JPH11277640A - 梱包用バンド - Google Patents

梱包用バンド

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JPH11277640A
JPH11277640A JP8589898A JP8589898A JPH11277640A JP H11277640 A JPH11277640 A JP H11277640A JP 8589898 A JP8589898 A JP 8589898A JP 8589898 A JP8589898 A JP 8589898A JP H11277640 A JPH11277640 A JP H11277640A
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JP
Japan
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lactic acid
based polymer
packing band
band
average particle
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Application number
JP8589898A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Nakada
智之 中田
Yasuhiro Kitahara
泰広 北原
Takayuki Watanabe
孝行 渡辺
Ikunori Yoshida
育紀 吉田
Hisashi Aihara
久 相原
Seiji Obuchi
省二 大淵
Masanobu Ajioka
正伸 味岡
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリ乳酸系ポリマーを溶融押出し、これ
を冷却固化して得られた帯状の成形物を、特定の条件下
で延伸して得られる、ポリ乳酸系ポリマー製梱包用バン
ド、およびその製造方法。 【効果】 自動梱包機で使用する際、ポリプロピレン製
梱包用バンドと同等の実用性を有する分解性梱包用バン
ドが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、市販ポリプロピレ
ン製梱包用バンドと同等に自動梱包機での使用に適した
実用性(引張強度、剪断シール強度、梱包機内での走行
性など)を持つ、分解性を有する乳酸系ポリマー製梱包
用バンドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】[梱包用バンドの市場背景]荷造りなど
に使用される梱包バンドは、現在ポリプロピレン製のも
のが軽量、高強度、耐薬品性、熱融着性の点で優れてお
り、特に自動梱包機での使用に適し、また価格面でも安
価であることから、旧来用いられてきた藁、麻、紙製バ
ンド、金属製バンドにかわって、梱包用バンドとして各
種産業分野で大量に使用されている。
【0003】[ポリプロピレン製梱包用バンドの技術的
背景]現在、通常用いられているポリプロピレン製梱包
用バンドは、例えば、特開平3−658号公報、特公平
4−76769号公報、特公平5−34229号公報な
どに開示されている公知技術により、すなわち、熱可塑
性樹脂であるポリプロピレンを溶融押出して帯状の成形
物を得、これを長手方向に延伸した後、エンボス加工に
よって、表裏両面に多数の凹凸をつくる事により、得ら
れる。これら一連の加工操作により、引張強度の向上、
縦割れの防止、表面の摩擦抵抗の増大、見かけ厚み増加
による剛性の向上などにより、梱包用バントとしての使
用過程における必要な性能に加えて、自動梱包機で使用
する場合に必要な性能を維持しつつ、当該バンドの軽量
化を同時に実現している。
【0004】[環境保全の技術的背景]一般にポリオレ
フィン系、ポリスチレン系、ポリエステル系、ポリアミ
ド系、ポリアクリレート系、ポリカーボネート系、ポリ
イミド系などに代表される高分子材料(主として、熱可
塑性高分子材料)は、樹脂組成物やその成形物として、
種々の産業用資材としての有効に利用されてきた。しか
るに、これら通常の汎用高分子材料は、その使用の使命
を終え、廃棄されると、自然環境下でほとんど分解され
ないために、埋設処理した場合には、半永久的に地中に
残留し、焼却処分した場合には、廃棄ガスや廃棄熱エネ
ルギーが問題となる場合がある。さらには、通常の汎用
高分子材料は、自然環境下でほとんど分解されないため
に、景観を損ねたり、可塑剤等の添加剤の溶出により環
境を汚染したり、海洋生物の生活環境を破壊したり、多
くの環境保全上の問題を惹起している。
【0005】[ポリ乳酸の技術的背景]このような背景
から、分解性及び/又は生分解性(本出願の明細書にお
いては、自然環境下で微生物等の作用により分解する機
能や生体内で酵素等の作用により分解する機能を包含す
る。)を有する熱可塑性樹脂として、ポリ乳酸(本出願
の明細書においては、狭義のポリ乳酸(ホモポリマー)
及びコポリ乳酸(例えば、乳酸とヒドロキシカルボン酸
の共重合体等のコポリマーを包含する。)が注目を集め
てきた。
【0006】ポリ乳酸は、動物の体内で数カ月から1年
以内に100%生分解し、また、土壌や海水中等の湿潤
状態に放置された場合、数週間程度で強度が著しく低下
し、約1年から数年程度で原形を留めずに消滅し、さら
に分解生成物は、人体に無害な乳酸と二酸化炭素と水に
なるという特性を有している点で特徴的である。ポリ乳
酸の原料である乳酸は、発酵法や化学合成法により製造
されている。最近では、特に、発酵法によるL−乳酸が
大量に製造され、価格も安価となってきた。ポリ乳酸の
物性の中では、優れた透明性と剛性が特筆すべきもので
ある。このような特徴を活かした各種の用途開発が進め
られている。
【0007】[自動梱包機]現在一般に広く使用されて
いる自動梱包機は、ポリプロピレン製梱包用バンドの利
用を前提に設計・調整されているが、これを特別な改造
・調整なしに、分解性を有する梱包用バンドで使用可能
にすることは、梱包用バンドの製造業者及び消費者、梱
包機の製造業者及び利用者など広範囲にわたって、非常
に有益であり、このような特徴を有する分解性を有する
梱包用バンドが切望されている。
【0008】[分解性ポリマー製梱包用バンドの技術的
背景]環境保全上の問題を解決するため、既に、特許2
662494号公報(特開平6−246810号公報)
には、熱安定性および機械強度に優れ、分解性を有する
梱包用バンドとして、特定の脂肪族ポリエステルを主成
分とするポリエステル製梱包用バンドが開示されてい
る。
【0009】一般的に、ポリプロピレン製梱包用バンド
に必要な強度は、15.5mm幅のもので1.18kN
(JIS Z1527)であり、梱包後のヒートシール
部の強度(剪断シール強度)についても、この強度より
も極端に下回るものについては、実用に適さない。上記
技術において、梱包バンド自体の強度について記載がな
いが、接着部強力(剪断シール強度)は6mm幅で0.
