JP3484949B2 - 車両のエアバッグ装置 - Google Patents

車両のエアバッグ装置

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JP3484949B2
JP3484949B2 JP27995097A JP27995097A JP3484949B2 JP 3484949 B2 JP3484949 B2 JP 3484949B2 JP 27995097 A JP27995097 A JP 27995097A JP 27995097 A JP27995097 A JP 27995097A JP 3484949 B2 JP3484949 B2 JP 3484949B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は車両のエアバッグ
装置に関し、特に、車両の走行状態や乗員の拘束状態に
応じて、エアバッグを低圧展開と高圧展開とに可変制御
可能な車両のエアバッグ装置に関し、低圧展開判定と高
圧展開判定とを適切な順序で適切な時期に実行するよう
にしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】 自動車に装備されるエアバッグ装置
は、ステアリングホイールの中央部分のステアリングパ
ッドの内側に収納されたエアバッグと、衝突時にエアバ
ッグを急速展開させるインフレータと、車両の衝突を検
出する複数の衝突検知センサと、種々の検出信号を受け
てエアバッグの展開を制御する制御ユニット等を備え、
車両の衝突時にはインフレータが作動されてエアバッグ
が急速展開し、展開したエアバッグで乗員が受け止めら
れ、乗員のステアリングホイール等への2次衝突を防止
するようになっている。
【0003】従来のエアバッグ装置では、エアバッグの
展開圧力は1とおりに設定され、複数の衝突検知センサ
が衝突を検出したときにエアバッグが展開駆動される。
しかし、最近では、車両の走行状態や乗員のシートへの
拘束状態に応じて、エアバッグを低圧展開させたり、高
圧展開させたりすることできる改良型のエアバッグ装置
が各種提案されつつある。
【0004】ここで、車両の衝突の際、シートベルト着
用の有無やエアバッグの展開圧力の高低によって乗員に
対する衝撃吸収性能が異なる。実施形態に係る図3に示
すように、シートベルト着用の有無で分類し、エアバッ
グを展開させない場合と、エアバッグを低圧展開させる
場合と、エアバッグを高圧展開させる場合の計6通りの
場合において、衝突の際の衝撃吸収性能の特性が異な
る。
【0005】一方、特許第2507796号公報には、
乗員がエアバッグで拘束される時のエアバッグの内圧を
第1作動開始圧に維持する第1排気弁と、乗員がエアバ
ッグで拘束されている間のエアバッグの内圧を第2作動
開始内圧に維持する第2排気弁と、車両衝突時のシート
ベルト着用の有無、乗員の重量、車速等に応じて、第
1,第2排気弁を駆動制御する駆動制御手段とを備えた
エアバッグ装置が記載されている。このエアバッグ装置
では、エアバッグの展開後、エアバッグの内圧が第1作
動開始圧に達すると、第1排気弁による排気を介して第
1作動開始圧が維持され、その状態で乗員がエアバッグ
に受け止められ、その後、エアバッグの内圧が急激に増
大しても第2排気弁による排気を介して第2作動開始圧
が維持される。車両衝突時のシートベルト着用の有無、
乗員の重量、車速等に応じて、第1,第2作動開始圧を
適切な値に調整し、乗員を適切に保護する。
【0006】また、特開平7−277123号公報に
は、インフレータで発生したガスを加熱してガス圧を高
める為の加熱器を設け、シートベルトを着用した状態で
衝突したときには通常圧力にてエアバッグを展開させ、
シートベルトを着用しない状態で衝突したときには加熱
器による加熱を介して展開圧力を高めるようにしたエア
バッグ装置が記載されている。他方、最近の改良型のエ
アバッグ装置では、通常、等しい容量の1対のインフレ
ータを有し、1つのインフレータを作動させて低圧展開
し、2つのインフレータを作動させて高圧展開するよう
に構成したインフレータ(以下、複合型インフレータと
言う)を備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 特許第250779
6号公報のエアバッグ装置においても、特開平7−27
