JPH11276464A - X線診断装置 - Google Patents

X線診断装置

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Publication number
JPH11276464A
JPH11276464A JP10083550A JP8355098A JPH11276464A JP H11276464 A JPH11276464 A JP H11276464A JP 10083550 A JP10083550 A JP 10083550A JP 8355098 A JP8355098 A JP 8355098A JP H11276464 A JPH11276464 A JP H11276464A
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ray
image
sensor
detection
imaging
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JP10083550A
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Kazuhiro Mori
一博 森
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Shimadzu Corp
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Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】X線検出器の取り付けが大がかりにはならず、
撮影範囲が狭くX線照射域の大幅な縮小を伴う場合も、
分解能が十分な状態で透過X線像を検出する。 【解決手段】この発明のX線透視撮影装置は、X線管2
による患者Mの撮影部位へのX線照射により生じるX線
透過像を検出するX線検出器として薄型の軽量物のフラ
ットパネル型X線センサ3を用い、X線照射方向に対す
るパネル型X線センサ3の検出面の角度を変化させて傾
けて狭い撮影範囲のX線透過像をX線センサ3の全面で
検出するとともに、X線センサ3の傾きに伴う画像歪み
は画像歪み補正部19で解消する構成を備え、X線セン
サ3の取り付け構造は簡素で済み、分解能が十分な状態
でX線透過像を検出できる結果、歪みのない鮮明なX線
透視画像を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線管からのX
線照射に伴ってX線検出器から出力されるX線検出デー
タに基づき画像処理を行って被検体(患者)のX線透視
画像の作成・表示を行うよう構成されたX線診断装置に
係り、特に、透過X線像検出用のX線検出器の取り付け
構造の簡素化を図るとともに、X線検出器の分解能が十
分な状態で透過X線像を検出するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、病院等の医療施設で使われて
いる従来のX線診断装置の撮像系の概略構成を示す。図
13に示されている従来のX線診断装置では、天板60
に載置された患者Mの撮影部位にX線を照射するX線管
61と、X線照射に伴って生じる患者Mの透過X線像を
検出するイメージインテンシファイア(I・I管)62
とが、天板60を挟んで対向した状態で配設されている
とともに、X線照射に伴ってイメージインテンシファイ
ア62の後部に取り付けられたTVカメラ63から出力
されるX線検出データに基づきX線透視画像を作成する
ための画像処理を行う画像処理部(図示省略)と、得ら
れたX線透視画像を表示する画像表示モニタ(図示省
略)などが、イメージインテンシファイア62の後段に
配設されている。その他、従来のX線診断装置の場合、
図13に示すように、X線透視像をフィルムに写すフィ
ルム撮影機構64もイメージインテンファイア62の傍
らに併設されることもある。
【0003】従来のX線診断装置によりX線撮影を実行
する場合、X線管61から患者Mの撮影部位にX線を照
射するとともに、患者Mからの透過X線をイメージイン
テンファイア62で検出して、イメージインテンファイ
ア62の後部のTVカメラ63からX線検出データとし
