JPH11274010A - アルミ電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いたアルミ電解コンデンサ - Google Patents

アルミ電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いたアルミ電解コンデンサ

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JPH11274010A
JPH11274010A JP7382198A JP7382198A JPH11274010A JP H11274010 A JPH11274010 A JP H11274010A JP 7382198 A JP7382198 A JP 7382198A JP 7382198 A JP7382198 A JP 7382198A JP H11274010 A JPH11274010 A JP H11274010A
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acid
compound
driving
electrolytic solution
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JP7382198A
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Hiroyuki Matsuura
裕之 松浦
Yukihiro Nitta
幸弘 新田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 γ−ブチロラクトンを含有する溶媒に電解質
を溶解した電解液を用いたアルミ電解コンデンサを高温
高湿下で長時間使用した場合の、封口ゴムのリード孔と
陰極側リード線との接触界面への結晶物の堆積を防止
し、封止性に優れた高信頼性のアルミ電解コンデンサを
提供することを目的とする。 【解決手段】 含窒素塩基のうち塩基または塩基の水酸
化物の水溶液中における水素イオン濃度が、塩基または
塩基の水溶液濃度が1重量%、測定温度が30℃の時、
1.0×10-10モル/dm3以下の塩基と有機酸との塩
をγ−ブチロラクトンを含有する溶媒に電解質として溶
解した電解液に、o−ニトロアニソール、p−ニトロア
ニソール、p−ニトロベンジルアルコール、o−ニトロ
アセトフェノン、p−ニトロアセトフェノンの群より選
ばれる1種類以上を0.1〜5重量%溶解した構成とす
ることにより、封止性に優れた高信頼性のアルミ電解コ
ンデンサが提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミ電解コンデン
サ駆動用電解液およびそれを用いたアルミ電解コンデン
サに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のアルミ電解コンデンサ駆
動用電解液(以下、電解液という)としては、低温での
粘性が低いγ−ブチロラクトンに有機酸や無機酸または
それらの塩を電解質として溶解させたものが用いられて
おり、トリエチルアミン、ジエチルアミン塩を電解質と
した電解液(特開昭54−1024号公報)が知られて
いる。
【0003】さらに、マレイン酸またはシトラコン酸の
第4級アンモニウム塩を電解質とした電解液(特公平3
−6646号公報)や、芳香族カルボン酸の第4級アン
モニウム塩を電解質とした電解液(特公平3−8092
号公報)や、アルキル置換アミジン基を有する化合物お
よびアルキル置換アミジン基を有する化合物の4級化物
のカルボン酸塩を電解質とする電解液(再公表特許 国
際公開番号WO95/15572号公報)、いわゆるア
ミジン系電解液などが知られている。
【0004】また、これらの電解液をアルミ電解コンデ
ンサ(以下、コンデンサという)に適用する際、コンデ
ンサ内部での電気化学反応により生じる陰極側での水素
ガス発生を低減し、コンデンサの外観膨れやエージング
中および長期間使用時の開弁率を低減する目的で、種々
のニトロ化合物を添加することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の水素ガス発生の低減を目的として提案された多くのニ
トロ化合物では、塩基または塩基の水酸化物の水溶液中
における水素イオン濃度が、塩基または塩基の水溶液濃
度が1重量%であり、かつ測定温度が30℃の時、1.
