JPH11280598A - 高圧アキュムレータのダイヤフラムストッパ構造 - Google Patents

高圧アキュムレータのダイヤフラムストッパ構造

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JPH11280598A
JPH11280598A JP10087051A JP8705198A JPH11280598A JP H11280598 A JPH11280598 A JP H11280598A JP 10087051 A JP10087051 A JP 10087051A JP 8705198 A JP8705198 A JP 8705198A JP H11280598 A JPH11280598 A JP H11280598A
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diaphragm
curve
pressure
deflection
stopper
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Yoshihiko Onishi
善彦 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイヤフラムの過度の応力集中を防いだ高圧
アキュムレータのダイアフラムストッパ構造を提供す
る。 【解決手段】 ストッパ89の当接面の掘り込み量曲線
を、ダイヤフラム86の外周部については円周固定の円
板が等分布荷重を受ける場合のたわみを表す第1の式
(例えば式1)を基に定められる第1の曲線とし、中央
部については円周固定の円板が等分布荷重を受ける場合
の大きなたわみを表す第2の式(例えば式2)を基に定
められる第2の曲線とした。 【効果】 ダイヤフラムに応力の集中が起こらない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可撓性の金属円板状
のダイヤフラムの周縁部を封止支持して高圧室を形成す
る高圧容器に設けられて、ダイヤフラムの変形限界を定
める高圧アキュムレーターのダイヤフラムストッパ構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆる筒内噴射式エンジンあるいは直
接噴射式エンジンと呼ばれている、燃料をエンジンのシ
リンダ内で噴射する方式のエンジンとしては、ディーゼ
ルエンジンが広く知られているが、近年、火花点火エン
ジン(ガソリンエンジン)においても、筒内噴射式のも
のが提案されている。このような、筒内噴射式エンジン
では、十分に高い燃料噴射圧が得られるようにされてい
ると共に、噴射の安定性のため、燃圧脈動が小さいこと
が要求される。このため、構造が簡単で、製造コストが
安価で、コンパクトである単気筒式の高圧燃料ポンプが
公知となっている。一方、単気筒式ではプランジャが1
本である為、吐出される燃料の圧力にかなりの脈動幅が
あるため、この脈動を吸収する金属べローズ式やダイヤ
フラム式の脈動吸収装置が提案されている。
【0003】図4には、この発明のダイヤフラムストッ
パ構造を適用して有用な例として脈動吸収装置である高
圧アキュムレータを設けた高圧燃料供給系を示す。図4
において、燃料噴射機器であるデリバリパイプ1は、図
示しないエンジンの気筒数に対応した複数のインジェク
タ1aを有している。デリバリパイプ1と燃料タンク2
との間には、高圧燃料ポンプ3を備えた高圧燃料ポンプ
体200が配置されている。そして、デリバリパイプ1
と高圧燃料ポンプ3とは、高圧燃料通路4で接続されて
いる。また、高圧燃料ポンプ3と燃料タンク2とは、低
圧燃料通路5で接続されている。高圧燃料通路4と低圧
燃料通路5とは、デリバリパイプ1と燃料タンク2とを
接続する燃料通路を構成している。高圧燃料ポンプ3の
燃料取り入れ口には、フィルタ6が設けられている。ま
た、高圧燃料ポンプ3の吐出側には、チェックバルブ7
が設けられている。高圧燃料ポンプ3のドレイン8は、
燃料タンク2に戻されている。
【0004】低圧燃料通路5の燃料タンク2側の端部に
は、低圧燃料ポンプ10が設けられている。低圧燃料ポ
ンプ10の燃料取り入れ口には、フィルタ11が設けら
