JPH11271535A - マスタホログラム - Google Patents

マスタホログラム

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JPH11271535A
JPH11271535A JP15755198A JP15755198A JPH11271535A JP H11271535 A JPH11271535 A JP H11271535A JP 15755198 A JP15755198 A JP 15755198A JP 15755198 A JP15755198 A JP 15755198A JP H11271535 A JPH11271535 A JP H11271535A
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    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H2250/00Laminate comprising a hologram layer
    • G03H2250/33Absorbing layer

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不要光の影響を低減して、良好なホログラム
パターンを形成する。 【解決手段】 矢印FAで示すレーザ光は、プリズム1
8を介してマスタホログラム59に入射する。レーザ光
は、金属膜52に形成されたホログラムスリット構造に
よって、0次回折光と1次回折光に分離される。これら
の光は、保護膜24を介してフォトポリマ22に入射
し、ここで干渉してフォトポリマ22にホログラムパタ
ーンが形成される。このとき、各層の界面22A,24
A,26Aでレーザ光が反射して再びマスタホログラム
60に入射するが、吸収膜56が存在するため、反射光
の金属膜52による反射は良好に低減される。このた
め、フォトポリマ22には、ムラのない良好なホログラ
ムパターンが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、投射型ディスプ
レイの表示素子に好適なホログラム量産用マスタホログ
ラムの改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】投射型ディスプレイには、マイクロレンズ
アレイをカラーフィルタとして使用するものがあるが、
このようなタイプの表示素子では光利用率が低く、その
向上が要望されている。特開平9−189809号公報
に記載されたカラーフィルタによれば、フィルタを構成
する体積ホログラムが良好な分光特性や理想的な集光特
性を具備しており、通常のカラーフィルタよりも光利用
率の高い投射型のディスプレイシステムを実現すること
ができる。なお、マスタホログラムには、金属膜などの
スリットにより光の透過率の変調でホログラム機能を持
つ振幅変調ホログラム(表面ホログラム),ガラスに段
差をつけ、透過光の位相差を変調してホログラム機能を
持つ位相変調ホログラム(表面ホログラム),表面ホロ
グラムにより形成された体積ホログラムがある。この体
積ホログラムは、マスタを大量に複製できるメリットが
ある。
【0003】ところで、体積ホログラムフィルタの作製
法には、2ビーム干渉法と1ビーム干渉法がある。ま
ず、2ビーム干渉法は、同一レーザ光を2ビームに分岐
し、光露光によって屈折率の変化を生じる感光体(例え
ば、デュポン社製「OmniDex」のようなポリマ)
上に角度を変えて入射させる。すると2ビームの干渉パ
ターンが生じるので、これによる屈折率の変化によって
ホログラムパターンが得られる。しかしながら、この方
法は、一度の干渉によって一つのホログラムレンズを形
成するに留まる。このため、ホログラムレンズアレイを
作製するには、物体光としてレンズ集光光を何度も場所
を変えて感光剤に入射させる必要がある。従って、角度
や位置のアライメント精度やかぶり光対策について配慮
する必要がある。また、レンズピッチの小さな無収差マ
イクロレンズを作製するのは困難であり、現実的ではな
い。
【0004】一方、1ビーム干渉法では、まず計算機に
よって計算された回折パターンを電子線描画装置により
表面ホログラム(マスタホログラム)として基板上に形
成する。そして、その表面ホログラムに特定角度から光
を入射し、回折パターンによって0次光と1次光を得
る。そして更に、これら0次光と1次光の干渉によっ
て、感光体に体積ホログラムを記録する。従って、0次
光と1次光の角度や位置のアライメントが不要であると
ともに、マイクロレンズアレイパターンをマスタホログ
ラム面内に必要な分だけ形成しておけば、1回の干渉で
レンズアレイパターンを感光体に転写できる。従って、
精度や量産性のいずれにおいても、体積ホログラムフィ
ルタの作製に有効な手段である。ただし、実際には、マ
スタホログラムに対してサブミクロンオーダーの加工を
大面積で行う必要があり、高度な微細加工技術が必要で
ある。
【0005】この加工手法としては、まず、電子線レジ
スト上にマイクロレンズパターンを電子線描画する。そ
して、このレジストパターンをマスクとして基板ガラス
材をエッチングすることによって、ガラス基板上に凹凸
を形成する。これら凹凸によって透過する光の位相を変
調することによって、1次回折光が発生する。このマス
タホログラムは表面ホログラムの一種で位相変調型ホロ
グラムと呼ばれる。ガラス基板上には凹凸しか存在しな
いため、入射した光のほぼすべてが0次光か1次光とな
る。また、凹凸の段差を制御することで、0次光と1次
光の比をある程度制御できる。
【0006】他のマスタホログラムの作製方法として、
振幅変調型ホログラムを用いた方法がある。これによれ
ば、まず、電子線描画によってマイクロレンズアレイパ
ターンが電子線レジスト上に形成される。次に、これを
マスク材として、金属層をエッチングすることで光遮光
部と光透過部を形成し、周期的なスリットパターンが形
成される。これによって、回折光が生ずる。
【0007】このようにして得たマスタホログラムを用
いてフォトポリマにホログラムを転写し、体積ホログラ
ムが量産される。図6にはその様子が示されている。マ
スタホログラム10は、石英もしくはガラスによる基板
12と金属膜14によって形成されており、金属膜14
に振幅変調ホログラム素子(グレーティング)16が形
成されている。マスタホログラム10のホログラム転写
用レーザ光(例えばArレーザ光)の入射側にはプリズ
ム18が設けられており、レーザ光透過側にはガラス基
板20上に形成されたフォトポリマ22が設けられてい
る。フォトポリマ22の屈折率は、感光前の状態で1.