て画像処理部へ送出する。画像処理部ではX線検出デー
タに基づき画像処理が行われ、最終的に得られたX線透
視画像がモニタ画面上に表示されて医師の診断に供され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のX線診断装置では、電子レンズ結像方式の真空管
構造を採っているイメージインテンファイア62が大容
積の重量物であることから、イメージインテンシファイ
ア62の取り付けに大がかりな構造が必要であるという
ことが懸案となっており、改善が求められている。た
だ、イメージインテンシファイア62には、患者Mの撮
影範囲が狭くてX線照射域が大幅に縮小する場合でも、
X線照射域の縮小に伴う結像縮みを電子レンズで拡大す
ることにより、見かけ上の分解能を落とさずに透過X線
像の検出が行えるという利点がある。ちなみに、フィル
ム撮影機構64によるX線写真の場合、画像縮みを簡単
に補償することは無理であるので、患者Mの撮影範囲が
狭い場合、普通、透過X線像はフィルムの上に小さく縮
んだ状態で焼き付けられることになる。
【0005】この発明は、上記の事情に鑑み、透過X線
像検出用のX線検出器の取り付けに大がかりな構造を必
要とせず、撮影範囲が狭くてX線照射域の大幅な縮小を
伴う場合も見かけ上の分解能が十分な状態で透過X線像
の検出を行うことのできるX線診断装置を提供すること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、この発明に係るX線診断装置は、被検体における撮
影部位にX線を照射するX線管と、被検体を乗せる天板
を挟んでX線管に対して対向配置される透過X線像検出
用のX線検出器と、X線検出器から得られるX線検出デ
ータに基づきX線透視画像を得るための画像処理を行う
画像処理手段とを備えているX線診断装置において、前
記X線検出器として多数個のX線検出素子が縦横に配列
されているX線面センサを備えているとともに、照射X
線に対するX線面センサの角度を変更するセンサ角度変
更手段と、X線面センサの角度変更に伴って生じるX線
透視画像の歪みを補正する画像歪み補正手段とを備えて
いる。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
のX線診断装置において、照射X線に対するX線面セン
サの検出面の角度を変更するセンサ角度変更手段をも備
えている。
【0008】また、請求項3の発明は、請求項1または
2に記載のX線診断装置において、画像歪み補正手段
は、コーン状X線ビームのX線照射によるX線撮影の際
にX線ビームの広がりに起因してX線面センサ上での検
出位置の違いに応じて生じる画像歪み率の変動を折り込
んで補正を行うよう構成されている。
【0009】〔作用〕次に、この発明のX線診断装置に
よる撮影範囲が狭い場合のX線撮影の際の作用について
説明する。この発明のX線診断装置でX線撮影を行う場
合、先ず天板の上に被検体を載置して被検体の撮影部位
がX線管とX線面センサとの間の撮影位置となるように
セットする。普通、照射X線に対するX線面センサの検
出面の角度が直角となっている(照射X線の中心線とX
線面センサの検出面とのなす角度が90°となってい
る)が、請求項1の発明の場合、照射X線に対して検出
面が斜めに傾けられている。同一の撮影範囲の透過X線
像を検出する際、照射X線に対するX線面センサの検出
面の角度が直角である場合よりも斜めに傾いている場合
の方がX線検出素子の数が多くて密であるので、撮影範
囲が狭くてX線照射域の大幅な縮小を伴う場合も見かけ
上の分解能が十分である。
【0010】次に、X線管から被検体にX線を照射す
る。X線照射に伴ってX線面センサから出力されるX線
検出データに基づき画像処理手段による画像処理が行わ
れてX線透視画像の作成が行われるとともに、画像歪み
補正手段によるX線透視画像の画像歪みの補正が行われ
る結果、歪みのない鮮明なX線透視画像が得られる。照
射X線に対するX線面センサの検出面が傾いていると、
普通、画像の縦横比が狂いX線透視画像に画像歪みが生
じる(例えば真円像が横長の楕円像となる)ので、画像
歪み補正手段により画像歪みを解消するのである。さら
に、請求項1の発明のX線診断装置において、透過X線
