JPH0841596A - 耐溶融炭酸塩腐食性に優れた高Al合金鋼 - Google Patents

耐溶融炭酸塩腐食性に優れた高Al合金鋼

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JPH0841596A
JPH0841596A JP6174268A JP17426894A JPH0841596A JP H0841596 A JPH0841596 A JP H0841596A JP 6174268 A JP6174268 A JP 6174268A JP 17426894 A JP17426894 A JP 17426894A JP H0841596 A JPH0841596 A JP H0841596A
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JP
Japan
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corrosion resistance
alloy steel
less
molten carbonate
steel excellent
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JP6174268A
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Norio Ariga
紀夫 有賀
Toru Shimada
透 島田
Katsumi Shomura
克身 正村
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐溶融炭酸塩腐食特性に優れた高Al合金鋼
を得る。 【構成】 重量%にてC:0.1%以下、Si:1%以
下、Mn:1%以下、Cr:15〜25%、Ni:20
〜30%、Al:3〜5%、N:0.04%以下、Ca
+Mg:0.0005〜0.005%を含有し、必要に応
じて、Y,REM,B,Ti,Nb,Ta,Zrを添加
した耐溶融炭酸塩腐食性に優れた高Al合金鋼。 【効果】 溶融炭酸塩型燃料電池のガスシール部材とし
て、耐食性に優れた高Al合金鋼を安価に提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融炭酸塩型燃料電
池のガスシール部等、常に溶融炭酸塩と接触する部品用
材料として好適な、耐溶融炭酸塩腐食性に優れかつ十分
な製造性を有する高Al合金鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池のガスシール部材
は多量の溶融塩と直接に接するため、特に腐食が著し
く、ステンレス鋼も長時間の使用は困難であり、現在は
ステンレス鋼の表面にAl23層を形成するための表面
処理を施した材料が使用されている。しかし、表面処理
という工程が加わるため不経済であり、また、表面処理
層に欠陥があればそこを起点に加速された腐食が生じて
しまうと言う欠点がある。ステンレス鋼の表面にAl2
3層を形成するための他の技術として、合金元素とし
てのAl添加鋼がある。これらには例えば特開平3-2477
40号公報および特開平4-180539号公報に開示された技術
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平3-247740号公報および特開平4-180539号公報に
開示された技術は、いずれも溶融炭酸塩とは異なる環境
での耐食性を考慮して成分設計されているため、溶融炭
酸塩中での耐食性は十分とは言えない。加えて、化学成
分的にミクロ組織を制御するための考慮がなされていな
いため、熱間加工性が不足するという問題がある。
【0004】この発明は、従来技術の上述のような問題
点を解消するためになされたものであり、溶融炭酸塩型
燃料電池のガスシール部に使用しても十分な耐食性を有
し、十分な製造性を持ち、かつステンレス鋼と同程度の
製造原価で製造することのできる溶融炭酸塩型燃料電池
用の合金鋼を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る耐溶融炭
酸塩腐食性に優れた高Al合金鋼は、 (1)重量%にてC:0.1%以下、Si:1%以下、
Mn:1%以下、Cr:15〜25%、Ni:20〜3
0%、Al:3〜5%、N:0.04%以下、Ca+M
g:0.0005〜0.005%、B:0.02%以下
(0%を含む)、Ti、Nb、Ta,Zrの1種類以上
を合計で1%以下(0%を含む)含有するものである。 (2)上記成分に加えて、Yまたは希土類金属の1種類
以上を合計で0.005〜0.05%含有するものであ
る。
【0006】
【作用】この発明の高Al合金鋼の化学成分組成を上述
した範囲内に限定した理由について、以下に述べる。
【0007】Cr:合金鋼の耐溶融塩腐食性を高める作
用がある。しかし、15%未満では所望の効果が得られ
ない。また、25%以上添加するとオーステナイト相が
不安定になるため、15〜25%と限定した。
【0008】Ni:合金鋼の耐溶融塩腐食性を高めると
同時に、オーステナイト相を安定にする作用がある。2
0%未満では所望の効果が得られず、30%を越えると
コストの上昇を招くため、20〜30%に限定した。
【0009】Al:脱酸作用及び耐溶融炭酸塩腐食性の
向上効果がある。3%未満では所望の効果が得られず、
5%を越えると、δフェライト量が増え熱間加工性が悪
化するため、3〜5%に限定した。
【0010】C:脱酸作用及び合金の高温強度を向上さ
せる作用がある。しかし、0.1%を越えても高温強度
の向上効果は飽和すること、また熱間加工性が劣化する
ため、0.1%以下に限定した。
