JPH11269612A - 粗製硫酸用ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents

粗製硫酸用ステンレス鋼およびその製造方法

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JPH11269612A
JPH11269612A JP10070983A JP7098398A JPH11269612A JP H11269612 A JPH11269612 A JP H11269612A JP 10070983 A JP10070983 A JP 10070983A JP 7098398 A JP7098398 A JP 7098398A JP H11269612 A JPH11269612 A JP H11269612A
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sulfuric acid
less
stainless steel
crude
corrosion resistance
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Akira Matsuhashi
亮 松橋
Masayuki Abe
阿部  雅之
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫酸製造プラントの耐酸レンガに代わる、広
い温度範囲で耐食性の優れた材料およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005〜0.05
%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.1〜2.0
%、P:0.04%以下、S:0.005%以下、C
r:25〜30%、Ni:6.0〜8.5%、Mo:
1.0〜3.0%、N:0.2%以下、O:50ppm
以下を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からな
り、金属組織がフェライト相とオ−ステナイト相の二相
からなることを特徴とする粗製硫酸用ステンレス鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫酸製造プラン
ト、硫酸貯蔵用タンク類、硫酸輸送用ラインバイプ類な
どの粗製硫酸を製造・貯蔵および輸送する環境で優れた
耐食性を有するステンレス鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、硫酸プラント、硫酸貯蔵用タンク
類、硫酸輸送用ラインパイプ類などの粗製硫酸を取り扱
う機器は、硫酸濃度、温度条件(常温から200℃の高
温域まで)によって耐酸レンガ、高合金ステンレス鋼、
Ni基合金、炭素鋼等が使い分けられているのが現状で
ある。これらの金属材料の耐食域については、「装置材
料耐食表」化学工業社刊(1974)に詳細に記述され
ている。すなわち、硫酸中での金属材料の腐食挙動は硫
酸濃度および温度により著しく変化するため、常温から
高温度領域までの硫酸中の腐食防止技術は、材料技術の
観点から十分検討されていなかったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】粗製硫酸は肥料製造、
化学薬品製造等に必須の化学物質である。硫酸プラント
設備の材料としては従来から耐酸レンガを使用してお
り、設備の重量は過大となっていた。硫酸プラントの設
備を軽量化し、これと硫酸製造時の反応熱などを回収す
るシステムとを組み合わせて、効率的な設備にしていく
ためには、従来の耐酸レンガに代えて広い温度範囲(常
温から200℃まで)で耐食性の優れた材料を用いて硫
酸プラント設備を構築する必要がある。
【0004】本発明は、粗製硫酸に適用可能な耐食性に
優れたステンレス鋼に関するものであり、硫酸製造プラ
ント、硫酸貯蔵タンク類、硫酸輸送ラインパイプなどの
粗製硫酸を取り扱う設備の材料として使用され、当該設
備の長寿命化・安全性・環境汚染防止などを長期にわた
って確保することを可能とするステンレス鋼を提供しよ
うとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の観点
からまず、材料がさらされる腐食環境である粗製硫酸の
成分について調査した。その結果粗製硫酸中には通常、
銅鉱石や亜鉛鉱石などに由来するものと考えられる鉄、
砒素、亜鉛、水銀、鉛および亜硫酸ガスなどの微量成分
が混入しているが、そのなかでも材料の耐食性に大きく
影響を与える物質は硫酸と鉄であると考えた。ここで分
析された鉄濃度は鉄(II)イオン濃度と鉄(III )イオ
ン濃度の総和であるが、酸化性の高い高温・高濃度の硫
酸によって、鉄(II)イオンはほとんど酸化され、実質
的には鉄(III )イオンの形で硫酸中に存在しているも
のと考えられる。各硫酸プラントで製造された粗製硫酸
中の硫酸濃度と鉄(III )イオン濃度はそれぞれ異なる
と同時に、同一の硫酸プラントでさえも硫酸濃度と鉄(I