像検出用のX線検出器として用いられているX線面セン
サは、大容積の重量物であるイメージインテンファイア
とは違って、薄型の軽量物であることから、X線面セン
サの取り付けは簡潔な構造で事足りる。
【0011】また、請求項2のX線診断装置によるX線
撮影の場合、センサ角度変更手段により照射X線に対す
るX線面センサの検出面の角度を、撮影範囲を透過した
X線がちょうど入るように設定する。こうすると、X線
面センサの検出面全面で透過X線像を検出することにな
り、X線面センサの全X線検出素子が透過X線像の検出
に寄与する結果、X線面センサの分解能は、より十分な
ものとなる。
【0012】また、請求項3のX線診断装置によるX線
撮影の場合、被検体にはコーン状X線ビームが照射され
るとともに、画像歪み補正手段による補正は、コーン状
X線ビームの広がりに起因してX線面センサ上での検出
位置の違いに応じて生じる画像歪み率の変動も折り込ん
で行われる結果、歪みのないX線透視画像が得られる。
平行X線ビームによるX線撮影の場合と違って、コーン
状X線ビームによるX線撮影の場合は、X線管との距離
に応じてX線透過像の倍率が変化する。一方、X線面セ
ンサを傾けてX線撮影を行う場合、同一のX線透過像を
検出するのであっても、例えば傾むき辺の一端側と他端
側ではX線管との距離にかなりの差が付き、一端側と他
端側では検出像の倍率(拡大率)に相当な違いが出て、
像歪みの程度(像歪み率)は一定せずに変動が生じるこ
とから、この像歪み率の変動も折り込んで画像歪みを補
正する必要があるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】続いて、この発明のX線診断装置
の一実施例を図面を参照しながら説明する。図1は実施
例に係るX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック
図、図2は実施例装置のパネル型X線センサまわりの構
成を示す平面図である。図1に示した実施例のX線透視
撮影装置は、患者(被検体)Mを載置する天板1を備え
ているとともに、患者MにX線を照射するX線管2と、
図2に示すように、多数個のX線検出素子XDが縦横に
配列されている透過X線像検出用のフラットパネル型X
線センサ(以下、「パネル型X線センサ3」と略記)と
を備えている。天板1は患者Mの体軸Z方向や上下ある
いは場合によっては左右にも往復移動可能に構成されて
いる。一方、X線管2とパネル型X線センサ3は互いに
対向配置となるかたちで半円弧形状のC字状アーム4に
保持されており、通常のX線撮影は、図1において実線
で示すように、照射X線に対するパネル型X線センサ3
の検出面の角度が直角となるよう設定して行われる。
【0014】また、X線管2は、高電圧発生器などを含
む照射制御部5のコントロールにより、管電圧・管電流
等の設定照射条件に従ってX線を患者Mに照射するよう
構成されている。照射制御部5によるコントロールは、
キーボード6やマウス7からの入力操作に伴って撮影制
御部8から送出される指令信号に従って行われる。
【0015】一方、パネル型X線センサ3の後段には、
パネル型X線センサ3から出力されるX線検出データを
収集し、画像処理部10へ送り出す信号収集部9が設置
されている。信号収集部9の後の画像処理部10は、X
線検出データをディジタル信号に変換するAD変換部1
1、ディジタル化されたX線検出データを記憶する検出
データメモリ12、検出データメモリ12に記憶された
X線検出データにエッジ強調やフィルタリングなどの必
要な画像処理を施すことによりX線画像を作成するデー
タ処理部13、および、画像処理で得られたX線透視画
像を記憶するX線画像メモリ14を具備している。通
常、X線撮影中、X線画像メモリ14に格納されたX線
画像は次々と更新され続けることになる。
【0016】さらに、実施例のX線透視撮影装置には、
X線画像メモリ14に記憶されたX線透視画像を表示す
る画像表示モニタ15が設けられている。そして、キー
ボード6やマウス7からの操作入力により撮影制御部8
から送出される指令信号に従って、X線画像メモリ14
に記憶されたX線透視画像がDA変換部16でアナログ
信号に変換されてから画像表示モニタ15へ出力されて
表示される構成となっている。また、画像表示モニタ1
