JPH11273710A - 鉛蓄電池の電解液添加剤及び鉛蓄電池及び鉛蓄電池の製造法及び鉛蓄電池の電解液添加剤の使用法 - Google Patents

鉛蓄電池の電解液添加剤及び鉛蓄電池及び鉛蓄電池の製造法及び鉛蓄電池の電解液添加剤の使用法

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JPH11273710A
JPH11273710A JP10070765A JP7076598A JPH11273710A JP H11273710 A JPH11273710 A JP H11273710A JP 10070765 A JP10070765 A JP 10070765A JP 7076598 A JP7076598 A JP 7076598A JP H11273710 A JPH11273710 A JP H11273710A
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acid battery
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negative electrode
vanillin
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Kazuya Sasaki
一哉 佐々木
Yoshiharu Arai
義晴 荒井
Keiichi Wada
圭一 和田
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】負極表面に存在すると該負極の水素過電圧を低
下させる金属を正極集電体合金成分に含む鉛蓄電池にお
いて、電解液の減少を抑制させる物質の鉛蓄電池への添
加量のばらつきを簡易に抑制し、長期に亘る鉛蓄電池の
使用の際に、電解液の減少抑制効果を維持する。 【解決手段】アンチモン等の鉛蓄電池負極表面に存在す
ると負極の水素過電圧を低下させる金属を吸着するバニ
リン等の物質の錠剤を電解液に存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉛蓄電池の電解液添
加剤及び鉛蓄電池及び鉛蓄電池の製造法及び鉛蓄電池の
電解液添加剤の使用法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アンチモン(Sb)を含有する鉛合金か
らなる正極集電体を用いる鉛蓄電池は、電池使用時の電
解液の減少が著しい。これは電池充電時に正極集電体か
ら電解液中に溶出したSbが負極活物質の表面に析出
し、負極の水素過電圧を低下させることにより、水素発
生が促進されるためである。水素発生が促進されると電
解液中の水分量が減少し、結果的に電解液量が減少す
る。そこで、1995年のJournal of Po
wer Sources53(359〜365頁)で
は、バニリン、アニスアルデヒド等のアルデヒド基を有
するフェノール系有機化合物を電解液に添加して、フェ
ノール系有機化合物をアルデヒド基により溶出したSb
を吸着して電解液の減少を抑制させる技術が開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記フェノール系有機
化合物は通常粉末の状態で添加される。この添加技術を
実際に鉛蓄電池製造工程に導入しようとすると、様々な
問題が発生する。例えば添加量を制御するのが困難な問
題である。添加量がばらつくと、鉛蓄電池の電解液の減
少の度合いが異なってくる。また粉末の状態で上記フェ
ノール系有機化合物を鉛蓄電池に添加しようとすると、
早期に該フェノール系有機化合物が溶解し、変質(上述
した吸着能が低下し、不活性化する)してしまい、長期
に亘る鉛蓄電池の使用の際に、電解液の減少抑制効果を
維持しにくいといった問題もある。本発明が解決しよう
とする課題は、負極表面に存在すると該負極の水素過電
圧を低下させる金属を正極集電体合金成分に含む鉛蓄電
池において、電解液の減少を抑制させる物質の鉛蓄電池
への添加量のばらつきを簡易に抑制することである。ま
た長期に亘る鉛蓄電池の使用の際に、電解液の減少抑制
効果を維持することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の鉛蓄電池の電解液添加剤は、鉛蓄電池負極の