47程度,感光した状態で1.52程度である。フォト
ポリマ22の表面にはPVAなどによる保護膜24が形
成されている。なお、マスタホログラム10の基板12
とプリズム18との間,金属膜14と保護膜24との間
には、両者の屈折率差を低減するため、屈折率調整用液
体としてマッチングオイル26が充填されている。
【0008】矢印FAで示すレーザ光は、プリズム18
を介してマスタホログラム10に入射する。このレーザ
光は、ホログラム素子16のスリットによって、矢印F
Bで示す透過0次光と、矢印FCで示す1次回折光に分
離される。これらの光は、保護膜24を介してフォトポ
リマ22に入射し、ここで干渉する。これによって、フ
ォトポリマ22に体積ホログラムパターンが形成され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来技術では、図7に矢印FD〜FFで示すよう
に、ホログラム素子16を透過して0次光,1次光に分
離した光が、各層の界面22A,24A,26Aで反射
する。これら界面における反射光は、マスタホログラム
10の金属層14で更に反射し、不要光となって再びフ
ォトポリマ22に入射する。
【0010】また、マスタホログラム10とフォトポリ
マ22の間にはマッチングオイル26が充填されている
が、このオイル層の厚みが部位によって微妙に異なる
と、金属膜14を透過した本来のレーザ光と、金属層1
4で反射された不要光との間で干渉が生じ、フォトポリ
マ22に記録された体積ホログラムの特性に面内ムラが
発生してしまう。このムラは、例えばディスプレイ用の
カラーフィルタに前記体積ホログラムを使用した場合に
色シェーディングを発生させ、表示品質低下の大きな原
因となる。
【0011】更に、上述した位相変調型ホログラムの製
造方法では、例えば特開平9−189809号公報に記
載されているような体積ホログラムを得るためのマスタ
ホログラムを作製することは困難である。例えば、ラン
プ光の入射角を60度とし、青色帯域の中心波長を46
0nm、ガラス基板の屈折率を1.52とすると、開口
数NA=0.2のマイクロレンズアレイを作製する場
合、必要なパターンピッチは0.30〜0.41μmと
なる。従って、マイクロレンズアレイ一ラインの幅は、
その半分の0.15〜0.2μmとなる。このピッチに
対して0次光と1次光の比が1:1となるマスタ基板の
凹凸の深さは、ガラス基板を用いた場合0.35μm程
度と計算されており、前記ライン幅の2倍以上の深さの
加工が必要となる。このような0.5μmピッチの凹凸
パターンをデューティ及び深さとも厳密に制御すること
は非常に困難となる。
【0012】一方、上述した振幅変調型ホログラムの場
合、0次,1次,2次の各回折光の量とグレーティング
デューティ比(スペース/グレーティング)との関係
は、例えば図8に示すようになる。このような振幅変調
型ホログラムを用いて体積ホログラムを干渉露光で作製
する場合、0次光,1次光,及び2次光により、それぞ
れ0次光と1次光の干渉縞,0次光と2次光の干渉縞,
更に1次光と2次光の干渉縞が形成されることになる。
他方、感光フィルム(ホログラム感光剤)の屈折率差△
nの最大値は材料によって決定される。このため、0次
光と1次光の干渉縞の屈折率差△nが低下し、1次光の
回折効率が設計値よりも低くなってしまう。
【0013】更に、マスタ側に2次光があると、作製し
た体積ホログラムカラーフィルタに2次光のパターンが
記録される。その結果、前記回折効率低下の他、コント
ラストの低下やゴーストの発生など、画質への影響も考
えられる。
【0014】この発明は、以上の点に着目したもので、
不要光の影響を低減するとともに、1次光の回折効率の
向上によって投射輝度の損失を低減し、更には、2次光
による画質への影響を低減することができるマスタホロ
グラムを提供することを、その目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明は、振幅変調ホログラム,位相変調ホログ
ラム,及び体積ホログラムによるマスタホログラムにお
いて、全面に光吸収膜を形成し、その垂直透過率を、記
録する波長において70%以下に設定したことを特徴と
する。他の発明は、振幅変調型マスタホログラムにおい
て、透過振幅を変調する回折格子材上に光吸収膜を形成