5の画面走査(スキャンニング)は撮影制御部8から送
出される指令信号に応じて走査制御部17から出力され
るx,y掃引信号(スイープ信号)により行われる。
【0017】続いて、パネル型X線センサ3まわりの構
成を具体的に説明する。パネル型X線センサ3における
X線検出素子XDの配列としては、例えば横(x)方向
1024,縦(y)方向1024の正方形マトリックス
構成が挙げられる。このパネル型X線センサ3は、イメ
ージインテンシファイアと違い、薄型の軽量物であるの
で、パネル型X線センサ3の取り付けに大がかりな構造
を必要としないという利点を有する。そして、実施例装
置の場合、撮影範囲が狭くても、分解能が十分な状態で
透過X線像の検出を行えるように、照射X線に対するパ
ネル型X線センサ3の検出面の角度を変更できる構成と
なっている。
【0018】すなわち、図3に示すように、パネル型X
線センサ3は円柱状回転軸21が矢印RAで示す向きに
回転するのに伴って照射X線に対するパネル型X線セン
サ3の検出面の横(x)方向の角度が変化しパネル型X
線センサ3が下方に傾く構成となっている。回転軸21
の長手方向側面とパネル型X線センサ3の左側縦辺が結
合されているとともに、回転軸21の一端にパルスモー
タ22が取り付けられていて、パルスモータ22により
回転軸21が回った角度だけパネル型X線センサ3の検
出面の横(x)方向の角度が変化するのである。
【0019】一方、図4に示すように、パネル型X線セ
ンサ3は円柱状回転棒23が矢印RBで示す向きに回転
するのに伴って照射X線に対するパネル型X線センサ3
の検出面の縦(y)方向の角度が変化しパネル型X線セ
ンサ3が下方に傾く構成となっている。回転軸23の長
手方向側面とパネル型X線センサ3の上側横辺が結合さ
れているとともに、回転軸23の一端にパルスモータ2
4が取り付けられていて、パルスモータ24により回転
軸23が回転した角度だけパネル型X線センサ3の検出
面の縦(y)方向の角度が変化するのである。また、パ
ルスモータ22は回転軸23の他端に取り付けられてい
るとともに、パルスモータ24は支持ピース25でC字
状アーム4に固定されていて、パルスモータ24の回転
により、図4に示すように、回転軸21とパルスモータ
22およびパネル型X線センサ3が移動する構成となっ
ている。つまり、実施例のX線診断装置の場合、パネル
型X線センサ3を、横(x)方向の角度および縦(y)
方向の角度のどちらか一方、或いは、両方共に変化させ
ることができる構成になっているのである。なお、パル
スモータ22,24の回転量はセンサ角度変更制御部1
8のコントロールにより行われる。センサ角度変更制御
部18のコントロールは撮影範囲に合わせキーボード6
やマウス7で行われる入力操作に伴って撮影制御部8か
ら送出される指令信号に従って実行される。
【0020】次に、パネル型X線センサ3自体の構成を
具体的に説明する。パネル型X線センサ3は、図5に示
すように、入射X線を電荷あるいは光に変換するX線変
換層40と、X線変換層40で生じた電荷あるいは光を
検出する素子が縦横にマトリックス状に配置形成されて
いる検出アレイ層41との積層構造となっており、図6
(a)に示す直接変換タイプのセンサと、図6(b)に
示す間接変換タイプのセンサとがある。前者の直接変換
タイプの場合、X線変換層40が入射X線を直に電荷に
変換するセレン層やCdZnTe層などからなり、検出
アレイ層41の表面に電荷検出素子42として表面電極
43に対向形成された電荷収集電極でもって電荷の検出
を行いコンデンサC1に蓄電するとともに蓄積電荷がT
FT(Thin Film Transister:薄膜トランジスタ) 44
を介して取り出される構成となっていて、各電荷検出素
子42と、その上のX線変換層40の一部分と、コンデ
ンサC1およびTFT44とで1個のX線検出素子XD
が形成される。
【0021】後者の間接変換タイプの場合、X線変換層
40が入射X線を光に変換するシンチレータ層からな
り、検出アレイ層41の表面に光検出素子45として形
成されたフォトダイオードでもって光の検出を行いコン
デンサC1に蓄電するとともに蓄積電荷がTFT44を
介して取り出される構成となっていて、各光検出素子4
5と、その上のX線変換層40の一部分と、コンデンサ
