JPH11278209A - エアバッグ展開制御装置 - Google Patents
エアバッグ展開制御装置Info
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- JPH11278209A JPH11278209A JP10101789A JP10178998A JPH11278209A JP H11278209 A JPH11278209 A JP H11278209A JP 10101789 A JP10101789 A JP 10101789A JP 10178998 A JP10178998 A JP 10178998A JP H11278209 A JPH11278209 A JP H11278209A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 1つの加速度センサを用いて、作動の要否と
衝突の激しさを判断する事のできるエアバッグ展開制御
装置を提供する。 【解決手段】 加速度信号gに基づいた、時間積分手段
8と、時間積分手段で得られた時間積分値V1を、所定
の第一速度閾値Vs1と比較してインフレータの作動要
否判断手段10と、加速度センサからの加速度信号gの
低周波成分を除去するハイパスフィルタ22と、ハイパ
スフィルタを通過した加速度値G2の最大値G2xを検
出する最大値検出手段23,24と、最大加速度値G2
xを、衝突の激しさを示す所定の第一加速度閾値SA1
と比較して、インフレータの作動形態を判断する第一作
動形態判断手段35とを備えてなるものであり、ハイパ
スフィルタを通過した加速度に基づいて時間積分すると
共に、得られた時間積分値を用いてインフレータの作動
の要否を判断し、最大加速度値を用いてインフレータの
作動の形態を判断する。
衝突の激しさを判断する事のできるエアバッグ展開制御
装置を提供する。 【解決手段】 加速度信号gに基づいた、時間積分手段
8と、時間積分手段で得られた時間積分値V1を、所定
の第一速度閾値Vs1と比較してインフレータの作動要
否判断手段10と、加速度センサからの加速度信号gの
低周波成分を除去するハイパスフィルタ22と、ハイパ
スフィルタを通過した加速度値G2の最大値G2xを検
出する最大値検出手段23,24と、最大加速度値G2
xを、衝突の激しさを示す所定の第一加速度閾値SA1
と比較して、インフレータの作動形態を判断する第一作
動形態判断手段35とを備えてなるものであり、ハイパ
スフィルタを通過した加速度に基づいて時間積分すると
共に、得られた時間積分値を用いてインフレータの作動
の要否を判断し、最大加速度値を用いてインフレータの
作動の形態を判断する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突を検知
してエアバッグ装置を作動させるための作動制御装置に
関するものであり、特に、複数のインフレータで1つの
エアバッグを展開させる方式のエアバッグ装置におい
て、衝突の程度に応じて各インフレータの作動形態(作
動数及び作動タイミング)と各インフレータの作動の要
否を判断するエアバッグの展開制御装置に関するもので
ある。
してエアバッグ装置を作動させるための作動制御装置に
関するものであり、特に、複数のインフレータで1つの
エアバッグを展開させる方式のエアバッグ装置におい
て、衝突の程度に応じて各インフレータの作動形態(作
動数及び作動タイミング)と各インフレータの作動の要
否を判断するエアバッグの展開制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より一般に使用されているエアバッ
グ装置は、1つのインフレータで1つのエアバッグを展
開させる方式である。この方式においては、車載された
加速度センサによって、車両の加速度変化を常時検知
し、この加速度信号を1回積分或いは2回積分等の適宜
の演算処理を行い、所定の閾値と比較して該閾値を越え
た場合には、インフレータの点火回路に作動信号を発し
て、インフレータを作動させ、エアバッグを展開させる
方式である。
グ装置は、1つのインフレータで1つのエアバッグを展
開させる方式である。この方式においては、車載された
加速度センサによって、車両の加速度変化を常時検知
し、この加速度信号を1回積分或いは2回積分等の適宜
の演算処理を行い、所定の閾値と比較して該閾値を越え
た場合には、インフレータの点火回路に作動信号を発し
て、インフレータを作動させ、エアバッグを展開させる
方式である。
【0003】この方式では、安全規格に基づき、50k
m/hの速度で正面衝突した場合に最高の能力を発揮す
る様に設計されているので、衝突の激しさや乗員の位置
或いは姿勢に拘らず、前記閾値さえ越えれば、エアバッ
グは一定の特性で展開する様になっている。従って、中
低速の衝突の場合には、乗員を保護するには過剰な展開
エネルギでバッグが展開する事になり、乗員の位置がバ
ッグに近かったり、乗員の体格が小さい場合には、乗員
が展開したバッグによって傷害を受けるおそれがあっ
た。
m/hの速度で正面衝突した場合に最高の能力を発揮す
る様に設計されているので、衝突の激しさや乗員の位置
或いは姿勢に拘らず、前記閾値さえ越えれば、エアバッ
グは一定の特性で展開する様になっている。従って、中
低速の衝突の場合には、乗員を保護するには過剰な展開
エネルギでバッグが展開する事になり、乗員の位置がバ
ッグに近かったり、乗員の体格が小さい場合には、乗員
が展開したバッグによって傷害を受けるおそれがあっ
た。
【0004】そこで、これらの問題に対する解決策の1
つとして、衝突の程度、乗員の体格や位置、シートベル
ト装着の有無等の諸条件に応じて、インフレータの出力
を最適に制御し、乗員の傷害値を最適化する所謂「スマ
ートエアバッグシステム」と呼ばれる新たなシステムが
提案されている。このスマートエアバッグシステムにお
いては、インフレータの出力を最適化するために、1つ
のエアバッグに対して複数のインフレータを配置し、衝
突の激しさの程度や乗員の着座位置及び姿勢その他の諸
条件に応じて、インフレータの作動形態、即ち、作動さ
せるインフレータの数及びタイミングを制御する事によ
ってインフレータの出力を最適化する様に構成する事が
必要であるが、現在までに、その具体的な制御システム
は実用化されていない。
つとして、衝突の程度、乗員の体格や位置、シートベル
ト装着の有無等の諸条件に応じて、インフレータの出力
を最適に制御し、乗員の傷害値を最適化する所謂「スマ
ートエアバッグシステム」と呼ばれる新たなシステムが
提案されている。このスマートエアバッグシステムにお
いては、インフレータの出力を最適化するために、1つ
のエアバッグに対して複数のインフレータを配置し、衝
突の激しさの程度や乗員の着座位置及び姿勢その他の諸
条件に応じて、インフレータの作動形態、即ち、作動さ
せるインフレータの数及びタイミングを制御する事によ
ってインフレータの出力を最適化する様に構成する事が
必要であるが、現在までに、その具体的な制御システム
は実用化されていない。
【0005】その理由としては、車室内に設置した加速
度センサからの加速度信号に基づいてこれを時間積分
し、得られた時間積分値を所定の閾値と比較してエアバ
ッグ装置の作動の要否を判断する方式が一般的であり、
この時間積分値は、車体の構造や衝突の形態によって
は、衝突直後の時間積分値に大差が生じず、差が生じた
時点で衝突の激しさを判断する事になるが、この時間積
分値のみによって、インフレータの作動の要否と作動の
形態の両方を判断したのでは、インフレータの作動制御
には遅過ぎる事になり、インフレータ作動の最適化が行
い難いという問題があった。
度センサからの加速度信号に基づいてこれを時間積分
し、得られた時間積分値を所定の閾値と比較してエアバ
ッグ装置の作動の要否を判断する方式が一般的であり、
この時間積分値は、車体の構造や衝突の形態によって
は、衝突直後の時間積分値に大差が生じず、差が生じた
時点で衝突の激しさを判断する事になるが、この時間積
分値のみによって、インフレータの作動の要否と作動の
形態の両方を判断したのでは、インフレータの作動制御
には遅過ぎる事になり、インフレータ作動の最適化が行
い難いという問題があった。
【0006】そこで、車室内とクラッシュゾーンの2ケ
所に加速度センサを設置し、両センサから検出される加
速度変化の差異に基づいて、インフレータの作動要否と
作動形態との判断を行う方式を本願発明者らが提案して
いる。この方式の場合には、2つの加速度から出力され
る加速度波形には、衝突形態に応じて明確な差異が認め