したことを特徴とする。更に他の発明は、振幅変調型マ
スタホログラムにおいて、透過振幅を変調する回折格子
材が吸収膜からなることを特徴とする。更に他の発明
は、振幅変調ホログラムによるマスタホログラムにおい
て、全面に光吸収膜を形成し、その垂直透過率を、記録
する波長において70%以下に設定するとともに、前記
吸収膜形成前のグレーティングパターンのデューティ比
を40から60%として2次回折効率を最小とし、更
に、透過振幅を変調する回折格子材の透過率を制御して
0次光と1次光の回折効率をほぼ等しくしたことを特徴
とする。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、本発明の実施形態1につい
て、図1を参照しながら説明する。マスタホログラム5
9を透過したレーザ光は、同図に矢印FD〜FFで示す
ように、各層の界面22A,24A,26Aで一部が反
射する。これらの反射光は、再びマスタホログラム59
に入射する。しかし、本形態では、金属膜52上に吸収
膜56が存在する。このため、それら反射光の金属膜5
2による反射が良好に低減される。このため、フォトポ
リマ22には、ムラのない良好な体積ホログラムのレン
ズアレイパターンが形成される。これを、液晶などを用
いた投射型ディスプレイの表示素子のカラーフィルタと
して使用することで、色シェーディングを低減して、表
示品質の向上を図ることが可能となる。
【0017】図2には、実施形態2が示されている。同
様に、マスタホログラム60を透過したレーザ光は、同
図に矢印FD〜FFで示すように、各層の界面22A,
24A,26Aで一部が反射する。これらの反射光は、
再びマスタホログラム60に入射する。しかし、本形態
では、吸収膜56が全体に存在するため、それら反射光
の金属膜52による反射が良好に低減される。このた
め、フォトポリマ22には、ムラのない良好な体積ホロ
グラムのレンズアレイパターンが形成される。
【0018】次に、図3を参照して本形態にかかる振幅
変調型の体積マスタホログラムの作製手順を説明する。
まず、図3(A)に示すように、透明基板50上に金属膜
52を形成する。透明基板50の材質としては、平坦性
が確保できる材質であれば何でもよく、石英やガラスが
適している。金属膜52としては、ホログラムパターン
の露光波長に対して遮光性が十分で、かつ透明基板50
に密着性が高く、かつ加工性がよいことである。ところ
が、金属膜52が厚くなると、エッチング時に横方向の
広がりの制御が困難になるため、所望のデューティの加
工形状を得るのが困難になる。従って、金属膜52の厚
みは、薄い方がよい。フォトマスクとして一般的に使用
されるクロム膜やクロムと酸化クロムによる積層膜が、
密着力や加工性が良好であり適している。また、金属膜
52の厚みは、遮光性と加工性の相反関係を考慮して決
定する必要がある。
【0019】次に、同図(B)に示すように、金属膜52
上に電子線レジスト膜54を形成する。一方、所望のレ
ンズ効果を発生するのに必要なパターンを関数計算し、
同図(B)に矢印で示すように、そのパターンを電子線描
画法で電子線レジスト膜54に転写する。次に、同図
(C)に示すように、電子線レジスト膜54を現像する。
次に、同図(D)に示すように、この電子線レジスト膜5
4のパターンをマスクとして金属膜52をエッチングす
る。エッチングは、ウェットエッチング,ドライエッチ
ングのどちらの手法でも可能である。この後、同図(E)
に示すように、電子線レジスト膜54を除去する。これ
により、金属膜52がスリット構造となって所望のグレ
ーティングパターンが形成され、体積ホログラムによる
ホログラムレンズアレイが作製される。
【0020】実験によると、クロム800Å/酸化クロ
ム200Åの合計1000Åの膜厚の積層膜52を用い
たところ、514.5nmのアルゴンレーザによる体積ホ
ログラムの作製が可能であった。ところで、これをその
ままマスタホログラムとして使用した場合、ホログラム
材側の各層の屈折率差による反射が大きいと、上述した
ように各層の界面22A,24A,26Aでレーザ光が
反射し、更には、図7に矢印FGで示すように、金属膜
52による反射光が生ずる。この反射光が強いと、上述
した理由によってホログラム特性にムラが生じ、作成し
たカラーフィルタに色シェーディングが発生してしまう
