JPH11276492A - 外科用針及び外科用針の針素材の成形装置 - Google Patents
外科用針及び外科用針の針素材の成形装置Info
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- JPH11276492A JPH11276492A JP8394498A JP8394498A JPH11276492A JP H11276492 A JPH11276492 A JP H11276492A JP 8394498 A JP8394498 A JP 8394498A JP 8394498 A JP8394498 A JP 8394498A JP H11276492 A JPH11276492 A JP H11276492A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高い曲げ強度を有すると共に、安定した姿勢で
把持でき、切傷幅や刺通抵抗を小とすることができる外
科用針を提供する。また、外科用針の材料となる断面略
正方形状の針素材を容易に効率よく形成することができ
る外科用針の針素材の成形装置を提供する。 【解決手段】半円弧状に形成された胴部と、先端鋭利な
針先部とからなり、少なくとも胴部は、その周壁の長手
方向に沿って形成された４つの平坦面により断面略正方
形状に形成されている。
把持でき、切傷幅や刺通抵抗を小とすることができる外
科用針を提供する。また、外科用針の材料となる断面略
正方形状の針素材を容易に効率よく形成することができ
る外科用針の針素材の成形装置を提供する。 【解決手段】半円弧状に形成された胴部と、先端鋭利な
針先部とからなり、少なくとも胴部は、その周壁の長手
方向に沿って形成された４つの平坦面により断面略正方
形状に形成されている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、外科手術等におけ
る縫合に用いる外科用針に関する。
る縫合に用いる外科用針に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、断面円形状に形成された半円弧状
の胴部を備え、該胴部の一端に先端鋭利な針先部を備え
る外科用針が知られている。該外科用針は、胴部が断面
円形状であるために、縫合作業時に持針器によって把持
したときに回り易く安定した把持が困難となる不都合が
あった。
の胴部を備え、該胴部の一端に先端鋭利な針先部を備え
る外科用針が知られている。該外科用針は、胴部が断面
円形状であるために、縫合作業時に持針器によって把持
したときに回り易く安定した把持が困難となる不都合が
あった。
【０００３】また、前記胴部の両側を押圧して長手方向
に沿った一対の平坦面を形成することによって、該胴部
が断面大略楕円状に形成された外科用針が知られてい
る。該外科用針においては、一対の平坦面を持針器によ
って把持することによって外科用針が回転することな
く、縫合作業時に安定した姿勢が得られる。しかしその
反面、胴部が断面大略楕円状に形成された外科用針は、
胴部が断面円形状に形成された外科用針に比べて曲げ強
度が弱い不都合がある。しかも、胴部に一対の平坦面を
形成した際には、胴部の断面形状が上下の幅寸法に対し
て左右の幅寸法が長くなる。このため、刺通時の切り傷
が胴部の左右の幅寸法に応じて広げられ、切傷幅が比較
的大きくなると共に刺通抵抗が高くなる不都合がある。
に沿った一対の平坦面を形成することによって、該胴部
が断面大略楕円状に形成された外科用針が知られてい
る。該外科用針においては、一対の平坦面を持針器によ
って把持することによって外科用針が回転することな
く、縫合作業時に安定した姿勢が得られる。しかしその
反面、胴部が断面大略楕円状に形成された外科用針は、
胴部が断面円形状に形成された外科用針に比べて曲げ強
度が弱い不都合がある。しかも、胴部に一対の平坦面を
形成した際には、胴部の断面形状が上下の幅寸法に対し
て左右の幅寸法が長くなる。このため、刺通時の切り傷
が胴部の左右の幅寸法に応じて広げられ、切傷幅が比較
的大きくなると共に刺通抵抗が高くなる不都合がある。
【０００４】また、胴部に高い曲げ強度を得るために、
該胴部の一部に断面略正方形状の部分を形成したものが
知られているが、この断面略正方形状の部分は、胴部を
形成した後にその一部を押圧して形成するために加工工
数が増加する不都合がある。更に、この断面略正方形状
の部分は、糸取り付け部付近には形成することができな
いので、糸取り付け部付近の強度を増加させることがで
きず、胴部の全長に亘って高い曲げ強度を得ることがで
きない不都合があった。
該胴部の一部に断面略正方形状の部分を形成したものが
知られているが、この断面略正方形状の部分は、胴部を
形成した後にその一部を押圧して形成するために加工工
数が増加する不都合がある。更に、この断面略正方形状
の部分は、糸取り付け部付近には形成することができな
いので、糸取り付け部付近の強度を増加させることがで
きず、胴部の全長に亘って高い曲げ強度を得ることがで
きない不都合があった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】かかる不都合を解消し
て、本発明は、胴部の全長に亘って高い曲げ強度を有す
ると共に、持針器による把持のとき安定した姿勢が得ら
れ、しかも、切傷幅を比較的小とすると共に刺通抵抗を
小とすることができる外科用針を提供することを目的と
する。
て、本発明は、胴部の全長に亘って高い曲げ強度を有す
ると共に、持針器による把持のとき安定した姿勢が得ら
れ、しかも、切傷幅を比較的小とすると共に刺通抵抗を
小とすることができる外科用針を提供することを目的と
する。
【０００６】また、本発明は、前記外科用針の材料とな
る断面略正方形状の針素材を容易に効率よく形成するこ
とができる外科用針の針素材の成形装置を提供すること
を目的とする。
る断面略正方形状の針素材を容易に効率よく形成するこ
とができる外科用針の針素材の成形装置を提供すること
を目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、半円弧状に形成された胴部と、該胴部
の一端に連続して形成された先端鋭利な針先部とからな
る外科用針において、少なくとも前記胴部は、その周壁
の長手方向に沿って形成された４つの平坦面により断面
略正方形状に形成されていることを特徴とする。
