JPH112785A - 眼鏡レンズ - Google Patents

眼鏡レンズ

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JPH112785A
JPH112785A JP16797897A JP16797897A JPH112785A JP H112785 A JPH112785 A JP H112785A JP 16797897 A JP16797897 A JP 16797897A JP 16797897 A JP16797897 A JP 16797897A JP H112785 A JPH112785 A JP H112785A
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lens
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Yoshimi Obara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の眼鏡レンズでは、歪曲収差が残存して
いるために視野の周辺部で物体が歪んで見えるという問
題、および、装用状態のズレに対する性能の変化が大き
いという問題がある。 【解決手段】 外側、内側の一対の屈折面を有し、頂点
屈折力SPH[単位:Dptr]が負であり、少なくとも一方の屈
折面が非球面である眼鏡レンズにおいて、レンズ素材の
屈折率をn、レンズの光軸から距離h[単位:mm]の位置
における外側屈折面と光軸を含む平面との交線の曲率を
C1(h)[単位:1/m]、同様に内側屈折面との交線の曲率を
C2(h)[単位:1/m]、外側屈折面の近似球面曲率をCs1
(h)[単位:1/m]としたときに、 0.3×SPH+4.0<(n−1)×Cs1(25) を満たし、少なくとも5<h<25のいずれかの位置に
おいて、 C1(h)−C2(h)<C1(0)−C2(0) を満たすことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、視力補正用眼鏡
レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】図16は、従来の眼鏡レンズの一例を示
すレンズ断面図である。この眼鏡レンズ1は、外側屈折
面2、内側屈折面3が共に球面で構成される球面レンズ
である。この眼鏡レンズ1は、レンズ中心で所望の頂点
屈折力が得られ、有効視野内で像面湾曲と非点収差とが
できる限り小さくなるように各面の曲率が定められてい
る。具体的な構成は以下の表1に示される。
【0003】
【表1】 頂点屈折力 SPH −6.00[Dptr] 外側屈折面曲率 C1 4.44[1/m] 内側屈折面曲率 C2 16.46[1/m] 中心厚 T 2.00[mm] 屈折率 n 1.50 外径 φ 70.00[mm]
【0004】表1の構成による眼鏡レンズ1の収差は図
17に示される。図17(A)の破線はメリディオナルの
屈折力の近軸屈折力からの差、実線はサジタルの屈折力
の近軸屈折力からの差を示しており、これらの平均が像
面湾曲、差が非点収差となる。図17(B)は、歪曲収差
を示す。歪曲収差は、屈折面のカーブを深くすることに
より、すなわち、両屈折面のカーブがきつくなるように
すれば低減されることが知られているが、カーブを深く
すると像面湾曲が許容レベルを越えて大きくなる。球面
の眼鏡レンズ1は、像面湾曲と非点収差の補正に主眼を
おいて設計されており、歪曲収差は残存したままであっ
た。
【0005】特開平2−289818号公報には、上述
した球面レンズよりレンズ厚、重量を低減する目的で、
一方の屈折面を回転対称な非球面とした眼鏡レンズが開
示されている。図18は、上記公報に開示されるタイプ
の眼鏡レンズの一例である。この例の眼鏡レンズ1a
は、外側屈折面2aが非球面、内側屈折面3aが球面で
構成される。外側屈折面2aの曲率C1を中心から周辺
にかけて徐々に増加させることにより、レンズ厚を球面
レンズの場合より薄くしつつ、像面湾曲、非点収差を補
正している。このレンズの具体的な構成は以下の表2に
示される。
【0006】
【表2】 頂点屈折力 SPH −6.00[Dptr] 外側屈折面曲率 C1 2.00[1/m] 内側屈折面曲率 C2 14.00[1/m] 中心厚 T 2.00[mm] 屈折率 n 1.50 外径 φ 70.00[mm]