7123号公報のエアバッグ装置においても、衝突検知
センサの検出信号に基づいて展開判定を行うだけでよ
く、低圧展開判定と高圧展開判定とを別々に行う必要が
ない。
【0008】その他、従来の複合型インフレータを備え
た改良型のエアバッグ装置では、シートベルト装着の有
無、車両の走行状態(車速や旋回走行等)に応じて低圧
展開判定と高圧展開判定とを順序と時期を適切に設定す
る技術は何ら提案されていない。本発明の目的は、車両
の走行状態に応じて適切な順序と時期に低圧展開判定と
高圧展開判定を行えるようにすること、誤作動による高
圧展開に対しても安全性を高めること、等である。
【0009】
【課題を解決するための手段】 請求項1の車両のエア
バック装置は、車両の走行状態や乗員の拘束状態に応じ
て、エアバッグを低圧展開と高圧展開とに可変制御可能
な車両のエアバッグ装置において、衝突発生時に、車速
が所定値未満のときには、第1フェーズにおいてエアバ
ックを低圧展開させるか否かの低圧展開判定を実行し、
第1フェーズの後の第2フェーズにおいてエアバッグを
高圧展開させるか否かの高圧展開判定を実行する展開判
定手段を設け、前記展開判定手段は、第2フェーズにお
ける高圧展開判定の時期を車速が低くなる程遅くする遅
延手段を備えたものである。尚、第1フェーズも第2フ
ェーズもある時間幅のある微小期間を意味する。
【0010】衝突発生は、衝突検出用の加速度センサ等
の検出信号に基づいて決定することができる。低圧展開
しきい値と高圧展開しきい値とは、衝突速度や衝突加速
度をパラメータとして予め設定してあり、これらの展開
しきい値を検出された衝突速度や衝突加速度と比較する
ことで、展開判定が実行される。前記エアバッグとして
は、等容量の1対のインフレータを装備しておき、一方
のインフレータによりエアバッグを低圧展開させ、両方
のンインフレータにより高圧展開させる構成のものを適
用することができる。但し、エアバッグの内圧を制御す
ることで低圧展開させたり高圧展開させたりする構成の
ものも適用可能である。
【0011】ここで、展開判定手段により、衝突発生時
に、車速が所定値未満のときには、第1フェーズにおい
て低圧展開判定を実行し、第1フェーズの後の第2フェ
ーズにおいて高圧展開判定を実行する、つまり、低圧展
開判定の実行後に高圧判定を実行するので、エアバッグ
装置の動作順序は、低圧展開だけの場合には、内圧展開
判定と低圧展開が実行され、その後高圧展開判定が実行
される。また、高圧展開に至る場合には、低圧展開判定
と低圧展開が実行され、その後高圧展開判定と高圧展開
とが実行される。それ故、低圧展開と同時に高圧展開す
ることがない。ところで、衝突速度や衝突加速度の誤検
出やノイズの影響等により、高圧展開の必要がないの
に、高圧展開必要と判定してしまうことも考えられる
が、このような場合にも、低圧展開後に高圧展開するこ
とになり、低圧展開と同時に高圧展開することがないの
で、エアバッグの急な高圧展開によりエアバッグから乗
員に過度の衝撃を付加するのを防止することができる。
尚、低圧展開判定から高圧展開判定までの間に所定の期
間が確保されるため、信頼性が高くなる。
【0012】
【0013】
【0014】さらに、前記展開判定手段は、第2フェー
ズにおける高圧展開判定の時期を車速が低くなる程遅く
する遅延手段を備えているので、第2フェーズにおける
高圧展開判定の時期を車速が低くなる程遅くすること
で、高圧展開の時期を車速が低くなる程遅くすることが
できる。即ち、衝突発生時に車速が低い程、乗員がエア
バッグに到達するタイミングが遅くなるので、高圧展開
判定の時期を車速が低くなる程遅くすることにより、衝
突速度や衝突加速度の誤検出やノイズの影響により誤っ
て高圧展開させる場合にも、高圧展開したエアバッグで
乗員に過度の衝撃を付加するのを防止し、乗員の安全性
を高めることができる
【0015】請求項の車両のエアバッグ装置は、請求
の発明において、前記展開判定手段は、衝突発生時
に減速中である場合には、第1フェーズにおいて高圧展
開判定を実行することを特徴とするものである。即ち、
衝突発生時に減速中である場合には、乗員に作用する慣
性力も大きくなるため、緊急に高圧展開させる必要があ
る蓋然性が高い。それ故、第1フェーズにおいて高圧展
開判定を実行することで極力早期に高圧展開させて安全
性を高めることが可能になる。その他、請求項と同様
