JP2002513449A - ポリラクチドコート紙 - Google Patents

ポリラクチドコート紙

Info

Publication number
JP2002513449A
JP2002513449A JP55062398A JP55062398A JP2002513449A JP 2002513449 A JP2002513449 A JP 2002513449A JP 55062398 A JP55062398 A JP 55062398A JP 55062398 A JP55062398 A JP 55062398A JP 2002513449 A JP2002513449 A JP 2002513449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polylactide
polymer
coating
paper
coated paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP55062398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002513449A5 (ja
Inventor
ナンジェローニ,ジェイムズ・フランシス
ハートマン,マーク・エイチ
イウェン,マシュー・エル
ライアン,クリストファー・エム
コルスタッド,ジェフリー・ジェイ
マッカーシー,ケビン・ティ
Original Assignee
カーギル・インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カーギル・インコーポレイテッド filed Critical カーギル・インコーポレイテッド
Publication of JP2002513449A publication Critical patent/JP2002513449A/ja
Publication of JP2002513449A5 publication Critical patent/JP2002513449A5/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D167/00Coating compositions based on polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D167/04Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids, e.g. lactones
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H19/00Coated paper; Coating material
    • D21H19/10Coatings without pigments
    • D21H19/14Coatings without pigments applied in a form other than the aqueous solution defined in group D21H19/12
    • D21H19/24Coatings without pigments applied in a form other than the aqueous solution defined in group D21H19/12 comprising macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D21H19/28Polyesters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/91Polymers modified by chemical after-treatment
    • C08G63/912Polymers modified by chemical after-treatment derived from hydroxycarboxylic acids
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H23/00Processes or apparatus for adding material to the pulp or to the paper
    • D21H23/02Processes or apparatus for adding material to the pulp or to the paper characterised by the manner in which substances are added
    • D21H23/22Addition to the formed paper
    • D21H23/46Pouring or allowing the fluid to flow in a continuous stream on to the surface, the entire stream being carried away by the paper
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H27/00Special paper not otherwise provided for, e.g. made by multi-step processes
    • D21H27/10Packing paper
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]
    • Y10T428/31786Of polyester [e.g., alkyd, etc.]
    • Y10T428/3179Next to cellulosic