18〜0.30kN{18〜31kgf}、15.5m
m幅に換算して0.46〜0.79kNと、上記強度に
比べて十分な強度を持っているとは言い難い。
【0010】また、特開平9−208817号公報に
は、乳酸系ポリマーの機械的強度や耐久性を改良するた
め、「ポリ乳酸または乳酸とその他のヒドロキシカルボ
ン酸のコポリマー」に「無機質充填材」を含有し、少な
くとも1軸方向に1.3〜5倍に延伸された乳酸系ポリ
マー延伸フィルムが開示されている。この方法により、
延伸性、機械的強度及び耐久性に優れた、延伸フィルム
を得ることが可能となる。
【0011】この乳酸系ポリマー延伸フィルムの主な用
途としては、包装用材料用フィルム、カード類などであ
り、使用形態はもっぱら平面状で、必要とされる引張強
度は100MPa程度である。対して、梱包用バンドの
使用形態は紐状で、必要とされる引張強度は、15.5
mm幅、約0.2mm厚で1.18kN、単位面積当た
りの強度に換算して約380MPaと大きく異なってお
り、上記「乳酸系ポリマー延伸フィルム」と本出願の
「乳酸系ポリマー製梱包用バンド」は、目的および構成
内容において、異なるものである。
【0012】一方、資源有効活用の観点から、梱包用バ
ンドを薄肉化することも有用であり、既にこの手法はポ
リプロピレン製梱包用バンドで実施されている。バンド
を単純に薄肉化した場合には、バンドの剛性不足によ
り、自動梱包機内での走行時に折れ曲がったり縦割れな
どの破損を生じるトラブルや、バンドと梱包機中のガイ
ド・ローラー、バンド同志などの摩擦による摩耗粉の発
生で、梱包機の作動不良や梱包物への摩耗粉の付着・混
入などといった問題点が増加している。
【0013】乳酸系ポリマーなどの生分解性を有するポ
リマー製梱包用バンドにおいて、薄肉化されて用いられ
た場合においても、ポリプロピレン製梱包用バンドを代
替可能な引張強度や剪断シール強度を持ち、かつ梱包機
中での破損や走行不良がない、という技術はいまだに見
いだされていない。環境保全のために、分解性を有する
ポリマー製梱包用バンドを ポリプロピレン製梱包用バ
ンドの代替として使用するためには、ポリプロピレン製
梱包用バンドと同等の実用性、例えば引張強度やヒート
シール(熱溶着)部分の強度(特に剪断シール強度)、
自動梱包機内の安定した走行性などの特徴を全て備えて
いることが必要となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に対し、乳酸系ポリマー、特定の種類の無機質充填材、
特定の種類の滑剤からなる乳酸系ポリマー組成物を梱包
用バンドの材料として用い、特定の条件で成形加工する
ことにより、ポリプロピレン製梱包用バンドと同等の実
用性(自動梱包機内での走行性、機械的強度、剪断シー
ル強度)をもつ、生分解性を有する乳酸系ポリマー製梱
包バンドおよびその製造方法に関するものである。
【0015】本発明の解決しようとする課題は、以下の
(1)〜(8)に記載した事項により特定される。 (1)市販のポリプロピレン製梱包用バンド(以下、P
Pバンドという。)と同等の実用性を達成し得る生分解
性ポリマー製梱包用バンドを提供すること。すなわち、
市販汎用自動梱包機(市販のPPバンドを荷物の結束お
よび融着接合するのに好適な条件に設定された自動梱包
機)に、従来の技術による生分解性ポリマー製梱包用バ
ンドをセットして使用したのでは、PPバンドと同等に
は使用できなかったことに鑑み、上記市販汎用自動梱包
機において、PPバンドと同等の実用性(融着接合性、
走行性等)を達成し得る生分解性ポリマー製梱包用バン
ドを提供すること。より具体的には、現在一般に広く使
用されている自動梱包機(ポリプロピレン製梱包用バン
ドの利用を前提に設計・調整されたもの)を、特別な改
造・調整なしに使用できる分解性を有する梱包用バンド
を提供すること。
【0016】(2)PPバンドと同等の機械的強度を達
成し得る生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供するこ
と。 (3)PPバンドと同等の剪断シール強度を達成し得る
生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供すること。 (4)上記(1)〜(3)の好適な態様として、エンボ
スを付与することにより、強度を維持して軽量化を達成
した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供すること。 (5)上記(1)〜(3)の好適な態様として、エンボ
スを付与することにより、市販汎用自動梱包機の走給機
構やアーチ部分の走行性を改善した生分解性ポリマー製
梱包用バンドを提供すること。
【0017】(6)上記(1)〜(3)の好適な態様と
して、エンボスを付与することにより、市販汎用自動梱
包機の走給機構やアーチ部分を問題なく通過させるため
に必要な剛性を改善した生分解性ポリマー製梱包用バン
ドを提供すること。 (7)上記(1)〜(3)の好適な態様として、無機添
加剤を添加することにより、市販汎用自動梱包機の走給
機構やアーチ部分を問題なく通過させるために必要な強
度及び剛性を改善した生分解性ポリマー製梱包用バンド
を提供すること。 (8)上記(1)〜(3)の好適な態様として、滑剤を
添加することにより、市販汎用自動梱包機の走給機構や
アーチ部分の走行性を改善した生分解性ポリマー製梱包
用バンドを提供すること。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、乳酸系ポリマーを溶融
押出し、これを冷却固化して得られた帯状成形物を、特
定の温度条件下で延伸することにより、上記「発明が解
決しようとする課題」を解決できるとの知見を見い出
し、本出願に係る発明を完成するに至った。本出願に係
る発明は、以下の
【0019】(1)〜(28)に記載した事項により特
定される。 (1)乳酸系ポリマーを、長さ方向に3〜15倍延伸し
てなる乳酸系ポリマー製梱包用バンド。 (2)延伸温度がガラス転移温度(Tg)以上、融点
(Tm)以下の温度範囲である、(1)に記載の乳酸系
ポリマー製梱包用バンド。 (3)表面に凹凸を有することを特徴とする(1)又は
(2)に記載した乳酸系ポリマー製梱包用バンド。 (4)乳酸系ポリマー梱包用バンドが、乳酸系ポリマー
100重量部に対し、無機質充填材を0〜25重量部、
滑剤を0.1〜5重量部を含有するものである、(1)
乃至(3)の何れかに記載した乳酸系ポリマー製梱包用
バンド。
【0020】(5)無機質充填材が、酸化チタン、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、カオリン、及び、
タルクからなる群より選ばれた少なくとも1種である、
(4)に記載した乳酸系ポリマー製梱包用バンド。 (6)無機質充填材が、平均粒径が0.1〜0.5μm
である酸化チタン、平均粒径が0.3〜6μmである炭
酸カルシウム、平均粒径が0.1〜2μmである硫酸バ
リウム、平均粒径が1〜12μmであるシリカ、平均粒
径が0.5〜10μmであるカオリン、及び、平均粒径
が0.1〜10μmであるタルクからなる群より選ばれ
た少なくとも1種である、(4)に記載した乳酸系ポリ
マー製梱包用バンド。 (7)無機質充填材が、酸化チタンである、(5)に記
載した乳酸系ポリマー製梱包用バンド。 (8)無機質充填材が、平均粒径0.1〜0.5μmの
酸化チタンである、(6)に記載した乳酸系ポリマー製
梱包用バンド。
【0021】(9)滑剤が、脂肪酸アマイド系滑剤、脂
肪酸エステル系滑剤、金属石鹸系滑剤からなる群から選
択された少なくとも1種の化合物である、(4)乃至
(8)の何れかに記載した乳酸系ポリマー製梱包用バン
ド。 (10)引張強度が、0.49〜1.96kNである、
(1)乃至(9)の何れかに記載した乳酸系ポリマー製
梱包用バンド。 (11)剪断シール強度が、引張強度の75〜100%
である、(1)乃至(10)の何れかに記載した乳酸系
ポリマー製梱包用バンド。 (12)表面の凹凸が、0.2〜0.8mmの見かけ厚
みを有するものであることを特徴とする、(3)乃至
(11)の何れかに記載した乳酸系ポリマー製梱包用バ
ンド。
【0022】(13)表面の凹凸が、凸部厚みが、凹部
厚みの1.6〜2.0倍であることを特徴とする、
(3)乃至(12)の何れかに記載した乳酸系ポリマー
製梱包用バンド。 (14)平均幅が、8〜18mmであり、かつ、単位長
さ当たりの重量(目付)が、7g/m以下であることを
特徴とする、(3)乃至(12)の何れかに記載した乳
酸系ポリマー製梱包用バンド。 (15)乳酸系ポリマーを溶融押出成形して得られた帯
状未延伸成形物を、ガラス転移温度(Tg)以上、融点
(Tm)以下の温度範囲で、1〜5段延伸により、長さ
方向の延伸倍率3〜15倍で延伸する工程、を含んで構
成されることを特徴とする、乳酸系ポリマー製梱包用バ
ンドの製造方法。 (16)工程1として、乳酸系ポリマーを溶融押出成形
して得られた帯状未延伸成形物を冷却固化する工程、工
程2として、工程1で得られた帯状未延伸成形物を、ガ
ラス転移温度(Tg)以上、融点(Tm)以下の温度範
囲で、1〜5段延伸により、長さ方向の延伸倍率3〜1
5倍で延伸する工程、を含んで構成されることを特徴と
する、乳酸系ポリマー製梱包用バンドの製造方法。
【0023】(17)工程1として、乳酸系ポリマーを
溶融押出成形して得られた帯状未延伸成形物を冷却固化
する工程、工程2として、工程1で得られた帯状未延伸
成形物を、ガラス転移温度(Tg)以上、融点(Tm)
以下の温度範囲で、1〜5段延伸により、長さ方向の延
伸倍率3〜15倍で延伸する工程、工程3として、工程
2の後に、エンボス加工により表面凹凸を形成する工
程、を含んで構成されることを特徴とする、乳酸系ポリ
マー製梱包用バンドの製造方法。 (18)乳酸系ポリマー製梱包用バンドが、乳酸系ポリ
マー100重量部に対し、無機質充填材を0〜25重量
部、滑剤を0.1〜5重量部を含有するものである、
(15)乃至(17)の何れかに記載した乳酸系ポリマ
ー製梱包用バンドの製造方法。 (19)無機質充填材が、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、シリカ、カオリン、及び、タルクか
らなる群より選ばれた少なくとも1種である、(18)
に記載した乳酸系ポリマー製梱包用バンドの製造方法。
【0024】(20)無機質充填材が、平均粒径が0.