恐れがある。
【0021】そこで、本形態では、図3(F)に示すよう
に、透明基板50の金属膜52の形成面上に、吸収膜5
6が形成される。なお、図1に示した実施形態の場合に
は、図3(A)に示す金属膜52の形成後に吸収膜56を
形成する。そして、この吸収膜56を、図3(B)〜(E)の
工程で金属膜52と同時にエッチングすることで、金属
膜52上にのみ吸収膜56を形成することができる。
【0022】
【実施例1】実施例1では、使用する露光光波長に対応
した吸収膜56が形成される。例えば、有機ポリ尿素薄
膜やポリイミド酸化膜などを、比較的薄い1000Å程
度の膜厚に蒸着によって形成し、透明基板50の主面上
で重合させて吸収膜56が形成される。スピンコート法
によって透明基板50上にポリイミド膜を形成後、加熱
により酸化処理して吸収膜を形成するようにしてもよ
い。
【0023】図4には、マスタホログラムパターンに対
するレーザ光の入射角度αと反射率の関係が示されてい
る。測定にはHe−Neの543nmのレーザ光を使用
し、屈折率1.52のマッチングオイル中で測定した。
グラフGAは金属膜52による反射率を示し、グラフG
Bはポリイミドによる吸収膜形成時の反射率が示されて
いる。金属膜52のみの場合は、グラフGAに示す反射
率でレーザ光が反射される。しかし、吸収膜を形成する
ことで反射レーザ光が吸収され、グラフGBのように反
射率が低減する。このように、吸収膜を使用した場合、
反射光を低減し、更にはホログラムのパターンムラを低
減することが可能である。
【0024】なお、吸収膜を用いた場合には、プリズム
18から入射したレーザ光が吸収膜を透過する際に吸収
されてしまうが、レーザ光強度を高めることで、支障な
くホログラムパターンを作製できる。この吸収膜の透過
率は、吸収膜に垂直に入射する記録波長の光に対して7
0%以下が実用的である。この理由は次のとおりであ
る。吸収膜で再反射する光は、約60度で吸収膜を2回
通るため、透過率Tの4乗で減衰する。従って、Tを7
0%以下に設定すると、反射率は24%以下となり、元
の反射率の約1/4となって、反射防止膜としての吸収
効果が生じる。試作した吸収膜によれば、60度の角度
で入射したArレーザ光の反射率を0.5%以下に低減
することができ、更には、カラーフィルタの色シェーデ
ィングを実用上問題のないレベルにまで低減することが
できた。
【0025】
【実施例2】この実施例は、吸収膜によるレーザ光の吸
収を考慮したもので、前記吸収膜56として、記録レー
ザ光の垂直入射時に記録レーザ波長に対する吸収率が7
0%以下になるように設定されたものが成膜される。こ
のような吸収率の調整は、例えば吸収膜の膜厚によって
行うことができる。図5に示すように、マスタホログラ
ムに角度θで光Lが入射したとすると、0次光L0,1
次光L1,2次光L2は図示のようになる。すなわち、0
次光L0と2次光L2は、吸収膜56を斜めに透過するよ
うになる。このため、例えば入射角θが60度の場合、
0次光L0と2次光L2は、吸収膜厚/COS(60度)
=2×吸収膜厚の距離を透過することになる。
【0026】透過振幅を変調する回折格子材であるCr
(クロム)による金属膜52のデューティ比(光透過振
幅/ピッチ)が50%に近いほど1次回折効率に対する
2次回折効率比は小さくなる。これは、回折効率の特性
として一般的に知られている。更に、図8のグラフから
もわかる。従って、デューティ比を40〜60%とする
ことで、2次回折光の出射量を低減する。
【0027】しかし、この状態で吸収膜を形成すると、
斜めに出射する0次光と2次光の吸収膜中での光路長
は、垂直に出射する1次光と比較して約2倍になる。従
って、垂直透過率をTとすると、1次光P1はP1×Tと
なり、0次と2次の出射光は、それぞれP0×T×T,
P2×T×Tとなり、となり、1次光と比較して垂直透
過率分だけ少なくなる。つまり、2次光も低減できる反
面、1次光も低くなってしまう。
【0028】そこで、本形態の原理として、Cr膜厚を
制御して(実際には薄くして)吸収膜形成前に0次光を
多くして、吸収膜形成後に0次光、1次光が1:1にな
るように設計する。
【0029】図8のデータは、酸化Cr200Å/Cr
800Åの通常フォトマスクで実用化されている厚膜で
ある。従って、最終的なCr膜厚は、吸収膜の透過設計