水素過電圧を低下させる金属を吸着する物質(以下、
「電解液の減少を抑制させる物質」と記す)を錠剤化し
たことを特徴とする。上記負極の水素過電圧を低下させ
る金属は例えばアンチモン、銅、ニッケル等から選ばれ
る少なくとも一種である。また電解液の減少を抑制させ
る物質は、アルデヒド基を有するフェノール系有機化合
物及び/又はアルデヒド基を有するフェノール系有機化
合物の還元体からなるものが挙げられる。上記アルデヒ
ド基を有するフェノール系有機化合物の具体例は、バニ
リン、エチルバニリン、イソバニリン、o−バニリン、
アニスアルデヒド等である。またアルデヒド基を有する
フェノール系有機化合物の還元体の具体例は、バニリル
アルコール等である。
【0005】上記電解液の減少を抑制させる物質を錠剤
化することにより、予め添加量を調整しておくことがで
きる。そのことにより電解液の減少を抑制させる物質の
鉛蓄電池への添加量のばらつきを簡易に抑制することが
できる。更に錠剤であるが故、粉体よりも取り扱い性に
優れる。また電解液の減少を抑制させる物質を錠剤化す
ることにより、それを鉛蓄電池の電解液中に添加した際
に、電解液の減少を抑制させる物質と電解液との接触面
積を、粉体として添加した場合に比して減らすことがで
きる。そのことにより電解液の減少を抑制させる物質の
早期の溶解、変質を抑制し、長期に亘る鉛蓄電池の使用
の際に、電解液の減少抑制効果を維持することができ
る。
【0006】本発明の負極表面に存在すると該負極の水
素過電圧を低下させる金属を正極集電体合金成分に含む
鉛蓄電池は、上記電解液の減少を抑制させる物質を錠剤
化したものを電解液に存在していることを特徴とする。
また本発明の負極表面に存在すると該負極の水素過電圧
を低下させる金属を正極集電体合金成分に含む鉛蓄電池
の製造法は、上記電解液の減少を抑制させる物質を錠剤
化したものを鉛蓄電池の電槽蓋を取り付ける前に前記錠
剤を添加することを特徴とする。その理由は、電槽蓋を
取り付けた後では、蓋に設けられた液口等の非常に狭い
穴から添加しなければならず、工程が煩雑になるためで
ある。また本発明の鉛蓄電池の電解液添加剤の使用法
は、負極表面に存在すると該負極の水素過電圧を低下さ
せる金属を正極集電体合金成分に含む鉛蓄電池におい
て、上記電解液の減少を抑制させる物質を錠剤化したも
のを、鉛蓄電池使用時に電解液中へ添加することを特徴
とする。前記鉛蓄電池使用時とは、充電時、放電時、充
放電休止時である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の鉛蓄電池の添加剤の製法
を以下に示す。東京化成株式会社製の品番H0264の
バニリン粉末のみを0.95g秤量し、直径12mm、
厚み7mm、密度1.2g/cm3になるよう圧縮成形
して錠剤化する。このようにして図1に示す形状の本発
明の鉛蓄電池の添加剤が得られる。本例では前述した電
解液の減少を抑制させる物質であるバニリン粉末のみを
圧縮成形して錠剤化しているが、成形性を良好にするた
めの、電解液に可溶なバインダ等を混在させてもよい。
また本例では電解液の減少を抑制させる物質としてバニ
リンを選択しているが、バニリン、エチルバニリン、イ
ソバニリン、o−バニリン、アニスアルデヒド等のアル
デヒド基を有するフェノール系有機化合物や、バニリル
アルコール等のアルデヒド基を有するフェノール系有機
化合物の還元体から選ばれる1種以上を用いてもよい。
また本例では錠剤の形状を図1に示すような偏平な円柱
状としたが、目的に応じて適宜形状を変えてもよい。例
えば錠剤面に線状の凹部を設け、該凹部に錠剤を割るよ
うな応力が加えられた場合、容易に線状の凹部に沿って
割れるようにし、錠剤量(添加量)を調整できるように
する等である。また本例では錠剤の密度を1.2g/c
3としている。錠剤の密度は小さ過ぎると電解液が錠
剤内へ浸透しやすく、鉛蓄電池使用の早期に錠剤が変質
してしまう不利な点がある。また錠剤の密度が大き過ぎ
ると電解液の減少を抑制させる物質と電解液との接触面
積が小さくなり過ぎて、十分に電解液の減少を抑制させ
る物質の効果を発揮できにくい不利な点がある。選択す
る電解液の減少を抑制させる物質の種類にも依るが、後
述するように錠剤の密度は概ね1.0〜1.6g/cm
3が好ましい。
【0008】次に本発明の鉛蓄電池の製法を以下に示
す。 (負極の作製)まず、鉛粉と鉛粉に対して13重量%の