1〜0.5μmである酸化チタン、平均粒径が0.3〜
6μmである炭酸カルシウム、平均粒径が0.1〜2μ
mである硫酸バリウム、平均粒径が1〜12μmである
シリカ、平均粒径が0.5〜10μmであるカオリン、
及び、平均粒径が0.1〜10μmであるタルクからな
る群より選ばれた少なくとも1種である、(19)に記
載した乳酸系ポリマー製梱包用バンドの製造方法。 (21)無機質充填材が、酸化チタンである、(19)
に記載した乳酸系ポリマー製梱包用バンドの製造方法。 (22)無機質充填材が、平均粒径0.1〜0.5μm
の酸化チタンである、(20)に記載した乳酸系ポリマ
ー製梱包用バンドの製造方法。
【0025】(23)滑剤が、脂肪酸アマイド系滑剤、
脂肪酸エステル系滑剤、金属石鹸系滑剤からなる群から
選択された少なくとも1種の化合物である、(19)乃
至(22)の何れかに記載した乳酸系ポリマー製梱包用
バンドの製造方法。 (24)引張強度が、0.49〜1.96kNである、
(15)乃至(23)の何れかに記載した製造方法によ
り得られた乳酸系ポリマー製梱包用バンド。 (25)剪断シール強度が、引張強度の75〜100%
である、(15)乃至(23)の何れかに記載した製造
方法により得られた乳酸系ポリマー製梱包用バンド。
【0026】(26)表面の凹凸が、0.2〜0.8m
mの見かけ厚みであることを特徴とする、(17)乃至
(23)の何れかに記載した製造方法により得られた乳
酸系ポリマー製梱包用バンド。 (27)表面の凹凸が、表面に凹凸を付与する前の厚み
の1.6〜2.0倍の見かけ厚みを有するものであるこ
とを特徴とする、(17)乃至(23)の何れかに記載
した製造方法により得られた乳酸系ポリマー製梱包用バ
ンド。 (28)平均幅が、8〜18mmであり、かつ、単位長
さ当たりの重量(目付)が、7g/m以下であることを
特徴とする、(15)乃至(23)の何れかに記載した
製造方法により得られた乳酸系ポリマー製梱包用バン
ド。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 [乳酸系ポリマー]本出願において、乳酸系ポリマーと
は、重合に供するモノマーの重量に換算して、乳酸成分
を50wt%以上含むポリマーを包含する。その具体例
としては、例えば(1)ポリ乳酸、(2)乳酸と他の脂
肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、(3)乳
酸、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸とのコポリ
マー、(4)(1)〜(3)のいずれかの組合わせによ
る混合物、等が挙げられる。
【0028】ポリ乳酸の原料である乳酸の具体例として
は、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸又はそれらの混合
物、又は、乳酸の環状2量体であるラクタイドを挙げる
ことができる。梱包用バンドに優れた機械的強度および
耐熱性を付与するためには、得られた乳酸系ポリマーは
結晶性であることが好ましく、そのためには、、L−乳
酸とD−乳酸を混合して用いる場合、L−乳酸又はD−
乳酸の何れかが75重量%以上であることが必要であ
る。乳酸系ポリマーが混合物の場合、相溶化剤を含有し
てもよい。
【0029】乳酸系ポリマーがコポリマーの場合、コポ
リマーの配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合
体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの
様式でもよい。さらに、これらは少なくとも一部が、キ
シリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシ
アネート等のような多価イソシアネートやセルロース、
アセチルセルロースやエチルセルロース等のような多糖
類等の結合剤で鎖を延長されたものでもよく、少なくと
も一部が、線状、環状、分岐状、星形、三次元網目構
造、等のいずれの構造をとってもよく、何ら制限はな
い。
【0030】本出願の乳酸系ポリマーにおいて、ポリ乳
酸、特にポリ−L−乳酸、ポリ乳酸とポリカプロン酸の
ブロックポポリマー、特にポリ−L−乳酸とポリ−ε−
カプロン酸のブロックコポリマー、ポリ乳酸とポリ−6
−ヒドロキシカプロン酸のブロックコポリマー、特にポ
リ−L−乳酸とポリ−6−ヒドロキシカプ口ン酸のブロ
ックコポリマー、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネート
のブロックコポリマー、特にポリ−L−乳酸とポリブチ
レンサクシネートのブロックコポリマーが好ましい。
【0031】<脂肪族ヒドロキシカルボン酸>乳酸と共
重合できる脂肪族ヒドロキシカルボン酸類の具体例とし
ては、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4
−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロ
キシ吉草酸、5−カプロン酸を挙げることができ、さら
に、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状エステル、例え
ば、グリコール酸の2量体であるグリコライドや6−ヒ
ドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラ
クトンを挙げることができる。これらは、単独で又は二
種類以上を組合せて、使用することができる。特に6−
ヒドロキシカプロン酸又は、ε−カプロラクトンが好適
に使用される。
【0032】<脂肪族多価アルコール>脂肪族多価アル
コールの具体例としては、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
−ル、1,6−へキサンジオール、1,9−ノナンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,
4−ベンゼンジメタノール等が挙げられる。これらは、
単独で又は二種類以上を組合せて、使用することができ
る。
【0033】<脂肪族多塩基酸>脂肪族二塩基酸の具体
例としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二
酸、フェニルコハク酸、1,4−フェニレンジ酢酸等が
挙げられる。これらは、単独で又は二種以上の組合わ
せ、使用することができる。
【0034】本発明において使用される乳酸系ポリマー
の製造方法の具体例としては、上記脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸、脂肪族二価アルコール、脂肪族二塩基酸を用
い、公知公用の方法を採用することができる。例えば、
ポリ乳酸の場合は、(1)乳酸又は乳酸と脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合
する方法(例えば、米国特許5,310,865号に示
されている製造方法)、(2)乳酸の環状二量体(ラク
タイド)を溶融重合する開環重合法(例えば、米国特許
2,758,987号に開示されている製造方法)、
(3)乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状2量
体、例えば、ラクタイドやグリコライドとε−カプロラ
クトンを、触媒の存在下、溶融重合する開環重合法(例
えば、米国特許4,057,537号に開示されている
製造方法)、(4)乳酸、脂肪族二価アルコールと脂肪
族二塩基酸の混合物を、直接脱水重縮合する方法(例え
ば、米国特許5,428,126号に開示されている製
造方法)、(5)ポリ乳酸と脂肪族二価アルコールと脂
肪族二塩基酸とのポリマーを、有機溶媒存在下に縮合す
る方法(例えば、欧州特許公報0712880号に開示
されている製造方法)等、を挙げることができるが、そ
の製造方法には、特に限定されない。
【0035】また、少量のグリセリンのような脂肪族多
価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂肪族
多塩基酸、多糖類等のような多価アルコール類を共存さ
せて、共重合させてもよく、ジイソシアネート化合物等