【0011】Si:脱酸剤として添加され、耐酸化性の
向上効果がある。しかし、1%を越えて添加すると、脆
化相の析出をまねくため1%以下に限定した。
【0012】Mn:脱硫及び脱酸作用がある。1%を越
えると使用中の靭性が劣化するため、1%以下に限定し
た。
【0013】N:合金鋼の熱間加工性を劣化させるた
め、0.04%以下とした。
【0014】Ca+Mg:合金鋼の熱間加工性を改善す
ると共に、O、Sを固定し、耐食性を向上させるが、
0.0005%以下では効果がなく、0.005%以上で
は介在物が増加して有害であるため、0.0005〜0.
005%に限定した。
【0015】Y及び希土類元素:合金表面に生成した酸
化保護皮膜の母材に対する密着性を高める作用がある。
Y及び希土類元素の作用には大きな差はないため、Y及
び希土類元素の中から1種類以上を任意に選択してよ
い。しかし含有量が合計0.005%以下では所望の効
果が得られず、0.05%を越えると合金鋼の熱間加工
性が劣化するため、合計で0.005%〜0.05%に限
定した。
【0016】B:粒界の清浄性を良くし、溶融炭酸塩中
の耐粒界腐食性を高める。0.02%を越えると熱間加
工性が劣化するため、0.02%以下と限定した。
【0017】Ti、Nb、Ta,Zr:Cを固定し、溶
融炭酸塩中の耐粒界腐食性を高める。また、合金鋼の表
面に生成する腐食スケールの導電性を向上させる。しか
し、その合計の添加量が1%を越えると、著しく硬化し
靭性が劣化するため、合計の添加量を1%以下に限定し
た。
【0018】なお、P、S等の不純物は通常のステンレ
ス鋼と同程度に制限すればよく、一応の目安は0.03
%以下である。
【0019】
【実施例】耐溶融炭酸塩腐食性を調べるために、浸漬腐
食試験を、熱間加工性を調べるために高温高速引張試験
を行った。
【0020】表1に示す本発明の範囲内の化学成分組成
を有する供試材と、表2に示す少なくともその成分の1
つが本発明の範囲外の化学成分を有する比較のための供
試材を次に述べる方法によって調製した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】各合金鋼を50kg真空溶解し、インゴット
に鋳造して、そこから、高温高速引張試験片を削り出し
た。次いで、得られたインゴットを熱間圧延して厚さ1
2mmの熱間圧延板とした後、1200℃で溶体化熱処理
を施した。そこから、厚さ5mm、縦15mm、横25mmの
寸法の腐食試験片を削り出した。
【0024】1)耐溶融炭酸塩腐食性 浸漬腐食試験 本発明供試材、及び比較用供試材による試験片を、試験
温度650℃、15%O2-30%CO2-55%N2のカソード環境
の雰囲気下と、80%H2-20%CO2のアノード環境の雰囲気
下において、62mol%Li2CO3と38mol%K2CO3との混合塩
40g中に浸漬させ、50時間加熱した。その後、脱ス
ケールを行い、加熱前からの減少量を測定した。このよ
うにして測定された重量減少量によって耐溶融炭酸塩腐
食性を評価した。また、ミクロ組織観察により粒界腐食
深さを観察し、粒界腐食深さが粒径の30%を越えてい
る場合を×、10%未満を○、10%〜30%を△とし
た。
【0025】2)高温高速引張り試験 本発明供試材、及び比較用供試材による試験片を、90
0℃で5分間保持した後、歪速度10sec-1で高速引張り
を行った。材料の熱間加工性は、試験後の絞り値で評価
し、絞り値50%以下の場合、加工性不良と判定した。
【0026】表3にこれらの試験の結果を示す。また、
図1のグラフに合金鋼のAl含有量と腐食減量との関係
を示す。
【0027】
【表3】
【0028】本発明例No.1〜No.20と、比較例No.D 、G
、J 、M ,N,Oはいずれも腐食減量が0.1mg/cm2以下の
良好な耐溶融炭酸塩腐食性を示している。しかし、その
化学組成が本発明の範囲外であるNo.D 、G 、J はAl
の、またNo.M はCaの含有量が多いため熱間加工性に
乏しい。また、Cが高いNo.N,Oは粒界腐食性が劣る。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の高Al合
金鋼は、溶融炭酸塩型燃料電池のガスシール部での耐溶
融炭酸塩腐食性に優れている。また、この発明によれ
ば、材料に表面処理を施す必要がなくなるため、従来品
よりも安価な製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Alの添加量と腐食減量の関係を示したグラフ
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にてC:0.1%以下、Si:1
    %以下、Mn:1%以下、Cr:15〜25%、Ni:
    20〜30%、Al:3〜5%、N:0.04%以下、
    Ca+Mg:0.0005〜0.005%、B:0.02
    %以下(0%を含む)、Ti、Nb、Ta,Zrの1種
    類以上を合計で1%以下(0%を含む)含有することを
    特徴とする耐溶融炭酸塩腐食性に優れた高Al合金鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の成分に加えて、Yまた
    は希土類金属の1種類以上を合計で0.005〜0.05
    %含有することを特徴とする耐溶融炭酸塩腐食性に優れ
    た高Al合金鋼。
JP6174268A 1994-07-26 1994-07-26 耐溶融炭酸塩腐食性に優れた高Al合金鋼 Withdrawn JPH0841596A (ja)

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