JPH1126966A - 大面積放熱基板及びその製造方法 - Google Patents

大面積放熱基板及びその製造方法

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JPH1126966A
JPH1126966A JP18204397A JP18204397A JPH1126966A JP H1126966 A JPH1126966 A JP H1126966A JP 18204397 A JP18204397 A JP 18204397A JP 18204397 A JP18204397 A JP 18204397A JP H1126966 A JPH1126966 A JP H1126966A
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board
heat dissipation
area
heat
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JP18204397A
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Tadashi Arikawa
正 有川
Seishi Asai
清史 浅井
Akira Ichida
晃 市田
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Original Assignee
Tokyo Tungsten Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
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    • H05K1/05Insulated conductive substrates, e.g. insulated metal substrate

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 要求される特性を満たすとともに,大面積で
高い信頼性を有するパワー半導体装置を形成することが
できる放熱基板を提供すること。 【解決手段】 パワー半導体装置に用いられ,複数の半
導体素子を搭載する大面積放熱基板において,前記放熱
基板は,銅・モリブデンの単層複合材から成る。この放
熱基板は,常温(室温)から200℃までの温度領域
で,200W/m・K以上の熱伝導率と,12×10-6
/K以下の熱膨張係数を有する。また,この放熱基板
は,反りが100μm以下で残留歪の少ない工程により
作られる事で,高い信頼性を有する装置を構成する事が
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,金属酸化物半導体
電界効果型トランジスタ(MOSFET),IGBT等
のパワー半導体に用いられる大面積放熱基板とその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から,半導体は広く用いられてお
り,特に熱を発生するMOSFET,IGBT等を含む
所謂パワー半導体は幅広く用いられている。また,家庭
用から産業用機器へと広がっている上,電車,及びハイ
ブリッド車含む自動車へパワー増大とサイズ増大の傾向
が顕著になっており発生熱量の増大も必然になりつつあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】数百アンペアも流すパ
ワー半導体は,従来の所謂パソコン等に用いられるMP
U(マイクロプロセッサユニット)の構成材料及び構造
の設計とは趣をかなり異にしており,実質的に発生する
熱量も数キロワットに相当する事もある。又サイズもM
PUではおおよそ2.2〜25cm2 程度であったもの
が,例えば,凡そ98〜375cm2 程度という10倍
以上の面積になっている。それ故,前述のパワー半導体
は,振動,湿度,温度,及び強度等の苛酷な条件下で用
いられる事が多く,見掛上クラックや剥離が発生してい
ない様に見えても,より厳しい環境下で,何度もくりか
えし使用するとクラック等発生し寿命となる。さらに,
パワー半導体においては,MPUよりかなりこれらに対
する信頼性要求は厳しく,特に大面積にも拘らず基板の
反り等による変形や,クラック等の発生に対し,ヒート
サイクルのパラメーターで示せば数百回〜千回以上の寿
命試験をクリアーしなければならない。したがって,従
来かなりの出力(10〜50W)や厳しい環境での寿命
試験に耐えた放熱基板も,例えば,100〜400cm