めに、本発明は、半円弧状に形成された胴部と、該胴部
の一端に連続して形成された先端鋭利な針先部とからな
る外科用針において、少なくとも前記胴部は、その周壁
の長手方向に沿って形成された４つの平坦面により断面
略正方形状に形成されていることを特徴とする。
【０００８】本発明によれば、前記胴部を断面略正方形
状に形成することによって該胴部が４つの平坦面を備え
るので、該胴部を持針器によって把持したときに該胴部
が回転することがなく、縫合作業時に安定した姿勢が得
られる。また状況に応じて持針器よって把持する平坦面
を一対ずつ選択することができるので、縫合作業時に好
適となる姿勢で把持することができる。
状に形成することによって該胴部が４つの平坦面を備え
るので、該胴部を持針器によって把持したときに該胴部
が回転することがなく、縫合作業時に安定した姿勢が得
られる。また状況に応じて持針器よって把持する平坦面
を一対ずつ選択することができるので、縫合作業時に好
適となる姿勢で把持することができる。
【０００９】また、前記胴部は、断面略正方形状である
ことにより、従来の一対の平坦面が形成された断面大略
楕円形状の胴部や、断面円形状の胴部を有する外科用針
よりも高い曲げ強度を得ることができる。そして更に、
該胴部が高い曲げ強度を有することにより、従来の一対
の平坦面が形成された断面大略楕円形状の胴部や、断面
円形状の胴部を有する外科用針よりも、胴部の外径を小
と（細く）することができ、縫合時の切傷幅や刺通抵抗
を比較的小とすることができる。
ことにより、従来の一対の平坦面が形成された断面大略
楕円形状の胴部や、断面円形状の胴部を有する外科用針
よりも高い曲げ強度を得ることができる。そして更に、
該胴部が高い曲げ強度を有することにより、従来の一対
の平坦面が形成された断面大略楕円形状の胴部や、断面
円形状の胴部を有する外科用針よりも、胴部の外径を小
と（細く）することができ、縫合時の切傷幅や刺通抵抗
を比較的小とすることができる。
【００１０】また本発明における一態様として、前記胴
部の前記針先部の反対側の端部には、該胴部の軸線に沿
って縫合糸の挿着穴が形成され、該挿着穴に対応する外
周を前記胴部より縮径することにより形成された断面円
形状のカシメ部を介して前記縫合糸が連結されているこ
とを特徴とする。
部の前記針先部の反対側の端部には、該胴部の軸線に沿
って縫合糸の挿着穴が形成され、該挿着穴に対応する外
周を前記胴部より縮径することにより形成された断面円
形状のカシメ部を介して前記縫合糸が連結されているこ
とを特徴とする。
【００１１】本態様は、縫合糸がカシメ部によりカシメ
連結された所謂糸付き外科用針である。本発明の外科用
針はその胴部が断面略正方形状であるので、縫合糸の挿
着穴を形成する際に位置決めが容易であり、挿着穴を胴
部の端縁の軸心に精度良く形成することができる。ま
た、前記カシメ部を形成する際には、挿着穴に対応する
外周を断面円形状に押圧して、断面略正方形状の胴部よ
り縮径させることができる。
連結された所謂糸付き外科用針である。本発明の外科用
針はその胴部が断面略正方形状であるので、縫合糸の挿
着穴を形成する際に位置決めが容易であり、挿着穴を胴
部の端縁の軸心に精度良く形成することができる。ま
た、前記カシメ部を形成する際には、挿着穴に対応する
外周を断面円形状に押圧して、断面略正方形状の胴部よ
り縮径させることができる。
【００１２】また本発明における他の態様として、前記
胴部の前記針先部の反対側の端部には、縫合糸を通す穴
目が該胴部の軸線に直交する方向に貫通して形成されて
いることを特徴とする。
胴部の前記針先部の反対側の端部には、縫合糸を通す穴
目が該胴部の軸線に直交する方向に貫通して形成されて
いることを特徴とする。
【００１３】本態様は、作業者が穴目に縫合糸を通して
から縫合作業を行う所謂穴目付き外科用針である。本発
明の外科用針はその胴部が断面略正方形状であるので、
穴目を形成する穿孔作業の際に位置決めが容易であり、
胴部の軸線に直交する方向に該胴部を貫通する穴目を、
所望の位置に正確に形成することができる。
から縫合作業を行う所謂穴目付き外科用針である。本発
明の外科用針はその胴部が断面略正方形状であるので、
穴目を形成する穿孔作業の際に位置決めが容易であり、
胴部の軸線に直交する方向に該胴部を貫通する穴目を、
所望の位置に正確に形成することができる。
【００１４】また、本発明の外科用針は、伸線加工によ
り得られた断面円形状の線材に、互いに直交する径方向
から押圧するプレス加工を施すことにより断面略正方形
状に形成される針素材を材料として形成されていること
を特徴とする。
り得られた断面円形状の線材に、互いに直交する径方向
から押圧するプレス加工を施すことにより断面略正方形
状に形成される針素材を材料として形成されていること
を特徴とする。
【００１５】材料である針素材が断面略正方形状である
ことにより、前記針先部を形成する際に胴部の回転を防
止して位置決めが容易であり、前記針先部の形成を良好
に行うことができる。更に、前記針素材は、伸線加工さ
れて硬化が比較的進んだ断面円形状の線材の外周を押圧
して断面略正方形状に形成する。これによって前記針素
材は、前記線材より更に硬化されるので、前記針先部を
形成した際には針先を極めて鋭く形成することができ、
また、縫合作業時にも針先の磨耗が少なく鋭い針先を長
時間維持することができる。
ことにより、前記針先部を形成する際に胴部の回転を防
止して位置決めが容易であり、前記針先部の形成を良好
に行うことができる。更に、前記針素材は、伸線加工さ
れて硬化が比較的進んだ断面円形状の線材の外周を押圧
して断面略正方形状に形成する。これによって前記針素
材は、前記線材より更に硬化されるので、前記針先部を
形成した際には針先を極めて鋭く形成することができ、
また、縫合作業時にも針先の磨耗が少なく鋭い針先を長
時間維持することができる。
【００１６】また、本発明は、断面略正方形状の胴部を
備える外科用針の針素材の成形装置であって、伸線加工
により得られた断面円形状の長尺の線材をその長手方向
に搬送する搬送路と、該搬送路に沿って設けられ、前記
線材にその上下方向から圧接する一対の垂直ローラと、
両垂直ローラの圧接位置において前記線材にその左右方
向から圧接する一対の水平ローラとを備えてなり、前記
断面円形状の線材を搬送しつつ上下左右方向から同時に
押圧して断面略正方形状の長尺の針素材を形成すること
