JPH11279183A - カリウム・シラノレートの製造法 - Google Patents

カリウム・シラノレートの製造法

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JPH11279183A JP10353668A JP35366898A JPH11279183A JP H11279183 A JPH11279183 A JP H11279183A JP 10353668 A JP10353668 A JP 10353668A JP 35366898 A JP35366898 A JP 35366898A JP H11279183 A JPH11279183 A JP H11279183A
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、相分離、低保存性、高分岐及び性
質の変動が最少のカリウム・シラノレートの製造法を提
供することである。 【解決手段】 固体の水酸化カリウム成分と、式R1R
22SiO(R22SiO)mR3又は(R22Si
O)n[式中のmは1〜1000の整数であり、nは3
〜20の整数であり、R1はヒドロキシル又は炭素原子
数が1〜8のアルコキシ基であり、R2は水素原子又は
独立に選択した炭素原子数が1〜8の置換又は非置換の
一価の炭化水素基であり、R3は水素原子又は炭素原子
数が1〜8の炭化水素基である]によって示されるポリ
オルガノシロキサン成分との混合物を、90℃〜150
℃の温度で水と共沸混合物を生成する有機溶媒の共存下
で反応させて、固体のカリウム・シラノレートを生成す
ることからなるカリウム・シラノラートの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体水酸化カリウム成
分とポリオルガノシロキサン成分の混合物を90℃〜1
50℃の温度で水と共沸混合物を生成する有機溶媒の共
存下で反応させて、カリウム・シラノレートを生成する
ことからなるカリウム・シラノレートの製造法である。
【0002】
【従来の技術】米国特許第3,641,090号は、ヘ
キサメチルホスホルアミドとアルカリ金属シラノレート
を接触させることによって作ったヘキサメチルホスホル
アミド錯体の製造法を教示している。そのヘキサメチル
ホスホルアミド錯体は、ポリオルガノシロキサン及びポ
リオルガノシロキサン・ブロック共重合体の重合開始剤
として有用である。該特許は、固体水酸化物を使用した
カリウム・シラノレートの製造を教示していない。前記
特許の方法において、反応を完了させ、相分離、低保存
性、高分岐及び性質の変動を最少にするために、多量の
水を除去しなければならない。水及び残留溶媒は、典型
的に蒸留及び高温ストリッピングによって反応から除去
される。しかしながら、これらの条件下でのバッチ時間
は約24時間であって、蒸留及び高温ストリッピング中
の長時間の高温はC−Si結合の過剰開裂の原因とな
り、最終製品の相分離、低保存性、高分岐及び性質の変
動をもたらす。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、固体の
水酸化カリウムでのカリウム・シラノレートの調製は、
上記課題をもたらすと考えられる高温での多量の水除去
の必要を除去することを発見した。別の利点は、カリウ
ム・シラノレートの調製時間を24時間から約12時間
に短縮できることである。別の利点は、従来の蒸留法よ
り低温での共沸混合物の蒸留によってカリウム・シラノ
レートから水を除去できることである。別の利点は、残
留の水及び溶媒は、従来のストリッピング法よりも低温
及び短時間で分離できることである。さらに、本発明の
別の利点は、既知のシラノレート調製品の相分離問題を
伴うことなく、カリウム・シラノレートを長時間貯蔵で
きることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体水酸化カ
リウム成分と式R1R22SiO(R22SiO)mR
3又は(R22SiO)n[式中のmは1〜1000の
整数であり、nは3〜20の整数であり、R1はヒドロ
キシル又は炭素原子数が1〜8のアルコキシ基であり、
R2は水素原子又は独立に選択した炭素原子数が1〜8
の置換又は非置換一価の炭化水素基であり、R3は水素
原子又は炭素原子数が1〜8の炭化水素基である]によ
って示されるポリオルガノシロキサン成分との混合物を