られるので、的確にインフレータの作動要否と作動形態
の判断を行う事が可能となるが、加速度センサを2つ用
いるため、コスト高となる問題点がある。
所に加速度センサを設置し、両センサから検出される加
速度変化の差異に基づいて、インフレータの作動要否と
作動形態との判断を行う方式を本願発明者らが提案して
いる。この方式の場合には、2つの加速度から出力され
る加速度波形には、衝突形態に応じて明確な差異が認め
られるので、的確にインフレータの作動要否と作動形態
の判断を行う事が可能となるが、加速度センサを2つ用
いるため、コスト高となる問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、係る従来の
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、1つの加速度センサを用いて、エアバッグ装置
の作動の要否と衝突の激しさを判断する事のできるシス
テム、即ち、インフレータの作動要否判断と作動形態判
断を適切に行い、インフレータ出力の最適制御を行う事
によって、衝突の激しさの度合いに合ったエアバッグの
展開を実現し、且つ、低コストのエアバッグ展開制御装
置を提供する事を目的とするものである。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、1つの加速度センサを用いて、エアバッグ装置
の作動の要否と衝突の激しさを判断する事のできるシス
テム、即ち、インフレータの作動要否判断と作動形態判
断を適切に行い、インフレータ出力の最適制御を行う事
によって、衝突の激しさの度合いに合ったエアバッグの
展開を実現し、且つ、低コストのエアバッグ展開制御装
置を提供する事を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、1つのエアバッグに対し
て複数のインフレータを備え、車載された加速度センサ
からの加速度信号に基づいた演算処理によって車両の衝
突を検知し、その衝突の程度に応じて前記インフレータ
の作動を制御する様にしたエアバッグ装置の展開制御装
置において、前記加速度信号に基づいた演算処理によ
り、加速度値を時間積分する手段と、該時間積分手段で
得られた時間積分値を、所定の第一速度閾値と比較して
前記インフレータの作動の要否を判断する作動要否判断
手段と、前記加速度センサからの加速度信号の低周波成
分を除去するハイパスフィルタと、該ハイパスフィルタ
を通過した加速度値の最大値を検出する最大値検出手段
と、該検出された最大加速度値を、衝突の激しさを示す
所定の第一加速度閾値と比較して前記インフレータの作
動形態を判断する第一作動形態判断手段とを備えてなる
ものであり、ハイパスフィルタを通過した加速度に基づ
いて時間積分すると共に、得られた時間積分値を用いて
インフレータの作動の要否を判断し、最大加速度値を用
いてインフレータの作動の形態を判断する点に特徴を有
するものである。
成するためになされたもので、1つのエアバッグに対し
て複数のインフレータを備え、車載された加速度センサ
からの加速度信号に基づいた演算処理によって車両の衝
突を検知し、その衝突の程度に応じて前記インフレータ
の作動を制御する様にしたエアバッグ装置の展開制御装
置において、前記加速度信号に基づいた演算処理によ
り、加速度値を時間積分する手段と、該時間積分手段で
得られた時間積分値を、所定の第一速度閾値と比較して
前記インフレータの作動の要否を判断する作動要否判断
手段と、前記加速度センサからの加速度信号の低周波成
分を除去するハイパスフィルタと、該ハイパスフィルタ
を通過した加速度値の最大値を検出する最大値検出手段
と、該検出された最大加速度値を、衝突の激しさを示す
所定の第一加速度閾値と比較して前記インフレータの作
動形態を判断する第一作動形態判断手段とを備えてなる
ものであり、ハイパスフィルタを通過した加速度に基づ
いて時間積分すると共に、得られた時間積分値を用いて
インフレータの作動の要否を判断し、最大加速度値を用
いてインフレータの作動の形態を判断する点に特徴を有
するものである。
【0009】尚、前記最大加速度値を用いてインフレー
タの作動の形態を判断する第一作動形態判断手段に代え
て、前記加速度センサからの加速度信号の第一波のピー
ク値を検出する第一波検出手段し、この第一波のピーク
加速度値を、衝突の激しさを示す所定の第二加速度閾値
と比較して前記インフレータの作動形態を判断する第二
作動形態判断手段を用いる方式も有効であり、又両者を
併用する方式も好ましい方式である。
タの作動の形態を判断する第一作動形態判断手段に代え
て、前記加速度センサからの加速度信号の第一波のピー
ク値を検出する第一波検出手段し、この第一波のピーク
加速度値を、衝突の激しさを示す所定の第二加速度閾値
と比較して前記インフレータの作動形態を判断する第二
作動形態判断手段を用いる方式も有効であり、又両者を
併用する方式も好ましい方式である。
【0010】又、前記作動要否判断手段として、前記時
間積分値を前記第一速度閾値の比較する第一判断部と、
前記時間積分値の変化率を所定の第三加速度閾値と比較
して前記インフレータの作動の要否を判断する第二判断
部とから構成し、両者を、AND回路又はOR回路或い
は両者を時間の経過と共に切り換える様になす方式も好
ましい方式である。
間積分値を前記第一速度閾値の比較する第一判断部と、
前記時間積分値の変化率を所定の第三加速度閾値と比較
して前記インフレータの作動の要否を判断する第二判断
部とから構成し、両者を、AND回路又はOR回路或い
は両者を時間の経過と共に切り換える様になす方式も好
ましい方式である。
【0011】又、前記インフレータの作動形態を、エア
バッグを急速に展開させる急展開とエアバッグ緩やかに
展開させる緩展開の2つに区分し、急展開の場合には、
全てのインフレータを同時又は短時間の時間差で作動さ
せ、緩展開の場合には、一部のインフレータのみを作動
させる様にする方式が最も代表的な展開形態であり、そ
の内でも、2つのインフレータを用いる方式が、最も一
般的である。
バッグを急速に展開させる急展開とエアバッグ緩やかに
展開させる緩展開の2つに区分し、急展開の場合には、
全てのインフレータを同時又は短時間の時間差で作動さ
せ、緩展開の場合には、一部のインフレータのみを作動
させる様にする方式が最も代表的な展開形態であり、そ
の内でも、2つのインフレータを用いる方式が、最も一
般的である。
【0012】更に、前記作動形態判断の初期値を、緩展
開形態に設定しておき、前記作動形態判断手段において
急展開の判断がなされると、前記設定値を急展開に変更
する様になし、前記作動要否判断で作動“要”の判断が
なされ、且つ、作動形態判断で急展開の判断がなされな
ければ、緩展開形態でインフレータを作動させる様にな
す事も可能である。
開形態に設定しておき、前記作動形態判断手段において
急展開の判断がなされると、前記設定値を急展開に変更
する様になし、前記作動要否判断で作動“要”の判断が
なされ、且つ、作動形態判断で急展開の判断がなされな
ければ、緩展開形態でインフレータを作動させる様にな
す事も可能である。
【0013】又、前記時間積分値と所定の第二速度閾値
とを比較して、前記初期設定されている緩展開形態での
エアバッグの展開を保留すべきか否かを判断する第一緩
展開出力保留判断手段を設け、前記作動要否判断手段に
おいて、作動“要”の判断がなされている場合であって
も、前記作動形態判断手段において急展開判断がなされ
ていない場合に、前記第一緩展開出力保留判断手段にお
ける判断として、前記時間積分値が前記第二速度閾値以
上の判断がなされた場合には、前記インフレータに緩展
開形態での作動指示を出し、前記時間積分値が前記第二
速度閾値未満の判断の場合には、該緩展開出力を保留し
て、更に演算を継続する様になすのも、更に好ましい方
式である。
とを比較して、前記初期設定されている緩展開形態での
エアバッグの展開を保留すべきか否かを判断する第一緩
展開出力保留判断手段を設け、前記作動要否判断手段に
おいて、作動“要”の判断がなされている場合であって
も、前記作動形態判断手段において急展開判断がなされ
ていない場合に、前記第一緩展開出力保留判断手段にお
ける判断として、前記時間積分値が前記第二速度閾値以
上の判断がなされた場合には、前記インフレータに緩展
開形態での作動指示を出し、前記時間積分値が前記第二
速度閾値未満の判断の場合には、該緩展開出力を保留し
て、更に演算を継続する様になすのも、更に好ましい方
式である。
【0014】又、前記第一緩展開出力保留判断手段に代