の作用を奏する。請求項3の車両のエアバッグ装置は、
車両の走行状態や乗員の拘束状態に応じて、エアバッグ
を低圧展開と高圧展開とに可変制御可能な車両のエアバ
ッグ装置において、衝突発生時に、車速が所定値未満の
ときには、第1フェーズにおいてエアバッグを低圧展開
させるか否かの低圧展開判定を実行し、第1フェーズの
後の第2フェーズにおいてエアバッグを高圧展開させる
か否かの高圧展開判定を実行する展開判定手段を設け、
前記展開判定手段は、衝突発生時に減速中である場合に
は、第1フェーズにおいて高圧展開判定を実行すること
を特徴とするものである。前記展開判定手段は、衝突発
生時に減速中である場合には、第1フェーズにおいて高
圧展開判定を実行するので、請求項2と同様の作用を奏
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。本実施形態は、シートベル
ト付きの車両に装備されるエアバッグ装置に本発明を適
用した場合の例であり、このエアバッグ装置1は、衝突
速度、衝突時の走行状態(車速や舵角等)、シートベル
ト着用の有無に応じてエアバッグを低圧展開させたり高
圧展開させたりすることのできるエアバッグ装置であ
る。
【0017】図1、図2に示すように、自動車Cに装備
されるエアバッグ装置1は、ステアリングホイール10
のステアリングパッド11aとケース11内に折り畳ん
で収納されたエアバッグ2、ケース11内に設けられ衝
突時にガスを発生させてエアバッグ2を急速展開させる
インフレータユニット3、車体に作用する前後方向の加
速度を検出する1対の加速度センサ4,5、車速Vを検
出する車速センサ6、車両旋回時の舵角θを検出する舵
角センサ7、シートベルト25の着用の有無を検出する
シートベルトスイッチ8、制御ユニット9等を備えてい
る。
【0018】図2に示すように、ステアリングホイール
10の中央部にステアリングパッド11aとその前側に
連なるケース11が設けられ、エアバッグ2は、ケース
11内に、その基端部をケース11の奥端部に固着し且
つ折畳んだ状態に収納され、衝突時にエアバッグ2はス
テアリングパッド11aの破断部を破断して膨張し、ス
テアリングホイール10と乗員Bとの間に展開して乗員
Bを保護する。
【0019】インフレータユニット3は、等しい容量の
1対のインフレータ15,16と、これらインフレータ
15,16の可燃性液体(ガス発生剤)に着火する電気
ヒータ15a,16aとを有し、ケース11の奥側底部
に固定されている。一方のインフレータ15が作動する
とエアバッグ2が低圧展開し、両方のインフレータ1
5,16が作動するとエアバッグ2が高圧展開するよう
に構成してある。1対の加速度センサ4,5は、例えば
車体のバンパーフレームとカウル部のクロスメンバに固
定的に付設され、自動車Cの車体に作用する前後方向加
速度を検出する。
【0020】車速センサ6は、エンジン18のトランス
ミッションの出力軸の回転速度を検出するセンサであ
り、その検出信号から車速Vが演算される。舵角センサ
7は、ステアリングシャフト20に連係しており、ステ
アリングシャフト20(ステアリングホイール10)の
回転角を検出する。シートベルトスイッチ8は、運転席
のシートベルト25のタングプレート26を連結解除可
能に連結するバックル部材27の内部に設けられてい
る。但し、4つのシートのシートベルトにシートベルト
スイッチを設けることもある。前記加速度センサ4,
5、車速センサ6、舵角センサ7、シートベルトスイッ
チ8からの検出信号は制御ユニット9へ供給され、この
制御ユニット9によりインフレータユニット3の電気ヒ
ータ15a,16aが駆動制御される。
【0021】前記制御ユニット9は、入出力インターフ
ェースとマイクロコンピュータと電気ヒータ15a,1
6aの為の駆動回路等を備え、マイクロコンピュータの
ROMには、以下に説明する第1〜第4展開しきい値、
エアバッグ展開制御の制御プログラム及びこれに付随す
るマップやテーブルが予め格納され、RAMにはエアバ
ッグ展開制御の為の種々のメモリ類が設けられている。
【0022】ここで、図3は、シートベルトの着用の有
無で分類し、シートベルトの着用無しの場合の乗員に対
する衝撃吸収性能の特性(3つの実線曲線)と、シート
ベルトの着用有りの場合の乗員に対する衝撃吸収性能の
特性(3つの破線曲線)を示している。シートベルトの