90℃〜150℃の温度で水と共沸混合物を生成する有
機溶媒の共存下で反応させて、カリウム・シラノレート
を生成することからなるカリウム・シラノラートの製造
法である。
【0005】固体水酸化カリウム成分とポリオルガノシ
ロキサン成分との混合物を水と共沸混合物を生成する有
機溶媒の共存下での反応は、平衡化タイプの反応を行う
のに適当な標準の反応器で行う。
【0006】本発明に有用であることがわかった水酸化
カリウムは水溶液よりむしろ固体である。固体の水酸化
カリウムはペレット、フレーク又は削り屑(それらは全
て市販されている)の形態にできる。本法の固体水酸化
カリウムの使用により、安定なカリウム・シラノレート
を得るための多量の水の除去が省ける。固体水酸化カリ
ウムは完全に乾燥状態が望ましいが、一般に15重量%
までの水分を含有する。15重量%以上の水分を含有す
る固体水酸化カリウムも使用できるが、反応により多く
の水が添加され、余分な水を除去するために高温でより
長い蒸留時間を要するから望ましくない。
【0007】本法は水と共沸混合物を形成する有機溶媒
の共存下で行なうことによって、従来の蒸留法で用いる
温度より低温で水を除去できる。その有機溶媒は、水酸
化カリウムとポリオルガノシロキサンからなる混合物1
0〜40重量%からなり、その共沸混合物が90℃〜1
20℃の沸点をもつことが望ましい。有機溶媒が、水酸
化カリウムとポリオルガノシロキサンからなる混合物2
0〜30重量%からなるのが最適である。
【0008】本法に有用な有機溶媒は、水と共沸混合物
を形成し、共沸混合物から水を除去できる溶媒である。
本法に有用な有機溶媒の例はシクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ブタノー
ル及びメタノールである。好適な有機溶媒は、水酸化カ
リウムとポリオルガノシロキサンからなる混合物10〜
40重量%濃度のシクロヘキサンである。最適のシクロ
ヘキサン濃度は水酸化カリウムとポリオルガノシロキサ
ンからなる混合物25〜35重量%である。共沸混合物
の蒸留により水を除去する温度又は水の除去速度を制御
するために、特定の有機溶媒及び濃度を選ぶこともでき
る。
【0009】本発明に有用なポリオルガノシロキサン
は、環状、線状又は環状と線状の混合体である。環状ポ
リオルガノシロキサンは、式(R22SiO)n[式中
のnは3〜20の整数であり、R2は水素原子又は独立
に選択した炭素原子数が1〜8の置換又は非置換の一価
の炭化水素基である]を有する。R2は、例えば、メチ
ル、エチル、及びプロピルのようなアルキル基:シクロ
ヘキシル及びシクロペンチルのようシクロアルキル基;
ヒニル及びアリルのようなアルケニル基;フェニル及び
ジフェニルのようなアリール基;トリル及びキシリルの
ようなアルカリ−ル;ベンジル及びフェニルエチルのよ
うなアラルキル基;3、3、3−シリフルオロプロピル
及び4−クロロブチルのようなハロゲン化アルキル基及
びクロロフェニル及びジブロモフェニルのようなハロゲ
ン化アリール基である。本法に有用な環状ポリオルガノ
シロキサンの例は、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘプタメチ
ルシクロテトラシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシ
ロキサン及びオクタエチルシクロテトラシロキサンであ
る。本法に使用するのに最適の環状ポリオルガノシロキ
サンはオクタメチルシクロテトラシロキサンである。
【0010】本法に有用な線状ポリオルガノシロキサン
は、式R1R22SiO(R22SiO)mR3又は
(R22SiO)n[式中のm、R1、R2及びR3
は、前記の通りである]で記載される。その線状ポリオ
ルガノシロキサンは、例えば、ヘキサメチルジシロキサ
ン、ヘキサエチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキ
サン及びヘプタメチルトリシロキサンである。好適な線
状ポリオルガノシロキサンはヘキサメチルジシロキサン
である。
【0011】固体水酸化カリウムとポリオルガノシロキ
サンのモル比は、典型的に4:1である。そのモル比が
3:1の場合が望ましく、2:1が最適である。
【0012】水と共沸混合物を形成する有機溶媒の共存
下での固体水酸化カリウムとポリオルガノシロキサンか
らなる混合物は、90〜150℃の温度に加熱して水酸