0×10-10モル/dm3以下である塩基性の高い塩基と
有機酸との塩を、γ−ブチロラクトンを含有する溶媒に
電解質として溶解した電解液に使用する場合において
は、陰極側での水素ガス発生反応と共存するγ−ブチロ
ラクトンの分解反応により生じるヒドロキシ酪酸を結晶
化させる作用を有するため、コンデンサを高温高湿下で
長時間使用すると封口ゴムのリード孔と陰極側リード線
との接触界面にヒドロキシ酪酸を主成分とする結晶物が
堆積し、封止性を低下させる場合があるという課題があ
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような従来
の課題を解決するものであり、含窒素塩基のうち、塩基
または塩基の水酸化物の水溶液中における水素イオン濃
度が、塩基または塩基の水溶液濃度が1重量%であり、
かつ測定温度が30℃の時、1.0×10-10モル/dm
3以下である塩基と有機酸との塩を、γ−ブチロラクト
ンを含有する溶媒に電解質として溶解した電解液におい
て、o−ニトロアニソール、p−ニトロアニソール、p
−ニトロベンジルアルコール、o−ニトロアセトフェノ
ン、p−ニトロアセトフェノンの群より選ばれる1種類
以上を0.1〜5重量%の範囲で溶解した構成のアルミ
電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いたアルミ
電解コンデンサとしたものである。
【0007】この本発明により、コンデンサを高温高湿
下で長時間使用しても、封口ゴムのリード孔と陰極側リ
ード線との接触界面にヒドロキシ酪酸を主成分とする結
晶物の堆積が発生せず、従って封止性を低下させること
のない高信頼性のコンデンサが得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、含窒素塩基のうち、塩基または塩基の水酸化物の水
溶液中における水素イオン濃度が、塩基または塩基の水
溶液濃度が1重量%であり、かつ測定温度が30℃の
時、1.0×10-10モル/dm3以下である塩基と有機
酸との塩をγ−ブチロラクトンを含有する溶媒に電解質
として溶解した電解液において、o−ニトロアニソー
ル、p−ニトロアニソール、p−ニトロベンジルアルコ
ール、o−ニトロアセトフェノン、p−ニトロアセトフ
ェノンの群より選ばれる1種類以上を0.1〜5重量%
の範囲で溶解した構成のアルミ電解コンデンサ駆動用電
解液というものであり、溶媒であるγ−ブチロラクトン
の化学変化により陰極側でヒドロキシ酪酸が生じた際に
も、結晶成長に必要な核が生成しないためにヒドロキシ
酪酸を主成分とする結晶が生成できず、アルミ電解コン
デンサを高温高湿下で長時間使用した際にも封口ゴムの
リード孔と陰極側リード線との接触界面にヒドロキシ酪
酸を主成分とする結晶物が堆積することがなく、そのた
めに封止性を低下させることがないという作用を有す
る。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、塩基が第4級アンモニウムである構成
としたものであり、上記ニトロ化合物との組み合わせに
より、耐熱性の高いアルミ電解コンデンサ駆動用電解液
を構成することができるという作用を有する。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、第4級アンモニウムがテトラアルキル
アンモニウムである構成としたものであり、テトラアル
キルアンモニウムは、第4級アンモニウムの中でも耐熱
性が高いので、上記ニトロ化合物との組み合わせによ
り、より耐熱性の高いアルミ電解コンデンサ駆動用電解
液を構成することができるという作用を有する。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、塩基がアルキル置換アミジンを有する
化合物である構成としたものであり、容量変化率の少な
いアルミ電解コンデンサ駆動用電解液を構成することが
できるという作用を有する。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、アルキル置換アミジン基を有する化合
物がイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、
脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イミダゾリ
ン化合物)の群より選ばれる1種以上である構成とした
ものであり、イミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール
化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イ
ミダゾリン化合物)は、アルキル置換アミジン基を有す
る化合物の中でも容量変化率が少ないので、より容量変
化率の少ないアルミ電解コンデンサ駆動用電解液を構成
することができるという作用を有する。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、塩基がアルキル置換アミジン基を有す