着用無しのときの3つの実線曲線は、エアバッグ2を展
開させない場合の特性曲線a、低圧展開させる場合の特
性曲線b、高圧展開させる場合の特性曲線cを含み、シ
ートベルトの着用有りのときの3つの破線曲線は、エア
バッグ2を展開させない場合の特性曲線d、低圧展開さ
せる場合の特性曲線e、高圧展開させる場合の特性曲線
fを含んでいる。尚、この図3に示す6通りの衝撃吸収
性能の特性は、種々の衝突実験を介して得られた本願特
有のものである。
【0023】ところで、このエアバッグ装置1において
は、車両の衝突速度Eをパラメータとして、図3に示す
ように、シートベルト25の着用無しの状態でエアバッ
グ2を低圧展開させる第1展開しきい値α1、シートベ
ルト25の着用無しの状態でエアバッグ2を高圧展開さ
せる第2展開しきい値β1、シートベルト25の着用有
りの状態でエアバッグ2を低圧展開させる第3展開しき
い値α2、シートベルト25の着用有りの状態でエアバ
ッグ2を高圧展開させる第4展開しきい値β2が設定さ
れている。尚、図3の例では、衝突速度Eをパラメータ
として、第1〜第4展開しきい値α1,β1,α2,β
2を設定しているが、衝突加速度をパラメータとして、
第1〜第4展開しきい値α1,β1,α2,β2を設定
してもよい。
【0024】図3にも示すとおり、α1<β1かつα2
<β2に設定されている。そして、β1とα2について
は、図3の例ではβ1<α2でかつ近似した値に設定さ
れているが、種々の条件によりβ1とα2の大小関係が
変動する可能性があるので、β1>α2でかつ近似した
値に設定することもでき、β1とα2とをほぼ等しく設
定することもできる。このように第1〜第4展開しきい
値α1,β1,α2,β2を設定するのは、衝突時にお
ける衝撃吸収力を最大とする為である。
【0025】図3から判るように、第1展開しきい値α
1は、シートベルトの着用無しの状態においてエアバッ
グ2を展開させない場合と比較して低圧展開させる方が
望ましい領域のうちの略最小の値に設定され、第2展開
しきい値β1は、シートベルトの着用無しの状態で低圧
展開させる場合と比較して高圧展開させる方が望ましい
領域のうちの略最小の値に設定され、第3展開しきい値
α2は、シートベルトの着用有りの状態でエアバッグを
展開させない場合と比較して低圧展開させる方が望まし
い領域のうちの略最小の値に設定され、第4展開しきい
値β2は、シートベルトの着用有りの状態で低圧展開さ
せる場合と比較して高圧展開させる方が望ましい領域の
うちの略最小の値に設定されている。尚、前記「領域」
は、衝突速度Eにおける領域を意味する。
【0026】ここで、図4に示すように、衝突判定後に
おける衝突速度Eは種々の態様で増加することになる
が、本願のエアバッグ展開制御においては、衝突時の車
速Vcが所定車速V0(例えば、45Km/H)未満のとき
には、第1フェーズにおいて低圧展開判定を実行し、こ
の第1フェーズの後の第2フェーズにおいて高圧展開判
定を実行する。そして、衝突時の車速Vcが所定車速V
0以上の場合と、衝突時に減速中である場合には、第1
フェーズにおいて低圧展開判定と高圧展開判定とを実行
する。
【0027】即ち、衝突速度や衝突加速度の誤検出やノ
イズの影響により、誤って高圧展開させるような場合に
も、低圧展開させてから高圧展開させることで、衝突直
後に高圧展開するエアバッグ2から乗員Bに大きな衝撃
を付加するのを防止して、安全性を高める為である。
【0028】前記第1フェーズの期間の終了時期t0
は、第2フェーズの開始時期であり、この第2フェーズ
の開始時期は、図5のマップMに示すように、車速Vc
が低くなるほど遅くなるように設定される。尚、t0の
大きさは車速Vc≧V1の範囲において例えば約20〜30
msecである。即ち、衝突時の車速Vcが低くなるほど、
乗員Bがエアバッグ2に到達するのが遅れるので、車速
Vcが低くなるほど第2フェーズの開始時期t0を遅く
し、高圧展開するエアバッグ2から乗員Bに作用する衝
撃を緩和することができる。
【0029】前記制御ユニット9のマイクロコンピュー
タには、第1〜第4展開しきい値α1,β1,α2,β
2と、図5のマップMと、第1〜第4展開しきい値と衝
突速度Ecに基づいてエアバッグ2の展開を制御するエ
アバッグ展開制御プログラムが予め格納されている。
【0030】次に、エアバッグ展開制御について図6、