えて、演算開始後の経過時間と所定の時間閾値と比較し
て、緩展開形態でのエアバッグの展開を保留すべきか否
かを判断する第二緩展開出力保留判断手段を設け、該緩
展開出力保留判断手段において、前記経過時間が所定の
時間閾値以上の場合には、前記インフレータに緩展開形
態での作動指示を出し、前記経過時間が時間閾値未満の
場合には、該緩展開出力を保留して、更に演算を継続す
る様になす方式もある。
えて、演算開始後の経過時間と所定の時間閾値と比較し
て、緩展開形態でのエアバッグの展開を保留すべきか否
かを判断する第二緩展開出力保留判断手段を設け、該緩
展開出力保留判断手段において、前記経過時間が所定の
時間閾値以上の場合には、前記インフレータに緩展開形
態での作動指示を出し、前記経過時間が時間閾値未満の
場合には、該緩展開出力を保留して、更に演算を継続す
る様になす方式もある。
【0015】又、インフレータの作動形態判断におい
て、緩展開と判断されて前記第一インフレータを作動さ
せた後も、前記作動形態判断のための演算を継続し、該
第一インフレータの作動後の所定時間内に、前記作動形
態判断において急展開の判断がなされた場合には、前記
第二インフレータも作動させる様になすのも好ましい方
式である。尚、この場合に、第一インフレータの作動
後、所定時間が経過すると全ての演算を終了する様にな
す方式がある。
て、緩展開と判断されて前記第一インフレータを作動さ
せた後も、前記作動形態判断のための演算を継続し、該
第一インフレータの作動後の所定時間内に、前記作動形
態判断において急展開の判断がなされた場合には、前記
第二インフレータも作動させる様になすのも好ましい方
式である。尚、この場合に、第一インフレータの作動
後、所定時間が経過すると全ての演算を終了する様にな
す方式がある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、図面の実施例に従って本
発明の内容を詳細に説明する。図1は、本発明のエアバ
ッグ展開制御装置の制御フローを示す上工程であり、図
2は、その下工程である。先ず、図1において、演算回
路は、リセット回路1で全ての演算値がリセットされ、
加速度センサ2からの加速度信号gは、加速度読取器3
を経てブロック21に送信され、ここで、加速度値gが
所定の値以上に達すると演算が開始され、所定の加速度
値g1が減算・オフセット処置され、更に、このオフセ
ット処理された加速度値を加速度G1としてセットす
る。
発明の内容を詳細に説明する。図1は、本発明のエアバ
ッグ展開制御装置の制御フローを示す上工程であり、図
2は、その下工程である。先ず、図1において、演算回
路は、リセット回路1で全ての演算値がリセットされ、
加速度センサ2からの加速度信号gは、加速度読取器3
を経てブロック21に送信され、ここで、加速度値gが
所定の値以上に達すると演算が開始され、所定の加速度
値g1が減算・オフセット処置され、更に、このオフセ
ット処理された加速度値を加速度G1としてセットす
る。
【0017】同時に、加速度信号gをハイパスフィルタ
22を通し、該ハイパスフィルタ22を通過した加速度
成分G2を得る。このハイパスフィルタ処理を、図5に
より説明する。図5(A)は、ハイパスフィルタ通過前
の加速度波形を示しており、同図(B)は、同フィルタ
通過後の加速度波形を示している。図(A)の加速度波
形には、振幅の大きな高周波の加速度成分aと、点線で
示した低周波の加速度成分bが含まれており、該フィル
タを通す事によって低周波成分bが除去されて高周波成
分のみとなる。これにより、後述する如く、ラフロード
やエアバッグの展開が不必要な低速衝突、又は、エアバ
ッグの展開が好ましいが急速な展開は不要な軽衝突等に
よって生じる加速度波形と、エアバッグの急速な展開が
必要な重衝突によって発生する加速度波形とが区別さ
れ、特に、ラフロードによる加速度波形は除去される事
になる。即ち、高速正突等の衝突の場合には、車体前部
のクラッシュゾーンが先ず破壊,圧壊,変形等により、
高周波の加速度変化が生じるが、ラフロードの場合に
は、車体底部が擦られて生じる減速によるものであり、
車体の変形は生じないので、低周波の加速度波形とな
る。従って、加速度gを上記ハイパスフィルタ22を通
す事により、ラフロード等による低周波成分は除去され
て、衝突の厳しさ判断における誤判断を未然に防止する
様になっている。
22を通し、該ハイパスフィルタ22を通過した加速度
成分G2を得る。このハイパスフィルタ処理を、図5に
より説明する。図5(A)は、ハイパスフィルタ通過前
の加速度波形を示しており、同図(B)は、同フィルタ
通過後の加速度波形を示している。図(A)の加速度波
形には、振幅の大きな高周波の加速度成分aと、点線で
示した低周波の加速度成分bが含まれており、該フィル
タを通す事によって低周波成分bが除去されて高周波成
分のみとなる。これにより、後述する如く、ラフロード
やエアバッグの展開が不必要な低速衝突、又は、エアバ
ッグの展開が好ましいが急速な展開は不要な軽衝突等に
よって生じる加速度波形と、エアバッグの急速な展開が
必要な重衝突によって発生する加速度波形とが区別さ
れ、特に、ラフロードによる加速度波形は除去される事
になる。即ち、高速正突等の衝突の場合には、車体前部
のクラッシュゾーンが先ず破壊,圧壊,変形等により、
高周波の加速度変化が生じるが、ラフロードの場合に
は、車体底部が擦られて生じる減速によるものであり、
車体の変形は生じないので、低周波の加速度波形とな
る。従って、加速度gを上記ハイパスフィルタ22を通
す事により、ラフロード等による低周波成分は除去され
て、衝突の厳しさ判断における誤判断を未然に防止する
様になっている。
【0018】次に、上記ハイパスフィルタ22を通過し
た加速度成分G2は、第二比較器23に送信され、ここ
で、それまでの演算により検出された最大加速度G2x
と比較されて、該最大加速度G2xよりも大きな場合
(G2>G2x)の場合には、該加速度値G2を最大加
速度設定器24に送信し、その時の加速度値G2を新た
な最大加速度値G2xに設定し、以後も同様な処理を行
う。例えば、図5(B)の場合には、ある段階での加速
度の最大値がG2x1と設定されていれば、次の段階で
は、それよりも大きなG2x2に設定値が変更され、続
いてG2x3,G2x4,G2x5へと順次変更され
る。
た加速度成分G2は、第二比較器23に送信され、ここ
で、それまでの演算により検出された最大加速度G2x
と比較されて、該最大加速度G2xよりも大きな場合
(G2>G2x)の場合には、該加速度値G2を最大加
速度設定器24に送信し、その時の加速度値G2を新た
な最大加速度値G2xに設定し、以後も同様な処理を行
う。例えば、図5(B)の場合には、ある段階での加速
度の最大値がG2x1と設定されていれば、次の段階で
は、それよりも大きなG2x2に設定値が変更され、続
いてG2x3,G2x4,G2x5へと順次変更され
る。
【0019】次に、前記オフセット及びカットオフされ
た加速度値G1は、時間設定器7を経て、積分器8にお
いて微小時間ti毎の時間積分がなされ、その累積値が
時間積分値V1として設定される。
た加速度値G1は、時間設定器7を経て、積分器8にお
いて微小時間ti毎の時間積分がなされ、その累積値が
時間積分値V1として設定される。
【0020】次に、この時間積分値V1は、第三比較器
9において、0(ゼロ)又はその近傍の所定の値(図で
は0と記載)と比較され、該所定の値より小さい場合
(図ではV1<0の場合)には、第一インフレータの作
動済判定器25にて第一インフレータが作動済か否かを
判定し、該第一インフレータが未作動の場合には、リセ
ット回路1に送信されて演算がリセットされる。このリ
セット回路1に到る演算は、エアバッグの展開が不必要
な比較的緩やかな加速度が入力された場合の演算であ
る。尚、第一インフレータが既に作動している場合に
は、演算は終了する。
9において、0(ゼロ)又はその近傍の所定の値(図で
は0と記載)と比較され、該所定の値より小さい場合
(図ではV1<0の場合)には、第一インフレータの作
動済判定器25にて第一インフレータが作動済か否かを
判定し、該第一インフレータが未作動の場合には、リセ
ット回路1に送信されて演算がリセットされる。このリ
セット回路1に到る演算は、エアバッグの展開が不必要
な比較的緩やかな加速度が入力された場合の演算であ
る。尚、第一インフレータが既に作動している場合に
は、演算は終了する。
【0021】一方、前記微小時間ti毎の時間積分値が
累積されて、前記時間積分値V1が前記所定の値以上