希硫酸(比重1.26:20℃)と、鉛粉に対して12
重量%の水とを混練して負極活物質ペーストを作る。次
にこの負極活物質ペースト50gをPb−0.08Ca
−0.1Sn合金からなる格子体(集電体)に充填す
る。そしてこれを温度50℃、湿度95%雰囲気中に1
8時間放置して熟成した後に温度25℃、湿度40%中
に2時間放置して乾燥して未化成負極板を得る。
【0009】(正極の作製)まず、鉛粉と鉛粉に対して
13重量%の希硫酸(比重1.26:20℃)と、鉛粉
に対して12重量%の水とを混練して正極活物質ペース
トを作る。次にこの正極活物質ペースト60gをPb─
1.65Sb─0.3Asのアンチモン含有鉛合金の格
子体(集電体)に充填する。そしてこれを温度50℃、
湿度95%雰囲気中に18時間放置して熟成した後に温
度25℃、湿度40%中に2時間放置し乾燥して未化成
正極板を得る。
【0010】(鉛蓄電池の作製)上記未化成負極板8枚
(乾燥状態の負極活物質が合計475g入っている)と
上記未化成正極板7枚とをガラス繊維からなるセパレー
タを介して積層して極板群を作製する。この極板群を6
つ用意し、電槽(型式80D26)内に、隔壁を介した
6つのセルに極板群を一つずつ収容する。次いで6つの
極板群を直列に接続する操作をする。その後、上記した
本発明の鉛蓄電池の添加剤(バニリンの錠剤)を1セル
当たり5個添加し、そこに存在させる。このとき、バニ
リンは負極活物質重量に対して1重量%添加されている
ことになる。その後電槽に、液口を有する電槽蓋(液口
径15.7mm)を嵌め合わせ、該液口から電解液を型
式80D26の電槽のupper lebelまで注液
し、て未化成電池を作製する。なお、電解液は比重1.
225(20℃)の希硫酸である。この時点で電解液に
錠剤が存在していることになる。そして未化成電池を9
Aで42時間化成(初充電)して鉛蓄電池を完成させ
る。本例では電槽蓋を取り付ける前に本発明の鉛蓄電池
の電解液添加剤を添加しているが、電槽蓋を取り付けた
後に添加してもよい。また本例では正極集電体の合金成
分に、鉛蓄電池負極表面に存在すると該負極の水素過電
圧を低下させる金属としてアンチモンを含む例について
記載した。しかしアンチモン以外にも銅やニッケルを含
む場合に本発明は有効に作用する。銅やニッケルは、再
生鉛の不純物として混入している場合が多い。従って再
生鉛を用いて鉛蓄電池を構成する電池には本発明は有効
であると考えられる。また本例では電解液中に上記鉛蓄
電池の添加剤を添加しているが、電解液面より下で且つ
電解液に添加剤が接触した状態で存在しているのであれ
ば、長期に亘る鉛蓄電池の使用の際に、電解液の減少抑
制効果を維持することができる。電解液の減少を抑制さ
せる物質が電解液中に存在すると、充放電が多少阻害さ
れる。従って鉛蓄電池の機能を十分に発揮させるために
は、電解液の減少を抑制させる物質の添加量をある程度
考慮する必要が生じる場合がある。選択する電解液の減
少を抑制させる物質の種類にも依るが、後述するように
その好ましい量は概ね負極活物質に対する重量比で0.
01〜3%である。
【0011】次に本発明の鉛蓄電池の電解液添加剤の使
用法の一例を以下に示す。上記した鉛蓄電池の製造過程
における上記添加剤の添加以外にも、鉛蓄電池使用中に
おける添加剤の電解液中への添加も有効である。つまり
鉛蓄電池の充放電休止中に、液口栓を外して添加剤を添
加する。本例では鉛蓄電池の充放電休止中に添加剤を添
加しているが、充電中、放電中でも構わない。但し、充
放電休止中は鉛蓄電池が人体に対して最も安全な状態で
あるため、充放電休止中に添加するのが好ましい。
【0012】
【実施例】上記発明の実施の形態にその製法を記載した
鉛蓄電池(実施例)と、以下にその製法を記載した鉛蓄
電池(比較例、従来例)について比較検討をした。
【0013】(比較例の製法)実施例の鉛蓄電池におい
て、その電解液中にバニリン粉末を錠剤化せずに負極活
物質重量(乾燥状態の重量)に対し、設計値として1重
量%流し込むように添加して完成した。それ以外は実施
例の鉛蓄電池と同条件で作製した。
【0014】(従来例の製法)実施例の鉛蓄電池におい
て、その電解液中にバニリンを添加せず、それ以外は実
施例の鉛蓄電池と同条件で作製した。
【0015】(実験1)実施例、比較例の各電池それぞ
れ20個に対し、満充電状態から周囲温度75℃で25