II)イオン濃度は製造のロットごとに変動しており、本
調査の結果から粗製硫酸中の硫酸濃度はおおよそ95%
から100%、また鉄(III )イオン濃度は30ppm
以下の範囲であることが知見された。
【0006】次にステンレス鋼の耐食性に及ぼす鉄(II
I )イオン濃度の影響について検討した。図1に一例と
して種々のステンレス鋼の純硫酸(試薬特級硫酸)中と
粗製硫酸中での腐食速度を比較した結果を示す。いずれ
のステンレス鋼においても粗製硫酸中での腐食速度は純
硫酸中での腐食速度に比較して約1/100程度であ
り、粗製硫酸の腐食性は純硫酸のそれより弱いことが知
見された。この理由は、鉄(III )イオンが酸化剤とし
て働きステンレス鋼の不動態化を容易にしていることに
起因するためである。
【0007】さらに種々のステンレス鋼の粗製硫酸中で
の耐食性試験を実施した。その結果、フェライト(α)
系ステンレス鋼が耐食性が良好であるのに対し、オ−ス
テナイト(γ)系ステンレス鋼の耐食性は悪いことが判
明した。これはNiの作用によるもので、Niは酸化性
酸中ではあまり耐食的でないことが知見された。
【0008】一方で、硫酸プラントなどの大型の構造物
を建設するには優れた加工性、靱性や溶接性が要求され
るが、フェライト系ステンレス鋼ではこれらの特性は悪
く、大型の厚板構造物としては一般的に適用されていな
い。
【0009】本発明者らは、上述した「粗製硫酸中での
ステンレス鋼の耐食性」および「構造物としての硫酸プ
ラント」の両者の両立を熟考した結果、良好な耐食性を
有し、しかも加工性、靱性及び溶接性も良好となるステ
ンレス鋼材料の可能性はNi量の比較的少ないフェライ
ト/オ−ステナイト(α/γ)系の二相ステンレス鋼に
あることを知見した。
【0010】次に、粗製硫酸を用いてその温度条件を常
温から200℃まで変化させた環境中でCr量,Ni
量,Mo量およびN量を種々変化させた二相ステンレス
鋼を用いて腐食試験をおこない、腐食速度に及ぼす成分
の影響を検討した。また、別途、耐食性や機械的特性に
及ぼすフェライト相の体積分率の影響、さらにはフェラ
イト相の体積分率に及ぼす熱処理温度の影響を詳細に検
討した。その結果、新しく広い温度範囲で腐食速度が
0.12mm/y以下の優れた成分系が見出されたのであ
る。また、フェライト相の体積分率が40%未満では耐
食性が非常に劣化すること、また、フェライト相の体積
分率が60%を超える場合には、低温靱性や加工性など
が極端に劣化すること、さらに、フェライト相の体積分
率Vαと合金元素量および熱処理温度tとの間には次の
関係があることなどを知見するに至ったものである。 t=[Vα+135-(5.92×Cr)-(3.75 ×Mo)+(7.15 ×Ni)+(1
57×N)]/0.087 本発明は上記の知見に基づくものであって、その要旨と
するところは以下の通りである。
【0011】(1) 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Si:0.01〜1.0%、 Mn:0.1〜2.0%、 P :0.04%以下、 S :0.005%以下、 Cr:25〜30%、 Ni:6.0〜8.5%、 Mo:1.0〜3.0%、 N :0.2%以下、 O :50ppm以下 を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、金
属組織がフェライト相とオ−ステナイト相の二相からな
ることを特徴とする粗製硫酸用ステンレス鋼。
【0012】(2) 鋼成分として、さらに重量%で、 Ca:0.001〜0.03%、 Ce:0.001〜0.03% の1種あるいは2種を含有し、下記式を満たすことを
特徴とする前記(1)に記載の粗製硫酸用ステンレス
鋼。
【0013】 S+O−(0.8×Ca)−(0.3×Ce)>40・・・・・ 但し、S,O,Ca,Ceは各元素の鋼中含有量(pp
m)を示す。
【0014】(3) フェライト相の体積分率が40%
以上60%以下であることを特徴とする前記(1)又は
(2)に記載の粗製硫酸用ステンレス鋼。
【0015】(4) 前記(1)又は(2)に記載の成
分からなるステンレス鋼を、下記式で定まる温度t
low (℃)以上かつ下記式で定まる温度thigh(℃)
以下の温度t(℃)で熱処理することを特徴とする前記
(3)記載の粗製硫酸用ステンレス鋼の製造方法。
【0016】 tlow =[175-(5.92 ×Cr)-(3.75 ×Mo)+(7.15 ×Ni)+(157×N)]/0.087 ・・ thigh=[195-(5.92 ×Cr)-(3.75 ×Mo)+(7.15 ×Ni)+(157×N)]/0.087 ・・ 但し、Cr,Mo,Ni,Nは各元素の鋼中含有量(重量%)を示
す。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の構成用件の限定理
由を述べる。
【0018】[C量:0.005%以上0.05%以
下]Cはステンレス鋼の耐食性に有害であるが強度の観
点からある程度の含有量は必要である。0.005%未
満の極低炭素量では製造コストが高くなる。また、0.
