JPH11270507A - アクチュエータ駆動装置 - Google Patents

アクチュエータ駆動装置

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JPH11270507A
JPH11270507A JP10070580A JP7058098A JPH11270507A JP H11270507 A JPH11270507 A JP H11270507A JP 10070580 A JP10070580 A JP 10070580A JP 7058098 A JP7058098 A JP 7058098A JP H11270507 A JPH11270507 A JP H11270507A
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JP
Japan
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pressure
actuator
output port
space
output
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Application number
JP10070580A
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Inventor
Yasuo Kita
康雄 喜多
Takashi Asami
隆 浅見
Koji Morita
浩司 森田
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Hirose Valve Industries Co Ltd
Original Assignee
Hirose Valve Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置の小型化や低騒音化あるいは信頼性の向上
等が可能なシリンダ駆動装置を提供する。 【解決手段】液圧源100と、この液圧源100より吐
出された一次作動液により駆動されこの一次作動液とは
圧力の異なる二次作動液を吐出可能な変圧機構101
と、シリンダ102に所定以上の負荷が作用する加圧時
において、この変圧機構101から吐出された二次作動
液をシリンダ室121に導きシリンダ102を駆動する
ための液圧回路103とから構成し、前記変圧機構10
1を、回転を利用して連続的に変圧動作可能なものとし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変圧機構を利用し
てシステム圧からさらに昇圧した作動液をアクチュエー
タに導くことにより、より強い力で液圧式のアクチュエ
ータを駆動するためのアクチュエータ駆動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プレス加工等に用いられ強い力を必要と
する液圧式シリンダのようなアクチュエータには、シリ
ンダ室に導入される作動液の圧力をシステム圧よりもさ
らに増大させる機能を有したアクチュエータ駆動装置が
用いられる。具体的には従来、単動シリンダ式変圧機構
を利用するもの、往復動シリンダ式変圧機構を利用する
もの、高速作動用の低圧大容量ポンプと高圧加圧用の高
圧低容量ポンプとの2圧回路を利用するものの3種類が
代表的なものとして知られている。
【0003】単動シリンダ式変圧機構とは、各端で有効
面積の異なるピストンを利用し、このピストンで区切ら
れたシリンダ室のうち、有効面積の大きい方にシステム
圧を導くことによって有効面積の小さい方から昇圧した
作動液を取り出せるように構成されたものである。そし
て、この単動シリンダ式変圧機構によって昇圧した作動
液をプレス用等のシリンダに導くようにしている。しか
して、この変圧機構の作動は1ストロークで終了し、ス
トロークエンドで昇圧できなくなる。
【0004】往復動シリンダ式変圧機構とは、上述した
単動シリンダ式のものがストロークエンドで昇圧できな
くなるという欠点を改良したもので、ピストンを大径部
とその両端面に突出させた対をなす小径部とから構成さ
れたものにし、大径部の両端側に形成したシリンダ室に
システム圧を導くとともに、各小径部の先端に形成した
シリンダ室から昇圧した作動液を、ピストンの往復動に
伴わせて交互に取り出せるようにしたものである。
【0005】また、高速作動用の低圧大容量ポンプと高
圧加圧用の高圧低容量ポンプとの2圧回路を用いるもの
は、例えばプレス位置まで単にシリンダロッドを伸縮さ
せるといった非加圧時には、高速作動用の低圧大容量ポ
ンプを用いてシリンダを高速駆動し、プレス時等の加圧
時には回路を切換えて、高圧加圧用の高圧低容量ポンプ
を用いてシリンダを駆動するようにしている。このよう
にシリンダの状況によって回路を切換えることにより、
非加圧時に高圧加圧用の高圧低容量ポンプを使用すると
いった非合理化を避け、無駄無くシリンダ駆動を行える
ように図ったものである。同様の趣旨から、シリンダを
高速移動用のキッカーシリンダと加圧用のメインシリン
ダとから構成し、プレス位置まではプレフィル弁を介し
てキッカーシリンダに低圧の作動液を充満してプレス板
を高速移動させ、プレス位置からの加圧時には、高圧加
圧用のポンプをメインシリンダに連通することによりプ
レスを行うというアクチュエータ駆動装置も開発されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、単動シリン
ダ式変圧機構を利用したものの場合は、上述したように
この変圧機構におけるシリンダのストロークエンドで昇
圧できなくなるため、1ストロークで、プレス用のシリ
ンダを動作させざるを得なくなる。この結果、単動シリ
ンダ式変圧機構に、プレス用等のシリンダの大きさに応
じた大きさのものが必要となり、アクチュエータ駆動装
置の小型化を図ることが難しくなってしまう。
【0007】また、往復動シリンダ式変圧機構を利用し
たものの場合は、変圧機構のシリンダを往復動させるた
めの制御回路が複雑であり、しかも、変圧機構のストロ
ークエンド付近での昇圧機能低下に伴う圧力変動(脈
動)が激しいため、アキュムレータを必要とするなどア
クチュエータ駆動装置が大型化するだけでなく、動作が
不安定で故障しやすいという問題点がある。しかもピス
