JP4243736B2 - 電解液材料および電解液 - Google Patents

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Description

本発明は、電解液材料および電解液に関する。より詳細には、優れたイオン伝導度を有し、かつ、pH安定性に優れる電解液材料および電解液に関する。
リチウム二次電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイスに用いられる電解液は、イオン伝導度に優れ、かつ、高電位において電気化学的に安定であることが望まれている。具体的に、電解コンデンサ用電解液として、例えば、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール等の溶媒に、トリエチルアミン等とマレイン酸、フタル酸等との塩(3級塩)を溶解させたものが使用されている(特許文献1参照)。しかし、このように3級塩を用いた場合、電導度が低いという問題がある。
そこで、溶媒に、テトラアルキルアンモニウムとマレイン酸、フタル酸等との塩(4級塩)を溶解させたものが使用されている(特許文献2参照)。4級塩を用いた場合は、3級塩を用いた場合に比べて電導度は高くなるものの、系内のpHが上昇するという問題がある。その結果、コンデンサの封止ゴムを劣化させ、陰極部から液が漏れ出し、プリント基板表面に付着して、腐食、断線等の不具合を引き起こすという問題がある。また、3級塩を用いた場合に比べて電導度は改善されるものの、さらなる改善が望まれている。
特開昭54−7564号公報 特開昭62−264615号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、優れたイオン伝導度を有し、かつ、pH安定性に優れる電解液材料および電解液を提供することにある。
本発明の電解液材料は、下記一般式(1)で表される電解質塩と、
Figure 0004243736
(式(1)中のRは、水素原子または炭素数1〜12の有機基である。R〜Rは、炭素数1〜12の有機基である。)
下記一般式(2)で表される電解質塩とを含む。
Figure 0004243736
(式(2)中のXはC,Si,N,P,SまたはOを表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、官能基または有機基を表す。sは2,3または4である。)
好ましい実施形態においては、上記式(2)におけるカチオンが下記一般式(3)で表される。
Figure 0004243736
(式(3)中のR〜Rは、水素原子または炭素数が1〜8の炭化水素基である。)
好ましい実施形態においては、上記式(1)中のAおよび/または上記式(2)中のBが下記一般式(4)で表される。
Figure 0004243736
(式(4)中のYはB,C,S,N,O,Al,Si,P,AsまたはSeを表す。MおよびMは連結基を表す。Qは水素原子、ハロゲン原子、官能基または有機基を表す。aは1以上の整数である。b,c,dおよびeは0以上の整数である。)
好ましい実施形態においては、上記式(4)中のYがCまたはNである。
本発明の別の局面によれば、電解液が提供される。この電解液は、上記電解質材料を溶媒に溶解させて得られる。
本発明のさらに別の局面によれば、リチウム二次電池が提供される。このリチウム二次電池は、上記電解液を用いる。
本発明のさらに別の局面によれば、電解コンデンサが提供される。この電解コンデンサは、上記電解液を用いる。
本発明のさらに別の局面によれば、電気二重層キャパシタが提供される。この電気二重層キャパシタは、上記電解液を用いる。
本発明によれば、上記2種類のカチオンを有する電解質塩を組み合わせて用いることにより、優れたイオン伝導度を達成し得、かつ、pH安定性に優れ得る電解液材料および電解液を提供することができる。
A.電解質材料
本発明の電解液材料は、下記一般式(1)で表される電解質塩と、下記一般式(2)で表される電解質塩とを含む。このような構成とすることにより、優れたイオン伝導度を達成し得、かつ、pH安定性に優れ得る。
Figure 0004243736
Figure 0004243736
上記式(1)中のRは、水素原子または炭素数1〜12の有機基である。上記式(1)中のR〜Rは、炭素数1〜12の有機基である。R〜Rは、一部または全部が結合して環を形成していてもよい。
本明細書において「有機基」とは、炭素原子を少なくとも1個有する基を意味する。すなわち、本明細書における「有機基」は、炭素原子を少なくとも1個有してさえいれば、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル結合を有する基、チオエーテル結合を有する基、エステル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルフィド基等の官能基や、ハロゲン原子等の他の基や原子を有するものも含む。