05%を超えると耐食性を大幅に劣化させるため0.0
05%以上0.05%以下とした。
【0019】[Si量:0.01%以上1.0%以下]
ステンレス鋼の高濃度硫酸環境での耐食性はSi量約4
%までは耐食性を著しく劣化させる。Si量が4%以上
では逆に著しく耐食性を向上させる。しかし、通常のス
テンレス鋼製造工程で厚板を製造することは困難であ
る。耐食性に影響を及ぼさない範囲で熱間圧延可能な通
常のステンレス鋼の成分範囲として、Si量を1.0%
以下とした。また、Si量が0.01%未満では製造コ
ストが高くなることから0.01%以上とした。
【0020】[Mn量:0.1%以上2.0%以下]M
nはオ−ステナイト安定化元素であり、高価なNiの代
替として添加することが可能であるが、本発明で対象と
している粗製硫酸中での耐食性は、2.0%超では効果
がなく、耐食性に影響を及ぼさないMn量の上限として
2.0%以下とした。また、Mn量が0.1%未満では
製造コストが高くなることから0.1%以上とした。
【0021】[P量:0.02%以下]Pは耐食性およ
び熱間加工性の観点から少ないことが望ましい。0.0
2%を超えると熱間加工性が極端に劣化する。よって、
P量は0.02%以下とした。
【0022】[S量:0.005%以下]Sは耐食性よ
りも熱間加工性に著しく影響する元素で、その量は低い
ほど良い。そこでS量は0.005%(50ppm)以
下とした。
【0023】[Ca量およびCe量:0.001%以上
0.03%以下]Ca及びCeは溶鋼の脱酸素剤、脱硫
剤として通常0.001%以上0.03%以下の範囲で
添加される。0.03%を超えて添加しても脱酸素効果
および脱硫効果は飽和する。また、S及びOに対しては
CaとCeとの複合添加により次式で示される値が40
以下を満足するCa量及びCe量を添加することで低S
鋼中でOを固定してMnSの生成を防止し、熱間加工性
を大幅に改善する。 40>[S+O−(0.8×Ca(ppm) )−(0.3×
Ce(ppm) )] [O量50ppm以下]OもSと同じように熱間加工性
に著しく影響する元素であり、低いほど良い。Oは通常
のステンレス鋼製鋼法で得られる50ppm以下と限定
した。
【0024】[Cr量:25%以上30%以下]Crは
本発明の基本成分である。Ni,Mo,Nと共存した形
で添加される。高濃度硫酸中で良好な耐食性を得るため
にはMoと共存しても25%以上の添加が必要である。
Cr量が多いほど耐食性は向上するが30%を超えると
耐食性は飽和するとともに、製造が困難となり、経済的
にも高価となる。よって、Cr量の範囲を25%以上3
0%以下に限定した。
【0025】[Ni量:6.0%以上8.5%以下]N
iはCr,Mo,Nと共存した形で添加される。Niは
Crとともに本発明のステンレス鋼の基本成分である。
ステンレス鋼中へのNiの添加は一般に高濃度硫酸中で
の耐食性を劣化させるが、それはNi量が約8.5%超
で特に顕著であることを本発明者らは知見している(防
食技術、39,71(1990))。したがって、高濃
度硫酸中ではNi添加量は8.5%以下が良い。また、
ステンレス鋼の厚板製造を容易にするためにはある程度
のNi添加が必須であり、耐食性を損なうことなく製造
性を確保するためのNi量は6.0%以上必要である。
【0026】[Mo量:1.0%以上3.0%以下]M
oは高濃度硫酸中で良好な耐食性を確保するために必須
な元素であるが、3.0%を超えて添加すると粗製硫酸
中での耐食性、特に150℃以上の高温域での耐食性が
極端に劣化することから、上限を3.0%に限定した。
また、1.0%未満では耐食性が不十分となる。
【0027】[N量:0.2%以下]NはCr,Ni,
Moと共存した形で添加される。Nは強いオ−ステナイ