Abstract

(57)【要約】 紙層とポリマー層とを含み、このポリマー層が、MzのMnに対する比が約6より大きいポリラクチドポリマー組成物を含んでいるコート紙製品が開示されている。このポリマー組成物は、溶融したときに、約2より大きいメルトフローインデックスに対して約1.25より大きいダイスエルを示す。ポリマーラクチド組成物、このポリマー組成物およびコート紙製品の製造方法、ならびに、それから製造された物品も開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリラクチドコート紙 発明の分野 本発明は紙のコーティング技術に関する。本発明は、分解性ポリマー、特にポ リラクチドポリマー組成物によるコート紙およびこのコート紙から製造される物 品に関連する一般的な技術、方法および材料に関する。 発明の背景 近年、所望の基材あるいは物品に変換することができる好ましい分解性ポリマ ーに注目が集められている。このような注目の多くは、内部にモノマー単位とし て乳酸あるいはラクチドの重合の結果物を含むポリマーに集められている。例え ば、グルーバー(Gruber)らに付与された米国特許第5,142,023号、グルー バーらに付与された米国特許第5,338,822号、グルーバーらに付与された 米国特許第5,475,080号、グルーバーらに付与された米国特許第5,35 9,026号、およびグルーバーらに付与された米国特許第5,594,095号 に注目が向けられている(これらの完全な開示は参照によって本明細書に組み入 れられる)。米国特許第5,142,023号、第5,338,822号、第5,47 5,080号、第5,359,026号、および第5,594,095号は、ミネソ タ州ミネアポリスのカーギル・インコーポレイテッド(Cargill Incorporated)が 所有しているということに留意すべきである。また、カーギル・インコーポレイ テッドは本出願の譲受人である。 乳酸あるいはラクチドのポリマーに関する他の刊行物には、1994年3月3 1日に発行されたシンクレア(Sinclair)らの国際公開第WO94/06856号 、1992年3月19日に発行されたシンクレアらの国際公開第WO92/04 413号、および1990年2月22日に発行されたシンクレアらの国際公開第 WO90/01521号が含まれる。 ポリマーあるいはワックスのいずれかのコーティングで被覆された紙は、 紙ストックの強度を増加させ、耐水性を付与し、光沢を増大させ、そして/また は遮蔽性を改善するので好ましい。ポリプロピレンが、紙コーティング過程で使 用され一般的なポリマーである。TAPPI出版社による1992年刊行の国際 標準図書番号0−89852−250−1のフィルム押出マニュアル(Film Extr usion Manual)を参照。 最近10年間にわたるセルロース繊維の供給源の枯渇に照らして、紙を再パル プ化し、この再パルプ化過程で再生されたセルロース繊維を再使用することが促 進されている。代表的な再パルプ化過程には紙の機械的撹拌が含まれる。再パル プ化の環境には、水、熱、あるいは酸性溶液またはアルカリ性溶液などの他の厳 しい条件が含まれることが多い。コート紙を再パルプ化する際に起こる問題は、 再パルプ化過程において遊離するコーティングの廃棄あるいは再生利用である。 さらに、ポリエチレンなどのある種のポリマーで被覆された紙は、ポリエチレン が再パルプ化過程の条件では一般に分解しないため、再パルプ化は容易ではない 。 「再パルプ化可能」と表現されるコーティングが開発されている。これらは、 その称するところによると、紙のコーティングとして充分な性質を有し、再パル プ化の条件に置かれたときに溶解するか分散する材料である。溶解あるいは分散 の際に、これらの材料は、スクリーンおよび他の濾過工程を通り抜け、再パルプ 化工程の前に廃水とともに流出するとされている。これらのコーティングは広範 囲に使用されているが、それらの使用に際して多くの問題に直面している。これ らのコーティングの多くは、透明でなく、光沢がない。一部のコーティングは、 水に対する感度が過度に高い。 廃棄は、再パルプ化可能なコーティングおよび再パルプ化不可能なコーティン グの両方に関連した主要な問題である。再パルプ化過程の際に回収されるコーテ ィングにあっては、もしそれが埋め立て地において廃棄されるのであれば、その 価値はない。再パルプ化過程においてフィルターおよびスクリーンを通り抜ける コーティングにあっては、これらの材料は最後には廃水中へ流れるので、廃水処 理プラントの問題を引き起こすであろう。 ポリラクチドポリマーが紙製品をコーティングするのに使用されている(米国 特許第5,475,080号を参照)。ポリラクチドポリマーは、これらが紙から 分離されたときに堆肥化しうるので有利である。また、コート紙製品の全体を堆 肥化することができる。生分解性包装材料に対して計画された要求を満たすため に、他の者はラクチドポリマー加工系を最適化する努力をしている。グルーバー ら(米国特許第5,142,023号)は、現在の石油化学に基づくポリマーを置換 するのに適する物理的性質を有する、乳酸に由来する制御された光学純度を有す るラクチドポリマーを製造するための連続法を開示している。 一般に、グルーバーらが開示した方法のような方法を利用するポリマーの製造 者は、原料モノマーを、ポリマービーズ、樹脂、または他のペレット化もしくは 粉状化された生成物に変換する。次いで、この形態のポリマーが末端ユーザーに 販売され、このユーザーが、このポリマーを高温で変換、即ち、押出、ブロー成 形、キャストフィルム、ブローフィルム、熱成形、射出成形あるいはファイバー スピンして有用な物品にする。上記の方法は、集合的に溶融加工と称される。グ ルーバーらが開示した方法のような方法によって製造され、ビーズ、樹脂、粉末 、あるいは他の未完の固体形態で市販されるポリマーは、通常、集合的にポリマ ー樹脂と称される。 発明の要約 本発明により、コート紙製品が提供される。このコート紙製品は紙層とポリマ ー層とを含んでいる。このポリマー層は、MzのMnに対する比が約6より大き いポリラクチドポリマー組成物を含んでいる。好ましい態様では、このポリラク チドポリマーは、ポリラクチドポリマーとアルキル過酸化物とを混合することに よって調製される過酸化物修飾されたポリラクチドポリマーである。このポリマ ー層は、約2より大きいメルトフローインデックスに対して約1.25より大き いダイスエルを示す溶融ポリラクチドポリマー組成物から調製することができる 。 本発明により、紙をコーティングする方法が提供される。この方法は、 (a)約10J/gより大きい結晶度を有するポリラクチドポリマー含有ペレ ットを得る工程; (b)該ペレットを溶融して、約2より大きいメルトフローインデックスに対 して約1.25より大きいダイスエルを有する溶融したポリラクチドポリマー組 成物を得る工程;および (c)該溶融したポリラクチドポリマー組成物を基材上に押出コーティングし てコーティングされた基材を得る工程; を含んでいる。紙をコーティングする別法が、追加で開示されることを理解すべ きである(近接コーティングあるいはスロットコーティングが含まれる)。 さらに本発明は、ポリラクチドポリマー組成物およびこのポリラクチドポリマ ー組成物を製造するための方法に関する。一般に、ポリラクチドポリマー組成物 は、紙をポリエチレンでコーティングするために通常用いられる従来の紙コーテ ィング設備で加工することができるため、「コーティング等級ポリラクチド」と 称することができる。このコーティング等級ポリラクチドの好ましい製造方法は 、線状ポリラクチドあるいは粘度修飾したポリラクチドの過酸化物修飾によるも のである。ポリマー等級ポリラクチドを特徴付ける好ましい方法は、MzのMn に対する比が約6より大きく、溶融したときに、約2より大きいメルトフローイ ンデックスに対して約14より大きいダイスエルを示すポリマー組成物としての ものである。 また、コート紙製品を一体化した製造物品も本発明の一部である。このような 製造物品には、箱、コップ、皿、ボウル、バターおよびマーガリンの包み、ペッ トフードの袋あるいは箱、ハンバーガーの包み、肉屋の包み、折られた食品容器 、液体包装のための容器、例えば大量の液体のための折られたカートンおよびパ ウチが含まれる。本発明のコート紙製品の利点は、この紙製品がGRASと表示 することができるので、食品に隣接して使用することができることである。さら に、ポリラクチドポリマーコーティングは、望ましいヒートシール特性を示すこ とができ、これを接着剤なしで使用することができる。加えて、このコーティン グは、望ましい油脂耐性および遮蔽性を 供することができる。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の原理に従うコート紙製品の断面図である。 図2は、本発明の原理に従うコート紙製品の別態様の断面図である。 図3は、本発明の原理に従うコート紙製品の別態様の断面図である。 図4は、本発明の原理に従う好ましいポリマー修飾および紙コーティング法の 概略図である。 図5は、本発明の押出コーティング法の概略図である。 図6は、本発明のスロットコーティング法の概略図である。 図7は、ポリラクチドポリマーについての、ダイスエルとメルトフローインデ ックスの間の関係を示すグラフである。 図8は、ポリラクチドポリマーについての、ネックインとダイスエルの間の関 係を示すグラフである。 図9は、ポリラクチドポリマーについての、ダイスエルとMz/Mnの間の関 係を示すグラフである。 図10は、本発明に係るポリラクチドポリマーコーティングを含む紙コップの 斜視図である。 発明の詳細な説明 本発明は、紙コーティング技術、ならびに、この技術を用いてコート紙および このコート紙から所望物品を提供する方法に関する。特に、本発明は、ポリラク チドポリマー組成物から調製されたコーティング層を有するコート紙を調製およ び使用して、所望の特性を得ることに関する。 出願人は、ポリラクチドポリマーの溶融安定性、溶融弾性および溶融粘度を制 御することにより、市販の紙コーティング設備を、ポリラクチドによる紙のコー ティングに適合させうることを発見した。市販の紙コーティング設備あるいは従 来の紙コーティング設備で加工するために修飾あるいは適合されたポリラクチド ポリマー組成物は、本明細書では「コーティング等級ポリラクチド」と称される 。この用語は、市販の紙コーティング設備あるいは従 来の紙コーティング設備で容易に加工することができないほぼ線状のポリラクチ ドポリマー組成物を除外することを意味していることを理解すべきである。 ポリラクチドの溶融安定性という概念は、分子量の低下、ラクチドの再形成お よび黄変を含む多数の面を有している。一般に、ポリマーのラクチドあるいは乳 酸の量を平衡値以下まで減少させること、触媒を除去することまたは触媒量を減 少させること、および、触媒不活性化剤を導入することを含む技術が、ラクチド 再形成を減少させるのに役立つ。これらの技術は、米国特許第5,475,080 号の具体的には欄7〜8および欄14〜15に記載されている(これら箇所の開 示は、参照によって本明細書に組み入れられる)。さらに、安定剤を導入してラ クチドの再形成を減少させ、経時的な黄変を減少させることができる。酒石酸が ラクチドの再形成を減少させるのに有用であることがわかり、また、亜燐酸塩の 安定剤が経時的な黄変を減少させるのに有用であることがわかった。ポリマーを 乾燥して、加工中の分子量低下の減少を助けることができる。 溶融弾性は、紙への良好な接着のために必要な高温において高速で最小ネック インを伴って薄いコーティングにポリマー組成物を引き落とすことができるよう にしながら、市販の押出コーティング設備でポリラクチドポリマー組成物を操作 しうることに関する。ポリエチレンコーティング操作に関する溶融弾性の必要性 はよく知られている。Michael,Raj S.の「低密度ポリエチレンのコーティング 性能に及ぼす分子量分布の影響」[Vol.77,No.6,Tappi Journal 1994,pp.188- 192]を参照。ポリラクチドポリマー組成物における溶融弾性は、鎖の絡み合いの 量あるいは程度に関係すると考えられている。ポリラクチドポリマーに対する鎖 の絡み合いあるいは分子の相互作用を強めるための好ましい技術は、米国特許第 5,594,095号に記載されている(その開示のすべてが参照によって本明細 書に組み入れられる)。 溶融粘度は、適用された力のもとで流れる溶融ポリマーの能力の尺度である。 本発明においては、メルトフローインデックスによって測定されるこの 溶融粘度は、溶融ポリマーを紙の表面に接着させ、かつ、所望の処理量を与える 値であるのが望ましい。一般に、溶融粘度が増加するにつれて、ダイ圧力が増加 するためにその処理量が減少する。さらに、溶融粘度が増加すると、ポリマー温 度を高めることが必要になる傾向があり、これがポリラクチドポリマーの分解を 増加させる傾向になる。 以下の記載は、本発明の紙コーティング法、所望の商業製品を得るために修飾 することができる加工特性、および所望の商業製品の特性に焦点を合わせている 。次いで、コーティング等級ポリラクチドを得るために有利に使用することがで きる材料、および、コート紙製品から製造することができる物品に焦点を合わせ ている。 I.紙のコーティング A)コート紙およびその製造方法 ここで図1を参照して、本発明に係るコート紙製品は符号10で示されている 。このコート紙製品10は、第1面14および第2面16を有する紙基材12と 、この第1面14に接着されたコーティング層18とを含んでいる。このコーテ ィング層18はポリラクチドポリマー組成物からなるのが好ましい。本発明のコ ート紙製品の別態様は、図2に符号10'で示されている。このコート紙製品1 0'は、第1面14'および第2面16'を有する紙基材12'と、この第1面14 'に接着された第1コーティング層18'と、第2面16'に接着された第2コー ティング層20゜とを含んでいる。第1コーティング層18'および第2コーティ ング層20'は、同じものでもよく、違うものでもよい。これらのコーティング 層のうちの少なくとも1つにはポリラクチドポリマー組成物が含まれているのが 好ましい。第1コーティング層および第2コーティング層がともにポリラクチド ポリマー組成物からなっている場合には、両方のコーティング層は同一の化学的 および/または物理的性質を有していてもよく、有していなくてもよいことを理 解すべきである。異なる性質を有するコーティングを必要とすることがある例示 の製品は、コップのストックの製造に使用するためのコート紙製品である。この ような物品では、高い光沢お よび/または印刷可能表面を有するコップの外面を形成するであろうコーティン グを提供するのが好都合であろう。コップの内面を形成するであろうコーティン グは、コップと他のコップとの嵌め合わせとその取り外しとができるように低い 摩擦係数を有しているのが好ましいであろう。 本発明のコート紙製品のさらに別の態様は図3に符号10"で示されている。 このコート紙製品10"は、第1面14"および第2面16"を有する紙基材12" を含んでいる。そして、第1面14"の上に2つの層がコーティングされている 。これらの層は第1層13"と第2層18"である。図2の場合と同様に、これら 2つの層は同じものでもよく、違うものでもよい。これらが両方ともポリラクチ ドポリマー組成物である場合には、これらは異なる化学的および/または物理的 性質を有していてよいことを理解すべきである。例えば、第1面14"への接着 を強めるために、糊付けコーティングとしての層13"を設けるのが好ましい。 次いで、コーティング18"を仕上げ面として供する。例えば、層13"は、第1 面14"への接着を強めるために、比較的低い分子量のポリラクチドを含むこと ができる。コーティング18"は、所望の仕上げ感を得るために、より高い分子 量のポリラクチド組成物を含むことができる。また、層13"は、付加的な遮蔽 性を得るために用いることができる。層13"はラクチドポリマーを含む必要が ないことを認識すべきである。遮断性および/または層間の接着性などの所望の 性質を得るために、層13"は非ラクチド材料から供することができる。 第1層13"と第2層18"とは、連続して、あるいは同時押出によって同時に 適用されることが予想される。ポリラクチドを同時押出するための技術は、19 95年9月28日に出願された米国特許出願第08/535,706号および1 996年5月3日に出願された米国特許出願第08/642,329号に詳しく 記載されている(これら2つの特許出願の開示はすべて参照によって本明細書に 組み入れられる)。 本発明はコート紙製品に関連して詳細に説明されるが、このコート紙製品は多 層構造の種類のものであり、また、本発明は多層の構造あるいは構成と してより広く特徴付けることができることを認識すべきである。さらに、本発明 の多層構造は紙を基材として組み入れる必要がないことを理解すべきである。即 ち、本発明の多層構造は、ポリラクチドポリマー組成物を適用することができる 紙以外の基材を含むことができる。本発明の好ましい態様は紙を基材として説明 されているが、本発明の概念は、当業者によって認識されるであろう箔や他のポ リマーフィルムなどの紙以外の基材に適用することができる。 連続コーティングが望ましい多くの用途では、コーティングの厚さは約0.1 ミル〜2ミルであろうと予想される。このコーティングの最小厚さは、一般には 、切れ目やピンホールのない連続状のコーティングを供する性能によって制限さ れる。ポリラクチドポリマーを加工する多くの用途では、最小厚さは約0.1ミ ルであろうと予想される。このコーティング厚さの上限は、一般に材料の保存性 によって決定される。即ち、特定の用途に対して必要とされるより多くの材料を 用いることは一般に必要でない。遮断性を有する表面を供する場合には、その遮 断性を維持するために充分な厚さを供するのが一般に好ましい。ポリラクチドポ リマーコーティングの厚さは、好ましくは、約0.3ミル〜1.2ミルであり、よ り好ましくは約0.5ミル〜1ミルである。 本発明の目的は、一般には、容易に利用することができる紙コーティング設備 を用いて、紙の上にポリラクチドポリマーを加工処理する方法を提供することで ある。多くの紙コーティング設備は、低密度ポリエチレンなどのポリマーを紙の 上に適用するために設計されていると理解される。修飾するとしてもごくわずか に修飾して、標準的な紙コーティング設備を、本発明のポリラクチドポリマー組 成物を紙の上に加工するために適合させることができる。これに反して、線状ポ リラクチドは、広範囲の修飾をせずには従来の押出コーティング設備で加工する のに適さない傾向にある。 本発明の1つの態様は、従来の紙コーティング設備で加工することができるポ リラクチド組成物を提供するために、線状ポリラクチドを修飾することである。 即ち、ポリラクチドポリマー組成物を適合させることおよび/また は処理パラメーターを制御することにより、そのポリラクチドポリマー組成物を 、「コーティング等級ポリラクチド」と称することができ、また、従来の紙コー ティング設備で加工することができる。有用でありうる設備あるいは加工条件の 修飾には、押出スクリューを修飾してより低い圧縮力を供して特定の動力レベル でより高い処理量を供すること、および、ダイ出口と紙の間のエアーギャップを 短くして周囲空気の冷却効果を減少させることが含まれる。従来の紙コーティン グ設備を修飾するための技術は、以下でより詳しく説明する。 未修飾の線状ポリラクチドを近接のコーティング設備を用いて紙に加工するこ とができることが予想される。しかし、この近接コーティング設備は、従来の押 出コーティング加工設備ほど普及しておらず、また、多くの商業的な紙コーティ ング用途に望ましい処理量を与えることがない。ポリマーレオロジーは未修飾の 線状ポリラクチドにとって問題ではないかもしれないが、溶融安定性は近接コー ティング方法において問題として残るであろう。 紙コーティング設備は、以下で考察するようにポリラクチドポリマー組成物の 様々な性質を考慮に入れると、ポリラクチドポリマー組成物を有する紙をコーテ ィングするために特別に調製することができる。しかし、設備をポリラクチドポ リマー組成物の加工用に特別に設計することは、より大きな費用がかかるであろ う。ポリラクチドポリマーでコーティングされた紙の市場が発展し続けるにつれ て、ポリラクチドポリマーを処理するための設備が設計されるであろうことが期 待される。しかし、一方では、本発明の利点は、紙をポリラクチドポリマー組成 物でコーティングするために、通常はポリエチレンに用いられる従来のあるいは 標準的な紙コーティング設備を使用できることである。 紙をコーティングすることは、一般に、特に厳しい処理条件を伴う。その理由 は、コーティング組成物が充分に流動性であって紙の表面を濡らし、紙の表面に 付着しなければならないためである。さらに、押出コーティング設備などの商業 的な処理設備は、一般に、高速で紙をコーティングするために ポリマーの高処理量を必要とする。ポリマーの高処理量を維持するためには、ポ リマーは、ダイのリップによって規定される比較的狭い開口部を通る必要がある 。充分な処理量を得るために、高温を用いて溶融粘度を低下させる。 紙コーティング法には高温が必要であるが、その温度はポリラクチドポリマー を加工するときには高すぎることができない。コーティング用組成物は、一定の 付着度を維持して、ポリマー組成物が紙表面への適用中にフィルムとして一緒に 付着するようにしなければならない。連続した滑らかなコーティング表面を有す るコート紙を提供するのが一般に好ましい。即ち、大きな切れ目あるいは孔のな いコーティング表面が好ましい。溶融加工温度が高すぎると、溶融弾性が劇的に 低下して、ネックインが増大し、不連続コーティングが起こりうる結果となる。 さらに、紙の全体にわたって連続したコーティングを得ると同時に、フィルム はできるだけ薄いのが好ましい。