化カリウムとポリオルガノシロキサンとの反応を促進し
てカリウム・シラノレートを生成する。水と共沸混合物
を形成する有機溶媒の共存下で、混合物は110〜13
0℃の温度に加熱することか望ましい。その反応は、窒
素のような不活性ガス雰囲気で行って、混合物が雰囲気
から水分を吸収するのを防止することが望ましい。
【0013】カリウム・シラノレートの回収法は重要で
はない、例えば、カリウム・シラノレートは反応器又は
ケトルから排出又は注出される。好適な実施態様におい
て、水はカリウム・シラノレートから共沸混合物の蒸留
によって除去される。90〜150℃の範囲内の温度で
水と共沸混合物を形成する有機溶媒を使用する。それに
よって、混合物から水が除去されて、有機溶媒は凝縮し
て混合物に戻される。共沸混合物の蒸留は水が除去され
るまで続ける。その共沸混合物の蒸留は95℃〜125
℃、好適には100℃〜120℃、最適には100℃〜
110℃の温度範囲内で4〜5時間行うことが望まし
い。
【0014】ストリッピングが必要な場合には、カリウ
ム・シラノレートから残留有機溶媒及び有機溶媒に含ま
れる水を除去する。ストリッピングの方法は重要ではな
く、例えば、容器溶媒は蒸留によって除去する。有機溶
媒は、80℃〜150℃の温度て大気圧下、窒素ブラン
ケット下でカリウム・シラノレートから除去される。8
0℃〜110℃の温度で13.30kPa(100H
g)の圧力で有機溶媒を除去するのがさらに望ましい。
好適なストリッピング・パラメータ−は90℃〜100
℃の温度及び5.32kPa(40Hg)の圧力であ
る。
【0015】次の実施例は本発明を説明するために提供
する。
【0016】
【実施例】実施例1 固体水酸化カリウムを使用して低分岐のカリウム・シラ
ノレートの調製を評価した。機械的かきまぜ機、加熱マ
ントル及び凝縮器を備えたフラスコにオクタメチルシク
ロテトラシロキサン(200g,0.68モル)を溶解
させた。固体水酸化カリウムのペレット(9.9g)を
そのフラスコに窒素パージ及び適度の攪拌下で添加し
た。その混合物を110℃の温度に加熱し共沸蒸留によ
って水を除去し、蒸留を4〜5時間続けた。共沸蒸留の
終端での混合物の温度は120℃であった。共沸蒸留に
よってフラスコから合計2.5gの水が除去された。1
50℃、5.32kPa(40mmHg)で1時間の蒸
留によって生成物からシクロヘキサンと水が除去され
た。得られた生成物は透明で、粘性のカリウム・シラノ
レートであった。そのカリウム・シラノレートは、ガス
クロマトグラフィーを使用して分析し、800ppmの
分岐度を有することかわかった。
【0017】実施例2 水性水酸化カリウムを使用してカリウム・シラノレート
の調製を評価した。機械的かきまぜ機、加熱マントル及
び凝縮器を備えたフラスコにオクタメチルシクロテトラ
シロキサン(200g,0.68モル)を溶解させた。
次に水に45重量%のKOHからなる(9.9gKO
H、0.18モル)水性水酸化カリウムの溶液(22
g)をそのフラスコに1.5時間かけて添加した。その
混合物を約95℃の温度に加熱し共沸蒸留によって水を
除去し、蒸留を12時間続けた。共沸蒸留の終端での混
合物の温度は125℃であった。12時間の間に共沸蒸
留によってフラスコから合計12.6gの水が除去され
た。表1に1時間毎に除去された水の量及び除去された
水の%を示す。150℃、大気圧下で9時間の蒸留によ
って生成物からシクロヘキサンを除去した。得られた生
成物は透明で、粘性のカリウム・シラノレートであっ
た。そのカリウム・シラノレートは、ガスクロマトグラ
フィーを使用して分析し、9550ppmの分岐度を有
することがわかった。数日以内にそのカリウム・シラノ
レートに濁ってきて、3相にはっきり分離した。
【0018】
【表1】 経過時間での 除去された 除去された 水の除去(時間) 水(ml) 水の量(%) 1 2.5 18.2 2 4.8 34.7 3 5.8 42.0 4 6.5 47.4 5 7.0 51.1 6 7.4 54.1 8 12.0 87.6 9 12.5 91.2 10 12.5 91.2 11 12.5 91.2 12 12.6 91.7
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 カリウム・シラノレートの製造法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
【0001】本発明は、固体水酸化カリウム成分とポリ