トンの往復動の際に生じる騒音も問題点となる。
【0008】しかして、高速作動用の低圧大容量ポンプ
と高圧加圧用の高圧低容量ポンプとの2圧回路を利用す
るものの場合、前記両ポンプを駆動するための2つの駆
動源が必要となる上、2系列配管が必要となり配管の複
雑化と装置の大型化を招く。また全配管とバルブ等の周
辺油圧機器を高圧用に統一する必要が生じ、装置の高額
化をも招くという問題点がある。
【0009】さらに、アクチュエータが例えばプレス用
シリンダであり、このシリンダをメインシリンダとキッ
カシリンダとで構成したものの場合には、シリンダを複
数本使用する上、メインシリンダを大口径化しなければ
ならないことから、シリンダ自体が大型化し、またアク
チュエータ駆動装置も、低圧損化のため大口径のプレフ
ィル弁が必要になるなどして、大型化や部品点数増大を
招くという問題点がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を一挙に解決するために、変圧機構に、回転を利用し
て連続的に変圧動作可能なものを採用し、装置の小型化
や低騒音化あるいは信頼性の向上等が可能なアクチュエ
ータ駆動装置を提供すべく図ったものである。
【0011】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明に係るアクチュ
エータ駆動装置は、液圧源と、この液圧源より吐出され
た一次作動液により駆動されこの一次作動液と圧力の異
なる二次作動液を吐出可能な変圧機構と、アクチュエー
タに所定以上の負荷が作用する加圧時において、この変
圧機構から吐出された二次作動液を、アクチュエータに
導きアクチュエータを駆動するための液圧回路とを具備
し、前記変圧機構が、回転を利用して連続的に変圧動作
可能なものであることを特徴とする。
【0012】このようなものであれば、変圧機構の作動
が回転を利用した連続的なものであるため、小型化して
も回転数を上昇させることにより十分な吐出量の確保が
可能で、しかも脈動の小さい高品質な二次作動液を得る
ことができる。また、液圧源の一次作動液のみを作動源
として作動するため、駆動源として一個の液圧源のみが
あればよく、他に駆動源を必要としない。すなわち、装
置全体として小型化でき、騒音や故障を低減させること
も可能になる。また、配管あるいはバルブ等の周辺機器
を、アクチュエータ直前の部分のもののみ高圧用のもの
にし、他の部分全てにおいては、低圧用のものを使用す
ることができるので、低価格化にも寄与できる。
【0013】高圧用の配管を不要とするには、変圧機構
がアクチュエータに一体的に取り付けられているものが
好ましい。好ましい実施態様としては、変圧機構が、環
状に配置された複数の第1空間の容積を、2つの相対運
動部材の相対位置変化を利用することによって、それぞ
れ位相をずらせて周期的に連続して増減させる第1容積
増減機構と、前記2つの相対運動部材を共有しかつそれ
らの相対位置変化を利用することによって、環状に配置
された複数の第2空間の容積を、それぞれ位相をずらせ
て周期的に連続して増減させる第2容積増減機構と、前
記第1空間のうち容積が増大しつつある空間に連通する
第1入力ポートと、前記第1空間のうち減少しつつある
空間に連通する第1出力ポートと、前記第2空間のうち
容積が増大しつつある空間に連通する第2入力ポート
と、前記第2空間のうち減少しつつある空間に連通する
第2出力ポートとを備え、一周期間の前記第1空間の増
減容積が前記第2空間の増減容積より大となるように構
成したものであり、液圧回路が、前記加圧時において、
変圧機構の第1入力ポートと液圧源とを連通させる入力
回路と、第2出力ポートをアクチュエータに連通させる
出力回路とを少なくとも具備したものが挙げられる。そ
して、このような変圧機構は、第1入出力ポートと第2
入出力ポートとを独立分離でき、電気回路におけるトラ
ンスと同様の作用を営ませることが可能なものであるた
め、これらを分離することで後述する種々の液圧回路を
有した特長あるアクチュエータ駆動装置を実現すること
が可能になる。
【0014】変圧機構をよりコンパクトにするには、前
記第1容積増減機構が、その中心軸線たる第1軸線に対
して回転可能に支持された一方の相対運動部材たる環状
のケーシングと、前記第1軸線と平行にオフセットした
第2軸線を中心に回転可能に支持された他方の相対運動
部材たるシリンダブロックと、前記シリンダブロックお
よび前記ケーシングの回転速度が等しくなるように同期
させる同期機構と、前記シリンダブロックに前記第2軸
線に対して放射状に形成された同一径の複数の第1シリ
ンダと、前記各シリンダに突没可能に嵌合し先端面をケ
ーシングの内周面に添接させた第1ピストンとを備え、
この第1ピストンの基端面側に形成される前記第1空間
たる第1シリンダ内空間をそれぞれ前記シリンダブロッ
クの回転に伴って位相をずらせて周期的に連続して増減
させ得るものであり、前記第2容積増減機構が、前記ケ
ーシング及びシリンダブロックを前記第1容積増減機構
と共有し、前記シリンダブロックに前記第2軸線に対し
て放射状に形成され、かつ前記第1シリンダと重ならな
いように配置された同一径の複数の第2シリンダと、前
記第2シリンダ各々に突没可能に嵌合し先端面をケーシ
ングの内周面に添接させた第2ピストンとを備え、前記
シリンダブロックの回転に伴って第2ピストンの基端面
側に形成される前記第2空間たる第2シリンダ内空間を
それぞれ位相をずらせて周期的に連続して増減させ得る
ものが望ましい。
【0015】以上の利点に加えて、前記変圧機構の構成
部品を常に圧力バランスされるようにして、不必要にベ
アリング等の部品を加えず、さらにコンパクトで軽量な
ものにするには、前記第1シリンダが、第2軸線に対し
て垂直な面に奇数個、等間隔に配設され、かつ、この第
1シリンダの配設面と同一面上に、第1シリンダと対称
に第2シリンダが配設されているものが好適である。
【0016】また、第1および第2ピストンの先端面が
突没方向に垂直な平面をなしており、前記ケーシングの
内周面がこれら各ピストン先端面に摺動可能に密接しう
る複数の平面から構成されているものならば、ピストン
にこぜる力が加わらず、ピストンが滑らかに動作すると
ともに、ピストンやケーシング内周面の製作も容易とな
り、好適である。