れている。また、低圧燃料ポンプ10の吐出側の低圧燃
料通路5には、チェックバルブ12が設けられている。
高圧燃料ポンプ3と低圧燃料ポンプ10との間の低圧燃
料通路5には、低圧レギュレータ14が設けられてい
る。低圧レギュレータ14の燃料取り入れ口には、フィ
ルタ15が設けられている。低圧レギュレータ14のド
レイン16は、燃料タンク2に戻されている。高圧燃料
ポンプ3は、低圧燃料通路5によって供給された燃料を
さらに高圧にして、デリバリパイプ1側に吐出する。高
圧燃料ポンプ3の低圧燃料通路5側、すなわち低圧側に
は、ダンパー30が設けられている。また、高圧燃料ポ
ンプ3の高圧側には、高圧アキュムレータ70と高圧レ
ギュレータ32が設けられている。高圧レギュレータ3
2のドレイン33は、高圧燃料ポンプ3の燃料吸入側に
戻されている。
【0005】図5には、これらの高圧燃料ポンプ3、ダ
ンパー30、高圧アキュムレータ70、高圧レギュレー
タ32、フィルタ6およびチェックバルブ7が一体に組
み合わされて構成された高圧燃料ポンプ体200の詳細
を断面図で示してある。図5において、ケーシング40
の図で右側には凹部40cが形成されていて、この凹部
40cに高圧アキュムレータ70が締着されている。凹
部40cの底には、吐出通路4aに連通する吐出通路4
bが凹部として形成されている。
【0006】図6にはこの発明のダイヤフラムストッパ
構造を適用できる脈動吸収装置である高圧アキュムレー
タ70の詳細を断面図で示してある。高圧アキュムレー
タ70は、概略肉厚円板状の高圧容器であるケース85
と、周縁部でケース85に封止支持されて、共働して高
圧室71を形成する可撓性の薄い金属円板状のダイヤフ
ラム86と、ダイヤフラム86の変形限界を定めるスト
ッパである円板状のプレート89とを備えている。
【0007】ケース85はダイヤフラム86の外周縁を
封止溶接により封止支持する部分である比較的薄い周辺
部72と、高圧室71が形成された比較的厚い中央部7
3とを持っている。周辺部72には、その外周円筒面に
雄ねじ91が形成され、またダイヤフラム86に近接し
た部分には、ダイヤフラム86の高圧室71側への変形
を許容するために滑らかに変化する曲面により形成され
て周辺から中央に向かって次第に深くなる比較的浅い皿
型凹部74が形成されている。中央部73には、この浅
い皿型凹部74に中央部で連通したほぼ円筒形の円筒凹
部75が形成されていて、皿型凹部74と共に高圧室7
1を形成している。
【0008】ケース85の高圧室71に高圧気体を導入
して封入するために、高圧室71の天井部分には中心線
上に円形断面の気体封入口84が形成され、この気体封
入口84を封止する封止装置87が設けられている。気
体封入口84は、高圧室71に面した高圧側にあって比
較的直径が小さい小径部76と、ケース85の外部に面
した低圧側にあって比較的直径が大きい大径部77とを
備えており、小径部76と大径部77との間には肩部7
8が形成され、小径部76の周面には雌ねじが形成され
ている。肩部78にはOリング88を収容する環状溝7
9が設けられている。
【0009】封止装置87はこのような気体封入口84
に挿入された栓部材であって、気体封入口84の大径部
77に挿入される大径部81と、小径部77の雌ねじに
外周面でねじ係合する小径部80とを持ち、気体封入口
84に挿入されて大径部81がOリング88に圧接して
気体封入口84を封止している。
【0010】ケース85の外周部には、電子ビーム等に
よる溶接部82によりダイヤフラム86の周縁部が封止
支持されているが、ダイヤフラム86の上には更に、ダ
イアフラム86の変形限界を定めるストッパである円板
状のプレート89も設けられていて、このプレート89
も溶接部82により全周に亙って固着されている。プレ
ート89の内側の主面にはダイヤフラム86の外周縁か
ら中央に向かって次第に深くなる片凸レンズ状の凹部8
3が形成されており、この凹部83に連通する燃料の流
路である連通穴90が形成されている。
【0011】ケース85、金属ダイヤフラム86および
プレート89は、外周部を全周にわたって電子ビーム等
により溶接され、互いに気密封止されて接合されてい
る。金属ダイヤフラム86とケース85との間の密閉さ