C1とおよびTFT44とで1個のX線検出素子XDが
形成される。
【0022】そして、パネル型X線センサ3では、図7
に示すように、各X線検出素子XD,…,XDがそれぞ
れTFT44を介して縦横に走る読出し配線46,47
に接続されているとともに、読出し配線46,47は、
それぞれ横(x)読出し駆動部48あるいは縦(y)読
出し駆動部49に接続されており、横・縦読出し駆動部
48,49へ読出し用の走査信号が送り込まれることに
なる。パネル型X線センサ3の各X線検出素子XDの特
定は横方向・縦方向の配列に沿って各X線検出素子XD
へ順番に割り付けられている0〜1023のアドレスに
基づいて行われるので、読出し用の走査信号は、それぞ
れ横(x)方向アドレスまたは縦(y)方向アドレスを
指定する信号となる。
【0023】横・縦の走査信号に従って横読出し駆動部
48あるいは縦読出し駆動部49から読出し配線46,
47に対して読出し用の電圧が印加されるのに伴い、各
検出素子XD,…,XDより順番にX線検出信号がTF
T44から読出し配線47を通り、さらに透視用X線検
出データとして信号収集部9の各プリアンプ50および
マルチプレクサ51を経て収集されることになる。
【0024】上のことから、パネル型X線センサ3から
の検出信号の読出し方式は、概ね通常のTVカメラなど
の映像検出器に準ずる構成である。実施例のセンサ3の
場合には、信号収集部9を構成する両読出し駆動部4
8,49や、プリアンプ50およびマルチプレクサ51
も、パネル型X線センサ3の検出アレイ層41の表面周
縁に設置されていて、一段と集積化が図られた構成とな
っている。また、パネル型X線センサ3から得られたX
線検出データを記憶する検出データメモリ12やX線透
視画像を記憶するX線画像メモリ14は、パネル型X線
センサ3でのX線検出素子XDの縦横マトリック構成に
対応するマトリックス構成を持つフレームメモリ方式の
記憶デバイスが使われている。
【0025】また、実施例の装置は、撮影範囲が狭い場
合に分解能が十分な状態で透過X線像の検出を行うた
め、照射X線に対するパネル型X線センサ3の検出面の
角度を変更すると、そのままではX線透視画像に画像歪
みが生じるので、この画像歪みを補正する画像歪み補正
手段が設けられている。以下、この画像歪み補正手段を
具体的に説明する。先ず、以下の説明では、図8に示す
ように、照射X線が平行X線ビームであって、パネル型
X線センサ3の横(x)方向だけを角度αだけ下方に傾
くよう設定して撮影するものとする(パネル型X線セン
サ3の縦(y)方向は下方に傾けないものとする)。パ
ネル型X線センサ3の横(x)方向を角度αだけ下方に
傾けると、撮影範囲Lbの透過X線像を全X線検出素子
XDで検出することになる。下方に傾けなければ、撮影
範囲Lbより右側に位置するX線検出素子XDは使わ
ず、透過X線像を撮影範囲Lbの内の限られたX線検出
素子XDだけで検出することになり、分解能が落ちるこ
とになる。ちなみに、Lb=cosα・Laであるの
で、例えばパネル型X線センサ3の横(x)方向を60
°傾けた場合の撮影範囲は、下方に傾けない場合の半分
である。
【0026】図8の場合、パネル型X線センサ3の縦
(y)方向は下方に傾けないので、パネル型X線センサ
3で検出した透過X線像をパネル型X線センサ3を全く
傾けない場合と同様に表示したとすると、縦横比が狂う
ので画像歪みが生じる。つまり、横(x)方向に2倍だ
け間延びして歪んだ(例えば真円像が横長の楕円像とな
る)状態の画像になることから、画像歪み補正部19に
より画像歪み(縦横比の狂い)の補正を行う必要が出て
くる。実施例の画像歪み補正部19は、画像表示モニタ
15の画面の走査(スキャンニング)範囲を縮めること
により補正を実行する。ここでは、図9に示すように、
横(x)方向の走査範囲を1/2に縮めて2倍間延びし
た分を正しくする。その結果、画像表示モニタ15の画
面では、例えば真円像が正しく真円像15aとなって映
し出されることになる。
【0027】すなわち、画像歪み補正部19は、センサ
角度変更制御部18からパネル型X線センサ3の傾き角
度情報を受取るとともに、受け取った傾き角度情報に応
じて走査範囲の縮小比率(Sb/Sa)を走査制御部1
7に送出するとともに、走査制御部17は縮小比率(S