のような結合剤(高分子鎖延長剤)を用いて分子量を上
げてもよい。ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、ジクミルパーオキシドのような過酸化物
で架橋させてもよい。
【0036】<多糖類>多糖類の具体例としては、例え
ば、セルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、メ
チルセルロース、エチルセルロース、セルロイド、ビス
コースレーヨン、再生セルロース、セロハン、キュプ
ラ、銅アンモニアレーヨン、キュプロファン、ベンベル
グ、ヘミセルロース、デンプン、アミロペクチン、デキ
ストリン、デキストラン、グリコーゲン、ペクチン、キ
チン、キトサン、アラビアガム、グァーガム、ローカス
トビーンガム、アカシアガム、等、及びこれらの誘導体
が挙げられるが、特にアセチルセルロース、エチルセル
ロースが好適に用いられる。これらは、一種類又は二種
類以上の混合物であってもよい。
【0037】[乳酸系ポリマーの分子量]本発明におい
て使用する乳酸系ポリマーの分子量は、実質的に充分な
機械物性を示すものであれば、その分子量は、特に制限
されない。乳酸系ポリマーの分子量としては、一般的に
は、重量平均分子量として、1〜500万が好ましく、
3〜300万がより好ましく、5〜200万がより好ま
しく、7〜100万がさらに好ましく、9〜50万が最
も好ましい。一般的には、重量平均分子量が1万より小
さい場合、機械物性が充分でなかったり、逆に分子量が
500万より大きい場合、取扱いが困難となったり不経
済となったりする場合がある。
【0038】本発明において使用する乳酸系ポリマーの
重量平均分子量及び分子量分布は、その製造方法におい
て、溶媒の種類、触媒の種類及び量、反応温度、反応時
間、共沸により留出した溶媒の処埋方法、反応系の溶媒
の脱水の程度等の反応条件を適宜選択することにより所
望のものに制御することができる。
【0039】[乳酸系ポリマーの製造方法]本発明の乳
酸系ポリマーの製造方法は、特に制限されない。例え
ば、ポリ乳酸及び構造単位に乳酸を有する乳酸系ポリマ
ーの製造方法の具体例としては、特開平6−65360
号に開示されている方法を参考した、後述の製造例2に
示すような方法が挙げられる。すなわち、乳酸及び/又
は乳酸以外のヒドロキシカルボン酸を、あるいは脂肪族
ジオールと脂肪族ジカルボン酸を、有機溶媒及び触媒の
存在下、そのまま脱水縮合する直接脱水縮合法である。
【0040】構造単位に乳酸を有する乳酸系ポリマーの
製造方法の他の参考例としては、例えば、特開平7−1
73266号に開示されている方法を参考した、後述の
製造例4に示すような方法が挙げられる。すなわち、少
なくとも2種類のホモポリマーを重合触媒の存在下、共
重合並びにエステル交換反応させる方法である。ポリ乳
酸の製造方法の他の具体例としては、例えば、米国特許
第2,703,316号に開示されている方法を参考に
した、後述の製造例1に示すような方法が挙げられる。
すなわち、乳酸及び/又は乳酸以外のヒドロキシカルボ
ン酸を、一旦、脱水し環状二量体とした後に、開環重合
する間接重合法である。
【0041】[無機質充填材]本発明の乳酸系ポリマー
製梱包用バンドの強度を増すために、乳酸系ポリマーに
無機質充填剤を加えることが好ましい。本発明に用いる
無機質充填材の種類は限定されない。好ましい具体例と
ては、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シ
リカ、カオリン、タルクの6種類の無機質充填材が挙げ
られる。これらは単独で使用しても良いし、また、2種
以上を混合して使用しても良い。乳酸系ポリマーに対す
る無機質充填材の配合量は、乳酸系ポリマー100重量
部に対し、0〜25重量部、好ましくは0.5〜20重
量部である。25重量部を越えると、強度低下の原因と
なり、バンドを製造する際や、バンドを使用する際に縦
割れや破断などの問題が起きやすくなるため、好ましく
ない。
【0042】本出願に用いる無機質充填材のうち、酸化
チタンについては、その結晶形からアナタース型、ルチ
ル型、ブルカイト型に分類されるが、いずれも使用する
ことができ、その平均粒子径は0.1〜0.5μmであ
ることが好ましい。更に好ましくは0.1〜0.3μm
である。また、乳酸形ポリマーへの分散性を向上させる
ために、表面をアルミナ、シリカ、酸化亜鉛等の酸化物
で被覆したり脂肪族ポリオール等で表面処理を施したも
のを使用することができる。市販品として、タイペーク
[石原産業(株)製]、タイトン[堺化学工業(株)
製]等が挙げられる。
【0043】炭酸カルシウムは、結晶形として、カルサ
イト、アラゴナイト、バテライト、のいずれもが使用で
き、平均粒径として0.3〜6μmのものが好ましく用
いられる。市販品として、NCC[日東粉化工業(株)
製]、サンライト[竹原化学(株)製]等が挙げられ
る。
【0044】硫酸バリウムは、重晶石から化学反応によ
り製造した沈降性硫酸バリウムで、平均粒径が0.1〜
2μmのものを用いることができる。市販品としては、
沈降性硫酸バリウムTH、沈降性硫酸バリウムST[バ
ライト工業(株)製]等が挙げられる。
【0045】シリカは、天然または合成で得られるケイ
酸で、平均粒径として1〜12μmのものが好ましく使
用できる。市販品としては、AEROSIL[日本アエ
ロジル(株)製]、サイリシア[富士シリシア化学
(株)製]、ヒューズレックスクリスタライト[タツモ
リ(株)製]等が挙げられる。カオリンは、天然に産出
する含水ケイ酸アルミニウムで、平均粒径が0.5〜1
0μmのものを使用することができる。また、結晶水を
除去した焼成タイプも使用できる。市販品として、NN
カオリンクレー[土屋カオリン工業(株)製]、AS
P、サテントン[エンゲルハルト(株)製]等が挙げら
れる。タルクは天然に産出する含水ケイ酸マグネシウム
で、平均粒径が0.1〜10μmのものを使用すること
ができる。市販品として、PK、LMS[富士タルク工
業(株)製]が挙げられる。
【0046】[滑剤]本発明の乳酸系ポリマー製梱包バ
ンドの自動梱包機内における走行性が良くし、摩擦、摩
耗を軽減するために、乳酸系ポリマーに滑剤を加えるこ
とが好ましい。本発明に用いる滑剤の種類は限定されな
い。好ましい具体例としては、エルカ酸アマイド、ステ
アリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、ラウリン酸ア
マイド、パルミチン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、
リシノール酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、
メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステ
アリン酸アマイド、エチレンビスベヘニン酸アマイド等
の脂肪酸アマイド系滑剤、モンタン酸ワックス、モンタ
ン酸部分ケン化エステル、ステアリン酸ブチルエステル
等の長鎖エステルワックス、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ソルビタ
ン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル系滑剤、ステアリ
ン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリ
ン酸カルシウム等の炭素数12〜30の脂肪酸金属塩で
ある金属石鹸系滑剤、またはこれらを複合した複合滑剤
等が挙げられる。これらのうち、エルカ酸アマイド、モ
ンタン酸ワックス、ヒドロキシステアリン酸カルシウム
等が好ましい。
【0047】滑剤の添加量は乳酸系ポリマー100重量
部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重
量部であることが好ましい。添加量が0.1重量部未満
の場合は、得られる梱包バンドの自動梱包機内における
走行性が悪く、摩擦、摩耗が大きくなるので好ましくな
い。5重量部を越えると、乳酸系ポリマー組成物を溶融
押出成形する際の、溶融時の粘度が低下して、バンドの
成形が困難になり、成形可能であってもバンドの引張強
度が低下し、好ましくない。