れた空間には、窒素等の高圧ガスが封入されている。
【0012】図5の高圧燃料ポンプ体200において
は、ケース85の外周に形成された雄ねじ91は、凹部
40cに形成され雄ねじ91に対応する雌ねじと螺合し
ており、高圧アキュムレータ70が、プレート89を内
側に向けて、連通穴90を吐出通路4bに連通させるよ
うに、Oリング51でシールされて凹部40cに締着さ
れている。
【0013】このような構成の高圧アキュムレータ70
は、吐出通路4bに吐出された燃圧の脈動を吸収する。
すなわち、吐出通路4bに燃料が吐出されている期間
に、例えば高圧燃料ポンプが作動している期間において
吐出通路4bに脈動が発生する。その脈動の変化に対し
高圧室71の高圧気体圧力がダイヤフラム86を介して
吐出通路4bの圧力と均衡するまで高圧室71の容積は
変化する。例えば、吐出通路4bの圧力が高くなった場
合は、高圧室71は容積が減少する方向に、吐出通路4
bは容積が増加する方向にダイヤフラム86を介して変
化し吐出通路4bの圧力を低下させ脈動が低減される。
機関停止時には高圧燃料ポンプ3からの燃料の供給も止
まり、プレート89側のレンズ状凹部83内の燃料圧力
が緩やかに低くなる。このため、ダイヤフラム86は高
圧室71内の気体の圧力により、図に示す通常運転時の
位置から大きく変位するが、所定の変形をするとプレー
ト89のレンズ状凹部83の曲面に面接触するように当
接して、それ以上の変位が起こらぬようにかつダイヤフ
ラム86に過度の応力集中が起こらぬような曲面のダイ
ヤフラムストッパ構造を用いて、ダイヤフラム86の破
損や損傷を防いでいる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の高圧アキュムレ
ータにおいて、機関停止時の高圧室内の気体の圧力によ
るダイヤフラムの大変位によるダイヤフラムの破損を防
止するため、ダイヤフラムの変形限界を定めるダイアフ
ラムストッパ構造であるダイヤフラムが当接するプレー
トの形状を定めるにあたっては、材料力学でよく知られ
ている円板のたわみの式により計算したダイヤフラムの
たわみ量に基づいて決定していた。例えば、機械工学工
学便覧材料力学改訂第6版(日本機械学会編)に掲載さ
れている円周固定の円板が等分布荷重を受ける場合のた
わみを表す式あるいは円周固定の円板が等分布荷重を受
ける場合の大きなたわみを表す式に基づいて、当接面の
形状を定めていた。
【0015】しかしながら、円周固定の円板が等分布荷
重を受ける場合のたわみを表す式により導いたたわみに
基づいた当接面の形状を用いると、ダイヤフラム中央部
の応力が高くなり、他の部分の発生応力には強度的な余
裕があるにもかかわらず、局所的に応力が高い中央部を
起点としてダイヤフラムが損傷したり破壊したりするこ
とが発見された。一方、円周固定の円板が等分布荷重を
受ける場合の大たわみを表す式により導いたたわみに基
づいた当接面の形状を用いると、ダイヤフラム周縁部の
応力が高くなり、他の部分の発生応力には強度的な余裕
があるにもかかわらず、局所的に応力が高い周縁部を起
点としてダイヤフラムが損傷したり破壊することが発見
された。また、広範囲な使用温度環境の中で使用する場
合、使用温度変化により高圧室71内の高圧気体圧力が
変化しダイヤフラム86の作動位置が変化する。ダイヤ
フラム86の容積変化可能範囲は皿型凹部84および片
凸レンズ状の凹部83で決定するため、高圧室71内の
高圧気体圧力の変化が大きい場合は、ダイヤフラム86
が皿型凹部84および片凸レンズ状の凹部83のどちら
かに当接しアキュムレータとしての機能を損失する可能
性がある。高圧アキュムレータの作動範囲を広げるため
には、皿型凹部84および片凸レンズ状の凹部83の容
積を増加させる必要があり、従来は外径を広げることで
対応していた。この場合は高圧アキュムレータの外形寸
法が大きくなってしまう。
【0016】従って本発明の目的は、ダイヤフラムの過
度の応力集中が起こらないようにできる高圧アキュムレ
ータのダイヤフラムストッパ構造を提供することであ
り、また外形寸法が従来のものと略同等でありながら、
高圧室のガス封入容積を大きくできる高圧アキュムレー