(図ではV1≧0)となると、次の第一波検出器26に
て加速度波形の第一波を検出する。即ち、図6に示す様
に前記加速度変化率Jの前回の演算における変化率J
(t−ti)と今回の変化率J(t)の変化を検出し、
該変化率が正(J>0)の場合には、加速度値は増加過
程にある事を意味し、J<0の場合には、加速度値は減
少過程にある事を意味し、J=0(ゼロ)の点でピーク
を意味するが、前記微小時間ti間隔で加速度gを検出
しているので、必ずしも、J=0の時点を検出できると
は限らない。そこで、J(t−ti)≧0でJ(t)<
0の場合には、加速度波形のピークGpを検出したとし
て、設定器27において、第一波ピークを意味するフラ
ッグP=1に設定し、続いてブロック45において、検
出されたGpを設定する。このピーク検出に用いる加速
度波形は、前記ハイパスフィルタ22を通っていない加
速度G1の波形が好ましいが、該ハイパスフィルタ22
を通過した加速度G2でもよい。尚、前記第一波検出器
26における前記符号の初期設定値は、P=0に設定さ
れているので、第一波のピークが検出された後は、P=
1に設定変更され、次回以後の演算においては、前記設
定器27を経る事なく、次の演算に移行する。
累積されて、前記時間積分値V1が前記所定の値以上
(図ではV1≧0)となると、次の第一波検出器26に
て加速度波形の第一波を検出する。即ち、図6に示す様
に前記加速度変化率Jの前回の演算における変化率J
(t−ti)と今回の変化率J(t)の変化を検出し、
該変化率が正(J>0)の場合には、加速度値は増加過
程にある事を意味し、J<0の場合には、加速度値は減
少過程にある事を意味し、J=0(ゼロ)の点でピーク
を意味するが、前記微小時間ti間隔で加速度gを検出
しているので、必ずしも、J=0の時点を検出できると
は限らない。そこで、J(t−ti)≧0でJ(t)<
0の場合には、加速度波形のピークGpを検出したとし
て、設定器27において、第一波ピークを意味するフラ
ッグP=1に設定し、続いてブロック45において、検
出されたGpを設定する。このピーク検出に用いる加速
度波形は、前記ハイパスフィルタ22を通っていない加
速度G1の波形が好ましいが、該ハイパスフィルタ22
を通過した加速度G2でもよい。尚、前記第一波検出器
26における前記符号の初期設定値は、P=0に設定さ
れているので、第一波のピークが検出された後は、P=
1に設定変更され、次回以後の演算においては、前記設
定器27を経る事なく、次の演算に移行する。
【0022】次に、前記検出された第一波の加速度値G
pは、第二作動形態判断器28において衝突の厳しさの
判断、即ち、インフレータの展開形態判断のための第二
加速度閾値SA2と比較され、第一波ピーク加速度が第
二加速度閾値以上(Gp>SA2)の場合には、重衝突
と判断し、設定器29において、フラッグSを、初期値
の軽衝突を意味するS=0から、エアバッグの急展開を
意味するS=1に修正する。一方、Gp≦SA2の場合
には、前記フラッグは、軽衝突のS=0のままで演算が
継続される事になる。
pは、第二作動形態判断器28において衝突の厳しさの
判断、即ち、インフレータの展開形態判断のための第二
加速度閾値SA2と比較され、第一波ピーク加速度が第
二加速度閾値以上(Gp>SA2)の場合には、重衝突
と判断し、設定器29において、フラッグSを、初期値
の軽衝突を意味するS=0から、エアバッグの急展開を
意味するS=1に修正する。一方、Gp≦SA2の場合
には、前記フラッグは、軽衝突のS=0のままで演算が
継続される事になる。
【0023】次に、図2に示す様に、前記設定器29か
らの信号又は、前記第一波検出器26の条件を満足しな
い場合、例えば、第一波を検出した後の第一波検出器2
6からの信号は、次の第一作動形態判断器35に送信さ
れ、ここでは、前記設定器24で設定されているハイパ
スフィルタ22を通過した加速度波形の最大加速度値G
2xが、所定の第一加速度閾値SA1と比較され、該閾
値以上(G2x≧SA1)の場合には、重衝突と判断
し、設定器32において、フラッグSを、エアバッグの
急展開を意味する1(S=1)に設定する。一方、G2
x<SA1の場合には、前記フラッグは、軽衝突のS=
0のままで演算が継続される事は、前述の場合と同一で
ある。
らの信号又は、前記第一波検出器26の条件を満足しな
い場合、例えば、第一波を検出した後の第一波検出器2
6からの信号は、次の第一作動形態判断器35に送信さ
れ、ここでは、前記設定器24で設定されているハイパ
スフィルタ22を通過した加速度波形の最大加速度値G
2xが、所定の第一加速度閾値SA1と比較され、該閾
値以上(G2x≧SA1)の場合には、重衝突と判断
し、設定器32において、フラッグSを、エアバッグの
急展開を意味する1(S=1)に設定する。一方、G2
x<SA1の場合には、前記フラッグは、軽衝突のS=
0のままで演算が継続される事は、前述の場合と同一で
ある。
【0024】次に、G2x<SA1の場合及び前記設定
器32にてエアバッグの急展開のフラッグ設定を行った
信号は、第一インフレータ作動有無の確認をする第一イ
ンフレータの作動済判定器30に送信され、第一インフ
レータが作動していない場合には、確認器31で後述す
る作動要否判断済のフラッグ信号(E=1)が入力され
ているか否かを確認し、E=1が入力されていなけれ
ば、次の作動要否判断器10に送信される。この作動要
否判断器には、前記時間積分値V1と所定の第一速度閾
値Vs1との比較を行う第一判断部と、前記時間積分値
V1の変化率G’(=ΔV1/Δt)と所定の第三加速
度閾値Gs3との比較を行う第二判断部とからなり、第
一判断部における判断がV1≧Vs1の場合及び/或い
は第二判断部における判断がG’≧Gs3の場合には、
該作動要否判断器10における判断結果として作動
“要”の判断を行い、設定器33にて、フラッグEをイ
ンフレータ作動“要”を意味する1(E=1)に設定す
る。尚、V1<Vs1,G’<Gs3の場合には、該フ
ラッグは、インフレータの作動“不要”を意味するE=
0の初期設定値のままで、次の演算に移行する。
器32にてエアバッグの急展開のフラッグ設定を行った
信号は、第一インフレータ作動有無の確認をする第一イ
ンフレータの作動済判定器30に送信され、第一インフ
レータが作動していない場合には、確認器31で後述す
る作動要否判断済のフラッグ信号(E=1)が入力され
ているか否かを確認し、E=1が入力されていなけれ
ば、次の作動要否判断器10に送信される。この作動要
否判断器には、前記時間積分値V1と所定の第一速度閾
値Vs1との比較を行う第一判断部と、前記時間積分値
V1の変化率G’(=ΔV1/Δt)と所定の第三加速
度閾値Gs3との比較を行う第二判断部とからなり、第
一判断部における判断がV1≧Vs1の場合及び/或い
は第二判断部における判断がG’≧Gs3の場合には、
該作動要否判断器10における判断結果として作動
“要”の判断を行い、設定器33にて、フラッグEをイ
ンフレータ作動“要”を意味する1(E=1)に設定す
る。尚、V1<Vs1,G’<Gs3の場合には、該フ
ラッグは、インフレータの作動“不要”を意味するE=
0の初期設定値のままで、次の演算に移行する。
【0025】前記作動要否判断器10においては、前記
時間積分値V1による第一判断部のみでは、重衝突の場
合に作動遅れを生じるおそれがあるので、前記時間積分
値V1の変化率G’を用いて作動の要否を判断する第二
作動判断部を設けている。即ち、前記変化率G’が大き
な値を示す事は、急激な加速度の上昇を意味し、換言す
ると、車体に急激な減速が生じている事を意味している
ので、該時間積分値の変化率G’が大きな値を示す場合
には、エアバッグを展開させるべきとの判断をなす様に
している。これにより、重衝突における作動遅れを防止
すると共に、車体剛性の低い車の場合には、衝突初期の
段階では車体前部のクラッシュゾーンが変形或いは圧壊
するため、車室内に設置した加速度センサには、初期の
段階では低い加速度値が現れ、続いて車室内の変形が始
まると急激な加速度変化が生じて前記時間積分値V1は
急激に大きくなるので、その変化率G’を検出する事に
よって、剛性の低い車におけるエアバッグ装置の作動遅
れをも防止する事が可能となる。
時間積分値V1による第一判断部のみでは、重衝突の場
合に作動遅れを生じるおそれがあるので、前記時間積分
値V1の変化率G’を用いて作動の要否を判断する第二
作動判断部を設けている。即ち、前記変化率G’が大き
な値を示す事は、急激な加速度の上昇を意味し、換言す
ると、車体に急激な減速が生じている事を意味している