ポリマー組成物が充分に流体であることを確保 するために、コーティング組成物を、繊維形成、フィルム形成および射出成形な どの他の用途のために一般に要求されるよりも高い温度まで加熱しなければなら ない。 紙コーティング法には、一般に極めて幅広のダイが必要である。その理由は、 この方法がコーティングのために設計されている最も幅広の紙をコーティングす るために、ダイが一般に充分幅広であるからである。多くの適用において、ダイ は、3フィート幅の紙をコーティングするためには5フィート幅である。特定の ダイから幅狭のコーティングを供給するのが好ましいときには、ダイの端部をブ ロックすることができる。これにより、溶融ポリマー組成物は制限されたダイ開 口部を通る。その結果、溶融ポリマーは、より長い時間にわたりダイ中に残るで あろう。特に、小さい渦あるいはある種の循環パターンが、ブロックした領域の 近くのダイ端部で起こることがあり、これが、ダイ中にポリマーが残存する平均 時間を増加させる傾向にあり、加工条件の厳しさを増加させる。本発明の利点は 、ダイ端部がブロックされるような加工条件中に分解に対して充分に安定である ポリラクチドポリマー組成 物を供することができることである。 押出コーティングおよび近接コーティングは、紙をコーティングするための適 切な2つの一般的方法である。両方法を、ポリラクチドポリマー組成物を本発明 に従って基材に適用するために実施することができる。一般に、押出コーティン グは、押出機を用いてポリマーをダイに通す様々な種類の紙コーティング法を含 み、例えばカーテンコーティングを含むことを意味する。近接コーティングは、 一般に、基材にほとんど接触するダイを供する適用を指す。コーティング樹脂は 、通常、溶融ポンプあるいは押出機/溶融ポンプの組み合わせで供給される。一 般に、近接コーティングは感圧性接着剤を基材に適用するために用いられる。 ここで図4を参照して、本発明に係るコート紙を製造するための製造方法の全 体を示す図が提供されている。この図によれば、コーティング等級ポリラクチド ポリマーは符号112で示され、このポリラクチドポリマー112が紙をコーテ ィングするための紙コーティングシステム114へ送られる。コーティング等級 ポリラクチドポリマー112は、商業的な紙コーティング設備で処理するための 溶融安定性および溶融弾性の望ましい性質を有する。コーティング等級ポリラク チドポリマー112は、保管および移送の便宜のためにペレットの形態にするこ とができる。紙コーティングシステム114には、押出コーティング工程および /または近接コーティング工程が含まれる。ポリラクチドポリマー112は、従 来の紙コーティング設備で紙をコーティングするために本発明によって確認され た化学的および物理的特性を有しているであろう。紙コーティングシステム11 4から離れるコート紙116は、一般に大きいシートあるいはロールの形態にあ り、次いで、保管あるいは製造物品への次の加工のために、位置118に送るこ とができる。製造物品には、コップ、皿、ボウル、バター/マーガリンの包み、 ペットフードの箱および袋、多数壁の紙袋、ハンバーガーの包み、肉屋の包み、 折られた食品容器、液体包装のための容器、例えば大量の液体のための折られた カートンおよびパウチ、油脂耐性および/または遮蔽性が望ましい食品容器、お よびGRASとして認定された材料が望ましい食品容器が含まれると予想される 。 加工業者(紙コーティング会社)は、本出願で説明された特性および性質を供す るように修飾された形態でコーティング等級ポリラクチドポリマー112を購入 するであろう。以下でより詳しく説明するが、コーティング等級ポリラクチドに 必要な特性および性質を供するために、ある種の線状ポリラクチドを修飾するこ とができる。例えば、ミネソタ州ミネアポリスの会社であるカーギルからエコプ ラ(EcoPLA、登録商標)樹脂の名前で入手することができる線状ポリラクチ ド100から始めることができる。また、商業的に入手することができる樹脂は 粘度修飾されたエコプラ樹脂であってもよい。次いで、線状ポリラクチドあるい は粘度修飾されたポリラクチドをさらに修飾して、コーティング等級ポリラクチ ドポリマー112に必要な性質および特性を有するポリラクチドポリマーを得る ことができる。この線状ポリラクチドは、カーギル社に付与された米国特許第5 ,338,822号および第5,475,080号の教示に従って調製することがで きる。粘度修飾されたポリラクチドポリマーは、カーギル社に付与された米国特 許第5,359,026号および第5,594,095号の教示するところに従って 調製することができる。これらの特許で提供される線状ポリラクチドおよび粘度 修飾されたポリラクチドの調製に関する教示は、参照によって本明細書に組み入 れられる。 線状ポリラクチドあるいは粘度修飾されたポリラクチド100は、保管および 移送の便宜のためにペレットの形態にあるのが好ましい。符号102はポリラク チド100の保管場所を示すが、ポリラクチド100を保管する必要がないこと 、および、ポリラクチド100をライン104を通ってポリマー修飾システム1 06へ運びうることを認識すべきである。ポリマー修飾システム106において 、ポリマー100を修飾して、本発明で説明されたような所望の溶融弾性を有す るポリマーを得ることができる。これには、過酸化物との反応による架橋、多官 能鎖カップリング剤との反応による分岐、あるいは分子量の調節などのレオロジ ー修飾が含まれる。ポリマー修飾システ ム106には、残留ラクチドを除去するための脱揮発化の使用が含まれていてよ く、また、安定剤の添加や水を除去するための乾燥工程が含まれていてもよい。 この工程は、溶融安定性を増大させる程度にまで達成されるのが好ましいであろ う。修飾されたポリラクチド108を、水を除去するための乾燥機110へ運ぶ ことができる。 ポリマー100は、非晶質または半結晶質ポリマーのどちらであってもよい。 しかし、ポリマー100がポリマー修飾システム106と乾燥機110とを通し て処理されるときには、ポリマー100は半結晶質ポリマーであるのが好ましい 。出願人は、コーティング等級ポリラクチド112が半結晶質ポリマーであるの が好ましいことを発見した。以下でさらに詳しく記載するが、従来の押出コーテ ィング設備でポリラクチドポリマーを処理するには、結晶度は高い方が好ましい 。また、コーティング等級ポリラクチドポリマー112は非晶質であってもよい 。非晶質ポリラクチドポリマーの場合、従来の押出コーティング設備における加 工性を高めるために加工助剤を用いることができる。次いで、コーティング等級 ポリラクチドポリマー112を、紙コーティングシステム114に直接供給する かまたは保管することができる。 図5を参照して、本発明に係る押出コーティング法を示す図が示されている。 図に示すように、ポリマーペレット28が、ホッパー30の中へ導入され、次い で押出機32の中へ送られる。このポリマーペレット28は、本出願で認識され た溶融安定性および溶融弾性の所望の特性を有するコーティング等級ポリラクチ ドポリマーと称することができる。ポリマーペレット28は、図4で供される修 飾ポリラクチドポリマー112に相当している。ホッパー30に送られるペレッ トは、粘着を減らすために、半結晶質であるのが好ましい。 ある種の保管条件あるいはホッパー30の高温条件のもとでペレット粘着の結 果を与える非晶質ポリラクチドポリマーは、約55〜60℃のガラス転移温度を 有することがわかった。さらに、この非晶質ポリラクチドは、押出機32の内側 にあるスクリューに粘着しやすく、それによって押出機32を 操作するためのエネルギー要求量を増加させることがわかった。従って、保管の 際のあるいはホッパー30中での粘着の現象を減らすために、また、押出機のス クリューへの粘着を減らすために、ペレット28は半結晶質であるのが好ましい 。 ペレット28は、押出機32の中で溶融され、ダイ34のオリフィス33に通 され、溶融ポリマー38のカーテン36を供給する。溶融ポリマー38は移動し ている紙基材40の上へ落下してこの基材をコーティングする。一般に、溶融ポ リマー38は、1分間に約300フィート〜1500フィートの速度で移動して いる紙をコーティングするために、幅1インチ当たり5〜25ポンド/時の割合 、あるいはそれ以上の割合で流動してよい。 溶融ポリマー38が紙基材40に接着するのを促進するために、挟みローラー 42と冷却ローラー44とが供されている。即ち、接着を促進するために、挟み ローラー42と冷却ローラー44との間で生じた圧力により、溶融ポリマー38 が紙基材40の繊維の中へ押し込まれる。冷却ローラー44は、溶融ポリマー3 8に接触し、これを温度制御して、ポリマーが冷却ローラー44に粘着する結果 を招くであろう冷却ローラー44の過熱を防止しなければならない。 エアーギャップ50は、ダイ34の中に設けられたオリフィス33と、溶融ポ リマー38のカーテン36が紙基材40と接触する接触点48との間の距離であ る。カーテン36がこのエアーギャップ50の中にあるときは、カーテン36の 両側は、冷却が促進される周囲空気に触れることになる。従って、このエアーギ ャップ50はできるだけ小さいのが好ましい。 コーティングされるべき紙40は大ローラー52で供給されるであろう。そし て、紙40にコーティングが施され、そのコーティングが冷却されて、コート紙 製品46が得られると、次いで、紙40は、大ローラー54に巻き取ることがで きるか、場合によっては、紙コップ製品などの一個製品に直接、作ることができ る。この工程の間、この押出コーティングシステムを通して滑らかな流れをもた らすために、張りローラー56を使用することは慣例で ある。 溶融したポリラクチドポリマーへの周囲空気の温度効果は重要である。一般に 、ポリラクチドポリマーの処理は、やむをえず高温で行われる。これは、溶融し たポリラクチドポリマー組成物の温度が、紙基材に接触したときに組成物全体が 溶融して溶融状態にとどまることを保証するには充分に高いであろうが、解重合 あるいは分解がかなりの程度で始まるほど高くないであろうことを意味している 。従って、溶融温度にできるだけ近い温度で作業するのが一般に好ましい。これ は、ダイギャップにおけるポリマーの分解を少なくするために、前記エアーギャ ップはできるだけ小さくすべきであることを意味している。従来の多くのポリエ チレン適用においては、このエアーギャップは、酸化を促進するためには、7〜 10インチである。本発明では、そのポリマーの過冷却を防止し、あるいは高押 出温度を用いることで冷却を補償する必要性を防止するために、このエアーギャ ップを2〜4インチかそれより小さい値まで減らすことが重要である。 冷却ローラー44は、コート紙46におけるコーティング42に仕上がりをも たらすために、滑らかでありあるいは光沢のある仕上面40を含むことができる 。冷却ローラー44の表面が、ポリラクチドポリマー組成物コーティングに異な る仕上がりを与えることができるということは、本発明の重要な特徴である。 紙40の両面にコーティングを施すのが好ましいときには、第1コーティング は前述したように施される。次いで、コーティングされていない側が上方を向く ように紙を裏返すために、一連のローラーを使用することができる。次いで、紙 40の第2面を位置させるために、別の押出機とダイとの配置をもたらすことが できる。図5には示されていないが、押出機32へ入るペレット28が充分に乾 燥することを確かにするために、ホッパー30の前に乾燥機を配置してもよい。 ここで図6を参照して、従来の近接コーティング法あるいはスロットコーティ ング法を示す概略図が示されている。装置64には第1駆動機構66が 含まれており、これは供給ローラー68を支持することができる。供給ローラー 68により、コーティングされていない紙70の連続状ストリップが保持されて いる。コーティングされていない紙70には、2つの主面71および73が含ま れている。これらの主面71および73のうちの一方あるいは双方を、連続的に あるいは同時にコーティングすることができる。 第1駆動機構66により、回転可能なスピンドル72が支持されている。コー ティングされていない紙70を供給する供給ローラー68は、このスピンドル7 2に取り付けられている。スピンドル72は、第1駆動機構66により所定速度 で駆動することができ、あるいは、そのコーティングされていない紙70を取り 除くことによりその上に働く力によって回転するように作ることができる。 巻き取りローラー82が、駆動スピンドル84に同軸に取り付けられている。 駆動スピンドル84は、第2駆動機構86により回転する。この第2駆動機構8 6により、コート紙88は、所定速度と適切な張力とで巻き取りローラー82の 上に巻き取られる。 案内ローラー74および80は、紙を揃えるとともに、巻き取りローラー82 に先立って、その紙がコーティングローラー76と冷却ローラー78とを覆うよ うに、その紙を案内する。 この装置64を用いるための典型的なライン速度は、約100フィート/分( fpm)〜1200fpmである、ことがわかった。より好ましいライン速度は 、約250fpm〜600fpmである。このライン速度は、コーティングされ るべき紙の種類、液体樹脂の特別な組成、その樹脂の粘度、コーティングの厚さ などに応じて、変えることができる。 この装置64にはまた、近接コーター90が含まれており、この近接コーター 90にはスロットダイ92が含まれている。このスロットダイ92は、スロット ダイ92とコーティングローラー76との間に狭い開口あるいはニップが存在す ることができるように、コーティングローラー76に対し傾斜して位置合わせさ れている。この開口は、コーティングされていない紙70 がその間を通過することができるように、充分広くされているべきである。開口 あるいはニップは、施されるコーティングの厚さが1.0ミル未満である多くの 適用に対しては、約0.5インチ(約1.3mm)より小さく、また、好ましくは、 約0.01インチ(約0.25mm)より小さくて充分である。この開口の正確な寸 法は、コーティングされるべき紙の厚さ、コーティングする樹脂の粘度、使われ る設備の種類などに応じて、変えることができる。 乾燥した半結晶質のレオロジー修飾されたペレット形態のポリラクチド樹脂9 4が、ホッパー95に投入される。密封されたホッパー95から、そのペレット が押出機96の中へ重力供給される。押出機96は、ポリマー〜ペレットを溶融 し、加熱し、運ぶ。 スロート116の出口108には、存在することがある塊あるいは廃棄物をす べてふるい取ることができるフィルター118がある。出口108を出ると、溶 融ポリマー樹脂は、ホース120を通って近接コーター90の中へ入る。コータ ー90の中で溶融樹脂の温度は維持され、次いで、その樹脂は、所定圧力でスロ ットダイ92を通って前方へ動かされる。そして、液体樹脂は、スロットダイ9 2を通って、液体蒸気あるいはシートあるいはフィルムの形態で分散される。コ ーティングされていない紙70に施された液体樹脂の厚さは、コーター90の作 動によってその液体樹脂に及ぼされた内部圧力によるのと同様に、スロットダイ 92に形成されたその開口の寸法および構造により、変えることができる。この 液体樹脂がコーティングされていない紙70に施されると、紙70は、符号88 で示されているようにコーティングされることになる。 均一な厚さの液体樹脂は、それがスロットダイ92とコーティングローラー7 6との間に形成された前記の開口あるいはニップを通って移動するように、紙7 0の連続状ストリップの上に付着されるべきである。このコーティングの厚さは 、移動する紙70の速度、スロットダイ92に形成された前記開口の寸法、その 液体樹脂に及ぼされた前記内部圧力、その樹脂の粘度、その樹脂の温度などを変 えることにより、調整することができる。これらのパ ラメーターのうちの1つ以上は、コート紙88に施されるコーティングの厚さを 正確に管理するために、調整することができる。 樹脂が通過する紙70の上に付着した後に、コート紙88を冷却ローラー78 の表面にわたって通過させることにより、コーティングを冷却する。この樹脂は 、少なくとも部分的に凝固した状態まで冷却される。この樹脂は、それが巻き取 りローラー82に巻き取られる前に、固体コンシステンシーまで冷却される。こ の樹脂94をより効率よく冷却するために、連続的に配置された1またはそれ以 上の冷却ローラーを利用することができる。図6では、1つの冷却ローラー78 のみが描かれている。冷却ローラー78は、水あるいは、別種の市販冷却剤によ って冷やすことができる。 紙70のストリップの両方の主面71および73を同時にコーティングしたい ときには、それが可能であることに留意すべきである。このことは、第2スロッ トコーターと、第1近接コーター90に隣接する第2コーティングローラーとを 据え付けることにより達成することができる。個々の特別な要求に合わせるため に、装置64に他の変形を加えることも可能である。あるいは、両方の主面71 および73がコーティングされた紙のストリップを得るために、コーティングさ れた紙88のストリップを装置64を通して巻き戻して、コーティングされてい ない面73をコーティングすることができる。 ポリマーがその紙に付着するようにポリマーを調整するのを支援するために、 空気の矢あるいは空気の噴射を使うことができることを認識すべきである。この 空気の矢は、この方法を安定化させるのを支援するポリマー繊維の端部を冷却す るのに役立つと理解される。さらに、ポリマーを紙に過剰コーティングして、形 成する端部ビーズが紙あるいは基材を切断することなく切り取ることができるよ うにすることができる。過剰コーティングすることにより、より均一な圧力がポ リマーを横切って供給され、これがより良好な接着を与えると予想される B)方法およびコーティング等級ポリラクチドの特性 出願人の発見によると、所望の結果を得るためには、紙コーティング法を 行う際にいくつかの特性を維持すべきである。加工特性に効果を及ぼす方法には 、ポリマー組成物の化学的性質を調整すること、および、紙コーティング過程中 の加工条件を調整することが含まれる。所望の加工特性を得るための方法を以下 に詳しく記載するる。 1.好ましい加工設備および加工条件 押出コーティングが紙のコーティングに好ましい方法である。先に考察したよ うに、従来のポリエチレン押出コーティング設備を用いて紙をコーティング等級 ポリラクチドでコーティングすることができるということは、本発明の利点であ る。従来のポリエチレン紙コーティング設備は、例えばTAPPI出版社による 1992年刊行の国際標準図書番号0−89852−250−1の「フィルム押 出マニュアル」に記載されている(その記載のすべては参照によって本明細書に 組み入れられる)。コーティング等級ポリラクチドで紙をコーティングすること が所望であるときには、前記の本で認識されるポリエチレン押出コーティング設 備を単純に採用することができ、必要であれば以下のコメントに鑑みて修飾する ことができる。修飾の多くは必要ではないことを認識すべきである。コーティン グ等級ポリラクチドを処理するために認識された次のような条件が好ましいこと を理解すべきである。本発明は、認識された条件に限定されるものではない。 ポリラクチドを処理するために設計された押出機は、約24:1の長さ/直径 比(L/D比)を有することができる。ポリエチレンを処理するために用いられる 多くの押出機は、約30:1あるいはこれより大きいL/D比を有している。ポ リエチレンを処理するための押出機におけるより長いスクリューは、すべてのポ リマーが溶融するのを確保するために、一般に必要とされている。これに対して 、ポリラクチドは比較的速く溶融する。コーティング等級ポリラクチドを処理す るためには比較的短いスクリュー長さであるのが好ましいが、ポリエチレンを処 理するのに通常関連して比較的長いスクリューを用いることができる。 ポリエチレンを処理するためのスクリューの設計により、約4:1の高い 圧縮比が一般にもたらされる。これに対して、ポリラクチドではそのような高い 圧縮比は必要ではない。出願人は、従来のポリスチレン押出スクリューを用いて ポリラクチドを処理することができることを発見した。典型的なポリスチレン押 出スクリューは、例えば、すでに言及されたTAPPI出版社による1992年 刊行の「フィルム押出マニュアル」に記載されている。 ポリエチレンを処理するための押出コーティングシステムは、一般に、約7〜 11インチのエアーギャップが与える。このエアーギャップは、ポリエチレンポ リマーの酸化を促進するためには比較的長い。これに対して、ポリラクチドはエ アーギャップでの酸化は必要でない。従って、ダイギャップを約4インチあるい はそれより小さい値まで減らすことは好都合であるであろう。コーティング等級 ポリラクチドを処理するときに約2〜3インチのエアーギャップを設けるのが特 に好ましい。ポリラクチドを処理するためにはエアーギャップは小さいのが好ま しいが、エアーギャップの最小長さは、冷却ローラーおよび/またはニップロー ラーの直径とコーティング設備の設計とによって決められることを理解すべきで ある。紙表面への付着に先立って、周囲の空気によって冷却する効果を最小にす るため、一般にダイギャップはできるだけ小さいのが好ましい。 ダイとリップ間の空間はダイギャップと称される。コーティング等級ポリラク チドを処理するためには、ダイギャップは約15ミル〜30ミルの範囲にあるの が好ましい。このダイギャップは約18ミル〜25ミルの範囲にあるのが好まし い。ダイギャップが大きいほど高い引き落とし比を必要とし、次いでこれがコー ティングの不安定性とジグザグを導くことが一般に理解されている。もしも、ダ イギャップが小さすぎると、ダイ圧力が増大し、また、コーティングが薄すぎる かまたは接着に劣ることになるであろう。 一般に、冷却ローラーは、ポリマーが付着しないように、できるだけ熱い状態 で作動すべきである。