る化合物の4級化物である構成としたものであり、上記
ニトロ化合物との組み合わせにより、高温高湿下での耐
漏液性に優れるアルミ電解コンデンサ駆動用電解液を構
成することができるという作用を有する。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、アルキル置換アミジン基を有する化合
物の4級化物がイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾー
ル化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、
イミダゾリン化合物)の群より選ばれる化合物の4級化
物の1種以上である構成としたものであり、イミダゾー
ル化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン
化合物(ピリミジン化合物、イミダゾリン化合物)の4
級化物は、アルキル置換アミジン基を有する化合物の4
級化物の中でも高温高湿下での耐漏液性に優れるので、
上記ニトロ化合物との組み合わせにより、より高温高湿
下での耐漏液性に優れるアルミ電解コンデンサ駆動用電
解液を構成することができるという作用を有する。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の
いずれか一つに記載のアルミ電解コンデンサ駆動用電解
液を用いたアルミ電解コンデンサというものであり、溶
媒であるγ−ブチロラクトンの化学変化により陰極側で
ヒドロキシ酪酸が生じた際にも、結晶成長に必要な核が
生成しないためにヒドロキシ酪酸を主成分とする結晶が
生成できず、アルミ電解コンデンサを高温高湿下で長時
間使用した際にも封口ゴムのリード孔と陰極側リード線
との接触界面にヒドロキシ酪酸を主成分とする結晶物が
堆積することがなく、従って封止性を低下させることが
ないために信頼性の高いアルミ電解コンデンサを構成す
ることができるという作用を有する。
【0016】以下、本発明の一実施の形態について説明
する。まず、本発明の電解液の電解質において、γ−ブ
チロラクトンを含有する溶媒中における塩基と有機酸と
のモル比率に特に限定はないが、導電率の高さとγ−ブ
チロラクトンの分解性(ヒドロキシ酪酸の生成量)の少
なさとの兼ね合いより、塩基:有機酸=1.0:0.9
〜1.0:3.0の範囲が好ましい。
【0017】また、本発明のアルミ電解コンデンサ駆動
用電解液に用いられる有機酸の例としては、ポリカルボ
ン酸(2〜4価):脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカ
ルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸、1,6−デカンジカルボン酸、
5,6−デカンジカルボン酸:不飽和ポリカルボン酸、
例えばマレイン酸、フマル酸、イコタン酸];芳香族ポ
リカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸;脂環式ポリ
カルボン酸、例えばテトラヒドロフタル酸(シクロヘキ
サン−1,2−ジカルボン酸等)、ヘキサヒドロフタル
酸;これらのポリカルボン酸のアルキル(炭素数1〜
3)もしくはニトロ置換体、例えばシトラコン酸、ジメ
チルマレイン酸、ニトロフタル酸(3−ニトロフタル
酸、4−ニトロフタル酸);および硫黄含有ポリカルボ
ン酸、例えばチオプロピオン酸;モノカルボン酸;脂肪
族モノカルボン酸(炭素数1〜30)[飽和モノカルボ
ン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペ
ラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸:不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、オレイン酸];芳香族モノカルボン
酸、例えば安息香酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ
安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸;オキシカルボン酸、
例えばサリチル酸、マンデル酸、レゾルシン酸が挙げら
れる。
【0018】これらの内で好ましいものは、電導度が高
く熱的にも安定なフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、
安息香酸である。
【0019】また、本発明のアルミ電解コンデンサ駆動
用電解液に用いられる第4級アンモニウムの例として
は、テトラアルキルアンモニウム類[テトラメチルアン
モニウム、トリメチルエチルアンモニウム、ジメチルジ
エチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、
テトラエチルアンモニウム、トリメチルn−プロピルア
ンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、ジ