ので、該時間積分値の変化率G’が大きな値を示す場合
には、エアバッグを展開させるべきとの判断をなす様に
している。これにより、重衝突における作動遅れを防止
すると共に、車体剛性の低い車の場合には、衝突初期の
段階では車体前部のクラッシュゾーンが変形或いは圧壊
するため、車室内に設置した加速度センサには、初期の
段階では低い加速度値が現れ、続いて車室内の変形が始
まると急激な加速度変化が生じて前記時間積分値V1は
急激に大きくなるので、その変化率G’を検出する事に
よって、剛性の低い車におけるエアバッグ装置の作動遅
れをも防止する事が可能となる。
【0026】又、上記第一判断部と第二判断部とは、A
ND回路又はOR回路を介して接続されており、衝突初
期の段階ではAND回路で接続する事により誤作動を防
止する様になし、一定時間が経過するとOR回路に切り
替わる様になすのが好ましい接続の仕方である。
ND回路又はOR回路を介して接続されており、衝突初
期の段階ではAND回路で接続する事により誤作動を防
止する様になし、一定時間が経過するとOR回路に切り
替わる様になすのが好ましい接続の仕方である。
【0027】次に、前記作動要否設定器33からの信号
は、急展開判断器34に送信され、前記第一作動形態判
断器35又は第二作動形態判断器28における判断によ
って急展開フラッグS=1が設定されていれば、それを
確認し、トリガ回路37に第一インフレータと第二イン
フレータを同時に作動させるべく作動信号を出力してエ
アバッグを急展開させる。
は、急展開判断器34に送信され、前記第一作動形態判
断器35又は第二作動形態判断器28における判断によ
って急展開フラッグS=1が設定されていれば、それを
確認し、トリガ回路37に第一インフレータと第二イン
フレータを同時に作動させるべく作動信号を出力してエ
アバッグを急展開させる。
【0028】一方、急展開フラッグが設定されていない
場合には、演算は、次の第一緩展開出力保留判断器36
に進み、ここで、前記時間積分値V1と所定の第二速度
閾値SV2とが比較され、V1≧SV2の場合には、ト
リガ回路38に、第一インフレータのみを作動させる作
動信号を出力してエアバッグを緩展開させ、同時に、時
間設定器39で、演算開始から第一インフレータが作動
するまでの時間を検知して、これをTTFとして設定
し、前述の加速度読取器3に戻って上記演算を継続す
る。又、前記作動要否判断器10において、V1<Vs
1及びG’<Gs3の場合にも、上記加速度読取器3に
戻って上記演算を継続する。この様に、第一緩展開出力
保留判断器36では、前記作動形態判断器において急展
開形態の判断がなされていない場合、即ち、展開形態判
断が初期値の緩展開形態(S=0)の状態のままの場合
に、インフレータに、エアバッグを緩展開させるべき作
動信号を出力すべきか、保留すべきかを判断するもので
あり、これにより、単に作動要否判断手段のみの判断に
よってエアバッグを展開させるのではなく、更に、慎重
な判断を行う事によって、エアバッグの安全性の向上を
図る様にしている。
場合には、演算は、次の第一緩展開出力保留判断器36
に進み、ここで、前記時間積分値V1と所定の第二速度
閾値SV2とが比較され、V1≧SV2の場合には、ト
リガ回路38に、第一インフレータのみを作動させる作
動信号を出力してエアバッグを緩展開させ、同時に、時
間設定器39で、演算開始から第一インフレータが作動
するまでの時間を検知して、これをTTFとして設定
し、前述の加速度読取器3に戻って上記演算を継続す
る。又、前記作動要否判断器10において、V1<Vs
1及びG’<Gs3の場合にも、上記加速度読取器3に
戻って上記演算を継続する。この様に、第一緩展開出力
保留判断器36では、前記作動形態判断器において急展
開形態の判断がなされていない場合、即ち、展開形態判
断が初期値の緩展開形態(S=0)の状態のままの場合
に、インフレータに、エアバッグを緩展開させるべき作
動信号を出力すべきか、保留すべきかを判断するもので
あり、これにより、単に作動要否判断手段のみの判断に
よってエアバッグを展開させるのではなく、更に、慎重
な判断を行う事によって、エアバッグの安全性の向上を
図る様にしている。
【0029】尚、前記演算開始から第一インフレータが
作動するまでの時間TTFが設定されると、この時間は
時間比較器40に入力される。そして、前記第一インフ
レータ作動済判定器30において、第一インフレータが
作動済と判定されると、前記時間比較器40では、演算
開始後の経過時間tを、前記第一インフレータ作動まで
の経過時間TTFに予め設定されている時間teとの和
(te+TTF)で表される許容経過時間とを比較し、
演算開始からの経過時間が許容経過時間よりも小さい場
合(t<te+TTF)には、前記第一作動形態判断器
28又は第二作動形態判断器35において、急展開フラ
ッグS=1が設定されておれば、これを急展開確認器4
1においてこれを確認し、直ちに第二インフレータのト
リガ回路42に作動指示信号を送信して第二インフレー
タを作動させる。
作動するまでの時間TTFが設定されると、この時間は
時間比較器40に入力される。そして、前記第一インフ
レータ作動済判定器30において、第一インフレータが
作動済と判定されると、前記時間比較器40では、演算
開始後の経過時間tを、前記第一インフレータ作動まで
の経過時間TTFに予め設定されている時間teとの和
(te+TTF)で表される許容経過時間とを比較し、
演算開始からの経過時間が許容経過時間よりも小さい場
合(t<te+TTF)には、前記第一作動形態判断器
28又は第二作動形態判断器35において、急展開フラ
ッグS=1が設定されておれば、これを急展開確認器4
1においてこれを確認し、直ちに第二インフレータのト
リガ回路42に作動指示信号を送信して第二インフレー
タを作動させる。
【0030】前記急展開確認器41において、急展開フ
ラッグS=1が設定されていない場合には、更に演算を
継続する。又、前記時間比較器40において、演算開始
からの経過時間tが所定の許容時間を経過した場合(t
≧te+TTF)には、この時点からインフレータの出
力を増加させると乗員に危害を及ぼすおそれがあると判
断し、演算を終了する様になっている。
ラッグS=1が設定されていない場合には、更に演算を
継続する。又、前記時間比較器40において、演算開始
からの経過時間tが所定の許容時間を経過した場合(t
≧te+TTF)には、この時点からインフレータの出
力を増加させると乗員に危害を及ぼすおそれがあると判
断し、演算を終了する様になっている。
【0031】次に、図3は、本発明の他の実施例を示す
フローチャートであり、図2に相当する後半部のみを示
している。図3において、図2と相違する点は、図2に
おける時間積分値V1を第二速度閾値Vs2とを比較す
る第一緩展開出力保留判断器36に代えて、演算開始か
らの経過時間tを所定の時間閾値tsと比較する第二緩
展開出力保留判断器43を設けている点であり、その他
の部分は図2と同一であるので、同一構成は同一符号を
付して説明を省略する。この第二緩展開出力保留判断器
43では、演算開始後の経過時間tが所定の時間閾値t
sと比較され、演算開始後、所定の時間が経過した場合
(t≧ts)には、直ちに第一インフレータのトリガ回
路38に作動信号を発し、第一インフレータのみによっ
てエアバッグを展開させる。尚、t<tsの場合には、
加速度読取器3に戻って演算を継続する様になしてい
る。
フローチャートであり、図2に相当する後半部のみを示
している。図3において、図2と相違する点は、図2に
おける時間積分値V1を第二速度閾値Vs2とを比較す
る第一緩展開出力保留判断器36に代えて、演算開始か
らの経過時間tを所定の時間閾値tsと比較する第二緩
展開出力保留判断器43を設けている点であり、その他
の部分は図2と同一であるので、同一構成は同一符号を
付して説明を省略する。この第二緩展開出力保留判断器
43では、演算開始後の経過時間tが所定の時間閾値t
sと比較され、演算開始後、所定の時間が経過した場合
(t≧ts)には、直ちに第一インフレータのトリガ回
路38に作動信号を発し、第一インフレータのみによっ
てエアバッグを展開させる。尚、t<tsの場合には、
加速度読取器3に戻って演算を継続する様になしてい
る。
【0032】これは、該第二緩展開出力保留判断器43
で上記比較演算がなされるのは、前記作動要否判断器1
0において、作動“要”と判断されている場合のみであ
るから、これ以上遅れてエアバッグを展開させると、乗
員保護の機能が果たせられなくなるおそれがあると判断