を特徴とする。
備える外科用針の針素材の成形装置であって、伸線加工
により得られた断面円形状の長尺の線材をその長手方向
に搬送する搬送路と、該搬送路に沿って設けられ、前記
線材にその上下方向から圧接する一対の垂直ローラと、
両垂直ローラの圧接位置において前記線材にその左右方
向から圧接する一対の水平ローラとを備えてなり、前記
断面円形状の線材を搬送しつつ上下左右方向から同時に
押圧して断面略正方形状の長尺の針素材を形成すること
を特徴とする。
【００１７】本発明においては、断面略正方形状の胴部
を備える外科用針を形成するために、該外科用針の材料
として断面略正方形状の長尺の針素材を採用する。断面
略正方形状の針素材は、伸線加工により得られた断面円
形状の線材を上下左右方向から押圧することによって形
成することができる。
を備える外科用針を形成するために、該外科用針の材料
として断面略正方形状の長尺の針素材を採用する。断面
略正方形状の針素材は、伸線加工により得られた断面円
形状の線材を上下左右方向から押圧することによって形
成することができる。
【００１８】ところで、断面円形状の長尺の線材に四つ
の平坦面を成形して断面略正方形状とする場合には、一
般に、線材をその長手方向に搬送しつつ、先ず左右方向
から線材に圧接する一対の押圧ローラ間を通過させて該
線材の左右に一対の平坦面を形成し、次いでその下流側
で、上下方向から線材に圧接する一対の押圧ローラ間を
通過させて該線材の上下に一対の平坦面を形成すること
が行われる。
の平坦面を成形して断面略正方形状とする場合には、一
般に、線材をその長手方向に搬送しつつ、先ず左右方向
から線材に圧接する一対の押圧ローラ間を通過させて該
線材の左右に一対の平坦面を形成し、次いでその下流側
で、上下方向から線材に圧接する一対の押圧ローラ間を
通過させて該線材の上下に一対の平坦面を形成すること
が行われる。
【００１９】しかしながら、前記線材はその直径が０．
２mm〜１．３mm程度で極めて細く、上流側の押圧ローラ
と下流側の押圧ローラと間を搬送されるうちに線材に捻
じれが生じる不都合がある。これにより、上流側の押圧
ローラによって線材に形成された左右の平坦面が、捻じ
れにより上下方向に向いてしまい、この平坦面が下流側
の押圧ローラによって再び押圧されて、線材に四つの平
坦面を成形することが困難であった。
２mm〜１．３mm程度で極めて細く、上流側の押圧ローラ
と下流側の押圧ローラと間を搬送されるうちに線材に捻
じれが生じる不都合がある。これにより、上流側の押圧
ローラによって線材に形成された左右の平坦面が、捻じ
れにより上下方向に向いてしまい、この平坦面が下流側
の押圧ローラによって再び押圧されて、線材に四つの平
坦面を成形することが困難であった。
【００２０】そこで、本発明は、前記垂直ローラによる
線材の圧接位置において同時に該線材を圧接するように
前記水平ローラを設けたことにより、線材をその上下左
右から同時に押圧する。これによって、前記線材が極め
て細くても捻じれが生じることなく各ローラ間を通過さ
せることができるので、断面略正方形状の針素材を容易
かつ確実に形成することができる。
線材の圧接位置において同時に該線材を圧接するように
前記水平ローラを設けたことにより、線材をその上下左
右から同時に押圧する。これによって、前記線材が極め
て細くても捻じれが生じることなく各ローラ間を通過さ
せることができるので、断面略正方形状の針素材を容易
かつ確実に形成することができる。
【００２１】本発明の成形装置の具体的な態様として
は、前記線材に上方から圧接する垂直ローラは、その外
周面のうち先端部が線材に圧接する圧接面とされ、且つ
水平に延びる回転軸の左端部に設けられ、前記線材に下
方から圧接する垂直ローラは、その外周面のうち先端部
が線材に圧接する圧接面とされ、且つ前記上方から圧接
する垂直ローラの回転軸の軸線と平行に延びる回転軸の
右端部に設けられ、前記線材に左方から圧接する水平ロ
ーラは、その外周面のうち先端部が線材に圧接する圧接
面とされると共にその他の外周面が前記上方から圧接す
る垂直ローラの先端面に当接され、且つ垂直に延びる回
転軸の下端部に設けられ、前記線材に右方から圧接する
水平ローラは、その外周面のうち先端部が線材に圧接す
る圧接面とされると共にその他の外周面が前記下方から
圧接する垂直ローラの先端面に当接され、且つ前記左方
から圧接する水平ローラの回転軸の軸線と平行に延びる
回転軸の上端部に設けられ、前記各ローラはその軸線方
向に進退自在に且つ進出方向に付勢されて設けられ、少
なくとも一方の垂直ローラ及び一方の水平ローラは、互
いに他方の垂直ローラ及び他方の水平ローラに向かって
接近する方向に移動自在に設けられていることを特徴と
する。
は、前記線材に上方から圧接する垂直ローラは、その外
周面のうち先端部が線材に圧接する圧接面とされ、且つ
水平に延びる回転軸の左端部に設けられ、前記線材に下
方から圧接する垂直ローラは、その外周面のうち先端部
が線材に圧接する圧接面とされ、且つ前記上方から圧接
する垂直ローラの回転軸の軸線と平行に延びる回転軸の
右端部に設けられ、前記線材に左方から圧接する水平ロ
ーラは、その外周面のうち先端部が線材に圧接する圧接
面とされると共にその他の外周面が前記上方から圧接す
る垂直ローラの先端面に当接され、且つ垂直に延びる回
転軸の下端部に設けられ、前記線材に右方から圧接する
水平ローラは、その外周面のうち先端部が線材に圧接す
る圧接面とされると共にその他の外周面が前記下方から
圧接する垂直ローラの先端面に当接され、且つ前記左方
から圧接する水平ローラの回転軸の軸線と平行に延びる
回転軸の上端部に設けられ、前記各ローラはその軸線方
向に進退自在に且つ進出方向に付勢されて設けられ、少
なくとも一方の垂直ローラ及び一方の水平ローラは、互
いに他方の垂直ローラ及び他方の水平ローラに向かって
接近する方向に移動自在に設けられていることを特徴と
する。
【００２２】本態様の成形装置によれば、各ローラの圧
接面が上下左右方向から同時に線材に圧接する。該圧接
面は各ローラの外周面の先端部に形成されており、外周
面の他の部分は互いに隣設するローラの先端面に当接さ
れている。そして、各圧接面による圧接範囲（圧接面の
幅寸法）は可変自在とされている。即ち、少なくとも一
方の垂直ローラ及び一方の水平ローラが、互いに他方の
垂直ローラ及び他方の水平ローラに向かって接近する方