タのダイヤフラムストッパ構造を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】従って、本発明によれ
ば、可撓性の金属円板状のダイヤフラムの周縁部を封止
支持して高圧室を形成する高圧容器に設けられて、ダイ
ヤフラムの変形限界を定める高圧アキュムレータのダイ
ヤフラムストッパ構造において、ダイヤフラムに当接す
るストッパの当接面の掘り込み量曲線が、ダイヤフラム
の外周部については円周固定の円板が等分布荷重を受け
る場合のたわみを表す第1の式により定められる第1の
曲線であり、ダイヤフラムの中央部については円周固定
の円板が等分布荷重を受ける場合の大きなたわみを表す
第2の式により定められる第2の曲線であって、ダイヤ
フラムに応力の集中が起こらないようにしてなることを
特徴とする高圧アキュムレータのダイヤフラムストッパ
構造が得られる。
【0018】第1の式は、 ω=(pa4/64D){1−(r2/a2)}2 但し、ω:たわみ p:単位面積当たりの荷重 a:外周半径 D:板の曲げ剛性で、D=Eh3/12(1−ν2)、E
は縦弾性係数、νはポアソン比、hは板厚 r:任意半径 であり、上記第2の式が、 (ωmax/h)+A(ωmax/h)3=B(p/E)(a
/h)4 但し、ωmax:最大たわみ h:板厚 A:たわみ係数=0.471 B:たわみ係数=0.171 p:単位面積当たりの荷重 E:縦弾性係数 a:外周半径 であっても良い。
【0019】また、ダイヤフラムに当接するストッパの
当接面の掘り込み量曲線が、第1の曲線と、第2の曲線
との間を滑らかに連結する曲線を備えたものとすること
もできる。更に、ダイヤフラムに当接するストッパの当
接面の掘り込み量曲線を、図2に示す掘り込み量曲線と
しても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の一実施形態の
高圧容器のダイヤフラムストッパ構造のストッパ形状
(実線)と、2種類の従来のストッパ形状(点線および
破線)とをストッパの当接面の掘り込み量曲線により示
してある。ここで、掘り込み量曲線とは、ダイヤフラム
ストッパ構造のストッパの断面形状を表す曲線である
が、また周辺が固定された円形の金属ダイヤフラム(例
えば図6に示すダイヤフラム86)が等分布荷重を受け
た場合のたわみ量をダイヤフラムの径方向位置に対して
計算により求めてプロットしたグラフでもある。
【0021】図2には、図1に示す本発明のストッパ形
状と、2種類の従来のストッパ形状とについて、ダイヤ
フラムの受圧側(高圧側)表面に発生する相当応力をダ
イアフラムの半径方向位置に対してプロットしたグラフ
であり、応力分布を示している。
【0022】図3には、図1に示す本発明のストッパ形
状と、2種類の従来のストッパ形状とについて、ダイヤ
フラムの反受圧側(低圧側)表面に発生する相当応力を
ダイアフラムの半径方向位置に対してプロットしたグラ
フであり、応力分布を示している。
【0023】図1において、従来例1の曲線は円周固定
の薄い円板が等分布荷重を受ける場合のたわみを表す次
の第1の式により定められる第1の曲線である。 ω=(pa4/64D){1−(r2/a2)}2 (式1) 但し、ω:たわみ p:単位面積当たりの荷重 a:外周半径 D:板の曲げ剛性で、D=Eh3/12(1−ν2)、E
は縦弾性係数、νはポアソン比、hは板厚 r:任意半径
【0024】このような第1の式による掘り込み量曲線
(従来例1)をストッパ形状に用いた場合には、ダイヤ
フラムに発生する応力は図2および図3の点線の曲線
(従来例1)により示すようになる。即ち、図2の高圧
側の従来例1の曲線によれば、応力はダイヤフラムの中
央部から周縁部の近くまで比較的小さく安定し、周縁部
で急激に減少して周縁で零となり、ダイヤフラム全体に
亙って応力の大きさも集中も問題とはならない。また図
3の低圧側の従来例1の曲線によれば、応力はダイアフ
ラムの中央部で極めて大きく、そこから周縁部の近くま
で次第に減少して、周縁部で急激に増大(但しその大き
さは小さい)し、周縁部近傍で急激に減少して周縁で零
となる。ダイヤフラムの応力は周縁部では大きさも問題
とはならないが、中央部の応力が非常に大きいために中
央部で破損する恐れがある。
【0025】また図1において、従来例2の曲線は円周