図7のフローチャートを参照して説明する。但し、この
制御は所定の微小時間(例えば、1msec)毎に繰り返し
実行されるもので、図中のSi(i=1、2、3・・
・)は各ステップを示す。自動車Cの走行開始とともに
この制御が開始されると、最初に図示してない初期設定
が実行され、次に各種信号(衝突加速度A1,A2、車
速V、シートベルトSW信号SS)が読み込まれてレジ
スタに格納され(S1)、衝突加速度A1,A2の両方
が所定加速度C0以上のときには(S2:Yes)、衝突発
生と判断され、タイマTがリッセット後スタートされる
(S3)。
【0031】次に、衝突速度Eを求める為の衝突加速度
A1,A2が読込まれ(S4)、A1とA2の平均値
(A1+A2)/2が演算されその平均値がAとしてレ
ジスタに格納される(S5)。次にタイマTの計時時間
Tが微小時間τ(例えば、8msec)未満のときには(S
6:No)、S4〜S6が繰り返えされ、前記レジスタ
には、衝突加速度Aのデータが蓄積される。計時時間T
が微小時間τ以上になると(S6:Yes)、タイマTが0
からτの間において、レジスタに格納された複数の加速
度Aのデータを用いて、衝突加速度Aを積分して衝突速
度Ecが演算され(S7)、次にS1で読込んでレジス
タに格納していたデータを用いて、衝突直前の車速Vc
とシートベルトSW信号SSが演算される(S8)。
【0032】次に、S9では、車速VcをマップMに適
用して第2フェーズの開示時期を決定する遅延時間t0
が演算されるとともに、タイマTがリセット後スタート
される。次に、車速Vc<V0かつ衝突時に減速中でな
いか否か判定される(S10)。この減速中か否かの判
定はレジスタに格納していた車速Vのデータを用いて判
定することができるが、ブレーキスイッチの信号から判
定してもよい。S10の判定がYesのときには、S11
において低圧展開判定が実行される。この場合、シート
ベルト25の着用無しの場合は、衝突速度Ec≧第1展
開しきい値α1か否か判定し、シートベルト25の着用
有りの場合は、衝突速度Ec≧第3展開しきい値α2か
否か判定する。その低圧展開判定がNoの場合にはリター
ンするが、その低圧展開判定がYesの場合にはエアバッ
グ2が低圧展開される(S12)。
【0033】次にタイマTの計時時間TがS9で求めた
遅延時間t0以上か否か判定され(S13)、T≧t0
になると(S13:Yes)、S14において高圧展開判定
が実行される。この場合、シートベルト25の着用無し
の場合は、衝突速度Ec≧第2展開しきい値β1か否か
判定し、シートベルト25の着用有りの場合は、衝突速
度Ec≧第4展開しきい値β2か否か判定する。その高
圧展開判定がYesのときは、エアバッグ2が高圧展開さ
れ(S15)、その後終了する。但し、高圧展開判定が
Noのときは高圧展開することなく終了する。
【0034】一方、S10の判定がNoの場合、つまり車
速Vc≧V0であったり、衝突時に減速中であったりし
た場合には、S16において低圧展開判定が実行され
る。この場合、S11と同様に、シートベルト25の着
用無しの場合は、衝突速度Ec≧第1展開しきい値α1
か否か判定し、シートベルト25の着用有りの場合は、
衝突速度Ec≧第3展開しきい値α2か否か判定する。
その低圧展開判定がNoのときはリターンするが、その低
圧展開判定がYesのときはエアバッグ2が低圧展開され
(S17)、次にS18において高圧展開判定が実行さ
れる。
【0035】この場合、S14と同様に、シートベルト
25の着用無しの場合は、衝突速度Ec≧第2展開しき
い値β1か否か判定し、シートベルト25の着用有りの
場合は、衝突速度Ec≧第4展開しきい値β2か否か判
定する。その高圧展開判定がYesのときはエアバッグ2
が高圧展開され(S19)、その高圧展開判定がNoのと
きはエアバッグ2は高圧展開されずにそのまま終了す
る。
【0036】以上のエアバッグ装置1の作用、効果につ
いて説明する。衝突発生時に、衝突時の車速Vcが所定
車速V0未満の場合や減速中でない場合には、第1フェ
ーズにおける低圧展開判定の実行後に第2フェーズにお
ける高圧展開判定を実行するので、エアバッグ装置の動
作順序は、エアバッグ25の低圧展開だけの場合には、
低圧展開判定と低圧展開が実行され、その後高圧展開判
定が実行され、また、エアバッグ25の高圧展開に至る
場合には、低圧展開判定と低圧展開が実行され、その後