2 程にもなる大面積の放熱基板での反りや,放熱基板に
複数の半導体素子を搭載しての発生熱による構成部材間
の熱膨張のミスマッチやこれらに起因する応力歪による
クラックや剥離が発生する。このように,実用上の面積
の差は,重大な技術課題そのものである。
【0004】また,パワー半導体の放熱基板において,
熱伝導は少なくとも200W/m・K以上より好ましく
は230W/m・K以上あって,熱膨張が程々小さく,
しかも銅材よりは充分強度の大きい必要がある。さら
に,大切な事は,発生によっても材質の熱伝導が実用上
害になる程低下しない事である。
【0005】一方,一般に金属製の放熱材料では,サイ
ズを大きくすればする程,素材の特性異方性が顕著とな
ってくるという問題がある。ここで,本発明等は,銅と
モリブデンを充分よく粉末混合・焼結・圧延して成る単
層複合材で,この単層複合材はバルク全体としてはかな
りの均一さがあり,特性異方性も大きくないものを開発
研究してきている。その単層複合材は,空孔がない上,
焼結助材を含ませずとも熱伝導率及び熱膨張係数が,銅
とモリブデンの混合比から規定されるその値に極めてよ
く近似しており,半導体素子を搭載する装置の放熱基板
に有効に用いる事ができると推測される。しかしなが
ら,一般的な板材圧延をそのままでは,特性異方性をゼ
ロにする事は経済的に困難である。例えば,クロス圧延
すれば圧延のワークロールでサイズが律促される上,圧
延により内部に応力歪を残さずに仕上げる事は不可能で
ある。それ故,大面積で高い信頼性を有するパワー半導
体装置を形成する放熱基板とするには,先の単層複合材
では不充分で,接合の形状や,接合剤を変更しても,そ
の放熱基板を得ることはできなかった。
【0006】また,一方向の長さが200mm以上で反
り200μmの板材は作る事は可能である。しかし,ア
ニール,めっき等の表面処理の工程の中で残留応力歪に
より反りが増大する事があっては不都合である。実質的
に残留応力歪の無い事か,極力小さくした大面積のパワ
ー半導体装置に組みこまれる放熱基板は,今大きく求め
られつつあるものである。
【0007】そして,さらに又このパワー半導体装置に
用いられる放熱基板には,下記の性能を充分満たす材料
が要求されている。
【0008】まず,熱伝導率200W/m・K RT
〜200℃,望ましくは230W/m・K,少なくと
も温度上昇と共に,最も望ましくは300W/m・K以
上があれば,なお良いが,このままでは,例えば,Cu
(=370W/m・K)では熱膨張16〜17×10-6
/Kであり,ヤング率も低く(13×103 kgf/m
2 )実用上クラック・剥離も生じる上,熱膨張係数,
ヤング率が,この放熱基板に搭載あるいは周辺部材と違
いが大きすぎ,信頼性を確保するための構成を案出する
のは無理である。ここで,半導体素子を搭載する部材
は,多くの場合Cu/Al2 3 /Cu,Cu/AlN
/Cu,AlN,Al2 3 等が主となっている。少な
くとも放熱性を律促し,市場で実用に供し得るもののう
ち最も高い熱伝導率である200W/m・Kを有するA
lNより熱伝導性が良い事が必須である。又軽量で高熱
伝導と言われているAl/SiC複合材料では,120
〜150℃程まで熱をもつとおよそ2割程熱伝導が低下
してしまう。また,溶侵プロセスで市販されているもの
は常温で200W/m・Kであるものが120℃で16
0W/m・Kに低下するため,実用上では充分満足でき
るものではない。
【0009】次に,熱膨張係数については,12×10
-6/K以下望ましくは9×10-6/K以下である。最も
他部材と拘束関係や反り等により影響を支配する部材
が,セラミックと言える。この点だけから言えば,7〜
8×10-6/Kが最も望ましいが,9×10-6/K以下
であれば,従来のいくつかの応力緩和の構成方法を考慮
すれば充分である。しかも又先述した,半導体素子搭載
が銅貼りセラミック積層基板で構成していれば12×1
-6/K以下でも可能である。
【0010】更に,ヤング率に関しては,パワー半導体
装置の,所謂構造体の一翼を担う事から,その装置の保
護ができる事が大切である。従来からあるパワー半導体
装置の放熱板は銅で行なえてきた。しかし,パワー半導
体装置はそのパワーの大きい事ゆえに100〜150℃
程度まで温度の上がる事が考えられる為,少なくとも銅
を含む材料としては,銅より充分強度のある事が望まし
い。純銅の特性では,150℃を越えると,著しく引張
強さの低下する事が判っており,ヤング率も引張強さと
似た挙動を示す事から概ね15〜16×103 kgf/