オルガノシロキサン成分の混合物を90℃〜150℃の
温度で水と共沸混合物を生成する有機溶媒の共存下で反
応させて、カリウム・シラノレートを生成することから
なるカリウム・シラノレートの製造法である。
【従来の技術】
【0002】米国特許第3,641,090号は、ヘキ
サメチルホスホルアミドとアルカリ金属シラノレートを
接触させることによって作ったヘキサメチルホスホルア
ミド錯体の製造法を教示している。そのヘキサメチルホ
スホルアミド錯体は、ポリオルガノシロキサン及びポリ
オルガノシロキサン・ブロック共重合体の重合開始剤と
して有用である。該特許は、固体水酸化物を使用したカ
リウム・シラノレートの製造を教示していない。前記特
許の方法において、反応を完了させ、相分離、低保存
性、高分岐及び性質の変動を最少にするために、多量の
水を除去しなければならない。水及び残留溶媒は、典型
的に蒸留及び高温ストリッピングによって反応から除去
される。しかしながら、これらの条件下でのバッチ時間
は約24時間であって、蒸留及び高温ストリッピング中
の長時間の高温はC−Si結合の過剰開裂の原因とな
り、最終製品の相分離、低保存性、高分岐及び性質の変
動をもたらす。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】本発明者らは、固体の水酸化カリウムでの
カリウム・シラノレートの調製は、上記課題をもたらす
と考えられる高温での多量の水除去の必要を除去するこ
とを発見した。別の利点は、カリウム・シラノレートの
調製時間を24時間から約12時間に短縮できることで
ある。別の利点は、従来の蒸留法より低温での共沸混合
物の蒸留によってカリウム・シラノレートから水を除去
できることである。別の利点は、残留の水及び溶媒は、
従来のストリッピング法よりも低温及び短時間で分離で
きることである。さらに、本発明の別の利点は、既知の
シラノレート調製品の相分離問題を伴うことなく、カリ
ウム・シラノレートを長時間貯蔵できることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】本発明は、固体水酸化カリウム成分と式R
SiO(R SiO)又は(R
iO)[式中のmは1〜1000の整数であり、nは
3〜20の整数であり、Rはヒドロキシル又は炭素原
子数が1〜8のアルコキシ基であり、Rは水素原子又
は独立に選択した炭素原子数が1〜8の置換又は非置換
一価の炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素原子
数が1〜8の炭化水素基である]によって示されるポリ
オルガノシロキサン成分との混合物を90℃〜150℃
の温度で水と共沸混合物を生成する有機溶媒の共存下で
反応させて、カリウム・シラノレートを生成することか
らなるカリウム・シラノラートの製造法である。
【0005】固体水酸化カリウム成分とポリオルガノシ
ロキサン成分との混合物を水と共沸混合物を生成する有
機溶媒の共存下での反応は、平衡化タイプの反応を行う
のに適当な標準の反応器で行う。
【0006】本発明に有用であることがわかった水酸化
カリウムは水溶液よりむしろ固体である。固体の水酸化
カリウムはペレット、フレーク又は削り屑(それらは全
て市販されている)の形態にできる。本法の固体水酸化
カリウムの使用により、安定なカリウム・シラノレート
を得るための多量の水の除去が省ける。固体水酸化カリ
ウムは完全に乾燥状態が望ましいが、一般に15重量%
までの水分を含有する。15重量%以上の水分を含有す
る固体水酸化カリウムも使用できるが、反応により多く
の水が添加され、余分な水を除去するために高温でより
長い蒸留時間を要するから望ましくない。
【0007】本法は水と共沸混合物を形成する有機溶媒
の共存下で行なうことによって、従来の蒸留法で用いる
温度より低温で水を除去できる。その有機溶媒は、水酸
化カリウムとポリオルガノシロキサンからなる混合物1
0〜40重量%からなり、その共沸混合物が90℃〜1
20℃の沸点をもつことが望ましい。有機溶媒が、水酸
化カリウムとポリオルガノシロキサンからなる混合物2
0〜30重量%からなるのが最適である。
【0008】本法に有用な有機溶媒は、水と共沸混合物
を形成し、共沸混合物から水を除去できる溶媒である。
本法に有用な有機溶媒の例はシクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ブタノー