【0017】ケーシングに対しシリンダブロックを公転
させる機構としては、前記ケーシングが第1軸線を中心
とする軸に枢支され、前記シリンダブロックが前記軸の
途中に設けられた第2軸線を中心とする偏心部に枢支さ
れているものが、構造を簡単にする上で望ましい。前記
同期機構の具体的な態様としては、前記シリンダブロッ
クの第2軸線に垂直な一方の端面に複数本突設したピン
と、前記ケーシングの前記シリンダブロックの両端面に
摺動可能に接する部位たるカバーの内面に設けられた複
数の断面円形の凹部とを具備してなるものであって、前
記凹部が、前記オフセット量および前記ピンの半径の和
と同じ半径を有するものであり、前記ピンに対応する部
位にこれらピンに係合させるべく設けたものがよい。
【0018】また、第1および第2流通経路を無駄なく
形成し、外部液圧回路との接続を容易に行うためには、
前記対をなす第1流通経路が、各一端を前記偏心部外周
面の対向する部位にそれぞれ開口させ、各他端を前記軸
先端面にそれぞれ開口させるものであり、また前記対を
なす第2流通経路が、各一端を前記偏心部外周面の対向
する部位にそれぞれ開口させ、各他端を前記軸先端面に
それぞれ開口させるものがよい。
【0019】液圧源からの一次作動液を利用して、非加
圧時におけるアクチュエータの作動速度を増大させる液
圧回路の実施態様としては、入力回路と出力回路とを連
通する中間経路を設け、この中間経路上に出力回路から
入力回路への作動液の流入を阻止する逆止弁を設けてい
るものが好ましい。特に非加圧時での変圧機構に流入す
る一次作動液を減少又は0にし、変圧機構における流量
ロスを低減して、有効にアクチュエータを作動させるに
は、入力回路が、変圧機構の第1入力ポート及び第2入
力ポートと液圧源とを連通させる入力経路と、この入力
経路上に設けられた絞り弁または液圧源側の作動液圧力
が所定圧以上になった時にのみ開成する加圧時開成弁と
を具備しているものが好適である。この加圧時開成弁と
しては例えば、シーケンス弁や方向切換弁等を用いるこ
とができる。
【0020】非加圧時において、液圧源から吐出された
作動液の全てを、変換機構を介してロスなくアクチュエ
ータに導入できるようにして、アクチュエータの作動速
度をより増大させるとともに、変圧機構を非加圧時にお
いても加圧時においても常時回転させ、非加圧時から加
圧時への切換時に、この回転の慣性を利用してアクチュ
エータ内を応答性良く昇圧できるようにするには、出力
回路が、変圧機構の第2出力ポートをアクチュエータに
連通させる出力経路と、第1出力ポートをタンクと出力
経路との何れかに切換可能に連通する切換弁を具備し、
この切換弁が、加圧時において前記第1出力ポートをタ
ンクに連通させ、そうでなければ前記第1出力ポートを
出力経路に連通させるように構成されたものが望まし
い。
【0021】特に小容量の液圧源でも非加圧時における
アクチュエータの作動速度を増大させるには、入力回路
が、非加圧時に変圧機構の第1入力ポートをタンクに連
通させるとともに第2入力ポートを液圧源に連通させ、
加圧時に第1入力ポート及び第2入力ポートと液圧源と
を連通させる第1切換弁を具備し、出力回路が、非加圧
時に第1出力ポート及び第2出力ポートとアクチュエー
タとを連通させ、加圧時に第1出力ポートとタンクとを
連通させるとともに、第2出力ポートをアクチュエータ
に連通させる第2切換弁とを具備したものが好ましい。
同様の目的での他の実施態様としては、入力回路が、非
加圧時に変圧機構の第1入力ポートをタンクに連通させ
るとともに第2入力ポートを液圧源に連通させ、加圧時
に第1入力ポートを液圧源に連通させるとともに第2入
力ポートをタンクに連通させる第1切換弁を具備し、出
力回路が、非加圧時に第1出力ポートをアクチュエータ
に連通させるとともに第2出力ポートをタンクに連通さ
せ、加圧時に第1出力ポートをタンクに連通させるとと
もに第2出力ポートをアクチュエータに連通させる第2
切換弁とを具備したものも挙げられる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図9を参照
して説明する。本実施例によるアクチュエータ駆動装置
たるシリンダ駆動装置は、その基本構成を図1に示すよ
うに、アクチュエータであるシリンダ102のロッド1
22を突出方向に駆動すべく、反ロッド側のシリンダ室
121に作動液を導入するものであり、液圧源である駆
動用ポンプ100と、この駆動用ポンプ100より吐出
された一次作動液により駆動されこの一次作動液と圧力
の異なる二次作動液を吐出可能な変圧機構101と、こ
の変圧機構101から吐出された二次作動液を、加圧時
にシリンダ室121に導くための液圧回路103とを具
備したものである。なお、シリンダ102のロッド12
2を没入させるための液圧回路等については、本明細書
では説明を省略する。
【0023】このシリンダ102は、例えばロッド12
2の先端に図示しないプレス板を配設し、ロッド122
を突出させることによって前記プレス板を押圧するプレ
ス加工用のものである。また、駆動用ポンプ100には
既存のポンプを用いている。変圧機構101は、回転を
利用して連続的に変圧動作可能なもので、第1容積増減
機構Y1、第2容積増減機構Y2、対をなす第1流通経
路A01、A02、および対をなす第2流通経路B0
1、B02を具備してなる。詳細構成について、図2か
ら図7を参照して説明すると、第1容積増減機構Y1
は、軸2に枢支される環状のケーシング1と、シリンダ
ブロック3と、前記シリンダブロック3に形成された第
1シリンダ4と、前記各第1シリンダ4に突没可能に嵌
合する第1ピストン6とを備え、第1空間8たる第1シ
リンダ4内の空間を第1ピストン6の突没により増減す
るものである。また、第2容積増減機構Y2は、ケーシ
ング1及びシリンダブロック3を前記第1容積増減機構
Y1と共有し、かつ前記第1シリンダ4と重ならないよ
うに配置された第2シリンダ5と、前記第2シリンダ5
各々に突没可能に嵌合する第2ピストン7とを備え、第
2空間9たる第2シリンダ5内の空間を第2ピストン7
の突没により増減するものである。また、第1流通経路
A01、A02は前記第1空間8にそれぞれ連通し、第
2流通経路B01、B02は前記第2空間9にそれぞれ
連通するものである。
【0024】具体的に各部を詳述すると、軸2はその中