b/Sa)に応じて掃引信号の強度を補正するよう構成
されているのである。
【0028】ただ、X線診断装置の場合、図10に示す
ように、平行X線ビームを用いるX線撮影よりも、コー
ン状X線ビームCBを用いるX線撮影の方が断然多い。
平行X線ビームによるX線撮影では、画像歪み率(拡大
率)はパネル型X線センサ3の表面のどこにおいても同
一であるが、コーン状X線ビームCBによるX線撮影で
は、画像歪み率(拡大率)はパネル型X線センサ3の表
面におけるX方向の位置の違いに応じて異なる。コーン
状X線ビームCBのビームの広がりに起因してパネル型
X線センサ3の検出位置変化に対応して画像歪み率の変
動が生じるのである。図10の場合のパネル型X線セン
サ3の左端を原点OとしたX方向の任意の位置での基準
位置寸法Io についての画像歪み率Exは、図11から
明らかなように、Ex=Ie /Io =(In −Im /I
o )で示される。但し、寸法In ,Im はそれぞれ下の
式(1)および式(2)の通りである。
【0029】
【数1】
【0030】画像歪み率Exは、画像歪み補正部19で
求められ、画像歪み率Exに応じた走査範囲の縮小比率
が走査制御部17へ送り出されることになる。したがっ
て、コーン状X線ビームCBを用いてパネル型X線セン
サ3のX方向を60°だけ下方に傾けた場合、先の場合
と同様に画像表示モニタ15の画面の走査範囲は1/2
に縮められるけれども、縮める割合は一様ではなく、x
方向の位置に応じて定まる画像歪み率Exに従った割合
て縮められる。以上の説明はパネル型X線センサ3のX
方向を下方に傾けた場合であったが、パネル型X線セン
サ3のY方向を下方に傾けた場合も全く同様に画像歪み
の補正が行われる。また、パネル型X線センサ3のX方
向およびY方向の両方に傾けた場合も、それぞれの方向
ごとに傾き量に応じて画像歪みの補正が各々おこなわれ
ることになる。なお、図9では、画像表示モニタ15の
画面の左右がブランク状態となっているが、画像全体に
対して縦横それぞれを2倍に拡大する通常の画像拡大処
理を行えば、見かけ上は画像歪み補正部19によるX方
向の走査範囲の縮小効果が消え、画像表示モニタ15の
画面のブランク状態は解消される。ただ、この時は、縦
(y)方向は画面をはみ出してしまうから、縦(y)方
向は表示範囲が半分に減り、結果として画像歪みは起こ
らず、画像歪み補正部19による画像歪み補正は有効で
あり続ける。
【0031】続いて、以上に述べた構成を有する実施例
のX線透視撮影装置によりパネル型X線センサ3を下方
に傾けて狭い撮影範囲をX線撮影する際の装置動作を、
図12に示すフローチャート等を参照しながら説明す
る。 〔ステップS1〕先ず、天板1の上に撮影対象である患
者Mを乗せて患者Mの撮影部位を撮影位置へセットす
る。
【0032】〔ステップS2〕キーボード6またはマウ
ス7から撮影範囲の寸法に合わせて行う入力操作によ
り、照射X線に対するパネル型X線センサ3の検出面の
角度が変化し、パネル型X線センサ3が下方に傾いた状
態となる。
【0033】〔ステップS3〕センサ角度変更制御部1
8からパネル型X線センサ3の傾き角度情報が画像歪み
補正部19に送出されるとともに、画像歪み補正部19
から傾き角度情報に応じた走査範囲の縮小比率を示す指
令信号が走査制御部17へ送出される。
【0034】〔ステップS4〕キーボード6またはマウ
ス7からX線撮影を開始させる入力操作を行うと、X線
管2から患者Mの撮影部位にX線が必要な時間照射され
る。
【0035】〔ステップS5〕X線照射に伴ってパネル
型X線センサ3から出力されるデータが検出データメモ
リ12に格納されるとともに、データ処理部10により
画像データ処理が行われ、X線透視画像が画像表示モニ
タ15の画面に映し出されて表示される。
【0036】〔ステップS6〕患者Mに次に撮影すべき
部位があれば、ステップS2以下の必要なステップを再
び繰り返し実行する。もう撮影を行う必要がなければ、
次のステップS7へ進む。
【0037】〔ステップS7〕患者Mが天板1から降ろ
されて、X線撮影は終了することになる。 上記のステップS5では、画像表示モニタ15の走査範
囲がパネル型X線センサ3の傾きに応じて縮められてい
るので、画像歪みのないX線透視画像が画面に映し出さ