ル及びメタノールである。好適な有機溶媒は、水酸化カ
リウムとポリオルガノシロキサンからなる混合物10〜
40重量%濃度のシクロヘキサンである。最適のシクロ
ヘキサン濃度は水酸化カリウムとポリオルガノシロキサ
ンからなる混合物25〜35重量%である。共沸混合物
の蒸留により水を除去する温度又は水の除去速度を制御
するために、特定の有機溶媒及び濃度を選ぶこともでき
る。
【0009】本発明に有用なポリオルガノシロキサン
は、環状、線状又は環状と線状の混合体である。環状ポ
リオルガノシロキサンは、式(R SiO)[式中
のnは3〜20の整数であり、Rは水素原子又は独立
に選択した炭素原子数が1〜8の置換又は非置換の一価
の炭化水素基である]を有する。Rは、例えば、メチ
ル、エチル、及びプロピルのようなアルキル基:シクロ
ヘキシル及びシクロペンチルのようシクロアルキル基;
ヒニル及びアリルのようなアルケニル基;フェニル及び
ジフェニルのようなアリール基;トリル及びキシリルの
ようなアルカリ−ル;ベンジル及びフェニルエチルのよ
うなアラルキル基;3、3、3−シリフルオロプロピル
及び4−クロロブチルのようなハロゲン化アルキル基及
びクロロフェニル及びジブロモフェニルのようなハロゲ
ン化アリール基である。本法に有用な環状ポリオルガノ
シロキサンの例は、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘプタメチ
ルシクロテトラシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシ
ロキサン及びオクタエチルシクロテトラシロキサンであ
る。本法に使用するのに最適の環状ポリオルガノシロキ
サンはオクタメチルシクロテトラシロキサンである。
【0010】本法に有用な線状ポリオルガノシロキサン
は、式R SiO(R SiO)mR又は
(R SiO)n[式中のm、R、R及びR
は、前記の通りである]で記載される。その線状ポリ
オルガノシロキサンは、例えば、ヘキサメチルジシロキ
サン、ヘキサエチルジシロキサン、ペンタメチルジシロ
キサン及びヘプタメチルトリシロキサンである。好適な
線状ポリオルガノシロキサンはヘキサメチルジシロキサ
ンである。
【0011】固体水酸化カリウムとポリオルガノシロキ
サンのモル比は、典型的に4:1である。そのモル比が
3:1の場合が望ましく、2:1が最適である。
【0012】水と共沸混合物を形成する有機溶媒の共存
下での固体水酸化カリウムとポリオルガノシロキサンか
らなる混合物は、90〜150℃の温度に加熱して水酸
化カリウムとポリオルガノシロキサンとの反応を促進し
てカリウム・シラノレートを生成する。水と共沸混合物
を形成する有機溶媒の共存下で、混合物は110〜13
0℃の温度に加熱することか望ましい。その反応は、窒
素のような不活性ガス雰囲気で行って、混合物が雰囲気
から水分を吸収するのを防止することが望ましい。
【0013】カリウム・シラノレートの回収法は重要で
はない、例えば、カリウム・シラノレートは反応器又は
ケトルから排出又は注出される。好適な実施態様におい
て、水はカリウム・シラノレートから共沸混合物の蒸留
によって除去される。90〜150℃の範囲内の温度で
水と共沸混合物を形成する有機溶媒を使用する。それに
よって、混合物から水が除去されて、有機溶媒は凝縮し
て混合物に戻される。共沸混合物の蒸留は水が除去され
るまで続ける。その共沸混合物の蒸留は95℃〜125
℃、好適には100℃〜120℃、最適には100℃〜
110℃の温度範囲内で4〜5時間行うことが望まし
い。
【0014】ストリッピングが必要な場合には、カリウ
ム・シラノレートから残留有機溶媒及び有機溶媒に含ま
れる水を除去する。ストリッピングの方法は重要ではな
く、例えば、容器溶媒は蒸留によって除去する。有機溶
媒は、80℃〜150℃の温度て大気圧下、窒素ブラン
ケット下でカリウム・シラノレートから除去される。8
0℃〜110℃の温度で13.30kPa(100H
g)の圧力で有機溶媒を除去するのがさらに望ましい。
好適なストリッピング・パラメータ−は90℃〜100
℃の温度及び5.32kPa(40Hg)の圧力であ
る。次の実施例は本発明を説明するために提供する。
【実施例】
【0015】実施例1 固体水酸化カリウムを使用して低分岐のカリウム・シラ
ノレートの調製を評価した。機械的かきまぜ機、加熱マ
ントル及び凝縮器を備えたフラスコにオクタメチルシク