固定の円板が等分布荷重を受ける場合の大きなたわみを
表す次の第2の式により定められる第2の曲線である。 (ωmax/h)+A(ωmax/h)3=B(p/E)(a/h)4 (式2) 但し、ωmax:最大たわみ h:板厚 A:たわみ係数=0.471 B:たわみ係数=0.171 p:単位面積当たりの荷重 E:縦弾性係数 a:外周半径
【0026】このような第2の式による掘り込み量曲線
(従来例2)をストッパ形状に用いた場合には、ダイヤ
フラムに発生する応力は図2および図3の破線の曲線
(従来例2)により示すようになる。即ち、図2の高圧
側の従来例2の曲線によれば、応力はダイヤフラムの中
央部から周縁部の近くまでかなり小さく安定し、周縁部
で急激に増大して極めて大きくなり、そこから急激に減
少して周縁で零となり、ダイヤフラムの周縁部での応力
の大きさと応力集中のためにダイヤフラムが周縁部で破
損するおそれがある。また図3の低圧側の従来例2の曲
線によれば、応力はダイヤフラムの中央部で比較的小さ
く、周縁部で急激に増大してかなり大きくなり、そこか
ら減少して周縁で零となる。ダイヤフラムの応力は周縁
部で大きく集中しているのでダイヤフラムが周縁部で破
損する恐れがある。
【0027】本発明の高圧アキュムレータのダイヤフラ
ムストッパ構造は、可撓性の金属円板状のダイヤフラム
の周縁部を封止支持して高圧室を形成する高圧容器に設
けられて、上記ダイヤフラムの変形限界を定めるもので
ある点では、図5および図6に示す高圧アキュムレータ
70と同様のものであるが、ダイヤフラムに当接するス
トッパの当接面の形状である掘り込み量曲線が異なって
いる。従って、以下の説明では本発明を適用する高圧ア
キュムレータとして図6に示すものを用い説明する。
【0028】図1に示す通り、本発明の高圧アキュムレ
ータ70のダイヤフラムストッパ構造においては、ダイ
ヤフラム86に当接するストッパ89の当接面の掘り込
み量曲線が、ダイヤフラム86の外周部については円周
固定の円板が等分布荷重を受ける場合のたわみを表す式
を基に定められる第1の曲線であり、ダイヤフラム86
の中央部については円周固定の円板が等分布荷重を受け
る場合の大きなたわみを表す式を基に定められる第2の
曲線であって、ダイヤフラム86に応力の集中が起こら
ないようにし、また発生する応力が大きくならないよう
にしてある。
【0029】上述の第1の曲線は例えば上述の(式1)
により定められる曲線とし、第2の曲線は例えば(式
2)により定められる曲線とするとよい。
【0030】また、ダイヤフラム86に当接するストッ
パ89の当接面の掘り込み量曲線を滑らかにするため
に、第1の曲線と、第2の曲線との間を第3の曲線で滑
らかに連結してある。このような第3の曲線はコンピュ
ータ解析により容易に求められる。
【0031】このような図1に示す掘り込み量曲線(本
発明)をストッパ形状に用いた場合には、ダイヤフラム
86に発生する応力は図2および図3の実線の曲線(本
発明)により示すようになる。即ち、図2の高圧側の本
発明の曲線によれば、応力はダイヤフラム86の中央部
から周縁部の近くまで比較的小さく安定し、周縁部にも
大きな応力の発生はなく、周縁部近傍で急激に減少して
周縁で零となり、ダイアフラム86全体に亙って応力の
大きさも集中も問題とはならない。また図3の低圧側の
本発明の曲線によれば、応力はダイヤフラム86の中央
部で比較的大きいが、そこから周縁部の近くまで次第に
減少して、周縁部で僅かに増大(但しその大きさは小さ
い)し、周縁部近傍で急激に減少して周縁で零となる。
ダイアフラム86の応力は周縁部でも十分小さいし、中
央部でも問題となるほどの応力ではなく、ダイヤフラム
86が破損する恐れはない。
【0032】以上の説明から明らかな通り、本発明の高
圧アキュムレータのダイヤフラムストッパ構造によれ
ば、ダイヤフラムに当接するストッパの当接面の掘り込
み量曲線が、ダイヤフラムの外周部については円周固定
の円板が等分布荷重を受ける場合のたわみを表す第1の
式により定められる第1の曲線であり、ダイヤフラムの
中央部については円周固定の円板が等分布荷重を受ける
場合の大きなたわみを表す第2の式により定められる第
2の曲線であるので、ダイヤフラムに応力の集中が起こ
らない。また、第1の式および第2の式として、(式