向に移動自在に設けられていることにより、例えば、線
材の径寸法が大きいものから小さいものに変更された場
合に、一方の垂直ローラを他方の垂直ローラに接近さ
せ、一方の水平ローラを他方の水平ローラに接近させ
る。このとき、各ローラは、互いに先端面同士が当接状
態で各先端面に沿って摺動するので、各ローラを互いに
接近する方向に精度良く移動させることができる。そし
て、前記各ローラはその軸線方向に進退自在に且つ進出
方向に付勢されて設けられているので、互いに接近して
圧接幅が狭められた各圧接面の形成に応じて、前記各ロ
ーラはその軸線方向に後退される。このようにして、線
材の径寸法に対応して圧接面を形成することができるの
で、断面円形状の線材から確実に断面略正方形状の針素
材を形成することができる。
接面が上下左右方向から同時に線材に圧接する。該圧接
面は各ローラの外周面の先端部に形成されており、外周
面の他の部分は互いに隣設するローラの先端面に当接さ
れている。そして、各圧接面による圧接範囲（圧接面の
幅寸法）は可変自在とされている。即ち、少なくとも一
方の垂直ローラ及び一方の水平ローラが、互いに他方の
垂直ローラ及び他方の水平ローラに向かって接近する方
向に移動自在に設けられていることにより、例えば、線
材の径寸法が大きいものから小さいものに変更された場
合に、一方の垂直ローラを他方の垂直ローラに接近さ
せ、一方の水平ローラを他方の水平ローラに接近させ
る。このとき、各ローラは、互いに先端面同士が当接状
態で各先端面に沿って摺動するので、各ローラを互いに
接近する方向に精度良く移動させることができる。そし
て、前記各ローラはその軸線方向に進退自在に且つ進出
方向に付勢されて設けられているので、互いに接近して
圧接幅が狭められた各圧接面の形成に応じて、前記各ロ
ーラはその軸線方向に後退される。このようにして、線
材の径寸法に対応して圧接面を形成することができるの
で、断面円形状の線材から確実に断面略正方形状の針素
材を形成することができる。
【００２３】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。図１は本実施形態の外科用針を示す斜視
図、図２は図１のＩＩ−ＩＩ線断面図、図３は図１のII
I −III 線断面図、図４は本実施形態の外科用針の製造
工程を示す説明図、図５は針素材のプレス加工工程を示
す説明図、図６（ａ）は針素材の成形装置の要部を示す
説明図、図６（ｂ）は図６（ａ）に示した成形装置の一
部を拡大した説明図、図７は針素材の切断工程を示す説
明図、図８はカシメ部形成工程を示す説明図、図９及び
図１０は他の実施形態を示す説明的斜視図である。
いて説明する。図１は本実施形態の外科用針を示す斜視
図、図２は図１のＩＩ−ＩＩ線断面図、図３は図１のII
I −III 線断面図、図４は本実施形態の外科用針の製造
工程を示す説明図、図５は針素材のプレス加工工程を示
す説明図、図６（ａ）は針素材の成形装置の要部を示す
説明図、図６（ｂ）は図６（ａ）に示した成形装置の一
部を拡大した説明図、図７は針素材の切断工程を示す説
明図、図８はカシメ部形成工程を示す説明図、図９及び
図１０は他の実施形態を示す説明的斜視図である。
【００２４】本実施形態の外科用針１は、図１に示すよ
うに、半円弧状に湾曲する胴部２と、該胴部２の先端に
備えられた鋭利な針先部３と、該胴部２の基端部に形成
されたカシメ部４とを備え、該カシメ部４には縫合糸５
がカシメ止めされている。
うに、半円弧状に湾曲する胴部２と、該胴部２の先端に
備えられた鋭利な針先部３と、該胴部２の基端部に形成
されたカシメ部４とを備え、該カシメ部４には縫合糸５
がカシメ止めされている。
【００２５】前記胴部２は、図１及び図２に示すよう
に、その外周面に長手方向に沿って四つの平坦面６が形
成されており、断面略正方形状に形成されている。な
お、互いに隣合う平坦面６の境界の角部は円弧形状に残
余するように形成されている。
に、その外周面に長手方向に沿って四つの平坦面６が形
成されており、断面略正方形状に形成されている。な
お、互いに隣合う平坦面６の境界の角部は円弧形状に残
余するように形成されている。
【００２６】該胴部２が四つの平坦面６を有する断面略
正方形状に形成されていることにより、該胴部２を図示
しない持針器によって把持したときに該胴部２が回転す
ることがなく、縫合作業時に外科用針１を安定した姿勢
に保持することができる。また縫合作業状況に応じて一
対の平坦面６を選択して把持することができるので、縫
合作業を円滑に行うことができる。更に、前記胴部２が
断面略正方形状に形成されていることにより、同じ太さ
の断面円形状の胴部を有する外科用針（図示せず）より
も高い曲げ強度を得ることができる。これにより、前記
外科用針１は、断面円形状の胴部を有する外科用針より
も外径を小と（細く）することができ、縫合時の切傷幅
や刺通抵抗を比較的小とすることができる。
正方形状に形成されていることにより、該胴部２を図示
しない持針器によって把持したときに該胴部２が回転す
ることがなく、縫合作業時に外科用針１を安定した姿勢
に保持することができる。また縫合作業状況に応じて一
対の平坦面６を選択して把持することができるので、縫
合作業を円滑に行うことができる。更に、前記胴部２が
断面略正方形状に形成されていることにより、同じ太さ
の断面円形状の胴部を有する外科用針（図示せず）より
も高い曲げ強度を得ることができる。これにより、前記
外科用針１は、断面円形状の胴部を有する外科用針より
も外径を小と（細く）することができ、縫合時の切傷幅
や刺通抵抗を比較的小とすることができる。
【００２７】前記針先部３は断面略正方形状の胴部２か
ら連続して断面略三角形状に次第に収束して先端に至る
所謂角針状に形成されている。
ら連続して断面略三角形状に次第に収束して先端に至る
所謂角針状に形成されている。
【００２８】また、前記カシメ部４は、図１及び図３に
示すように、断面略正方形状の前記胴部２を断面円形状
に縮径することにより形成されている。また後述する
が、前記胴部２の基端部に、該胴部２の軸線に沿って形
成された縫合糸５の挿着穴７が形成され、前記カシメ部
４によって該挿着穴７に挿着された縫合糸５がカシメ止
めされている。該カシメ部４は、図示するように胴部２
よりも小径に形成されているので、縫合作業時の刺通抵
抗が小いさく、円滑な縫合作業を行うことができるよう
になっている。なお、本実施形態においては、断面円形