【0007】表2の構成による眼鏡レンズ1aの収差は
図19に示される。また、外側屈折面2aの曲率C1の
変化は図20に示される。外側屈折面2aは、近軸球面
に対して光軸からの距離が離れるにしたがってカーブが
きつくなる非球面である。これにより周辺部のレンズ厚
を球面の場合より薄くすることができる。ただし、図1
9に示されるように、非球面を利用した場合には、歪曲
収差は球面のレンズより大きく発生する。
【0008】眼鏡レンズの光学設計においては、通常あ
る標準的な装用状態を想定して収差が補正されている
が、実際に眼鏡を顔にかけた場合には設計時に想定して
いた装用状態からずれる場合があることは容易に想像で
きる。したがって、標準的な装用状態からずれた際の性
能が、標準的な装用状態における性能から大きくずれな
い方が望ましい。眼鏡の装用状態のズレとしては、図2
1(A)に示す光軸方向に沿った前後移動、(B)に示す光
軸と垂直な方向への上下移動、(C)に示す傾きが考えら
れる。
【0009】以下の表3は、従来の眼鏡レンズ1、1a
の視角30゜での前後移動、上下移動、傾きの単位変化
当たりの性能変化の感度を示す。
【0010】
【表3】 球面の眼鏡レンズ1 像面湾曲 非点収差 前後移動感度[Dptr/mm] 0.0746 0.0463 上下移動感度[Dptr/mm] −0.0553 −0.0731 傾き感度[Dptr/deg.] −0.0233 −0.0465 非球面の眼鏡レンズ1a 前後移動感度[Dptr/mm] 0.0879 0.0557 上下移動感度[Dptr/mm] −0.0801 −0.0905 傾き感度[Dptr/deg.] −0.0285 −0.0503
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の眼鏡レンズ1あるいは1aでは、歪曲収差が残
存しているために視野の周辺部で物体が歪んで見えると
いう問題、および、装用状態のズレに対する性能の変化
が大きいという問題がある。
【0012】この発明は、上述した従来技術の課題に鑑
みてなされたものであり、像面湾曲、非点収差、歪曲収
差を共に抑えつつ、装用状態のズレに対する性能の変化
が小さい眼鏡レンズを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる眼鏡レ
ンズは、上記の目的を達成させるため、外側、内側の一
対の屈折面を有し、頂点屈折力SPH[単位:Dptr]が負であ
り、少なくとも一方の屈折面が非球面である眼鏡レンズ
において、レンズ素材の屈折率をn、レンズの光軸から
距離h[単位:mm]の位置における外側屈折面と光軸を含
む平面との交線の曲率をC1(h)[単位:1/m]、同様に内側
屈折面との交線の曲率をC2(h)[単位:1/m]、外側屈折面
の近似球面曲率をCs1(h)[単位:1/m]としたときに、 0.3×SPH+4.0<(n−1)×Cs1(25) …(1) を満たし、少なくとも0<h<25のいずれかの位置に
おいて、 C1(h)−C2(h)<C1(0)−C2(0) …(2) を満たすことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる眼鏡レン
ズの実施形態を説明する。実施形態の眼鏡レンズは、外
側、内側の一対の屈折面を有し、頂点屈折力SPH[単位:D
ptr]が負であり、一方、あるいは両方の屈折面が非球面
である。また、レンズ素材の屈折率をn、レンズの光軸
から距離h[単位:mm]の位置における外側屈折面と光軸
を含む平面との交線の曲率をC1(h)[単位:1/m]、同様に
内側屈折面との交線の曲率をC2(h)[単位:1/m]、外側屈
折面の近似球面曲率をCs1(h)[単位:1/m]としたときに 、 0.3×SPH+4.0<(n−1)×Cs1(25) …
(1) を満たし、少なくとも0<h<25のいずれかの位置に
おいて、 C1(h)−C2(h)<C1(0)−C2(0) …(2) を満たす。なお、近似球面曲率Cs1(h)は、光軸上で外
側屈折面に接すると共に、光軸からの距離hで外側屈折
面と交差する球面の曲率として定義される。
【0015】条件(1)を満たす程度に屈折面のカーブを
深くすることにより歪曲収差を補正し、条件(2)を満た
すような曲率の関係を有する非球面を導入することによ
り、像面湾曲、非点収差の発生を抑えている。また、屈