したものであり、所定時間が経過すると、エアバッグを
緩展開させる様になっている。
で上記比較演算がなされるのは、前記作動要否判断器1
0において、作動“要”と判断されている場合のみであ
るから、これ以上遅れてエアバッグを展開させると、乗
員保護の機能が果たせられなくなるおそれがあると判断
したものであり、所定時間が経過すると、エアバッグを
緩展開させる様になっている。
【0033】次に、図4は、本発明の他の実施例を示す
フローチャートであり、図2,図3との相違点は、前記
第一,第二緩展開出力保留判断器36,43が省略され
て、前記急展開確認器34において急展開信号S=1が
入力されていなければ、直ちに第一インフレータのトリ
ガ回路38に作動信号を発し、第一インフレータのみに
よってエアバッグを展開させる様にしたものである。こ
れは、前記急展開確認器34にて演算がなされるのは、
前記作動要否判断器10において、作動“要”と判断さ
れている場合のみであるから、先ず、第一インフレータ
のみによってエアバッグを穏やかに展開させ、引き続き
第二インフレータを作動させてエアバッグを急展開させ
るか否かは、前記第一作動形態判断手段35及び第二作
動形態判断手段28と前記時間比較器40における判断
に委ねる様にしたものであり、衝突初期の加速度値が相
対的に低く現れる衝突の場合に有効な方式である。
フローチャートであり、図2,図3との相違点は、前記
第一,第二緩展開出力保留判断器36,43が省略され
て、前記急展開確認器34において急展開信号S=1が
入力されていなければ、直ちに第一インフレータのトリ
ガ回路38に作動信号を発し、第一インフレータのみに
よってエアバッグを展開させる様にしたものである。こ
れは、前記急展開確認器34にて演算がなされるのは、
前記作動要否判断器10において、作動“要”と判断さ
れている場合のみであるから、先ず、第一インフレータ
のみによってエアバッグを穏やかに展開させ、引き続き
第二インフレータを作動させてエアバッグを急展開させ
るか否かは、前記第一作動形態判断手段35及び第二作
動形態判断手段28と前記時間比較器40における判断
に委ねる様にしたものであり、衝突初期の加速度値が相
対的に低く現れる衝突の場合に有効な方式である。
【0034】以上の説明から明らかな様に、本発明にお
いては、インフレータの作動要否の判断は、通常の加速
度信号の時間積分値V1に基づいてインフレータの作動
の要否を判断する第一判断部と、該時間積分値V1の変
化率G’に基づいてインフレータの作動の要否を判断す
る第二判断部とを有し、又、インフレータの作動形態判
断の内の急展開判断は、ハイパスフィルタを通過した加
速度成分G2の最大値G2xを用いて判断する第一作動
形態判断手段と、加速度の第一波のピーク値Gpを用い
て作動形態を判断する第二作動形態判断手段とで行い、
又、緩展開での作動判断は、前記時間積分値V1を用い
て作動の可否を判断する第一緩展開出力保留判断手段
と、演算開始後の経過時間を用いて作動の可否を判断す
る第二緩展開出力保留判断手段とで行い、更に、第一イ
ンフレータ作動後の経過時間を用いて第二インフレータ
の作動の要否を判断する時間比較手段を設け、これらを
有機的に適宜組み合わせた点に特徴があり、上記の実施
例に限定されるものではなく特許請求の範囲に記載され
た思想に基づいて種々の変形例が存在する事はいうまで
もない。
いては、インフレータの作動要否の判断は、通常の加速
度信号の時間積分値V1に基づいてインフレータの作動
の要否を判断する第一判断部と、該時間積分値V1の変
化率G’に基づいてインフレータの作動の要否を判断す
る第二判断部とを有し、又、インフレータの作動形態判
断の内の急展開判断は、ハイパスフィルタを通過した加
速度成分G2の最大値G2xを用いて判断する第一作動
形態判断手段と、加速度の第一波のピーク値Gpを用い
て作動形態を判断する第二作動形態判断手段とで行い、
又、緩展開での作動判断は、前記時間積分値V1を用い
て作動の可否を判断する第一緩展開出力保留判断手段
と、演算開始後の経過時間を用いて作動の可否を判断す
る第二緩展開出力保留判断手段とで行い、更に、第一イ
ンフレータ作動後の経過時間を用いて第二インフレータ
の作動の要否を判断する時間比較手段を設け、これらを
有機的に適宜組み合わせた点に特徴があり、上記の実施
例に限定されるものではなく特許請求の範囲に記載され
た思想に基づいて種々の変形例が存在する事はいうまで
もない。
【0035】例えば、作動要否判断は前記第一判断部の
みとなし、作動形態判断も、前記第一作動形態判断のみ
として、システムの簡素化を図ることも可能であり、車
体の形状,構造、例えば車体の剛性度やクラッシュゾー
ンの有無や大きさ或いは加速度センサの取付位置等を勘
案して、その車種に最適なシステムを採用するものであ
る。
みとなし、作動形態判断も、前記第一作動形態判断のみ
として、システムの簡素化を図ることも可能であり、車
体の形状,構造、例えば車体の剛性度やクラッシュゾー
ンの有無や大きさ或いは加速度センサの取付位置等を勘
案して、その車種に最適なシステムを採用するものであ
る。
【0036】又、各閾値は、一定の値でもよいが、時間
関数となす事により各種衝突形態への追従を容易になす
事も好ましい方式である。
関数となす事により各種衝突形態への追従を容易になす
事も好ましい方式である。
【0037】又、上記実施例では、第1,第2インフレ
ータの2つのインフレータを用いた場合について説明し
たが、3つ以上のインフレータを用いる場合において
も、同様に本発明を適用できる事はいうまでもない。更
に、複数のインフレータの内、軽度の衝突の場合には一
部のみを展開させる様にする事も可能である。
ータの2つのインフレータを用いた場合について説明し
たが、3つ以上のインフレータを用いる場合において
も、同様に本発明を適用できる事はいうまでもない。更
に、複数のインフレータの内、軽度の衝突の場合には一
部のみを展開させる様にする事も可能である。
【0038】更に、本発明で使用するインフレータは、
独立した複数のインフレータを用いる場合もあるが、1
つのインフレータのハウジングの内部を、複数の燃焼室
に区画し、各燃焼室に夫々点火装置を配置する事によ
り、各燃焼室を独立して作動させる事のできるインフレ
ータであってもよく、本発明でいう複数のインフレータ
とは、これら全ての形態を包含し、独立して点火可能な
ガス発生部を複数有するインフレータであれば、形態が
1つに纏められているかいないかに拘らず、本発明で使
用し得る事は、言うまでもない。
独立した複数のインフレータを用いる場合もあるが、1
つのインフレータのハウジングの内部を、複数の燃焼室
に区画し、各燃焼室に夫々点火装置を配置する事によ
り、各燃焼室を独立して作動させる事のできるインフレ
ータであってもよく、本発明でいう複数のインフレータ
とは、これら全ての形態を包含し、独立して点火可能な
ガス発生部を複数有するインフレータであれば、形態が
1つに纏められているかいないかに拘らず、本発明で使
用し得る事は、言うまでもない。
【0039】更に、上記説明では、助手席や後部座席の
エアバッグ装置に本発明を適用した場合の乗員の着座位
置や姿勢との組み合わせによる制御方式については言及
していないが、本発明はこれらの組み合わせによる制御
が可能である事はいうまでもない。例えば、第一,第二
インフレータに作動信号を出力する回路の直前或いは直
後に、乗員の着座位置や姿勢によるエアバッグ装置の作
動要否判断回路を設けて、エアバッグ展開の要否の最終
判断を行う様になす事も可能である。又、乗員の着座位
置や姿勢によって、エアバッグの緩・急展開の是非を判
断し、これと上記本発明の判断システムとを結合し、且
つ着座位置や姿勢と衝突の激しさの程度との間に優先順
位を与えてエアバッグの展開形態を制御する様になす事
も可能である。要は、請求項に記載の本発明の趣旨の範
囲内において種々の応用形態が存するものであり、本発
明は、これらを排除するものではない。
エアバッグ装置に本発明を適用した場合の乗員の着座位
置や姿勢との組み合わせによる制御方式については言及
していないが、本発明はこれらの組み合わせによる制御
が可能である事はいうまでもない。例えば、第一,第二
インフレータに作動信号を出力する回路の直前或いは直
後に、乗員の着座位置や姿勢によるエアバッグ装置の作
動要否判断回路を設けて、エアバッグ展開の要否の最終
判断を行う様になす事も可能である。又、乗員の着座位
置や姿勢によって、エアバッグの緩・急展開の是非を判
断し、これと上記本発明の判断システムとを結合し、且
つ着座位置や姿勢と衝突の激しさの程度との間に優先順