これにより、エネルギーが保存され、冷却ローラーへの凝 縮が防止される。コーティング等級ポリラクチドを処理するためには、冷却ロー ラーへ入る冷却水は約80°Fの温度を有しているのが一般に 好ましい。冷却ローラーの表面温度を測定するのは困難であるが、その温度はコ ーティング等級ポリラクチドのガラス転移温度より低いと予想される。一般に、 冷却ローラーの表面温度は約130°Fより低いと考えられている。 押出コーティング法でコーティング等級ポリラクチドを処理するときには、ニ ップ圧力は約2〜5barの範囲にあるのが一般に好ましい。この大きさの圧力 により、ローラーにおける過度の磨耗が回避されるとともに、押し出されたポリ ラクチドの充分な付着がもたらされるのに役立つ。 冷却ローラーの表面は、コーティングに所望の光沢をもたらすために、修飾す ることができる。例えば、よく磨かれたクロム製ローラーは高い光沢の仕上面を もたらすことができる。この高い光沢の仕上面は、印刷を受けるための仕上面を 設けるのが望まれるときに好都合である。比較的粗い表面を有する冷却ローラー は、艷消し仕上面を与えることができ、低い摩擦係数を有するコーティング面を 得るために好ましいこともある。 ダイを通してコーティング等級ポリラクチドを処理するための多くの適用にお いては、ダイ幅は、紙コーティング法で商業的に用いられるどのような幅でもよ いことが予想される。一般に、この幅は約2フィート〜10フィートの範囲の幅 に相当しているであろう。即ち、押出コーティング法で用いられるダイの幅が大 きいため、コーティング等級ポリラクチドは、そのようなダイを通して適切に流 れるように、充分な溶融安定性と溶融弾性とを有していなければならないことを 認識すべきである。 ポリエチレンを処理するための従来の紙コーティング設備には、次のような装 置の一部または全部を有することが多い。即ち、通気孔のないバレル、24:1 〜30:1のL/D比と3:1の圧縮比とを有する汎用目的のスクリュー、送り 部分を冷却するためのスクリュー、および、最大の生産性と安全性とのための6 0〜80メッシュのスクリーンを有するブレーカープレートである。コーティン グ等級ポリラクチドは、そのような従来の設備で処理することができる。2.好適な操作条件 コーティング等級ポリラクチドを押出コーティング設備を通して処理するとき は、コーティング等級ポリラクチドを溶融前に半結晶質の形態で供給するのが一 般に好ましい。一般に、その結晶度は、約10J/gより大きいのが好ましく、 約15J/gより大きいのがより好ましい。出願人は、非晶質ポリラクチドが保 管および移動の際に固まりやすいことを発見した。このことは、特にアメリカ合 衆国南部の倉庫において多い温暖な条件下では、非晶質ポリラクチドポリマーペ レットがともに付着するかあるいは塊になりやすいことを意味する。加えて、非 晶質ポリラクチドポリマーペレットは、押出機の中で生じる熱のためにホッパー 中で溶融しやすい。さらに、出願人は、非晶質ポリラクチドポリマーが一軸スク リュー押出機においてスクリューに付着しやすいことを発見した。すでに記載し たように、ポリラクチドを処理するために用いる押出機は比較的大きいL/D比 を有する従来のポリエチレン押出機であると予想される。非晶質ポリラクチドは 、それが完全に溶融する前に、そのような押出機のスクリューに付着しやすいこ とがわかった。これらの問題点は、半結晶質ポリラクチドを供給することにより 、最少にすることができる。 コーティング等級ポリラクチドを押出コーティングのためにホッパーへ供給す る工程の前に、従来の直列型乾燥装置を用いてそのポリラクチドをさらに乾燥さ せるのが好ましい。このポリマーは、その直列型乾燥装置からホッパーへ、周囲 環境にさらされることなく運ばれるのが好ましい。このコーティング等級ポリラ クチドは、一般に、溶融処理の際の湿気に左右されやすく、湿気のレベルが増大 すると分子量が低下することがわかった。半結晶質ポリラクチドペレットは、好 都合なことに、約60〜130℃の温度で乾燥させることができる。これに対し て、非晶質ポリラクチドペレットは、一般に、ガラス転移温度である約60℃よ り低い温度で乾燥させなければならない。 コーティング等級ポリラクチドを溶融させる押出機は、約480°F〜560 °Fの溶融温度をもたらすのが好ましい。溶融ポリラクチドの温度は、 ポリラクチドがすべて溶融するような、また、溶融カーテンが紙表面に接着する ような充分に高い温度であるのが一般に好ましい。その溶融ポリラクチドの上限 温度は、溶融強度および分解を考慮することによって制限される。ポリラクチド は温度依存性が大きいので、溶融したポリラクチドの温度は、そのカーテンの溶 融強度あるいはポリマーの分解に悪い影響を及ぼすほど高いものであってはなら ない。より好ましくは、溶融したポリラクチドの温度は、約495°F〜540 °Fの範囲にあるべきである。より好ましくは、押出機において溶融したポリラ クチドの温度は、約500°F〜530°Fの範囲にあるべきである。 溶融したポリラクチドは、ダイ幅1インチ当たり約5ポンド/時より大きい処 理量でダイに供給されるのが好ましい。より好ましくは、処理量は1インチ当た り10ポンド/時/ダイ幅1インチより大きい。処理量が少ないと厚いコーティ ングが得られるが、薄いコーティングをもたらすために用いると、紙基材へ適切 に接着したコーティングをもたらすことに失敗することがあることがわかった。 低い処理量は溶融カーテンの高い冷却を与えるので、薄いフィルムは適切な接着 をもたらすのに充分ではないと考えられる。一般に、処理量は、紙への所望の接 着を得るために充分な熱量を供給するようにに決定される。 一般に、コーティング等級ポリラクチドを押出コーティング設備で処理するた めの処理のライン速度は、約300〜2000フィート/分である。より好まし くは、このラィン速度は、約500〜1500フィート/分である。ポリエチレ ンのための従来の押出コーティング設備では、約0.1ミル〜2ミルのポリラク チドコーティングの厚さが、これらの処理ライン速度でもたらすことができるこ とがわかった。より好ましくは約0.3ミル〜1.5ミルの厚さがもたらされ、さ らにより好ましくは、約0.5ミル〜1.0ミルの厚さがもたらされる。 溶融安定性 本発明の紙コーティング操作に用いることができるポリラクチドポリマー は溶融状態にある。一般に「溶融状態」とは、ポリラクチドポリマーが、溶融処 理方法を受けるときに、その物理的性質を適切に維持し、かつ、処理設備を汚し たり被覆したりする充分量の副産物を生じないことを意味する。溶融安定なポリ ラクチドポリマーは、公知のラクチドポリマーに比べて、分解の減少および/ま たはラクチド生成の減少を示す。分解は溶融処理の際に起きることを理解すべき である。組成上の要求と安定化剤の使用とにより、本明細書で開示したように、 溶融処理によって物理的性質が大きく影響を受けないような点まで分解の程度が 減り、また、不純物あるいはラクチドなどの分解副産物による汚れが起きないよ うになる。さらに、溶融安定なポリマーは、商業的に入手することができる設備 のような溶融処理設備において溶融処理可能なものであろう。さらに、このポリ マーは適切な分子量と粘度とを保有するのが好ましいであろう。このポリマーは 、そのコーティング設備が容認性のコーティングを作り出すことができるように 、溶融処理の温度で充分に低い粘度を有しているのが好ましいであろう。また、 粘度が充分に低い温度は、実質的な分解が起きる温度より低いことが好ましい。 ポリラクチドポリマーの安定性は、一般に3つの型に分解される。ラクチド形 成の安定性は、ラクチドを形成する解重合への耐性と称される。高い処理温度と 長い処理時間とによって、溶融ポリマーの中にラクチドが形成されるという結果 になりやすい。このことは、ポリマー処理の際にラクチドがフラッシュアウトし 、ガスを発生させて設備を汚すことがあるので問題である。最終製品に大量のラ クチドが存在していると、保管寿命の点で物理的性質に悪影響を及ぼすため望ま しくない。分子量の低下は、粘度と、引張強度、降伏強度、衝撃抵抗などの物理 的性質とに悪影響を及ぼすため問題である。品質を維持するために分子量を正確 に調整することは重要である。ポリラクチドポリマーは、長時間、熱にさらされ ると、黄色/茶色になる傾向がある。このことは、鮮明な色が望まれる多くの用 途には好ましくない。 溶融弾性 商業的な押出コーティング設備でポリラクチドポリマーを処理するために、 ポリラクチドポリマーは良好な溶融弾性を有している必要がある。ネックインを 極力少なくして、紙への良好な接着のために要求される高温で高速に、ポリラク チドポリマーの薄いコーティングを押し出して引き下ろすことが好ましい。溶融 弾性はポリマーの分子相互作用あるいは鎖の絡み合いに関係していると考えられ ている。 すでに記載したように、コーティング等級ポリラクチドには、ポリエチレン処 理のために設計された従来の紙コーティング設備で処理することができるいくつ かの特性が含まれている。出願人は、線状ポリラクチドが、従来の紙コーティン グ設備で処理するには一般に好ましくないことを発見した。この理由は、線状ポ リラクチドが、商業的に容認することができる処理量をネックインとコーティン グ安定性との容認レベルでもたらすのに必要な溶融弾性を有していないためであ ると考えられる。線状ポリラクチドは、一般に、ラクチドの開環によって調製さ れること、あるいは、多官能の開始剤または分岐剤もしくは架橋剤の不存在下に 乳酸の直接縮合によって調製されることを特徴とする。線状ポリラクチドは、一 般に、フローリー−シュルツ分布(「最も起こりやすい分布」としても知られる) によって特徴付けられる分子量を有しているであろう。この分布は、約2.2(理 想的には約2.0)より小さい多分散インデックス(PDI)と、約3.0のMz/ Mn比とによって一般に特徴付けられている。従来の線状ポリラクチドポリマー の多くは、これらのPDIおよびMz/Mnにほぼ近い値を有しているであろう 。ポリマー加工時の変動のためにいくらかの偏差が予想されるが、ポリマーが線 状ポリマーの一般的性質を示すであろうことも予想される。このことは、鎖の絡 み合いの程度が低く、また溶融弾性が低いことに等しい。分子の相互作用あるい は鎖の絡み合いについては、米国特許第5,594,095号の欄4〜24に詳し く記載されている(米国特許第5,594,095号のこの部分は参照によって本 明細書に組み入れられる)。一般に、これらの方法には、分子量を増大させるこ と、分岐を増大させること、および架橋を増大させることが含まれる。 分子量を増大させると、分子の絡み合いが増大し、また、粘度も増大する 傾向にあることが観察された。この粘度が高くなりすぎると、ポリマーはもはや 処理可能ではなくなり、紙表面に接着のために浸透することもなくなるであろう 。温度を線状ポリラクチドの処理に必要なレベルまで上げると、溶融弾性が犠牲 になり、ポリマー分解の程度が増えるため実用的ではない。 溶融弾性を増大させ、粘度を低く維持するという表面的には相反する性質を補 償するために、分子量分布を広げるのが好ましい。この分子量分布(MWD)の範 囲は、多分散インデックス(PDI、Mw/Mnとして定義される)によってある いはMz/Mn比によって特徴付けることができる。MWDを増大させるのに加 えて、重量平均分子量(Mw)を増大させることに起因する高い粘度は、低分子量 ポリマーをその樹脂の中へ戻して混合することにより補償することができる。こ のことは、粘着性の樹脂あるいはポリラクチドの低分子量分画を加えることによ って行うことができると考えられる。 架橋および分岐は、鎖の絡み合いを増大させ、それにより分子量分布を広げる ための好ましい方法である。鎖の絡み合いの程度は、鎖架橋および鎖分岐の種類 に比例する。長い鎖の分岐は、短い鎖の分岐より鎖の絡み合いに有利に働く。架 橋および/または分岐の好ましい程度は、ポリマー組成物の全体を修飾すること によって、または、大きく分岐または架橋されたポリマーを少量(組成物の約3 〜20重量%)加えることによって得ることができる。 すでに記載したように、分子量分布は溶融弾性の間接的な指標として用いるこ とができる。即ち、広い分子量分布は一般に好ましい溶融弾性をもたらす。この 溶融弾性は、0.0825インチ直径のダイを用い、210℃および2.16kg で行い、10分当たりのポリマーのg数で報告されるASTM−D1238によ るメルトフローインデックス計器の押出機においてダイスエル比を測定すること によって評価することができる。ダイスエルは、ダイの直径に対する押出機の直 径の比の尺度である。本発明においては、「ダイスエル」の性質は、メルトフロ ーインデックス試験から生じるポリマーのストランドをそれが1インチ長さであ るときに取り除くことにより測定する。このストランドの直径を、少なくとも3 か所で測定し、平均する。一般に、この 試験は、再現性を改善するために約5回繰り返す。ニュートン流体では、ほぼ1 .1あるいはこれより小さいスエル比を示す。弾性が増えるとダイスエルが増え る。従って、約1.25より大きい、好ましくは約1.3より大きいダイスエルを 有するポリラクチドポリマーを供給することが望ましい。本発明に係るポリラク チドのダイスエルは、最も好ましくは約1.4より大きい。比較すると、線状ポ リラクチドのダイスエルは、メルトフローインデックス8以上に対して約1.2 以下であり、メルトフローインデックス4以上に対して約1.4以下であり、メ ルトフローインデックス2以上に対して約1.5以下であると概算される。この ことは図7に示されている。 ダイスエル比を用いて、押出コーティングにおいて用いられるポリラクチドと 市販等級の低密度ポリエチレンとの間の溶融弾性の違いを評価することができる 。メルトフローインデックス計器を210℃および2.16kgの力で使用する ことにより、線状PLAに対するスエル比が一般に1.1に等しいかそれより小 さくなり、一方、LDPEに対するスエル比が1.5以上になる。同時に、線状 PLAは、不充分な引き下ろし特性を有する大きいネックインをもたらす傾向に ある。 溶融したポリマーは、操作ダイ圧力をもたらし、また、溶融したポリマーを紙 基材に望ましく接着させるのに充分な溶融粘度で供給すべきである。すでに記載 したように、鎖の絡み合いが増えると、ポリラクチドの溶融弾性が改善されやす く、特に分子量を増大させることにより行うときには、さらに溶融粘度が大きく なりやすい。好ましい方法では、架橋(即ち、過酸化物修飾)によって誘導した長 い鎖の分岐を、溶融粘度を劇的に増大させることなく鎖の絡み合いを増大させる ために用いる。前記のように、メルトフローインデックス(MFI)は粘度の有用 な尺度である。一般に、高いMFIは低粘度の材料に対応し、低いMFIは高粘 度の材料に対応している。線状ポリラクチドは、重量平均分子量(Mw)とMFI との間に強い相関を示し、残留ラクチドレベルとMFIとの間に付加的な相関を 示す。長い鎖の分岐は、本発明においては好ましいが、この関係からの逸脱を引 き起こす。 押出コーティングに対して、出願人は、好ましくはMFIが約2〜30の範囲 内にあるべきであることを発見した。MFIは、より好ましくは約8〜20の範 囲内であり、最も好ましくは約12〜16の範囲内である。 ここで図7によれば、エポキシ化大豆油修飾されたポリラクチドポリマーと、 過酸化物修飾した後の同一のポリマーとの、ダイスエルとメルトフローインデッ クス(MFI)の間の関係が示されている。図7に示すデータは、表2〜4から得 られたものである。線状ポリラクチドポリマーは、エポキシ化大豆油修飾された ポリラクチドポリマーによって示されるダイスエル値より小さいダイスエル値を 示すであろうと予想される。高いダイスエル値は線状ポリラクチドポリマーに対 しては入手できるかもしれないが、それは極めて低いMFI値(約2以下)におい てのみである。好ましい紙コーティング操作に対しては、約1.2より大きいメ ルトフローインデックスを得るのが望ましい。好ましい組成物では、そのメルト フローインデックスは約2より大きく、かつ、ダイスエル値は約1.3より大き いであろう。さらに好ましくは、ダイスエルは約1.4を超えるべきである。一 般に、好ましい組成物は、図7に示された実線の上方にあるMFIとダイスエル とを示す。好ましくは、この組成物は、10を超えるMFIと、1.3(より好ま しくは、1.4)を超えるダイスエルとを示す。 図7のグラフに示された実線は、メルトフローインデックスが2〜8ではダイ スエル=1.6−0.05×MFIであり、メルトフローインデックスが8以上で はダイスエル=1.2であると数学的に特徴付けることができる。2より小さい メルトフローインデックスを示す組成物は、紙コーティング用途にとっては一般 に好ましくないことを理解すべきである。 ダイの幅と紙の幅とが異なる理由は、「ネックイン」として知られる現象によ って説明される。ネックインとは、フィルムがダイから離れるときにフィルムの 幅が狭くなることをいう。ある種の溶融処理操作の際に、線状ポリラクチドなど の線状ポリマーは、ネックインなどの、ある種の好ましくない流動特性を示す。 例えば、ポリラクチドが移動している基材上にフィルムとし て押し出されると、その基材上に向けられるポリラクチドのフィルムは、その移 動している基材によって引き起こされる引張り力で狭くなる傾向がある。このネ ックイン現象は、工程制御に関わる問題と、フィルム厚さに一貫性を維持するこ とに関わる問題を引き起こす。線状ポリラクチドなどの線状ポリマーも、流体力 学的な不安定性と、高い引き抜き比での引き抜き共鳴とを示す傾向がある。この 引き抜き共鳴は、例えばポリマーウェブの破断を導きうる規格を有するコーティ ングおよび/またはゲージにおける周期的な変形を引き起こすことがある。 C)ポリラクチドでコーティングされた紙の特性 紙製品は、紙の保管強度を増大し、耐水性を付与し、光沢を高め、遮断性を増 大させるために、ポリマーコーティングあるいはワックスコーティングでコーテ ィングされることが多い。出願人は、ポリラクチドポリマー組成物を紙の保管の ためのコーティングとして使用すると多くの利点がもたらされることを発見した 。特に、出願人は、ポリラクチドポリマー組成物を使用するとポリオレフィンに 比べて油脂耐性が増大することを発見した。本発明に係るポリラクチドポリマー 組成物でコーティングされた紙の油脂耐性は、ASTMのF119の試験方法に 従って、100℃で65時間の後に浸透のない油脂耐性をもたらす。比較すると 、ポリエチレンコート紙は約10時間後に油脂の浸透が示される。 強められた油脂耐性を有するコート紙製品を提供することにより、この種の製 品は高い油脂含有量を有する包装用製品に使用すると好都合であろうことを直ち に認識すべきである。例えば、このコート紙製品は、肉および魚製品、ハンバー ガー、サンドイッチおよびチーズを包装するための食品包装紙として使用される であろう。さらに、このコート紙は、脂肪含有量あるいは油脂含有量が高い傾向 にあるドッグフードなどのペットフードためのライナーとして有用であるであり 、また、折られた食品容器、大量の液体のための折られたカートンおよびパウチ を含む液体包装のための容器の形態で有用であろう。 またポリラクチドは、エチルブチレートとD-リモネンとによって例示される ように、風味分子および芳香分子に対する効果的な遮断壁を提供することがわか った。芳香の遮断壁のための試験方法は、トウ(J.C.Tou)、ラルフ(D.C.Rulf)お よびデラサス(P.T.DeLassus)[Analytical Chemistry,vol.62,p.592-597(199O) ]により記載されている。ポリオレフィンに勝る性能がポリラクチドフィルムに ついて発見された。この性質は、本明細書において前述したように、その有用性 をさらに高める。ポリラクチドは、多くの用途に有用であると思われる中程度の 水蒸気透過率を有している。高い水蒸気遮断壁が必要であれば、追加のポリマー 層を供給することができる。 本発明のコート紙製品の別の利点は、比較的低い温度でヒートシールすること ができるコート紙製品を提供することができることである。このようなヒートシ ール性があるために、ポリラクチドポリマー組成物をシール材として供給するこ とができるときに接着剤を用いる必要がない。好ましいコーティングでは、その ポリマー組成物は、非晶質であって、55〜60℃のガラス転移温度より高い温 度で容易にヒートシールすることができる。 図10によれば、コップ150がコート紙製品152から調製されて示されて いる。このコート紙製品152は、紙ストック154とポリラクチドポリマー組 成物のコーティング156とを含んでいる。コップ150は、まず大きいシート のコート紙を供給することにより製造されている。コップのパターンを大きいシ ートから切り取り、シートストック152を得る。コップの外壁を形成するため に、次いで、このシートストック152を巻き、ヒートシール端158に沿って ヒートシールする。次いで、コップの上端162を巻き下ろすことによりリップ 160を形成し、このリップ160を再びヒートシールする。ポリラクチドポリ マー組成物が結合を形成するようにポリラクチドポリマー組成物を充分に溶融さ せるために、約70℃より低い温度のような比較的低い温度で加熱することがで きることは、このポリラクチドポリマー組成物の利点である。コップ150の底 164は、同様にパターンを切り出すことによって取り付け、それをコップ15 0の底端166にヒー トシールする。 出願人は、分子量を調整することによりポリラクチドポリマー組成物の可撓性 を維持することができることを発見した。例えば、重量平均分子量を80,00 0以上に、好ましくは120,000以上に維持する。 本発明のコート紙製品におけるコーティング面の摩擦係数は、パラメーターを 処理することにより所望のレベルに調整することができる。例えば、冷却ローラ ーのきめを調整あるいはスリップ剤の導入によって調整する。 