折面のカーブが深くなると、視角の変化に伴う光線の眼
鏡レンズへの入射角度の変化が小さくなるため、眼鏡が
標準的な装用状態からずれた場合にも、性能の変化を小
さく抑えることができる。
【0016】さらに、外側屈折面が非球面、内側屈折面
が球面またはトーリック面の場合には、h>0のいずれ
かの位置において、 C1(h)<C1(0) …(3) を満たし、外側屈折面が球面またはトーリック面、内側
屈折面が非球面である場合には、0<h<25のいずれ
かの位置において、 C2(h)>C2(0) …(4) を満たすことが望ましい。これらの条件(3)、(4)は、
曲率の絶対値が近軸曲率より小さくなるようにするため
の条件である。
【0017】非球面は、光軸回りに回転対称な面である
ことが望ましい。なお、内側屈折面は、h>25のいず
れかの位置において、 C2(h)<C2(0) …(5) を満たすことが望ましく、より好ましくはh>25のい
ずれかの位置において、 C2(h)<0 …(6) を満たすことが望ましい。
【0018】条件(5)、(6)は、眼鏡レンズの有効径内
の周辺部において、内側屈折面の曲率を近軸曲率より弱
くすること、あるいは0より小さくすることをそれぞれ
規定している。条件(4)を満たす場合、内側屈折面の曲
率は近軸曲率より大きくなるが、これを周辺部で逆転さ
せることにより、周辺部のレンズ厚が過大になるのを防
ぐことができる。以下、上記の条件を満たすこの発明の
実施例にかかる眼鏡レンズを5例示す。
【0019】
【実施例1】図1は、実施例1の眼鏡レンズ1bの形状
を示す斜視図である。実施例1の眼鏡レンズは、従来例
と同様の頂点屈折力−6.00Dptrを有するが、外側屈
折面2b、内側屈折面3bが共に非球面である。図中、
PP'は眼鏡レンズ1bの光軸、O1は光軸PP'と外側
屈折面2bとの交点、O2は光軸PP'と内側屈折面3b
との交点である。光軸PP'からの高さhの位置におけ
る各屈折面の曲率は、光軸PP'を含む平面と屈折面と
の交線の曲率C1(h)、C2(h)として表される。
【0020】図2は、実施例1の眼鏡レンズ1bの断面
図である。図1、図2では、屈折面の形状を容易に理解
できるように、外径70mmまでの形状を示している
が、実際に眼鏡フレームに取り付けられる際には、周辺
部は削除され、外径30mm〜50mm程度の範囲がレ
ンズとして用いられる。
【0021】実施例1の眼鏡レンズ1bの具体的な構成
は以下の表4に示される。近軸曲率は従来例で示した非
球面を用いた眼鏡レンズ1aと同一であるが、両屈折面
が非球面である点が従来例とは異なる。両屈折面の非球
面形状は、図3のグラフに光軸からの距離hに対する曲
率C1(h)、C2(h)の変化として示されている。また、非
球面は、光軸からの高さがhとなる非球面上の座標点の
非球面の光軸上での接平面からの距離(サグ量)をX、非
球面の光軸上での曲率をCn(0)[n=1,2]、円錐係数を
K、4次、6次、8次、10次の非球面係数をA4,A
6,A8,A10として、以下の式(7)で表される。 X=Cn(0)h2/(1+√(1-(1+K)Cn(0)22))+A4h4 +A6h6+A8h8+A10h10…(7)
【0022】各屈折面の円錐係数、非球面係数は表5に
示される。なお、表における表記Eは、10を基数、Eの右
の数字を指数とする累乗を表しており、例えば表5の非
球面係数A4の値「3.59180E-6」は「0.00000359180」を
意味する。
【0023】
【表4】 頂点屈折力 SPH −6.00[Dptr] 近似球面曲率 Cs1(25) 6.66[1/m] 外側屈折面近軸曲率 C1(0) 2.00[1/m] 非球面 内側屈折面近軸曲率 C2(0) 14.00[1/m] 非球面 中心厚 T 2.00[mm] 屈折率 n 1.50 外径 φ 70.00[mm]
【0024】
【表5】 K A4 A6 A8 A10 外側屈折面 0 3.59180E-06 3.79605E-10 -6.42210E-14 -1.53223E-16 内側屈折面 0 3.40151E-06 5.29820E-09 -2.31531E-12 7.39381E-15
【0025】表4,5の構成による実施例1の眼鏡レン
ズ1bの収差は図4に示される。図4(A)の破線はメリ
ディオナルの屈折力の近軸屈折力からの差、実線はサジ
タルの屈折力の近軸屈折力からの差を示しており、これ