mm2 以上のヤング率を示す事が望ましいと想定され
る。
【0011】上述した様に銅では,不可能である事が明
らかであるが,市販のヒートシンク材料に近年注目をあ
びているAl/SiC複合材料がある。このAl/Si
C複合材料は,軽量で安価な事からハイブリッド自動車
用放熱基板としても検討されている。しかし,この材料
は常温で200W/m・Kあるものの150℃で160
W/m・K程度に熱伝導率が低下するため本質的な弱点
を有している。
【0012】そこで,本発明の一つの技術的課題は,上
記諸性能を有するとともに,大面積で高い信頼性を有す
るパワー半導体装置を形成することができる大面積放熱
基板を提供することにある。
【0013】また,本発明の他の技術的課題は,前記大
面積放熱基板を用いたパワー半導体装置を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,複数の
半導体素子を搭載する大面積放熱基板を具備するパワー
半導体装置を,実使用における基板と搭載部品との剥
離,クラックに対し高い信頼性にて構築する事ができ
る。
【0015】即ち,本発明によれば,パワー半導体装置
に用いられ,複数の半導体素子を搭載する大面積放熱基
板において,前記放熱基板は,銅・モリブデンの単層複
合材から成り,常温(室温)から200℃までの温度領
域で,200W/m・K以上の熱伝導率と,12×10
-6/K以下の熱膨張係数を有し,前記放熱基板は,反り
が,100μm以下で残留歪の少ない工程により作られ
る事で,高い信頼性を有する装置を構成する事のできる
ことを特徴とする大面積放熱基板が得られる。
【0016】また,本発明によれば,前記大面積放熱基
板において,前記放熱基板は,常温(室温)から200
℃までの温度領域で230W/m・K以上の熱伝導率を
有することを特徴とする大面積放熱基板が得られる。
【0017】また,本発明によれば,前記大面積放熱基
板において,前記放熱基板は,常温(室温)から200
℃までの温度領域で9×10-6/K以下の熱膨張係数と
を有することを特徴とする大面積放熱基板が得られる。
【0018】また,本発明によれば,前記いずれかの大
面積放熱基板において,前記大面積放熱基板は,当該放
熱基板の盤面方向の特性異方性を有し,前記盤面方向の
特性異方性として,熱伝導率の縦,横の差が12%以
下,熱膨張係数の縦,横の差が8%以下である事を特徴
とする大面積放熱基板が得られる。
【0019】また,本発明によれば,前記大面積放熱基
板を製造する方法であって,銅粉とモリブデン粉とを充
分混合した後,3〜14mmの厚みの範囲で冷間静水圧
成形(CIP)し,所定の焼結温度で処理した後,急冷
し,加工度を25〜40%に抑制して圧延を行ない,盤
面方向の特性異方性を抑えた大面積放熱基板を得ること
を特徴とする大面積の放熱基板の製造方法が得られる。
【0020】また,本発明によれば,前記大面積放熱基
板を製造する方法であって,銅粉とモリブデン粉とを充
分混合した後,4.5〜20mmの厚みの範囲でプレス
成形し,所定の焼結温度で処理した後,急冷し,50%
以上の加工度により鍛造処理して,盤面方向の特性異方
性を抑えた大面積放熱基板を得ることを特徴とする大面
積放熱基板の製造方法が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て,図面を参照して説明する。
【0022】まず,本発明による大面積放熱基板におけ
る発明の過程について説明する。
【0023】下記表1に,各種放熱基板材料の特性一覧
(当社カタログ)を示したが,ここで言う板材の製品名
RCM材が前述した銅,モリブデン単層複合材料であ
る。前述した通り我々は,放熱基板材料として,銅・モ
リブデン単層複合材を研究・開発してきており,実用的
に用いられている。
【0024】従来の圧延工程を通るTT−RCMR (登
録商標)材の内,下記表1に示した中のRCM40,R
CM50,及びRCM60が,放熱基板として用いるに
は,熱伝導率,熱膨張係数の点から充分であり,剛性も
充分であった。しかし,特性異方性が大きいことが判明
した。
【0025】
【表1】
【0026】具体的に説明すれば,大面積の放熱基板に
なると,下記表2の従来品に示す様な,特性異方性がさ
けられず,信頼性欠如の主因となっている。しかも又圧
延によるくりかえしの加工−それは線接触で圧下される
事による応力歪が大きく入る為アニールによっても除去
できず反る事の大きい欠点もある。
【0027】所望する特性が得られるかぎり,これらの
欠点を容認して圧延工程を削除あるいは少なくすれば良
い。しかし,大面積板材料でこれを行なえば均一な厚み