心線を第1軸線L1としたもので、ケーシング1を第1
軸線L1回りに正逆回転可能に支持しており、一端にC
リング26を嵌めることによってケーシング1を軸線L
1方向に不動にしている。そして、軸2の途中に偏心部
21を設け、この偏心部21の外周にシリンダブロック
3を正逆回転可能に嵌装している。また、この偏心部2
1の中心線は第2軸線L2に合致しており、前記第1軸
線L1とこの第2軸線L2とはオフセットaを保つ平行
線である。
【0025】ケーシング1は、前記シリンダブロック3
をこのケーシング1に対して第1軸線L1方向に不動に
し、同時に内部空間14を密閉するためのカバー12を
具備する。そして、この内部空間14の断面を正十角形
状としている。また、カバー12の内方端面には、第1
軸線L1を中心に5個所の凹部13を円周方向に等間隔
に凹設しており、これら凹部13の開口形状は、前記オ
フセットaと後述するピン31の半径との和に等しい半
径の円形である。
【0026】シリンダブロック3は、その中心に前記偏
心部21に嵌合する貫通孔を有し、さらに第2軸線L2
に対しラジアル方向に等間隔に5本、同一径の第1シリ
ンダ4をシリンダブロック3の外周面32に開口させて
形成している。また、前記シリンダブロック3の各第1
シリンダ4に背反する部位に、第2シリンダ5を対応す
る第1シリンダ4と軸心を一致させて形成している。す
なわち、相互に対応する第1シリンダ4と第2シリンダ
5の軸心はそれぞれ前記第2軸線L2を通過するように
設定してあり、各第1シリンダ4、5は第2軸線L2と
直交する共通面に沿って配列させてある。この第1シリ
ンダ4と第2シリンダ5とはその内径を異ならせてあ
り、本実施例においては、第1シリンダ4の径の方を大
きくしている。さらに、シリンダブロック3は正十角柱
状をなすもので、第1シリンダ4または5の開口部位は
前記正十角柱の各側面中央に設定してある。しかして、
この実施例では、5本の第1シリンダ4と、5本の第2
シリンダ5をシリンダブロック3の外周面32に円周方
向に交互に並ぶようにして開口させている。また、前記
凹部13に対応する部位には、5本のピン31を突設さ
せており、凹部13にそれぞれ遊嵌させ、シリンダブロ
ック3とケーシング1を等速同方向に回転させる同期機
構としている。
【0027】第1及び第2ピストン6、7は平坦な先端
面61、71を有してなる円柱状のもので、第1ピスト
ン6を各第1シリンダ4に、また第2ピストン7を各第
2シリンダ5に、それぞれ突没可能に嵌合させており、
それら各先端面61、71を、前記ケーシング1の内側
面11の十角形の一辺に対応する面に摺動可能に当接さ
せている。
【0028】第1空間8は、前記第1ピストン6の基端
面63側と第1シリンダ4との間に形成される空間で、
第1ピストン6が第1シリンダ4に対して突没すること
で、その容積が増減する。そして、この第1空間8のう
ち、第1軸線L1と第2軸線L2によって形成される仮
想面S12で区切られるいずれか一方は、ケーシング1
およびシリンダブロック3の正逆いずれかの回転に伴
い、容積が増大する空間(容積の増大しつつある空間)
81となる。また、仮想面S12で区切られる他方は、
容積の減少する空間(容積の減少しつつある空間)82
となる。
【0029】第2空間9は、前述同様、第2ピストン7
の基端面73側と第2シリンダ5との間に形成される空
間で、第2ピストン7が第2シリンダ5に対して突没す
ることで、その容積が増減する。そして、ケーシング1
およびシリンダブロック3の正逆いずれかの回転に伴
い、第1空間9のうち、仮想面S12で区切られるいず
れか一方は、容積の増大する空間(容積の増大しつつあ
る空間)91となり、仮想面S12で区切られる他方
は、容積の減少する空間(容積の減少しつつある空間)
92となる。
【0030】しかして、本実施例では第1空間8の増減
容積Vaを第2空間9の増減容積Vbよりも大となるよ
うにしている。一方の第1流通経路A01は、図4、図
5に示すように、一端を偏心部21の外周面に凹設した
一対の軸溝22に開口させ他端である第1入力ポートA
21を軸先端面に開口させたもので、他方の第1流通経
路A02は、一端を偏心部21の外周面に凹設した一対
の軸溝23に開口させ他端である第1出力ポートA31
を軸先端面に開口させたものである。そして、第1シリ
ンダ4の基端面をシリンダブロック内周面33の前記軸
溝22および23に連通可能な部位に開口させることに
より、第1流通経路A01、A02が、容積の増大する
空間81および容積の減少する空間82を、それぞれ第
1入力ポートA21、第1出力ポートA31に連通させ
るようにしている。さらに具体的に説明する。第1シリ
ンダ4の各基端面は、シリンダブロック内周面33に凹
設された5対の開口部34にそれぞれ連通している。こ
の開口部34は、1つの第1シリンダ4に対応して第2
軸線L2方向に一対を設けたもので、5本の第1シリン
ダ4それぞれに対応して連通する5対の開口部34を、
重ならないようにシリンダブロック3の内周面33に凹
設している。また、軸溝22と23は、開口部34と連
通可能なように第2軸線L2方向にそれぞれ一対で設け
たものである。そして軸溝22と23の位置関係を、第
1軸線L1と第2軸線L2によって形成される仮想面S
12に対して対称となし、軸溝22と23との間の何も
溝が切られていない軸部分の周長さを、前記開口部34
の軸2に接する部分の周長さよりも長くしたことによ
り、軸2とシリンダブロック3がどのような位置関係と
なっても軸溝22と23が開口部34を介して連通しな
いようにしている。
【0031】一方の第2流通経路B01は、図3、図6
に示すように、一端を偏心部21の外周面に凹設した軸
溝24に開口させ他端である第2入力ポートB21を軸
先端面に開口させたもので、他方の第2流通経路B02
は、一端を偏心部21の外周面に凹設した軸溝25に開
口させ他端である第2出力ポートB31を軸先端面に開
口させたものである。そして、第2シリンダ5の基端面
をシリンダブロック内周面33の前記軸溝24および2
5に対応する部位に開口させることにより、第2流通経
路B01、B02が、容積の増大する空間91および容
積の減少する空間92を、それぞれ第2入力ポートB2
1、第2出力ポートB31に連通させるようにしてい
る。さらに具体的に説明する。第2シリンダ5の基端面