らの平均が像面湾曲、差が非点収差となる。図4(B)
は、歪曲収差を示す。また、以下の表6は、実施例1の
眼鏡レンズ1bの視角30゜での前後移動、上下移動、
傾きの単位変化当たりの性能変化の感度を示す。
【0026】
【表6】 像面湾曲 非点収差 前後移動感度[Dptr/mm] 0.0282 −0.0208 上下移動感度[Dptr/mm] 0.0482 0.0761 傾き感度[Dptr/deg.] 0.0163 0.0121
【0027】実施例1の構成によれば、像面湾曲、非点
収差を所定のレベルに抑えつつ、歪曲収差を従来例より
低減することができる。また、標準的な装用状態からの
ズレによる性能の変化を球面レンズを用いた従来例と比
較すると、上下移動による非点収差の感度を除き、従来
例の感度の30%〜90%程度に小さく抑えることがで
きる。非球面を用いた従来例と比較すると、全ての移動
に対する感度を30%〜80%程度に小さく抑えること
ができる。特に、傾きに対する非点収差の変動感度はい
ずれの従来例に対しても1/4程度に抑えることができ
る。
【0028】
【実施例2】図5は、実施例2の眼鏡レンズ1cの断面
図である。実施例2の眼鏡レンズ1cは、頂点屈折力−
8.00Dptrを有し、外側屈折面2cが非球面、内側屈
折面3cが球面として構成されている。実施例2の眼鏡
レンズ1cの具体的な構成は以下の表7に示される。外
側屈折面2cの非球面形状は、図6のグラフに光軸から
の距離hに対する曲率C1(h)の変化として示されてい
る。外側屈折面2cの円錐係数、非球面係数は表8に示
される。
【0029】
【表7】 頂点屈折力 SPH −8.00[Dptr] 近似球面曲率 Cs1(25) 8.41[1/m] 外側屈折面近軸曲率 C1(0) 8.91[1/m] 非球面 内側屈折面曲率 C2 21.12[1/m] 球面 中心厚 T 1.10[mm] 屈折率 n 1.66 外径 φ 70.00[mm]
【0030】
【表8】 K A4 A6 A8 A10 外側屈折面 0 -5.32140E-07 2.67877E-10 -1.63460E-13 4.48109E-17
【0031】表7,8の構成による実施例2の眼鏡レン
ズ1cの収差は図7に示される。また、以下の表9は、
実施例2の眼鏡レンズ1cの視角30゜での前後移動、
上下移動、傾きの単位変化当たりの性能変化の感度を示
す。
【0032】
【表9】 像面湾曲 非点収差 前後移動感度[Dptr/mm] 0.0874 0.0361 上下移動感度[Dptr/mm] −0.0191 −0.0481 傾き感度[Dptr/deg.] −0.0032 −0.0418
【0033】実施例2の構成によれば、同程度の屈折力
を持つ球面レンズと比較して、像面湾曲、非点収差を所
定のレベルに抑えつつ、歪曲収差を低く抑えることがで
きる。また、標準的な装用状態からのズレによる性能の
変化は、球面レンズを用いた場合より小さく抑えられ
る。
【0034】
【実施例3】図8は、実施例3の眼鏡レンズ1dの断面
図である。実施例3の眼鏡レンズ1dは、頂点屈折力−
8.00Dptrを有し、外側屈折面2cが球面、内側屈折
面3cが非球面として構成されている。実施例3の眼鏡
レンズ1dの具体的な構成は以下の表10に示される。
内側屈折面3cの非球面形状は、図9のグラフに光軸か
らの距離hに対する曲率C2(h)の変化として示されてい
る。内側屈折面3cの円錐係数、非球面係数は表11に
示される。
【0035】
【表10】 頂点屈折力 SPH −8.00[Dptr] 外側屈折面曲率 C1 8.92[1/m] 球面(=Cs1(h)) 内側屈折面近軸曲率 C2(0) 21.12[1/m] 非球面 中心厚 T 1.10[mm] 屈折率 n 1.66 外径 φ 70.00[mm]
【0036】
【表11】 K A4 A6 A8 A10 内側屈折面 0 6.07536E-07 1.46921E-10 5.27384E-14 3.96125E-16
【0037】表10,11の構成による実施例3の眼鏡
レンズ1dの収差は図10に示される。また、以下の表
12は、実施例3の眼鏡レンズ1dの視角30゜での前
後移動、上下移動、傾きの単位変化当たりの性能変化の
感度を示す。
【0038】
【表12】 像面湾曲 非点収差 前後移動感度[Dptr/mm] 0.0819 0.0293 上下移動感度[Dptr/mm] −0.0069 −0.0327 傾き感度[Dptr/deg.] 0.0019 −0.0348