の板にならず,圧延で割れたり,焼結での銅の揺れ(不
均一化)を発生させ,以後の品質のバラツキを生じさせ
る。
【0028】
【表2】
【0029】ところで,通常粉末のプレス成形は,金型
プレスか,所望形状のラバーケースに原料粉を充填した
ものを冷間静水圧プレス(CIP)処理している。
【0030】本発明においては,このプレス成形を用い
ている。ここで,本発明において大切なのは,薄いプレ
ス体を形状の良いものとする事である。本発明において
は,所望の厚み設定用サイド棒で囲まれた空間に,薄い
樹脂フィルム(袋)に所定の銅・モリブデン混合粉を入
れ,しごき棒によりフィルム内の粉末を所望の形状に整
え,この上下に鉄板を挟みこませるように配し,全体を
ゴムケースに入れCIPする事で,プレス体で3〜14
mmの厚みであれば,大面積の形状にし得る事が判明し
た。尚,これより薄いとプレス圧を3TON/cm2
上にしなければならず,フィルムの粉への食いこみやC
IPの装置としての標準的仕様・およそ2TON/cm
2 以内の操作を困難にする事と,又一方厚み14mm以
上にした場合,焼結での銅の揺れが抑えきれなく不具合
が生じるからである。
【0031】本発明においては,このCIP体を焼結す
ると従来の方法よりはるかに形状精度が良い事が判明
し,銅の揺れが少なく良好な板が得られる上,およそ必
要な放熱基板の厚みは2〜5mmであり,既述の方法で
良好なCIP体から作られる放熱基板の板厚製造可能範
囲が1.4〜10.0mmである事から充分実用的な方
法が開発できたと言える。
【0032】しかも又この素材の圧延加工度は,図1に
示すように,プレス体の密度が従来の95%程度から,
およそ98%近くなる事から,加工度25〜45%の範
囲で処理する事で,ヒートシンクに必要なリークディテ
クターによる気密試験で10×-13 Torrレベルに達
する所の密度99.3%以上にし得る上,特性異方性を
大幅に改善する事ができる事が判明した。しかも又この
レベル(ポアのない緻密化した)ではめっきは充分安定
に施す事ができる。
【0033】一方,上記以外の特性異方性が少なく,加
工での応力歪が少ない加工方法としては,鍛造加工があ
る。大面積板が必要である事から基本的に自由鍛造にな
るが,上下面のバラツキ,潤活剤(金型への)による汚
染,および加工度を必要以上に上げると操作もやっかい
になるし,再加熱の必要のでる事もあり,コスト高にな
る事がさけられない。
【0034】先に述べた通りRCM材での銅量は,実質
的に35〜60wt%のモリブデンとの単層複合材に限
って鍛造条件が合う様に設定できればよい訳で,本発明
者らは,鋭意試行を重ねた。その結果,銅量35〜60
wt%の範囲において,予備加熱を900〜960℃と
し,1回の鍛造加工毎に表面の酸化物(スス)を空圧に
より除去しつつ一般に用いられる潤活剤も,極めて薄
く,凡そ20〜30倍程に水でうすめる事で型とのすべ
りも良く表面汚染層の殆んどないものが得られた(日本
アチソン製 デルタフォージ#31)。
【0035】ここで,銅量が35wt%未満では,加熱
温度を上げねばならず,ススが急増する事,および必然
的に外表皮の侵炭汚染層等生成するため適切でない。
【0036】さらに又加工度も,圧延プロセスと同様充
分特性が出る範囲でしかも過剰加工しない事も大切であ
り,素板厚4.5〜20mmの範囲で50%以上の加工
度を施せば,先述同様の性能を有する大面積放熱基板を
得る事が判った。尚,鍛造方法は,特性異方性について
は,圧延プロセスよりも優れているが,板厚精度が保た
れにくく,ラップ工程が必須の製品へは,それなりの厚
み調整の為の切削加工等が要る。又最終板厚が3mm以
下の場合,加工度を70%以上行なうと,外周のワレ等
発生が増大するという欠点も合せ持っている。
【0037】以下,本発明の実施の形態による大面積放
熱基板の製造の具体例について説明する。
【0038】(本発明例1)市販の銅粉とモリブデン粉
を4:6の重量比で調整し,アルコール湿式にて充分良
く混合した後,乾燥完粉したものを用意する。ポリエチ
レンフィルムで出来た袋に充分余裕をって充てんし,幅
方向にはプレス体の厚み設定棒を,又しごき方向には,
所謂ゲート兼厚み設定用として同様の形状の堰(せき)
をセットし,丸棒によりこれら棒等で囲まれた薄い空間
にしごきながら形状を整える。
【0039】次に,上下に鉄板を配したまま,全体をゴ
ムケースに入れ,厚み11mmのプレス体を1.8TO
N/cm2 の圧力で成形した。プレス体を取り出し,1
200℃にて焼結した後,100℃以下程の炉内ゾーン
にて急冷する。ついで約900〜1000℃に水素中に
て予備加熱されたものを熱間圧延により,4mm程にし
た後,表面の染れを除去し,冷間圧延により,3.1m
mに仕上げた本発明品Aを得た。アニールを900℃,
20分行なった。得られた製品のサイズは,厚み3.1
mm×150mm×250mmで反りは75μmであっ
た。
【0040】若干の表面研磨あるいはブラストにより地
金を出した後,従来の方法によりNi下地,続いて,N
i上地の湿式めっきを施こし仕上げた。仕上げ品の物性
は,上記表2に示す通り所望の物性を有している他,従
来品より異方性の大幅に少ない良好な放熱基板が得られ
た。
【0041】尚,本発明の例1では,銅とモリブデンと
の比を4:6にしたが,35:65にしても良い。この
場合,熱伝導率は,203W/m・Kに低下するものの
熱膨張率が8.1×10-6/Kとなり,本発明で求める
パワー半導体装置の放熱性としては,下限に近く,しか
も又熱膨張率も低下の方向にあるため,剥離,クラック
等に対する信頼性はむしろ向上する。放熱と膨張の相互
のマッチングから言えば,銅量としては,下限と言え
る。
【0042】図2は本発明の実施の形態による大面積の
放熱板の温度と熱伝導率との関係を示す図である。図2
に示すように,この銅モリブデン単層複合材は,少なく
とも室温から200℃までに,おいて,殆ど熱伝導率の
低下は見られず大面積の放熱板が必要となるパワー半導
体において,パワー半導体装置の温度が,100℃以
上,時として150℃程度に上昇しても充分機能を発揮
することができることが判る。
【0043】(本発明例2)本発明例と同様の手順でで
きた乾燥完粉を金型プレスにより厚さ5mmに成形した
後,本発明例1と同一条件で焼結急冷した。自由鍛造は
1000TONのものを利用し,前述の水系離型剤をス
プレーで金型に鍛造毎に吹き付け,およそ55%の加工
度により厚さ2.1mm×70mm×140mmのサイ
ズに仕上げた。アニール後の反りは35μmであった。
これを本発明品Bとした。諸特性は以下の通りであっ
た。まず,熱膨張係数は,9.4×10-6/Kでその異
方性は,0.1×10-6/Kであり,熱伝導率は,20
0W/m・K,異方性は,10W/m・Kであった。測
定精度を考えると,これらの異方向性は殆どないものと
言える。また,ヤング率は,200GPaであった。こ
のように,熱伝導率は,丁度本発明例1で示したものと
同様に200W/m・Kになり,熱膨張率は,9.4×
10-6となり,剥離クラックの不安は増すことになっ
た。しかし,実際には,組み立て後の熱サイクルにも耐
え,この事が熱膨張の異方性が0.1×10-6/Kへと
大幅に改善されている為と考え,事実耐久的には,極め
て充分なレベルであった(ヒートサイクルでは,100
0回を充分に越えていた。)。
【0044】また,圧延材も鍛造材もポアは見られず,
又既述した放熱基板としての諸特性もクリアーした。し
かも又従来のサイズ(面積)よりも大幅に大きいにも拘
らず反りも小さく,大面積の放熱基板を有する変形,剥
離,ワレに対して高い信頼性のパワー半導体装置に構成
し得る事が確認できた。
【0045】(比較例1)本発明例1と同じ組成で調整
し,金型プレスにて,2.5TON/cm2 の圧力で成
形した。焼結,圧延,アニールを本発明例1と同様に行
って,厚み3.0mm×150mm×250mmの板を
得,物性を測定した。その結果,熱膨張係数は,8.7
×10-6/Kでその異方性は,1.6×10-6/Kであ
り,熱伝導率234W/m・Kでその異方性は,30W
/m・Kであった。本発明例1と同じ構成のパワー基板
を組み立てたところ,本発明例1のヒートサイクル寿命
は,500回を越えても充分性能を保ったが,比較例1
の場合,170回で急激な劣化が起き,少なくとも30
0回以上のヒートサイクルが求められるにも拘らず,期
待するものは得られなかった。
【0046】(比較例2)本発明例1と同様の作製方法
にて,銅とモリブデンを組成比をCu:Mo=63:3
7にして作製した場合,厚み4.4mmの板での熱膨張
異方性が0.4×10-6/Kに抑えられたにも拘らず,
250mm板長手方向の伸びが本発明例1よりも大き
く,凡そ320μm見込まれる。実際に組み立てた所,
例えば,基板温度が上昇するなど,組立て後の熱特性が
悪く,200回程度のヒートサイクルで,材料の熱伝導
が凡そ299W/m・Kあるにも拘らず,解体調査した
所,銅貼りAlN基板(素子を搭載した複数個の内の1
ケの半導体素子)が放熱基板から部分的に剥離し始めて
おり,耐久性,即ち,信頼性評価の継続が困難であるこ
とが判った。即ち,パワー半導体としては,信頼性が充