低い摩擦係数を有するコーティングが望まれる用途には、コーティングされた 紙コップ(デネスティング用)の内部、紙皿(少なくとも一面)およびアプリケータ ー(タンポンアプリケーターあるいは座薬アプリケーターなどの)などの用途が所 望により含まれる。 多くの種類の用途にとって好ましい高い光沢の仕上面は、高い摩擦係数の原因 になりやすいであろうことを認識すべきである。高い摩擦係数が望ましいと思わ れる用途は、コーティングされた紙袋であり、ここでは、袋をスリップすること なく積み重ねることができるのが好ましい。 この摩擦係数(COF)は、ASTM法のD−1894によって測定することが できる。高い摩擦係数を有するポリラクチドは、一般に、ポリマー上をポリマー がスリップするように、0.6より大きい、好ましくは0.75より大きいCOF を有している。これは、滑らかで高い光沢のローラーを用いることにより容易に 提供される。低い値のCOFは、ポリラクチドでコーティングされた物品のため に、0.6より小さく、好ましくは0.4より小さく、最も好ましくは0.1〜0. 3の範囲であろう。これは多くのポリエチレンフィルムに匹敵する。 出願人は、ポリラクチドポリマー組成物が、紙をコーティングするときに、良 好なピンホール性能を与えることを発見した。一般に、本発明の好ましいポリラ クチドポリマー組成物は、厚さが0.4ミルであって本質的にピンホールがない ままで供給することができる。「本質的にピンホールがない」とは、商業的に用 いるときにコート紙製品が望ましい遮断性をもたらすであろうこ とを意味する。 本発明のコーティングは、典型的なポリエチレンフィルムあるいはポリプロピ レンフィルムより高い表面エネルギーを示す。これらの炭化水素フィルムは、表 面エネルギーが30〜33ダイン/cmの範囲にある。このことは、これらのフィ ルムの製造に関するコストを増加させるだけでなく、修飾処理がフィルムの内部 に拡散して好ましくない印刷面を作るであろう。 本発明の実質的に純粋なポリ(ラクチド)フィルムの表面エネルギーは、約38 〜44ダイン/cmである。これにより、表面修飾することなく、満足すべき印刷 特性を有する表面が得られる。しかし、好ましい方法では、表面エネルギーを5 0ダイン/cmまで増やすためにコロナ処理を用いる。加えて、水をベースにした インクのような、紙コーティングに適用することが通常は困難であるインクをポ リ(ラクチド)に直接適用することができる。コロナ処理のための技術は、TAP PI出版社による1992年刊行の「フィルム押出マニュアル」の第8章第12 9〜150ページに記載されている(これは参照によって本明細書に組み入れら れる)。 コート紙製品を利用することができる製品には、箱、コップ、皿、バターおよ びマーガリン包み、ペットフードの袋あるいは箱、ハンバーガー包み、複数壁の 袋、芝生かすの袋および肉屋の包みが含まれる。 II.材料 一般に、本発明に従って提供することができる好ましいポリマーは、少なくと も1つの成分としてポリラクチドあるいはポリ乳酸(本明細書ではポリラクチド およびポリ乳酸を、集合的にポリラクチドあるいはPLAと称する)を含んでい る。 一般に、ポリマーの命名法は、そのポリマーが調製されるモノマーに基づくポ リマーを参考にすることがあり、他の場合には、そのポリマー中に見られる最小 繰り返し単位に基づくポリマーを特徴付けている。例えば、ポリラクチドにおけ る最小繰り返し単位は乳酸(実際には乳酸の残基)である。しかし、通常の場合、 商業的なポリラクチドは、乳酸よりむしろラクチドモノマーの 重合によって製造されるであろう。ラクチドモノマーは、もちろん、乳酸の二量 体である。本明細書においては、用語「ポリ乳酸」、「ポリラクチド」および「P LA」は、それらの範囲内にポリ乳酸に基づくポリマーとポリラクチドに基づく ポリマーの両方を含むことが意図されており、これらの用語を互換可能に使用す る。即ち、用語「ポリ乳酸」、「ポリラクチド」および「PLA」は、ポリマーが 形成される方法の点で限定されることを意図するものではない。 用語「ポリラクチドに基づく」ポリマーあるいは「ポリ乳酸に基づく」ポリマ ーは、乳酸あるいはラクチドのポリマーと同様に、乳酸あるいはポリラクチドの コポリマーを指すことを意味している。ここで、得られるポリマーは、少なくと も50重量%の乳酸残基繰り返し単位あるいはラクチド残基繰り返し単位を含有 する。ここで、用語「乳酸残基繰り返し単位」とは、次の繰り返し単位を意味し ている。 上の定義に鑑みて、ポリラクチドを、乳酸残基含有ポリマーとして、およびラ クチド残基含有ポリマーとして、両方で言及することができることが明らかであ ろう。ここで、用語「ラクチド残基繰り返し単位」とは、次の繰り返し単位を意 味している。 ラクチド残基繰り返し単位を、L−ラクチド、D−ラクチドおよびメソ− ラクチドから得ることができることを認識すべきである。L−ラクチドは2つの S−乳酸残基から構成されており、D−ラクチドは2つのR−乳酸残基から構成 されており、メソ−ラクチドはS−乳酸残基とR−乳酸残基の両方から構成され ている。 さらに、用語「PLA」は、ポリマー成分としてポリラクチドあるいはポリ乳 酸だけを含むように組成物を限定することを意図するものではないことを理解す べきである。本明細書で使用される用語「PLA」は、ポリマー中の繰り返し単 位の全部に基づいて、少なくとも50重量%の前記乳酸残基繰り返し単位を含ん でいるポリマーを含む組成物を包含する。PLA組成物は、少なくとも50重量 %の乳酸繰り返し単位を含んでいるポリマーと混合された他の成分を含むことが できる。多くの用途ではポリラクチドを含んでいるコーティング成分が支配的な 材料であろうと考えられる。一般に、少なくとも20%の成分がポリラクチド材 料からなるであろうと予想される。成分は、好ましくは少なくとも約70重量% のポリラクチドを含み、より好ましくは少なくとも約90重量%のポリラクチド を含むであろう。特定の成分中に存在するポリラクチドの量は、その成分に付与 される所望の性質に左右されることを認識すべきである。成分の完全な堆肥化が 意図されている場合には、成分の100重量%がポリラクチドと堆肥化しうる添 加剤である。 A.PLA(ポリ乳酸あるいはポリラクチド) 本明細書に記載された好ましい技術に従ってコーティング材料に変換するため の利用可能なPLAに基づくポリマーは、ラクチドあるいは乳酸の重合によって 調製される。一部の用途では、重合は共重合であり、別の材料と共重合されたラ クチドあるいは乳酸モノマーを含むことができる。一部の場合には、乳酸あるい は乳酸塩を初めに重合させ、次いで得られるポリマー混合物を、別の材料と反応 、例えば共重合させ、例えば分子量あるいは多分散に関連するある種の所望の修 飾を得ることができる。 本発明において、分解性ポリマーへの言及には堆肥化しうるポリマーが含まれ る。堆肥化しうるポリマーとは、固体廃棄物堆肥化施設あるいは生物ガ ス化施設において物理的、化学的、熱的および/または生物学的な分解を受けた ときに分解し、堆肥の一部になる部分を少なくとも有するポリマーである。この ような用途に用いられるように、堆肥化施設あるいは生物ガス化施設は、迅速あ るいは促進された分解を誘導する特定の環境を有する。一般に、貯蔵あるいは使 用条件と比較して、迅速あるいは促進された分解をもたらす条件を、本明細書で は堆肥化条件と称する。 本発明のポリマーは、繊維中に導入された堆肥化しうる材料の量に依存して、 全部または一部を堆肥化することができることを認識すべきである。ポリマー組 成物中の堆肥化しうる成分は、堆肥化/生物ガス化の際あるいは堆肥改良土壌に おいて、セルロースあるいは紙などの既知の参照材料と同等の速度および/また は程度で堆肥化および生分解されるべきである。基本的にこれは、成分が、それ から調製された製品が使用後に堆肥化によってリサイクルされて堆肥として使用 される時間枠内で、分解可能であるべきであることを意味する。炭化水素や他の ポリマー樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニル、ポリスチレ ン、ポリ塩化ビニル樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンテレフタレ ート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのある種の材料は、これらが堆 肥化環境に単独で置かれたときに分解するにはあまりにも長い時間がかかるため 、本発明の目的のためには堆肥化できるあるいは生物分解できるとみなされない 。堆肥化できる材料の生物分解の速度および程度は、1996年5月3日に米国 特許商標庁に出願された米国特許出願第08/642,329号に詳しく記載さ れている(その開示はすべて参照によって本明細書に組み入れられる)。 乳酸残基含有ポリマーは、これらの加水分解可能な性質および生物分解可能な 性質のために、本発明に用いるのに特に好ましい。乳酸残基含有ポリマーの分解 に関する1つの理論は、多種多様の微生物による酵素分解の対象となる乳酸分子 への加水分解可能な基における加水分解により分解されるというものである。し かし、分解の正確な機構は本発明に必須の特徴ではないことを認識すべきである 。それよりむしろ、天然の最終製品と同様の速い分解 をもたらすポリマーが本発明において有用でありうることを認めることで充分で ある。1992年8月25日にグルーバーらに発行された米国特許第5,142, 023号(その開示は参照によって本明細書に組み入れられる)は、乳酸からラク チドポリマーを連続的に製造する方法を一般的に開示している。精製されたラク チドを調製し、それからポリマーを調製するための関連方法は、グルーバーらに 発行された米国特許第5,247,058号、第5,247,059号、および第5 ,274,073号に開示されている(これらの開示は参照によって本明細書に組 み入れられる)。本発明において用いるのに適した物理的性質を有するこれらの 特許から選ばれたポリマーを利用しうることを認識すべきである。一般に、19 94年8月16日にグルーバーらに発行された米国特許第5,338,822号お よび1994年7月27日に出願された米国特許出願第08/279,732号 に係るポリマー(参照によって本明細書に組み入れられる)を、本発明に用いるこ とができる。用いることができる例示の乳酸残基含有ポリマーは、グルーバーら に発行された米国特許第5,142,023号、第5,274,059号、第5,2 74,073号、第5,258,488号、第5,357,035号、第5,338, 822号および第5,359,026号に、また、米国特許出願第08/110, 424号、第08/110,394号および第08/279,732号に記載され ている(これらの開示は参照によって本明細書に組み入れられる)。本発明で用い ることができるポリラクチドポリマーは、カーギル社から商標名エコプラで入手 することができる。 B.ポリラクチドの有利な性質 コーティング形成においては、所望のメルトフローインデックス、分子量範囲 、PDI、Mz/Mn、光学的組成および溶融安定性を有するポリラクチドポリ マーを供するのが好ましい。 靭性および割れ耐性の所望の性質を有するコーティングを得るために、約60 ,000〜300,000の重量平均分子量を有するポリラクチドポリマーを供給 するのが好ましい。この重量平均分子量は、より好ましくは、約80,000〜 275,000であり、さらに好ましくは、約100,000〜250, 000である。数平均分子量の下限は引張り強度などの物理的性質によって決定 されることを理解すべきである。数平均分子量の上限は溶融処理性などを考慮す ることにより決定される。 メルトフローインデックス(MFI)は溶融処理性の有用な指標である。本発明 においては、MFIの値は、ASTMのD1238−95に従い、210℃およ び2.16kgで測定される。本発明の好ましい組成物は、MFIが約2〜30 であり、より好ましくは約8〜20であり、最も好ましくは約12〜16である 。MFI値の下限は、粘度および基材への接着性を考慮することにより制約され る。 ポリラクチドポリマーの多分散インデックス(PDI)は、一般に、分岐あるい は架橋の関数である。線状ポリラクチドは、一般に、約20℃PDIを有してい るであろう(このPDIは、重量平均分子量を数平均分子量で割った値と定義さ れる)。橋架あるいは架橋の増加により、PDIを有利に増加させることができ る。好ましい組成物は、PDIが2.5より大きく、より好ましくは約29より 大きいであろう。 線状ポリラクチドは約3のMz/Mn比を有していると予想される。これに対 して、本発明の好ましい滞留物は、Mz/Mn比が約6より大きく、より好まし くは約7より大きく、最も好ましくは約8より大きいであろう。実施例6および 図8と図9に示されるように、より高いMz/Mn比を示すポリラクチドポリマ ーは、改善されたダイスエルおよび減少したネックインを与える。実施例6に詳 細に記載した過酸化物架橋法を利用するポリラクチドポリマー組成物では、Mz /Mn比が11程度に高いことが観察されていることを認識すべきである。これ らの組成物は有利であると考えられ、さらに高い値が有益であろう。 実施例6〜8および米国特許第5,594,095号に記載されたような過酸化 物架橋は、コーティング等級ポリラクチドを調製するための好ましい方法である 。米国特許第5,594,095号の欄15の21〜59行の開示は、参照によっ て本明細書に組み入れられる。適切なMFIで適切なダイスエルが 得られるならば、コーティング等級ポリラクチドを調製するための他の方法を用 いることもできる。 過酸化物架橋は、反応の蓋然性がポリマー分子量に比例しているため、特に効 果的であると考えられる。ポリマー分子量が大きくなれば、それによって優先的 に架橋が起き、Mzが迅速に増大するがMnの変化はごくわずかである。 過酸化物は、ポリラクチドポリマーと乾燥混合されるのが好ましく、二軸スク リュー押出機を利用して過酸化物に適した温度で混合されるのが好ましい。通常 は、約180℃〜210℃の温度が好ましい。過酸化物のポリマーに対するモル 比は、通常、約0.01:1〜10:1である(より好ましくは、0.05:1〜 3:1)。このような過酸化物レベルにより、一般に、充分なポリマー反応が得 られ、レオロジーの改善が達成されるであろう。このような環境では、ポリマー の数平均分子量は約10%だけ増大するのに対し、重量平均分子量は約20%以 上増大する。過酸化物のポリマーに対するモル比が約10:1を超えると、通常 の系において過度のゲル化を引き起こしやすいと考えられる。過酸化物のポリマ ーに対する最も好ましいモル比は、約0.1:1〜0.4:1である。これは、通 常、全組成物重量を基準に、約0.05重量%〜0.2重量%の範囲の重量%に相 当する。過酸化物のポリマーに対する上記のモル比は、ほぼ約0.005重量% 〜0.03重量%、および約1.5重量%〜5重量%の重量%範囲に相当すること を理解すべきである。 出願人は、光学純度を有するコーティング等級ポリラクチドを供するのが有益 であることを発見した。一般に、光学純度によって、結晶度が増大するであろう 。すでに記載したように、結晶度の増大(約10J/g以上)は望ましい特性を与 える。特に、半結晶質ペレットは、非晶質ポリラクチドペレットに通常付随する 付着の問題およびブロッキングの問題を防止する傾向を有している。半結晶質ポ リラクチドペレットのガラス転移温度が高いほど、この利点に寄与すると考えら れる。さらに、半結晶質ポリラクチドは、非晶質ポリラクチドより高い温度で乾 燥することができる。しかし、この光学純度は、 コーティングとして供給されたときに結晶化を起こすほどは大きくないであろう 。コーティングにおいて結晶化をもたらすことが望まれていないときには、なお さらである。コーティングにおける結晶化は、一般に、収縮および不透明化の原 因となる傾向があり、また、より高いヒートシール温度を必要とすることがわか った。コーティング等級ポリラクチドは、好ましくは約90〜99.5%、より 好ましくは約92〜98%、最も好ましくは約95〜96.5%のS−乳酸残基 の光学純度を有する。換言すると、コーティング等級ポリラクチドの光学純度は 、約3.5〜5%のR−乳酸残基を与える。これらの値の逆も真と予想されるこ とを理解すべきである。即ち、光学的に純粋なコーティング等級ポリラクチドは 、低いS−乳酸残基とともに高いR−乳酸残基で得られるはずである。 紙コーティングに用いるための好ましいポリラクチドポリマーは、溶融安定性 であるのが好ましい。これは、ポリラクチドポリマーが、溶融処理の際に直面す る温度でラクチド再形成および解重合に対して比較的安定であることを意味する 。これについては、米国特許第5,338,822号および第5,525,706号 で提供された溶融安定性に関する開示が、参照によって本明細書に組み入れられ る。 さらに、好ましい溶融安定性ポリラクチド組成物は、ラクチド濃度が、好まし くは約2重量%未満、より好ましくは約1重量%未満、さらに好ましくは約0. 5重量%未満であることを理解すべきである。最も好ましくは、溶融安定性の特 性を確保するために、ラクチド濃度は約0.3重量%未満であるのが好ましい。 加えて、押出機などを通して溶融処理を行う際のラクチド生成の程度は、約2重 量%未満のラクチド生成であるのが好ましい。もちろん、溶融安定性が高くなる と、ポリラクチドポリマーは低い残留ラクチドレベルの結果となり、それが低く なると、追加のラクチドが溶融処理の際に生成するであろうと予想される。即ち 、溶融安定性のポリラクチドポリマーに対しては、溶融処理により、約1%未満 、より好ましくは約0.5重量未満のラクチドが生成するだけであろうと予想さ れる。低残留ラクチドは溶融安定性を 維持するのに重要であるが、溶融安定性を得るためにさらに追加の添加剤に依る ことができることを認識すべきである。例示の添加剤は上記2つの参照特許に記 載されている。いくつかの例は、ポリラクチドポリマーのための安定剤として酒 石酸の使用を示していることが認識されるであろう。追加のカルボン酸は、溶融 処理の際にポリラクチドポリマーの安定性を増大させるように機能するであろう と予想される。 ポリラクチドポリマーは湿気に影響されやすいことを理解すべきである。従っ て、ポリラクチドポリマーの水分含有量を、ポリラクチドポリマーが溶融安定性 であるレベルまで低下させるのが好ましい。コーティング等級ポリラクチドポリ マーをコーティング形成のための処理設備に供給するときに、ポリラクチドポリ マーをライン内の乾燥機に通して、湿度レベルを約500ppm未満、より好ま しくは約200ppm未満まで低下させるのが好ましい。最も好ましい水分レベ ルは、水が存在するときには、約100ppm未満、より好ましくは約50pp m未満である。好ましいコーティング操作では、ポリラクチドポリマーは、ライ ン内の引き抜き工程とポリマー溶融工程の間で周囲大気に暴露されない。 上に記載したように、紙コーティングの条件は、非常に厳しく、ラクチド再形 成および分子量低下を促進する。処理温度は260℃を超えることが多い。その 結果、紙コーティング中の条件はポリマー分解を進行させる。出願人は、フィル ム形成あるいは成形品形成の際にしばしば直面する溶融安定性の要求を超えて溶 融安定性を増大させることが有利であることを発見した。 C.コポリマー 乳酸残基含有ポリマーには、コポリマーが含まれ、一般に、乳酸、ラクチドあ るいはこれらの組合せを含むモノマーから調製される。乳酸残基含有ポリマーと みなされるポリマーには、ポリ(ラクチド)ポリマー、ポリ(乳酸)ポリマー、およ びコポリマー、例えばラクチドおよび/または乳酸のランダムおよび/またはブ ロックコポリマーが含まれる。乳酸残基含有ポリマーの形成に用いることができ る乳酸成分には、L−乳酸およびD−乳酸が含まれる。 乳酸残基含有ポリマーの形成に用いることができるラクチド成分には、L−ラク チド、D−ラクチドおよびメソ−ラクチドが含まれる。特に好ましいコポリマー は、L−ラクチド残基およびD−ラクチド残基の両残基をコモノマーとして含有 する。 粘度修飾されたポリラクチドが、有益なダイスエルを得るために好ましい。こ のようなポリマーは、米国特許第5,359,026号および米国特許出願第08 /729,732号(グルーバーらにより1994年7月27日に発明の名称「粘 度修飾されたラクチドポリマー組成物およびその製造方法」で出願された:この 出願は参照によってそのすべてが本明細書に組み入れられる)に詳細に記載され ている。粘度修飾されたラクチドポリマーは、これらが粘度の低下、溶融強度の 増加などの望ましい加工特性を与えるので重要である。 特に好ましい粘度修飾されたポリラクチドポリマーには、ラクチドとエポキシ 化された多官能性油、例えばエポキシ化された亜麻仁油やエポキシ化された大豆 油とのコポリマーが含まれる。多くの状況では、このポリマーは、0.1〜0.5 重量%のエポキシ化された多官能性油と溶融ラクチドモノマーから調製するのが 好ましい。触媒を加えることができ、混合物を約160℃〜200℃で重合させ ることができる。 多種類の異なる成分あるいは反応物をポリラクチドポリマー中に導入すること ができるが、それらの存在は必ずしも繰り返し単位を構成するものではないこと を理解すべきである。ポリマー鎖におけるいくつかの成分あるいはその残基の存 在に対応する濃度での成分あるいはその残基の存在は、繰り返しではないことが 明らかである。 好ましい他のコポリマーには、他の生分解性ポリマー、特に脂肪族ポリエステ ルとのPLAのコポリマーが含まれる。このコポリマーを形成するための1つの 好ましい方法は、反応性押出のような後重合過程におけるエステル交換あるいは カップリングによるものであろう。過酸化物の存在下での押出は、非線状ポリマ ー分子の生成と同時にカップリングをもたらすための1つの方法である。また、 ラクチドと他の環状エステル、環状エーテルおよび環 状エステル−アミドとのコポリマーも可能である。