上記式(1)中のRがR〜Rと環を形成していない場合、Rとしては、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基、環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。直鎖脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、n−オクタデセニル基、n−エイコシル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。分岐脂肪族炭化水素基としては、iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、4−エチルブチル基、2−エチルヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチル−n−オクチル基、2−エチル−n−ヘキサデセニル基、2−エチル−n−オクタデセニル基、2−ヒドロキシ−iso−プロピル基、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基等が挙げられる。環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、1−ヒドロキシヘキシル基、2−ヒドロキシヘキシル基、3−ヒドロキシヘキシル基、4−ヒドロキシヘキシル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トルイル基、ベンジル基等が挙げられる。Rは、好ましくは水素原子、直鎖脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−ブチル基、フェニル基、ベンジル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基である。
上記式(1)中のR〜Rは、環を形成していない場合、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基、環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。直鎖脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、アミノメチル基、アミノエチル基、ニトロメチル基、ニトロエチル基、シアノメチル基、シアノエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、ホルミルメチル基、ホルミルエチル基等が挙げられる。分岐脂肪族炭化水素基としては、iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、4−エチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチル−n−オクチル基、2−アミノ−iso−プロピル基、1−アミノ−2−メチルプロピル基、2−ニトロ−iso−プロピル基、1−ニトロ−2−メチルプロピル基、2−シアノ−iso−プロピル基、1−シアノ−2−メチルプロピル基、2−カルボキシ−iso−プロピル基、1−カルボキシ−2−メチルプロピル基、2−メトキシ−iso−プロピル基、1−メトキシ−2−メチルプロピル基、2−ホルミル−iso−プロピル基、1−ホルミル−2−メチルプロピル基等が挙げられる。環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、1−メチル−ヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、1−アミノヘキシル基、2−アミノヘキシル基、3−アミノヘキシル基、4−アミノヘキシル基、1−シアノヘキシル基、2−シアノヘキシル基、3−シアノヘキシル基、4−シアノヘキシル基、1−カルボキシヘキシル基、2−カルボキシヘキシル基、3−カルボキシヘキシル基、4−カルボキシヘキシル基、1−メトキシヘキシル基、2−メトキシヘキシル基、3−メトキシヘキシル基、4−メトキシヘキシル基、1−ホルミルヘキシル基、2−ホルミルヘキシル基、3−ホルミルヘキシル基、4−ホルミルヘキシル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トルイル基、ベンジル基等が挙げられる。これらの中でも、直鎖脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基、メトキシエチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
上記式(1)中のR、R、R、RおよびRの一部または全部が結合して環等を形成している場合、当該構造としては、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基等が挙げられる。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基等が挙げられる。アリーレン基としては、フェニレン基等が挙げられる。アルケニレン基としては、エチレニレン基、n−プロピニレン基、iso−プロピニレン基、n−ブチレニレン基、1,2−ジメチルエチレニレン基等が挙げられる。これらの中でも、アルキレン基、アルケニレン基が好ましく、さらに好ましくはエチレン基、iso−プロピレン基、1,2−ジメチルエチレン基、エチレニレン基、iso−プロピニレン基、1,2−ジメチルエチレニレン基である。
好ましくは、R、R、R、RおよびRの一部または全部が結合して環を形成している。当該環構造しては、イミダゾリン環、イミダゾール環、テトラヒドロピリミジン環等が挙げられる。これらの中でも、イミダゾリン環、イミダゾール環が好ましく、さらに好ましくはイミダゾール環である。