Aで4分間放電し、その後14.8Vの定電流で10分
間充電する充放電サイクルを繰り返した。そして480
サイクル毎に電解液減少量を測定し、その後電槽のup
per lebelまで蒸留水を継ぎ足した。電解液減
少量の標準偏差を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1から、バニリンを粉体の状態で電池に
添加した比較例は、バニリンを錠剤化して電池に添加し
た実施例よりも標準偏差が大きいことがわかる。このこ
とは電解液減少量のばらつきが比較例に比して実施例は
小さいことを示している。つまり実施例の鉛蓄電池製造
工程では、比較例の鉛蓄電池製造工程とは異なり、バニ
リンを錠剤化して用いており、添加量にばらつきが少な
かったためである。
【0018】(実験2)実施例、比較例、従来例の各電
池を製造した際の、極板群及びバニリンを電槽に収容す
る作業を行う場所の粉塵発生状況を調査した。調査方法
には、粉塵測定器(SIBATA製レーザ粉塵計 型
式:LD−1(H)品番8000−03:一定時間内の光
散乱をカウントする方式)を用いて粉塵量を測定するこ
とによる。測定時間は1分とした。測定結果を表2に示
す。
【0019】
【表2】
【0020】表2から、実施例の鉛蓄電池製造工程で
は、比較例の鉛蓄電池製造工程に比して粉塵発生を抑制
できていることがわかる。これは比較例の鉛蓄電池製造
工程ではバニリンを粉体で扱っているのに対し、実施例
の鉛蓄電池製造工程ではバニリンを錠剤化して扱ってい
るためである。バニリンを錠剤化することにより、従来
例のようにバニリンを全く用いない場合と同等の粉塵発
生量に抑えることができていることがわかる。
【0021】(実験3)実施例、比較例、従来例の各電
池を上述した実験1と同条件の充放電サイクル試験に供
し、480サイクル毎に電解液減少量を測定した。75
℃の周囲温度での測定結果を図2に、40℃の周囲温度
での試験結果を図3に示した。図2、図3共に実施例の
鉛蓄電池は比較例の鉛蓄電池に比較してサイクル末期ま
で電解液の電解液減少量を少なくできるのが分かる。比
較例はバニリンが不活性化し、早期に電解液減少量が増
加し、サイクル末期ではバニリンを添加しない従来例と
ほぼ同等の電解液減少量になった。実施例はバニリンを
錠剤で添加しているため、バニリンが少しずつ電解液中
に溶け出し、比較例に比べサイクル末期での電解液減少
量の増加を抑えている。
【0022】(実験4)実施例の鉛蓄電池において、バ
ニリン錠剤の密度を0.05〜2.0g/cm3の範囲
で、錠剤の圧縮成形の際の圧縮力を変化させて作製し、
それをそれぞれ添加し、それ以外は実施例と同条件で合
計8種類の鉛蓄電池を作製した。そして比較例の鉛蓄電
池と共に上述した実験1と同条件の充放電サイクル試験
に供し、1440サイクル経過時点の累積電解液減少量
を測定した。錠剤密度と累積電解液減少量との関係を図
4に示す。同図において、密度0g/cm3とは、バニ
リンを錠剤化せず粉体のまま添加した比較例の鉛蓄電池
のことを示している。図4からバニリンの密度が1.0
g/cm3を下回ると累積電解液減少量が増大し、また
バニリンの密度が1.6g/cm3を上回っても累積電
解液減少量が増大するのがわかる。従ってバニリン錠剤
の好ましい密度は1.0〜1.6g/cm3であること
がわかる。
【0023】(実験5)実施例に用いた、密度1.2g
/cm3のバニリン錠剤の添加量を、負極活物質重量に
対し0.001〜10%の範囲で変化させ、その他は実
施例と同条件で合計10種類の鉛蓄電池を作製した。こ
れらの鉛蓄電池作製の際には、必要に応じて錠剤を研削
してその重量を調整した。上述した実験1と同条件の充
放電サイクル試験に供し、4800サイクル経過時点の
累積電解液減少量を測定した。錠剤添加量と累積電解液
減少量との関係を図5に示す。図5の横軸は対数軸にな
っている。同図よりバニリンの量が0.01重量%を下
回ると電解液減少量が増大することがわかる。 (実験6)実験5で用いた10種類の電池を用い、それ
ぞれ満充電状態から582A放電し、その時の30秒目
電圧を測定した。錠剤添加量と30秒目電圧との関係を
図6に示した。図6の横軸は対数軸になっている。同図
より錠剤の添加量が3重量%を上回ると30秒目電圧が
急に低下するのがわかる。これは錠剤(バニリン)が電
池内に過剰に存在すると充放電反応を阻害するためであ