この場合のコモノマーには、 ラクチド、グリコリド、パラジオキサノン、モルホリンジノン、ジオキセパン− 2−オン、ジオキサノン(p−ジオキサノンなど)、ラクトン(ε−カプロラクト ンあるいは4−バレロラクトンなど)、ジオキサン(ジオン)(グリコリドあるいは テトラメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンなど)あるいはエステル−ア ミド(モルホリン−2,5−ジオンなど)が含まれる。コポリマーに関しては、米 国特許第5,359,026号に記載されたものを参照することができる(その開 示はすべて本明細書に組み入れられる)。また、乳酸と他のヒドロキシ酸または ヒドロキシおよび/または酸末端の低分子量ポリエステルとのコポリマーも可能 である。脂肪族ポリエステルあるいはポリエステル−アミドか好ましい。 D.他の成分 本ポリラクチドポリマー組成物は、追加の成分あるいは添加剤、例えば可塑剤 、レオロジー修飾剤、結晶度修飾剤、酸化防止剤、接着性改善添加剤、安定剤、 顔料、核形成剤などを含むことができる。 可塑剤 大部分の乳酸残基含有ポリマーに対して、可塑剤成分をポリマー組成物の重量 を基準にして約0.5〜20重量%の濃度が得られるように添加することによっ て、ガラス転移温度を所望レベルまで低下させることができると考えられる。一 般に、充分量の可塑剤を導入してTgの所望の低下を得るべきである。充分な可 撓性および柔軟性を得るためには、可塑剤のレベルは、少なくとも1重量%より 大きく、より好ましくは少なくとも2重量%より大きくすべきであると考えられ る。従って、可塑剤を用いる場合には、それを、約1〜10重量%の濃度レベル が得られるように含有させるべきである。 可塑剤の選択には、いくつかの基準を考慮することが含まれる。特に、フィル ム形成の際に露出するポリマーの表面積が大きいので、大量に揮発しない可塑剤 を供するのが好ましい。このことは、蒸気の減少に加えて、表面被覆の減少をも たらすであろう。生分解性をできるだけ大きくすることが一般 に好ましく、生分解性であり、非毒性であり、樹脂と相溶性であり、比較的不揮 発性である可塑剤を用いるのが好ましい。 アルキルあるいは脂肪族のエステル、エーテル、および多官能エステルおよび /またはエーテルの一般的な群の可塑剤が好ましい。これらには、アルキルホス フェートエステル、ジアルキルエーテルジエステル、トリカルボキシエステル、 エポキシ化された油およびエステル、ポリエステル、ポリグリコールジエステル 、アルキルアルキルエーテルジエステル、脂肪族ジエステル、アルキルエーテル モノエステル、クエン酸エステル、ジカルボキシエステル、植物油およびこれら の誘導体、およびグリセリンのエステルが含まれている。好ましい可塑剤は、ト リカルボキシエステル、クエン酸エステル、グリセリンのエステル、およびジカ ルボキシエステルである。より好ましくは、生分解性であると考えられるので、 クエン酸エステルが好ましい。これ orlfex)から得ることができる。 揮発性は可塑剤の蒸気圧によって決まる。適切な可塑剤は、多層構造を生成さ せ、かつその構造が利用されるときに所望の性質を与えるのに必要な過程を通し て可塑剤が組成物中に実質的にとどまるように、充分に不揮発性であるべきであ る。揮発性が大きすぎると、処理設備の汚れを導き、また、望ましくない可塑剤 の移動を引き起こすことがある。好ましい可塑剤は、170℃で約10mmHg 未満の蒸気圧を持ち、より好ましい可塑剤は、200℃で約10mmHg未満の 蒸気圧を持つべきである。最も好ましい可塑剤は、200℃で約1mmHg未満 の蒸気圧を持つ。 乳酸残基含有ポリマーと結合している内部可塑剤も、本発明において有用であ ろう。ポリマーと結合することができる例示の可塑剤にはエポキシドが含まれる 。室温で通常は固体である可塑剤を追加で用いることができる。核形成剤 本発明においては、示差走査型熱量測定法(DSC)によって分析して、ポリマ ーが10J/gより大きい正味溶融吸熱を示したときに、ポリマー組成物は半結 晶質であるとみなされる。ポリマー組成物層が半結晶質であるか否かを判定する ために、それをメトラー(Mettler)などの示差走査型熱量計において試験するこ とができる。結晶度の試験の実施の詳細は、当業者には既知であり、また、19 93年8月23日に出願された米国特許出願第08/110,394号に記載さ れている(その全開示が参照によって本明細書に取り入れられる)。 半結晶質コーティング(10J/gより大きい)が所望であるときには、核形成 剤を導入することができる。核形成剤には、選択された可塑剤、微細分割した鉱 物、有機化合物、有機酸とイミドの塩、およびポリ(ラクチド)の加工温度より高 い融点を有する微細分割された結晶質ポリマーが含まれる。有用な核形成剤の例 には、タルク、サッカリンのナトリウム塩、ケイ酸カルシウム、安息香酸ナトリ ウム、チタン酸カルシウム、チッ化ホウ素、銅フタロシアニン、アイソタクチッ クポリプロピレン、低分子量ポリ(ラクチド)およびポリブチレンテレフタレート が含まれる。高温性能(改善された耐熱性)および改善された遮断性が望まれる状 況では、半結晶質コーティングが適するであろう。半結晶質コーティングが望ま しいであろう例示の用途には、ホットドリンク用コップ、ハンバーガー包み、お よび持ち帰り食品用容器が含まれる。 コーティングは非晶質であるのが一般的には好ましいということを理解すべき である。非晶質ポリラクチドコーティングは、一般に、望ましい透明度をもたら す。半結晶質ポリラクチドコーティングは、不透明あるいは白色に変わりやすい 。非晶質ポリラクチドコーティングは、一般に、収縮しにくいコーティングを提 供するのが所望であるときに好ましい。これに対して、コーティングを、固化す るにつれて結晶化する非晶質コーティングとして使用するときには、このコーテ ィングは紙をたわませる傾向を有するであろう。もちろん、紙をたわませるコー ティングを提供することは有益であろう。一 般に、紙をたわませないコーティングを提供することが望ましい。このようなコ ーティングは、ポリラクチドポリマー組成物が非晶質コーティングとして適用さ れ、非晶質コーティングとして固化するときに得ることができる。 非晶質ポリラクチドコーティングは、ヒートシール性が重要な特徴である状況 では一般に望ましい。先に記載したように、ヒートシール性の性質は、ポリラク チドのコーティングを加圧下で溶融させ、ヒートシールをもたらす。これは、コ ップの形成における重要な特性である。一般に、非晶質ポリラクチドコーティン グは、ガラス転移温度より高い温度でヒートシールするであろう。従って、ポリ ラクチドコーティングを60℃より高い温度で加熱することによって、ヒートシ ールをもたらすことができる。即ち、接着剤の使用を減少させるか、または排除 することができる。 非晶質ポリラクチドコーティングは、例えば半結晶質ポリラクチドより速く分 解するコーティングを提供することが所望であるときにも好ましい。一般に、非 晶質構造は、堆肥化条件のもとでは半結晶質ポリラクチドより速く堆肥化される であろう。 非晶質ポリラクチドコーティングは、半結晶質ポリラクチドコーティングより も可撓性に富んでいる。これは、例えばコート紙を裏側に巻いてコップ上のリッ プを形成することが所望であるときに重要と考えられる。このような用途では、 コーティングに割れ目ができるのは一般に好ましくない。加えて、一般に非晶質 ポリラクチドコーティングは、半結晶質ポリラクチドコーティングに比較して、 紙へのより良好な接着性をもたらす。 充填剤 低い充填剤レベルが、保管および輸送の際のコート紙製品のブロッキングまた は付着を防止するのに有用であろう。無機充填剤には、表面が修飾されたかまた は修飾されていない粘土および鉱物が含まれる。その例には、タルク、珪藻土、 シリカ、雲母、カオリン、二酸化チタンおよびケイ灰石が含まれる。好ましい無 機充填剤は、環境において安定であり、非毒性である。 有機充填剤には、修飾されたかまたは修飾されていない種種の森林産物お よび農産物が含まれる。その例には、セルロース、小麦、澱粉、修飾された澱粉 、キチン、キトサン、ケラチン、農産物由来のセルロース材料、グルテン、堅果 の殻の粉末、木材の粉末、トウモロコシの穂軸の粉末およびグアールゴムが含ま れる。好ましい有機充填剤は、回復可能な供給源に由来し、生分解性である。充 填剤は、単独であるいは2またはそれ以上の充填剤の混合物として用いることが できる。好ましい充填剤レベルは、それを用いるときには、10重量%未満であ り、より好ましくは約5重量%未満である。 表面処理 ブロッキングを減少させるために表面処理を行うこともできる。このような処 理には、ポリラクチド基本コーティングと隣接表面の間の表面接触を減少させる 材料による表面のダスチングが含まれる。表面処理に用いることができる材料の 例には、タルク、シリカ、トウモロコシ澱粉、トウモロコシ粉、ラテックス球あ るいは他の粒子が含まれる。追加の表面処理には、化学処理と物理処理があり、 これにはポリ(ラクチド)に基づくコーティングの表面エネルギーを増大させるコ ロナおよび火炎処理が含まれる。コロナおよび火炎処理法は常法であり、199 2年にTAPPI社から刊行された「フィルム押出マニュアル」の第8章、12 9〜150ページに詳しく記載されている(その開示は参照によってすべて本明 細書に組み入れられる)。ポリラクチドに基づくコーティングがコロナあるいは 火炎処理に付される大部分の応用では、穏やかなコロナ処理によって、ポリラク チドの表面エネルギーが約45〜50ダインになると予想される。 潤滑剤 ある種の用途に対しては、コーティングは良好なスリップ性を有しているのが 好ましい。スリップ性を増大させるために、フルオロポリマー粉末あるいはグラ ファイトなどの潤滑用固体を材料に導入することもある。溶融状態のための潤滑 剤として一般に使用される脂肪酸エステルあるいは炭化水素ワックスは、極めて 高濃度で用いたときに徐々に浸出し、従って永久的な潤滑効果を与える。ある種 の添加剤は、冷却の際にも、表面に強く移動するので、 均一で目に見えない薄いコーティングが形成される。従って、これらのスリップ 剤は、自動包装機において使用されるコーティングの製造に重要である。好まし い潤滑剤は、約100ppm(重量)で添加したときに、押出機スクリューを作動 させるためのアンペア数を約10〜15%減少させることがわかった(潤滑剤を 含まないときのアンペア数と比較して)。 本発明において使用することができる内部潤滑剤には、脂肪酸エステル、アミ ド、金属塩および石鹸、ならびにパラフィンあるいは炭化水素ワックスが含まれ る。有用な潤滑剤の例には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ アリン酸アルミニウム、ステアリン酸アセテート、白色蜜蝋、カンデリアワック ス、高MFI LDPE、イーストマンエポレン(Eastman Epolene)N21、イー ストマンエポレンE20、およびロキシオール(Loxiol)HOB7119が含まれ る。好ましい内部潤滑剤には、ステアリン酸アルミニウムおよびステアリン酸ア セテートが含まれる。 天然ワックス、合成ワックス、および紙コーティング用途で一般に使用される ワックスを、潤滑性、ブロッキング防止性を得るため、および光沢を改善するた めに用いることができる。 帯電防止剤 帯電防止剤を本発明において用いることができる。帯電防止剤は界面活性剤で あり、これを陽イオン物質、陰イオン物質および非イオン物質に分類することが できる。 陽イオン化合物に関しては、活性分子部分は、長いアルキル残基を含むことが 多い大きな陽イオンからなるのが普通であり(例えば、第4アンモニウム、ホス ホニウムまたはスルホニウムのスラット)、また、第4級基が環系に生じること もできる(例えば、イミダゾリン)。多くの場合、陰イオンは、第4級化の過程に 由来する塩化物、メト硫酸塩あるいは硝酸塩である。 陰イオン化合物においては、この群の化合物中の活性分子部分は陰イオンであ り、大部分はアルキルスルホン酸塩、硫酸塩あるいはリン酸塩、ジチオカルバミ ン酸塩あるいはカルボン酸塩である。アルカリ金属が陽イオンとし て用いられることが多い。 非イオン帯電防止剤は、上記のイオン化合物よりも著しく低い極性を示す荷電 していない界面活性分子であり、これには、ポリエチレングリコールエステルあ るいはエーテル、脂肪族エステルあるいはエタノールアミド、モノもしくはジグ リセリド、あるいはエトキシル化された脂肪アミンが含まれる。 界面活性剤 ある種の用途に対しては、コーティングを修飾して水輸送性を変えるのが望ま しい。界面活性剤を本発明のウェブ中に導入して、水輸送性を増大させることが できる。 有用な界面活性剤は、陽イオン物質、陰イオン物質および非イオン物質に分類 することができる。 顔料 顔料、染料あるいは着色剤を必要に応じて添加することもできる。その例には 、二酸化チタン、粘土、炭酸カルシウム、タルク、雲母、シリカ、ケイ酸塩、鉄 酸化物および水酸化物、カーボンブラックおよび酸化マグネシウムが含まれる。 接着性改善添加剤 ある種の用途では、基材に対するコーティングの接着を促進あるいは改善する ために、接着性改善添加剤を供するのが好ましいであろう。このような添加剤の 一般的な群を、粘着性付与添加剤と称することができる。これらの添加剤は、溶 融したポリラクチドポリマーの粘度を低下させる傾向を持ち、次いで、基材(特 に、紙)への溶融ポリラクチドポリマーの接着を促進すると考えられる。この点 で有用と考えられる添加剤には、可塑剤、乳酸オリゴマー、低分子量ポリラクチ ドおよび粘着性付与樹脂が含まれる。好ましい添加剤は、比較的極性のものであ り、また、ポリラクチドの溶解度パラメーターに近い溶解度パラメーターを有し ている。好ましくは、この溶解度パラメーターは約5cal5/cm3の範囲内であろ う。これらの添加剤は、好ましくは約1〜10重量%、より好ましくは約3〜8 重量%の量で添加されるであろう。触媒 本発明のポリラクチド組成物を製造する際に、ラクチド重合反応のために触媒 を用いる。多くの触媒が、ラクトンの開環重合に用いるために文献において言及 されている。これらの触媒には、限定されることなく、SnCl2、SnBr2、 SnCl4、SnBr4、アルミニウムアルコキシド、スズアルコキシド、亜鉛ア ルコキシド、SnO、PbO、Sn(2-エチルヘキサノエート)、Sb(2-エチ ルヘキサノエート)(オクトエートと称されることもある)、Caステアレート、 Mgステアレート、亜鉛ステアレートおよびテトラフェニルスズが含まれる。出 願人も、180℃でのラクチド重合のための数種の触媒を試験した。これには、 スズ(II)ビス(2-エチルヘキサノエート)[アトケム(Atochem)からファスキャッ ト(Fascat)2003として、またエアープロダクツ(Air Products)からDABC O T−9として市販されている]、ジブチリンジ ト[アトケムのS−21]、およびアンチモントリス(エチレングリコキシド)[ア トケムのS−24]が含まれる。これらの触媒の中で、スズ(II)ビス(2-エチル ヘキサノエート)、ブチリントリス(2-エチルヘキサノエート)およびジブチリン ジアセテートが最も効果的であるようである。 仕上げ油 ある種の用途に対しては、表面処理を行って、潤滑性をもたらし、親水性を変 化させ、静的特性を変え、粘着性に影響を及ぼすのが有用であることもある。こ のような表面処理の例は仕上げ油である。仕上げ油は、上記の繊維特性に影響を 及ぼすが、下流の繊維過程にも影響を及ぼす。このような過程には、糸の製造や 梳綿が含まれる。PLAに用いることができる仕上げ油のいくつかの例には、ス テアレートあるいは他の市販の専売油が含まれる。過酸化物 好ましい過酸化物はジアルキル過酸化物である。例示のジアルキル過酸化物に は、ジクミル過酸化物;α、α'−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベ ンゼン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;t−ブ チルクミル過酸化物;ジ−t−ブチル過酸化物;および2,5−ジメチル−2,5 −ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が含まれる。アール・ティー・バンダ ービルト(R.T.Vanderbilt)からのバロックス(Varox)DBPH−50として、ま たはエルフ・アトケム(Elf Atochem)からルペルコ(Luperco)101−XLとして 入手することができる2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ サンが特に好ましい。 E.他のポリマー 上記のように、種類の異なる多くのポリマーをポリラクチドと混合して本発明 において用いることができる。ポリラクチドと混合することができる例示のポリ マー種には、ポリオレフィン、ポリアミド、芳香族/脂肪族ポリエステル(ポリ ブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートを含む)、およびこ れらの組合せが含まれる。用いることができる追加のポリマー種には、分解され た澱粉組成物、多価アルコールおよび誘導体、ヒドロキシプロピルセルロース誘 導体、セルロースエステル、生分解性脂肪族ポリエステル、エーテル、ウレタン 、および生分解性の脂肪族-芳香族ポリエステルが含まれる。分解された澱粉組 成物の例には、ノバモント(Novamont)からメーター(Mater)-Biとして入手するこ とができるエチレンビニルアルコール(EVOH)と組合せた澱粉が含まれる。例 示の多価アルコールおよび誘導体には、グリセロール、エチレングリコールなど の適当な可塑剤で修飾されたポリビニルアルコール、ポリ(アルケンオキシ)アク リレートと組合せたポリビニルアルコール[エアー・プロダクツ・アンド・ケミ カルズ(Air Products and Chemicals)からビネックス(Vinex)として入手するこ とができる]が含まれる。例示のヒドロキシプロピルセルロース誘導体には、ヒ ドロキシプロピルセルロース非イオン性セルロースエーテル、例えばハーキュル ズ(Hercules)からクルーセ ル(KLUCEL)として入手することができるものなどが含まれる。例示のセルロース エステルには、セルロースアセテート[イーストマン(Eastman)から入手すること ができるテナイツ(Tenites);プロプリオネートおよびブチレートを含む]、セル ロースアセテートプロプリオネート、およびセルロースアセテートブチレートが 含まれる。例示の生分解性脂肪族ポリエステルには、ポリヒドロキシブチレート (PHP)、バイオポール(Biopol)として入手することができるポリヒドロキシブ チレート-コ-バレレート(PHBV)、ユニオン・カーバイド(Union Carbide)か らトーン(Tone)として入手することができるポリカプロラクタン、ショーワ(Sho wa)のバイオネル(Bionelle)1000シリーズとして入手することができるポリ ブチレンスクシネート、ショーワのバイオネル3000として入手することがで きるポリブチレンスクシネート-コ-アジペート、ポリグリコール酸(PGA)、様 々な等級のポリラクチド(PLA)、ポリブチレンオキサレート、ポリエチレンア ジペート、ポリパラジオキサノン、ポリモルホリンビオンおよびポリジオキシパ ン−2−オンが含まれる。例示のエーテルには、ポリプロピレンオキシド、ポリ プロピレンオキシドとポリエチレンオキシドとのコポリマー、ポリエチレンオキ シドのコポリマーが含まれる。例示のポリカーボネートには、ポリエチレンカー ボネート、ポリブチレンカーボネート、およびポリトリメチレンカーボネートお よびその誘導体が含まれる。例示のウレタンには、ポリエステルあるいはエーテ ルあるいはこれらの混合物から調製されたウレタン、あるいはポリエステルとウ レタンから調製された脂肋族ポリエステルウレタンが含まれる。生分解性の脂肪 族-芳香族ポリエステルには、イーストマン(Eastman)から入手することができる ポリブチレンスクシネート-コ-テレフタレートおよびデュポン(Dupont)から入手 することができるバイオマックス(Biomax)が含まれる。 PLAと混合することができるかあるいは多成分フィルムの別の成分として使 用することができる別の成分には、熱可塑性樹脂、例えば炭化水素、ポリエステ ル、ポリビニルアルコール、ポリ(アクリロニトリル)ポリマー、および選択され た高度置換されたセルロースエステルが含まれる。例示の炭化水 素には、ポリエチレン、ポリプロピレンが含まれる。例示のポリエステルには、 ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリブチレンテレフタレート(PB T)などの芳香族ポリエステルが含まれる。 本発明において用いることができるポリマーには、PLAおよびPLAを基本 とするポリマー、他の生分解性あるいは水溶性ポリマー(例えば、PVA)、他の 乳酸含有ポリマー(例えば、乳酸を基本とするポリウレタン)、ポリカプロラクト ン(PCL)、ポリプロピオラクトン、セルロースアセテート、グリコリド含有ポ リマー(PGA)、分解性ポリエステル(脂肪族)、ポリヒドロキシプロピオネート (またはブチレート、カプレオレート、ヘプタノエート、バレレートあるいはオ クタノエート)、ポリエステルアミド、脂肪族ジオールポリマー、脂肪族および 芳香族ジカルボン酸、ならびに、適用可能であればこれらのコポリマーおよびそ の混合物が含まれる。 例示の好ましいポリマーは、商標名バイオネル(Bionelle)1000のもとで市 販されているポリブチレンスクシネートホモポリマーであり、ショーワ・ハイポ リマー社(Showa Highpolymer Co.,Ltd)から入手することができる。 