示す。
【0026】図4(b)に示したように、内部保炎器1
4の火炉に面した側面は環状形状で、微粉炭流(混合
流)上流側から下流側に向けて末広がりとなるような形
状とし、また図5(b)に示すように橋渡し部16の形
状は微粉炭流(混合流)の上流側から下流側に向けて末
広がりとなるように断面形状がV字型またはU字型を成
している。
【0027】外周保炎器7と内部保炎器14近傍では、
その後流に乱流うずによる再循環領域19が形成され、
20μm以下の比較的小さい微粉炭粒子を再循環領域1
9内に巻き込み、巻き込まれた微粉炭の燃焼によって高
温ガスの火種(高温の再循環領域19)となって、近傍
を通過する微粉炭の着火促進に役立っている。また、図
6に示す微粉炭燃焼バーナは、図4に示す微粉炭燃焼バ
ーナにある内部保炎器14と橋渡し部16が無いもので
ある。
【0028】図4、図6に示す微粉炭燃焼バーナでは、
外部保炎器7側には気体供給ノズル15が設置されてい
て、図4に示すバーナでは、橋渡し部16に沿って内部
保炎器14に向かって空気を気体供給ノズル15から噴
出し、図6に示すバーナでも橋渡し部16と内部保炎器
14は無いが、バーナ中心部に向かって気体供給ノズル
15から空気を噴出する。
【0029】気体供給ノズル15からの噴出空気として
は、バーナ運転時には加熱空気を用い、バーナ休止中に
は冷却空気を用い、供給気体入口17から供給用ヘッダ
18を介して気体供給ノズル15に入り、噴出孔21
(図5)から噴出される。すなわち、バーナ運転時には
図11に示すPAF(Primary Air Fan)125で加圧
された空気の一部を利用するが、一次熱空気ダクト13
0からの加熱空気を、バーナ休止時には一次冷気空気ダ
クト131からの冷空気を、切り換えバルブ133を介
して流量調整ダンパ134で調整し、バーナ部の供給気
体用ヘッダ18へ導き、気体供給用ノズル15から橋渡
し部16に沿って噴出する(図4参照)。
【0030】図4の微粉炭流に対して直角なブラフボデ
ィとなる外周保炎器7と内部保炎器14では、その後流
に乱流うずによる再循環領域19(図5)が形成される
が、この再循環領域19に20μm以下の比較的小さい
微粉炭粒子が巻き込まれる。流れ込まれた微粉炭の燃焼
によって高温ガスの火種(高温再循環域19)が形成さ
れ、近傍を通過する微粉炭の着火促進に役立つ。このと
き外周保炎器7と内部保炎器14の間にさらにブラフボ
ディ型橋渡し部16を設置すると、外部保炎器7側の1
000℃以上の高温ガスが内部保炎器14の方向へ流れ
込み、内部保炎器14近傍の微粉炭流を高温化させるこ
とができる。そして、外周保炎器7側に気体供給ノズル
15を設置して橋渡し部16に沿って気体噴出孔21か
らエアジェット20を噴出させると、このエアジェット
20は外周保炎器7側の高温ガスを同伴する(図5参
照)。その結果、微粉炭噴流内部の着火が促進され、バ
ーナ出口近傍に、従来よりも強固な高温還元領域(再循
環領域19)を形成して生成NOxの低減に寄与する。
このエアジェット噴出は外周保炎器7側の高温ガスの橋
渡し部16及び内部保炎器14の表面への燃焼灰の付着
防止にも役立つ。
【0031】バーナ休止時には、冷空気が橋渡し部16
及び内部保炎器14の表面を流れることで、これらの部
材14、16の焼損防止に役立つ。この加熱空気または
冷却空気は流量調節ダンパ134(図11)によって、
バーナ運転時には一次空気量の10%以内で噴出孔21
からの噴出速度が50m/s以上にするのが好ましい。
【0032】エアジェット20の噴出量を一次空気の1
0%以内に調整すれば、バーナ出口の燃料比(C/A)
低下は無視できる。また、橋渡し部16は、その断面を
V型形状にして、その頂点をバーナー内の流体の流れの
上流側に配置することで、摩擦防止を図る。さらに、橋
渡し部16は、断面V型形状の二辺をなす傾斜面16a
(図5(b)の表面積(バーナー内の流体の流れに直交
する方向の投影面積は同じ)を大きくすると、その傾斜
面16aの冷却が促進される。
【0033】図1〜図6に示す微粉炭燃焼バーナのダミ
ー空間12内の輻射熱遮断手段は断熱性耐火材13を設