【0039】実施例3の構成によれば、同程度の屈折力
を持つ球面レンズと比較して、像面湾曲、非点収差を所
定のレベルに抑えつつ、歪曲収差を低く抑えることがで
きる。また、標準的な装用状態からのズレによる性能の
変化は、球面レンズを用いた場合より小さく抑えられ
る。
【0040】
【実施例4】図11は、実施例4の眼鏡レンズ1eの断
面図である。実施例4の眼鏡レンズ1eは、頂点屈折力
−4.00Dptrを有し、外側屈折面2e、内側屈折面3
eが共に非球面として構成されている。実施例4の眼鏡
レンズ1eの具体的な構成は以下の表13に示される。
各屈折面の非球面形状は、図12のグラフに光軸からの
距離hに対する曲率C1(h)、C2(h)の変化として示され
ている。各屈折面の円錐係数、非球面係数は表14に示
される。
【0041】
【表13】 頂点屈折力 SPH −4.00[Dptr] 近似球面曲率 Cs1(25) 7.10[1/m] 外側屈折面近軸曲率 C1(0) 2.34[1/m] 非球面 内側屈折面近軸曲率 C2(0) 8.35[1/m] 非球面 中心厚 T 1.10[mm] 屈折率 n 1.66 外径 φ 70.00[mm]
【0042】
【表14】 K A4 A6 A8 A10 外側屈折面 0 2.60928E-06 2.30822E-09 -3.99013E-13 -1.71473E-16 内側屈折面 0 2.28904E-06 4.18182E-09 -7.82911E-14 1.42630E-15
【0043】表13,14の構成による実施例4の眼鏡
レンズ1cの収差は図13に示される。また、以下の表
15は、実施例4の眼鏡レンズ1eの視角30゜での前
後移動、上下移動、傾きの単位変化当たりの性能変化の
感度を示す。
【0044】
【表15】 像面湾曲 非点収差 前後移動感度[Dptr/mm] 0.0206 −0.0060 上下移動感度[Dptr/mm] 0.0130 0.0373 傾き感度[Dptr/deg.] 0.0009 −0.0048
【0045】実施例4の構成によれば、同程度の屈折力
を持つ球面レンズと比較して、像面湾曲、非点収差を所
定のレベルに抑えつつ、歪曲収差を低く抑えることがで
きる。また、標準的な装用状態からのズレによる性能の
変化は、球面レンズを用いた場合より小さく抑えられ
る。
【0046】
【実施例5】図14は、実施例5の眼鏡レンズ1fの断
面図である。実施例5の眼鏡レンズ1fは、実施例3の
眼鏡レンズ1dのh>30mmの領域の曲率を−50[1
/m]にしたものである。図15に示されるように、実施
例3のような強度近視用の眼鏡レンズ1dでは内側屈折
面の周辺部は光線が通過しない。そこで、光線が通過し
ない周辺部の曲率を小さくすることにより、レンズの縁
厚を薄くしている。実施例3の眼鏡レンズ1dの縁厚が
13.36mmであるのに対し、実施例5の眼鏡レンズ
1fの縁厚は10.71mmである。なお、実施例5の
眼鏡レンズ1fの光学的な特性は実施例3の眼鏡レンズ
1dと同一である。
【0047】上記の実施例では、単一のレンズから構成
される眼鏡レンズを例としたが、この発明は複数のレン
ズを貼り合わせて構成される複合眼鏡レンズにも適用可
能である。その場合、最も外側の面が外側屈折面、最も
眼側の面が内側屈折面となる。また、上記実施例で示さ
れる球面は、乱視矯正が必要な場合にはトーリック面と
される。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、屈折面のカーブを従来より深くすることにより、歪
曲収差の発生を抑え、かつ、眼鏡が標準的な装用状態か
らずれた場合にも性能の変化を小さく抑えることができ
る。また、両面の曲率を所定の条件を満たすよう設定す
ることにより、像面湾曲、非点収差の発生を抑えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の眼鏡レンズの形状を示す斜視図で
ある。
【図2】 実施例1の眼鏡レンズの断面図である。
【図3】 実施例1の眼鏡レンズの非球面の形状を示す
グラフである。
【図4】 実施例1の眼鏡レンズの収差を示すグラフで
ある。
【図5】 実施例2の眼鏡レンズの断面図である。
【図6】 実施例2の眼鏡レンズの非球面の形状を示す
グラフである。