【0048】本発明の製造方法により製造する梱包用バ
ンドには、さらに、当該バンドの機械的強度、耐熱性、
分解性を損なわない限り、各種エラストマー(SBR、
NBR、SBS型3元ブロック共重合体熱可塑性エラス
トマー等)や添加剤(可塑剤、顔料、安定剤、帯電防止
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、離型剤、滑
剤、染料、抗菌剤)、耐衝撃性改良剤(耐衝撃性コア/
シェル型粒子、インパクトモディフアイアー等)を目的
や用途に応じて適宜使用することができる。
【0049】[成形加工法] <混合・混練・捏和>本発明において、ポリ乳酸系樹脂
と無機添加剤を、混合・混練・捏和してポリ乳酸系樹脂
製梱包バンドの原料とする方法は、公知公用の混練技
術、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等
で各原料を混合させたり、又、さらに押出機等を用いて
溶融したポリマーに直接添加させながら混練させる方法
(サイドフィード法)を採用することができる。
【0050】<成形>以下に、本発明の目的とする機械
的強度、耐熱性、および透明性に優れ、分解性を有する
ポリ乳酸系樹脂製梱包用バンドを製造する方法について
説明する。
【0051】[延伸]フィルム、シートやモノフィラメ
ント(糸)などを、材料の融点以下の温度で機械的に引
伸ばし、引張方向に平行に分子を配向させる操作をい
う。この操作により引張強さは著しく向上し、強靱性を
増す。延伸行程の後、延伸温度以上に再加熱すると元の
寸法に収縮しようとする性質が表れるため、寸法や強度
の安定性をはかるために、延伸温度よりやや低温で熱処
理(熱固定、ヒートセット)を行うことがある。
【0052】[エンボス加工]フィルム、シートなどを
加熱した後、凹凸模様を刻印したしぼ付ローラー(エン
ボスロール)とゴム被覆したローラーの間、または、1
対のしぼ付ローラーの間を通して、片面または両面に凹
凸模様を付ける加工方法をいう。
【0053】[乳酸系ポリマー製梱包用バンドの成形加
工]乳酸系ポリマーを主成分とする樹脂材料を、押出成
形機のスリット状ダイにより帯状に溶融押出し、その
後、冷却水槽に導きこれを急冷する。冷却水槽の水温は
20〜80℃の範囲が好ましく、更に40〜70℃の範
囲が特に好ましい。水温が上記範囲よりも低い場合、冷
却水槽中の帯状成形物の走行が乱れたり、帯状成形物が
過度に硬質になるため、走行の乱れが周囲に伝搬し易く
なり、製品形状に悪影響を与える。水温が上記範囲より
高い場合には、帯状成形物の冷却が不足して、軟質のま
ま次の延伸行程へ導入され、引き取りローラー(延伸ロ
ーラー)での巻き取り不良を引き起こす。
【0054】次に、この冷却された帯状物を、特定の温
度、すなわち、乳酸系ポリマーのガラス転移温度(T
g)以上、乳酸系ポリマーの融点(Tm)以下の温度に
加熱して延伸を行う。延伸は、入り口側引き取りローラ
ー(延伸ローラー)と出口側引き取りローラー(延伸ロ
ーラー)の速度比によって行い、このときの延伸倍率
は、3〜15倍が好ましい。また、延伸時の加熱方法
は、水槽、オーブン、熱ロール等いずれを用いてもよ
い。
【0055】水槽としては、水温調節可能な長さ数m水
槽と、その前後に引き取りローラー(延伸ローラー)を
配置する事により実現可能である。オーブンとしては、
電気式ヒーター(赤外線ヒーター)を熱源として長手方
向に配置して温度調節を行う長さ数mのオーブンと、そ
の前後に引き取りローラー(延伸ローラー)を配置する
事により実現可能である。
【0056】熱ロールとしては、水配管、油配管、電気
ヒーターなどを内部に配置して加熱し温度調節された複
数の引き取りローラー(延伸ローラー)で構成すること
により実現可能である。3〜15倍の延伸を行う方法と
しは、上記3種類の装置を適宜選択し、1段で行う他
に、これらを適宜組み合わせて、2段、3段〜多段の構
成とし、各段で小倍率の延伸を行い、全体の延伸倍率を
3〜15倍とする方法もとることができる。
【0057】加熱槽または熱ロールによる加熱条件とし
ては、帯状成形物の表面付近の雰囲気温度が60〜13
0℃が好ましく、70〜100℃が特に好ましい。多段
の延伸を行う場合には、例えば、1段目で1.7〜5
倍、2段目で1.5〜4倍、3段目では1.2〜3倍の
ように、順次延伸倍率を下げ、全体的な延伸倍率を3〜
15倍となるようにし、同時に、加熱槽または熱ロール
による加熱条件は、上記温度範囲において、1段目を一
番低く、段数を増す毎に順次温度を高くする方法が好ま
しい。
【0058】延伸倍率が3倍に満たない場合は、延伸操
作による強度発現が少なく、十分な強度を持つ製品が得
られない。15倍を越える延伸倍率では、延伸切れや、
バンドの縦割れなどのトラブルが発生する。また、延伸
時の帯状成形物の表面付近の雰囲気温度が60℃に満た
ない場合は、延伸切れが起こりやすく、3倍以上の延伸
が不可能となり、100℃を越える場合は、延伸による
強度発現の効果が少なくなる
【0059】上記範囲の倍率、および雰囲気温度で延伸
したバンドは、引き続いて表面に所定の模様の凹凸を有
する一対のローラー(エンボスロール)に挟み込むこと
によって、バンドの表面または表裏両面に多数の凹凸状
の模様を賦形するためのエンボス加工を施す。エンボス
加工を施した表面に凹凸を有する梱包バンドの見かけ厚
みtは、例えば、マイクロメーターで1サンプルにつ
き、10点測定してその平均値を求めることにより評価
することができる。本発明においては、表面の凹凸が、
0.2〜0.8mmの見かけ厚みを有するものであるこ
とが好ましい。この数値範囲内においては、自動梱包機
で使用する際に、給送部での送り性や、アーチ部での通
過性が特に好適である。
【0060】本発明においては、表面の凹凸が、凸部厚
みが、凹部厚みの1.6〜2.0倍であることが好まし
い。この数値範囲内においては、自動梱包機で使用する
際に、給送部での送り性や、アーチ部での通過性が特に
好適である。本発明においては、表面の凹凸が、表面に
凹凸を付与する前の厚みt0 の1.6〜2.0倍の見か
け厚みを有するものであることが好ましい。この数値範
囲内においては、自動梱包機で使用する際に、給送部で
の送り性や、アーチ部での通過性が特に好適である。
【0061】更に、このバンドを乳酸系ポリマーのガラ
ス転移温度(Tg)〜融点(Tm)の間の温度に設定し
た加熱槽に導き、熱処理(熱固定)を行った後、冷却槽
において冷却し、最後に巻取機により巻き取り、製品を
得る。熱処理には、延伸操作の場合と同様に、水槽、オ
ーブン、熱ロール等いずれを用いてもよい。
【0062】このようにして得られた乳酸系ポリマー製
梱包用バンドの好適な平均幅Hは、8〜18mmであ
り、単位長さ当たりの重量(目付)が7g/m以下であ
る。本発明の製造方法により、自動梱包機による結束テ
ストにおいて結束失敗がなく、JIS Z1527に準
拠して測定した引張強度が0.49〜1.96kN/1
5.5mm幅{50〜200kgf/15.5mm幅}
の範囲、好ましくは0.78〜1.96kN/15.5
mm幅{80〜200kgf/15.5mm幅}の範
囲、剪断シール強度が引張強度の75〜100%、好ま
しくは80〜100%、である梱包用バンドが得られ
る。
【0063】
【実施例】以下に製造例、実施例及び比較例等を示し、
本発明を詳述する。なお、本出願の明細書における合成
例、実施例、比較例、態様等の記載は、本発明の内容の
理解を支援するための説明であって、その記載は本発明
の技術的範囲を狭く解釈する根拠となる性格のものでは
ない。
【0064】A.製造例 実施例及び比較例において使用する乳酸系ポリマーの製
造方法を以下に示す。なお、文中に部とあるのはいずれ
も重量基準である。また、重合体の平均分子量(重量平
均分子量Mw)はポリスチレンを標準としてゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーにより以下の条件で測定
した。 (1)装 置:島津LC−IOAD (2)検出器:島津RID−6A (3)カラム:日立化成GL−S350DT−5、GL
−S370DT−5 (4)溶 媒:クロロホルム (5)濃 度:1% (6)注入量:20μl
【0065】製造例1 ポリマーA(ポリL−ラクタイ
ド)の製造 L−ラタタイド100重量部及びオクタン酸第一錫0.