はそれぞれシリンダブロック内周面33に凹設された5
つの開口部35に連通している。この開口部35は、前
記一対の開口部34の中間部位に配されたもので、5本
の第2シリンダ4それぞれに対応して連通する5個の開
口部35を、重ならないようにシリンダブロック3の内
周面33に凹設している。また、軸溝24と25は、開
口部35と連通可能なように、前記対の軸溝22間およ
び対の軸溝23間にそれぞれ設けたものである。そし
て、軸溝24と25との位置関係を、第1軸線L1と第
2軸線L2によって形成される仮想面S12に対して対
称となし、軸溝24と25との間の何も溝が切られてい
ない軸部分の周長さを、前記開口部35の軸2に接する
部分の周長さよりも長くしたことにより、軸2とシリン
ダブロック3がどのような位置関係となっても軸溝24
と25が開口部35を介して連通しないようにしてい
る。
【0032】なお、本実施例では、第1入力ポートA2
1と第2入力ポートB21とを内部で連通して共通入力
ポートAB21としている。液圧回路103は、図1に
示すように、変圧機構101の第1入力ポートA21と
液圧源100とを連通させる入力回路131(入力経路
131a)と、第2出力ポートB31をシリンダ室12
1に連通させる出力回路132(出力経路132a)
と、第1出力ポートA31をタンクTKに連通させるド
レン経路DRとを具備したものである。
【0033】このような基本構成を有するシリンダ駆動
装置は次のように作動する。駆動用ポンプ100を回転
させて低圧の一次作動液を吐出させると、この一次作動
液が、第1入力ポートA21を介して容積の増大しつつ
ある空間81に流入する。この結果、図8に示すよう
に、容積の増大しつつある空間81に存在する各第1ピ
ストン6を突出させる力f1が作用し、この反力が軸2
に対してケーシング1を回転させるような偶力となり、
ケーシング1が回転する。このケーシング1の回転で、
図9に示すように容積の減少しつつある空間92に存在
する各第2ピストン7が没入し、第2出力ポートB31
を介して、二次作動液が吐出される。そして、この二次
作動液が出力回路132を介してシリンダ室121に流
入し、ロッド122を突出方向に押圧することになる。
しかして、プレス時等の加圧時において、シリンダ12
2に負荷が作用した場合、二次作動液の圧力は、次式
(1)で表されるように一次作動液の圧力よりも上昇し
たものとなり、この変圧機構101は昇圧作用を営むこ
ととなる。
【0034】pa/pb=Vb/Va・・・(1) pa・・・第1入力ポートでの圧力と第1出力ポートで
の圧力との差圧 pb・・・第2入力ポートでの圧力と第2出力ポートで
の圧力との差圧 Va・・・第1空間の増減容積 Vb・・・第2空間の増減容積 この際の変圧機構101の作動について補足しておく
と、ケーシング1には回転力が作用しているが、同時に
ラジアル力も作用している。ところが、図7および図8
に示すように第2シリンダ5が、第1シリンダ4の形成
面と同一面でかつOOに対称に形成されているので、二
次作動液圧力により第2シリンダ5の突出力f11、f
22の合成力F1が、一次作動液圧力によるラジアル力
Fにつりあうよう正反対に発生し、ケーシング1へのラ
ジアル力はバランスされる。すなわち、ケーシング1の
枢支にベアリング等の回転軸受を全く必要としない構成
を可能ならしめ、変圧機構101における部品点数の縮
小化、組立工数の削減、装置のコンパクト軽量化、装置
耐久性の増大化等に寄与させている。
【0035】したがってこのようなシリンダ駆動装置で
あれば、次のような基本的な効果を奏する。すなわち、
変圧機構101が駆動用ポンプ100のみを駆動源とし
て作動するため、装置全体に駆動源として一個の駆動用
ポンプ100のみがあれば、他の駆動源が不要となる。
また、変圧機構101の作動が回転を利用した連続的な
ものであるため、小型化しても回転数を上昇させること
により十分な吐出量の確保が可能で、脈動の小さい高品
質な二次作動液を得ることができる。したがって、装置
全体としても小型化でき、騒音や故障を低減させること
が可能となる。また、配管あるいはバルブ等の周辺機器
を、シリンダ102直前の部分のもののみ高圧用のもの
にし、他の部分全てにおいては、低圧用のものを使用す
ることができるので、低価格化にも寄与できる。
【0036】特に本実施例においては変圧機構101
が、第1入出力ポートA21、A31間の差圧を昇降圧
して、第2入出力ポートB21、B31間の差圧とする
ものであるとともに、第1入出力ポートA21、A31
と第2入出力ポートB21、B31とを分離独立でき、
電気回路におけるトランスと同様の作用を営ませること
が可能なものである。したがって、本実施例のように、
第1入力ポートA21と第2入力ポートB21を連通し
て共通入力ポートAB21としたものに限られず、これ
らを分離することで以下の変形例で説明する種々の特長
を有したシリンダ駆動装置を実現することが可能にな
る。
【0037】第1実施例の変形例としては、例えば図1
0、図11、図12に示すようなものが考えられる。な
お、後述する説明中、上記第1実施例に対応するものに
ついては同一の符号を付すこととする。図10は、第1
実施例における入力回路131と出力回路132とを連
通する中間経路133を設け、この中間経路133上に
出力回路132から入力回路131への二次作動液の流
入を阻止する逆止弁104を設けた構成を示している。
なお、同図中逆止弁104の点線に示すパイロット圧導
入口は、例えばシリンダ102からのリターン経路(図
示しない)に連通させている。また、出力経路132a
上にはシリンダ室121から変圧機構101への作動液
の逆流を防止する逆止弁132bを配設している。
【0038】このようなものであれば、シリンダ102
のロッド122をプレス位置にまで単に移動させる際等
の非加圧時においては、一次作動液と二次作動液との間
に差圧が発生しないため、逆止弁104が開成状態とな
り、二次作動液に加えて、駆動用ポンプ100から吐出
された一次作動液も逆止弁104を介してシリンダ室1
21に導入される。この結果、ロッド122の移動速度
を増大させることができる。また、ロッド122がプレ
ス位置に到達し、実際にプレスを行う際等の加圧時に
は、シリンダ室121の圧力が増大するので、逆止弁1
04が閉止し、変圧機構101の第2出力ポートB31