状のカシメ部４を形成する例を挙げたが、カシメ部４の
カシメ形状はこれに限るものではなく、例えば、断面四
角形状に形成してもよい。
示すように、断面略正方形状の前記胴部２を断面円形状
に縮径することにより形成されている。また後述する
が、前記胴部２の基端部に、該胴部２の軸線に沿って形
成された縫合糸５の挿着穴７が形成され、前記カシメ部
４によって該挿着穴７に挿着された縫合糸５がカシメ止
めされている。該カシメ部４は、図示するように胴部２
よりも小径に形成されているので、縫合作業時の刺通抵
抗が小いさく、円滑な縫合作業を行うことができるよう
になっている。なお、本実施形態においては、断面円形
状のカシメ部４を形成する例を挙げたが、カシメ部４の
カシメ形状はこれに限るものではなく、例えば、断面四
角形状に形成してもよい。
【００２９】次に、前記構成の外科用針１の製造方法を
説明する。前記外科用針１は、図４（ｂ）に一部を示す
ように、断面略正方形状の長尺の針素材８を材料として
形成される。該針素材８は、図４（ａ）に一部を示す断
面円形状の長尺の線材９にプレス加工を施すことによっ
て形成されている。このときのプレス加工工程は、図５
に示すように、伸線加工されてコイル状に巻回された前
記線材９をコイルから引き出して搬送路１０に沿って搬
送し、該搬送路１０に沿って設けられた成形装置１１に
よって断面略正方形状の針素材８を形成し、その下流に
おいてボビン１２に巻き取る。
説明する。前記外科用針１は、図４（ｂ）に一部を示す
ように、断面略正方形状の長尺の針素材８を材料として
形成される。該針素材８は、図４（ａ）に一部を示す断
面円形状の長尺の線材９にプレス加工を施すことによっ
て形成されている。このときのプレス加工工程は、図５
に示すように、伸線加工されてコイル状に巻回された前
記線材９をコイルから引き出して搬送路１０に沿って搬
送し、該搬送路１０に沿って設けられた成形装置１１に
よって断面略正方形状の針素材８を形成し、その下流に
おいてボビン１２に巻き取る。
【００３０】該成形装置１１は、図６（ａ）にその要部
を示すように、上方向から線材９に圧接する第１垂直ロ
ーラ１３と、下方向から線材９に圧接する第２垂直ロー
ラ１４とを備え、また、右方向から線材９に圧接する第
１水平ローラ１５と、左方向から線材９に圧接する第２
水平ローラ１６とを備えている。
を示すように、上方向から線材９に圧接する第１垂直ロ
ーラ１３と、下方向から線材９に圧接する第２垂直ロー
ラ１４とを備え、また、右方向から線材９に圧接する第
１水平ローラ１５と、左方向から線材９に圧接する第２
水平ローラ１６とを備えている。
【００３１】前記第１垂直ローラ１３は、水平に延びる
回転軸１７の左端部に設けられている。該回転軸１７
は、軸受け１８に回転自在に支持され、その軸線方向に
進退自在に設けられている。また該回転軸１７は、図示
しないがその後端側に設けられたバネ等の付勢手段によ
って進出方向に付勢されている。該第１垂直ローラ１３
は、図６（ｂ）に示すように、その外周面のうち先端部
が線材９に圧接する圧接面１９とされている。
回転軸１７の左端部に設けられている。該回転軸１７
は、軸受け１８に回転自在に支持され、その軸線方向に
進退自在に設けられている。また該回転軸１７は、図示
しないがその後端側に設けられたバネ等の付勢手段によ
って進出方向に付勢されている。該第１垂直ローラ１３
は、図６（ｂ）に示すように、その外周面のうち先端部
が線材９に圧接する圧接面１９とされている。
【００３２】前記第２垂直ローラ１４は、図６（ａ）に
示すように、前記第１垂直ローラ１３の回転軸１７の軸
線と平行に延びる回転軸２０の右端部に設けられてい
る。該回転軸２０は、前記第１垂直ローラ１３の回転軸
１７と同様に軸受け２１に進退自在に支持されていると
共に図示しない付勢手段によって進出方向に付勢されて
いる。また、該回転軸２０は軸受け２１を介して案内レ
ール２２に沿って上下方向に移動自在に設けられ、該案
内レール２２に備えられた位置調整ネジ２３によって所
定位置に固定されている。該位置調整ネジ２３を回転さ
せることによって、第２垂直ローラ１４を第１垂直ロー
ラ１３に接近させ、或いは離反させることができるよう
になっている。該第２垂直ローラ１４は、図６（ｂ）に
示すように、その外周面のうち先端部が線材９に圧接す
る圧接面２４とされており、該圧接面２４は第１垂直ロ
ーラ１３の圧接面１９に対向している。
示すように、前記第１垂直ローラ１３の回転軸１７の軸
線と平行に延びる回転軸２０の右端部に設けられてい
る。該回転軸２０は、前記第１垂直ローラ１３の回転軸
１７と同様に軸受け２１に進退自在に支持されていると
共に図示しない付勢手段によって進出方向に付勢されて
いる。また、該回転軸２０は軸受け２１を介して案内レ
ール２２に沿って上下方向に移動自在に設けられ、該案
内レール２２に備えられた位置調整ネジ２３によって所
定位置に固定されている。該位置調整ネジ２３を回転さ
せることによって、第２垂直ローラ１４を第１垂直ロー
ラ１３に接近させ、或いは離反させることができるよう
になっている。該第２垂直ローラ１４は、図６（ｂ）に
示すように、その外周面のうち先端部が線材９に圧接す
る圧接面２４とされており、該圧接面２４は第１垂直ロ
ーラ１３の圧接面１９に対向している。
【００３３】前記第１水平ローラ１５は、図６（ａ）に
示すように、垂直に延びる回転軸２５の上端部に設けら
れている。該回転軸２５は、前述した第１垂直ローラ１
３の回転軸１７と同様に、軸受け２６に進退自在に支持
され、図示しない付勢手段によって進出方向に付勢され
ている。該第１水平ローラ１５は、図６（ｂ）に示すよ
うに、その外周面のうち先端部が線材９に圧接する圧接
面２７とされている。
示すように、垂直に延びる回転軸２５の上端部に設けら
れている。該回転軸２５は、前述した第１垂直ローラ１
３の回転軸１７と同様に、軸受け２６に進退自在に支持
され、図示しない付勢手段によって進出方向に付勢され
ている。該第１水平ローラ１５は、図６（ｂ）に示すよ
うに、その外周面のうち先端部が線材９に圧接する圧接
面２７とされている。
【００３４】前記第２水平ローラ１６は、図６（ａ）に
示すように、前記第１水平ローラ１５の回転軸２５の軸
線と平行に延びる回転軸２８の下端部に設けられてい
る。該回転軸２８は、前記第１水平ローラ１５の回転軸
１７と同様に軸受け２９に進退自在に支持されていると