メチルエチルn−プロピルアンモニウム、ジメチルエチ
ルイソプロピルアンモニウム、メチルジエチルn−プロ
ピルアンモニウム、メチルジエチルイソプロピルアンモ
ニウム、トリエチルイソプロピルアンモニウム、トリエ
チルn−プロピルアンモニウム、テトラn−プロピルア
ンモニウム、テトライソプロピルアンモニウム、テトラ
n−ブチルアンモニウム、テトラtert−ブチルアン
モニウムなど];フェニルトリアルキルアンモニウム
[トリメチルフェニルアンモニウム、ジメチルエチルフ
ェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム
など]である。
【0020】これらのうち、好ましくは耐熱性が高いテ
トラアルキルアンモニウムであり、更に好ましくはこの
中でも耐熱性の高いテトラメチルアンモニウム、トリメ
チルエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウ
ム、メチルトリエチルアンモニウム、テトラエチルアン
モニウムからなる群より選ばれる1種以上である。
【0021】また、本発明のアルミ電解コンデンサ駆動
用電解液に用いられるアルキル置換アミジン基を有する
化合物の4級化物の例としては、炭素数1〜11のアル
キル基またはアリールアルキル基で4級化されたイミダ
ゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミ
ジン化合物(ピリミジン化合物、イミダゾリン化合物)
が挙げられる。
【0022】具体的には、高温高湿下での耐漏液性に優
れる、1−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,
0]ウンデセン−7、1−メチル−1,5−ジアザビシ
クロ[4,3,0]ノネン−5、1,2,3−トリメチ
ルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイ
ミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミ
ダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイ
ミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−ヘプチルイミ
ダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−(3’ヘプチ
ル)イミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−ドデシ
ルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチル−1,
4,5,6−テトラヒドロピリミジウム、1,3−ジメ
チルイミダゾリウム、1,3−ジメチルベンゾイミダゾ
リウムが好ましい。更に好ましくは、この中でも電導度
が高く、熱的に最も安定な、1,2,3,4−テトラメ
チルイミダゾリニウムである。
【0023】また、本発明のアルミ電解コンデンサ駆動
用電解液において、電解液のpHは通常4〜8、好まし
くは5〜7であり、この範囲外では電解液の火花電圧が
低下する。
【0024】また、本発明のアルミ電解コンデンサ駆動
用電解液に用いる溶媒には、γ−ブチロラクトン以外の
成分として他の有機溶媒を含有させることができ、γ−
ブチロラクトンと混合する有機溶媒の例としては、アル
コール類[1価アルコール(ブチルアルコール、ジアセ
トンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコー
ルなど);2価アルコール(エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレン
グリコール、フェニルグリコールなど);3価アルコー
ル(グリセリン、3−メチルペンタン−1,3,5−ト
リオールなど);ヘキシトールなど]、エーテル類[モ
ノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテルなど);ジエーテル(エチレングリ
コールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジエチルエーテルなど)など]、ア
ミド類[ホルムアミド類(N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミドなど);アセトアミド類(N−メチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセ
トアミド、N,N,−ジエチルアセトアミドなど);プ
ロピオンアミド類(N,N,−ジメチルプロピオンアミ
ドなど);ヘキサメチルホスホリルアミドなど]、オキ
サゾリジノン類(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン、3−メチルオキサゾリジン−2−オンなど)、カ
ーボネート類(プロピレンカーボネート、エチレンカー
ボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネートなど)、ジメチルスルホ
キシド、およびこれら2種以上の混合物があげられる。
【0025】この混合溶媒の場合は、γ−ブチロラクト
ンの含有量は溶媒の重量に基づいて50〜100重量%
が好ましく、γ−ブチロラクトンの含有量が50%未満
では導電率が著しく低下する。
【0026】また、本発明のアルミ電解コンデンサ駆動
用電解液には必要により水を含有することもでき、その
含有量は電解液の重量に基づいて10%未満である。水
の含有量が10%以上では水素ガス発生が大きくなるた
め、本発明の該ニトロ化合物を用いても水素ガス発生反
応を抑制しきることができず、ケース弁が開弁しコンデ
ンサ性能を損なう場合がある。また、水の含有量が10
%以上では、γ−ブチロラクトンのヒドロキシ酪酸への
化学変化も促進されるため、ヒドロキシ酪酸を主成分と
する結晶が生じやすくなるため好ましくない。
【0027】また、本発明のアルミ電解コンデンサ駆動
用電解液には必要により種々の添加剤を混合しても良
い。添加剤としては、リン系化合物[リン酸、リン酸エ
ステルなど]、ホウ酸系化合物[ホウ酸、ホウ酸と多糖
類(マンニット、ソルビット、など)との錯化合物、ホ
ウ酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリ
ン、など)]との錯化合物が挙げられる。リン系化合物
の本発明の電解液への混合は、電極箔であるアルミニウ
ムの水和劣化を抑制できるので好ましい。ホウ酸系化合
物やホウ酸と多価アルコールとの錯化合物の本発明の電
解液への混合は、電極箔の化成性能を向上できるという
作用を有する。
【0028】また、本発明のアルミ電解コンデンサ駆動
用電解液における電解質塩の含有量は、電解液の重量に
基づいて通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重
量%である。この範囲未満では導電率が著しく低下し、
この範囲を越えると低温で電解液中の成分(電解質塩や
化学量論的に過剰なカルボン酸やカルボン酸アニオン)
の析出が生じるため好ましくない。
【0029】次に、本発明の具体例について説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部
はすべて重量部を示す。
【0030】
【表1】
【0031】(表1)は本発明の実施の形態1〜11お
よび比較例1〜5の電解液組成と導電率、および塩基ま
たは塩基の水酸化物の水溶液中における水素イオン濃度
の尺度として、塩基または塩基の水溶液濃度が1重量%
であり、かつ測定温度が30℃の時のpH(pH=−l
og[水素イオン濃度]と定義されるので、pH>10
の範囲は、水素イオン濃度が1.0×10-10モル/dm
3以下であることを意味する)を示す。
【0032】この本発明の実施の形態1〜11および比
較例1〜5の電解液を、それぞれに陽極室と陰極室をガ
ラス隔壁(G4)にて分離したH形ガラスセル中にて定
電流で電気分解し、電気分解後に陰極電極上に生じるヒ
ドロキシ酪酸を主成分とする結晶物の有無を観察した。
電気分解に用いた電解液量は20ml(陽極室側10m
lと陰極室側10ml)であり、電極材質には陽極、陰
極ともに面積5cm2で、厚さ0.2mmの白金板を用い
た。電気分解時の通電電気量は、通電時間(200分)
と電流値(30mA)で制御した。電気分解後の陰極電
極上の状態を(表2)に示す。
【0033】
【表2】
【0034】比較例1〜3ではp−ニトロ安息香酸をニ
トロ化合物として使用しているため、電気分解時に結晶
核が生成し、試験後にヒドロキシ酪酸を主成分とする結
晶が陰極の白金板上に生成する。また、比較例4ではp
−ニトロ安息香酸を使用しているが比較的弱い塩基と有
機酸との塩を電解質に用いているので結晶は生成しない
が、一方で塩基性が弱いために(表1)から判る通り、
導電率が低くなり、アルミ電解コンデンサのインピーダ
ンスが大きくなるので好ましくない。さらに、(表2)
から明らかなように、本発明の実施の形態1〜11の電
解液では、電気分解時に結晶核生成物質が生じないた
め、ヒドロキシ酪酸が生じた際にもヒドロキシ酪酸を主
成分とする結晶物を生成しないことがわかる。
【0035】次に、本発明の実施の形態1〜11および
比較例1〜3および比較例5の電解液を使用して巻き取
り形のアルミ電解コンデンサ(定格電圧35V−静電容
量2200μF、サイズ;φ16mm×L35mm)を作製
した。引き出しリードには両極共に純度99.9%のア
ルミニウムを用い、封口ゴムには過酸化物加硫のブチル
ゴムを使用した。このアルミ電解コンデンサに逆電圧−
2.0Vを印加して、温度85℃−相対湿度85%RH
の恒温槽中で1000h劣化させた後、コンデンサを分
解して封口ゴムのリード孔と負電位側リード線(逆電圧
を印加しているので陽極側のリード線)との接触界面の
状態観察とコンデンサケースの膨れ量を測定した。その
結果を併せて(表3)に示す。
【0036】
【表3】
【0037】(表3)から明らかなように、本発明の実