値に合わせて最適化する必要があるが、あまり薄いと均
一性に問題が生ずるので、2層合計で300〜1000
Åが適正と考えられる。
【0030】この発明には数多くの実施形態があり、以
上の開示に基づいて多様に改変することが可能である。
例えば、次のようなものも含まれる。 (1)フォトポリマ22の屈折率は、感光前の状態で
1.47程度,感光した状態で1.52程度である。従
って、マッチングオイル26の屈折率としては、それら
を含む範囲,例えば1.46〜1.55の範囲が好適で
ある。従って、吸収膜は、この範囲の屈折率で良好な効
果が得られるように設計する。 (2)前記図3では、レーザ光の入射角度が50度前後
で良好な結果が得られたが、この場合も、所望の入射角
度で良好な反射防止効果が得られるように設計する。 (3)前記形態は、体積ホログラムを作製する場合であ
るが、位相変調型ホログラムなど他のタイプのホログラ
ム作製にも適用可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果がある。 (1)マスタホログラムに反射防止膜や吸収膜を形成す
ることとしたので、露光時における不要光が低減され、
ホログラムパターンをムラなく均一に形成することがで
き、更にはディスプレイ用フィルタ特性の改善を図るこ
とが可能となる。 (2)吸収膜の透過率を記録するレーザの波長に対して
70%以下とするとともに、グレーティングパターンの
デューティ比を40〜60%としたので、1次光の回折
効率が向上し投射輝度の損失を低減することができる。 (3)コントラストの低下やゴーストの発生などの2次
光による画質への影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態におけるホログラム作製
の様子を示す図である。
【図2】この発明の一実施形態におけるホログラム作製
の様子を示す図である。
【図3】本形態にかかるマスタホログラムの作製手順を
示す図である。
【図4】本形態にかかる吸収膜の特性例を示す図であ
る。
【図5】本形態におけるパターン記録時の0次光,1次
光,及び2次光の光路を示す図である。
【図6】従来技術におけるホログラム作製の様子を示す
図である。
【図7】従来技術のホログラム作製時におけるレーザ光
反射の様子を示す図である。
【図8】振幅変調型ホログラムにおけるグレーティング
デューティ比と回折効率の関係を示す図である。
【符号の説明】
10,59,60…マスタホログラム 12,50…透明基板 14,52…金属膜 16…ホログラム素子もしくはグレーティングパターン 18…プリズム 20…ガラス基板 22…フォトポリマ 22A,24A,26A…界面 24…保護膜 26…マッチングオイル 54…電子線レジスト膜 56…吸収膜 L0…0次光 L1…1次光 L2…2次光

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振幅変調ホログラム,位相変調ホログラ
    ム,及び体積ホログラムによるマスタホログラムにおい
    て、 全面に光吸収膜を形成し、その垂直透過率を、記録する
    波長において70%以下に設定した体積ホログラム形成
    用マスタホログラム。
  2. 【請求項2】 振幅変調型マスタホログラムにおいて、 透過振幅を変調する回折格子材上に光吸収膜を形成した
    ことを特徴とする体積ホログラム形成用マスタホログラ
    ム。
  3. 【請求項3】 振幅変調型マスタホログラムにおいて、 透過振幅を変調する回折格子材が吸収膜からなる体積ホ
    ログラム形成用マスタホログラム。
  4. 【請求項4】 振幅変調ホログラムによるマスタホログ
    ラムにおいて、 全面に光吸収膜を形成し、その垂直透過率を、記録する
    波長において70%以下に設定するとともに、前記吸収
    膜形成前のグレーティングパターンのデューティ比を4
    0から60%として1次回折光に対する2次回折光の比
    率を最小とし、更に、透過振幅を変調する回折格子材の
    透過率を制御して0次光と1次光の回折効率をほぼ等し
    くしたことを特徴とするマスタホログラム。
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