共に図示しない付勢手段によって進出方向に付勢されて
いる。また、該回転軸２８は、前記第２垂直ローラ１４
の回転軸２０と同様に、軸受け２９を介して案内レール
３０に沿って左右方向に移動自在に設けられ、該案内レ
ール３０に備えられた位置調整ネジ３１によって所定位
置に固定されている。該位置調整ネジ３１を回転させる
ことによって、第２水平ローラ１６を第１水平ローラ１
５に接近させ、或いは離反させることができるようにな
っている。該第２水平ローラ１６は、図６（ｂ）に示す
ように、その外周面のうち先端部が線材９に圧接する圧
接面３２とされており、該圧接面３２は第１水平ローラ
１５の圧接面２７に対向している。
示すように、前記第１水平ローラ１５の回転軸２５の軸
線と平行に延びる回転軸２８の下端部に設けられてい
る。該回転軸２８は、前記第１水平ローラ１５の回転軸
１７と同様に軸受け２９に進退自在に支持されていると
共に図示しない付勢手段によって進出方向に付勢されて
いる。また、該回転軸２８は、前記第２垂直ローラ１４
の回転軸２０と同様に、軸受け２９を介して案内レール
３０に沿って左右方向に移動自在に設けられ、該案内レ
ール３０に備えられた位置調整ネジ３１によって所定位
置に固定されている。該位置調整ネジ３１を回転させる
ことによって、第２水平ローラ１６を第１水平ローラ１
５に接近させ、或いは離反させることができるようにな
っている。該第２水平ローラ１６は、図６（ｂ）に示す
ように、その外周面のうち先端部が線材９に圧接する圧
接面３２とされており、該圧接面３２は第１水平ローラ
１５の圧接面２７に対向している。
【００３５】更に、図６（ａ）及び図６（ｂ）に示すよ
うに、前記第１垂直ローラ１３の外周面のうち前記圧接
面１９以外の面は、前記第１水平ローラ１５の先端面に
当接されており、前記第２垂直ローラ１４の外周面のう
ち前記圧接面２４以外の面は、前記第２水平ローラ１６
の先端面に当接されている。同じように、前記第１水平
ローラ１５の外周面のうち前記圧接面２７以外の面は、
前記第２垂直ローラ１４の先端面に当接されており、前
記第２水平ローラ１６の外周面のうち前記圧接面３２以
外の面は、前記第１垂直ローラ１３の先端面に当接され
ている。
うに、前記第１垂直ローラ１３の外周面のうち前記圧接
面１９以外の面は、前記第１水平ローラ１５の先端面に
当接されており、前記第２垂直ローラ１４の外周面のう
ち前記圧接面２４以外の面は、前記第２水平ローラ１６
の先端面に当接されている。同じように、前記第１水平
ローラ１５の外周面のうち前記圧接面２７以外の面は、
前記第２垂直ローラ１４の先端面に当接されており、前
記第２水平ローラ１６の外周面のうち前記圧接面３２以
外の面は、前記第１垂直ローラ１３の先端面に当接され
ている。
【００３６】このように構成された成形装置１１によっ
て、搬送路１０に沿って搬送される線材９を、各ローラ
１３，１４，１５，１６の圧接面１９，２４，２７，３
２によって形成される略正方形状の空間を通過させるだ
けで、該線材９を上下左右から押圧して断面略正方形状
の針素材８を形成することができる。
て、搬送路１０に沿って搬送される線材９を、各ローラ
１３，１４，１５，１６の圧接面１９，２４，２７，３
２によって形成される略正方形状の空間を通過させるだ
けで、該線材９を上下左右から押圧して断面略正方形状
の針素材８を形成することができる。
【００３７】そして、該成形装置１１は、前記第２垂直
ローラ１４の位置調整ネジ２３及び前記第２水平ローラ
１６の位置調整ネジ３１によって、各圧接面１９，２
４，２７，３２によって形成される略正方形状の空間の
大きさを変更することができる。即ち、該空間を小さく
する場合には、前記第２垂直ローラ１４を前記第１垂直
ローラ１３に接近させ、前記第２水平ローラ１６を前記
第１水平ローラ１５に接近させる。このとき、前記第２
垂直ローラ１４は、第１水平ローラ１５の外周面に沿っ
て精度良く移動され、それに伴って第２水平ローラ１６
の先端面を押圧して後退させる。同じく、前記第２水平
ローラ１６は、第２垂直ローラ１４の外周面に沿って精
度良く移動され、それに伴って第１垂直ローラ１３の先
端面を押圧して後退させる。このようにして、各圧接面
１９，２４，２７，３２によって形成される略正方形状
の空間を容易に精度良く小さくすることができ、これに
よって線材９の外径に対応して良好に断面略正方形状の
針素材８が得られる位置に各圧接面１９，２４，２７，
３２を配置することができる。
ローラ１４の位置調整ネジ２３及び前記第２水平ローラ
１６の位置調整ネジ３１によって、各圧接面１９，２
４，２７，３２によって形成される略正方形状の空間の
大きさを変更することができる。即ち、該空間を小さく
する場合には、前記第２垂直ローラ１４を前記第１垂直
ローラ１３に接近させ、前記第２水平ローラ１６を前記
第１水平ローラ１５に接近させる。このとき、前記第２
垂直ローラ１４は、第１水平ローラ１５の外周面に沿っ
て精度良く移動され、それに伴って第２水平ローラ１６
の先端面を押圧して後退させる。同じく、前記第２水平
ローラ１６は、第２垂直ローラ１４の外周面に沿って精
度良く移動され、それに伴って第１垂直ローラ１３の先
端面を押圧して後退させる。このようにして、各圧接面
１９，２４，２７，３２によって形成される略正方形状
の空間を容易に精度良く小さくすることができ、これに
よって線材９の外径に対応して良好に断面略正方形状の
針素材８が得られる位置に各圧接面１９，２４，２７，
３２を配置することができる。
【００３８】図５に示すように、該成形装置１１によっ
て断面略正方形状に形成された後にボビン１２に巻き取
られた長尺の針素材８は、次いで、所定の長さに切断さ
れ、図４（ｃ）に示すように、その一端に針先部３が形
成される。
て断面略正方形状に形成された後にボビン１２に巻き取
られた長尺の針素材８は、次いで、所定の長さに切断さ
れ、図４（ｃ）に示すように、その一端に針先部３が形
成される。
【００３９】長尺の針素材８を切断する際には、図７に
示すように、ローラレベラ３３によって針素材８の上下
方向及び左右方向の平面度矯正（直線化）が行われる。
該ローラレベラ３３は、断面略正方形状に形成されてい
ることによって針素材８の上下に形成された両平坦面に
圧接して水平方向の平面度矯正を行う第１矯正ローラ群
３４と、針素材８の左右に形成された両平坦面に圧接し
て垂直方向の平面度矯正を行う第２矯正ローラ群３５と