けることであったが、図7、図8に示す微粉炭燃焼バー
ナでは、そのダミー空間12内の輻射熱遮断手段は輻射
熱防止板25がサポート26に支えられて設置されてい
る場合である。
【0034】また、図9と図10に示す本発明の実施の
形態の微粉炭燃焼バーナは、ダミー空間12が一次流路
1と二次流路2の間に設置されているバーナであり、該
ダミー空間12への燃焼灰堆積防止策を以下に示す。
【0035】図11に示す微粉炭焚きボイラの燃焼系統
図において、燃焼用空気はFDF(Force Draft Fan)
129から空気予熱器1210内で約350℃に加熱さ
れた後、風箱127に入り、バーナ部の二次流路2、三
次流路3へ搬送される。その一部を流量調整弁135を
介して堆積防止用気体入口17へ分岐して、ヘッダ18
及び気体導入孔24を介して、ダミー空間12内へ送り
込む。図9に示す微粉炭燃焼バーナのダミー空間12に
は断熱材13が、図10に示す微粉炭燃焼バーナのダミ
ー空間12には輻射熱防止板25がサポート26で支持
されている。
【0036】図示しないが、図1〜図10には二次流路
2からダミー空間12へ空気導入する場合を示している
が、二次流路2からではなく図9、図10に示したよう
な風箱127から流量調整弁135を介して供給しても
良い。また、本発明の微粉炭バーナにおいて灰堆積防止
用気体供給設備を設けなくても良い。また、図4、図7
には橋渡し部16が4つ設置されている例を示している
が、それ以外の数でも良い。
【0037】さらに、図1〜図10に示した濃縮器10
について、微粉炭流に旋回流を形成させて濃縮流と希薄
流に分離させる方式の濃縮器10に代えても良い。ま
た、前記したような濃縮器10を用いなくても良い。
【0038】
【発明の効果】本発明になる低NOx微粉炭燃焼バーナ
とそのバーナを用いる燃焼装置によれば、低NOx化が
可能となり、しかも燃焼用空気分離部の輻射熱による変
形または焼損、燃焼灰堆積がなくなり、脱硝装置におけ
るアンモニア消費量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の二次流路と三次流路の
間のダミー空間に断熱性耐火材が充填され、灰堆積防止
用気体供給設備がある濃縮器付き超低NOxバーナ断面
図。
【図2】 図1のA−A線矢視図(図2(a))とB−
B線矢視図(図2(b))。
【図3】 本発明の実施の形態の二次流路と三次流路の
間のダミー空間に耐熱性輻射熱防止板と灰堆積防止用気
体供給設備がある濃縮器付き超低NOxバーナ断面図。
【図4】 本発明の実施の形態の二次流路と三次流路の
間のダミー空間に断熱性耐火材が充填され、灰堆積防止
用気体供給設備があり、橋渡し部+内部保炎器にエアジ
ェット噴出させる超低NOxバーナ断面図と正面図。
【図5】 図4のバーナの外周保炎器及び内部保炎器近
傍での拡大図。
【図6】 本発明の実施の形態の二次流路と三次流路の
間のダミー空間に断熱性耐火材が充填され、灰堆積防止
用気体供給設備があり、エアジェットを噴出させる超低
NOxバーナ断面図。
【図7】 本発明の実施の形態の二次流路と三次流路の
間のダミー空間に耐熱性輻射熱防止板があり、灰堆積防
止用気体供給設備があり、橋渡し部+内部保炎器にエア
ジェット噴出させる超低NOxバーナ断面図(図7
(a))と正面図(図7(a))。
【図8】 本発明の実施の形態の二次流路と三次流路の
間のダミー空間に耐熱性輻射熱防止板があり、灰堆積防
止用気体供給設備があり、エアジェットを噴出させる超
低NOxバーナ断面図。
【図9】 本発明の実施の形態の一次流路と二次流路の
間のダミー空間に断熱性耐火材が充填され、灰堆積防止
用気体供給設備がある濃縮器付き超低NOxバーナ断面
図。
【図10】 本発明の実施の形態の一次流路と二次流路
の間のダミー空間に輻射熱防止板があり、灰堆積防止用
気体供給設備がある濃縮器付き超低NOxバーナ断面
図。
【図11】 微粉炭燃焼装置系統図
【図12】 従来技術の二次流路と三次流路とスワラ
付きの微粉炭燃焼バーナの断面図。
【図13】 従来技術の二次流路と三次流路との間に分
離壁を設けた微粉炭燃焼バーナの断面図。
【符号の説明】