上記式(1)中のカチオン具体例としては、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(−2’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(−3’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(−4’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウム、1,1−ジメチルイミダゾリニウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリニウム等のイミダゾリニウムカチオン;1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(−2’ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(−3’ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(−4’ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリウム、1,1−ジメチルイミダゾリウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウムカチオン;1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−エチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム等のテトラヒドロピリミジニウムカチオン;等が挙げられる。これらの中でも、イミダゾリウムカチオンが好ましく、さらに好ましくは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムであり、特に好ましくは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムであり、最も好ましくは1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムである。
上記式(2)中のXは、C,Si,N,P,SまたはOを表す。好ましくは、XはNである。上記式(2)中のRは、水素原子、ハロゲン原子、官能基または有機基を表す。
当該Rは、互いに同一であっても異なっていてもよい。当該Rは、互いに結合していてもよい。sは2,3または4である。なお、sは、前記Xの価数によって決まる値である。
上記式(2)式で表されるカチオンの具体例としては、
(I)下記一般式
Figure 0004243736
(R〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、官能基、炭化水素基または置換炭化水素基を表す。R〜Rは、互いに同一であっても異なっていてもよい。R〜Rは、互いに結合していてもよい。)
で表される複素環オニウムカチオン;
(II)下記一般式
Figure 0004243736
(R〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、官能基、炭化水素基または置換炭化水素基を表す。R〜Rは、互いに同一であっても異なっていてもよい。R〜Rは、互いに結合していてもよい。)
で表される不飽和オニウムカチオン;
(III)下記一般式
Figure 0004243736
(R〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、官能基、炭化水素基または置換炭化水素基を表す。R〜R12は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R〜R12は、互いに結合していてもよい。)
で表される飽和環オニウムカチオン;
(IV)下記一般式
Figure 0004243736
(Rは、水素原子またはC〜Cのアルキル基を表す。)
で表される鎖状オニウムカチオンが挙げられる。
上記(I)〜(III)におけるR〜R12としては、好ましくは、水素原子、フッ素原子、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホン基、スルフィド基や、直鎖、分岐鎖又は環状で、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を含み得る炭素数1〜18の炭化水素基、炭化フッ素基等である。これらの中でも、水素原子、フッ素原子、シアノ基、スルホン基、炭素数1〜8の炭化水素基、炭化フッ素基がさらに好ましい。
上記式(2)中のカチオンは、好ましくは、下記一般式(3)で表されるカチオンである。
Figure 0004243736
上記式(3)中のR〜Rは、水素原子または炭素数が1〜8の炭化水素基である。RおよびRがいずれも炭化水素基である場合、互いに直接結合していてもよいし、O,SおよびNの中から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を介して結合していてもよい。
上記式(3)で表されるカチオンの中でも、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム等の第3級アンモニウムカチオンが好ましい。
好ましくは、上記式(1)中のAおよび/または上記式(2)中のBは下記一般式(4)で表される。このような構成とすることにより、極めて優れたイオン伝導度を達成し得、かつ、pH安定性により優れ得る。
Figure 0004243736
上記式(4)中のYは、B,C,S,N,O,Al,Si,P,AsまたはSeを表す。好ましくはC,NまたはSであり、さらに好ましくはCまたはNである。上記式(4)中のMおよびMは、それぞれ任意の適切な連結基を表す。当該連結基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。当該連結基は、好ましくは−S−,−O−,−SO−または−CO−であり、さらに好ましくは−SO−または−CO−である。上記式(4)中のQは、水素原子、ハロゲン原子、官能基または有機基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等が挙げられる。官能基としては、シアノ基、チオシアネート基、アミド基、ニトロ基等が挙げられる。有機基としては、C(2p+1−q)、OC(2p+1−q)、SO(2p+1−q)、CO(2p+1−q)、SO5−r(式中、1≦p≦6、0<q≦13、0<r≦5である)等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、シアノ基、チオシアネート基、アミド基、C(2p+1−q)、SO(2p+1−q)である。上記式(4)中のaは1以上の整数である。b,c,dおよびeは0以上の整数である。ここで、a、dおよびeは、前記Yの価数によって決まる。