01部と、ラウリルアルコール0.03部を、攪拌機を
備えた肉厚の円筒型ステンレス製重合容器へ封入し、真
空で2時間脱気した後窒素ガスで置換した。この混合物
を窒素雰囲気下で攪拌しつつ200℃で3時間加熱し
た。温度をそのまま保ちながら、排気管及びガラス製受
器を介して真空ポンプにより徐々に脱気し反応容器内を
0.4kPa{3mmHg}まで減圧にした。脱気開始
から1時間後、モノマーや低分子量揮発分の留出がなく
なったので、容器内を窒素置換し、容器下部からポリマ
ーをストランド状に抜き出してペレット化し、L−ラク
タイドのホモポリマー(ポリマーA)を得た。収率は7
8%、重量平均分子量Mwは、13.6万であった。
【0066】製造例2 ポリマーB(ポリL−乳酸)の
製造 Dien−Starkトラップを設置した100リット
ルの反応器に、90%L−乳酸10kgを150℃/
6.7kPa{50mmHg}で3時間攪拌しながら水
を留出させた後、錫末6.2gを加え、150℃/4.
0kPa{30mmHg}でさらに2時間攪拌してオリ
ゴマー化した。このオリゴマーに錫末28.8gとジフ
ェニルエーテル21.1kgを加え、150℃/4.7
kPa{35mmHg}共沸脱水反応を行い、留出した
水と溶媒を水分離器で分離して溶媒のみを反応器に戻し
た。2時間後、反応器に戻す有機溶媒を46kgのモレ
キュラシーブ3Aを充填したカラムに通してから反応器
に戻るようにして、150℃/4.7kPa{35mm
Hg}で40時間反応を行い、重量平均分子量14.6
万のポリ乳酸の溶液を得た。この溶液に脱水したジフェ
ニルエーテル44kgを加え、希釈した後40℃まで冷
却して、析出した結晶を瀘過し、10kg(7)n−ヘキ
サンで3回洗浄して60℃/6.7kPa{50mmH
g}で乾燥した。この粉末を0.5N−HCl12kg
とエタノ一ル12kgを加え、35℃で1時間攪拌した
後瀘過し、60℃/6.7kPa{50mmHg}で乾
燥して、白色粉末のポリ乳酸6.1kg(収率85%)
を得た。このポリ乳酸(ポリマーB)の重量平均分子量
Mwは、14.5万であった。
【0067】製造例3 ポリマーC(ポリブチレンサク
シネート)の製造 1,4−ブタンジオール50.5gとコハク酸66.5
gにジフェニルエーテル293.0g)金属錫2.02
gを加え、130℃/18.7kPa{140mmH
g}で7時間系外に水を留出しながら加熱攪拌しオリゴ
マー化した。これに、Dean−Stark trap
を取り付け、140℃/4.0kPa{30mmHg}
で8時間共沸脱水を行いその後、モレキュラーシーブ3
Aを40g充填した管を取り付け、留出した溶媒がモレ
キュラーシーブ管中を通って反応器に戻るようにし、1
30℃/2.3kPa{17mmHg}で49時間攪拌
した。その反応マスを600mlのクロロホルムに溶か
し、4リットルのアセトンに加え再沈した後、HClの
イソプロピルアルコール(以下IPAと略す)溶液(H
Cl濃度0.7wt%)で0.5時間スラッジングし
(3回)、IPAで洗浄してから減圧下60℃で6時間
乾燥し、ポリブチレンサクシネート(以下PSBと略
す)を得た。このポリマーの重量平均分子量Mwは、1
1.8万であった。
【0068】製造例4 コポリマーD(ポリブチレンサ
クシネート/ポリ乳酸共重合体)の製造 製造例3と同様な方法で得られたポリブチレンサクシネ
ート40.0gに、製造例2と同様な方法で得られたポ
リ乳酸160.0g(重量平均分子量Mwは2.0
万)、ジフェニルエーテル800g、金属錫0.7gを
混合し、再び130℃/2.3kPa{17mmHg}
で20時間脱水縮合反応を行った。反応終了後、製造例
2と同様に後処理を行い、ポリブチレンサクシネートと
ポリ乳酸とのコポリマー188g(収率94%)を得
た。このポリブチレンサクシネートとポリ乳酸とのコポ
リマー(コポリマーD)の重量平均分子量Mwは14.