B)紙の一般 本発明に従い、ポリラクチドポリマー組成物を、それが付着するであろうあら ゆる基材にコーティングすることができる。例示の基材には、天然紙、合成紙、 ポリマーフィルムおよびアルミニウム箔が含まれる。このポリラクチドポリマー 組成物は、漂白および未漂白のクラフト紙、粘土コート紙、漂白および未漂白の 包装紙、漂白されたボール紙などの紙にコーティングするのが好ましい。 様々な重さの紙を利用することができる。例えば、コップの製造においては、 一般に約210〜250g/平方mの重さを有する紙を用いるのが好ましい。実施例1 高い光沢、耐水性、生分解性のコーティングを有する紙 クロロホルム溶媒中の分子量40,000のポリ(ラクチド)の20%溶液を、 15ミルの引き棒を用いて、50ポンドのクラフト紙(Georgia Pacific)の上に キャストした。コーティングを室温で24時間乾燥した後に、コート紙を、高真 空および40℃の真空オーブン中に24時間置き、残留溶媒を除去した。乾燥後 のコーティングの厚さは2ミルであった。得られたコーティングは、優れた透明 度と高い光沢を有していた。即ち、ASTMのD523−85によれば、60度 の光沢値は83であった。このコーティングを水に8時間さらしたところ、その 外観に影響はなかった。コーティングの可撓性は、コーティングを1/8インチ のマンドレルで曲げることにより確かめた。 実施例2 生分解性の紙コーティングのヒートシール性 クロロホルム溶媒中のポリ(ラクチド)の20%溶液を、15ミルおよび25ミ ルの引き棒を用いて、50ポンドのクラフト紙(Georgia Pacific)の上にキャス トした。コート紙を室温で24時間乾燥した。コート紙を、高真空下で30℃の 真空オーブン中に置き、残留溶媒を除去した。乾燥後のコーティングの厚さは、 それぞれ2ミルおよび4ミルであった。 このコート紙の1インチ幅の試験片を用いることにより、コーティングされて いない紙に対するヒートシール性を試験した。Sencorp Heat Sealer Model 12 −As/1を用い、1×12インチの2つのジョーで、特定の時間および温度で 所定圧力を加えた。1インチ幅のコート紙を同一寸法の非コート紙に合わせた。 圧力は60psiから80psiに、温度は200°Fから280°Fに、時間 は0.5秒から1.5秒に、それぞれ変えた。これらの試料を室温まで冷却した。 次いで、得られた結合の質を、手によるT剥離試験を用いて評価し、基材からの 繊維引裂の程度を視覚的に判定した。 これらの試料がコーティングに対して非コートストリップの100%の繊維引 裂を示したときに、「優」のヒートシール(2)と判定した。非コートストリップ の部分的な繊維引裂を、「良」のヒートシール(1)と判定した。繊維引裂がない のを「不可」のヒートシール(0)と判定した。この試験を、2ミルと 4ミルの両コーティングを用いて行った。*印は複数回の試験の平均を示す。結 果を以下に示す。 コーティングの熱可塑性の性質のため、結合された基材は、接着線に熱と応力 が加わると結合がはがれことができる(コーティングが軟化するため)。これは、 コート紙のリサイクルに別オプションを与える。 実施例3 pH7での生分解性コーティングの再パルプ化能力 クロロホルム溶媒中のポリ(ラクチド)の20%溶液を、70ポンドのクラフト 紙(ジョージアパシフィック社製)の上にキャストし、室温で一晩乾燥した。高真 空下で30℃の真空オーブン中で残留溶媒を除去した。乾燥コーティングの厚さ は5ミルであった。 1平方インチのコート紙の試験片を数枚、Waring混合機中のpH7および14 0°Fの1L(リットル)の水に浸した。固体含有量は2%w/vであった。コー ト紙を、低剪断力の設定で、8分間混合した。コーティングを、5番ふるいに通 す濾過によってパルプから除去した。少量の残留繊維がコーティングに接着した が、このような混合物の堆肥化能力は優れていた。また、コーティングの加水分 解からの乳酸の回収性は、痕跡量の木材繊維の存在によって妨げられないであろ う。実施例4 アルカリ条件下での生分解性コーティングの再パルプ化能力 実施例3で調製した1平方インチのコート紙の試験片紙を、Waring混合機中の pH10および140°Fの1Lの水に浸した。固体含有量は2%w/vであっ た。低剪断力の設定で8分間撹拌したた後に、繊維を5番ふるいに通す濾過によ って回収した。少量の残留繊維がコーティングに接着したが、このような混合物 の堆肥化度は優れていた。また、コーティングの加水分解からの乳酸の回収性は 、痕跡量の木材繊維の存在によって妨げられないであろう。 実施例5 コーティング例 溶融安定性ポリ(ラクチド)の2つの試料を、連続する紙コーティング試験に用 いた。このポリ(ラクチド)を乾燥し、非揮発化した(最初のラクチド濃度は0.5 重量%である)。このポリ(ラクチド)は、モノマーの触媒に対するモル比が50 00:1になるレベルで触媒を用いて、ラクチドから調製した。触媒は、スズ(I I)ビス(2−エチルヘキサノエート)であった。重合の開始時に、安定剤(Weston PNPG)を0.2重量%の割合で添加した。第1のポリ(ラクチド)試料は、75 ,000の初期重量平均分子量を有し、第2のポリ(ラクチド)試料は、105,0 00の初期重量平均分子量を有していた。 ポリ(ラクチド)は、May Coating TechnologiesのCLS−300のコーターと 型50Bの溶融機とを用いて、容器中で溶融し、次いで、ポンプでダイに通して 、8インチのコーティング幅を得た。このダイは空気圧によって位置が保たれ、 また、中間で溶融クッションにより基材に対して浮いている。この基材は、基本 重量が50ポンドおよび幅が12インチの天然のクラフト紙であった。 75,000分子量試験:このポリマーは、190℃〜200℃の温度で溶融 およびポンプ輸送した。ポンプ輸送速度を2.6ポンド/分に設定し、また、ラ イン速度を375フィート/分および75フィート/分に設定して、コーティン グの厚さをそれぞれ約1ミルおよび約5ミルにした。5ミルのコーティングに対 しては、巻き戻し箇所における温度は80℃であったため、レリ ースコートフィルム(MYLAR、登録商標)を巻いてブロッキングを排除した。次の 操作には冷却ローラーを組み込み、レリースフィルムを使用しなかった。 105,000分子量試験:このポリマーは、215℃〜227℃の温度で溶 融およびポンプ輸送した。227℃の容器温度において、このポリマーは顕著な 蒸気を放出していた。ポンプ輸送速度を2.6ポンド/分に設定し、また、ライ ン速度を375フィート/分に設定して、コーティングの厚さを約1ミルにした 。コーティングの厚さを2.5ミルおよび0.75ミルにするために、ライン速度 をそれぞれ150フィート/分および500フィート/分に設定して追加試験を 行った。 このコーティングは、高い光沢および紙への優れた接着性を有していた。この コーティングは、良好な撥水性、高い引裂耐性および剛性の増大を示した。 PLAコート紙(2.5ミル)のブロッキングを調べるために、基材の配置をフ ィルム対フィルム、紙対フィルム、フィルム対フィルム(タルクをまく)にして、 262.5平方cmの領域に加えられた17.5オンスの荷重の下に、3つの温度2 5℃、53℃および63℃で試験した。24時間後に、紙対フィルムとフィルム 対フィルム(タルクをまく)においては、25℃、53℃あるいは63℃でブロッ キングが示されなかったが、フィルム対フィルムの基材配置においては、25℃ ではブロッキングが示されなかったが、53℃ではブロッキングが示された。 実施例6 特性に及ぼす過酸化物修飾の影響 この実施例では、4つの樹脂を2つの過酸化物レベルで処理して、キャストフ ィルム押出の際のMn、Mz、Mz+1、メルトフローインデックス(MFI)、 ダイスエルおよびネックインなどのポリマー特性に及ぼす過酸化物架橋の影響を 調べた。A〜Dと表示するこれら4つの樹脂試料は、すべて試験工場規模のプラ ントで4,000〜6,000ポンドのバッチを用いて調製された。これらの試料 は、共重合剤として0.35重量%のエポキシ化大豆油(C.P.Hall CompanyからPA RAPLEX G-62として入手可能)、触媒として1部触媒/ 80,000部ラクチドのモル比のスズII(ビス2−エチルヘキサノエート(Air P roducts CompanyからDABCO T-9として入手可能)、およびプロセス安定剤(代表的 にはG.E.Speciality ChemicalsからのTNPP)を含んでいた。重合温度は、約9〜 13時間に対して約180〜200℃であった。これらの試料を、二軸スクリュ ー押出機とワイプ(塗り付け)フィルム蒸発器とを用いて脱揮発化し、残留ラクチ ド含有量を1重量%未満にした。次いで、このポリマーを、ペレット化し、乾燥 した。 0.05重量%あるいは0.10重量%の過酸化物[RT.Vanderbilt Co.からのVa rox DBPH-50:これは、炭酸カルシウムとシリカ不活性充填剤の1:1配合物に 対して45重量%の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ ンである]と乾燥したポリマーペレットとを乾燥混合し、次いでこれらをLeistri tzの34mmの共回転二軸スクリュー押出機において10ポンド/時で押し出すこ とによって、試験試料を調製した。この押出機を、100rpmのスクリュー速 度、180℃の温度、および約3分の滞留時間で運転した。この押出機には11 の区域があり、供給部で始まる番号が付けられている。区域1は160℃の温度 、区域2は175℃の温度、区域3〜9は180℃の温度、区域10,11は1 85℃の温度であった。また、試料を210℃の押出機温度を用いることによっ て調製し、同様の結果が得られたが、データのバラツキがより多く、熱分解の証 拠(数平均分子量の減少)が存在した。押し出しを真空下で行い、揮発性の分解生 成物を除去した。次いで、樹脂をペレット化し、乾燥し、110℃で12時間ア ニール処理して、ペレットを結晶化した。この結晶ペレットは、ポリ(ラクチド) を一軸スクリュー押出機で加工したときに、スクリュー粘着の問題を起こすこと が少ないことがわかった。過酸化物を添加しない対照試料も、同様の熱履歴を与 えるために、過酸化物処理された試料と同様の方法で加工した。 次いで、これらの試料の多くの性質を試験した。ゲル透過クロマトグラフィー (GPC)を用いて、Mn、Mw、Mz、Mz+1を含む様々な分子量平均を測定 した。この手順は先に説明した。ダイスエルおよびメルトフローイン デックスは、Tinius Olsen Melt IndexerのモデルMP993を用い、直径が0. 0825インチのダイを210℃の温度および2.16kgの荷重で用いて測定 した。この手順は先に説明した。 小さいキャストフィルムラインにおけるこれら試料の性能を用いて、ネックイ ンの傾向を次のようにして判定した。1インチのKillion一軸スクリュー押出機 を、170℃の温度および40rpmのスクリュー速度で運転し、また6インチ のキャストフィルムダイを170℃で用いて、フィルムを12rpmで回る8イ ンチ直径の巻き取りロール上に押し出しキャストした。ネックインは、ダイの幅 (6インチ)からキャストフィルムの幅を引いてインチで報告する。 結果を添付した表2、図8および図9に示す。データは、ネックインがダイス エルに大きく関係し、低いネックイン値が高いダイスエル値に対応することを示 す(図8)。またデータは、ダイスエルがMz/Mnに大きく関係していることを 示す(図9)。さらにデータは、過酸化物で架橋したときに高分子量成分の増加に 起因して、Mz/Mnが劇的に増加することを示す。ネックインは劇的に減少す る。 表2:様々なPLAグレードの特性に及ぼす過酸化物修飾の影響 実施例7 分子量分布に及ぼす過酸化物レベルの影響 先の実施例と同様の方法で調製した樹脂を、3つの異なる量の過酸化物[R.T.V anderbilt Co.からのVarox DBPH-50:不活性充填剤に対して45%の2,5−ジ メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン]で処理した。この過酸化物 に加えて、1000ppmのステアリン酸アルミニウムおよび500ppmの酒 石酸を添加した。先の実施例と同様に、これらの原料(対照を除く)を乾燥混合し 、180℃で押出機中で反応させた。結果を表3に示す。データは、数平均分子 量のそれほど大きくない変化と、重量平均、Z平均およびZ +1平均分子量の劇的な変化を示す。より高い平均での増加は、過酸化物の添加 量に直接対応している。ダイスエルはMz/Mnの増加と共に増加したが、これ は押出コーティング操作の改善された特性を示す。メルトフローインデックス( MFI)は、過酸化物レベルの増加と共にわずかに減少する。 GPCの結果を用いて、分子量変化が起こるところをより詳しく調べた。デー タは、すべての試料について、低分子量分画(<10,000AMU)が低レベル( 25重量%未満)で残存することを示す。極めて高い分子量分画(>500,00 0AMU)が、過酸化物処理のレベルの増加と共に着実に増加し、基本原料中の 4.6重量%から最高レベルの処理における12.3%まで増加した。 表3:ポリマーの性質と分子量分布に及ぼす様々な過酸化物量の影響 実施例8 種々の樹脂による紙コーティング試験 2つの樹脂(表4のAおよびD)を実施例6と同様の方法で調製した。次いで 、これらの樹脂を、実施例6と同様の方法で、二軸スクリュー押出機において、 0.05重量%あるいは0.10重量%(過酸化物を基準にして)のいずれかのR.T. Vanderbilt Co.からのVarox DBPH-50[不活性担体に対して45%の2,5−ジ メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン]と混合することによって修 飾した。これらの樹脂は、表4においてB、C、EおよびFと記載されている。 これら樹脂の性質および過酸化物処理の影響を表4に示すが、その結果は、実施 例6および実施例7に記載した結果とほぼ同等である。特に、過酸化物処理によ ってダイスエルおよびMz/Mnが効果的に増加し、Mnの変化は比較的小さか った。 乾燥し結晶化した樹脂を紙コーティングラインで加工し、条件に依存して0. 6〜1.2ミルのコーティングを得た。紙は50ポンドのクラフト紙素材であっ た。ダイの幅は28インチであり、この単一ダイに樹脂を供給する2つの押出機 (80rpmの2インチの一軸スクリューおよび60rpmの2.5インチの一軸 スクリュー)を用いて、170ポンド/時間の樹脂押出量を供給し、6ポンド/ 時/ダイのインチ(pph/in)の処理量を得た。エアーギャップは、実現可能 な程度に小さい値である3インチに調整した。一般に、エアーギャップが小さい ほど、低い溶融温度において良好な接着性を与え、ポリマーに対する熱応力を低 下させる。 各樹脂を、表4に示した温度および様々なライン速度(フィート/分で示す)で 加工した。押出機の動力荷重とヘッド圧力を示す。これらは、比較的高い過酸化 物処理レベルに対して、動力要求およびヘッド圧力のわずかな増加を示すが、溶 融温度の増加はこの影響を緩和するのを助ける。動力荷重およびヘッド圧力は、 ポリラクチド樹脂を押し出すときの重要因子であり、ここに示したような適度の 増加のみが許容される。 また、ネックイン%[100*(ダイ幅−コーティング幅)/ダイ幅として計算 する]およびTAPPI接着性[テープ引張り試験:5は完全な接着を示し、1は コーティングと紙の接着がないことを示す]によって示されるコーティング試験 、ならびに、過度の端部ジグザグ(1/4インチまたはそれ以上)の存在を示す注 釈も表に示す。 まず基本樹脂(AおよびD)を見ると、端部ジグザグが目につく前のライン速度 の最大値は約200fpmであり、このときのネックインは約17%であ る。これに対して、過酸化物処理された樹脂は、少なくとも300fpmまでの 速度で、一部の場合には450fpmの速度で、端部ジグザグがなく、わずか1 1〜16%のネックインで加工される。これらは、紙コーティングラインの処理 量の点で、およびネックインに関係するポリマーおよび紙の廃棄物の減少の点で 、顕著な改善である。接着性は、すべての場合において、ライン速度が増えるに つれて減少する。過酸化物でコーティングされた樹脂は、基本樹脂と比較して、 同等の速度で同等の接着性を示す(ただし、比較的高温で加工した樹脂Fを除く) 。比較的高い温度で操作すると接着性の増加が見られる。実際の最大ライン速度 は、より大規模な設備に対してはより高くなり、また、より良好な接着性がより 高いポリマー処理速度で得られるであろう。 表4:様々なグレードのPLA過酸化物修飾樹脂による紙コーティング試験 本発明をいくつかの具体的な態様に関連して説明したが、上記の記載に照らし て多くの代替、修飾および変更が当業者に明らかであることを理解すべきである 。即ち、本発明は、請求の範囲に記載した思想および範囲に含まれるそのような 代替、修飾および変更のすべてを包含することを意図している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 イウェン,マシュー・エル アメリカ合衆国55423ミネソタ州リッチフ ィールド、トーマス・アベニュー・サウス 6311番 (72)発明者 ライアン,クリストファー・エム アメリカ合衆国55369ミネソタ州メイプ ル・グローブ、クインウッド・レイン・ノ ース9186番 (72)発明者 コルスタッド,ジェフリー・ジェイ アメリカ合衆国55391ミネソタ州ウェイザ タ、リンガー・ロード16122番 (72)発明者 マッカーシー,ケビン・ティ アメリカ合衆国55420ミネソタ州ブルーミ ントン、ファースト・アベニュー・サウス 8412番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.紙層とポリマー層とを含み、該ポリマー層が、MzのMnに対する比が約 6より大きいポリラクチドポリマー組成物を含むコート紙製品。 2.ポリラクチドポリマーが、過酸化物修飾されたポリラクチドポリマーを含 む請求項1に記載のコート紙製品。 3.過酸化物修飾されたポリマーが、ポリラクチドポリマーとアルキル過酸化 物を混合することによって調製される請求項2に記載のコート紙製品。 4.過酸化物修飾されたポリラクチドポリマーが、ポリラクチドポリマーと、 組成物の全重量に基づいて約0.005〜0.03重量%の過酸化物を混合するこ とによって調製される請求項2に記載のコート紙製品。 5.ポリラクチドポリマーが、エポキシ化された大豆油の残留物を含む請求項 4に記載のコート紙製品。 6.ポリラクチドポリマー層が、約7より大きいMzのMnに対する比を有す る請求項1に記載のコート紙製品。 7.ポリラクチドポリマー層が、約2より大きいメルトフローインデックスに 対して約1.25より大きいダイスエルを有するポリラクチドポリマーから形成 される請求項1に記載のコート紙製品。 8.ポリラクチドポリマー層が、約2より大きいメルトフローインデックスに 対して約1.4より大きいダイスエルを有するポリラクチドポリマーから形成さ れる請求項1に記載のコート紙製品。 9.ポリラクチドポリマー組成物が、粘着性付与樹脂を含む請求項1に記載の コート紙製品。 10.紙層とポリマー層とを含み、該ポリマー層が、約2より大きいメルトフ ローインデックスおよび約1.25より大きいダイスエルを有するポリラクチド ポリマー組成物を押出コーティングすることによって得られるポリマー組成物を 含むコート紙製品。 11.ポリラクチドポリマー組成物が、過酸化物修飾されたポリラクチド を含む請求項10に記載のコート紙製品。 12.ポリラクチドポリマー組成物が、過酸化物修飾されていない請求項10 に記載のコート紙製品。 13.ポリマー層が、44ダイン/cmより大きい表面エネルギーを有する請求 項10に記載のコート紙製品。 14.以下の工程を含む紙コーティング方法: (a)約10J/gより大きい結晶度を有するポリラクチドポリマー含有ペレ ットを得る工程; (b)該ペレットを溶融して、約2より大きいメルトフローインデックスに対 して約1.25より大きいダイスエルを有する溶融したポリラクチドポリマー組 成物を得る工程;および (c)該溶融したポリラクチドポリマー組成物を基材上に押出コーティングし てコーティングされた基材を得る工程。 15.溶融したポリラクチドポリマー組成物が、約6より大きいMzのMnに 対する比を有する請求項14に記載の紙コーティング方法。 16.溶融したポリラクチドポリマー組成物が、過酸化物修飾されたポリラク チドポリマーを含む請求項14に記載の紙コーティング方法。 17.溶融したポリラクチドポリマー組成物が、エポキシ化された大豆油の残 留物を含む請求項14に記載の紙コーティング方法。 18.請求項1に記載のコート紙製品を含む製造物品。 19.約6より大きいMzのMnに対する比を有し、溶融したときに、約2よ り大きいメルトフローインデックスに対して約1.25より大きいダイスエルを 与えるポリラクチドポリマー組成物。
JP55062398A 1997-05-23 1998-05-22 ポリラクチドコート紙 Ceased JP2002513449A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/862,612 1997-05-23
US08/862,612 US6183814B1 (en) 1997-05-23 1997-05-23 Coating grade polylactide and coated paper, preparation and uses thereof, and articles prepared therefrom
PCT/US1998/010385 WO1998053141A1 (en) 1997-05-23 1998-05-22 Polylactide coated paper