施の形態1〜11の電解液は、1000h経過した時点
でも封口ゴムのリード孔と陰極側リード線との接触界面
にヒドロキシ酪酸を主成分とする結晶物の堆積は観察さ
れず、また封止性が損なわれたことによる漏液も観察さ
れなかった。また、水素ガス発生の低減効果をも有して
いるので、コンデンサのケースの膨れ量も少ない。一
方、ニトロ化合物を添加していない電解液を用いた比較
例5では、水素ガス発生が大きいためにコンデンサのケ
ースの膨れ量が大きいことが判る。
【0038】従って、本発明の電解液を用いることによ
り、信頼性の高いアルミ電解コンデンサを構成できるも
のである。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明のアルミ電解コンデ
ンサ駆動用電解液は、含窒素塩基のうち塩基または塩基
の水酸化物の水溶液中における水素イオン濃度が、塩基
または塩基の水溶液濃度が1重量%であり、かつ測定温
度が30℃の時、1.0×10 -10モル/dm3以下であ
る塩基と有機酸との塩をγ−ブチロラクトンを含有する
溶媒に電解質として溶解した電解液において、o−ニト
ロアニソール、p−ニトロアニソール、p−ニトロベン
ジルアルコール、o−ニトロアセトフェノン、p−ニト
ロアセトフェノンの群より選ばれる1種類以上を0.1
〜5重量%の範囲で溶解した構成としたものであり、こ
の構成により、溶媒であるγ−ブチロラクトンの化学変
化により陰極側でヒドロキシ酪酸が生じた際にも、結晶
成長に必要な核が生成しないためにヒドロキシ酪酸を主
成分とする結晶が生成できず、アルミ電解コンデンサを
高温高湿下で長時間使用した際にも封口ゴムのリード孔
と陰極側リード線との接触界面にヒドロキシ酪酸を主成
分とする結晶物が堆積することがなく封止性を低下させ
ることがないので、信頼性の高いアルミ電解コンデンサ
を提供することができるものである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含窒素塩基のうち、塩基または塩基の水
    酸化物の水溶液中における水素イオン濃度が、塩基また
    は塩基の水溶液濃度が1重量%であり、かつ測定温度が
    30℃の時、1.0×10-10モル/dm3以下である塩
    基と有機酸との塩をγ−ブチロラクトンを含有する溶媒
    に電解質として溶解した電解液において、o−ニトロア
    ニソール、p−ニトロアニソール、p−ニトロベンジル
    アルコール、o−ニトロアセトフェノン、p−ニトロア
    セトフェノンの群より選ばれる1種類以上を0.1〜5
    重量%の範囲で溶解したアルミ電解コンデンサ駆動用電
    解液。
  2. 【請求項2】 塩基が第4級アンモニウムである請求項
    1に記載のアルミ電解コンデンサ駆動用電解液。
  3. 【請求項3】 第4級アンモニウムがテトラアルキルア
    ンモニウムである請求項2に記載のアルミ電解コンデン
    サ駆動用電解液。
  4. 【請求項4】 塩基がアルキル置換アミジン基を有する
    化合物である請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ駆
    動用電解液。
  5. 【請求項5】 アルキル置換アミジン基を有する化合物
    がイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂
    環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イミダゾリン
    化合物)の群より選ばれる1種以上である請求項4に記
    載のアルミ電解コンデンサ駆動用電解液。
  6. 【請求項6】 塩基がアルキル置換アミジン基を有する
    化合物の4級化物である請求項1に記載のアルミ電解コ
    ンデンサ駆動用電解液。
  7. 【請求項7】 アルキル置換アミジン基を有する化合物
    の4級化物がイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール
    化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イ
    ミダゾリン化合物)の群より選ばれる4級化物の1種以
    上である請求項6に記載のアルミ電解コンデンサ駆動用
    電解液。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一つに記載のア
    ルミ電解コンデンサ駆動用電解液を用いたアルミ電解コ
    ンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001185458A (ja) * 1999-12-27 2001-07-06 Elna Co Ltd アルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液およびアルミニウム電解コンデンサ

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