0万であった。
【0069】B.評価方法 [物性の評価]製造例2、3及び4で得たポリマーを用
いて製造した梱包用バンドの物性の評価条件は、以下の
とおりである。 (1)結束テスト 乳酸系ポリマーを用いて製造した幅15.5mmの梱包
用バンドを市販の自動梱包機:アーチサイズが幅600
mm×高さ600mm(昌弘機工製)を用い、200×
200×200mmの箱にバンド掛けを行い、500回
の結束のうち、失敗の回数が0のものを○、3回以下を
△、4回以上を×とした。梱包の際に梱包機中でバンド
が破損したり、走行が乱れてたり結束が不可能であった
場合を失敗とした。
【0070】(2)引張強度 JIS Z1527に従い、引張強度を測定した。1
5.5mm幅あたり引張強度が0.49〜1.96kN
に満たない場合は、ポリプロピレン製梱包用バンドと同
等の実用性がないことを意味する。 (3)剪断シール強度 上記(1)と同じ条件で結束テストを行い、ヒートシー
ル部分中心にして長さ200mm分切り取りサンプルと
し、JIS Z1707に準じて、ヒートシール部分に
剪断応力が働くように、バンド長手方向の引張強度を測
定して、剪断シール強度とした。剪断シール強度が1
5.5mm幅あたり引張強度の75%に満たないもの
は、ポリプロピレン製梱包用バンドに比べ実用強度が劣
る。
【0071】C.実施例及び比較例 実施例1 製造例1で得られたポリマーB100重量部、滑剤とし
てエルカ酸アマイド[NEUTRON−S、日本精化
製]を表1に示す割合で配合し、ヘンシェルミキサーに
て十分に混合した後、押出機シリンダー設定温度170
〜190℃、スリットダイ設定温度170℃から帯状の
成形物を押出す。この成形物をスリットダイ直下に設け
られた、水温45℃に調節した冷却水槽に導き冷却す
る。延伸用加熱槽として温度制御が可能な水槽を用い、
設定温度を85℃とし、前後に配置した延伸ローラーの
速度比により延伸倍率を4.5倍とした。続いて、エン
ボスロールにより表面に凹凸を賦形(エンボス加工)す
る。このバンドの表面付近の雰囲気温度を100℃とな
るよう設定したオーブンに導いて熱処理(熱固定)を行
った後に、水温30℃に調節した冷却水槽で冷却し、巻
取機で巻き取り、幅15.5mm見掛け厚み0.35m
mの梱包用バンドを得た。この乳酸系ポリマー製梱包用
バンドの評価結果を第1表(表1)に示す。
【0072】実施例2〜8 製造例2で得られたポリマーB100重量部、各無機添
加剤、滑剤としてエルカ酸アマイド[NEUTRON−
S、日本精化製]を表1に示す割合で配合し、ヘンシェ
ルミキサーにて十分に混合した後、押出機シリンダー設
定温度170〜190℃、スリットダイ設定温度170
℃から帯状の成形物を押出す。この成形物をスリットダ
イ直下に設けられた、水温45℃に調節した冷却水槽に
導き冷却する。延伸用加熱槽として温度制御が可能な水
槽を用い、設定温度を85℃とし、前後に配置した延伸
ローラーの速度比により延伸倍率を4.5倍とした。続
いて、エンボスロールにより表面に凹凸を賦形(エンボ
ス加工)する。このバンドの表面付近の雰囲気温度を1
00℃となるよう設定したオーブンに導いて熱処理(熱
固定)を行った後に、水温30℃に調節した冷却水槽で
冷却し、巻取機で巻き取り、幅15.5mm見掛け厚み
0.35mmの梱包用バンドを得た。
【0073】用いた無機添加剤は、酸化チタン[タイペ
ークCR60−2、石原産業製]、シリカ[AEROS
IL 200、日本アエロジル製]、炭酸カルシウム
[SS30、日東粉化工業製]、カオリン[NNカオリ
ンクレー、土屋カオリン工業製]、タルク[LMS−3
00、富士タルク工業製]、硫酸バリウム[BARIF
INE BF−10、堺化学工業製]である。この乳酸
系ポリマー製梱包用バンドの評価結果を第1表(表1)
に示す。
【0074】実施例9、10 製造例4で得られたコポリマーD100重量部、無機添
加剤、滑剤としてエルカ酸アマイド[NEUTRON−
S、日本精化製]を表1に示す割合で配合し、ヘンシェ
ルミキサーにて十分に混合した後、押出機シリンダー設
定温度170〜190℃、スリットダイ設定温度170
℃から帯状の成形物を押出す。この成形物をスリットダ
イ直下に設けられた、水温45℃に調節した冷却水槽に
導き冷却する。1段目延伸用加熱槽として温度制御が可
能な水槽を用い、設定温度を75℃とし、前後に配置し
た延伸ローラーの速度比により延伸倍率を4倍とした。
同様に、2段目延伸として設定温度85℃の水槽を用
い、延伸倍率1.5倍として、全体の延伸倍率を6倍と
した。2段目の延伸操作の直後に、エンボスロールによ
り表面に凹凸を賦形(エンボス加工)する。このバンド
の表面付近の雰囲気温度を100℃となるよう設定した
オーブンに導いて熱処理(熱固定)を行った後に、水温
30℃に調節した冷却水槽で冷却し、巻取機で巻き取
り、幅15.5mm見掛け厚み0.35mmの梱包用バ
ンドを得た。用いた無機添加剤は、酸化チタン[タイペ
ークCR60−2、石原産業製]、シリカ[AEROS
IL 200、日本アエロジル製]である。この乳酸系
ポリマー製梱包用バンドの評価結果を第1表(表1)に
示す。
【0075】比較例1〜3 ポリマーBのかわりに製造例3で得られたポリマーCを
用い、加熱水槽の温度を70℃、熱処理時のバンド表面
付近の雰囲気温度を90℃とした以外は実施例1と同様
とした。これらは、剪断シール強度が引張強度75%未
満であり、PPポリプロピレン製梱包用バンドに比べ、
強度が劣る。評価結果を第1表(表1)に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明により、自動梱包機において良好
に結束可能であり、機械的強度、剪断シール強度、分解
性に優れた樹脂製梱包用バンドを提供することができ
る。本発明の効果は、少なくとも以下の(1)〜(8)
に記載した事項により特定される。 (1)市販のポリプロピレン製梱包用バンド(以下、P
Pバンドという。)と同等の実用性を達成し得る生分解
性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。す
なわち、市販汎用自動梱包機(市販のPPバンドを荷物
の結束および融着接合するのに好適な条件に設定された
自動梱包機)に、従来の技術による生分解性ポリマー製
梱包用バンドをセットして使用したのでは、PPバンド
と同等には使用できなかったことに鑑み、上記市販汎用
自動梱包機において、PPバンドと同等の実用性(融着
接合性、走行性等)を達成し得る生分解性ポリマー製梱
包用バンドを提供することができる。より具体的には、
現在一般に広く使用されている自動梱包機(ポリプロピ
レン製梱包用バンドの利用を前提に設計・調整されたも
の)を、特別な改造・調整なしに使用できる分解性を有
する梱包用バンドを提供することができる。
【0078】(2)PPバンドと同等の機械的強度を達
成し得る生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供するこ
とができる。 (3)PPバンドと同等の剪断シール強度を達成し得る
生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができ
る。 (4)上記(1)〜(3)の好適な態様として、エンボ
スを付与することにより、強度を維持して軽量化を達成
した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することが
できる。
【0079】(5)上記(1)〜(3)の好適な態様と
して、エンボスを付与することにより、市販汎用自動梱
包機の走給機構やアーチ部分の走行性を改善した生分解
性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。 (6)上記(1)〜(3)の好適な態様として、エンボ
スを付与することにより、市販汎用自動梱包機の走給機
構やアーチ部分を問題なく通過させるために必要な剛性
を改善した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供する
ことができる。
【0080】(7)上記(1)〜(3)の好適な態様と
して、無機添加剤を添加することにより、市販汎用自動
梱包機の走給機構やアーチ部分を問題なく通過させるた
めに必要な強度及び剛性を改善した生分解性ポリマー製
梱包用バンドを提供することができる。 (8)上記(1)〜(3)の好適な態様として、滑剤を
添加することにより、市販汎用自動梱包機の走給機構や
アーチ部分の走行性を改善した生分解性ポリマー製梱包
用バンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る梱包バンドの好適な態様の一例で
ある、表面に凹凸を有するものの平面図である。
【図2】本発明に係る梱包バンドの好適な態様の一例で
ある、表面に凹凸を有するものの製造に供する、エンボ
ス加工前の断面図である。
【図3】本発明に係る梱包バンドの好適な態様の一例で
ある、エンボス加工後の断面図である。
【符号の説明】
H;バンド平均幅。 t0 ;エンボス加工前のバンドの厚み。 t;エンボス加工後のバンドの見かけ厚み。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 育紀 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 相原 久 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 大淵 省二 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 味岡 正伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸系ポリマーを、長さ方向に3〜15
    倍延伸してなる乳酸系ポリマー製梱包用バンド。
  2. 【請求項2】 延伸温度がガラス転移温度(Tg)以
    上、融点(Tm)以下の温度範囲である、請求項1に記
    載の乳酸系ポリマー製梱包用バンド。
  3. 【請求項3】 表面に凹凸を有することを特徴とする請
    求項1又は2に記載した乳酸系ポリマー製梱包用バン
    ド。
  4. 【請求項4】 乳酸系ポリマー梱包用バンドが、乳酸系
    ポリマー100重量部に対し、無機質充填材を0〜25
    重量部、滑剤を0.1〜5重量部を含有するものであ
    る、請求項1乃至3の何れかに記載した乳酸系ポリマー
    製梱包用バンド。
  5. 【請求項5】 無機質充填材が、酸化チタン、炭酸カル
    シウム、硫酸バリウム、シリカ、カオリン、及び、タル
    クからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求
    項4に記載した乳酸系ポリマー製梱包用バンド。
  6. 【請求項6】 無機質充填材が、平均粒径が0.1〜
    0.5μmである酸化チタン、平均粒径が0.3〜6μ
    mである炭酸カルシウム、平均粒径が0.1〜2μmで
    ある硫酸バリウム、平均粒径が1〜12μmであるシリ
    カ、平均粒径が0.5〜10μmであるカオリン、及
    び、平均粒径が0.1〜10μmであるタルクからなる
    群より選ばれた少なくとも1種である、請求項4に記載
    した乳酸系ポリマー製梱包用バンド。
  7. 【請求項7】 無機質充填材が、酸化チタンである、請
    求項5に記載した乳酸系ポリマー製梱包用バンド。
  8. 【請求項8】 無機質充填材が、平均粒径0.1〜0.