れることになる。
【0038】この発明は、上記実施の形態に限られるこ
とはなく、下記のように変形実施することができる。 (1)実施例のX線診断装置では、画像表示モニタ15
の画面の走査範囲をパネル型X線センサ3の傾きに応じ
て縮めることにより画像歪みを解消する構成であった
が、画像表示モニタ15の画面の走査範囲は全く変更せ
ず、X線画像メモリ14のX方向に並ぶピクセルについ
ての読み出し速度を速めることにより、画像歪みを解消
する構成を変形例として挙げることができる。ちなみ
に、パネル型X線センサ3を60°傾けた場合だと、読
み出し速度を2倍にアップすればよいことになる。
【0039】この他、画像表示モニタ15の画面の走査
範囲ではなく、画面走査の速度をパネル型X線センサ3
の傾きに応じて遅くすることにより画像歪みを解消する
構成のものも、変形例として挙げることができる。
【0040】(2)実施例のX線診断装置では、コーン
状X線ビームCBでX線撮影を行う場合、パネル型X線
センサ3におけるx方向の位置に応じて定まる画像歪み
率Exに従って画像表示モニタ15の画面の走査範囲を
縮める割合を変化させてコーン状X線ビームCBの使用
による画像歪み分を解消する構成であったが、画像歪み
率Exに従って次のような画像処理を行うことにより、
コーン状X線ビームCBの使用による画像歪み分を解消
する構成のものが、変形例として挙げられる。
【0041】すなわち、画像歪み率Exは、図11にお
ける傾けたパネル型X線センサ3の中の各寸法Ie にお
けるピクセル数と対応していて、パネル型X線センサ3
における寸法Ie の位置に応じてピクセル数が異なるの
で、ピクセル数がちょうど真ん中の数の寸法Ie を基準
にして、ピクセル数が多い寸法Ie についてはピクセル
の間引き処理をし、ピクセル数が少ない寸法Ie につい
てはピクセルの挿入処理をして(ピクセルの強度は補完
処理で求めて)、各寸法Ie におけるピクセル数を同一
にすることにより、コーン状X線ビームCBの使用によ
る画像歪み分を解消するのである。
【0042】(3)この発明のX線診断装置で用いられ
るフラットタイプのX線面センサは、検出画像をセンサ
内部に記憶するタイプでもよいし、撮影後に読み出し処
理を行うタイプのいずれであってもよい。
【0043】(4)実施例のX線診断装置では、パネル
型X線センサ3の検出面の角度を変更する構成であった
が、パネル型X線センサ3の検出面が適当な固定角度で
斜めに傾けられて設置されているだけで、検出面の角度
の変更する手段は備えていない構成のものも、この発明
の範囲に含まれている。
【0044】
【発明の効果】この発明のX線診断装置によれば、透過
X線像検出用のX線検出器として用いられているX線面
センサは、大容積の重量物であるイメージインテンファ
イアとは違って、薄型の軽量物であることから、センサ
の取り付けに大がかりな構造を必要としない上、X線面
センサの検出面が照射X線に対して検出面が斜めに傾け
られているので、照射X線に対するX線面センサの検出
面の角度が直角である従来の場合より、同一の撮影範囲
の透過X線像を検出する際のX線検出素子の数が多くて
密となることから、見かけ上の分解能が十分であると同
時に、X線面センサの検出面を傾けることにより起こる
画像歪みは画像歪み補正手段により解消することができ
ることから、撮影範囲が狭くてX線照射域の大幅な縮小
を伴う場合も分解能が十分な状態で透過X線像を検出す
ることができる。
【0045】また、請求項2のX線診断装置によるX線
撮影によれば、センサ角度変更手段により照射X線に対
するX線面センサの検出面の角度を撮影範囲を透過した
X線がちょうど入るように設定できる構成となってお
り、狭い撮影範囲の透過X線像をX線面センサの検出面
全面で検出してX線面センサの全X線検出素子を透過X
線像の検出に寄与させられることから、X線面センサの
分解能はより十分なものとなる。
【0046】また、請求項3のX線診断装置によれば、
照射X線にコーン状X線ビームを用いてX線撮影を行う
場合でも、コーン状X線ビームのX線照射によるX線撮
影の際にX線ビームの広がりに起因してX線面センサ上
での検出位置の違いに応じて生じる画像歪み率の変動を
折り込んで画像歪みに対する補正が行われる結果、コー