1)および(式2)を用いれば、ストッパ構造の設計及
び製作が比較的容易にできる。また、第1の曲線と第2
の曲線との間を滑らかに連結する曲線を用いることによ
り、ダイヤフラムストッパ構造の当接面の形状が実際の
ダイヤフラムのたわみ変形により近くなり、ダイヤフラ
ムの応力集中がより少なくなる。したがって、応力集中
の少ないダイヤフラムを提供できることにより、ダイヤ
フラムの変位量を最大限大きくすることができ、高範囲
な使用温度環境の中で、高圧アキュムレータの脈動吸収
性能を十分に発揮させられる。また、ダイヤフラムの外
径を大きくすることがなく、高圧室のガス封入容積を大
きくでき、かつ、高圧アキュムレータをコンパクトにで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の高圧容器のダイヤフラ
ムストッパ構造のストッパ形状を従来のものと比較して
示すストッパの当接面の掘り込み量曲線である。
【図2】 本発明の高圧容器のダイヤフラムストッパ構
造のによるダイアフラムの受圧側の応力分布を従来のも
のと比較して示すストッパの当接面の掘り込み量曲線で
ある。
【図3】 本発明の高圧容器のダイヤフラムストッパ構
造のによるダイアフラムの反受圧側の応力分布を従来の
ものと比較して示すストッパの当接面の掘り込み量曲線
である。
【図4】 本発明のダイヤフラムストッパ構造を適用で
きる脈動吸収装置である高圧アキュムレータを設けた高
圧燃料供給系を示す系統図である。
【図5】 図4の高圧燃料ポンプ体の断面図である。
【図6】 本発明のダイヤフラムストッパ構造を適用で
きる高圧アキュムレーターの詳細を示す断面図である。
【符号の説明】
70 高圧アキュムレータ、71 高圧室置、85 高
圧容器(ケース)、86 ダイヤフラム、89 ストッ
パ(プレート)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性の金属円板状のダイヤフラムの周
    縁部を封止支持して高圧室を形成する高圧容器に設けら
    れて、上記ダイヤフラムの変形限界を定める高圧アキュ
    ムレータのダイヤフラムストッパ構造において、 上記ダイヤフラムに当接する上記ストッパの当接面の掘
    り込み量曲線が、上記ダイヤフラムの外周部については
    円周固定の円板が等分布荷重を受ける場合のたわみを表
    す第1の式を基に定められた第1の曲線であり、上記ダ
    イヤフラムの中央部については円周固定の円板が等分布
    荷重を受ける場合の大きなたわみを表す第2の式を基に
    定められた第2の曲線であって、 上記ダイヤフラムに応力の集中が起こらないようにして
    なることを特徴とする高圧アキュムレータのダイヤフラ
    ムストッパ構造。
  2. 【請求項2】 上記第1の式が、 ω=(pa4/64D){1−(r2/a2)}2 但し、ω:たわみ p:単位面積当たりの荷重 a:外周半径 D:板の曲げ剛性で、D=Eh3/12(1−ν2)、E
    は縦弾性係数、 νはポアソン比、hは板厚 r:任意半径 であり、 上記第2の式が、 (ωmax/h)+A(ωmax/h)3=B(p/E)(a
    /h)4 但し、ωmax:最大たわみ h:板厚 A:たわみ係数=0.471 B:たわみ係数=0.171 p:単位面積当たりの荷重 E:縦弾性係数 a:外周半径 であることを特徴とする請求項1記載の高圧アキュムレ
    ータのダイヤフラムストッパ構造。
  3. 【請求項3】 上記ダイヤフラムに当接する上記ストッ
    パの当接面の掘り込み量曲線が、上記第1の曲線と、上
    記第2の曲線との間を滑らかに連結する曲線を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の高圧アキュムレータのダ
    イヤフラムストッパ構造。
  4. 【請求項4】 上記ダイヤフラムに当接する上記ストッ
    パの当接面の掘り込み量曲線が、図1に示す掘り込み量
    曲線Cである請求項1記載の高圧アキュムレーターのダ
    イヤフラムストッパ構造。
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