JPH11279622A - 電気炉によるステンレス鋼溶銑の製造方法 - Google Patents

電気炉によるステンレス鋼溶銑の製造方法

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JPH11279622A
JPH11279622A JP10079653A JP7965398A JPH11279622A JP H11279622 A JPH11279622 A JP H11279622A JP 10079653 A JP10079653 A JP 10079653A JP 7965398 A JP7965398 A JP 7965398A JP H11279622 A JPH11279622 A JP H11279622A
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Kenichi Katayama
賢一 片山
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 石灰やコークスなどの副原料を過不足なく適
正に投入し、メタル歩留の向上と製造コスト削減とを図
る。 【解決手段】 電気炉に装入する各種原料の配合量から
算出されるコークスの装入量のレベルを、過去の実績デ
ータでのコークス装入量と比較して確認する。頻度が最
も高い実績データを基準値とし、コークス装入量の計算
値が基準値よりも小さければ、上限の範囲内で基準値に
近付ける補正を行う。基準値と計算値との差が上限値よ
りも小さければ、基準値に変更される。差が上限値より
も大きければ、上限値が計算値に追加される。計算値が
基準値よりも大きければ、差に一定の比率が乗算され
て、その乗算値が計算値から差引かれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の原料を投入
して行う電気炉によるステンレス鋼溶銑の製造方法、特
にカルシウム原料および炭素原料の装入量を算出する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気炉を用いてステンレス鋼
用の溶銑を製造する際には、製造するステンレス鋼の鋼
種によって、電気炉溶解後の成分である出銑成分の目標
値が決定される。次に、予め確保してある各種使用原料
の種類と量との配合が決定される。次に、決定された配
合に応じて、石灰(CaO)とコークスとの装入量がそ
れぞれ決定される。使用原料を電気炉内で溶解して生成
される溶銑の上部にはスラグが生じ、スラグ中での石灰
(CaO)と酸化ケイ素(SiO2)との比であるスラ
グ塩基度の値は、電気炉中での精錬反応に重大な影響を
及ぼすので、予め設定された値となるように、CaOの
装入量が決定される。また、出銑される溶銑中の炭素量
〔C〕に応じてコークス装入量が決定される。これらの
決定の際には、配合に応じて予め定める算式での計算
と、さらに経験に基づく歩留とが考慮される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにして決定
される装入量で、電気炉にメタル原料、酸化物原料、石
灰およびコークスを装入しても、スラグ中にはかなりの
量のメタル成分が酸化物として存在する。スラグは、溶
銑と分離して廃棄されるので、スラグ中のメタル成分
は、溶銑中に有効に回収することが要望される。
【0004】本発明の目的は、石灰およびコークスなど
の副原料を過不足なく適正に投入し、メタル歩留を向上
させることができる電気炉によるステンレス鋼溶銑の製
造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、製造すべきス
テンレス鋼溶銑の鋼種に応じて決定される電気炉溶解後
の成分目標値に基づき、使用する金属原料の種類および
成分分析値から配合を決定し、決定された配合に応じて
カルシウム原料および炭素原料の装入量を計算する電気
炉によるステンレス鋼溶銑の製造方法において、該電気
炉を使用して製造したステンレス鋼溶銑について、カル
シウム原料および炭素原料の装入量の実績データを蓄積
しておき、カルシウム原料および炭素原料の装入量の計
算値を、該実績データに基づく基準値に近付くようにそ