上記式(4)で表されるアニオンの好ましい具体例としては、ジシアノアミドアニオン(DCA)、チオシアネートアニオン、トリシアノメチドアニオン(TCM)、シアノオキシアニオン(CYO)等が挙げられる。これらは、電極等の耐腐食性に優れ得るからである。
上記式(1)中のAおよび/または上記式(2)中のBは、上記式(4)で表されるアニオン以外のアニオンであり得る。当該アニオンの具体例としては、フタル酸、マレイン酸等のジカルボン酸アニオン(モノまたはジアニオン);メチル硫酸、エチル硫酸等の硫酸エステルアニオン;ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロニオブ酸イオン、ヘキサフルオロタンタル酸イオン等の含フッ素無機イオン;サリチル酸イオン、安息香酸イオン、アジピン酸イオン等のカルボン酸イオン;ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、パーフルオロブタンスルホン酸等のスルホン酸イオン;ホウ酸イオン、リン酸イオン等の無機オキソ酸イオン;ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン等のイミドイオン;トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン等のメチドイオン;テトラフルオロホウ酸アニオン、パーフルオロアルキルフルオロボレートイオン、ボロジカテコレート、ボロジグリコレート、ボロジサリチレート、ボロテトラキス(トリフルオロアセテート)、ビス(オキサラト)ボレート等のホウ素系イオン;パーフルオロアルキルフルオロホスフェートイオン等のホスフェートイオン;等が挙げられる。
本発明の電解液材料は、上記に加え、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩を含み得る。このような金属塩を含むことにより、特に、電池用電解液として好適となり得る。アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が好適である。アルカリ土類金属塩としては、カルシウム塩、マグネシウム塩が好適である。後述するリチウム二次電池に使用する場合等においては、リチウム塩が特に好ましく用いられる。
上記アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩のアニオンとしては、任意の適切なアニオンを採用し得る。したがって、上記式(4)で表されるアニオンであってもよいし、それ以外のアニオンであってもよい。好ましくは、解離定数が大きい金属塩を形成し得るアニオンが好ましい。具体的には、LiCFSO、NaCFSO、KCFSO等のトリフルオロメタンスルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸イミドのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiPF、NaPF、KPF等のヘキサフルオロリン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiClO、NaClO等の過塩素酸アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiBF、NaBF等のテトラフルオロ硼酸塩;LiAsF、LiI、NaI、NaAsF、KI等のアルカリ金属塩;等が好適である。これらの中でも、溶解性やイオン伝導度の点から、LiPF、LiBF、LiAsF、パーフルオロアルカンスルホン酸イミドのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が好ましい。
上記電解液材料は、その他の電解質塩を含有し得る。具体例としては、過塩素酸テトラエチルアンモニウム等の過塩素酸の四級アンモニウム塩;(CNBF等のテトラフルオロ硼酸の四級アンモニウム塩;(CNPF等の四級アンモニウム塩;(CHP・BF、(CP・BF等の四級ホスホニウム塩;等が好適であり、溶解性やイオン伝導度の点から、四級アンモニウム塩が好適である。
B.電解液
本発明の電解液は、上記電解液材料を溶媒に溶解させて得られ得る。この溶媒としては、任意の適切な溶媒を採用し得る。好ましくは、溶媒は有機溶媒を含む。イオン伝導度がより向上し得るからである。有機溶媒の具体例としては、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、クラウンエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエ−テル、ジオキサン等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート類;炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル等の鎖状炭酸エステル類;炭酸エチレン、炭酸プロプレン、2,3−ジメチル炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、2−ビニル炭酸エチレン等の環状炭酸エステル類;蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル等の脂肪族カルボン酸エステル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のカルボン酸エステル類;リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル等のニトリル類;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルピロリドン、N−ビニルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4ジメチルスルホラン等の硫黄化合物類:エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,6−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;ベンゾニトリル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類;ニトロメタン、1,3−ジメチル−2イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、炭酸エステル類、脂肪族エステル類、エーテル類がより好ましく、カーボネート類がさらに好ましく、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類が特に好ましい。
上記電解液を調製する際、上記式(1)で表される電解質塩および上記式(2)で表される電解質塩の配合量は、目的に応じて、任意の適切な値に設定し得る。好ましくは、上記溶媒100重量部に対し1〜900重量部、さらに好ましくは10〜400重量部、特に好ましくは30〜100重量部である。電解質塩の配合量をこのような範囲とすることにより、優れたイオン伝導度を達成し得る。さらには、電解質塩の析出を抑制し得る。
上記式(1)で表される電解質塩と上記式(2)で表される電解質塩との配合割合は、任意の適切な値に設定し得る。好ましくは95:5〜5:95、さらに好ましくは90:10〜50:50、特に好ましくは90:10〜55:45である。なお、当該比率は重量比率である。
本発明の電解液は水を含有し得る。電解液中の含水量は、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.01〜2重量%である。含水量をこのような範囲とすることにより、電気化学デバイスの耐電圧性、耐熱性、寿命が安定し得る。さらには、陽極酸化被膜を修復する際の化成性に優れ得る。
本発明の電解液材料は、上記に加えて、他の任意成分を含み得る。他の任意成分としては、例えば、無機酸化物微粒子、添加剤が挙げられる。
上記無機酸化物微粒子としては、非電子伝導性、電気化学的に安定なものが好ましく、イオン伝導性を有するものがより好ましい。このような無機酸化物微粒子としては、例えば、α,β,γ―アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、チタン酸バリウム、ハイドロタルサイト等のセラミックス微粒子が挙げられる。
上記添加剤としては、目的に応じて、任意の適切な添加剤を採用し得る。添加剤を加える目的としては、例えば、電気伝導率の向上、熱安定性の向上、水和や溶解による電極劣化の抑制、ガス発生の抑制、耐電圧の向上、濡れ性の改善等が挙げられる。このような添加剤としては、例えば、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロ安息香酸等のニトロ化合物、リン酸ジブチル、リン酸モノブチル、リン酸ジオクチル、オクチルホスホン酸モノオクチル、リン酸等のリン化合物、ホウ酸又はホウ酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリン、マンニトール、ポリビニルアルコール等)や多糖類との錯化合物等のホウ素化合物、ニトロソ化合物、尿素化合物、ヒ素化合物、チタン化合物、ケイ酸化合物、アルミン酸化合物、硝酸及び亜硝酸化合物、2−ヒドロキシ−N−メチル安息香酸、ジ(トリ)ヒドロキシ安息香酸等の安息香酸類、グルコン酸、重クロム酸、ソルビン酸、ジカルボン酸、EDTA、フルオロカルボン酸、ピクリン酸、スベリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘテロポリ酸(タングステン酸、モリブデン酸)、ゲンチシン酸、ボロジゲンチシン酸、サリチル酸、N−アミノサリチル酸、ボロジプロトカクテ酸、ボロジピロカテコール、バモン酸、ボン酸、ボロジレゾルシル酸、レゾルシル酸、ボロジプロトカクエル酸、グルタル酸、ジチオカルバミン酸等の酸類、そのエステル、そのアミド及びその塩、シランカップリング剤、シリカ、アミノシリケート等のケイ素化合物、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン等のアミン化合物、L−アミノ酸類、ベンゾール、多価フェノール、8−オキシキノリン、ハイドロキノン、N−メチルピロカテコール、キノリンおよびチオアニソール、チオクレゾール、チオ安息香酸等の硫黄化合物、ソルビトール、L−ヒスチジン等が挙げられる。
本発明の電解液のイオン伝導度は、代表的には10mS/cm以上、好ましくは15mS/cm以上、さらに好ましくは20mS/cm以上である。なお、本明細書において「イオン伝導度」とは、25℃にて測定した値をいう。
本発明の電解液のpH変化量は、代表的には6以下であり、好ましくは5.5以下、さらに好ましくは5以下である。このようなpH安定性を備えることにより、電気化学デバイスの各種部材の腐食を抑え得る。なお、pH変化量の測定方法については後述する。
このように、本発明の電解液は、優れたイオン伝導度と優れたpH安定性を同時に達成し得る。
C.用途
本発明の電解液材料および電解液は、あらゆる電気化学デバイスに用い得る。代表的には、リチウム二次電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ等に好適に用いられる。以下、各々について説明する。