【図7】 実施例2の眼鏡レンズの収差を示すグラフで
ある。
【図8】 実施例3の眼鏡レンズの断面図である。
【図9】 実施例3の眼鏡レンズの非球面の形状を示す
グラフである。
【図10】 実施例3の眼鏡レンズの収差を示すグラフ
である。
【図11】 実施例4の眼鏡レンズの断面図である。
【図12】 実施例4の眼鏡レンズの非球面の形状を示
すグラフである。
【図13】 実施例4の眼鏡レンズの収差を示すグラフ
である。
【図14】 実施例5の眼鏡レンズの断面図である。
【図15】 実施例3の眼鏡レンズを通過する光線を示
す説明図である。
【図16】 従来例1の眼鏡レンズの断面図である。
【図17】 従来例1の眼鏡レンズの収差を示すグラフ
である。
【図18】 従来例2の眼鏡レンズの断面図である。
【図19】 従来例2の眼鏡レンズの収差を示すグラフ
である。
【図20】 従来例2の眼鏡レンズの非球面の形状を示
すグラフである。
【図21】 眼鏡レンズの標準的な装用状態からのズレ
を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f 眼鏡レンズ 2,2a,2b,2c,2d,2e,2f 外側屈折面 3,3a,3b,3c,3d,3e,3f 内側屈折面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側、内側の一対の屈折面を有し、頂点
    屈折力SPH[単位:Dptr]が負であり、少なくとも一方の屈
    折面が非球面である眼鏡レンズにおいて、 レンズ素材の屈折率をn、前記レンズの光軸から距離h
    [単位:mm]の位置における前記外側屈折面と光軸を含む
    平面との交線の曲率をC1(h)[単位:1/m]、同様に前記内
    側屈折面との交線の曲率をC2(h)[単位:1/m]、前記外側
    屈折面の近似球面曲率をCs1(h)[単位:1/m]としたとき
    に、 0.3×SPH+4.0<(n−1)×Cs1(25) …(1) を満たし、少なくとも0<h<25のいずれかの位置に
    おいて、 C1(h)−C2(h)<C1(0)−C2(0) …(2) を満たすことを特徴とする眼鏡レンズ。
  2. 【請求項2】 前記外側屈折面が非球面、前記内側屈折
    面が球面またはトーリック面であり、h>0のいずれか
    位置において、 C1(h)<C1(0) …(3) を満たすことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レン
    ズ。
  3. 【請求項3】 前記外側屈折面が球面またはトーリック
    面、前記内側屈折面が非球面であり、0<h<25のい
    ずれかの位置において、 C2(h)>C2(0) …(4) を満たすことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レン
    ズ。
  4. 【請求項4】 前記非球面は光軸回りに回転対称な面で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    眼鏡レンズ。
  5. 【請求項5】 h>25のいずれかの位置において、 C2(h)<C2(0) …(5) を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の眼鏡レンズ。
  6. 【請求項6】 h>25のいずれかの位置において、 C2(h)<0 …(6) を満たすことを特徴とする請求項5に記載の眼鏡レン
    ズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007506995A (ja) * 2003-09-29 2007-03-22 ローデンストック.ゲゼルシャフト.ミット.ベシュレンクテル.ハフツング 非点収差の拡散と回転が小さい一連のプログレッシブ眼鏡レンズ
JP2010513985A (ja) * 2006-12-22 2010-04-30 エシロール アンテルナシオナル (コンパニー ジェネラレ ドプテイク) 改良された単一視力眼鏡
JP2016200612A (ja) * 2015-04-07 2016-12-01 東海光学株式会社 眼鏡用レンズの設計方法及び製造方法

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