れぞれ補正することを特徴とする電気炉によるステンレ
ス鋼溶銑の製造方法である。
【0006】本発明に従えば、電気炉を使用して製造す
るステンレス鋼溶銑についてのカルシウム原料および炭
素原料の装入量は、実績データが蓄積される。電気炉を
用いてステンレス鋼溶銑を製造する際には、ステンレス
鋼の鋼種に応じて決定される電気炉溶解後の成分目標値
に基づき、使用する金属原料の種類および成分分析値か
ら配合が決定され、決定された配合に応じてカルシウム
原料および炭素原料の装入量の計算が行われる。計算値
は、実績データに基づく基準値と比較され、計算値が基
準値に近付くように補正が行われる。石灰などのカルシ
ウム原料と、コークスなどの炭素原料とを過不足なく適
正に投入することができるので、電気炉内での還元反応
を安定化させ、メタル歩留を向上させることができる。
【0007】また本発明で前記実績データは、ステンレ
ス鋼の鋼種に関し、予め定める鋼種グループ別に管理
し、前記製造すべきステンレス鋼溶銑の鋼種に応じて選
択することを特徴とする。
【0008】本発明に従えば、ステンレス鋼は、たとえ
ばニッケル系やクロム系など、あるいはオーステナイト
系、フェライト系およびマルテンサイト系などの組織等
の類似性に従い、予め定める鋼種グループ別に管理され
る。カルシウム原料および炭素原料の装入量の計算値を
補正する際には、製造すべきステンレス鋼の溶銑の鋼種
に応じて実績データを選択するので、多くの種類のステ
ンレス鋼を製造していても、それぞれの鋼種に応じて適
正な補正を行い、メタル歩留を向上させることができ
る。
【0009】また本発明で前記装入量の補正は、予め補
正幅の上限値を定めておき、前記配合に応じて計算され
る装入量の計算値が前記実績データの基準値よりも小さ
いとき、基準値との差が該上限幅未満であれば該計算値
を該基準値に変更し、該差が該上限幅以上であれば該計
算値を該上限幅だけ増加するように行うことを特徴とす
る。
【0010】本発明に従えば、原料の配合に応じて決定
されるカルシウム原料および炭素原料の装入量の計算値
を、実績データの基準値に近付くように補正する際に、
計算値が基準値よりも小さいときには、基準値との差が
予め定められる上限幅未満となる範囲で、計算値を基準
値に変更し、基準値との差が上限幅以上となるときには
計算値を上限幅だけ増加して行うので、実績データの基
準値と計算値とが大きく異なるようなときには、基準値
に近付ける補正は上限幅を限度として行い、メタル原料
や酸化物原料の違いも反映させて、適正な補正を行うこ
とができる。
【0011】また本発明で前記装入量の補正は、前記配
合に応じて計算される装入量の計算値が前記実績データ
の基準値よりも大きいとき、該計算値と該基準値との差
に予め定める係数を乗算して算出される数値を、該計算
値から減算するように行うことを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、配合に応じて計算される
装入量の計算値が実績データの基準値よりも大きいとき
には、計算値と基準値との差に予め定める係数を乗算し
て算出される数値を計算値から減算して補正するので、
計算値よりも少ない量のカルシウム原料および炭素原料
を装入し、過大な投入を避けることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
ステンレス鋼溶銑の製造のための概略的な構成を示す。
電気炉1は、内部に装入されるメタル原料2および酸化
物原料3などの主原料を、電極4間でのアーク放電の際
に発生する熱を利用して溶解させ、溶銑5およびスラグ
6を生成させる。製造すべきステンレス鋼の主要な合金
成分である鉄(Fe),クロム(Cr),ニッケル(N
i)などは、メタル原料2および酸化物原料3中に金
属、合金あるいは酸化物などとして含まれ、金属および
合金は溶融して溶銑5中に溶け込む。スラグ6中には、
メタルの酸化物が含まれ、これを還元してメタルを溶銑
5中に回収するため、スラグ6の塩基度が調整される。
スラグ6の塩基度は、スラグ5中に含まれる酸化カルシ
ウム(CaO)と酸化ケイ素(SiO2)との比率で表
され、その調整のためにカルシウム原料である石灰(C
aO)7などが投入される。またスラグ6中のメタル酸