ン状X線ビームの使用による画像歪み分もないX線透視
画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のX線診断装置の全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】実施例装置のパネル型X線センサまわりの構成
を示す平面図である。
【図3】実施例装置のパネル型X線センサのx方向を傾
けた状態を示す模式図である。
【図4】実施例装置のパネル型X線センサのy方向を傾
けた状態を示す模式図である。
【図5】フラットパネル型X線センサの大略構成を示す
斜視図である。
【図6】フラットパネル型X線センサの層構造を示す断
面図である。
【図7】フラットパネル型X線センサまわりの回路構成
を示すブロック図である。
【図8】平行X線ビームによるX線撮影時のパネル型X
線センサを示す模式図である。
【図9】パネル型X線センサの傾きに伴う画像歪みを補
正処理で解消した透視X線画像を表示した画面例を示す
模式図である。
【図10】コーン状X線ビームによるX線撮影時のパネ
ル型X線センサを示す模式図である。
【図11】コーン状X線ビームによるX線撮影の際の画
像歪み率の求出原理を説明する模式図である。
【図12】実施例装置によるX線撮影動作の一連の流れ
を示すフローチャートである。
【図13】従来のX線診断装置の撮像系の概略構成を示
す正面図である。
【符号の説明】
1 …天板 2 …X線管 3 …フラットパネル型X線センサ 10 …画像処理部 15 …画像表示モニタ 17 …走査制御部 19 …画像歪み補正部 18 …センサ角度変更制御部 19 …画像歪み補正部 M …患者 XD …X線検出素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体における撮影部位にX線を照射する
    X線管と、被検体を乗せる天板を挟んでX線管に対して
    対向配置される透過X線像検出用のX線検出器と、X線
    検出器から得られるX線検出データに基づきX線透視画
    像を得るための画像処理を行う画像処理手段とを備えて
    いるX線診断装置において、前記X線検出器として多数
    個のX線検出素子が縦横に配列されているとともに照射
    X線に対して検出面が斜めに傾けられているX線面セン
    サと、X線面センサの傾斜に伴って生じるX線透視画像
    の歪みを補正する画像歪み補正手段とを備えていること
    を特徴とするX線診断装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のX線診断装置において、
    照射X線に対するX線面センサの検出面の角度を変更す
    るセンサ角度変更手段をも備えているX線診断装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のX線診断装置に
    おいて、画像歪み補正手段は、コーン状X線ビームのX
    線照射によるX線撮影の際にX線ビームの広がりに起因
    してX線面センサ上での検出位置の違いに応じて生じる
    画像歪み率の変動を折り込んで補正を行うよう構成され
    ているX線診断装置。
JP10083550A 1998-03-30 1998-03-30 X線診断装置 Pending JPH11276464A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002052015A (ja) * 2000-08-07 2002-02-19 Shimadzu Corp 平面型放射線検出器ユニット及びx線撮像装置
US9068919B2 (en) 2012-02-10 2015-06-30 Canon Kabushiki Kaisha X-ray imaging apparatus

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JP2002052015A (ja) * 2000-08-07 2002-02-19 Shimadzu Corp 平面型放射線検出器ユニット及びx線撮像装置
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