ロテトラシロキサン(200g,0.68モル)を溶解
させた。固体水酸化カリウムのペレット(9.9g)を
そのフラスコに窒素パージ及び適度の攪拌下で添加し
た。その混合物を110℃の温度に加熱し共沸蒸留によ
って水を除去し、蒸留を4〜5時間続けた。共沸蒸留の
終端での混合物の温度は120℃であった。共沸蒸留に
よってフラスコから合計2.5gの水が除去された。1
50℃、5.32kPa(40mmHg)で1時間の蒸
留によって生成物からシクロヘキサンと水が除去され
た。得られた生成物は透明で、粘性のカリウム・シラノ
レートであった。そのカリウム・シラノレートは、ガス
クロマトグラフィーを使用して分析し、800ppmの
分岐度を有することかわかった。
【0016】実施例2 水性水酸化カリウムを使用してカリウム・シラノレート
の調製を評価した。機械的かきまぜ機、加熱マントル及
び凝縮器を備えたフラスコにオクタメチルシクロテトラ
シロキサン(200g,0.68モル)を溶解させた。
次に水に45重量%のKOHからなる(9.9gKO
H、0.18モル)水性水酸化カリウムの溶液(22
g)をそのフラスコに1.5時間かけて添加した。その
混合物を約95℃の温度に加熱し共沸蒸留によって水を
除去し、蒸留を12時間続けた。共沸蒸留の終端での混
合物の温度は125℃であった。12時間の間に共沸蒸
留によってフラスコから合計12.6gの水が除去され
た。表1に1時間毎に除去された水の量及び除去された
水の%を示す。150℃、大気圧下で9時間の蒸留によ
って生成物からシクロヘキサンを除去した。得られた生
成物は透明で、粘性のカリウム・シラノレートであっ
た。そのカリウム・シラノレートは、ガスクロマトグラ
フィーを使用して分析し、9550ppmの分岐度を有
することがわかった。数日以内にそのカリウム・シラノ
レートに濁ってきて、3相にはっきり分離した。
【0017】
【表1】 経過時間での 除去された 除去された 水の除去(時間) 水(ml) 水の量(%) 1 2.5 18.2 2 4.8 34.7 3 5.8 42.0 4 6.5 47.4 5 7.0 51.1 6 7.4 54.1 8 12.0 87.6 9 12.5 91.2 10 12.5 91.2 11 12.5 91.2 12 12.6 91.7
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エドワード トーマス ラズミュセン ジ ュニア アメリカ合衆国ミシガン州48640 ミッド ランド イー イザベラ ロード 1205 (72)発明者 ケリー ジェイムス ウォール アメリカ合衆国ミシガン州48640 ミッド ランド ノース セイナウ ロード 1311

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体の水酸化カリウム成分と、式R1R
    22SiO(R22SiO)mR3又は(R22Si
    O)n[式中のmは1〜1000の整数であり、nは3
    〜20の整数であり、R1はヒドロキシル又は炭素原子
    数が1〜8のアルコキシ基であり、R2は水素原子又は
    独立に選択した炭素原子数が1〜8の置換又は非置換の
    一価の炭化水素基であり、R3は水素原子又は炭素原子
    数が1〜8の炭化水素基である]によって示されるポリ
    オルガノシロキサン成分との混合物を、90℃〜150
    ℃の温度で水と共沸混合物を生成する有機溶媒の共存下
    で反応させて、固体のカリウム・シラノレートを生成す
    ることからなることを特徴とするカリウム・シラノレー
    トの製造法。
  2. 【請求項2】 前記有機溶媒が10〜40重量%の前記
    混合物からなり、前記共沸混合物が90℃〜120℃の
    範囲内の沸点を有することを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 固体の水酸化カリウムとポリオルガノシ
    ロキサンとのモル比が4:1であることを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記カリウム・シラノレートか
    ら前記有機溶媒を80℃〜150℃の温度でストリッピ
    ングすることからなることを特徴とする請求項1記載の
    方法。
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