位を与えてエアバッグの展開形態を制御する様になす事
も可能である。要は、請求項に記載の本発明の趣旨の範
囲内において種々の応用形態が存するものであり、本発
明は、これらを排除するものではない。
【0040】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の方式によれ
ば、ハイパスフィルタを通過した加速度信号G2を用い
て演算を行う事により、この部分でラフロード等の低周
波加速度成分が除去される。この結果、車体底部が縁石
その他の障害物に擦られて大きな加速度変化が生じて
も、これらは低周波加速度波形であるのでハイパスフィ
ルタで除去され、これにより、ラフロード等において、
衝突の厳しさ判断においての誤判断が確実に防止され
る。
ば、ハイパスフィルタを通過した加速度信号G2を用い
て演算を行う事により、この部分でラフロード等の低周
波加速度成分が除去される。この結果、車体底部が縁石
その他の障害物に擦られて大きな加速度変化が生じて
も、これらは低周波加速度波形であるのでハイパスフィ
ルタで除去され、これにより、ラフロード等において、
衝突の厳しさ判断においての誤判断が確実に防止され
る。
【0041】又、重衝突の場合には、衝突後の速い段階
で確認できる加速度波形の第一波のピーク値Gpや上記
ハイパスフィルタを通過した加速度の最大値G2xを用
いて作動形態の判断を行っており、しかも、時間積分値
V1に基づく作動要否判断と並行して行う様にしている
ので、重衝突における展開形態判断に遅れが生じる事は
なく、エアバッグ装置の最適化が達成される事になる。
で確認できる加速度波形の第一波のピーク値Gpや上記
ハイパスフィルタを通過した加速度の最大値G2xを用
いて作動形態の判断を行っており、しかも、時間積分値
V1に基づく作動要否判断と並行して行う様にしている
ので、重衝突における展開形態判断に遅れが生じる事は
なく、エアバッグ装置の最適化が達成される事になる。
【0042】更に、重衝突の場合には、速い段階での判
断が可能であるので、作動までの時間的余裕がとれる結
果、エアバッグ装置の作動制御を複数の段階に区分した
細かな制御も可能となり、乗員の保護を一層高いレベル
で行う事が可能となる。
断が可能であるので、作動までの時間的余裕がとれる結
果、エアバッグ装置の作動制御を複数の段階に区分した
細かな制御も可能となり、乗員の保護を一層高いレベル
で行う事が可能となる。
【0043】又、作動要否判断において、作動“要”と
判断されても、前記第一緩展開出力保留判断器36又は
第二緩展開出力保留判断器43において所定の閾値を越
えていなければ、インフレータの作動信号出力を保留し
て演算を継続する様にしているので、衝突初期の少ない
情報によって衝突の厳しさを誤判断する可能性が少なく
なる。又、上記第一又は第二緩展開出力保留判断器にお
いて、作動形態が軽衝突と判断されて第一インフレータ
が作動しても、更に演算を継続し、第一作動形態判断器
35又は第二作動形態判断器28において重衝突と判断
されれば、直ちに第二インフレータを作動させる様にし
ているので、衝突の形態に応じて、第一インフレータの
みが作動する場合と第一インフレータの作動後に第二イ
ンフレータが作動する場合と両インフレータが同時に作
動する場合とに、エアバッグの展開形態が3つに区分さ
れており、衝突形態に応じたエアバッグの展開形態の最
適化が行われて乗員の安全性は一層向上する事が期待さ
れる。
判断されても、前記第一緩展開出力保留判断器36又は
第二緩展開出力保留判断器43において所定の閾値を越
えていなければ、インフレータの作動信号出力を保留し
て演算を継続する様にしているので、衝突初期の少ない
情報によって衝突の厳しさを誤判断する可能性が少なく
なる。又、上記第一又は第二緩展開出力保留判断器にお
いて、作動形態が軽衝突と判断されて第一インフレータ
が作動しても、更に演算を継続し、第一作動形態判断器
35又は第二作動形態判断器28において重衝突と判断
されれば、直ちに第二インフレータを作動させる様にし
ているので、衝突の形態に応じて、第一インフレータの
みが作動する場合と第一インフレータの作動後に第二イ
ンフレータが作動する場合と両インフレータが同時に作
動する場合とに、エアバッグの展開形態が3つに区分さ
れており、衝突形態に応じたエアバッグの展開形態の最
適化が行われて乗員の安全性は一層向上する事が期待さ
れる。
【図1】本発明に係るエアバッグ展開制御装置の一実施
例を示す制御システムの前半部分のフローチャートであ
る。
例を示す制御システムの前半部分のフローチャートであ
る。
【図2】図1の後半部分のフローチャートである。
【図3】本発明に係る他の実施例を示すもので、図2に
相当する部分のフローチャートである。
相当する部分のフローチャートである。
【図4】本発明に係る他の実施例を示すもので、図2に
相当する部分のフローチャートである。
相当する部分のフローチャートである。
【図5】加速度波形を示すg−t線図であり、(A)
は、ハイパスフィルタを通過する前の波形を示し、
(B)は、通過した後の波形を示したものである。
は、ハイパスフィルタを通過する前の波形を示し、
(B)は、通過した後の波形を示したものである。
【図6】本発明における加速度波形の第一波の検知方法
を示すg−t線図である。
を示すg−t線図である。
1 リセット回路 2 加速度センサ 5 カットオフ処理手段 8 時間積分手段 10 作動要否判断手段 22 ハイパスフィルタ 23 最大加速度値設定手段 26 第一波検出手段 28 第二作動形態判断手段 35 第一作動形態判断手段 36 第一緩展開出力保留判断手段 43 第二緩展開出力保留判断手段 40 時間比較器
Claims (17)
- 【請求項1】 1つのエアバッグに対して複数のインフ
レータを備え、車載された加速度センサ(2)からの加
速度信号(g)に基づいた演算処理によって車両の衝突
を検知すると、その衝突の程度に応じ、前記インフレー
タの作動の形態を制御する様にしたエアバッグの展開制
御装置において、 前記加速度信号(g)に基づいた演算処理により、加速
度値を時間積分する時間積分手段(8)と、 該時間積分手段(8)で得られた時間積分値(V1)
を、所定の第一速度閾値(Vs1)と比較して前記イン
フレータの作動の要否を判断する作動要否判断手段(1
0)と、を有し、 且つ、前記インフレータの作動形態判断方式として、次
の(イ),(ロ)の内の少なくともいずれか一方の方式
を備えてなる事を特徴とするエアバッグ展開制御装置 (イ)前記加速度センサ(2)からの加速度信号(g)
の低周波成分を除去するハイパスフィルタ(22)と、
該ハイパスフィルタを通過した加速度値(G2)の最大
値(G2x)を検出する最大値検出手段(23,24)
とを有し、前記最大加速度値(G2x)を、衝突の激し
さを示す所定の第一加速度閾値(SA1)と比較して、
前記インフレータの作動形態を判断する第一作動形態判
断手段(35) (ロ)前記加速度センサ(2)からの加速度信号に基づ
き加速度波形の第一波のピーク値(Gp)を検出する第
一波検出手段(26)を有し、該第一波のピーク加速度
値(Gp)を、衝突の激しさを示す所定の第二加速度閾
値(SA2)と比較して前記インフレータの作動の形態
を判断する第二作動形態判断手段(28) - 【請求項2】 前記加速度センサ(2)からの加速度値
(g)から所定の値(g1)を減算してオフセット処理
と共に、該オフセット処理された加速度値の内、所定の
加速度値(Gc)以下をカットしてカットオフ処理を行
った加速度値G1を用いて、前記時間積分値(V1)を
演算する請求項1に記載のエアバッグ展開制御装置 - 【請求項3】 前記加速度センサ(2)からの加速度値
(g)から所定の値(g1)を減算してオフセット処理
と共に、該オフセット処理された加速度値の内、所定の
加速度値(Gc)以下をカットしてカットオフ処理を行
った加速度値G1を用いて、前記時間積分値(V1)を
演算し、更に、前記第一波のピーク加速度値(Gp)
は、前記オフセット処理とカットオフ処理を行った加速
度値G1のピーク加速度値である請求項2に記載のエア
バッグ展開制御装置 - 【請求項4】 前記第一波のピーク加速度値(Gp)
は、前記ハイパスフィルタ(22)通過後の加速度値G
2のピーク加速度値である請求項1又は2に記載のエア
バッグ展開制御装置 - 【請求項5】 前記作動要否判断手段(10)は、前記
時間積分値(V1)を所定の第一速度閾値(Vs1)と
比較して前記インフレータの作動の要否を判断する第一
判断部と共に、前記時間積分値(V1)の変化率(G’