高圧展開判定と高圧展開が実行される。
【0037】それ故、低圧展開と同時に高圧展開するこ
とがない。一方、衝突速度や衝突加速度の誤検出やノイ
ズの影響等により、高圧展開の必要がないのに、高圧展
開必要と判定してしまうことも考えられるが、このよう
な場合にも、エアバッグ25の低圧展開後に高圧展開す
ることになり、低圧展開と同時に高圧展開することがな
いので、急に高圧展開したエアバッグ25から乗員に過
度の衝撃を付加するのを防止し安全性を高めることがで
きる。
【0038】そして、第2フェーズにおける高圧展開判
定の時期を車速が低くなる程遅くするので、高圧展開の
時期を車速が低くなる程遅くすることができる。即ち、
衝突発生時の車速Vcが低い程、乗員Bがエアバッグ2
に到達するタイミングが遅くなるので、第2フェーズの
開始時期t0、つまり高圧展開判定の時期を車速Vcが
低くなる程遅くすることにより、衝突速度や衝突加速度
の誤検出やノイズの影響により誤って高圧展開させる場
合にも、高圧展開したエアバッグ2で乗員に過度の衝撃
を付加するのを防止し、乗員の安全性を高めることがで
きる。
【0039】衝突時の車速Vcが所定車速V0以上の場
合には、緊急にエアバッグを高圧展開させることが必要
である蓋然性が高いことから、第1フェーズにおいて低
圧展開判定と高圧展開判定とを略同時に実行し、極力早
期に高圧展開を行って乗員の安全性を確保することがで
きる。
【0040】衝突発生時に減速中である場合には、第1
フェーズにおいて低圧展開判定と高圧展開判定を実行す
る。即ち、衝突発生時に減速中である場合には、乗員B
に作用する慣性力も大きくなるため、エアバッグ2を緊
急に高圧展開させる必要がある蓋然性が高い。それ故、
第1フェーズにおいて高圧展開判定を実行することで極
力早期に高圧展開させて安全性を高めることが可能にな
る。
【0041】以上のエアバッグ装置1を次のように部分
的に変更することができる。 1)前記第1〜第4展開しきい値α1,β1,α2,β
2を、衝突時の車速Vcが大きくなるほど小さくなるよ
うに補正したり、衝突時舵角が大きくなる程ちいさくな
るように補正したりすることも有る。
【0042】2)第1〜第4展開しきい値α1,β1,
α2,β2を設定するパラメータとして、衝突速度E以
外に、自動車の衝突加速度を適用してもよい。 3)図3の特性をROMに格納しておき、その特性から
第1〜第4展開しきい値α1,β1,α2,β2を演算
により求めるように構成してもよい。 4)エアバッグ装置1のインフレータに関して、高圧展
開可能な1つのインフレータを装備しておき、エアバッ
グの内圧を低圧に制御して低圧展開させ、内圧を高圧に
制御して高圧展開させる形式のインフレータを適用する
ことも有り得る。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、衝突発生時
に、車速が所定値未満のときには、第1フェーズにおい
てエアバッグを低圧展開させるか否かの低圧展開判定を
実行し、第1フェーズの後の第2フェーズにおいてエア
バッグを高圧展開させるか否かの高圧展開判定を実行す
るので、衝突発生時に、車速が所定値未満のときには、
低圧展開判定の実行後に高圧展開判定を実行するので、
エアバッグ装置の動作順序は、低圧展開だけの場合に
は、低圧展開判定と低圧展開が実行され、その後高圧展
開判定が実行され、また、高圧展開に至る場合には、低
圧展開判定と低圧展開が実行され、その後高圧展開判定
と高圧展開が実行される。それ故、低圧展開と同時に高
圧展開することがない。ところで、衝突速度や衝突加速
度の誤検出やノイズの影響等により高圧展開の必要があ
いのに、高圧展開必要と判定してしまうことも考えられ
るが、このような場合にも、低圧展開後に高圧展開する
ことになり、低圧展開と同時に高圧展開することがない
ので、急に高圧展開したエアバッグから乗員に過度の衝
撃を付加するのを防止し安全性を高めることができる。
また、低圧展開判定から高圧展開判定までの間に所定の
期間が確保されるため、信頼性が一層高くなる。
【0044】
【0045】
【0046】しかも、第2フェーズにおける高圧展開判
定の時期を車速が低くなる程遅くすることで、高圧展開
の時期を車速が低くなる程遅くすることができる。即
ち、衝突発生時に車速が低い程、乗員がエアバッグに到
達するタイミングが遅くなるので、高圧展開判定の時期