C−1.リチウム二次電池
本発明のリチウム二次電池は、代表的には、正極、負極、正極と負極との間に介在するセパレータおよび上記電解液を基本構成要素として構成される。上述のように、本発明の電解液材料をリチウム二次電池に使用する場合、上記電解液材料は、電解質としてリチウム塩を含み得る。
C−2.電解コンデンサ
本発明の電解コンデンサは、代表的には、図1(a)に示すような、陽極箔1、陰極箔2、陽極箔と陰極箔との間に挟まれたセパレータ(電解紙)3およびリード線4,4を有するコンデンサ素子10と;上記電解液と;有底筒状の外装ケースと;外装ケースを密封する封口体とを基本構成要素として構成される。より具体的には、本発明の電解コンデンサは、コンデンサ素子に上記電解液を含浸し、当該コンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、外装ケースの開口部に封口体を装着するとともに、外装ケースの端部に絞り加工を施して外装ケースを密封することにより得られ得る。
上記陽極箔および/または陰極箔の形成材としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ等が好適である。具体例として、アルミ電解コンデンサの一形態を、図1(b)の断面模式図に示す。
上記陽極箔1としては、例えば、純度99%以上のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的または電気化学的にエッチングして拡面処理した後、ホウ酸アンモニウム、リン酸アンモニウムまたはアジピン酸アンモニウム等の水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いることができる。上記陰極箔2としては、例えば、表面の一部または全部に、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタルおよび窒化ニオブから選ばれる1種以上の金属窒化物、および/または、チタン、ジルコニウム、タンタルおよびニオブから選ばれる1種以上の金属より構成される皮膜を形成したアルミニウム箔を用いることができる。皮膜の形成方法としては、蒸着法、メッキ法、塗布法等を挙げることができ、皮膜を形成する部分としては、陰極箔の全面に被覆してもよいし、必要に応じて陰極箔の一部、例えば陰極箔の一面のみに金属窒化物および/または金属を被覆してもよい。
上記リード線4は、好ましくは、陽極箔および陰極箔に接する接続部(図示せず)、丸棒部4aおよび外部接続部4bより構成される。このリード線4は、代表的には、接続部においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段により陽極箔および陰極箔に電気的に接続されている。接続部および丸棒部4aは、好ましくは、高純度のアルミニウムより形成される。外部接続部4bは、好ましくは、はんだメッキを施した銅メッキ鉄鋼線より形成される。また、陰極箔2との接続部および丸棒部4aの表面の一部または全部に、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液またはアジピン酸アンモニウム水溶液等による陽極酸化処理によって酸化アルミニウム層を形成したり、Al、SiO、ZrO等より構成されるセラミックスコーティング層等の絶縁層を形成することができる。
上記外装ケースは、好ましくは、アルミニウムより構成される。上記封口体は、代表的には、リード線をそれぞれ導出する貫通孔を備える。封口体は、好ましくは、ブチルゴム等の弾性ゴムより構成される。具体的には、イソブチレンとイソプレンとの共重合体からなる生ゴムに補強剤(カーボンブラック等)、増量剤(クレイ、タルク、炭酸カルシウム等)、加工助剤(ステアリン酸、酸化亜鉛等)、加硫剤等を添加して混練した後、圧延、成型したゴム弾性体を用いることができる。加硫剤としては、アルキルフェノールホルマリン樹脂;過酸化物(ジクミルペルオキシド、1,1−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン等);キノイド(p−キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム等);イオウ等を用いることができる。なお、封口体の表面をテフロン(登録商標)等の樹脂でコーティングしたり、ベークライト等の板を貼り付けたりすると、溶媒蒸気の透過性が低減し得るので更に好ましい。上記セパレータ3としては、上述のように、通常、マニラ紙やクラフト紙等の紙が用いられるが、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等の不織布を用いることもできる。
本発明の電解コンデンサは、ハーメチックシール構造や樹脂ケースに密閉した構造(例えば、特開平8−148384号公報に記載)であってもよい。ゴム封止構造のアルミニウム電解コンデンサの場合、ある程度ゴムを通して気体が透過するため、高温環境下においてはコンデンサ内部から大気中へ溶媒が揮発し、また、高温高湿環境下においては大気中からコンデンサ内部へ水分が混入するおそれがあり、これらの過酷な環境の下では、コンデンサは静電容量の減少等の好ましくない特性変化を起こすおそれがある。一方、ハーメチックシール構造や樹脂ケースに密閉した構造のコンデンサにおいては、気体の透過量が極めて小さいため、このような過酷な環境下においても安定した特性を示し得る。
C−3.電気二重層キャパシタ
本発明の電気二重層キャパシタは、代表的には、負極、正極及び上記電解液を基本構成要素として構成される。好ましい形態としては、対向配置した正極及び負極からなる電極素子に、上記電解液を含ませたものである。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。なお、特に明記しない限り、実施例における部および%は重量基準である。