=ΔV1/Δt)を所定の第三加速度閾値(Gs3)と
比較して前記インフレータの作動の要否を判断する第二
判断部とを有し、該第一判断部と第二判断部の判断結果
を組み合わせて、前記インフレータの作動の要否を判断
する様にしてなる請求項1乃至4のいずれかに記載のエ
アバッグ展開制御装置 - 【請求項6】 前記第一判断部と第二判断部とを、AN
D回路で接続してなる請求項5に記載のエアバッグ展開
制御装置 - 【請求項7】 前記第一判断部と第二判断部とを、OR
回路で接続してなる請求項5に記載のエアバッグ展開制
御装置 - 【請求項8】 前記第一判断部と第二判断部とを、AN
D回路とOR回路とからなり、且つ、時間の経過と共に
両者の接続状態を切り換える切替え手段を介して接続さ
れてなる請求項5に記載のエアバッグ展開制御装置 - 【請求項9】 前記インフレータの作動形態は、エアバ
ッグを急速に展開させる急展開と、エアバッグ緩やかに
展開させる緩展開の2つに区分されている請求項1乃至
8のいずれかに記載のエアバッグ展開制御装置 - 【請求項10】 前記インフレータの作動形態判断の結
果が、前記急展開の場合には前記複数のインフレータの
全てを同時又は短時間の時間差で作動させ、前記緩展開
の場合には前記複数のインフレータの内、一部のみを作
動させる様にしてなる請求項9に記載のエアバッグ展開
制御装置 - 【請求項11】 前記複数のインフレータは、第一イン
フレータと第二インフレータの2つからなり、前記急展
開は、両インフレータを作動させるものであり、前記緩
展開は、前記第一インフレータのみを作動させるもので
ある請求項10に記載のエアバッグ展開制御装置 - 【請求項12】 前記第一作動形態判断手段(35)及
び第二作動形態判断手段(28)における緩急展開形態
の初期設定は、緩展開(S=0)に設定されている請求
項9乃至11のいずれかに記載のエアバッグ展開制御装
置 - 【請求項13】 前記時間積分値(V1)と所定の第二
速度閾値(SV2)とを比較して、前記初期設定されて
いる緩展開形態でのエアバッグの展開を保留すべきか否
かを判断する第一緩展開出力保留判断手段(36)を設
け、前記作動要否判断手段(10)において、作動
“要”の判断がなされている場合であっても、前記第
一,第二作動形態判断手段(35,28)において急展
開判断がなされていない場合に、前記第一緩展開出力保
留判断手段(36)における判断として、前記時間積分
値が前記第二速度閾値以上(V1≧SV2)の判断がな
された場合には、前記インフレータに緩展開形態での作
動指示を出し、前記時間積分値が前記第二速度閾値未満
(V1<SV2)の判断の場合には、該インフレータの
緩展開出力を保留して、更に演算を継続する様にしてな
る請求項12に記載のエアバッグ展開制御装置 - 【請求項14】 演算開始後の経過時間(t)と所定の
時間閾値(ts)と比較して、前記初期設定されている
緩展開形態でのエアバッグの展開を保留すべきか否かを
判断する第二緩展開出力保留判断手段(43)を設け、
前記作動要否判断手段(10)において、作動“要”の
判断がなされている場合であっても、前記第一,第二作
動形態判断手段(35,28)において急展開判断がな
されていない場合に、前記第二緩展開出力保留判断手段
(43)における判断として、前記経過時間が前記時間
閾値以上(t≧ts)の判断の場合には、前記インフレ
ータに緩展開形態での作動指示を出し、前記経過時間が
前記時間閾値未満(t<ts)の判断の場合には、該イ
ンフレータの緩展開出力を保留して、更に演算を継続す
る様にしてなる請求項12に記載のエアバッグ展開制御
装置 - 【請求項15】 前記作動要否判断手段(10)におい
て、作動“要”の判断がなされており、且つ、前記第
一,第二作動形態判断手段(35,28)において急展
開の判断がなされなかった場合には、直ちに前記インフ
レータに緩展開形態での作動指示を出力する様にしてな
る請求項12に記載のエアバッグ展開制御装置 - 【請求項16】 前記インフレータに緩展開形態での作
動指示が出力された後も、前記作動形態判断のための演
算を継続し、該緩展開形態でのインフレータの作動後の
所定時間(te)内に、前記作動形態判断において急展
開の判断がなされた場合には、残りのインフレータを作
動させる様にしてなる請求項10乃至15のいずれかに
記載のエアバッグ展開制御装置 - 【請求項17】 前記第一インフレータの作動後、所定
時間(te)が経過すると、全ての演算を終了する様に
してなる請求項16に記載のエアバッグ展開制御装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10178998A JP3482435B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | エアバッグ展開制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10178998A JP3482435B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | エアバッグ展開制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11278209A true JPH11278209A (ja) | 1999-10-12 |
JP3482435B2 JP3482435B2 (ja) | 2003-12-22 |
Family
ID=14309948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10178998A Expired - Fee Related JP3482435B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | エアバッグ展開制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3482435B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100435599B1 (ko) * | 2002-05-16 | 2004-06-09 | 기아자동차주식회사 | 에어백 전개성능시험의 개선방법 |
JP2009500236A (ja) * | 2005-07-08 | 2009-01-08 | シーメンス ヴィディーオー オートモーティヴ コーポレイション | 負荷制限付き拘束装置を展開するための負荷ピーク値の検出 |
US8571760B2 (en) | 2010-09-28 | 2013-10-29 | Hyundai Motor Company | Apparatus and method for testing air bag control unit of vehicle |
JP5952421B2 (ja) * | 2012-10-24 | 2016-07-13 | オートリブ ディベロップメント エービー | 乗員保護装置の制御装置 |
-
1998
- 1998-03-31 JP JP10178998A patent/JP3482435B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100435599B1 (ko) * | 2002-05-16 | 2004-06-09 | 기아자동차주식회사 | 에어백 전개성능시험의 개선방법 |
JP2009500236A (ja) * | 2005-07-08 | 2009-01-08 | シーメンス ヴィディーオー オートモーティヴ コーポレイション | 負荷制限付き拘束装置を展開するための負荷ピーク値の検出 |
US8571760B2 (en) | 2010-09-28 | 2013-10-29 | Hyundai Motor Company | Apparatus and method for testing air bag control unit of vehicle |
JP5952421B2 (ja) * | 2012-10-24 | 2016-07-13 | オートリブ ディベロップメント エービー | 乗員保護装置の制御装置 |
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---|---|
JP3482435B2 (ja) | 2003-12-22 |
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