ト形成元素であり、粗製硫酸中での耐食性に影響は与え
ない。本発明のCr量25%以上30%以下、およびM
o量1.0%以上3.0%以下の範囲の安定した二相ス
テンレス鋼を得るためには0.2%以下のN量で十分で
ある。よってN量の上限を0.2%以下と限定した。
【0028】[フェライト相の体積分率:40%以上6
0%以下]二相ステンレス鋼製品板の金属組織、冶金的
性質などが最も安定となるのはフェライト相の体積分率
が50%の場合である。フェライト相の体積分率が40
%未満では、耐食性が著しく劣化し、実用に耐えない。
また、フェライト相の体積分率が60%を超えると加工
性や低温靱性、溶接性が劣化する。優れた耐食性と機械
的性質を兼ね備えたフェライト相の体積分率として40
%以上、60%以下に限定した。
【0029】[熱処理温度:t]本発明鋼のフェライト
相の体積分率を40%以上60%以下にするための熱処
理温度は、合金元素量と関係づけられる。フェライト相
の体積分率を40%にするための熱処理温度は次式にし
たがう。なお、以下の(2) 式、(3) 式におけるCr,Mo,N
i,Nは各元素の鋼中含有量(重量%)を示す。 tlow =[175-(5.92 ×Cr)-(3.75 ×Mo)+(7.15 ×Ni)+(157×N)]/0.087 ・・(2) また、フェライト相の体積分率を60%にするための熱
処理温度は次式にしたがう。 thigh=[195-(5.92 ×Cr)-(3.75 ×Mo)+(7.15 ×Ni)+(157×N)]/0.087 ・・(3) よって、フェライト相の体積分率40%以上、60%以
下を確保するための熱処理温度tは、tlow ≦t≦t
highである。なお、フェライト相の体積分率は熱処理時
間および冷却速度の影響を受けるが、本発明鋼の場合、
熱処理時間は30分から60分、冷却は水焼き入れ程度
で十分である。
【0030】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明を説明する。
表1は本発明鋼ならびに比較鋼の化学組成を示すもの
で、それぞれ電気炉AODおよび電気炉VAC法によっ
て溶解した。これらの溶鋼を連続鋳造に通常条件で鋳造
し、表面手入れ後、熱間圧延を施し、得られた熱延板を
種々の温度で熱処理後、腐食試験に供した。
【0031】
【表1】
【0032】腐食試験片には熱処理を終えた板材から2
5×25×4mmの寸法の鋼片を切り出し、全面を400
番のエメリ−紙で湿式研磨をおこなったのち、アセトン
中超音波による脱脂を約10分おこない、熱風乾燥した
ものを用いた。腐食試験はあらかじめ恒温水槽およびオ
イルパスを用いて40℃から200℃の温度に保持され
た石英ガラス製腐食試験セル内の粗製硫酸(98.8%
−硫酸/24ppm−鉄(III )イオン)中に腐食試験
片を24時間浸漬することでおこなった。所定の時間経
過後、ただちに試験片を腐食試験セルから取り出し、水
洗/熱風乾燥後、試験前後の重量差から腐食速度を算出
した。これより、25〜200℃の温度範囲で腐食速度
が0.12mm/y以下の材料を○印で、また、そうでな
い材料を×印として耐食性の判定(評価)をおこなっ
た。
【0033】表2にそれぞれの材料のtlow およびt
highの値ならびに実際の熱処理温度t(いずれも熱処理
時間1h後、水焼き入れ)、その熱処理温度で得られた
フェライト相の体積分率(フェライトインジケ−タで実
測したα相の体積分率)および25℃から200℃の粗
製硫酸中での腐食速度ならびに耐食性評価結果を示し
た。表2の腐食速度は図2に示すように、常温から20
0℃の温度範囲では2つの腐食速度が極大となる領域が
存在するが、本発明鋼は比較鋼に比べて腐食速度が40
℃から200℃の温度範囲で0.12mm/y以下であ
り、極めて優れた耐食性を有する材料であることがわか