る。上記実験5、実験6の結果から錠剤の好ましい添加
量は負極活物質重量に対して0.01〜3重量%である
ことがわかる。
【0024】
【発明の効果】本発明により、負極表面に存在すると該
負極の水素過電圧を低下させる金属を正極集電体合金成
分に含む鉛蓄電池において、電解液の減少を抑制させる
物質の鉛蓄電池への添加量のばらつきを簡易に抑制する
ことができた。また長期に亘る鉛蓄電池の使用の際に、
電解液の減少抑制効果を維持することができた。また電
解液の減少を抑制させる物質を用いる鉛蓄電池におい
て、その製造工程での粉塵発生を抑制することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の錠剤の形状を示す斜視図である。
【図2】鉛蓄電池の周囲温度75℃での充放電サイクル
数と電解液の減少量との関係を示している。
【図3】鉛蓄電池の周囲温度40℃での充放電サイクル
数と電解液の減少量との関係を示している。
【図4】バニリン錠剤の密度と鉛蓄電池の累積電解液減
少量との関係を示している。
【図5】バニリン錠剤添加量と鉛蓄電池の累積電解液減
少量との関係を示している。
【図6】バニリン錠剤添加量と鉛蓄電池の30秒目電圧
との関係を示している。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉛蓄電池負極の水素過電圧を低下させる金
    属を吸着する物質を錠剤化したことを特徴とする鉛蓄電
    池の電解液添加剤。
  2. 【請求項2】負極の水素過電圧を低下させる金属を吸着
    する物質がアルデヒド基を有するフェノール系有機化合
    物及び/又はアルデヒド基を有するフェノール系有機化
    合物の還元体からなることを特徴とする請求項1記載の
    鉛蓄電池の電解液添加剤。
  3. 【請求項3】アルデヒド基を有するフェノール系有機化
    合物がバニリン、エチルバニリン、イソバニリン、o−
    バニリン、アニスアルデヒドから選ばれる少なくとも一
    種であり、アルデヒド基を有するフェノール系有機化合
    物の還元体がバニリルアルコールであることを特徴とす
    る請求項2記載の鉛蓄電池の電解液添加剤。
  4. 【請求項4】錠剤の密度が1.0〜1.6g/cm3
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    鉛蓄電池の電解液添加剤。
  5. 【請求項5】負極表面に存在すると該負極の水素過電圧
    を低下させる金属を正極集電体合金成分に含む鉛蓄電池
    において、 請求項1〜4のいずれかに記載の鉛蓄電池の電解液添加
    剤が電解液に存在していることを特徴とする鉛蓄電池。
  6. 【請求項6】鉛蓄電池の電解液添加剤の量が負極活物質
    重量の0.01〜3重量%である請求項5記載の鉛蓄電
    池。
  7. 【請求項7】負極表面に存在すると該負極の水素過電圧
    を低下させる金属を正極集電体合金成分に含む鉛蓄電池
    の製造法において、 請求項1〜4のいずれかに記載の鉛蓄電池の電解液添加
    剤を電槽蓋を取り付ける前に添加することを特徴とする
    鉛蓄電池の製造法。
  8. 【請求項8】鉛蓄電池の電解液添加剤の量が負極活物質
    重量の0.01〜3重量%である請求項7記載の鉛蓄電
    池の製造法。
  9. 【請求項9】負極表面に存在すると該負極の水素過電圧
    を低下させる金属を正極集電体合金成分に含む鉛蓄電池
    において、 請求項1〜4のいずれかに記載の鉛蓄電池の電解液添加
    剤を、鉛蓄電池使用時に電解液中へ添加することを特徴
    とする鉛蓄電池の電解液添加剤の使用法。
JP10070765A 1998-03-19 1998-03-19 鉛蓄電池の電解液添加剤及び鉛蓄電池及び鉛蓄電池の製造法及び鉛蓄電池の電解液添加剤の使用法 Pending JPH11273710A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102013522A (zh) * 2010-11-15 2011-04-13 江苏双登集团有限公司 一种铅酸蓄电池用胶体电解质
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