分ではなかった。
【0047】以上の結果から,熱膨張の上限は,12×
10-6/と見込める。但し,搭載する部品の種類,数に
もよるため,より信頼を求めるには,その上限は,9×
10-6/Kとするのが好ましい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
要求される特性を満たすとともに,大面積で高い信頼性
を有するパワー半導体装置を形成することができる放熱
基板とその製造方法とを提供することができる。
【0049】また,本発明によれば,前記放熱基板を用
いたパワー半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による大面積放熱基板の加
工度と密度との関係を示す図であり,比較の為に従来技
術による放熱基板の特性も示している。
【図2】本発明の実施の形態による大面積放熱基板の温
度と熱伝導率との関係を示す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パワー半導体装置に用いられ,複数の半
    導体素子を搭載する大面積放熱基板において,前記放熱
    基板は,銅・モリブデンの単層複合材から成り,常温
    (室温)から200℃までの温度領域で,200W/m
    ・K以上の熱伝導率と,12×10-6/K以下の熱膨張
    係数を有し,前記放熱基板は,反りが100μm以下で
    残留歪の少ない工程により作られる事で,高い信頼性を
    有する装置を構成する事のできることを特徴とする大面
    積放熱基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の大面積放熱基板におい
    て,前記放熱基板は,常温(室温)から200℃までの
    温度領域で230W/m・K以上の熱伝導率を備えてい
    ることを特徴とする大面積放熱基板。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の大面積放熱基板におい
    て,前記放熱基板は,9×10-6/K以下の熱膨張係数
    を有することを特徴とする大面積放熱基板。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれかに記載の
    大面積放熱基板において,前記大面積放熱基板は,当該
    放熱基板の盤面方向の特性異方性を有し,前記盤面方向
    の特性異方性として,熱伝導率の縦,横の差が12%以
    下,熱膨張係数の縦,横の差が8%以下である事を特徴
    とする大面積放熱基板。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の内のいずれかに記載の
    大面積放熱基板に複数のパワー半導体素子を搭載したこ
    とを特徴とするパワー半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の大面積放熱基板を製造す
    る方法であって,銅粉とモリブデン粉とを充分混合した
    後,3〜14mmの厚みの範囲で冷間静水圧プレス成形
    (CIP)し,所定の焼結温度で処理した後,急冷し,
    加工度を25〜40%に抑制して圧延を行ない,盤面方
    向の特性異方性を抑えた大面積放熱基板を得ることを特
    徴とする大面積放熱基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の大面積放熱基板を製造す
    る方法であって,銅粉とモリブデン粉とを充分混合した
    後,4.5〜20mmの厚みの範囲でプレス成形し,所
    定の焼結温度で処理した後,急冷し,50%以上の加工
    度による鍛造処理して,盤面方向の特性異方性を抑えた
    大面積放熱基板を得ることを特徴とする大面積放熱基板
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7180176B2 (en) 2001-08-23 2007-02-20 Dowa Mining Co., Ltd. Radiation plate and power semiconductor module IC package
WO2016088687A1 (ja) * 2014-12-05 2016-06-09 株式会社半導体熱研究所 放熱基板及び該放熱基板の製造方法

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