1 一次流路 2 二次流路 3 三次流路 4 油焚きバーナ 5、6 旋回器 7 外周保炎器 8 スワラ 9 ベンチュリー部 10 濃縮器 12 ダミー空間 13 断熱性耐火材 14 内部保炎器 15 気体供給ノズル 16 橋渡し部 17 灰堆積防止用気体入口 19 再循環領域 20 エアジェット 21、26 サポー
ト 22 開閉扉取っ手 23 流量調整用開
閉扉 24 気体導入孔 25 輻射熱防止板
フロントページの続き (72)発明者 宝山 登 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 森 三紀 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 嶺 聡彦 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 倉増 公治 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 小林 啓信 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体燃料と固体燃料搬送用気体からなる
    固気二相流の流路の外周に一以上の燃焼用空気流路を配
    置し、前記固気二相流の流路と燃焼用空気流路の間また
    は隣り合う燃焼用空気流路の間にダミー空間を設け、該
    ダミー空間に熱遮断手段を設けたことを特徴とする固体
    燃料燃焼バーナ。
  2. 【請求項2】 熱遮断手段として、断熱性耐火材をダミ
    ー空間に充填するかまたは耐熱性金属板を設置したこと
    を特徴とする請求項1記載の固体燃料燃焼バーナ。
  3. 【請求項3】 ダミー空間に気体導入流路を設けたこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の固体燃料燃焼バ
    ーナ。
  4. 【請求項4】 気体導入流路に流量調節弁を設け、該気
    体導入流路内に導入する気体として燃焼用空気の一部を
    使用することを特徴とする請求項3記載の固体燃料燃焼
    バーナ。
  5. 【請求項5】 固気二相流の流路を構成する壁面の先端
    外周部に、外周保炎器を設置したことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の固体燃料燃焼バーナ。
  6. 【請求項6】 固気二相流の流路内に固気二相流の流れ
    を遮る内部保炎器を設置し、該内部保炎器と外周保炎器
    との間を連結する橋渡し部を一以上設置したことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の固体燃料燃焼バ
    ーナ。
  7. 【請求項7】 外周保炎器側の固気二相流に向かって気
    体ジェットを噴出させる気体噴射ノズルを設置したこと
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固体燃料
    燃焼バーナ。
  8. 【請求項8】 気体噴射ノズルは、気体ジェットを橋渡
    し部上に沿って噴出させる噴出孔を有することを特徴と
    する請求項7記載の固体燃料燃焼バーナ。
  9. 【請求項9】 固体燃料搬送用気体を固体燃料燃焼バー
    ナの気体噴射ノズル用の気体として供給する供給路を備
    えたことを特徴とする請求項7または8記載の固体燃料
    燃焼装置バーナ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の固体
    燃料燃焼バーナに供給する固体燃料を気流搬送するため
    の低温部と高温部からなる固体燃料搬送用気体供給系統
    を設け、気体噴射ノズルからの気体として、バーナ運転
    中は固体燃料搬送用気体供給系統の高温部から導入し、
    バーナ休止中は低温部から供給する構成を備えたことを
    特徴とする固体燃料燃焼装置。
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