化物を還元するため、炭素原料であるコークス8などが
投入される。電気炉1内での溶解が終了した溶銑5およ
びスラグ6は、取鍋9内に払い出され、転炉や真空脱ガ
ス処理などの鉄鋼プロセスの後工程に移行する。
【0014】図2は、本実施形態でステンレス鋼の溶銑
を製造する処理の手順を示す。ステップa1では、製造
すべきステンレス鋼の鋼種が生産計画などに基づいて決
定される。ステップa2では、決定された鋼種に基づ
き、電気炉での溶解後の成分である出銑成分の目標値が
決定される。一般に1つの鋼種でも最終的な成分にはあ
る程度の幅があり、また溶解後の後工程での成分の変化
も見込んで、出銑成分の目標値が決定される。次にステ
ップa3で、出銑成分の目標値に応じて、使用原料の種
類と量との配合が決定される。使用原料は、たとえばメ
タル原料としてのスクラップや酸化物原料としての各種
スラグ、ダストあるいはスケールなどであり、予め成分
の分析が行われている。次にステップa4で、決定され
た配合に応じて、CaOおよびコークスの装入量の計算
を行う。この際に、CaOの装入量は、スラグ中の塩基
度(CaO/SiO2)に応じて決定する。コークス装
入量は、出銑する溶銑中の炭素濃度〔C〕と経験から得
られる歩留を見込んで決定する。
【0015】ステップa5では、ステップa4で決定さ
れたCaOおよびコークスの装入量が、それまで過去に
装入された実績データ、たとえば配合量のヒストグラム
等からどのようなレベルにあるかを確認する。ステップ
a6で、装入量のレベルが実績データに基づいて決定さ
れる基準値、たとえば平均値と異なっているときには、
ステップa6で装入量が基準値に近付くように補正す
る。すなわち、装入量の計算値が基準値よりも少ない方
であれば装入量を追加し、装入量の計算値が基準値より
も多ければ装入量を少なくする補正を行う。
【0016】図3は、ステンレス鋼の鋼種の1つとして
SUS304について、電気炉での1回分の溶解である
チャージ(以下「CH」あるいは「ch」と略称するこ
ともある)当たりのコークス投入量の通常の操業条件下
での実績データを示す。コークス投入量の頻度が最も高
い値は、2525kg/chである。1ch当たりの溶
銑量は150T(トン)である。本実施形態では、この
ような従来の実績データに基づいて補正を行う。コーク
ス装入量の計算値がこの基準値よりも小さいときには、
計算値を増加させる補正を行って基準値に近付ける。た
だし調整量は、+150kgを上限とし、また調整後の
値が基準値を越えることがないようにしている。すなわ
ち計算値が基準値から上限幅以内の範囲では、補正後の
装入量は基準値と等しくなり、計算値が基準値よりも上
限幅以上小さければ上限幅分だけ大きくなるような補正
が行われる。
【0017】計算値が基準値よりも大きいときには、計
算値と基準値との差に一定の係数を掛けた補正値を算出
し、計算値から補正値を減算する補正を行う。なお、基
準値としては、平均値を用いることもできる。
【0018】図4は、図3に示すコークスと同様に副原
料である石灰についての実績データの一例を示す。
【0019】図5は、実施形態に従うテスト操業と従来
の通常操業とで、スラグ中のクロム量を比較したデータ
を示す。本実施形態のテスト操業の方が、通常操業より
も酸化クロム(Cr23)の量が低くなっており、スラ
グ中から溶銑中に有効に回収されていることが判る。次
の表1は、図5のグラフに対応する数値データを示す。
【0020】
【表1】
【0021】次の表2には、ステンレス鋼の鋼種をニッ
ケル(Ni)系、クロム(Cr)系の鋼種グループに分
けてテストと通常との操業を比較し、またクロム濃度が
高いステンレス鋼の鋼種についての比較と、他のメタル
酸化物であるFeOとMnOについての比較を示す。本
実施形態に従うテスト操業の方が、クロムおよび他のメ
タル酸化物が減少していることが判る。
【0022】
【表2】
【0023】
【実施例】鋼種SUS304では実績データから得られ
る基準値を、CaOが18.7kg/T、コークスが1
9kg/Tとする。また目標のスラグ塩基度は、2.0
とし、溶銑中のケイ素濃度〔Si〕=0.2%、炭素濃
度〔C〕=2.5%とする。
【0024】ステンレス鋼の鋼種SUS430に対して