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002513449A true JP2002513449A (ja) 2002-05-08
JP2002513449A5 JP2002513449A5 (ja) 2005-12-08

Family

ID=25338853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP55062398A Ceased JP2002513449A (ja) 1997-05-23 1998-05-22 ポリラクチドコート紙

Country Status (10)

Country Link
US (1) US6183814B1 (ja)
EP (1) EP0981666A1 (ja)
JP (1) JP2002513449A (ja)
KR (1) KR20010012917A (ja)
AU (1) AU733819B2 (ja)
BR (1) BR9809136A (ja)
CA (1) CA2291172C (ja)
NO (1) NO995734L (ja)
NZ (1) NZ501695A (ja)
WO (1) WO1998053141A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005178089A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Kishu Paper Co Ltd 積層体
JPWO2005099300A1 (ja) * 2004-03-31 2007-08-16 松下電器産業株式会社 スピーカ装置
JP2012505942A (ja) * 2008-10-16 2012-03-08 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト 脂肪族ポリエステル及び水再分散性ポリマー粉末を基礎とする生分解性成形体を製造するための混合物
JP2014517850A (ja) * 2011-04-08 2014-07-24 イノヴィア フィルムズ リミテッド 生分解性フィルム

Families Citing this family (100)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6383161B1 (en) * 1995-06-07 2002-05-07 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Applicator and compostable coating
FI112624B (fi) * 1998-07-07 2003-12-31 Enso Oyj Kompostoituva pinnoitettu paperi tai kartonki, menetelmä sen valmistamiseksi sekä siitä saatuja tuotteita
US20030129431A1 (en) * 1998-10-23 2003-07-10 Michael R. Nowak Composite wrap material
US20030199218A1 (en) * 1998-10-23 2003-10-23 Mueller Louann S. Ream wrap comprising PLA resin
US6217630B1 (en) 1999-05-03 2001-04-17 Cargill, Incorporated Conditioned fertilizer product, method for conditioning fertilizer, and method for using conditioned fertilizer product
MXPA00011103A (es) 1999-11-15 2003-04-25 Kimberly Clark Co Metodo de recubrimiento.
EP1278604A4 (en) * 2000-04-27 2010-03-17 Madison Oslin Res METHOD FOR SOLDING PAPER USING ONE OF A WATER-DISPERSIBLE POLYESTER POLYMER
US6399949B1 (en) * 2000-12-22 2002-06-04 General Electric Company System and method for detecting debonding in rubber coated rolls
CN100387360C (zh) * 2001-04-11 2008-05-14 国际纸业公司 显示具有长期贮藏性的纸制品
US7279071B2 (en) * 2001-04-11 2007-10-09 International Paper Company Paper articles exhibiting water resistance and method for making same
US20060254736A1 (en) * 2001-04-11 2006-11-16 Jackson John F Paper articles exhibiting water resistance and method for making same
DE10127314A1 (de) * 2001-06-06 2002-12-19 Trespaphan Gmbh Biologisch abbaubare biaxial verstreckte Folie mit kontrolliertem Weiterreißverhalten
US6805965B2 (en) 2001-12-21 2004-10-19 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Method for the application of hydrophobic chemicals to tissue webs
US6716309B2 (en) * 2001-12-21 2004-04-06 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Method for the application of viscous compositions to the surface of a paper web and products made therefrom
WO2003057988A1 (en) * 2001-12-21 2003-07-17 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Method for the application of a viscous composition to the surface of a paper web and their products
US7348052B2 (en) * 2002-05-07 2008-03-25 Coating Excellence International Sandwich wrappers, fast food wrappers, and gum wrappers comprising PLA resin
US20040024102A1 (en) * 2002-07-30 2004-02-05 Hayes Richard Allen Sulfonated aliphatic-aromatic polyetherester films, coatings, and laminates
US6977026B2 (en) * 2002-10-16 2005-12-20 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Method for applying softening compositions to a tissue product
WO2004034765A2 (en) * 2002-10-18 2004-04-29 Halpin, T., James A method of increasing the conductivity of water and uses therefor
US6761800B2 (en) * 2002-10-28 2004-07-13 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Process for applying a liquid additive to both sides of a tissue web
US7029756B2 (en) * 2002-11-06 2006-04-18 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Soft tissue hydrophilic tissue products containing polysiloxane and having unique absorbent properties
US6964725B2 (en) * 2002-11-06 2005-11-15 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Soft tissue products containing selectively treated fibers
US6949168B2 (en) * 2002-11-27 2005-09-27 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Soft paper product including beneficial agents
US20060083767A1 (en) * 2003-02-27 2006-04-20 Kai Deusch Surgical prosthesis having biodegradable and nonbiodegradable regions
US7396593B2 (en) * 2003-05-19 2008-07-08 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Single ply tissue products surface treated with a softening agent
US7172814B2 (en) * 2003-06-03 2007-02-06 Bio-Tec Biologische Naturverpackungen Gmbh & Co Fibrous sheets coated or impregnated with biodegradable polymers or polymers blends
GB2406305B (en) * 2003-09-29 2006-04-19 Mars Inc Compostable packaging materials and methods
FI20031693A (fi) * 2003-11-20 2005-05-21 Stora Enso Oyj Lapsiturvallinen kotelopakkaus
WO2005052056A1 (ja) * 2003-11-25 2005-06-09 Asahi Kasei Life & Living Corporation 艶消しフィルム
US20050120240A1 (en) * 2003-12-01 2005-06-02 Gary Kiwimagi Secure authenticated network connections
US20050120204A1 (en) * 2003-12-01 2005-06-02 Gary Kiwimagi Secure network connection
US20050120223A1 (en) * 2003-12-01 2005-06-02 Gary Kiwimagi Secure authenticated network connections
US7888405B2 (en) 2004-01-30 2011-02-15 E. I. Du Pont De Nemours And Company Aliphatic-aromatic polyesters, and articles made therefrom
JP4039378B2 (ja) * 2004-03-19 2008-01-30 ソニー株式会社 スピーカ用の音響紙振動板及び音響トランスジューサ機器
DE102004020731A1 (de) * 2004-04-27 2005-11-24 Kuraray Specialities Europe Gmbh Bedruckbare Medien, Verfahren zu ihrer Herstellung sowie ihre Verwendung
MX2007000195A (es) * 2004-07-06 2007-06-15 Thilmany Llc Cubierta de papel aislante que contiene un antimicotico o fungicida y metodos de fabricacion y uso de la misma.
US7193029B2 (en) 2004-07-09 2007-03-20 E. I. Du Pont De Nemours And Company Sulfonated copolyetherester compositions from hydroxyalkanoic acids and shaped articles produced therefrom
US20060051603A1 (en) * 2004-09-09 2006-03-09 International Paper Company Biodegradable paper-based cup or package and production method
US20070014955A1 (en) * 2005-07-14 2007-01-18 Green Bay Packaging Inc. Printable polylactide film material, methods and labels made therefrom
US20070029247A1 (en) * 2005-08-04 2007-02-08 Compost And Technology Solutions, Inc. Apparatus to separate waste from wastewater
US8637126B2 (en) * 2006-02-06 2014-01-28 International Paper Co. Biodegradable paper-based laminate with oxygen and moisture barrier properties and method for making biodegradable paper-based laminate
DE102006024568A1 (de) * 2006-05-23 2007-12-06 Huhtamaki Forchheim Zweigniederlassung Der Huhtamaki Deutschland Gmbh & Co. Kg Verfahren zur Herstellung einer biologisch abbaubaren Kunststofffolie und Folie
US20070292691A1 (en) * 2006-06-19 2007-12-20 C.J. Multi-Tech Enterprises, Inc. Compostable reinforced paper, method of making same
GB2441984A (en) * 2006-09-22 2008-03-26 Hsi-Ching Chang Biodegradable paper board
US20080230954A1 (en) * 2007-03-20 2008-09-25 Green Harvest Technologies, Llc Injection Stretch Blow Molded Polylactide Bottle and Process For Making Same
US20090065138A1 (en) * 2007-05-11 2009-03-12 Innovative Graphics, Inc. Manufacture of environmentally safe cards
TW200744758A (en) * 2007-07-13 2007-12-16 xi-qing Zhang Method for producing paper material used for making environmentally friendly paper container
US20090102087A1 (en) * 2007-07-20 2009-04-23 Hsi-Ching Chang Method for manufacturing biodegradable paperboard for paper tableware
KR100846301B1 (ko) * 2008-01-04 2008-07-14 최창순 코팅지의 제조 방법 및 이에 의해 제조된 코팅지
US8389107B2 (en) 2008-03-24 2013-03-05 Biovation, Llc Cellulosic biolaminate composite assembly and related methods
US20110123809A1 (en) * 2008-03-24 2011-05-26 Biovation, Llc Biolaminate composite assembly and related methods
EP2265439A4 (en) 2008-03-24 2012-05-16 Biovation Llc BIOSTRATIFIED COMPOSITE ASSEMBLY AND ASSOCIATED METHODS
WO2009152460A1 (en) * 2008-06-13 2009-12-17 Toray Plastics (America), Inc. Matte biaxially oriented polylactic acid film
US8911870B2 (en) 2008-06-13 2014-12-16 Toray Plastics (America), Inc. Method to produce matte and opaque biaxially oriented polylactic acid film
CN102227459B (zh) * 2008-09-29 2014-01-15 巴斯夫欧洲公司 涂布纸张的方法
US20130263418A1 (en) * 2008-10-28 2013-10-10 D & P Products, Inc. Ultra-Low-Friction Treadmill Deck
US8016980B2 (en) * 2008-11-25 2011-09-13 Dixie Consumer Products Llc Paper products
US20100167074A1 (en) * 2008-12-30 2010-07-01 Bunnelle William L Adhesive for difficult to adhere polymer coated board stock
TW201028342A (en) * 2009-01-22 2010-08-01 Minima Technology Co Ltd Environmental paper container
AT12322U1 (de) * 2009-01-27 2012-03-15 Dcc Dev Circuits & Components Gmbh Verfahren zur herstellung einer mehrlagigen leiterplatte, haftverhinderungsmaterial sowie mehrlagige leiterplatte und verwendung eines derartigen verfahrens
CN101798000B (zh) * 2009-02-10 2012-11-21 铭安科技有限公司 环保纸容器
US20110135912A1 (en) * 2009-06-16 2011-06-09 Meadwestvaco Corporation Biodegradable packaging materials with enhanced oxygen barrier performance
WO2010148156A1 (en) 2009-06-16 2010-12-23 International Paper Company Anti-microbial paper substrates useful in wallboard tape applications
FI124269B (fi) * 2010-03-12 2014-05-30 Stora Enso Oyj Kuumasaumautuva biohajoava pakkausmateriaali, sen valmistusmenetelmä ja siitä muodostettu tuotepakkaus
FI20115226A0 (fi) * 2011-03-07 2011-03-07 Stora Enso Oyj Kuumasaumautuva pakkausmateriaali, sen valmistusmenetelmä ja siitä valmistettu pakkaus
KR101150150B1 (ko) * 2011-06-29 2012-06-11 (주)성광테크 폴리 락트산 코팅 원단 제조 방법, 그 제조 방법에 의해 제조된 원단 및 그 원단을 이용해 만든 용기
ES2555276T3 (es) * 2011-07-20 2015-12-30 Walki Group Oy Papel o cartón revestido
US9040120B2 (en) 2011-08-05 2015-05-26 Frito-Lay North America, Inc. Inorganic nanocoating primed organic film
WO2013041649A1 (de) * 2011-09-23 2013-03-28 Basf Se Verwendung einer wässrigen dispersion biologisch abbaubarer polyester
US20130101855A1 (en) * 2011-10-20 2013-04-25 Frito-Lay North America, Inc. Barrier paper packaging and process for its production
US9040598B2 (en) 2012-02-10 2015-05-26 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Renewable polyester compositions having a low density
US8980964B2 (en) 2012-02-10 2015-03-17 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Renewable polyester film having a low modulus and high tensile elongation
US8637130B2 (en) 2012-02-10 2014-01-28 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Molded parts containing a polylactic acid composition
US8975305B2 (en) 2012-02-10 2015-03-10 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Rigid renewable polyester compositions having a high impact strength and tensile elongation
US10858762B2 (en) 2012-02-10 2020-12-08 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Renewable polyester fibers having a low density
US9267011B2 (en) 2012-03-20 2016-02-23 Frito-Lay North America, Inc. Composition and method for making a cavitated bio-based film
US9162421B2 (en) 2012-04-25 2015-10-20 Frito-Lay North America, Inc. Film with compostable heat seal layer
BR112014029751A2 (pt) 2012-06-23 2017-06-27 Frito Lay North America Inc deposição de revestimentos de óxidos inorgânicos ultrafinos em empacotamento
JP2015525603A (ja) * 2012-07-05 2015-09-07 コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ. コーヒー調製機において使用するためのパッド
US9149980B2 (en) 2012-08-02 2015-10-06 Frito-Lay North America, Inc. Ultrasonic sealing of packages
US9090021B2 (en) 2012-08-02 2015-07-28 Frito-Lay North America, Inc. Ultrasonic sealing of packages
FI124410B (en) 2012-10-26 2014-08-15 Stora Enso Oyj Method for the production of biodegradable packaging material, biodegradable packaging material and packaging or container thereof
FI124772B (fi) * 2012-10-26 2015-01-30 Stora Enso Oyj Menetelmä biohajoavan pakkausmateriaalin valmistamiseksi, biohajoava pakkausmateriaali ja siitä valmistettu pakkaus tai astia
CN104781063B (zh) * 2012-11-09 2018-02-27 赢创罗姆有限公司 用于挤出式3d打印法的经涂布长丝的用途和制备
NZ743055A (en) 2013-03-08 2020-03-27 Xyleco Inc Equipment protecting enclosures
WO2014153073A1 (en) 2013-03-14 2014-09-25 Smart Planet Technologies, Inc. Composite structures for packaging articles and related methods
EP3747650B1 (en) 2013-03-14 2022-07-27 Smart Planet Technologies, Inc. Repulpable and recyclable composite packaging articles and related methods
CA2943074C (en) * 2014-03-18 2022-08-16 Corning Optical Communications LLC Jacket for a fiber optic cable
US10809475B2 (en) * 2014-03-18 2020-10-20 Corning Optical Communications LLC Jacket for a fiber optic cable
US9701435B2 (en) 2015-02-13 2017-07-11 Carol Jean Piechocinski Foldable liquid retaining bowl
US9617031B1 (en) * 2015-02-13 2017-04-11 Carol Jean Piechocinski Foldable liquid retaining bowl
US10655277B2 (en) 2015-11-25 2020-05-19 Westrock Mwv, Llc Biopolymer coating for compostable paperboard packaging
PL238562B1 (pl) * 2016-12-25 2021-09-06 Silbo Spolka Z Ograniczona Odpowiedzialnoscia Materiał na opakowanie w kształcie torby
US10549208B1 (en) * 2017-09-01 2020-02-04 Gerald R. Herren Portable balloon tying device
US11787932B2 (en) * 2017-12-03 2023-10-17 Natureworks Llc Polylactic resin compositions for paperboard coating and paperboard coating processes using the compositions
EP3584365B1 (de) * 2018-06-20 2022-07-13 Papier-Mettler KG Beschichtete papierbahn, verfahren zur herstellung der beschichteten papierbahn, beutel oder tasche aus der beschichteten papierbahn und verwendung des beutels oder der tasche
BR112022001737A2 (pt) * 2019-07-30 2022-03-22 Westrock Mwv Llc Estrutura de papelão compostável e método para fabricar a mesma
US11396170B2 (en) 2020-02-12 2022-07-26 Gpcp Ip Holdings Llc Compostable laminate structure
EP4305238A1 (en) * 2021-03-10 2024-01-17 Neenah, Inc. Water resistant and repulpable compositions
DE102022002848A1 (de) * 2022-08-05 2024-02-08 Carsten Norbert Johann Detzer Verfahren zur Herstellung eines Funktionspapier

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5424346A (en) 1988-08-08 1995-06-13 Ecopol, Llc Biodegradable replacement of crystal polystyrene
EP0428620B1 (en) 1988-08-08 1999-03-03 Biopak Technology, Ltd. A method of plasticizing lactide polymers.
US5180765A (en) 1988-08-08 1993-01-19 Biopak Technology, Ltd. Biodegradable packaging thermoplastics from lactides
US5444113A (en) 1988-08-08 1995-08-22 Ecopol, Llc End use applications of biodegradable polymers
US5252642A (en) 1989-03-01 1993-10-12 Biopak Technology, Ltd. Degradable impact modified polyactic acid
US5216050A (en) 1988-08-08 1993-06-01 Biopak Technology, Ltd. Blends of polyactic acid
US5502158A (en) 1988-08-08 1996-03-26 Ecopol, Llc Degradable polymer composition
KR930703399A (ko) 1990-09-06 1993-11-30 댄 더블유. 버저 락트산으로부터 제조한 포장용 열가소성 수지
EP0534471A1 (en) * 1991-09-27 1993-03-31 Toppan Printing Co., Ltd. Composite laminate and method for the manufacture thereof
US5247059A (en) 1992-01-24 1993-09-21 Cargill, Incorporated Continuous process for the manufacture of a purified lactide from esters of lactic acid
US5142023A (en) 1992-01-24 1992-08-25 Cargill, Incorporated Continuous process for manufacture of lactide polymers with controlled optical purity
US5360663A (en) * 1992-05-13 1994-11-01 Showa Highpolymer Co., Ltd. Polyester laminates
DK0615555T3 (da) 1992-10-02 2001-07-09 Cargill Inc Tekstilmateriale af smeltestabil lactidpolymer og fremgangsmåde til fremstilling deraf
US5338822A (en) * 1992-10-02 1994-08-16 Cargill, Incorporated Melt-stable lactide polymer composition and process for manufacture thereof
ES2123668T3 (es) 1992-10-02 1999-01-16 Cargill Inc Papel que tiene un recubrimiento de polimero de lactida estable en estado fundido y procedimiento para su fabricacion.
US5540962A (en) * 1992-10-16 1996-07-30 Leonard Pearlstein Degradable package for containment of liquids
US5294483A (en) * 1992-11-23 1994-03-15 Eastman Chemical Company Coating paper with copolyester
DE4412317A1 (de) 1993-04-21 1994-10-27 Basf Ag Polylactid mit verbreiterter Molmassenverteilung
US5359026A (en) 1993-07-30 1994-10-25 Cargill, Incorporated Poly(lactide) copolymer and process for manufacture thereof
FI99125C (fi) 1993-12-31 1997-10-10 Neste Oy Polylaktidikoostumus
EP0699800A2 (en) 1994-08-31 1996-03-06 National Starch and Chemical Investment Holding Corporation Hot melt coatings for paper and paperboard
WO1996040031A2 (en) 1995-06-07 1996-12-19 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Apparatus and method of forming a paper applicator containing a compostable coating and the article itself
US5849401A (en) * 1995-09-28 1998-12-15 Cargill, Incorporated Compostable multilayer structures, methods for manufacture, and articles prepared therefrom
US5679421A (en) * 1995-10-30 1997-10-21 Brinton, Jr.; William F. Biodegradable bags and processes for making such biodegradable bags

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005178089A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Kishu Paper Co Ltd 積層体
JPWO2005099300A1 (ja) * 2004-03-31 2007-08-16 松下電器産業株式会社 スピーカ装置
JP2012505942A (ja) * 2008-10-16 2012-03-08 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト 脂肪族ポリエステル及び水再分散性ポリマー粉末を基礎とする生分解性成形体を製造するための混合物
JP2014517850A (ja) * 2011-04-08 2014-07-24 イノヴィア フィルムズ リミテッド 生分解性フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
NO995734D0 (no) 1999-11-22
WO1998053141A1 (en) 1998-11-26
EP0981666A1 (en) 2000-03-01
AU733819B2 (en) 2001-05-24
CA2291172A1 (en) 1998-11-26
NO995734L (no) 2000-01-24
KR20010012917A (ko) 2001-02-26
NZ501695A (en) 2003-07-25
CA2291172C (en) 2008-04-15
US6183814B1 (en) 2001-02-06
BR9809136A (pt) 2001-12-04
AU7586298A (en) 1998-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6183814B1 (en) Coating grade polylactide and coated paper, preparation and uses thereof, and articles prepared therefrom
US5849401A (en) Compostable multilayer structures, methods for manufacture, and articles prepared therefrom
US5849374A (en) Compostable multilayer structures, methods for manufacture, and articles prepared therefrom
TWI402308B (zh) 脂族-芳族聚酯,及由其製備之物件
DE602004013145T2 (de) Sulfonierte aliphatische-aromatische copolyester und formkörper daraus
EP1648953B1 (en) Sulfonated aliphatic-aromatic copolyesters and shaped articles produced therefrom
EP1789471B1 (en) Sulfonated copolyetherester compositions from hydroxyalkanoic acids and shaped articles produced therefrom
US7358325B2 (en) Sulfonated aromatic copolyesters containing hydroxyalkanoic acid groups and shaped articles produced therefrom
CN100529256C (zh) 可生物降解的涂敷基材
US20060009611A1 (en) Copolyetherester compositions containing hydroxyalkanoic acids and shaped articles produced therefrom
JP4417834B2 (ja) ポリエステルブレンド組成物およびそれから製造された生分解性フィルム
WO1997046381A1 (en) Paper coated with polylactide and a method for making it
EP2367686A1 (en) Polyethylene and poly(hydroxy carboxylic acid) multilayer films
WO2023085375A1 (ja) 積層体、およびその利用
CA3233767A1 (en) Biodegradable laminating film
AU761975B2 (en) Polylactide coated paper
JP2016049630A (ja) 積層体の製造方法
JP2007030350A (ja) ピロー包装用ポリ乳酸系積層2軸延伸フィルム
JP6645006B2 (ja) 積層体
MXPA99010683A (en) Polylactide coated paper
JP2013226833A (ja) ポリエステル系樹脂積層体およびその製造方法、ならびに、該積層体を用いた袋および容器
AU2022356230A1 (en) Biodegradable laminating film

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050519

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080422

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080609

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080521

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080630

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080620

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20091228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100209