る。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】以上に述べたように本発明鋼は、従来、
粗製硫酸中で不可能であった常温から200℃までの広
い温度範囲で腐食速度が0.12mm/y以下の性能を達
成し、かつ、現状技術で容易に厚板製造可能な上限のC
r範囲(25.0%から30.0%まで)でMo,N
i,Nと複合した適正な成分範囲を新たに発見したこと
により、従来にない優れた耐食性を示す材料を開発する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各種ステンレス鋼の純硫酸中と粗製硫酸中で
の腐食速度を比較した図である。純硫酸中には鉄(III
)イオンは存在しないが粗製硫酸中には鉄(III )イ
オンが27ppmおよび24ppm存在する。また、N
iを含んだステンレス鋼の腐食速度は高い。
【図2】 25℃から200℃の粗製硫酸中での本発明
鋼と比較鋼の腐食速度に及ぼす温度の影響を示した図で
ある。本発明鋼は25〜200℃の温度範囲で0.12
mm/y以下の優れた耐食性を示している。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Si:0.01〜1.0%、 Mn:0.1〜2.0%、 P :0.04%以下、 S :0.005%以下、 Cr:25〜30%、 Ni:6.0〜8.5%、 Mo:1.0〜3.0%、 N :0.2%以下、 O :50ppm以下 を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、金
    属組織がフェライト相とオ−ステナイト相の二相からな
    ることを特徴とする粗製硫酸用ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 鋼成分として、さらに重量%で、 Ca:0.001〜0.03%、 Ce:0.001〜0.03% の1種あるいは2種を含有し、下記(1)式を満たすこ
    とを特徴とする請求項1に記載の粗製硫酸用ステンレス
    鋼。 S+O−(0.8×Ca)−(0.3×Ce)>40・・・・・(1) 但し、S,O,Ca,Ceは各元素の鋼中含有量(pp
    m)を示す。
  3. 【請求項3】 フェライト相の体積分率が40%以上6
    0%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の粗製硫酸用ステンレス鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の成分からなるス
    テンレス鋼を、下記(2)式で定まる温度tlow (℃)
    以上かつ下記(3)式で定まる温度thigh(℃)以下の
    温度t(℃)で熱処理することを特徴とする請求項3記
    載の粗製硫酸用ステンレス鋼の製造方法。 tlow =[175-(5.92 ×Cr)-(3.75 ×Mo)+(7.15 ×Ni)+(157×N)]/0.087 ・・(2) thigh=[195-(5.92 ×Cr)-(3.75 ×Mo)+(7.15 ×Ni)+(157×N)]/0.087 ・・(3) 但し、Cr,Mo,Ni,Nは各元素の鋼中含有量(重量%)を示
    す。
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WO2020260299A1 (en) * 2019-06-24 2020-12-30 Ab Sandvik Materials Technology A laying head pipe

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