は、実績データからの基準値は、CaOが13.0kg
/T、コークスが14kg/Tとする。目標のスラグ塩
基度は、1.9とし、溶銑中のケイ素濃度〔Si〕=
0.2%、炭素濃度〔C〕=2.0%とする。
【0025】使用原料の代表値は、次の表3とする。
【0026】
【表3】
【0027】また、酸化物原料の配合条件と、スクラッ
プや合金鉄などのメタル原料中のSiおよびC量は、次
の表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】表4に示す実施例1〜実施例4について、
石灰(CaO)の装入量の計算を次のように行う。
【0030】実施例1{〔(スクラップ+合金中)Si-(出銑
Si)〕×60/28+(酸化物原料中SiO2)}×2.0-(酸化物原料
中CaO) 実施例2{〔(スクラップ+合金中)Si-(出銑Si)〕×60/28
+(酸化物原料中SiO2)}×2.0-(酸化物原料中CaO) 実施例3{〔(スクラップ+合金中)Si-(出銑Si)〕×60/28
+(酸化物原料中SiO2)}×1.9-(酸化物原料中CaO) 実施例4{〔(スクラップ+合金中)Si-(出銑Si)〕×60/2
8+(酸化物原料中SiO2)}×1.9-(酸化物原料中CaO) ここでスクラップ+合金鉄中のSiの含有量は、表4か
ら得られる。出銑Siは、目標〔Si〕を100で除算
し、さらに1チャージ当たりの溶銑量である150T/
CHを乗算して算出する。酸化物原料中SiO2は、表
3の各種酸化物原料の配合量にSiO2濃度をそれぞれ
乗算して積算する。酸化物原料中CaOも、表3の各酸
化物原料の量の割合とそれぞれのCaO濃度とを掛算し
た総和として求める。
【0031】以上のような条件で、CaO計算量は、 実施例1:2814kg(18.76kg/T) 実施例2:2512kg(16.75kg/T) 実施例3:2498kg(16.65kg/T) 実施例4:1842kg(12.28kf/T) が求められる。
【0032】次にコークス計算として、 実施例1 〔(目標〔C〕/100×150T-原料中C)/0.9〕/コーク
スC品位=2800kg(18.67kg/T) 実施例2 〔(目標〔C〕/100×150T-原料中C)/0.9〕/コーク
スC品位=2500kg(16.67kg/T) 実施例3 〔(目標〔C〕/100×150T-原料中C)/0.9〕/コーク
スC品位=2300kg(15.33kg/T) 実施例4 〔(目標〔C〕/100×150T-原料中C)/0.9〕/コーク
スC品位=1900kg(12.67kg/T) 目標〔C〕は、SUS304で2.5%、SUS430
で2.0%である。酸化物原料Cは、表3の各酸化物原
料の量にC濃度を乗算した値の総和である。原料中C
は、酸化物原料中Cと表4から得られるメタル原料中の
Cの値の和である。0.9は歩留の設定値であり、コー
クスC品位は0.95とする。前述の基準値を、表にま
とめると次の表5のようになる。
【0033】
【表5】
【0034】CaOおよびコークスの調整として、Ca
Oおよびコークス共に、基準値との差を補正する。ただ
し基準値よりも計算値の方が小さいときの補正幅の上限
値は、それぞれCaO=3.33kg/T、コークス=
1.0kg/Tと設定する。計算値の方が基準値よりも
過剰の場合には、差の25%を差引く。
【0035】実施例1では、CaO計算値=18.76
kg/T、コークス計算値=18.67kg/Tであ
り、CaO計算値≒基準値のため、調整は行わない。コ
ークス計算値=18.67<19=基準値のため、コー
クス計算値とコークス基準値との差0.33kg/Tを
計算値に追加する補正を行う。
【0036】実施例2では、CaO計算値=16.75
kg/T、コークス計算値16.67kg/Tであるの
で、CaO計算値<基準値のため、18.7−16.7
5=1.95kg/Tを計算値に追加する補正を行う。
またコークス計算値<基準値のため、19−16.67
=2.33が差となるけれども、コークスの場合上限幅
を1.0kgとしているので、上限幅の1.0kg/T
を計算値に追加する補正を行う。
【0037】実施例3では、CaO計算値=16.65
kg/T、コークス計算値=16.67kg/Tで、C
aO計算値>基準値のため、13−16.65=−3.