から、式(1)で算出される圧力の二次作動液のみがシ
リンダ室121に流入する。しかして、変圧機構101
は非加圧時においても加圧時においても常時回転してい
るため、非加圧時から加圧時への切換え時には、回転慣
性が作用して応答性よくシリンダ室121内を昇圧でき
ることになる。
【0039】図11は、図10に示した構成に加えて、
入力回路131における入力経路131a上に絞り弁1
05を設けた構成を示している。図12は、図11の絞
り弁の代わりにシーケンス弁106を設けた構成を示し
ている。このシーケンス弁106は、同図に示すよう
に、駆動用ポンプ100から吐出される一次作動液の圧
力が所定未満である非加圧時において閉止状態であり、
一次作動液の圧力が所定以上である加圧時において開成
状態に切り換わるように、一次作動液の圧力をパイロッ
ト圧を導くようにしたものである。なお、このシーケン
ス弁106は、たとえばパイロット圧にシリンダ室12
1の圧力を用いるようにしたものでもよいし、あるいは
圧力センサでシリンダ室121の圧力を検出し、この検
出した値に基づいて電気的に切換られるように構成した
ものでもよい。
【0040】このようなものであれば、非加圧時には、
変圧機構101の作動速度が遅くなるかもしくは0とな
り、シリンダ室121には主として一次作動液のみが流
入することになる。したがって、変圧機構101の第1
出力ポートA31から流出する流量ロスをなくすことが
でき、非加圧時におけるロッド122の移動速度をより
速くすることができる。また、変圧機構101は前述と
同様常時回転しているため、非加圧時から加圧時に応答
性よく切換わってシリンダ室121内を昇圧できること
になる。
【0041】図13、図14は、出力回路132におい
て、変圧機構101の第2出力ポートB31をシリンダ
室121に連通させる出力経路132aと、第1出力ポ
ートA31をタンクTKと出力経路132aとの何れか
に切換可能に連通する切換弁107を設け、この切換弁
107が、図13に示す加圧時において、前記第1出力
ポートA31をタンクTKに連通させ、図14に示す非
加圧時において、前記第1出力ポートA31を出力経路
132aに連通させるように構成したものを示してい
る。なお、この切換弁107は、たとえばパイロット圧
にシリンダ室121の圧力等を用い、加圧時と非加圧時
との切換が行われるようにしたものでもよいし、あるい
は圧力センサでシリンダ室121の圧力を検出し、この
検出した値に基づいて電気的に切換られるように構成し
たものでもよい。また、入力回路131は、図1に示す
基本回路と同様であるので説明は省略する。
【0042】このようなものであれば、非加圧時におい
て、第1及び第2出力ポートA31、B31がいずれも
シリンダ室121に連通するので、駆動用ポンプ100
から吐出された一次作動液の全てが、変換機構103を
介してロスなくシリンダ室121に導入され、ロッド1
22の移動速度をより増大させることができる。また、
変圧機構101は非加圧時においても加圧時においても
常時回転しているため、前述同様、非加圧時から加圧時
に応答性よく切換わってシリンダ室121内を昇圧でき
ることになる。
【0043】図15、図16は、入力回路131におい
て、非加圧時に変圧機構101の第1入力ポートA21
をタンクTKに連通させるとともに第2入力ポートB2
1を液圧源に連通させ、加圧時に第1入力ポートA21
及び第2入力ポートB21と液圧源とを連通させる第1
切換弁108を設け、出力回路132において、非加圧
時に第1出力ポートA31及び第2出力ポートB31と
シリンダ室121とを連通させ、加圧時に第1出力ポー
トA31とタンクTKとを連通させるとともに、第2出
力ポートB31をシリンダ室121に連通させる第2切
換弁109とを設けた構成を示したものである。
【0044】なお、本変形例では、変圧機構101の第
1、第2入力ポートA21、B21を内部で連通せず、
それぞれ独立して外部配管と接続できるようにしてい
る。また、切換弁108、109は、たとえばパイロッ
ト圧にシリンダ室121の圧力等を用い、加圧時と非加
圧時との切換が行われるようにしたものでもよいし、あ
るいは圧力センサでシリンダ室121の圧力を検出し、
この検出した値に基づいて電気的に切換られるように構
成したものでもよい。
【0045】このようなものであれば、非加圧時には、
第2容積増減機構Y2によって第1容積増減機構Y1が
駆動され、この第1容積増減機構Y1がポンプ作用を営
むことになるため、変圧機構101が流量増大機能を発
揮することになる。したがって、駆動用ポンプ100の
容量が小さくても、その容量以上の流量で作動液をシリ
ンダ室121に導入でき、ロッド122をさらに高速で
移動させることができる。
【0046】図17、図18は、入力回路131が、非
加圧時に変圧機構101の第1入力ポートA21をタン
クTKに連通させるとともに第2入力ポートB21を駆
動用ポンプ100に連通させ、加圧時に第1入力ポート
A21を駆動用ポンプ100に連通させるとともに第2
入力ポートB21をタンクTKに連通させる第1切換弁
181を具備し、出力回路132が、非加圧時に第1出
力ポートA31をシリンダ室121に連通させるととも
に第2出力ポートB31をタンクTKに連通させ、加圧
時に第1出力ポートA31をタンクTKに連通させると
ともに第2出力ポートB31をシリンダ室121に連通
させる第2切換弁191とを具備した構成を示してい
る。
【0047】なお、本変形例では、変圧機構101の第
1、第2入力ポートA21、B21を内部で連通せず、
それぞれ独立して外部配管と接続できるようにしてい
る。また、切換弁108、109は、たとえばパイロッ
ト圧にシリンダ室121の圧力等を用い、加圧時と非加
圧時との切換が行われるようにしたものでもよいし、あ
るいは圧力センサでシリンダ室121の圧力を検出し、
この検出した値に基づいて電気的に切換られるように構
成したものでもよい。
【0048】このようなものであれば、図15、図16
のもの同様、駆動用ポンプ100の容量が小さくても、
非加圧時には、変圧機構101により、大流量を発生さ
せることができ、ロッド122を効率よく移動させるこ
とができる。なお、本発明は、以上説明した実施例に限
定されるものではない。例えば、アクチュエータとし