を車速が低くなる程遅くすることにより、衝突速度や衝
突加速度の誤検出やノイズの影響により誤って高圧展開
させる場合にも、高圧展開したエアバッグで乗員に過度
の衝撃を付加するのを防止し、乗員の安全性を高めるこ
とができる
【0047】請求項の発明によれば、衝突発生時に減
速中である場合には、第1フェーズにおいて高圧展開判
定を実行する。即ち、衝突発生時に減速中である場合に
は、乗員に作用する慣性力も大きくなるため、緊急に高
圧展開させる必要がある蓋然性が高い。それ故、第1フ
ェーズにおいて高圧展開判定を実行することで極力早期
に高圧展開させて安全性を高めることが可能になる。そ
の他、請求項と同様の効果を奏する。請求項3の発明
によれば、請求項2とほぼ同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動車のエアバッグ装
置の構成図である。
【図2】エアバッグ装置の要部縦断面図である。
【図3】衝突速度に対する6とおりの衝撃吸収性能の特
性を示す線図である。
【図4】第1,第2フェーズと低圧展開判定と高圧展開
判定の関係を示す説明図である。
【図5】衝突時の車速に応じた遅延時間を設定したマッ
プの線図である。
【図6】エアバッグ展開制御のフローチャートの一部で
ある。
【図7】エアバッグ展開制御のフローチャートの残部で
ある。
【符号の説明】
C 自動車 1 エアバッグ装置 2 エアバッグ 3 インフレータユニット 4,5 加速度センサ 6 車速センサ 8 シートベルトスイッチ 9 制御ユニット 10 ステアリングホイール 25 シートベルト
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−81197(JP,A) 特開 昭50−121936(JP,A) 特開 昭49−94030(JP,A) 特開 平10−1020(JP,A) 特開 平11−78769(JP,A) 特開 平10−29494(JP,A) 特開 平10−315907(JP,A) 特開 平6−107118(JP,A) 特開 平8−127306(JP,A) 特開 平2−270656(JP,A) 特開 平7−277123(JP,A) 特許2507796(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の走行状態や乗員の拘束状態に応じ
    て、エアバッグを低圧展開と高圧展開とに可変制御可能
    な車両のエアバッグ装置において、 衝突発生時に、車速が所定値未満のときには、第1フェ
    ーズにおいてエアバッグを低圧展開させるか否かの低圧
    展開判定を実行し、第1フェーズの後の第2フェーズに
    おいてエアバッグを高圧展開させるか否かの高圧展開判
    定を実行する展開判定手段を設け、 前記展開判定手段は、第2フェーズにおける高圧展開判
    定の時期を車速が低くなる程遅くする遅延手段を備えた
    ことを特徴とする車両のエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】前記展開判定手段は、衝突発生時に減速中
    である場合には、第1フェーズにおいて高圧展開判定を
    実行することを特徴とする請求項1に記載の車両のエア
    バッグ装置。
  3. 【請求項3】車両の走行状態や乗員の拘束状態に応じ
    て、エアバッグを低圧展開と高圧展開とに可変制御可能
    な車両のエアバッグ装置において、 衝突発生時に、車速が所定値未満のときには、第1フェ
    ーズにおいてエアバッグを低圧展開させるか否かの低圧
    展開判定を実行し、第1フェーズの後の第2フェーズに
    おいてエアバッグを高圧展開させるか否かの高圧展開判
    定を実行する展開判定手段を設け、 前記展開判定手段は、衝突発生時に減速中である場合に
    は、第1フェーズにおいて高圧展開判定を実行すること
    を特徴とする車両のエアバッグ装置。
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JP3632619B2 (ja) * 2001-06-06 2005-03-23 トヨタ自動車株式会社 乗員保護装置の起動装置
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