65の差に、0.25を乗算した0.91kg/Tを計
算値から差引く補正を行う。コークス計算値も、14−
15.33=−1.33だけ基準値の方が小さいので、
0.25を乗算した0.33kg/Tを計算値から差引
く補正を行う。
【0038】実施例4では、CaO計算値=12.28
kg/T、コークス計算値=12.67kg/Tで、C
aO計算値<基準値のため、13−12.28=0.7
2kg/Tを計算値に追加する補正を行う。コークス計
算値<基準値のため、14−12.67=1.33が差
となるけれども、上限が1.0kg/Tなので、計算値
に上限幅1.0kg/Tを追加する補正を行う。
【0039】なお追加上限の3.33kg/T,1.0
kg/Tおよび差引く場合の係数0.25は、そのとき
の操業状態によって、過去の経験から数値を変更するこ
とができる。このような調整方法の基本的な考え方は、
その操業での配合条件で求められる必要量を、過去の実
績から求められる基準値に近付けるようにするというも
のである。ただし計算値も根拠のある値であるので、ど
のような場合でも計算値を基準値に変更するのではな
く、補正値に上限を設けることが好ましい。また、カル
シウム原料および炭素原料は、石灰およびコークスとは
異なる物質であってもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、石灰など
のカルシウム原料とコークスなどの炭素原料との副原料
の装入量の計算値を実績データに基づく基準値に近付く
ように補正するので、副原料を過不足なく適正量を電気
炉内に投入することができ、電気炉内での還元反応を安
定させ、スラグ中に存在するメタル酸化物量を減少させ
て溶銑中にメタル成分を有効に回収し、歩留の向上およ
び製造コスト削減を行うことができる。
【0041】また本発明によれば、実績データはステン
レス鋼の鋼種に従って予め決定される鋼種グループ別に
管理し、製造すべきステンレス鋼の鋼種に応じて選択す
るので、鋼種に応じて適正な補正を行い、メタル歩留の
向上と製造コスト削減とを図ることができる。
【0042】また本発明によれば、カルシウム原料およ
び炭素原料の計算値が実績データの基準値よりも小さい
ときに、差が予め定める上限値よりも小さいときには計
算値が基準値となるように補正し、差が上限値よりも大
きいときには上限値だけ計算値が基準値に近付くように
補正するので、電気炉内の還元反応を安定化させ、メタ
ル歩留の向上と製造コスト削減とを図ることができる。
【0043】また本発明によれば、カルシウム原料およ
び炭素原料の装入量の計算値が実績データの基準値より
も大きいときに、差に一定の係数を乗算した数値を計算
値から減算して補正するので、副原料の過剰な投入を避
け、装入量の適正化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の概略的な構成を示すブ
ロック図である。
【図2】図1の実施形態での製造手順を示すフローチャ
ートである。
【図3】図1の実施形態で予め作成しておくコークス装
入量についての実績データの一例を示すグラフである。
【図4】図1の実施形態で予め作成しておく石灰装入量
についての実績データの一例を示すグラフである。
【図5】 図1の実施形態に基づくテスト操業と、従来
の通常操業とでのスラグ中の酸化クロム量の操業チャー
ジ間での分布を示すヒストグラムである。
【符号の説明】
1 電気炉 2 メタル原料 3 酸化物原料 5 溶銑 6 スラグ 7 石灰 8 コークス 9 溶銑取鍋

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造すべきステンレス鋼溶銑の鋼種に応
    じて決定される電気炉溶解後の成分目標値に基づき、使
    用する金属原料の種類および成分分析値から配合を決定
    し、決定された配合に応じてカルシウム原料および炭素
    原料の装入量を計算する電気炉によるステンレス鋼溶銑
    の製造方法において、 該電気炉を使用して製造したステンレス鋼溶銑につい
    て、カルシウム原料および炭素原料の装入量の実績デー
    タを蓄積しておき、 カルシウム原料および炭素原料の装入量の計算値を、該
    実績データに基づく基準値に近付くようにそれぞれ補正
    することを特徴とする電気炉によるステンレス鋼溶銑の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記実績データは、ステンレス鋼の鋼種
    に関し、予め定める鋼種グループ別に管理し、前記製造
    すべきステンレス鋼溶銑の鋼種に応じて選択することを
    特徴とする請求項1記載の電気炉によるステンレス鋼溶
    銑の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記装入量の補正は、予め補正幅の上限
    値を定めておき、前記配合に応じて計算される装入量の
    計算値が前記実績データの基準値よりも小さいとき、基
    準値との差が該上限幅未満であれば該計算値を該基準値
    に変更し、該差が該上限幅以上であれば該計算値を該上
    限幅だけ増加するように行うことを特徴とする請求項1
    または2記載の電気炉によるステンレス鋼溶銑の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記装入量の補正は、前記配合に応じて
    計算される装入量の計算値が前記実績データの基準値よ
    りも大きいとき、該計算値と該基準値との差に予め定め
    る係数を乗算して算出される数値を、該計算値から減算
    するように行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の電気炉によるステンレス鋼溶銑の製造方法。
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