    5μmの酸化チタンである、請求項6に記載した乳酸系
    ポリマー製梱包用バンド。
  9. 【請求項9】 滑剤が、脂肪酸アマイド系滑剤、脂肪酸
    エステル系滑剤、金属石鹸系滑剤からなる群から選択さ
    れた少なくとも1種の化合物である、請求項4乃至8の
    何れかに記載した乳酸系ポリマー製梱包用バンド。
  10. 【請求項10】 引張強度が、0.49〜1.96kN
    である、請求項1乃至9の何れかに記載した乳酸系ポリ
    マー製梱包用バンド。
  11. 【請求項11】 剪断シール強度が、引張強度の75〜
    100%である、請求項1乃至10の何れかに記載した
    乳酸系ポリマー製梱包用バンド。
  12. 【請求項12】 表面の凹凸が、0.2〜0.8mmの
    見かけ厚みを有するものであることを特徴とする、請求
    項3乃至11の何れかに記載した乳酸系ポリマー製梱包
    用バンド。
  13. 【請求項13】 表面の凹凸が、凸部厚みが、凹部厚み
    の1.6〜2.0倍であることを特徴とする、請求項3
    乃至12の何れかに記載した乳酸系ポリマー製梱包用バ
    ンド。
  14. 【請求項14】 平均幅が、8〜18mmであり、か
    つ、単位長さ当たりの重量(目付)が、7g/m以下で
    あることを特徴とする、請求項3乃至12の何れかに記
    載した乳酸系ポリマー製梱包用バンド。
  15. 【請求項15】 乳酸系ポリマーを溶融押出成形して得
    られた帯状未延伸成形物を、ガラス転移温度(Tg)以
    上、融点(Tm)以下の温度範囲で、1〜5段延伸によ
    り、長さ方向の延伸倍率3〜15倍で延伸する工程、を
    含んで構成されることを特徴とする、乳酸系ポリマー製
    梱包用バンドの製造方法。
  16. 【請求項16】 工程1として、乳酸系ポリマーを溶融
    押出成形して得られた帯状未延伸成形物を冷却固化する
    工程、工程2として、工程1で得られた帯状未延伸成形
    物を、ガラス転移温度(Tg)以上、融点(Tm)以下
    の温度範囲で、1〜5段延伸により、長さ方向の延伸倍
    率3〜15倍で延伸する工程、を含んで構成されること
    を特徴とする、乳酸系ポリマー製梱包用バンドの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 工程1として、乳酸系ポリマーを溶融
    押出成形して得られた帯状未延伸成形物を冷却固化する
    工程、工程2として、工程1で得られた帯状未延伸成形
    物を、ガラス転移温度(Tg)以上、融点(Tm)以下
    の温度範囲で、1〜5段延伸により、長さ方向の延伸倍
    率3〜15倍で延伸する工程、工程3として、工程2の
    後に、エンボス加工により表面凹凸を形成する工程、を
    含んで構成されることを特徴とする、乳酸系ポリマー製
    梱包用バンドの製造方法。
  18. 【請求項18】 乳酸系ポリマー製梱包用バンドが、乳
    酸系ポリマー100重量部に対し、無機質充填材を0〜
    25重量部、滑剤を0.1〜5重量部を含有するもので
    ある、請求項15乃至17の何れかに記載した乳酸系ポ
    リマー製梱包用バンドの製造方法。
  19. 【請求項19】 無機質充填材が、酸化チタン、炭酸カ
    ルシウム、硫酸バリウム、シリカ、カオリン、及び、タ
    ルクからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請
    求項18に記載した乳酸系ポリマー製梱包用バンドの製
    造方法。
  20. 【請求項20】 無機質充填材が、平均粒径が0.1〜
    0.5μmである酸化チタン、平均粒径が0.3〜6μ
    mである炭酸カルシウム、平均粒径が0.1〜2μmで
    ある硫酸バリウム、平均粒径が1〜12μmであるシリ
    カ、平均粒径が0.5〜10μmであるカオリン、及
    び、平均粒径が0.1〜10μmであるタルクからなる
    群より選ばれた少なくとも1種である、請求項19に記
    載した乳酸系ポリマー製梱包用バンドの製造方法。
  21. 【請求項21】 無機質充填材が、酸化チタンである、
    請求項19に記載した乳酸系ポリマー製梱包用バンドの
    製造方法。
  22. 【請求項22】 無機質充填材が、平均粒径0.1〜
    0.5μmの酸化チタンである、請求項20に記載した
    乳酸系ポリマー製梱包用バンドの製造方法。
  23. 【請求項23】 滑剤が、脂肪酸アマイド系滑剤、脂肪
    酸エステル系滑剤、金属石鹸系滑剤からなる群から選択
    された少なくとも1種の化合物である、請求項19乃至
    22の何れかに記載した乳酸系ポリマー製梱包用バンド
    の製造方法。
  24. 【請求項24】 引張強度が、0.49〜1.96kN
    である、請求項15乃至23の何れかに記載した製造方
    法により得られた乳酸系ポリマー製梱包用バンド。
  25. 【請求項25】 剪断シール強度が、引張強度の75〜
    100%である、請求項15乃至23の何れかに記載し
    た製造方法により得られた乳酸系ポリマー製梱包用バン
    ド。
  26. 【請求項26】 表面の凹凸が、0.2〜0.8mmの
    見かけ厚みであることを特徴とする、請求項17乃至2
    3の何れかに記載した製造方法により得られた乳酸系ポ
    リマー製梱包用バンド。
  27. 【請求項27】 表面の凹凸が、表面に凹凸を付与する
    前の厚みの1.6〜2.0倍の見かけ厚みを有するもの
    であることを特徴とする、請求項17乃至23の何れか
    に記載した製造方法により得られた乳酸系ポリマー製梱
    包用バンド。
  28. 【請求項28】 平均幅が、8〜18mmであり、か
    つ、単位長さ当たりの重量(目付)が、7g/m以下で
    あることを特徴とする、請求項15乃至23の何れかに
    記載した製造方法により得られた乳酸系ポリマー製梱包
    用バンド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2005014420A1 (ja) * 2003-08-08 2006-10-05 積水樹脂株式会社 熱可塑性合成樹脂バンドおよびその製造方法
EP2484510B1 (de) 2011-02-04 2015-04-15 Mosca GmbH Verfahren zum Verschweißen von nachwachsenden Rohstoffen
EP2484602B1 (de) 2011-02-04 2016-08-24 Mosca GmbH Umreifungsbänder aus nachwachsenden Rohstoffen
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