て、シリンダに限らず、液圧式のモータや遥動モータな
どを適用しても上述と同様の作用効果を奏するものであ
る。変圧機構の構成は上述のものに限られず、液圧回路
構成も種々の変形が可能である。また、変圧機構をシリ
ンダに一体的に取り付けてもよい。このようにすれば、
出力経路に相当する配管を内部配管として外部配管を不
要にでき、高圧用の配管をなくすことができる。
【0049】その他、本発明は上述した図示例に限られ
ず本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であ
る。
【0050】
【発明の効果】以上に詳述したように本発明によれば、
変圧機構の作動が回転を利用した連続的なものであるた
め、小型化しても回転数を上昇させることにより十分な
吐出量の確保が可能で、しかも脈動の小さい高品質な二
次作動液を得ることができる。また、液圧源の一次作動
液のみを作動源として作動するため、駆動源として一個
の液圧源のみがあればよく、他に駆動源を必要としな
い。すなわち、装置全体として小型化でき、騒音や故障
を低減させることも可能になる。また、配管あるいはバ
ルブ等の周辺機器を、アクチュエータ直前の部分のもの
のみ高圧用のものにし、他の部分全てにおいては、低圧
用のものを使用することができるので、低価格化にも寄
与できる。
【0051】また、変圧機構がアクチュエータに一体的
に取り付けられていれば、高圧用の配管をなくすことが
できる。特に変圧機構の基本構成が、環状に配置された
複数の第1空間の容積を、2つの相対運動部材の相対位
置変化を利用することによって、それぞれ位相をずらせ
て周期的に連続して増減させる第1容積増減機構と、前
記2つの相対運動部材を共有しかつそれらの相対位置変
化を利用することによって、環状に配置された複数の第
2空間の容積を、それぞれ位相をずらせて周期的に連続
して増減させる第2容積増減機構と、前記第1空間のう
ち容積が増大しつつある空間に連通する第1入力ポート
と、前記第1空間のうち減少しつつある空間に連通する
第1出力ポートと、前記第2空間のうち容積が増大しつ
つある空間に連通する第2入力ポートと、前記第2空間
のうち減少しつつある空間に連通する第2出力ポートと
を備え、一周期間の前記第1空間の増減容積が前記第2
空間の増減容積より大となるように構成したものであれ
ば、第1入出力ポートと第2入出力ポートとを独立分離
でき、電気回路におけるトランスと同様の作用を営ませ
ることが可能となるため、これらを分離することで後述
する種々の液圧回路を有した特長あるアクチュエータ駆
動装置を実現することが可能になる。
【0052】また液圧回路が、基本構成として、前記加
圧時において、変圧機構の第1入力ポートと液圧源とを
連通させる入力回路と、第2出力ポートをアクチュエー
タに連通させる出力回路とを少なくとも有するものであ
り、これに加えて入力回路と出力回路とを連通する中間
経路を設け、この中間経路上に出力回路から入力回路へ
の作動液の流入を阻止する逆止弁を設けているものであ
れば、液圧源からの一次作動液を利用して、非加圧時で
のアクチュエータの作動速度を増大させることができ、
動作を高速化できる。特に入力回路が、変圧機構の第1
入力ポート及び第2入力ポートと液圧源とを連通させる
入力経路と、この入力経路上に設けられた絞り弁または
液圧源側の作動液圧力が所定圧以上になった時にのみ開
成するシーケンス弁とを具備しているものであれば、非
加圧時での変圧機構に流入する一次作動液を減少又は0
にし、変圧機構における流量ロスを低減して、有効にア
クチュエータを移動させることができる。
【0053】出力回路が、変圧機構の第2出力ポートを
アクチュエータに連通させる出力経路と、第1出力ポー
トをタンクと出力経路との何れかに切換可能に連通する
切換弁を具備し、この切換弁が、加圧時において前記第
1出力ポートをタンクに連通させ、非加圧時においては
前記第1出力ポートを出力経路に連通させるように構成
されたものであれば、非加圧時において、液圧源から吐
出された作動液の全てを、変換機構を介してロスなくア
クチュエータに導入でき、アクチュエータの作動速度を
より増大させることができる。また、変圧機構が、非加
圧時においても加圧時においても常時回転することにな
るため、非加圧時から加圧時への切換時に、この回転の
慣性を利用してアクチュエータ内を応答性良く昇圧でき
る。
【0054】入力回路が、非加圧時に変圧機構の第1入
力ポートをタンクに連通させるとともに第2入力ポート
を液圧源に連通させ、加圧時に第1入力ポート及び第2
入力ポートと液圧源とを連通させる第1切換弁を具備
し、出力回路が、非加圧時に第1出力ポート及び第2出
力ポートとアクチュエータとを連通させるとともに、加
圧時に第1出力ポートとタンクとを連通させるととも
に、第2出力ポートをアクチュエータに連通させる第2
切換弁とを具備したものや、入力回路が、非加圧時に変
圧機構の第1入力ポートをタンクに連通させるとともに
第2入力ポートを液圧源に連通させ、加圧時に第1入力
ポートを液圧源に連通させるとともに第2入力ポートを
タンクに連通させる第1切換弁を具備し、出力回路が、
非加圧時に第1出力ポートをアクチュエータに連通させ
るとともに第2出力ポートをタンクに連通させ、加圧時
に第1出力ポートをタンクに連通させるとともに第2出
力ポートをアクチュエータに連通させる第2切換弁とを
具備したものであれば、第2容積増減機構によって第1
容積増減機構が駆動され、この第1容積増減機構がポン
プ作用を営むことになるため、変圧機構が流量増大機能
を発揮することになる。したがって小容量の液圧源でも
非加圧時におけるアクチュエータの作動速度をより増大
させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すアクチュエータ駆動装
置の全体概略構成図。
【図2】同実施例の変圧機構の縦断面図(図3のI−I
線断面図)。
【図3】図2におけるII−II線断面図。
【図4】図2におけるIII−III線断面図。
【図5】軸2の図3におけるIV−IV線断面図。
【図6】軸2の図3におけるV−V線断面図。
【図7】本実施例による変圧機構の簡略図。
【図8】動作原理を説明する図。
【図9】動作原理を説明する図。
【図10】本発明の第1変形例を示すアクチュエータ駆
動装置の全体概略構成図。