を備えている。該ローラレベラ３３によって平面度矯正
（直線化）が行われた針素材８は、該ローラレベラ３３
の下流に設けられた切断装置３６によって所定の長さに
切断される。なお図７中、３７はボビン１２から引き出
された針素材８を案内するガイドであり、３８は針素材
８をボビン１２から引き出し搬送する搬送ローラであ
る。
示すように、ローラレベラ３３によって針素材８の上下
方向及び左右方向の平面度矯正（直線化）が行われる。
該ローラレベラ３３は、断面略正方形状に形成されてい
ることによって針素材８の上下に形成された両平坦面に
圧接して水平方向の平面度矯正を行う第１矯正ローラ群
３４と、針素材８の左右に形成された両平坦面に圧接し
て垂直方向の平面度矯正を行う第２矯正ローラ群３５と
を備えている。該ローラレベラ３３によって平面度矯正
（直線化）が行われた針素材８は、該ローラレベラ３３
の下流に設けられた切断装置３６によって所定の長さに
切断される。なお図７中、３７はボビン１２から引き出
された針素材８を案内するガイドであり、３８は針素材
８をボビン１２から引き出し搬送する搬送ローラであ
る。
【００４０】また、図４（ｃ）に示すように、所定の長
さの針素材８の一端に針先部３を形成するときには、図
示しないが、針素材８をその軸回りに回転しないように
固定してその先端に鋭利な針先部３を形成する。このと
き、針素材８が断面略正方形状であるため、針先形成時
の針素材８の回転を確実に防止することができ、極めて
精度良く鋭利に形成することができる。しかも、針素材
８は、伸線加工によって得られた線材９の外周を押圧し
て断面略正方形状に形成されているので、前記線材９よ
り更に硬化が進んでおり、前記針先部３を形成する際に
は先端を極めて鋭く形成することができ、縫合作業時に
も磨耗が少なく鋭い先端が長時間維持される針先部３を
形成することができる。この工程によって、針先部３以
外の部分が断面略正方形状の状態で残り、その部分が胴
部２となる。
さの針素材８の一端に針先部３を形成するときには、図
示しないが、針素材８をその軸回りに回転しないように
固定してその先端に鋭利な針先部３を形成する。このと
き、針素材８が断面略正方形状であるため、針先形成時
の針素材８の回転を確実に防止することができ、極めて
精度良く鋭利に形成することができる。しかも、針素材
８は、伸線加工によって得られた線材９の外周を押圧し
て断面略正方形状に形成されているので、前記線材９よ
り更に硬化が進んでおり、前記針先部３を形成する際に
は先端を極めて鋭く形成することができ、縫合作業時に
も磨耗が少なく鋭い先端が長時間維持される針先部３を
形成することができる。この工程によって、針先部３以
外の部分が断面略正方形状の状態で残り、その部分が胴
部２となる。
【００４１】次いで、図４（ｄ）に示すように、針素材
８の基端部（針先部３の反対側端部）に縫合糸５（図１
示）を挿着する挿着穴７を形成する。
８の基端部（針先部３の反対側端部）に縫合糸５（図１
示）を挿着する挿着穴７を形成する。
【００４２】続いて、図４（ｅ）に示すように、針先部
３及び胴部２が連続する半円弧状に湾曲成形される。
３及び胴部２が連続する半円弧状に湾曲成形される。
【００４３】その後、図１に示すように、前記挿着穴７
に縫合糸５の一端部が挿着されて、胴部２の基端部の該
挿着穴７に対応する部分にカシメ部４が形成される。該
カシメ部４は、図８（ａ）に示すように、カシメ形状に
対応する成形面３９，４０を夫々備える上型４１と下型
４２とによって胴部２の基端部を押圧することによっ
て、図８（ｂ）に示すように、胴部２より縮径されて形
成される。このとき、例えば、従来のような断面円形状
の胴部を同様の上型４１と下型４２とによって押圧する
と、上型４１と下型４２との接触面に沿ってカシメ部に
バリが発生する不都合があった。それに対して、本実施
形態によれば、胴部２が断面略正方形状であるので、カ
シメ部４は図８（ａ）示のように略正方形状から図８
（ｂ）示のように円形状にカシメ押圧され、これによっ
て前記バリ等の発生がなく良好なカシメ部４が形成され
る。
に縫合糸５の一端部が挿着されて、胴部２の基端部の該
挿着穴７に対応する部分にカシメ部４が形成される。該
カシメ部４は、図８（ａ）に示すように、カシメ形状に
対応する成形面３９，４０を夫々備える上型４１と下型
４２とによって胴部２の基端部を押圧することによっ
て、図８（ｂ）に示すように、胴部２より縮径されて形
成される。このとき、例えば、従来のような断面円形状
の胴部を同様の上型４１と下型４２とによって押圧する
と、上型４１と下型４２との接触面に沿ってカシメ部に
バリが発生する不都合があった。それに対して、本実施
形態によれば、胴部２が断面略正方形状であるので、カ
シメ部４は図８（ａ）示のように略正方形状から図８
（ｂ）示のように円形状にカシメ押圧され、これによっ
て前記バリ等の発生がなく良好なカシメ部４が形成され
る。
【００４４】なお、本実施形態においては、図１に示す
ように、所謂角針状の針先部３が形成された外科用針１
を示したが、それ以外に、例えば、図９に示すように、
針先部３を、断面略正方形状の胴部２から連続して断面
略円形状に次第に収束して先端に至る所謂丸針状に形成
してもよい。
ように、所謂角針状の針先部３が形成された外科用針１
を示したが、それ以外に、例えば、図９に示すように、
針先部３を、断面略正方形状の胴部２から連続して断面
略円形状に次第に収束して先端に至る所謂丸針状に形成
してもよい。
【００４５】また、本実施形態においては、図１に示す
ように、カシメ部４を介して縫合糸５が連結されている
所謂糸付き外科用針について説明したが、それ以外に、
例えば、図１０に示すように、胴部２の基端部に縫合糸
を通す穴目４３を形成してもよい。この場合には、前述
の実施形態における図４（ｄ）示の挿着穴７に替えて、
胴部２の軸線に直交する方向に穿孔して穴目４３を形成
する。このときにも、胴部２が断面略正方形状であるの
で、針素材８の位置決めが容易であり、穴目４３を所望
の位置に正確に形成することができる。
ように、カシメ部４を介して縫合糸５が連結されている
所謂糸付き外科用針について説明したが、それ以外に、
例えば、図１０に示すように、胴部２の基端部に縫合糸
を通す穴目４３を形成してもよい。この場合には、前述
の実施形態における図４（ｄ）示の挿着穴７に替えて、
胴部２の軸線に直交する方向に穿孔して穴目４３を形成
する。このときにも、胴部２が断面略正方形状であるの