(実施例1)
N−エチル−N’−メチルイミダゾリウムトリシアノメチド(以下、EMImTCMと記す)30部、トリエチルアンモニウムトリシアノメチド(以下、TEATCMと記す)5部、γ−ブチロラクトン(以下、GBLと記す)65部、および、水2部を混合して電解液を得た。
(実施例2)
EMImTCM25部、TEATCM10部、GBL65部、および、水2部を混合して電解液を得た。
(実施例3)
EMImTCM20部、TEATCM15部、GBL65部、および、水2部を混合して電解液を得た。
(実施例4)
EMImTCM30部、トリエチルアンモニウムフタレート(以下、TEAPhと記す)5部、GBL65部、および、水2部を混合して電解液を得た。
(実施例5)
N−エチル−N’−メチルイミダゾリウムフタレート30部、TEATCM5部、GBL65部、および、水2部を混合して電解液を得た。
(実施例6)
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムフタレート25部、TEATCM10部、GBL65部、および、水2部を混合して電解液を得た。
(比較例1)
EMImTCM35部、GBL65部、および、水2部を混合して電解液を得た。
得られた電解液のpHおよびイオン伝導度を、以下の方法により測定した。測定結果を表1にまとめる。
〈pH測定〉
上記で得られた電解液30mLをガラス隔膜付H型セルに入れ、白金電極を浸漬し、直流電源装置(松定プレシジョン社製、品番:PL−650−0.1)を用いて20mAで電気分解を4時間行った。電気分解前後における、電解液のpHをpHメータ(IQ Scientific Instruments,Inc製、品番:IQ150)で測定した。得られた値からpH変化量を算出した。
〈イオン伝導度〉
上記で得られた電解液のイオン伝導度を、25℃で、SUS電極を用いて複素インピーダンス法にて測定した。測定装置は、インピーダンスアナライザーSI1260(ソーラトロン社製)を用いた。
Figure 0004243736
表1から明らかなように、本発明の実施例の電解液は、イオン伝導度に優れ、かつ、pH安定性にも優れていた。一方、比較例1の電解液は、イオン伝導度には優れていたものの、pH安定性に劣っていた。このことから、上記式(1)および(2)で表されるカチオンを有する2種類の電解質塩を溶媒に溶解させることで、優れたイオン伝導度と優れたpH安定性を同時に達成し得る電解液が得られ得るといえる。
本発明の電解液材料および電解液は、一次電池、二次電池や燃料電池等の充電/放電機構を有する電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、太陽電池、エレクトロクロミック表示素子等の電気化学デバイスに好適に用いられ得る。これらの中でも、リチウム二次電池、電解コンデンサおよび電気二重層キャパシタに特に好適に用いられ得る。
(a)は、電解コンデンサのコンデンサ素子の一形態を示す概略斜視図であり、図1(b)は、アルミ電解コンデンサの一形態を示す断面模式図である。
符号の説明
1 陽極箔
2 陰極箔
3 セパレータ(電解紙)
4 リード線
10 コンデンサ素子

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表される電解質塩と一般式(2)で表される電解質塩とを含む電解液材料であって、
    Figure 0004243736
    Figure 0004243736
    該一般式(1)中のカチオンが、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(−2’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(−3’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(−4’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウム、1,1−ジメチルイミダゾリニウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(−2’ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(−3’ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(−4’ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリウム、1,1−ジメチルイミダゾリウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−エチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウムのいずれかであり、
    該一般式(2)中のカチオンが、一般式(3)で表されるカチオンであり、
    Figure 0004243736
    (一般式(3)中のR〜Rは、水素原子または炭素数が1〜8の炭化水素基である。)
    該一般式(1)中のAおよび該一般式(2)中のB について、A およびB の双方がトリシアノメチドアニオンであるか、A およびB の一方がトリシアノメチドアニオンであり他方がフタレートアニオンである
    電解液材料。
  2. 請求項1に記載の電解液材料を溶媒に溶解させて得られた電解液。
  3. 請求項2に記載の電解液を用いた、リチウム二次電池。
  4. 請求項2に記載の電解液を用いた、電解コンデンサ。
  5. 請求項2に記載の電解液を用いた、電気二重層キャパシタ。
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