【図11】本発明の第2変形例を示すアクチュエータ駆
動装置の全体概略構成図。
【図12】本発明の第3変形例を示すアクチュエータ駆
動装置の全体概略構成図。
【図13】本発明の第4変形例を示すアクチュエータ駆
動装置の全体概略構成図。
【図14】同第4変形例の作動説明図。
【図15】本発明の第5変形例を示すアクチュエータ駆
動装置の全体概略構成図。
【図16】同第5変形例の作動説明図。
【図17】本発明の第5変形例を示すアクチュエータ駆
動装置の全体概略構成図。
【図18】同第5変形例の作動説明図。
【符号の説明】
1…一方の相対運動部材(ケーシング) 3…他方の相対運動部材(シリンダブロック) 8…第1空間 9…第2空間 81、91…容積が増大しつつある空間 82、92…容積が減少しつつある空間 A21…第1入力ポート B21…第2入力ポート A31…第1出力ポート B31…第2出力ポート Y1…第1容積増減機構 Y2…第2容積増減機構 100…液圧源(駆動用ポンプ) 101…変圧機構 102…アクチュエータ(シリンダ) 121…シリンダ室 103…液圧回路 131…入力回路 131a…入力経路 132…出力回路 132a…出力経路 133…中間経路 104…逆止弁 105…絞り弁 106…シーケンス弁 107…切換弁 108…第1切換弁 109…第2切換弁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液圧源と、この液圧源より吐出された一次
    作動液により駆動されこの一次作動液とは圧力の異なる
    二次作動液を吐出可能な変圧機構と、アクチュエータに
    所定以上の負荷が作用する加圧時において、この変圧機
    構から吐出された二次作動液をアクチュエータに導き該
    アクチュエータを駆動するための液圧回路とを具備し、
    前記変圧機構が、回転を利用して連続的に変圧動作可能
    なものであることを特徴とするアクチュエータ駆動機
    構。
  2. 【請求項2】変圧機構が、環状に配置された複数の第1
    空間の容積を、2つの相対運動部材の相対位置変化を利
    用することによって、それぞれ位相をずらせて周期的に
    連続して増減させる第1容積増減機構と、前記2つの相
    対運動部材を共有しかつそれらの相対位置変化を利用す
    ることによって、環状に配置された複数の第2空間の容
    積を、それぞれ位相をずらせて周期的に連続して増減さ
    せる第2容積増減機構と、前記第1空間のうち容積が増
    大しつつある空間に連通する第1入力ポートと、前記第
    1空間のうち減少しつつある空間に連通する第1出力ポ
    ートと、前記第2空間のうち容積が増大しつつある空間
    に連通する第2入力ポートと、前記第2空間のうち減少
    しつつある空間に連通する第2出力ポートとを備え、一
    周期間の前記第1空間の増減容積が前記第2空間の増減
    容積より大となるように構成したものであり、 液圧回路が、前記加圧時において、変圧機構の第1入力
    ポートと液圧源とを連通させる入力回路と、第2出力ポ
    ートを前記アクチュエータに連通させる出力回路とを少
    なくとも具備したものであることを特徴とする請求項1
    記載のアクチュエータ駆動機構。
  3. 【請求項3】入力回路と出力回路とを連通する中間経路
    を設け、この中間経路上に出力回路から入力回路への作
    動液の流入を阻止する逆止弁を設けていることを特徴と
    する請求項2記載のアクチュエータ駆動機構。
  4. 【請求項4】入力回路が、変圧機構の第1入力ポート及
    び第2入力ポートを液圧源に連通させる入力経路と、こ
    の入力経路上に設けられた絞り弁または加圧時にのみ開
    成する加圧時開成弁とを具備していることを特徴とする
    請求項2記載のアクチュエータ駆動機構。
  5. 【請求項5】出力回路が、変圧機構の第2出力ポートを
    前記アクチュエータに連通させる出力経路と、第1出力
    ポートをタンクと出力経路との何れかに切換可能に連通
    する切換弁を具備し、この切換弁が、加圧時において前
    記第1出力ポートをタンクに連通させ、非加圧時におい
    て前記第1出力ポートを出力経路に連通させるように構
    成されたものであることを特徴とする請求項2記載のア
    クチュエータ駆動機構。
  6. 【請求項6】入力回路が、非加圧時に変圧機構の第1入
    力ポートをタンクに連通させるとともに第2入力ポート
    を液圧源に連通させ、加圧時に第1入力ポート及び第2
    入力ポートを液圧源に連通させる第1切換弁を具備し、
    出力回路が、非加圧時に第1出力ポート及び第2出力ポ
    ートを前記アクチュエータに連通させ、加圧時に第1出
    力ポートをタンクに連通させるとともに第2出力ポート
    をアクチュエータに連通させる第2切換弁を具備したも
    のであることを特徴とする請求項2記載のアクチュエー
    タ駆動機構。
  7. 【請求項7】入力回路が、非加圧時に変圧機構の第1入
    力ポートをタンクに連通させるとともに第2入力ポート
    を液圧源に連通させ、加圧時に第1入力ポートを液圧源
    に連通させるとともに第2入力ポートをタンクに連通さ
    せる第1切換弁を具備し、出力回路が、非加圧時に第1
    出力ポートをアクチュエータに連通させるとともに第2
    出力ポートをタンクに連通させ、加圧時に第1出力ポー
    トをタンクに連通させるとともに第2出力ポートをアク
    チュエータに連通させる第2切換弁とを具備したもので
    あることを特徴とする請求項2記載のアクチュエータ駆
    動機構。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007298073A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Hokuto Kenki Service Kk 油圧駆動装置及び同装置を備えた挟み処理装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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