で、針素材８の位置決めが容易であり、穴目４３を所望
の位置に正確に形成することができる。
【図１】本発明の一実施形態の外科用針を示す斜視図。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線断面図。
【図３】図１のIII −III 線断面図。
【図４】本実施形態の外科用針の製造工程を示す説明
図。
図。
【図５】針素材のプレス加工工程を示す説明図。
【図６】（ａ）は針素材の成形装置の要部を示す説明
図、（ｂ）は（ａ）に示した成形装置の一部を拡大した
説明図。
図、（ｂ）は（ａ）に示した成形装置の一部を拡大した
説明図。
【図７】針素材の切断工程を示す説明図。
【図８】カシメ部形成工程を示す説明図。
【図９】他の実施形態を示す説明的斜視図。
【図１０】他の実施形態を示す説明的斜視図。
１…外科用針、２…胴部、３…針先部、４…カシメ部、
５…縫合糸、６…平坦面、７…挿着穴、８…針素材、９
…線材、１０…搬送路、１１…成形装置、１３…第１垂
直ローラ（垂直ローラ）、１４…第２垂直ローラ（垂直
ローラ）、１５…第１水平ローラ（水平ローラ）、１６
…第２水平ローラ（水平ローラ）、１９，２４，２７，
３２…圧接面、１７，２０，２５，２８…回転軸、４３
…穴目。
５…縫合糸、６…平坦面、７…挿着穴、８…針素材、９
…線材、１０…搬送路、１１…成形装置、１３…第１垂
直ローラ（垂直ローラ）、１４…第２垂直ローラ（垂直
ローラ）、１５…第１水平ローラ（水平ローラ）、１６
…第２水平ローラ（水平ローラ）、１９，２４，２７，
３２…圧接面、１７，２０，２５，２８…回転軸、４３
…穴目。
Claims (6)
- 【請求項１】半円弧状に形成された胴部と、該胴部の一
端に連続して形成された先端鋭利な針先部とからなる外
科用針において、前記胴部は、前記針先部を除く全長に
亘って、その周壁の長手方向に沿って形成された４つの
平坦面により断面略正方形状に形成されていることを特
徴とする外科用針。 - 【請求項２】前記胴部の前記針先部の反対側の端部に
は、該胴部の軸線に沿って縫合糸の挿着穴が形成され、
該挿着穴に対応する外周を前記胴部より縮径することに
より形成されたカシメ部を介して前記縫合糸が連結され
ていることを特徴とする請求項１記載の外科用針。 - 【請求項３】前記胴部の前記針先部の反対側の端部に
は、縫合糸を通す穴目が該胴部の軸線に直交する方向に
貫通して形成されていることを特徴とする請求項１記載
の外科用針。 - 【請求項４】伸線加工により得られた断面円形状の線材
に、互いに直交する径方向から押圧するプレス加工を施
すことにより断面略正方形状に形成される針素材を材料
として形成されていることを特徴とする請求項１乃至３
の何れか１項記載の外科用針。 - 【請求項５】断面略正方形状の胴部を備える外科用針の
針素材の成形装置であって、伸線加工により得られた断
面円形状の長尺の線材をその長手方向に搬送する搬送路
と、該搬送路に沿って設けられ、前記線材にその上下方
向から圧接する一対の垂直ローラと、両垂直ローラの圧
接位置において前記線材にその左右方向から圧接する一
対の水平ローラとを備えてなり、前記断面円形状の線材
を搬送しつつ上下左右方向から同時に押圧して断面略正
方形状の長尺の針素材を形成することを特徴とする外科
用針の針素材の成形装置。 - 【請求項６】前記線材に上方から圧接する垂直ローラ
は、その外周面のうち先端部が線材に圧接する圧接面と
され、且つ水平に延びる回転軸の左端部に設けられ、 前記線材に下方から圧接する垂直ローラは、その外周面
のうち先端部が線材に圧接する圧接面とされ、且つ前記
上方から圧接する垂直ローラの回転軸の軸線と平行に延
びる回転軸の右端部に設けられ、 前記線材に左方から圧接する水平ローラは、その外周面
のうち先端部が線材に圧接する圧接面とされると共にそ
の他の外周面が前記上方から圧接する垂直ローラの先端
面に当接され、且つ垂直に延びる回転軸の下端部に設け
られ、 前記線材に右方から圧接する水平ローラは、その外周面
のうち先端部が線材に圧接する圧接面とされると共にそ
の他の外周面が前記下方から圧接する垂直ローラの先端
面に当接され、且つ前記左方から圧接する水平ローラの
回転軸の軸線と平行に延びる回転軸の上端部に設けら
れ、 前記各ローラはその軸線方向に進退自在に且つ進出方向
に付勢されて設けられ、少なくとも一方の垂直ローラ及
び一方の水平ローラは、互いに他方の垂直ローラ及び他
方の水平ローラに向かって接近する方向に移動自在に設
けられていることを特徴とする請求項５記載の外科用針
の針素材の成形装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8394498A JPH11276492A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 外科用針及び外科用針の針素材の成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8394498A JPH11276492A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 外科用針及び外科用針の針素材の成形装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11276492A true JPH11276492A (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=13816705
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8394498A Pending JPH11276492A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 外科用針及び外科用針の針素材の成形装置 |
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| Country | Link |
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| JP (1) | JPH11276492A (ja) |
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